JP5170983B2 - 光偏向器、及びそれを用いた光学機器 - Google Patents

光偏向器、及びそれを用いた光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、光偏向器、及びそれを用いた画像形成装置、ディスプレイなどの光学機器に関する。この光偏向器は、例えば、光の偏向走査によって画像を投影するプロジェクションディスプレイや、電子写真プロセスを有するレーザービームプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に好適に利用されるものである。
従来から、光偏向器として、反射面を持つ可動部を正弦振動させて光を偏向する光走査系ないし光走査装置が種々提案されている。ここにおいて、共振現象を利用して正弦振動を行う光偏向器を使用した光走査系は、ポリゴンミラー等の回転多面鏡を使用した光走査光学系に比べて、次の様な特徴がある。すなわち、光偏向器を大幅に小型化することが可能であること、消費電力が少ないこと、特に半導体プロセスによって製造されるSi単結晶からなる光偏向器は理論上金属疲労が無く耐久性にも優れていること、等の特徴がある。
共振現象を利用した光偏向器の一例として、図8に示す様なアクチュエータが存在している(特許文献1参照)。
アクチュエータ100は、第1の質量部1と、第2の質量部2と、支持部3とを有している。第1の質量部1、第2の質量部2及び1対の支持部3は、夫々、例えば、シリコン等で構成されている。アクチュエータ100の第2の質量部2の表面には、光反射部21が設けられている。また、アクチュエータ100は、図8に示す如く、第1の質量部1が支持部3に対して回動可能となる様に、第1の質量部1と支持部3とを連結する1対の第1の弾性連結部4を有している。そして、第2の質量部2が第1の質量部1に対して回動可能となる様に、第1の質量部1と第2の質量部2とを連結する1対の第2の弾性連結部5を有している。尚、6は対向基板である。
この様な2自由度振動型アクチュエータは、第1の質量部1及び第2の質量部2の振幅が大きくなる2つの共振周波数(固有振動モード)と、第1の質量部1の振幅がほぼ0となる1つの反共振周波数(固有振動モード)とを有している。上記の様な構成のアクチュエータにおいて、2つの共振周波数のうちの低い方のもので駆動することにより、第1の質量部1の振幅を抑制しつつ、第2の質量部2の変位角(回転角度)を大きくできる。
また、共振現象を利用した光偏向器の中で、2つ以上のねじり振動方向の固有振動モードを同時に励起させて、正弦波状の光走査以外の光走査を行う技術がある(特許文献2参照)。
図9は、この光偏向器を説明するための上面図である。平板状の可動部1001は、図9中の上下を2本のねじりバネ1011a、1011bで支持されている。枠形状の可動部1002は、その内側にねじりバネ1011a、1011bを支持しており、図9中の上下を2本のねじりバネ1012a、1012bで支持されている。枠形状の支持枠1021は、その内側においてねじりバネ1012a、1012bを支持している。可動部1001、1002及びねじりバネ1011、1012は、2つの固有振動モードを有し、それらの周波数比は1:2の関係にある。これらの2つのモードを同時に励起することにより、鋸波状の振動で光偏向器を駆動して、角速度の変動が少ない光走査を行うことができる。尚、1000はプレート部材、1041は永久磁石である。
特開2005−099760号公報 特開2005−208578号公報
レーザービームプリンタ等の電子写真プロセスにおいては、レーザー光を感光体上で走査することによって画像を形成する。複数の可動部と複数のねじりバネを有する光偏向器を用いて、大きな変位角で光走査する場合、複数の固有振動モードを所望の関係にして、且つ、変位角が安定していることが望ましい。しかし、複数の可動部と複数のねじりバネを有する光偏向器では、加工精度ばらつき等により、複数の固有振動モードは所望の関係にはなり難い。従って、光偏向器の複数の固有振動モードを所望の関係に調整可能な構造にする必要がある。ただし、そのような構成にすると、光偏向器の変位角を大きくする場合、空気抵抗等により、変位角を安定させることは容易ではない。
上記課題に鑑み、本発明の光を偏向走査する光偏向器は、支持体と、第1の可動部と、少なくとも1つの第2の可動部と、少なくとも1つの第1のねじりバネと、少なくとも1つの第2のねじりバネと、駆動手段を有する。第1の可動部は、反射面などの光偏向素子を有する。駆動手段は、第1の可動部と第2の可動部を駆動するための手段であり、例えば、第1の可動部と第2の可動部のうちの少なくとも1つにトルクを印加して共振駆動させる。第1の可動部は、第2の可動部に、第1のねじりバネで揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持され、第2の可動部は、支持体に、第2のねじりバネで前記揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持される。前記揺動軸に対する(すなわち、その回りの)第2の可動部の慣性モーメントは、前記揺動軸に対する第1の可動部の慣性モーメントの4倍以上である。そして、第2の可動部の前記揺動軸に垂直な方向の長さは、第1の可動部の前記揺動軸に垂直な方向の長さと同じ或いはそれより短く、第2の可動部の揺動軸に平行な方向の長さが、第1の可動部の揺動軸に平行な方向の長さと同じ或いはそれより短い。さらに、当該光偏向器は、周波数が互いに異なる第1の固有振動モードと第2の固有振動モードとを少なくとも有し、第2の固有振動モードの周波数は第1の固有振動モードの周波数の略2倍又は略3倍である。
また、上記課題に鑑み、本発明のディスプレイやプリンタなどの光学機器は、光源と、上記光偏向器と、感光体または画像表示体を有し、光偏向器は、光源からの光を偏向し、該光の少なくとも一部を感光体または画像表示体上に入射させることを特徴とする。
本発明によれば、上記の如き第2の可動部の慣性モーメントや前記揺動軸に垂直な方向の長さの設定により、光偏向器の複数の固有振動モードを所望の関係に調整しやすく、且つ、変位角が比較的大きい場合でも変位角が比較的安定した光偏向器を実現できる。また、こうした光偏向器を用いる光学機器では、大きな変位角であっても、安定した変位角を実現することができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。本発明の光偏向器の一実施形態について図1を用いて説明する。図1(a)は、本実施形態の光偏向器の上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−B断面図である。本実施形態の光偏向器は、支持体101と、光偏向素子である反射面107を有する第1の可動部102と、第2の可動部120と、支持体101と第1の可動部102と第2の可動部120とを揺動軸104回りに弾性的に連結するねじりバネ105、106を有する。ここでは、第2の可動部120は、本体部103と、その上面に設置された質量調整用の金属などの質量調整体109と、その下面に設置された磁石(硬磁性体)108を有する。第1の可動部102は、第2の可動部120に、第1のねじりバネ105で揺動軸104を中心にねじり振動可能に弾性支持され、第2の可動部120は、支持体101に、第2のねじりバネ106で揺動軸104を中心にねじり振動可能に弾性支持される。支持体101は、スペーサ112を介して固定基板111に固定されている。
更に、本実施形態の光偏向器は、第1の可動部102と第2の可動部120を駆動するための駆動手段と、駆動手段を制御する駆動制御手段を有する。典型的には、駆動手段は、第1の可動部102と第2の可動部120の少なくとも一方にトルクを印加してこれらを共振駆動させる手段である。ここでは、駆動手段は、第2の可動部120にトルクを印加して第1の可動部102と第2の可動部120を共振駆動させる磁石108とコイル110を有する。磁石108は第2の可動部120に設置され、コイル110は固定基板110に設置されている。駆動制御手段は、例えば、駆動信号に基づいた駆動電流を駆動手段のコイル110に供給する駆動制御回路である。駆動手段としては、ここで用いる電磁方式のものの他に、静電方式、ピエゾ方式等のものを用いることもできる。
本実施形態の光偏向器は、周波数が異なる2つのねじりの固有振動モードを有している。駆動制御手段と駆動手段108、110を用いて、これら2つのねじりの固有振動モード(1次の固有振動モードと2次の固有振動モード)を同時或いは個別に励起する。これによって、第1の可動部102と第2の可動部120を支持体101に対して相対的に大きな変位角で、揺動軸104回りにねじり共振駆動させることができる。2つのねじりの固有振動モードを同時に励起する場合は、正弦波の重ね合わせの振動で本実施形態の光偏向器を駆動することができる。
本発明の光偏向器の特徴は、揺動軸104に対する第2の可動部120の慣性モーメントI2が、揺動軸104に対する第1の可動部の慣性モーメントI1より大きいことである。更に、第2の可動部120の揺動軸104に垂直な方向の長さ122が、第1の可動部102の揺動軸104に垂直な方向の長さ121と同じ或いはこれより短いことである。ここで、第1の可動部102或いは第2の可動部120の形状が長方形(正方形を含む)ではない場合、揺動軸104に垂直な方向の長さとは、揺動軸104に垂直であって、揺動軸104から最も離れた箇所の位置までの長さのことである。
本実施形態の作用・動作を説明する。本発明の光偏向器では、揺動軸104に対する第2の可動部120(支持体101に連結される方)の慣性モーメントI2を、揺動軸104に対する第1の可動部102(第2の可動部120に連結される方)の慣性モーメントI1より大きくしている。こうすることによって、2つのねじりの固有振動モードを所望の関係に調整することが容易となる。
例えば、第1の可動部102と第2の可動部120の慣性モーメントがI1>I2の関係である場合、慣性モーメントI1を変化させると、2つの固有振動モードの両方が大きく変化してしまう。また、慣性モーメントI2を変化させても、2つの固有振動モードの両方が大きく変化してしまう。従って、2つのねじりの固有振動モードを個別に調整することは困難となる。一方、第1の可動部102と第2の可動部120の慣性モーメントについてI2がI1より一定程度以上充分に大きい関係である場合、慣性モーメントI1或いはI2を変化させると、光偏向器の1次の固有振動モード或いは2次の固有振動モードのどちらかをより大きい変化率で変化させることができる。好ましくは、I2がI1の4倍以上であるのがよい。
従って、光偏向器を作製した際の形状ばらつきなどにより、2つのねじりの固有振動モードが所望の関係にない場合でも、慣性モーメントI1とI2の少なくとも一方を調整することで、2つのねじりの固有振動モードを所望の周波数の関係に調整できる。
第1の可動部102や第2の可動部120などを含む振動系の加工公差等の誤差要因により、固有振動モードの周波数f1、f2が目標周波数からずれている場合でも、上記慣性モーメントの関係によって、良好に2つの周波数f1、f2が調整可能となる理由を説明する。
上記慣性モーメントの関係を満たす本実施形態の振動系は、揺動軸104回りの1次と2次の固有振動モードの周波数f1、f2が式1の関係で近似できる。ここで、第1の可動部102の慣性モーメントをI1、第2の可動部120の慣性モーメントをI2、第1のねじりバネ105、第2のねじりバネ106のねじりバネ定数を夫々K1、K2とする。また、右辺の複号については、f1の場合にはマイナス記号を選択し、f2の場合にはプラス記号を選択する。
Figure 0005170983
式1によれば、I1とI2の差があまり存在しない場合、I1、I2の増減に応じて周波数f1、f2のいずれもが変化する様になる。従って、周波数f1、f2を夫々所望の周波数へ調整するために、I1、I2の増減量を大きくしなければならなくなるか、または、周波数を所望の値へ調整することが困難となる。
一方、式1において、f 2 がf 1 の略2倍又は略3倍であり、I1<<I2の場合(例えば、I2がI1の4倍以上)、2つの動部の慣性モーメントI1、I2を夫々調整した場合の周波数f1、f2の変化は、I1の増減では周波数f2がより大きい変化率で変化し、I2の増減では周波数f1がより大きい変化率で変化する性質を有している。そして、I1の増減による周波数f1の変化率は周波数f2の変化率に対して小さくなり、I2の増減による周波数f2の変化率は周波数f1の変化率に対して小さくなる。
本実施形態の振動系は、上記の様な振動系に特有の性質に鑑みて、第2の可動部120のみに永久磁石108と質量調整体109を設置することにより、走査安定性を向上させながら、I1<<I2の関係とすることを可能にしている。特に、第2の可動部120のみに磁石110を設置することにより、トルク発生源として利用しながら、磁石の質量をI1<<I2とするための慣性モーメントとしても利用できる。
本実施形態の振動系では、例えば、レーザー光を照射して第1の可動部102や質量調整体109の一部を除去し、I1、I2の適切な量を減ずることで、周波数f1、f2を所望の関係(後述の式2や式4に示す関係)へ調整している。従って、固有振動モードの周波数が所望値からずれている場合でも、適切に対処できることになる。この場合、駆動周波数を掃引して振動系の振幅を測定すれば、固有振動モードの周波数f1、f2の目標値からのずれを測定することができる。この値から、必要な調整量δI1、δI2を式1の関係式から算出し、例えば、レーザー光により第1の可動部102や質量調整体109の一部を除去することで周波数f1、f2を調整できる。
特に、調整量δI2については、第2の可動部120へ慣性モーメントを付与する部分を磁石108と質量調整体109に分けることにより、第2の可動部120自体の一部を除去する場合と比べ、レーザー加工で除去する体積あたりの調整量δI2を大きくできる。従って、レーザー加工による固有振動モードの周波数調整を高速に行うことができ、安価に製造可能となる。また、除去体積あたりの調整量δI2が大きいため、第2の可動部120の幅が小さくても周波数調整の範囲を大きくすることが可能となる。この特性により、走査安定性が良好となるばかりでなく、振動系を小型とできるため、単結晶シリコン基板から半導体製造方法で作製する場合、更に安価に製造可能となる。
ところで、慣性モーメントI2を大きくするために、第2の可動部120の揺動軸104に垂直な方向の長さ122を第1の可動部102の揺動軸に垂直な方向の長さ121より長くすると、第2の可動部120の受ける空気抵抗が大きくなる。そこで、第2の可動部120の揺動軸104に垂直な方向の長さを第1の可動部102の揺動軸104に垂直な方向の長さより短くする。これによって、空気抵抗が低減し、変位角の安定性が向上する。こうして、大きな変位角で光偏向器を駆動する場合でも、安定した変位角を実現することができる。
また、第2の可動部120の慣性モーメントを大きくすることによって、固有振動モードの振幅増幅率(共振の鋭さQ値)を向上させることができる。慣性モーメントを大きくして振幅増幅率を向上させ、振動エネルギーの分散を抑制することによって、変位角の安定性を向上することができる。従って、大きな変位角で光偏向器を駆動する場合でも、安定した変位角を実現できる。
また、本実施形態による光偏向器は、第2の可動部120の揺動軸104に平行な方向の長さを第1の可動部102の揺動軸104に平行な方向の長さと同じ或いはこれより短い構成とすることもできる。この構成では、ねじり振動する時の第2の可動部120の空気抵抗を更に減らせるので、変位角の安定性を向上させることができる。
また、本実施形態による光偏向器は、第2の可動部120を第1の可動部102より厚くすることもできる。この構成により、容易に第1の可動部102と第2の可動部120との慣性モーメントの関係をI1<I2にすることができる。
また、本実施形態による光偏向器は、支持体101と複数のねじりバネの一本とが連結されている構成とすることもできる。この構成により、支持体101を固定した際の応力或いは熱応力等により支持部101に不要な力が働いて支持部101の固定箇所がたとえ変形しても、第1の可動部102及び第2の可動部120には応力が殆ど作用しないことになる。従って、反射面107の平面度(面精度)の低下を防止することができる。特に、第2の可動部120が1つの場合、空気抵抗が小さいので変位角の安定性を向上させられるとともに、小型の光偏向器を提供することができる。
また、本実施形態による光偏向器は、第1の可動部と2つ以上の第2の可動部とが、複数のねじりバネの両端部において、支持体に連結される構成とすることもできる。この構成では、両端支持である(ねじりバネの二箇所が固定されている)ため、ねじり振動する時のねじり振動以外の不要な振動を、より抑えることができる。特に、ねじり振動する時のねじり振動以外の不要な振動が起こりやすい慣性モーメントの大きな可動部を有する光偏向器でも、不要な振動を抑えることができる。
また、本実施形態の光偏向器は、第1の可動部102を単一の部材ないし材料で構成することもできる。この構成では、反射面107を有する第1の可動部102が単一の部材で構成されているので、反射面107の変形をより確実に防止することができる。
また、本実施形態による光偏向器は、第2の可動部120を、上述した如く、複数の部材で構成することもできる。この構成では、第2の可動部120が慣性モーメントの大きな部材(質量調整体109や磁石108)を含むことによって、容易に第2の可動部120の慣性モーメントを大きくできる。従って、第1の可動部102と第2の可動部120との慣性モーメントの関係を容易にI1<I2にすることができる(後述する実施例1参照)。
また、本実施形態による光偏向器は、第2の可動部120が、揺動軸104を挟んで対向した位置に、上記複数の部材を有する様にもできる。例えば、図1に示す如く、第2の可動部120の平面部の法線方向に沿って且つ揺動軸104を挟んだ位置に、金属の部材等を配置した場合、第2の可動部120の慣性モーメントを非常に大きくすることができる。また、例えば、第2の可動部の平面部に平行であり且つ揺動軸104を挟んだ位置に金属の部材等を配置した場合でも、第2の可動部の慣性モーメントを非常に大きくすることができる。従って、これらの構成により、第2の可動部の慣性モーメントI2を更に容易に大きくすることができる。
また、本実施形態による光偏向器は、第2の可動部120の重心が揺動軸104上にある構成にすることもできる。この構成によって、ねじり振動する時のねじり振動以外の不要な振動をより確実に抑えることができる(後述する実施例3参照)。特に、ねじり振動する時のねじり振動以外の不要な振動が起こりやすい慣性モーメントの大きな可動部を有する光偏向器でも、不要な振動を抑えることができる。
また、本実施形態による光偏向器は、上記複数の部材の少なくとも1つが金属である構成ともできる。この構成では、第2の可動部120が比重の大きい金属を有しているので、容易に第2の可動部120の慣性モーメントを大きくすることができる。従って、第1の可動部と第2の可動部との慣性モーメントの関係を容易にI1<I2にできる。
また、本実施形態による光偏向器は、上述した様に、前記複数の部材の少なくとも1つが硬磁性体108である様にもできる。この構成によって、第2の可動部120の慣性モーメントを大きくするとともに、駆動手段が電磁力を利用するものである場合、僅かな電流で大きな駆動力を発生させることができる。よって、消費電力を小さくすることができる。
また、本実施形態による光偏向器は、第1の可動部と第2の可動部と複数のねじりバネと支持体を単結晶シリコンで一体的に形成することもできる。この構成の場合、半導体製造プロセスを利用したマイクロマシニング技術により、一括加工できる。従って、高い加工精度で光偏向器を作製することが可能となる。
また、本実施形態による光偏向器は、周波数が異なる少なくとも2つの固有振動モードを有し、第1の可動部102を揺動軸104回りに少なくとも2つの前記固有振動モードで、同時にねじり振動させることもできる。これによって、正弦波の重ね合わせの振動で光偏向器を駆動することができる。
また、本実施形態による光偏向器は、2つの異なる前記固有振動モードの一方の周波数が他方の周波数の略2倍(或いは3倍)である様にもできる。こうした場合、第2の可動部の慣性モーメントI2は、第1の可動部の慣性モーメントI1の1.8倍以上が望ましい。これによって、鋸波状(或いは三角波状)の振動で光偏向器の第1の可動部を駆動することができる(後述する実施例1参照)。
また、本実施形態による光偏向器は、揺動軸104に垂直な平面をとったときに、第1の可動部と第2の可動部のうちの少なくとも一方が、複数箇所で前記平面と交差する様な形状を有する様にもできる(後述する実施例3中の説明参照)。これにより、比較的小さい面積でも可動部の慣性モーメントを比較的大きくできる。また、質量の調整を容易にできて、慣性モーメントの調整が比較的容易にできることになる。
以下、より具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1を説明する。実施例1は上記実施形態に対応する例である。図1は、実施例1の光偏向器の構成を示す。図1(a)は本実施例の光偏向器の上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−B断面図である。本実施例の光偏向器は、支持体101と、反射面107を有する第1の可動部102と、第2の可動部120と、支持体101と第1の可動部102と第2の可動部120とを揺動軸104回りに弾性的に連結するねじりバネ105、106を有する。更に、本光偏向器は、第2の可動部120にトルクを印加して第1の可動部102と第2の可動部120を共振駆動する駆動手段と、駆動手段を制御する駆動制御手段とを有する。駆動手段は、第2の可動部120に設置された磁石108と固定基板111上のコイルとを有する。
第1の可動部102は、揺動軸104に垂直な方向の長さ121が3mm、平行方向のサイズが1mmであり、第2の可動部120は、揺動軸104に垂直な方向の長さ122が2.8mm、平行方向のサイズが1.5mmである。支持体101と、第1の可動部102と第2の可動部120のシリコン部(本体部)103と、ねじりバネ105、106は、単結晶シリコン基板から、半導体製造方法のフォトリソグラフィとドライエッチングにより一体形成されている。従って、加工精度が高く、小型の光偏向器を形成することが可能となる。
第1の可動部102上の反射面107の材料はアルミニウムであり、真空蒸着により形成されている。勿論、反射面107は、別の材質、例えば金、銅等でもよく、最表面に保護膜を形成してもよい。また、第2の可動部120は、シリコン部103と硬磁性体108と銅の部材(質量調整体)109を有している。
本実施例の駆動原理について説明する。硬磁性体108は、揺動軸104に垂直な方向に磁化されている。また、本実施例の光偏向器は、周波数が異なる2つのねじりの固有振動モード(f1とf2)を有している。駆動制御手段と駆動手段を用いて、コイル110に交流電流を通電して硬磁性体108に電磁力を作用させることにより、これら2つのねじりの固有振動モードを同時に励起する。これによって、第1の可動部102と第2の可動部120を支持体101に対して相対的に大きな変位角で、揺動軸104回りにねじり共振駆動させることができる。
本実施例の光偏向器の鋸波状の振動の駆動原理を更に詳細に説明する。本実施例の光偏向器の振動系は、揺動軸104を中心としたねじり振動について、周波数f1の1次の固有振動モードと基準周波数の略2倍の周波数となるf2の2次の固有振動モードを有している。この振動系は、ねじり振動について2自由度振動系として扱うことができる。
一方、応用の仕様から決定される目標駆動周波数である基準周波数f0とその2倍の周波数2f0との合成駆動信号によって、固定コイル110は振動系を駆動する。基準周波数f0と固有モード周波数f1、f2は以下に示す関係を有しており、本実施例の光偏向器は、固有振動モードの高い動倍率(振幅増幅率)を利用して、正弦波合成駆動を低消費電力で行う。
特に、固有モード周波数f1は、基準周波数f0の付近に設計される。ここで、1次と2次の固有振動モードのモード減衰比(動倍率の周波数特性曲線における固有モード周波数でのピークのシャープさを表し、ほぼ1/2Qに等しい)をγ1、γ2とすると、その範囲は以下の様になっている。
Figure 0005170983
更に、本明細書では、周波数f1、f2の周波数比について離調度Δを次の様に定義し、略整数倍と称する範囲を設定する。離調度Δは、振動系の周波数f1、f2がN倍であることの指標としてΔ=N(f1/f2)と定義する。例えば、本明細書で“略2倍”とは次の式3の範囲を称する。
Figure 0005170983
加えて、本実施例では、周波数比は以下の範囲となっている。
Figure 0005170983
本実施例の振動系は、γ1が0.001、γ2が0.00025程度である。そして、本実施例では、固定コイル110により、f0、2f0の振動が2つの固有振動モードのピーク付近で励起され振動系が駆動される。特に、式2の範囲の場合、正弦波合成駆動の消費電力の主成分となる周波数f0の振動について、1次の固有振動モードの動倍率(振幅増幅率)が高い範囲を利用できるため、光偏向器を低消費電力とできる。
更に、駆動の様子を詳しく説明する。図2は、横軸を時間tとして、第1の可動部102の周波数f0のねじり振動の変位角を説明する図である(本明細書においては、可動部の往復振動の変位角と、光偏向器によって偏向走査される光の変位角とは定数分が異なるのみであるので、等価的に扱う)。図2は、特に第1の可動部102のねじり振動の1周期T0に相当する部分を示している(−T0/2<X<T0/2)。
曲線61は、固定コイル110に通電する駆動信号のうち、基準周波数f0の成分を示しており、最大振幅±φ1の範囲で往復振動し、時間t、角周波数w0=2πf0として、次の式5で表される正弦振動である。
θ1=φ1sin[w0t] (式5)
一方、曲線62は、基準周波数f0の2倍の周波数成分を示しており、最大振幅±φ2の範囲で振動し、次の式6で表される正弦振動である。
θ2=φ2sin[2w0t] (式6)
曲線63は、この様な駆動の結果生じる第1の可動部102のねじり振動の変位角を示している。光偏向器は、前述の様に基準周波数f0とその2倍の2f0付近に調整された周波数f1の固有振動モードと周波数f2の2次の固有振動モードを揺動軸104中心のねじり振動について有している。そのため、光偏向器には、上記θ1、θ2の駆動信号に励起された共振が夫々生じる。つまり、曲線63の第1の可動部102の変位角は、2つの正弦振動の重ね合わせの振動となり、次の式7で表される鋸波状の振動となる。
θ=θ1+θ2=φ1sin[w0t]+φ2sin[2w0t] (式7)
図3は、図2の曲線61、63、直線64を微分した曲線61a、63a、直線64aを示しており、これらの曲線の角速度を説明している。基準周波数f0の正弦振動の角速度である曲線61aと比べ、第1の可動部102の鋸波状の往復振動の角速度を示す曲線63aは、区間N−N’において、極大点の角速度V1、極小点の角速度V2を最大・最小とする範囲に角速度が収まっている。従って、光偏向器による光の偏向走査を利用する応用において、等角速度走査である直線64aからの角速度の許容誤差以内にV1、V2が存在するならば、区間N−N’は実質的な等角度走査とみなすことができる。
この様に、鋸波状の往復振動によって、偏向走査の角速度は、変位角が正弦波であったときと比べ、実質的な等角速度となる領域を広く設定できるため、偏向走査の全域に対する利用可能な領域を大きくできる。更に、この鋸波状の駆動により、毎回の走査線が等間隔となるため、プリンタなどの応用において好適となる。
以上では、f1とf2の固有振動モードの周波数が略2倍の関係を有すると説明したが、略3倍とすることもできる。その場合、上記2つの周波数の関係が2倍であった場合と同様に正弦波の重ね合わせの振動により、三角波状の振動となる。これによれば、光走査の往復利用が可能になるため、利用できる或る周波数における走査線の数を2倍とできる。
本実施例の様な駆動を行う場合、複数の固有振動モードを所望の関係に調整して、且つ、変位角を安定させなければならない。本実施例の光偏向器の様に、揺動軸104に対する第2の可動部120の慣性モーメントI2を揺動軸104に対する第1の可動部102の慣性モーメントI1より大きくすることによって、2つのねじりの固有振動数を所望の関係に調整することが容易となる。これについては、上記実施形態のところで説明した通りである。従って、ここでも、光偏向器を作製した際の形状ばらつきなどにより、2つのねじりの固有振動モードが所望の関係にない場合でも、慣性モーメントI1、I2を調整することにより、2つのねじりの固有振動モードを所望の周波数の関係に調整することができる。
また、慣性モーメントI2を大きくすることによって、固有振動モードの振幅増幅率(共振の鋭さQ値)を向上させることができる。慣性モーメントを大きくして、振幅増幅率を向上し、振動エネルギーの分散を抑制することによって、変位角の安定性を向上させることができる。
更に、本実施例の光偏向器では、第2の可動部120の揺動軸104に垂直な方向の長さ122を第1の可動部102の揺動軸104に垂直な方向の長さ121より短くすることによって、空気抵抗が低減し、変位角の安定性が更に向上する。
また、本実施例の光偏向器では、第2の可動部120が複数の部材(シリコン部103と硬磁性体108と銅の部材109)で構成される一方、反射面107を有する第1の可動部102が単一の部材で形成されている。従って、シリコン部103に硬磁性体108と銅の部材109を接着固定した際に第2の可動部120が変形しても、第1の可動部102上の反射面107は変形しないので、走査スポットの劣化を防止できる。
(実施例2)
次に、実施例2の光偏向器を説明する。本実施例の構成を図4を用いて説明する。図4(a)は、本実施例の光偏向器の上面図であり、図4(b)は図4(a)のA−B断面図である。実施例2の光偏向器の構成は、実施例1の光偏向器と略同様である。本実施例では、2つの第2の可動部220a、220bを有し、反射面207を持つ第1の可動部202と第2の可動部220a、220bとを揺動軸204回りに弾性的に連結するねじりバネ205a、205b、206a、206bを有する。また、第2の可動部220a、220bは、夫々、シリコン部203a、203b及び薄膜状の永久磁石208a、208bを有する。
本実施例の光偏向器の特徴は、第2の可動部220a、220bが第1の可動部202より厚いことである。また、第2の可動部220a、220bのシリコン部203a、203bが第1の可動部202より厚いことである。第1の可動部202の厚さは100μmであり、第2の可動部203a、203bの厚さは、夫々、200μmである。
支持体201a、202bと、第1の可動部202と、第2の可動部220a、220bのシリコン部203a、203bと、ねじりバネバネ205a、205b、206a、206bは、単結晶シリコン基板により一体形成されている。従って、加工精度が高く、小型の光偏向器を形成することが可能となる。これらは、単結晶シリコン基板の両面に、半導体製造方法のフォトリソグラフィとドライエッチングを施すことにより作製できる。また、薄膜状の永久磁石208a、208bは、SmCo(サマリウムコバルト)等の希土類系の永久磁石であり、スパッタリング等により形成されている。
本実施例の光偏向器では、上記の如く、第2の可動部220a、220bのシリコン部203a、203bが第1の可動部202より厚い。従って、第2の可動部220a、220bに慣性モーメントの大きな金属部材等を取り付けることなく、第1の可動部202の慣性モーメントより第2の可動部220a、220bの慣性モーメントを容易に大きくすることができる。こうして、複数のねじりの固有振動数を所望の関係に調整することが容易となる。
更に、本実施例でも、図4に示す如く、第2の可動部220a、220bの揺動軸204に垂直な方向の長さ222a、222bが第1の可動部202の揺動軸204に垂直な方向の長さ221より短いので、空気抵抗が低減し、変位角の安定性が向上する。また、本実施例の構成では、可動部が両端支持の形態であるため、ねじり振動する時のねじり振動以外の不要な振動を、より抑えることができる。
(実施例3)
実施例3の光偏向器について図5を用いて説明する。図5(a)は、本実施例の光偏向器の上面図であり、図5(b)は図5(a)のA−B断面図である。実施例3の光偏向器の構成も、実施例1の光偏向器と略同様である。本実施例が実施例1と異なる点は、支持体301にねじりバネ306で弾性的に連結される第2の可動部320がシリコン部303と硬磁性体308a、308bを有することである。硬磁性体308a、308bは、Fe−Cr−Co磁石である。
本実施例の光偏向器の第2の可動部320は、揺動軸304を挟んで対向する位置に複数の硬磁性体308a、308bを有している。硬磁性体308a、308bは、比重の大きいFe−Cr−Coである。従って、第2の可動部320の慣性モーメントを容易に大きくすることができる。
また、本実施例では、上記の如き位置に複数の硬磁性体308a、308bを有しているので、第2の可動部320の重心位置を容易に揺動軸304と一致させることができる。従って、ねじり振動する時のねじり振動以外の不要な振動を、より抑えることができる。
更に、第2の可動部320の慣性モーメントを大きくするための部材308a、308bが硬磁性体であるため、光偏向器を駆動させるために必要な駆動手段のコイルに印加する電流を少なくすることができる。従って、低消費電力駆動の光偏向器を提供することが可能となる。
更に、第2の可動部320の揺動軸304に垂直な方向の長さ322が、第2の可動部320にねじりバネ305で弾性的に連結される第1の可動部302の揺動軸304に垂直な方向の長さ321より短いので、空気抵抗が低減し、変位角の安定性が向上する。
ところで、揺動軸304に垂直な平面をとったときに、第1の可動部302と第2の可動部320のうちの少なくとも一方が、複数箇所で前記平面と交差する形状を有する様にもできる。その例として、図5に細い破線で示す様な突出部を可動部の外端部に設ける形態がある。或いは、揺動軸304から離れるに従って揺動軸304に平行な方向の長さが増大する様な糸巻き形状を、可動部に持たせる形態などでもよい。こうすれば、揺動軸304の回りの慣性モーメントを容易に大きくできる。また、可動部の質量を調整する際には、外端部の突出部などの部分を除去することで、効率的に質量調整を実行できる。こうした形態は、他の実施例でも採用できる。
(実施例4)
次に、実施例4の光偏向器について図6を用いて説明する。図6(a)は、本実施例の光偏向器の上面図であり、図6(b)は図6(a)のA−B断面図である。実施例4の光偏向器の構成は、実施例1の光偏向器と略同様である。本実施例が実施例1と異なる第1の点は、支持体401にねじりバネ406で弾性的に連結される第2の可動部420がシリコン部403とFe−Cr−Co磁石の硬磁性体408a、408bを有することである。
従って、本実施例の光偏向器でも、第1の可動部402がねじりバネ405で弾性的に連結された第2の可動部420の慣性モーメントを容易に大きくすることができる。また、本実施例でも、揺動軸404を挟んで対向する位置に複数の硬磁性体408a、408bを有しているので、第2の可動部420の重心位置を容易に揺動軸404と一致させられる。よって、ねじり振動する時のねじり振動以外の不要な振動を抑えることができる。更に、光偏向器を駆動させるために必要な駆動手段に印加する電流を少なくすることができるので、低消費電力駆動の光偏向器を提供することが可能となる。
更に、本実施例が実施例1と異なる第2の点は、次の点である。第2の可動部420の揺動軸404に垂直な方向の長さ422が第1の可動部402の揺動軸404に垂直な方向の長さ421より短いと共に、第2の可動部420の揺動軸404に平行な方向の長さ424も第1の可動部402の揺動軸404に平行な方向の長さ423より短い。従って、更に空気抵抗が低減し、変位角の安定性が向上する。
(実施例5)
図7は、本発明の光偏向器を用いた光学機器の実施例を示す概略斜視図である。ここでは、光学機器として画像形成装置を示している。図7において、503は本発明の光偏向器であり、本実施例では入射光を1次元に走査する。501はレーザー光源である。502はレンズ或いはレンズ群であり、504は書き込みレンズ或いはレンズ群、505はドラム状の感光体である。506は走査軌跡である。
レーザー光源501から射出されたレーザー光は、光の偏向走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けている。この強度変調光は、レンズ或いはレンズ群502を通って、光走査系(光偏向器)503により1次元的に走査される。この走査されたレーザー光は、書き込みレンズ或いはレンズ群504により、感光体505上に画像を形成する。
走査方向と直角な方向に回転軸の回りに回転される感光体505は、図示しない帯電器により一様に帯電されており、この上に光を走査することによりその走査部分に静電潜像が形成される。次に、図示しない現像器により静電潜像の画像部分にトナー像が形成され、これを、例えば、図示しない用紙に転写・定着することで用紙上に画像が形成される。
本発明の光偏向器503を用いることにより、光の偏向走査の角速度を感光体505上の仕様範囲内で略等角速度とできる。更に、本発明の光偏向器503を用いることにより、安定な画像形成装置とできて、鮮明な画像を生成できる。
(a)は本発明の実施形態の光偏向器及び実施例1の光偏向器を説明する上面図であり、(b)は同断面図である。 本発明の実施例1の光偏向器によって偏向走査される光の変位角を示す図である。 本発明の実施例1の光偏向器によって偏向走査される光の角速度を示す図である。 (a)は本発明の実施例2の光偏向器を説明する上面図であり、(b)は同断面図である。 (a)は本発明の実施例3の光偏向器を説明する上面図であり、(b)は同断面図である。 (a)は本発明の実施例4の光偏向器を説明する上面図であり、(b)は同断面図である。 本発明の実施例5の光学機器を説明するための斜視図である。 従来技術のアクチュエータを説明する上面図である。 他の従来技術の揺動体装置を説明する上面図である。
符号の説明
101、201a、201b、301、401 支持部
102、202、302、402、第1の可動部
103、203a、203b、303、403 シリコン部(本体部)
104、204、304、404 揺動軸
105、106、205a、205b、206a、206b、305、306、405、406 ねじりバネ
107、207、307、407 光偏向素子(反射面)
108、208a、208b、308a、308b、408a、408b 駆動手段または質量調整体(硬磁性体)
109 質量調整体(金属部材)
110 駆動手段(コイル)
120、220a、220b、320、420 第2の可動部
501 光源(レーザー光源)
503 光偏向器(光走査系)
505 感光体

Claims (9)

  1. 光を偏向走査する光偏向器であって、
    支持体と、光偏向素子を有する第1の可動部と、少なくとも1つの第2の可動部と、少なくとも1つの第1のねじりバネと、少なくとも1つの第2のねじりバネと、前記第1の可動部と前記第2の可動部を駆動するための駆動手段と、を有し、
    前記第1の可動部は、前記第2の可動部に、前記第1のねじりバネで揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持され、
    前記第2の可動部は、前記支持体に、前記第2のねじりバネで前記揺動軸を中心にねじり振動可能に弾性支持され、
    前記揺動軸に対する前記第2の可動部の慣性モーメントが、前記揺動軸に対する前記第1の可動部の慣性モーメントの4倍以上であり、
    前記第2の可動部の前記揺動軸に垂直な方向の長さが、前記第1の可動部の前記揺動軸に垂直な方向の長さと同じ或いはそれより短く、
    前記第2の可動部の揺動軸に平行な方向の長さが、前記第1の可動部の揺動軸に平行な方向の長さと同じ或いはそれより短く、
    当該光偏向器は、周波数が互いに異なる第1の固有振動モードと第2の固有振動モードとを少なくとも有し、
    前記第2の固有振動モードの周波数は前記第1の固有振動モードの周波数の略2倍又は略3倍である
    ことを特徴とする光偏向器。
  2. 前記第2の可動部が前記第1の可動部より厚い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. 前記第2の可動部が複数の部材を含む、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光偏向器。
  4. 前記第2の可動部は、前記揺動軸を挟んで対向した位置に前記複数の部材を有している、
    ことを特徴とする請求項3に記載の光偏向器。
  5. 前記第2の可動部の重心が前記揺動軸上にある、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光偏向器。
  6. 前記第1の可動部と前記第2の可動部と前記第1のねじりバネと前記第2のねじりバネと前記支持体が単結晶シリコンで一体的に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光偏向器。
  7. 前記駆動手段は、前記第1の可動部を前記揺動軸回りに少なくとも前記第1及び第2の固有振動モードで同時にねじり共振振動させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光偏向器。
  8. 前記揺動軸に垂直な平面をとったときに、前記第1の可動部と前記第2の可動部のうちの少なくとも一方は、複数箇所で前記平面と交差する様な形状を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光偏向器。
  9. 光源と、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光偏向器と、感光体または画像表示体を有し、前記光偏向器は、前記光源からの光を偏向し、該光の少なくとも一部を前記感光体または前記画像表示体上に入射させる、
    ことを特徴とする光学機器。
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