JP2005024721A - 偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

偏向ミラー、光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】動的に発生するミラー面のうねりを抑え、平面性を確保することで、被走査面において良好な結像性能が得られるようにした偏向ミラーを提供する。
【解決手段】本発明は、光ビームを偏向する可動ミラー201と、可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁108と、可動ミラーを揺動する回転力を発生するミラー揺動手段とを有する偏向ミラーにおいて、ミラー揺動手段を可動ミラーと回転軸方向に隣接して備え、可動ミラーの回転軸心からの距離をr’、可動ミラー幅(両翼)をAとすると、r’≦A/4なる部位に回転力を発生するようにした。これによりミラー揺動手段の実装に伴う質量増加があっても、可動ミラーにかかる慣性モーメントのピーク位置をねじり力が加わる回転軸心の近傍に近づけることができるので、可動ミラーをせん断する応力を最小限に抑えて面変形を低減でき、偏向された光ビームの結像性能の劣化を防止できる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル複写機やレーザプリンタ、レーザプロッタ、レーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられる光走査装置や、光走査型の表示装置、車載用のレーザレーダ装置等に応用される偏向ミラーおよび、その偏向ミラーを用いた光走査装置および、その光走査装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光走査装置においては、光ビームを走査する偏向器としてポリゴンミラーやガルバノミラーが用いられるが、より高解像度な画像と高速プリントを達成するには、この回転をさらに高速にしなければならず、軸受の耐久性や風損による発熱、騒音が課題となり、高速走査に限界がある。
これに対し、近年、シリコン(Si)マイクロマシニングを利用した光偏向器の研究が進められており、特許文献1や特許文献2に開示されるように、Si基板を用いて振動ミラー(偏向ミラー)とそれを軸支するねじり梁とを一体的に形成す方式が提案されている。この方式によれば共振を利用して往復振動させるので高速動作が可能であるにもかかわらず、騒音が低く、偏向ミラーを回転する駆動力も小さくて済むので消費電力も低く抑えられるという利点がある。
【0003】
しかしながら、これらの振動ミラー(偏向ミラー)においては、ミラー面サイズが小さく、振れ角も小さいため従来のポリゴンミラーのように広域を走査することはできず、特許文献3に開示されているように振動ミラー(偏向ミラー)を偏向器とした複数の光走査装置を走査方向を揃えて配列し、画像領域を主走査に分割して画像記録を行う方法をとっている。
【0004】
一般に、ミラー面サイズを大きくすると質量が増え、ねじり梁に作用する回転駆動力に対向してミラー周辺部には慣性力が働くうえ、大気の粘性抵抗の影響により振れ角が小さくなってしまう。
そこで、特許文献4には、ミラー基板の裏側に複数の穴をあけて質量を低減し慣性モーメントを低減する例が、また、特許文献5には、真空容器内に封止することで粘性抵抗を低減し、駆動電圧を低減する例が示されている。
また、特許文献6にはねじり梁を備える揺動基体とミラー基体とを分離して構成した例が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2924200号公報
【特許文献2】
特許第3011144号公報
【特許文献3】
特開2002−258183号公報
【特許文献4】
特開2001−249300号公報
【特許文献5】
特開平5−153338号公報
【特許文献6】
特開平11−202254号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、画像領域を主走査方向に分割して画像記録を行なう方法においては、光走査装置各々の走査幅が小さく光路長が短縮できることにより小型化でき、かつ、微小な振動ミラー等を利用して低負荷で光走査ができることにより、低騒音で省電力な画像形成装置を提供することができるといった利点はあるが、上記したようにミラー面サイズを大きくしようとすると、ミラー基板に働く慣性力が大きくなり、回転駆動力を増加しないと振れ角が小さくなってしまう。
そればかりか、ミラー基板自体が100μmと薄く、慣性力がミラー周辺部へいくほど、つまり回転軸心から遠ざかるほど大きく働くため、ねじり梁から伝わる回転駆動力に対してミラー基板をせん断する応力がかかり、ミラー面が正弦波状にうねって面精度を劣化させるという問題がある。
【0007】
また、ミラー基板に働く慣性力は最大振れ角に近づくほど、つまり、ミラー基板にかかる負の加速度が大きくなるほど大きく、振れ角が大きくなるに伴って面精度も劣化する。
このように、面精度を確保しようとすると、最大振れ角に対して画像形成に用いる振れ角の比、いわゆる有効走査率を低く抑えなければならず、結局のところ、回転駆動力を増加したとしても、振れ角を拡大して画像幅を広げることができない。特に、静電引力によってミラー基板を回転する方式においては、回転駆動力を得るために電極の面積を確保する必要があるにもかかわらず、最も慣性力のかかるミラー基板の最外径部に電極を形成しているために、面精度を確保しようとすると、回転駆動力も増加できない。従って、振れ角がとれない分、分割数を増やして対応する必要があるため、コストアップとなってしまう。
【0008】
ここで図25は、正弦波状にうねったミラー面に光束を入射した際の影響を説明する図である。ミラー面のうねりは量的には波長レベルのうねりであり、ミラー面の傾きに対し十分小さいが、図では強調して表現している。
いま、ミラー主走査断面のうねりの曲率が変化する領域に、山部351から谷部352にかかった単一の光束353を入射したと想定すると、中央部で反射した光束領域354での収束位置に対し、山部で反射した光束領域355は凸ミラーの作用により収束位置が遠ざかり、反対に谷部で反射した光束領域356は凹ミラーの作用により収束位置が近づく。このため、光束が分割されて、被走査面におけるビームスポットのプロフィール(強度分布)357は、サイドローブを発生して裾野が広がってしまい、画像がぼけ、解像度を低下させて画像品質を著しく劣化させる要因となる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、上記のような動的に発生するミラー面のうねりを抑え、平面性を確保することで、被走査面において良好な結像性能が得られるようにした偏向ミラー(振動ミラー)および、その偏向ミラーを用いた光走査装置および、その光走査装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
より詳しくは、請求項1〜4に係る発明では、ねじり梁から伝わるねじり力とミラー基板に発生する慣性力との作用点を近づけ、ミラーサイズが大きくなってもミラー基板の面精度劣化の小さい偏向ミラーを提供すること、請求項5〜7に係る発明では、ミラー基板の面精度劣化をもたらすことなく、静電引力によってミラー基板をより大きい振れ角で駆動できるようにした偏向ミラーを提供すること、請求項8に係る発明では、ミラー基板にかかる大気の粘性抵抗を軽減でき、ミラーサイズを大きくしても面変形を低減でき、偏向された光ビームの結像性能の劣化を防止できる構成の偏向ミラーを提供することを目的とする。また、請求項9,10に係る発明では、Siマイクロマシニングによる偏向ミラーを用い、面精度が補償できる振れ角の範囲を広げることで、より広域が走査できるようにした光走査装置を提供すること、請求項11に係る発明では、Siマイクロマシニングによる偏向ミラーを用いた光走査装置を装備することで、小型で、省電力な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1に係る発明は、光ビームを偏向する可動ミラーと、該可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、上記可動ミラーを揺動する回転力を発生するミラー揺動手段とを有する偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段を、上記可動ミラーと回転軸方向に隣接して備え、可動ミラーの回転軸心からの距離をr’、可動ミラー幅(両翼)をAとすると、r’≦A/4なる部位に回転力を発生するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載の偏向ミラーにおいて、上記可動ミラーは、上記ねじり梁と連結され、上記ミラー揺動手段を回転軸心の近傍に備える揺動基体(揺動基板)と、上記揺動基体と回転軸心から外れた部位で連結されるミラー基体(ミラー基板)とからなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1記載の偏向ミラーにおいて、上記可動ミラーは、上記ねじり梁と連結され、上記ミラー揺動手段を回転軸心の近傍に備える揺動基体(揺動基板)と、上記揺動基体上に接合されるミラー基体(ミラー基板)とからなることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項3記載の偏向ミラーにおいて、上記揺動基体は、上記ミラー基体との接合領域に、少なくとも回転軸と直交方向に離隔した複数の空隙部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段は、可動ミラーと連結して回転軸方向に延びる可動電極と、該可動電極と対向して配備した固定電極とからなり、電極間に生じる静電引力により起動することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項5記載の偏向ミラーにおいて、上記可動ミラーは、上記可動電極を備え、上記ねじり梁を連結する揺動基体と、該揺動基体と同一基板により形成したミラー基体とからなることを特徴とする。
さらに請求項7に係る発明は、請求項5記載の偏向ミラーにおいて、上記可動ミラーは、上記可動電極を備え、上記ねじり梁を連結する揺動基体を形成する第1の基板と、該第1の基板と接合され、ミラー基体を形成する第2の基板とからなり、上記固定電極を少なくともいずれか一方の基板に形成してなることを特徴とする。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、上記可動ミラーの揺動空間を、少なくとも大気圧よりも減圧した状態に封止し、可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記ミラー揺動手段と接続され、封止する内外を貫通する端子手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、光走査装置であり、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の偏向ミラーと、該偏向ミラーにより往復走査される光ビームを射出する光源手段と、上記偏向ミラーにより走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段とを有することを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、請求項9記載の光走査装置を複数備え、各々の光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成することを特徴とする。
【0015】
請求項11に係る発明は、像担持体と、該像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、上記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、上記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、上記潜像形成手段として、請求項9または10に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成、動作および作用を、図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示す光走査装置の分解斜視図、図2は図1に示す光走査装置の光学素子の配置を示す図、図3は図1に示す光走査装置に用いる偏向ミラーモジュールの詳細を示す図、図4は図1に示す光走査装置を組み立てた状態を示す副走査断面図である。
【0017】
まず偏向ミラーモジュール130の構成および動作について詳細に説明する。図3(a)は偏向ミラーモジュール130の分解斜視図、(b)は偏向ミラー基板を構成する第1、第2の基板(Si基板)206,207を示している。
図3において、偏向ミラー基板は、2枚のシリコン(Si)基板206,207を酸化膜等の絶縁膜を介して接合して構成される。第1の基板206は厚さ140μmのSi基板からなり、ミラー基板202を支え縁部に可動電極247,248を備える十字状の揺動基板246と、同一直線上で揺動基板246を軸支する一対のねじり梁208を、エッチングにより、その周囲を貫通し固定枠210から分離して形成する。ミラー基板202と重なる領域は、反接合面側より空隙(肉抜き部)249が設けられて骨格状に形成され、ミラー基板を骨格で支える構造となしている。尚、空隙は貫通穴としているが接合面側を残し袋穴として形成してもよい。可動電極247,248は、ねじり梁208を軸心とする回転軸に対称となるようその近傍に形成され、対向する固定枠210の内辺と数μmのギャップを有して互い違いに噛み合うよう櫛歯状の凹凸に形成している。
【0018】
図3に示す実施例においては、図では分離して描いているが、第1、第2のSi基板206,207は絶縁層(酸化膜)を介してあらかじめ接合されたSOI基板を用いており、絶縁層をエッチストップ層として貫通し、各々の電極の周囲を固定枠210から分離溝によって個別に分離することで基板そのものを電極として形成している。
【0019】
本実施例では、ミラー基板202を挟んで分割される第1、第2の可動電極247,248(説明では便宜上分けているが同電位)に対向する固定枠210の凹凸部を第1、第2の固定電極203,204としており、固定枠210から揺動基板246とねじり梁208、およびねじり梁の付け根部を有する島部221、各固定電極を有する島部222,223を約5μmのギャップをもって分離した構成としている。
【0020】
また、第2の基板207は60μmのSi基板からなり、エッチングにより中央部にミラー基板202を島状に残して周囲を貫通し、上記固定枠210に形成した凹凸部と重なり合う内辺には、外郭が一致するように櫛歯状に凹凸が形成され、同様に第3、第4の固定電極211,212となし、固定枠から島部224,225を分離した構成としている。この際、第1の基板206における分離溝と重ならないよう分離溝を形成することで、島状に周囲を貫通しても接合された状態を保つことができ、最後に、露出された絶縁膜を溶融することで、ミラー基板202と揺動基板246からなる可動ミラー(偏向ミラー)201が固定枠210とねじり梁208を介して連結された状態で分離される。
【0021】
ミラー基板202は、角部をカットして周辺を軽量化した8角形で、表面にはAu等の金属被膜をスパッタして反射面を形成し、揺動基板246の揺動によって回動する。第3、第4の固定電極211,212には、揺動基板246の揺動に沿って第1、第2の可動電極247,248が噛み合うように通過する。
本実施例では、第1、第2の固定電極203,204には同位相の電圧パルスを印加し、第3の固定電極211には第1、第2の固定電極203,204に印加する電圧パルスよりも進んだ位相の電圧パルス、第4の固定電極212には第1、第2の固定電極203,204に印加する電圧パルスよりも遅れた位相の電圧パルスが印加される。
【0022】
図5には可動ミラー201(ミラー基板202と揺動基板246)の振れ角に対応して各電極間に発生する静電トルクの様子を、図6には可動ミラーおよび電極の断面を示す。尚、図6においては、左回り方向の静電トルクを正としている。可動ミラー201の揺動基板246は初期状態では水平であるが、第3の固定電極211に電圧を印加すると対向する可動電極との間で負の方向での静電力を生じ、ねじり梁208をねじって回転され、ねじり梁208の戻り力と釣り合う振れ角まで傾く。上記電圧が解除されるとねじり梁の戻り力で揺動基板は水平に戻るが、水平に戻る直前に第1、第2の固定電極203,204に電圧を印加することによって正の方向での静電引力を生じ、引き続き、第4の固定電極212に電圧を印加することによって、さらに正の方向での静電トルクを増すといった電極の切り換えを繰り返し行うことで、揺動基板をその可動電極が対向する第1、第2の固定電極を抜ける振れ角(本実施例では約2°)にて往復振動する。
【0023】
ここで、ミラー基板202および揺動基板246からなる可動ミラー201の慣性モーメントおよび、ねじり梁208の幅と長さを走査したい所望の駆動周波数に合わせ、ねじり梁208を回転軸とした1次共振モードの帯域にかかるよう設計することによって励振され、電極間の静電引力ではなく、ねじり梁自体のねじり振動によって揺動し始め、振幅が著しく拡大されて揺動基板246の可動電極が対向する第3、第4の固定電極211,212を抜ける振れ角まで拡大する。さらに、第3、第4の固定電極211,212を抜けた振れ角で、水平に戻す方向、第3の固定電極211では揺動基板246に正の方向での静電力を瞬時に発生することによって、揺動をより勢い付けることができる。本実施例では、このように固定電極を2段に設け、振幅のタイミングに合わせてパルス状に各固定電極に電圧を印加することで、静電トルクの働く振れ角範囲を拡大し、共振周波数を外れた駆動周波数においても大きな振れ角が確保できるようにしている。
【0024】
一方、図7には振幅に対して各固定電極への印加パルスのタイミングを示すが、本実施例では往復走査の内、いずれか一方の区間にのみ書込みを行ない、振幅に対して最適なタイミングで電圧パルスを印加することで、効率よく静電トルクが働くように、つまり、可動ミラーの移動方向に対抗したトルクが発生しないように振幅と印加パルスとの位相を設定している。その条件を以下に示す。
【0025】
いま、第3、第4の固定電極211,212の厚さ、言い換えれば第2の基板207の厚さをt、可動ミラー201の最大振れ角をθ0(=5°)、可動電極間の幅をミラー幅A(=4mm)に対しr(=1mm)、揺動基板の厚さをt0(=60μm)とするとき、
t0<t<r・sinθ
なる関係となるように設定し、
θt=arcsin(2t/r)とすると、
第1、第2の固定電極203,204には、
0<α1<|θt|
第3、第4の固定電極211,212には、
|θt|<α2<|θ0|
なる可動ミラー201の振れ角の範囲に電圧パルスを印加している。
【0026】
図8には駆動周波数に対する振れ角の特性を示すが、駆動周波数を共振周波数に一致させれば最も振れ角が大きくとれるが、共振周波数付近においては急峻に振れ角が変化する特性を有する。従って、初期的には可動ミラーの駆動制御部において固定電極に印加する駆動周波数を共振振動数に合うよう設定することができるが、温度変化等で共振周波数が変動した際には振れ角が激減してしまうことで経時的な安定性に乏しいという欠点がある。図9は温度に対する共振周波数の変動を示す。また、後述する実施例のように複数の可動ミラーを有する場合には、各々の加工精度等により固有の共振周波数がばらつくため、共通の駆動周波数で駆動できないという問題がある。
【0027】
そこで、本実施例では、駆動周波数を可動ミラーとねじり梁からなる振動部固有の共振周波数近傍で、比較的振れ角変化の少ない、共振周波数から高めに外れた周波数帯域に設定しており、共振周波数2kHzに対し駆動周波数は2.5kHzとし、振れ角は印加電圧のゲイン調整により±5°に合わせている。この際、可動ミラーの加工誤差による共振周波数のばらつき(本実施例では300Hz)、温度による共振周波数の変動(本実施例では3Hz)、があっても駆動周波数がいずれの共振周波数にもかからないような周波数帯域、すなわち共振周波数2kHzであれば2.303kHz以上、または1.697kHz以下に設定することが望ましい。
【0028】
いま、可動ミラーの形状を簡略化して縦2a、横2b、厚さdの1枚板と仮定し、ねじり梁の長さをL、幅cとするとSiの密度ρ、材料定数Gを用いて、慣性モーメントIは、
I=(4abρd/3)・a^2
となり、バネ定数Kは、
K=(G/2L)・{cd(c^2+d^2)/12}
となり、共振振動数fは、
Figure 2005024721
となる。
【0029】
ここで、梁の長さLと振れ角θは比例関係にあるため、
θ=A/If^2
(Aは定数)
で表され、振れ角θは慣性モーメントIに反比例し、共振振動数fを高めるには慣性モーメントIを低減しないと振れ角θが小さくなってしまう。
そこで本実施例では可動ミラーのミラー基板を支える揺動基板を基板厚dを骨格状に残し、それ以外を貫通して肉抜きすることで、可動ミラー全体の慣性モーメントを約1/5まで低減している。
【0030】
一方、空気の誘電率ε、電極長さH、印加電圧V、電極間距離δとすると、
電極間の静電力Fは、
F=εHV^2/2δ
となり、振れ角θは、
θ=B・F/I
(Bは定数)
とも表され、電極長さHが長いほど静電力が得られて振れ角θを大きくすることができる。そこで本実施例では電極を櫛歯状に形成して対向させており、櫛歯数nに対して2n倍の駆動トルクを得ている。
【0031】
このように、大きい振れ角を得るには電極長さをできるだけ大きくとりたいが、その質量により慣性モーメントも増えてしまう。慣性モーメントは回転軸心からの距離の2乗に比例して発生することから、本実施例では、なるべく回転軸心に近い部位に可動電極を形成し、外周長をできるだけ長くして電極面積をかせぐことで、低電圧でより大きい静電トルクが得られるよう配慮している。
【0032】
ところで、可動ミラーの速度υ、面積Eに対して、空気の密度ηとすると、空気の粘性抵抗Pは、
P=C・ηυ^2・E^3
(Cは定数)
が可動ミラーの回転に対抗して働く。従って、可動ミラーは減圧状態に密封して保持するのが望ましい。
本実施例では、第1、第2の基板206,207が接合されてなる偏向ミラー基板を、中央部を貫通したセラミック板233に接合し、CANパッケージの基体232上に、反射面を上側に向け、基体の外縁に形成された一対のV溝を結ぶ直線上に回転軸を合わせて装着する。
【0033】
基体232には、リード端子216が基体を貫通して一体化され、また、第2の基板上面には、可動ミラー(偏向ミラー)201の電極パッドが、上記分離された島部224,225には絶縁膜を削除して、また、島部221,222,223は第2の基板に形成した貫通穴226,227,228に絶縁膜を介し金属ペーストを表面まで充填して形成され、各電極パッドとリード端子216先端とをワイヤーボンドにて接続する。そして、減圧環境下で基体232の段差部243にシール材を介してキャップ242を被せ、高温でシール材を溶かして隙間を溶接することでキャップ内の空間が1torr以下に密封されるようにしている。この際、非蒸発型ゲッタを同梱し外部からの加熱で活性化することで、封止した後に減圧させてもよい。尚、光ビームは、キャップ242の上部の開口の内側に接合された透過窓245を通じて入出射される。
【0034】
また、本実施例では、第2の基板207上面に、可動ミラー201と対向して対向ミラー215を、ねじり梁と直交する方向に一体に接合している。対向ミラー215は樹脂で成形され、スリット開口213を挟んで屋根状に144.7°の角度をなすよう基板面より各々9°、および26.3°傾けた一対の傾斜面に、金属被膜を蒸着して反射面217と218とを対で配備した構成となす。対向ミラー215の底面は可動ミラー面と平行に形成され、第2の基板207の枠部上面に当接して接合されるが、この際、第2の基板207には対向ミラー215を位置決めするための嵌合穴214が両サイドにエッチングによって開けられ、これに対向ミラー下面から突出するピン241を挿入することで、回転軸に直交して正確に配置されるよう合わせることができる。
【0035】
従来、こういった偏向ミラーモジュールにおいては、図10に示すように、可動ミラー301の回転軸心にねじり梁302を揃え、回転軸心上で直接連結するよう形成しており、ミラー基板の最外径のねじり梁と平行な辺に可動電極を備えていた。上記したように、ねじり梁302、言いかえれば回転軸に作用する回転駆動力Ftに対し、可動ミラー301の慣性力Fsは回転軸からの距離に応じて作用する、つまり、可動ミラーの幅が大きくなれば、慣性力Fsの重心はミラー周辺に片寄り、回転軸心からより遠い位置となる。
【0036】
図11には、偏向ミラー(可動ミラー)のミラー基板にかかる共振動作時の応力の一例を示すが、ねじり梁から伝わるねじり力は回転軸心をピークとし、上記した慣性力はミラー端部をピークとして働くため、可動ミラーをせん断するように応力がかかり正弦波状に面がうねってしまう。さらに、最も慣性力が大きくなる最外径に起動に必要な可動電極の面積を確保しなければならないため、より不利な条件となっていた。
例えば、振れ角αが5°、可動ミラーの板厚が60μmの場合、ミラー幅(両翼)をAとすると回転軸から約A/6離れた位置で最大変位となり、PVで0.5μmにも達し面精度を劣化させる。最大変位の位置は、可動ミラーの板厚や肉抜きの仕方によって差があるが、通常、回転軸からの距離r’は、r’≦A/4となり、正弦波よりもピーク位置が中央に片寄る。
【0037】
これに対し、本実施例では、ねじり梁208が連結される揺動基板246をミラー基板202とは別基板により構成し、可動電極247,248を回転軸の近傍(本実施例では、可動電極間の距離rをミラー幅Aに対して、r≦A/2)とすることで、慣性力への影響を図11中のaの曲線の如く低減しつつ、必要な静電駆動力に応じて電極面積を広げることができるうえ、揺動基板246のミラー基板202を接合する領域に、ねじり梁と同方向にスリット状の空隙(肉抜き部)249を設けてねじり梁と直交する断面の歪みを逃がすようにすることで、ミラー基板202を変形させないように配慮している。
【0038】
一方、慣性力への影響が大きくなるr≧A/2の領域は、最外径に可動電極を持たないので、慣性力が大きいミラー基板周辺が先細りとなるように斜めにカットし、質量をできるだけ軽減して慣性力を低減し、一方で、慣性力に対抗してミラー基板202の変形を防止する最低限の剛性の確保を考慮して骨格状に補強部250を形成している。この際、上記したように慣性力は回転軸からの距離に応じて作用するため、補強部250についても回転軸からの距離に応じて質量を軽減してやる、例えば、周辺ほどリブの本数を減らし貫通部の面積を増やしてやることで、より効果的に慣性力の影響を低減しミラー基板の平面性を保つことができる。尚、骨格のパターンは図示した例に限るものではなく、格子状に配向する等、いかようにアレンジしても効果は同様である。
【0039】
また、本実施例では、静電引力によって揺動する駆動方式について説明したが、上記揺動基板246の可動電極に相当する位置にコイルをパターンニングし、固定電極に相当する位置に永久磁石を配置すれば、電磁駆動方式としても適用できるなど、駆動方式によらず効果は同様である。
【0040】
ここで、電磁駆動方式の可動ミラー部の一例を図12に示す。図12では可動ミラーを裏側からみておりミラー基板331の下側がミラー面となる。揺動基板332はミラー基板331と接合される領域を、同様に肉抜き部333を設け骨格状に形成している。ねじり梁334と連結される領域には、絶縁膜を介してコイルパターン335が金属被膜により形成され、一端をねじり梁334、もう一端をスルーホール336を通って結線している。基板の側には回転軸に対称にS極、N極を対向させた永久磁石337を配備しており、コイルパターン335に電流を流すと磁力線に対して直交するねじり梁と平行なパターン辺に力が発生し、揺動基板332を回転させる。従って、コイルパターン335に交流電流を印加すると往復振動させることができる。
【0041】
また、図13は可動ミラー部のさらに別の例を示しており、単一のSi基板により、可動ミラーを形成した例である。この例では、反射面を形成するミラー領域310と該ミラー領域と連結し可動電極を形成する揺動領域320とからなる可動ミラー311と、ねじり梁312とを単一基板から形成している。以下、上記実施例と同様、SOI基板を用いて作製した例を示す。
【0042】
第1の基板313は、反接合面側より第1のエッチング工程により可動ミラー311、ねじり梁312、第1、第2の固定電極306,307を有する固定枠314を残し、それ以外の領域を絶縁膜まで貫通する。次に、第2のエッチング工程により可動ミラーの可動電極およびリブ部316を残し、肉抜部317をエッチング時間を管理して途中まで堀込み、ミラー部を10μm程度の薄肉に残している。第2の基板318は、やはり反接合面側より第3のエッチング工程により第3、第4の固定電極308,309を有する固定枠319を残して絶縁膜まで貫通し、最後に貫通部に露出された絶縁膜を溶融するという工程を得て作製する。ここで、第2の基板を除去して露出した接合面がミラー面となる。
【0043】
尚、本実施例では、ミラー領域310と揺動領域320との連結部にねじり梁312と直交し、基板を貫通するスリット321を備え、回転軸心から外れた2箇所322,323でのみ連結することで、ねじり梁から伝わるねじり力を連結点間の変位差としてミラー領域に伝達するようにしており、ミラー領域とねじり梁とを同一基板により作製した場合においても、前述の実施例と同様、ねじり力によってミラー領域を歪ませることなく揺動できるよう配慮している。
また、図26に示す構成例のように、揺動領域320における櫛歯の溝をねじり梁312の幅を残すまでに切り込んでもよく、このようにすることにより電極の面積をかせげるうえ、揺動部を軽量化できる。、
尚、各電極の作用および駆動方法については、前述の実施例と同様なためここでは説明を省略する。
【0044】
次に、以上に説明した偏向ミラーモジュールを用いた光走査装置について説明する。光走査装置の副走査断面を図4に示す。図4において、半導体レーザ101から射出した光ビームは、後述するようにカップリングレンズ110、入射プリズム136を介して偏向ミラーモジュール130に入射する。そして、可動ミラー201に対しねじり梁を含む副走査断面内で法線に対して副走査方向に約20°傾けてスリット開口213より光ビームが入射すると、可動ミラー201で反射した光ビームは対向ミラー215の第1の反射面217に入射され可動ミラー201に戻される。さらに、可動ミラー201で反射した光ビームはスリット開口213を越えて第2の反射面218に入射し、可動ミラー201との間で3往復しながら反射位置を副走査方向に移動され、可動ミラー201で合計5回反射がなされた後、再度、スリット開口213を通って射出される。
【0045】
本実施例ではこのように複数回反射を繰り返すことで、可動ミラー201の振れ角が小さくても大きな走査角が得られるようにし、光路長を短縮している。
いま、可動ミラー201での総反射回数N、振れ角αとすると、走査角θは2Nαで表せる。本実施例では、N=5、α=5°であるから最大走査角は50°となり、その内35°を画像記録領域としている。共振を利用することで印加電圧は微小で済み発熱も少ないが、前述の式から明らかなように、記録速度、つまり共振周波数が速くなるに従ってねじり梁のばね定数Kを高める必要があり、振れ角がとれなくなってしまう。そこで、上述したように対向ミラー215を設けることで走査角を拡大し、記録速度によらず必要十分な走査角が得られるようにしている。また、屋根状に対向して反射面を構成し、可動ミラーへの副走査方向での入射角度が繰り返し反射毎に正負、言いかえれば、反射に伴う進行方向を右向き、左向きに振り分けるようにすることで、斜入射に伴う被走査面での走査線の曲がりを抑え、直線性を維持するとともに、光軸と直交する面内での光束の回転が射出時にはもとの姿勢に戻るようにして結像性能の劣化が起きないように配慮している。
【0046】
図1は本実施例における光走査装置の分解斜視図であり、図2は光学素子の配置を示す図である。光源である半導体レーザ101は、副走査方向に50μmのピッチで2つの発光源がモノリシックに形成され、フレーム部材102に立設された壁に配備された段付き貫通穴103に反対側からステム外周を基準に係合され、段差部に鍔面を突き当てて光軸方向を位置決めがなされ、図14に示す押え板151により背面から押圧固定される。
【0047】
光源部の詳細は図14に示すように、押え板151の突起152をステム外周に形成された切欠に係合し、貫通穴103の中心軸の周りに回転することで、外周部を切り起こして形成した一対の板ばね153をフレーム部材102に形成した庇状の突起154に係合して半導体レーザ101を押圧するとともに、発光源の配列方向が所定量だけ主走査方向から傾くように調整され、ネジ155により回転止めがなされる。また、図1に示すU字状の凹部105には紫外線硬化接着剤(UV接着剤)を介してカップリングレンズ110の光軸が半導体レーザ101からの射出軸と合うように、また、射出光束が平行光束となるように発光点との光軸方向の位置決めを行い、凹部とカップリングレンズ110との隙間のUV接着剤を硬化させて固定する。
【0048】
尚、カップリングレンズ110の調整は、後述するように偏向ミラーモジュール130やシリンダレンズ109を取付けた状態でも行うことができ、可動ミラーの面精度やシリンダレンズの焦線位置ずれを無効化でき、これらの精度を緩和できるというメリットがある。また、本実施例の光走査装置の場合、3つの光源部を有するが、これらは全て同一構成である。
【0049】
カップリングレンズ110より射出した2本の平行光束は、偏向ミラーモジュール130の射出窓に接合配備され、副走査方向に正の曲率を有するシリンダレンズ109を入射面に貼り付けられた入射プリズム136に入射し、斜面で斜め下向きに反射されて、副走査方向において可動ミラー面で集束する集束光束として偏向ミラーモジュール130に入射される。
【0050】
図15には、被走査面におけるビームスポットの配列の一例を示すが、上記したように半導体レーザ101を傾けて装着することにより副走査方向のビームスポット間隔P0を設定する。ビームスポット間隔P0は、後述する第1、第2の走査レンズ116,117を含め光源から被走査面に至る全系の副走査倍率β、2つの光源間のピッチpを用いて、
P0=β・p・sinφ
で表され、後述するように、転写ベルト上に形成されたラインの傾き補正量に応じてピッチP0を調整している。
【0051】
偏向ミラーモジュール130はねじり梁の方向が光軸方向に合うように、フレーム102の底面側に設けられた段付きの角穴104の裏側より基体232の外縁を基準に位置決めされ、段差部に鍔面を突き当てて可動ミラー面の位置を合わせる。本実施例の場合、均等間隔に3つの偏向ミラーモジュール130が単一のフレーム部材102により位置決めされる。各偏向ミラーモジュール130はプリント基板112に、基体底面から突出したリード端子を各々スルーホールに挿入して半田付けし、フレーム部材102の下側開口を塞ぐように基板上面を当接して固定すると同時に、回路接続がなされる。プリント基板112には半導体レーザの駆動回路、可動ミラーの駆動回路を構成する電子部品、および同期検知センサ113が実装されており、外部回路との配線が一括してなされる。一端をプリント基板112に結線されたケーブル115は半導体レーザ101のリード端子と接続される。
【0052】
フレーム部材102の上面は角穴104の裏側に設けられた各偏向ミラーモジュール130のミラー法線方向の突き当て面と平行な面となし、走査レンズを収納するハウジング106の底面より突出した2本の突起135をフレーム部材102の係合穴に挿入して同面上での位置決めを行い、4隅をネジ止めして配備される。本実施例では、ネジ137はフレーム部材102の貫通穴を介してプリント基板112に螺合され、フレーム部材102を挟むように3身一体で結合され、この後に上記半田付けがなされる。
【0053】
ハウジング106には結像手段を構成する第1の走査レンズ116、第2の走査レンズ117が主走査方向に配列され、各々の走査領域がわずかに重なるように位置決めされて一体的に保持される。第1の走査レンズ116は副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起120、および両端を係合して光軸方向の位置決めを行う平押面119を入射面側、出射面側各々に備え、ハウジング106に一体形成された溝122に突起120を係合し、一対の切欠121の各々に各端の平押面119を挿入し波板バネ143で入射面側に押し付け同面内での姿勢を保持することで、光軸と直交する同一面に走査レンズ同士の相対的な配置を合わせ、副走査方向基準面をハウジング106から突出した一対の突起142の先端に突き当てることで、光軸と直交する面内での位置決めがなされて副走査方向の設置高さが決定され、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。
【0054】
一方、第2の走査レンズ117は同様に副走査方向基準面の中央に突出され主走査方向の位置決めを行う突起123、両端に光軸方向の位置決めを行う平押面144を備え、ハウジング106に一体形成された溝122に突起123を係合し、切欠121に平押面144を挿入し波板バネ143で出射面側に押し付け姿勢を保持するとともに、副走査方向基準面をハウジング106から突出した突起145および146の先端に突き当てて設置高さを位置決めし、カバー138と一体形成された板バネ141で押圧支持される。尚、符号147はカバー138を固定するネジである。
【0055】
同期検知センサ113(例えばピンフォトダイオード)は隣接する偏向ミラーモジュール130で共用する中間位置と両端位置に配置され、各偏向ミラーモジュールの走査開始側と走査終端側とでビームが検出できるように計4箇所に実装される。第2の走査レンズ117の射出面側には各レンズの走査領域間にV字状の高輝アルミ薄板127を貼り付けるミラー受部128がハウジング106に形成され、高輝アルミ薄板127によって反射した光ビームが走査領域間に形成された開口部129、およびフレーム部材の矩形穴を通って各々の同期検知センサ113へ導かれるように、隣接する光走査手段の走査開始側と走査終端側に対応した反射面が向かい合って配置されている。また、カバー138には光ビームが通過する開口139が形成され、ハウジング106上面を密閉するようネジ止めされて前記したように板バネ141により走査レンズを各当接部位に確実に突き当たるように押圧する。
【0056】
次に図16は上述した本発明の光走査装置をタンデム型のカラー画像形成装置に搭載する際の感光体ドラムとの位置決め方法を示す要部分解斜視図である。図1〜4に示した構成の光走査装置のフレーム部材102、ハウジング106は、ある程度剛性が確保されるガラス繊維強化樹脂やアルミダイキャスト等で成形され、ハウジング106の両側面には、一対の位置決めピン131とネジ穴133が形成される。図16に示す画像形成装置の側板632,633は板金で成形され、主走査方向に対向して配置される。各々には各感光体ドラム621,622,623,624の軸受636を位置決めするための切欠635が形成され、係合して感光体ドラム同士の配置精度を保って支持できるようになっている。本実施例では、この軸中心の間隔が感光体ドラムの周長の整数倍、すなわちドラム径をrとすると、k・πrとなるよう均等間隔で配置される。光走査装置640,641,642,643は各々、上記位置決めピン131を側板632,633の勘合穴637に挿入し、ハウジング側壁を側板の内側に当接して、側板間を架橋するように位置決めし、ネジ634を外側から通して固定する。
【0057】
図17は隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を表す図である。本実施例では各々の書出し位置の差が0となるように合わせている。いま、隣接する光走査手段の記録位置がDだけずれている場合を想定する。この場合、D=0となるように補正すればよいが、その補正手段としては、まず、走査ラインの書出タイミングを、ラインピッチp単位で補正する。具体的には、画像データを読み出す同期検知信号の選択により、タイミングを1周期Tのk倍(k・T)毎にずらす。ここで、kは自然数で、L−k・pが最も0に近いkを選択する。次に、残りの分を偏向ミラーの振幅位相を1周期Tの1/n倍(T/n)毎にずらして、p/n単位で補正する。ここで、nは自然数で、L−(k+1/n)・pが最0に近いnを選択すればよい。
このようにして転写ベルト638上において隣接する領域に記録されるライン像を繋ぎ合わせることができる。
【0058】
図18には、副走査方向における各ビームスポットの強度分布と、これにより形成される静電潜像の電位分布を示す。図中、左右が副走査方向であり、1画素分のドットに相当する平面および断面図を示す。図に対して左側が第1の発光源からのビーム、右側が第2の発光源からのビームによる電位分布である。
このように、各ビームスポットが近接された状態においては、それによって形成される電位分布は各ビームスポットのプロフィール(光量)が合成された形で一様な分布として再現され、(1)各ビームスポットの光量が同一であれば、ちょうど中間位置を重心とした分布となる。また、(2)各ビームスポットの光量が異なる場合、潜像径が異なる2つの分布が複合されることで、中間位置から光量が高いほうに重心が片寄った分布となる。
【0059】
こうして形成された電位分布の現像バイアス電位よりも高い部分に帯電したトナーが吸引され付着されてドットが形成され、各々の光量をバランスさせることにより、任意の重心位置に対して均一のドット径d0とすることができる。
従って、各ビームスポットの光量の比を変えることにより各ライン間をまたがって潜像の重心位置を移動すれば、走査方向からピッチPの分だけ傾けて1ビームで走査したときと同一幅のラインが形成できることになる。これにより、走査ラインが傾いていてもメカ的な機構を用いずに傾きを補正することができる。
【0060】
図19は、一例として、感光体の移動に伴い記録されるラインの傾き(往復走査の往走査では右下がり、復走査では左下がりとなる)を補正する例を示す。図示のように往復走査により記録されたラインはジグザグになりライン同士が平行にならない。そこで、往走査における走査開始端では第2のビームの光量を最大、第1のビームを0、また、走査終端では、第1のビームを最大、第2のビームを0とし、第2のビームの光量が単調に増加するように、また、第2のビームの光量が単調に減少するように可変するとともに、走査方向の各位置で各々の和が一定となるようにすることで、図中太線で示すように走査方向に対し、潜像の重心の軌跡が走査ラインに対して右上がりに斜めに形成されるようにしている。一方、復走査においては、これと逆に光量を制御すればよい。このように、往復走査によってもライン同士が平行となるよう形成でき、記録速度は2倍に向上できる。
【0061】
ところで、光量はビーム強度と点灯時間との積で表され、上記の如く潜像を形成するには、以下のいずれの方法を用いてもよい。
▲1▼ビーム強度を可変する。
▲2▼ビームのパルス幅を可変する。
詳細については、後述する半導体レーザの駆動制御にて説明するが、本実施例では、階段状に近似して光量を可変している。
【0062】
同様に本実施例では、複数の光走査手段を隣接しており、各々のライン傾きを補正する際にも適用することができる。ラインの傾き補正量Δθは、各色に対応した光走査装置により転写ベルト上に形成された検出パターン(トナー像)から、図16に示すように、発光ダイオード630から投射したビームの反射光をピンフォトダイオード631で受光するレジストずれ検出手段629を転写ベルト638の両端に配置することにより、基準色に対する相対的な偏差として検出される。この検出結果に基づき、第1、第2のビームピッチP0を、ラインの傾き補正量Δθに応じて走査幅Lを用い、
P0=L・tanΔθ
となるよう上記した方法により設定すればよい。
【0063】
また、隣接する領域についても同様に補正することにより、各々記録されるラインは平行に揃えられ、転写ベルト上では斜めに繋ぎ合わされて、傾いたラインが形成できる。
尚、レジストずれ検出手段629では、各色間の傾きずれと同時にレジストずれ(平行シフト分)も検出できるが、これは、上記した隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を、光走査装置間に適用すればよく、同様に補正することができる。
【0064】
次に図20は本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。本実施例は、図16と同様に4つの感光体ドラム504を備えたカラー画像形成装置に本発明を適用した例であり、前述した構成の光走査装置500を4つ用い、その4つの光走査装置500によって各々に対応した感光体ドラム504に1色ずつ画像形成され、転写ベルト501の回転につれて色重ねがなされるタンデム方式のカラーレーザプリンタの例である。また、本実施例では光走査装置を光ビームの射出方向が下向きとなるよう配備される。
中間転写体である転写ベルト501は、駆動ローラと2本の従動ローラとで支持され、移動方向に沿って均等間隔で各感光体ドラム504が配列される。各感光体ドラム504の周囲には、帯電部509、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応したトナーを補給する現像ローラ502およびトナーホッパ部503を有する現像部、転写された後の残トナーをブレードで掻き取り備蓄するクリーニング部508などが一体的に配備されている。
【0065】
各色画像は、転写ベルト501端に形成されたレジストマークを検出するセンサ505(前述のレジストずれ検出手段629に相当する)の信号をトリガとして副走査方向の書出しタイミングをずらして各光走査装置500によって潜像が形成され、現像部にて潜像をトナーで現像して顕像化し、そのトナー像を転写ベルト501に転写して、転写ベルト501上で順次画像を重ねていく。
記録用紙は、給紙トレイ507から給紙コロ506により供給され、4色目の画像形成にタイミングを合わせてレジストローラ510により送り出されて、転写部511にて転写ベルト501から4色同時に転写され、トナー像を載せたまま搬送ベルト515にて定着器512に送られる。転写されたトナー像は定着器512の定着ローラにより定着され、排紙トレイ514に排出される。
【0066】
各光走査装置500は、前述したように複数の光走査手段の走査線をつなぎ合わせて1ラインを形成する。1ラインの総ドット数Lを3分割し画像始端から各々1〜L1、L1+1〜L2、L2+1〜Lドットを割り当てて印字するが、本実施例では各走査領域が感光体上で数mm重なるようにオーバーラップ領域を設け、割り当てる画素数L1、L2を固定せず各色で異なるようにすることで、同一ラインを構成する各色の走査線の継ぎ目が重ならないようにして走査領域の境界をより目立ち難くしている。
【0067】
画像データは、上記したように主走査方向に3分割され、各光走査手段毎にビットマップメモリに保存され、各偏向ミラーモジュール毎にラスター展開がなされラインデータとしてバッファに保存される。保存されたラインデータは各同期検知信号をトリガとして読み出され個別に画像記録が行われる。往復走査の場合には、このラインデータを先頭から読み出すか、末尾から読み出すかを交互に行なえばよい。また、後述するように書出しタイミングを各々設定することで書出し始端のレジストが合わせられる。
【0068】
尚、本実施例では、各偏向ミラーの共振ピークは異なっても、印加電圧のゲインを可変することによって所定の帯域において振れ角を一致させ共通の駆動周波数で走査するようにしている。
また、環境温度の変化でバネ定数Kが変化し共振帯域が一様にシフトするが、それに対応して駆動周波数を選択し直す場合にも、共通の駆動周波数を与え、走査周波数を各偏向ミラーモジュールで共通とすることで、各領域の終端まで各ラインのレジストを一致させることができる。
【0069】
図21は、半導体レーザ、偏向ミラー(可動ミラー)の駆動制御系の一例を示すブロック図である。
駆動パルス生成部601は、基準クロックをプログラマブル分周器で分周し、上記したように可動ミラー603の振幅に合わせたタイミングで電圧パルスが印加されるようパルス列を生成し、PLL回路によって各偏向ミラーモジュール間で所定の位相遅れδを持たせて各可動ミラーの駆動部602に与えられ電極の各々に電圧が印加される。
【0070】
ここで、偏向ミラー間の相対的な位相遅れδを、1走査ラインピッチpを用いて、
δ=(1/fd)・{(Δy/p)−n}
(ここで、nは(Δy/p)−n<1を満足する自然数)
となるように与えれば、継ぎ目における位置ずれは1走査ラインピッチの整数倍となり、偏向ミラーの1周期おきの書出しタイミング補正、つまりnライン周期分ずらして書き出すことにより副走査方向のレジストずれΔyを無効化することができ、継ぎ目の位置ずれのない高品位な画像が得られる。
【0071】
本実施例において同期検知センサ604、終端検知センサ605はプリント基板上に配備されるが、検出面は被走査面に到達する光路長と等しい位置に配置されている。図22に、その検出部の詳細を示すが、検出部は、主走査方向に垂直に配置したフォトダイオード801と非垂直なフォトダイオード802を有し、フォトダイオード801のエッジを光ビームが通過した際に同期検知信号、または終端検知信号を発生し、フォトダイオード801からフォトダイオード802に至る時間差Δtを計測することで、上記レジストずれの主要因である副走査方向の走査位置ずれΔyを被走査面である感光体ドラム上に相当する計測値として検出することができる。
【0072】
尚、Δyはセンサ部802の傾斜角γ、光ビームの走査速度vを用いて
Δy=(v/tanγ)・Δt
で表され、Δtが一定であれば走査位置ずれが生じていないことになる。
本実施例では、この時間差Δtを走査位置ずれ演算部610で監視することで走査位置ずれを検出し、Δt基準値に合うよう偏向ミラー間の位相を常時可変して補正を行うことができる。
【0073】
主走査方向においては、後述するように、各画像領域における走査速度のずれを、(1)各偏向ミラーへ印加する電圧パルスのゲイン調整により振れ角(振幅)を所定値に合わせる、また、隣接する画像領域の継ぎ目位置ずれを、(2)可動ミラーの駆動周波数に対応して画素クロックをシフトすることで画像幅の倍率を可変し、走査終端と、隣接する光走査装置の走査開始端との継ぎ目を合わせる、ことにより補正することができる。
【0074】
偏向ミラーには基本的に画像記録およびその準備期間以外は駆動電圧が印加されない。電源投入時および待機状態から起動する際にはプログラマブル分周器で連続的に分周比を変えることで駆動周波数fdを高周波側から可変して励振し、振幅検出部610からの出力、すなわち本実施例では同期検知センサ604、走査角−θ0となる近傍に配置された終端検知センサ605とでビームを検出し、この同期検知信号と終端検知信号との時間差Tを振幅検出部609で計測することで、可動ミラーの振れ角(振幅θ0)を検出する。
【0075】
いま、センサで検出される光ビームの走査角をθd、画像中央からの走査時間をt、可動ミラーの駆動周波数をfdとすると
θd/θ0=sin2π・fd・t 、t=T/2
で与えられる。
この時間差Tがあらかじめ定められた基準値T0に達するまで印加する電圧パルスのゲインを可変することによって振れ角を補正する。
【0076】
この補正は、各環境下で定期的、例えばジョブ間で行われる。画像記録中にこの補正を行うと画像の主走査端が揺らいでしまうため、記録中は同一値を保持するようにしている。また、本実施例では複数の偏向ミラーを有するが、共通の駆動周波数を選択し、かつゲインの基準値を揃えることで、各偏向ミラー間の振れ角が一致するようにしている。
上記補正は偏向ミラーモジュール130の各々で行われ、本実施例では3つの光走査手段から構成されるので、全ての補正が終了した後に印字動作を可能としている。
【0077】
次に半導体レーザの駆動制御について説明する。
上述したように、往復走査で潜像のラインピッチを均一にするには、ビーム強度を可変するか、ビームのパルス幅を可変する必要がある。そこで、第1の実施例では、ビーム強度の可変方法について説明する。
【0078】
図23は、半導体レーザへの印加電流(駆動電流)に対するビーム強度を示す図であるが、ビーム強度はしきい値電流を超えると印加電流に比例して増加する。従って、このしきい値電流Ithから所定のビーム強度を得る最大電流Imまでの差Im−Ithをn分割(本実施例では255分割)し、可変データに基づいて段階的に駆動電流を可変すればよい。上記したように、一方の発光源には、同期検知信号をトリガとして、主走査方向の書込開始から書込終端にかけてIthまでImを徐々に減少させ、もう一方の発光源には、書込開始から書込終端にかけてImをIthから徐々に増加させる。
【0079】
ところで、一般的に、LD駆動部606では、半導体レーザからのモニタ信号によりビーム強度が一定となるよう駆動電流を加減するフィードバック制御がなされる。これは、ケース温度の変化に伴いIthや同一のビーム強度を射出するImが変化するためで、この制御を行なわないと低温状態と高温状態とで、ビーム強度が変化して画像濃度が異なるという不具合が生じる。
そこで、本実施例では、あらかじめ定められたモニタ信号の出力値が得られる駆動電流Im’の変化分をしきい値電流のバイアス分ΔIthとして一律に駆動電流に加算することで対処している。
【0080】
次に第2の実施例におけるビームのパルス幅(画素クロックfm)の可変方法について説明する。
クロックパルス生成部607は、書込制御部609からの可変データに基づいて基準クロックf0をプログラマブル分周器で分周した分周クロックをカウントしてkクロック分の長さのパルス幅を有するPLL基準信号faが形成され、PLL回路において基準クロックf0との位相を選択して画素クロックfkが発生される。当然、パルス幅が長ければ形成される潜像の径は大きくなり、短ければ小さくなる。従って、パルス幅を主走査に沿って段階的に切りかえることで可変データに基づいた任意な径の潜像が形成できる。また、上記と同様に、一方の発光源を、同期検知信号をトリガとして、主走査方向の書込開始から書込終端にかけて1画素に相当する潜像径から減少させ、もう一方の発光源を、書込開始から書込終端にかけて1画素に相当する潜像径まで増加させる。
【0081】
ところで、可動ミラーは共振振動されるため、正弦波状に走査角θが変化する。一方、被走査面である感光体ドラム面では均一間隔で主走査ドットを印字する必要があり、上記した走査レンズの結像特性は単位走査角当たりの走査距離dH/dθがsin−1θ/θ0に比例するように、つまり、画像中央で遅く周辺に行くに従って加速度的に速くなるように光線の向きを補正しなければならず、中央部から周辺部にかけて結像点を遠ざけるようにパワー配分された走査レンズが用いられるが、それに伴ってビームスポット径も太ってしまうため、均一なビームスポットを得る上で、最大振幅θ0に対して有効走査領域θsを広げるには限界がある。
【0082】
そこで、本実施例では、図24に示すように、振幅による走査速度の変化に対抗して各画素に対応する位相が書込開始から書込終端にかけて進んだ状態から段階的に遅れるようにすると同時に、各画素のパルス幅が書込開始から画像中央に至る領域では長い状態から段階的に短くなるように、画像中央から書込終端に至る領域では長くなるような画素クロックfmをLD駆動部606に与え、電気的な補正を付加することで、走査レンズの負担を軽減し、走査効率を向上させている。こうした制御は、各画素に対応したドット径が均一になるようにパルス幅とその位相を設定するものであるから、ここで設定された1画素に相当するパルス幅を比例配分したパルスを生成することにより、上記した潜像径の可変があっても、新たに制御回路を付加することなく容易に対応することができる。
【0083】
尚、以上の実施例では、半導体レーザを2つの発光源を有する構成(半導体レーザアレイ)としたが、この限りではなく、単一発光源の半導体レーザからのビームを合成しても、また、2以上の発光源を用いてもよい。
【0084】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明では、光ビームを偏向する可動ミラーと、該可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、上記可動ミラーを揺動する回転力を発生するミラー揺動手段とを有する偏向ミラーにおいて、上記ミラー揺動手段を、上記可動ミラーと回転軸方向に隣接して備え、可動ミラーの回転軸心からの距離をr’、可動ミラー幅(両翼)をAとすると、r’≦A/4なる部位に回転力を発生するようにしたことにより、ミラー揺動手段の実装に伴う質量増加があっても、可動ミラーにかかる慣性モーメントのピーク位置をねじり力が加わる回転軸心の近傍に近づけることができるので、可動ミラーをせん断する応力を最小限に抑えて面変形を低減でき、偏向された光ビームの結像性能の劣化を防止することができる。
また、請求項2に係る発明では、請求項1の構成および効果に加え、上記可動ミラーは、上記ねじり梁と連結され、上記ミラー揺動手段を回転軸心の近傍に備える揺動基体と、上記揺動基体と回転軸心から外れた部位で連結されるミラー基体とからなることにより、ねじり梁から伝わる回転力に伴う変形をミラー基体に伝え難くすることができ、ミラー基体の歪みを抑え平面度を保つことができる。
【0085】
請求項3に係る発明では、請求項1の構成および効果に加え、上記可動ミラーは、上記ねじり梁と連結され、上記ミラー揺動手段を回転軸心の近傍に備える揺動基体と、上記揺動基体上に接合されるミラー基体とからなることにより、ねじり梁から伝わるねじり力に伴う歪みをミラー基体に伝え難くし、ミラー基体の変形を抑えることができるので、平面度を保つことができる。さらに、軟弾性層を介して接合することで歪みが吸収できるので、よりミラー基体の変形を低減することができる。
また、請求項4に係る発明では、請求項3の構成および効果に加え、上記揺動基体は、上記ミラー基体との接合領域に、少なくとも回転軸と直交方向に離隔した複数の空隙部を有することにより、接合面側と反接合面側との回転軸に直交する方向(基板と平行な面内)での拘束が緩和できるので、ねじり梁から伝わる基板の歪みを逃がすことができ、ミラー基板の変形を抑えられて平面度を保つことができる。
【0086】
請求項5に係る発明では、請求項1乃至4のいずれか一つの構成および効果に加え、上記ミラー揺動手段は、可動ミラーと連結して回転軸方向に延びる可動電極と、該可動電極と対向して配備した固定電極とからなり、電極間に生じる静電引力により起動することにより、電極の面積を回転軸の方向に広げることで、慣性モーメントの制約を受けることなく回転力を増加さることができ、振れ角を拡大することができる。
また、請求項6に係る発明では、請求項5の構成および効果に加え、上記可動ミラーは、上記可動電極を備え、上記ねじり梁を連結する揺動基体と、該揺動基体と同一基板により形成したミラー基体とからなることにより、可動ミラーを貫通するエッチング工程により同時に形成できるので、生産効率を向上することができる。
さらに請求項7に係る発明では、請求項5の構成および効果に加え、上記可動ミラーは、上記可動電極を備え、上記ねじり梁を連結する揺動基体を形成する第1の基板と、該第1の基板と接合され、ミラー基体を形成する第2の基板とからなり、上記固定電極を少なくともいずれか一方の基板に形成してなることにより、2層に重ね合わせた基板を用いて接合面をエッチストップ面とした両面からのエッチング工程により、上記揺動基体の上にミラー基体が接合された構成を容易に形成できるので、生産効率を向上することができる。
【0087】
請求項8に係る発明では、請求項1乃至7のいずれかの構成および効果に加え、上記可動ミラーの揺動空間を、少なくとも大気圧よりも減圧した状態に封止し、可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記ミラー揺動手段と接続され、封止する内外を貫通する端子手段とを備えることにより、ミラー基板にかかる大気の粘性抵抗を軽減できるので、ミラーサイズを大きくしても面変形を低減でき、偏向された光ビームの結像性能の劣化を防止することができる。また、ミラー基板への異物の付着に伴う共振周波数の変化を防止でき、振れ角を安定的に保つことができる。
【0088】
請求項9に係る発明では、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の偏向ミラーと、該偏向ミラーにより往復走査される光ビームを射出する光源手段と、上記偏向ミラーにより走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段と、により光走査装置を構成することにより、より大きな振れ角まで面変形が抑えられるので、画角を広くでき光路長が縮小されて光学系全体を小型化できる。
また、請求項10に係る発明では、請求項9記載の光走査装置を複数備え、各々の光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成することにより、画像記録幅が分割数に応じて小さくできるので、光走査装置の個々がさらに小型化でき、光学系全体を小型化できる。
【0089】
請求項11に係る発明では、像担持体と、該像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、上記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、上記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、上記潜像形成手段として、請求項9または10に記載の光走査装置を備えたことにより、光学系全体が小型で済み、また、消費電力も小さいので小型で省電力な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す光走査装置の分解斜視図である。
【図2】図1に示す光走査装置の光学素子の配置を示す要部分解斜視図である。
【図3】図1に示す光走査装置に用いる偏向ミラーモジュールの詳細を示す図である。
【図4】図1に示す光走査装置を組みたてた状態を示す副走査断面図である。
【図5】可動ミラーの振れ角に対応して各電極間に発生する静電トルクの様子を示す図である。
【図6】偏向ミラーモジュールの可動ミラーと電極部の断面を示す図である。
【図7】振幅に対して各固定電極へ印加されるパルスのタイミングを示す図である。
【図8】駆動周波数に対する振れ角の特性を示す図である。
【図9】温度に対する共振周波数の変動を示す図である。
【図10】従来の偏向ミラーの振動時の変形の説明図である。
【図11】偏向ミラー(可動ミラー)のミラー基板にかかる共振動作時の応力の一例を示す図である。
【図12】本発明に係る偏向ミラーモジュールの可動ミラー部の別の構成例を示す図である。
【図13】本発明に係る偏向ミラーモジュールの可動ミラー部のさらに別の構成例を示す図である。
【図14】本発明に係る光走査装置の光源部の構成例を示す図である。
【図15】被走査面におけるビームスポットの配列の一例を示す図である。
【図16】本発明の光走査装置をタンデム型のカラー画像形成装置に搭載する際の感光体ドラムとの位置決め方法を示す要部分解斜視図である。
【図17】隣接する光走査手段におけるライン像の継ぎ目補正方法を表す図である。
【図18】副走査方向における各ビームスポットの強度分布と、これにより形成される静電潜像の電位分布を示す図である。
【図19】記録されるラインの傾きを走査ラインに対して補正する場合の例を示す図である。
【図20】本発明の一実施例を示す画像形成装置の概略構成図である。
【図21】半導体レーザ、偏向ミラー(可動ミラー)の駆動制御系の一例を示すブロック図である。
【図22】同期検知センサ、終端検知センサの検出部の一例を示す図である。
【図23】半導体レーザへの印加電流(駆動電流)に対するビーム強度を示す図である。
【図24】書込方向(走査方向)の位置に対するパルス幅と位相差を示す図である。
【図25】正弦波状にうねったミラー面に光束を入射した際の影響を説明する図である。
【図26】本発明に係る偏向ミラーモジュールの可動ミラー部のさらに別の構成例を示す図である。
【符号の説明】
101:半導体レーザ
102:フレーム部材
106:ハウジング
109:シリンダレンズ
110:カップリングレンズ
112:プリント基板
113:同期検知センサ
116:第1の走査レンズ
117:第2の走査レンズ
130:偏向ミラーモジュール
136:入射プリズム
201:可動ミラー(偏向ミラー)
202:ミラー基板(ミラー基体)
203:第1の固定電極
204:第2の固定電極
206:第1の基板
207:第2の基板
208:ねじり梁
210:固定枠
211:第3の固定電極
212:第4の固定電極
246:揺動基板(揺動基体)
247:第1の可動電極
248:第2の可動電極
249:空隙(肉抜き部)
500,640〜643:光走査装置
501,638:転写ベルト
504,621〜624:感光体ドラム(像担持体)

Claims (11)

  1. 光ビームを偏向する可動ミラーと、該可動ミラーと連結され回転軸心を規定するねじり梁と、上記可動ミラーを揺動する回転力を発生するミラー揺動手段とを有する偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段を、上記可動ミラーと回転軸方向に隣接して備え、可動ミラーの回転軸心からの距離をr’、可動ミラー幅(両翼)をAとすると、
    r’≦A/4
    なる部位に回転力を発生するようにしたことを特徴とする偏向ミラー。
  2. 請求項1記載の偏向ミラーにおいて、
    上記可動ミラーは、上記ねじり梁と連結され、上記ミラー揺動手段を回転軸心の近傍に備える揺動基体と、上記揺動基体と回転軸心から外れた部位で連結されるミラー基体とからなることを特徴とする偏向ミラー。
  3. 請求項1記載の偏向ミラーにおいて、
    上記可動ミラーは、上記ねじり梁と連結され、上記ミラー揺動手段を回転軸心の近傍に備える揺動基体と、上記揺動基体上に接合されるミラー基体とからなることを特徴とする偏向ミラー。
  4. 請求項3記載の偏向ミラーにおいて、
    上記揺動基体は、上記ミラー基体との接合領域に、少なくとも回転軸と直交方向に離隔した複数の空隙部を有することを特徴とする偏向ミラー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、
    上記ミラー揺動手段は、可動ミラーと連結して回転軸方向に延びる可動電極と、該可動電極と対向して配備した固定電極とからなり、電極間に生じる静電引力により起動することを特徴とする偏向ミラー。
  6. 請求項5記載の偏向ミラーにおいて、
    上記可動ミラーは、上記可動電極を備え、上記ねじり梁を連結する揺動基体と、該揺動基体と同一基板により形成したミラー基体とからなることを特徴とする偏向ミラー。
  7. 請求項5記載の偏向ミラーにおいて、
    上記可動ミラーは、上記可動電極を備え、上記ねじり梁を連結する揺動基体を形成する第1の基板と、該第1の基板と接合され、ミラー基体を形成する第2の基板とからなり、上記固定電極を少なくともいずれか一方の基板に形成してなることを特徴とする偏向ミラー。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の偏向ミラーにおいて、
    上記可動ミラーの揺動空間を、少なくとも大気圧よりも減圧した状態に封止し、可動ミラーに入出射する光ビームの透過窓を有する封止手段と、上記ミラー揺動手段と接続され、封止する内外を貫通する端子手段とを備えることを特徴とする偏向ミラー。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一つに記載の偏向ミラーと、該偏向ミラーにより往復走査される光ビームを射出する光源手段と、上記偏向ミラーにより走査された光ビームを被走査面に結像する結像手段とを有することを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項9記載の光走査装置を複数備え、各々の光走査装置により走査される被走査領域を走査方向に繋ぎ合わせて画像を形成することを特徴とする光走査装置。
  11. 像担持体と、該像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、上記像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化する現像手段と、上記トナー像を記録媒体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、
    上記潜像形成手段として、請求項9または10に記載の光走査装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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