JP4446345B2 - 光偏向素子と光偏向器と光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光偏向素子と光偏向器と光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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この発明は、マイクロマシニング技術を用いて形成した小型の光偏向素子と光偏向器と光走査装置及び画像形成装置に関するものである。
近年、デジタル複写機やレーザプリンタ等に使用する光走査装置やバーコードリーダー等の読取装置は高機能化や小型化され、それに使用する光偏向器も小型化が要求されている。この小型化した光偏向器として、マイクロマシニング技術で形成された光偏向器が非特許文献1に示されている。この光偏向器は、一方の面に反射面を有するミラー基板を同一直線上に設けられた2本の梁で支持し、ミラー基板に対向する位置に設けた電極との間の静電引力で、2本の梁をねじり回転軸としてミラー基板を往復振動させている。この光偏向器は、従来のモータを使ったポリゴンミラーの回転による光偏向器と比較して、構造が簡単で半導体プロセスで一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低く、また単一の反射面であるため複数面による精度のばらつきがなく、さらに往復走査であるため高速化にも対応できる。
この静電駆動の光偏光器に用いられるミラー基板を高速で駆動するため、特許文献1に示すように、ねじり回転軸となる梁をS字形に複数回折り返してねじり剛性を小さくしたり、特許文献2に示すように、ミラー基板を有する第1の振動系と、第1の振動系を保持する第2の振動系を設け、第1の振動系の第2の振動系に連結されたねじり回転軸となる梁の厚さを他の部分より薄くして、第1の振動系と第2の振動系によって定まる特定の周波数で第2の振動系に回転振動力を与え、第1の振動系を定振動型ダイナミックダンパーとして作用させてミラー基板を高速で且つ大振幅で動作させるようにしている。
このように高速で駆動するミラー基板の剛性が不足している場合、図18(a)に示すように、ミラー基板2の回転振動に伴って発生する慣性力によりミラー基板2自体がほぼ正弦波状に振動し、S字型に撓んで変形する。この変形したミラー基板2の曲面から最小二乗法により理想平面を求め、理想平面からミラー基板2の曲面との差である動的撓み量の慣性力を考慮して数値計算した計算値と、ホログラフィー法により求めた実測値を図18(b)に示す。この動的撓みはミラー基板反射面の光学特性を著しく劣化させてしまう。この動的撓みを低減するため、一般的にはミラー基板の厚さを厚くして剛性を高めるようにしている。
一方、静電駆動の光偏光器でミラー基板を駆動する駆動力は非常に小さく、ミラー基板の厚さを厚くすると、慣性が大きくなり偏向角が著しく低下してしまう。このミラー基板の偏向角を大きくするには、ミラー基板の慣性モーメントを小さくすることが必要である。
このミラー基板の厚さを厚くして剛性を高めながら慣性モーメントを小さくするため、特許文献3や特許文献4に示された光偏向器は、ミラー基板の反射面と反対側の面に複数の凹部を帯状やマトリックス状に形成したり、ねじり回転軸の軸心から外側に向かって厚さが段階的に小さくなるように、ミラー基板の反射面と反対側の面を階段状に形成している。
IBM J.Res.Develop Vol.24 (1980) 特許第2924200号公報 特開平7−92409号公報 特開2001−249300号公報 特開2003−131161号公報
前記のようにミラー基板の厚さを厚くして、ミラー基板の反射面と反対側の面に複数の凹部を形成したり、ねじり回転軸の軸心から外側に向かって厚さが段階的に小さくなるように、ミラー基板の反射面と反対側の面を階段状に形成することにより、ミラー基板の剛性を高めることはできるが、慣性モーメントを小さくすることには限度があり、ミラー基板を高速でかつ大きな偏向角で動作させることは困難であった。
この発明は、このような短所を改善し、反射面を有するミラー基板の厚さを厚くすることないしに動的撓みを小さくして高速で且つ大きな偏向角で動作することができる光偏向素子と光偏向器と光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
この発明の光偏向素子は、一方の面に反射面を有するミラー基板が支持基板の内部中央にねじり回転軸となる梁により支持され、梁をねじり回転軸としてミラー基板を往復振動させて光源からの光ビームを偏向する光偏向素子において、ミラー基板の反射面とは反対側の面に、共通電極と梁の中心線を挟んだ両側に2分割して配置された個別電極に挟まれた電気ー機械変換素子を設け、該電気ー機械変換素子に印加する電圧を、前記ミラー基板の往復振動時に発生する変形を打ち消す方向の力が作用するように可変することを特徴とする。
前記電気ー機械変換素子を梁の中心線を挟んだ両側に2分割して設けると良い。
また、電気ー機械変換素子を、梁の中心線とミラー基板の端部の間のほぼ中間位置を含むように配置すると良い。
さらに、電気ー機械変換素子を、ミラー基板を往復振動したときにミラー基板に作用する曲げモーメントが最大となる位置を含むように配置することが望ましい。
また、電気ー機械変換素子に印加する電圧を、ミラー基板の振動振幅に応じて可変する。
この発明の光偏向器は、前記光偏向素子と、光偏向素子のミラー基板に外力を加えて梁をねじり回転軸として往復振動させる外力発生手段とを有することを特徴とする。
前記外力発生手段は、ミラー基板の、梁の中心線に対して平行な両端部に設けた可動電極と、該可動電極と対向する前記支持基板の端部に設けられた固定電極とを有し、可動電極と固定電極間に作用する静電力によりミラー基板を往復振動させる。
また、外力発生手段は、ミラー基板の反射面外周部を周回する駆動コイルと、該駆動コイルに磁界を与える静磁界発生手段とを有し、駆動コイルに作用する電磁力によりミラー基板を往復振動させても良い。
この発明の光走査装置は、前記光偏向器を有し、光源からの光を往復振動するミラー基板で走査することを特徴とする。
この発明の画像形成装置は、前記光走査装置で走査する光ビームにより感光体に潜像を形成することを特徴とする。
この発明の光偏向素子は、梁をねじり回転軸としてミラー基板を往復振動させて光源からの光ビームを偏向する光偏向素子のミラー基板に設けた電気ー機械変換素子のモノモルフ効果により、ミラー基板を往復振動したときに生じて動的変形を減少するようにしたから、ミラー基板の厚さをを厚くすることないしに動的撓みを小さくして高速で且つ大きな偏向角で動作することができる。
また、電気ー機械変換素子を梁の中心線を挟んだ両側に2分割して設けることにより、ミラー基板の梁の中心線を挟んだ両側に生じる動的変形を確実に減少することができる。
さらに、電気ー機械変換素子を、梁の中心線とミラー基板の端部の間のほぼ中間位置を含むように配置したり、ミラー基板に作用する曲げモーメントが最大となる位置を含むように配置することにより、ミラー基板に生じる変形を効率良く減少することができる。
また、電気ー機械変換素子に印加する電圧を、ミラー基板の振動振幅に応じて可変することにより、ミラー基板の変形をより効果的に減少することができる。
また、この光偏向素子を光偏向器に使用し、光偏向素子のミラー基板に静電力や電磁力を加えて梁をねじり回転軸として往復振動させることにより、高速で且つ大きな偏向角で光を偏向させることができる。
さらに、この光偏向器を光走査装置に使用することにより、ポリゴンミラーを使用した光走査装置と比べて部品数を非常に少なくすることができ、低コスト化を図ることができる。
また、画像形成装置に、往復振動するミラー基板を有する光偏向素子で安定して走査を行なうことができる光走査装置を使用することにより、良質な画像を安定して形成することができると共に、画像形成装置の低コスト化を図ることができる。
図1はこの発明の光偏向素子の構成を示す斜視図である。図に示すように、光偏向素子1は、一方の面に反射面を有するミラー基板2が支持基板3の内部中央にねじり回転軸となる梁4により支持されている。ミラー基板2には、図2の断面図に示すように、反射面5と反対側の面に電気ー機械変換素子6を有する。電気ー機械変換素子6は、例えば薄板のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系圧電体からなり、下部電極7と梁4の中心線を挟んだ両側に2分割して配置された上部電極8a,8bに挟まれ、図3の平面図に示すように、梁4の中心線とミラー基板2の端部の間のほぼ中間位置を含むように配置されている。下部電極7は電気ー機械変換素子の共通電極を構成し、リード9を介して支持基板3に設けたパット10に接続されている。上部電極8a,8bは、それぞれリード11a,11bを介して支持基板3に設けたパット12a,12bに接続されている。各パット10,12a,12bは、図3に示すように、駆動回路13に接続され、下部電極7に接続されたパット10は駆動回路13の接地側に接続されている、上部電極8aに接続されたパット12aと上部電極8bに接続されたパット12bには駆動回路13から異なる極性の電圧を印加する。
この光偏向素子1のミラー基板2に外力を加えて梁4をねじり回転軸としてミラー基板2を往復振動させると、ミラー基板2に慣性力が作用し、この慣性力により、図4に示すように、ミラー基板2の各点に曲げモーメントMxが作用する。この曲げモーメントMxは、ミラー基板2のねじり回転軸となる梁4の中心線の方向をX軸、梁4の中心線と直交し、支持基板3と並行な方向をY軸とすると、図5に示すように、ミラー基板2の各点には梁4の中心線を境に正負に分布する。この曲げモーメントMxによりミラー基板2は、図6に示すように、ほぼ正弦波状変形しながら往復振動する。すなわち、図1において、ミラー基板2を時計方向に回動したとき、ミラー基板2は、図6(a)に示すように変形し、ミラー基板2を反時計方向に回動したとき、ミラー基板2は図6(b)に示すように変形する。
そこでミラー基板2を時計方向に回動するとき、駆動回路13から上部電極8aにプラスの電圧を印加し、上部電極8bにはマイナスの電圧を印加し、ミラー基板2を反時計方向に回動するとき、駆動回路13から上部電極8aにマイナスの電圧を印加し、上部電極8bにはプラスの電圧を印加する。このプラスの電圧が印加された電気ー機械変換素子6の部分には長手方向に伸びが生じ、マイナスの電圧が印加された電気ー機械変換素子6の部分には長手方向に縮みが生じる。このときミラー基板2は長さの変化が生じないから、ミラー基板2はA矢印とB矢印方向に変形し、このモノモルフ効果によりミラー基板2を往復振動させているときに生じるミラー基板2の変形を打ち消して減少することができ、ミラー基板2の厚さを厚くすることないしに動的撓みを小さくして高速で且つ大きな偏向角で動作することができる。
また、ミラー基板2を梁4をねじり回転軸として周期Tで往復振動させたとき、図7(a)に示すように、ミラー基板2の振動波形は正弦波状に変化し、この振動によりミラー基板2に変形が生じる。すなわち時間0〜T/4の間ではミラー基板2は矢印方向に回転して波形状に動的変形が生じる。そして時間T/4で最大変形を示す。時間T/4〜T/2の間ではミラー基板2は逆方向に回転し始め、ミラー基板2の動的変形は振れ角の減少と共に変形量を減らす。そして時間T/2において動的変形量は零になる。さらにミラー基板2が回転し、時間T/2〜3T/4の間ではミラー基板2は逆方向に動的変形が生じ、この動的変形量は時間3T/4で最大になる。時間3T/4〜Tの間では、ミラー基板2は逆方向に回転し始め、ミラー基板2の動的変形は振れ角の減少と共に変形量を減らし、時間Tにおいて動的変形量は零になる。ミラー基板2を往復振動するとき、ミラー基板2はこの動的変形を周期Tごとに繰り返す。そこで上部電極8a,8bに印加する電圧を、図7(b)に示すように、ミラー基板2の振動に同期をとり、かつミラー基板2の変形形状に応じて印加するため、三角波形状の駆動信号aを例えば上部電極8aに印加し、他方の上部電極8bには駆動信号aより位相がπだけ異なる駆動信号bを印加する。このようにして往復振動しているときのミラー基板2の変形を効率よく低減することができる。
前記説明では、ミラー基板2の反射面5とは反対側の面に1個の電気ー機械変換素子6を設けた場合について説明したが、図8の平面図と図9の断面図に示すように、2個の電気ー機械変換素子6a,6bを梁4の中心線を挟んだ両側に配置して、電気ー機械変換素子6aに上部電極8aと共通電極7で電圧を印加し、電気ー機械変換素子6bに上部電極8bと共通電極7で電圧を印加する。そしてミラー基板2を梁4をねじり回転軸として往復振動させるとき、その振動方向に応じて上部電極8aと上部電極8bに印加する電圧の極性を切り替えることにより、図10に示すように、電気ー機械変換素子6a,6bに長手方向の伸びや縮みを発生させて、このモノモルフ効果によりミラー基板2に振動により生じたミラー基板2の変形を打ち消すA矢印とB矢印方向の変形を与えて、ミラー基板2を往復振動させているときに生じるミラー基板2の変形を減少することができる。
このミラー基板2を振動させているとき、ミラー基板2の各点に作用する曲げモーメントMxは、図5に示すように、ミラー基板2のY方向の長さを2Lとすると、梁4の中心線からY方向に対してほぼ±L/3の位置で曲げモーメントMxが最大になり、この位置でミラー基板2が最も大きく変形する。そこで電気ー機械変換素子6a,6bを、梁4の中心線からY方向に対してほぼ±L/3の位置を含むように配置すると良い。このように電気ー機械変換素子6a,6bをミラー基板2が最も大きく変形する位置を含むように配置することにより、ミラー基板2を往復振動させているときに生じるミラー基板2の変形を効率よく減少することができる。
次に、光偏向素子1の製造方法について図11の断面図を参照して説明する。まず、両面研磨した一定厚さ例えば200μmのSi基板で支持基板3とミラー基板2を作成する。このミラー基板2を構成するSi基板21の一方の面に、通常の半導体プロセスを用いてBを不純物として高純度にドープした厚さ10μmのSi:B膜22を形成する。このSi:B膜22の表面にPtやCr、Ni等よりなる厚さ1μmの共通電極層23と厚さ10μmの例えばPZT系の圧電体層24a,24b及びPtやCr、Ni等よりなる個別電極層25a,25bをスパッタリングあるいはイオンプレーテイングによって形成する。このように共通電極層23と圧電体層24a,24b及び個別電極層25a,25bをスパッタリングあるいはイオンプレーテイングによって形成することにより、接着剤による接合と比較して接合強度の信頼性を高めることができる。また、圧電体層24a,24bを薄膜で形成することにより消費電力を低減することができる。
次に、光偏向素子1を使用した光偏向器について説明する。図12は光偏向器30の構成である。図に示すように、光偏向器30は、光偏向素子1と、ミラー基板2を支持する梁4の中心線と平行に、かつミラー基板2の両端部近傍のそれぞれ配置された外力発生手段31a,31bからなる可変偏向部32と偏向信号発生装置33とを有する。この光偏向器30で入射した光を偏向するとき、偏向信号発生装置33は、図13に示すように、ミラー基板2と梁4で決まる共振周波数f0=1/Tの2倍の周波数で駆動パルスを発生して外力発生手段31a,31bと駆動回路13に送る。ここでTはミラー基板2の振動周期である。外力発生手段31a,31bは送られた駆動パルスによりミラー基板2を引き寄せるような外力Trqをミラー基板2にさせ、ミラー基板2を梁4をねじり回転軸として往復振動させる。駆動回路13は送られた駆動パルスにより光偏向素子1の上部電極8a,8bに対する駆動信号を切り替える。このようにしてミラー基板2を正弦波状に往復振動させながら、振動しているミラー基板2の変形を抑制することにより、ミラー基板2の反射面の光学特性が劣化することを防ぐことができる。
この外力発生手段31a,31bは、例えば図14に示すように、光偏向素子1のミラー基板2の端部に設けた櫛歯状の可動電極34a,34bと、可動電極34a,34bと対向する支持基板3の内周端に設けた櫛歯状の固定電極35で構成し、可動電極34a,34bと固定電極35間をコンデンサとして作用させ、両電極間で作用する静電気力によりミラー基板2を往復振動させると良い。このように可動電極34a,34bと固定電極35間をコンデンサとして作用させることにより、ミラー基板2を往復振動させるときの消費電力は、このコンデンサを充電するために消費されるだけであり、消費電力を非常に小さくすることができる。
この光偏向素子1と外力発生手段31a,31bとして可動電極34a,34bと固定電極35を有する光偏向器30の可変偏向部32の製造方法について説明する。図14に示すように、第1のSi基板40と第2のSi基板41を絶縁膜であるシリコンの酸化膜42を介して接合し、第2のSi基板41に結晶異方性エッチングにより光偏向素子1に対応する開口部43を形成する。次に、第2のSi基板40にフォトエッチング等の半導体プロセス技術により櫛歯状の電極部を有するミラー基板2と梁4及びミラー基板2の電極部と互い違いな櫛歯状の電極部を有する支持基板3を形成する。このミラー基板2と梁4及び支持基板3を形成した第2のSi基板40に4つの分離溝44を設け、可動電極34a,34bを形成するミラー基板2と支持基板3の固定電極35を形成する部分を分割する。その後、ミラー基板2の反射面とは反対側の面に共通電極7と電気ー機械変換素子6a,6b及び上部電極8a,8bを形成し、ミラー基板2の反射面側の櫛歯状の電極部と支持基板3の櫛歯状の電極部に可動電極34a,34bと固定電極35をそれぞれ形成する。
前記説明では外力発生手段31a,31bをミラー基板2に形成した可動電極34a,34bと支持基板3に形成した固定電極35で構成し、静電気力によりミラー基板2を往復振動させる場合について示したが、電磁力によりミラー基板2を往復振動させても良い。この電磁力によりミラー基板3を往復振動させる可変偏向部32は、図15に示すように、光偏向素子1のミラー基板2の反射面5を囲むように設けられた銅薄膜の駆動コイル36と、光偏向素子1の外側に、梁4の中心線と平行に配置された永久磁石37a,37bを有する。駆動コイル36は支持基板3に形成した1対の電極端子38に接続されている。
ミラー基板を往復振動するとき、偏向信号発生装置33は駆動コイル36に正弦波信号を印加する。駆動コイル36に流れる電流と、永久磁石37a,37bの静磁界により電磁トルクTrqが駆動コイル36に作用し、ミラー基板2を正弦波信号に対応して往復振動する。このミラー基板2を往復振動するとき、駆動コイル36に印加する正弦波信号の周波数をミラー基板2と梁4で決まる共振周波数f0と同じに設定し、共振状態にすることにより、ミラー基板2の振動振幅を大きくすることができる。このときにミラー基板2の共振周波数f0と振動振幅(振れ角)θは下記式で与えられる。
f0=(1/2π)*(Kθ/I)1/2 (1)
θ=Trq/I*K(f0,C) (2)
ここでK(f0,C)は、共振周波数f0と粘性抵抗Cの関数であり、共振周波数f0と粘性抵抗Cに反比例する。Kθは梁4のねじりバネ定数、Trqは駆動コイル36に作用する電磁トルク、Iはミラー基板2の慣性モーメントである。
駆動コイル36に作用する電磁トルクTrqは比較的大きいので、(2)式により、ミラー基板2の振動振幅θを大きくすることができる。
前記のように構成した光偏向器30を使用した光走査装置の構成を図16に示す。光走査装置50は半導体レーザ光源51とコリメートレンズ52とミラー53と光偏向器30及びfθレンズ等の補正光学系54を有する。そして半導体レーザ光源51から出射したレーザビームはコリメートレンズ52によりほぼ平行光に整形され、ミラー53で反射して光偏向器30の往復振動しているミラー基板2の反射面に入射する。ミラー基板2の反射面に入射したレーザビームは、ミラー基板2の往復振動により偏向角を変えながら偏向する。この偏向したレーザビームが補正光学系54を通り被走査面55を走査する。このようにミラー基板2の往復振動により偏向角を変えながらレーザビームを偏向しているとき、ミラー基板2の往復振動により生じる変形を低減しているから、被走査面55に結像するレーザビームのビーム径等の光学特性を向上することができ、安定して走査を行なうことができる。また、往復振動するミラー基板2を有する光偏向素子1を有する光走査装置50はポリゴンミラーを使用した光走査装置と比べて部品数が非常に少ないから、低コスト化を図ることができる。
この光走査装置50を使用した電子写真方式の複写機やプリンタ装置等の画像形成装置61の構成を図17に示す。図17(a)に示すように、感光体62の主走査方向に沿って複数の光走査装置50を配置する。そして入力した画像信号により光走査装置50で感光体62を走査して静電潜像を形成する。感光体62に形成した静電潜像は、図17(b)の概略構成図に示す現像装置63で可視化され、可視化されたトナー像は被記録材搬送手段64により給送される記録材に転写され、定着装置65で定着される。このように往復振動するミラー基板2を有する光偏向素子1を有し、安定して走査を行なうことができる光走査装置50を使用することにより、画像形成装置61で良質な画像を安定して形成することができると共に、画像形成装置61の低コスト化を図ることができる。
この発明の光偏向素子の構成を示す斜視図である。 光偏向素子のミラー基板の構成を示す断面図である。 光偏向素子の構成を示す断面図である。 ミラー基板に作用する曲げモーメントを示す模式図である。 ミラー基板の位置に対する曲げモーメントの分布図である。 電気ー機械変換素子の動作を示す模式図である。 ミラー基板の振動波形と変形形状に対する印加電圧の変化特性図である。 第2の光偏向素子の構成を示す平面図である。 第2の光偏向素子のミラー基板の構成を示す断面図である。 第2の光偏向素子の電気ー機械変換素子の動作を示す模式図である。 第2の光偏向素子の製造方法を示す断面図である。 光偏向素子を使用した光偏向器の構成図である。 ミラー基板の振動波形とミラー基板の駆動パルスの波形図である。 ミラー基板を静電気力により往復振動させる光偏向器の構成を示す斜視図である。 ミラー基板を電磁力により往復振動させる光偏向器の構成を示す斜視図である。 光走査装置の構成図である。 画像形成装置の構成図である。 ミラー基板の動的撓み量と、ミラー基板の位置に対する動的撓み量の変化特性図である。
符号の説明
1;光偏向素子、2;ミラー基板、3;支持基板、4;梁、5;反射面、
6;電気ー機械変換素子、7;下部電極、8;上部電極、9;リード、
10;パット、11;リード、12;パット、13;駆動回路、21;Si基板、
22;Si:B膜、23;共通電極層、24;圧電体層、25;個別電極層、
30;光偏向器、31;外力発生手段、32;可変偏向部、
33;偏向信号発生装置、34;可動電極、35;固定電極、36;駆動コイル、
37;永久磁石、38;電極端子、40;第1のSi基板、41;第2のSi基板、
42;シリコン酸化膜、50;光走査装置、51;半導体レーザ光源、
52;コリメートレンズ、53;ミラー、54;補正光学系、55;被走査面、
61;画像形成装置、62;感光体、63;現像装置、64;被記録材搬送手段、
65;定着装置。

Claims (10)

  1. 一方の面に反射面を有するミラー基板が支持基板の内部中央にねじり回転軸となる梁により支持され、梁をねじり回転軸としてミラー基板を往復振動させて光源からの光ビームを偏向する光偏向素子において、
    前記ミラー基板の反射面とは反対側の面に、共通電極と梁の中心線を挟んだ両側に2分割して配置された個別電極に挟まれた電気ー機械変換素子を設け、該電気ー機械変換素子に印加する電圧を、前記ミラー基板の往復振動時に発生する変形を打ち消す方向の力が作用するように可変することを特徴とする光偏向素子。
  2. 前記電気ー機械変換素子を梁の中心線を挟んだ両側に2分割して設けた請求項1に記載の光偏向素子。
  3. 前記電気ー機械変換素子を、前記梁の中心線とミラー基板の端部の間のほぼ中間位置を含むように配置した請求項1又は2に記載の光変更素子。
  4. 前記電気ー機械変換素子を、ミラー基板を往復振動したときにミラー基板に作用する曲げモーメントが最大となる位置を含むように配置した請求項3に記載の光偏向素子。
  5. 前記電気ー機械変換素子に印加する電圧を、前記ミラー基板の振動振幅に応じて可変する請求項1乃至4のいずれかに記載の光偏向素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光偏向素子と、該光偏向素子のミラー基板に外力を加えて梁をねじり回転軸として往復振動させる外力発生手段とを有することを特徴とする光偏向器。
  7. 前記外力発生手段は、前記ミラー基板の、梁の中心線に対して平行な両端部に設けた可動電極と、該可動電極と対向する前記支持基板の端部に設けられた固定電極とを有し、前記可動電極と固定電極間に作用する静電力によりミラー基板を往復振動させる請求項6に記載の光偏向器。
  8. 前記外力発生手段は、前記ミラー基板の反射面外周部を周回する駆動コイルと、該駆動コイルに磁界を与える静磁界発生手段とを有し、前記駆動コイルに作用する電磁力によりミラー基板を往復振動させる請求項6に記載の光偏向器。
  9. 請求項6乃至8のいずれかに記載の光偏向器を有することを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項9に記載の光走査装置を有することを特徴とする画像形成装置。

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