JP4984117B2 - 2次元光スキャナ、それを用いた光学装置および2次元光スキャナの製造方法 - Google Patents

2次元光スキャナ、それを用いた光学装置および2次元光スキャナの製造方法 Download PDF

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本発明は、スキャナおよびそれを用いた光学装置に関し、特に2次元光スキャナ、それを用いた光学装置および2次元光スキャナの製造方法に関する。
レーザ光等の光ビームを走査する装置(光スキャナ)は、バーコードリーダー、レーザプリンタ等の光学機器に用いられている。現在、光スキャナの小型化、より正確な動作等が求められている。
特開2005−148459号公報には、マイクロマシニングプロセスによって一体形成可能であると共に、空洞部を持つ支持体の内側に、ミラー部と内部可動枠といった可動部を備え、トーションバーを介して支持され、ミラー部と内部可動枠とを2軸で揺動させて二次元走査する光スキャナおよびそれを用いた光学装置が提案されている。
特開2005−148459号公報
光スキャナに求められる性能として、ミラー部の稼動スピードや偏向角が挙げられる。これらは、光スキャナを用いる光学機器の仕様によって決まってくる。ラインスキャン方式による画像形成には、遅い走査と速い走査の組み合わせが必要であるため、各軸を駆動する際に印加する交流電圧の周波数比をより大きくすることが求められている。
周波数比を大きくするためには、ミラー部、内部可動枠といった可動部の密度や、幅、長さ、厚みといった形状、トーションバーの形状等を適宜設計する必要がある。
一般的にマイクロマシンで使われているアクチュエータ方式として、静電アクチュエータや電磁アクチュエータがある。これらの方式は、発生するエネルギーが小さく、重いものを動かすことは困難である。そのため、ミラー部の質量を軽くする設計を行うことがある。
しかし、光スキャナを用いる光学機器の光源によって、ミラー部の大きさは決まってくるため、ミラー部の小型化には限りがある。
また、周波数比を大きくするために内部可動枠の長さ、幅といったサイズを大きくすると、駆動時のエアダンピング効果が増大し、偏向角が減少するといった不具合が起きる。このようなことが起きないように、動作安定性の向上も求められている。
これらのことを満足するようにミラー等可動部の設計は行われるため、可動部の設計の自由度はあまり大きくない。
本発明の目的は、2つの駆動電圧の周波数比が高く、動作安定性が高い2次元光スキャナ、それを用いた光学装置および2次元光スキャナの製造方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、共通基板と該共通基板上に形成された反射膜とを有するミラー部と、前記共通基板とその下に接続された構造体とを含んで形成され、前記ミラー部を内包する開口を有する内部可動枠と、前記共通基板とその下に接続されたベース層とを含んで形成され、前記内部可動枠を内包する開口を有する支持体と、前記共通基板を含んで形成され、第1の軸上で前記ミラー部を回動可能に支持する一対の第1のトーションバーと、前記第1のトーションバー両側に接続され、前記第1のトーションバー両側に圧電素子を有し、前記第1のトーションバーに回動トルクを印加する第1の圧電振動板とを含み、前記ミラー部と前記内部可動枠とを連結する第1の連結部と、前記共通基板を含んで形成され、前記第1の軸と交差する第2の軸上で前記内部可動枠を回動可能に支持する一対の第2のトーションバーと、前記第2のトーションバー両側に接続され、前記第2のトーションバー両側に圧電素子を有し、前記第2のトーションバーに回動トルクを印加する第2の圧電振動板とを含み、前記内部可動枠と前記支持体とを連結する第2の連結部とを有する2次元光スキャナが提供される。
本発明の他の観点によれば、共通基板と該共通基板上に形成された反射膜とを有するミラー部と、前記共通基板とその下に接続された構造体とを含んで形成され、前記ミラー部を内包する開口を有する内部可動枠と、前記共通基板とその下に接続されたベース層とを含んで形成され、前記内部可動枠を内包する開口を有する支持体と、前記共通基板を含んで形成され、第1の軸上で前記ミラー部を回動可能に支持する一対の第1のトーションバーと、前記第1のトーションバー両側に接続され、その表面上に圧電素子を有し、前記第1のトーションバーに回動トルクを印加する第1の圧電振動板とを含み、前記ミラー部と前記内部可動枠とを連結する第1の連結部と、前記共通基板を含んで形成され、前記第1の軸と交差する第2の軸上で前記内部可動枠を回動可能に支持する一対の第2のトーションバーと、前記第2のトーションバー両側に接続され、その表面上に圧電素子を有し、前記第2のトーションバーに回動トルクを印加する第2の圧電振動板とを含み、前記内部可動枠と前記支持体とを連結する第2の連結部とを有する2次元光スキャナの製造方法であって、前記構造体および前記支持体を形成するために、支持体作製用マスクおよび構造体作製用マスクをエッチングマスクとして、前記共通基板の下に接続されたベース層をエッチングする工程と、前記支持体作製用マスクをエッチングマスクとして前記ベース層をエッチングする工程とを含む2次元光スキャナの製造方法が提供される。
内部可動枠の下部に構造体を設けたことにより、内部可動枠の共振周波数を調整できる。また、内部可動枠の剛性および慣性質量が上がり、機械的強度および動作安定性が向上する。
図1を参照して、第1の実施例による2次元光スキャナ101について説明する。図1に、2次元光スキャナ101の斜視図を示す。図1に示すように、2次元スキャナ101には、中央に矩形のミラー部が形成されている。ミラー部は、表面に酸化膜が形成されたシリコン(Si)層からなる可動基板3と、その上部に形成された金(Au)やアルミニウム(Al)等の金属薄膜による反射膜3mとを含んで構成されている。反射膜3mは、入射光の反射率を高める。
一対の第1のトーションバー4a、4bが、ミラー部を通過するひとつの軸上に配置され、可動基板3を各々の一端で軸支する。第1のトーションバー4a、4bの他端には、ミラー部を囲む矩形枠状の内部可動枠2が接続されている。
第1の圧電振動板5a、5d(および5b、5c)が、内部可動枠2の第1のトーションバーと平行な辺2Lと第1のトーションバー4a(および4b)とを接続する。第1の振動板5a、5d(および5b、5c)の表面上で、第1のトーションバー4a(および4b)の両側には、圧電素子8a、8d(および8b、8c)がそれぞれ積層されている。図1中の構成では、圧電素子8a〜8dは、第1の圧電振動板の表面から内部可動枠2の表面の一部にかけて形成されており、内部可動枠2の表面上に引き出し電極を有している。
第1のトーションバー4a、4bと軸方向が交差する一対の第2のトーションバー6a、6bが、各々の一端で内部可動枠2を軸支する。図1中の構成では、第1のトーションバーと第2のトーションバーは直交する。
矩形開口を有する支持体1が、第2のトーションバーの6a、6bの他端に接続され、内部可動枠2を囲む。
第2の圧電振動板7a、7d(および7b、7c)が、支持体1の第2のトーションバーと平行な辺1Lと第2のトーションバー6a(および6b)とを接続する。第2の圧電振動板7a(および7b)の表面上で、第2のトーションバー6a(および6b)の両側には、圧電素子9a、9d(および9b、9c)がそれぞれ積層されている。図1中の構成では、圧電素子9a〜9dは、第2の圧電振動板の表面から支持体1の表面の一部にかけて形成されており、支持体1の表面上に引き出し電極を有している。
これらの、内部可動枠2、可動基板3、第1のトーションバー4a、4b、第1の圧電振動板5a、5b、5c、5d、第2のトーションバー6a、6b、第2の圧電振動板7a、7b、7c、7dは、表面に酸化膜を有するシリコンからなる共通基板をエッチング加工することにより形成されている。また、この加工の際に、ミラー部および内部可動枠2が所定の角度で揺動するのに支障のないような空隙も形成される。上記の各構成要素2、3、4a、4b、5a、5b、5c、5d、6a、6b、7a、7b、7c、7dは、支持体1の厚さに比べて薄くなっており、曲げ変形及び捩れ変形が容易にできる構造になっている。ただし、内部可動枠2は、共通基板の下にSiからなる構造体2Mが形成されており、機械的な剛性を向上させている。この構造体2Mは厚さの調整が可能である。
2次元スキャナ101の構成を言い換えて説明する。2次元スキャナ101は、中央に矩形のミラー部が配置され、ミラー部を囲んで矩形枠状の内部可動枠2が配置される。内部可動枠2の外側にさらに内部可動枠2を囲む矩形枠状の支持体1が配置される。一対の第1のトーションバー4a、4bが第1の軸上でミラー部と内部可動枠2とを接続し、第2のトーションバー6a、6bが内部可動枠2と支持体1とを第1の軸と交差する第2の軸上で接続する。第1の圧電振動板5a〜5dが、第1のトーションバーと、内部可動枠2中の第1のトーションバーと平行な辺とを接続する。第2の圧電振動板5a〜5dが、第2のトーションバーと、支持体1中の第2のトーションバーと平行な辺とを接続する。第1および第2の圧電振動板の表面には圧電素子8a〜8dおよび9a〜9dが形成されている。なお、第1のトーションバー、第1の圧電振動板および圧電素子8a〜8dをまとめて第1の連結部と呼び、第2のトーションバー、第2の圧電振動板および圧電素子9a〜9dをまとめて第2の連結部と呼ぶ。
図2に、図1の一点鎖線A1−A1における断面図を示し、第1の実施例における2次元光スキャナの製造方法について説明する。
図2(A)に示すように、母体となる基板として、単結晶シリコン層(トップ層)1b/酸化シリコン層(中間酸化膜層)1c/単結晶シリコン層(ベース層)1dの張り合わせ基板であるSOI基板を用いる。各層の厚さはそれぞれ60μm/2μm/450μmであり、前記トップ層の表面は光学研磨処理が施されている。
図2(A)に示すように、まず、SOI基板の単結晶シリコン層1bの表面に、拡散炉によって厚さ500〜1000nmの熱酸化シリコン膜1aを形成する。なお、トップ層1bと熱酸化シリコン膜1aを併せて共通基板1comと定義する。
図2(A)に示すように、熱酸化シリコン膜1aの表面にスパッタ法によって、まず密着層としてのチタン(Ti)を厚さ50nm成膜する。次に白金(Pt)を厚さ150nm成膜し、下部電極10m1を形成する。
図2(A)に示すように、反応性アーク放電イオンプレーティング法(持開2001−234331、特開2002−177765、及び特開2003−81694号公報「発明を実施するための最良の形態」参照)によって圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の膜を厚さ3μmで下部電極10m1上に成膜し、圧電膜10pを形成する。その後、スパッタ法によってPtを厚さ150nmで圧電膜10p上に成膜して上部電極10m2を形成する。
続いて、図2(B−1)に示すように、フォトリソグラフィー技術およびドライエッチング技術により、上部電極10m2、圧電膜10p、下部電極10m1のパターンニングを行い、圧電素子8cおよび8dを形成する。
図2(B−1)に示すように、AuあるいはAlをスパッタ成膜し、フォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術により、反射膜3mを形成する。
図2(B−2)に、図2(B−1)に示す段階での2次元光スキャナ101の平面図を示す。図2(B−2)に示すように、圧電素子8cおよび8dを形成するのと同じ段階で、圧電素子8cおよび8dと同様の方法で圧電素子8a、8b、9a、9b、9c、9dも形成する。
次に、図2(C)に示すように、基板表面全体を厚膜レジストで保護しておき、裏側のベース層1d表面の熱酸化膜1eをバッファードフッ酸(BHF)で除去した後、Alをスパッタ成膜してフォトリソグラフィー技術およびウェットエッチング技術によりパターニングし、ハードマスク1fを形成する。
図2(C)に示すように、基板表面の保護レジストを剥離し、再度フォトリソグラフィーによって形成したレジストパターンをマスクにして、ICP−RIE(誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング)装置にて共通基板1comをドライエッチングにより除去加工し、ミラー部、内部可動枠、第1および第2のトーションバー、第1および第2の圧電振動板となる部分を残して、最終的には開口となる溝1gを共通基板1comに形成する。
その後、図2(D−1)に示すように、ICP−RIE装置によって基板裏側からベース層である単結晶シリコン層1dをドライエッチング加工し、開口を形成する。この際、内部可動枠2の共通基板1comの下に酸化シリコン層1cおよびシリコン層1dからなる構造体2m1を残すために、エッチングを2ステップに分けて行う。即ち、第1ステップのエッチングでは、支持体1となる基板の下にハードマスクを、内部可動枠2となる基板の下にレジストマスクを取り付けておき、支持体1および内部可動枠2となる基板以外がエッチングされるようにする。所定の厚さがエッチングされた段階で、第2のステップとして、内部可動枠2となる基板の下部のレジストマスクをレジストリムーバーにより除去し、支持体1となる基板以外のエッチングを行う。こうして、共通基板1comと所望の厚さの構造体2m1からなる内部可動枠2を形成できる。
最後に、中間酸化膜層1cをBHFを用いて除去し、支持体1の開口を形成して、図1の2次元光スキャナ101が完成する。なお、レジストマスクの代わりにハードマスク1fと異なるエッチング特性のハードマスクを用いても良い。また、内部可動枠2の構造体2m1を支持体1よりも薄くしなくても良い場合は、2ステップのエッチングの代わりに、両方に同じハードマスクを用いて1ステップのエッチングを行うことができる。
図2(D−2)に、完成段階の図1中一点鎖線A2−A2における断面図を示す。図2(D−2)に示すように、第1のトーションバー4a、4bを通過する一点鎖線A2−A2における断面を見ると、第1のトーションバー5a、5bが可動基板3と内部可動枠2とを接続している。
図2(E−1)に、完成段階の図1中一点鎖線B1−B1における断面図を示す。図2(E−1)に示すように、第1の圧電振動板5b、5cが両端で内部可動枠2に接続されている。また、第1の圧電振動板5b、5cの上部には、圧電素子8b、8cが内部可動枠2に一部重なる状態で形成されている。この一部重なる部分において、外部電源に接続するための引き出し電極が設けられている。内部可動枠2と支持体1との間には、第2の圧電振動板7a、7bがあり、それぞれ上部には圧電素子9a、9bが形成されている。
図2(E−2)に、完成段階の図1中一点鎖線B2−B2における断面図を示す。図2(E−2)に示すように、第2のトーションバー6a、6bを通過する一点鎖線A2−A2における断面を見ると、第2のトーションバー6a、6bが内部可動枠2と支持体1とを接続している。
なお、図2(E−1)および(E−2)の点線で示した部分2m2は、内部可動枠2の構造体として残しても良いし、除去しても良い。図2(D−1)および(D−2)中の内部可動枠2における構造体2m1は、内部可動枠2の揺動に大きく影響するが、構造体2m2については構造体2m1ほどの影響は与えないからである。
図3、図4を参照して、この2次元光スキャナ101の動作について説明する。図3に、2次元スキャナ101および駆動回路の結線(単線)を模式的に表した平面図を示す。図3に示すように、それぞれの圧電素子に直流でバイアスされた交流電圧(ここでは単に交流電圧と呼ぶ場合もある。なお、交流電圧そのものでも良い)を印加する。圧電素子8a、8bに、同位相の交流電圧(例えば正弦波)VX1を印加し、圧電素子8c、8dに、VX1とは位相のずれた(好ましくは逆位相)の交流電圧VX2を印加する。一方、圧電素子9a、9bに、同位相の交流電圧(例えば正弦波)VY1を印加し、圧電素子9c、9dに、VY1とは位相のずれた(好ましくは逆位相)の交流電圧VY2を印加する。
図3で示すように、圧電素子8a、8b、8c、8dの上下電極間に所定の電圧を印加することにより、第1の圧電振動板5a、5b、5c、5dが内部可動枠2と接続する端を支点として基板の厚さ方向に振動する。同様に、圧電素子9a、9b、9c、9dの上下電極間に所定の電圧を印加することにより、第2の圧電振動板7a、7b、7c、7dも基板の厚さ方向に振動する。
図4(A)に、図3中一点鎖線C1−C1における断面図を示し、圧電振動板の振動について詳述する。圧電素子9a、9b(図中9b)および圧電素子9c、9d(図中9c)に上記の交流電圧VY1およびVY2を印加すると、電圧の大きさに応じて、圧電素子がその長さ方向に収縮する。圧電素子が収縮しても、各振動板の長さは変わらず、両端は支持体1に保持されているので、圧電振動板は圧電素子側に引っ張り上げられる。印加電圧の最大値においてその変位量は最大となる。印加電圧の大きさが最大値から0Vに向かうに従って圧電素子は元の長さに戻っていき、それに伴って圧電振動板が下に押し下げられる。印加電圧が0Vのとき、圧電素子および圧電振動板は元に戻る。ここで、弾性によるオーバーシュートがある。こうして、交流電圧を印加することにより、圧電振動板は基板の厚さ方向(図中上下)に振動する。特に、圧電素子9a、9bにかける電圧と圧電素子9c、9dにかける電圧の位相が逆位相の場合には、圧電素子9a、9bと圧電素子9c、9dの振動方向はトーションバー6a、6b(図中6b)を中心として逆になる。
このとき、内部可動枠2にはトーションバー6a、6b(図中6b)を通じて回転トルクが作用し、内部可動枠2はトーションバー6a、6b(図中6b)を通るY1軸を中心軸として傾く。例えば、圧電素子9bが伸び、圧電素子9cが縮んでいる場合、トーションバー付近の圧電振動板は、図4(A)に示すように、右下がりの状態となる。このときトーションバー6bを通じて、内部可動枠2も右下がりになる。一方、圧電素子9bが縮み、圧電素子9cが伸びている場合、内部可動枠2は左下がりになる。上記の交流電圧を印加し続けると、内部可動枠2にはシーソー的な回転トルクが作用し、内部可動枠2はY1軸の回りに所定の角度の揺動(回動と言うこともできる)を繰り返す。なお、圧電素子に印加する交流電圧9a、9bと9c、9dとが逆位相でない場合にも、このような揺動は可能である。
図4(B)に、図3中一点鎖線C2−C2における断面図を示す。同様の原理で圧電素子8a〜8d(図中8b、8c)に交流電圧VX1、VX2を印加して振動板5a〜5d(図中5b、5c)を振動させることにより、第1のトーションバー4a、4b(図中4a)を通るX1軸の回りにミラー部が所定角度で揺動する。圧電素子8a〜8dおよび圧電素子9a〜9dに所定の交流電圧を印加することにより、内部可動枠2とミラー部は互いに交差するY1軸、X1軸の回りで揺動するので、ミラー部表面の反射膜3mに入射する光の反射光は2次元的に走査される。
圧電素子8a〜8dの駆動周波数が、ミラー部の機械的な共振周波数f1と一致または近いときに、ミラー部の揺動角度は最大となる。同様に、圧電素子9a〜9dの駆動周波数が、内部可動枠2、ミラー部、トーションバー4a、4bおよび第1の振動板5a〜5dを合わせた構成物体の機械的な共振周波数f2と一致または近いときに、内部可動枠2の揺動角度は最大となる。
2次元光スキャナ101は、外形寸法が同じであっても、内部可動枠2の下部に形成された構造体2m1(振動の中心から離れた方の構造体)および2m2(振動の中心に近い方の構造体)の質量を製造段階で調整できる。一般的にマイクロマシンで使われているアクチュエータ方式としての静電アクチュエータや電磁アクチュエータの場合は、発生するエネルギーが小さく、質量の大きな物体を動かすことは困難であるが、圧電アクチュエータは、発生するエネルギーが他方式に比べて大きいため、質量の大きな物体を動かすことが可能である。これにより、構造体2m1および2m2の質量を適宜決めることが可能であり、この質量を変化させることにより、f1に対する共振周波数f2の比率を調整することが可能になる。この周波数比を大きくし、ミラー部と内部可動枠2とをそれぞれ独立した2系統の駆動系で駆動することで、2つの揺動の干渉を低減した動作安定性の高い光走査を実現することができる。なお、慣性モーメントの関係で、共振周波数f2に対する影響は構造体2m1の方が構造体2m2よりも大きいことから、構造体2m2はなくても良い。
次に、上記の2次元光スキャナ101を用いて、以下の動作試験を行った。なお、エアダンピング効果を増大させないサイズで、構造体2Mがない場合に500Hz程度であった構成物体の共振周波数f2を、構造体2Mを内部可動枠2に設けることで、60Hzにまで下げることができた。圧電素子9a、9bに同位相の電圧10VPP、60Hzのバイアスされた正弦波を印加し、圧電素子9c、9dに、圧電素子9a、9bに印加するのと逆位相の電圧10VPP、60Hzのバイアスされた正弦波を印加して内部可動枠2の揺動を試みた。He−Ne(ヘリウムネオン)レーザ光をミラー部の反射膜3mに入射させ、その反射光を所定の距離に配置したスクリーン上で観察することにより、ミラー部に接続された内部可動枠2の揺動の揺動角度を測定したところ、±10°の揺動角度が得られた。この時、光走査を経時的に観察したところ、直線性の良い光走査を確認できた。
一方、圧電素子8a、8bに同位相の電圧10Vpp、30kHzのバイアスされた正弦波を印加し、圧電素子8c、8dに、圧電素子8a、8bに印加するのと逆位相の電圧10Vpp、30kHzのバイアスされた正弦波を印加して、ミラー部の揺動を試みたところ、±8°の揺動角度が測定された。この場合にも、直線性の良い光走査を確認できた。ミラー部による光走査の方向は、内部可動枠2の揺動による光走査の方向とは直交していた。
2系統の圧電素子8a〜8dおよび9a〜9dにそれぞれ上記のような制御された正弦波を印加することで、内部可動枠2とミラー部を、互いに直交する方向の軸及び上記の揺動角度で揺動させることができ、2次元的な光走査を実現できた。
なお、機械的共振周波数の帯域は、f1については5kHz〜30kHz、f2については50〜500Hz程度が望ましい。
次に、図5を参照して、第2の実施例による2次元光スキャナについて説明する。図5に、第2の実施例による2次元光スキャナ201の平面図を示す。2次元光スキャナ201の製造方法は、第1の実施例による2次元光スキャナ101の製造方法に対応しており、違いは完成品の形状だけである。2次元光スキャナ201も、SOI基板のエッチング加工により形成された各構成部分と、圧電振動板の表面に形成された圧電素子で構成され、各構成要素はシリコン層と酸化シリコン膜からなる共通基板を含んでいる。揺動のための空隙を設けることや、可動部分を曲げ変形や捩れ変形が容易な薄さに加工する点も第1の実施例と同様である。以下、主に2次元光スキャナ201の形状について説明する。
図5に示すように、2次元スキャナ201は、中央に、表面に反射膜を有する円形状のミラー部13が形成されている。
ミラー部13の中心を通る軸Y2上の第1のトーションバー14a、14bが各々の一端でミラー部13を軸支している。第1のトーションバー14a、14bの両側において、半円環状の第1の圧電振動板15a、15bが接続され、ミラー部13を囲むように配置されている。第1の圧電振動板15a、15bの表面上には、半円環状の圧電素子が形成されている。
第1の圧電振動板15a、15bの周囲には、第1の圧電振動板15a、15bにY2軸と交差するX2軸上で接続された、円環状の内部可動枠12が形成されている。言い換えると、第1の圧電振動板は、それぞれの中間部分を内部可動枠12に接続されている。
X2軸上の第2のトーションバー16a、16bの一端が、内部可動枠12を軸支している。
支持体11が、第2のトーションバー16a、16bの他端に接続されている。
支持体11と内部可動枠の間には、半円環状の第2の圧電振動板17a、17bが配置され、内部可動枠12を囲んでいる。第2の圧電振動板17a、17bは、第2のトーションバー16a、16bと支持体11とをY2軸上において接続している。言い換えると、第2の圧電振動板は、それぞれの中間部分を支持体11に接続されている。また、第2の圧電振動板17a、17bの表面上には、半円環状の圧電素子が形成されている。
なお、図5中の構成では、X2軸とY2軸は直交する。
第1の圧電振動板15a(および15b)上の圧電素子は、支持体11上に形成された引き出し電極15ap(および15bp)と配線で接続されており、引き出し電極を通じて外部から電圧を供給することができる。第2の圧電振動板17a(および17b)上の圧電素子についても、支持体11上に形成された引き出し電極17ap(および17bp)を通じて外部から電圧を供給することができる。
第2のトーションバー16a、16bは、後述する内部可動枠12の揺動を行い易くするために、支持体11および内部可動枠12の一部に加工を施し、回転軸を長くしている。同様に、第1のトーションバー14a、14bについても、ミラー部13を加工することにより、その回転軸長さを長くすることができる。また、第1のトーションバーは、ミラー部13と内部可動枠12とを接続する構造でも良い。
なお、第1の実施例と同様に、第1のトーションバー、第1の圧電振動板および圧電素子8a〜8dをまとめて第1の連結部と呼び、第2のトーションバー、第2の圧電振動板および圧電素子9a〜9dをまとめて第2の連結部と呼ぶことができる。
2次元スキャナ201の構成を言い換えて説明する。中心のミラー部13を内部可動枠12が取り囲み、内部可動枠12を支持体11が取り囲む。ミラー部13と内部可動枠12とを第1の連結部が連結し、内部可動枠12と支持体11とを第2の連結部が連結する。この関係は、第1、第2の実施例に共通である。
2次元光スキャナ201の動作について説明する。図5に示す配線(単線)により、第2の圧電振動板17a(および17b)の圧電素子に互いに位相の異なる(逆位相が好ましい)交流電圧VX3(およびVX4)を印加すると、圧電素子がその円周方向に収縮する。圧電素子が収縮しても、各圧電振動板の長さは変わらず、一部は支持体11に保持されているので、圧電振動板は圧電素子側に引っ張り上げられる。電圧が小さくなると、収縮していた圧電素子は元の長さに戻ろうとする。それに伴い、圧電振動板も元に戻ろうとする。印加電圧が0Vにあると、多少のオーバーシュートはあるが、圧電振動板は元の位置に戻る。こうして、バイアスされた交流電圧を印加することにより、圧電振動板がその厚さ方向に振動する。特に、圧電振動板17a、17bの圧電素子にかける電圧の位相が逆位相の場合には、圧電振動板17a(および17b)の振動方向はトーションバー16a(および16b)を中心として逆になる。
このとき、内部可動枠12にはトーションバー16a、16bを通じて回転トルクが作用し、内部可動枠12はトーションバー16a、16bを中心軸として傾く。交流電圧VX3、VX4を印加し続けると、内部可動枠12にはシーソー的な回転トルクが作用し、内部可動枠12はX2軸回りに所定の角度で揺動する。なお、圧電素子にかける交流電圧が16aと16bとで逆位相でない場合にも、このような揺動は可能である。
同様の原理で第1の圧電振動板15a、15b上の圧電素子に交流電圧を印加して圧電振動板15a、15bを振動させることにより、第1のトーションバー14a、14bを通るY2軸(X2軸と交差)回りにミラー部13が所定角度で揺動する。第1の圧電振動板15a、15bおよび第2の圧電振動板17a、17bの圧電素子に所定の交流電圧を印加することにより、内部可動枠12とミラー部13は互いに交差するX2軸、Y2軸回りをそれぞれ揺動するので、ミラー部13表面の反射膜に入射する光の反射光は2次元的に走査される。
第1の圧電振動板15a、15bの圧電素子の駆動周波数が、ミラー部13の機械的な共振周波数f3と一致または近いときに、ミラー部13の揺動角度は最大となる。同様に、第1の圧電振動板17a、17bの圧電素子の駆動周波数が、内部可動枠12、ミラー部13、第1のトーションバー14a、14b、第1の圧電振動板15a、15bを合わせた構成物体の機械的な共振周波数f4と一致または近いときに、内部可動枠2の揺動角度は最大となる。
2次元光スキャナ201は、第1の実施例による2次元スキャナ101と同様に、外形寸法が同じであっても、内部可動枠2の共通基板の下部に形成された構造体の質量を製造段階で調整できる。この質量を変化させることにより、f3に対する共振周波数f4の比率を調整することが可能である。機械的共振周波数の帯域は、f3については5kHz〜30kHz、f4については50〜500Hz程度が望ましい。また、その構造体により、内部可動枠12の機械的剛性、動作安定性を向上させている点も第1の実施例と同様である。
また、それぞれの構成物体を円形状、円環状もしくは半円環状に形成することにより、2次元光スキャナを小型化することができる。なお、2次元光スキャナ201を構成する各部の形状は楕円形状、楕円環状、楕円弧状もしくは馬蹄形状(これらを略円形状、略円環状もしくは略半円環状と呼ぶ)であっても良い。
上記のように、第1ないし第2の実施例による2次元光スキャナは、ミラーの駆動周波数はそのままに、内部可動枠の駆動周波数を任意に調整することが可能である。加えて、ミラー部の最適デザイン(幅、長さ、厚み)を維持しながらデバイスを構成できるため、ミラー部を偏向角の大きく取れる駆動性の良い形状とすることが可能となる。これにより、ミラー部の最適デザインを維持しつつ、2軸走査の駆動電圧の周波数比を高くすることが可能となる。
さらに、上記実施例において、内部可動枠に形成する構造体は、新たな構造物を取り付けるのではなく、SOI基板を有効に利用し、任意の形状として内部可動枠に残すことによって構成している。したがって、マスクのデザインの追加変更のみで構造体を作製できるので、製造プロセスを煩雑化させることなく、2次元光スキャナを作製することが可能である。
図6を参照して、2次元光スキャナ101ないし2次元光スキャナ201を備えた光学機器(装置)への応用について説明する。図6に、第1ないし第2の実施例による2次元光スキャナを用いた画像表示装置の例を示す。
図6中、301は図1あるいは図5に示す2次元光スキャナであり、1つの素子で水平・垂直方向に入射光をラスタースキャンすることができる。レーザ光源302から入射したレーザ光は、光走査のタイミングと関係した所定の強度変調を受けて、集光レンズあるいはレンズ群303を通過してから2次元光スキャナ301によって2次元的に走査される。走査されたレーザ光は、投影レンズあるいはレンズ群304を通して投影面305上に画像を形成する。
この光学機器では、従来のようにポリゴンミラーやガルバノミラーを直交2軸で使用する場合と異なり、直交方向の光軸合わせをする必要がないので、容易にラスタースキャンを行うことができる。
また、第1ないし第2の実施例による2次元光スキャナは、レーザ光等の光ビームを偏向・走査する装置全般、電子写真式複写機、レーザビームプリンタ、バーコードリーダー、レーザ光をスキヤニングして映像を投影する表示装置、ヘッドアップディスプレイ(自動車&民生機器用)、携帯機器用ラスタースキャンディスプレイ、測距センサ、形状測定センサ、光空間通信ユニットなどに広く適用することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
図1は、第1の実施例による2次元光スキャナの斜視図である。 図2は、第1の実施例による2次元光スキャナの製造工程を表した断面図および平面図である。 図3は第1の実施例による2次元光スキャナの結線を表した平面図である。 図4は、図3の一点鎖線C1−C1およびC2−C2の断面における2次元光スキャナの動作を表した断面図である。 図5は、第2の実施例による2次元光スキャナの平面図である。 図6は、第1ないし第2の実施例による2次元光スキャナを用いた画像表示装置の例である。
符号の説明
1、11 支持体
1a、1e 熱酸化膜
1b、1d 単結晶シリコン層
1c 酸化シリコン層
1f ハードマスク
1g 溝
1com 共通基板
1L 辺
2、12 内部可動枠
2M、2m1、2m2 構造体
3 可動基板
3m 反射膜
4a、4b、14a、14b 第1のトーションバー
6a、6b、16a、16b 第2のトーションバー
5a、5b、5c、5d、15a、15b 第1の圧電振動板
7a、7b、7c、7d、17a、17b 第2の圧電振動板
8a、8b、8c、8d、9a、9b、9c、9d 圧電素子
10m1 下部電極
10m2 上部電極
10p 圧電膜
13 ミラー部
15ap、15bp、17ap、17bp 引き出し電極
101、201、301 2次元光スキャナ
302 レーザ光源
303、304 レンズ群
305 投影面

Claims (13)

  1. 共通基板と該共通基板上に形成された反射膜とを有するミラー部と、
    前記共通基板とその下に接続された構造体とを含んで形成され、前記ミラー部を内包する開口を有する内部可動枠と、
    前記共通基板とその下に接続されたベース層とを含んで形成され、前記内部可動枠を内包する開口を有する支持体と、
    前記共通基板を含んで形成され、第1の軸上で前記ミラー部を回動可能に支持する一対の第1のトーションバーと、前記第1のトーションバー両側に接続され、その表面上に圧電素子を有し、前記第1のトーションバーに回動トルクを印加する第1の圧電振動板とを含み、前記ミラー部と前記内部可動枠とを連結する第1の連結部と、
    前記共通基板を含んで形成され、前記第1の軸と交差する第2の軸上で前記内部可動枠を回動可能に支持する一対の第2のトーションバーと、前記第2のトーションバー両側に接続され、その表面上に圧電素子を有し、前記第2のトーションバーに回動トルクを印加する第2の圧電振動板とを含み、前記内部可動枠と前記支持体とを連結する第2の連結部と
    を有する2次元光スキャナ。
  2. 前記第1の圧電振動板が、前記第1のトーションバーと前記内部可動枠とを接続し、
    前記第2の圧電振動板が、前記第2のトーションバーと前記支持体とを接続する請求項1に記載の2次元光スキャナ。
  3. 前記ミラー部が、第1の対向辺と第2の対向辺とを有する形状を有し、
    前記内部可動枠が、前記第1の対向辺と略平行な第1の対向枠部と前記第2の対向辺と略平行な第2の対向枠部とを有する形状を有し、
    前記支持体が、前記第1の対向枠部と略平行な第1の対向開口辺と前記第2の対向枠部と略平行な第2の対向開口辺とを有する開口を有し、
    前記第1のトーションバーが、前記第1の対向辺と前記第1の対向枠部とを接続し、
    前記第2のトーションバーが、前記第2の対向枠部と前記第2の対向開口辺とを接続し、
    前記第1の圧電振動板が、前記第1のトーションバーと前記第2の対向枠部とを接続し、
    前記第2の圧電振動板が、前記第2のトーションバーと前記第1の対向開口辺とを接続する請求項2に記載の2次元光スキャナ。
  4. 前記第1の圧電振動板が、前記一対の第1のトーションバー同士を接続し、
    前記第2の圧電振動板が、前記第2のトーションバー同士を接続する請求項1に記載の2次元光スキャナ。
  5. 前記ミラー部が、略円形の形状を有し、
    前記内部可動枠が、略円環の形状を有し、
    前記支持体が、前記内部可動枠を内包する略円形の開口を有し、
    前記第1の圧電振動板が、前記ミラー部を囲む一対の略半円環状の形状を有し、
    前記第2の圧電振動板が、前記内部可動枠を囲む一対の略半円環状の形状を有する請求項4に記載の2次元光スキャナ。
  6. 前記第1の圧電振動板が、その中間点で前記内部可動枠に接続され、
    前記第2の圧電振動板が、その中間点で前記支持体に接続される請求項5に記載の2次元光スキャナ。
  7. 前記第1の圧電振動板の表面上に形成された圧電素子に対し、前記第1のトーションバーの内側に軸支された構成物体の機械的共振周波数もしくはそれに近い周波数の電圧であって、該第1のトーションバーを挟む圧電素子間で互いに位相が異なる電圧を印加するとともに、
    前記第2の圧電振動板の表面上に形成された圧電素子に対し、前記第2のトーションバーの内側に軸支された構成物体の機械的共振周波数もしくはそれに近い周波数の電圧であって、該第2のトーションバーを挟む圧電素子間で互いに位相が異なる電圧を印加する
    ことによって、前記内部可動枠及びミラー部に回転トルクを与え、前記第1および第2のトーションバーをそれぞれ通る軸の回りを所定角度で揺動させる請求項1〜6のいずれか1項に記載の2次元光スキャナ。
  8. 前記互いに位相が異なる電圧の位相差が180°である請求項7に記載の2次元光スキャナ。
  9. 前記第1の圧電振動板の表面上に形成された圧電素子に印加する交流電圧の周波数が5kHz〜30kHz、前記第2の圧電振動板の表面上に形成された圧電素子に印加する交流電圧の周波数が50Hz〜500Hzである請求項7または8に記載の2次元光スキャナ。
  10. 前記第1および第2の圧電振動板の表面上に形成された圧電素子が、SOI基板上に直接積層された下部電極/圧電膜/上部電極を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の2次元光スキャナ。
  11. 前記圧電膜が、アーク放電プラズマを利用した反応性イオンプレーティング法によって成膜された膜である請求項10に記載の2次元光スキャナ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の2次元光スキャナを用いた光学装置。
  13. 共通基板と該共通基板上に形成された反射膜とを有するミラー部と、
    前記共通基板とその下に接続された構造体とを含んで形成され、前記ミラー部を内包する開口を有する内部可動枠と、
    前記共通基板とその下に接続されたベース層とを含んで形成され、前記内部可動枠を内包する開口を有する支持体と、
    前記共通基板を含んで形成され、第1の軸上で前記ミラー部を回動可能に支持する一対の第1のトーションバーと、前記第1のトーションバー両側に接続され、その表面上に圧電素子を有し、前記第1のトーションバーに回動トルクを印加する第1の圧電振動板とを含み、前記ミラー部と前記内部可動枠とを連結する第1の連結部と、
    前記共通基板を含んで形成され、前記第1の軸と交差する第2の軸上で前記内部可動枠を回動可能に支持する一対の第2のトーションバーと、前記第2のトーションバー両側に接続され、その表面上に圧電素子を有し、前記第2のトーションバーに回動トルクを印加する第2の圧電振動板とを含み、前記内部可動枠と前記支持体とを連結する第2の連結部と
    を有する2次元光スキャナの製造方法であって、
    前記構造体および前記支持体を形成するために、
    支持体作製用マスクおよび構造体作製用マスクをエッチングマスクとして、前記共通基板の下に接続されたベース層をエッチングする工程と、
    前記支持体作製用マスクをエッチングマスクとして前記ベース層をエッチングする工程と
    を含む2次元光スキャナの製造方法。
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