JP2007006587A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1の弾性連結部26(27)は、第1の質量部21(22)の回動中心軸を介して互いに対向する2つの棒状連結部材261、262(271、272)で構成され、圧電素子31、32(33、34)は、各棒状連結部材261、262(271、272)に接合され、2つの棒状連結部材261、262(271、272)を互いに逆方向に主として曲げ変形させるように構成されており、圧電素子31、32(33、34)の駆動により、第1の弾性連結部26(27)全体を捩り変形させながら、第1の質量部21(22)を回動させ、これに伴い、第2の弾性連結部28(29)を捩り変形させながら、第2の質量部25を回動させる。
【選択図】図1
Description
しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、機器の小型化の面で不利であるという問題がある。このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
図10の1自由度静電駆動型ねじり振動子は、ガラス基板1000上の両端部にスぺーサ200を介してシリコンの単結晶板からなる可動電極板300の両端固定部300aを固定し、この可動電極板300の両端固定部300a間に、細巾のトーションバー300bを介して可動電極部300cを支持させ、また、その可動電極部300cに電極間隔を置いて対向させる固定電極400を、ガラス基板1000上において前記可動電極部300cに対し平行配置している。可動電極板300と固定電極400との間にはスイッチ600を介して電源500が接続される。
本発明のアクチュエータは、第1の質量部と、
前記第1の質量部を支持するための支持部と、
前記支持部に対して前記第1の質量部を回動可能とするように、前記支持部と前記第1の質量部とを連結する第1の弾性連結部と、
第2の質量部と、
前記第1の質量部に対して前記第2の質量部を回動可能とするように、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを連結する第2の弾性連結部と、
前記第1の弾性連結部を捩り変形させる圧電素子とを有し、
前記第1の弾性連結部は、前記第1の質量部の回動中心軸を介して互いに対向する2つの棒状連結部材で構成され、
前記圧電素子は、各棒状連結部材に接合され、前記2つの棒状連結部材を互いに逆方向に主として曲げ変形させるように構成されており、
前記圧電素子の駆動により、前記第1の弾性連結部全体を捩り変形させながら、前記第1の質量部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性連結部を捩り変形させながら、前記第2の質量部を回動させることを特徴とする。
また、圧電素子により駆動力を得るため、低電圧駆動であっても比較的大きな駆動力で駆動することができる。そのため、低電圧駆動であっても、第1の弾性連結部のバネ定数を高めて、高周波で駆動することができる。
これにより、比較的簡単な構成で、より確実に、圧電素子により棒状連結部材を曲げ変形させることができる。
これにより、比較的簡単な構成で、より確実に、圧電素子により棒状連結部材を曲げ変形させることができる。
これにより、棒状連結部材の曲げ変形により、第1の質量部をより円滑に回動させることができる。
これにより、より高い駆動力を得ることができる。その結果、1つの圧電素子の小型化を図ることができる。また、圧電素子と弾性連結部との間に生じる応力を低減して、アクチュエータの耐久性の向上を図ることができる。
これにより、1対の圧電素子に対し、同一の電源から同一波形の電圧を印加して、アクチュエータを駆動することができる。その結果、アクチュエータの低コスト化を図ることができる。
これにより、より高周波数で、かつ、より大きな振れ角で駆動することができる。
これにより、より低電圧での駆動が可能で、かつ、より大きな振れ角で駆動することができる。また、第1の弾性連結部全体の捩れ変形に対する第1の質量部の回動の応答性を優れたものとすることができる。
これにより、より高周波数で駆動することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記2つの棒状連結部材と前記第1の質量部との接続部における前記2つの棒状連結部材同士の間隔をAとし、前記棒状連結部材の長さをCとしたときに、A<Cの関係を満たすことが好ましい。
これにより、より大きな振れ角で駆動することができる。
これにより、第1の質量部の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
これにより、第1の質量部および第2の質量部をより円滑に駆動することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記1対の第1の質量部のうちの一方の回動中心軸からこれに垂直な方向での最大長をL1とし、前記1対の第1の質量部のうちの他方の回動中心軸からこれに垂直な方向での最大長をL2とし、前記第2の質量部の回動中心軸からこれに垂直な方向での最大長をL3としたとき、L1とL3とが、L1<L3なる関係を満足し、かつ、L2とL3とが、L2<L3なる関係を満足することが好ましい。
これにより、より容易かつ確実に、低電圧で駆動が可能で、かつ、第2の質量部の振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
これにより、容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、第2の質量部の振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の弾性連結部のばね定数をk1とし、前記第2の弾性連結部のばね定数をk2としたとき、k1とk2とが、k1>k2なる関係を満足することが好ましい。
これにより、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとしつつ、より高周波数で駆動することができる。また、このような構成とすることにより、第1の質量部の振幅を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
これにより、第1の質量部の振れ角(振幅)を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2の質量部は、光反射部が設けられていることが好ましい。
これにより、アクチュエータを光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチなどの光デバイスに適用することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、印加する交流電圧の一例を示す図、図4は、印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
基体2は、1対の第1の質量部(駆動部)21、22と、1対の支持部23、24と、第2の質量部(可動部)25と、1対の第1の弾性連結部26、27と、1対の第2の弾性連結部28、29とを備えている。このような基体2にあっては、左右対称な形状となるように、第2の質量部25を中心とし、その左方に、第2の弾性連結部28、第1の質量部21、支持部23が順次配設され、右方に、第2の弾性連結部29、第1の質量部22、支持部24が順次配設されている。
また、1対の質量部21、22の間には、第2の質量部25が設けられており、1対の質量部21、22は、第2の質量部25を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。
このような第1の質量部21、22および第2の質量部25にあっては、第1の質量部21、22が第1の弾性連結部26、27を介して支持部23、24に接続され、第2の質量部25が第2の弾性連結部28、29を介して第1の質量部21、22に接続されている。
特に、第1の弾性連結部26は、第1の質量部21の回動中心軸を介して互いに対向する2つの棒状連結部材261、262で構成されている。これと同様に、第1の弾性連結部27は、第1の質量部22の回動中心軸を介して互いに対向する2つの棒状連結部材271、272で構成されている。
各第1の弾性連結部26、27および各第2の弾性連結部28、29は、同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)として、第1の質量部21、22が支持部23、24に対して、また、第2の質量部25が第1の質量部21、22に対して回動可能となっている。
そして、このような2自由度振動系を駆動するために、第1の弾性連結部26、27の棒状連結部材261、262、271、272上には、これらに対応して、圧電素子31、32、33、34が設けられている。
この圧電材料としては、例えば、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、その他、各種のものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特に、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウムおよびチタン酸ジルコン酸鉛のうちの少なくとも1種を主とするものが好ましい。このような材料で圧電体層311を構成することにより、より高い周波数でアクチュエータ1を駆動することができる。
このような圧電素子31と同様に、圧電素子32は構成されており、電極322と端子324との間に電圧を印加すると、圧電素子32中の圧電体層(図示せず)は、その圧電効果により、棒状連結部材262の長手方向に平行に伸縮する。これにより、圧電素子32は、その伸縮により、棒状連結部材262を上下方向に曲げ変形させる。
このような圧電素子31、32は、ともに基体2の上面に設けられているので、互いに伸縮動を交互に行うように動作させると、2つの棒状連結部材261、262を互いに逆方向に主として曲げ変形させる。これにより、2つの棒状連結部材261、262で構成された第1の弾性連結部26全体が捩り変形する。
このような圧電素子33、34は、圧電素子31、32と同様に、ともに基体2の上面に設けられているので、交互に動作させると、2つの棒状連結部材271、272を互いに逆方向に主として曲げ変形させる。これにより、2つの棒状連結部材271、272で構成された第1の弾性連結部27全体が捩り変形する。
また、支持基板4は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。
支持基板4の上面には、図2および図3に示すように、第2の質量部25に対応する部分に開口部41が形成されている。
なお、前述したような逃げ部は、前記効果を十分に発揮し得る構成であれば、必ずしも支持基板4の下面(第2の質量部25と反対側の面)で開放(開口)していなくてもよい。すなわち、逃げ部は、支持基板4の上面に形成された凹部で構成することもできる。
各圧電素子31、32、33、34は、図示しない電源に接続されており、各圧電素子31、32、33、34の電極間に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。
例えば、図3(a)に示すような電圧を圧電素子32、34に印加するとともに、図3(b)に示すような電圧を圧電素子31、33に印加する。すなわち、互いに位相の180°ずれた電圧を圧電素子32、34と圧電素子31、33とに印加する。すると、圧電素子31、33を伸張状態とするとともに、圧電素子32、34を収縮状態とする状態と、圧電素子31、33を収縮状態とするとともに、圧電素子32、34を伸長状態とする状態とを交互に繰り返す。
このとき、各棒状連結部材261、262、271、272が主として曲げ変形することにより第1の弾性連結部26全体および第1の弾性連結部27全体がそれぞれ捩り変形するため、第1の弾性連結部26、27に生じる応力を低減することができる。そのため、大きな振れ角で駆動することができる。
また、第1の質量部21の回動中心軸からこれに直角な方向(長手方向)での長さ(最大長)をL1とし、第1の質量部22の回動中心軸からこれに直角な方向(長手方向)での長さ(最大長)をL2とし、第2の質量部25の回動中心軸からこれに直角な方向での長さ(最大長)をL3としたとき、本実施形態では、第1の質量部21、22が、それぞれ独立して設けられているため、第2の質量部25の大きさ(長さL3)にかかわらず、第1の質量部21、22と第2の質量部25とが干渉せず、L1およびL2を小さくすることができる。これにより、第1の質量部21、22の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、その結果、第2の質量部25の回転角度を大きくすることができる。
前記関係を満たすことにより、L1およびL2をより小さくすることができ、第1の質量部21、22の回転角度をより大きくすることができ、第2の質量部25の回転角度をさらに大きくすることができる。
これらによって、第1の質量部21、22の低電圧駆動と、第2の質量部25の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
このため、このようなアクチュエータ1を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合には、より容易に装置を小型化することができる。
ところで、このような質量部21、22、25よりなる振動系(2自由度振動系)では、第1の質量部21、22および第2の質量部25の振幅(振れ角)と、圧電素子31、32、33、34に印加する交流電圧の周波数との間に、図4に示すような周波数特性が存在している。
この振動系では、各圧電素子31、32、33、34に印加する交流電圧の周波数Fが、2つの共振周波数のうち低いもの、すなわち、fm1とほぼ等しくなるように設定するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振幅を抑制しつつ、第2の質量部25の振れ角(回転角度)を大きくすることができる。
第1の質量部21、22の平均厚さは、それぞれ、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第2の質量部25の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
一方、第2の弾性連結部28、29のばね定数k2は、1×10−4〜1×104Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×103Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×102Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部25の振れ角をより大きくすることができる。
さらに、第1の質量部21、22の慣性モーメントをJ1とし、第2の質量部25の慣性モーメントをJ2としたとき、J1とJ2とは、J1≦J2なる関係を満足することが好ましく、J1<J2なる関係を満足することがより好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部25の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ω1と第2の振動系の固有振動数ω2とは、ω1>ω2なる関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部25の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
図5は、第1実施形態のアクチュエータ1の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、図5は、図1におけるA−A線断面に対応する断面を示している。また、以下では、説明の便宜上、図5中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
まず、図5(a)に示すように、Si層61、SiO2層62、Si層63が順次積層されたSOI基板6を用意し、SOI基板6の一方の面(Si層61側の面)に、電極312、322、332、342および端子314、324、334、344を形成する。
電極312、322、332、342および端子314、324、334、344の形成は、SOI基板6に金属膜を成膜し、電極312、322、332、342および端子314、324、334、344の形状に対応する形状をなすレジストマスクを介して金属膜をエッチングを行った後、レジストマスクを除去することにより行うことができる。
次に、図5(b)に示すように、電極312、322、332、342上に、対応する圧電体層311、331(電極322、342に対応する圧電体層は図示せず。以下、圧電体層311、331等という)を形成する。
圧電体層311、331等の形成は、前述した工程[A1]の電極312、322、332、342の形成と同様にして行うことができる。
[A3]
次に、図5(c)に示すように、SOI基板6のSi層61の一部を除去して、第1の質量部21、22と支持部23、24と第2の質量部25と第1の弾性連結部26、27と第2の弾性連結部28、29とを形成する。これにより、基体2が得られる。
このとき、SOI基板6の中間層たるSiO2層は、前記エッチングのストップ層として機能する。
エッチング方法としては、前述の工程[A1]と同様のものを用いることができる。
次に、図5(d)に示すように、SOI基板6のSi層63の一部を除去して、凹部(開口部41)を形成する。
この凹部の形成方法としては、前述した工程[A3]と同様のものを用いることができる。
次に、図5(e)に示すように、圧電体層311、331等上に、これらに対応する電極313、333(電極322、342に対応する電極は図示せず。以下、電極313、333等という)を形成するとともに、第2の質量部25上に光反射部251を形成する。
電極313、333等および光反射部251の形成方法としては、前述した工程[A1]と同様の方法を用いることができる。
[A6]
次に、図5(f)に示すように、SOI基板6のSiO2層62の一部を除去して、接合層5を形成する。これにより、本実施形態のアクチュエータ1が得られる。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ1が製造される。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図6は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す平面図、図7は、図6におけるB−B線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図6中の紙面に対し手前側を「上」、紙面に対し奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」、図7中の上側を「上」、下側を「下」、紙面に対し奥側を「右」、紙面に対し手前側を「左」と言う。
第2実施形態のアクチュエータ1Aは、圧電素子の構成および配置が異なる以外は、第1実施形態のアクチュエータ1とほぼ同様である。
すなわち、図6及び図7に示すアクチュエータ1Aは、各棒状連結部材261、262、271、272の両面に、圧電素子が設けられている。
この圧電素子31Aと同様に、圧電素子31B、32A、32Bは構成されている。
これらの圧電素子33A、33B、34A、34Bも、圧電素子31Aと同様に構成されている。
また、このようなアクチュエータ1Aの駆動に際しては、例えば、図3(a)に示すような電圧を圧電素子31A、32B、33A、34Bに印加するとともに、図3(b)に示すような電圧を圧電素子31B、32A、33B、34Aに印加する。すると、圧電素子31A、32B、33A、34Bを伸張状態とするとともに、圧電素子31B、32A、33B、34Aを収縮状態とする状態と、圧電素子31A、32B、33A、34Bを収縮状態とするとともに、圧電素子31B、32A、33B、34Aを伸長状態とする状態とを交互に繰り返す。
本実施形態のアクチュエータ1Aにあっては、前述した第1実施形態のアクチュエータ1と同様の効果に加えて、各弾性連結部の両面に圧電素子を設けたので、より高い駆動力を得ることができる。その結果、1つの圧電素子の小型化を図ることができる。また、圧電素子と弾性連結部との間に生じる応力を低減して、アクチュエータ1Aの耐久性の向上を図ることができる。
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図8は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す断面図である。なお、図8は、図6のB−B線断面に対応する断面を示している。また、以下では、説明の便宜上、図8中の上側を「上」、下側を「下」、紙面に対し奥側を「右」、紙面に対し手前側を「左」と言う。
第3実施形態のアクチュエータ1Bは、4つの圧電素子を省略した以外は、第2実施形態のアクチュエータ1Aとほぼ同様である。
すなわち、図8に示すアクチュエータ1Bは、棒状連結部材261の下面に圧電素子31B、棒状連結部材262の上面に圧電素子32A、棒状連結部材271の上面に圧電素子33A、棒状連結部材272の下面に圧電素子34Bが設けられている。
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図9は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図8中の紙面に対し手前側を「上」、紙面に対し奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
第4実施形態のアクチュエータ1Cは、第1の弾性連結部と第1の質量部との接続位置が異なる以外は、第1実施形態のアクチュエータ1とほぼ同様である。
すなわち、図9に示すアクチュエータ1Cは、2つの棒状連結部材261、262と第1の質量部21との接続部における2つの棒状連結部材261、262同士の間隔をAとし、2つの棒状連結部材261、262と支持部23との接続部における2つの棒状連結部材261、262同士の間隔をBとしたときに、A<Bの関係を満たしている。
これに対し、間隔Bが前記下限値未満であると、第1の弾性連結部26の形状や材質などによっては、第1の弾性連結部26のバネ定数が小さくなって、高周波数での駆動が難しくなる。一方、間隔Bが前記上限値を超えると、第1の弾性連結部26の形状や材質などによっては、第1の弾性連結部26のバネ定数が大きくなりすぎて、より大きな駆動力が必要となり、圧電素子31Cの大型化を招いてしまう。
以上のような本実施形態のアクチュエータ1Cは、より高周波数で、かつ、より大きな振れ角での駆動が可能である。
以上説明したようなアクチュエータ1〜1Cは、例えば、レーザープリンタ、バーコードリーダー、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の光スキャナ、イメージング用ディスプレイ等に好適に適用することができる。
また、前述した実施形態では、棒状連結部材が直線状をなしていたが、2つの棒状連結部材を互いに逆方向に主として曲げ変形させることにより、第1の弾性連結部全体を捩り変形させることができるものであれば、棒状連結部材の形状は任意である。例えば、棒状連結部材は湾曲していてもよい。
また、前述した実施形態では、アクチュエータの中心を通り第1の質量部や第2の質量部の回動軸線に直角な面に対しほぼ対称(左右対称)な形状をなしている構造を説明したが、非対称であってもよい。
また、前述した実施形態では、光反射部が第2の質量部の上面(支持基板とは逆側の面)に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられている構成であってもよいし、両方の面に設けられている構成であってもよい。
Claims (17)
- 第1の質量部と、
前記第1の質量部を支持するための支持部と、
前記支持部に対して前記第1の質量部を回動可能とするように、前記支持部と前記第1の質量部とを連結する第1の弾性連結部と、
第2の質量部と、
前記第1の質量部に対して前記第2の質量部を回動可能とするように、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを連結する第2の弾性連結部と、
前記第1の弾性連結部を捩り変形させる圧電素子とを有し、
前記第1の弾性連結部は、前記第1の質量部の回動中心軸を介して互いに対向する2つの棒状連結部材で構成され、
前記圧電素子は、各棒状連結部材に接合され、前記2つの棒状連結部材を互いに逆方向に主として曲げ変形させるように構成されており、
前記圧電素子の駆動により、前記第1の弾性連結部全体を捩り変形させながら、前記第1の質量部を回動させ、これに伴い、前記第2の弾性連結部を捩り変形させながら、前記第2の質量部を回動させることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記圧電素子は、圧電材料を主材料として構成された圧電体層と、該圧電体層を狭持する1対の電極とを有し、前記1対の電極のうちの一方が前記棒状連結部材に接合されている請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記圧電素子は、前記棒状連結部材の長手方向に沿って延在し、その延在方向に伸縮することにより、前記棒状連結部材を曲げ変形させる請求項1または2に記載のアクチュエータ。
- 前記圧電素子は、前記2つの棒状連結部材同士の対向方向に対し直角な方向における前記棒状連結部材の少なくとも一方の端面に設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記圧電素子は、前記2つの棒状連結部材同士の対向方向に対し直角な方向における前記棒状連結部材の両端面にそれぞれ設けられている請求項4に記載のアクチュエータ。
- 2つの前記圧電素子は、前記第1の質量部の回動中心軸に対して互いに対称に設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記2つの棒状連結部材と前記第1の質量部との接続部における前記2つの棒状連結部材同士の間隔をAとし、前記2つの棒状連結部材と前記支持部との接続部における前記2つの棒状連結部材同士の間隔をBとしたときに、A<Bの関係を満たす請求項1ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記2つの棒状連結部材と前記第1の質量部との接続部における前記2つの棒状連結部材同士の間隔をAとし、前記第1の質量部の回動軸線に直角な方向での最大長をLとしたときに、0≦A<0.8Lの関係を満たす請求項1ないし7のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記2つの棒状連結部材と前記支持部との接続部における前記2つの棒状連結部材同士の間隔をBとし、前記第1の質量部の回動軸線に直角な方向での最大長をLとしたときに、0.2L<B<1.2Lの関係を満たす請求項1ないし8のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記2つの棒状連結部材と前記第1の質量部との接続部における前記2つの棒状連結部材同士の間隔をAとし、前記棒状連結部材の長さをCとしたときに、A<Cの関係を満たす請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 各圧電素子は、交流電圧を受けて駆動し、前記交流電圧の周波数が、前記第1の質量部と前記第2の質量部とが共振する2自由度振動系の共振周波数のうち低いものと略等しくなるように設定されている請求項1ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記第2の弾性連結部は、前記第2の質量部を介して、その両側に1対設けられ、これに対応して、前記第1の質量部および前記第1の弾性連結部がそれぞれ1対設けられている請求項1ないし11のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記1対の第1の質量部のうちの一方の回動中心軸からこれに垂直な方向での最大長をL1とし、前記1対の第1の質量部のうちの他方の回動中心軸からこれに垂直な方向での最大長をL2とし、前記第2の質量部の回動中心軸からこれに垂直な方向での最大長をL3としたとき、L1とL3とが、L1<L3なる関係を満足し、かつ、L2とL3とが、L2<L3なる関係を満足する請求項12に記載のアクチュエータ。
- 前記最大長L1と、前記最大長L2とがほぼ等しい請求項13に記載のアクチュエータ。
- 前記第1の弾性連結部のばね定数をk1とし、前記第2の弾性連結部のばね定数をk2としたとき、k1とk2とが、k1>k2なる関係を満足する請求項1ないし14のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記第1の質量部の慣性モーメントをJ1とし、前記第2の質量部の慣性モーメントをJ2としたとき、J1とJ2とがJ1≦J2なる関係を満足する請求項1ないし15のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記第2の質量部は、光反射部が設けられている請求項1ないし16のいずれかに記載のアクチュエータ。
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