JP6092589B2 - 光偏向器 - Google Patents

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Description

本発明は、単結晶シリコンで形成されたトーションバーによって、反射面を揺動可能な光偏向器に関する。
従来、光を反射する反射面と、単結晶シリコンで形成されたトーションバーと、トーションバーをその長手方向の軸周りに捩ることで、反射面を所定の軸周りに揺動させるアクチュエータとを有する光偏向器が知られている(特許文献1)。
特開2008−20701号公報
特許文献1に記載されたような光偏向器において、反射面の走査速度を大きくすることが望まれる場合がある。このような場合には、トーションバーの共振周波数を大きくするため、トーションバーの長手方向の軸周りのばね定数を大きくすること、例えば、トーションバーの厚さを大きくする等、トーションバーの寸法を変更することが考えられる。しかしながら、寸法の変更により、光偏向器が大型化してしまう場合がある。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、光偏向器の大型化を抑制しつつ、反射面の走査速度を高速にできる光偏向器を提供することを目的とする。
本発明は、光を反射する反射面と、単結晶シリコンで形成されたトーションバーと、前記トーションバーをその長手方向の軸としての第1軸の周りに捩ることで、前記反射面を前記第1軸の周りに揺動させる第1アクチュエータとを有する光偏向器において、前記反射面と前記トーションバーと前記第1アクチュエータとを包囲し、前記第1アクチュエータを介して前記トーションバーに連結している第1枠体と、前記第1枠体を包囲する第2枠体と、前記第1枠体を前記第2枠体に連結する唯一の連結部材として前記第1枠体と前記第2枠体との間に介在する共に、前記反射面を前記第1軸とは別の第2軸の周りに揺動させる第2アクチュエータとを備え、前記第1アクチュエータは、駆動電圧が印加される第1圧電体と、該第1圧電体を支持し該第1圧電体と共に屈曲変形する第1支持体とを備え、前記第2アクチュエータは、長手方向を前記第1軸に平行に揃えてミアンダ形状に連結されている複数の圧電カンチレバーを有し、前記第2アクチュエータの各圧電カンチレバーは、駆動電圧が印加される第2圧電体と、該第2圧電体を支持し該第2圧電体と共に屈曲変形する第2支持体とを備え、
前記トーションバーは、前記第1軸方向が、当該トーションバーの結晶方位の<100>方位と平行になるように形成され、前記第2支持体は、単結晶シリコンで形成されると共に、長方形板状に形成され、その長手方向が、当該第2支持体の結晶方位の<100>方位と平行になるように形成されていることを特徴とする。
ここで、本発明における結晶方位は、単結晶シリコンにおける結晶方位であるので、所定の方位には、その方位に等価な方位が含まれるものとする。例えば、所定の方位が<100>方位である場合の<100>方位とは、例えば、<010>、<001>、及び<−100>等を含む。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の光偏向器を製造する場合、単結晶シリコンで形成されたウエハが用いられる。このとき、ウエハの主面は、エッチング処理を鑑みて(100)面を主面とすることが一般的である。このため、ウエハの主面に沿う結晶方位としては、<110>方位及び<100>方位のいずれかが主となる。
ここで、単結晶シリコンのせん断弾性係数Gは、単結晶シリコンの結晶方位が<110>方位のとき約62[GPa]であり、単結晶シリコンの結晶方位が<100>方位のとき約79[GPa]である。トーションバーのばね定数kは、せん断弾性係数Gが大きくなる程、大きくなる。
従って、トーションバーの長手方向の軸方向が、単結晶シリコンの結晶方位の<100>方位に平行となるように、トーションバーが形成されることで、単結晶シリコンの結晶方位の<110>方位に平行となるようにトーションバーが形成されるものに比べて、該トーションバーの長手方向の軸周りのばね定数が大きくなり、ひいては、トーションバーの共振周波数を大きくできる。このとき、トーションバーの寸法を変更する必要がない。従って、光偏向器の大型化を抑制しつつ、反射面の走査速度を高速にできる。
第2アクチュエータは、長方形板状に形成された第2支持体を備える。このようなカンチレバーの先端部の変位量は、ヤング率Eに反比例する。
ここで、単結晶シリコンのヤング率Eは、単結晶シリコンの結晶方位が<110>方位のとき約160[GPa]であり、単結晶シリコンの結晶方位が<100>方位のとき約130[GPa]である。従って、第2支持体の長手方向が、単結晶シリコンの結晶方位の<100>方位に平行となるように当該第2支持体が形成されることで、単結晶シリコンの結晶方位の<110>方位に平行となるように当該支持体が形成されるものに比べて、第2支持体の屈曲変形の大きさが大きくなる。これにより、第2軸周りの反射面の揺動角度を大きくできる。
以上のように、第1軸周りのトーションバーの共振周波数を大きくしつつ、第2軸周りの反射面の揺動角度を大きくすることができる。
本発明の第1実施形態の光偏向器の構成を示す図。 主面が(100)面のウエハから光偏向器を作成するときの光偏向器のレイアウトを示す図であり、(a)は、オリエンテーションフラットが<110>方位を示すとき、(b)は、オリエンテーションフラットが<100>方位を示すときの図。 図1のIII−III線を矢印の方向で見たときの図であり、(a)は、光偏向器を製造するときにエッチングする前のウエハの積層を簡略的に示す図であり、(b)は、(a)をエッチングした後を簡略的に示す図。 本発明の第2実施形態の光偏向器の構成を示す図。
[第1実施形態]
図1を参照して、本発明の第1実施形態の光偏向器について説明する。本実施形態の光偏向器1は、円形の反射面2aを有するミラー部2と、2つのトーションバー3と、枠体4と、4つのアクチュエータ5とを備える。
ミラー部2は、反射面2aとほぼ同一の大きさの円形に形成される。ミラー部2は、その中心点が、光偏向器1の中心に配置される。ミラー部2は、レーザ光源(図示省略)からの入射光を反射面2aに受け、トーションバー3の軸線の回りの回転角に応じた向きに反射光を出射する。なお、トーションバー3の軸線(長手方向の軸線)は、ミラー部2の回転軸線でもある(以下、この軸線を「第1軸X」という)。2つのトーションバー3は、各々の軸線がミラー部2の同一の直径上となるようにして、ミラー部2の左右両側から先端部をミラー部2の周縁に連結している。
4つのアクチュエータ5の各々は、単結晶シリコンで略長方形の板状に形成された支持体5aと、該支持体5aの一方の面のほぼ全面に支持された圧電体5bとを備える。
4つのアクチュエータ5は、ミラー部2の両側(図1の左右側)に2つずつ配置されている。このとき、ミラー部2の右側において、2つのアクチュエータ5は、右側のトーションバー3の基端部の図1の上下にそれぞれ配設され、該トーションバー3の基端部に、先端部を連結している。ミラー部2の左側において、2つのアクチュエータ5は、左側のトーションバー3の基端部の図1の上下にそれぞれ配設され、該トーションバー3の基端部に、先端部を連結している。
枠体4は、矩形状の枠(上辺4uと下辺4dとが平行、及び左辺4lと右辺4rとが平行)として形成されており、ミラー部2、トーションバー3、及びアクチュエータ5を外側から包囲する。アクチュエータ5の基端部は、枠体4の上辺4u部分又は下辺4d部分に連結する。
トーションバー3は、枠体4の上辺4u及び下辺4dに対して平行に配置されている。また、アクチュエータ5の支持体5a(ひいては、アクチュエータ5)は、枠体4の左辺4l及び右辺4rに対して平行に配置されている。
光偏向器1は、以下のようにして、フォトリソグラフィ技術やドライエッチング技術等を利用した半導体プレーナプロセス及びMEMSプロセスが用いられて製造される。まず、図2(a)に示されるような単結晶シリコンのウエハ10上に、図3(a)に示されるように、下部電極層L1、圧電体層L2、及び上部電極層L3等が積層される。そして、エッチング処理等によって、不要な部位が適宜除去されることで、ミラー部2、トーションバー3、枠体4、及びアクチュエータ5が形成される(図3(b)は、図1のIII−III線断面を示している)。このとき、下部電極層L1、圧電体層L2及び上部電極層L3は、アクチュエータ5の部分のみ残されて、他の部分は除去される。
また、圧電体5b(圧電体層L2がエッチング処理されて残った箇所)へ駆動電圧を印加できるように、上部電極層L3がエッチング処理されて残った箇所(上部電極)t+に導通する配線(図示省略)と、下部電極層L1がエッチング処理されて残った箇所(下部電極)t−に導通する配線(図示省略)が設けられる。
圧電体5bは、上部電極t+に導通する配線と、下部電極t−に導通する配線との間に駆動電圧が印加されると、該印加されたことによる圧電効果によって、支持体5aの長手方向に対して縮小する。これに伴って、圧電体5bを支持している支持体5aが、圧電体5bを支持している側の表面を内側となるように(支持体5aの基端部 図3の上方向に向かって)、該圧電体5bと共に屈曲変形する。以下、このような圧電体5bと支持体5aの屈曲変形を、単にアクチュエータ5の屈曲変形ともいう。
また、ミラー部2には、ウエハ10上に、金属薄膜(本実施形態では一層の金属薄膜)を半導体プレーナプロセスを用いて形状加工することで、反射面2aが形成される。
トーションバー3と、アクチュエータ5の支持体5aとは、ウエハ10等がエッチングされることで形成されるので、ウエハ10と同じ材料、すなわち、単結晶シリコンで形成される。
ウエハ10は、単結晶シリコンで形成されている。ウエハ10の主面は、(100)面である。このため、ウエハ10の主面に沿う結晶方位としては、<110>方位及び<100>方位のいずれかが主となる。ウエハ10には、<110>方位を示すようにオリエンテーションフラット11が設けられている(図2(a)参照)。すなわち、オリエンテーションフラット11に対して45度の角度の方向が、<100>方位となる。
そして、図2(a)に示されるように枠体4の上辺4uがオリエンテーションフラット11に対して45度傾斜するように、ウエハ上に、これから形成される光偏向器1をレイアウトする。これによって、枠体4の上辺4uが、<100>方位と平行になる。上辺4uに平行な方向及び直交する方向は、全て<100>方位となる。このため、上辺4uに平行なトーションバー3の長手方向と、上辺4uに直交するアクチュエータ5の支持体5aの長手方向とは、<100>方位となる。
なお、図2(b)に示されるように、主面が(100)面のウエハ10に、<100>方位を示すように、オリエンテーションフラット11を設けてもよい。この場合には、枠体4の上辺4uがオリエンテーションフラット11に対して平行となるように、ウエハ10上にこれから形成する光偏向器1をレイアウトすればよい。
次に、光偏向器1の作動について説明する。この光偏向器1は、アクチュエータ5の駆動により、トーションバー3が、第1軸X周りに捩られるように構成されている。
詳細には、4つのアクチュエータ5のうち図1の上側にある2つのアクチュエータ(以下、「上側アクチュエータ」という)5が、枠体4に連結されている基端部に対してトーションバー3に連結されている先端部が屈曲変形すると共に、残りの2つのアクチュエータ(図1の下側にある2つのアクチュエータ。以下、「下側アクチュエータ」という)5が、枠体4に連結されている基端部に対してトーションバー3に連結されている先端部が屈曲変形するように、圧電体5bに駆動電圧が印加される。このとき、上側アクチュエータ5の各々の屈曲変形が同じ大きさとなるように、該上側アクチュエータ5の圧電体5bに駆動電圧が印加される。また、下側アクチュエータ5の各々の屈曲変形が同じ大きさとなるように、該下側アクチュエータ5の圧電体5bに駆動電圧が印加される。
上側アクチュエータ5の屈曲変形の大きさと、下側アクチュエータ5の屈曲変形の大きさとが異なる場合、トーションバー3が第1軸X周りに捩られて、ミラー部2(ひいては、反射面2a)が第1軸X周りに揺動する。上側アクチュエータ5の屈曲変形の大きさと、下側アクチュエータ5の屈曲変形の大きさとが同じ場合、ミラー部2の揺動角度は、上側アクチュエータ5及び下側アクチュエータ5が屈曲変形していないときのミラー部2の揺動角度と同じになる。このように、上側アクチュエータ5の屈曲変形の大きさと、下側アクチュエータ5の屈曲変形の大きさとに応じて、反射面2aの第1軸X周りの揺動角度を調整することができる。
なお、本実施形態の光偏向器1には、上側アクチュエータ5の圧電体5bに印加する電圧信号と、下側アクチュエータ5の圧電体5bに印加する電圧信号とは、周期性を有し、且つ互いに逆位相となる電圧信号(すなわち互いに180度位相がずれた電圧信号)が印加される。このときの、電圧信号の周波数は、光偏向器1の機械的な共振周波数に設定される。これにより、反射面2aを大きな偏向角で第1軸X周りに揺動できる。
以上のように、トーションバー3は、第1軸(トーションバー3の長手方向の軸)X周りに捩ることで、反射面2aを第1軸X周りに揺動させる。前述したように、トーションバー3の長手方向は、<100>方位となる。ここで、単結晶シリコンのせん断弾性係数Gは、単結晶シリコンの結晶方位が<110>方位のとき約62[GPa]であり、単結晶シリコンの結晶方位が<100>方位のとき約79[GPa]である。トーションバー3のばね定数kは、該トーションバー3のせん断弾性係数Gが大きくなる程、大きくなる。例えば、トーションバー3が本実施形態のように長板形状の場合、該トーションバー3のばね定数kは、次式(1)で表される。
Figure 0006092589
ここで、Gはトーションバー3のせん断弾性係数を示し、wはトーションバー3の幅方向の長さを示し、tはトーションバー3の厚さを示し、Lはトーションバー3の長手方向の長さを示す。
従って、トーションバー3の長手方向の軸Xが、単結晶シリコンの結晶方位の<100>方位に平行となるようにトーションバー3が形成されることで、単結晶シリコンの結晶方位の<110>方位に平行となるようにトーションバー3が形成されるものに比べて、該トーションバー3の長手方向の軸X周りのばね定数kが大きくなり、ひいては、トーションバー3の共振周波数を大きくできる。このとき、トーションバー3の寸法を変更する必要がない。従って、光偏向器の寸法を変更することなく(光偏向器1の大型化を抑制しつつ)、反射面2aの走査速度を高速にできる。
また、トーションバー3を捩るときに、アクチュエータ5は、その基端部を起点として先端部が屈曲変形する。このように、アクチュエータ5は、枠体4に支持されたカンチレバーである。カンチレバーの先端部の変位量は、該カンチレバーのヤング率Eに反比例する。例えば、カンチレバー(支持体5a)の基端部に対する先端部の変位量yは、次式(2)で表される。なお、支持体5aは、そのほぼ全面で圧電体5bを支持しているので、支持体5aが屈曲変形するときには、支持体5aのほぼ全面に均等の力が作用する。
Figure 0006092589
ここで、Lは支持体5aの長手方向の長さを示し、qは支持体5aの単位長さ辺りの荷重(圧電体の圧電効果による屈曲変形させる力)を示し、Eは支持体5aのヤング率を示し、Iは支持体5aの断面二次モーメントを示す。
単結晶シリコンのヤング率Eは、単結晶シリコンの結晶方位が<110>方位のとき約160[GPa]であり、単結晶シリコンの結晶方位が<100>方位のとき約130[GPa]である。支持体5aの長手方向は、前述したように<100>方位である。従って、単結晶シリコンの結晶方位の<100>方位に平行となるように支持体5aが形成されることで、単結晶シリコンの結晶方位の<110>方位に平行となるように支持体5aが形成されるものに比べて、支持体5aの基端部に対する先端部の屈曲変形の大きさが大きくなる。これにより、反射面2aの揺動角度を大きくできる。
以上のように、トーションバー3の共振周波数を大きくした場合であっても、反射面2aの揺動角度を大きくすることができる(カンチレバー(支持体5a)の変位量を大きくした場合であっても、反射面2aの走査速度を速くできる)。
[第2実施形態]
図4を参照して、本発明の第2実施形態の光偏向器について説明する。本実施形態の光偏向器201は、第1実施形態の光偏向器(以下、本実施形態においては「内側偏向部」という)1に加えて、該内側偏向部1を第2軸Y周りに揺動させる一対の外側アクチュエータ205と、外枠204とを備える。
外枠204は、矩形状の枠(上辺204uと下辺204dとが平行、及び左辺204lと右辺204rとが平行)として形成されており、内側偏向部1及び外側アクチュエータ205を外側から包囲する。
一対の外側アクチュエータ205は、内側偏向部1を挟んで対向して配置されている。一対の外側アクチュエータ205は、その先端部が内側偏向部1の左辺4lの外側に連結されると共に、その基端部が外枠204の左辺204l及び右辺204rの内側に連結される。
一対の外側アクチュエータ205の各々は、複数の圧電カンチレバー206を備える。なお、本実施形態では、圧電カンチレバー206の数は、4つとしているが、他の数であってもよい。外側アクチュエータ205において、複数の圧電カンチレバー206の各々は、その長さ方向が同じになるように、各圧電カンチレバー206の両端部が隣り合うように、間隔が設けられて並んで配置されている。そして、各圧電カンチレバー206は、隣り合う圧電カンチレバーに対し折り返すように連結されている。このように、外側アクチュエータ205は、複数の圧電カンチレバー206が、蛇腹状(ミアンダ形状)に形成されている。
本実施形態の光偏向器201は、第1実施形態の光偏向器1と同様に、フォトリソグラフィ技術やドライエッチング技術等を利用した半導体プレーナプロセス及びMEMSプロセスが用いられて製造される。すなわち、単結晶シリコンのウエハ10上に、下部電極層L1、圧電体層L2、及び上部電極層L3等が積層された後、エッチング処理等によって、不要な部位が適宜除去されることで、内側偏向部1(ミラー部2、トーションバー3、枠体4、及びアクチュエータ5)、外側アクチュエータ205、及び外枠204が形成される。このとき、下部電極層L1、圧電体層L2及び上部電極層L3は、内側偏向部1のアクチュエータ5、及び外側アクチュエータ205の圧電カンチレバー206の部分のみ残されて、他の部分は除去される。
そして、アクチュエータ5及び圧電カンチレバー206の圧電体5b(圧電体層L2がエッチング処理されて残った箇所)へ駆動電圧を印加できるように、上部電極層L3がエッチング処理されて残った上部電極t+に導通する配線(図示省略)と、下部電極層L1がエッチング処理されて残った下部電極t−に導通する配線(図示省略)が設けられる。これにより、圧電体5bは、上部電極t+に導通する配線と、下部電極t−に導通する配線との間に駆動電圧が印加されると、該印加されたことによる圧電効果によって、支持体5aの長手方向に対して縮小する。これに伴って、圧電体5bを支持している支持体5aが、圧電体5bを支持している側の表面を内側となるように、該圧電体5bと共に屈曲変形する。
ここで、以下の説明では、4つの圧電カンチレバー206のうち、外側アクチュエータ205の先端部側から基端部側に向かって数えて、奇数番目の2つの圧電カンチレバーと偶数番目の2つの圧電カンチレバーとを区別する場合には、奇数番目の2つの圧電カンチレバーの符号の末尾に「o」を付与して206oとして表し、偶数番目の2つの圧電カンチレバーの符号の末尾に「e」を付与して206eとして表す。
光偏向器201は、アクチュエータ5の圧電体5b、奇数番目の圧電カンチレバー206oの圧電体5b、及び偶数番目の圧電カンチレバー206eの圧電体5bの各々は、独立して駆動電圧が印加できるように配線されている。
また、複数の圧電カンチレバー206の各々は、外枠204の上辺204u及び下辺204dに対して直交するように配置されている。また、内側偏向部1は、その枠体4の左辺4l及び右辺4rが、外枠204の上辺204u及び下辺204dと平行に配置されている。このため、複数の圧電カンチレバー206の各々は、内側偏向部1の支持体5aと直交し、且つ内側偏向部1のトーションバー3と平行になる。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ウエハ10は、単結晶シリコンで形成されている。ウエハ10の主面は、(100)面であり、<110>方位を示すようにオリエンテーションフラット11が設けられている。すなわち、オリエンテーションフラット11に対して45度の角度の方向が、<100>方位となる。
そして、外枠204の上辺204uがオリエンテーションフラット11に対して45度傾斜するように、ウエハ10上にこれから形成する光偏向器201をレイアウトする。これによって、外枠204の上辺204uが、<100>方位と平行になる。上辺204uに平行な方向及び直交する方向は、全て<100>方位となる。このため、上辺204uに直交するトーションバー3の長手方向と、上辺204uに平行な「内側偏向部1のアクチュエータ5の支持体5aの長手方向」と、上辺204uに直交する「外側アクチュエータ205の支持体5aの長手方向」とが<100>方位となる。
なお、主面が(100)面であり、オリエンテーションフラット11が<100>方位を示すように設けられたウエハ10を用いる場合には、外枠204の上辺204uがオリエンテーションフラット11に対して平行となるように、ウエハ10上にこれから形成する光偏向器201をレイアウトすればよい。
次に、光偏向器201の作動について説明する。
この光偏向器201において、内側偏向部1のアクチュエータ5の駆動により、トーションバー3が、第1軸X周りに捩られる。これにより、反射面2aが第1軸X周りに揺動する。この作動の詳細については、第1実施形態と同じであるので、説明を省略する。
また、外側アクチュエータ205の駆動により、内側偏向部1が、第2軸Y周りに揺動する。これにより、反射面2aが第2軸Y周りに揺動する。
詳細には、奇数番目の圧電カンチレバー206oの圧電体5bに、周期性を有する単極性の電圧信号(例えば正弦波又はノコギリ波等に直流成分を加えた信号。以下、「第1電圧信号」という)を印加すると共に、偶数番目の圧電カンチレバー206eの圧電体5bに、第1電圧信号とは、互いに逆位相の電圧信号(すなわち互いに180度位相がずれた電圧信号。以下、「第2電圧信号」という)を印加する。これにより、第1電圧信号の値と第2電圧信号の値が等しいときに、各圧電カンチレバー206の屈曲変形の大きさが等しくなる(以下、この状態を「状態2A」という)。また、第1電圧信号の値が第2電圧信号の値より大きいときに、奇数番目の圧電カンチレバー206oの屈曲変形が、偶数番目の圧電カンチレバー206eの屈曲変形より大きくなる(以下、この状態を「状態2B」という)。また、第1電圧信号の値が第2電圧信号の値より小さいときに、奇数番目の圧電カンチレバー206oの屈曲変形が、偶数番目の圧電カンチレバー206eの屈曲変形より小さくなる(以下、この状態を「状態2C」という)。
互いに逆位相の第1電圧信号と第2電圧信号とが、奇数番目の圧電カンチレバー206oの圧電体5bと、偶数番目の圧電カンチレバー206eの圧電体5bとに印加されるので、「状態2B→状態2A→状態2C(→状態2B…)」が繰り返される。このような各圧電カンチレバー206の動きにより、反射面2aは、第2軸Y周りで回転する。
また、各圧電カンチレバー206がミアンダ形状に連結されているので、外側アクチュエータ205では、各圧電カンチレバー206の屈曲変形の大きさを累積した大きさの角度変位が発生する。従って、例えば、内側偏向部1のアクチュエータ5に比べて大きな角度変位を得ることができるので、第1電圧信号及び第2電圧信号の周波数を、光偏向器201の機械的な共振周波数としない場合であっても、反射面2aの偏向角が充分な大きさとなる。
また、内側偏向部1を第2軸Y周りに揺動する場合には、上述したように周期性を有する電圧信号を印加する必要はなく、直流の電圧信号を印加してもよい。この場合、圧電カンチレバー206で発生する屈曲変形の大きさは、直流電圧の大きさに応じて線形的に変化する。従って、例えば周期性を有する電圧信号を印加して圧電カンチレバーを共振駆動させる場合と異なり、直流電圧の大きさを制御することで外側アクチュエータ205から任意の出力を得ることができる。このように、光偏向器201では、第2軸Y周りに揺動する場合には、駆動電圧として印加した直流電圧の大きさに応じて線形的に偏向角を制御することができるので、任意の速度で任意の偏向角を得ることができる。
本実施形態の光偏向器201では、第1実施形態の光偏向器1を内側偏向部1として備えているので、内側偏向部1は、第1実施形態の光偏向器1と同じ効果が得られる。
また、本実施形態の光偏向器201では、外側アクチュエータ205の各圧電カンチレバー206の支持体5aが、その長手方向が<100>方位となっている。従って、該圧電カンチレバー206の支持体5aの長手方向が<110>方位のものに比べて、支持体5aの基端部に対する先端部の屈曲変形の大きさが大きくなる。これにより、内側偏向部1の第2軸Y周りの揺動角度を大きくできる。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態の光偏向器においては、トーションバー3を捩るためのアクチュエータとして圧電体を用いているが、これに限らず、その他の態様によってトーションバー3を捩るようにアクチュエータを構成してもよい。
1…光偏向器(第1実施形態)、2a…反射面、3…トーションバー、5…アクチュエータ、5a…支持体、5b…圧電体、X…第1軸(所定の軸、長手方向の軸)、201…光偏向器(第2実施形態)、Y…第2軸(所定の軸)、205…外側アクチュエータ(アクチュエータ)。

Claims (1)

  1. 光を反射する反射面と、単結晶シリコンで形成されたトーションバーと、前記トーションバーをその長手方向の軸としての第1軸の周りに捩ることで、前記反射面を前記第1軸の周りに揺動させる第1アクチュエータとを有する光偏向器において、
    前記反射面と前記トーションバーと前記第1アクチュエータとを包囲し、前記第1アクチュエータを介して前記トーションバーに連結している第1枠体と、
    前記第1枠体を包囲する第2枠体と、
    前記第1枠体を前記第2枠体に連結する唯一の連結部材として前記第1枠体と前記第2枠体との間に介在する共に、前記反射面を前記第1軸とは別の第2軸の周りに揺動させる第2アクチュエータとを備え、
    前記第1アクチュエータは、駆動電圧が印加される第1圧電体と、該第1圧電体を支持し該第1圧電体と共に屈曲変形する第1支持体とを備え、
    前記第2アクチュエータは、長手方向を前記第1軸に平行に揃えてミアンダ形状に連結されている複数の圧電カンチレバーを有し、
    前記第2アクチュエータの各圧電カンチレバーは、駆動電圧が印加される第2圧電体と、該第2圧電体を支持し該第2圧電体と共に屈曲変形する第2支持体とを備え、
    前記トーションバーは、前記第1軸方向が、当該トーションバーの結晶方位の<100>方位と平行になるように形成され、
    前記第2支持体は、単結晶シリコンで形成されると共に、長方形板状に形成され、その長手方向が、当該第2支持体の結晶方位の<100>方位と平行になるように形成されていることを特徴とする光偏向器。
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