JP4175272B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータに関するものである。
例えば、レーザープリンタ等に用いられるアクチュエータとしてポリゴンミラー(回転多面体)が知られている。
しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。
現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、機器の小型化の面で不利であるという問題がある。
このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
また、図15に示すような、平行平板状に電極を配置した1自由度のねじり振動子は、その構造が簡単なことから、アクチュエータの研究初期から提案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、前記ねじり振動子をカンチレバー方式とした1自由度静電駆動型振動子も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
図15の1自由度静電駆動型ねじり振動子は、ガラス基板1000上の両端部にスぺーサ200を介してシリコンの単結晶板からなる可動電極板300の両端固定部300aを固定し、この可動電極板300の両端固定部300a間に、細巾のトーションバー300bを介して可動電極部300cを支持させ、また、その可動電極部300cに電極間隔を置いて対向させる固定電極900を、ガラス基板1000上において前記可動電極部300cに対し平行配置している。可動電極板300と固定電極900との間にはスイッチ600を介して電源500が接続される。
前記構成を有するねじり振動子は、可動電極部300cと固定電極900との間に電圧を印加すると、静電引力によりトーションバー300bを軸として可動電極部300cが回転するものである。しかるに、静電引力は電極間隔の二乗に反比例するため、この種の静電アクチュエータにおいては電極間隔を小さくすることが望まれる。しかし、上述した1自由度の構造では、可動電極部300cが電極と可動部を兼ねるため、電極間隔を狭くすると変位(回転角)に制約が生じ、また可動範囲を大きくとるためには電極間隔を大きくする必要がある。このため、低電圧駆動と大振幅の両立が困難であるという問題がある。
K.E.Petersen:"Silicon Torsional Scanning Mirror",IBMJ.Res.Develop.,vol.24(1980)、P.631 河村他:"Siを用いたマイクロメカニクスの研究"、昭和61年度精密工学会秋季大会学術講演会論文集、P.753
本発明の目的は、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)の大きいアクチュエータを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクチュエータは、凹部を有し、該凹部が開放する開口が形成された基体と、
前記凹部内に設けられ、交流電圧を印加することによって、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第1の質量部と、該第1の質量部の回動に伴い、前記第1の質量部に連結され、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第2の質量部とを備える2自由度振動系と、
前記基体の前記開口を覆うように設けられた平板状部材と、
平面視において前記第1の質量部と重ならないように設けられ、前記基体と前記平板状部材との間隔を規定するとともに、前記凹部の気密性を保持するスペーサとを有し、
前記平板状部材は、光透過性を有し、
前記第2の質量部の前記平板状部材側の面に、光反射部を有し、
前記平板状部材と前記スペーサと前記基体とが互いに別体であり、前記平板状部材と前記基体とがスペーサを介して接合され、
前記スペーサは、前記平板状部材と前記光反射部との間の光路長を規定していることを特徴とする。
これにより、第1の質量部および第2の質量部が振動(回動)し得る十分なスペースを確保することができる。また、アクチュエータの内部(凹部内)へのゴミ等の異物が侵入するのを防止することができる。また、アクチュエータの内部(凹部内)を減圧状態とすることや、不活性ガス等を充填することにより、第1の質量部および第2の質量部が振動(回動)する際に生じる空気抵抗を低減して、より大きな振れ角が実現可能となる。
このようなことから、アクチュエータを、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
また、平板状部材をエッチング等により加工して、2自由度振動系が振動し得るスペースを確保することを要しないので、平板状部材の表面(特に、凹部側の面)の平坦性が確保される(すなわち、表面の荒れが防止される)。このため、例えば光スキャナに適用した場合には、平板状部材において、入射光や反射光が散乱すること等により損失するのが防止または低減され、その結果、高い反射率を有するものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記2自由度振動系は、基板の一方の面に形成された凹部によって薄肉化された部分の一部を貫通するまでエッチングすることにより形成されたものであり、当該基板の他方の面に前記スペーサを介して前記平板状部材が接合されていることが好ましい。
本発明のアクチュエータでは、前記スペーサの平均厚さは、1〜2000μmであることが好ましい。
これにより、大型化するのを防止しつつ、第1の質量部および第2の質量部が振動(回動)し得る十分なスペースを確保することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記スペーサは、シリコンを主材料として構成されたものであることが好ましい。
これにより、スペーサをより簡易な工程で形成することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記基体には、その前記凹部の底面に、前記第2の質量部が回動したとき、該第2の質量部が前記基体に接触するのを防止するための逃げ部が形成されていることが好ましい。
これにより、第2の質量部の振れ角(振幅)をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記基体には、前記逃げ部が前記2自由度振動系と反対側の面で開放することにより、第2の開口が形成され、
前記基体の前記凹部と反対側には、前記第2の開口を気密的に封止する平板状をなす封止部材が設けられていることが好ましい。
これにより、例えば光スキャナに適用した場合、第2の質量部の凹部側の面に光反射部を設けることにより、第2の質量部の双方の面に入射する光を利用することができるので、機能性の高いものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記2自由度振動系は、前記第1の質量部を一対備え、
前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられていることが好ましい。
これにより、より確実に、低電圧で駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記一方の第1の質量部の回動中心軸と、該一方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとし、前記他方の第1の質量部の回動中心軸と、該他方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとし、前記第2の質量部の回動中心軸と、該第2の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとしたとき、LとLとが、L<Lなる関係を満足し、かつ、LとLとが、L<Lなる関係を満足することが好ましい。
これにより、より容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記距離Lと、前記距離Lとがほぼ等しいことが好ましい。
これにより、アクチュエータの制御が容易となり、さらに容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記交流電圧の周波数が、前記第1の質量部と前記第2の質量部とが共振する2自由度振動系の共振周波数のうち低いものとほぼ等しくなるように設定されていることが好ましい。
これにより、低電圧で高速動作が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。また、このような構成とすることにより、第1の質量部の振幅を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記2自由度振動系は、前記第1の質量部と前記基体とを、前記第1の質量部が前記基体に対して回動可能に連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、
前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能に連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを備えることが好ましい。
これにより、第1の質量部および第2の質量部の振れ角(振幅)をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の弾性連結部のばね定数をkとし、前記第2の弾性連結部のばね定数をkとしたとき、kとkとが、k>kなる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の質量部の振れ角(振幅)を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記2自由度振動系は、前記第1の弾性連結部および前記第2の弾性連結部のうちの少なくとも一方が、その内部にピエゾ抵抗素子を備えていることが好ましい。
これにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部の姿勢の制御に利用することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部の慣性モーメントをJとし、前記第2の質量部の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとがJ≦Jなる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の質量部の振幅を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記基体には、その前記凹部の底面に、前記第1の質量部と対向するように設けられた電極を有し、
該電極と前記第1の質量部との間に生じる静電気力によって、前記第1の質量部が回動することが好ましい。
これにより、第2の質量部の振れ角(振幅)をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記平板状部材の表面粗さRaは、1μm以下であることが好ましい。
これにより、例えば光スキャナに適用した場合には、より高い反射率を有するものとすることができる。
以下、本発明のアクチュエータの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図(内部透視図)、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図、図4は、印加する交流電圧の一例を示す図、図5は、印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図3中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1および図2に示すアクチュエータ1は、凹部30を有する基体3と、凹部30内に設けられ(収納され)た振動系2とを有している。
本実施形態の振動系2は、一対の第1の質量部(駆動部)21、22と、上面(後述する蓋部材33側の面)に光反射部231が設けられた第2の質量部(可動部)23とを備えている。
具体的には、振動系2は、第2の質量部23を中心として、その一端側(図1および図2中、左側)に第1の質量部21が設けられ、他端側(図1および図2中、右側)に第1の質量部22が設けられて構成されている。
また、本実施形態では、第1の質量部21、22は、互いにほぼ同一形状かつほぼ同一寸法をなし、第2の質量部23を介して、ほぼ対称に設けられている。
これらの第1の質量部21、22および第2の質量部23は、それぞれ、例えば、シリコン等を主材料として構成されている。
さらに、振動系2は、図1および図2に示すように、第1の質量部21、22と後述する枠部31(基体3)とを連結する、一対の第1の弾性連結部24、24と、第1の質量部21、22と第2の質量部23とを連結する、一対の第2の弾性連結部25、25とを備えている。
各第1の弾性連結部24、24、および、各第2の弾性連結部25、25とは、同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)26として、第1の質量部21、22が枠部31に対して、また、第2の質量部23が第1の質量部21、22に対して回動可能となっている。
このような振動系2は、第1の質量部21、22と第1の弾性連結部24、24とからなる第1の振動系と、第2の質量部23と第2の弾性連結部25、25とからなる第2の振動系とを有する2自由度振動系を構成する。
基体3は、枠状をなす枠部31と、枠部31の下方を閉塞するように固定(固着)された底部材32とで構成され、枠部31と底部材32とにより凹部30が画成されている。
また、基体3には、この凹部30(枠部31)が基体3の上方において開放することにより、開口300が形成されている。
枠部31の高さは、第1の質量部21、22および第2の質量部23の厚さよりも大きくなるように設定されている。
そして、枠部31の上面(開口300の開口面)が第1の質量部21、22および第2の質量部23の上面とほぼ同一平面上に位置することにより、枠部31の下面は、第1の質量部21、22および第2の質量部23の下面よりも下側に位置している。
なお、後述するように、枠部31は、好ましくは振動系2と一体的に形成される。
底部材32は、例えば、各種ガラスやシリコン等を主材料として構成されている。
底部材32の上面(凹部30の底面)には、図2および図3に示すように、第2の質量部23に対応する部分に凹部321が形成されている。
この凹部321は、第2の質量部23が回動(振動)する際に、底部材32(基体3)に接触するのを防止する逃げ部を構成する。凹部(逃げ部)321を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、第2の質量部23の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
また、底部材32の上面には、図3に示すように、第1の質量部21に対応する部分に、一対の電極4が回動中心軸26を中心にほぼ対称となるように設けられ、また、第1の質量部22に対応する部分に、一対の電極4が回動中心軸26を中心にほぼ対称となるように設けられている。すなわち、本実施形態では、一対の電極4が2組(合計4個)、設けられている。
第1の質量部21、22と各電極4とは、図示しない電源に接続されており、第1の質量部21、22と各電極4との間に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。
なお、第1の質量部21、22の各電極4と対向する面には、それぞれ、絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、第1の質量部21、22と各電極4との間での短絡が発生するのが好適に防止される。
このような基体3には、スペーサ34を介して、開口300を塞ぐように平板状をなす蓋部材(平板状部材)33が接合されている。
本実施形態のアクチュエータ1では、後述するように、外部光を蓋部材33を介して光反射部231に入射させ、光反射部231による反射光を蓋部材33を介して外部に導出させる。このため、蓋部材33は、平坦性に優れ、かつ、光透過性に優れた基板、例えば各種ガラス基板等で構成されている。
スペーサ34は、基体3と蓋部材33との間隔を規定するとともに、凹部30の気密性を保持する機能を有するものである。このスペーサ34は、図1および図2に示すように、平面視で第1の質量部21、22と重ならないように設けられている。
このような構成により、I:振動系2の振動し得るスペースの確保が容易となる。
また、II:アクチュエータ1の内部(凹部30内)へのゴミ等の異物が侵入するのを防止することができる。III:アクチュエータ1の内部(凹部30内)を減圧状態とすることや、不活性ガス等を充填することにより、振動系2が振動(回動)する際に生じる空気抵抗を低減して、より大きな振れ角が実現可能となる。これらにより、アクチュエータ1を信頼性の高いものとすることができる。
さらに、IV:蓋部材33をエッチング等により加工して、振動系2が振動し得るスペースを確保することを要しないので、蓋部材33の表面(特に、凹部30側の面)の平坦性が確保される(すなわち、表面の荒れが防止される)。これにより、蓋部材33において、入射光や反射光が散乱すること等により、損失するのが防止または低減され、その結果、アクチュエータ1では、高い反射率を得ることができる。
ここで、蓋部材33の表面の平坦性を示す指標には、各種のものがあるが、例えば、表面粗さ(JIS B 0601に規定の中心線平均粗さ)Raが好適に用いられる。
具体的には、蓋部材33の表面粗さRaは、1μm以下であるのが好ましく、100nm以下であるのがより好ましく、1nm〜100nm程度であるのがさらに好ましい。表面粗さが前記上限値を超えて大きくなると、蓋部材33の構成材料や厚さ等によっては、入射光や反射光の損失が大きくなり、十分な反射率が得られないおそれがある。
スペーサ34は、例えば、シリコン、各種ガラス等で構成することができるが、特に、シリコンを主材料として構成されるものが好ましい。シリコンは、成形加工性に優れるため、スペーサ34の作成工程を簡素化できる。
また、スペーサ34の平均厚さは、振動系2(アクチュエータ1)の寸法等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、1〜2000μm程度であるのが好ましく、100〜1500μm程度であるのがより好ましい。スペーサ34が薄過ぎると、振動系2と蓋部材33との間隔を十分に確保することができず、各質量部21、22、23の触れ角(変位角)を大きく設定するのが困難となる場合がある。一方、スペーサ34が厚過ぎると、振動系2と蓋部材33との間隔が不必要に大きくなり、アクチュエータ1の大型化を招き好ましくない。
以上のような構成のアクチュエータ1は、次のようにして駆動する。
すなわち、第1の質量部21、22と各電極4との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加すると、具体的には、例えば、第1の質量部21、22をアースしておき、図3中上側の2つの電極4に、図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、図3中下側の2つの電極4に、図4(b)に示すような波形の電圧を印加すると、第1の質量部21、22と各電極4との間に静電気力(クーロン力)が生じる。
この静電気力により、第1の質量部21、22が、各電極4の方へ引きつけられる力が正弦波の位相により変化し、回動中心軸26(第1の弾性連結部24)を軸に、開口300の開口面に対して傾斜するように振動(回動)する。
そして、この第1の質量部21、22の振動(駆動)に伴って、第2の弾性連結部25を介して連結されている第2の質量部23も、回動中心軸26(第2の弾性連結部25)を軸に、開口300の開口面に対して傾斜するように振動(回動)する。
ここで、このアクチュエータ1では、前述したように、底部材32の第2の質量部23に対応する部分に凹部321が形成され、また、蓋部材33がスペーサ34を介して枠部31に接合され、かつ、スペーサ34が平面視で第1の質量部21、22と重ならないように設けられている。
このような構成により、第2の質量部23が振動し得るスペース、および、第1の質量部21、22が振動し得るスペースとして、大きなスペースが確保されている。したがって、第1の質量部21、22の質量を比較的小さく設定すること等により、第1の質量部21、22を大きな振れ角で振動させた場合や、さらに第2の質量部23が共振によって大きな振れ角で振動した場合でも、各質量部21、22、23(振動系2)が底部材32および蓋部材33に接触することを好適に防止することができる。
このため、このようなアクチュエータ1を、例えば光スキャナに適用した場合には、より解像度の高いスキャニングを行うことが可能となる。
ここで、第1の質量部21の回動中心軸26に対して、ほぼ垂直な方向(長手方向)の端部211との間の距離(長さ)をLとし、第1の質量部22の回動中心軸26に対して、ほぼ垂直な方向(長手方向)の端部221との間の距離(長さ)をLとし、第2の質量部23の回動中心軸26に対して、ほぼ垂直な方向の端部232との間の距離(長さ)をLとしたとき、本実施形態では、第1の質量部21、22が、それぞれ独立して設けられているため、第1の質量部21、22と、第2の質量部23とが干渉せず、第2の質量部23の大きさ(長さL)にかかわらず、LおよびLを小さくすることができる。これにより、第1の質量部21、22の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、第2の質量部23の回転角度を大きくすることができる。
また、LおよびLを小さくすることにより、第1の質量部21、22と各電極4との間の距離を小さくすることができ、これにより、静電気力が大きくなり、第1の質量部21、22と各電極4に印加する交流電圧を小さくすることができる。
ここで、第1の質量部21、22および第2の質量部23の寸法は、それぞれ、L<LかつL<Lなる関係を満足するよう設定されるのが好ましい。
前記関係を満たすことにより、LおよびLをより小さくすることができ、第1の質量部21、22の回転角度をより大きくすることができ、第2の質量部23の回転角度をさらに大きくすることができる。
この場合、第2の質量部23の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
また、このように、LおよびLを小さくすることにより、第1の質量部21、22と各電極4との間の距離をより小さくすることができ、第1の質量部21、22と各電極4に印加する交流電圧をさらに小さくすることができる。
これらによって、第1の質量部21、22の低電圧駆動と、第2の質量部23の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
このため、このようなアクチュエータ1を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合には、より容易に装置を小型化することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、LとLとはほぼ等しく設定されているが、LとLとが異なっていてもよいことは言うまでもない。
ところで、このような振動系(2自由度振動系)2では、第1の質量部21、22および第2の質量部23の振幅(振れ角)と、印加する交流電圧の周波数との間に、図5に示すような周波数特性が存在している。
すなわち、振動系2は、第1の質量部21、22の振幅と、第2の質量部23の振幅とが大きくなる2つの共振周波数fm[kHz]、fm[kHz](ただし、fm<fm)と、第1の質量部21、22の振幅がほぼ0となる、1つの反共振周波数fm[kHz]とを有している。
この振動系2では、第1の質量部21、22と電極4との間に印加する交流電圧の周波数Fが、2つの共振周波数のうち低いもの、すなわち、fmとほぼ等しくなるように設定するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振幅を抑制しつつ、第2の質量部23の振れ角(回転角度)を大きくすることができる。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm−1)≦F≦(fm+1)の条件を満足することを意味する。
第1の質量部21、22の平均厚さは、それぞれ、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第2の質量部23の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性連結部24のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
一方、第2の弾性連結部25のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部23の振れ角をより大きくすることができる。
また、第1の弾性連結部24のばね定数kと第2の弾性連結部25のばね定数をkとは、k>kなる関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、第1の質量部21、22の慣性モーメントをJとし、第2の質量部23の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとは、J≦Jなる関係を満足することが好ましく、J<Jなる関係を満足することがより好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
ところで、第1の質量部21、22と第1の弾性連結部24、24とからなる第1の振動系の固有振動数ωは、第1の質量部21、22の慣性モーメントJと、第1の弾性連結部24のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。一方、第2の質量部23と第2の弾性連結部25、25とからなる第2の振動系の固有振動数ωは、第2の質量部23の慣性モーメントJと、第2の弾性連結部25のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ωと第2の振動系の固有振動数ωとは、ω>ωなる関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
なお、本実施形態の振動系2は、一対の第1の弾性連結部24および一対の第2の弾性連結部25のうち少なくとも1つが、その内部にピエゾ抵抗素子を備えたものであるのが好ましい。これにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部23の姿勢の制御に利用することができる。
このようなアクチュエータ1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図6〜図10は、それぞれ、第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図6〜図10中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[A1] まず、図6(a)に示すように、シリコン基板5を用意する。
そして、図6(b)に示すように、シリコン基板5の一方の面に、枠部31と振動系2の形状に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク6を形成する。
次に、シリコン基板5の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、図6(c)に示すように、枠部31の形状に対応するように、レジストマスク7を形成する。
そして、このレジストマスク7を介して、シリコン基板5の他方の面側をエッチングした後、レジストマスク7を除去する。これにより、図7(d)に示すように、枠部31に対応する部分以外の領域に凹部51が形成される。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、以下の各工程のエッチングにおいて、同様の方法を用いることができる。
次に、金属マスク6を介して、シリコン基板5の一方の面側を、前記凹部51に貫通するまでエッチングする。
ここで、シリコン基板5をエッチングを行った後、金属マスク6は除去してもよく、除去せずに残存させてもよい。金属マスク6を除去しない場合、第2の質量部23上に残存した金属マスク6は光反射部231として用いることができる。
金属マスク6を除去した場合、この後、第2の質量部23上に金属膜を成膜し、光反射部231を形成する。
金属膜の成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等が挙げられる。
なお、以下の各工程の金属膜の成膜において、同様の方法を用いることができる。
以上の工程により、図7(e)に示すように、振動系2および枠部31が一体的に形成された構造体が得られる。
[A2] 次に、図8(f)に示すように、底部材32を形成するためのシリコン基板9を用意する。
そして、シリコン基板9の一方の面に、凹部321を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスクを形成する。
次に、この金属マスクを介して、シリコン基板9の一方の面側をエッチングした後、金属マスクを除去する。これにより、図8(g)に示すように、凹部321が形成された底部材32が得られる。
次に、底部材32上に、図8(h)に示すように、電極4を形成する。
電極4は、底部材32の凹部321が形成された面に金属膜を成膜し、電極4の形状に対応するマスクを介して金属膜をエッチングを行った後、マスクを除去することにより形成することができる。
次に、図9(i)に示すように、前記工程[A1]で得られた構造体の枠部31と底部材32とを、例えば直接接合等により接合して接合体を得る。
[A3] 次に、図9(j)に示すように、スペーサ34を形成するためのシリコン基板8を用意する。
そして、シリコン基板8の一方の面に、スペーサ34の形状に対応するように、例えば、レジストマスク形成する。
次に、このレジストマスクを介して、シリコン基板8が貫通するまでエッチングした後、レジストマスクを除去する。これにより、シリコン基板8には、図9(k)に示すように、開口部341が形成され、スペーサ34が得られる。
次に、図10(l)に示すように、前記工程[A2]で得られた接合体の枠部31(基体3)とスペーサ34とを、例えば直接接合等により接合する。
次に、図10(m)に示すように、スペーサ34と蓋部材(好ましくはガラス基板)33とを、例えば陽極接合等により接合する。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ1が製造される。
このような製造方法では、蓋部材33を加工することなく、スペーサ34を介して基体3に接合するので、蓋部材33の表面の平坦性を確保することができる。これにより、蓋部材33において、入射光や反射光が散乱すること等により、損失するのが防止または低減され、その結果、アクチュエータ1では、高い反射率を得ることができる。
また、スペーサ34の形成工程や、スペーサ34と蓋部材33との接合工程は、蓋部材33をエッチング等より加工する工程より簡易に行うことができる工程である。また、スペーサ34の厚さを設定することにより、第1の質量部21、22および第2の質量部23と蓋部材33との間隔を所望のものに容易に設定することができる。したがって、前述したような製造方法によれば、アクチュエータ1の製造工程の簡易化を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態のアクチュエータを示す縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図11中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第2実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のアクチュエータ1は、基体3の構成が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ1と同様である。
すなわち、図11に示す基体3には、凹部(逃げ部)321が底部材32の下面(振動系2と反対側の面)に開放することにより第2の開口321aが形成され、その下側(凹部30と反対側)には、第2の開口321aを気密的に封止する平板状をなす封止部材35が設けられている。
この封止部材35は、平坦性に優れ、かつ、光透過性に優れた基板、例えば各種ガラス基板等で構成されている。
このような第2実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
特に、本実施形態においては、凹部321が貫通しているため、第2の質量部23の下面(凹部321側の面)に光反射部を設けることにより、アクチュエータ1の下方より入射する光も利用することができる。その結果、アクチュエータ1を、機能性の高いものとすることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図12は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す平面図(内部透視図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図12中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態のアクチュエータ1は、基体3と、第1の質量部21、22と、第2の質量部23との連結構造が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ1と同様である。
すなわち、図12に示すように、第1の質量部21、22が枠部31(基体3)に二対の第1の弾性連結部24’を介して連結され、また、第2の質量部23が第1の質量部21、22に二対の第2の弾性連結部25’を介して連結されている。
このような第3実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
特に、本実施形態においては、第1の質量部21、22および第2の質量部23を、それぞれ、二対の弾性連結部を介して連結することにより、より確実に第2の質量部23の振幅(回転)を制御することができる。
なお、本実施形態のように、二対の第1の弾性連結部24’と二対の第2の弾性連結部25’を有する場合、前記実施形態で説明したばね定数k、kは、ほぼ同じ位置で連結している2つの弾性連結部を一体的なものとみなして求められるものである。
<第4実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図13は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す平面図(内部透視図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図13中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第4実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態のアクチュエータ1は、電磁力(ローレンツ力)により駆動するように構成され、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ1と同様である。
すなわち、図13に示すアクチュエータ1は、枠部31に絶縁膜(図示せず)を介して設けられた4つの端子10と、第1の質量部21、22の上面(蓋部材33側の面)に設けられたコイル20と、第1の質量部21、22を介して弾性連結部(回動中心軸26)を中心に対向(ほぼ対称に)配置された一対の永久磁石40とを有している。
一対の永久磁石40は、S極とN極とが互いに向かい合うように設置されている。
また、コイル20の端部は、端子10と接続されている。
端子10は、図示せぬ電源に接続されており、コイル20に交流電圧を印加できるようになっている。
このアクチュエータ1では、コイル20に交流電圧を印加すると、コイル20(第1の質量部21、22)と永久磁石40との間でローレンツ力が生じ、そのローレンツ力によって、第1の質量部21、22が回動(駆動)し、この第1の質量部21、22の駆動に伴って、第2の質量部23が回動(駆動)する。
このような第4実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
<第5実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第5実施形態について説明する。
図14は、本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す平面図(内部透視図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図14中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態のアクチュエータ1は、ピエゾアクチュエータにより駆動するように構成され、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ1と同様である。
すなわち、図14に示すアクチュエータ1は、第1の質量部21、22の上面(蓋部材33側の面)の端部に、それぞれ、1つのピエゾアクチュエータ(圧電素子を備えたアクチュエータ)400が設けられている。
このアクチュエータ1では、ピエゾアクチュエータ400の駆動により、第1の質量部21、22にひずみ(伸縮)が生じ、そのひずみによって、第2の質量部23を回動(駆動)する。
このような第5実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
特に、本実施形態においては、ピエゾアクチュエータ400を第1の質量部21、22に設けたことにより、電極4が不要になり、生産コストを下げることができる。また、電極4が不要になることにより、凹部321の寸法を、第1の質量部21、22に対応する位置にまで大きくすることができる。これにより、第1の質量部21、22の回転角度をより大きくすることができる。
また、本実施形態では、第1の質量部21、22に、1つの(1層の)ピエゾアクチュエータ400を設けたが、これに限らず、例えば、バイモルフ型ピエゾアクチュエータ(2層構造のピエゾアクチュエータのうち、一方のピエゾアクチュエータを圧縮方向に振動させ、他方のピエゾアクチュエータを伸縮方向に振動させる撓み振動を生じさせるアクチュエータ)等の2つ(2層)以上のピエゾアクチュエータを設けてもよい。
なお、本実施形態では、ピエゾアクチュエータ400を第1の質量部21、22の上面の端部にそれぞれ設けたが、これに限らず、例えば、第1の質量部21、22の上面の全面に設けてもよいし、第1の質量部21、22の下面(底部材32側の面)の端部または全面に設けてもよい。
以上説明したようなアクチュエータ1は、例えば、レーザープリンタ、バーコードリーダー、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の光スキャナ、イメージング用ディスプレイ等に好適に適用することができる。
以上、本発明のアクチュエータについて、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明のアクチュエータは、前記第1〜第5実施形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
また、本発明のアクチュエータでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、第1の弾性連結部を一対または二対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、三対以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、第2の弾性連結部を一対または二対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、三対以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、光反射部231が第2の質量部23の蓋部材33側の面に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられている構成であってもよいし、両方の面に設けられている構成であってもよい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、底部材32上に電極4が設けられている構成について説明したが、底部材32と第1の質量部21、22の両方に設けられていてもよい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、第1の質量部21、22に対応する位置に、それぞれ一対の電極4を設けたが、これに限らず、それぞれ、電極4を1つ、もしくは3つ以上設けてもよい。
なお、第1の質量部21、22に対応する位置に、それぞれ1つの電極4を設けた場合は、例えば、オフセット電圧を加えた、最小電位がグランド電位である正弦波(交流電圧)等を印加するのが好ましい。
また、前述した実施形態では、第1の弾性連結部および第2の弾性連結部の形状として図示の構成のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、その形状が、クランク形状等であってもよいし、分岐した構造を有するものであってもよい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、第1の質量部21、22の電極4と対向する面に、短絡防止用の絶縁膜が設けられている構成について説明したが、例えば、このような絶縁膜は、電極4の表面に設けられていてもよいし、両方に設けられていてもよい。
また、前述した第4実施形態では、コイル20が第1の質量部21、22の蓋部材33側の面に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられていてもよいし、第1の質量部21、22の内部に設けられているものであってもよい。
また、前述した実施形態では、第1の質量部が一対で設けられる構成のものであったが、第1の質量部は、第2の質量部を囲むように設けられる構成のものであってもよい。
本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図である。 印加する交流電圧の一例を示す図である。 印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフである。 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す縦断面図である。 本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。 本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。 本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す平面図である。 従来のアクチュエータを説明するための図である。
符号の説明
1……アクチュエータ 2……振動系 21、22……第1の質量部 211、221……端部 23……第2の質量部 231……光反射部 232……端部 24、24’……第1の弾性連結部 25、25’……第2の弾性連結部 26……回動中心軸 3……基体 30……凹部 300……開口 31……枠部 32……底部材 321……凹部 321a……第2の開口 33……蓋部材 34……スペーサ 341……開口部 35……封止部材 4……電極 5……シリコン基板 51……凹部 6……金属マスク 7……レジストマスク 8、9……シリコン基板 10……端子 20……コイル 40……永久磁石 400……ピエゾアクチュエータ L、L、L……距離 300……可動電極板 300a……両端固定部 300b……トーションバー 300c……可動電極部 200……スペーサ 900……固定電極 500……電源 600……スイッチ 1000……ガラス基板

Claims (16)

  1. 凹部を有し、該凹部が開放する開口が形成された基体と、
    前記凹部内に設けられ、交流電圧を印加することによって、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第1の質量部と、該第1の質量部の回動に伴い、前記第1の質量部に連結され、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第2の質量部とを備える2自由度振動系と、
    前記基体の前記開口を覆うように設けられた平板状部材と、
    平面視において前記第1の質量部と重ならないように設けられ、前記基体と前記平板状部材との間隔を規定するとともに、前記凹部の気密性を保持するスペーサとを有し、
    前記平板状部材は、光透過性を有し、
    前記第2の質量部の前記平板状部材側の面に、光反射部を有し、
    前記平板状部材と前記スペーサと前記基体とが互いに別体であり、前記平板状部材と前記基体とがスペーサを介して接合され、
    前記スペーサは、前記平板状部材と前記光反射部との間の光路長を規定していることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記2自由度振動系は、基板の一方の面に形成された凹部によって薄肉化された部分の一部を貫通するまでエッチングすることにより形成されたものであり、当該基板の他方の面に前記スペーサを介して前記平板状部材が接合されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記スペーサの平均厚さは、1〜2000μmである請求項1または2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記スペーサは、シリコンを主材料として構成されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
  5. 前記基体には、その前記凹部の底面に、前記第2の質量部が回動したとき、該第2の質量部が前記基体に接触するのを防止するための逃げ部が形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。
  6. 前記基体には、前記逃げ部が前記2自由度振動系と反対側の面で開放することにより、第2の開口が形成され、
    前記基体の前記凹部と反対側には、前記第2の開口を気密的に封止する平板状をなす封止部材が設けられている請求項5に記載のアクチュエータ。
  7. 前記2自由度振動系は、前記第1の質量部を一対備え、
    前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載のアクチュエータ。
  8. 前記一方の第1の質量部の回動中心軸と、該一方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとし、前記他方の第1の質量部の回動中心軸と、該他方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとし、前記第2の質量部の回動中心軸と、該第2の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとしたとき、LとLとが、L<Lなる関係を満足し、かつ、LとLとが、L<Lなる関係を満足する請求項7に記載のアクチュエータ。
  9. 前記距離Lと、前記距離Lとがほぼ等しい請求項8に記載のアクチュエータ。
  10. 前記交流電圧の周波数が、前記第1の質量部と前記第2の質量部とが共振する2自由度振動系の共振周波数のうち低いものとほぼ等しくなるように設定されている請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ。
  11. 前記2自由度振動系は、前記第1の質量部と前記基体とを、前記第1の質量部が前記基体に対して回動可能に連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、
    前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能に連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを備える請求項1ないし10のいずれかに記載のアクチュエータ。
  12. 前記第1の弾性連結部のばね定数をkとし、前記第2の弾性連結部のばね定数をkとしたとき、kとkとが、k>kなる関係を満足する請求項11に記載のアクチュエータ。
  13. 前記2自由度振動系は、前記第1の弾性連結部および前記第2の弾性連結部のうちの少なくとも一方が、その内部にピエゾ抵抗素子を備えている請求項11または12に記載のアクチュエータ。
  14. 前記第1の質量部の慣性モーメントをJとし、前記第2の質量部の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとがJ≦Jなる関係を満足する請求項1ないし13のいずれかに記載のアクチュエータ。
  15. 前記基体には、その前記凹部の底面に、前記第1の質量部と対向するように設けられた電極を有し、
    該電極と前記第1の質量部との間に生じる静電気力によって、前記第1の質量部が回動する請求項1ないし14のいずれかに記載のアクチュエータ。
  16. 前記平板状部材の表面粗さRaは、1μm以下である請求項1ないし15のいずれかに記載のアクチュエータ。
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