JP2005287199A - アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】低電圧で大振幅での駆動が可能であり、かつ、より高速(高周波数)での駆動が可能なアクチュエータを提供すること。
【解決手段】アクチュエータ100は、第1の質量部1、11と、第2の質量部2と、支持部3、3と、第1の質量部1、11と支持部3、3とを、第1の質量部1、11が支持部3、3に対して回動可能となるように連結する一対の第1の弾性連結部4、4と、第1の質量部1、11と第2の質量部2とを、第2の質量部2が第1の質量部1、11に対して回動可能となるように連結する一対の第2の弾性連結部5、5とを有し、交流電圧を印加することによって、第1の質量部1、11が駆動し、それに伴い第2の質量部2が回動するものであり、第1の質量部1、11と第2の質量部2との双方に、その構成材料の一部を除去することにより凹部(材料除去部)1a、11a、2aが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクチュエータに関するものである。
例えば、レーザープリンタ等に用いられるアクチュエータとしてポリゴンミラー(回転多面体)が知られている。
しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。
現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、機器の小型化の面で不利であるという問題がある。
このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
また、図14に示すような、平行平板状に電極を配置した1自由度のねじり振動子は、その構造が簡単なことから、アクチュエータの研究初期から提案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、前記ねじり振動子をカンチレバー方式とした1自由度静電駆動型振動子も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
図14の1自由度静電駆動型ねじり振動子は、ガラス基板1000上の両端部にスぺーサ1200を介してシリコンの単結晶板からなる可動電極板1300の両端固定部1300aを固定し、この可動電極板1300の両端固定部1300a間に、細巾のトーションバー1300bを介して可動電極部1300cを支持させ、また、その可動電極部1300cに電極間隔を置いて対向させる固定電極1400を、ガラス基板1000上において前記可動電極部1300cに対し平行配置している。可動電極板1300と固定電極1400との間にはスイッチ1600を介して電源1500が接続される。
前記構成を有するねじり振動子は、可動電極部1300cと固定電極1400との間に電圧を印加すると、静電引力によりトーションバー1300bを軸として可動電極部1300cが回転するものである。しかるに、静電引力は電極間隔の二乗に反比例するため、この種の静電アクチュエータにおいては電極間隔を小さくすることが望まれる。しかし、上述した1自由度の構造では、可動電極部1300cが電極と可動部を兼ねるため、電極間隔を狭くすると変位(回転角)に制約が生じ、また可動範囲を大きくとるためには電極間隔を大きくする必要がある。このため、低電圧駆動と大振幅の両立が困難であるという問題がある。
K.E.Petersen:"Silicon Torsional Scanning Mirror",IBMJ.Res.Develop.,vol.24(1980)、P.631 河村他:"Siを用いたマイクロメカニクスの研究"、昭和61年度精密工学会秋季大会学術講演会論文集、P.753
本発明の目的は、低電圧で大振幅での駆動が可能であり、かつ、より高速(高周波数)での駆動が可能なアクチュエータを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のアクチュエータは、第1の質量部と、第2の質量部と、支持部と、前記第1の質量部と前記支持部とを、前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを有し、
交流電圧を印加することによって、前記第1の質量部が駆動し、それに伴い前記第2の質量部が回動する2自由度振動系のアクチュエータであって、
前記第1の質量部と前記第2の質量部との少なくとも一方には、その構成材料の一部を除去することにより材料除去部が形成されていることを特徴とする。
これにより、低電圧で大振幅での駆動が可能となり、さらに、第1の質量部および/または第2の質量部の質量(重量)が軽減することにより、より高速(高周波数)での駆動が可能となる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部および前記第2の質量部の双方に、前記材料除去部が形成されていることが好ましい。
これにより、さらに高速(高周波数)での駆動が可能となる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部に形成された前記材料除去部と、前記第2の質量部に形成された前記材料除去部とは、それぞれ有底穴で構成され、それらの開口方向がほぼ反対方向であることが好ましい。
これにより、例えば光スキャナに適用する場合、特に静電気力で駆動させる形態のものにおいて、光反射部を対向基板による制約を受けない側に設けることにより、より解像度の高いスキャンニングが可能となる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部に形成された前記材料除去部と、前記第2の質量部に形成された前記材料除去部とは、それぞれ有底穴で構成され、それらの開口方向がほぼ同一方向であることが好ましい。
これにより、材料除去部の形成がより容易となる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部を一対備え、
前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられていることが好ましい。
これにより、より確実に、低電圧で駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部および前記第2の質量部に対向するように設けられた対向基板を備え、
該対向基板の前記第2の質量部に対応する位置には、前記第2の質量部が回動したとき、該第2の質量部が前記対向基板に接触するのを防止するための逃げ部が形成されていることが好ましい。
これにより、第2の質量部の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記逃げ部は、前記対向基板の前記第2の質量部と反対側の面で開放していることが好ましい。
これにより、例えば光スキャナに適用した場合、第2の質量部の開口部側の面に光反射部を設けることにより、第2の質量部の双方の面に入射する光を利用することができるので、機能性の高いものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記対向基板は、その前記第1の質量部側の面の、前記第1の質量部に対応する位置に設けられた少なくとも一対の電極を備え、
前記一対の電極と前記第1の質量部との間に生じる静電気力によって、前記第1の質量部が駆動するものであることが好ましい。
これにより、第2の質量部の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部に、前記材料除去部として有底穴が形成され、
該有底穴は、前記第1の質量部の前記電極と反対側に開口していることが好ましい。
これにより、第1の質量部と電極との間に確実に静電気力を生じさせることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2の質量部は、光反射部を有することが好ましい。
本発明のアクチュエータは、各種のものに適用可能であるが、例えば光スキャナへの適用が好適であり、この場合、光の光路を容易に変更することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第2の質量部に、前記材料除去部として有底穴が形成され、
前記第2の質量部は、前記有底穴が開口するのと反対側に、前記光反射部を有することが好ましい。
これにより、光反射部の形成がより容易となる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部を一対備え、前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられている構成において、前記一方の第1の質量部の回動中心軸と、該一方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとし、前記他方の第1の質量部の回動中心軸と、該他方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとし、前記第2の質量部の回動中心軸と、該第2の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をLとしたとき、LとLとが、L<Lなる関係を満足し、かつ、LとLとが、L<Lなる関係を満足することが好ましい。
これにより、より容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
また、この場合、本発明のアクチュエータでは、前記距離Lと、前記距離Lとがほぼ等しいことが好ましい。
これにより、アクチュエータの制御が容易となり、さらに容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記交流電圧の周波数が、前記第1の質量部と前記第2の質量部とが共振する2自由度振動系の共振周波数のうち低いものとほぼ等しくなるように設定されていることが好ましい。
これにより、低電圧で高速動作が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。また、このような構成とすることにより、第1の質量部の振幅を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の弾性連結部のばね定数をkとし、前記第2の弾性連結部のばね定数をkとしたとき、kとkとが、k>kなる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の質量部の振れ角(振幅)を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の質量部の慣性モーメントをJとし、前記第2の質量部の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとがJ≦Jなる関係を満足することが好ましい。
これにより、第1の質量部の振幅を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記第1の弾性連結部および前記第2の弾性連結部のうちの少なくとも一方は、その内部にピエゾ抵抗素子を備えていることが好ましい。
これにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部の姿勢の制御に利用することができる。
以下、本発明のアクチュエータの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図(一部切欠いて示す。)、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図、図4は、印加する交流電圧の一例を示す図、図5は、印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図3中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1および図2に示すアクチュエータ100は、一対の第1の質量部(駆動部)1、11と、第2の質量部(可動部)2と、一対の支持部3、3とを有している。
このアクチュエータ100は、第2の質量部2が中心に位置し、第2の質量部2を介し、第1の質量部1が一端側(図1および図2中、右側)に設けられ、第1の質量部11が他端側(図1および図2中、左側)に設けられている。
第1の質量部1、11および第2の質量部2は、いずれも、ほぼ平板状をなしている。
また、第1の質量部1の図中右側に一方の支持部3が配置され、第1の質量部11の図中左側に他方の支持部3が配置されている。
また、本実施形態では、第1の質量部1、11は、互いにほぼ同一形状かつほぼ同一寸法で、第2の質量部2を介して、ほぼ対称に設けられている。
第2の質量部2の上面(後述する対向基板6と反対側の面)には、光反射部21が設けられている。
また、アクチュエータ100は、図1に示すように、第1の質量部1、11が対応する支持部3、3に対して回動可能となるように、第1の質量部1、11と支持部3、3とを連結する一対の第1の弾性連結部4、4を有している。また、第2の質量部2が第1の質量部1、11に対して回動可能となるように、第1の質量部1、11と、第2の質量部2とを連結する一対の第2の弾性連結部5、5を有している。
すなわち、第2の質量部2は第2の弾性連結部5、5を介して、第1の質量部1、11にそれぞれ接続され、第1の質量部1、11は、第1の弾性連結部4、4を介して支持部3、3にそれぞれ接続されている。また、第1の弾性連結部4と、第2の弾性連結部5とは同軸的に設けられており、これらが回動中心軸(回転軸)41となる。
これらの第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5は、後述するように、例えば、シリコン等を主材料として、好ましくは一体的に形成されている。
また、図2に示すように、本実施形態のアクチュエータ100は、第1の質量部1、11および第2の質量部2に対向するように設けられた対向基板6を有している。
この対向基板6は、各種ガラスやシリコン等を主材料として構成され、支持部3、3に接合されている。
対向基板6は、図2および図3に示すように、第2の質量部2に対応する位置に開口部61が形成されている。この開口部61は、第2の質量部2が回動(振動)する際に、対向基板6に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)61を設けることにより、アクチュエータ100全体の大型化を防止しつつ、第2の質量部2の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
なお、逃げ部は、前記効果を十分に発揮し得る構成であれば、必ずしも対向基板6の下面(第2の質量部2と反対側の面)で開放(開口)していなくてもよい。すなわち、逃げ部は、対向基板6の上面に形成された凹部で構成することもできる。
また、図2および図3に示すように、対向基板6の上面(第1の質量部1、11側の面)には、第1の質量部1に対応する位置に、一対の電極7が、回動中心軸41を中心にほぼ対称となるように設けられ、また、第1の質量部11に対応する位置に、一対の電極7が、回動中心軸41を中心にほぼ対称となるように設けられている。すなわち、本実施形態では、一対の電極7が2組(合計4個)、設けられている。
第1の質量部1、11と各電極7とは、図示しない電源に接続されており、第1の質量部1、11と各電極7との間に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。
なお、第1の質量部1、11の各電極7と対向する面には、それぞれ、絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、第1の質量部1、11と各電極7との間での短絡が発生するのが好適に防止される。
上述したようなアクチュエータ100は、第1の質量部1、11と第1の弾性連結部4、4とからなる第1の振動系と、第2の質量部2と第2の弾性連結部5、5とからなる第2の振動系とを有する2自由度振動系を構成する。
このようなアクチュエータ100は、次のようにして駆動する。
すなわち、第1の質量部1、11と各電極7との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加すると、具体的には、例えば、第1の質量部1、11をアースしておき、図3中上側の2つの電極7に、図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、下側の2つの電極7に、図4(b)に示すような波形の電圧を印加すると、第1の質量部1、11と各電極7との間に静電気力(クーロン力)が生じる。
この静電気力により、第1の質量部1、11が、各電極7の方へ引きつけられる力が正弦波の位相により変化し、回動中心軸41(第1の弾性連結部4)を軸に振動(回転)する。
そして、この第1の質量部1、11の振動(駆動)に伴って、第2の弾性連結部5を介して連結されている第2の質量部2も、回動中心軸41(第2の弾性連結部5)を軸に振動(回転)する。
ここで、第1の質量部1の回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の端部12との間の距離(長さ)をLとし、第1の質量部11の回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向(長手方向)の端部12との間の距離(長さ)をLとし、第2の質量部2の回動中心軸41に対してほぼ垂直な方向の端部13との間の距離(長さ)をLとしたとき、本実施形態では、第1の質量部1、11が、それぞれ独立して設けられているため、第1の質量部1、11と、第2の質量部2とが干渉せず、第2の質量部2の大きさ(長さL)にかかわらず、LおよびLを小さくすることができる。これにより、第1の質量部1、11の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、第2の質量部2の回転角度を大きくすることができる。
また、LおよびLを小さくすることにより、第1の質量部1、11と各電極7との間の距離を小さくすることができ、これにより、静電気力が大きくなり、第1の質量部1、11と各電極7に印加する交流電圧を小さくすることができる。
ここで、第1の質量部1、11および第2の質量部2の寸法は、それぞれ、L<LかつL<Lなる関係を満足するよう設定されるのが好ましい。
前記関係を満たすことにより、LおよびLをより小さくすることができ、第1の質量部1、11の回転角度をより大きくすることができ、第2の質量部2の回転角度をさらに大きくすることができる。
この場合、第2の質量部2の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
また、このように、LおよびLを小さくすることにより、第1の質量部1、11と各電極7との間の距離をより小さくすることができ、第1の質量部1、11と各電極7に印加する交流電圧をさらに小さくすることができる。
これらによって、第1の質量部1、11の低電圧駆動と、第2の質量部2の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
このため、このようなアクチュエータ100を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合、より容易に装置を小型化することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、LとLとはほぼ等しく設定されているが、LとLとが異なっていてもよいことは言うまでもない。
ところで、このような2自由度振動系のアクチュエータ100では、第1の質量部1、11および第2の質量部2の振幅(振れ角)と、印加する交流電圧の周波数との間に、図5に示すような周波数特性が存在している。
すなわち、第1の質量部1、11と、第2の質量部2の振幅とが大きくなる2つの共振周波数fm[kHz]、fm[kHz](ただし、fm<fm)と、第1の質量部1、11の振幅がほぼ0となる、1つの反共振周波数fm[kHz]とを有している。
このアクチュエータ100では、第1の質量部1、11と電極7との間に印加する交流電圧の周波数Fが、2つの共振周波数のうち低いもの、すなわち、fmとほぼ等しくなるように設定するのが好ましい。これにより、第1の質量部1、11の振幅を抑制しつつ、第2の質量部2の振れ角(回転角度)を大きくすることができる。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm−1)≦F≦(fm+1)の条件を満足することを意味する。
第1の質量部1、11の平均厚さは、それぞれ、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第2の質量部2の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性連結部4のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
一方、第2の弾性連結部5のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第1の質量部1、11の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部2の振れ角をより大きくすることができる。
また、第1の弾性連結部4のばね定数kと第2の弾性連結部5のばね定数kとは、k>kなる関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部1、11の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、第1の質量部1の慣性モーメントをJとし、前記第2の質量部2の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとは、J≦Jなる関係を満足することが好ましく、J<Jなる関係を満足することがより好ましい。これにより、第1の質量部1、11の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
ところで、第1の質量部1、11と第1の弾性連結部4、4とからなる第1の振動系の固有振動数ωは、第1の質量部1、11の慣性モーメントをJと、第1の弾性連結部4のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。一方、第2の質量部2と第2の弾性連結部5、5とからなる第2の振動系の固有振動数ωは、第2の質量部2の慣性モーメントをJと、第2の弾性連結部5のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ωと第2の振動系の固有振動数ωとは、ω>ωの関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部1、11の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部2の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
なお、本実施形態のアクチュエータ100は、一対の第1の弾性連結部4および一対の第2の弾性連結部5のうち少なくとも1つが、その内部にピエゾ抵抗素子を備えたものであるのが好ましい。これにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部2の姿勢の制御に利用することができる。
さて、本発明では、第1の質量部および第2の質量部の少なくとも一方に、その構成材料の一部が除去されることにより凹部(材料除去部)が形成されていることに特徴を有する。
本実施形態では、図2に示すように、第1の質量部1、11および第2の質量部2の双方に、それぞれ、凹部(有底穴)1a、11a、2aが形成されている。
第1の質量部1(11)には、その上面(電極7と反対側の面)から、下方に向かって凹没する凹部1a(11a)が4つ形成されている。
すなわち、各凹部1a(11a)は、いずれも第1の質量部1(11)の上面で開口(開放)している。これにより、第1の質量部1(11)の下面(電極7側の面)は、平坦面を構成している。
また、各凹部1a(11a)は、図1に示すように、ほぼ直方体状に形成されている。換言すれば、各凹部1a(11a)は、第1の質量部1の外周を囲むように形成された枠部1b(11b)と、互いに交差するよう(十字状)に形成された隔壁部1c(11c)とにより区画されている。
このような構成により、次のような効果が得られる。
すなわち、I:第1の質量部1、11の質量(重量)を低減することができるため、高速(高周波数)での駆動が可能となる。この第1の質量部1、11の高速での駆動により、第2の質量部2も高速で駆動(振動)させることができるようになる。
II:隔壁部1c、11cが十字状に形成されていることにより、第1の質量部1、11の強度を十分に確保することができ、これらが高速で駆動した場合でも、破損することを確実に防止することができる。
III:第1の質量部1、11の下面が平坦面を構成することにより、第1の質量部1、11と各電極7との間に確実に静電気力を生じさせ、第1の質量部1、11を確実に駆動させることができる。
一方、第2の質量部2には、その下面(電極7側の面)から、上方に向かって(第1の質量部1、11の凹部1a、11aとほぼ反対方向に)凹没する凹部2aが4つ形成されている。
すなわち、各凹部2aは、いずれも第2の質量部2の下面で開口(開放)している。これにより、第2の質量部2の上面(電極7と反対側の面)は、平坦面を構成している。
そして、この第2の質量部2の上面(平坦面)に、光反射部21が設けられている。平坦面に光反射部21を設ける構成とすることにより、光反射部21の形成が容易となる。
また、各凹部2aは、図1に示すように、ほぼ直方体状に形成されている。換言すれば、各凹部2aは、第2の質量部2の外周を囲むように形成された枠部2bと、互いに交差するよう(十字状)に形成された隔壁部2cとにより区画されている。
このような構成により、次のような効果が得られる。
すなわち、A:第2の質量部2の質量(重量)を低減することができるため、高速(高周波数)での駆動が可能となる。また、質量が軽減されることにより、凹部を形成しないものに対して大型化(大面積化)を図ることができるという利点もある。
B:隔壁部2cが十字状に形成されていることにより、第2の質量部2の強度を十分に確保することができ、これが高速で駆動した場合でも、破損のみならず、撓み(反り)も確実に防止することができる。
特に、本実施形態では、第1の質量部1、11および第2の質量部2の双方に凹部1a、11a、2aが形成されていることにより、第2の質量部2を極めて高速(高周波数)で駆動させることができる。
また、第2の質量部2の撓みが防止されるとともに、第2の質量部2の大面積化を図ることができるため、このようなアクチュエータ100を、例えば、光スキャナに適用した場合には、より解像度の高いスキャンニングを行うことが可能となる。
なお、凹部1a、11a、2aを形成するために、第1の質量部1、11および第2の質量部2の構成材料を除去する量は、目的とする第2の質量部2の駆動周波数に応じて適宜設定される。
このようなアクチュエータ100は、例えば、次のようにして製造することができる。
図6〜図8は、それぞれ、第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図6〜図8中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
[A1] まず、図6(a)に示すように、シリコン基板30を用意する。
そして、図6(b)に示すように、シリコン基板30の一方の面に、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5の形状に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク31を形成する。
次に、シリコン基板30の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、図6(c)に示すように、支持部3、3の形状に対応するように、レジストマスク32を形成する。
そして、このレジストマスク32を介して、シリコン基板30の他方の面側をエッチングした後、レジストマスク32を除去する。これにより、図6(d)に示すように、支持部3、3に対応する部分以外の領域に凹部300が形成される。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、以下の各工程のエッチングにおいて、同様の方法を用いることができる。
次に、再度、シリコン基板30の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、図7(e)に示すように、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5を下面側から見た形状に対応するように、レジストマスク33を形成する。
そして、このレジストマスク33を介して、シリコン基板30の他方の面側をエッチングした後、レジストマスク33を除去する。これにより、図7(f)に示すように、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5に対応する部分以外の領域に凹部が形成される。
次に、金属マスク31を介して、シリコン基板30の一方の面側を、前記凹部300に貫通するまでエッチングする。
ここで、シリコン基板30をエッチングを行った後、金属マスク31は除去してもよく、除去せずに残存させてもよい。金属マスク31を除去しない場合、第2の質量部2上に残存した金属マスク31は光反射部21として用いることができる。
金属マスク31を除去した場合、この後、第2の質量部2上に金属膜を成膜し、光反射部21を形成する。
金属膜の成膜方法としては、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、金属箔の接合等が挙げられる。
なお、以下の各工程の金属膜の成膜において、同様の方法を用いることができる。
以上の工程により、図7(g)に示すように、第1の質量部1、11、第2の質量部2、支持部3、3、第1の弾性連結部4、4および第2の弾性連結部5、5が一体的に形成された構造体が得られる。
[A2] 次に、図8(h)に示すように、対向基板6を形成するためのシリコン基板60を用意する。
そして、シリコン基板60の一方の面に、開口部61を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスクを形成する。
次に、この金属マスクを介して、シリコン基板60の一方の面側をエッチングした後、金属マスクを除去する。これにより、図8(i)に示すように、開口部61が形成された対向基板6が得られる。
次に、対向基板6上に、図8(j)に示すように、電極7を形成する。
電極7は、対向基板6の開口部61が形成された面に金属膜を成膜し、電極7の形状に対応するマスクを介して金属膜をエッチングを行った後、マスクを除去することにより形成することができる。
なお、電極7は、開口部61を形成するのに先立って、形成するようにしてもよい。
[A3] 次に、図8(k)に示すように、前記工程[A1]で得られた構造体の支持部3、3と、前記工程[A2]で得られた対向基板6とを、例えば、直接接合、Naイオンを含有するガラス材料を介した陽極接合等により接合して接合体を得る。
なお、対向基板6を形成するための基板としてガラス基板を用いる場合には、開口部61の形成には、前述したようなエッチング法の他、例えば、ショットブラスト、サンドブラスト、レーザー加工等の方法を用いることができる。
また、この場合、前記構造体との接合には、例えば陽極接合等を用いることができる。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ100が製造される。
<第2実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図9は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す平面図、図10は、図9中のB−B線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図9中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図10中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第2実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のアクチュエータ100は、下面側からの光を利用するよう構成され、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ100と同様である。
すなわち、図9および図10に示すように、第2実施形態の第2の質量部2では、その上面(電極7と反対側の面)から、下方に向かって(第1の質量部1、11の凹部1a、11aとほぼ同一方向に)凹没する凹部2aが4つ形成されている。
すなわち、第2実施形態では、各凹部2aは、いずれも第2の質量部2の上面で開口している。これにより、第2の質量部2の下面(電極7側の面)は、平坦面を構成している。
そして、この第2の質量部2の下面(平坦面)に、光反射部21が設けられており、アクチュエータ100の下面側からの光が利用できるようになっている。
このような第2実施形態のアクチュエータ100によっても、前記第1実施形態のアクチュエータ100と同様の作用・効果が得られる。
特に、本実施形態では、凹部1a、11a、2aが同じ側で開口する構成であることから、それらの形成をより容易におこなうことができ、アクチュエータ100の製造時間の短縮および製造コストの低減を図ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図11は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図11中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態のアクチュエータ100は、第1の質量部1、11と、第2の質量部2と、支持部3、3との連結構造が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ100と同様である。
すなわち、図11に示すように、第1の質量部1、11が支持部3、3に二対の第1の弾性連結部4’を介して連結され、また、第2の質量部2が第1の質量部1、11に二対の第2の弾性連結部5’を介して連結されている。
このような第3実施形態のアクチュエータ100によっても、前記第1実施形態のアクチュエータ100と同様の作用・効果が得られる。
特に、本実施形態においては、第1の質量部1、11および第2の質量部2を、それぞれ、二対の弾性連結部を介して連結することにより、より確実に第2の質量部2の振幅(回転)を制御することができる。
なお、本実施形態のように、二対の第1の弾性連結部4’と二対の第2の弾性連結部5’とを有する場合、前記実施形態で説明したばね定数k、kは、ほぼ同じ位置で連結している2つの弾性連結部を一体的なものとみなして求められるものである。
<第4実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図12は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図12中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第4実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態のアクチュエータ100は、電磁力(ローレンツ力)により駆動するように構成され、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ100と同様である。
第4実施形態の第1の質量部1、11では、その下面(電極7側の面)から、上方に向かって(第2の質量部2の凹部2aとほぼ同一方向に)凹没する凹部1a、11aがそれぞれ4つずつ形成されている。
すなわち、第4実施形態では、各凹部1a、11aは、いずれも第1の質量部1、11の下面で開口している。これにより、第1の質量部1、11の上面(電極7と反対側の面)は、平坦面を構成している。
そして、この第1の質量部1、11の上面(平坦面)に、それぞれ、コイル20が設けられている。各コイル20は、それぞれ、支持部3、3の上面にそれぞれ絶縁膜(図示せず)を介して設けられた4つの端子10に電気的に接続されている。
端子10は、図示せぬ電源に接続されており、コイル20に交流電圧を印加できるようになっている。
また、対向基板6の上面には、第1の質量部1、11を介して弾性連結部(回動中心軸41)を中心に、一対の永久磁石70が対向(ほぼ対称に)配置されている。そして、これらの永久磁石70は、コイル20に効果的に相互作用を及ぼす向きに配置されている。
このアクチュエータ100では、コイル20に交流電圧を印加すると、コイル20(第1の質量部1、11)と永久磁石70との間で電磁力が生じ、その電磁力によって、第1の質量部1、11が回動(駆動)し、この第1の質量部1、11の駆動に伴って、第2の質量部2が回動(駆動)する。
このような第4実施形態のアクチュエータ100によっても、前記第1実施形態のアクチュエータ100と同様の作用・効果が得られる。
<第5実施形態>
次に、本発明のアクチュエータの第5実施形態について説明する。
図13は、本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図13中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態のアクチュエータについて、前記第1および第4実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態のアクチュエータ100は、ピエゾアクチュエータにより駆動するように構成され、それ以外は、前記第4実施形態のアクチュエータ100と同様である。
すなわち、図13に示すアクチュエータ100は、第1の質量部1、11の上面(平坦面)の端部に、それぞれ、1つのピエゾアクチュエータ(圧電素子を備えたアクチュエータ)700が設けられている。
このアクチュエータ100では、ピエゾアクチュエータ700の駆動により、第1の質量部1、11にひずみ(伸縮)が生じ、そのひずみによって、第2の質量部2を回動(駆動)する。
このような第5実施形態のアクチュエータ100によっても、前記第1および第4実施形態のアクチュエータ100と同様の作用・効果が得られる。
特に、本実施形態においては、ピエゾアクチュエータ700を第1の質量部1、11に設けたことにより、電極7が不要になり、生産コストを下げることができる。また、電極7が不要になることにより、開口部61の寸法を、第1の質量部1、11に対応する位置にまで大きくすることができる。これにより、第1の質量部1、11の回転角度をより大きくすることができる。
また、本実施形態では、第1の質量部1、11に、1つの(1層の)ピエゾアクチュエータ700を設けたが、これに限らず、例えば、バイモルフ型ピエゾアクチュエータ(2層構造のピエゾアクチュエータのうち、一方のピエゾアクチュエータを圧縮方向に振動させ、他方のピエゾアクチュエータを伸長方向に振動させる撓み振動を生じさせるアクチュエータ)等の2つ(2層)以上のピエゾアクチュエータを設けてもよい。
なお、本実施形態では、ピエゾアクチュエータ700を第1の質量部1、11の上面の端部にそれぞれ設けたが、これに限らず、例えば、第1の質量部1、11の上面の全面に設けてもよいし、第1の質量部1、11の構成を前記第1実施形態と同様の構成とし、その下面の端部または全面に設けてもよい。
以上説明したようなアクチュエータ100は、例えば、レーザープリンタ、バーコードリーダー、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の光スキャナ、イメージング用ディスプレイ等に好適に適用することができる。
以上、本発明のアクチュエータについて、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明のアクチュエータは、前記第1〜第5実施形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
また、本発明のアクチュエータでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、第1の弾性連結部を一対または二対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、三対以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、第2の弾性連結部を一対または二対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、三対以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、光反射部21が第2の質量部2の一方の面に設けられている構成について説明したが、例えば、両方の面に設けられている構成であってもよい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、対向基板6上に電極7が設けられている構成について説明したが、対向基板6と第1の質量部1、11の両方に設けられていてもよい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、第1の質量部1、11に対応する位置に、それぞれ一対の電極7を設けたが、これに限らず、それぞれ、電極7を1つ、もしくは3つ以上設けてもよい。
なお、第1の質量部1、11に対応する位置に、それぞれ1つの電極7を設けた場合は、例えば、オフセット電圧を加えた、最小電位がグランド電位である正弦波(交流電圧)等を印加するのが好ましい。
また、前述した実施形態では、第1の弾性連結部および第2の弾性連結部の形状として図示の構成のものについて説明したが、これに限定されず、例えば、その形状が、クランク形状等であってもよいし、分岐した構造を有するものであってもよい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、第1の質量部1、11の電極7と対向する面に、短絡防止用の絶縁膜が設けられている構成について説明したが、例えば、このような絶縁膜は、電極7の表面に設けられていてもよいし、両方に設けられていてもよい。
また、前述した第4実施形態では、コイル20が第1の質量部1、11の上面(対向基板6と反対側の面)に設けられている構成について説明したが、例えば、第1の質量部1、11の構成を前記第1実施形態と同様の構成とし、その下面(対向基板6側の面)に設けてもよいし、第1の質量部1、11の内部に設けるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、第1の質量部が一対で設けられる構成のものであったが、第1の質量部は、第2の質量部を囲むように設けられる構成のものであってもよい。
本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図である。 印加する交流電圧の一例を示す図である。 印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフである。 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である 第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図である 本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す平面図である。 図9中B−B線断面図である。 本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。 本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す平面図である。 本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す平面図である。 従来のアクチュエータを説明するための図である。
符号の説明
100……アクチュエータ 1、11……第1の質量部 1a、11a、2a……凹部 1b、11b、2b……枠部 1c、11c、2c……隔壁部 2……第2の質量部 12、13……端部 21……光反射部 3……支持部 4、4’……第1の弾性連結部 5、5’……第2の弾性連結部 6……対向基板 60……シリコン基板 61……開口部 7……電極 70……永久磁石 700……ピエゾアクチュエータ 10……端子 20……コイル 30……シリコン基板 300……凹部 31……金属マスク 32、33……レジストマスク 41……回動中心軸 L、L、L……距離 1200……スペーサ 1300……可動電極板 1300a……両端固定部 1300b……トーションバー 1300c……可動電極部 1400……固定電極 1500……電源 1600……スイッチ 1000……ガラス基板

Claims (11)

  1. 第1の質量部と、第2の質量部と、支持部と、前記第1の質量部と前記支持部とを、前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを有し、
    交流電圧を印加することによって、前記第1の質量部が駆動し、それに伴い前記第2の質量部が回動する2自由度振動系のアクチュエータであって、
    前記第1の質量部と前記第2の質量部との少なくとも一方には、その構成材料の一部を除去することにより材料除去部が形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記第1の質量部および前記第2の質量部の双方に、前記材料除去部が形成されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記第1の質量部に形成された前記材料除去部と、前記第2の質量部に形成された前記材料除去部とは、それぞれ有底穴で構成され、それらの開口方向がほぼ反対方向である請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記第1の質量部に形成された前記材料除去部と、前記第2の質量部に形成された前記材料除去部とは、それぞれ有底穴で構成され、それらの開口方向がほぼ同一方向である請求項2に記載のアクチュエータ。
  5. 前記第1の質量部を一対備え、
    前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。
  6. 前記第1の質量部および前記第2の質量部に対向するように設けられた対向基板を備え、
    該対向基板の前記第2の質量部に対応する位置には、前記第2の質量部が回動したとき、該第2の質量部が前記対向基板に接触するのを防止するための逃げ部が形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のアクチュエータ。
  7. 前記逃げ部は、前記対向基板の前記第2の質量部と反対側の面で開放している請求項6に記載のアクチュエータ。
  8. 前記対向基板は、その前記第1の質量部側の面の、前記第1の質量部に対応する位置に設けられた少なくとも一対の電極を備え、
    前記一対の電極と前記第1の質量部との間に生じる静電気力によって、前記第1の質量部が駆動するものである請求項6または7に記載のアクチュエータ。
  9. 前記第1の質量部に、前記材料除去部として有底穴が形成され、
    該有底穴は、前記第1の質量部の前記電極と反対側に開口している請求項8に記載のアクチュエータ。
  10. 前記第2の質量部は、光反射部を有する請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ。
  11. 前記第2の質量部に、前記材料除去部として有底穴が形成され、
    前記第2の質量部は、前記有底穴が開口するのと反対側に、前記光反射部を有する請求項10に記載のアクチュエータ。
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