JP4403785B2 - アクチュエータの製造方法およびアクチュエータ - Google Patents
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Description
しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、危機の小型化の面で不利であるという問題がある。このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
また、図17に示すような、平行平板状に電極を配置した1自由度のねじり振動子は、その構造が簡単なことから、アクチュエータの研究初期から提案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、前記ねじり振動子をカンチレバー方式とした1自由度静電駆動型振動子も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、側部に電極を作るためには、導電層を数μmの厚さに堆積させなければならず、現在の半導体プロセスでは、製造し難く、また、時間がかかってしまうという問題があった。
本発明のアクチュエータの製造方法は、導電性を備えた第1の基板と、前記第1の基板に対向する第2の基板とを有し、
前記第1の基板は、第2の質量部と、前記第2の質量部を介して対向配置された一対の第1の質量部と、前記第2の質量部および各前記第1の質量部を支持する支持部と、各前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように、各前記第1の質量部と前記支持部とを連結する一対の第1の弾性連結部と、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように、前記第2の質量部と各前記第1の質量部とを連結する一対の第2の弾性連結部と、4つの基部とを有し、
前記4つの基部のうちの2つの前記基部は、前記一対の第1の質量部の一方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられており、残りの2つの前記基部は、他方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられ、
各前記基部の前記第1の質量部側には、サイド電極が形成され、
前記第2の基板は、4つの電極を有し、前記4つの電極のうちの2つの前記電極は、前記一方の第1の質量部に対応する位置に、前記第2の質量部の回動中心軸を中心に対称となるように設けられ、残りの2つの前記電極は、前記他方の第1の質量部に対応する位置に、前記回動中心軸を中心に対称となるように設けられており、
所定の前記サイド電極および各前記電極と、前記第1の質量部との間に電圧を印加することにより、各前記第1の質量部を回動させつつ、前記第2の質量部を回動させるよう構成されたアクチュエータの製造方法であって、
各前記基部の前記第1の質量部側と前記第2の基板との間に空隙を形成し、各前記基部と前記第2の基板との間に電圧を印加し、当該電圧印加により発生するクーロン力により、各前記基部の第1の質量部側の部位を前記電極に引き付けて、これらをスティッキングを生じさせることにより接合することにより、前記サイド電極を形成し、
前記第2の質量部を回動させるための前記電圧を印加していない状態において、前記第2の基板と前記第1の質量部との互いに対向する面の間の距離をh、前記第1の質量部と前記サイド電極との互いに対向する面の間の距離をdとしたとき、hとdとが、h>dの関係を満足し、
前記サイド電極の厚み方向の長さをh1、前記第1の質量部の厚み方向の長さをh2、前記サイド電極の厚み方向の長さの中点と、前記第1の質量部の厚み方向の長さの中点との厚み方向の距離をLとしたとき、h1とh2とLとが、0≦L≦(h1+h2)/2の関係を満足することを特徴とする。
これにより、質量部の側部に壁状の電極を簡易に製造することができる。
これにより、容易かつ確実に空隙を形成することができる。
本発明のアクチュエータの製造方法では、前記基材は、主としてSiで構成された第1の層上に、主としてSiO2で構成された第2の層と、主としてSiで構成された第3の層とがこの順で積層されてなるSOI基板であることが好ましい。
これにより、製造工程を簡易なものとすることができる。
これにより、製造工程を簡易なものとすることができる。
本発明のアクチュエータの製造方法では、基材にエッチングを施すことにより凹部を形成し、該凹部を用いて前記空隙を形成することが好ましい。
これにより、容易かつ確実に空隙を形成することができる。
これにより、精度の高い基板を製造することができる。
本発明のアクチュエータの製造方法では、前記ガラスは、アルカリ金属を含有したガラスであることが好ましい。
これにより、製造をさらに容易に行うことができるとともに、第1の基板と第2の基板とを強固に、かつ高い密着性をもって接合することができる。
これにより、容易に第2の基板を製造することができる。
これにより、質量部が振れる際に、質量部と第2の基板とが接触するのを防止することができ、質量部の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータの製造方法では、前記電圧を印加する電圧入力用端子が前記第1の基板の前記第2の基板と対向する面の反対側に設けられていることが好ましい。
これにより、極性の異なる電圧入力用端子を容易に同一面側に設けることができる。
これにより、例えば、光スキャナとして用いた場合、光の光路を容易に変更することができる。
本発明のアクチュエータの製造方法では、各前記第1の質量部と、前記電極および前記サイド電極との間に生じるクーロン力によって、各前記第1の質量部および前記第2の質量部が駆動するものであることが好ましい。
これにより、質量部の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
これにより、駆動力の高いアクチュエータが得られる。
本発明のアクチュエータは、導電性を備えた第1の基板と、前記第1の基板に対向する第2の基板とを有し、
前記第1の基板は、第2の質量部と、前記第2の質量部を介して対向配置された一対の第1の質量部と、前記第2の質量部および各前記第1の質量部を支持する支持部と、各前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように、各前記第1の質量部と前記支持部とを連結する一対の第1の弾性連結部と、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように、前記第2の質量部と各前記第1の質量部とを連結する一対の第2の弾性連結部と、4つの基部とを有し、
前記4つの基部のうちの2つの前記基部は、前記一対の第1の質量部の一方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられており、残りの2つの前記基部は、他方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられ、
各前記基部の前記第1の質量部側には、サイド電極が形成され、
前記第2の基板は、4つの電極を有し、前記4つの電極のうちの2つの前記電極は、前記一方の第1の質量部に対応する位置に、前記第2の質量部の回動中心軸を中心に対称となるように設けられ、残りの2つの前記電極は、前記他方の第1の質量部に対応する位置に、前記回動中心軸を中心に対称となるように設けられており、
所定の前記サイド電極および各前記電極と、前記第1の質量部との間に電圧を印加することにより、各前記第1の質量部を回動させつつ、前記第2の質量部を回動させるよう構成されたアクチュエータであって、
各前記基部の前記サイド電極は、各前記基部の前記第1の質量部側と前記第2の基板との間に空隙を形成し、各前記基部と前記第2の基板との間に電圧を印加し、当該電圧印加により発生するクーロン力により、各前記基部の第1の質量部側の部位を前記電極に引き付けて、これらをスティッキングを生じさせることにより接合することにより形成されたものであり、
前記第2の質量部を回動させるための前記電圧を印加していない状態において、前記第2の基板と前記第1の質量部との互いに対向する面の間の距離をh、前記第1の質量部と前記サイド電極との互いに対向する面の間の距離をdとしたとき、hとdとが、h>dの関係を満足し、
前記サイド電極の厚み方向の長さをh1、前記第1の質量部の厚み方向の長さをh2、前記サイド電極の厚み方向の長さの中点と、前記第1の質量部の厚み方向の長さの中点との厚み方向の距離をLとしたとき、h1とh2とLとが、0≦L≦(h1+h2)/2の関係を満足することを特徴とする。
これにより、駆動力の高いアクチュエータが得られる。
図1(a)は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図、図2は、図1(a)のB−B線での断面図、図3は、第1実施形態のベース基板および電極を示す部分平面図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」と言う。
第1の基板10は、1対の第1の質量部(駆動部)1、11と、第2の質量部(可動部)2と、1対の支持部3、3と、1対の第1の質量部1、11に対応して設けられた4つの基部73、74、75、76とを有している。1対の第1の質量部1、11、第2の質量部2、1対の支持部3、3および4つの基部73、74、75、76は、それぞれ、例えば、シリコン等で構成されている。
また、本実施形態では、第1の質量部1および11は、略同一形状かつ略同一寸法で、第2の質量部2を介して、略対称に設けられている。
また、図1(a)に示すように、第1の質量部1、11が対応する支持部3、3に対して回動可能となるように、第1の質量部1、11と支持部3、3とを連結する1対の第1の弾性連結部4、4を有している。また、第2の質量部2が、第1の質量部1、11に対して回動可能となるように、第1の質量部1、11と、第2の質量部2とを連結する1対の第2の弾性連結部5、5を有している。すなわち、第2の質量部2は第2の弾性連結部5、5を介して、第1の質量部1、11にそれぞれ接続され、第1の質量部1、11は、第1の弾性連結部4、4を介して支持部3、3にそれぞれ接続されている。また、第1の弾性連結部4と、第2の弾性連結部5とは同軸的に設けられており、これらが回動中心軸(回転軸)41となる。
また、図2および図3に示すように、ベース基板9上の第1の質量部1に対応する部位が、1対の第2の電極7を、回動中心軸41を中心に略対称となるように構成し、また、第1の質量部11に対応する部位が、1対の第2の電極7を、回動中心軸41を中心に略対称となるように構成している。すなわち合計で2対の電極7を構成している。
また、図1(b)に示すように、基部73には、サイド電極(電極壁)71と、電圧入力用端子721とが設けられている。すなわち、基部73の図1(b)中左側にサイド電極71が形成され、基部73の上側に電圧入力用端子721が形成されている。また、サイド電極71は、第1の質量部1の側方に位置している。
このサイド電極71は、第2の電極7と、互いに導通している。これにより、電圧入力端子721からサイド電極71および第2の電極7へ、電圧が印加される。
残りの各基部74、75、76についても同様である。
各第2の電極7と、各サイド電極71とは、各電圧入力端子721を介して図示しない電源に接続され、第1の質量部1および11とは、各電圧入力端子722を介して図示しない電源に接続されており、第1の質量部1および11と、各第2の電極7および各サイド電極71との間に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。なお、第1の質量部1および11の各第2の電極7と対向する面の表面には、絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、短絡を防止することができる。
本実施形態では、各第2の電極7と、サイド電極71とが後述するスティッキング(貼り付き)により接合されているため、電圧入力用端子721と722とを同一面上に容易に設けることができる。これにより、電圧入力用端子721および722の実装面積を大きくすることができ、製造コストを低くすることができる。
具体的には、図4に示すように、ベース基板9と、第1の質量部1および11との互いに対向する面の間の距離をh、第1の質量部1および11と、サイド電極71との互いに対向する面の間の距離をdとしたとき、hとdとが、h>dの関係を満足することが好ましい。これにより、第1の質量部1および11を、より大きな力で駆動することができる。
なお、h1とh2の長さは等しくてもよいし、異なっていてもよい。
前述したような構成の2自由度振動型アクチュエータにおいては、第1の質量部1と第1の弾性連結部4とからなる第1の振動系と、第2の質量部2と第2の弾性連結部5とからなる第2の振動系とを構成する。
所定のサイド電極71および各第2の電極7と、第1質量部1および11との間に例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。より詳細には、例えば、第1の質量部1および11をアースしておき、図1(a)中上側の各サイド電極71および各第2の電極7に図15(a)に示すような波形の電圧を印加し、下側の各サイド電極71に図15(b)に示すような波形の電圧を印加すると、第1の質量部1および11と、サイド電極71、71との間にクーロン力が生じる。なお、この際に印加する電圧は10V以下が好ましい。前記クーロン力により、第1の質量部1および11が、サイド電極71、71へ引きつけられる力が正弦波の位相により変化し、図6に示すように、回動中心軸41(第1の弾性連結部4)を軸に、合成されたベクトルの矢印の方向に振動する。この第1の質量部1および11の振動に伴って、第2の弾性連結部5を介して連結されている第2の質量部2は、回動中心軸41(第2の弾性連結部5)を軸に振動(回転)する。
この場合、第2の質量部2の最大回転角度が、0.1°以上となるように構成されるのが好ましい。
これらによって、第1の質量部1および11の低電圧駆動と、第2の質量部2の大回転角度とを実現することができ、例えば、レーザープリンタ、走査型ディスプレイ、走査型顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナ等に適用した場合、より容易に装置を小型化することができる。
なお、本実施形態のアクチュエータ100は、1対の第1の弾性連結部4および1対の第2の弾性連結部5のうち少なくとも1つが、その内部にピエゾ抵抗素子を備えたものであるのが好ましい。これにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部2の姿勢の制御に利用することができる。
図7、図8および図9は、アクチュエータの製造方法の一例を示す工程図である。
なお、図7は図1におけるB−B線に対応する断面図、図8、図9は、図1におけるA−A線に対応する断面図である。
本実施形態では、一例として、第1の工程と第2の工程とにより、アクチュエータ100を製造する場合について説明する。
<1> まず、ウエハー(基材)50を用意する。このウエハー50は、表面が鏡面にできる特性を有することが好ましい。
かかる観点から、ウエハー50としては、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板、SOS(Silicon on Sapphire)基板、シリコン基板等を用いることができる。本製造工程においては、ウエハー50として、SOI基板を使用する。
このウエハー50を構成する各層のうち、第1のSi層40は、第1の基板10に、SiO2層45は、絶縁部8に、第2のSi層46は、ベース基板9に加工される部分である。
このウエハー50の厚さは、特に限定されないが、特に第2のSi層46は、1〜100μm程度が好ましい。
マスク層6としては、例えば、Au/Cr、Au/Ti、Pt/Cr、Pt/Ti、Al等の金属材料で構成されるマスク(メタルマスク)や、レジスト材料で構成されるマスク(レジストマスク)が挙げられる。
マスク層6は、例えば、化学気相成膜法(CVD法)、スパッタリング法、蒸着法等の気相成膜法、メッキ法等により形成することができる。
この開口611は、例えばフォトリソグラフィー法により形成することができる。具体的には、まず、マスク層6上に、開口611に対応したパターンを有するレジスト層(図示せず)を形成する。次に、かかるレジスト層をマスクとして、マスク層6の一部を除去する。次に、前記レジスト層を除去する。これにより、開口611が形成される。なお、マスク層6の一部除去は、例えば、CFガス、塩素系ガス等によるドライエッチングや、フッ酸+硝酸水溶液、KOH、リン酸溶液等のアルカリ水溶液の剥離液への浸漬(ウェットエッチング)などにより行うことができる。
次に、マスク層6を除去する。このマスク層6の除去方法としては、前述した方法により行うことができる。
以上により、第2のSi層46に凹部211や、図8(c)に示すように、凹部212等の所定のパターンが、所定の位置に形成されたベース基板9が得られる。
<4> 次に、図8(c)に示すように、ウエハー50の上面にマスク層60を形成し、マスク層60に開口612を形成する。開口612は、例えば、第1の質量部1および11、第2の質量部2、各支持部3、基部73、74、75、76に対応する位置を除く部分に形成する。
これらマスク層60、開口612は、例えば、工程<2>と同様にして形成することができる。
なお、この際リリースホールを設けてエッチングを行ってもよい。これにより、SiO2層をより短時間で除去することができる。
これらの各電圧入力用端子721、722は、例えば、蒸着、スパッタリング等の気相成膜法などにより設けることができる。
本製造方法においては、サイド電極71を第2のSi層46により製造することで、堆積させて作りこむ方法等と比較して、製造コストを安くすることができ、製造工程を簡易なものとすることができる。
また、クーロン力により各基部とベース基板9とを引き付けて、ショートさせることによって、各基部とベース基板9とを接合するため、各電圧入力用端子721を各電圧入力用端子722と同一面上に容易に形成することができる。
なお、第2の工程は、第1の工程と同時に行ってもよいし、第1の工程よりも先に行ってもよい。
図10は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す平面図、図16は、第2実施形態の第1の質量部の振動(動作)を説明するための図(側面図)である。以下、図10、図16に示すアクチュエータ100について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
サイド電極71と、可動電極51とで、駆動手段の主要部が構成される。
サイド電極71と可動電極51とは、電圧印加時に電極指711と電極指511とが交互に位置するように、すなわち、互いに噛み合うようにして配置されている。
本実施形態のアクチュエータ100では、これらの電極指511および711の幅、間隔、厚さ等を調整することにより、特性を所望のものに設定することができる。
このような構成とすることにより、第1の質量部1および11の駆動力をより大きくすることができる。
図11は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す縦断面図である。
以下、第3実施形態のアクチュエータ100について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態のアクチュエータ100は、ガラス基板等の絶縁性を有する基板(基材)上に電極70(第2の電極)を設けてベース基板90(第2の基板)を構成する。また、ベース基板90の一部が第1実施形態の絶縁層を構成している。
本実施形態では、一例として、第1の工程と第2の工程とにより、アクチュエータ100を製造する場合について説明する。
以下、製造方法について説明するが、前述した第1実施形態の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。以下製造方法を示す。
<1> まず、透明基板(光透過性を有する基板)47を用意する。透明基板47には、厚さが均一で、たわみや傷のないものが好適に用いられる。透明基板47の材料としては、例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス、無アルカリガラス等の各種ガラス等が挙げられるが、例えば、ナトリウム(Na)のようなアルカリ金属を含有したガラスが好ましい。
このような観点からは、ソーダガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス等を用いることができ、例えば、コーニング社製のパイレックスガラス(登録商標)等が好適に用いられる。
このような透明基板47の厚さ(平均)は、それぞれ、構成材料、用途等により適宜選択され、特に限定されないが、10〜1000μm程度が好ましい。
開口613は、例えば、第1の凹部213を形成する位置に設ける。また、開口613の形状(平面形状)は、形成する第1の凹部213の形状(平面形状)に対応させる。
<4> 次に、図12(b)に示すように、透明基板47上に第1の凹部213を形成する。特に、ウェットエッチング法によると、より理想的な円柱状に近い第1の凹部213を形成することができる。なお、ウェットエッチングを行う際のエッチング液としては、例えばフッ酸系エッチング液などが好適に用いられる。このとき、エッチング液にグリセリン等のアルコール(特に多価アルコール)を添加すると、第1の凹部213の表面が極めて滑らかなものとなる。
次に、同様の方法を用いて開口部22等を形成する。
特に、透明基板47を除去液に浸漬することによりマスク層64を除去すると、簡易な操作で、効率よく、マスク層64を除去できる。
<6> 次に、図12(d)に示すように、電極(第2の電極)70を形成する。
以上により、透明基板47に開口部22、61等の所定のパターンが、所定の位置に形成されたベース基板90が得られる。
<7> 次に、図13(e)に示すように、ウエハー50を用意し、ウエハー50の第1のSi層(活性層)40と、ベース基板90の凹部213が形成された面とが対向するように接合する。
この接合は、例えば陽極接合により行うことができる。
本製造工程では、接合の方法として陽極接合を用いたが、これに限らず、例えば、加熱加圧接続、接着剤、低融点ガラスにより、接合しても良い。
次に、第1のSi層40上に、マスク層65を形成した後に、マスク層65の一部を除去し、開口612を設ける。開口612は、例えば、第1の質量部1および11、第2の質量部2、各支持部3、基部73、74、75、76に対応する位置を除く部分に形成する。
なお、本工程において、ドライエッチング法以外の方法を用いてもよい。
<10> 次に、図14(h)に示すように、マスク層65を除去し、各電圧入力用端子721および722(図示せず)を形成する。
<11> 次に、図14(i)に示すように、サイド電極71を形成する。以上により第1の基板10が得られる。
そして、このアクチュエータ100では、ガラス基板が絶縁性を有しているので、絶縁層を設ける必要がなく、また、精度の高いベース基板90を製造することができる。
以上説明したようなアクチュエータは、例えば、レーザープリンタ、バーコードリーダー、走査型顕微鏡等の光スキャナ、イメージング用ディスプレイ等に好適に適用することができる。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、2自由度の振動系のアクチュエータについて説明したが、それに限らず、例えば、1自由度の振動系のアクチュエータや、3自由度以上の振動系を有するアクチュエータにも適用することができる。
Claims (15)
- 導電性を備えた第1の基板と、前記第1の基板に対向する第2の基板とを有し、
前記第1の基板は、第2の質量部と、前記第2の質量部を介して対向配置された一対の第1の質量部と、前記第2の質量部および各前記第1の質量部を支持する支持部と、各前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように、各前記第1の質量部と前記支持部とを連結する一対の第1の弾性連結部と、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように、前記第2の質量部と各前記第1の質量部とを連結する一対の第2の弾性連結部と、4つの基部とを有し、
前記4つの基部のうちの2つの前記基部は、前記一対の第1の質量部の一方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられており、残りの2つの前記基部は、他方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられ、
各前記基部の前記第1の質量部側には、サイド電極が形成され、
前記第2の基板は、4つの電極を有し、前記4つの電極のうちの2つの前記電極は、前記一方の第1の質量部に対応する位置に、前記第2の質量部の回動中心軸を中心に対称となるように設けられ、残りの2つの前記電極は、前記他方の第1の質量部に対応する位置に、前記回動中心軸を中心に対称となるように設けられており、
所定の前記サイド電極および各前記電極と、前記第1の質量部との間に電圧を印加することにより、各前記第1の質量部を回動させつつ、前記第2の質量部を回動させるよう構成されたアクチュエータの製造方法であって、
各前記基部の前記第1の質量部側と前記第2の基板との間に空隙を形成し、各前記基部と前記第2の基板との間に電圧を印加し、当該電圧印加により発生するクーロン力により、各前記基部の第1の質量部側の部位を前記電極に引き付けて、これらをスティッキングを生じさせることにより接合することにより、前記サイド電極を形成し、
前記第2の質量部を回動させるための前記電圧を印加していない状態において、前記第2の基板と前記第1の質量部との互いに対向する面の間の距離をh、前記第1の質量部と前記サイド電極との互いに対向する面の間の距離をdとしたとき、hとdとが、h>dの関係を満足し、
前記サイド電極の厚み方向の長さをh1、前記第1の質量部の厚み方向の長さをh2、前記サイド電極の厚み方向の長さの中点と、前記第1の質量部の厚み方向の長さの中点との厚み方向の距離をLとしたとき、h1とh2とLとが、0≦L≦(h1+h2)/2の関係を満足することを特徴とするアクチュエータの製造方法。 - 基材にエッチングを施すことにより前記空隙を形成する請求項1に記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記基材は、主としてSiで構成された第1の層上に、主としてSiO2で構成された第2の層と、主としてSiで構成された第3の層とがこの順で積層されてなるSOI基板である請求項2に記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記第1の層で、第2の基板を形成し、前記第3の層で、前記第1の基板を製造する請求項3に記載のアクチュエータの製造方法。
- 基材にエッチングを施すことにより凹部を形成し、該凹部を用いて前記空隙を形成する請求項1に記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記基材は、主としてガラスで構成されている請求項5に記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記ガラスは、アルカリ金属を含有したガラスである請求項6に記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記基材の前記凹部内に前記電極を設けることにより、前記第2の基板を形成する請求項5ないし7のいずれかに記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記第2の基板は、前記質量部に対応する位置に開口部を有する請求項1ないし8のいずれかに記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記電圧を印加する電圧入力用端子が前記第1の基板の前記第2の基板と対向する面の反対側に設けられている請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータの製造方法。
- 前記第2の質量部は、光反射部を有する請求項1ないし10のいずれかに記載のアクチュエータの製造方法。
- 各前記第1の質量部と、前記電極および前記サイド電極との間に生じるクーロン力によって、各前記第1の質量部および前記第2の質量部が駆動するものである請求項1ないし11のいずれかに記載のアクチュエータの製造方法。
- 請求項1ないし12のいずれかに記載のアクチュエータの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするアクチュエータ。
- 導電性を備えた第1の基板と、前記第1の基板に対向する第2の基板とを有し、
前記第1の基板は、第2の質量部と、前記第2の質量部を介して対向配置された一対の第1の質量部と、前記第2の質量部および各前記第1の質量部を支持する支持部と、各前記第1の質量部が前記支持部に対して回動可能となるように、各前記第1の質量部と前記支持部とを連結する一対の第1の弾性連結部と、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能となるように、前記第2の質量部と各前記第1の質量部とを連結する一対の第2の弾性連結部と、4つの基部とを有し、
前記4つの基部のうちの2つの前記基部は、前記一対の第1の質量部の一方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられており、残りの2つの前記基部は、他方の前記第1の質量部を介して対向するように設けられ、
各前記基部の前記第1の質量部側には、サイド電極が形成され、
前記第2の基板は、4つの電極を有し、前記4つの電極のうちの2つの前記電極は、前記一方の第1の質量部に対応する位置に、前記第2の質量部の回動中心軸を中心に対称となるように設けられ、残りの2つの前記電極は、前記他方の第1の質量部に対応する位置に、前記回動中心軸を中心に対称となるように設けられており、
所定の前記サイド電極および各前記電極と、前記第1の質量部との間に電圧を印加することにより、各前記第1の質量部を回動させつつ、前記第2の質量部を回動させるよう構成されたアクチュエータであって、
各前記基部の前記サイド電極は、各前記基部の前記第1の質量部側と前記第2の基板との間に空隙を形成し、各前記基部と前記第2の基板との間に電圧を印加し、当該電圧印加により発生するクーロン力により、各前記基部の第1の質量部側の部位を前記電極に引き付けて、これらをスティッキングを生じさせることにより接合することにより形成されたものであり、
前記第2の質量部を回動させるための前記電圧を印加していない状態において、前記第2の基板と前記第1の質量部との互いに対向する面の間の距離をh、前記第1の質量部と前記サイド電極との互いに対向する面の間の距離をdとしたとき、hとdとが、h>dの関係を満足し、
前記サイド電極の厚み方向の長さをh1、前記第1の質量部の厚み方向の長さをh2、前記サイド電極の厚み方向の長さの中点と、前記第1の質量部の厚み方向の長さの中点との厚み方向の距離をLとしたとき、h1とh2とLとが、0≦L≦(h1+h2)/2の関係を満足することを特徴とするアクチュエータ。 - 前記基部と前記第2の基板との間に絶縁層を有する請求項14に記載のアクチュエータ。
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