JP2007075978A - 構造体の製造方法およびアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】厚い基板に対しても優れた寸法精度で微細な加工を行うことができる構造体の製造方法、および、この製造方法を用いて製造されたアクチュエータを提供すること。
【解決手段】本発明の構造体の製造方法は、シリコン単結晶で構成された面方位(100)の基板(第3の層103)に、その厚さ方向に貫通する貫通部を形成することにより、構造体を得るものであって、基板を用意する第1の工程と、基板に第1のウェットエッチングを施して、基板の貫通部の形成予定部位に、基板よりも薄い薄肉部103aを形成する第2の工程と、ウェットエッチング以外の方法で薄肉部103aの一部に貫通孔103bを形成する第3の工程と、第2のウェットエッチングにより貫通孔103bを拡張して、貫通部103cを形成する第4の工程とを有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、構造体の製造方法およびアクチュエータに関するものである。
アクチュエータとしては、例えば、レーザープリンタ等に用いられるポリゴンミラー(回転多面体)が知られている。
しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、機器の小型化の面で不利であるという問題がある。このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
そこで、構造の比較的簡単なアクチュエータとして、ねじり振動子を用いたもの、例えば、板状の反射ミラーをその両側で1対のねじりバネによって回動可能に支持し、1対のねじりバネをねじれ変形させながら、反射ミラーを回動(振動)させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなアクチュエータの製造方法として、例えば、特許文献1では、シリコン単結晶基板に異方性エッチングを施して、アクチュエータを得る。このような方法にあっては、表面の面方位が(100)であるシリコン単結晶基板に、開口を有するマスクを介してウェットエッチングを施して、シリコン単結晶基板の厚さ方向に貫通する貫通部を形成する。
しかしながら、特許文献1にかかる製造方法では、ウェットエッチングのみにより貫通部を形成するため、マスクの開口の幅が小さいと、エッチングレートの極端に遅い(111)面のみが露出し、エッチングが進行せず、貫通部を形成することができない。すなわち、特許文献1にかかる製造方法では、シリコン単結晶基板の厚さに対して貫通部の幅を小さくすることができず、貫通部の幅に対する厚さの比、すなわちアスペクト比が小さくなってしまう。そのため、基板が厚いと、微細な加工を行うことができず、所望の特性を有するアクチュエータを得ることが難しい。
特開2002−277806号公報
本発明の目的は、厚い基板に対しても優れた寸法精度で微細な加工を行うことができる構造体の製造方法、および、この製造方法を用いて製造されたアクチュエータを提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の構造体の製造方法は、シリコン単結晶で構成された面方位(100)の基板に、その厚さ方向に貫通する貫通部を形成することにより、構造体を得る構造体の製造方法であって、
前記基板を用意する第1の工程と、
前記基板に第1のウェットエッチングを施して、前記基板の前記貫通部の形成予定部位に、前記基板よりも薄い薄肉部を形成する第2の工程と、
ウェットエッチング以外の方法で前記薄肉部の一部に貫通孔を形成する第3の工程と、
第2のウェットエッチングにより前記貫通孔を拡張して、前記貫通部を形成する第4の工程とを有することを特徴とする。
これにより、優れた寸法精度で高アスペクト比の貫通部を基板に形成することができる。すなわち、厚い基板に対しても優れた寸法精度で微細な加工を行うことができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第2の工程にて、前記第1のウェットエッチングは、前記基板の(111)面でエッチングが実質的に停止するまで行うことが好ましい。
これにより、薄肉部の厚さを小さくして、第3の工程での貫通孔の形成をより容易にすることができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第3の工程では、前記貫通孔を前記薄肉部の幅方向での中央部に形成することが好ましい。
これにより、第4の工程での第2のウェットエッチングを均一に進行させて、より簡単かつ確実に貫通部を形成することができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第4の工程にて、前記第2のウェットエッチングは、前記基板の板面に直角な面で停止することが好ましい。
これにより、互いに平行に対向する1対の壁面を有する貫通部を形成することができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第3の工程にて、前記貫通孔の形成は、ドライエッチングにより行うことが好ましい。
これにより、優れた寸法精度で貫通孔を形成することができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第2の工程にて、前記第1のウェットエッチングは、第1のマスクを用い、前記第4の工程にて、前記第2のウェットエッチングは、前記第1のマスクの構成材料と異なる材料で構成された第2のマスクを用いることが好ましい。
これにより、第1のウェットエッチングおよび第2のウェットエッチングのそれぞれに適したエッチング液を用いることができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第1の工程の後、かつ、前記第2の工程の前に、前記基板上に前記第2のマスクを形成するとともに、前記第2のマスク上に前記第1のマスクを形成する工程と、前記第2の工程の後、かつ、前記第4の工程の前に、前記第1のマスクを除去する工程とを有することが好ましい。
これにより、第1のマスクおよび第2のマスクの形成を簡単にしつつ、第1のマスクと第2のマスクとのアライメント精度を極めて優れたものとすることができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第1のマスクを除去する工程は、前記第2の工程の後、かつ、前記第3の工程の前に行うことが好ましい。
これにより、第3の工程にて、第2のマスクを介して薄肉部にドライエッチングなどを施して貫通孔を形成することができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第1のウェットエッチングは、エッチング液としてKOH水溶液を用いることが好ましい。
これにより、第1のマスクの厚さを小さく抑えることができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第1のマスクは、シリコン窒化物を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、第1のマスクの厚さを小さく抑えることができ、第1のマスクの形成を簡単なものとすることができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第2のウェットエッチングは、エッチング液としてTMAH水溶液を用いることが好ましい。
これにより、第2のマスクの厚さを小さく抑えることができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記第2のマスクは、シリコン酸化物を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、第2のマスクの厚さを小さく抑えることができ、第2のマスクの形成を簡単なものとすることができる。
本発明の構造体の製造方法では、前記基板に前記貫通部を形成することにより、前記構造体として、互いに間隙を隔てて噛み合うように配置された櫛歯状の可動電極および固定電極を有するものを得ることが好ましい。
これにより、可動電極と固定電極との間の距離を小さくしつつ、可動電極と固定電極との対向する面積を大きくすることができる。そのため、可動電極と固定電極との間に電圧を印加したときにこれらの間に生じる静電引力を大きくすることができる。
本発明のアクチュエータは、本発明の構造体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、比較的簡単に、所望の特性を有するアクチュエータを提供することができる。
以下、本発明の構造体の製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、本発明をアクチュエータに適用した場合を一例として説明する。
まず、本発明の構造体の製造方法の説明に先立ち、本発明の構造体の製造方法を用いて製造されたアクチュエータを説明する。
図1は、本実施形態にかかるアクチュエータを示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すアクチュエータの第2の質量部と第2の弾性連結部との連結状態を説明するための部分拡大斜視図、図4は、印加する交流電圧の一例を示す図、図5は、印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
アクチュエータ1は、図1に示すような2自由度振動系を有する基体2を有しており、図2に示すように、この基体2の下部には、支持基板4が絶縁層5を介して接合されている。
基体2は、1対の第1の質量部(駆動部)21、22と、1対の支持部23、24と、第2の質量部(可動部)25と、1対の第1の弾性連結部26、27と、1対の第2の弾性連結部28、29と、固定電極30、31とを備えている。このような基体2にあっては、左右対称な形状となるように、第2の質量部25を中心とし、その左方に、第2の弾性連結部28、第1の質量部21、支持部23が順次配設され、右方に、第2の弾性連結部29、第1の質量部22、支持部24が順次配設されている。
1対の第1の質量部21、22は、それぞれ、板状をなし、互いにほぼ同一寸法でほぼ同一形状をなしている。
また、1対の第1の質量部21、22には、第1の質量部21、22を駆動するために、後述する固定電極30、31に間隔を隔てて噛み合うように、櫛歯状の可動電極211、221が設けられている。
また、1対の第1の質量部21、22の間には、第2の質量部25が設けられており、1対の第1の質量部21、22は、第2の質量部25を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。
第2の質量部25は、板状をなし、その板面に光反射部251が設けられている。これにより、アクチュエータ1を光スキャナ、光アッテネータ、光スイッチなどの光デバイスに適用することができる。
このような第1の質量部21、22および第2の質量部25にあっては、第1の質量部21、22が第1の弾性連結部26、27を介して支持部23、24に接続され、第2の質量部25が第2の弾性連結部28、29を介して第1の質量部21、22に接続されている。
第1の弾性連結部26は、第1の質量部21を支持部23に対して回動可能とするように、第1の質量部21と支持部23とを連結している。これと同様に、第1の弾性連結部27は、第1の質量部22を支持部24に対して回動可能とするように、第1の質量部22と支持部24とを連結している。
第2の弾性連結部28は、第2の質量部25を第1の質量部21に対して回動可能とするように、第2の質量部25と第1の質量部21とを連結している。これと同様に、第2の弾性連結部29は、第2の質量部25を第1の質量部22に対して回動可能とするように、第2の質量部25と第1の質量部22とを連結している。
本発明にかかるアクチュエータ1では、第2の弾性連結部28は、その途中から分岐した2つの分岐部281、282を有している。これと同様に、第2の弾性連結部29は、その途中から分岐した2つの分岐部291、292を有している。
各分岐部281、282、291、292は、第2の質量部25の回動中心軸を介して対向する位置で第2の質量部25に接続されている。より具体的には、各分岐部281、282、291、292は、第2の質量部25の回動中心軸と該回動中心軸からの遠位端との中間点より前記遠位端側で、第2の質量部25に接続されている。
各分岐部281、282、291、292は、図3に示すように、その途中に第2の弾性連結部28の他の部分よりも肉薄な肉薄部を有し、この肉薄部が、第2の弾性連結部28、29から第2の質量部25に伝達されるねじりトルクを緩衝させる緩衝部を構成する。
すなわち、各分岐部281、282、291、292は、その途中に、第2の弾性連結部28、29から第2の質量部25に伝達されるねじりトルクを緩衝させる緩衝部を有する。この緩衝部は、第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分のバネ定数よりも低いバネ定数の低バネ定数部で構成されている。
本実施形態では、このように、緩衝部(肉薄部)の厚さは、第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分の厚さよりも小さくなっているが、緩衝部(肉薄部)の幅は第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分の幅とほぼ同じになっている。これにより、緩衝部(肉薄部)の横断面積が、第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分の横断面積よりも小さくなっている。
なお、分岐部281、282、291、292の途中が前述したような緩衝部を構成することができれば、緩衝部(肉薄部)の幅と、第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分の幅とは、異なっていてもよい。
各第1の弾性連結部26、27および各第2の弾性連結部28、29は、同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)として、第1の質量部21、22が支持部23、24に対して、また、第2の質量部25が第1の質量部21、22に対して回動可能となっている。
このように、基体2は、第1の質量部21、22と第1の弾性連結部26、27とで構成された第1の振動系と、第2の質量部25と第2の弾性連結部28、29とで構成された第2の振動系とを有する。すなわち、基体2は、第1の振動系および第2の振動系からなる2自由度振動系を有する。
また、このような2自由度振動系を駆動するために、第1の質量部21、22の可動電極211、221に間隔を隔てて噛み合うように、固定電極30、31が設けられている。
固定電極30は、図1に示すように、第1の質量部21に対応する部分に、第1の質量部21の回動中心軸を中心にほぼ対称となるように1対設けられ、また、これと同様に、固定電極31は、第1の質量部22に対応する部分に、第1の質量部22の回動中心軸を中心にほぼ対称となるように1対設けられている。
このような各固定電極30、31と第1の質量部21、22とは、図示しない電源に接続されており、第1の質量部21、22と各固定電極30、31ととの間に交流電圧(駆動電圧)を印加できるよう構成されている。
また、このような2自由度振動系は、基体2に異形孔32が形成されることにより形成されている。
このような基体2は、後に詳述するようにシリコン単結晶で構成されていて、第1の質量部21、22と、第2の質量部25と、支持部23、24と、第1の弾性連結部26、27と、第2の弾性連結部28、29とが一体的に形成されている。
前述したような基体2を支持する支持基板4は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。
支持基板4の上面には、図2に示すように、第1の質量部21、22および第2の質量部25に対応する部分に開口部41が形成されている。
この開口部41は、第1の質量部21、22や第2の質量部25が回動(振動)する際に、これらが支持基板4に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)41を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、第2の質量部25の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
このような支持基板4は、図2に示すように、基体2の支持部23、24、固定電極30、31に絶縁層5を介して接続されている。
以上のような構成のアクチュエータ1は、次のようにして駆動する。
すなわち、第1の質量部21、22と各固定電極30、31との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加する。具体的には、例えば、第1の質量部21、22をアースしておき、図1中上側の2つの固定電極30、31に、図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、図1中下側の2つの固定電極30、31に、図4(b)に示すような波形の電圧を印加する。すると、第1の質量部21、22と各固定電極30、31との間に静電気力(クーロン力)が生じる。
この静電気力により、第1の質量部21、22が、各固定電極30、31の方へ引きつけられる力が正弦波の位相により変化し、第1の弾性連結部26、27を軸に、支持基板4の板面(図1における紙面)に対して傾斜するように振動(回動)する。
そして、この第1の質量部21、22の振動(駆動)に伴って、第2の弾性連結部28、29を介して連結されている第2の質量部25も、第2の弾性連結部28、29を軸に、支持基板4の板面(図1における紙面)に対して傾斜するように振動(回動)する。
このとき、第2の弾性連結部28、29から第2の質量部25へ捩りトルクが第2の質量部25の回動中心軸から離れた位置で伝達されるので、駆動時の第2の弾性連結部28、29の横断面形状の変化に伴う第2の質量部25の撓みを抑えるとともに、第2の質量部25の慣性力による撓みを抑えることができる。その際、第2の弾性連結部28、29から第2の質量部25に伝達されるねじりモーメントを分岐部281、282、291、292の緩衝部で低減して、駆動時の分岐部281、282、291、292の撓みに伴う第2の質量部25の撓みも抑えることができる。その結果、第2の質量部25の撓みを大幅に低減して、第2の質量部25の駆動時における平滑性を極めて高いものとすることができる。
したがって、アクチュエータ1にあっては、第2の質量部25の振れ角を大きくしたり、第2の質量部25の厚さを小さくしたりしても、第2の質量部25の撓みを抑えて、高精度に駆動を行うことができる。
特に、本実施形態では、緩衝部(肉薄部)の厚さが、第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分の厚さよりも小さくなっているので、比較的簡単な構成で、駆動時における第2の質量部25の撓みを大幅に低減することができる。
また、緩衝部(肉薄部)の横断面積が、第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分の横断面積よりも小さくなっているので、この点でも、比較的簡単な構成で、駆動時における第2の質量部25の撓みを大幅に低減することができる。
その際、緩衝部の横断面積をAとし、第2の弾性連結部28、29の分岐部281、282、291、292以外の部分の横断面積をBとしたとき、1/4<A/B<1の関係を満たすのが好ましく、1/4<A/B<1/2の関係を満たすのがより好ましい。これにより、比較的簡単な構成で、かつ、より確実に、駆動時における第2の質量部25の撓みを低減することができる。
また、各分岐部281、282、291、292は、第2の質量部25の回動中心軸と該回動中心軸からの遠位端との中間点より前記遠位端側で、第2の質量部25に接続されているので、より確実に、駆動時における第2の質量部25の撓みを大幅に低減することができる。
また、第2の弾性連結部28、29は、第2の質量部25を介して、その両側に1対設けられ、1対の第2の弾性連結部28、29がそれぞれ分岐部を有しているので、駆動時における第2の質量部25の撓みを大幅に低減するとともに、第2の質量部25をより高精度に駆動することができる。
また、第1の質量部21の回動中心軸からこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをLとし、第1の質量部22の回動中心軸からこれにほぼ垂直な方向(長手方向)での長さをLとし、第2の質量部25の回動中心軸からこれにほぼ垂直な方向での長さをLとしたとき、本実施形態では、第1の質量部21、22が、それぞれ独立して設けられているため、第2の質量部25の大きさ(長さL)にかかわらず、第1の質量部21、22と第2の質量部25とが干渉せず、LおよびLを小さくすることができる。これにより、第1の質量部21、22の回転角度(振れ角)を大きくすることができ、その結果、第2の質量部25の回転角度を大きくすることができる。
ここで、第1の質量部21、22および第2の質量部25の寸法は、それぞれ、L<LかつL<Lなる関係を満足するよう設定されるのが好ましい。
前記関係を満たすことにより、LおよびLをより小さくすることができ、第1の質量部21、22の回転角度をより大きくすることができ、第2の質量部25の回転角度をさらに大きくすることができる。
この場合、第2の質量部25の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
これらによって、第1の質量部21、22の低電圧駆動と、第2の質量部25の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
このため、このようなアクチュエータ1を、例えばレーザープリンタや、走査型共焦点レーザー顕微鏡等の装置に用いられる光スキャナに適用した場合には、より容易に装置を小型化することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、LとLとはほぼ等しく設定されているが、LとLとが異なっていてもよいことは言うまでもない。
ところで、このような質量部21、22、25よりなる振動系(2自由度振動系)では、第1の質量部21、22および第2の質量部25の振幅(振れ角)と、印加する交流電圧の周波数との間に、図5に示すような周波数特性が存在している。
すなわち、かかる振動系は、第1の質量部21、22の振幅と、第2の質量部25の振幅とが大きくなる2つの共振周波数fm[kHz]、fm[kHz](ただし、fm<fm)と、第1の質量部21、22の振幅がほぼ0となる、1つの反共振周波数fm[kHz]とを有している。
この振動系では、第1の質量部21、22と各固定電極30、31との間に印加する交流電圧の周波数Fが、2つの共振周波数のうち低いもの、すなわち、fmとほぼ等しくなるように設定するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振幅を抑制しつつ、第2の質量部25の振れ角(回転角度)を大きくすることができる。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm−1)≦F≦(fm+1)の条件を満足することを意味する。
第1の質量部21、22の平均厚さは、それぞれ、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第2の質量部25の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性連結部26、27のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第2の質量部25の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
一方、第2の弾性連結部28、29のばね定数kは、1×10−4〜1×10Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×10Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×10Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部25の振れ角をより大きくすることができる。
また、第1の弾性連結部26、27のばね定数kと第2の弾性連結部28、29のばね定数kとは、k>kなる関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部25の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、第1の質量部21、22の慣性モーメントをJとし、第2の質量部25の慣性モーメントをJとしたとき、JとJとは、J≦Jなる関係を満足することが好ましく、J<Jなる関係を満足することがより好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部25の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
ところで、第1の質量部21、22と第1の弾性連結部26、27とからなる第1の振動系の固有振動数ωは、第1の質量部21、22の慣性モーメントJと、第1の弾性連結部26、27のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。一方、第2の質量部25と第2の弾性連結部28、29とからなる第2の振動系の固有振動数ωは、第2の質量部25の慣性モーメントJと、第2の弾性連結部28、29のばね定数kとにより、ω=(k/J1/2によって与えられる。
このようにして求められる第1の振動系の固有振動数ωと第2の振動系の固有振動数ωとは、ω>ωなる関係を満足するのが好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部25の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
このようなアクチュエータ1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図6、図7は、それぞれ、本実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図6、図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本実施形態のアクチュエータ1の製造方法は、[1]3層構成の基板を用意する工程と、[2]その基板の一層目を加工して支持基板4を得る工程と、[3]その基板の2層目を加工して絶縁層5を得る工程と、[4]その基板の3層目を本発明の構造体の製造方法を用いて加工して基体2を得る工程とを有する。以下、各工程を順次説明する。
[1]基板を用意する工程
まず、図6(a)に示すように、第1の層101、第2の層102、第3の層103がこの順で積層されてなる3層構成の基板10を用意する。
この基板10を構成する各層のうち、第1の層101は、支持基板4に、第2の層102は、絶縁層5に、第3の層103は、基体2となる部分である。
この基板10としては、各層101、102、103の組み合わせで各種のものが挙げられるが、特に、主としてSiで構成された第1の層101上に、主としてSiOで構成された第2の層102と、主としてSiで構成された第3の層(活性層)103とがこの順で積層されてなるSOI基板が好適である。以下では、基板10としてSOI基板を用いる場合を例に説明する。
基板10としてSOI基板を用いることにより、第1の層101の厚さが比較的厚いものを作製することができるようになる。このため、形成される第1の質量部21、22の各可動電極211、221および各固定電極30、31の厚さを大きくすることができるので、得られるアクチュエータ1の駆動力を大きくすることができる。その結果、アクチュエータ1の省電力化および大振幅化を図ることができ、また、アクチュエータ1の小型化を図ることができる。
[2]支持基板を得る工程
次に、図6(b)に示すように、前述したような基板10の第1の層101に開口部41を形成して、支持基板4を得る。
開口部41の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチングのようなドライエッチング、ウェットエッチング等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[3]絶縁層を得る工程
次に、図6(c)に示すように、第2の層102の一部を除去して、絶縁層5を得る。
第2の層102の一部を除去する方法としては、特に限定されないが、例えば、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチングのようなドライエッチング、ウェットエッチング等がのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[4]基体を得る工程
次に、図6(d)に示すように、第3の層103の一部を除去し、図6(e)に示すように、光反射部251を形成して、基体2を得る。
第3の層103の一部を除去する方法としては、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチングのようなドライエッチング、ウェットエッチング等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、少なくとも図1に示すXおよびYの部分に関しては、図7に示すように、第1のウェットエッチングにより基板(第3の層103)を薄肉化し、次いで、その薄肉化した部分に貫通孔を形成し、その後、その貫通孔を第2のウェットエッチングにより拡張して貫通部を形成する。すなわち、本工程[4]は、本発明の構造体の製造方法を含むものである。
より具体的に説明すると、本実施形態の構造体の製造方法は、A.基板を用意する工程と、B.第1のマスクおよび第2のマスクを形成する工程と、B.第1のマスクを介して基板に第1のウェットエッチングを施して薄肉部を形成する工程と、C.第1のマスクを除去する工程と、D.薄肉部に貫通孔を形成する工程と、E.第2のマスクを介して基板に第2のウェットエッチングを施して貫通部を形成する工程とを有する。
ここで、本実施形態の構造体の製造方法を図7に基づき詳細に説明する。なお、図7は、説明の便宜上、模式的に示している。
A.基板を用意する工程(第1の工程)
本実施形態では、まず、図7(a)に示すように、基板として、前述した第3の層103を用いる。
第3の層103は、シリコン単結晶で構成され、その表面の面方位が(100)である。
B.第1のマスクおよび第2のマスクを形成する工程
次に、図7(b)に示すように、第3の層103の両面に、第2のマスク6を形成した後に、第2のマスク6上に第1のマスク7を形成する。
第1のマスク7の形成方法および第2のマスク6の形成方法としては、それぞれ、特に限定されず、例えば、ディッピング法、印刷法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、溶射、金属箔の接合、第3の層103の表面の熱処理等を用いることができる。
第1のマスク7の構成材料としては、後述する第1のウェットエッチングに用いるエッチング液の種類などに応じて適宜選択され、例えば、レジスト材料、金属材料、シリコン窒化物、シリコン酸化物などを用いることができる。
第2のマスク6の構成材料としては、後述する第2のウェットエッチングに用いるエッチング液の種類などに応じて適宜選択され、例えば、レジスト材料、金属材料、シリコン窒化物、シリコン酸化物などを用いることができる。
C.基板に薄肉部を形成する工程(第2の工程)
次に、第1のマスク7を介して第3の層103の貫通部103c(異形孔32)の形成予定部位に第1のウェットエッチング(異方性エッチング)を施して、図7(c)、図7(d)に示すように、第3の層103よりも薄い薄肉部103aを形成する。
このとき、第1のウェットエッチングは、第3の層103の(100)面での進行速度が速く、(111)面での進行速度が遅い。そのため、第1のウェットエッチングは、図7(c)に示すように進行し、図7(d)に示すように、第3の層103の(111)面でエッチングが実質的に停止するまで行うことができる。
第3の層103の(111)面でエッチングが実質的に停止するまで第1のウェットエッチングを行うと、薄肉部103aの厚さを小さくして、後述する第3の工程での貫通孔103bの形成をより容易にすることができる。
第1のウェットエッチングのエッチング液としては、薄肉部103aを形成することができるものであれば、特に限定されず、例えば、KOH(水酸化カリウム)水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液等が挙げられる。
これらの中でも、特に、第1のウェットエッチングのエッチング液としては、KOH水溶液を用いるのが好ましい。これにより、第1のマスクの厚さを小さく抑えることができ、また、高精度な結晶異方性を得ることができる。
この場合、水酸化カリウムの濃度は、10〜50重量%であるのが好ましい。また、処理温度は、60〜120℃であるのが好ましい。
また、第1のウェットエッチングのエッチング液としてKOH水溶液を用いる場合、第1のマスク7は、シリコン窒化物を主材料として構成されているのが好ましい。これにより、第1のマスク7の厚さを小さく抑えることができ、前述した工程Bにおいて、第1のマスク7の形成を簡単なものとすることができる。
D.第1のマスクを除去する工程
次に、図7(e)に示すように、第1のマスク7を除去する。
第1のマスク7の除去方法としては、例えば、第1のマスク7がレジスト材料で構成される場合には、レジスト剥離液を用いることができ、また、第1のマスク7が金属材料で構成される場合には、リン酸溶液のようなメタル剥離液等を用いることができ、また、第1のマスク7がシリコン酸化物やシリコン窒化物で構成されている場合には、ドライエッチング等を用いることができる。
このように、本実施形態の構造体の製造方法は、第1の工程の後、かつ、後述する第2の工程の前に、第3の層103上に第2のマスク6を形成するとともに、第2のマスク6上に前記第1のマスク7を形成する工程と、第2の工程の後、かつ、後述する第4の工程の前に、第1のマスク7を除去する工程とを有する。これにより、第1のマスク7および第2のマスク6の形成を簡単にしつつ、第1のマスク7と第2のマスク6とのアライメント精度を極めて優れたものとすることができる。
特に、本実施形態では、第1のマスク7を除去する工程は、第2の工程の後、かつ、後述する第3の工程の前に行う。これにより、後述する第3の工程にて、第2のマスク6を介して薄肉部103aにドライエッチングなどを施して貫通孔103bを形成することができる。
E.薄肉部に貫通孔を形成する工程(第3の工程)
次に、ウェットエッチング以外の方法で、図7(e)に示すように、薄肉部103aの一部に貫通孔103bを形成する。
特に、本実施形態では、図7(e)に示すように、貫通孔103bを薄肉部103aの幅方向での中央部に形成する。これにより、後述する第4の工程での第2のウェットエッチングを均一に進行させて、より簡単かつ確実に貫通部103c(異形孔32)を形成することができる。なお、後述する工程Fで貫通部103cを形成することができれば、貫通孔103bの形状、位置、大きさ等は、前述したものに限定されない。
貫通孔103bの形成方法としては、ウェットエッチングよりも速いエッチング速度で第3の層103を穿孔することができるものであれば、特に限定されず、例えば、YAGレーザー等のレーザー、ドライエッチング、サンドブラストなどの機械的加工などを用いることができる。
これらの中でも、第3の工程では、ドライエッチングにより貫通孔103bを形成するのが好ましい。これにより、優れた寸法精度で貫通孔103bを形成することができる。また、前述したように、第2のマスク6を介して薄肉部103aにドライエッチングを施して貫通孔103bを形成することができる。
また、貫通孔103bの形成方法としてレーザーを用いる場合には、レーザー光を薄肉部103aのパターンに沿って走査することにより、貫通孔103bを形成することができる。
F.貫通部を形成する工程(第4の工程)
次に、第2のウェットエッチングにより、図7(f)に示すように、貫通孔103bを拡張して、貫通部103c(異形孔32)を形成する。
このとき、第2のウェットエッチングは、貫通孔103bの側面から側方に進行する。これにより、貫通部103cを形成することができる。
第4の工程にて、第2のウェットエッチングは、第3の層103の板面に直角な面で停止する。これにより、貫通部103cは、第3の層103の板面に直角で互いに平行に対向する1対の壁面を有するものとなる。なお、第3の層103の板面に直角で互いに平行に対向する面が現れた後に、再度(111)面のみが露出するまで、第2のウェットエッチングを行うことができ、第2のウェットエッチングでの異方性に応じた形状の貫通部を形成することも可能である。
第2のウェットエッチングのエッチング液としては、第1のウェットエッチングのエッチング液と同様のものを用いることができ、また、第1のウェットエッチングのエッチング液と同一であっても異なっていてもよく、貫通部103cを形成することができるものであれば、特に限定されず、例えば、KOH(水酸化カリウム)水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液等が挙げられる。
これらの中でも、特に、第2のウェットエッチングのエッチング液としては、TMAH水溶液を用いるのが好ましい。これにより、第2のマスク6の厚さを小さく抑えることができ、また、前述のドライエッチング(第3の工程)と同じマスク材料を用いることができる。
この場合、第2のマスク6は、シリコン酸化物を主材料として構成されているのが好ましい。これにより、第2のマスク6の厚さを小さく抑えることができ、第2のマスク6の形成を簡単なものとすることができる。
以上説明したように、図7に示す構造体の製造方法は、シリコン単結晶で構成された面方位(100)の基板(第3の層103)に、その厚さ方向に貫通する貫通部103cを形成することにより、構造体を得ることができる。
図7に示す構造体の製造方法は、第3の層103に第1のウェットエッチングを施して、第3の層103の貫通部103cの形成予定部位に薄肉部103aを形成し、次いで、ウェットエッチング以外の方法で薄肉部103aの一部に貫通孔103bを形成し、その後、第2のウェットエッチングにより貫通孔103bを拡張して、貫通部103cを形成するため、優れた寸法精度で高アスペクト比の貫通部103cを基板に形成することができる。すなわち、厚い基板(第3の層103)に対しても優れた寸法精度で微細な加工を行うことができる。
特に、第1のウェットエッチングにより第3の層103を薄肉化した後に、貫通孔103bを形成するので、貫通孔103bを形成するまでに要する時間を短縮化するとともに、貫通孔103bの形成を容易なものとすることができる。また、第2のウェットエッチングにより貫通部103cの側面が形成されるため、得られる貫通部103cの側面の荒れを防止することができる。また、貫通孔103bの形成以外はウェットエッチングにより貫通部103cを形成するため、大量の基板を同時に加工することができ、量産性に優れ、また、構造体(アクチュエータ1)の低コスト化を図ることができる。また、厚い基板を加工する場合であっても、マスクとしてウェットエッチングに適用可能な程度のものを用いればよいので、ドライエッチングのみを用いて貫通部を形成する場合に比べて、マスクの設計が容易である。
また、本実施形態では、第2の工程にて、第1のウェットエッチングは、第1のマスクを用い、第4の工程にて、第2のウェットエッチングは、第1のマスクの構成材料と異なる材料で構成された第2のマスクを用いる。これにより、第1のウェットエッチングおよび第2のウェットエッチングのそれぞれに適したエッチング液を用いることができる。
また、本実施形態の製造方法では、第3の層103(基板)に貫通部103cを形成することにより、構造体として、図1に示すXの部分、すなわち、互いに噛み合うように配置された櫛歯状の可動電極211、221および固定電極30、31を有するものを得る。これにより、可動電極211、221と固定電極30、31との間の距離を小さくしつつ、可動電極211、221と固定電極30、31との対向する面積を大きくすることができる。そのため、可動電極211、221と固定電極30、31との間に電圧を印加したときにこれらの間に生じる静電引力を大きくすることができる。
また、図1に示すYの部分を本発明の構造体の製造方法により形成すると、第2の質量部25の回動軸線方向における各分岐部281、282、291、292の撓みを防止することができる。その結果、光反射部の撓みを低減することができる。
このように本発明の構造体の製造方法を用いてアクチュエータを製造すると、比較的簡単に、所望の特性を有するものとすることができる。
以上、本発明の構造体の製造方法およびアクチュエータについて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、前述した実施形態では、アクチュエータの製造に本発明の構造体の製造方法を用いた場合を説明したが、シリコン単結晶で構成された面方位(100)の基板に、その厚さ方向に貫通する貫通部を形成することにより、構造体を得るものであれば、これに限定されない。
例えば、本発明の振動子を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、前述した実施形態では、第2のマスク上に第1のマスクを積層した状態で、第1のウェットエッチングを行う場合を説明したが、工程Bで第1のマスクのみを形成し、工程Cの後かつ工程Fの前に第2のマスクを形成してもよい。この場合、工程Dを省略することができる。
本実施形態にかかるアクチュエータを示す平面図である。 図1中のA−A線断面図である。 図1に示すアクチュエータの第2の質量部と第2の弾性連結部との連結状態を説明するための部分拡大斜視図である。 印加する交流電圧の一例を示す図である。 印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフある。 図1に示すアクチュエータの製造方法を説明するための図である。 図1に示すアクチュエータの製造方法を説明するための図である。
符号の説明
1……アクチュエータ 2……基体 21、22……第1の質量部 211、221……可動電極 23、24……支持部 25……第2の質量部 251……光反射部 26、27……第1の弾性連結部 28、29……第2の弾性連結部 281、282、291、292……分岐部 4……支持基板 41……開口部 30、31……固定電極 10……基板 101……第1の層 102……第2の層 103……第3の層 103a……薄肉部 103b……貫通孔 103c……貫通部 5……絶縁層 6……第2のマスク 7……第1のマスク 32……異形孔

Claims (14)

  1. シリコン単結晶で構成された面方位(100)の基板に、その厚さ方向に貫通する貫通部を形成することにより、構造体を得る構造体の製造方法であって、
    前記基板を用意する第1の工程と、
    前記基板に第1のウェットエッチングを施して、前記基板の前記貫通部の形成予定部位に、前記基板よりも薄い薄肉部を形成する第2の工程と、
    ウェットエッチング以外の方法で前記薄肉部の一部に貫通孔を形成する第3の工程と、
    第2のウェットエッチングにより前記貫通孔を拡張して、前記貫通部を形成する第4の工程とを有することを特徴とする構造体の製造方法。
  2. 前記第2の工程にて、前記第1のウェットエッチングは、前記基板の(111)面でエッチングが実質的に停止するまで行う請求項1に記載の構造体の製造方法。
  3. 前記第3の工程では、前記貫通孔を前記薄肉部の幅方向での中央部に形成する請求項1または2に記載の構造体の製造方法。
  4. 前記第4の工程にて、前記第2のウェットエッチングは、前記基板の板面に直角な面で停止する請求項1ないし3のいずれかに記載の構造体の製造方法。
  5. 前記第3の工程にて、前記貫通孔の形成は、ドライエッチングにより行う請求項1ないし4のいずれかに記載の構造体の製造方法。
  6. 前記第2の工程にて、前記第1のウェットエッチングは、第1のマスクを用い、前記第4の工程にて、前記第2のウェットエッチングは、前記第1のマスクの構成材料と異なる材料で構成された第2のマスクを用いる請求項1ないし5のいずれかに記載の構造体の製造方法。
  7. 前記第1の工程の後、かつ、前記第2の工程の前に、前記基板上に前記第2のマスクを形成するとともに、前記第2のマスク上に前記第1のマスクを形成する工程と、前記第2の工程の後、かつ、前記第4の工程の前に、前記第1のマスクを除去する工程とを有する請求項6に記載の構造体の製造方法。
  8. 前記第1のマスクを除去する工程は、前記第2の工程の後、かつ、前記第3の工程の前に行う請求項7に記載の構造体の製造方法。
  9. 前記第1のウェットエッチングは、エッチング液としてKOH水溶液を用いる請求項6ないし8のいずれかに記載の構造体の製造方法。
  10. 前記第1のマスクは、シリコン窒化物を主材料として構成されている請求項9に記載の構造体の製造方法。
  11. 前記第2のウェットエッチングは、エッチング液としてTMAH水溶液を用いる請求項6ないし10のいずれかに記載の構造体の製造方法。
  12. 前記第2のマスクは、シリコン酸化物を主材料として構成されている請求項11に記載の構造体の製造方法。
  13. 前記基板に前記貫通部を形成することにより、前記構造体として、互いに間隙を隔てて噛み合うように配置された櫛歯状の可動電極および固定電極を有するものを得る請求項1ないし12のいずれかに記載の構造体の製造方法。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の構造体の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするアクチュエータ。
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