JP2005253161A - アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アクチュエータ1は、凹部30を有し、この凹部30が開放する開口300が形成された基体3と、凹部30内に設けられ、交流電圧を印加することによって、開口300の開口面に対して傾斜するように回動可能な第1の質量部21、22と、この第1の質量部21、22の回動に伴い、第1の質量部21、22の内側において、開口300の開口面に対して傾斜するように回動可能な第2の質量部23とを備える振動系(2自由度振動系)2と、基体3の開口300を塞ぐように設けられた平板状をなす蓋部材33と、平面視において第1の質量部21、22と重ならないように設けられ、基体3と蓋部材33との間隔を規定するとともに、凹部30の気密性を保持するスペーサ34とを有する。
【選択図】図2
Description
しかし、このようなポリゴンミラーにおいて、より高解像度で品質のよい印字と高速印刷を達成するには、ポリゴンミラーの回転をさらに高速にしなければならない。
現在のポリゴンミラーには高速安定回転を維持するためにエアーベアリングが使用されているが、今以上の高速回転を得るのは困難となっている。また、高速にするためには、大型のモーターが必要であり、機器の小型化の面で不利であるという問題がある。
このようなポリゴンミラーを用いると、構造が複雑となり、コストが高くなるといった問題も生じる。
図15の1自由度静電駆動型ねじり振動子は、ガラス基板1000上の両端部にスぺーサ200を介してシリコンの単結晶板からなる可動電極板300の両端固定部300aを固定し、この可動電極板300の両端固定部300a間に、細巾のトーションバー300bを介して可動電極部300cを支持させ、また、その可動電極部300cに電極間隔を置いて対向させる固定電極900を、ガラス基板1000上において前記可動電極部300cに対し平行配置している。可動電極板300と固定電極900との間にはスイッチ600を介して電源500が接続される。
本発明のアクチュエータは、凹部を有し、該凹部が開放する開口が形成された基体と、
前記凹部内に設けられ、交流電圧を印加することによって、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第1の質量部と、該第1の質量部の回動に伴い、前記第1の質量部の内側において、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第2の質量部とを備える2自由度振動系と、
前記基体の前記開口を覆うように設けられた平板状部材と、
平面視において前記第1の質量部と重ならないように設けられ、前記基体と前記平板状部材との間隔を規定するとともに、前記凹部の気密性を保持するスペーサとを有することを特徴とする。
このようなことから、アクチュエータを、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
これにより、大型化するのを防止しつつ、第1の質量部および第2の質量部が振動(回動)し得る十分なスペースを確保することができる。
本発明のアクチュエータでは、前記スペーサは、シリコンを主材料として構成されたものであることが好ましい。
これにより、スペーサをより簡易な工程で形成することができる。
これにより、第2の質量部の振れ角(振幅)をより大きくすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記基体には、前記逃げ部が前記2自由度振動系と反対側の面で開放することにより、第2の開口が形成され、
前記基体の前記凹部と反対側には、前記第2の開口を気密的に封止する平板状をなす封止部材が設けられていることが好ましい。
これにより、例えば光スキャナに適用した場合、第2の質量部の凹部側の面に光反射部を設けることにより、第2の質量部の双方の面に入射する光を利用することができるので、機能性の高いものとすることができる。
前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられていることが好ましい。
これにより、より確実に、低電圧で駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
これにより、より容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記距離L1と、前記距離L2とがほぼ等しいことが好ましい。
これにより、アクチュエータの制御が容易となり、さらに容易かつ確実に、低電圧駆動が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。
これにより、低電圧で高速動作が可能で、かつ、振れ角(振幅)が大きいものとすることができる。また、このような構成とすることにより、第1の質量部の振幅を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能に連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを備えることが好ましい。
これにより、第1の質量部および第2の質量部の振れ角(振幅)をより大きくすることができる。
これにより、第1の質量部の振れ角(振幅)を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
これにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部の姿勢の制御に利用することができる。
これにより、第1の質量部の振幅を抑制しつつ、第2の質量部の回転角度(振れ角)を大きくすることができる。
該電極と前記第1の質量部との間に生じる静電気力によって、前記第1の質量部が回動することが好ましい。
これにより、第2の質量部の振れ角(振幅)をより大きくすることができる。
前記第2の質量部の前記平板状部材側の面に、光反射部を有することが好ましい。
これにより、平板状部材をエッチング等により加工して、2自由度振動系が振動し得るスペースを確保することを要しないので、平板状部材の表面(特に、凹部側の面)の平坦性が確保される(すなわち、表面の荒れが防止される)。このため、例えば光スキャナに適用した場合には、平板状部材において、入射光や反射光が散乱すること等により損失するのが防止または低減され、その結果、高い反射率を有するものとすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記平板状部材の表面粗さRaは、1μm以下であることが好ましい。
これにより、例えば光スキャナに適用した場合には、より高い反射率を有するものとすることができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す平面図(内部透視図)、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すアクチュエータの電極の配置を示す平面図、図4は、印加する交流電圧の一例を示す図、図5は、印加した交流電圧の周波数と、第1の質量部および第2の質量部の共振曲線を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図3中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
本実施形態の振動系2は、一対の第1の質量部(駆動部)21、22と、上面(後述する蓋部材33側の面)に光反射部231が設けられた第2の質量部(可動部)23とを備えている。
また、本実施形態では、第1の質量部21、22は、互いにほぼ同一形状かつほぼ同一寸法をなし、第2の質量部23を介して、ほぼ対称に設けられている。
さらに、振動系2は、図1および図2に示すように、第1の質量部21、22と後述する枠部31(基体3)とを連結する、一対の第1の弾性連結部24、24と、第1の質量部21、22と第2の質量部23とを連結する、一対の第2の弾性連結部25、25とを備えている。
このような振動系2は、第1の質量部21、22と第1の弾性連結部24、24とからなる第1の振動系と、第2の質量部23と第2の弾性連結部25、25とからなる第2の振動系とを有する2自由度振動系を構成する。
また、基体3には、この凹部30(枠部31)が基体3の上方において開放することにより、開口300が形成されている。
枠部31の高さは、第1の質量部21、22および第2の質量部23の厚さよりも大きくなるように設定されている。
そして、枠部31の上面(開口300の開口面)が第1の質量部21、22および第2の質量部23の上面とほぼ同一平面上に位置することにより、枠部31の下面は、第1の質量部21、22および第2の質量部23の下面よりも下側に位置している。
なお、後述するように、枠部31は、好ましくは振動系2と一体的に形成される。
底部材32の上面(凹部30の底面)には、図2および図3に示すように、第2の質量部23に対応する部分に凹部321が形成されている。
この凹部321は、第2の質量部23が回動(振動)する際に、底部材32(基体3)に接触するのを防止する逃げ部を構成する。凹部(逃げ部)321を設けることにより、アクチュエータ1全体の大型化を防止しつつ、第2の質量部23の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
なお、第1の質量部21、22の各電極4と対向する面には、それぞれ、絶縁膜(図示せず)が設けられている。これにより、第1の質量部21、22と各電極4との間での短絡が発生するのが好適に防止される。
このような基体3には、スペーサ34を介して、開口300を塞ぐように平板状をなす蓋部材(平板状部材)33が接合されている。
スペーサ34は、基体3と蓋部材33との間隔を規定するとともに、凹部30の気密性を保持する機能を有するものである。このスペーサ34は、図1および図2に示すように、平面視で第1の質量部21、22と重ならないように設けられている。
また、II:アクチュエータ1の内部(凹部30内)へのゴミ等の異物が侵入するのを防止することができる。III:アクチュエータ1の内部(凹部30内)を減圧状態とすることや、不活性ガス等を充填することにより、振動系2が振動(回動)する際に生じる空気抵抗を低減して、より大きな振れ角が実現可能となる。これらにより、アクチュエータ1を信頼性の高いものとすることができる。
具体的には、蓋部材33の表面粗さRaは、1μm以下であるのが好ましく、100nm以下であるのがより好ましく、1nm〜100nm程度であるのがさらに好ましい。表面粗さが前記上限値を超えて大きくなると、蓋部材33の構成材料や厚さ等によっては、入射光や反射光の損失が大きくなり、十分な反射率が得られないおそれがある。
また、スペーサ34の平均厚さは、振動系2(アクチュエータ1)の寸法等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、1〜2000μm程度であるのが好ましく、100〜1500μm程度であるのがより好ましい。スペーサ34が薄過ぎると、振動系2と蓋部材33との間隔を十分に確保することができず、各質量部21、22、23の触れ角(変位角)を大きく設定するのが困難となる場合がある。一方、スペーサ34が厚過ぎると、振動系2と蓋部材33との間隔が不必要に大きくなり、アクチュエータ1の大型化を招き好ましくない。
すなわち、第1の質量部21、22と各電極4との間に、例えば、正弦波(交流電圧)等を印加すると、具体的には、例えば、第1の質量部21、22をアースしておき、図3中上側の2つの電極4に、図4(a)に示すような波形の電圧を印加し、図3中下側の2つの電極4に、図4(b)に示すような波形の電圧を印加すると、第1の質量部21、22と各電極4との間に静電気力(クーロン力)が生じる。
そして、この第1の質量部21、22の振動(駆動)に伴って、第2の弾性連結部25を介して連結されている第2の質量部23も、回動中心軸26(第2の弾性連結部25)を軸に、開口300の開口面に対して傾斜するように振動(回動)する。
ここで、このアクチュエータ1では、前述したように、底部材32の第2の質量部23に対応する部分に凹部321が形成され、また、蓋部材33がスペーサ34を介して枠部31に接合され、かつ、スペーサ34が平面視で第1の質量部21、22と重ならないように設けられている。
このため、このようなアクチュエータ1を、例えば光スキャナに適用した場合には、より解像度の高いスキャニングを行うことが可能となる。
ここで、第1の質量部21、22および第2の質量部23の寸法は、それぞれ、L1<L3かつL2<L3なる関係を満足するよう設定されるのが好ましい。
この場合、第2の質量部23の最大回転角度が、20°以上となるように構成されるのが好ましい。
これらによって、第1の質量部21、22の低電圧駆動と、第2の質量部23の大回転角度での振動(回動)とを実現することができる。
なお、前述したように、本実施形態では、L1とL2とはほぼ等しく設定されているが、L1とL2とが異なっていてもよいことは言うまでもない。
すなわち、振動系2は、第1の質量部21、22の振幅と、第2の質量部23の振幅とが大きくなる2つの共振周波数fm1[kHz]、fm3[kHz](ただし、fm1<fm3)と、第1の質量部21、22の振幅がほぼ0となる、1つの反共振周波数fm2[kHz]とを有している。
なお、本明細書中では、F[kHz]とfm1[kHz]とがほぼ等しいとは、(fm1−1)≦F≦(fm1+1)の条件を満足することを意味する。
第2の質量部23の平均厚さは、1〜1500μmであるのが好ましく、10〜300μmであるのがより好ましい。
第1の弾性連結部24のばね定数k1は、1×10−4〜1×104Nm/radであるのが好ましく、1×10−2〜1×103Nm/radであるのがより好ましく、1×10−1〜1×102Nm/radであるのがさらに好ましい。これにより、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
さらに、第1の質量部21、22の慣性モーメントをJ1とし、第2の質量部23の慣性モーメントをJ2としたとき、J1とJ2とは、J1≦J2なる関係を満足することが好ましく、J1<J2なる関係を満足することがより好ましい。これにより、第1の質量部21、22の振れ角を抑制しつつ、第2の質量部23の回転角度(振れ角)をより大きくすることができる。
なお、本実施形態の振動系2は、一対の第1の弾性連結部24および一対の第2の弾性連結部25のうち少なくとも1つが、その内部にピエゾ抵抗素子を備えたものであるのが好ましい。これにより、例えば、回転角度および回転周波数を検出したりすることができ、また、その検出結果を、第2の質量部23の姿勢の制御に利用することができる。
図6〜図10は、それぞれ、第1実施形態のアクチュエータの製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図6〜図10中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
そして、図6(b)に示すように、シリコン基板5の一方の面に、枠部31と振動系2の形状に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク6を形成する。
次に、シリコン基板5の他方の面に、フォトレジストを塗布し、露光、現像を行う。これにより、図6(c)に示すように、枠部31の形状に対応するように、レジストマスク7を形成する。
そして、このレジストマスク7を介して、シリコン基板5の他方の面側をエッチングした後、レジストマスク7を除去する。これにより、図7(d)に示すように、枠部31に対応する部分以外の領域に凹部51が形成される。
なお、以下の各工程のエッチングにおいて、同様の方法を用いることができる。
ここで、シリコン基板5をエッチングを行った後、金属マスク6は除去してもよく、除去せずに残存させてもよい。金属マスク6を除去しない場合、第2の質量部23上に残存した金属マスク6は光反射部231として用いることができる。
金属膜の成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等が挙げられる。
なお、以下の各工程の金属膜の成膜において、同様の方法を用いることができる。
以上の工程により、図7(e)に示すように、振動系2および枠部31が一体的に形成された構造体が得られる。
そして、シリコン基板9の一方の面に、凹部321を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスクを形成する。
次に、この金属マスクを介して、シリコン基板9の一方の面側をエッチングした後、金属マスクを除去する。これにより、図8(g)に示すように、凹部321が形成された底部材32が得られる。
電極4は、底部材32の凹部321が形成された面に金属膜を成膜し、電極4の形状に対応するマスクを介して金属膜をエッチングを行った後、マスクを除去することにより形成することができる。
次に、図9(i)に示すように、前記工程[A1]で得られた構造体の枠部31と底部材32とを、例えば直接接合等により接合して接合体を得る。
そして、シリコン基板8の一方の面に、スペーサ34の形状に対応するように、例えば、レジストマスク形成する。
次に、このレジストマスクを介して、シリコン基板8が貫通するまでエッチングした後、レジストマスクを除去する。これにより、シリコン基板8には、図9(k)に示すように、開口部341が形成され、スペーサ34が得られる。
次に、図10(m)に示すように、スペーサ34と蓋部材(好ましくはガラス基板)33とを、例えば陽極接合等により接合する。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ1が製造される。
また、スペーサ34の形成工程や、スペーサ34と蓋部材33との接合工程は、蓋部材33をエッチング等より加工する工程より簡易に行うことができる工程である。また、スペーサ34の厚さを設定することにより、第1の質量部21、22および第2の質量部23と蓋部材33との間隔を所望のものに容易に設定することができる。したがって、前述したような製造方法によれば、アクチュエータ1の製造工程の簡易化を図ることができる。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図11は、第2実施形態のアクチュエータを示す縦断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図11中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第2実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、図11に示す基体3には、凹部(逃げ部)321が底部材32の下面(振動系2と反対側の面)に開放することにより第2の開口321aが形成され、その下側(凹部30と反対側)には、第2の開口321aを気密的に封止する平板状をなす封止部材35が設けられている。
このような第2実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
特に、本実施形態においては、凹部321が貫通しているため、第2の質量部23の下面(凹部321側の面)に光反射部を設けることにより、アクチュエータ1の下方より入射する光も利用することができる。その結果、アクチュエータ1を、機能性の高いものとすることができる。
次に、本発明のアクチュエータの第3実施形態について説明する。
図12は、本発明のアクチュエータの第3実施形態を示す平面図(内部透視図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図12中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
第3実施形態のアクチュエータ1は、基体3と、第1の質量部21、22と、第2の質量部23との連結構造が異なり、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ1と同様である。
このような第3実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
なお、本実施形態のように、二対の第1の弾性連結部24’と二対の第2の弾性連結部25’を有する場合、前記実施形態で説明したばね定数k1、k2は、ほぼ同じ位置で連結している2つの弾性連結部を一体的なものとみなして求められるものである。
次に、本発明のアクチュエータの第4実施形態について説明する。
図13は、本発明のアクチュエータの第4実施形態を示す平面図(内部透視図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図13中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
第4実施形態のアクチュエータ1は、電磁力(ローレンツ力)により駆動するように構成され、それ以外は、前記第1実施形態のアクチュエータ1と同様である。
すなわち、図13に示すアクチュエータ1は、枠部31に絶縁膜(図示せず)を介して設けられた4つの端子10と、第1の質量部21、22の上面(蓋部材33側の面)に設けられたコイル20と、第1の質量部21、22を介して弾性連結部(回動中心軸26)を中心に対向(ほぼ対称に)配置された一対の永久磁石40とを有している。
また、コイル20の端部は、端子10と接続されている。
端子10は、図示せぬ電源に接続されており、コイル20に交流電圧を印加できるようになっている。
このアクチュエータ1では、コイル20に交流電圧を印加すると、コイル20(第1の質量部21、22)と永久磁石40との間でローレンツ力が生じ、そのローレンツ力によって、第1の質量部21、22が回動(駆動)し、この第1の質量部21、22の駆動に伴って、第2の質量部23が回動(駆動)する。
このような第4実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
次に、本発明のアクチュエータの第5実施形態について説明する。
図14は、本発明のアクチュエータの第5実施形態を示す平面図(内部透視図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図14中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態のアクチュエータについて、前記第1実施形態のアクチュエータとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、図14に示すアクチュエータ1は、第1の質量部21、22の上面(蓋部材33側の面)の端部に、それぞれ、1つのピエゾアクチュエータ(圧電素子を備えたアクチュエータ)400が設けられている。
このような第5実施形態のアクチュエータ1によっても、前記第1実施形態のアクチュエータと同様の作用・効果が得られる。
なお、本実施形態では、ピエゾアクチュエータ400を第1の質量部21、22の上面の端部にそれぞれ設けたが、これに限らず、例えば、第1の質量部21、22の上面の全面に設けてもよいし、第1の質量部21、22の下面(底部材32側の面)の端部または全面に設けてもよい。
以上、本発明のアクチュエータについて、図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、本発明のアクチュエータでは、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、第1の弾性連結部を一対または二対有するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、三対以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、光反射部231が第2の質量部23の蓋部材33側の面に設けられている構成について説明したが、例えば、その逆の面に設けられている構成であってもよいし、両方の面に設けられている構成であってもよい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、第1の質量部21、22に対応する位置に、それぞれ一対の電極4を設けたが、これに限らず、それぞれ、電極4を1つ、もしくは3つ以上設けてもよい。
なお、第1の質量部21、22に対応する位置に、それぞれ1つの電極4を設けた場合は、例えば、オフセット電圧を加えた、最小電位がグランド電位である正弦波(交流電圧)等を印加するのが好ましい。
また、前述した第1〜第3実施形態では、第1の質量部21、22の電極4と対向する面に、短絡防止用の絶縁膜が設けられている構成について説明したが、例えば、このような絶縁膜は、電極4の表面に設けられていてもよいし、両方に設けられていてもよい。
また、前述した実施形態では、第1の質量部が一対で設けられる構成のものであったが、第1の質量部は、第2の質量部を囲むように設けられる構成のものであってもよい。
Claims (16)
- 凹部を有し、該凹部が開放する開口が形成された基体と、
前記凹部内に設けられ、交流電圧を印加することによって、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第1の質量部と、該第1の質量部の回動に伴い、前記第1の質量部の内側において、前記開口の開口面に対して傾斜するように回動可能な第2の質量部とを備える2自由度振動系と、
前記基体の前記開口を覆うように設けられた平板状部材と、
平面視において前記第1の質量部と重ならないように設けられ、前記基体と前記平板状部材との間隔を規定するとともに、前記凹部の気密性を保持するスペーサとを有することを特徴とするアクチュエータ。 - 前記スペーサの平均厚さは、1〜2000μmである請求項1に記載のアクチュエータ。
- 前記スペーサは、シリコンを主材料として構成されたものである請求項1または2に記載のアクチュエータ。
- 前記基体には、その前記凹部の底面に、前記第2の質量部が回動したとき、該第2の質量部が前記基体に接触するのを防止するための逃げ部が形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記基体には、前記逃げ部が前記2自由度振動系と反対側の面で開放することにより、第2の開口が形成され、
前記基体の前記凹部と反対側には、前記第2の開口を気密的に封止する平板状をなす封止部材が設けられている請求項4に記載のアクチュエータ。 - 前記2自由度振動系は、前記第1の質量部を一対備え、
前記一対の第1の質量部の一方は、前記第2の質量部の一端側に設けられ、他方は、前記第2の質量部の他端側に設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記一方の第1の質量部の回動中心軸と、該一方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をL1とし、前記他方の第1の質量部の回動中心軸と、該他方の第1の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をL2とし、前記第2の質量部の回動中心軸と、該第2の質量部の前記回動中心軸に対して、ほぼ垂直な方向の端部との間の距離をL3としたとき、L1とL3とが、L1<L3なる関係を満足し、かつ、L2とL3とが、L2<L3なる関係を満足する請求項6に記載のアクチュエータ。
- 前記距離L1と、前記距離L2とがほぼ等しい請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記交流電圧の周波数が、前記第1の質量部と前記第2の質量部とが共振する2自由度振動系の共振周波数のうち低いものとほぼ等しくなるように設定されている請求項1ないし8のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記2自由度振動系は、前記第1の質量部と前記基体とを、前記第1の質量部が前記基体に対して回動可能に連結する、少なくとも一対の第1の弾性連結部と、
前記第1の質量部と前記第2の質量部とを、前記第2の質量部が前記第1の質量部に対して回動可能に連結する、少なくとも一対の第2の弾性連結部とを備える請求項1ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記第1の弾性連結部のばね定数をk1とし、前記第2の弾性連結部のばね定数をk2としたとき、k1とk2とが、k1>k2なる関係を満足する請求項10に記載のアクチュエータ。
- 前記2自由度振動系は、前記第1の弾性連結部および前記第2の弾性連結部のうちの少なくとも一方が、その内部にピエゾ抵抗素子を備えている請求項10または11に記載のアクチュエータ。
- 前記第1の質量部の慣性モーメントをJ1とし、前記第2の質量部の慣性モーメントをJ2としたとき、J1とJ2とがJ1≦J2なる関係を満足する請求項1ないし12のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記基体には、その前記凹部の底面に、前記第1の質量部と対向するように設けられた電極を有し、
該電極と前記第1の質量部との間に生じる静電気力によって、前記第1の質量部が回動する請求項1ないし13のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記平板状部材は、光透過性を有し、
前記第2の質量部の前記平板状部材側の面に、光反射部を有する請求項1ないし14のいずれかに記載のアクチュエータ。 - 前記平板状部材の表面粗さRaは、1μm以下である請求項15に記載のアクチュエータ。
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