JP4003552B2 - 光スキャナ、及びディスプレイ装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スキャナ、及びディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザー光線を走査する光スキャナでは、レーザー光線の放射方向をサーボモータにより回転駆動されたポリゴンミラー(多角柱状の鏡)によって転向して、レーザー光線の走査を行っていた。しかし、この形態の光スキャナでは、ポリゴンミラーやサーボモータ、サーボモータの駆動回路などを具備する必要があるため、一般的に装置の構成が大掛かりになり、小型化が困難であるという問題点があった。
【0003】
そこで、近年、例えば、特開平7−199099号公報に記載の光スキャナのように、平板状のミラーをねじりバネなどで支持してなるねじり振動系を圧電素子などによってねじり振動系のねじり方向に共振させ、ミラーをねじり方向に揺動することにより、レーザー光線を走査する共振型の光スキャナが開発されている。このような共振型の光スキャナでは、共振によってミラーに大きな傾きを与えることができるため、ポリゴンミラーやサーボモータを具備せずともレーザー光線を大きな範囲に渡って走査でき、小型化が容易であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、共振によってミラーを揺動すると、ミラーの傾きが変位する速度(角速度)は、正弦波状に変化する。即ち、揺動しているミラーの角速度は、ミラーの傾きがニュートラルな角度(つまり、傾きが0゜)からミラーの揺動方向が反転する角度に向かうに従って小さくなる一方、ミラーの傾きがミラーの揺動方向が反転する角度からニュートラルな角度に向かうに従って大きくなるのである。
【0005】
このため、図18に示すように、共振型の光スキャナでは、2次元走査の1つであるラスタ走査を行うと、副走査方向(図中縦方向)におけるレーザー光線の走査の軌跡が、副走査方向の両端部では間隔が狭く、密となる一方、副走査方向の中心部分では間隔が広く、疎になってしまうため、副走査方向の中心部分における分解能が低下するという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、2次元走査において、共振を用いずとも、簡素な装置構成で副走査方向に大きな走査範囲を確保でき、又、良好な分解能を得ることが可能な光スキャナ、ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための発明である請求項1記載の光スキャナでは、1対の駆動部が、1対の支持部における支持端とは反対側の駆動端をそれぞれ変位させることにより、支持端にて支持された放射部の光ビームの放射方向を変位させる。
ここで、1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなっている。
又、1対の駆動部はそれぞれ、1対の板状部材における開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、該1対の固定部材の各々と一体に設けられた1対の圧電素子とからなっている。
又、放射部は、1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持されている
又、ねじり支持部は、1対の支持部の各々に連結端側で支持されている。
そして、第1の加算器が、第1の駆動信号と第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、圧電素子の1つに供給する。
さらに、第2の加算器が、第1の駆動信号と、極性を逆転した第2の駆動信号とを加算し、加算した第2の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給する圧電素子が設けられた固定部材と1対の支持部の配列方向において対向する固定部材に設けられた圧電素子に供給する。
さらに、第3の加算器が、極性を逆転した第1の駆動信号と、第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、第2の加算器が第2の加算信号を供給する圧電素子が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた圧電素子に供給する。
さらに、第4の加算器が、極性を逆転した第1の駆動信号と、極性を逆転した第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給する圧電素子が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた圧電素子に供給する。
【0008】
このような光スキャナによれば、てこの原理によって、支持部における駆動端の変位量が支持端にて拡大されるため、支持端に支持された放射部に大きな傾きを与えることができる。即ち、共振を用いずとも、簡素な装置構成で大きな走査範囲を確保できる。尚、「一端を放射部を支持する支持端とする支持部」とあるが、支持部は、必ずしも支持端の先端部にて放射部を支持する必要はなく、先端部よりも駆動端寄りの部位にて放射部を支持しても良い(以下同様)
【0010】
さらに、このような光スキャナによれば、1対の支持部の各々における1対の板状部材が、所謂、平行リンクを構成しているため、1対の駆動部が、1対の板状部材のいずれか一方のみを変位方向に変位させたり、又、両方の板状部材を変位方向における互いに相反する向きに変位させることにより、1対の支持部を傾斜させることができる。尚、「開放端」は、「駆動端」に相当する(以下同様)
【0011】
さらに、このような光スキャナによれば、ねじり支持部をねじり方向に共振させて、放射部をねじり方向に揺動させることができるため、支持部の傾斜方向とねじり支持部のねじり方向とからなり2次元走査を行うことができる。
【0012】
次に、請求項2記載の光スキャナでは、1対の駆動部が、1対の支持部における支持端とは反対側の駆動端をそれぞれ変位させることにより、支持端にて支持された放射部の光ビームの放射方向を変位させる。
ここで、1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなっている。
又、1対の駆動部はそれぞれ、1対の板状部材における開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、該1対の固定部材の各々と一体に設けられた1対の磁石と、該1対の磁石の各々と対向する1対のソレノイドとからなっている。
又、放射部は、1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持されている
又、ねじり支持部は、1対の支持部の各々に連結端側で支持されている。
そして、第1の加算器が、第1の駆動信号と第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、ソレノイドの1つに供給する。
さらに、第2の加算器が、第1の駆動信号と、極性を逆転した第2の駆動信号とを加算し、加算した第2の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給するソレノイドと対向する磁石が設けられた固定部材と1対の支持部の配列方向において対向する固定部材に設けられた磁石と対向するソレノイドに供給する。
さらに、第3の加算器が、極性を逆転した第1の駆動信号と、第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、第2の加算器が第2の加算信号を供給するソレノイドと対向する磁石が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた磁石と対向するソレノイドに供給する。
さらに、第4の加算器が、極性を逆転した第1の駆動信号と、極性を逆転した第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給するソレノイドと対向する磁石が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた磁石と対向するソレノイドに供給する。
このような光スキャナによれば、請求項1記載の光スキャナと同様の効果を得ることができる。但し、磁石は全て、同一の極をソレノイドに対面させて固定部材に設けられる。
次に、請求項3記載の光スキャナでは、1対の駆動部が、1対の支持部における支持端とは反対側の駆動端をそれぞれ変位させることにより、支持端にて支持された放射部の光ビームの放射方向を変位させる。
ここで、1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなっている。
又、1対の駆動部はそれぞれ、1対の板状部材における開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、該1対の固定部材の各々と一体に設けられた1対の磁性体と、該1対の磁性体の各々と対向する1対のソレノイドとからなっている。
又、放射部は、1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持されている
又、ねじり支持部は、1対の支持部の各々に連結端側で支持されている。
そして、第1のダイオードが、第1の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流し、第2のダイオードが、第1の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する一方で、第3のダイオードが、第2の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流し、第4のダイオードが、第2の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する。
さらに、第1の加算器が、第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、ソレノイドの1つに供給する。
さらに、第2の加算器が、第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第2の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給するソレノイドと対向する磁性体が設けられた固定部材と1対の支持部の配列方法において対向する固定部材に設けられた磁性体と対向するソレノイドに供給する。
さらに、第3の加算器が、第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、第2の加算器が第2の加算信号を供給するソレノイドと対向する磁性体が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた磁性体と対向するソレノイドに供給する。
さらに、第4の加算器が、第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給するソレノイドと対向する磁性体が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた磁性体と対向するソレノイドに供給する。
このような光スキャナによれば、請求項1,2記載の光スキャナと同様の効果を得ることができる。
次に、請求項4記載の光スキャナでは、1対の駆動部が、1対の支持部における支持端とは反対側の駆動端をそれぞれ変位させることにより、支持端にて支持された放射部の光ビームの放射方向を変位させる。
ここで、1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなっている。
又、1対の駆動部はそれぞれ、1対の板状部材における開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、該1対の固定部材の各々と一体に設けられた1対の第1の電極と、該1対の第1の電極の各々と対向する1対の第2の電極とからなっている。
又、放射部は、1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持されている
又、ねじり支持部は、1対の支持部の各々に連結端側で支持されている。
そして、第1のダイオードが、第1の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流し、第2のダイオードが、第1の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する一方で、第3のダイオードが、第2の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流し、第4のダイオードが、第2の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する。
さらに、第1の加算器が、第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、第2の電極の1つに供給する。
さらに、第2の加算器が、第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第2の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給する第2の電極と対向する第1の電極が設けられた固定部材と1対の支持部の配列方法において対向する固定部材に設けられた第1の電極と対向する第2の電極に供給する。
さらに、第3の加算器が、第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、第2の加算器が第2の加算信号を供給する第2の電極と対向する第1の電極が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた第1の電極と対向する第2の電極に供給する。
さらに、第4の加算器が、第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第1の駆動信号と、第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、第1の加算器が第1の加算信号を供給する第2の電極と対向する第1の電極が設けられた固定部材と対になっている固定部材に設けられた第1の電極と対向する第2の電極に供給する。
このような光スキャナによれば、請求項1,2,3記載の光スキャナと同様の効果を得ることができる。
【0013】
尚、請求項4記載の光スキャナでは、請求項5記載のように、第1,2の電極のうちの少なくとも一方が、互いに対面する部分に絶縁体を有すれば、第1,2電極同士が接触する程度に固定部材の接続端を変位させても、第1,2電極同士の短絡を防止できる。又、請求項記載のように、固定部材が導体からなり、第1の電極を兼ねれば、駆動部をより簡素に構成できる。
ここで、第2の駆動信号の振幅が大きいと、1対の支持部が安定した速度で傾斜方向に傾斜するのに影響が出ることが考えられる。このため、請求項7記載のように、第2の駆動信号の振幅の最大値は、第1の駆動信号の振幅の最大値よりも小さく設定し、例えば、請求項8記載のように、第1の駆動信号の振幅の最大値の10分の1以下とすることが望ましい。
また、光スキャナが光ビームを一定速度、且つ、周期的な走査軌跡を描くように走査するためには、第1の駆動信号は、請求項9記載のように、同一の波形を周期的に繰り返すように設定されることが望ましい。
【0014】
ところで、放射部は、請求項10記載のように、外部の光源から照射された光を反射するミラーからなり、該ミラーにより反射される反射光を光ビームとして用いても良い。
但し、この場合、支持部が大きく傾斜すると、ミラーが光源の光軸から外れてしまうことが考えられる。このため、ミラーの中心は、請求項11記載のように、駆動端から支持端に向かう方向と直交し、且つ、支持部の中央を通過する軸上に位置していることが望ましい。つまり、支持部は、支持部の中央を通過する軸を支点に傾斜するため、ミラーの中心を上記のように配置すれば、支持部が大きく傾斜してもミラーの中心までもが支持部の傾斜方向にずれてしまうことがない。そして、ミラーの中心に光を照射するように光源を設定しさえすれば、支持部が大きく傾斜しても、ミラーが光源の光軸から外れてしまうことがない。
【0015】
又、ミラーが光源の光軸から外れることがないことから、ミラーの面積を小さく設定でき、光スキャナをより小型に構成できる
【0017】
ところで、上記いずれの光スキャナも、請求項12記載のように、少なくとも前記支持部と前記固定部材とは、単一の導体板から一体に形成されていることが望ましい。
このように構成された光スキャナでは、単一の導体板に屈曲加工などを施すだけで、支持部と固定部材とを構成できるため、光スキャナの製造工程を簡略化できる。尚、導体板としては、例えば、請求項13記載のように、ベリリウム銅もしくはステンレス鋼もしくはリン青銅を用いれば良い。
【0018】
次に、請求項14記載のディスプレイ装置では、変調手段が、光ビームの強度を変調する。そして、制御手段が、請求項1乃至請求項13いずれか記載の光スキャナを駆動すると共に、画像データに応じて変調手段を制御する。
このようなディスプレイ装置によれば、光ビームを走査して像を形成するため、例えば、液晶ディスプレイ装置のように、多数の表示素子を備える必要がない。即ち、簡素な構成からなり、小型化が容易なディスプレイ装置を提供できる。
【0019】
又、従来のディスプレイ装置のように、スクリーン上に像を投影するのに焦点を合わせる必要がなく、光スキャナからスクリーンまでの距離をどのように設定しても、はっきりとした像を投影できる。
ここで、ディスプレイ装置は、請求項15記載のように、光ビームを集光する集光手段を備えていても良い。
【0020】
この場合、集光手段が、走査された光ビームを集光するため、集光手段によって光ビームの走査範囲を人間の瞳の範囲内に縮小させることにより、直接、網膜にて像を形成できる。このため、近視、遠視、弱視の人でも鮮明な映像を見ることができる。又、使用者が見ている景色に光ビームによる像を重ね合わせることもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
まず、図1は、本実施形態の光スキャナ100の全体構成を示す斜視図、図2は、その分解図である。
【0034】
図1,2に示すように、光スキャナ100は、光源からの光を反射する平板状のミラー1と、ミラー1を支持すると共に、ミラー1の転向を行う可動部2と、可動部2が載置されるベース7と、可動部2をベース7に固定するカバー8とから構成されている。
【0035】
尚、ミラー1は、1辺が2mmからなる正方形の平面形状を有した厚さ0.3mmのガラス板からなり、その表面には、入射光を反射する反射膜がコーティングされている。
次に、ベース7は、絶縁性の樹脂もしくはセラミックからなり、扁平な四角柱に成形されている。ここで、ベース7の上面における互いに向かい合う2対の辺のうちの1対は、当該ベース7の厚み方向に隆起されている。そして、この1対の辺の各々の両端には、可動部2を載置する際の位置決めに用いる溝11と、内壁に雌ネジを有したネジ穴12とが、ネジ穴12を辺の端側に位置させて互いに隣り合って形成されている。
【0036】
又、カバー8は、ベース7と同様に絶縁性の樹脂もしくはセラミックからなり、四角形の枠状に成形されている。尚、カバー8の各辺の端部には、当該カバー8をベース7に固定するためのネジであるスクリュー9を挿通する挿通孔13が形成されている。
【0037】
そして、可動部2は、ミラー1と合同な平面形状を有し、片面にミラー1が接着される平板状のミラー接着部3と、ミラー接着部3をミラー接着部3の外周縁に沿って囲繞し、ベース7の厚み方向に立設された長方形の枠からなると共に、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材4により、ミラー接着部3を枠内における立設方向の両端から支持するねじり支持部5と、ねじり支持部5と同様に、ベース7の厚み方向に立設されると共に、ねじり支持部5を互いに挟むように配列され、上端にねじり支持部5が連結された1対の支持部6a,6bと、支持部6aの下端から、支持部6aに対して垂直な方向(ベース7の厚み方向に垂直な方向)に互いに離隔するように延設された長尺状の固定部材10a,10bと、支持部6bの下端から、支持部6bに対して垂直な方向に互いに離隔するように延設された長尺状の固定部材10c,10dとから構成されている。
【0038】
尚、固定部材10a,10b,10c,10dのうち、ねじり支持部5や1対の支持部6a,6bを挟んで一方の側には、固定部材10a,10cが配置され、又、他方の側には、固定部材10b,10dが配置されている。
そして、ミラー1は、反射面を固定部材10a,10cの延設方向に向けてミラー接着部3に接着されている。
【0039】
又、固定部材10a,10b,10c,10dの各々には、固定部材10a,10b,10c,10dと合同な平面形状を有するように成形された圧電素子14a,14b,14c,14dがそれぞれ接着剤(例えば、エポキシ系接着剤など)により接着され、固定部材10a,10b,10c,10dと共に、所謂、圧電ユニモルフを構成している。但し、圧電素子14a,14b,14c,14dは全て、負極側の電極を固定部材10a,10b,10c,10dに向けて接着されている。そして、固定部材10a,10b,10c,10dはそれぞれ、ベース7の溝11に載置されたのち、その上方からカバー8がベース7に固定されることにより、圧電素子14a,14b,14c,14dと共にベース7とカバーとの間に挟持される。
【0040】
ここで、図3は、成形前の可動部2の平面図である。
図3に示すように、可動部2は、厚さ50μmのベリリウム銅板から、ねじり支持部5と、ねじり支持部5の長手方向の両辺に沿った互いに平行な1対の長尺状の腕部15,16とが一体に打ち抜かれて形成されている。但し、腕部15,16は、ねじり支持部5の長手方向の4倍程度の長さを有し、ねじり支持部5が、腕部15,16の長手方向の中央から腕部15,16の長手方向の長さの1/4程度の距離だけ図中左方向にずれた位置に形成されている。又、ねじり支持部5の軸状部材4は、腕部15,16のそれぞれから等距離な位置に、腕部15,16に対して平行な向きで形成されている。更に、ミラー接着部3は、当該ミラー接着部3の中心が、軸状部材4の軸線と、ねじり支持部5の長手方向の中央を通り、軸状部材4の軸線と直交する軸線との交点に位置するように形成されている。
【0041】
そして、腕部15,16を長手方向に略4等分する図中の各線のうち(破線及び一点鎖線)の両端の一点鎖線に沿って、腕部15,16を図面手前側に直角に屈曲したのち、腕部15,16を長手方向の中央部の図中破線に沿って、図面奥側に直角に屈曲することにより、支持部6a,6bと固定部材10a,10b,10c,10dとがそれぞれ形成される。尚、支持部6a,6bは、腕部15,16の長手方向の中央の部位がコの字状に屈曲されてなるため、腕部15,16の部材が互いに平行に配置され、所謂、平行リンクを形成している。
【0042】
以下、光スキャナ100の駆動方法と可動部2の動作について詳述する。
まず、図4を用いて、圧電素子14a,14bと支持部6aとの動作を説明する。但し、図4は、可動部2の動作を説明するために必要な構成のみを抽出して示した説明図である。又、支持部6bも支持部6aと同様に動作するため、ここでは説明を省略する。
【0043】
図4に示すように、圧電素子14a,14bに電圧を印加する電源のグランドを可動部2に接続し、圧電素子14aの上面の電極(以下、単に「電極」という。)に正の電圧を印加すると、圧電素子14aが固定部材10aの面に沿った方向に収縮し、固定部材10aの両端が図中上方に撓もうとする。ここで、固定部材10aの先端部は、ベース7及びカバー8に固定されているため、固定部材10aにおける支持部6aとの連結端のみが図中上方に変位する。
【0044】
又、その一方で圧電素子14bの電極に負の電圧を印加すると、圧電素子14bが固定部材10bの面に沿った方向に伸長し、固定部材10bの両端が図中下方に撓もうとする。ここで、固定部材10bの先端部は、固定部材10aの先端部と同様、ベース7及びカバー8に固定されているため、固定部材10bにおける支持部6aとの連結端のみが図中下方へ変位する。
【0045】
そして、固定部材10a,10bと支持部6aとの各連結端が上記のように変位することによって、平行リンクを構成する支持部6aの上端は、固定部材10bの方へ傾斜する。
又、圧電素子14a,14bの電極のそれぞれに、上記とは逆の極性の電圧を印加すると、支持部6aと固定部材10aとの連結端が図中下方に変位し、固定部材10bと支持部6aの連結端が図中上方へ変位するため、支持部6aの上端は、固定部材10aの方へ傾斜する(図示せず)。
【0046】
以上のように圧電素子14a,14bと固定部材10a,10bとが動作することにより支持部6aが傾斜運動する。又、圧電素子14a,14bに印加する電圧を変化させることで支持部6aの傾斜量を制御できる。
次に、図5は、可動部2の傾斜運動と、それに伴うミラー1の反射光の走査軌跡とを示す説明図である。
【0047】
図5(a)に示すように、可動部2の固定部材10a,10cに設けられた圧電素子14a,14cの電極にそれぞれ正の電圧(ここでは+20V)を印加し、又、固定部材10b,10dに設けられた圧電素子14b,14dの電極にそれぞれ負の電圧(ここでは−20V)を印加すると、支持部6a,6bの上端は共に、固定部材10b,10dの延設方向に傾斜する。
【0048】
このとき、ねじり支持部5は、当該ねじり支持部5の長手方向の中央を通り、軸状部材4の軸線に直交する向きの軸iを軸にして、当該ねじり支持部5の上端が、固定部材10b,10dの延設方向に傾斜する。
そして、圧電素子14a,14b,14c,14dのそれぞれに、上記とは逆の極性の電圧を印加することにより、支持部6a,6bの上端は共に、上記とは逆向き(固定部材10a,10cの延設方向)に傾斜する(図示せず)。
【0049】
このとき、ねじり支持部5は、軸iを軸にして、当該ねじり支持部5の上端が、固定部材の10a,10cの延設方向に傾斜する。
以上のような傾斜運動をすることにより、ねじり支持部5は、ミラー1に反射される反射光を図5(b)のように図中縦方向に走査する。
【0050】
続いて、図6は、可動部2のねじり運動と、それに伴うミラー1の反射光の走査軌跡とを示す説明図である。
図6(a)に示すように、可動部2の圧電素子14a,14bにそれぞれ、+2V、−2Vの電圧を印加することにより、支持部6aの上端は、固定部材10bの方へ傾斜する。一方、可動部2の圧電素子14c、14dにそれぞれ、−2V、+2Vの電圧を印加することにより、支持部材6bの上端は、固定部材10cの方へ傾斜する。
【0051】
このとき、支持部6a,6bの上端は、互いに相反する向きに傾斜するため、ねじり支持部5は、軸状部材4の軸線jを軸にして、図面手前方向にねじり運動する。
そして、圧電素子14a,14b,14c,14dのそれぞれに、上記とは逆の極性の電圧を印加することにより、支持部6a,6bの上端はそれぞれ、上記とは逆向きに傾斜するため、ねじり支持部5は、軸jを軸にして、上記とは逆方向(図面奥方向)にねじり運動する(図示せず)。
【0052】
以上のようなねじり運動をすることにより、ねじり支持部5は、ミラー1に反射される反射光を図6(b)のように図中横方向に走査する。
ここで、図7に、光スキャナ100の駆動回路の構成図を示す。
図7に示すように駆動回路20は、正弦波からなる電圧信号(以下、「正弦波信号」という。)を発生する発振器21aと、ノコギリ波からなる電圧信号(以下、「ノコギリ波信号」という。)を発生する発振器21bと、発振器21a,21bの正弦波信号及びノコギリ波信号を加算し、圧電素子14a,14b,14c,14dへの駆動信号を生成する加算器22a,22b,22c,22dと、加算器22a,22b,22c,22dの出力をそれぞれ増幅するアンプ23a,23b,23c,23dとから構成されている。
【0053】
尚、正弦波信号は、0Vを中心に振動し、正の方向及び負の方向における電圧のピーク値がそれぞれ2V、−2V(ピーク間電圧が4V)に設定されている。但し、正弦波信号の周波数は、ミラー接着部3に接着されたミラー1がねじり支持部5のねじり方向において共振する周波数(数十kHz)に一致するようにされている。
【0054】
又、ノコギリ波信号は、0Vを中心に振動し、正の方向及び負の方向における電圧のピーク値が20V、−20V(ピーク間電圧40V)に設定されている。尚、ノコギリ波信号は、立ち下がりにおける電圧の勾配が、立ち上がりにおける電圧の勾配に比べて急にされている。又、ノコギリ波信号の周波数は、数十Hzに設定されている。
【0055】
そして、加算器22aは、発振器21aの極性を逆転した正弦波信号と発振器21bのノコギリ波信号とを加算し、その加算信号(つまり、駆動信号)をアンプ23aを介して圧電素子14cに供給するようにされている。
又、加算器22bは、正弦波信号とノコギリ波信号とを加算し、その加算信号をアンプ23bを介して圧電素子14aに供給するようにされている。
【0056】
又、加算器22cは、正弦波信号と極性を逆転したノコギリ波信号とを加算し、その加算信号をアンプ23cを介して圧電素子14dに供給するようにされている。
又、加算器22dは、極性を逆転した正弦波信号と極性を逆転したノコギリ波信号とを加算し、その加算信号をアンプ23dを介して圧電素子14bに供給するようにされている。
【0057】
このように構成された駆動回路20によって、ノコギリ波信号に正弦波信号が重畳された4種類の駆動信号が生成され、ねじり支持部5にノコギリ波信号に従った周期的な傾斜運動と正弦波信号に従った周期的なねじり運動とを発生させる。尚、図8(a)に示すように、これら4種類の駆動信号のうち、圧電素子14a,14cへの駆動信号と圧電素子14b,14dへの駆動信号とでは、ノコギリ波信号成分の極性が互いに相反し、又、圧電素子14a,14dへの駆動信号と圧電素子14b,14cへの駆動信号とでは、正弦波信号成分の極性が互いに相反している。
【0058】
そして、この結果、ねじり支持部5は、ミラー1に反射される反射光を図8(b)に示すようにラスタ走査する。
以上のように構成された本実施形態の光スキャナ100によれば、てこの原理によって、支持部6a,6bと固定部材10a,10b,10c,10dとの連結端における変位量が支持部6a,6bの上端にて拡大されるため、支持部6a,6bの上端にて支持されたねじり支持部5に大きな傾きを与えることができる。即ち、共振を用いずとも、ミラー1に大きな傾きを与えることができるため、簡素な装置構成でありながらも、副走査方向に大きな走査範囲を確保できる。
【0059】
又、ミラー接着部3の中心が、軸状部材4の軸線(つまり、軸j)と、ねじり支持部5の長手方向の中央を通り、軸状部材4の軸線と直交する軸線(つまり、軸i)との交点に位置しているため、このミラー接着部3に接着されたミラー1は、ねじり支持部5が大きく傾斜しても、当該ミラー1の中心までもが傾斜方向にずれてしまうことがない。このため、ミラー1の中心に光を照射するように光源を設定しさえすれば、ねじり支持部5が大きく傾斜してもミラー1が光源の光軸から外れてしまうことがない。即ち、ミラー1の面積を小さく設定できるため、光スキャナ100を小型に構成できる。
【0060】
又、電圧の大きさが時間に対して一定の割合で変化するノコギリ波信号を圧電素子14a,14b,14c,14dに供給しているため、時間に対するねじり支持部5の傾斜量の変化の割合を略一定にすることができる。即ち、ミラー1の傾斜量も時間に対して一定の割合で変化させることができるため、ミラー1に反射された反射光を一定速度で走査することができる。従って、ラスタ走査を行っても、走査の軌跡の副走査方向の間隔を均一にできるため、従来装置のように、副走査方向の中心部分における分解能の低下を招くことを防止できる。
【0061】
更に、ねじり支持部5によって、ミラー1をねじり支持部5のねじり方向に揺動可能に支持すると共に、ねじり支持部5を、ミラー接着部3に接着されたミラー1がねじり支持部5のねじり方向において共振する周波数を有した正弦波信号によりねじり方向にねじるため、共振によってミラー1を大きく揺動させることができる。尚、正弦波信号の振幅の最大値は、ノコギリ波信号の振幅の最大値の10分の1に設定されているため、ねじり支持部5が安定した速度で傾斜するのに影響が出ることを防止できる。
【0062】
そして、ノコギリ波信号及び正弦波信号は、同一の波形を周期的に繰り返すように設定されているため、光スキャナ100は、周期的な走査軌跡を描くことができる。
又、可動部2は、全ての構成要素が、同一のベリリウム銅板を屈曲加工などを施すだけで一体に形成されているため、手間を掛けずに製造できる。
【0063】
尚、本実施形態の光スキャナ100では、圧電素子14a,14b,14c,14dに代えて、図12に示す電磁アクチュエータ40を用いて、ねじり支持部5を傾斜運動やねじり運動させても良い。但し、ここでは、支持部6aと電磁アクチュエータ40との動作についてのみ説明するが、支持部6bも同様に動作する(以下、同様)。
【0064】
図12に示すように、電磁アクチュエータ40は、固定部材10a,10bの連結端近傍の底面に接着された磁石41a,41bと、磁石41a,41bと対向するように固定部材10a,10bの底面の下方に配置されたソレノイド42a,42bとから構成されている。尚、磁石41a,41bはN極側を固定部材10a,10bの底面に接着され、S極側をソレノイド42a,42bに対面させている。
【0065】
このように構成された電磁アクチュエータ40では、例えば、ソレノイド42aにおける磁石41aと対面している側をS極、ソレノイド42bにおける磁石41bと対面している側をN極に設定すると、磁石41aが反発すると共に、磁石41bが吸引され、固定部材10aの連結端が図中上方に、又、固定部材10bの連結端が図中下方に変位するため、支持部6aの上端は、固定部材10bの方へ傾斜する。
【0066】
又、上記とは逆の極性を有するようにソレノイド42a,42bを設定すると、支持部6aの上端は、固定部材10aの方へ傾斜する(図示せず)。
このような電磁アクチュエータ40を用いても、圧電素子14a,14b,14c,14dを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0067】
又、光スキャナ100では、図13に示す電磁アクチュエータ50を用いてねじり支持部5を傾斜運動やねじり運動させても良い。
尚、電磁アクチュエータ50は、上記電磁アクチュエータ40の磁石41a,41bを鉄やニッケルなどの磁性体51a,51bに代えただけで、他の構成は電磁アクチュエータ40と全く同様である。
【0068】
図13に示すように、この電磁アクチュエータ50では、ソレノイド42a,42bの電磁力は吸引力として磁性体51a,51bに作用するため、ソレノイド42a,42bを交互にONして、磁性体51a,51bを交互に吸引することにより、固定部材10a,10bの連結端を交互に下方向に変位させ、支持部6aを固定部材10aや固定部材10bの方へ傾斜運動させる。
【0069】
尚、この電磁アクチュエータ50を用いた場合、吸引力のみによって支持部6a,6bを傾斜させるため、ねじり支持部5に周期的な傾斜運動と周期的なねじり運動を発生させるには、上述の駆動回路20に代えて、図11に示す駆動回路30を用いる。
【0070】
この駆動回路30は、駆動回路20で用いた発振器21a,21bと、発振器21a,21bからの正弦波信号及びノコギリ波信号を半波整流するダイオード32a,32b,32c,32dと、ダイオード32a,32b,32c,32dにより半波整流された正弦波信号及びノコギリ波信号を加算して、駆動信号を生成する加算器33a,33b,33c,33dとから構成されている。
【0071】
尚、ダイオード32a,32dはそれぞれ、アノード側を発振器21a,21bに接続され、正弦波信号及びノコギリ波信号を正のサイクルのみに半波整流するようにされている。又、ダイオード32b,32cはそれぞれ、カソード側を発振器21a,21bに接続され、正弦波信号及びノコギリ波信号を負のサイクルのみに半波整流するようにされている。
【0072】
そして、加算器33aは、ダイオード32aによって正のサイクルのみに半波整流された正弦波信号と、ダイオード32cによって負のサイクルのみに半波整流されたノコギリ波信号とを加算し、その加算信号を固定部材10cの底面の下方に設置されたソレノイド42cに供給するようにされている。
【0073】
又、加算器33bは、ダイオード32bによって負のサイクルのみに半波整流された正弦波信号と、ダイオード32cによって負のサイクルのみに半波整流されたノコギリ波信号とを加算し、その加算信号を固定部材10aの底面の下方に設置されたソレノイド42aに供給するようにされている。
【0074】
又、加算器33cは、ダイオード32aによって正のサイクルのみに半波整流された正弦波信号と、ダイオード32dによって正のサイクルのみに半波整流されたノコギリ波信号とを加算し、その加算信号を固定部材10bの底面の下方に設置されたソレノイド42bに供給するようにされている。
【0075】
又、加算器33dは、ダイオード32bによって負のサイクルのみに半波整流された正弦波信号と、ダイオード32dによって正のサイクルのみに半波整流されたノコギリ波信号とを加算し、その加算信号を固定部材10dの底面の下方に設置されたソレノイド42dに供給するようにされている。
【0076】
このような駆動回路30では、ソレノイド42a,42cとソレノイド42b、42dとに交互にノコギリ波信号を与えると共に、ソレノイド42a,42dとソレノイド42b,42cとに交互に正弦波信号を与えるため、ねじり支持部5に周期的な傾斜運動と周期的なねじり運動とを発生させることができる。そして、圧電素子14a,14b,14c,14dや電磁アクチュエータ40を駆動回路20で駆動した場合と同様の効果を得ることができる。
【0077】
又、本実施形態の光スキャナ100では、図14に示す静電アクチュエータ60を用いて、ねじり支持部5を傾斜運動やねじり運動させても良い。
この静電アクチュエータ60は、固定部材10a,10bの連結端近傍の底面と対向するように配置された電極61a,61bから構成されている。但し、固定部材10a,10bは、電極61a,61bに電圧を印加する電源のグランドに接続されている。又、固定部材10a,10bの底面と対面する電極61a,61bの面にはそれぞれ、絶縁体からなる絶縁膜62a,62bが設けられている。
【0078】
このように構成された静電アクチュエータ60では、電極61a,61bに正又は負の電圧を交互に印加することにより発生する静電気力によって固定部材10a,10bを吸引する。
尚、電極61a,61bには、絶縁膜62a,62bが設けられているため、固定部材10a,10bの連結端の変位量が過大になり、固定部材10a,10bの底面が電極61a,61bに接触しても、固定部材10a,10bと電極61a,61bとが短絡することを防止できる。
【0079】
尚、この静電アクチュエータ60によって、ねじり支持部5に周期的な傾斜運動やねじり運動を発生させるには、上述の駆動回路30を用いる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
【0080】
本実施形態は、第1実施形態の光スキャナ100をディスプレイ装置に適用したものである。
ここで、図9は、本実施形態のディスプレイ装置200の構成を示す説明図である。
【0081】
図9に示すように、ディスプレイ装置200は、第1実施形態の光スキャナ100と、レーザー素子を備え、レーザー光線を光スキャナ100のミラー1に放射する光源101と、AOM(Acoust Optic Modulator)やEOM(Electro-Optic effect Modulator)などの光変調素子を備え、光源101から放射されたレーザー光線の強度を変調する光変調装置102と、駆動回路20を有して光スキャナ100を駆動すると共に、画像データに基づいて、光変調装置102の変調処理を制御する制御装置103と、光スキャナ100によって走査されたレーザー光線を投影する平板状のスクリーン104とから構成されている。
【0082】
このように構成されたディスプレイ装置200では、制御装置103が、光変調装置102を制御して、スクリーン104上に投影する画像データに基づいた強度のレーザー光線を変調させると共に、光スキャナ100を駆動して、変調されたレーザー光線をスクリーン104上にラスタ走査させる。
【0083】
以上のように、本実施形態のディスプレイ装置200は、レーザー光線を走査してスクリーン104上に像を形成するため、例えば、液晶ディスプレイ装置のように、多数の表示素子を備える必要がない。即ち、簡素な構成からなり、小型化が容易なディスプレイ装置を提供できる。
【0084】
又、従来のディスプレイ装置のように、スクリーン104上に像を投影するのに焦点を合わせる必要がないので、光スキャナ100からスクリーン104までの距離をどのように設定しても、はっきりとした像を投影できる。
又、スクリーンの投影面が曲面からなっていても、像を形成できる。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態について説明する。
【0085】
本実施形態は、第1実施形態の光スキャナ100を第2実施形態とは異なるディスプレイ装置に適用したものである。尚、本実施形態のディスプレイ装置は、第2実施形態のディスプレイ装置200とは構成が一部異なるだけである。従って、ディスプレイ装置200と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を省略し、異なる構成要素についてのみ詳述する。
【0086】
ここで、図10は、本実施形態のディスプレイ装置の構成を示す説明図である。
図10に示すように、ディスプレイ装置300は、第2実施形態のディスプレイ装置200のスクリーン104に代えて、レーザー光線を集光する集光レンズ105を備えている。
【0087】
このように構成されたディスプレイ装置300では、集光レンズ105上に形成された像は、集光レンズ105によって反転され、焦点にて1点に集光されたのち発散する。
このため、集光レンズ105の焦点に肉眼の瞳を配置すれば、像は、網膜に投影される。
【0088】
従って、本実施形態のディスプレイ装置300によれば、レーザー光線の走査範囲を人間の瞳の範囲内に縮小して、直接、網膜に像を形成できるため、近視、遠視、弱視の人でも鮮明な映像を見ることができる。
又、使用者が見ている景色にレーザー光線による像を重ね合わせることもできる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、光スキャナ100の可動部2は、ミラー1を軸状部材4によってねじり方向に揺動可能に支持していたが、1次元走査のみを行う光スキャナの場合には、図15に示す光スキャナ400の可動部70のように、1対の支持部71a,71b間に平板状のミラー接着部72が1対の支持部71a,71bと一体に形成され、このミラー接着部72にミラー73が接着されていても良い。
【0090】
このような光スキャナ400では、ミラー73がねじり方向に揺動しないため、ミラー73に反射された反射光をミラー接着部73の傾斜方向のみに一次元走査させることができる。
又、上記実施形態では、可動部2を製造する際、図16,17に示すように、腕部15,16における屈曲加工を施す部位(以下、「屈曲部位」という。)にポリイミドヒンジ81や打ち抜き孔82を形成すると良い。
【0091】
このような加工を腕部15,16に施せば、腕部15,16における屈曲部位の剛性を小さくできるため、容易に屈曲加工ができる上、支持部6a,6bやねじり支持部5の傾斜量を大きくできる。
尚、ポリイミドヒンジ81を形成するには、半導体製造に利用されている工程を適用すれば良い。即ち、まず、シリコンやガラスなどからなる基板にフォトレジストをスピンコートしたのち、このフォトレジストによって、屈曲加工前の可動部2を基板に貼り付ける。次いで、可動部2の屈曲部位にエッチング処理を施して、可動部2を屈曲部位にて分離すると共に、可動部2の全面にポリイミドを塗布して熱硬化させる。続いて、可動部2の全面にフォトレジストを塗布して熱硬化させたのち、屈曲部位のみをマスクしてフォトレジスタを露光し、屈曲部位のみにフォトレジスタを残す。そして、エッチング加工によって、可動部2の屈曲部位以外に塗布されたポリイミドを除去したのち、有機溶剤などによって、屈曲部位に残されたフォトレジスタを除去すると共に、基板に塗布されたフォトレジストも除去して可動部2を基板から分離し、ポリイミドヒンジ81が形成された可動部2を完成する。
【0092】
又、上記実施形態では、ねじり支持部5を傾斜運動させるのにノコギリ波信号を用いたが、三角波からなる電圧信号を用いても良い。
又、上記実施形態では、ねじり支持部5をねじり運動させるのに正弦波信号を用いたが、共振周波数を有する矩形波からなる電圧信号を用いても良い。
【0093】
又、上記実施形態では、光スキャナ100は、固定部材10a,10b,10c,10dの全てに圧電素子14a,14b,14c,14dが接着され、全ての固定部材10a,10b,10c,10dの連結端を変位させてねじり支持部5を傾斜運動やねじり運動させていたが、固定部材10a,10cもしくは固定部材10b、10dにのみ圧電素子を設け、ねじり支持部5を傾斜運動やねじり運動させても良い。但し、この場合、支持部6a,6bを傾斜させる力が減少するため、圧電素子に印加する電圧の振幅を大きく設定することが望ましい。
【0094】
又、上記実施形態では、可動部2は、ベリリウム銅からなっていたが、例えば、ステンレス鋼やリン青銅などの弾性を有した導体板からなっていても良い。
又、上記実施形態では、圧電素子14a,14b,14c,14dを固定部材10a,10b,10c,10dに接着して圧電ユニモルフを構成しているが、固定部材10a,10b,10c,10dにゾルゲル法やスパッタ法などの加工を施して圧電ユニモルフを構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光スキャナ100の全体構成を示す斜視図である。
【図2】光スキャナ100の分解図である。
【図3】成形前の可動部2の平面図である。
【図4】圧電素子14a,14bと支持部6aとの動作を示す説明図である。
【図5】可動部2の傾斜運動と、それに伴うミラー1の反射光の走査軌跡とを示す説明図である。
【図6】可動部2のねじり運動と、それに伴うミラー1の反射光の走査軌跡とを示す説明図である。
【図7】光スキャナ100の駆動回路20の構成図である。
【図8】駆動回路20の駆動信号の波形と、光スキャナ100の走査軌跡とを示す説明図である。
【図9】第2実施形態におけるディスプレイ装置200の構成図である。
【図10】第3実施形態におけるディスプレイ装置300の構成図である。
【図11】駆動回路30の構成図である。
【図12】電磁アクチュエータ40と支持部6aとの動作を示す説明図である。
【図13】電磁アクチュエータ50と支持部6aとの動作を示す説明図である。
【図14】静電アクチュエータ60と支持部6aとの動作を示す説明図である。
【図15】光スキャナ400の全体構成を示す斜視図である。
【図16】腕部15,16にポリイミドヒンジ81を形成された成形前の可動部2の平面図である。
【図17】腕部15,16に打ち抜き孔82が形成された成形前の可動部2の平面図である。
【図18】従来の光スキャナによるラスタ走査の軌跡を示す説明図である。
【符号の説明】
1,73…ミラー、 2,70…可動部、 3,72…ミラー接着部、 4…軸状部材、 5…ねじり支持部、 6a,6b,71a,71b…支持部、 7…ベース、 8…カバー、 9…スクリュー、 10a,10b,10c,10d…固定部材、 13…挿通孔、 14a,14b,14c,14d…圧電素子、 15,16…腕部、 20,30…駆動回路、 21a,21b…発振器、22a,22b,22c,22d…加算器、 23a,23b,23c,23d…アンプ、 32a,32b,32c,32d…ダイオード、 33a,33b,33c,33d…加算器、 40,50…電磁アクチュエータ、 41a,41b…磁石、 42a,42b,42c,42d…ソレノイド、 51a,51b…磁性体、 60…静電アクチュエータ、 61a,61b…電極、 62a,62b…絶縁膜、 81…ポリイミドヒンジ、 82…打ち抜き孔、 100,400…光スキャナ、 101…光源、 102…光変調装置、 103…制御装置、 104…スクリーン、 105…集光レンズ、 200,300…ディスプレイ装置。

Claims (15)

  1. 光ビームを放射する放射部と、
    該放射部を挟んで設けられ、一端を該放射部を支持する支持端とする1対の支持部と、
    該1対の支持部の前記支持端とは反対側の駆動端にそれぞれ設けられ、該駆動端を変位させることにより前記支持端に支持された前記放射部の前記光ビームの放射方向を変位させる1対の駆動部と、
    を備え、
    前記1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなり、
    前記1対の駆動部はそれぞれ、
    前記1対の板状部材における連結端とは反対側の開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、
    該1対の固定部材の各々と一体に設けられ、該1対の固定部材の各々の延設方向に沿って伸縮する1対の圧電素子と、からなり、
    前記放射部は、前記1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持され、
    該ねじり支持部は、前記1対の支持部の各々に前記連結端側で支持され、
    さらに、
    三角もしくはノコギリ波からなる第1の駆動信号と、正弦波もしくは矩形波からなり、前記ねじり支持部のねじり方向における前記放射部の共振周波数に等しい周波数を有する第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、前記圧電素子の1つに供給する第1の加算器と、
    前記第1の駆動信号と、極性を逆転した前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第2
    の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記圧電素子が設けられた前記固定部材と前記1対の支持部の配列方向において対向する前記固定部材に設けられた前記圧電素子に供給する第2の加算器と、
    極性を逆転した前記第1の駆動信号と、前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、前記第2の加算器が前記第2の加算信号を供給する前記圧電素子が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記圧電素子に供給する第3の加算器と、
    極性を逆転した前記第1の駆動信号と、極性を逆転した前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記圧電素子が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記圧電素子に供給する第4の加算器とを備える
    ことを特徴とする光スキャナ。
  2. 光ビームを放射する放射部と、
    該放射部を挟んで設けられ、一端を該放射部を支持する支持端とする1対の支持部と、
    該1対の支持部の前記支持端とは反対側の駆動端にそれぞれ設けられ、該駆動端を変位させることにより前記支持端に支持された前記放射部の前記光ビームの放射方向を変位させる1対の駆動部と、
    を備え、
    前記1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなり、
    前記1対の駆動部はそれぞれ、
    前記1対の板状部材における連結端とは反対側の開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、
    該1対の固定部材の各々と一体に設けられた1対の磁石と、
    該1対の磁石の各々と対向する1対のソレノイドと、からなり、
    前記放射部は、前記1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持され、
    該ねじり支持部は、前記1対の支持部の各々に前記連結端側で支持され、
    さらに、
    三角もしくはノコギリ波からなる第1の駆動信号と、正弦波もしくは矩形波からなり、前記ねじり支持部のねじり方向における前記放射部の共振周波数に等しい周波数を有する第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、前記ソレノイドの1つに供給する第1の加算器と、
    前記第1の駆動信号と、極性を逆転した前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第2の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記ソレノイドと対向する前記磁石が設けられた前記固定部材と前記1対の支持部の配列方向において対向する前記固定部材に設けられた前記磁石と対向する前記ソレノイドに供給する第2の加算器と、
    極性を逆転した前記第1の駆動信号と、前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、前記第2の加算器が前記第2の加算信号を供給する前記ソレノイドと対向する前記磁石が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記磁石と対向する前記ソレノイドに供給する第3の加算器と、
    極性を逆転した前記第1の駆動信号と、極性を逆転した前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記ソレノイドと対向する前記磁石が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記磁石と対向する前記ソレノイドに供給する第4の加算器とを備える
    ことを特徴とする光スキャナ。
  3. 光ビームを放射する放射部と、
    該放射部を挟んで設けられ、一端を該放射部を支持する支持端とする1対の支持部と、
    該1対の支持部の前記支持端とは反対側の駆動端にそれぞれ設けられ、該駆動端を変位させることにより前記支持端に支持された前記放射部の前記光ビームの放射方向を変位させる1対の駆動部と、
    を備え、
    前記1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなり、
    前記1対の駆動部はそれぞれ、
    前記1対の板状部材における連結端とは反対側の開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、
    該1対の固定部材の各々と一体に設けられた1対の磁性体と、
    該1対の磁性体の各々と対向する1対のソレノイドと、からなり、
    前記放射部は、前記1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持され、
    該ねじり支持部は、前記1対の支持部の各々に前記連結端側で支持され、
    さらに、
    三角波もしくはノコギリ波からなる第1の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流する第1のダイオードと、
    前記第1の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する第2のダイオードと、
    正弦波もしくは矩形波からなり、前記ねじり支持部のねじり方向における前記放射部の共振周波数に等しい周波数を有する第2の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流する第3のダイオードと、
    前記第2の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する第4のダイオードと、
    前記第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、前記ソレノイドの1つに供給する第1の加算器と、
    前記第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第2の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記ソレノイドと対向する前記磁性体が設けられた前記固定部材と前記1対の支持部の配列方法において対向する前記固定部材に設けられた前記磁性体と対向する前記ソレノイドに供給する第2の加算器と、
    前記第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、前記第2の加算器が前記第2の加算信号を供給する前記ソレノイドと対向する前記磁性体が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記磁性体と対向する前記ソレノイドに供給する第3の加算器と、
    前記第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記ソレノイドと対向する前記磁性体が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記磁性体と対向する前記ソレノイドに供給する第4の加算器とを備える
    ことを特徴とする光スキャナ。
  4. 光ビームを放射する放射部と、
    該放射部を挟んで設けられ、一端を該放射部を支持する支持端とする1対の支持部と、
    該1対の支持部の前記支持端とは反対側の駆動端にそれぞれ設けられ、該駆動端を変位させることにより前記支持端に支持された前記放射部の前記光ビームの放射方向を変位させる1対の駆動部と、
    を備え、
    前記1対の支持部はそれぞれ、平行に配置され、一端が互いに連結された1対の板状部材からなり、
    前記1対の駆動部はそれぞれ、
    前記1対の板状部材における連結端とは反対側の開放端のそれぞれから互いに離隔する方向に延設され、その端部が固定された1対の固定部材と、
    該1対の固定部材の各々と一体に設けられた1対の第1の電極と、
    該1対の第1の電極の各々と対向する1対の第2の電極と、からなり、
    前記放射部は、前記1対の支持部から等距離に位置し、ねじりに対して弾性力を生じる1対の軸状部材によって、両支持部に沿った方向の両端からねじり支持部に支持され、
    該ねじり支持部は、前記1対の支持部の各々に前記連結端側で支持され、
    さらに、
    三角波もしくはノコギリ波からなる第1の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流する第1のダイオードと、
    前記第1の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する第2のダイオードと、
    正弦波もしくは矩形波からなり、前記ねじり支持部のねじり方向における前記放射部の共振周波数に等しい周波数を有する第2の駆動信号を正のサイクルのみに半波整流する第3のダイオードと、
    前記第2の駆動信号を負のサイクルのみに半波整流する第4のダイオードと、
    前記第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第1の加算信号を、前記第2の電極の1つに供給する第1の加算器と、
    前記第1のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第2の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記第2の電極と対向する前記第1の電極が設けられた前記固定部材と前記1対の支持部の配列方法において対向する前記固定部材に設けられた前記第1の電極と対向する前記第2の電極に供給する第2の加算器と、
    前記第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第3のダイオードによって正のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第3の加算信号を、前記第2の加算器が前記第2の加算信号を供給する前記第2の電極と対向する前記第1の電極が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記第1の電極と対向する前記第2の電極に供給する第3の加算器と、
    前記第2のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第1の駆動信号と、前記第4のダイオードによって負のサイクルのみに半波整流された前記第2の駆動信号とを加算し、加算した第4の加算信号を、前記第1の加算器が前記第1の加算信号を供給する前記第2の電極と対向する前記第1の電極が設けられた前記固定部材と対になっている前記固定部材に設けられた前記第1の電極と対向する前記第2の電極に供給する第4の加算器とを備える
    ことを特徴とする光スキャナ。
  5. 前記第1,2の電極のうちの少なくとも一方は、互いに対面する部分に絶縁体を有することを特徴とする請求項4記載の光スキャナ。
  6. 前記固定部材は導体からなり、前記第1の電極を兼ねることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の光スキャナ。
  7. 前記第2の駆動信号の振幅の最大値を前記第1の駆動信号の振幅の最大値よりも小さく設定することを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれか記載の光スキャナ。
  8. 前記第2の駆動信号の振幅の最大値は、前記第1の駆動信号の振幅の最大値の10分の1以下であることを特徴とする請求項7記載の光スキャナ。
  9. 前記第1の駆動信号は、同一の波形を周期的に繰り返すことを特徴とする請求項1乃至請求項8いずれか記載の光スキャナ。
  10. 前記放射部は、外部の光源から照射された光を反射するミラーからなり、該ミラーにより反射される反射光を前記光ビームとして用いることを特徴とする請求項1乃至請求項9いずれか記載の光スキャナ。
  11. 前記ミラーの中心は、前記駆動端から前記支持端に向かう方向と直交し、且つ、前記支持部の中央を通過する軸上に位置していることを特徴とする請求項10記載の光スキャナ。
  12. 少なくとも前記支持部と前記固定部材とが、単一の導体板から一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11いずれか記載の光スキャナ。
  13. 前記導体板は、ベリリウム銅もしくはステンレス鋼もしくはリン青銅からなっていることを特徴とする請求項12記載の光スキャナ。
  14. 請求項1乃至請求項13いずれか記載の光スキャナと、
    前記光ビームの強度を変調する変調手段と、
    前記光スキャナを駆動すると共に、画像データに応じて前記変調手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするディスプレイ装置。
  15. 前記光ビームを集光する集光手段を備えることを特徴とする請求項14記載のディスプレイ装置。
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