JP5500016B2 - 光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 - Google Patents

光偏向器、光走査装置、画像形成装置及び画像投影装置 Download PDF

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本発明は、レーザ光等の光ビームを偏向・走査する光偏向器、詳しくは圧電力を用いた光偏向器に関し、さらに、この光偏向器を備えた光走査装置、この光走査装置を光書込みユニットとして備える画像形成装置、この光偏向器を投影面の走査ユニットとして備える画像投影装置に関する。
一対のトーションバネで支持されたミラー部材に可動電極を設け、この可動電極と固定電極との間の静電力を駆動力として、ミラー部材を、トーションバネを捻り回転軸として往復振動させる光偏向器が知られている(例えば特許文献1,2参照)。このような光偏向器は、ミラー部材の共振周波数に駆動周波数を一致させた場合に、ミラー部材の振れ角を最大にすることができる。
特許文献1に記載されている光偏向器においては、ミラー部材に、レーザビームの照射により容易に割断可能な1つ又は複数の切片が設けられており、この切片の割断によってミラー部材の慣性モーメントを調節することにより共振周波数を調整可能である。
特許文献2に記載されている光偏向器においては、ミラー部材(ステージ)の裏面に対向する基板面に設けられた平板状のチューニング電極、あるいは、ミラー部材の裏面に設けられた電極と噛み合うように基板面に設けられた櫛歯状のチューニング電極への印加電圧の調節によって共振周波数を調節可能である。
一方、ミラー部材の駆動に圧電素子を用いる光偏向器も知られている。例えば特許文献3には、圧電素子が形成された2対の圧電ユニモルフ振動板をミラー部材に連結し、各対の圧電ユニモルフ振動板の圧電素子に逆位相の交流電圧を印加することにより、ミラー部材を、トーションバネを回転軸として往復振動させる光偏向器が記載されている。
さらに、以上に挙げた光偏向器とは振動系の構造及び挙動が異なるが、鏡面を持つ振動部と固定部とを弾性変形部(トーションバネ)を介して連結した振動子と、その固定部に弾性変形部に直交する方向の高周波振動を加える加振装置(例えば圧電素子)とを有し、振動子を共振振動させる光偏向器(光スキャン)が特許文献4に記載されている。この光偏向器においては、弾性変形部に設けた抵抗発熱素子又は圧電素子によって弾性変形部を加熱又は変形させ、弾性変形部のバネ定数を変化させることにより振動子の共振特性を調整可能である。
一対のトーションバネを捻り回転軸としてミラー部材を往復振動させるような光偏向器は、ミラー部材の共振周波数と駆動周波数とが一致したときにミラー部材の変位角が最大となる。しかしながら、製造工程におけるトーションバネやミラー部材の寸法のばらつき等によって共振周波数のばらつきが生じ、所望の駆動周波数が共振周波数帯域から外れるようなサンプルがある程度の割合で生じてしまう。しかも、この種の光偏向器は、環境温度によっても共振周波数が変動する。一般に環境温度が高くなるにつれて、共振周波数が低下する。
特許文献1に記載されている光偏向器おいては、共振周波数を一度調整すると再調整できず、環境温度による共振周波数の変動に対応できない。また、特許文献2に記載されている光偏向器は、原理的にミラー部の駆動に圧電素子を用いる光偏向器には適用することができない。
特許文献4に記載されている光偏向器においては、環境温度による共振周波数の変動にも対応可能であるが、弾性変形部に設けた圧電素子等によって弾性変形部を直接変形させる構成のため、共振周波数の調整範囲を広くすることができず、また、幅狭の弾性変形部に圧電素子等を設けなければならないため、製造が煩雑になる。
本発明は、ミラー部の駆動に圧電素子を用いる光偏向器において、環境温度などによる共振周波数の変動を広い範囲で調整可能な光偏向器を提供することにある。さらに、小型で駆動効率が良く、大きな回転振幅が得られる光偏向器を提供することにある。
また、本発明は、かかる光偏向器を備えた光走査装置、この光走査装置を光書込みユニットとして備える画像形成装置、かかる光偏向器を投影面の走査ユニットとして備える画像投影装置を提供することにある。
本発明の光偏向器は、固定ベースと、光反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の弾性支持部材と、一端が前記固定ベースに接続され、他端が前記弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された一対の振動梁とを有し、
前記振動梁は、交流電圧を印加することで、前記弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記ミラー部を所望共振周波数で回転振動せしめる駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記弾性支持部材に応力を与えて、前記共振周波数を調整する周波数調整梁とで構成され
前記弾性支持部材の長手方向と前記振動梁の長手方向とが略直交して配置されて、両者が接続され、一対の前記振動梁で、前記ミラー部と一対の前記弾性支持部材とが前記固定ベースに対して片持ち支持されることを特徴とする。
また、本発明の光偏向器は、可動枠と、光反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の第1の弾性支持部材と、一端が前記可動枠に接続され、他端が前記第1の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された第1の振動梁とを有し、
さらに、固定ベースと、前記可動枠を揺動可能に支持する一対の第2の弾性支持部材と、一端が前記固定ベースに接続され、他端が前記第2の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された複数の第2の振動梁とを有し、
前記第1の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第1の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記ミラー部を第1の所望共振周波数で第1の方向に回転振動せしめる第1の駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記第1の弾性支持部材に応力を与えて前記共振周波数を調整する第1の周波数調整梁とで構成され、
前記第2の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第2の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記可動枠を第2の所望共振周波数で回転振動させ、前記ミラー部を第2の方向に回転振動せしめる第2の駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記第2の弾性支持部材に応力を与えて前記共振周波数を調整する第2の周波数調整梁とで構成されることを特徴とする。また、周波数調整梁は、第1の周波数調整梁あるいは第2の周波数調整梁のいずれか一方のみとすることを特徴とする。
また、本発明の光走査装置は、光源と、光源からの光ビームを偏向させる上記構成の光偏向器と、偏向された光ビームを被走査面にスポット状に結像する結像光学系とを備えることを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、上記構成の光走査装置と、光ビームの走査により潜像を形成する感光体と、潜像をトナーで顕像化する現像手段と、トナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の画像投影装置は、光源と、前記光源からの光ビームを画像信号に応じて変調する変調器と、前記光ビームを略平行光とするコリメート光学系と、前記略平行光とされた光ビームを偏向して投影面に投射する上記構成の光偏向器とを有することを特徴とする。
本発明の光偏向器によれば、駆動梁と一体的に周波数調整梁を設け、該周波数調整梁により弾性支持部材に応力を作用させることで、共振周波数の変動を広い範囲で調整することが可能になる。また、駆動梁は周波数調整梁と共に、ミラー部と該ミラー部を揺動可能に支持する一対の弾性支持部材を固定ベースに対して片持ち支持することで、小型で、効率よくミラー部を回転させ、大きな回転振幅を得ることができ。
したがって、本発明の光偏向器を用いることで、特性の良い安定した光走査装置を提供でき、該光走査装置を光書込みユニットに用いることで、性能の良い画像形成装置を提供することができる。さらに、本発明の光偏向器を用いて、消費電力が小さく、広画角投影が可能な画像投影装置を提供することができる。
なお、本発明の光偏向器のさらなる構成・作用効果は、後述の実施の形態の説明で明らかになる。
本発明の実施例1の光偏向器の斜視図である。 図1の光偏向器の平面図である。 図1の光偏向器の駆動梁の構成を説明する図である。 図1の光偏向器のミラー部の回転振幅の周波数応答特性を示す図である。 図1の光偏向器のミラー部の2種類の固有振動モード形状を示す図である。 実施例1の等価モデルを示す図である。 実施例1の複数サンプルの共振周波数ばらつきを示す図である。 実施例1の環境温度と共振周波数の関係を示す図である。 実施例1における周波数調整梁の働きを説明する図である。 同じく実施例1における周波数調整梁の働きを説明する図である。 実施例1の簡略化したモデルを示す図である。 弾性支持部材に作用する応力と共振周波数の関係を示す図である。 実施例1における共振周波数調整の具体例を示す図である。 本発明の実施例2の光偏向器の斜視図である。 図14の光偏向器の平面図である。 図14の光偏向器のミラー部の回転振幅の周波数応答特性を示す図である。 図14の光偏向器のミラー部の2種類の固有振動モード形状を示す図である。 図14の光偏向器の駆動梁の撓み変形とミラー部の回転の関係を説明する図である。 本発明の実施例3の光偏向器の斜視図である。 実施例3における第2の周波数調整梁の働きを説明する図である。 同じく実施例3における第2の周波数調整梁の働きを説明する図である。 本発明の光偏向器を用いた光走査装置の一例の全体構成図である。 図22の光装置の光偏向器と駆動手段の接続を示す図である。 図22の光走査装置を光書込みユニットとして実装した画像形成装置の一例の全体構成図である。 本発明の光偏向器を用いた画像形成装置の一例の全体斜視図である。 図25の画像投影装置を駆動系も含めて示した概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に、本発明の光偏向器の実施例1の全体斜視図、図2に平面図を示す。図1,図2において、10は光を反射させる反射面を有するミラー部であり、このミラー部10の両端には、該ミラー部を揺動可能に支持する一対の弾性支持部材(トーションバースプリング)20が接続されている。この一対の弾性支持部材20のミラー部10と反対側の端部には、それぞれ該弾性支持部材20の長手方向と略直交する向きを長手方向とする一対の梁状部材31が接続され、該梁状部材31の他端は固定ベース60に接続されている。
一対の梁状部材31は、それぞれ固定ベース60から同一方向に突出し、各弾性支持部材20の片側にのみ配置されており、この一対の梁状部材31でミラー部10と一対の弾性支持20とを固定ベース60に対して片持ち支持した構成となっている。
各梁状部材31の片面に、それぞれ圧電材料32が積層され、梁状部材31と圧電材料32とで、平板短柵状のユニモルフ構造の駆動梁30を形成している。さらに、各梁状部材31と一体に、それぞれ弾性支持部材20とは接続されないように梁状部材41が伸延して設けられ、該梁状部材41の片面に、同様に圧電材料42が積層され、梁状部材41と圧電部材42とで、平状短柵状のユニモルフ構造の周波数調整梁40を形成している。
ここで、駆動梁30と周波数調整梁40とを一緒にした構成を振動梁50と称す。すなわち、振動梁50は、弾性支持部材20に接続されている駆動梁30の部分と弾性支持部材20に接続されていない周波数調整梁40の部分とからなる。
例えば、MEMS(micro electro mechanical systems)プロセスによって加工することで、ミラー部10、弾性支持部材20、駆動梁30、周波数調整梁40などを一体で形成する。ミラー部10は、シリコン基板の表面にアルミニウムや金などの金属の薄膜を形成することによって反射面を形成する。
ここで、図3により駆動梁30の詳細な構成を説明する。図3は、駆動梁30とその近傍の固定ベース60を拡大して示した模式図で、(a)は絶縁層で覆う前の平面図、(b)は絶縁層で覆った後の平面図、(c)は(b)のA−A’線部分の断面図である。なお、周波数調整梁40も同様の構成であるので、図示は省略する。
図3に示すように、駆動梁30は、固定ベース60から突出して形成された梁状部材31の上に、接着層33、下部電極35、圧電材料(圧電部材)32、上部電極34、絶縁層36の順でスパッタにより成膜し積層して構成され、ランド部37,38などの必要な部分だけが残るようにエッチング加工されている。接着層33の材料はチタン(Ti)、上部電極34、下部電極35は白金(Pt)、圧電材料32はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などが使用される。
ランド部37,38から配線を引き出し、上部電極34と下部電極35の間に電圧を印加すると、圧電材料32は、その電歪特性により、梁状部材31表面の面内方向に伸縮することで、駆動梁30全体が反って、曲げ変形する。各駆動梁30について、それぞれ圧電部材32に同相の電圧を印加することで、各駆動梁30が、同一方向に曲げ変形する。各駆動梁30の圧電部材32に印加する電圧の波形は、パルス波や正弦波などのいずれでもよい。
図1、図2に戻り、一対の弾性支持部材(トーションバースプリング)20と一対の駆動梁30の長手方向が略直交して配置されて接続されていることにより、駆動梁30の曲げ振動による該駆動梁30の先端の上下振動が弾性支持部材20の捻り中心軸に対して垂直に働くため、駆動梁30の曲げ振動が弾性支持部材20の回転振動(捻り振動)に効率よく変換され、ミラー部10が大きく回転振動する。また、一対の駆動梁30は一対の弾性支持部材20とミラー部10を片持ちした構成となっているため、各駆動梁30の先端は自由に振動することができ、ミラー部10はより大きな角度振動を得ることができる。さらに、梁状部材31は、弾性支持部材20の片側にのみ配置されているため、小型化が可能である。なお、周波数調整梁40の働きについては後述する。
図4に、本実施例の光偏向器における駆動梁30の圧電部材32への印加電圧に対するミラー部10の回転角度の振幅の周波数応答特性を示す。図4において、イとロはそれぞれ共振点であるが、イとロとでは、ミラー部10はそれぞれ異なる固有振動モード形状を示す。ここでは、イの共振点での固有振動モード形状をモード1、ロの共振点での固有振動モードをモード2と称す。
図5は、図4の周波数応答特性中の共振点イ、ロにおけるミラー部10の固有振動モード形状(モード1、モード2)を示したものである。図5(a)に示すように、モード1では、弾性支持部材20の曲げ変形が発生し、ミラー部10全体が図中Z方向に変動する。一方、モード2では、図5(b)に示すように、弾性支持部材20の曲げ変形がほとんどなく、弾性支持部材20が大きく捩じれて、ミラー部10はミラー中心近傍で大きく回転する。光偏向器では、ミラー部全体のZ方向の変動を阻止し、ミラー部10の中心近傍で回転させる必要があるため、モード2の固有振動モードでの周波数を使用すればよいことが分かる。
このように、モード2の固有周波数で、駆動梁30の圧電部材32へ印加電圧を与えることによって、ミラー部10は大きな角度振幅を得ることができ、かつ、ミラー部10全体のZ方向の変動を阻止することができる。具体的には、ミラー部形状(質量)と共振周波数から、弾性支持部材20の形状を決定し、駆動梁30の一次の曲げ変形のモードの固有周波数が、弾性支持部材20の一次の捻り変形のモードの固有周波数に略一致するように設定する。こうすることで、ミラー部10は大きな角度振幅で振動し、かつ、Z方向の変動の発生が阻止される。
なお、先に述べたように、各駆動梁30の圧電部材32への印加電圧の波形は、パルス波形でも、正弦波などの波状のいずれでもよく、その周波数がモード1の固有周波数近傍であればよい。
また、本実施例では、下部電極、上部電極と共に、スパッタにより圧電材料を成膜した構成を示したが(図3)、圧電材料はバルク材料を所定のサイズに切断したものを接着剤により貼り付けても良いし、またエアロゾルデポジション法(AD法)で形成しても良い。また、駆動梁は、梁状部材の片面に圧電材料が配置されたユニモルフ構造としたが、梁状部材の両面に圧電材料を配置したバイモルフ構造としてもよい。これは、以後の各実施例においても同様である。
次に、周波数調整梁40の働きについて詳述する。初めに、共振周波数の変動要因について説明する。共振周波数の変動要因には主に寸法のばらつきと環境温度変化の二つが考えられる。
まず、寸法のばらつきについて考察する。一般に製造プロセスの影響により、寸法にばらつきが発生する。図6は、図1の実施例1の光偏向器の等価モデルを示した図である。いま、図6のように、一対の弾性支持部材20とミラー部10から構成される共振振動体を考えた場合、近似的に共振周波数fは
で与えられる。ここで、Kは弾性支持部材バネ定数、Iはミラー慣性モーメントである。バネ定数Kは、弾性支持部材20の寸法によって大きく変化する。これにより、共振周波数fが大きくばらつくことになる。
図7に、いくつかのサンプルについて、環境温度を一定して共振周波数を測定した結果
示す。図7より、サンプルにより共振周波数がばらつくことが分かる。
次に、環境温度変化について考察する。ここでも、図6に示したように、一対の弾性支持部材20とミラー部10から構成される共振振動体を考える。
いま、E0を温度0°におけるヤング率、αをヤング率温度係数とすると、温度fにおけるヤング率Eは、式(2)で与えられる。
E=E0(1−αt) (2)
また、バネ定数Kは、バネ形状によって定まる定数K′とヤング率の積Eで、式(3)のように与えられる。
K=K′*E (3)
式(2),(3)により、温度tの時のバネ定数Kは、式(4)のようになる。
=K′*E=K′*E0(1−αt) (4)
したがって、温度tにおける共振周波数ftは、式(1),(4)より
で与えられる。式(5)より、温度が高くなるにつれて、共振周波数は低下する。
図8は、図1の光偏向器について、環境温度を変えて共振周波数を測定した結果を示したものである。図8により、環境温度が高くなるにつれて、共振周波数が低下していることが分かる。
図1に戻り、各周波数調整梁40は、その圧電部材42に対して正又は負の直流電圧を印加して、一対の弾性支持部材20に引張り又は圧縮の応力を作用させることで、共振周波数を調整する働きをする。以下、周波数調整梁40の働きについて詳しく説明する。
図9は、図1の構成において、周波数調整梁40の圧電部材42に正の電圧を印加した場合の動作説明図である。圧電部材42は矢印1方向に分極されているとする。この圧電部材42に正の電圧を印加した場合、該圧電部材42は矢印2の方向に延びる。これにより、周波数調整梁40の梁状部材41は矢印3の方向に変形する。この時、周波数調整梁40の端部に発生する力をF、該周波数調整梁40の近似的な曲げ中心からの距離をLとすると、弾性支持部材20に作用する曲げモーメントMは、
M=F*L (6)
で与えられる。この曲げモーメントMにより、弾性支持部材20には圧縮応力が作用する。
図10は、図1の構成において、周波数調整梁40の圧電部材42に負の電圧を印加した場合の動作説明図である。圧電部材42に負の電圧を印加した場合、該圧電部材42は矢印4の方向に縮む。これにより、周波数調整梁40の梁状部材41には、矢印5の方向の反りが発生する。この時、周波数調整梁40の端部に発生する力をF′、該周波数調整梁40の近似的な曲げ中心からの距離をLとすると、弾性支持部材20に作用する曲げモーメントM′は
M′=F′*L (7)
で与えられる。この曲げモーメントM′により、弾性支持部材20には引張り応力が作用する。
弾性支持部材20に作用する応力と共振周波数との関係は、以下のようになる。図11に示すように、弾性支持部材20は両端固定とし、長手方向に一様な初期応力が作用するとして、該弾性支持部材20に圧縮応力と引張り応力を作用させたときの共振周波数変化についてシミュレーションを行った。図12はシミュレーション結果である。図12により、弾性支持部材20に引張り応力が作用する時、その作用する応力に比例して共振周波数が増加することが分かる。一方、弾性支持部材20に圧縮応力が作用する時、その作用する応力に比例して共振周波数が減少することが分かる。このように、弾性支持部材20に応力を発生させることにより、共振周波数を変化させることができる。
この弾性支持部材20に作用する応力と共振周波数の関係を利用し、周波数調整梁40を構成する圧電部材42に正又は負の直流電圧を印加して、弾性支持部材20に圧縮又は引張りの応力を発生させて共振周波数を調整する。
図13に、共振周波数調整の具体例を示す。図13において、イは必要とする周波数特性を示し、その共振周波数は28.5KHzとする。ロは、この共振周波数28.5KHzに対して、共振周波数が−10Hzずれたサンプルの周波数特性を示している。一方、ハは、同じく共振周波数28.5KHzに対して、共振周波数が+10Hzずれたサンプルの周波数数特性を示している。この2つのサンプルに対して、周波数調整梁40の圧電部材42に直流電圧を印加し、駆動梁30の圧電部材32には交流電圧を印加し、該圧電部材32に印加する交流電圧の周波数を変えて周波数特性を測定した。ロ′は、ロのサンプルに対して、−50vの直流電圧を印加した場合の周波数特性を示したもので、共振周波数が増加することが分かる。一方、ハ′は、ハのサンプルに対して、+50Vの直流電圧を印加した場合の周波数特性示したもので、共振周波数が減少することが分かる。これにより、ロ,ハいずれのサンプルにおいても、周波数調整梁40の圧電部材に印加する直流電圧を変えることで、イの周波数特性に近づけることができるようになる。
図14に本発明の光偏向器の実施例2の全体斜視図、図15に平面図を示す。図14、図15において、図1及び図2と同一部分には同一の符号が付与されている。
図1、図2の実施例1では、ミラー部10の中心(重心)は、一対の弾性支持部材20の中心軸に対して一致するようにしたが、本実施例では、図15に示すように、ミラー部10の中心(重心)が、一対の弾性支持部材20に対して、振動梁50と固定ベース60との接続部に近接する方向に距離ΔSだけオフセットされている。こうすることで、先の実施例1の場合と比較して、一対の駆動梁40のたわみ変形を利用してミラー部10をさらに大きく回転振動させることができる。その他の構成、作用、効果は実施例1と同様である。
図16に、本実施例のミラー部10の重心をオフセットさせた構成の場合における、駆動梁30の圧電部材31の印加電圧に対するミラー部10の回転角度振幅の周波数応答特性を示す(周波数調整梁40は不動作)。また、図17に、図16の周波数応答特性中の共振点イ、ロにおけるミラー部10の固有振動モード形状(モード1,モード2)を示す。
本実施例においても、モード2の固有周波数で、駆動梁30bの圧電部材31へ印加電圧を与えることによって、ミラー部10は大きな角度振幅を得ることができ、かつ、ミラー部10全体のZ方向の変動を阻止することができる。しかも、先の実施例1の場合と比較して、ミラー部10は、より大きな角度振幅を得ることができる。
図18は、本実施例のモード2の場合の駆動梁の撓み変形とミラー部の回転の関係を示したものである。弾性支持部材20が捩じれるモード2において、該弾性支持部材20の接続部aとミラー部10の回転中心bとの距離ΔS、ミラー部10の回転角度をθとしたとき、駆動梁30のミラー反射面と垂直方向(Z方向)の撓み変形分cがΔS・sinθとなるように設定することで、ミラー部10が回転する際に、ミラー部10の回転中心bがZ方向に変動しない構成とすることができる。また、ミラー部10の回転中心がミラー部10の重心Oに近くなるため、慣性モーメントが小さくなり、固有周波数を高くすることが可能となる。すなわち、より高速駆動が可能になる。
なお、ミラー部10の重心とは、一対の弾性支持部材20で支持されている回転部全体の重心であり、ミラー裏面のリブ構造なども含めて重心をオフセットしてもよい。
図19に、本発明の光偏向器の実施例3の全体斜視図を示す。先の実施例1,2は1軸方向に光を偏向する構成(1軸駆動)であったが、本実施例は2軸方向に光を偏向する構成(2軸駆動)に拡張したものである。
図19において、10は光を反射させる反射面を有するミラー部であり、このミラー部10の両側には、該ミラー部10を揺動可能に支持する一対の第1の弾性支持部材120が接続されている。この一対の第1の弾性支持部材120のミラー部10と反対側の端部には、それぞれ、該第1の弾性支持部材120の長手方向と略直交する向きを長手方向として第1の振動梁150が接続されている。そして、この一対の第1の振動梁150の他端は、中央に穴が開いている枠状の可動枠に固定されている。すなわち、一対の第1の振動梁150は、可動枠160の内側の一辺から同一方向に突出するようにして第1の弾性支持部材120にそれぞれ接続され、一対の第1の弾性支持部材120の片側にのみ配置され、該一対の第1の振動梁150で、ミラー部10と一対の第1の弾性支持部材120とを可動枠160に対して片持ち支持した構成となっている。
この一対の第1の振動梁150は、それぞれ、第1の弾性支持部材120に接続されている駆動梁130の部分と第1の弾性支持部材120に接続されていない周波数調整梁140の部分からなる。各駆動梁130は、梁状部材の片面に圧電材料が積層され、平板短冊状のユニモルフ構造を形成している。各周波数調整梁140も、同様に梁状部材の片面に圧電材料が積層され、平板短冊状のユニモルフ構成を形成している。これらの構成は実施例1と同じである。
さらに、図19では、可動枠160の両側には、一対の第1の弾性支持部材120と直交して該可動枠160を揺動可能に支持する一対の第2の弾性支持部材220が接続されている。そして、この一対の第2の弾性支持部材220の可動枠160と反対側の端部には、それぞれ、該第2の弾性支持部材220の長手方向と略直交する向きを長手方向として2組の第2の駆動梁250a,250bが接続され、これら第2の駆動梁250a,250の他端が固定ベース260に接続されている。
第2の振動梁250a,250bも、それぞれ、第2の弾性支持部材220に接続されている第2の駆動梁230a,230bの部分と第2の弾性支持部材220に接続されていない第2の周波数調整梁230a,230bの部分からなる。第2の駆動梁230a,230bは、それぞれ、第2の弾性支持部材220に対して略直交し、且つ、対称に配置され、一端が第2の弾性支持部材220に接続されて他端が固定ベース260に接続された一対の梁部材の片面に圧電材料が積層され、平板短冊状のユニモルフ構造を形成している。この第2の駆動梁230a,230bをブリッジ駆動梁と称す。第2の周波数調整梁240a,240bは、それぞれ第2の駆動梁230a,230bと第2の弾性支持部材220との接続点近傍で該第2の駆動梁230a,230bに対して直交方向に延びる連結部材270a,270bを設け、該連結部材270a,270bに一端が接続され他端が固定ベースに接続された複数の梁部材の片面にそれぞれ圧電材料が積層され、同じく平板短冊状のユニモルフ構造を形成している。さらに、一対の第2の弾性支持部材220は、それぞれ、第2の駆動梁230a,230bとの結合点から直交方向に延伸されて固定ベース260に接続されている。
本実施例では、第1の駆動梁130で第1の弾性支持部材120に振動を与えることで、ミラー部10を該第1の弾性支持部材120の軸周りに回転させ、第2の駆動梁(ブリッジ駆動梁)230a,230bで第2の弾性支持部材220に振動を与えることで、可動枠160を該第2の弾性支持部材220の軸周りに回転させる。ここで、第1の弾性支持部材120の軸周りの第1の回転方向と第2の弾性支持部材220の軸周りの第2の回転方向の振動モードの固有周波数を異ならせておき、それぞれの周波数で第1の駆動梁130と第2の駆動梁(ブリッジ駆動梁)230a,230bを駆動することで、ミラー部10を2軸方向に大きく回転させることができる。第2の駆動梁230a,230bはブリッジ駆動梁を形成し、さらに、第2の弾性支持部材220は該ブリッジ駆動梁との結合点から直交方向に延伸されて固定ベース260に接続されているため、2軸方向の振動を安定させることができる。
なお、第1の弾性支持部材120の軸周りの第1の回転方向と第2の弾性支持部材220の軸周りの第2の回転方向の振動モードの固有周波数を異ならせ、それぞれの周波数成分を含んだ信号で第1の駆動梁130と第2の駆動梁(ブリッジ駆動梁)230a,230bを駆動することでも、ミラー部10を2軸方向に大きく回転させることができる。
以下に、第2の周波数調整梁240a,240bによる第2の弾性支持部材220の軸周りの第2の回転方向における共振周波数調整について説明する。なお、第1の周波数調整梁140による第1の弾性支持部材120の軸周りの第1の回転方向における共振周波数調整は実施例1と同様であるので、説明を省略する。
第2の駆動梁(ブリッジ駆動梁)230a,230bには所定周波数の交流電圧が印加されるが、第2の周波数調整梁240a,240bには直流電圧が印加される。
図20は、図19の構成において、第2の周波数調整梁240a,240bに正の電圧を印加した場合の動作説明図である。第2の周波数調整梁240a,240bに正の電圧を印加した場合、その圧電部材はそれぞれ矢印1の方向に延びる。これにより、第2の周波数調整梁240a,240bはそれぞれ矢印2の方向に変形する。この時、第2の周波数調整梁240a,240bの端部に発生する力をそれぞれF、該第2の周波数調整梁240a,240bの近似的な曲げ中心からの距離をLとすると、第2の弾性支持部材220に作用する曲げモーメントMは、
M=F*L (8)
で与えられる。この曲げモーメントMは矢印3の方向に発生し、第2の弾性支持部材220は矢印4の方向に縮む。すなわち、曲げモーメントMにより、第2の弾性支持部材220には圧縮応力が作用する。
図21は、図19の構成において、第2の周波数調整梁240a,240bに負の電圧を印加した場合の動作説明図である。第2の周波数調整梁240a,240bに負の電圧を印加した場合、その圧電部材はそれぞれ矢印5の方向に縮む。これにより、第2の周波数調整梁240a,240bはそれぞれ矢印6の方向に反り変形する。この時、第2の周波数調整梁240a,240bの端部に発生する力をそれぞれF′、該第2の周波数調整梁240a,240bの近似的な曲げ中心からの距離をLとすると、第2の弾性支持部材220に作用する曲げモーメントM′は、
M′=F′*L (9)
で与えられる。この曲げモーメントM′は矢印7の方向に発生し、第2の弾性支持部材220は矢印8の方向に延びる。すなわち、曲げモーメントM′により、第2の弾性支持部材220には引張り応力が作用する。
先の図12の共振周波数と応力の関係より、第2の弾性支持部材220に引張り応力が作用する時、その作用する応力に比例して共振周波数が増加し、一方、該第2の弾性支持部材220に圧縮応力が作用する時、その作用する応力に比例して共振周波数が減少する。すなわち、第2の弾性支持部材220に応力を発生させることにより、該第2の弾性支持部材220の軸周りの第2の回転方向における共振周波数を調整することができる。具体的には、図13に示したように、第2の周波数調整梁240a,240bに負の直流電圧を印加すれば、共振周波数を増加することができ、正の直流電圧を印加すれば、共振周波数を減少させることができる。
以上説明したように、図19の構成とすることで、ミラー部10を2軸方向に大きく回転させることができ、同時に、該2軸方向の共振周波数をそれぞれ調整することが可能となる。
なお、図19の構成において、周波数調整梁は第1の周波数調整梁140あるいは第2の周波数調整梁240a,240bのいずれか一方のみとすることでもよい。例えば、共振周波数のずれが第1の弾性支持部材120の軸周りの第1の回転方向のみの場合には、周波数調整梁は第1の周波数調整梁140だけで良い。また、共振周波数のずれが第2の弾性支持部材220の軸周りの第2の回転方向のみの場合には、周波数調整梁は第2の周波数調整梁240a,240bだけでよい。これにより、2軸駆動光偏向器の構成が図19の構成に比べて簡単になる。
さらに、図19の構成を変更し、複数の第1の振動梁150を、第2の振動梁250と同様に、それぞれ第1の弾性支持部材120に対して略直交し、且つ、対称に配置して、第1の駆動梁130をブリッジ駆動梁とすることでもよい。また、先の実施例1や2の1軸駆動の光偏向器においても、複数の振動梁50を、それぞれ弾性支持部材20に対して略直交し、且つ、対称に配置して、駆動梁30をブリッジ駆動梁とすることも可能である。周波数調整梁の構成も同様とする。本発明の光偏向器には、このような構成のものも含まれる。
本実施例は、実施例1や2の1軸方向に光を偏向する光偏向器を用いて画像形成装置の光書き込みユニットとしての光走査装置を提供するものである。
図22に本実施例の光走査装置の全体構成図、図23に該光走査装置に用いる光偏向器と駆動手段の接続図を示す。
図22において、レーザ素子1020からのレーザ光は、コリメータレンズ系1021を経た後、光偏向器1022により偏向される。この光偏向器1022として、実施例1〜5のいずれかの構成の光偏向器が用いられる。光偏向器1022で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ1023aと第二レンズ1023b、反射ミラー1023cからなる走査光学系1023を経て感光ドラム等のビーム走査面1022に照射される。
図23に示すように、光偏向器1022は駆動手段1024と電気的に連結されている。この駆動手段1024が、光偏向器1022の下部電極と上部電極間に駆動電圧を印加する。これにより、光偏向器1022のミラー部が回転してレーザ光が偏向され、ビーム走査面1022上が光走査される。
このように、本発明の光偏向器を利用した光走査装置は写真印刷方式のプリンタや複写機などの画像形成装置のための光書込ユニットの構成部材として最適である。
本実施例は、実施例4の光走査装置を光書込みユニットの構成部材として実装した画像形成装置を提供するものである。
図24に本実施例の画像形成装置の一例の全体構成図を示す。図24において、1001が光書込みユニットであり、レーザビームを被走査面に出射して画像を書き込む。1002は光書込みユニット1001による走査対象としての被走査面を提供する像担持体としての感光体ドラムである。
光書込みユニット1001は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで感光体ドラム1002の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査する。感光体ドラム1002は矢印1003方向に回転駆動され、帯電手段1004により帯電された表面に、光書込みユニット1001により光走査されることによって、静電潜像が形成される。この静電潜像は現像手段1005でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写手段1006で記録紙1007に転写される。転写されたトナー像は定着手段1008によって記録紙1007に定着される。感光体ドラム1002の転写手段1006対向部を通過した感光体ドラムの表面部分はクリーニング部1009で残留トナーを除去される。
なお、感光体ドラム1002に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能である。また、トナー像を記録紙以外の転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
光書込みユニット1001は記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発するレーザ素子としての光源部1020と、レーザビームを変調する光源駆動手段1500と、これまで説明した本発明の1軸方向にレーザビームを偏向する光偏向器1002と、この光偏向器1022のミラー基板のミラー面に光源部1020からの、記録信号によって変調されたレーザビーム(光ビーム)を結像させるための結像光学系1021と、ミラー面で反射・偏向された1本又は複数本のレーザビームを感光体ドラム1002の表面(被走査面)に結像させるための手段である走査光学系1023などから構成される。光偏向器1022は、その駆動のための集積回路(駆動手段)1024とともに回路基板1025に実装された形で光書込みユニット1001に組み込まれている。
光偏向器1022は、従来の回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。また、光偏向器1022のミラー基板の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。さらに、光偏向器1022は、回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
なお、記録紙1007の搬送機構、感光体ドラム1002の駆動機構、現像手段1005、転写手段1006などの制御手段、光源部1020の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため図23では省略されている。
本実施例は、実施例3のような2軸方向に光を偏向する光偏向器を実装した画像投影装置を提供するものである。
図25に本実施例の画像投影装置の全体構成図を示す。図25において、筐体2000に赤(R)、緑(G)、青(B)の異なる3波長のレーザ光を出射するレーザ光源2001−R,2001−G,2001−Bが取り付けられ、これらレーザ光源2001−R,2001−G,2001−Bの出射端近傍には、該レーザ光源2001−R,2001−G,2001−Bからの出射光を略平行光に集光する集光レンズ2002−R,2002−,002−Bが配置されている。集光レンズ2002−R,2002−,002−Bで略平行になったR,G,Bのレーザ光は、ミラー2003やハーフミラー2004を経て、合成プリズム2005によって合成され、光偏向器2006のミラー面に入射される。光偏向器2006には、実施例7や8のような2軸方向に光を偏向する構成の光偏向器(二次元反射角度可変ミラー)が使用される。光偏向器2006のミラー面に入射した合成レーザ光は、光偏向器2006によって二次元偏向走査されて投影面に投射され、画像を投影する。
図26は、本実施例の画像投影装置の制御系も含めた概略構成図である。なお、図26では、3波長のレーザ光源や集光レンズは一つにまとめて示し、また、ミラー、ハーフミラー、合成プリズムは省略してある。
画像情報に応じて画像生成部2011で画像信号を生成し、この画像信号が変調器2012を介して光源駆動回路2013に送られると共に、スキャナ駆動回路2014に画像同期信号が送られる。スキャナ駆動回路2014は、画像同期信号に応じて駆動信号を光偏向器2006に与える。この駆動信号によって、光偏向器2006のミラー部10は、直交した2つの方向に所定角度(例えば10deg程度)の振幅で共振振動し、入射したレーザ光が二次元偏向走査される。一方、レーザ光源2001から出射されるレーザ光は、光源駆動回路2013により、光偏向器2006の二次元偏向走査のタイミングに合わせて強度変調されており、これによって、投影面2007に二次元の画像情報が投影される。強度変調はパルス幅を変調してもよいし、振幅を変調してもよい。変調器2012は画像信号をパルス幅変調あるいは振幅変調し、この変調された信号を光源駆動回路2013によりレーザ光源2001を駆動できる電流に変調してレーザ光源2001を駆動する。
ここで、光偏向手段には、ポリゴンミラーなどの回転走査ミラーを使用することもできるが、本発明の実施例7、8の構成の光偏向器(二次元反射角度可変ミラー)2006は、回転走査ミラーに比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像投影装置の省電力に有利である。また、光偏向器2006のミラー基板の振動時の風切り音は回転走査ミラーに比べて小さいため、画像投影装置の静粛性の改善に有利である。さらに光偏向器2006は、回転走査ミラーに比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、したがって、画像投影装置の小型化に有利である。
10 ミラー部
20 弾性支持部材
30 駆動梁
31 梁状部材
32 圧電部材
40 周波数調整梁
41 梁状部材
42 圧電部材
50 振動梁
60 固定ベース
120 第1の弾性支持部材
130 第1の駆動梁
140 第1の周波数調整梁
150 第1の振動梁
160 可動枠
220 第2の弾性支持部材
230a,230b 第2の駆動梁(ブリッジ駆動梁)
240a,240b 第2の周波数調整梁
250a,250b 第2の振動梁
260 固定ベース
270a,270b 連結部材
特開2003− 84226号公報 特開2005−128551号公報 特開2005−128147号公報 特許第2981600号公報

Claims (11)

  1. 固定ベースと、光反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の弾性支持部材と、一端が前記固定ベースに接続され、他端が前記弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された一対の振動梁とを有し、
    前記振動梁は、交流電圧を印加することで、前記弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記ミラー部を所望共振周波数で回転振動せしめる駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記弾性支持部材に応力を与えて、前記共振周波数を調整する周波数調整梁とで構成され
    前記弾性支持部材の長手方向と前記振動梁の長手方向とが略直交して配置されて、両者が接続され、一対の前記振動梁で、前記ミラー部と一対の前記弾性支持部材とが前記固定ベースに対して片持ち支持されることを特徴とする光偏向器。
  2. 振動梁において、駆動梁は梁状部材が弾性支持部材と接続されている部分で構成され、周波数調整梁は、梁状部材が弾性支持部材と接続されていない部分で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  3. ミラー部の重心が、弾性支持部材の中心軸に対して、振動梁と固定ベースとの接続部側に近接する方向にオフセットされていることを特徴とする請求項1に記載の光偏向器。
  4. 可動枠と、光反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の第1の弾性支持部材と、一端が前記可動枠に接続され、他端が前記第1の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された第1の振動梁とを有し、
    さらに、固定ベースと、前記可動枠を揺動可能に支持する一対の第2の弾性支持部材と、一端が前記固定ベースに接続され、他端が前記第2の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された複数の第2の振動梁とを有し、
    前記第1の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第1の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記ミラー部を第1の所望共振周波数で第1の方向に回転振動せしめる第1の駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記第1の弾性支持部材に応力を与えて前記共振周波数を調整する第1の周波数調整梁とで構成され、
    前記第2の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第2の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記可動枠を第2の所望共振周波数で回転振動させ、前記ミラー部を第2の方向に回転振動せしめる第2の駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記第2の弾性支持部材に応力を与えて前記共振周波数を調整する第2の周波数調整梁とで構成される、
    ことを特徴とする光偏向器。
  5. 可動枠と、光反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の第1の弾性支持部材と、一端が前記可動枠に接続され、他端が前記第1の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された第1の振動梁とを有し、
    さらに、固定ベースと、前記可動枠を揺動可能に支持する一対の第2の弾性支持部材と、一端が前記固定ベースに接続され、他端が前記第2の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された複数の第2の振動梁とを有し、
    前記第1の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第1の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記ミラー部を第1の所望共振周波数で第1の方向に回転振動せしめる第1の駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記第1の弾性支持部材に応力を与えて前記共振周波数を調整する周波数調整梁とで構成され、
    前記第2の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第2の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記可動枠を第2の所望共振周波数で回転振動させ、前記ミラー部を第2の方向に回転振動せしめる第2の駆動梁で構成される、
    ことを特徴とする光偏向器。
  6. 可動枠と、光反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を揺動可能に支持する一対の第1の弾性支持部材と、一端が前記可動枠に接続され、他端が前記第1の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された第1の振動梁とを有し、
    さらに、固定ベースと、前記可動枠を揺動可能に支持する一対の第2の弾性支持部材と、一端が前記固定ベースに接続され、他端が前記第2の弾性支持部材に接続され、梁状部材に圧電部材が固着された複数の第2の振動梁とを有し、
    前記第1の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第1の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記ミラー部を第1の所望共振周波数で第1の方向に回転振動せしめる第1の駆動梁で構成され、
    前記第2の振動梁は、交流電圧を印加することで、前記第2の弾性支持部材に捻り変形を発生して、前記可動枠を第2の所望共振周波数で回転振動させ、前記ミラー部を第2の方向に回転振動せしめる第2の駆動梁と、直流電圧を印加することで、前記第2の弾性支持部材に応力を与えて前記共振周波数を調整する周波数調整梁とで構成される、
    ことを特徴とする光偏向器。
  7. 第2の振動梁は、第2の弾性支持部材に対して略直交し、且つ、対称に配置され、一端が固定ベースに接続され、他端が前記第2の弾性支持部材に接続されて、ブリッジ駆動梁を構成する第2の駆動梁と、前記ブリッジ駆動梁と前記第2の弾性支持部材との接続点近傍で、該ブリッジ駆動梁に直交方向に延びる連結部材に、一端が接続され、他端が固定ベースに接続された周波数調整梁とで構成されることを特徴とする請求項4又は6に記載の光偏向器。
  8. 前記第2の弾性支持部材は延伸されて固定ベースに接続されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の光偏向器。
  9. 光源と、光源からの光ビームを偏向させる請求項1乃至のいずれか1項記載の光偏向器と、偏向された光ビームを被走査面にスポット状に結像する結像光学系とを備えることを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項9記載の光走査装置と、光ビームの走査により潜像を形成する感光体と、潜像をトナーで顕像化する現像手段と、トナー像を記録紙に転写する転写手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 光源と、
    前記光源からの光ビームを画像信号に応じて変調する変調器と、
    前記光ビームを略平行光とするコリメート光学系と、
    前記略平行光とされた光ビームを偏向して投影面に投射する請求項1乃至のいずれか1項記載の光偏向器とを有することを特徴とする画像投影装置。
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