JP6566307B2 - 回動装置、光走査装置及び画像表示装置 - Google Patents

回動装置、光走査装置及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、回動装置、光走査装置及び画像表示装置に関するものである。
この種の回動装置としては、例えば、光出力手段から出力される光を走査するためのミラー等の光学部材を回動させる光走査装置に用いられるものが知られている。このような光走査装置は、例えば、画像情報に基づく画像走査光を二次元走査する走査手段として、画像表示装置などに用いられる。
特許文献1には、支持部(駆動部)と、その支持部に一端が固定された連結部(捩れ部材)と、その連結部の他端に固定された可動板(可動部)とが、同一のシリコン基板から形成されて一体構造体となっている回動装置が開示されている。この回動装置は、駆動手段により生じる磁界の作用で連結部に所定方向回りの捩れを生じさせ、これにより連結部の長手方向に延びる回動軸の回りで可動部を繰り返し回動させる。この回動装置は、可動部上に形成された光反射部で画像光を反射して走査する画像表示装置の光スキャナ(光走査装置)に用いられている。
前記特許文献1に開示の回動装置は、支持部(駆動部)、連結部(捩れ部材)、可動板(可動部)等となるシリコン基板部分が残るように、シリコン基板上にレジスト膜(マスキング層)を形成してマスキングし、その後、エッチング処理を施すことによってシリコン基板に貫通穴を形成する。このようにして基板の形状形成が行われた後、当該レジスト膜を除去する。このエッチング処理の際、形成される貫通穴の内部側壁には、エッチング処理のダメージで微細な凹凸が形成される。形成される貫通穴の内部側壁の一部は連結部の一側壁を構成するので、連結部の一側壁に微細な凹凸が形成されたままだと、可動部を回動させるために連結部が捩れる時に、連結部に応力集中が発生し、連結部の寿命を縮め、ひいては光スキャナの寿命を縮める結果をもたらす。そのため、特許文献1に開示の回動装置では、形状形成のエッチング処理後に水素アニール処理を施し、連結部の一側壁に形成された微細な凹凸を平滑化させ、これにより連結部の応力集中を抑制して、光スキャナの長寿命化を果たしている。
ところが、特許文献1に開示の回動装置では、形状形成のために基板をエッチング処理する際のマスキング層を当該エッチング処理後に除去する処理工程や、そのエッチング処理のダメージで連結部に形成された微細な凹凸を平滑化するための処理工程などが必要であり、製造工程数が多いという問題があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、支持部と、該支持部に一端が固定された捩れ部材と、該捩れ部材の他端に固定された可動部とが、同一基板から形成されており、駆動手段により前記捩れ部材に所定方向回りの捩れを生じさせることで前記可動部を繰り返し回動させる回動装置において、前記捩れ部材及び該捩れ部材の捩れと一緒に変形する変化箇所の少なくとも一方に、前記基板をエッチング処理するときのマスキング層が形成され、前記マスキング層は、シリコン酸化膜の上にチッ化シリコン膜が形成された層であり、前記マスキング層の光反射率は、前記可動部に入射される光の可視光波長領域に含まれる複数のピーク波長についての光反射率が前記基板よりも低くなるように、該複数のピーク波長に対応した複数の極小値を有することを特徴とする。
本発明によれば、製造工程を減らしつつも、回転装置の長寿命化を図ることができるという優れた効果が奏される。
実施形態における自動車用HUD装置を搭載した自動車の構成を模式的に表した模式図である。 同自動車用HUD装置の内部構成を模式的に表した模式図である。 同自動車用HUD装置によって表示される画像例を示す説明図である。 実施形態に係るアクチュエータ駆動デバイスのフレーム基板を示す平面図である。 フレーム基板上の副走査用圧電素子に印加される副走査駆動信号を示す波形図である。 図4における符号A−A’の断面図である。 図4における符号B−B’の断面図である。 可視光波長帯の反射率について、単結晶Siと、単結晶SiにSiO2薄膜を形成したものとを比較したグラフである。 (a)は、SOI基板の活性層をエッチングする際のマスキング層がフォトレジスト及びシリコン窒化膜(SiN)である比較例の層構造を模式的に示す断面図である。(b)は、同比較例におけるエッチング後のトーションバーをSEMで斜め上方から撮影した画像である。 (a)は、SOI基板の活性層をエッチングする際のマスキング層がフォトレジスト、シリコン窒化膜(SiN)及びシリコン酸化膜(SiO2)である実施例の層構造を模式的に示す断面図である。(b)は、同実施例におけるエッチング後のトーションバーをSEMで斜め上方から撮影した画像である。 変形例におけるアクチュエータ駆動デバイスのフレーム基板の図4における符号A−A’に対応する断面図である。 変形例におけるアクチュエータ駆動デバイスのフレーム基板の図4における符号B−B’に対応する断面図である。 単結晶Si上に厚さ300nmのシリコン酸化膜を成膜し、その上に厚さ500nmのシリコン窒化膜を成膜したときの可視光波長帯の反射率を示すグラフである。 (a)〜(d)は、実施形態におけるアクチュエータ駆動デバイスの製造方法の前段の各工程を示す説明図である。 (a)〜(d)は、実施形態におけるアクチュエータ駆動デバイスの製造方法の後段の各工程を示す説明図である。
以下、本発明に係る回動装置を、画像表示装置であるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置の光走査装置に適用した一実施形態について説明する。
移動体である自動車に搭載されるHUD装置の一例であるが、これに限らず、車両、船舶、航空機、移動式ロボットなどの移動体、あるいは、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボットなどの非移動体に搭載される画像表示装置の光走査装置としても適用できる。
図1は、本実施形態における自動車用HUD装置を搭載した自動車の構成を模式的に表した模式図である。
図2は、本実施形態における自動車用HUD装置の内部構成を模式的に表した模式図である。
本実施形態における自動車用HUD装置200は、例えば、自動車301のダッシュボード内に設置される。ダッシュボード内の自動車用HUD装置200から発せられる画像光である投射光Lがフロントガラス302で反射され、ユーザーである観察者(運転者300)に向かう。これにより、運転者300は、例えば、図3に示すようなナビゲーション画像を虚像として視認することができる。なお、フロントガラス302の内壁面にコンバイナを設置し、コンバイナによって反射する投射光によってユーザーに虚像を視認させるようにしてもよい。
図3に示すナビゲーション画像には、第1表示領域220Aに、自動車301の速度(図示の例では「60km/h」という画像)が表示されている。また、第2表示領域220Bには、カーナビゲーション装置によるナビゲーション画像が表示されている。図示の例では、次の曲がり角で曲がる方向を示す右折指示画像と、次の曲がり角までの距離を示す「あと46m」という画像が、ナビゲーション画像として表示されている。また、第3表示領域220Cには、カーナビゲーション装置による地図画像(自車両周囲の地図画像)が表示されている。
自動車用HUD装置200は、赤色、緑色、青色のレーザー光源201R,201G,201Bと、各レーザー光源に対して設けられるコリメータレンズ202,203,204と、2つのダイクロイックミラー205,206と、光量調整部207と、光走査装置208と、自由曲面ミラー209と、スクリーン210と、投射ミラー211とから構成されている。そして、本実施形態における光源装置としての光源ユニット230は、レーザー光源201R,201G,201B、コリメータレンズ202,203,204、ダイクロイックミラー205,206が、光学ハウジングによってユニット化されている。
本実施形態の自動車用HUD装置200は、スクリーン210に表示される中間像を自動車301のフロントガラス302に投射することで、その中間像を運転者300に虚像として視認させる。レーザー光源201R,201G,201Bから発せられる各色レーザー光は、それぞれ、コリメータレンズ202,203,204で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー205,206により合成される。合成されたレーザー光は、光量調整部207で光量が調整された後、光走査装置208によって二次元走査される。光走査装置208で二次元走査された投射光Lは、自由曲面ミラー209で反射されて歪みを補正された後、スクリーン210に集光され、中間像を表示する。スクリーン210は、マイクロレンズが二次元配置されたマイクロレンズアレイで構成されており、スクリーン210に入射してくる投射光Lをマイクロレンズ単位で拡大する。
光走査装置208には、後述するアクチュエータ駆動デバイスでミラーを主走査方向及び副走査方向に往復回動動作させ、ミラーに入射する投射光Lを二次元走査(ラスタスキャン)する。このアクチュエータ駆動デバイスの駆動制御は、レーザー光源201R,201G,201Bの発光タイミングに同期して行われる。
本実施形態においては、自動車用HUD装置200により表示される虚像の周囲の明るさを測定するための照度計が、ダッシュボード等に配置されている。この照度計の測定結果に応じて、制御部は光量調整部207を制御する。具体的には、虚像周囲が明るいほど当該光量調整部207を透過する投射光の光量が多くなるように制御し、虚像周囲が暗いほど当該光量調整部207を透過する投射光の光量が少なくなるように制御する。このような光量調整制御を行うことで、虚像周囲(自車両前方)が明るくても高い輝度の画像を表示して画像の視認性を確保できる。また、虚像周囲(自車両前方)が暗い場合、画像の輝度が高いと画像が眩しくて自車両前方の視認性を落とすことになるが、前記のような光量調整制御を行うことで、虚像周囲(自車両前方)が暗い場合の自車両前方の視認性も確保することができる。
次に、光走査装置208を構成するアクチュエータ駆動デバイスの構成及び動作について説明する。
図4は、本実施形態のアクチュエータ駆動デバイスのフレーム基板10を示す平面図である。
本実施形態におけるアクチュエータ駆動デバイスは、X方向(主走査方向に対応)及びY方向(副走査方向に対応)の二方向に光を走査(スキャン)するMEMSスキャナである。本実施形態のフレーム基板10は、外周囲に位置する支持フレーム11と、この支持フレーム11内の複数の切込K1〜K6によって形成された弾性変形部12〜15,16A,16Bと、可動部枠18と、トーションバー19A,19Bと、可動部17とを有している。本実施形態では、可動部枠18及びこれに固定された第5弾性変形部16A,16Bが支持部となり、その第5弾性変形部16A,16Bに一端がそれぞれ固定されたトーションバー19A,19Bが捩れ部材となり、これらのトーションバー19A,19Bの他端に可動部17が固定されている。
第1弾性変形部12は、一端が支持フレーム11に固定され、その他端が第2弾性変形部13の後部に固定されている。第1弾性変形部12と第2弾性変形部13とは切込K1,K2によって3回の折返し構造となっている。そして、最後の折返し構造の第2弾性変形部13の先端部には、可動部枠18の図中右上角部が固定されている。
同様に、第3弾性変形部14は、他端が支持フレーム11に固定され、その一端が第4弾性変形部15の後部に固定されている。第3弾性変形部14と第4弾性変形部15とは切込K1,K2によって3回の折返し構造となっている。そして、最後の折返し構造の第4弾性変形部15の先端部には、可動部枠18の図中左下角部が固定されている。
可動部枠18の内部には、切込K3〜K6が形成され、図中左右方向に延びる2つの第5弾性変形部16A,16Bが可動部枠18の図中左右枠部の間を連結するように形成されている。また、2つの第5弾性変形部16A,16Bの図中左右方向中央部には、それぞれ、トーションバー19A,19Bの一端が固定されており、これらのトーションバー19A,19Bの各他端で可動部17の図中上下端をそれぞれ保持している。可動部17の表面には光学部材としてのミラー17Mが形成されている。
弾性変形部12〜15の表面には、弾性変形部12〜15が弾性変形するための駆動力を付与する第二駆動手段としての副走査用圧電素子20〜23が取り付けられている。また、第5弾性変形部16A,16Bの表面には、第5弾性変形部16A,16Bが弾性変形するための駆動力を付与する駆動手段としての主走査用圧電素子24が取り付けられている。
可動部17は、弾性変形部12〜15の弾性変形により、可動部枠18並びにその内部の第5弾性変形部16A,16B、トーションバー19A,19B及び可動部17が一体となって、X方向に平行な回動軸(可動部17上のミラー17Mの略中心点を通るX方向軸)の回りの回転トルクが与えられて往復回動動作する。
詳しくは、第1及び第4副走査用圧電素子20,23には、図5中符号Vaで示す第一副走査駆動信号が印加され、第2及び第3副走査用圧電素子21,22には、図5中符号Vbで示す第二副走査駆動信号が印加される。このような副走査駆動信号Va,Vbが印加されると、その電圧値に応じて各副走査用圧電素子20〜23が伸縮し、この伸縮により各弾性変形部12〜15がそれぞれ反り返って、支持フレーム11に対する可動部17の傾斜角度が変化する。これにより、可動部17上のミラー17Mがそのミラー17Mの略中心点を通るX方向軸の回りを往復回動動作する。
本実施形態における副走査方向用の駆動信号の周波数は、例えば数十Hz程度に設定される。一般的な画像あるいは映像を表示する画像表示装置の画像垂直方向への光走査に利用する場合、60〜70Hz程度の周波数に設定される。また、本実施形態における副走査駆動信号はのこぎり波状の駆動信号であるが、これに限られるものではない。
次に、可動部17上のミラー17MにおけるY方向軸回り(主走査方向)の往復回動動作について説明する。
可動部17は、第5弾性変形部16A,16Bの弾性変形によりY方向に平行な回動軸(可動部17上のミラー17Mの略中心点を通るY方向軸)の回りの回転トルクが与えられて回動動作する。本実施形態においては、上述した副走査方向の回動動作1回に対して、主走査方向への回動動作を複数回(例えば525回)行うラスタスキャン動作を行う。そのため、主走査方向への回動動作は可能な限り少ないエネルギーで大きな回動動作を実現することが望まれる。そこで、本実施形態では、主走査方向用の駆動信号としては、第5弾性変形部16A,16Bの弾性変形に対して共振動作できる共振周波数に設定されている。
主走査駆動信号が印加されると、その電圧値に応じて主走査用圧電素子24が伸縮し、この伸縮により各第5弾性変形部16A,16Bが反り返る。これにより、第5弾性変形部16A,16Bに固定されているトーションバー19A,19Bにその長手方向回りの捩れが生じ、支持フレーム11に対する可動部17の傾斜角度が変化して、可動部17上のミラー17MがY方向軸回り(主走査方向)へ往復回動動作する。
本実施形態において、主走査方向については共振を利用して回動動作を行うため、安定して大きな回動動作が実現しやすいが、これにより、副走査方向については共振を利用して回動動作を行うことが困難となる。そのため、本実施形態において、副走査方向については非共振の回動動作となっている。非共振の回動動作では、一の副走査用圧電素子によって実現できる弾性変形量が少ないため、本実施形態では、上述したとおり、弾性変形部12〜15に3回の折り返し機構を設けるとともに、第1及び第4の副走査用圧電素子20,23と第2及び第3の副走査用圧電素子21,22という2組の圧電素子グループを互いに逆向きに並列動作させることで、可動部17の大きな回動動作を実現している。
本実施形態は、副走査用圧電素子20〜23を、フレーム基板10の一方の面にのみに形成した例であるが、配線の自由度や圧電素子作成の自由度等を考慮して、他方の面に形成してもよいし、あるいは両面に形成してもよい。また、本実施形態のフレーム基板10は、詳しくは後述するが、シリコンウエハ(Si)を加工したシリコン基板から作成される。また、主走査用圧電素子24、副走査用圧電素子20〜23及びこれらの電極の形成は、半導体プロセスに準じて行うことができ、大量生産によるコストダウンを図ることが容易である。特に、本実施形態では、圧電素子20〜24が取り付けされる弾性変形部12〜15,16A,16B及び可動部枠18が、同じ基板であるフレーム基板10という単一の構造体で構成されており、弾性変形部12〜15,16A,16Bを部分的に変位させる(湾曲させる)駆動力あるいは変位力を付与する駆動手段として、いずれも圧電素子20〜24を用いている。よって、これらの圧電素子20〜24や電極を一括して形成することが可能となり、製造プロセスを簡単化できる。各圧電素子20〜24としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いているが、他の圧電素子材料であってもよい。
図6は、図4における符号A−A’の断面図である。
図7は、図4における符号B−B’の断面図である。
本実施形態におけるフレーム基板10は、単結晶シリコン(Si)材料からなるシリコン基板を用いることができる。本実施形態では、SOI(Silicon on Insulator)基板を使用し、トーションバー19A,19Bなどを構成する層を活性層101、活性層101に隣接して形成されているSiO2層をBox層102、さらにそのBox層102に隣接して下に形成されている層を支持層103とする。トーションバー19A,19Bは、図6に示すように、活性層101とその上に形成される透明薄膜110とから構成される。本実施形態において、透明薄膜110はシリコン酸化膜(SiO2)である。また、トーションバー19A,19B以外の可動部枠18などのフレーム基板部分は、活性層101及びその上の透明薄膜110に加え、その下のBox層102及び支持層103から構成される。活性層101の厚さは例えば40μm、支持層103の厚さは例えば625μmとし、主に支持層103によってフレーム基板10の強度を保っている。
本実施形態におけるフレーム基板10に設けられる圧電素子24は、図7に示すように、SOI基板の活性層101上に形成される下部電極121、圧電材料122、上部電極123によって形成される。圧電素子24の伸縮により変形する第5弾性変形部16Aは、SOI基板からBox層102及び支持層103が除去され、活性層101のみから構成されており、圧電素子24に印加される印加電圧に対して感度が高く、高速でのミラーの回動が可能になる。
トーションバー19A,19Bなどの活性層101上に形成されている透明薄膜110の厚さは、可視光領域の光に対して反射率が下げられるような膜厚に設定されるのが好ましい。図8は、可視光波長帯の反射率について、単結晶Siと、単結晶SiにSiO2薄膜を形成したものとを比較したグラフである。このグラフより、可視光波長帯の反射率は、Si単体ではおよそ40%程度である。これに対し、SiO2薄膜を成膜することで、可視光波長帯の反射率を10%強程度まで下げることができている。したがって、レーザー光源201R,201G,201Bからのレーザー光が入射する可動部17の近くに配置されるトーションバー19A,19Bや可動部枠18などのフレーム基板部分に当該レーザー光の一部が入射してしまっても、本実施形態では、その部分にシリコン酸化膜(SiO2)である透明薄膜110が形成されているため、その部分での反射光量を小さく押さえることができる。その結果、トーションバー19A,19Bや可動部枠18などのフレーム基板部分で反射したレーザー光が迷光となって表示画像の品質に悪影響を与えるのを抑制することができる。
また、本実施形態において、透明薄膜110は、アクチュエータ駆動デバイスの製作時に、シリコン基板に切欠K1〜K6を形成するためのエッチング処理時のマスキング層として利用されたものである。シリコン酸化膜(SiO2)からなる透明薄膜110は、シリコン基板のエッチング処理において、シリコン(Si)に対する選択比(Si/SiO2)が高いため、トーションバー19A,19Bとなるシリコン基板部分へのエッチングダメージを十分に抑制することが可能である。したがって、エッチングダメージによりトーションバー19A,19Bに生じる微細な凹凸の形成が抑制され、トーションバー19A,19Bに応力集中が生じにくく、トーションバー19A,19Bの寿命を延ばすことができる。
図9(a)は、SOI基板の活性層101をエッチングする際のマスキング層がフォトレジスト及びシリコン窒化膜(SiN)である比較例の層構造を模式的に示す断面図である。図9(b)は、同比較例におけるエッチング後のトーションバー19A,19Bを走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で斜め上方から撮影した画像である。
図10(a)は、SOI基板の活性層101をエッチングする際のマスキング層がフォトレジスト、シリコン窒化膜(SiN)及びシリコン酸化膜(SiO2)である実施例の層構造を模式的に示す断面図である。図10(b)は、同実施例におけるエッチング後のトーションバー19A,19Bを走査型電子顕微鏡で斜め上方から撮影した画像である。
図9(a)及び(b)に示す比較例では、トーションバー19A,19Bとなる基板部分をフォトレジストとシリコン窒化膜(SiN)からなるマスキング層で被覆し、SIO基板の活性層101をエッチング処理する。この場合、図9(b)に示すように、トーションバー19A,19Bの側面上部(エッチング処理で形成された切欠部分の内壁面上部)に微細な縦スジ(凹凸)が形成されているのがわかる。このような微細な縦スジ(凹凸)は、継続的に捩れ応力を受けるトーションバー19A,19Bに応力集中を生じさせ、トーションバー19A,19Bの耐久性を低下させ、トーションバー19A,19Bの寿命を短くするものである。なお、マスキング層がフォトレジストだけである場合も、同様に微細な縦スジ(凹凸)が形成されるので、トーションバー19A,19Bの寿命を短くする。
一方、図10(a)及び(b)に示す実施例では、トーションバー19A,19Bとなる基板部分をフォトレジストとシリコン窒化膜(SiN)とシリコン酸化膜(SiO2)とからなるマスキング層で被覆し、SIO基板の活性層101をエッチング処理する。この場合、図10(b)に示すように、比較例で生じた微細な縦スジ(凹凸)は形成されていないのがわかる。したがって、継続的に捩れ応力を受けるトーションバー19A,19Bに応力集中を生じさせず、トーションバー19A,19Bの耐久性が向上して、トーションバー19A,19Bの寿命が長くなる。
この理由は、実施例のマスキング層に用いられているシリコン酸化膜(SiO2)のシリコン(Si)に対する選択比が、シリコン窒化膜(SiN)のシリコン(Si)に対する選択比よりも高いためであると考えられる。詳しくは、比較例では、エッチング処理中にシリコン窒化膜(SiN)の側面がエッチングされてシリコン窒化膜が後退してしまい、シリコン窒化膜がマスキング層として十分に機能せず、その結果、トーションバー19A,19Bとなるシリコン基板部分が部分的にエッチングされて微細な縦スジが形成されたものと推察される。これに対し、実施例では、エッチング処理中にシリコン酸化膜(SiO2)が後退するほどエッチングされることがなく、シリコン酸化膜がマスキング層として十分に機能した結果、トーションバー19A,19Bとなるシリコン基板部分がエッチングされず、微細な縦スジが形成されなかったものと推察される。
〔変形例〕
次に、本実施形態におけるトーションバー19A,19B上に形成されて残されるマスキング層の一変形例について説明する。
上述した実施形態のトーションバー19A,19B上に形成されて残されるマスキング層は、シリコン窒化膜(SiN)からなる透明薄膜110の一層構造であったが、本変形例では、2層構造としたものである。
図11は、本変形例におけるアクチュエータ駆動デバイスのフレーム基板の図4における符号A−A’に対応する断面図である。
図12は、本変形例におけるアクチュエータ駆動デバイスのフレーム基板の図4における符号B−B’に対応する断面図である。
本変形例におけるマスキング層は、SOI基板の活性層101に接する下層透明薄膜111がシリコン酸化膜(SiO2)であり、その上に積層される上層透明薄膜112がシリコン窒化膜(SiN)であるものを使用している。下層透明薄膜111としてシリコン酸化膜(SiO2)を使用しているのは、SiO2に対するシリコン(Si)のエッチング選択比が高く、かつ、層間の絶縁膜として使用するのに適しているためである。また、上層透明薄膜112としてシリコン窒化膜(SiN)を使用しているのは、SiNがアクチュエータ駆動デバイスを水分やガスから保護するパッシベーション膜として使用するのに適しているためである。
本変形例によれば、トーションバー19A,19B上に形成されて残されるマスキング層の下層透明薄膜111であるシリコン酸化膜(SiO2)によって、シリコン基板のエッチング処理によるエッチングダメージでトーションバー19A,19Bの側面に微細な縦スジ(凹凸)が形成されず、トーションバー19A,19Bの高耐久性、長寿命化を実現する一方、上層透明薄膜112であるシリコン窒化膜(SiN)をパッシベーション膜として使用することで、デバイス表面を安定して保護することができる。
トーションバー19A,19B上に形成されて残されるマスキング層の下層透明薄膜111及び上層透明薄膜112の厚さは、可視光領域の光に対して反射率が下げられるような膜厚に設定されるのが好ましい。図13は、単結晶Si上に下層透明薄膜111として厚さ300nmのシリコン酸化膜(SiO2)を成膜し、上層透明薄膜112として厚さ500nmのシリコン窒化膜(SiN)を成膜したときの可視光波長帯の反射率を示すグラフである。本変形例は、R、G、Bの3色のレーザー光を光走査する光走査装置であるため、B(450nm)、G(520nm)、R(642nm)の波長のレーザー光源を使用している場合に最適化している。図13に示す例の膜厚条件の場合、R、G、Bのすべての波長での反射率を10%以下とすることができる。つまり、R、G、Bの各レーザー光源からの光の反射率を低減して、十分に迷光を抑制することができる。
なお、本変形例では、製造プロセス上の工程数が追加されないように、2層構造のマスキング層を例に挙げたが、3層以上であってもよい。
次に、本実施形態におけるアクチュエータ駆動デバイスの製造方法について説明する。
図14(a)〜(d)は、本実施形態におけるアクチュエータ駆動デバイスの製造方法の前段の各工程を示す説明図である。
図15(a)〜(d)は、本実施形態におけるアクチュエータ駆動デバイスの製造方法の後段の各工程を示す説明図である。
なお、ここでは、トーションバー19A,19B上のマスキング層が上述した変形例のようにシリコン酸化膜(SiO2)とシリコン窒化膜(SiN)の2層構造である場合を例に挙げる。
本実施形態では、上述したように、基板材料としてSOIウエハ100を使用し、活性層101は厚さ40μm、支持層103は厚さ625μmで構成されている。まず、図14(a)に示すように、このSOIウエハ100の上面上に、各圧電素子20〜24を構成する圧電膜を形成する。具体的には、SOIウエハ100の面側から順に、下部電極121、圧電材料122、上部電極123の膜が形成される。
次に、図14(b)に示すように、各圧電素子20〜24によって変位を生じさせる基板部分だけに圧電膜120が残るようにドライエッチングを用いて圧電膜の形状形成を行う。具体的には、はじめに、各圧電素子20〜24によって変位を生じさせる基板部分だけに圧電膜が残るようにレジスト層をパターニングして上部電極123をエッチングし、その後、再びレジスト層をパターニングして圧電材料122をエッチングし、最後に、もう一度レジスト層をパターニングして下部電極121をエッチングする。これにより、SOIウエハ100上の弾性変形部12〜15,16A,16Bとなる箇所に、それぞれ、圧電膜120が残り、これが各圧電素子20〜24を構成する。
次に、図14(c)に示すように、SOIウエハ100の上面側の全体にマスキング層111’を形成する。このマスキング層111’は、トーションバー19A,19BとなるSOIウエハ100上の部分では下層透明薄膜111として残され、他の基板部分では絶縁層として残される。このマスキング層111’は、例えば、SiO2をプラズマCVD法により成膜して形成することができる。
次に、図14(d)に示すように、マスキング層111’の上に配線用の導電膜を形成し、パターニングして配線パターン124を形成する。配線材料としては、例えば、アルミニウム(Al)やAl−Cu等のアルミニウム合金を使用することができる。このとき、図14(c)で形成されたマスキング層111’は、配線パターン124と圧電膜120との絶縁層としての役割も担うので、その絶縁に必要な膜厚に設定される。
次に、図15(a)に示すように、SOIウエハ100の上面側の全体にマスキング層112’を形成する。このマスキング層112’は、デバイス全体を外界からのガス、水分などから保護するためのパッシベーション膜として基板全体に残される。また、このマスキング層112’は、トーションバー19A,19BとなるSOIウエハ100上の部分では、上層透明薄膜112として残され、可視光領域では透明である。このマスキング層112’は、例えば、SiNをプラズマCVD法により成膜して形成することができる。
次に、図15(b)に示すように、SOIウエハ100の活性層101の形状形成に合わせて、マスキング層111’及びマスキング層112’の一部を除去するエッチング処理を行う。このエッチング処理では、例えばドライエッチングを採用することができる。
次に、図15(c)に示すように、SOIウエハ100の活性層101の形状形成を行うために、活性層101をエッチングするエッチング処理を行う。このとき、マスキング層111’及びマスキング層112’、特にSOIウエハ100の活性層101に隣接するマスキング層111’が活性層101のエッチングに対するマスク機能を果たす。そのため、図15(b)でのエッチング処理によりマスキング層111’及びマスキング層112’の一部が除去されて露出した活性層101の部分だけ、選択的にエッチングして除去することができる。
SOIウエハ100の活性層101に隣接するマスキング層111’は、シリコン酸化膜(SiO2)であるため、エッチング対象である活性層101のSi材料との選択比(Si/SiO2)が大きい(少なくともシリコン窒化膜(SiN)の選択比(Si/SiN)よりも大きい。)。よって、トーションバー19A,19BとなるSOIウエハ100上の部分を含め、フレーム基板10を構成するSOIウエハ100上の部分へのエッチングダメージが十分に抑制できる。これにより、エッチングによって除去される切欠K1〜K6の内壁面を構成する部分(フレーム基板10の各部側面)には、エッチングダメージによる微細な縦スジ(凹凸)が形成されにくく、平滑なものとなる。その結果、本アクチュエータ駆動デバイスの駆動時に捩れ応力が発生するトーションバー19A,19Bに応力集中が生じにくく、トーションバー19A,19Bの寿命を延ばすことができ、また動作信頼性も向上する。同様に、本アクチュエータ駆動デバイスの駆動時に変形する各弾性変形部12〜15,16A,16Bでも応力集中が生じにくいので、これらの弾性変形部12〜15,16A,16Bの寿命も延ばすことができ、また動作信頼性も向上する。
次に、図15(d)に示すように、トーションバー19A,19Bや弾性変形部12〜15,16A,16Bのように、デバイス駆動において捩れや変形を必要とするSOIウエハ100上の箇所については、SOIウエハ100の下面側から支持層103を除去するエッチング処理を行う。逆に、フレーム基板10の支持フレーム11、可動部枠18、可動部17などは、デバイス駆動時に捩れや変形が生じるのを抑制する必要があるので、これらに対応するSOIウエハ100上の箇所については支持層103が残される。
上述した実施形態(変形例を含む。以下同じ。)において、アクチュエータ駆動デバイスは、一方向から入射してくる入射光を反射するミラー17Mを往復回動動作させて光を走査する光走査装置として利用しているが、これに限らず、例えば、複数方向から入射してくる入射光を反射するミラー17Mを回動動作させて、特定箇所に配置されている受光部へ案内するような受光装置としても利用することが可能である。
更に、本実施形態のアクチュエータ駆動デバイスを適用可能な装置は、光走査装置にも限られない。
また、上述した実施形態におけるアクチュエータ駆動デバイスは、二次元方向に光を走査する光走査装置であるが、当該アクチュエータ駆動デバイスの主走査方向の構成及び動作を一次元方向に光を走査する光走査装置に適用してもよい。
また、上述した実施形態では、主走査方向に可動部17を回動させる駆動手段、副走査方向に可動部17を回動させる第二駆動手段が、いずれも同じ駆動方式を採用するものであるが、互いに異なる駆動方式を採用してもよい。また、駆動方式も圧電駆動方式に限らず、例えば、静電力を用いて駆動する静電駆動方式や、電磁力を用いて駆動する電磁駆動方式を採用してもよい。
また、上述した実施形態では、本実施形態のアクチュエータ駆動デバイスを適用した光走査装置が採用される画像形成装置の一例として、HUD装置を挙げたが、観測者の頭部に装着して使用されるヘッドマウントディスプレイや、スクリーン上に画像を投射して表示するプロジェクタなどの画像投射装置等にも、同様に適用することができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
可動部枠18や第5弾性変形部16A,16B等の支持部と、該支持部に一端が固定されたトーションバー19A,19B等の捩れ部材と、該捩れ部材の他端に固定された可動部17とが、SOIウエハ100等の同一基板から形成されており、主走査用圧電素子24等の駆動手段により前記捩れ部材に所定方向(長手方向等)回りの捩れを生じさせることで前記可動部を繰り返し回動させるアクチュエータ駆動デバイス等の回動装置において、前記捩れ部材及び該捩れ部材の捩れと一緒に変形する第5弾性変形部16A,16B等の変化箇所の少なくとも一方に、前記基板をエッチング処理するときのマスキング層110,111,112が形成されていることを特徴とする。
本態様における回転装置を構成する支持部、捩れ部材及び可動部は、基板をエッチング処理して形状形成することにより同一基板から形成される。捩れ部材や捩れ部材の捩れと一緒に変形する変化箇所(以下「捩れ部材等」という。)は、可動部を繰り返し回動させる際に捩れ等の変形を繰り返すため、回転装置を構成する部材の中で最も早期に寿命を迎えやすい。そのため、捩れ部材等の寿命を延ばすことは、回転装置の寿命を延ばすことにつながる。
本態様においては、形状形成のために基板をエッチング処理するときにマスキング層を捩れ部材等に形成し、捩れ部材等が当該エッチング処理によるダメージを受けるのを抑制する。このとき、基板に対する選択比が十分に大きなマスキング層を用いることで、エッチングダメージによる微細な凹凸を平滑化する処理を別途行わなくても、捩れ部材等に生じるエッチングダメージを十分に押さえ、捩れ部材等に生じる応力集中を抑制して捩れ部材等の寿命を延ばすことが可能である。また、本態様においては、このマスキング層を除去せずにそのまま捩れ部材等に残すため、マスキング層を除去する処理が省略できる。したがって、平滑化処理やマスキング層の除去処理の処理工程を省略して製造工程を減らしつつも、基板に対する選択比が十分に大きなマスキング層を用いることで回転装置の長寿命化を図ることができる。
(態様B)
前記態様Aにおいて、前記駆動手段は、前記支持部の少なくとも一部分(第5弾性変形部16A,16B等)に設けられる主走査用圧電素子24等の圧電素子により該一部分を変形させることにより、前記捩れ部材に前記所定方向回りの捩れを生じさせることを特徴とする。
これによれば、圧電駆動方式の採用により、静電駆動方式や電磁駆動方式などの他の駆動方式と比べて、小型化等の観点で有利となる。
(態様C)
前記態様A又はBにおいて、前記基板は、シリコン材料を基材としたSOIウエハ100等の基板であることを特徴とする。
これによれば、基板の作成を半導体プロセスに準じて行うことができ、大量生産によるコストダウンを図ることが容易となる。
(態様D)
前記態様Cにおいて、前記マスキング層は、シリコン酸化膜を含む層であることを特徴とする。
これによれば、シリコン酸化膜はシリコン(Si)に対する選択比(Si/SiO2)が高いため、捩れ部材等となるシリコン材料部分へのエッチングダメージを十分に抑制でき、エッチングダメージによる微細な凹凸を平滑化する処理を別途行わなくても、捩れ部材等に生じる応力集中を抑制して捩れ部材等の寿命を延ばすことができる。
(態様E)
前記態様Dにおいて、前記マスキング層は、前記シリコン酸化膜の上にチッ化シリコン膜が形成された層であることを特徴とする。
これによれば、チッ化シリコン膜を水分やガスから保護するパッシベーション膜として好適に利用することができる。
(態様F)
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記可動部は、光反射面をもった光学部材を有することを特徴とする。
これによれば、本態様に係る回転装置を光走査装置の走査手段として利用することができる。
また、一般に、光走査装置では、可動部上の光反射面へ入射すべき入射光の一部が種々の原因によって可動部から外れて捩れ部材等に入射する場合がある。この場合、捩れ部材等での反射光の光量が多いと、これが迷光となって種々の不具合を引き起こす。本態様においては、捩れ部材等に残るマスキング層が、捩れ部材等で反射する反射光の光量を少なくするための反射抑制層として利用できる。特に、このマスキング層は、基板のエッチング処理時に多少エッチングされることから、その表面が適度に粗面化され、特別な処理を別途施すことなく、良好な反射抑制層となる。よって、製造工程を増やすことなく、良好な反射抑制層を得て、迷光による種々の不具合を抑制することができる。
(態様G)
前記態様Fにおいて、前記マスキング層は、前記基板よりも可視光波長領域の光反射率が低いことを特徴とする。
これによれば、可視光による迷光を抑制できることから、画像を表示する画像表示装置の迷光による画質劣化が抑制される結果、画像表示装置の光走査装置として好適に利用できる。
(態様H)
光出力手段から出力される光を走査する走査手段を有する光走査装置において、前記走査手段は、前記態様F又はGに係る回動装置を用いることを特徴とする。
これによれば、製造工程を減らしつつも光走査装置の長寿命化を図ることができる。しかも、可視光による迷光も抑制可能となることから、画像表示装置の光走査装置として好適に利用できる。
(態様I)
画像情報に基づく画像走査光を出力する画像走査光出力手段と、前記画像走査光出力手段から出力される画像走査光を二次元走査する走査手段とを有する画像表示装置において、前記走査手段として、前記態様F又はGに係る回動装置を用い、前記駆動手段によって前記可動部を所定の回動軸回りで繰り返し回動させることにより画像水平方向及び画像垂直方向のうちの一方の方向に画像走査光を走査するとともに、第二駆動手段によって前記所定の回動軸に対して略直交する第二回動軸回りで前記可動部を回動させることにより画像水平方向及び画像垂直方向のうちの他方の方向に画像走査光を走査することを特徴とする。
これによれば、製造工程が少なく長寿命な光走査装置を用いた画像形成装置を提供できる。しかも、可視光による迷光も抑制可能となることから、迷光による画質劣化が抑制される。
(態様J)
支持部と、該支持部に一端が固定された捩れ部材と、該捩れ部材の他端に固定された可動部とが、同一基板から形成されており、駆動手段により前記捩れ部材に所定方向回りの捩れを生じさせることで前記可動部を繰り返し回動させる回動装置の製造方法において、前記捩れ部材及び該捩れ部材の捩れと一緒に変形する変化箇所の少なくとも一方にマスキング層を形成するマスキング工程と、前記マスキング工程の後に前記基板をエッチング処理するエッチング工程とを有することを特徴とする。
これによれば、平滑化処理やマスキング層の除去処理の処理工程を省略して製造工程を減らしつつも、基板に対する選択比が十分に大きなマスキング層を用いることで回転装置の長寿命化を図ることができる。
10 フレーム基板
11 支持フレーム
12〜15,16A,16B 弾性変形部
17 可動部
17M ミラー
18 可動部枠
19A,19B トーションバー
20〜24 圧電素子
100 SOIウエハ
101 活性層
102 BOX層
103 支持層
110 透明薄膜(マスキング層)
111 下層透明薄膜(マスキング層)
112 上層透明薄膜(マスキング層)
120 圧電膜
121 下部電極
122 圧電材料
123 上部電極
124 配線パターン
200 自動車用HUD装置
201R,201G,201B レーザー光源
208 光走査装置
209 自由曲面ミラー
210 スクリーン
211 投射ミラー
212 受光センサ
230 光源ユニット
300 運転者
301 自動車
302 フロントガラス
特開2012−194400号公報

Claims (6)

  1. 支持部と、該支持部に一端が固定された捩れ部材と、該捩れ部材の他端に固定された可動部とが、同一基板から形成されており、駆動手段により前記捩れ部材に所定方向回りの捩れを生じさせることで前記可動部を繰り返し回動させる回動装置において、
    前記捩れ部材及び該捩れ部材の捩れと一緒に変形する変化箇所の少なくとも一方に、前記基板をエッチング処理するときのマスキング層が形成され
    前記マスキング層は、シリコン酸化膜の上にチッ化シリコン膜が形成された層であり、
    前記マスキング層の光反射率は、前記可動部に入射される光の可視光波長領域に含まれる複数のピーク波長についての光反射率が前記基板よりも低くなるように、該複数のピーク波長に対応した複数の極小値を有することを特徴とする回動装置。
  2. 請求項1に記載の回動装置において、
    前記駆動手段は、前記支持部の少なくとも一部分に設けられる圧電素子により該一部分を変形させることにより、前記捩れ部材に前記所定方向回りの捩れを生じさせることを特徴とする回動装置。
  3. 請求項1又は2に記載の回動装置において、
    前記基板は、シリコン材料を基材とした基板であることを特徴とする回動装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回動装置において、
    前記可動部は、光反射面をもった光学部材を有することを特徴とする回動装置。
  5. 光出力手段から出力される光を走査する走査手段を有する光走査装置において、
    前記走査手段は、請求項4に記載の回動装置を用いることを特徴とする光走査装置。
  6. 画像情報に基づく画像走査光を出力する画像走査光出力手段と、
    前記画像走査光出力手段から出力される画像走査光を二次元走査する走査手段とを有する画像表示装置において、
    前記走査手段として、請求項4に記載の回動装置を用い、
    前記駆動手段によって前記可動部を所定の回動軸回りで繰り返し回動させることにより画像水平方向及び画像垂直方向のうちの一方の方向に画像走査光を走査するとともに、第二駆動手段によって前記所定の回動軸に対して略直交する第二回動軸回りで前記可動部を回動させることにより画像水平方向及び画像垂直方向のうちの他方の方向に画像走査光を走査することを特徴とする画像表示装置。
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