JP2002277810A - 光偏向器および光走査型光学装置 - Google Patents
光偏向器および光走査型光学装置Info
- Publication number
- JP2002277810A JP2002277810A JP2001081125A JP2001081125A JP2002277810A JP 2002277810 A JP2002277810 A JP 2002277810A JP 2001081125 A JP2001081125 A JP 2001081125A JP 2001081125 A JP2001081125 A JP 2001081125A JP 2002277810 A JP2002277810 A JP 2002277810A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- support
- optical
- film
- pair
- movable
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Laser Beam Printer (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
- Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
- Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
- Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】反射鏡の部分の反射率が高く、反射鏡を除いた
部分の反射率が低い、マイクロマシン技術を用いて作製
される光偏向器を提供する。 【解決手段】光偏向器100は、反射鏡を有する可動部
102と、可動部102を取り囲んでいる支持部108
と、支持部108に対して可動部102を揺動可能に支
持する一対の可撓梁104、106と、可動部102に
設けられた一対の駆動電極112、114と、その各々
から延びている配線122、124と、駆動電極11
2、114に向き合っている固定電極118とを有して
いる。駆動電極112、114は光ビームを反射するた
めの反射鏡としても機能する。光偏向器100は、さら
に、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の保護膜18
2と、保護膜182を介して駆動電極の上に選択的に形
成された光学膜184とを有している。光学膜184は
保護膜182と共働して反射増加膜として機能する。
部分の反射率が低い、マイクロマシン技術を用いて作製
される光偏向器を提供する。 【解決手段】光偏向器100は、反射鏡を有する可動部
102と、可動部102を取り囲んでいる支持部108
と、支持部108に対して可動部102を揺動可能に支
持する一対の可撓梁104、106と、可動部102に
設けられた一対の駆動電極112、114と、その各々
から延びている配線122、124と、駆動電極11
2、114に向き合っている固定電極118とを有して
いる。駆動電極112、114は光ビームを反射するた
めの反射鏡としても機能する。光偏向器100は、さら
に、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の保護膜18
2と、保護膜182を介して駆動電極の上に選択的に形
成された光学膜184とを有している。光学膜184は
保護膜182と共働して反射増加膜として機能する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ビームを走査す
るための光偏向器とそれを用いた光走査型光学装置に関
する。
るための光偏向器とそれを用いた光走査型光学装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造技術を応用したマイク
ロマシン技術を用いて作製される超小型の光偏向器が注
目されている。
ロマシン技術を用いて作製される超小型の光偏向器が注
目されている。
【0003】特開昭60−107017は、このような
に光偏向器の一例である二次元偏向器を開示している。
この二次元偏向器は、シリコンの単結晶基板から作製さ
れており、その可動部は、光ビームを反射するための反
射鏡を有し、ジンバルによって二本の軸の周りに揺動可
能に支持されている。
に光偏向器の一例である二次元偏向器を開示している。
この二次元偏向器は、シリコンの単結晶基板から作製さ
れており、その可動部は、光ビームを反射するための反
射鏡を有し、ジンバルによって二本の軸の周りに揺動可
能に支持されている。
【0004】可動部は、電磁駆動あるいは静電駆動によ
って揺動される。電磁駆動方式の光偏向器では、可動部
とジンバルの可動枠に電磁コイルが設けられ、電磁コイ
ルには永久磁石によって磁界が与えられる。静電駆動方
式では、可動部とジンバルの可動枠に電極が設けられる
とともに、これに向き合う複数の電極が設けられる。
って揺動される。電磁駆動方式の光偏向器では、可動部
とジンバルの可動枠に電磁コイルが設けられ、電磁コイ
ルには永久磁石によって磁界が与えられる。静電駆動方
式では、可動部とジンバルの可動枠に電極が設けられる
とともに、これに向き合う複数の電極が設けられる。
【0005】また、特開2000−310743は、こ
のような光偏向器を用いた光走査型光学装置を開示して
いる。この光走査型光学装置は、可動部の中央に貫通孔
が形成された光偏向器と、収束レンズとを有しており、
収束レンズの表面の中央部には、可動部の反射鏡に向き
合う反射鏡が形成されている。
のような光偏向器を用いた光走査型光学装置を開示して
いる。この光走査型光学装置は、可動部の中央に貫通孔
が形成された光偏向器と、収束レンズとを有しており、
収束レンズの表面の中央部には、可動部の反射鏡に向き
合う反射鏡が形成されている。
【0006】この光走査型光学装置では、光偏向器の裏
側から可動部の貫通孔を通って射出される光ビームは、
収束レンズの反射鏡に続いて可動部の反射鏡で反射され
た後、収束レンズによって集光される。その集光点は、
光偏向器の可動部の二本の軸周りの揺動に従って二次元
的に走査される。
側から可動部の貫通孔を通って射出される光ビームは、
収束レンズの反射鏡に続いて可動部の反射鏡で反射され
た後、収束レンズによって集光される。その集光点は、
光偏向器の可動部の二本の軸周りの揺動に従って二次元
的に走査される。
【0007】この光走査型光学装置に含まれる光偏向器
は、可動部に形成されている駆動電極を有しており、そ
の可動部は静電駆動方式によって揺動される。また、可
動部の駆動電極は、光ビームを反射するための反射鏡も
兼ねている。
は、可動部に形成されている駆動電極を有しており、そ
の可動部は静電駆動方式によって揺動される。また、可
動部の駆動電極は、光ビームを反射するための反射鏡も
兼ねている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】光偏向器では、可動部
に設けられる光ビームを反射するための反射鏡は、勿
論、高い反射率を有していることが望ましい。また、反
射鏡を除いた他の部分は、不所望な迷光の発生を抑える
ために、低い反射率を有していると好ましい。このた
め、反射鏡の部分には反射率を高める膜すなわち反射増
加膜が設けられ、それ以外の部分には反射率を低める膜
すなわち反射減衰膜が設けられるとよい。
に設けられる光ビームを反射するための反射鏡は、勿
論、高い反射率を有していることが望ましい。また、反
射鏡を除いた他の部分は、不所望な迷光の発生を抑える
ために、低い反射率を有していると好ましい。このた
め、反射鏡の部分には反射率を高める膜すなわち反射増
加膜が設けられ、それ以外の部分には反射率を低める膜
すなわち反射減衰膜が設けられるとよい。
【0009】しかしながら、半導体製造技術を応用した
マイクロマシン技術を用いて作製される光偏向器では、
駆動電極が反射鏡を兼ねる場合は勿論であるが、そうで
ない場合であっても、一般に、可動部に形成される電気
要素すなわち電磁コイルや駆動電極や配線等は、反射鏡
と共に、アルミニウム等の同じ金属薄膜から形成され
る。このように同じ金属薄膜から形成される反射鏡と他
の電気要素に対して、一方には反射増加膜を設け、他方
には反射減衰膜を形成することは難しい。
マイクロマシン技術を用いて作製される光偏向器では、
駆動電極が反射鏡を兼ねる場合は勿論であるが、そうで
ない場合であっても、一般に、可動部に形成される電気
要素すなわち電磁コイルや駆動電極や配線等は、反射鏡
と共に、アルミニウム等の同じ金属薄膜から形成され
る。このように同じ金属薄膜から形成される反射鏡と他
の電気要素に対して、一方には反射増加膜を設け、他方
には反射減衰膜を形成することは難しい。
【0010】また、前述の文献には特に明記されていな
いが、電磁コイルや駆動電極や配線等を大気から保護し
たりゴミなどの付着により故障を防止するために、光偏
向器の表面を覆う保護膜を設けることは、一般的に行な
われている技術である。しかし、このような保護膜は、
通常は反射減衰膜として働くため、反射鏡にとっては望
ましくない要素である。
いが、電磁コイルや駆動電極や配線等を大気から保護し
たりゴミなどの付着により故障を防止するために、光偏
向器の表面を覆う保護膜を設けることは、一般的に行な
われている技術である。しかし、このような保護膜は、
通常は反射減衰膜として働くため、反射鏡にとっては望
ましくない要素である。
【0011】本発明は、このような実状を考慮して成さ
れたものであり、その目的は、反射鏡の部分の反射率が
高く、反射鏡を除いた部分の反射率が低い、マイクロマ
シン技術を用いて作製される光偏向器を提供することで
ある。
れたものであり、その目的は、反射鏡の部分の反射率が
高く、反射鏡を除いた部分の反射率が低い、マイクロマ
シン技術を用いて作製される光偏向器を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ひとつには、
照射される光ビームを反射鏡により反射すると共にその
反射光ビームの方向を変更し得る光偏向器であって、反
射鏡を有する可動部と、可動部を取り囲んでいる支持部
と、可動部と支持部を連結している一対の可撓梁であっ
て、支持部に対して可動部を一本の軸の周りに揺動可能
に支持する一対の可撓梁と、可動部に設けられた一対の
駆動電極であって、反射鏡としても機能する一対の駆動
電極と、駆動電極の各々から可撓梁を通って支持部まで
延びている一対の配線と、駆動電極と配線を被覆してい
る絶縁性の保護膜と、保護膜を介して駆動電極の上に選
択的に形成された光学膜であって、保護膜と共働して反
射増加膜として機能する光学膜と、駆動電極から離れて
駆動電極に向き合っている固定電極とを有している。
照射される光ビームを反射鏡により反射すると共にその
反射光ビームの方向を変更し得る光偏向器であって、反
射鏡を有する可動部と、可動部を取り囲んでいる支持部
と、可動部と支持部を連結している一対の可撓梁であっ
て、支持部に対して可動部を一本の軸の周りに揺動可能
に支持する一対の可撓梁と、可動部に設けられた一対の
駆動電極であって、反射鏡としても機能する一対の駆動
電極と、駆動電極の各々から可撓梁を通って支持部まで
延びている一対の配線と、駆動電極と配線を被覆してい
る絶縁性の保護膜と、保護膜を介して駆動電極の上に選
択的に形成された光学膜であって、保護膜と共働して反
射増加膜として機能する光学膜と、駆動電極から離れて
駆動電極に向き合っている固定電極とを有している。
【0013】本発明の別の光偏向器は、反射鏡を有する
可動部と、可動部を取り囲んでいる第一の支持部と、可
動部と第一の支持部を連結している一対の第一の可撓梁
であって、第一の支持部に対して可動部を一本の第一の
軸の周りに揺動可能に支持する一対の第一の可撓梁と、
第一の支持部を取り囲んでいる第二の支持部と、第一の
支持部と第二の支持部を連結している一対の第二の可撓
梁であって、第二の支持部に対して第一の支持部を第一
の軸に対して非平行な一本の第二の軸の周りに揺動可能
に支持する一対の第二の可撓梁と、可動部に設けられた
一対の第一の駆動電極であって、反射鏡としても機能す
る一対の第一の駆動電極と、第一の駆動電極の各々から
第一の可撓梁と第一の支持部と第二の可撓梁を通って第
二の支持部まで延びている一対の第一の配線と、第一の
支持部に設けられた一対の第二の駆動電極と、第二の駆
動電極の各々から第二の可撓梁を通って第二の支持部ま
で延びている一対の第二の配線と、第一の駆動電極と第
一の配線と第二の駆動電極と第二の配線を被覆している
絶縁性の保護膜と、保護膜を介して第一の駆動電極の上
に選択的に形成された光学膜であって、保護膜と共働し
て反射増加膜として機能する光学膜と、第一の駆動電極
と第二の駆動電極から離れて第一の駆動電極と第二の駆
動電極に向き合っている固定電極とを有している。
可動部と、可動部を取り囲んでいる第一の支持部と、可
動部と第一の支持部を連結している一対の第一の可撓梁
であって、第一の支持部に対して可動部を一本の第一の
軸の周りに揺動可能に支持する一対の第一の可撓梁と、
第一の支持部を取り囲んでいる第二の支持部と、第一の
支持部と第二の支持部を連結している一対の第二の可撓
梁であって、第二の支持部に対して第一の支持部を第一
の軸に対して非平行な一本の第二の軸の周りに揺動可能
に支持する一対の第二の可撓梁と、可動部に設けられた
一対の第一の駆動電極であって、反射鏡としても機能す
る一対の第一の駆動電極と、第一の駆動電極の各々から
第一の可撓梁と第一の支持部と第二の可撓梁を通って第
二の支持部まで延びている一対の第一の配線と、第一の
支持部に設けられた一対の第二の駆動電極と、第二の駆
動電極の各々から第二の可撓梁を通って第二の支持部ま
で延びている一対の第二の配線と、第一の駆動電極と第
一の配線と第二の駆動電極と第二の配線を被覆している
絶縁性の保護膜と、保護膜を介して第一の駆動電極の上
に選択的に形成された光学膜であって、保護膜と共働し
て反射増加膜として機能する光学膜と、第一の駆動電極
と第二の駆動電極から離れて第一の駆動電極と第二の駆
動電極に向き合っている固定電極とを有している。
【0014】本発明の更に別の光偏向器は、反射鏡を有
する可動部と、可動部を取り囲んでいる支持部と、可動
部と支持部を連結している一対の可撓梁であって、支持
部に対して可動部を一本の軸の周りに揺動可能に支持す
る一対の可撓梁と、可動部の周縁部を周回する電磁コイ
ルと、電磁コイルの両端から可撓梁を通って支持部まで
延びている一対の配線と、反射鏡と電磁コイルと配線を
被覆している絶縁性の保護膜と、保護膜を介して反射鏡
の上に選択的に形成された光学膜であって、保護膜と共
働して反射増加膜として機能する光学膜と、電磁コイル
に作用する磁界を発生させる磁界発生手段とを有してい
る。
する可動部と、可動部を取り囲んでいる支持部と、可動
部と支持部を連結している一対の可撓梁であって、支持
部に対して可動部を一本の軸の周りに揺動可能に支持す
る一対の可撓梁と、可動部の周縁部を周回する電磁コイ
ルと、電磁コイルの両端から可撓梁を通って支持部まで
延びている一対の配線と、反射鏡と電磁コイルと配線を
被覆している絶縁性の保護膜と、保護膜を介して反射鏡
の上に選択的に形成された光学膜であって、保護膜と共
働して反射増加膜として機能する光学膜と、電磁コイル
に作用する磁界を発生させる磁界発生手段とを有してい
る。
【0015】本発明のまた更に別の光偏向器は、反射鏡
を有する可動部と、可動部を取り囲んでいる第一の支持
部と、可動部と第一の支持部を連結している一対の第一
の可撓梁であって、第一の支持部に対して可動部を一本
の第一の軸の周りに揺動可能に支持する一対の第一の可
撓梁と、第一の支持部を取り囲んでいる第二の支持部
と、第一の支持部と第二の支持部を連結している一対の
第二の可撓梁であって、第二の支持部に対して第一の支
持部を第一の軸に対して非平行な一本の第二の軸の周り
に揺動可能に支持する一対の第二の可撓梁と、可動部の
周縁部を周回する第一の電磁コイルと、第一の電磁コイ
ルの両端から第一の可撓梁と第一の支持部と第二の可撓
梁を通って第二の支持部まで延びている一対の第一の配
線と、第一の支持部の周縁部を周回する第二の電磁コイ
ルと、第二の電磁コイルの両端から第二の可撓梁を通っ
て第二の支持部まで延びている一対の第二の配線と、反
射鏡と第一の電磁コイルと第一の配線と第二の電磁コイ
ルと第二の配線を被覆している絶縁性の保護膜と、保護
膜を介して反射鏡の上に選択的に形成された光学膜であ
って、保護膜と共働して反射増加膜として機能する光学
膜と、第一の電磁コイルと第二の電磁コイルに作用する
磁界を発生させる磁界発生手段とを有している。
を有する可動部と、可動部を取り囲んでいる第一の支持
部と、可動部と第一の支持部を連結している一対の第一
の可撓梁であって、第一の支持部に対して可動部を一本
の第一の軸の周りに揺動可能に支持する一対の第一の可
撓梁と、第一の支持部を取り囲んでいる第二の支持部
と、第一の支持部と第二の支持部を連結している一対の
第二の可撓梁であって、第二の支持部に対して第一の支
持部を第一の軸に対して非平行な一本の第二の軸の周り
に揺動可能に支持する一対の第二の可撓梁と、可動部の
周縁部を周回する第一の電磁コイルと、第一の電磁コイ
ルの両端から第一の可撓梁と第一の支持部と第二の可撓
梁を通って第二の支持部まで延びている一対の第一の配
線と、第一の支持部の周縁部を周回する第二の電磁コイ
ルと、第二の電磁コイルの両端から第二の可撓梁を通っ
て第二の支持部まで延びている一対の第二の配線と、反
射鏡と第一の電磁コイルと第一の配線と第二の電磁コイ
ルと第二の配線を被覆している絶縁性の保護膜と、保護
膜を介して反射鏡の上に選択的に形成された光学膜であ
って、保護膜と共働して反射増加膜として機能する光学
膜と、第一の電磁コイルと第二の電磁コイルに作用する
磁界を発生させる磁界発生手段とを有している。
【0016】本発明は、また、光ビームを走査する光走
査型光学装置であって、可動部の中央に形成された貫通
孔を更に有している上記のいずれかひとつの光偏向器
と、可動部に対して、可動部の反射鏡の反対の側から、
可動部の貫通孔を通して発散光ビームを射出する光射出
部と、可動部の貫通孔を通過した発散光ビームを可動部
の反射鏡に向けて反射する不動の反射鏡と、可動部の反
射鏡で反射された発散光ビームを収束させるための収束
レンズとを有しており、不動の反射鏡は収束レンズに固
定されている。
査型光学装置であって、可動部の中央に形成された貫通
孔を更に有している上記のいずれかひとつの光偏向器
と、可動部に対して、可動部の反射鏡の反対の側から、
可動部の貫通孔を通して発散光ビームを射出する光射出
部と、可動部の貫通孔を通過した発散光ビームを可動部
の反射鏡に向けて反射する不動の反射鏡と、可動部の反
射鏡で反射された発散光ビームを収束させるための収束
レンズとを有しており、不動の反射鏡は収束レンズに固
定されている。
【0017】
【発明の実施の形態】第一実施形態 本発明の第一実施形態について図1を参照しながら説明
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を一次元的に
変更し得る静電駆動型の光偏向器である。
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を一次元的に
変更し得る静電駆動型の光偏向器である。
【0018】図1(A)に示されるように、光偏向器10
0は、反射鏡を有する可動部102と、可動部102を
取り囲んでいる支持部108と、可動部102と支持部
108を連結している一対の可撓梁104、106とを
有している。一対の可撓梁104、106は、支持部1
08に対して可動部102を、可動部102の中央を通
る一本の軸L1の周りに揺動可能に支持している。
0は、反射鏡を有する可動部102と、可動部102を
取り囲んでいる支持部108と、可動部102と支持部
108を連結している一対の可撓梁104、106とを
有している。一対の可撓梁104、106は、支持部1
08に対して可動部102を、可動部102の中央を通
る一本の軸L1の周りに揺動可能に支持している。
【0019】光偏向器100は、さらに、可動部102
に設けられた一対の駆動電極112、114を有してい
る。一対の駆動電極112、114は、光ビームを反射
するための反射鏡としても機能する。駆動電極114と
駆動電極112の間の隙間は、可動部102の中央部分
を除いては、軸L1に沿って延びており、可動部102
の中央部分では、これを迂回して半円の円弧に沿って延
びている。その結果、可動部102の中央部分では、駆
動電極114が、軸L1を越えて、駆動電極112の側
に張り出している。このような駆動電極114の中央の
張り出しは、一般にガウス分布に従う光ビームを好適に
反射し、駆動電極114と駆動電極112の間の隙間に
よる光の損失を最小限に抑える。
に設けられた一対の駆動電極112、114を有してい
る。一対の駆動電極112、114は、光ビームを反射
するための反射鏡としても機能する。駆動電極114と
駆動電極112の間の隙間は、可動部102の中央部分
を除いては、軸L1に沿って延びており、可動部102
の中央部分では、これを迂回して半円の円弧に沿って延
びている。その結果、可動部102の中央部分では、駆
動電極114が、軸L1を越えて、駆動電極112の側
に張り出している。このような駆動電極114の中央の
張り出しは、一般にガウス分布に従う光ビームを好適に
反射し、駆動電極114と駆動電極112の間の隙間に
よる光の損失を最小限に抑える。
【0020】光偏向器100は、駆動電極112から可
撓梁104を通って支持部108まで延びている配線1
22と、駆動電極114から可撓梁106を通って支持
部108まで延びている配線124とを有している。配
線122は、支持部108に設けられている電極パッド
126に終端し、配線124は、支持部108に設けら
れている電極パッド128に終端している。
撓梁104を通って支持部108まで延びている配線1
22と、駆動電極114から可撓梁106を通って支持
部108まで延びている配線124とを有している。配
線122は、支持部108に設けられている電極パッド
126に終端し、配線124は、支持部108に設けら
れている電極パッド128に終端している。
【0021】光偏向器100は、さらに、駆動電極11
2、114から離れて、駆動電極112、114に向き
合っている固定電極118を有している。
2、114から離れて、駆動電極112、114に向き
合っている固定電極118を有している。
【0022】光偏向器100は、さらに、図1(B)に示
されるように、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の
保護膜182と、保護膜182を介して駆動電極の上に
選択的に形成された光学膜184とを有している。光学
膜184は保護膜182と共働して反射増加膜として機
能する。
されるように、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の
保護膜182と、保護膜182を介して駆動電極の上に
選択的に形成された光学膜184とを有している。光学
膜184は保護膜182と共働して反射増加膜として機
能する。
【0023】光偏向器100は、半導体製造技術を応用
したマイクロマシン技術を適用して作製される。
したマイクロマシン技術を適用して作製される。
【0024】作製にあたっては、まずシリコン基板に凹
部を形成し、この凹部側面に別体のシリコン基板を貼り
合わせる。そして、別体のシリコン基板を所望の厚さま
で除去することにより、図1(B)に示すSOI(Silicon
On Insulator)ウエハを作製する。ここで、上記凹部を
有するシリコン基板を基板層172、上記別体のシリコ
ン基板を活性層176とする。SOIウエハの活性層1
76の上に全面にわたって窒化シリコン膜178を形成
し、この窒化シリコン膜178をパターニングし、これ
をマスクにして活性層176をエッチングすることによ
り、可動部102と支持部108と可撓梁104、10
6が形成される。
部を形成し、この凹部側面に別体のシリコン基板を貼り
合わせる。そして、別体のシリコン基板を所望の厚さま
で除去することにより、図1(B)に示すSOI(Silicon
On Insulator)ウエハを作製する。ここで、上記凹部を
有するシリコン基板を基板層172、上記別体のシリコ
ン基板を活性層176とする。SOIウエハの活性層1
76の上に全面にわたって窒化シリコン膜178を形成
し、この窒化シリコン膜178をパターニングし、これ
をマスクにして活性層176をエッチングすることによ
り、可動部102と支持部108と可撓梁104、10
6が形成される。
【0025】窒化シリコン膜178は、活性層176に
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜178の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜178の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
【0026】活性層176は、支持部108の一部を構
成する一方、可動部102の主な剛性を担う基板を構成
している。可動部102に位置する活性層176は、図
1(A)に示されるように、可動部102の四隅に形成さ
れたコンタクト116を介して、駆動電極112、11
4と電気的に接続されている。活性層176は、静電駆
動に適した高い抵抗率を有している。
成する一方、可動部102の主な剛性を担う基板を構成
している。可動部102に位置する活性層176は、図
1(A)に示されるように、可動部102の四隅に形成さ
れたコンタクト116を介して、駆動電極112、11
4と電気的に接続されている。活性層176は、静電駆
動に適した高い抵抗率を有している。
【0027】基板層172に形成された凹部は、可動部
102の揺動に必要な間隔を与える。この凹部の底面部
分は、可動部102に位置する活性層176と向き合っ
ており、固定電極118として働く。
102の揺動に必要な間隔を与える。この凹部の底面部
分は、可動部102に位置する活性層176と向き合っ
ており、固定電極118として働く。
【0028】窒化シリコン膜178の上に全面にわたり
アルミニウム薄膜180を形成し、このアルミニウム薄
膜180をパターニングすることにより、駆動電極11
2、114と配線122、124と電極パッド126、
128とが形成される。駆動電極112、114は反射
鏡を兼ねるため、アルミニウム薄膜180の膜厚は、反
射鏡を構成するに適した値が選ばれる。
アルミニウム薄膜180を形成し、このアルミニウム薄
膜180をパターニングすることにより、駆動電極11
2、114と配線122、124と電極パッド126、
128とが形成される。駆動電極112、114は反射
鏡を兼ねるため、アルミニウム薄膜180の膜厚は、反
射鏡を構成するに適した値が選ばれる。
【0029】電極パッド126、128は、ワイヤボン
ディングやフリップチップボンディング等のために適当
な厚さが要求される。このため、必要に応じて、電極パ
ッド126、128の部分だけに更にアルミニウム厚膜
が形成されてもよい。
ディングやフリップチップボンディング等のために適当
な厚さが要求される。このため、必要に応じて、電極パ
ッド126、128の部分だけに更にアルミニウム厚膜
が形成されてもよい。
【0030】パターニングされたアルミニウム薄膜18
0を大気から保護するために、これを被覆する保護膜1
82が、この構造体の全面にわたり形成される。保護膜
182には、電極パッド126、128を露出させるた
めの開口が形成される。
0を大気から保護するために、これを被覆する保護膜1
82が、この構造体の全面にわたり形成される。保護膜
182には、電極パッド126、128を露出させるた
めの開口が形成される。
【0031】保護膜182の上には更に、反射鏡すなわ
ち駆動電極112、114の上に位置する部分に、選択
的に光学膜184が形成される。
ち駆動電極112、114の上に位置する部分に、選択
的に光学膜184が形成される。
【0032】光学膜184はその下層の保護膜182と
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
184は、保護膜182と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜184が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
184は、保護膜182と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜184が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
【0033】保護膜182は、電気的な特性の他に光学
的な性能も要求され、光偏向器100の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜182は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
的な性能も要求され、光偏向器100の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜182は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
【0034】また、保護膜182の膜厚は、配線12
2、124や支持部108で反射散乱される迷光を抑え
るため、対象の光の波長の1/4であるとよい。このよ
うな保護膜は、これによって覆われる部材の反射率を低
下させる反射減衰膜として好適に働く。
2、124や支持部108で反射散乱される迷光を抑え
るため、対象の光の波長の1/4であるとよい。このよ
うな保護膜は、これによって覆われる部材の反射率を低
下させる反射減衰膜として好適に働く。
【0035】光学膜184は、保護膜182の屈折率よ
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜182に対する好適な光学膜184は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜184の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜182に対する好適な光学膜184は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜184の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
【0036】以下、光偏向器100による光ビームの一
次元走査の動作について説明する。
次元走査の動作について説明する。
【0037】固定電極118は、例えば、グラウンド電
位に保たれる。駆動電極112、114には、それぞれ
対応する電極パッド126、128を介して、同じオフ
セット電圧を有し、振幅値が等しく位相が180度ずれ
ている正弦波形の電位が与えられる。駆動電極112、
114に与えられた電位は、コンタクト116を介し
て、活性層176に伝わり、活性層176の内部に電位
勾配を発生させる。
位に保たれる。駆動電極112、114には、それぞれ
対応する電極パッド126、128を介して、同じオフ
セット電圧を有し、振幅値が等しく位相が180度ずれ
ている正弦波形の電位が与えられる。駆動電極112、
114に与えられた電位は、コンタクト116を介し
て、活性層176に伝わり、活性層176の内部に電位
勾配を発生させる。
【0038】活性層176と固定電極118の間には、
両者の電位差に応じた静電引力が生じる。静電引力の大
きさは、グランド電位に対する電位差に依存する。駆動
電極112、114の各々の電位は180度ずれた位相
で正弦波形的に変動するため、可動部102は、その方
向が周期的に切り替わる軸L1の周りの偶力を受ける。
両者の電位差に応じた静電引力が生じる。静電引力の大
きさは、グランド電位に対する電位差に依存する。駆動
電極112、114の各々の電位は180度ずれた位相
で正弦波形的に変動するため、可動部102は、その方
向が周期的に切り替わる軸L1の周りの偶力を受ける。
【0039】このため、可動部102は、軸L1の周り
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部102の最
大傾きは、駆動電極112、114に供給される正弦波
形の振幅値によって決まり、可動部102の揺動の周期
あるいは周波数は、駆動電極112、114に供給され
る正弦波形の周波数によって決まる。
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部102の最
大傾きは、駆動電極112、114に供給される正弦波
形の振幅値によって決まり、可動部102の揺動の周期
あるいは周波数は、駆動電極112、114に供給され
る正弦波形の周波数によって決まる。
【0040】その結果、可動部102の反射鏡で反射さ
れる光ビームは、可動部102の最大傾きの二倍の角度
幅で、一定の周波数で走査される。
れる光ビームは、可動部102の最大傾きの二倍の角度
幅で、一定の周波数で走査される。
【0041】本実施形態の光偏向器100では、駆動電
極112、114や配線122、124が保護膜182
によって大気から保護されている。また、保護膜182
によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられてお
り、不所望な迷光の発生が抑えられている。さらに、保
護膜182と光学膜184の組み合わせで構成される反
射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げられて
いる。
極112、114や配線122、124が保護膜182
によって大気から保護されている。また、保護膜182
によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられてお
り、不所望な迷光の発生が抑えられている。さらに、保
護膜182と光学膜184の組み合わせで構成される反
射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げられて
いる。
【0042】第二実施形態 本発明の第二実施形態について図2を参照しながら説明
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を二次元的に
変更し得る電磁駆動型の光偏向器である。
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を二次元的に
変更し得る電磁駆動型の光偏向器である。
【0043】図2(A)に示されるように、光偏向器20
0は、反射鏡を有する可動部202と、可動部202を
取り囲んでいる支持部208と、可動部202と支持部
208を連結している一対の可撓梁204、206とを
有している。一対の可撓梁204、206は、支持部2
08に対して可動部202を、可動部202の中央を通
る一本の軸L1の周りに揺動可能に支持している。
0は、反射鏡を有する可動部202と、可動部202を
取り囲んでいる支持部208と、可動部202と支持部
208を連結している一対の可撓梁204、206とを
有している。一対の可撓梁204、206は、支持部2
08に対して可動部202を、可動部202の中央を通
る一本の軸L1の周りに揺動可能に支持している。
【0044】光偏向器200は、さらに、可動部202
の中央部に設けられた反射鏡214と、可動部202の
周縁部を周回する電磁コイル212と、電磁コイル21
2の外側の端部から可撓梁204を通って支持部208
まで延びている配線222と、電磁コイル212の内側
の端部から可撓梁206を通って支持部208まで延び
ている配線224とを有している。
の中央部に設けられた反射鏡214と、可動部202の
周縁部を周回する電磁コイル212と、電磁コイル21
2の外側の端部から可撓梁204を通って支持部208
まで延びている配線222と、電磁コイル212の内側
の端部から可撓梁206を通って支持部208まで延び
ている配線224とを有している。
【0045】配線224は、絶縁層を介して電磁コイル
212を跨いでいる陸橋配線部224aと、可撓梁20
6と支持部208を延びている配線部224bとを有し
ている。
212を跨いでいる陸橋配線部224aと、可撓梁20
6と支持部208を延びている配線部224bとを有し
ている。
【0046】配線222は、支持部208に設けられて
いる電極パッド226に終端し、配線224は、支持部
208に設けられている電極パッド228に終端してい
る。
いる電極パッド226に終端し、配線224は、支持部
208に設けられている電極パッド228に終端してい
る。
【0047】光偏向器200は、さらに、電磁コイル2
12に作用する磁界Hを発生させるための永久磁石等の
磁界発生手段(図示せず)を有している。この磁界発生手
段は、好ましくは、軸L1に直交し可動部202の面に
ほぼ平行な方向の磁界Hを発生させる。
12に作用する磁界Hを発生させるための永久磁石等の
磁界発生手段(図示せず)を有している。この磁界発生手
段は、好ましくは、軸L1に直交し可動部202の面に
ほぼ平行な方向の磁界Hを発生させる。
【0048】光偏向器200は、さらに、図2(B)に示
されるように、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の
保護膜282と、保護膜282を介して駆動電極の上に
選択的に形成された光学膜284とを有している。光学
膜284は保護膜282と共働して反射増加膜として機
能する。
されるように、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の
保護膜282と、保護膜282を介して駆動電極の上に
選択的に形成された光学膜284とを有している。光学
膜284は保護膜282と共働して反射増加膜として機
能する。
【0049】光偏向器200は、SOI(Silicon On In
sulator)ウエハをスタートウェハとして、半導体製造技
術を応用したマイクロマシン技術を適用して作製され
る。
sulator)ウエハをスタートウェハとして、半導体製造技
術を応用したマイクロマシン技術を適用して作製され
る。
【0050】図2(B)から示されるように、SOIウエ
ハは、互いに接合された基板層272と活性層276を
有している。SOIウエハの活性層276の上に全面に
わたって窒化シリコン膜278を形成し、この窒化シリ
コン膜278をパターニングし、これをマスクにして活
性層276をエッチングするとともに、反対側から基板
層272を選択的に除去することにより、可動部202
と支持部208と可撓梁204、206が形成される。
ハは、互いに接合された基板層272と活性層276を
有している。SOIウエハの活性層276の上に全面に
わたって窒化シリコン膜278を形成し、この窒化シリ
コン膜278をパターニングし、これをマスクにして活
性層276をエッチングするとともに、反対側から基板
層272を選択的に除去することにより、可動部202
と支持部208と可撓梁204、206が形成される。
【0051】窒化シリコン膜278は、活性層276に
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜278の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜278の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
【0052】窒化シリコン膜278の上に全面にわたり
アルミニウム薄膜280を形成し、このアルミニウム薄
膜280をパターニングすることにより、電磁コイル2
12と反射鏡214と配線222と配線224の配線部
224bと電極パッド226、228とが形成される。
アルミニウム薄膜280の膜厚は、反射鏡を構成するに
適した値が選ばれる。
アルミニウム薄膜280を形成し、このアルミニウム薄
膜280をパターニングすることにより、電磁コイル2
12と反射鏡214と配線222と配線224の配線部
224bと電極パッド226、228とが形成される。
アルミニウム薄膜280の膜厚は、反射鏡を構成するに
適した値が選ばれる。
【0053】電極パッド226、228は、ワイヤボン
ディングやフリップチップボンディング等のために適当
な厚さが要求される。このため、必要に応じて、電極パ
ッド226、228の部分だけに更にアルミニウム厚膜
が形成されてもよい。
ディングやフリップチップボンディング等のために適当
な厚さが要求される。このため、必要に応じて、電極パ
ッド226、228の部分だけに更にアルミニウム厚膜
が形成されてもよい。
【0054】さらに、パターニングされたアルミニウム
薄膜280を大気から保護するために、これを被覆する
保護膜282が、この構造体の全面にわたり形成され
る。保護膜282には、電極パッド226、228を露
出させるための開口が形成される。
薄膜280を大気から保護するために、これを被覆する
保護膜282が、この構造体の全面にわたり形成され
る。保護膜282には、電極パッド226、228を露
出させるための開口が形成される。
【0055】また、保護膜282には、電磁コイル21
2の内側の端部と、配線224の配線部224bの可撓
梁側の端部を露出させるための開口が形成される。さら
に、保護膜282の上に例えばアルミニウム薄膜286
を形成し、このアルミニウム薄膜286をパターニング
することにより、駆動コイル212の内側の端部と配線
224の配線部224bを電気的に接続する陸橋配線部
224aが形成される。なお、陸橋配線部224aの上
にも、さらに保護膜(図示せず)を設けることが望まし
い。
2の内側の端部と、配線224の配線部224bの可撓
梁側の端部を露出させるための開口が形成される。さら
に、保護膜282の上に例えばアルミニウム薄膜286
を形成し、このアルミニウム薄膜286をパターニング
することにより、駆動コイル212の内側の端部と配線
224の配線部224bを電気的に接続する陸橋配線部
224aが形成される。なお、陸橋配線部224aの上
にも、さらに保護膜(図示せず)を設けることが望まし
い。
【0056】保護膜282の上には更に、反射鏡214
の上に位置する部分に、選択的に光学膜284が形成さ
れる。
の上に位置する部分に、選択的に光学膜284が形成さ
れる。
【0057】光学膜284はその下層の保護膜282と
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
284は、保護膜282と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜284が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
284は、保護膜282と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜284が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
【0058】保護膜282は、電気的な特性の他に光学
的な性能も要求され、光偏向器200の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜282は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
的な性能も要求され、光偏向器200の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜282は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
【0059】また、保護膜282の膜厚は、配線22
2、224や支持部208で反射散乱される迷光を抑え
るため、対象の光の波長の1/4であるとよい。このよ
うな保護膜は、これによって覆われる部材の反射率を低
下させる反射減衰膜として好適に働く。
2、224や支持部208で反射散乱される迷光を抑え
るため、対象の光の波長の1/4であるとよい。このよ
うな保護膜は、これによって覆われる部材の反射率を低
下させる反射減衰膜として好適に働く。
【0060】光学膜284は、保護膜282の屈折率よ
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜282に対する好適な光学膜284は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜284の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜282に対する好適な光学膜284は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜284の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
【0061】以下、光偏向器200による光ビームの一
次元走査の動作について説明する。
次元走査の動作について説明する。
【0062】電磁コイル212には、電極パッド22
6、228を介して、正弦波形等の交流の電流が供給さ
れる。電磁コイル212を流れる電流は、磁界Hとの相
互作用によりローレンツ力を受ける。ローレンツ力の大
きさは、供給される電流の振幅値に依存する。
6、228を介して、正弦波形等の交流の電流が供給さ
れる。電磁コイル212を流れる電流は、磁界Hとの相
互作用によりローレンツ力を受ける。ローレンツ力の大
きさは、供給される電流の振幅値に依存する。
【0063】電磁コイル212の軸L1に平行な部分
は、そこを流れる電流が受けるローレンツ力により、可
動部202の面にほぼ垂直な方向の力を受ける。軸L1
に対して反対側に位置する電磁コイル212の軸L1に
平行な部分を流れる電流は逆向きであるため、可動部2
02は軸L1の周りの偶力を受ける。また、電磁コイル
212を流れる電流は交流であるため、偶力の方向は周
期的に切り替わる。
は、そこを流れる電流が受けるローレンツ力により、可
動部202の面にほぼ垂直な方向の力を受ける。軸L1
に対して反対側に位置する電磁コイル212の軸L1に
平行な部分を流れる電流は逆向きであるため、可動部2
02は軸L1の周りの偶力を受ける。また、電磁コイル
212を流れる電流は交流であるため、偶力の方向は周
期的に切り替わる。
【0064】このため、可動部202は、軸L1の周り
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部202の最
大傾きは、電磁コイル212に供給される交流電流の振
幅値によって決まり、可動部202の揺動の周期あるい
は周波数は、交流電流の周波数によって決まる。
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部202の最
大傾きは、電磁コイル212に供給される交流電流の振
幅値によって決まり、可動部202の揺動の周期あるい
は周波数は、交流電流の周波数によって決まる。
【0065】その結果、可動部202の反射鏡で反射さ
れる光ビームは、可動部202の最大傾きの二倍の角度
幅で、一定の周波数で走査される。
れる光ビームは、可動部202の最大傾きの二倍の角度
幅で、一定の周波数で走査される。
【0066】本実施形態の光偏向器200では、保護膜
282によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられ
ており、不所望な迷光の発生が抑えられている。さら
に、保護膜282と光学膜284の組み合わせで構成さ
れる反射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げ
られている。
282によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられ
ており、不所望な迷光の発生が抑えられている。さら
に、保護膜282と光学膜284の組み合わせで構成さ
れる反射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げ
られている。
【0067】第三実施形態 本発明の第三実施形態について図3を参照しながら説明
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を二次元的に
変更し得る静電駆動型の光偏向器である。
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を二次元的に
変更し得る静電駆動型の光偏向器である。
【0068】図3(A)に示されるように、光偏向器30
0は、反射鏡を有する可動部302と、可動部302を
取り囲んでいる第一の支持部すなわち可動枠あるいはジ
ンバルリング308と、可動部302とジンバルリング
308を連結している一対の第一の可撓梁304、30
6と、ジンバルリング308を取り囲んでいる第二の支
持部すなわち固定枠338と、ジンバルリング308と
固定枠338を連結している一対の第二の可撓梁33
4、336とを有している。
0は、反射鏡を有する可動部302と、可動部302を
取り囲んでいる第一の支持部すなわち可動枠あるいはジ
ンバルリング308と、可動部302とジンバルリング
308を連結している一対の第一の可撓梁304、30
6と、ジンバルリング308を取り囲んでいる第二の支
持部すなわち固定枠338と、ジンバルリング308と
固定枠338を連結している一対の第二の可撓梁33
4、336とを有している。
【0069】一対の第一の可撓梁304、306は、ジ
ンバルリング308に対して可動部302を、可動部3
02の中央を通る一本の第一の軸L1の周りに揺動可能
に支持している。また、一対の第二の可撓梁334、3
36は、固定枠338に対してジンバルリング308
を、可動部302の中央を通る一本の第二の軸L2の周
りに揺動可能に支持している。
ンバルリング308に対して可動部302を、可動部3
02の中央を通る一本の第一の軸L1の周りに揺動可能
に支持している。また、一対の第二の可撓梁334、3
36は、固定枠338に対してジンバルリング308
を、可動部302の中央を通る一本の第二の軸L2の周
りに揺動可能に支持している。
【0070】第一の軸L1と第二の軸L2は、互いに非平
行であり、例えば互いに直交している。従って、可動部
302は、固定枠338に対して、軸L1の周りに揺動
し得ると共に軸L2の周りに揺動し得る。つまり、可動
部302は、固定枠338に対して、所定の角度範囲内
において、任意の方向を向き得る。
行であり、例えば互いに直交している。従って、可動部
302は、固定枠338に対して、軸L1の周りに揺動
し得ると共に軸L2の周りに揺動し得る。つまり、可動
部302は、固定枠338に対して、所定の角度範囲内
において、任意の方向を向き得る。
【0071】光偏向器300は、さらに、可動部302
に設けられた一対の第一の駆動電極312、314を有
している。一対の駆動電極312、314は、光ビーム
を反射するための反射鏡としても機能する。駆動電極3
12と駆動電極314の間の隙間は、可動部302の中
央部分を除いては、軸L1に沿って延びている。
に設けられた一対の第一の駆動電極312、314を有
している。一対の駆動電極312、314は、光ビーム
を反射するための反射鏡としても機能する。駆動電極3
12と駆動電極314の間の隙間は、可動部302の中
央部分を除いては、軸L1に沿って延びている。
【0072】光偏向器300は、さらに、ジンバルリン
グ308に設けられた一対の第二の駆動電極342、3
44を有している。一対の駆動電極342、344は、
軸L2に対して、対称的に位置している。
グ308に設けられた一対の第二の駆動電極342、3
44を有している。一対の駆動電極342、344は、
軸L2に対して、対称的に位置している。
【0073】光偏向器300は、駆動電極312から可
撓梁304とジンバルリング308と可撓梁334を通
って固定枠338まで延びている配線322と、駆動電
極314から可撓梁306とジンバルリング308と可
撓梁336を通って固定枠338まで延びている配線3
24と、駆動電極342から可撓梁334を通って固定
枠338まで延びている配線352と、駆動電極344
から可撓梁336を通って固定枠338まで延びている
配線354とを有している。配線322は、固定枠33
8に設けられている電極パッド326に終端し、配線3
24は、固定枠338に設けられている電極パッド32
8に終端し、配線352は、固定枠338に設けられて
いる電極パッド356に終端し、配線354は、固定枠
338に設けられている電極パッド358に終端してい
る。
撓梁304とジンバルリング308と可撓梁334を通
って固定枠338まで延びている配線322と、駆動電
極314から可撓梁306とジンバルリング308と可
撓梁336を通って固定枠338まで延びている配線3
24と、駆動電極342から可撓梁334を通って固定
枠338まで延びている配線352と、駆動電極344
から可撓梁336を通って固定枠338まで延びている
配線354とを有している。配線322は、固定枠33
8に設けられている電極パッド326に終端し、配線3
24は、固定枠338に設けられている電極パッド32
8に終端し、配線352は、固定枠338に設けられて
いる電極パッド356に終端し、配線354は、固定枠
338に設けられている電極パッド358に終端してい
る。
【0074】光偏向器300は、さらに、駆動電極31
2、314と駆動電極342、344から離れて、駆動
電極312、314と駆動電極342、344に向き合
っている固定電極318を有している。
2、314と駆動電極342、344から離れて、駆動
電極312、314と駆動電極342、344に向き合
っている固定電極318を有している。
【0075】光偏向器300は、さらに、図3(B)に示
されるように、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の
保護膜382と、保護膜382を介して駆動電極の上に
選択的に形成された光学膜384とを有している。光学
膜384は保護膜382と共働して反射増加膜として機
能する。
されるように、駆動電極と配線を被覆している絶縁性の
保護膜382と、保護膜382を介して駆動電極の上に
選択的に形成された光学膜384とを有している。光学
膜384は保護膜382と共働して反射増加膜として機
能する。
【0076】光偏向器300は、半導体製造技術を応用
したマイクロマシン技術を適用して作製される。
したマイクロマシン技術を適用して作製される。
【0077】作製にあたっては、まずシリコン基板に凹
部を形成し、この凹部側面に別体のシリコン基板を貼り
合わせる。そして、別体のシリコン基板を所望の厚さま
で除去することにより、図3(B)に示すSOI(Silicon
On Insulator)ウエハを作製する。ここで、上記凹部を
有するシリコン基板を基板層372、上記別体のシリコ
ン基板を活性層376とする。SOIウエハの活性層3
76の上に全面にわたって窒化シリコン膜378を形成
し、この窒化シリコン膜378をパターニングし、これ
をマスクにして活性層376をエッチングすることによ
り、可動部302と可撓梁304、306とジンバルリ
ング308と可撓梁334、336と固定枠338とが
形成される。
部を形成し、この凹部側面に別体のシリコン基板を貼り
合わせる。そして、別体のシリコン基板を所望の厚さま
で除去することにより、図3(B)に示すSOI(Silicon
On Insulator)ウエハを作製する。ここで、上記凹部を
有するシリコン基板を基板層372、上記別体のシリコ
ン基板を活性層376とする。SOIウエハの活性層3
76の上に全面にわたって窒化シリコン膜378を形成
し、この窒化シリコン膜378をパターニングし、これ
をマスクにして活性層376をエッチングすることによ
り、可動部302と可撓梁304、306とジンバルリ
ング308と可撓梁334、336と固定枠338とが
形成される。
【0078】窒化シリコン膜378は、活性層376に
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜378の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜378の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
【0079】活性層376は、固定枠338の一部を構
成する一方、ジンバルリング308の主な剛性を担う基
板と、可動部302の主な剛性を担う基板を構成してい
る。可動部302に位置する活性層376は、図3(A)
に示されるように、可動部302に形成されたコンタク
ト316を介して、駆動電極312、314と電気的に
接続されており、ジンバルリング308に位置する活性
層376は、ジンバルリング308の四隅に形成された
コンタクト346を介して、駆動電極342、344と
電気的に接続されている。活性層376は、静電駆動に
適した高い抵抗率を有している。
成する一方、ジンバルリング308の主な剛性を担う基
板と、可動部302の主な剛性を担う基板を構成してい
る。可動部302に位置する活性層376は、図3(A)
に示されるように、可動部302に形成されたコンタク
ト316を介して、駆動電極312、314と電気的に
接続されており、ジンバルリング308に位置する活性
層376は、ジンバルリング308の四隅に形成された
コンタクト346を介して、駆動電極342、344と
電気的に接続されている。活性層376は、静電駆動に
適した高い抵抗率を有している。
【0080】基板層372に形成された凹部は、可動部
302の揺動に必要な間隔を与える。この凹部の底面部
分は、可動部302に位置する活性層376とジンバル
リング308に位置する活性層376と向き合ってお
り、固定電極318として働く。
302の揺動に必要な間隔を与える。この凹部の底面部
分は、可動部302に位置する活性層376とジンバル
リング308に位置する活性層376と向き合ってお
り、固定電極318として働く。
【0081】窒化シリコン膜378の上に全面にわたり
アルミニウム薄膜380を形成し、このアルミニウム薄
膜380をパターニングすることにより、駆動電極31
2、314、342、344と配線322、324、3
52、354と電極パッド326、328、356、3
58とが形成される。駆動電極312、314は反射鏡
を兼ねるため、アルミニウム薄膜380の膜厚は、反射
鏡を構成するに適した値が選ばれる。
アルミニウム薄膜380を形成し、このアルミニウム薄
膜380をパターニングすることにより、駆動電極31
2、314、342、344と配線322、324、3
52、354と電極パッド326、328、356、3
58とが形成される。駆動電極312、314は反射鏡
を兼ねるため、アルミニウム薄膜380の膜厚は、反射
鏡を構成するに適した値が選ばれる。
【0082】電極パッド326、328、356、35
8は、ワイヤボンディングやフリップチップボンディン
グ等のために適当な厚さが要求される。このため、必要
に応じて、電極パッド326、328、356、358
の部分だけに更にアルミニウム厚膜が形成されてもよ
い。
8は、ワイヤボンディングやフリップチップボンディン
グ等のために適当な厚さが要求される。このため、必要
に応じて、電極パッド326、328、356、358
の部分だけに更にアルミニウム厚膜が形成されてもよ
い。
【0083】パターニングされたアルミニウム薄膜38
0を大気から保護するために、これを被覆する保護膜3
82が、この構造体の全面にわたり形成される。保護膜
382には、電極パッド326、328、356、35
8を露出させるための開口が形成される。
0を大気から保護するために、これを被覆する保護膜3
82が、この構造体の全面にわたり形成される。保護膜
382には、電極パッド326、328、356、35
8を露出させるための開口が形成される。
【0084】保護膜382の上には更に、反射鏡すなわ
ち駆動電極312、314の上に位置する部分に、選択
的に光学膜384が形成される。
ち駆動電極312、314の上に位置する部分に、選択
的に光学膜384が形成される。
【0085】光学膜384はその下層の保護膜382と
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
384は、保護膜382と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜384が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
384は、保護膜382と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜384が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
【0086】保護膜382は、電気的な特性の他に光学
的な性能も要求され、光偏向器300の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜382は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
的な性能も要求され、光偏向器300の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜382は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
【0087】また、保護膜382の膜厚は、配線32
2、324、352、354やジンバルリング308や
固定枠338で反射散乱される迷光を抑えるため、対象
の光の波長の1/4であるとよい。このような保護膜
は、これによって覆われる部材の反射率を低下させる反
射減衰膜として好適に働く。
2、324、352、354やジンバルリング308や
固定枠338で反射散乱される迷光を抑えるため、対象
の光の波長の1/4であるとよい。このような保護膜
は、これによって覆われる部材の反射率を低下させる反
射減衰膜として好適に働く。
【0088】光学膜384は、保護膜382の屈折率よ
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜382に対する好適な光学膜384は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜384の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜382に対する好適な光学膜384は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜384の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
【0089】以下、光偏向器300による光ビームの二
次元走査の動作について説明する。
次元走査の動作について説明する。
【0090】固定電極318は、例えば、グラウンド電
位に保たれる。駆動電極312、314には、それぞれ
対応する電極パッド326、328を介して、同じオフ
セット電圧を有し、振幅値が等しく位相が180度ずれ
ている正弦波形の電位が与えられる。駆動電極312、
314に与えられた電位は、コンタクト316を介し
て、活性層376に伝わり、可動部302に位置する活
性層376の内部に電位勾配を発生させる。
位に保たれる。駆動電極312、314には、それぞれ
対応する電極パッド326、328を介して、同じオフ
セット電圧を有し、振幅値が等しく位相が180度ずれ
ている正弦波形の電位が与えられる。駆動電極312、
314に与えられた電位は、コンタクト316を介し
て、活性層376に伝わり、可動部302に位置する活
性層376の内部に電位勾配を発生させる。
【0091】可動部302に位置する活性層376と固
定電極318の間には、両者の電位差に応じた静電引力
が生じる。静電引力の大きさは、グランド電位に対する
電位差に依存する。駆動電極312、314の各々の電
位は180度ずれた位相で正弦波形的に変動するため、
可動部302は、その方向が周期的に切り替わる軸L1
の周りの偶力を受ける。
定電極318の間には、両者の電位差に応じた静電引力
が生じる。静電引力の大きさは、グランド電位に対する
電位差に依存する。駆動電極312、314の各々の電
位は180度ずれた位相で正弦波形的に変動するため、
可動部302は、その方向が周期的に切り替わる軸L1
の周りの偶力を受ける。
【0092】このため、可動部302は、軸L1の周り
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部302の最
大傾きは、駆動電極312、314に供給される正弦波
形の振幅値によって決まり、可動部302の軸L1の周
りの揺動の周期あるいは周波数は、駆動電極312、3
14に供給される正弦波形の周波数によって決まる。
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部302の最
大傾きは、駆動電極312、314に供給される正弦波
形の振幅値によって決まり、可動部302の軸L1の周
りの揺動の周期あるいは周波数は、駆動電極312、3
14に供給される正弦波形の周波数によって決まる。
【0093】また、これに平行して、駆動電極342、
344には、それぞれ対応する電極パッド356、35
8を介して、同じオフセット電圧を有し、振幅値が等し
く位相が180度ずれている正弦波形の電位が与えられ
る。この正弦波形は、駆動電極312、314に与えら
れる前述の正弦波形と比較して、非常に低い周波数を有
している。駆動電極342、344に与えられた電位
は、コンタクト346を介して、活性層376に伝わ
り、ジンバルリング308に位置する活性層376の内
部に電位勾配を発生させる。
344には、それぞれ対応する電極パッド356、35
8を介して、同じオフセット電圧を有し、振幅値が等し
く位相が180度ずれている正弦波形の電位が与えられ
る。この正弦波形は、駆動電極312、314に与えら
れる前述の正弦波形と比較して、非常に低い周波数を有
している。駆動電極342、344に与えられた電位
は、コンタクト346を介して、活性層376に伝わ
り、ジンバルリング308に位置する活性層376の内
部に電位勾配を発生させる。
【0094】ジンバルリング308に位置する活性層3
76と固定電極318の間には、両者の電位差に応じた
静電引力が生じる。静電引力の大きさは、グランド電位
に対する電位差に依存する。駆動電極342、344の
各々の電位は180度ずれた位相で正弦波形的に変動す
るため、可動部302は、その方向が周期的に切り替わ
る軸L2の周りの偶力を受ける。
76と固定電極318の間には、両者の電位差に応じた
静電引力が生じる。静電引力の大きさは、グランド電位
に対する電位差に依存する。駆動電極342、344の
各々の電位は180度ずれた位相で正弦波形的に変動す
るため、可動部302は、その方向が周期的に切り替わ
る軸L2の周りの偶力を受ける。
【0095】このため、可動部302は、軸L2の周り
に、非常に長い一定の周期で繰り返し揺動する。可動部
302の最大傾きは、駆動電極342、344に供給さ
れる正弦波形の振幅値によって決まり、可動部302の
軸L2の周りの揺動の周期あるいは周波数は、駆動電極
342、344に供給される正弦波形の周波数によって
決まる。
に、非常に長い一定の周期で繰り返し揺動する。可動部
302の最大傾きは、駆動電極342、344に供給さ
れる正弦波形の振幅値によって決まり、可動部302の
軸L2の周りの揺動の周期あるいは周波数は、駆動電極
342、344に供給される正弦波形の周波数によって
決まる。
【0096】その結果、可動部302の反射鏡で反射さ
れる光ビームは、可動部302の軸L1の周りの最大傾
きの二倍の角度幅で、軸L1に直交する平面にほぼ平行
に、比較的高い周波数で走査されながら、可動部302
の軸L2の周りの最大傾きの二倍の角度幅で、軸L2に直
交する平面に平行に、非常に低い一定の周波数で走査さ
れる。言い換えれば、光ビームは、軸L1に直交する平
面にほぼ平行に一定の角度範囲内を高速で往復移動され
ながら、これに直交する方向に一定の角度範囲内を低速
で往復移動される。つまり光ビームが二次元的に走査さ
れる。
れる光ビームは、可動部302の軸L1の周りの最大傾
きの二倍の角度幅で、軸L1に直交する平面にほぼ平行
に、比較的高い周波数で走査されながら、可動部302
の軸L2の周りの最大傾きの二倍の角度幅で、軸L2に直
交する平面に平行に、非常に低い一定の周波数で走査さ
れる。言い換えれば、光ビームは、軸L1に直交する平
面にほぼ平行に一定の角度範囲内を高速で往復移動され
ながら、これに直交する方向に一定の角度範囲内を低速
で往復移動される。つまり光ビームが二次元的に走査さ
れる。
【0097】本実施形態の光偏向器300では、保護膜
382によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられ
ており、不所望な迷光の発生が抑えられている。さら
に、保護膜382と光学膜384の組み合わせで構成さ
れる反射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げ
られている。
382によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられ
ており、不所望な迷光の発生が抑えられている。さら
に、保護膜382と光学膜384の組み合わせで構成さ
れる反射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げ
られている。
【0098】第四実施形態 本発明の第四実施形態について図4を参照しながら説明
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を二次元的に
変更し得る電磁駆動型の光偏向器である。
する。本実施形態は、照射される光ビームを反射鏡によ
り反射すると共にその反射光ビームの方向を二次元的に
変更し得る電磁駆動型の光偏向器である。
【0099】図4(A)に示されるように、光偏向器40
0は、反射鏡を有する可動部402と、可動部402を
取り囲んでいる第一の支持部すなわち可動枠あるいはジ
ンバルリング408と、可動部402とジンバルリング
408を連結している一対の第一の可撓梁404、40
6と、ジンバルリング408を取り囲んでいる第二の支
持部すなわち固定枠438と、ジンバルリング408と
固定枠438を連結している一対の第二の可撓梁43
4、436とを有している。
0は、反射鏡を有する可動部402と、可動部402を
取り囲んでいる第一の支持部すなわち可動枠あるいはジ
ンバルリング408と、可動部402とジンバルリング
408を連結している一対の第一の可撓梁404、40
6と、ジンバルリング408を取り囲んでいる第二の支
持部すなわち固定枠438と、ジンバルリング408と
固定枠438を連結している一対の第二の可撓梁43
4、436とを有している。
【0100】一対の第一の可撓梁404、406は、ジ
ンバルリング408に対して可動部402を、可動部4
02の中央を通る一本の第一の軸L1の周りに揺動可能
に支持している。また、一対の第二の可撓梁434、4
36は、固定枠438に対してジンバルリング408
を、可動部402の中央を通る一本の第二の軸L2の周
りに揺動可能に支持している。
ンバルリング408に対して可動部402を、可動部4
02の中央を通る一本の第一の軸L1の周りに揺動可能
に支持している。また、一対の第二の可撓梁434、4
36は、固定枠438に対してジンバルリング408
を、可動部402の中央を通る一本の第二の軸L2の周
りに揺動可能に支持している。
【0101】第一の軸L1と第二の軸L2は、互いに非平
行であり、例えば互いに直交している。従って、可動部
402は、固定枠438に対して、軸L1の周りに揺動
し得ると共に軸L2の周りに揺動し得る。つまり、可動
部402は、固定枠438に対して、所定の角度範囲内
において、任意の方向を向き得る。
行であり、例えば互いに直交している。従って、可動部
402は、固定枠438に対して、軸L1の周りに揺動
し得ると共に軸L2の周りに揺動し得る。つまり、可動
部402は、固定枠438に対して、所定の角度範囲内
において、任意の方向を向き得る。
【0102】光偏向器400は、さらに、可動部402
の中央部に設けられた反射鏡414と、可動部402の
周縁部を周回する第一の電磁コイル412と、ジンバル
リング408の外側の周縁部を周回する第二の電磁コイ
ル442を有している。
の中央部に設けられた反射鏡414と、可動部402の
周縁部を周回する第一の電磁コイル412と、ジンバル
リング408の外側の周縁部を周回する第二の電磁コイ
ル442を有している。
【0103】光偏向器400は、第一の電磁コイル41
2の外側の端部から可撓梁404とジンバルリング40
8と可撓梁434を通って固定枠438まで延びている
配線422と、第一の電磁コイル412の内側の端部か
ら可撓梁406とジンバルリング408と可撓梁436
を通って固定枠438まで延びている配線424とを有
している。
2の外側の端部から可撓梁404とジンバルリング40
8と可撓梁434を通って固定枠438まで延びている
配線422と、第一の電磁コイル412の内側の端部か
ら可撓梁406とジンバルリング408と可撓梁436
を通って固定枠438まで延びている配線424とを有
している。
【0104】配線422は、可撓梁404とジンバルリ
ング408を延びている配線部422aと、絶縁層を介
して第二の電磁コイル442を跨いでいる陸橋配線部4
22bと、可撓梁434と固定枠438を延びている配
線部422cとを有している。
ング408を延びている配線部422aと、絶縁層を介
して第二の電磁コイル442を跨いでいる陸橋配線部4
22bと、可撓梁434と固定枠438を延びている配
線部422cとを有している。
【0105】配線424は、絶縁層を介して第一の電磁
コイル412を跨いでいる陸橋配線部424aと、可撓
梁406とジンバルリング408を延びている配線部4
24bと、絶縁層を介して第二の電磁コイル442を跨
いでいる陸橋配線部424cと、可撓梁436と固定枠
438を延びている配線部424dとを有している。
コイル412を跨いでいる陸橋配線部424aと、可撓
梁406とジンバルリング408を延びている配線部4
24bと、絶縁層を介して第二の電磁コイル442を跨
いでいる陸橋配線部424cと、可撓梁436と固定枠
438を延びている配線部424dとを有している。
【0106】配線422は、固定枠438に設けられて
いる電極パッド426に終端し、配線424は、固定枠
438に設けられている電極パッド428に終端してい
る。
いる電極パッド426に終端し、配線424は、固定枠
438に設けられている電極パッド428に終端してい
る。
【0107】光偏向器400は、さらに、第二の電磁コ
イル442の外側の端部から可撓梁434を通って固定
枠438まで延びている配線452と、第二の電磁コイ
ル442の内側の端部から可撓梁436を通って固定枠
438まで延びている配線454とを有している。
イル442の外側の端部から可撓梁434を通って固定
枠438まで延びている配線452と、第二の電磁コイ
ル442の内側の端部から可撓梁436を通って固定枠
438まで延びている配線454とを有している。
【0108】配線454は、絶縁層を介して第二の電磁
コイル442を跨いでいる陸橋配線部454aと、可撓
梁436と固定枠438を延びている配線部424bと
を有している。
コイル442を跨いでいる陸橋配線部454aと、可撓
梁436と固定枠438を延びている配線部424bと
を有している。
【0109】配線452は、固定枠438に設けられて
いる電極パッド456に終端し、配線454は、固定枠
438に設けられている電極パッド458に終端してい
る。
いる電極パッド456に終端し、配線454は、固定枠
438に設けられている電極パッド458に終端してい
る。
【0110】光偏向器400は、さらに、電磁コイル4
12、442に作用する磁界Hを発生させるための永久
磁石等の磁界発生手段(図示せず)を有している。この磁
界発生手段は、好ましくは、軸L1と軸L2に非平行、例
えば軸L1と軸L2に45度で交差する、可動部402の
面にほぼ平行な方向の磁界Hを発生させる。
12、442に作用する磁界Hを発生させるための永久
磁石等の磁界発生手段(図示せず)を有している。この磁
界発生手段は、好ましくは、軸L1と軸L2に非平行、例
えば軸L1と軸L2に45度で交差する、可動部402の
面にほぼ平行な方向の磁界Hを発生させる。
【0111】光偏向器400は、さらに、図4(B)に示
されるように、電磁コイルと配線を被覆している絶縁性
の保護膜482と、保護膜482を介して電磁コイルの
上に選択的に形成された光学膜484とを有している。
光学膜484は保護膜482と共働して反射増加膜とし
て機能する。
されるように、電磁コイルと配線を被覆している絶縁性
の保護膜482と、保護膜482を介して電磁コイルの
上に選択的に形成された光学膜484とを有している。
光学膜484は保護膜482と共働して反射増加膜とし
て機能する。
【0112】光偏向器400は、SOI(Silicon On In
sulator)ウエハをスタートウェハとして、半導体製造技
術を応用したマイクロマシン技術を適用して作製され
る。
sulator)ウエハをスタートウェハとして、半導体製造技
術を応用したマイクロマシン技術を適用して作製され
る。
【0113】図4(B)から示されるように、SOIウエ
ハは、互いに接合された基板層472と活性層476を
有している。SOIウエハの活性層476の上に全面に
わたって窒化シリコン膜478を形成し、この窒化シリ
コン膜478をパターニングし、これをマスクにして活
性層476と基板層472をエッチングするとともに、
反対側から基板層472を選択的に除去することによ
り、可動部402と可撓梁404、406とジンバルリ
ング408と可撓梁434、436と固定枠438とが
形成される。
ハは、互いに接合された基板層472と活性層476を
有している。SOIウエハの活性層476の上に全面に
わたって窒化シリコン膜478を形成し、この窒化シリ
コン膜478をパターニングし、これをマスクにして活
性層476と基板層472をエッチングするとともに、
反対側から基板層472を選択的に除去することによ
り、可動部402と可撓梁404、406とジンバルリ
ング408と可撓梁434、436と固定枠438とが
形成される。
【0114】窒化シリコン膜478は、活性層476に
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜478の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
対する絶縁層としても機能する。良好な絶縁のために、
窒化シリコン膜478の下に、酸化シリコン膜等の他の
絶縁膜が更に形成されてもよい。
【0115】窒化シリコン膜478の上に全面にわたり
アルミニウム薄膜480を形成し、このアルミニウム薄
膜480をパターニングすることにより、電磁コイル4
12、442と配線452と配線422の配線部422
a、422cと配線424の配線部424b、424d
と配線454の配線部454bと電極パッド426、4
28、456、458とが形成される。アルミニウム薄
膜480の膜厚は、反射鏡を構成するに適した値が選ば
れる。
アルミニウム薄膜480を形成し、このアルミニウム薄
膜480をパターニングすることにより、電磁コイル4
12、442と配線452と配線422の配線部422
a、422cと配線424の配線部424b、424d
と配線454の配線部454bと電極パッド426、4
28、456、458とが形成される。アルミニウム薄
膜480の膜厚は、反射鏡を構成するに適した値が選ば
れる。
【0116】電極パッド426、428、456、45
8は、ワイヤボンディングやフリップチップボンディン
グ等のために適当な厚さが要求される。このため、必要
に応じて、電極パッド426、428、456、458
の部分だけに更にアルミニウム厚膜が形成されてもよ
い。
8は、ワイヤボンディングやフリップチップボンディン
グ等のために適当な厚さが要求される。このため、必要
に応じて、電極パッド426、428、456、458
の部分だけに更にアルミニウム厚膜が形成されてもよ
い。
【0117】パターニングされたアルミニウム薄膜48
0を大気から保護するために、これを被覆する保護膜4
82が、この構造体の全面にわたり形成される。保護膜
482には、電極パッド426、428、456、45
8を露出させるための開口が形成される。
0を大気から保護するために、これを被覆する保護膜4
82が、この構造体の全面にわたり形成される。保護膜
482には、電極パッド426、428、456、45
8を露出させるための開口が形成される。
【0118】また、保護膜482には、配線422の配
線部422aの可撓梁434近くの端部と、配線部42
2cの可撓梁434近くの端部と、電磁コイル412の
内側の端部と、配線424の配線部424bの両方の端
部と、配線424の配線部424dの端部と、電磁コイ
ル442の内側の端部と、配線454の配線部454b
の可撓梁436近くの端部を露出させるための開口が形
成される。
線部422aの可撓梁434近くの端部と、配線部42
2cの可撓梁434近くの端部と、電磁コイル412の
内側の端部と、配線424の配線部424bの両方の端
部と、配線424の配線部424dの端部と、電磁コイ
ル442の内側の端部と、配線454の配線部454b
の可撓梁436近くの端部を露出させるための開口が形
成される。
【0119】さらに、保護膜482の上に例えばアルミ
ニウム薄膜486を形成し、このアルミニウム薄膜48
6をパターニングすることにより、配線422の陸橋配
線部422bと配線424の陸橋配線部424a、42
4cとが形成される。なお、陸橋配線部422b、42
4a、424cの上にも、さらに保護膜(図示せず)を設
けることが望ましい。
ニウム薄膜486を形成し、このアルミニウム薄膜48
6をパターニングすることにより、配線422の陸橋配
線部422bと配線424の陸橋配線部424a、42
4cとが形成される。なお、陸橋配線部422b、42
4a、424cの上にも、さらに保護膜(図示せず)を設
けることが望ましい。
【0120】保護膜482の上には更に、反射鏡414
の上に位置する部分に、選択的に光学膜484が形成さ
れる。
の上に位置する部分に、選択的に光学膜484が形成さ
れる。
【0121】光学膜484はその下層の保護膜482と
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
484は、保護膜482と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜484が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
組み合わさって反射増加膜を構成する。つまり、光学膜
484は、保護膜482と組み合わさった光学特性によ
って、光学膜484が存在しない構成で与えられる反射
率よりも高い反射率を与える。
【0122】保護膜482は、電気的な特性の他に光学
的な性能も要求され、光偏向器400の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜482は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
的な性能も要求され、光偏向器400の対象の光に対し
て好適な透過性あるいは屈折率を有している必要があ
る。例えば、可視光に対する好適な保護膜482は、透
過性がよく、屈折率が1.4程度の酸化シリコン膜であ
る。
【0123】また、保護膜482の膜厚は、配線42
2、424、452、454やジンバルリング408や
固定枠438で反射散乱される迷光を抑えるため、対象
の光の波長の1/4であるとよい。このような保護膜
は、これによって覆われる部材の反射率を低下させる反
射減衰膜として好適に働く。
2、424、452、454やジンバルリング408や
固定枠438で反射散乱される迷光を抑えるため、対象
の光の波長の1/4であるとよい。このような保護膜
は、これによって覆われる部材の反射率を低下させる反
射減衰膜として好適に働く。
【0124】光学膜484は、保護膜482の屈折率よ
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜482に対する好適な光学膜484は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜484の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
りも高い屈折率を有している。例えば、酸化シリコン膜
の保護膜482に対する好適な光学膜484は、例え
ば、酸化チタニウムあるいはジルコニアと五酸化タンタ
ルの混合膜である。光学膜484の材料は、対象の光の
波長によって選択されるとよい。
【0125】以下、光偏向器400による光ビームの二
次元走査の動作について説明する。
次元走査の動作について説明する。
【0126】電磁コイル412には、電極パッド42
6、428を介して、正弦波形等の交流の電流が供給さ
れる。電磁コイル412を流れる電流は、磁界Hとの相
互作用によりローレンツ力を受ける。ローレンツ力の大
きさは、供給される電流の振幅値に依存する。
6、428を介して、正弦波形等の交流の電流が供給さ
れる。電磁コイル412を流れる電流は、磁界Hとの相
互作用によりローレンツ力を受ける。ローレンツ力の大
きさは、供給される電流の振幅値に依存する。
【0127】電磁コイル412の軸L1に対して反対側
の部分は、そこを流れる電流が受けるローレンツ力によ
り、可動部402の中心に対して対称的に、可動部40
2の面にほぼ垂直で逆向きの力を受ける。このため、可
動部402は、その方向が周期的に切り替わる軸L1の
周りの偶力を受ける。
の部分は、そこを流れる電流が受けるローレンツ力によ
り、可動部402の中心に対して対称的に、可動部40
2の面にほぼ垂直で逆向きの力を受ける。このため、可
動部402は、その方向が周期的に切り替わる軸L1の
周りの偶力を受ける。
【0128】このため、可動部402は、軸L1の周り
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部402の最
大傾きは、電磁コイル412に供給される交流電流の振
幅値によって決まり、可動部402の揺動の周期あるい
は周波数は、交流電流の周波数によって決まる。
に、一定の周期で繰り返し揺動する。可動部402の最
大傾きは、電磁コイル412に供給される交流電流の振
幅値によって決まり、可動部402の揺動の周期あるい
は周波数は、交流電流の周波数によって決まる。
【0129】また、これに平行して、電磁コイル442
には、電極パッド456、458を介して、正弦波形等
の交流の電流が供給される。この交流の電流は、電磁コ
イル412に供給される交流の電流と比較して、非常に
低い周波数を有している。電磁コイル442を流れる電
流は、磁界Hとの相互作用によりローレンツ力を受け
る。ローレンツ力の大きさは、供給される電流の振幅値
に依存する。
には、電極パッド456、458を介して、正弦波形等
の交流の電流が供給される。この交流の電流は、電磁コ
イル412に供給される交流の電流と比較して、非常に
低い周波数を有している。電磁コイル442を流れる電
流は、磁界Hとの相互作用によりローレンツ力を受け
る。ローレンツ力の大きさは、供給される電流の振幅値
に依存する。
【0130】電磁コイル442の軸L2に対して反対側
の部分は、そこを流れる電流が受けるローレンツ力によ
り、可動部402の中心に対して対称的に、ジンバルリ
ング408の面にほぼ垂直で逆向きの力を受ける。この
ため、ジンバルリング408は、その方向が周期的に切
り替わる軸L2の周りの偶力を受ける。
の部分は、そこを流れる電流が受けるローレンツ力によ
り、可動部402の中心に対して対称的に、ジンバルリ
ング408の面にほぼ垂直で逆向きの力を受ける。この
ため、ジンバルリング408は、その方向が周期的に切
り替わる軸L2の周りの偶力を受ける。
【0131】このため、ジンバルリング408は、軸L
2の周りに、非常に長い一定の周期で繰り返し揺動す
る。ジンバルリング408の最大傾きは、電磁コイル4
42に供給される交流電流の振幅値によって決まり、ジ
ンバルリング408の揺動の周期あるいは周波数は、交
流電流の周波数によって決まる。
2の周りに、非常に長い一定の周期で繰り返し揺動す
る。ジンバルリング408の最大傾きは、電磁コイル4
42に供給される交流電流の振幅値によって決まり、ジ
ンバルリング408の揺動の周期あるいは周波数は、交
流電流の周波数によって決まる。
【0132】その結果、可動部402の反射鏡で反射さ
れる光ビームは、可動部402の軸L1の周りの最大傾
きの二倍の角度幅で、軸L1に直交する平面にほぼ平行
に、比較的高い周波数で走査されながら、可動部402
の軸L2の周りの最大傾きの二倍の角度幅で、軸L2に直
交する平面に平行に、非常に低い一定の周波数で走査さ
れる。言い換えれば、光ビームは、軸L1に直交する平
面にほぼ平行に一定の角度範囲内を高速で往復移動され
ながら、これに直交する方向に一定の角度範囲内を低速
で往復移動される。つまり光ビームが二次元的に走査さ
れる。
れる光ビームは、可動部402の軸L1の周りの最大傾
きの二倍の角度幅で、軸L1に直交する平面にほぼ平行
に、比較的高い周波数で走査されながら、可動部402
の軸L2の周りの最大傾きの二倍の角度幅で、軸L2に直
交する平面に平行に、非常に低い一定の周波数で走査さ
れる。言い換えれば、光ビームは、軸L1に直交する平
面にほぼ平行に一定の角度範囲内を高速で往復移動され
ながら、これに直交する方向に一定の角度範囲内を低速
で往復移動される。つまり光ビームが二次元的に走査さ
れる。
【0133】本実施形態の光偏向器400では、保護膜
482によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられ
ており、不所望な迷光の発生が抑えられている。さら
に、保護膜482と光学膜484の組み合わせで構成さ
れる反射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げ
られている。
482によって、反射鏡を除く部分の反射率が下げられ
ており、不所望な迷光の発生が抑えられている。さら
に、保護膜482と光学膜484の組み合わせで構成さ
れる反射増加膜によって、反射鏡の部分の反射率が上げ
られている。
【0134】第五実施形態 本発明の第五実施形態について図5と図6を参照しなが
ら説明する。本実施形態は、第三実施形態で説明した光
偏向器に似ている光偏向器を有する光走査型光学装置で
ある。
ら説明する。本実施形態は、第三実施形態で説明した光
偏向器に似ている光偏向器を有する光走査型光学装置で
ある。
【0135】本実施形態の光走査型光学装置に含まれる
光偏向器を図5に示す。光偏向器500は、第三実施形
態の光偏向器300に似ており、図5において、第三実
施形態の光偏向器の部材と同じ部材は同一の参照符号で
示し、その詳細な説明は省略する。以下では、光偏向器
300に対する光偏向器500の相違部分についてのみ
説明する。
光偏向器を図5に示す。光偏向器500は、第三実施形
態の光偏向器300に似ており、図5において、第三実
施形態の光偏向器の部材と同じ部材は同一の参照符号で
示し、その詳細な説明は省略する。以下では、光偏向器
300に対する光偏向器500の相違部分についてのみ
説明する。
【0136】光偏向器500は、図5と図6に示される
ように、可動部302の中央に形成された貫通孔562
と、基板層372に形成された貫通孔564とを有して
いる。
ように、可動部302の中央に形成された貫通孔562
と、基板層372に形成された貫通孔564とを有して
いる。
【0137】貫通孔562は、可動部302の揺動の軸
L1と軸L2の交差する位置に形成されている。貫通孔5
62と貫通孔564は共に、非傾斜状態の可動部302
の面に直交する直線上に位置している。つまり貫通孔5
62と貫通孔564は同軸に位置している。貫通孔56
4は基板層372に形成された凹部566の底面部分に
位置している。
L1と軸L2の交差する位置に形成されている。貫通孔5
62と貫通孔564は共に、非傾斜状態の可動部302
の面に直交する直線上に位置している。つまり貫通孔5
62と貫通孔564は同軸に位置している。貫通孔56
4は基板層372に形成された凹部566の底面部分に
位置している。
【0138】光走査型光学装置は、図6に示されるよう
に、光偏向器500に加えて、発散光ビームを射出する
光射出部を有している。光射出部は、例えば、光源と光
学的に結合されている光ファイバー590である。光フ
ァイバー590は、光ビームを射出する端部が、凹部5
66に配置される。光ファイバー590の端部から射出
された光ビームは、基板層372に形成された貫通孔5
64と、可動部302に形成された貫通孔562とを通
って、可動部302の反射鏡の反対の側から反射鏡の側
に射出される。
に、光偏向器500に加えて、発散光ビームを射出する
光射出部を有している。光射出部は、例えば、光源と光
学的に結合されている光ファイバー590である。光フ
ァイバー590は、光ビームを射出する端部が、凹部5
66に配置される。光ファイバー590の端部から射出
された光ビームは、基板層372に形成された貫通孔5
64と、可動部302に形成された貫通孔562とを通
って、可動部302の反射鏡の反対の側から反射鏡の側
に射出される。
【0139】光走査型光学装置は、さらに、可動部30
2の貫通孔562を通過した発散光ビームを、可動部3
02の反射鏡に向けて反射する不動の反射鏡592と、
可動部302の反射鏡で反射された発散光ビームを収束
させるための収束レンズ594とを有している。不動の
反射鏡592は、光ファイバー590から射出される光
ビームの光軸上に位置し、収束レンズ594に固定され
ている。この不動の反射鏡592は、例えば、収束レン
ズ594の表面に選択的に形成された高反射率の金属薄
膜である。
2の貫通孔562を通過した発散光ビームを、可動部3
02の反射鏡に向けて反射する不動の反射鏡592と、
可動部302の反射鏡で反射された発散光ビームを収束
させるための収束レンズ594とを有している。不動の
反射鏡592は、光ファイバー590から射出される光
ビームの光軸上に位置し、収束レンズ594に固定され
ている。この不動の反射鏡592は、例えば、収束レン
ズ594の表面に選択的に形成された高反射率の金属薄
膜である。
【0140】光ファイバー590から射出された発散光
ビームは、基板層372に形成された貫通孔564と可
動部302に形成された貫通孔562とを通り、反射鏡
592によって、続いて可動部302の反射鏡によって
反射された後、収束レンズ594によって収束され、こ
の光学系の焦点面に配置された対象物596にスポット
を形成する。このスポットは、光偏向器500の可動部
302の二本の軸L1、L2の周りの揺動に従って、対象
物596の表面を二次元的に走査される。
ビームは、基板層372に形成された貫通孔564と可
動部302に形成された貫通孔562とを通り、反射鏡
592によって、続いて可動部302の反射鏡によって
反射された後、収束レンズ594によって収束され、こ
の光学系の焦点面に配置された対象物596にスポット
を形成する。このスポットは、光偏向器500の可動部
302の二本の軸L1、L2の周りの揺動に従って、対象
物596の表面を二次元的に走査される。
【0141】対象物596で反射された光は、逆の光路
を辿って、光ファイバー590の内部に戻る。光ファイ
バー590の内部に戻った光は、例えば、光ファイバー
590と光学的に結合されている受光素子によって検出
される。その場合、光走査型光学装置は、二次元の光走
査型の読取装置を構成している。
を辿って、光ファイバー590の内部に戻る。光ファイ
バー590の内部に戻った光は、例えば、光ファイバー
590と光学的に結合されている受光素子によって検出
される。その場合、光走査型光学装置は、二次元の光走
査型の読取装置を構成している。
【0142】貫通孔564は、光ファイバーから出射さ
れる光ビームを遮らない大きさの径を有している。貫通
孔562は、可動部302の揺動に対しても、光ファイ
バーから出射される光ビームを蹴ることのない大きさの
径を有している。その最小径は、光ファイバー590の
NAとその射出端からの光学的距離とによって決まる。
れる光ビームを遮らない大きさの径を有している。貫通
孔562は、可動部302の揺動に対しても、光ファイ
バーから出射される光ビームを蹴ることのない大きさの
径を有している。その最小径は、光ファイバー590の
NAとその射出端からの光学的距離とによって決まる。
【0143】また、不動の反射鏡592と可動部302
の反射鏡の最小径も、貫通孔と同様に、光ファイバー5
90のNAとその射出端からの光学的距離とによって決
まる。
の反射鏡の最小径も、貫通孔と同様に、光ファイバー5
90のNAとその射出端からの光学的距離とによって決
まる。
【0144】このような光走査型光学装置において、光
ファイバー590の射出端の開口をピンホールと見なす
と、この装置の光学系を共焦点光学系を構成している。
この共焦点光学系では、行きの光ビームと帰りの光ビー
ムが、反射鏡592と可動部302の反射鏡によって、
それぞれ二回ずつ反射されるため、反射鏡の反射率は信
号光に対して四乗で影響する。
ファイバー590の射出端の開口をピンホールと見なす
と、この装置の光学系を共焦点光学系を構成している。
この共焦点光学系では、行きの光ビームと帰りの光ビー
ムが、反射鏡592と可動部302の反射鏡によって、
それぞれ二回ずつ反射されるため、反射鏡の反射率は信
号光に対して四乗で影響する。
【0145】光偏向器500は、第三実施形態の説明か
ら分かるように、保護膜382によって、可動部302
の反射鏡を除く部分の反射率が下げられており、不所望
な迷光の発生が抑えられているとともに、保護膜382
と光学膜384の組み合わせで構成される反射増加膜に
よって、反射鏡の部分の反射率が上げられている。従っ
て、本実施形態の光走査型光学装置は、改善されたSN
比を有し、例えば読取装置を構成している場合には、高
感度の読み取りを実現する。
ら分かるように、保護膜382によって、可動部302
の反射鏡を除く部分の反射率が下げられており、不所望
な迷光の発生が抑えられているとともに、保護膜382
と光学膜384の組み合わせで構成される反射増加膜に
よって、反射鏡の部分の反射率が上げられている。従っ
て、本実施形態の光走査型光学装置は、改善されたSN
比を有し、例えば読取装置を構成している場合には、高
感度の読み取りを実現する。
【0146】本実施形態の光走査型光学装置は、実質的
に第三実施形態の光偏向器の可動部の中央に貫通孔を設
けた構成の光偏向器を有しているが、第四実施形態の光
偏向器の可動部の中央に貫通孔を設けた構成の光偏向器
に変更されてもよい。また、必要な光走査が一次元であ
れば、第一実施形態の光偏向器あるいは第二実施形態の
光偏向器の可動部の中央に貫通孔を設けた構成の光偏向
器に変更されてもよい。
に第三実施形態の光偏向器の可動部の中央に貫通孔を設
けた構成の光偏向器を有しているが、第四実施形態の光
偏向器の可動部の中央に貫通孔を設けた構成の光偏向器
に変更されてもよい。また、必要な光走査が一次元であ
れば、第一実施形態の光偏向器あるいは第二実施形態の
光偏向器の可動部の中央に貫通孔を設けた構成の光偏向
器に変更されてもよい。
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、反射鏡の部分の反射率
が高く、反射鏡を除いた部分の反射率が低い、マイクロ
マシン技術を用いて作製される光偏向器が提供される。
が高く、反射鏡を除いた部分の反射率が低い、マイクロ
マシン技術を用いて作製される光偏向器が提供される。
【図1】図1(A)は第一実施形態の光偏向器の斜視図、
図1(B)はその光偏向器の軸L1に沿った断面図であ
る。
図1(B)はその光偏向器の軸L1に沿った断面図であ
る。
【図2】図2(A)は第二実施形態の光偏向器の斜視図、
図2(B)はその光偏向器の軸L1に沿った断面図であ
る。
図2(B)はその光偏向器の軸L1に沿った断面図であ
る。
【図3】図3(A)は第三実施形態の光偏向器の斜視図、
図3(B)はその光偏向器の軸L2に沿った断面図であ
る。
図3(B)はその光偏向器の軸L2に沿った断面図であ
る。
【図4】図4(A)は第四実施形態の光偏向器の斜視図、
図4(B)はその光偏向器の軸L2に沿った断面図であ
る。
図4(B)はその光偏向器の軸L2に沿った断面図であ
る。
【図5】図5は本発明の第五実施形態の光走査型光学装
置に含まれる光偏向器の斜視図である。
置に含まれる光偏向器の斜視図である。
【図6】図6は本発明の第五実施形態の光走査型光学装
置を示しており、図5の光偏向器の軸L2に沿った断面
が併せて示されている。
置を示しており、図5の光偏向器の軸L2に沿った断面
が併せて示されている。
100 光偏向器 102 可動部 104、106 可撓梁 108 支持部 112、114 駆動電極 122、124 配線 182 保護膜 184 光学膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 BA17 BA18 DA26 DA29 2H041 AA12 AB14 AC04 AC06 AZ01 AZ08 2H042 DA08 DA12 DA18 DA20 DA22 DC01 DC08 DE00 2H043 CA08 CD04 CE00 2H045 AB02 AB16 AB73 CB63
Claims (6)
- 【請求項1】 照射される光ビームを反射鏡により反射
すると共にその反射光ビームの方向を変更し得る光偏向
器であって、 反射鏡を有する可動部と、 可動部を取り囲んでいる支持部と、 可動部と支持部を連結している一対の可撓梁であって、
支持部に対して可動部を一本の軸の周りに揺動可能に支
持する一対の可撓梁と、 可動部に設けられた一対の駆動電極であって、反射鏡と
しても機能する一対の駆動電極と、 駆動電極の各々から可撓梁を通って支持部まで延びてい
る一対の配線と、 駆動電極と配線を被覆している絶縁性の保護膜と、 保護膜を介して駆動電極の上に選択的に形成された光学
膜であって、保護膜と共働して反射増加膜として機能す
る光学膜と、 駆動電極から離れて駆動電極に向き合っている固定電極
とを有している、光偏向器。 - 【請求項2】 照射される光ビームを反射鏡により反射
すると共にその反射光ビームの方向を変更し得る光偏向
器であって、 反射鏡を有する可動部と、 可動部を取り囲んでいる第一の支持部と、 可動部と第一の支持部を連結している一対の第一の可撓
梁であって、第一の支持部に対して可動部を一本の第一
の軸の周りに揺動可能に支持する一対の第一の可撓梁
と、 第一の支持部を取り囲んでいる第二の支持部と、 第一の支持部と第二の支持部を連結している一対の第二
の可撓梁であって、第二の支持部に対して第一の支持部
を第一の軸に対して非平行な一本の第二の軸の周りに揺
動可能に支持する一対の第二の可撓梁と、 可動部に設けられた一対の第一の駆動電極であって、反
射鏡としても機能する一対の第一の駆動電極と、 第一の駆動電極の各々から第一の可撓梁と第一の支持部
と第二の可撓梁を通って第二の支持部まで延びている一
対の第一の配線と、 第一の支持部に設けられた一対の第二の駆動電極と、 第二の駆動電極の各々から第二の可撓梁を通って第二の
支持部まで延びている一対の第二の配線と、 第一の駆動電極と第一の配線と第二の駆動電極と第二の
配線を被覆している絶縁性の保護膜と、 保護膜を介して第一の駆動電極の上に選択的に形成され
た光学膜であって、保護膜と共働して反射増加膜として
機能する光学膜と、 第一の駆動電極と第二の駆動電極から離れて第一の駆動
電極と第二の駆動電極に向き合っている固定電極とを有
している、光偏向器。 - 【請求項3】 照射される光ビームを反射鏡により反射
すると共にその反射光ビームの方向を変更し得る光偏向
器であって、 反射鏡を有する可動部と、 可動部を取り囲んでいる支持部と、 可動部と支持部を連結している一対の可撓梁であって、
支持部に対して可動部を一本の軸の周りに揺動可能に支
持する一対の可撓梁と、 可動部の周縁部を周回する電磁コイルと、 電磁コイルの両端から可撓梁を通って支持部まで延びて
いる一対の配線と、 反射鏡と電磁コイルと配線を被覆している絶縁性の保護
膜と、 保護膜を介して反射鏡の上に選択的に形成された光学膜
であって、保護膜と共働して反射増加膜として機能する
光学膜と、 電磁コイルに作用する磁界を発生させる磁界発生手段と
を有している、光偏向器。 - 【請求項4】 照射される光ビームを反射鏡により反射
すると共にその反射光ビームの方向を変更し得る光偏向
器であって、 反射鏡を有する可動部と、 可動部を取り囲んでいる第一の支持部と、 可動部と第一の支持部を連結している一対の第一の可撓
梁であって、第一の支持部に対して可動部を一本の第一
の軸の周りに揺動可能に支持する一対の第一の可撓梁
と、 第一の支持部を取り囲んでいる第二の支持部と、 第一の支持部と第二の支持部を連結している一対の第二
の可撓梁であって、第二の支持部に対して第一の支持部
を第一の軸に対して非平行な一本の第二の軸の周りに揺
動可能に支持する一対の第二の可撓梁と、 可動部の周縁部を周回する第一の電磁コイルと、 第一の電磁コイルの両端から第一の可撓梁と第一の支持
部と第二の可撓梁を通って第二の支持部まで延びている
一対の第一の配線と、 第一の支持部の周縁部を周回する第二の電磁コイルと、 第二の電磁コイルの両端から第二の可撓梁を通って第二
の支持部まで延びている一対の第二の配線と、 反射鏡と第一の電磁コイルと第一の配線と第二の電磁コ
イルと第二の配線を被覆している絶縁性の保護膜と、 保護膜を介して反射鏡の上に選択的に形成された光学膜
であって、保護膜と共働して反射増加膜として機能する
光学膜と、 第一の電磁コイルと第二の電磁コイルに作用する磁界を
発生させる磁界発生手段とを有している、光偏向器。 - 【請求項5】保護膜が反射減衰膜である、請求項1ない
し請求項4のいずれかひとつに記載の光偏向器。 - 【請求項6】 光ビームを走査する光走査型光学装置で
あって、 可動部の中央に形成された貫通孔を更に有している、請
求項1ないし請求項4 のいずれかひとつに記載の光偏向器と、可動部に対し
て、可動部の反射鏡の反対の側から、可動部の貫通孔を
通して発散光ビームを射出する光射出部と、 可動部の貫通孔を通過した発散光ビームを可動部の反射
鏡に向けて反射する不動の反射鏡と、 可動部の反射鏡で反射された発散光ビームを収束させる
ための収束レンズとを有しており、不動の反射鏡は収束
レンズに固定されている、光走査型光学装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001081125A JP2002277810A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 光偏向器および光走査型光学装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001081125A JP2002277810A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 光偏向器および光走査型光学装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002277810A true JP2002277810A (ja) | 2002-09-25 |
Family
ID=18937283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001081125A Withdrawn JP2002277810A (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 光偏向器および光走査型光学装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002277810A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005043469A (ja) * | 2003-07-23 | 2005-02-17 | Ricoh Co Ltd | 偏向素子と光走査装置、並びに画像形成装置 |
JP2005279919A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-10-13 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 微小可動デバイス及びその作製方法 |
KR100619696B1 (ko) | 2004-08-25 | 2006-09-08 | 엘지전자 주식회사 | 정전력 구동 스캐닝 마이크로 미러와 그 제조방법 및 이를 이용한 광 스캐닝 장치 |
JP2006255879A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-09-28 | Seiko Epson Corp | Mems素子およびmems素子の製造方法 |
JP2008129068A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Denso Corp | 2次元光走査装置 |
JP2011180249A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Ricoh Co Ltd | 光偏向器、光偏向器の製造方法、光学装置及び表示装置 |
JP2017015750A (ja) * | 2015-06-26 | 2017-01-19 | 株式会社リコー | 回動装置、光走査装置、画像表示装置及び回動装置の製造方法 |
JP2017049423A (ja) * | 2015-09-01 | 2017-03-09 | パイオニア株式会社 | 光学素子及び光学素子の製造方法 |
JP2020024424A (ja) * | 2019-09-26 | 2020-02-13 | パイオニア株式会社 | 光学素子 |
-
2001
- 2001-03-21 JP JP2001081125A patent/JP2002277810A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005043469A (ja) * | 2003-07-23 | 2005-02-17 | Ricoh Co Ltd | 偏向素子と光走査装置、並びに画像形成装置 |
JP2005279919A (ja) * | 2004-03-03 | 2005-10-13 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 微小可動デバイス及びその作製方法 |
KR100619696B1 (ko) | 2004-08-25 | 2006-09-08 | 엘지전자 주식회사 | 정전력 구동 스캐닝 마이크로 미러와 그 제조방법 및 이를 이용한 광 스캐닝 장치 |
JP2006255879A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-09-28 | Seiko Epson Corp | Mems素子およびmems素子の製造方法 |
JP4544140B2 (ja) * | 2005-02-16 | 2010-09-15 | セイコーエプソン株式会社 | Mems素子 |
JP2008129068A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Denso Corp | 2次元光走査装置 |
JP2011180249A (ja) * | 2010-02-26 | 2011-09-15 | Ricoh Co Ltd | 光偏向器、光偏向器の製造方法、光学装置及び表示装置 |
JP2017015750A (ja) * | 2015-06-26 | 2017-01-19 | 株式会社リコー | 回動装置、光走査装置、画像表示装置及び回動装置の製造方法 |
JP2017049423A (ja) * | 2015-09-01 | 2017-03-09 | パイオニア株式会社 | 光学素子及び光学素子の製造方法 |
JP2020024424A (ja) * | 2019-09-26 | 2020-02-13 | パイオニア株式会社 | 光学素子 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5920417A (en) | Microelectromechanical television scanning device and method for making the same | |
US5774604A (en) | Using an asymmetric element to create a 1XN optical switch | |
US7929192B2 (en) | Method of fabricating a micromechanical structure out of two-dimensional elements and micromechanical device | |
US6975442B2 (en) | Resonance scanner | |
KR100499146B1 (ko) | 곡면 미러를 구비한 광스캐너 및 그 제조방법 | |
KR20030085506A (ko) | 마이크로 미러 장치 및 그의 제조 방법 | |
US20040085656A1 (en) | Optical cross connect employing a curved optical component | |
JPWO2007034777A1 (ja) | アクチュエータ | |
JP7491702B2 (ja) | ミラーユニット | |
CN108226936B (zh) | 一种基于微镜的时分共享窗口激光雷达系统 | |
CN107976871B (zh) | 一种动态形变可控微镜镜面梳齿结构及其加工方法 | |
JP2009003429A (ja) | アクチュエータ | |
JP2002277810A (ja) | 光偏向器および光走査型光学装置 | |
JPH06160750A (ja) | マイクロアクチュエータ、光偏向器および光走査装置 | |
JP4036643B2 (ja) | 光偏向器及び光偏向器アレイ | |
JP2012027337A (ja) | Mems光スキャナ | |
JP2023039221A (ja) | マイクロミラーデバイス及び光走査装置 | |
JP2023039222A (ja) | マイクロミラーデバイス及び光走査装置 | |
JP4193340B2 (ja) | ガルバノマイクロミラーとこれを用いた光ディスク装置 | |
KR100706319B1 (ko) | 스캐닝 마이크로미러 제조 방법 | |
KR20040066563A (ko) | Mems를 이용한 광 스위치 | |
JP2000292735A (ja) | 光スキャナ | |
JP4336123B2 (ja) | Mems素子および光デバイス | |
JP3435595B2 (ja) | レーザスキャナ | |
JPH11337860A (ja) | 光スキャナ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080603 |