JPWO2007034777A1 - アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

本発明のアクチュエータ1は、第1可動部5と、第1可動部5を支持する第2可動部6と、第2可動部6を支持する固定部13とを備える。第2可動部6は、第1可動部5に第1電圧を供給するための第1導電部6aと、第2電圧が供給される第2導電部6bと、第1導電部6aと第2導電部6bとを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部15とを備える。裏打ち部15は、アクチュエータ1のミラー部34が設けられた面とは反対側の面から第1導電部6aと第2導電部6bとを固定している。

Description

本発明は、アクチュエータに関し、特に2軸回動型の共振ミラー素子に関する。本発明のマイクロマシニング技術を応用した共振ミラー素子は、例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに用いられる。
マイクロマシニング技術で形成される振動ミラー素子では、例えば、ミラー部が同一直線上に設けられた2本のヒンジで支持されている。ミラー部に対向する位置には電極が設けられている。ミラー部と電極との間に発生する静電引力により、2本のヒンジをねじり回転軸としてミラー部は往復振動する。
このような振動ミラー素子は、モーターでポリゴンミラーを回転させるミラー素子と比較して構造が簡単で、半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低い。また、振動ミラー素子は単一の反射面を有するため、複数面を有するポリゴンミラーのような精度のばらつきがない。また、振動ミラー素子の動作は往復振動であるため、高速化にも対応できる。
特許文献1には1軸回動型のミラー素子が、非特許文献1には2軸回動型のミラー素子がそれぞれ開示されている。
1軸回動型のミラー素子の可動部は、ヒンジで支持されたミラー部である。ミラー部と固定部とは分離溝で分離されており、ミラー部に駆動電圧を与えることで発生する静電引力で、ミラー部を駆動している。
2軸回動型のミラー素子では、中間フレームがヒンジを介してミラー部を支持し、固定部がさらなるヒンジを介して中間フレームを支持しており、ミラー部と中間フレーム部とが可動部を構成している。
図10を参照して、2軸回動型のミラー素子を説明する。図10は、2軸回動型の共振ミラー素子51を示す斜視図である。
共振ミラー素子51は、ミラー面を有する第1可動部55と、第1可動部55を支持する第2可動部56と、第2可動部56を支持する固定部63とを備える。
共振ミラー素子51は、Xヒンジ57およびYヒンジ58をさらに備える。第2可動部56は、Yヒンジ58を介して第1可動部55を連結支持している。第1可動部55は、図10中のY方向に延びるYヒンジ58を通る軸を回動軸として、第2可動部56に対しYヒンジ58周りに回動可能である。固定部63は、Xヒンジ57を介して第2可動部56を連結支持している。第2可動部56は、図10中のX方向に延びるXヒンジ57を通る軸を回動軸として、固定部63に対しXヒンジ57周りに回動可能である。
第1可動部55は、第2可動部56に対して第1可動部55を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極59aをその外周部に備えている。第2可動部56は、固定部63に対して第2可動部56を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極61aをその外周部に備えている。
また、第2可動部56の内周部には、X櫛型電極59aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極59bが形成されている。固定部63の内周部には、Y櫛型電極61aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極61bが形成されている。
上述したように、第1可動部55は第2可動部56に対しYヒンジ58周りに回動可能に支持され、第2可動部56は固定部63に対しXヒンジ57周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子51が実現されている。
第2可動部56は、第1可動部55に電圧を供給するための第1導電部56aと、別の電圧が供給される第2導電部56bとを備える。第1導電部56aと第2導電部56bとの間に形成された分離溝64によって、第1導電部56aと第2導電部56bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部55および第2可動部56のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図11は、共振ミラー素子51の断面を示す図である。この断面図は、図10のD−D断面に対応している。図11を参照して、分離溝64に絶縁層を堆積させた後にポリシリコンを埋め込んで、第1導電部56aと第2導電部56bとを接合することで、第1導電部56aと第2導電部56bとが分断されないようにしている。これにより、第1導電部56aおよび第2導電部56bは、第2可動部56として一体となって変位する。
図12は、共振ミラー素子51の電気的分離状態を示す平面図である。Xパッド70に印加した電圧Vxは第1可動部55の電圧となり、グランドパッド72をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部55と第2可動部56との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド71に印加した電圧Vyは固定部63の電圧となり、固定部63と第2可動部56との間にVyの電位差が生じる。
VxとVyを適切に制御すると、第1可動部55および第2可動部56はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子51では、第1可動部55のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に駆動制御することができる。
特開2004−239987号公報 "AN ELECTROSTATICALLY EXCITED 2D−MICRO−SCANNING−MIRROR WITH AN IN−PLANE CONFIGURATION OF THE DRIVING ELECTRODES"(MEMS2000.Proceedings Piscataway,NJ:IEEE,2000)
しかしながら、上記のミラー素子では、次のような問題があった。
1軸回動型のミラー素子では、2軸の回動ができず、動作が1軸の回動に限られている。
図10〜図12に示す2軸回動型のミラー素子51では、分離溝64を埋め込む工程に時間がかかりコストアップ要因となる。
また、分離溝64が深いほど確実に埋め込むのが難しく、埋め込みが不完全だと、振動によって埋め込み部分が損傷を受け、第1導電部56aと第2導電部56bとが外れてしまうおそれがあった。
さらに、分離溝64中の絶縁層の堆積が不十分だと、第1導電部56aと第2導電部56bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な製造プロセスで容易に形成でき、且つ信頼性の高い2軸回動型の共振ミラー素子を提供することにある。
本発明のアクチュエータは、第1可動部と、前記第1可動部を支持する第2可動部と、前記第2可動部を支持する固定部とを備え、前記第2可動部は、前記第1可動部に第1電圧を供給するための第1導電部と、第2電圧が供給される第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部とを備えることを特徴とする。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、光を反射するミラー部を備え、前記裏打ち部は、前記アクチュエータの前記ミラー部が設けられた面とは反対側の面から前記第1導電部と前記第2導電部とを固定している。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記第1導電部と前記第2導電部との間に形成された溝によって、前記第1導電部と前記第2導電部とは電気的に絶縁されている。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されている。
ある実施形態によれば、前記第1および第2可動部は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1のシリコン層をエッチングして形成されており、前記裏打ち部は、前記第2シリコン層をエッチングして形成されている。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、前記第2可動部に対して前記第1可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第1および第2櫛型電極を備え、前記第1櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第2櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びており、前記第2可動部は、前記固定部に対して前記第2可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第3および第4櫛型電極を備え、前記第3櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第4櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びている。
本発明の前記アクチュエータの製造方法は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1のシリコン層をエッチングして前記第1および第2可動部を形成するステップと、前記第2シリコン層をエッチングして前記裏打ち部を形成するステップとを包含することを特徴とする。
ある実施形態によれば、前記裏打ち部を形成するステップは、前記第2シリコン層の前記裏打ち部を形成する位置をマスクするレジストパターンを形成するステップと、前記裏打ち部として残す前記第2シリコン層の厚さの分の深さまで前記第2シリコン層をエッチングするステップと、前記レジストパターンを剥離し、前記裏打ち部を形成する位置以外の位置で前記絶縁層が露出するまで前記第2シリコン層をエッチングするステップと、前記絶縁層の露出した部分を除去するステップとを含む。
本発明によれば、裏打ち部が、第2可動部の第1導電部と第2導電部とを電気的に絶縁した状態で固定する。これにより、第1導電部と第2導電部とを確実に固定することができる。また、第1導電部と第2導電部との間の溝を埋め込む必要が無いので、アクチュエータの製造工程を簡略化でき、安価なアクチュエータを提供することができる。
また、ある実施形態によれば、アクチュエータがミラー部を備えることにより、2軸回動型の共振ミラー素子が得られる。
また、ある実施形態によれば、第2可動部の第1導電部と第2導電部との間の溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されていることにより、第2可動部の重量バランスの偏りを抑えることができる。
また、ある実施形態によれば、第1可動部は、第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備え、第2可動部は、第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備えている。これにより、第1および第2可動部をより大きな回動角度で駆動させることができる。
本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す下部斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の動作を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す斜視図である。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す断面図である。 2軸回動型の共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。
符号の説明
1 共振ミラー素子
2 絶縁層
3 デバイス層
4 ハンドル層
5 第1可動部
6 第2可動部
7 Xヒンジ
8 Yヒンジ
9 X櫛型電極
10 X補助櫛型電極
11 Y櫛型電極
12 Y補助櫛型電極
13 固定部
14 分離溝
15 裏打ち部
20 Xパッド
21 Yパッド
22 グランドパッド
23 ダミー溝
30 SOIウエハ
31 レジストパターン
32 酸化膜パターン
33 レジストパターン
34 反射膜
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態のアクチュエータを説明する。図1は、本実施形態のアクチュエータである共振ミラー素子1を示す斜視図である。
共振ミラー素子1は、例えば、酸化シリコン(SiO)から成る絶縁層2を介して2つのシリコン層を接合したウエハ、いわゆるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを加工して製造される。
2つのシリコン層のうち、第1のシリコン層にはリン(P)やヒ素(As)などのn型不純物やボロン(B)などのp型不純物をドープして導電性を持たせ、デバイス層3と称する。第2のシリコン層はウエハ本体を成す厚い部分で、ハンドル層4と称する。
デバイス層3に対して、後述するエッチングによるパターニングを行うことによって第1可動部5と第2可動部6が形成される。
共振ミラー素子1は、ミラー面34を有する第1可動部5と、第1可動部5を支持する第2可動部6と、第2可動部6を支持する固定部13とを備える。
共振ミラー素子1は、Xヒンジ7およびYヒンジ8をさらに備える。第2可動部6は、Yヒンジ8を介して第1可動部5を連結支持している。第1可動部5は、図1中のY方向に延びるYヒンジ8を通る軸を回動軸として、第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能である。固定部13は、Xヒンジ7を介して第2可動部6を連結支持している。第2可動部6は、図1中のX方向に延びるXヒンジ7を通る軸を回動軸として、固定部13に対しXヒンジ7周りに回動可能である。共振ミラー素子1は、このようなジンバル構造を有している。第2可動部6は、外枠部である固定部13と、中心部の第1可動部5との間に位置する中間フレームである。
第1可動部5は、第2可動部6に対して第1可動部5を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極9aおよびX補助櫛型電極10aをその外周部に備えている。X櫛型電極9aは、第1可動部5の回動軸と垂直な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5の回動軸と平行な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されたエッジに形成されており、X櫛型電極9aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されていないエッジに形成されている。X補助櫛型電極10aは、Yヒンジ8と平行に且つ同等の長さで形成されているので、X補助櫛型電極10aによりチップサイズが大きくなることはない。
第2可動部6は、固定部13に対して第2可動部6を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極11aおよびY補助櫛型電極12aをその外周部に備えている。Y櫛型電極11aは、第2可動部6の回動軸と垂直な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6の回動軸と平行な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6のXヒンジ7が接続されたエッジに形成されており、Y櫛型電極11aは、第2可動部6のXヒンジ7が接続されていないエッジに形成されている。Y補助櫛型電極12aは、Xヒンジ7と平行に且つ同等の長さで形成されているので、Y補助櫛型電極12aによりチップサイズが大きくなることはない。
また、第2可動部6の内周部には、X櫛型電極9aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極9bと、X補助櫛型電極10aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX補助櫛型電極10bとが形成されている。固定部13の内周部には、Y櫛型電極11aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極11bと、Y補助櫛型電極12aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY補助櫛型電極12bとが形成されている。補助櫛型電極の効果については後述する。
上述したように、第1可動部5は第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能に支持され、第2可動部6は固定部13に対しXヒンジ7周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子1が実現されている。
第1可動部5と第2可動部6との間に電位差が生じると、第1可動部5は第2可動部6に対して相対的に変位する。図6Fは、図1に示す共振ミラー素子1のA−A断面に対応した図である。図1および図6Fを参照して、第2可動部6は、第1可動部5に第1電圧を供給するための第1導電部6aと、第2電圧が供給される第2導電部6bとを備える。第1導電部6aと第2導電部6bとの間に形成された分離溝14によって、第1導電部6aと第2導電部6bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部5および第2可動部6のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図2は、本発明の共振ミラー素子1を示す下部斜視図である。図2の上側が斜視図で示す共振ミラー素子1の手前側であり、図2の下側が斜視図で示す共振ミラー素子1の奥側であり、固定部13のハンドル層4の一部をカットして図示している。共振ミラー素子1は、第1導電部6aと第2導電部6b(図1)とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部15をさらに備える。裏打ち部15は、共振ミラー素子1のミラー面34が設けられた面(上面)とは反対側の面(下面)から第1導電部6aと第2導電部6bとを固定している。
図2を参照して、第1および第2可動部5および6の下部はハンドル層4が除去されており、これにより、第1および第2可動部5および6が回動可能になっている。第2可動部6の下部では、裏打ち部15としてハンドル層4が部分的に残されている。この残されたハンドル層4とその同じ位置の絶縁層2とによって、裏打ち部15が形成されている。裏打ち部15の厚さは固定部13の厚さよりも薄く形成されており、これにより第2可動部6の軽量化が実現されている。
図3は、共振ミラー素子1での裏打ち部15の位置を示す平面図である。
図3に示す網掛け部分が裏打ち部15であり、分離溝14はこの裏打ち部15の存在する領域内に形成されている。このため、第1導電部6aと第2導電部6bとを分離溝14によって分離しても、第1導電部6aと第2導電部6bとは一体となって変位する。従来例のように、分離溝14に別材料を埋め込んで結合する工程は不要である。
また、絶縁層2、デバイス層3およびハンドル層4は予め強固に接合されたウエハ構造なので、デバイス層3から形成された第2可動部6と、絶縁層2およびハンドル層4から形成された裏打ち部15との結合強度は十分信頼性の高いものである。
埋め込み工程による絶縁の必要もないため、第1導電部6aと第2導電部6bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもない。
また、Xパッド20と第1可動部5とを接続する接続部である第1導電部6aを形成する分離溝14は、回動軸に対して偏った位置にあるので、それだけでは第2可動部6の重量バランスが偏ることになり、共振駆動したときに第2可動部6の上下動など不要な共振を誘発する場合がある。そのため、第2可動部6の中心を基準として、第2可動部6上の分離溝14に対して点対称な位置にダミー溝23が形成されている。また、第2可動部6上の分離溝14に対して、X回動軸を基準とした軸対称な位置、およびY回動軸を基準とした軸対称な位置のそれぞれにダミー溝23が形成されている。分離溝14と対称な位置にダミー溝23を形成することで、重量バランスのずれを抑えることができる。
図4は、共振ミラー素子1の電気的分離状態を示す平面図である。
図4において、前述のように、第2可動部6には分離溝14が形成され、電気的に2つの領域に分割されている。
1つの領域は、Xパッド20からXヒンジ7、第1導電部6a、Yヒンジ8を経て第1可動部5に至る領域であり、もう1つの領域は、グランドパッド22からXヒンジ7を経て第2可動部6に至る領域である。
このような構成により、Xパッド20に印加した電圧Vxは第1可動部5の電圧となり、グランドパッド22をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部5と第2可動部6との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド21に印加した電圧Vyは固定部13の電圧となり、固定部13と第2可動部6との間にVyの電位差が生じる。
VxとVyを適切に制御すると、第1可動部5および第2可動部6はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子1では、第1可動部5のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に駆動制御することができる。
図5は、共振ミラー素子1の動作状態を示す斜視図である。
第1可動部5は、第2可動部6に対してYヒンジ8周りに回動し、第2可動部6は、第1可動部5とともに固定部13に対してXヒンジ7周りに回動する。これにより、第1可動部5で反射したレーザビームはX−Y方向に2次元走査される。
次に、共振ミラー素子1の製造方法を説明する。
図6A〜図6Fは、共振ミラー素子1の製造工程を示す断面図である。
これらの断面図は、図1のA−A断面に対応している。
図6Aを参照して、SOIウエハ30を用意する。デバイス層3の厚さは第1および2可動部5および6の厚さとなり、各可動部の共振周波数や駆動電圧に対する振動振幅、剛性等を考慮して決定する。ここでは、デバイス層50μm、絶縁層2μm、ハンドル層500μmとする。
デバイス層3に、PやAsなどのn型不純物やBなどのp型不純物をドープし導電性を持たせる。
次に図6Bを参照して、スピンコーティングにより液状のフォトレジストをデバイス層3表面に成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン31を形成する。フォトレジストとしては、例えば、AZP4210やAZ1500(クラリアントジャパン製)を使用することができる。以降のレジストパターンも、このようなフォトレジストの成膜およびその後の露光・現象を経て形成される。
次に図6Cを参照して、レジストパターン31をマスクとしてデバイス層3のシリコンをDeep−RIE(Deep Reactive Ion Etching)により、貫通エッチングする。
Deep−RIEでは、エッチングと側壁保護を交互に行うBoschプロセスにおいて、SFガスによるエッチング、Cガスによる側壁保護を行う。以降のシリコン層に対するDeep−RIEについても、この条件を採用することができる。
このエッチングにより、第1可動部5、第2可動部6、櫛型電極、ヒンジ、分離溝14等、各構成要素の形状が形成される。第1導電部6aと第2導電部6bとを電気的に分離するために、分離溝14の領域では絶縁層2が露出するまでデバイス層3が完全に除去される。分離溝14の幅は例えば1〜10μmであるが、これに限定されない。
レジストパターン31を剥離した後、ハンドル層4下部(ウエハ背面)の固定部13を形成する領域をマスクする酸化膜パターン32と、固定部13と裏打ち部15を形成する領域をマスクするレジストパターン33とを形成する。
次に図6Dを参照して、裏打ち部15として残すハンドル層4の厚さ分の深さ程度までハンドル層4下部をシリコンエッチングする。その後、レジストパターン33を剥離する。
次に図6Eを参照して、固定部13および裏打ち部15を形成する領域以外の領域で絶縁層2が露出するまでハンドル層4下部をシリコンエッチングし、これにより、固定部13と裏打ち部15が形成される。エッチングが確実に絶縁層2に達するように、若干のオーバーエッチングを行うので、図6Dを参照して説明したエッチング深さはオーバーエッチング分を考慮して設定する。
裏打ち部15の厚さは、必要強度、可動部の共振周波数、駆動電圧に対する必要振幅等を考慮して設計される。裏打ち部15の厚さは、例えば30〜100μmであるが、これに限定されない。ここでは、厚さ50μmとした。第1導電部6aと第2導電部6bとを電気的に分離するために、裏打ち部15の第1および第2導電部6aおよび6bとの接触箇所は絶縁性を有する必要がある。この例では、裏打ち部15の絶縁層部分が第1および第2導電部6aおよび6bと接触しているため、第1導電部6aと第2導電部6bとは、電気的に分離された状態に保たれる。
次に図6Fを参照して、第1可動部5の表面に反射膜34として厚さ50nmのアルミ、金または銀を蒸着する。反射膜34の材料は、使用する光の波長と必要な反射率によって適切に選定する。
最後に、絶縁層2の露出した部分および酸化膜パターン32を除去して、第1および2可動部5および6をリリースする。
このように、裏打ち部15の形成は、可動部の背面のハンドル層4をエッチングして除去する際、裏打ち部15の形状のレジストマスクを追加して2段エッチングをするだけで行うので、プロセスを複雑化することなく裏打ち部15の形成が可能である。
次に、補助櫛型電極の作用効果を説明する。
一般に、静電アクチュエータの駆動力Fと変位xとの関係は、電極間の静電容量Cと電圧Vで決まる。静電容量Cはギャップgで対向する電極の対向面積Sで決まる。誘電率をεとすると、静電容量Cは、
C(x)=εS/g
と表される。駆動力Fは、
Figure 2007034777
と表される。
図7は、共振ミラー素子1の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図7に示す断面図は、上側に示す上面図のB−B断面に対応している。
図7を参照して、回動中心からrの距離に長さL、厚さtの櫛型電極を設けた場合、ギャップgを介して対向する電極面積Sは、回動角θに対して、櫛歯の数をNmainとすると、
Smain=2Nmain(t・L−L(r+R)θ/2)
=2Nmain・L(t−(r+R)θ/2)
と表される。
図8は、共振ミラー素子1の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図8に示す断面図は、上側に示す上面図のC−C断面に対応している。
図8を参照して、回動中心から距離r離れた電極の対向面積S’は、
S’=L(t−rθ)
と表される。
全ての補助櫛型電極を合計したときの、補助櫛型電極の対向面積Ssideは、
Figure 2007034777
と表される。
図9は、共振ミラー素子1の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。
図9を参照して、Smainは、櫛型電極同士が互いにオーバーラップする範囲で0でない値を示し、それより外側では0である。これに対して、静電容量変化C(θ)では、実際には櫛歯の対向面以外の部分(櫛歯の先端や、櫛歯のないエッジ等)でもわずかに静電容量が発生するため、C(θ)mainの分布は、Smainを包含する滑らかな曲線になる。
図9に示す例では、ミラー部の回動角を±15°とした場合、ミラー部の長さrを0.5mm、厚さを50μmとすると、およそ±5°がオーバーラップの範囲となる。
一方、Ssideは、櫛歯の数が少ない分、ピーク値は小さいが、回動中心から近い部分に配置するので、メインの櫛型電極より広い回動角の範囲でオーバーラップし、0でない値を持つ角度範囲が広い。従って、それらの合計Smain+Ssideは、回動範囲全体に渡って0でない値を持つこととなり、C(θ)totalは、回動角の大きな領域の値も、C(θ)mainと比較して増大している。従って、補助櫛型電極は、メインの櫛型電極のみの場合に比べ、回動角の大きな領域の静電容量を増加させる効果がある。
補助櫛歯電極によって静電容量が増加すると、その分、駆動力も増加される。
また、静電容量を検出することによってミラー部の回動角度を検出する際、メインの櫛型電極のオーバーラップがなくなるような大きな回動角に対しても、静電容量変化を確実に検出することができる。これにより、ミラー部の回動角を駆動信号にフィードバックして、より確実に共振駆動を行うことができるようになる。
本発明は、ミラー素子を用いて光の進行方向を変更する技術分野で特に有用である。例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに有用である。
本発明は、アクチュエータに関し、特に2軸回動型の共振ミラー素子に関する。本発明のマイクロマシニング技術を応用した共振ミラー素子は、例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに用いられる。
マイクロマシニング技術で形成される振動ミラー素子では、例えば、ミラー部が同一直線上に設けられた2本のヒンジで支持されている。ミラー部に対向する位置には電極が設けられている。ミラー部と電極との間に発生する静電引力により、2本のヒンジをねじり回転軸としてミラー部は往復振動する。
このような振動ミラー素子は、モーターでポリゴンミラーを回転させるミラー素子と比較して構造が簡単で、半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低い。また、振動ミラー素子は単一の反射面を有するため、複数面を有するポリゴンミラーのような精度のばらつきがない。また、振動ミラー素子の動作は往復振動であるため、高速化にも対応できる。
特許文献1には1軸回動型のミラー素子が、非特許文献1には2軸回動型のミラー素子がそれぞれ開示されている。
1軸回動型のミラー素子の可動部は、ヒンジで支持されたミラー部である。ミラー部と固定部とは分離溝で分離されており、ミラー部に駆動電圧を与えることで発生する静電引力で、ミラー部を駆動している。
2軸回動型のミラー素子では、中間フレームがヒンジを介してミラー部を支持し、固定部がさらなるヒンジを介して中間フレームを支持しており、ミラー部と中間フレーム部とが可動部を構成している。
図10を参照して、2軸回動型のミラー素子を説明する。図10は、2軸回動型の共振ミラー素子51を示す斜視図である。
共振ミラー素子51は、ミラー面を有する第1可動部55と、第1可動部55を支持する第2可動部56と、第2可動部56を支持する固定部63とを備える。
共振ミラー素子51は、Xヒンジ57およびYヒンジ58をさらに備える。第2可動部56は、Yヒンジ58を介して第1可動部55を連結支持している。第1可動部55は、図10中のY方向に延びるYヒンジ58を通る軸を回動軸として、第2可動部56に対しYヒンジ58周りに回動可能である。固定部63は、Xヒンジ57を介して第2可動部56を連結支持している。第2可動部56は、図10中のX方向に延びるXヒンジ57を通る軸を回動軸として、固定部63に対しXヒンジ57周りに回動可能である。
第1可動部55は、第2可動部56に対して第1可動部55を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極59aをその外周部に備えている。第2可動部56は、固定部63に対して第2可動部56を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極61aをその外周部に備えている。
また、第2可動部56の内周部には、X櫛型電極59aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極59bが形成されている。固定部63の内周部には、Y櫛型電極61aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極61bが形成されている。
上述したように、第1可動部55は第2可動部56に対しYヒンジ58周りに回動可能に支持され、第2可動部56は固定部63に対しXヒンジ57周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子51が実現されている。
第2可動部56は、第1可動部55に電圧を供給するための第1導電部56aと、別の電圧が供給される第2導電部56bとを備える。第1導電部56aと第2導電部56bとの間に形成された分離溝64によって、第1導電部56aと第2導電部56bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部55および第2可動部56のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図11は、共振ミラー素子51の断面を示す図である。この断面図は、図10のD−D断面に対応している。図11を参照して、分離溝64に絶縁層を堆積させた後にポリシリコンを埋め込んで、第1導電部56aと第2導電部56bとを接合することで、第1導電部56aと第2導電部56bとが分断されないようにしている。これにより、第1導電部56aおよび第2導電部56bは、第2可動部56として一体となって変位する。
図12は、共振ミラー素子51の電気的分離状態を示す平面図である。Xパッド70に印加した電圧Vxは第1可動部55の電圧となり、グランドパッド72をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部55と第2可動部56との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド71に印加した電圧Vyは固定部63の電圧となり、固定部63と第2可動部56との間にVyの電位差が生じる。
VxとVyを適切に制御すると、第1可動部55および第2可動部56はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子51では、第1可動部55のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に駆動制御することができる。
特開2004−239987号公報 "AN ELECTROSTATICALLY EXCITED 2D−MICRO−SCANNING−MIRROR WITH AN IN−PLANE CONFIGURATION OF THE DRIVING ELECTRODES"(MEMS2000.Proceedings Piscataway,NJ:IEEE,2000)
しかしながら、上記のミラー素子では、次のような問題があった。
1軸回動型のミラー素子では、2軸の回動ができず、動作が1軸の回動に限られている。
図10〜図12に示す2軸回動型のミラー素子51では、分離溝64を埋め込む工程に時間がかかりコストアップ要因となる。
また、分離溝64が深いほど確実に埋め込むのが難しく、埋め込みが不完全だと、振動によって埋め込み部分が損傷を受け、第1導電部56aと第2導電部56bとが外れてしまうおそれがあった。
さらに、分離溝64中の絶縁層の堆積が不十分だと、第1導電部56aと第2導電部56bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な製造プロセスで容易に形成でき、且つ信頼性の高い2軸回動型の共振ミラー素子を提供することにある。
本発明のアクチュエータは、第1可動部と、前記第1可動部を支持する第2可動部と、前記第2可動部を支持する固定部とを備え、前記第2可動部は、前記第1可動部に第1電圧を供給するための第1導電部と、第2電圧が供給される第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部とを備えることを特徴とする。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、光を反射するミラー部を備え、前記裏打ち部は、前記アクチュエータの前記ミラー部が設けられた面とは反対側の面から前記第1導電部と前記第2導電部とを固定している。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記第1導電部と前記第2導電部との間に形成された溝によって、前記第1導電部と前記第2導電部とは電気的に絶縁されている。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されている。
ある実施形態によれば、前記第1および第2可動部は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1のシリコン層をエッチングして形成されており、前記裏打ち部は、前記第2シリコン層をエッチングして形成されている。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、前記第2可動部に対して前記第1可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第1および第2櫛型電極を備え、前記第1櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第2櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びており、前記第2可動部は、前記固定部に対して前記第2可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第3および第4櫛型電極を備え、前記第3櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第4櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びている。
本発明の前記アクチュエータの製造方法は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1のシリコン層をエッチングして前記第1および第2可動部を形成するステップと、前記第2シリコン層をエッチングして前記裏打ち部を形成するステップとを包含することを特徴とする。
ある実施形態によれば、前記裏打ち部を形成するステップは、前記第2シリコン層の前記裏打ち部を形成する位置をマスクするレジストパターンを形成するステップと、前記裏打ち部として残す前記第2シリコン層の厚さの分の深さまで前記第2シリコン層をエッチングするステップと、前記レジストパターンを剥離し、前記裏打ち部を形成する位置以外の位置で前記絶縁層が露出するまで前記第2シリコン層をエッチングするステップと、前記絶縁層の露出した部分を除去するステップとを含む。
本発明によれば、裏打ち部が、第2可動部の第1導電部と第2導電部とを電気的に絶縁した状態で固定する。これにより、第1導電部と第2導電部とを確実に固定することができる。また、第1導電部と第2導電部との間の溝を埋め込む必要が無いので、アクチュエータの製造工程を簡略化でき、安価なアクチュエータを提供することができる。
また、ある実施形態によれば、アクチュエータがミラー部を備えることにより、2軸回動型の共振ミラー素子が得られる。
また、ある実施形態によれば、第2可動部の第1導電部と第2導電部との間の溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されていることにより、第2可動部の重量バランスの偏りを抑えることができる。
また、ある実施形態によれば、第1可動部は、第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備え、第2可動部は、第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備えている。これにより、第1および第2可動部をより大きな回動角度で駆動させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態のアクチュエータを説明する。図1は、本実施形態のアクチュエータである共振ミラー素子1を示す斜視図である。
共振ミラー素子1は、例えば、酸化シリコン(SiO2)から成る絶縁層2を介して2つのシリコン層を接合したウエハ、いわゆるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを加工して製造される。
2つのシリコン層のうち、第1のシリコン層にはリン(P)やヒ素(As)などのn型不純物やボロン(B)などのp型不純物をドープして導電性を持たせ、デバイス層3と称する。第2のシリコン層はウエハ本体を成す厚い部分で、ハンドル層4と称する。
デバイス層3に対して、後述するエッチングによるパターニングを行うことによって第1可動部5と第2可動部6が形成される。
共振ミラー素子1は、ミラー面34を有する第1可動部5と、第1可動部5を支持する第2可動部6と、第2可動部6を支持する固定部13とを備える。
共振ミラー素子1は、Xヒンジ7およびYヒンジ8をさらに備える。第2可動部6は、Yヒンジ8を介して第1可動部5を連結支持している。第1可動部5は、図1中のY方向に延びるYヒンジ8を通る軸を回動軸として、第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能である。固定部13は、Xヒンジ7を介して第2可動部6を連結支持している。第2可動部6は、図1中のX方向に延びるXヒンジ7を通る軸を回動軸として、固定部13に対しXヒンジ7周りに回動可能である。共振ミラー素子1は、このようなジンバル構造を有している。第2可動部6は、外枠部である固定部13と、中心部の第1可動部5との間に位置する中間フレームである。
第1可動部5は、第2可動部6に対して第1可動部5を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極9aおよびX補助櫛型電極10aをその外周部に備えている。X櫛型電極9aは、第1可動部5の回動軸と垂直な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5の回動軸と平行な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されたエッジに形成されており、X櫛型電極9aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されていないエッジに形成されている。X補助櫛型電極10aは、Yヒンジ8と平行に且つ同等の長さで形成されているので、X補助櫛型電極10aによりチップサイズが大きくなることはない。
第2可動部6は、固定部13に対して第2可動部6を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極11aおよびY補助櫛型電極12aをその外周部に備えている。Y櫛型電極11aは、第2可動部6の回動軸と垂直な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6の回動軸と平行な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6のXヒンジ7が接続されたエッジに形成されており、Y櫛型電極11aは、第2可動部6のXヒンジ7が接続されていないエッジに形成されている。Y補助櫛型電極12aは、Xヒンジ7と平行に且つ同等の長さで形成されているので、Y補助櫛型電極12aによりチップサイズが大きくなることはない。
また、第2可動部6の内周部には、X櫛型電極9aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極9bと、X補助櫛型電極10aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX補助櫛型電極10bとが形成されている。固定部13の内周部には、Y櫛型電極11aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極11bと、Y補助櫛型電極12aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY補助櫛型電極12bとが形成されている。補助櫛型電極の効果については後述する。
上述したように、第1可動部5は第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能に支持され、第2可動部6は固定部13に対しXヒンジ7周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子1が実現されている。
第1可動部5と第2可動部6との間に電位差が生じると、第1可動部5は第2可動部6に対して相対的に変位する。図6Fは、図1に示す共振ミラー素子1のA−A断面に対応した図である。図1および図6Fを参照して、第2可動部6は、第1可動部5に第1電圧を供給するための第1導電部6aと、第2電圧が供給される第2導電部6bとを備える。第1導電部6aと第2導電部6bとの間に形成された分離溝14によって、第1導電部6aと第2導電部6bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部5および第2可動部6のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図2は、本発明の共振ミラー素子1を示す下部斜視図である。図2の上側が斜視図で示す共振ミラー素子1の手前側であり、図2の下側が斜視図で示す共振ミラー素子1の奥側であり、固定部13のハンドル層4の一部をカットして図示している。共振ミラー素子1は、第1導電部6aと第2導電部6b(図1)とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部15をさらに備える。裏打ち部15は、共振ミラー素子1のミラー面34が設けられた面(上面)とは反対側の面(下面)から第1導電部6aと第2導電部6bとを固定している。
図2を参照して、第1および第2可動部5および6の下部はハンドル層4が除去されており、これにより、第1および第2可動部5および6が回動可能になっている。第2可動部6の下部では、裏打ち部15としてハンドル層4が部分的に残されている。この残されたハンドル層4とその同じ位置の絶縁層2とによって、裏打ち部15が形成されている。裏打ち部15の厚さは固定部13の厚さよりも薄く形成されており、これにより第2可動部6の軽量化が実現されている。
図3は、共振ミラー素子1での裏打ち部15の位置を示す平面図である。
図3に示す網掛け部分が裏打ち部15であり、分離溝14はこの裏打ち部15の存在する領域内に形成されている。このため、第1導電部6aと第2導電部6bとを分離溝14によって分離しても、第1導電部6aと第2導電部6bとは一体となって変位する。従来例のように、分離溝14に別材料を埋め込んで結合する工程は不要である。
また、絶縁層2、デバイス層3およびハンドル層4は予め強固に接合されたウエハ構造なので、デバイス層3から形成された第2可動部6と、絶縁層2およびハンドル層4から形成された裏打ち部15との結合強度は十分信頼性の高いものである。
埋め込み工程による絶縁の必要もないため、第1導電部6aと第2導電部6bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもない。
また、Xパッド20と第1可動部5とを接続する接続部である第1導電部6aを形成する分離溝14は、回動軸に対して偏った位置にあるので、それだけでは第2可動部6の重量バランスが偏ることになり、共振駆動したときに第2可動部6の上下動など不要な共振を誘発する場合がある。そのため、第2可動部6の中心を基準として、第2可動部6上の分離溝14に対して点対称な位置にダミー溝23が形成されている。また、第2可動部6上の分離溝14に対して、X回動軸を基準とした軸対称な位置、およびY回動軸を基準とした軸対称な位置のそれぞれにダミー溝23が形成されている。分離溝14と対称な位置にダミー溝23を形成することで、重量バランスのずれを抑えることができる。
図4は、共振ミラー素子1の電気的分離状態を示す平面図である。
図4において、前述のように、第2可動部6には分離溝14が形成され、電気的に2つの領域に分割されている。
1つの領域は、Xパッド20からXヒンジ7、第1導電部6a、Yヒンジ8を経て第1可動部5に至る領域であり、もう1つの領域は、グランドパッド22からXヒンジ7を経て第2可動部6に至る領域である。
このような構成により、Xパッド20に印加した電圧Vxは第1可動部5の電圧となり、グランドパッド22をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部5と第2可動部6との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド21に印加した電圧Vyは固定部13の電圧となり、固定部13と第2可動部6との間にVyの電位差が生じる。
VxとVyを適切に制御すると、第1可動部5および第2可動部6はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子1では、第1可動部5のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に駆動制御することができる。
図5は、共振ミラー素子1の動作状態を示す斜視図である。
第1可動部5は、第2可動部6に対してYヒンジ8周りに回動し、第2可動部6は、第1可動部5とともに固定部13に対してXヒンジ7周りに回動する。これにより、第1可動部5で反射したレーザビームはX−Y方向に2次元走査される。
次に、共振ミラー素子1の製造方法を説明する。
図6A〜図6Fは、共振ミラー素子1の製造工程を示す断面図である。
これらの断面図は、図1のA−A断面に対応している。
図6Aを参照して、SOIウエハ30を用意する。デバイス層3の厚さは第1および2可動部5および6の厚さとなり、各可動部の共振周波数や駆動電圧に対する振動振幅、剛性等を考慮して決定する。ここでは、デバイス層50μm、絶縁層2μm、ハンドル層500μmとする。
デバイス層3に、PやAsなどのn型不純物やBなどのp型不純物をドープし導電性を持たせる。
次に図6Bを参照して、スピンコーティングにより液状のフォトレジストをデバイス層3表面に成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン31を形成する。フォトレジストとしては、例えば、AZP4210やAZ1500(クラリアントジャパン製)を使用することができる。以降のレジストパターンも、このようなフォトレジストの成膜およびその後の露光・現象を経て形成される。
次に図6Cを参照して、レジストパターン31をマスクとしてデバイス層3のシリコンをDeep−RIE(Deep Reactive Ion Etching)により、貫通エッチングする。
Deep−RIEでは、エッチングと側壁保護を交互に行うBoschプロセスにおいて、SF6ガスによるエッチング、C48ガスによる側壁保護を行う。以降のシリコン層に対するDeep−RIEについても、この条件を採用することができる。
このエッチングにより、第1可動部5、第2可動部6、櫛型電極、ヒンジ、分離溝14等、各構成要素の形状が形成される。第1導電部6aと第2導電部6bとを電気的に分離するために、分離溝14の領域では絶縁層2が露出するまでデバイス層3が完全に除去される。分離溝14の幅は例えば1〜10μmであるが、これに限定されない。
レジストパターン31を剥離した後、ハンドル層4下部(ウエハ背面)の固定部13を形成する領域をマスクする酸化膜パターン32と、固定部13と裏打ち部15を形成する領域をマスクするレジストパターン33とを形成する。
次に図6Dを参照して、裏打ち部15として残すハンドル層4の厚さ分の深さ程度までハンドル層4下部をシリコンエッチングする。その後、レジストパターン33を剥離する。
次に図6Eを参照して、固定部13および裏打ち部15を形成する領域以外の領域で絶縁層2が露出するまでハンドル層4下部をシリコンエッチングし、これにより、固定部13と裏打ち部15が形成される。エッチングが確実に絶縁層2に達するように、若干のオーバーエッチングを行うので、図6Dを参照して説明したエッチング深さはオーバーエッチング分を考慮して設定する。
裏打ち部15の厚さは、必要強度、可動部の共振周波数、駆動電圧に対する必要振幅等を考慮して設計される。裏打ち部15の厚さは、例えば30〜100μmであるが、これに限定されない。ここでは、厚さ50μmとした。第1導電部6aと第2導電部6bとを電気的に分離するために、裏打ち部15の第1および第2導電部6aおよび6bとの接触箇所は絶縁性を有する必要がある。この例では、裏打ち部15の絶縁層部分が第1および第2導電部6aおよび6bと接触しているため、第1導電部6aと第2導電部6bとは、電気的に分離された状態に保たれる。
次に図6Fを参照して、第1可動部5の表面に反射膜34として厚さ50nmのアルミ、金または銀を蒸着する。反射膜34の材料は、使用する光の波長と必要な反射率によって適切に選定する。
最後に、絶縁層2の露出した部分および酸化膜パターン32を除去して、第1および2可動部5および6をリリースする。
このように、裏打ち部15の形成は、可動部の背面のハンドル層4をエッチングして除去する際、裏打ち部15の形状のレジストマスクを追加して2段エッチングをするだけで行うので、プロセスを複雑化することなく裏打ち部15の形成が可能である。
次に、補助櫛型電極の作用効果を説明する。
一般に、静電アクチュエータの駆動力Fと変位xとの関係は、電極間の静電容量Cと電圧Vで決まる。静電容量Cはギャップgで対向する電極の対向面積Sで決まる。誘電率をε0とすると、静電容量Cは、
C(x)=ε0S/g
と表される。駆動力Fは、
Figure 2007034777
と表される。
図7は、共振ミラー素子1の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図7に示す断面図は、上側に示す上面図のB−B断面に対応している。
図7を参照して、回動中心からrの距離に長さL、厚さtの櫛型電極を設けた場合、ギャップgを介して対向する電極面積Sは、回動角θに対して、櫛歯の数をNmainとすると、
Smain=2Nmain(t・L−L(r+R)θ/2)
=2Nmain・L(t−(r+R)θ/2)
と表される。
図8は、共振ミラー素子1の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図8に示す断面図は、上側に示す上面図のC−C断面に対応している。
図8を参照して、回動中心から距離r離れた電極の対向面積S’は、
S’=L(t−rθ)
と表される。
全ての補助櫛型電極を合計したときの、補助櫛型電極の対向面積Ssideは、
Figure 2007034777
と表される。
図9は、共振ミラー素子1の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。
図9を参照して、Smainは、櫛型電極同士が互いにオーバーラップする範囲で0でない値を示し、それより外側では0である。これに対して、静電容量変化C(θ)では、実際には櫛歯の対向面以外の部分(櫛歯の先端や、櫛歯のないエッジ等)でもわずかに静電容量が発生するため、C(θ)mainの分布は、Smainを包含する滑らかな曲線になる。
図9に示す例では、ミラー部の回動角を±15°とした場合、ミラー部の長さrを0.5mm、厚さを50μmとすると、およそ±5°がオーバーラップの範囲となる。
一方、Ssideは、櫛歯の数が少ない分、ピーク値は小さいが、回動中心から近い部分に配置するので、メインの櫛型電極より広い回動角の範囲でオーバーラップし、0でない値を持つ角度範囲が広い。従って、それらの合計Smain+Ssideは、回動範囲全体に渡って0でない値を持つこととなり、C(θ)totalは、回動角の大きな領域の値も、C(θ)mainと比較して増大している。従って、補助櫛型電極は、メインの櫛型電極のみの場合に比べ、回動角の大きな領域の静電容量を増加させる効果がある。
補助櫛歯電極によって静電容量が増加すると、その分、駆動力も増加される。
また、静電容量を検出することによってミラー部の回動角度を検出する際、メインの櫛型電極のオーバーラップがなくなるような大きな回動角に対しても、静電容量変化を確実に検出することができる。これにより、ミラー部の回動角を駆動信号にフィードバックして、より確実に共振駆動を行うことができるようになる。
本発明は、ミラー素子を用いて光の進行方向を変更する技術分野で特に有用である。例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに有用である。
本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す下部斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の動作を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す斜視図である。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す断面図である。 2軸回動型の共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。
符号の説明
1 共振ミラー素子
2 絶縁層
3 デバイス層
4 ハンドル層
5 第1可動部
6 第2可動部
7 Xヒンジ
8 Yヒンジ
9 X櫛型電極
10 X補助櫛型電極
11 Y櫛型電極
12 Y補助櫛型電極
13 固定部
14 分離溝
15 裏打ち部
20 Xパッド
21 Yパッド
22 グランドパッド
23 ダミー溝
30 SOIウエハ
31 レジストパターン
32 酸化膜パターン
33 レジストパターン
34 反射膜

Claims (8)

  1. 第1可動部と、
    前記第1可動部を支持する第2可動部と、
    前記第2可動部を支持する固定部と
    を備え、
    前記第2可動部は、
    前記第1可動部に第1電圧を供給するための第1導電部と、
    第2電圧が供給される第2導電部と、
    前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部と
    を備える、アクチュエータ。
  2. 前記第1可動部は、光を反射するミラー部を備え、
    前記裏打ち部は、前記アクチュエータの前記ミラー部が設けられた面とは反対側の面から前記第1導電部と前記第2導電部とを固定している、請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記第2可動部の前記第1導電部と前記第2導電部との間に形成された溝によって、前記第1導電部と前記第2導電部とは電気的に絶縁されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
  4. 前記第2可動部の前記溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されている、請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記第1および第2可動部は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1のシリコン層をエッチングして形成されており、
    前記裏打ち部は、前記第2シリコン層をエッチングして形成されている、請求項1に記載のアクチュエータ。
  6. 前記第1可動部は、前記第2可動部に対して前記第1可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第1および第2櫛型電極を備え、
    前記第1櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、
    前記第2櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びており、
    前記第2可動部は、前記固定部に対して前記第2可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第3および第4櫛型電極を備え、
    前記第3櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、
    前記第4櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びている、請求項1に記載のアクチュエータ。
  7. 請求項1に記載のアクチュエータの製造方法であって、
    前記製造方法は、
    絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1のシリコン層をエッチングして前記第1および第2可動部を形成するステップと、
    前記第2シリコン層をエッチングして前記裏打ち部を形成するステップと
    を包含する、製造方法。
  8. 前記裏打ち部を形成するステップは、
    前記第2シリコン層の前記裏打ち部を形成する位置をマスクするレジストパターンを形成するステップと、
    前記裏打ち部として残す前記第2シリコン層の厚さの分の深さまで前記第2シリコン層をエッチングするステップと、
    前記レジストパターンを剥離し、前記裏打ち部を形成する位置以外の位置で前記絶縁層が露出するまで前記第2シリコン層をエッチングするステップと、
    前記絶縁層の露出した部分を除去するステップと
    を含む、請求項7に記載の製造方法。
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