JP6217145B2 - 把持装置、電気機械装置、および筐体 - Google Patents

把持装置、電気機械装置、および筐体 Download PDF

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Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:電気機械素子とも称される。)に関し、特に、電気機械素子をウエハから摘まみ上げやすくするための電気機械素子の形状、該電気機械素子を把持するための把持装置、該電気機械素子を収容する筐体、該電気機械素子が筐体に収容された電気機械装置、電気機械素子を用いた光偏向装置、および該光偏向装置を用いた画像形成装置ならびに画像投影装置に関する。
MEMSは、ガラス基板、有機材料などの上に集積化したデバイスであって、インクジェットプリンターのヘッド、圧力センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、プロジェクターに用いるDMD(Digital Mirror Device)などに利用されており、今後の応用が期待されている。
MEMSは、半導体プロセスの応用した手法で、図26(a)に示すように、一枚シリコンウエハ内200に多くのMEMSデバイス201をまとめてアレイ状に形成される。そして、それら一つ一つのデバイスを、ダイシングあるいはエッチングによって分離して、カバーやパッケージに収め、電気的な配線が施される。その際、ウエハから1つの電気機械素子を摘まみ上げて、カバーやパッケージに取り付けるために移動させる必要がある。
ウエハ内のチップを分離移動させる際には、吸引によって、それぞれのチップを持ち上げる方法が考えられる。ところが、MEMSデバイスは半導体プロセスを応用して作製されるところ共通しているが、電子部品と異なり、可動部を作るためシリコンの一部を薄く、細くする箇所があるため、その周囲には穴が開いていることになる。そのため、従来の多く用いられている吸引によるチップの保持、搬送が難しくなる。
特に、図27に示すデバイスのように、支持梁204が細く蛇行した形状とすることで、限られたスペースで、低いバネ定数で可動部203を支持枠202に回動可能に支持している。そして、図28に示すように、支持梁204上に圧電膜205を形成し、各圧電膜205に電圧を印加する電極206を設け、圧電膜205に反り方向の変位を与え、それぞれの変位を足し合わせながら大きな回動角度を得られるようしにすることができる。このチップは、図29に示すように、それぞれの支持梁204の変形を累積し、可動部203が捩れるようになっている。
このような構造では、狭い間隔で裏表が貫通するので、チップ保持に主に用いられる吸引では、吸引部を当て付けるための十分な面積を確保できないので、ウエハから、一つ一つのデバイスを分離することができない可能性がある。また、吸引できたとしても、安定的にデバイスを吸引することが難しい。安定的に保持しようとして、吸引用に穴の無い場所を設けると、一つ一つのデバイスが大きくなってしまうので、一つのウエハから取れるデバイスの量が減ってしまい、コスト上昇の要因となる。
デバイスとデバイスの間に挟み込み用の部材を挟み込んで一つのデバイスを挟み付けて、摘まみ上げようとすると、図26(b)に示すように、デバイス同士で、十分な隙間205を空ける必要があるが、大きく間隔を空けると取り数が減ってしまう。
分離方法としては、例えば、特許文献1において、シリコン層においてSOIウエハのストリートに対応する領域に埋め込み酸化膜に達する深さの表面溝をエッチングにより形成し、支持基板において上記ストリートに対応する領域に埋め込み酸化膜に達する深さの裏面溝をエッチングにより形成し、埋め込み酸化膜をエッチングガスによりエッチングすることで個々のMEMSデバイスに分離する方法が開示されている。ここでは、裏面溝は、各MEMSデバイスそれぞれに対応する各デバイス領域を各別に取り囲むように形成され、表面溝は、シリコン層においてデバイス領域から張り出す張出部が設けられるように形成される。
特許文献2においては、フレームと、ミラー形成部と、当該フレーム及びミラー形成部を連結するトーションバーとを備え、かつ、前記フレームと前記ミラー形成部との間に空隙部を設けたマイクロミラー素子を各々1つ以上含む複数のマイクロミラーチップを基板から同時に製造する方法が提案されている。この方法は、前記空隙部を形成するための基板のエッチング処理と、マイクロミラーチップごとに分割する分割溝を形成するための基板のエッチング処理とを並行して行う。
特許文献3においては、ウエハを延伸可能な担体に保持しておいて、ウエハから、一つ一つのデバイスを分離して取り出す際は、延伸可能な担体を変形させて、ウエハから取り出すことが提案されている。
上記特許文献においては、ウエハからデバイスを分割するため方法は提案されているが、可動部が支持枠に支持された構造を有する電気機械素子、すなわち、基板を貫通した空間を有するデバイスにおいて、一つ一つのデバイスを確実に把持するための提案はなされていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、確実に把持してウエハから分離することが可能な電気機械素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決し目的を達成するために、矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備え、前記支持枠の4つの角のうち、少なくとも1本の対角線上の2つの角に切り欠き部を有する電気機械素子を、該切り欠き部にピン部材を挿入し、該ピン部材の間隔を狭めることによって把持する把持部と、前記把持部を昇降させる昇降手段と、前記把持部を所望する場所に移動させる移動手段と、を備えたことを特徴とする把持装置である。
本発明の電気機械素子によれば、支持枠の4つの角の少なくとも1つに切り欠き部を設けているので、吸引装置によらないで、該切り欠き部に把持部材を差し込むことが可能であり、確実にデバイスを把持することができる。
第1の実施形態の電気機械素子を示す概略平面図である。 第2の実施形態の電気機械素子を示す概略平面図である。 第3の実施形態の電気機械素子を示す概略平面図である。 第4の実施形態の電気機械素子の外形を示す平面図である。 第3の実施形態の電気機械素子が形成されたウエハを示す概略平面図である。 図5のウエハから個々の電気機械素子に分割された状態を示す概略平面図である。 電気機械素子の切り欠き部に、ピン部材を差し込んだ状態を示す概略斜視図である。 把持装置の一例を示す斜視図である。 図8に示す把持装置の把持部の拡大図である。 把持部のピン部材を、2か所の切り欠き部に差し込んで把持する一例を示す概略斜視図である。 把持部のピン部材を、4か所の切り欠き部に差し込んで把持する一例を示す概略斜視図である。 把持装置のピン部材の先端に螺旋状の突出部を設けた一例を示す概略斜視図である。 螺旋状の突出部を設けたピン部材を4か所の切り欠き部に差し込んで電気機械素子を把持した状態を示す概略斜視図である。 ピン部材を回転させて、螺旋状の突出部を電気機械素子の裏面に潜り込ませた状態を示す概略斜視図である。 把持装置のピン部材の先端に矩形状の突出部を設けた一例を示す概略斜視図である。 4か所に切り欠き部を設けた電気機械素子と、該素子が収容される筐体を示す斜視図である。 電気機械素子が筐体に収容された状態を示す斜視図である。 電気機械素子と筐体の隙間に接着剤が流し込まれて接着された状態を示す斜視図である。 電気機械素子がパッケージのパッドにボンディングされた状態、およびパッケージを封止するガラス面を有する蓋を示す斜視図である。 4か所に切り欠き部を有する電気機械素子、および受け部の隅部にアール形状を有する筐体を示す斜視図である。 4か所に切り欠き部を有する電気機械素子を、受け部の隅部にアール形状を有するパッケージに収容した状態を示す斜視図である。 電気機械素子の可動部に反射面が形成された一例を示す平面図である。 画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 画像投影装置の一例を示す概略斜視図である。 画像投影装置の他の構成例を示す概略斜視図である。 (a)従来の電気機械素子が形成されたSOI基板の概略平面図、および(b)その一部拡大図である。 従来の電気機械素子の概略平面図である。 従来の電気機械素子の斜視図である。 従来の電気機械素子の回転軸方向から見た概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<電気機械素子>
図1に、第1の実施形態の電気機械素子の概略平面図を示す。図2に、第2の実施形態の電気機械素子の概略平面図を示す。図3に、第3の実施形態の電気機械素子の概略平面図を示す。図4に、第4の実施形態の電気機械素子の外形の平面図を示す。
図1に示すように、第1の実施形態の電気機械素子10は、矩形状の支持枠11と、可動部12と、該可動部12を前記支持枠11に回転振幅可能に支持する支持梁13と、を備える。支持枠11の4つの角のうち1つに切り欠き部14を有する。
また、第2の実施形態の電気機械素子は、図2に示すように、支持枠11の4つの角のうち、支持枠の対角線上の2つの角である右上と左下の2か所に、切り欠き部14を有する。
また、第3の実施形態の電気機械素子は、図3に示すように、支持枠11の4つの角全てに切り欠き部14を有する。
また、第4の実施形態の電気機械素子は、図4に示すように、切り欠き部に、支持枠の対角線に対し直角となる面を有している。このような形状にすることにより、素子をピン部材で側面方向から掴む場合、素子を掴む方向に力を加えた時に、多少、力の向きが多少ずれていても、ピン部材を素子に押し当てることにより、回転方向の力が生じ難いので、安定して把持することができる。また、素子を挟みつける力が対角線方向となるので、素子を正確に保持することができる
ウエハ内に形成された電気機械素子は、ダイシングや、特許文献1に記載されているようにエッチングで、個別の素子に切り分けられて分割される。
第3および第4の実施形態のように4つの角全てに切り欠き部14を設けた場合には、分割前のウエハに電気機械素子が並んでいる状態は、図5に示すように、4つの角の切り欠き部が合わさって穴(貫通部)となっている。
電気機械素子の製造方法は、矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁と、を備え、支持枠の4つの角の少なくとも1つに切り欠き部を形成する電気機械素子の製造方法であって、切り欠き部を、可動部または支持梁を形成する工程において同時に形成するものである。
電気機械素子の構造部(可動部および支持梁)の形成は、主に、エッチング処理によって行われる。電気機械素子の構造部をエッチング処理で形成する際に、それぞれの素子の角部となる部分に設ける切り欠き部を同時に形成することが可能である。エッチング工程で同時に、角部の切り欠き部を形成できるので、工程を別途設ける必要が無く、特別にコストを増やすことがない。例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を加工して、MEMSの構造部を形成する際に、支持層側の形状を規定するマスクと活性層側の形状を規定するマスクを作っておいて、フォトリソグラフィにより、レジスト層を形成し、エッチングによって構造部の形状を形成することができる。
次に、あらかじめ4つの電気機械素子の境目に、エッチング処理で、切り欠き部を構成できるようにフォトリソグラフィ用のマスクを作成し、エッチングで、所定位置に切り欠き部となる穴(貫通部)を形成する。その後で、ダイシングやレーザー加工によって、一つ一つの素子に切断すれば、図6に示すように、支持枠11の角に切り欠き部14が設けられた電気機械素子となる。
特許文献1に記載のような、エッチングによってデバイス同士を切り離す場合は、外形となる隣との境界部と角の切り欠き部とを同時に加工することが可能である。この場合、切り離し用のチップ同士の境界と角の切り欠き部を同時に作製できるように、フォトリソグラフィのマスクを作製しておけば、ダイシングや、レーザー加工なしに、図6のような状態とすることができる。
切り欠き部14を設けた場合には、図7に示すように、切り欠き部にピンなどを差し込んで、ウエハから一つ一つの素子を浮かせてから、側面を挟んで、素子を持ち上げることができる。また、後述するように、切り欠き部を複数設けることで、切り欠き部のそれぞれに、摘まみ上げるための部材を差し込み、そこからその摘まみ上げ用の部材で挟みつけて、素子を保持し、ウエハから分離して、次工程に搬送することも可能となる。
(把持装置)
次に、本発明の把持装置の一例について図面を参照しながら説明する。図8に把持装置の一例の斜視図を示す。図9に把持部の拡大図を示す。
把持装置60は、図8に示すように、矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備え、前記支持枠の4つの角のうち、少なくとも1本の対角線上の2つの角に切り欠き部を有する電気機械素子を、該切り欠き部にピン部材を挿入し、該ピン部材の間隔を狭めることによって把持する把持部61と、把持部を昇降させる昇降手段68と、把持部を所望する場所に移動させる移動手段と、を備えている。
移動手段は、把持部61を支持し、X方向に移動可能とする支持棒62と、該支持棒62をY方向に移動可能とするレール63、64とにより構成される。
また、前記把持部61は、先端に電気機械素子の切り欠き部に挿入可能な大きさを有するピン部材を備えている。
個々の電気機械素子に分割された状態のウエハ50は作業台(不図示)に載置されている。電気機械素子30は、把持部61によって把持された後、昇降手段68によって上昇し、支持棒62によってX方向に移動し、搬送テープ66上に載置されたパッケージ65上に運ばれる。そして、把持部61は昇降手段68によって下降し、電気機械素子30の把持を解除することによりパッケージ65内に収容される。その後、把持部61は、昇降手段58によって上昇し、ウエハ50の次の電気機械素子を把持するためX方向と逆方向に移動してウエハ50上に戻る。その後、把持部61は再度下降して、次の電気機械素子を把持する。一段下の電気機械素子を把持する場合は、支持棒62はレール上をY方向に移動した後、下降して把持する。
この把持装置は、図9に示すように、把持部61の先端に電気機械素子30を把持するピン部材67を2本備えている。この2本のピン部材67の間隔を狭めることによって電気機械素子30を把持する。
2か所の切り欠き部14で把持する場合は、図10に示すように、対角線上の2か所の切り欠き部14に、電気機械素子30を挟みつけるピン部材67を挿し入れ、ピン部材67同士の間隔を狭めて、素子を保持して持ち上げることができる。隣接する素子では、それぞれの切り欠き部も隣接するので、ピン部材を差し入れるための十分な隙間を作ることができる。そのため、摘まみ上げ用の装置の作動に多少のブレがあったとしても、隙間の略中心にピン部材を挿し入れ、ピン部材同士の間隔を狭めるようにすれば、電気機械素子30を破損させることは無く、安定的に保持することができる。
また、図11に示すように、4か所全ての切り欠き部にピン部材67を差し込んで把持することも可能である。2か所で把持する場合に比べより安定して確実に電気機械素子30を把持することが可能である。
なお、詳細は後述するが、パッケージ部の受け部の内側の隅部にアール形状を設けた場合は、ピン部材の先端部の形状に工夫が必要であるが、切り欠き部への差し込みには影響がない。
次に、本発明の把持装置の把持部のピン部材に突出部を設けた形態について説明する。図12にピン部材71の先端に突出部として螺旋状の突出部72を設けた形態の斜視図を示す。図13に螺旋状の突出部72を設けたピン部材71によって把持した状態の斜視図を示す。図14にピン部材71を回転させて突出部72を電気機械素子の裏面に潜り込ませた状態の斜視図を示す。図15にピン部材73の先端に矩形状の突出部74を設けた形態の斜視図を示す。
図12に示すように、ピン部材71は、先端に螺旋状の突出部72が設けられている。この螺旋状の突出部72は、ピン部材71の側面に沿って螺旋状に徐々に厚さが厚くなっている。このようなピン部材を備えた把持装置は、下記のように電気機械素子を把持する。
図13に示すように、ピン部材71を切り欠き部14に挿入し、ピン部材71の側面を切り欠き部14の側面に突き当てる。そして、図14に示すように、ピン部材71を回転させて、電気機械素子30が螺旋の斜面に乗り上がるようにして、突出部72を電気機械素子30の裏面に潜り込ませる。こうすることにより電気機械素子30を裏面側からも支えながら把持することができるので、確実に把持することができ、かつ、素子を押しつぶして破損させる可能性を低減することができる。
また、図15に示すように、ピン部材73の先端に矩形状の突出部74を設けても良い。矩形状の突出部74は先端からピン部材73の側面に向かって、厚さが徐々に厚くなっている。この場合、隣接する電気機械素子の切り欠き部のスペースを利用して、ピン部材先端からなるべく遠い位置に回転中心を設け、ピン部材で電気機械素子を挟みつける方向にピン部材を移動させた時に、矩形状の突出部74が電気機械素子の下にもぐりこむようにしてもよい。矩形状の突出部を設けた方が、図12に示す螺旋状の突出部72を設けたピン部材71よりも、簡便で、ピン部材による把持操作も容易である。
(電気機械装置)
次に、本発明の電気機械素子が筐体に収容された電気機械装置について説明する。電気機械素子を保持して別部品に取り付けるための筐体(パッケージ部材または枠部材)に、電気機械素子を固定するには、接着剤を用いることが考えられる。
本発明の電気機械装置は、電気機械素子の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部が設けられた筐体81と、該筐体81に収容された前記電気機械素子30とが、切り欠き部14と受け部82の隅部との間にできる隙間83に接着剤84が流し込まれて接着されている。
ここで、筐体としては、図16示すような電気機械素子の一部が露出している枠部材、あるいは図19に示すような、蓋によって素子を全範囲から囲うパッケージを挙げることできる。このような筐体は、例えば、図16に示すように、四方を囲んで保持するための矩形状の受け部82が設けられている。
以下に、接着過程について説明する。図16に示すように、電気機械素子30を把持装置(不図示)で把持して、筐体81の受け部82に落とし込み、図17に示すように、電気機械素子30を筐体81に収める。この時、筐体81には、電気機械素子30の角に設けた切り欠き部14と受け部82の隅部とで囲まれた隙間83が発生する。この隙間83に、図18に示すように、接着剤84を流し込み、電気機械素子30を筐体81に固定する。
接着が終わったら、図19に示すように、筐体に設けられた複数のパッド85と、電気機械素子30とを、ワイヤ86によりボンディングして、電気的配線を施す。必要に応じて、例えば、ガラス88が蓋枠89に取り付けられた蓋87を取り付け、素子を封止する。
本発明の電気機械素子によれば、素子と筐体との間に一定の接着剤溜りのスペース(隙間83)ができるので、適度な粘度の接着剤を選定することにより、接着工程のばらつきが小さくなる。電気機械素子保持用の切り欠き部14を利用して、接着剤溜りを設けるので、パッケージや枠部材等の筐体を大型化させずに済む。
(筐体)
次に、電気機械素子を収容する受け部を有し、受け部の隅部がアール形状を有する筐体について説明する。図20にその筐体の斜視図を示す。
図20に示すように、本実施形態の筐体91は、電気機械素子30の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部92が設けられ、該受け部92の四隅がアール形状を有する。この受け部92に支持枠の4つの角に切り欠き部14を有する電気機械素子30を落とし込む。電気機械素子30に切り欠き部14を有するために、受け部92の隅部92aがアール形状となっていても、枠部材内の隅部のアールの大きさと、切り欠き部の大きさとの関係が適当であれば、図21に示すように、電気機械素子30と筐体91は干渉しない。筐体91に電気機械素子30を収めた後は、上記同様に、接着剤を隙間93に流し込み、接着する。
筐体(枠部材あるいはパッケージ部材)を作成する際、フライス盤で削って作る場合は、内側隅部にアールが残ってしまうので、内側隅部にアールを許すMEMS形状であれば、作成が容易になる。また、型に、樹脂や金属を流し込んで、筐体を形成する場合にも、隅部に小さなアール形状を設けることで融解あるいは溶融した材料が流れやすくなるために、寸法バラツキが発生しにくくなるので、枠部材あるいはパッケージ部材の品質が安定する。
このように、アール形状をつけることで、枠部材あるいはパッケージ部材の作製が容易になる。また、隅部のノッチが無くなるのでパッケージ部材の強度が増す。さらには、寸法精度が安定した筐体に電気機械素子を固定することで、電気機械素子を使う装置の品質を安定させることができる。
(光偏向装置)
次に、本発明の光偏向装置について説明する。回転可動に支持された可動部に反射面を設け、反射面の回転振幅によって入射光の反射方向を制御できるようにしたものを光偏向装置という。図22に光偏向装置に使用する、反射面が設けられた電気機械素子の平面図を示す。
本発明の光偏向装置は、可動部に光源からの入射光を反射する反射面が設けられた電気機械素子100と、反射面を回転振幅させる駆動手段とを備えている。
電気機械素子100は、図22に示すように、矩形状の支持枠101と、光源からの入射光を反射する反射面105が形成された可動部102と、該可動部102を回転振幅可能に支持する支持梁103とを備える。電気機械素子100は支持枠101の4つの角全てに切り欠き部104が設けられている。
光偏向装置は、支持梁103を変形させて反射面105を回転振幅させる駆動手段(不図示)を備え、可動部102の回転振幅によって光源からの入射光の反射方向を変化させる。
入射した光の向きを変えるため反射面を変える部分は半導体プロセスを利用して作製される。光偏向装置の駆動手段としては、例えば、電磁力、静電力、圧電膜(PZT)の変形などを利用することが多い。圧電膜を利用する場合、支持梁103上に圧電膜を形成し、各圧電膜に電圧を印加する電極を設け、圧電膜に反り方向の変位を与え、それぞれの変位を足し合わせながら大きな回動角度を得られるようにする。駆動制御は、一緒に実装される制御回路によって行われる。
本発明の光偏向装置は、支持枠101の角全てに、切り欠き部104が設けられた電気機械素子100が組み込まれているので、組み付け性が改善され、枠部材の大型化を防ぐことができる。また、ウエハからの分離、パッケージ等への配線の工程を簡便にすることができ、品質が安定し、製造コストを低減することができる。
(画像形成装置)
次に、本発明の光偏向装置を振動ミラーとして用いた画像形成装置について図面を参照しながら説明する。図23に画像形成装置の一例の概略構成図を示す。
本発明の画像形成装置は、図23に示すように、振動ミラー821と、像担持体802と、記録信号によって変調された光ビームを振動ミラー821の反射面へ入射させるための手段(結像光学系822)と、前記反射面で反射された光ビームを前記像担持体802に結像させるための手段(走査光学系823)と、該結像のための手段により光ビームが結像されることにより前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで顕像化する現像手段(現像部805)と、該現像手段により顕像化されたトナー像を記録紙808に転写する転写手段(転写部806)と、を有するものであって、振動ミラー821として、本発明の光偏向装置を用いている。
801は光書込装置であり、802は光書込装置801の被走査面を提供する感光体ドラム(像担持体)である。光書込装置801は、記録信号によって変調された1本または複数本のレーザビームで感光体ドラム802の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査するものである。感光体ドラム802は、矢印803方向に回転駆動され、帯電部804で帯電された表面に光書込装置801により光走査されることによって静電潜像を形成される。この静電潜像は現像部805でトナー像に顕像化され、このトナー像は転写部806で記録紙808に転写される。転写されたトナー像は定着部807によって記録紙808に定着される。
感光体ドラム802の転写部806を通過した表面部分はクリーニング部809で残留トナーを除去される。なお、感光体ドラム802に代えてベルト状の感光体を用いる構成も可能であることは明らかである。また、トナー像を転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
光書込装置801は、記録信号によって変調された1本または複数本のレーザビームを発する光源部820と、前述したような本発明の振動ミラー821と、この振動ミラー821のミラー基板のミラー面に光源部820からのレーザビームを結像させるための結像光学系822と、ミラー面で反射された1本または複数本のレーザビームを感光体ドラム802の表面(被走査面)に結像させるための走査光学系823から構成される。振動ミラー821は、その駆動のための集積回路824とともに回路基板825に実装された形で光書込装置801に組み込まれる。
本発明の画像形成装置は、品質が安定し、かつ組立コストが低減された光偏向装置を用いているので、高性能、低価格を実現することができる。
また、このような構成の光書込装置801は、次のような利点を有する。本発明による光偏向装置821は、ミラー基板の変形が少なくビーム形状が安定しているため、安定したビームスポット径での書き込みが可能である。また、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の高画質化、省電力化に有利である。光走査装置821の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。光偏向装置821は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済む。また、光偏向装置821の発熱量もわずかであるため、光書込装置801の小型化が容易であり、したがって画像形成装置の小型化に有利である。
また、振動ミラーは高速の往復走査が可能であるため、画像記録速度の高速化が可能である。なお、記録紙808の搬送機構、感光体ドラム802の駆動機構、現像部805、転写部806などの制御手段、光源部820の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様でよいため、図中では省略されている。
(画像投影装置)
次に、本発明の光偏向装置を用いた画像投影装置について図面を参照しながら説明する。図24に画像投影装置の一例の概略斜視図を示す。
本発明の画像投影装置は、光源と、光走査装置とを備え、該光走査装置により前記光源からの入射光を投影面に2次元的に走査して画像を表示するものであって、光走査装置に、図22に示す本発明の光偏向装置が組み込まれたものである。
光走査装置に組み込まれた光偏向装置は、図22に示すように、X軸周りとY軸周りにそれぞれ独立に、回動制御可能とすることで、2次元的に、入射光を走査し、画像を表示させる。
本発明の画像投影装置は、図24に示すように、赤色のレーザー光を射出する赤色光源装置1Rと、緑色のレーザー光を射出する緑色光源1Gと、青色のレーザー光を射出する青色光源装置1Bと、クロスダイクロイックプリズム2と、クロスダイクロイックプリズム2から射出されたレーザー光を走査する光走査装置3とを備え、投射面(スクリーン)4に投影する。投影装置は投射面を一体とする構成であっても良い。
赤色光源装置1Rは、中心波長が630nm前後である半導体レーザー(LD)であり、青色光源装置1Bは、中心波長が430nm前後である半導体レーザー(LD)である。緑色光源装置1Gは、中心波長が540nm前後である緑色のレーザー光を出射する。
また、光走査装置3は、上記のように2軸周りに回動できる構造を備えており、入射したレーザー光を投影面(スクリーン)4に反射させるものである。
これらにより、光走査装置のミラー部投影面内で2方向に振動運動が可能となる。スクリーン4の水平方向及び垂直方向にレーザー光を走査することが可能となり、投影位置に応じて、各色の光源の発光量を調整することで、所望の画像を表示することができる。
本発明の画像投影装置は、品質製造時に組み付け工程を簡便なものにすることで、装置を安価で品質を安定したものにすることが可能となる。
また、図25に示すように、赤、緑、青で光路を1つにしない構成であってもよい。
カラー画像を投影する例を述べたが、白黒の場合は、白色だけで、投影像を形成する場合にも適応可能である。
10、20、30、40 電気機械素子
11、101 支持枠
12、102 可動部
13、103 支持梁
14、44 切り欠き部
50ウエハ
60 把持装置
61 把持部
62 支持棒
63、64 レール
71 ピン部材
72 螺旋状の突出部
73 矩形状の突出部
81、91 筐体
82、92 受け部
83、93 隙間
84 接着剤
85 パッド
86 ワイヤ
87 蓋
88 ガラス
89 枠
105 反射面
特開2009−154215号公報 特許第3793125号公報 特表2012−513684号公報

Claims (6)

  1. 矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備え、前記支持枠の4つの角のうち、少なくとも1本の対角線上の2つの角に切り欠き部を有する電気機械素子を、該切り欠き部にピン部材を挿入し、該ピン部材の間隔を狭めることによって把持する把持部と、
    前記把持部を昇降させる昇降手段と、
    前記把持部を所望する場所に移動させる移動手段と、を備えたことを特徴とする把持装置。
  2. 前記ピン部材は、先端に突出部が設けられており、該突出部を前記電気機械素子の裏面に潜り込ませて、該電気機械素子を裏面から支えながら把持することを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
  3. 矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備えるとともに前記支持枠の4つの角の少なくとも1つに切り欠き部を有する電気機械素子の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部が設けられた筐体と、該筐体に収容された前記電気機械素子とが、前記切り欠き部と前記受け部の隅部との間にできる隙間に接着剤が流し込まれて接着されていることを特徴とする電気機械装置。
  4. 前記切り欠き部は、前記支持枠の対角線に直角な面を有することを特徴とする請求項3に記載の電気機械装置。
  5. 矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備えるとともに前記支持枠の4つの角の少なくとも1つに切り欠き部を有する電気機械素子の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部が設けられ、該受け部の四隅がアール形状を有することを特徴とする筐体。
  6. 前記切り欠き部は、前記支持枠の対角線に直角な面を有することを特徴とする請求項5に記載の筐体。
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