JP6217145B2 - 把持装置、電気機械装置、および筐体 - Google Patents
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Description
MEMSは、半導体プロセスの応用した手法で、図26(a)に示すように、一枚シリコンウエハ内200に多くのMEMSデバイス201をまとめてアレイ状に形成される。そして、それら一つ一つのデバイスを、ダイシングあるいはエッチングによって分離して、カバーやパッケージに収め、電気的な配線が施される。その際、ウエハから1つの電気機械素子を摘まみ上げて、カバーやパッケージに取り付けるために移動させる必要がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、確実に把持してウエハから分離することが可能な電気機械素子を提供することを目的とする。
<電気機械素子>
図1に、第1の実施形態の電気機械素子の概略平面図を示す。図2に、第2の実施形態の電気機械素子の概略平面図を示す。図3に、第3の実施形態の電気機械素子の概略平面図を示す。図4に、第4の実施形態の電気機械素子の外形の平面図を示す。
図1に示すように、第1の実施形態の電気機械素子10は、矩形状の支持枠11と、可動部12と、該可動部12を前記支持枠11に回転振幅可能に支持する支持梁13と、を備える。支持枠11の4つの角のうち1つに切り欠き部14を有する。
第3および第4の実施形態のように4つの角全てに切り欠き部14を設けた場合には、分割前のウエハに電気機械素子が並んでいる状態は、図5に示すように、4つの角の切り欠き部が合わさって穴(貫通部)となっている。
電気機械素子の構造部(可動部および支持梁)の形成は、主に、エッチング処理によって行われる。電気機械素子の構造部をエッチング処理で形成する際に、それぞれの素子の角部となる部分に設ける切り欠き部を同時に形成することが可能である。エッチング工程で同時に、角部の切り欠き部を形成できるので、工程を別途設ける必要が無く、特別にコストを増やすことがない。例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を加工して、MEMSの構造部を形成する際に、支持層側の形状を規定するマスクと活性層側の形状を規定するマスクを作っておいて、フォトリソグラフィにより、レジスト層を形成し、エッチングによって構造部の形状を形成することができる。
次に、本発明の把持装置の一例について図面を参照しながら説明する。図8に把持装置の一例の斜視図を示す。図9に把持部の拡大図を示す。
把持装置60は、図8に示すように、矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備え、前記支持枠の4つの角のうち、少なくとも1本の対角線上の2つの角に切り欠き部を有する電気機械素子を、該切り欠き部にピン部材を挿入し、該ピン部材の間隔を狭めることによって把持する把持部61と、把持部を昇降させる昇降手段68と、把持部を所望する場所に移動させる移動手段と、を備えている。
移動手段は、把持部61を支持し、X方向に移動可能とする支持棒62と、該支持棒62をY方向に移動可能とするレール63、64とにより構成される。
また、前記把持部61は、先端に電気機械素子の切り欠き部に挿入可能な大きさを有するピン部材を備えている。
図13に示すように、ピン部材71を切り欠き部14に挿入し、ピン部材71の側面を切り欠き部14の側面に突き当てる。そして、図14に示すように、ピン部材71を回転させて、電気機械素子30が螺旋の斜面に乗り上がるようにして、突出部72を電気機械素子30の裏面に潜り込ませる。こうすることにより電気機械素子30を裏面側からも支えながら把持することができるので、確実に把持することができ、かつ、素子を押しつぶして破損させる可能性を低減することができる。
次に、本発明の電気機械素子が筐体に収容された電気機械装置について説明する。電気機械素子を保持して別部品に取り付けるための筐体(パッケージ部材または枠部材)に、電気機械素子を固定するには、接着剤を用いることが考えられる。
本発明の電気機械装置は、電気機械素子の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部が設けられた筐体81と、該筐体81に収容された前記電気機械素子30とが、切り欠き部14と受け部82の隅部との間にできる隙間83に接着剤84が流し込まれて接着されている。
ここで、筐体としては、図16示すような電気機械素子の一部が露出している枠部材、あるいは図19に示すような、蓋によって素子を全範囲から囲うパッケージを挙げることできる。このような筐体は、例えば、図16に示すように、四方を囲んで保持するための矩形状の受け部82が設けられている。
接着が終わったら、図19に示すように、筐体に設けられた複数のパッド85と、電気機械素子30とを、ワイヤ86によりボンディングして、電気的配線を施す。必要に応じて、例えば、ガラス88が蓋枠89に取り付けられた蓋87を取り付け、素子を封止する。
次に、電気機械素子を収容する受け部を有し、受け部の隅部がアール形状を有する筐体について説明する。図20にその筐体の斜視図を示す。
図20に示すように、本実施形態の筐体91は、電気機械素子30の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部92が設けられ、該受け部92の四隅がアール形状を有する。この受け部92に支持枠の4つの角に切り欠き部14を有する電気機械素子30を落とし込む。電気機械素子30に切り欠き部14を有するために、受け部92の隅部92aがアール形状となっていても、枠部材内の隅部のアールの大きさと、切り欠き部の大きさとの関係が適当であれば、図21に示すように、電気機械素子30と筐体91は干渉しない。筐体91に電気機械素子30を収めた後は、上記同様に、接着剤を隙間93に流し込み、接着する。
このように、アール形状をつけることで、枠部材あるいはパッケージ部材の作製が容易になる。また、隅部のノッチが無くなるのでパッケージ部材の強度が増す。さらには、寸法精度が安定した筐体に電気機械素子を固定することで、電気機械素子を使う装置の品質を安定させることができる。
次に、本発明の光偏向装置について説明する。回転可動に支持された可動部に反射面を設け、反射面の回転振幅によって入射光の反射方向を制御できるようにしたものを光偏向装置という。図22に光偏向装置に使用する、反射面が設けられた電気機械素子の平面図を示す。
電気機械素子100は、図22に示すように、矩形状の支持枠101と、光源からの入射光を反射する反射面105が形成された可動部102と、該可動部102を回転振幅可能に支持する支持梁103とを備える。電気機械素子100は支持枠101の4つの角全てに切り欠き部104が設けられている。
光偏向装置は、支持梁103を変形させて反射面105を回転振幅させる駆動手段(不図示)を備え、可動部102の回転振幅によって光源からの入射光の反射方向を変化させる。
次に、本発明の光偏向装置を振動ミラーとして用いた画像形成装置について図面を参照しながら説明する。図23に画像形成装置の一例の概略構成図を示す。
本発明の画像形成装置は、図23に示すように、振動ミラー821と、像担持体802と、記録信号によって変調された光ビームを振動ミラー821の反射面へ入射させるための手段(結像光学系822)と、前記反射面で反射された光ビームを前記像担持体802に結像させるための手段(走査光学系823)と、該結像のための手段により光ビームが結像されることにより前記像担持体に形成された静電潜像をトナーで顕像化する現像手段(現像部805)と、該現像手段により顕像化されたトナー像を記録紙808に転写する転写手段(転写部806)と、を有するものであって、振動ミラー821として、本発明の光偏向装置を用いている。
次に、本発明の光偏向装置を用いた画像投影装置について図面を参照しながら説明する。図24に画像投影装置の一例の概略斜視図を示す。
本発明の画像投影装置は、光源と、光走査装置とを備え、該光走査装置により前記光源からの入射光を投影面に2次元的に走査して画像を表示するものであって、光走査装置に、図22に示す本発明の光偏向装置が組み込まれたものである。
光走査装置に組み込まれた光偏向装置は、図22に示すように、X軸周りとY軸周りにそれぞれ独立に、回動制御可能とすることで、2次元的に、入射光を走査し、画像を表示させる。
また、光走査装置3は、上記のように2軸周りに回動できる構造を備えており、入射したレーザー光を投影面(スクリーン)4に反射させるものである。
本発明の画像投影装置は、品質製造時に組み付け工程を簡便なものにすることで、装置を安価で品質を安定したものにすることが可能となる。
カラー画像を投影する例を述べたが、白黒の場合は、白色だけで、投影像を形成する場合にも適応可能である。
11、101 支持枠
12、102 可動部
13、103 支持梁
14、44 切り欠き部
50ウエハ
60 把持装置
61 把持部
62 支持棒
63、64 レール
71 ピン部材
72 螺旋状の突出部
73 矩形状の突出部
81、91 筐体
82、92 受け部
83、93 隙間
84 接着剤
85 パッド
86 ワイヤ
87 蓋
88 ガラス
89 枠
105 反射面
Claims (6)
- 矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備え、前記支持枠の4つの角のうち、少なくとも1本の対角線上の2つの角に切り欠き部を有する電気機械素子を、該切り欠き部にピン部材を挿入し、該ピン部材の間隔を狭めることによって把持する把持部と、
前記把持部を昇降させる昇降手段と、
前記把持部を所望する場所に移動させる移動手段と、を備えたことを特徴とする把持装置。 - 前記ピン部材は、先端に突出部が設けられており、該突出部を前記電気機械素子の裏面に潜り込ませて、該電気機械素子を裏面から支えながら把持することを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
- 矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備えるとともに前記支持枠の4つの角の少なくとも1つに切り欠き部を有する電気機械素子の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部が設けられた筐体と、該筐体に収容された前記電気機械素子とが、前記切り欠き部と前記受け部の隅部との間にできる隙間に接着剤が流し込まれて接着されていることを特徴とする電気機械装置。
- 前記切り欠き部は、前記支持枠の対角線に直角な面を有することを特徴とする請求項3に記載の電気機械装置。
- 矩形状の支持枠と、可動部と、該可動部を前記支持枠に回転振幅可能に支持する支持梁とを備えるとともに前記支持枠の4つの角の少なくとも1つに切り欠き部を有する電気機械素子の四方を囲んで保持するための矩形状の受け部が設けられ、該受け部の四隅がアール形状を有することを特徴とする筐体。
- 前記切り欠き部は、前記支持枠の対角線に直角な面を有することを特徴とする請求項5に記載の筐体。
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