JPWO2008069176A1 - アクチュエータ - Google Patents

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浩士 小尾
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浩稔 冨田
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Abstract

本発明は、第1可動部と、第1可動部を支持する第2可動部、及び裏打ち部とを備える2軸回動型のアクチュエータである。第1可動部と第2可動部それぞれに独立に駆動電圧を印可するための第1導電部と第2導電部は、分離溝により分割され、第2可動部の下部に備えられた裏打ち部により相互に固定された状態で第2可動部に設けられている。このような裏打ち部を設けることにより、第1導電部と第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定すること、及びアクチュエータの製造工程を簡略化すること、を実現している。このような本発明のアクチュエータの第1可動部にミラーを備えることで、2軸回動型のミラー素子を簡素な製造プロセスで提供することが可能である。

Description

本発明は、マイクロマシニング技術を応用した微小機械構造体であるアクチュエータに関し、例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに用いられる。
マイクロマシニング技術で形成される振動ミラー素子では、例えば、ミラー部が同一直線上に設けられた2本のヒンジで支持されている。ミラー部に対向する位置には電極が設けられている。ミラー部と電極との間に発生する静電引力により、2本のヒンジをねじり回転軸としてミラー部は往復振動する。
このような振動ミラー素子は、モーターでポリゴンミラーを回転させるミラー素子と比較して構造が簡単で、半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低い。また、振動ミラー素子は単一の反射面を有するため、複数面を有するポリゴンミラーのような精度のばらつきがない。また、振動ミラー素子の動作は往復振動であるため、高速化にも対応できる。
特許文献1には1軸回動型のミラー素子が開示されており、非特許文献1と特許文献2および3とには2軸回動型のミラー素子が開示されている。
1軸回動型のミラー素子の可動部は、ヒンジで支持されたミラー部である。ミラー部と固定部とは分離溝で分離されており、ミラー部に駆動電圧を与えることで発生する静電引力で、ミラー部を駆動している。
2軸回動型のミラー素子では、中間フレームがヒンジを介してミラー部を支持し、固定部がさらなるヒンジを介して中間フレームを支持しており、ミラー部と中間フレーム部とが可動部を構成している。
図13を参照して、2軸回動型のミラー素子を説明する。図13は、2軸回動型の共振ミラー素子51を示す斜視図である。
共振ミラー素子51は、ミラー面を有する第1可動部55と、第1可動部55を支持する第2可動部56と、第2可動部56を支持する固定部63とを備える。
共振ミラー素子51は、Xヒンジ61およびYヒンジ57をさらに備える。第2可動部56は、Yヒンジ57を介して第1可動部55を連結して支持している。第1可動部55は、図13中のY方向に延びるYヒンジ57を通る軸を回動軸として、第2可動部56に対しYヒンジ57周りに回動可能である。固定部63は、Xヒンジ61を介して第2可動部56を連結して支持している。第2可動部56は、図13中のX方向に延びるXヒンジ61を通る軸を回動軸として、固定部63に対しXヒンジ61周りに回動可能である。
第1可動部55は、第2可動部56に対して第1可動部55を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極55aをその外周部に備えている。第2可動部56は、固定部63に対して第2可動部56を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極64aをその外周部に備えている。
また、第2可動部56の内周部には、X櫛型電極55aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極55bが形成されている。固定部63の内周部には、Y櫛型電極64aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極64bが形成されている。
上述したように、第1可動部55は第2可動部56に対しYヒンジ57周りに回動可能に支持され、第2可動部56は固定部63に対しXヒンジ61周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子51が実現されている。
第2可動部56は、第1可動部55に電圧を供給するための第1導電部56aと、別の電圧が供給される第2導電部56bとを備える。第1導電部56aと第2導電部56bとの間に形成された分離溝66によって、第1導電部56aと第2導電部56bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部55および第2可動部56のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図14は、共振ミラー素子51の断面を示す図である。この断面図は、図13のG−G断面に対応している。図14を参照して、分離溝66に絶縁層を堆積させた後にポリシリコンを埋め込んで、第1導電部56aと第2導電部56bとを接合することで、第1導電部56aと第2導電部56bとが分断されないようにしている。これにより、第1導電部56aおよび第2導電部56bは、第2可動部56として一体となって変位する。
図15は、共振ミラー素子51の電気的分離状態を示す平面図である。Xパッド70に印加した電圧Vxは第1可動部55の電圧となり、グランドパッド72をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部55と第2可動部56との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド71に印加した電圧Vyは固定部63の電圧となり、固定部63と第2可動部56との間にVyの電位差が生じる。
電圧VxとVyを適切に制御すると、第1可動部55および第2可動部56はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子51では、第1可動部55のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に制御することができる。
特開2004―239987号公報 特開2004−13099号公報 特開2006−115683号公報 "AN ELECTROSTATICALLY EXCITED 2D−MICRO−SCANNING−MIRROR WITH AN IN−PLANE CONFIGURATION OF THE DRIVING ELECTRODES"(MEMS2000. Proceedings Piscataway, NJ : IEEE, 2000)
しかしながら、上記のミラー素子では、次のような問題があった。
1軸回動型のミラー素子では、2軸の回動ができず、動作が1軸の回動に限られている。
図13〜図15に示す2軸回動型のミラー素子51では、分離溝66を埋め込む工程に時間がかかりコストアップ要因となる。
また、分離溝66が深いほど確実に埋め込むのが難しく、埋め込みが不完全だと、振動によって埋め込み部分が損傷を受け、第1導電部56aと第2導電部56bとが外れてしまうおそれがあった。
さらに、分離溝66中の絶縁層の堆積が不十分だと、第1導電部56aと第2導電部56bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡素な製造プロセスで容易に形成でき、且つ信頼性の高いアクチュエータを提供する。
本発明のアクチュエータは、可動部と、前記可動部を支持する固定部とを備え、前記可動部は、第1電圧が供給される第1導電部と、第2電圧が供給される第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部とを備え、前記第2導電部と前記裏打ち部とは電気的に接続されていることを特徴とする。
ある実施形態によれば、前記可動部は、第1可動部と、前記第1可動部を支持する第2可動部とを含み、前記固定部は、前記第2可動部を支持し、前記第2可動部は、前記第1および第2導電部を備え、前記第1導電部を介して前記第1可動部に前記第1電圧を供給する。
ある実施形態によれば、前記第2可動部は、前記第2導電部および前記裏打ち部に形成された櫛型電極をさらに備える。
ある実施形態によれば、前記裏打ち部の厚さは、前記固定部の厚さよりも薄い。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、光を反射するミラー部を備え、前記裏打ち部は、前記アクチュエータの前記ミラー部が設けられた面とは反対側の面から前記第1導電部と前記第2導電部とを固定している。
ある実施形態によれば、前記第1および第2可動部は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1シリコン層をエッチングして形成されており、前記裏打ち部は、前記第2シリコン層をエッチングして形成されている。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記第1導電部と前記第2導電部との間に形成された溝によって、前記第1導電部と前記第2導電部とは電気的に絶縁されている。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されている。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、前記第2可動部に対して前記第1可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第1および第2櫛型電極を備え、前記第1櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第2櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びており、前記第2可動部は、前記固定部に対して前記第2可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第3および第4櫛型電極を備え、前記第3櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第4櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びている。
本発明の画像投射装置は、前記アクチュエータと、光ビームを出射する光源と、前記光ビームを前記アクチュエータへ導く光学系と、前記アクチュエータを駆動する駆動部とを備えることを特徴とする。
本発明のアクチュエータの製造方法は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1シリコン層をエッチングして前記第1および第2可動部を形成するステップと、前記第2シリコン層をエッチングして前記裏打ち部を形成するステップと、前記第2可動部の前記第1シリコン層から形成された所定の部分と前記裏打ち部とを電気的に接続するステップとを包含することを特徴とする。
前記裏打ち部を形成するステップは、前記第1シリコン層をエッチングするときに用いるマスクを用いて前記第2シリコン層をエッチングするステップを含む。
本発明によれば、裏打ち部は第1導電部と第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定し、第2導電部と裏打ち部とは電気的に接続されている。これにより、第1導電部と第2導電部とを確実に固定することができる。また、第1導電部と第2導電部との間の溝を埋め込む必要が無いので、アクチュエータの製造工程を簡略化でき、安価なアクチュエータを提供することができる。また、裏打ち部が電気的にフローティングした状態ではないので、裏打ち部の帯電を防止することができ、安定した駆動力を得ることができる。
また、ある実施形態によれば、可動部は第1可動部と第1可動部を支持する第2可動部とを含み、これにより、2軸回動型のアクチュエータが得られる。
また、ある実施形態によれば、裏打ち部は櫛型電極を備える。これにより、可動部が回動している状態での櫛型電極が互いに対向する面積を増やすことができ、安定した駆動力を得ることができる。
また、ある実施形態によれば、裏打ち部の厚さは、固定部の厚さよりも薄い。これにより、可動部の軽量化を実現するとともに、可動部が回動可能な角度を大きく確保することができる。
また、ある実施形態によれば、第2可動部の溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されていることにより、第2可動部の重量バランスの偏りを抑えることができる。
また、ある実施形態によれば、第1可動部は、第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備え、第2可動部は、第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備えている。これにより、第1および第2可動部をより大きな回動角度で駆動させることができる。
また、本発明の画像投射装置は、上記アクチュエータを備える。本発明のアクチュエータの駆動感度は高いので、低消費電力の画像投射装置を実現することができる。
また、本発明のアクチュエータの製造方法は、第1シリコン層をエッチングするときに用いるマスクを用いて第2シリコン層をエッチングして裏打ち部を形成する。これにより、第1シリコン層と第2シリコン層との間で櫛型電極の位置ずれを防止することができるので、隣り合う櫛型電極間のギャップが等しい垂直櫛型電極構造を実現することができる。
本発明によれば、簡素なプロセスで容易に2軸回動型のアクチュエータを形成でき、安価な共振ミラー素子を提供することができる。
本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す下部斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の動作を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を備えた画像投射装置を示す図である。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す斜視図である。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す断面図である。 2軸回動型の共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。
符号の説明
1 共振ミラー素子
2 絶縁層
3 デバイス層
4 ハンドル層
5 第1可動部
6 第2可動部
6a 第1導電部
6b 第2導電部
7 Yヒンジアンカー
8 Yヒンジ
9a、9b X櫛型電極
10a、10b X補助櫛型電極
11 Xヒンジ
11a、11b Y櫛型電極
12 Xヒンジアンカー
12a、12b Y補助櫛型電極
13 固定部
16 分離溝
17 裏打ち部
18 Xパッド
20 ダミー溝
21 グランドパッド
22 Yパッド
23 接続部
30 SOIウエハ
31、36 酸化物層
32、37 レジストパターン
33、38 Al層
34、39 レジストパターン
35 保護層
40 反射膜
151 光源
152 コリメートレンズ
153 ダイクロイックプリズム
154 開口部
155 画像信号
156 制御部
157 レーザ変調回路
158 駆動部
159 光ビーム
160 投射領域
100 画像投射装置
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態によるアクチュエータを説明する。図1は、本実施形態のアクチュエータである共振ミラー素子1を示す斜視図である。
共振ミラー素子1は、例えば、酸化シリコン(SiO2)から成る絶縁層2を介して2つのシリコン層を接合したウエハ、いわゆるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを加工して製造される。
2つのシリコン層のうち、第1シリコン層にはリン(P)やヒ素(As)などのn型不純物やボロン(B)などのp型不純物をドープして導電性を持たせ、デバイス層3と称する。第2シリコン層はウエハ本体を成す厚い部分で、ハンドル層4と称する。
デバイス層3に対して、後述するエッチングによるパターニングを行うことによって第1可動部5と第2可動部6が形成される。第1可動部5と第2可動部6とはまとめて可動部とも称される。
共振ミラー素子1は、ミラー面25を有する第1可動部5と、第1可動部5を支持する第2可動部6と、第2可動部6を支持する固定部13とを備える。
共振ミラー素子1は、Xヒンジ11およびYヒンジ8をさらに備える。第2可動部6は、Yヒンジ8を介して第1可動部5を連結して支持している。第1可動部5は、図1中のY方向に延びるYヒンジ8を通る軸を回動軸として、第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能である。固定部13は、Xヒンジ11を介して第2可動部6を連結して支持している。第2可動部6は、図1中のX方向に延びるXヒンジ11を通る軸を回動軸として、固定部13に対しXヒンジ11周りに回動可能である。共振ミラー素子1は、このようなジンバル構造を有している。第2可動部6は、外枠部である固定部13と、中心部の第1可動部5との間に位置する中間フレームである。
第1可動部5は、第2可動部6に対して第1可動部5を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極9aおよびX補助櫛型電極10aをその外周部に備えている。X櫛型電極9aは、第1可動部5の回動軸と垂直な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5の回動軸と平行な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されたエッジに形成されており、X櫛型電極9aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されていないエッジに形成されている。X補助櫛型電極10aは、Yヒンジ8と平行に且つ同等の長さ以下で形成されているので、X補助櫛型電極10aによりチップサイズが大きくなることはない。
第2可動部6は、固定部13に対して第2可動部6を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極11aおよびY補助櫛型電極12aをその外周部に備えている。Y櫛型電極11aは、第2可動部6の回動軸と垂直な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6の回動軸と平行な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6のXヒンジ11が接続されたエッジに形成されており、Y櫛型電極11aは、第2可動部6のXヒンジ11が接続されていないエッジに形成されている。Y補助櫛型電極12aは、Xヒンジ11と平行に且つ同等の長さ以下で形成されているので、Y補助櫛型電極12aによりチップサイズが大きくなることはない。
また、第2可動部6の内周部には、X櫛型電極9aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極9bと、X補助櫛型電極10aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX補助櫛型電極10bとが形成されている。固定部13の内周部には、Y櫛型電極11aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極11bと、Y補助櫛型電極12aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY補助櫛型電極12bとが形成されている。補助櫛型電極の効果については後述する。
上述したように、第1可動部5は第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能に支持され、第2可動部6は固定部13に対しXヒンジ11周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子1が実現されている。
第1可動部5と第2可動部6との間に電位差が生じると、第1可動部5は第2可動部6に対して相対的に変位する。図6Qは、図1に示す共振ミラー素子1のA−A断面に対応した図である。図1および図6Qを参照して、第2可動部6は、第1可動部5に第1電圧を供給するための第1導電部6aと、第2電圧が供給される第2導電部6bとを備える。第1導電部6aと第2導電部6bとの間に形成された分離溝16によって、第1導電部6aと第2導電部6bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部5および第2可動部6のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図2は、共振ミラー素子1を示す下部斜視図である。図2は、共振ミラー素子1の構成要素の一部をカットして図示している。共振ミラー素子1は、第1導電部6aと第2導電部6b(図1)とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部17をさらに備える。裏打ち部17は、共振ミラー素子1のミラー面25が設けられた面(上面)とは反対側の面(下面)から第1導電部6aと第2導電部6bとを固定している。裏打ち部17の厚さは、固定部13の厚さよりも薄い。
図2を参照して、第1および第2可動部5および6の下部はハンドル層4が除去されており、これにより、第1および第2可動部5および6が回動可能になっている。第2可動部6の下部では、裏打ち部17としてハンドル層4が部分的に残されている。この残されたハンドル層4とその同じ位置の絶縁層2とによって、裏打ち部17が形成されている。裏打ち部17の厚さは固定部13の厚さよりも薄く形成されており、これにより第2可動部6の軽量化が実現されている。
図3は、共振ミラー素子1での裏打ち部17の位置を示す平面図である。
図3に示す斜線部分が裏打ち部17であり、分離溝16はこの裏打ち部17の存在する領域内に形成されている。このため、第1導電部6aと第2導電部6bとを分離溝16によって分離しても、第1導電部6aと第2導電部6b(図1)とは一体となって変位する。従来例のように、分離溝16に別材料を埋め込んで結合する工程は不要である。
また、絶縁層2、デバイス層3およびハンドル層4は予め強固に接合されたウエハ構造なので、デバイス層3から形成された第2可動部6と、絶縁層2およびハンドル層4から形成された裏打ち部17との結合強度は十分信頼性の高いものである。
埋め込み工程による絶縁の必要もないため、第1導電部6aと第2導電部6bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもない。
また、Xパッド18と第1可動部5とを接続する接続部である第1導電部6aを形成する分離溝16は、回動軸に対して偏った位置にあるので、それだけでは第2可動部6の重量バランスが偏ることになり、共振駆動したときに第2可動部6の上下動など不要な共振を誘発する場合がある。そのため、第2可動部6の中心を基準として、第2可動部6上の分離溝16に対して点対称な位置にダミー溝20が形成されている。また、第2可動部6上の分離溝16に対して、X回動軸を基準とした軸対称な位置、およびY回動軸を基準とした軸対称な位置のそれぞれにダミー溝20が形成されている。分離溝16と対称な位置にダミー溝20を形成することで、重量バランスのずれを抑えることができる。
図4は、共振ミラー素子1の電気的分離状態を示す平面図である。
図4において、前述のように、第2可動部6には分離溝16が形成され、電気的に2つの領域に分割されている。1つの領域は、Xパッド18からXヒンジ11、第1導電部6a、Yヒンジ8を経て第1可動部5に至る領域である。もう1つの領域は、グランドパッド21からXヒンジ11を経て第2可動部6に至る領域である。第2可動部6では、ダミー溝20に設けられた接続部23を介して、第2導電部6bと裏打ち部17とが電気的に接続されている。
このような構成において、Xパッド18に印加した電圧Vxは第1可動部5の電圧となり、グランドパッド21をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部5と第2可動部6との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド22に印加した電圧Vyは固定部13の電圧となり、固定部13と第2可動部6との間にVyの電位差が生じる。
電圧VxとVyを適切に制御すると、第1可動部5および第2可動部6はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子1では、第1可動部5のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に制御することができる。
図5は、共振ミラー素子1の動作状態を示す斜視図である。
第1可動部5は、第2可動部6に対してYヒンジ8周りに回動し、第2可動部6は第1可動部5とともに、固定部13に対してXヒンジ11周りに回動する。これにより、第1可動部5で反射したレーザビームはX−Y方向に2次元走査される。
次に、共振ミラー素子1の製造方法を説明する。図6A〜図6Qは、共振ミラー素子1の製造工程を示す図であり、これらの断面図は図1のA−A断面に対応している。
図6Aを参照して、SOIウエハ30を用意する。デバイス層3の厚さは第1可動部5および第2可動部6の厚さとなり、各可動部の共振周波数や駆動電圧に対する振動振幅、剛性等を考慮して決定する。ここでは、デバイス層3を50μm、絶縁層2を2μm、ハンドル層4を300μmとする。
まず、デバイス層3およびハンドル層4にPやAsなどのn型不純物やBなどのp型不純物をドープし導電性を持たせる。ただし、デバイス層3およびハンドル層4が既に導電性であるSOIウエハを用いる場合は、導電性を持たせるための不純物ドープのプロセスは必要ない。
次に図6Bを参照して、CVD(Chemical Vapor Deposition)により、デバイス層3表面に酸化物層31を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン32を形成する。フォトレジストとしては、例えば、AZP4210やAZ1500(クラリアントジャパン製)を使用することができる。以降のレジストパターンも、このようなフォトレジストの成膜およびその後の露光・現象を経て形成される。
次に図6Cを参照して、レジストパターン32をマスクとして酸化物層31をBHF(バッファードフッ酸)によりエッチングする。
次に図6Dを参照して、レジストパターン32を除去した酸化物層31の表面に、Al(アルミニウム)を真空蒸着により堆積させてAl層33を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン34を形成する。
次に図6Eを参照して、レジストパターン34をマスクとして、混酸アルミ溶液等のアルミニウムエッチング溶液を用いてAl層33をエッチングする。
次に図6Fを参照して、レジストパターン34を除去し、Al層33をマスクとして、酸化物層31をDeep−RIE(Deep Reactive Ion Etching)により、デバイス層3まで貫通エッチングする。
次に図6Gを参照して、Al層33の表面に液状のフォトレジストを用いてスピンコーティングにより保護層35を形成する。ハンドル層4の表面に酸化物をCVDで堆積させて酸化物層36を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン37を形成する。
次に図6Hを参照して、レジストパターン37をマスクとして酸化物層36をBHFによりエッチングする。
次に図6Iを参照して、レジストパターン37を除去し、酸化物層36およびハンドル層4の表面にAlを真空蒸着により堆積させてAl層38を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン39を形成する。
次に図6Jを参照して、レジストパターン39をマスクとして混酸アルミ溶液等のアルミニウムエッチング溶液を用いてAl層38をエッチングする。
次に図6Kを参照して、保護層35およびレジストパターン39を除去する。Al層33をマスクとして、Deep−RIEにより、デバイス層3のシリコンを絶縁層2まで貫通エッチングする。Deep−RIEでは、エッチングと側壁保護を交互に行うBoschプロセスとして、SF6ガスによるエッチング、C4F8ガスによる側壁保護を行う。以降のシリコン層に対するDeep−RIEについても、この条件を採用することができる。
次に図6Lを参照して、Al層33をマスクとして絶縁層2の酸化シリコンをDeep−RIEにより、ハンドル層4まで貫通エッチングする。
次に図6Mを参照して、Al層33をマスクとしてハンドル層4のシリコンをDeep−RIEによりエッチングする。このエッチングでは、ハンドル層4の絶縁層2側から裏打ち部17の厚さ分の長さ(例えば、厚さ50μm)まで行う。
次に図6Nを参照して、Al層33をアルミニウムエッチング溶液により除去し、酸化物層31をマスクとして、Deep−RIEによりデバイス層3のシリコンを絶縁層2まで貫通エッチングする。これにより、ミラー部5、第2可動部6、櫛型電極、ヒンジ、分離溝16、接続部23(図4)等、可動部の形状が形成される。またこのとき、ハンドル層4についてはエッチングされても問題がないので、酸化物層31のマスクの開口部の一部は、Al層33のマスクの開口部と一致している。
次に図6Oを参照して、Al層38をマスクとして、Deep−RIEによりハンドル層4のシリコンをエッチングする。このエッチングでは、ハンドル層4表面から裏打ち部17(図2)の厚さ分の深さ程度までエッチングする。ここでは、エッチングの深さを260μmとした。エッチング後、アルミニウムエッチング溶液によりAl層38を除去する。
次に図6Pを参照して、酸化物層36をマスクとして、Deep−RIEにより、ハンドル層4のシリコンを絶縁層2に達するまでエッチングする。これにより、裏打ち部17と外枠部13(図1)とが形成される。エッチングが確実に絶縁層2に達するように若干のオーバーエッチングを行うので、図6Oに示したエッチング深さは、このオーバーエッチング分を考慮して設定する。裏打ち部17の厚さは、必要強度、可動部の共振周波数、駆動電圧に対する必要振幅等を考慮して設計する。ここでは、厚さ50μmとした。
次に図6Qを参照して、露出した絶縁層2、酸化膜パターン31および36(図6P)を除去して可動部をリリースする。第1可動部5の表面に反射膜40としてアルミ、金または銀を真空蒸着する。反射膜40の厚さは例えば50nmであり、材料は、使用する光の波長と必要な反射率によって適切に選択する。
ここで、裏打ち部17およびハンドル層4の櫛型電極の形成工程では、デバイス層3の櫛型電極をエッチングにより形成するときに用いたアルミ層33をマスクとしてエッチングを行っている。このため、プロセスを複雑化することなく、デバイス層3の櫛型電極と同位置に、裏打ち部17およびハンドル層4の櫛型電極を形成することができる。デバイス層3とハンドル層4との間で櫛型電極の位置ずれを防止することができるので、隣り合う櫛型電極間のギャップが等しい垂直櫛型電極構造を実現することができる。
次に、裏打ち部17と第2導電部6bとを接続部23(図4)を介して電気的に接続する方法を説明する。
絶縁層2を除去して可動部をリリースするプロセス(図6Q)では、SOIウエハ30(図6A)の厚さ方向のエッチングと同時にSOIウエハ30の直径方向にもエッチングされる。このSOIウエハ30が直径方向にエッチングされることをサイドエッチングという。
図7A〜図7Eを参照してサイドエッチングを詳細に説明する。図7Aは、図4に示す共振ミラー素子1の接続部23とその周辺部を拡大して示した図である。図7B〜図7Eは、図7Aに示す接続部23およびその周辺部のB−B断面に対応した図である。
図7Bに示す絶縁層2をエッチングすると、図7Cに示すように、開口となっている部分が先にエッチングされる。続いて図7Dに示すようにサイドエッチングが始まり、さらにサイドエッチングが進むと図7Eに示すように接続部23における第2導電部6bとハンドル層4を固定していた絶縁層2は完全に除去される。このようなサイドエッチングによって、接続部23における第2導電部6bと裏打ち部17との間の絶縁層2を除去する。これにより接続部23における第2導電部6bと裏打ち部17との電気的な接続が可能となる。この第2導電部6bと裏打ち部17との電気的な接続について図8A〜図8Dを参照して説明する。
図8Aは、共振ミラー素子1の接続部23とその周辺部を拡大して示した図である。図8Bおよび図8Cは、図8Aに示す接続部23およびその周辺部のC−C断面に対応した図であり、図8DはD−D断面に対応した図である。
図8Bに示す絶縁層2をエッチングすると、図8Cに示すように、接続部23における第2導電部6bとハンドル層4とを固定していた絶縁層2は完全に除去される。接続部23以外の第2導電部6bの領域や、Yヒンジアンカー7(図1)、第1導電部6a等とハンドル層4とを固定している絶縁層2については、サイドエッチングによって完全に除去されることはないように、エッチング条件が設定されている。
接続部23における第2導電部6bと裏打ち部17との電気的な接続方法としては、例えば、スティッキング(貼付く現象)により第2導電部6bと裏打ち部17とを電気的に接続させる方法がある。例えば、図6Qに示した絶縁層2および酸化膜パターン31および36の除去を、HF(フッ化水素酸)またはBHF(バッファードフッ酸)を用いたウエットエッチングプロセスで行い、エッチング液(HFまたはBHF)からウエハを取り出す際、またはエッチング液を落とすウエット洗浄中に、スティッキングにより第2導電部6bと裏打ち部17とは電気的に接続される。
また、例えば、図6Qに示した絶縁層2および酸化膜パターン31および36の除去をドライエッチングプロセスによって行い、スティッキングが発生していない場合(空隙を介している状態)では、グランドパッド21(図4)に電圧を印加して第2導電部6bと裏打ち部17と間の電位差に起因するプルイン現象(第2導電部6bが裏打ち部17に衝突する現象)を発生させる。そのとき、第2導電部6bと裏打ち部17との接触面または空隙中に水分子等が存在するとスティッキングが発生し、第2導電部6bと裏打ち部17とは接続される。
なお、スティッキングにより第2導電部6bと裏打ち部17とを接続させるためには接続部23の復元力を十分低くしておく必要があり、さらにはサイドエッチングによるエッチング量を少なく抑えるために、接続部23を開口構造とした。
また、例えば、微細配線描画装置等を用いて、接続部23内に導体を塗布し、第2導電部6bと裏打ち部17とを接続することも可能である。微細配線描画装置は、印刷技術でのインクジェット方式のインク塗布と同様の方法で、微小導体を含むインクを微細に印刷するナノインプリンティング技術を用いた装置である。この場合は、接続部23における絶縁層2がサイドエッチングにより完全に除去されないようにエッチング条件を設定し、微小導体を含むインクが接続部23外部に広がらないようにするのが好ましい。
また、例えば、接着剤や少量の液体を塗布するディスペンサーを用いて、導体を接続部23内に塗布し、第2導電部6bと裏打ち部17とを接続することも可能である。その場合も、接続部23における絶縁層2がサイドエッチングにより完全に除去されないようにエッチング条件を設定し、導体が接続部23外部に広がらないようにするのが好ましい。
電圧を印加して共振ミラー素子1を駆動するとき、裏打ち部17が電気的にフローティングしている状態では、裏打ち部17が帯電してしまい所望の電位差を安定して得られず、安定した駆動力を発生させることができないおそれがある。しかし、上述したように、裏打ち部17と第2導電部6bとを電気的に接続することにより裏打ち部17の帯電を防止することができ、安定した電位差を発生させて安定した駆動力を得ることができる。また、裏打ち部17と第2導電部6bとは同電位となるので、裏打ち部17にも櫛型電極を形成することで、可動部5および6が回動している状態での櫛型電極が互いに対向する面積を増やすことができ、安定した駆動力を得ることができる。
次に、補助櫛型電極の機能を説明する。一般に、静電アクチュエータの駆動力Fと変位xとの関係は、電極間の静電容量Cと電圧Vで決まる。静電容量Cはギャップgで対向する電極の対向面積Sで決まる。誘電率をε0とすると、静電容量Cは、
C(x)=ε0S/g (式1)
と表される。駆動力Fは、
Figure 2008069176
(式2)
と表される。
図9は、共振ミラー素子1の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図9に示す断面図は、上側に示す上面図のE−E断面に対応している。
図9を参照して、回動中心からrの距離に長さL、厚さtの櫛型電極を設けた場合、ギャップgを介して対向する電極面積Sは、回動角をθとし、櫛歯の数をNmainとすると、
Smain=2Nmain(t・L−L(r+R)θ/2)
=2Nmain・L(t−(r+R)θ/2) (式3)
と表される。
図10は、共振ミラー素子1の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図10に示す断面図は、上側に示す上面図のF−F断面に対応している。
図10を参照して、回動中心から距離r離れた電極の対向面積S’は、
S’=L(t−rθ) (式4)
と表される。
全ての補助櫛型電極を合計したときの、補助櫛型電極の対向面積Ssideは、
Figure 2008069176
(式5)
と表される。
図11は、共振ミラー素子1の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。
図11を参照して、Smainは、櫛型電極同士が互いにオーバーラップする範囲で0でない値を示し、それより外側では0である。これに対して、静電容量変化C(θ)では、実際には櫛歯の対向面以外の部分(櫛歯の先端や、櫛歯のないエッジ等)でもわずかに静電容量が発生するため、C(θ)mainの分布は、Smainを包含する滑らかな曲線になる。
図11に示す例では、ミラー部の回動角を±15°とし、ミラー部の長さrを0.5mm、厚さを50μmとすると、およそ±5°がオーバーラップの範囲となる。
一方、Ssideは、櫛歯の数が少ない分、ピーク値は小さいが、回動中心から近い部分に配置するので、メインの櫛型電極より広い回動角の範囲でオーバーラップし、0でない値を持つ角度範囲が広い。従って、それらの合計Smain+Ssideは、回動範囲全体に亘って0でない値を持つこととなる。また、C(θ)totalは、回動角の大きな領域での値も、C(θ)mainと比較して増大している。このように、補助櫛型電極は、メインの櫛型電極のみの場合に比べ、回動角の大きな領域の静電容量を増加させる効果がある。補助櫛歯電極によって静電容量が増加すると、その分、駆動力も増加される。
また、静電容量を検出することによってミラー部の回動角度を検出する際、メインの櫛型電極のオーバーラップがなくなるような大きな回動角に対しても、静電容量変化を確実に検出することができる。これにより、ミラー部の回動角を駆動信号にフィードバックして、より確実に共振駆動を行うことができるようになる。
(実施形態2)
次に、図12を参照して、本発明の第2の実施形態による画像投射装置100を説明する。図12は、上述した共振ミラー素子1を備える画像投射装置100を示す図である。
画像投射装置100は、共振ミラー素子1と、光源151と、コリメートレンズ152と、ダイクロイックプリズム153と、制御部156と、レーザ変調回路157と、駆動部158とを備える。コリメートレンズ152およびダイクロイックプリズム153は、光源151が出射した光ビームを共振ミラー素子1に導く光学系である。
制御部156は、画像投射装置100に入力される画像信号155に応じて、レーザ変調回路157および駆動部158の動作を制御する。駆動部158は共振ミラー素子1を駆動する。レーザ変調回路157は画像信号155に応じた変調信号を生成し、3つの光源151は、変調信号に応じて、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光ビーム159を出射する。光ビーム159は、コリメートレンズ152で略平行光束となり、ダイクロイックプリズム153によって合波され、共振ミラー素子1に入射される。共振ミラー素子1に入射して反射する光ビーム159は、共振ミラー素子1によって2次元に走査され、開口部154から出射され投射領域160に画像を表示する。
本発明は、ミラー素子を用いて光の進行方向を変更する技術分野で特に有用である。例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに有用である。
本発明は、マイクロマシニング技術を応用した微小機械構造体であるアクチュエータに関し、例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに用いられる。
マイクロマシニング技術で形成される振動ミラー素子では、例えば、ミラー部が同一直線上に設けられた2本のヒンジで支持されている。ミラー部に対向する位置には電極が設けられている。ミラー部と電極との間に発生する静電引力により、2本のヒンジをねじり回転軸としてミラー部は往復振動する。
このような振動ミラー素子は、モーターでポリゴンミラーを回転させるミラー素子と比較して構造が簡単で、半導体プロセスでの一括形成が可能なため、小型化が容易で製造コストも低い。また、振動ミラー素子は単一の反射面を有するため、複数面を有するポリゴンミラーのような精度のばらつきがない。また、振動ミラー素子の動作は往復振動であるため、高速化にも対応できる。
特許文献1には1軸回動型のミラー素子が開示されており、非特許文献1と特許文献2および3とには2軸回動型のミラー素子が開示されている。
1軸回動型のミラー素子の可動部は、ヒンジで支持されたミラー部である。ミラー部と固定部とは分離溝で分離されており、ミラー部に駆動電圧を与えることで発生する静電引力で、ミラー部を駆動している。
2軸回動型のミラー素子では、中間フレームがヒンジを介してミラー部を支持し、固定部がさらなるヒンジを介して中間フレームを支持しており、ミラー部と中間フレーム部とが可動部を構成している。
図13を参照して、2軸回動型のミラー素子を説明する。図13は、2軸回動型の共振ミラー素子51を示す斜視図である。
共振ミラー素子51は、ミラー面を有する第1可動部55と、第1可動部55を支持する第2可動部56と、第2可動部56を支持する固定部63とを備える。
共振ミラー素子51は、Xヒンジ61およびYヒンジ57をさらに備える。第2可動部56は、Yヒンジ57を介して第1可動部55を連結して支持している。第1可動部55は、図13中のY方向に延びるYヒンジ57を通る軸を回動軸として、第2可動部56に対しYヒンジ57周りに回動可能である。固定部63は、Xヒンジ61を介して第2可動部56を連結して支持している。第2可動部56は、図13中のX方向に延びるXヒンジ61を通る軸を回動軸として、固定部63に対しXヒンジ61周りに回動可能である。
第1可動部55は、第2可動部56に対して第1可動部55を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極55aをその外周部に備えている。第2可動部56は、固定部63に対して第2可動部56を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極64aをその外周部に備えている。
また、第2可動部56の内周部には、X櫛型電極55aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極55bが形成されている。固定部63の内周部には、Y櫛型電極64aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極64bが形成されている。
上述したように、第1可動部55は第2可動部56に対しYヒンジ57周りに回動可能に支持され、第2可動部56は固定部63に対しXヒンジ61周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子51が実現されている。
第2可動部56は、第1可動部55に電圧を供給するための第1導電部56aと、別の電圧が供給される第2導電部56bとを備える。第1導電部56aと第2導電部56bとの間に形成された分離溝66によって、第1導電部56aと第2導電部56bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部55および第2可動部56のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図14は、共振ミラー素子51の断面を示す図である。この断面図は、図13のG−G断面に対応している。図14を参照して、分離溝66に絶縁層を堆積させた後にポリシリコンを埋め込んで、第1導電部56aと第2導電部56bとを接合することで、第1導電部56aと第2導電部56bとが分断されないようにしている。これにより、第1導電部56aおよび第2導電部56bは、第2可動部56として一体となって変位する。
図15は、共振ミラー素子51の電気的分離状態を示す平面図である。Xパッド70に印加した電圧Vxは第1可動部55の電圧となり、グランドパッド72をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部55と第2可動部56との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド71に印加した電圧Vyは固定部63の電圧となり、固定部63と第2可動部56との間にVyの電位差が生じる。
電圧VxとVyを適切に制御すると、第1可動部55および第2可動部56はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子51では、第1可動部55のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に制御することができる。
特開2004―239987号公報 特開2004−13099号公報 特開2006−115683号公報 "AN ELECTROSTATICALLY EXCITED 2D−MICRO−SCANNING−MIRROR WITH AN IN−PLANE CONFIGURATION OF THE DRIVING ELECTRODES"(MEMS2000. Proceedings Piscataway, NJ : IEEE, 2000)
しかしながら、上記のミラー素子では、次のような問題があった。
1軸回動型のミラー素子では、2軸の回動ができず、動作が1軸の回動に限られている。
図13〜図15に示す2軸回動型のミラー素子51では、分離溝66を埋め込む工程に時間がかかりコストアップ要因となる。
また、分離溝66が深いほど確実に埋め込むのが難しく、埋め込みが不完全だと、振動によって埋め込み部分が損傷を受け、第1導電部56aと第2導電部56bとが外れてしまうおそれがあった。
さらに、分離溝66中の絶縁層の堆積が不十分だと、第1導電部56aと第2導電部56bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、簡素な製造プロセスで容易に形成でき、且つ信頼性の高いアクチュエータを提供する。
本発明のアクチュエータは、可動部と、前記可動部を支持する固定部とを備え、前記可動部は、第1電圧が供給される第1導電部と、第2電圧が供給される第2導電部と、前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部とを備え、前記第2導電部と前記裏打ち部とは電気的に接続されていることを特徴とする。
ある実施形態によれば、前記可動部は、第1可動部と、前記第1可動部を支持する第2可動部とを含み、前記固定部は、前記第2可動部を支持し、前記第2可動部は、前記第1および第2導電部を備え、前記第1導電部を介して前記第1可動部に前記第1電圧を供給する。
ある実施形態によれば、前記第2可動部は、前記第2導電部および前記裏打ち部に形成された櫛型電極をさらに備える。
ある実施形態によれば、前記裏打ち部の厚さは、前記固定部の厚さよりも薄い。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、光を反射するミラー部を備え、前記裏打ち部は、前記アクチュエータの前記ミラー部が設けられた面とは反対側の面から前記第1導電部と前記第2導電部とを固定している。
ある実施形態によれば、前記第1および第2可動部は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1シリコン層をエッチングして形成されており、前記裏打ち部は、前記第2シリコン層をエッチングして形成されている。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記第1導電部と前記第2導電部との間に形成された溝によって、前記第1導電部と前記第2導電部とは電気的に絶縁されている。
ある実施形態によれば、前記第2可動部の前記溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されている。
ある実施形態によれば、前記第1可動部は、前記第2可動部に対して前記第1可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第1および第2櫛型電極を備え、前記第1櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第2櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びており、前記第2可動部は、前記固定部に対して前記第2可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第3および第4櫛型電極を備え、前記第3櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、前記第4櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びている。
本発明の画像投射装置は、前記アクチュエータと、光ビームを出射する光源と、前記光ビームを前記アクチュエータへ導く光学系と、前記アクチュエータを駆動する駆動部とを備えることを特徴とする。
本発明のアクチュエータの製造方法は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1シリコン層をエッチングして前記第1および第2可動部を形成するステップと、前記第2シリコン層をエッチングして前記裏打ち部を形成するステップと、前記第2可動部の前記第1シリコン層から形成された所定の部分と前記裏打ち部とを電気的に接続するステップとを包含することを特徴とする。
前記裏打ち部を形成するステップは、前記第1シリコン層をエッチングするときに用いるマスクを用いて前記第2シリコン層をエッチングするステップを含む。
本発明によれば、裏打ち部は第1導電部と第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定し、第2導電部と裏打ち部とは電気的に接続されている。これにより、第1導電部と第2導電部とを確実に固定することができる。また、第1導電部と第2導電部との間の溝を埋め込む必要が無いので、アクチュエータの製造工程を簡略化でき、安価なアクチュエータを提供することができる。また、裏打ち部が電気的にフローティングした状態ではないので、裏打ち部の帯電を防止することができ、安定した駆動力を得ることができる。
また、ある実施形態によれば、可動部は第1可動部と第1可動部を支持する第2可動部とを含み、これにより、2軸回動型のアクチュエータが得られる。
また、ある実施形態によれば、裏打ち部は櫛型電極を備える。これにより、可動部が回動している状態での櫛型電極が互いに対向する面積を増やすことができ、安定した駆動力を得ることができる。
また、ある実施形態によれば、裏打ち部の厚さは、固定部の厚さよりも薄い。これにより、可動部の軽量化を実現するとともに、可動部が回動可能な角度を大きく確保することができる。
また、ある実施形態によれば、第2可動部の溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されていることにより、第2可動部の重量バランスの偏りを抑えることができる。
また、ある実施形態によれば、第1可動部は、第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備え、第2可動部は、第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びる櫛型電極を備えている。これにより、第1および第2可動部をより大きな回動角度で駆動させることができる。
また、本発明の画像投射装置は、上記アクチュエータを備える。本発明のアクチュエータの駆動感度は高いので、低消費電力の画像投射装置を実現することができる。
また、本発明のアクチュエータの製造方法は、第1シリコン層をエッチングするときに用いるマスクを用いて第2シリコン層をエッチングして裏打ち部を形成する。これにより、第1シリコン層と第2シリコン層との間で櫛型電極の位置ずれを防止することができるので、隣り合う櫛型電極間のギャップが等しい垂直櫛型電極構造を実現することができる。
本発明によれば、簡素なプロセスで容易に2軸回動型のアクチュエータを形成でき、安価な共振ミラー素子を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(実施形態1)
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態によるアクチュエータを説明する。図1は、本実施形態のアクチュエータである共振ミラー素子1を示す斜視図である。
共振ミラー素子1は、例えば、酸化シリコン(SiO2)から成る絶縁層2を介して2つのシリコン層を接合したウエハ、いわゆるSOI(Silicon On Insulator)ウエハを加工して製造される。
2つのシリコン層のうち、第1シリコン層にはリン(P)やヒ素(As)などのn型不純物やボロン(B)などのp型不純物をドープして導電性を持たせ、デバイス層3と称する。第2シリコン層はウエハ本体を成す厚い部分で、ハンドル層4と称する。
デバイス層3に対して、後述するエッチングによるパターニングを行うことによって第1可動部5と第2可動部6が形成される。第1可動部5と第2可動部6とはまとめて可動部とも称される。
共振ミラー素子1は、ミラー面25を有する第1可動部5と、第1可動部5を支持する第2可動部6と、第2可動部6を支持する固定部13とを備える。
共振ミラー素子1は、Xヒンジ11およびYヒンジ8をさらに備える。第2可動部6は、Yヒンジ8を介して第1可動部5を連結して支持している。第1可動部5は、図1中のY方向に延びるYヒンジ8を通る軸を回動軸として、第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能である。固定部13は、Xヒンジ11を介して第2可動部6を連結して支持している。第2可動部6は、図1中のX方向に延びるXヒンジ11を通る軸を回動軸として、固定部13に対しXヒンジ11周りに回動可能である。共振ミラー素子1は、このようなジンバル構造を有している。第2可動部6は、外枠部である固定部13と、中心部の第1可動部5との間に位置する中間フレームである。
第1可動部5は、第2可動部6に対して第1可動部5を相対的に変位させる駆動力を発生するX櫛型電極9aおよびX補助櫛型電極10aをその外周部に備えている。X櫛型電極9aは、第1可動部5の回動軸と垂直な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5の回動軸と平行な方向へ延びている。X補助櫛型電極10aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されたエッジに形成されており、X櫛型電極9aは、第1可動部5のYヒンジ8が接続されていないエッジに形成されている。X補助櫛型電極10aは、Yヒンジ8と平行に且つ同等の長さ以下で形成されているので、X補助櫛型電極10aによりチップサイズが大きくなることはない。
第2可動部6は、固定部13に対して第2可動部6を相対的に変位させる駆動力を発生するY櫛型電極11aおよびY補助櫛型電極12aをその外周部に備えている。Y櫛型電極11aは、第2可動部6の回動軸と垂直な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6の回動軸と平行な方向へ延びている。Y補助櫛型電極12aは、第2可動部6のXヒンジ11が接続されたエッジに形成されており、Y櫛型電極11aは、第2可動部6のXヒンジ11が接続されていないエッジに形成されている。Y補助櫛型電極12aは、Xヒンジ11と平行に且つ同等の長さ以下で形成されているので、Y補助櫛型電極12aによりチップサイズが大きくなることはない。
また、第2可動部6の内周部には、X櫛型電極9aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX櫛型電極9bと、X補助櫛型電極10aとギャップを隔てて噛み合うように対向したX補助櫛型電極10bとが形成されている。固定部13の内周部には、Y櫛型電極11aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY櫛型電極11bと、Y補助櫛型電極12aとギャップを隔てて噛み合うように対向したY補助櫛型電極12bとが形成されている。補助櫛型電極の効果については後述する。
上述したように、第1可動部5は第2可動部6に対しYヒンジ8周りに回動可能に支持され、第2可動部6は固定部13に対しXヒンジ11周りに回動可能に支持されることにより、2軸回動型の共振ミラー素子1が実現されている。
第1可動部5と第2可動部6との間に電位差が生じると、第1可動部5は第2可動部6に対して相対的に変位する。図6Qは、図1に示す共振ミラー素子1のA−A断面に対応した図である。図1および図6Qを参照して、第2可動部6は、第1可動部5に第1電圧を供給するための第1導電部6aと、第2電圧が供給される第2導電部6bとを備える。第1導電部6aと第2導電部6bとの間に形成された分離溝16によって、第1導電部6aと第2導電部6bとは分割され、互いに電気的に絶縁されている。これにより、第1可動部5および第2可動部6のそれぞれに独立に駆動電圧を印加することができる。
図2は、共振ミラー素子1を示す下部斜視図である。図2は、共振ミラー素子1の構成要素の一部をカットして図示している。共振ミラー素子1は、第1導電部6aと第2導電部6b(図1)とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部17をさらに備える。裏打ち部17は、共振ミラー素子1のミラー面25が設けられた面(上面)とは反対側の面(下面)から第1導電部6aと第2導電部6bとを固定している。裏打ち部17の厚さは、固定部13の厚さよりも薄い。
図2を参照して、第1および第2可動部5および6の下部はハンドル層4が除去されており、これにより、第1および第2可動部5および6が回動可能になっている。第2可動部6の下部では、裏打ち部17としてハンドル層4が部分的に残されている。この残されたハンドル層4とその同じ位置の絶縁層2とによって、裏打ち部17が形成されている。裏打ち部17の厚さは固定部13の厚さよりも薄く形成されており、これにより第2可動部6の軽量化が実現されている。
図3は、共振ミラー素子1での裏打ち部17の位置を示す平面図である。
図3に示す斜線部分が裏打ち部17であり、分離溝16はこの裏打ち部17の存在する領域内に形成されている。このため、第1導電部6aと第2導電部6bとを分離溝16によって分離しても、第1導電部6aと第2導電部6b(図1)とは一体となって変位する。従来例のように、分離溝16に別材料を埋め込んで結合する工程は不要である。
また、絶縁層2、デバイス層3およびハンドル層4は予め強固に接合されたウエハ構造なので、デバイス層3から形成された第2可動部6と、絶縁層2およびハンドル層4から形成された裏打ち部17との結合強度は十分信頼性の高いものである。
埋め込み工程による絶縁の必要もないため、第1導電部6aと第2導電部6bとの間の電気的絶縁が不完全となるおそれもない。
また、Xパッド18と第1可動部5とを接続する接続部である第1導電部6aを形成する分離溝16は、回動軸に対して偏った位置にあるので、それだけでは第2可動部6の重量バランスが偏ることになり、共振駆動したときに第2可動部6の上下動など不要な共振を誘発する場合がある。そのため、第2可動部6の中心を基準として、第2可動部6上の分離溝16に対して点対称な位置にダミー溝20が形成されている。また、第2可動部6上の分離溝16に対して、X回動軸を基準とした軸対称な位置、およびY回動軸を基準とした軸対称な位置のそれぞれにダミー溝20が形成されている。分離溝16と対称な位置にダミー溝20を形成することで、重量バランスのずれを抑えることができる。
図4は、共振ミラー素子1の電気的分離状態を示す平面図である。
図4において、前述のように、第2可動部6には分離溝16が形成され、電気的に2つの領域に分割されている。1つの領域は、Xパッド18からXヒンジ11、第1導電部6a、Yヒンジ8を経て第1可動部5に至る領域である。もう1つの領域は、グランドパッド21からXヒンジ11を経て第2可動部6に至る領域である。第2可動部6では、ダミー溝20に設けられた接続部23を介して、第2導電部6bと裏打ち部17とが電気的に接続されている。
このような構成において、Xパッド18に印加した電圧Vxは第1可動部5の電圧となり、グランドパッド21をグランドレベル(GND)とすると、第1可動部5と第2可動部6との間にVxの電位差が生じる。
また、Yパッド22に印加した電圧Vyは固定部13の電圧となり、固定部13と第2可動部6との間にVyの電位差が生じる。
電圧VxとVyを適切に制御すると、第1可動部5および第2可動部6はそれぞれの共振周波数で共振動作する。これにより、2軸回動型の共振ミラー素子1では、第1可動部5のX軸周りの回動とY軸周りの回動とを独立に制御することができる。
図5は、共振ミラー素子1の動作状態を示す斜視図である。
第1可動部5は、第2可動部6に対してYヒンジ8周りに回動し、第2可動部6は第1可動部5とともに、固定部13に対してXヒンジ11周りに回動する。これにより、第1可動部5で反射したレーザビームはX−Y方向に2次元走査される。
次に、共振ミラー素子1の製造方法を説明する。図6A〜図6Qは、共振ミラー素子1の製造工程を示す図であり、これらの断面図は図1のA−A断面に対応している。
図6Aを参照して、SOIウエハ30を用意する。デバイス層3の厚さは第1可動部5および第2可動部6の厚さとなり、各可動部の共振周波数や駆動電圧に対する振動振幅、剛性等を考慮して決定する。ここでは、デバイス層3を50μm、絶縁層2を2μm、ハンドル層4を300μmとする。
まず、デバイス層3およびハンドル層4にPやAsなどのn型不純物やBなどのp型不純物をドープし導電性を持たせる。ただし、デバイス層3およびハンドル層4が既に導電性であるSOIウエハを用いる場合は、導電性を持たせるための不純物ドープのプロセスは必要ない。
次に図6Bを参照して、CVD(Chemical Vapor Deposition)により、デバイス層3表面に酸化物層31を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン32を形成する。フォトレジストとしては、例えば、AZP4210やAZ1500(クラリアントジャパン製)を使用することができる。以降のレジストパターンも、このようなフォトレジストの成膜およびその後の露光・現象を経て形成される。
次に図6Cを参照して、レジストパターン32をマスクとして酸化物層31をBHF(バッファードフッ酸)によりエッチングする。
次に図6Dを参照して、レジストパターン32を除去した酸化物層31の表面に、Al(アルミニウム)を真空蒸着により堆積させてAl層33を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン34を形成する。
次に図6Eを参照して、レジストパターン34をマスクとして、混酸アルミ溶液等のアルミニウムエッチング溶液を用いてAl層33をエッチングする。
次に図6Fを参照して、レジストパターン34を除去し、Al層33をマスクとして、酸化物層31をDeep−RIE(Deep Reactive Ion Etching)により、デバイス層3まで貫通エッチングする。
次に図6Gを参照して、Al層33の表面に液状のフォトレジストを用いてスピンコーティングにより保護層35を形成する。ハンドル層4の表面に酸化物をCVDで堆積させて酸化物層36を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン37を形成する。
次に図6Hを参照して、レジストパターン37をマスクとして酸化物層36をBHFによりエッチングする。
次に図6Iを参照して、レジストパターン37を除去し、酸化物層36およびハンドル層4の表面にAlを真空蒸着により堆積させてAl層38を形成し、液状のフォトレジストをスピンコーティングにより成膜し、露光および現像を経て、レジストパターン39を形成する。
次に図6Jを参照して、レジストパターン39をマスクとして混酸アルミ溶液等のアルミニウムエッチング溶液を用いてAl層38をエッチングする。
次に図6Kを参照して、保護層35およびレジストパターン39を除去する。Al層33をマスクとして、Deep−RIEにより、デバイス層3のシリコンを絶縁層2まで貫通エッチングする。Deep−RIEでは、エッチングと側壁保護を交互に行うBoschプロセスとして、SF6ガスによるエッチング、C4F8ガスによる側壁保護を行う。以降のシリコン層に対するDeep−RIEについても、この条件を採用することができる。
次に図6Lを参照して、Al層33をマスクとして絶縁層2の酸化シリコンをDeep−RIEにより、ハンドル層4まで貫通エッチングする。
次に図6Mを参照して、Al層33をマスクとしてハンドル層4のシリコンをDeep−RIEによりエッチングする。このエッチングでは、ハンドル層4の絶縁層2側から裏打ち部17の厚さ分の長さ(例えば、厚さ50μm)まで行う。
次に図6Nを参照して、Al層33をアルミニウムエッチング溶液により除去し、酸化物層31をマスクとして、Deep−RIEによりデバイス層3のシリコンを絶縁層2まで貫通エッチングする。これにより、ミラー部5、第2可動部6、櫛型電極、ヒンジ、分離溝16、接続部23(図4)等、可動部の形状が形成される。またこのとき、ハンドル層4についてはエッチングされても問題がないので、酸化物層31のマスクの開口部の一部は、Al層33のマスクの開口部と一致している。
次に図6Oを参照して、Al層38をマスクとして、Deep−RIEによりハンドル層4のシリコンをエッチングする。このエッチングでは、ハンドル層4表面から裏打ち部17(図2)の厚さ分の深さ程度までエッチングする。ここでは、エッチングの深さを260μmとした。エッチング後、アルミニウムエッチング溶液によりAl層38を除去する。
次に図6Pを参照して、酸化物層36をマスクとして、Deep−RIEにより、ハンドル層4のシリコンを絶縁層2に達するまでエッチングする。これにより、裏打ち部17と外枠部13(図1)とが形成される。エッチングが確実に絶縁層2に達するように若干のオーバーエッチングを行うので、図6Oに示したエッチング深さは、このオーバーエッチング分を考慮して設定する。裏打ち部17の厚さは、必要強度、可動部の共振周波数、駆動電圧に対する必要振幅等を考慮して設計する。ここでは、厚さ50μmとした。
次に図6Qを参照して、露出した絶縁層2、酸化膜パターン31および36(図6P)を除去して可動部をリリースする。第1可動部5の表面に反射膜40としてアルミ、金または銀を真空蒸着する。反射膜40の厚さは例えば50nmであり、材料は、使用する光の波長と必要な反射率によって適切に選択する。
ここで、裏打ち部17およびハンドル層4の櫛型電極の形成工程では、デバイス層3の櫛型電極をエッチングにより形成するときに用いたアルミ層33をマスクとしてエッチングを行っている。このため、プロセスを複雑化することなく、デバイス層3の櫛型電極と同位置に、裏打ち部17およびハンドル層4の櫛型電極を形成することができる。デバイス層3とハンドル層4との間で櫛型電極の位置ずれを防止することができるので、隣り合う櫛型電極間のギャップが等しい垂直櫛型電極構造を実現することができる。
次に、裏打ち部17と第2導電部6bとを接続部23(図4)を介して電気的に接続する方法を説明する。
絶縁層2を除去して可動部をリリースするプロセス(図6Q)では、SOIウエハ30(図6A)の厚さ方向のエッチングと同時にSOIウエハ30の直径方向にもエッチングされる。このSOIウエハ30が直径方向にエッチングされることをサイドエッチングという。
図7A〜図7Eを参照してサイドエッチングを詳細に説明する。図7Aは、図4に示す共振ミラー素子1の接続部23とその周辺部を拡大して示した図である。図7B〜図7Eは、図7Aに示す接続部23およびその周辺部のB−B断面に対応した図である。
図7Bに示す絶縁層2をエッチングすると、図7Cに示すように、開口となっている部分が先にエッチングされる。続いて図7Dに示すようにサイドエッチングが始まり、さらにサイドエッチングが進むと図7Eに示すように接続部23における第2導電部6bとハンドル層4を固定していた絶縁層2は完全に除去される。このようなサイドエッチングによって、接続部23における第2導電部6bと裏打ち部17との間の絶縁層2を除去する。これにより接続部23における第2導電部6bと裏打ち部17との電気的な接続が可能となる。この第2導電部6bと裏打ち部17との電気的な接続について図8A〜図8Dを参照して説明する。
図8Aは、共振ミラー素子1の接続部23とその周辺部を拡大して示した図である。図8Bおよび図8Cは、図8Aに示す接続部23およびその周辺部のC−C断面に対応した図であり、図8DはD−D断面に対応した図である。
図8Bに示す絶縁層2をエッチングすると、図8Cに示すように、接続部23における第2導電部6bとハンドル層4とを固定していた絶縁層2は完全に除去される。接続部23以外の第2導電部6bの領域や、Yヒンジアンカー7(図1)、第1導電部6a等とハンドル層4とを固定している絶縁層2については、サイドエッチングによって完全に除去されることはないように、エッチング条件が設定されている。
接続部23における第2導電部6bと裏打ち部17との電気的な接続方法としては、例えば、スティッキング(貼付く現象)により第2導電部6bと裏打ち部17とを電気的に接続させる方法がある。例えば、図6Qに示した絶縁層2および酸化膜パターン31および36の除去を、HF(フッ化水素酸)またはBHF(バッファードフッ酸)を用いたウエットエッチングプロセスで行い、エッチング液(HFまたはBHF)からウエハを取り出す際、またはエッチング液を落とすウエット洗浄中に、スティッキングにより第2導電部6bと裏打ち部17とは電気的に接続される。
また、例えば、図6Qに示した絶縁層2および酸化膜パターン31および36の除去をドライエッチングプロセスによって行い、スティッキングが発生していない場合(空隙を介している状態)では、グランドパッド21(図4)に電圧を印加して第2導電部6bと裏打ち部17と間の電位差に起因するプルイン現象(第2導電部6bが裏打ち部17に衝突する現象)を発生させる。そのとき、第2導電部6bと裏打ち部17との接触面または空隙中に水分子等が存在するとスティッキングが発生し、第2導電部6bと裏打ち部17とは接続される。
なお、スティッキングにより第2導電部6bと裏打ち部17とを接続させるためには接続部23の復元力を十分低くしておく必要があり、さらにはサイドエッチングによるエッチング量を少なく抑えるために、接続部23を開口構造とした。
また、例えば、微細配線描画装置等を用いて、接続部23内に導体を塗布し、第2導電部6bと裏打ち部17とを接続することも可能である。微細配線描画装置は、印刷技術でのインクジェット方式のインク塗布と同様の方法で、微小導体を含むインクを微細に印刷するナノインプリンティング技術を用いた装置である。この場合は、接続部23における絶縁層2がサイドエッチングにより完全に除去されないようにエッチング条件を設定し、微小導体を含むインクが接続部23外部に広がらないようにするのが好ましい。
また、例えば、接着剤や少量の液体を塗布するディスペンサーを用いて、導体を接続部23内に塗布し、第2導電部6bと裏打ち部17とを接続することも可能である。その場合も、接続部23における絶縁層2がサイドエッチングにより完全に除去されないようにエッチング条件を設定し、導体が接続部23外部に広がらないようにするのが好ましい。
電圧を印加して共振ミラー素子1を駆動するとき、裏打ち部17が電気的にフローティングしている状態では、裏打ち部17が帯電してしまい所望の電位差を安定して得られず、安定した駆動力を発生させることができないおそれがある。しかし、上述したように、裏打ち部17と第2導電部6bとを電気的に接続することにより裏打ち部17の帯電を防止することができ、安定した電位差を発生させて安定した駆動力を得ることができる。また、裏打ち部17と第2導電部6bとは同電位となるので、裏打ち部17にも櫛型電極を形成することで、可動部5および6が回動している状態での櫛型電極が互いに対向する面積を増やすことができ、安定した駆動力を得ることができる。
次に、補助櫛型電極の機能を説明する。一般に、静電アクチュエータの駆動力Fと変位xとの関係は、電極間の静電容量Cと電圧Vで決まる。静電容量Cはギャップgで対向する電極の対向面積Sで決まる。誘電率をε0とすると、静電容量Cは、
C(x)=ε0S/g (式1)
と表される。駆動力Fは、
Figure 2008069176
(式2)
と表される。
図9は、共振ミラー素子1の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図9に示す断面図は、上側に示す上面図のE−E断面に対応している。
図9を参照して、回動中心からrの距離に長さL、厚さtの櫛型電極を設けた場合、ギャップgを介して対向する電極面積Sは、回動角をθとし、櫛歯の数をNmainとすると、
Smain=2Nmain(t・L−L(r+R)θ/2)
=2Nmain・L(t−(r+R)θ/2) (式3)
と表される。
図10は、共振ミラー素子1の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。図10に示す断面図は、上側に示す上面図のF−F断面に対応している。
図10を参照して、回動中心から距離r離れた電極の対向面積S’は、
S’=L(t−rθ) (式4)
と表される。
全ての補助櫛型電極を合計したときの、補助櫛型電極の対向面積Ssideは、
Figure 2008069176
(式5)
と表される。
図11は、共振ミラー素子1の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。
図11を参照して、Smainは、櫛型電極同士が互いにオーバーラップする範囲で0でない値を示し、それより外側では0である。これに対して、静電容量変化C(θ)では、実際には櫛歯の対向面以外の部分(櫛歯の先端や、櫛歯のないエッジ等)でもわずかに静電容量が発生するため、C(θ)mainの分布は、Smainを包含する滑らかな曲線になる。
図11に示す例では、ミラー部の回動角を±15°とし、ミラー部の長さrを0.5mm、厚さを50μmとすると、およそ±5°がオーバーラップの範囲となる。
一方、Ssideは、櫛歯の数が少ない分、ピーク値は小さいが、回動中心から近い部分に配置するので、メインの櫛型電極より広い回動角の範囲でオーバーラップし、0でない値を持つ角度範囲が広い。従って、それらの合計Smain+Ssideは、回動範囲全体に亘って0でない値を持つこととなる。また、C(θ)totalは、回動角の大きな領域での値も、C(θ)mainと比較して増大している。このように、補助櫛型電極は、メインの櫛型電極のみの場合に比べ、回動角の大きな領域の静電容量を増加させる効果がある。補助櫛歯電極によって静電容量が増加すると、その分、駆動力も増加される。
また、静電容量を検出することによってミラー部の回動角度を検出する際、メインの櫛型電極のオーバーラップがなくなるような大きな回動角に対しても、静電容量変化を確実に検出することができる。これにより、ミラー部の回動角を駆動信号にフィードバックして、より確実に共振駆動を行うことができるようになる。
(実施形態2)
次に、図12を参照して、本発明の第2の実施形態による画像投射装置100を説明する。図12は、上述した共振ミラー素子1を備える画像投射装置100を示す図である。
画像投射装置100は、共振ミラー素子1と、光源151と、コリメートレンズ152と、ダイクロイックプリズム153と、制御部156と、レーザ変調回路157と、駆動部158とを備える。コリメートレンズ152およびダイクロイックプリズム153は、光源151が出射した光ビームを共振ミラー素子1に導く光学系である。
制御部156は、画像投射装置100に入力される画像信号155に応じて、レーザ変調回路157および駆動部158の動作を制御する。駆動部158は共振ミラー素子1を駆動する。レーザ変調回路157は画像信号155に応じた変調信号を生成し、3つの光源151は、変調信号に応じて、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光ビーム159を出射する。光ビーム159は、コリメートレンズ152で略平行光束となり、ダイクロイックプリズム153によって合波され、共振ミラー素子1に入射される。共振ミラー素子1に入射して反射する光ビーム159は、共振ミラー素子1によって2次元に走査され、開口部154から出射され投射領域160に画像を表示する。
本発明は、ミラー素子を用いて光の進行方向を変更する技術分野で特に有用である。例えば、レーザプリンタ等に用いられる光走査装置、バーコードリーダー等の読み取り装置、レーザプロジェクタなどに有用である。
本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す下部斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の動作を示す斜視図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の製造工程を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の接続部とその周辺部を示す図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の補助櫛型電極の対向面積を示す断面図である。 本発明の実施形態による共振ミラー素子の電極間の対向面積および静電容量の変化を示すグラフである。 本発明の実施形態による共振ミラー素子を備えた画像投射装置を示す図である。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す斜視図である。 2軸回動型の共振ミラー素子を示す断面図である。 2軸回動型の共振ミラー素子の電気的分離状態を示す平面図である。
1 共振ミラー素子
2 絶縁層
3 デバイス層
4 ハンドル層
5 第1可動部
6 第2可動部
6a 第1導電部
6b 第2導電部
7 Yヒンジアンカー
8 Yヒンジ
9a、9b X櫛型電極
10a、10b X補助櫛型電極
11 Xヒンジ
11a、11b Y櫛型電極
12 Xヒンジアンカー
12a、12b Y補助櫛型電極
13 固定部
16 分離溝
17 裏打ち部
18 Xパッド
20 ダミー溝
21 グランドパッド
22 Yパッド
23 接続部
30 SOIウエハ
31、36 酸化物層
32、37 レジストパターン
33、38 Al層
34、39 レジストパターン
35 保護層
40 反射膜
151 光源
152 コリメートレンズ
153 ダイクロイックプリズム
154 開口部
155 画像信号
156 制御部
157 レーザ変調回路
158 駆動部
159 光ビーム
160 投射領域
100 画像投射装置

Claims (12)

  1. 可動部と、
    前記可動部を支持する固定部と
    を備え、
    前記可動部は、
    第1電圧が供給される第1導電部と、
    第2電圧が供給される第2導電部と、
    前記第1導電部と前記第2導電部とを電気的に絶縁した状態で相互に固定する裏打ち部と
    を備え、
    前記第2導電部と前記裏打ち部とは電気的に接続されている、アクチュエータ。
  2. 前記可動部は、第1可動部と、前記第1可動部を支持する第2可動部とを含み、
    前記固定部は、前記第2可動部を支持し、
    前記第2可動部は、前記第1および第2導電部を備え、
    前記第1導電部を介して前記第1可動部に前記第1電圧を供給する、請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記第2可動部は、前記第2導電部および前記裏打ち部に形成された櫛型電極をさらに備える、請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記裏打ち部の厚さは、前記固定部の厚さよりも薄い、請求項3に記載のアクチュエータ。
  5. 前記第1可動部は、光を反射するミラー部を備え、
    前記裏打ち部は、前記アクチュエータの前記ミラー部が設けられた面とは反対側の面から前記第1導電部と前記第2導電部とを固定している、請求項2に記載のアクチュエータ。
  6. 前記第1および第2可動部は、絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1シリコン層をエッチングして形成されており、
    前記裏打ち部は、前記第2シリコン層をエッチングして形成されている、請求項2に記載のアクチュエータ。
  7. 前記第2可動部の前記第1導電部と前記第2導電部との間に形成された溝によって、前記第1導電部と前記第2導電部とは電気的に絶縁されている、請求項2に記載のアクチュエータ。
  8. 前記第2可動部の前記溝に対して点対称な位置にダミー溝が形成されている、請求項7に記載のアクチュエータ。
  9. 前記第1可動部は、前記第2可動部に対して前記第1可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第1および第2櫛型電極を備え、
    前記第1櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、
    前記第2櫛型電極は、前記第1可動部の回動軸と平行な方向へ延びており、
    前記第2可動部は、前記固定部に対して前記第2可動部を相対的に変位させる駆動力を発生する第3および第4櫛型電極を備え、
    前記第3櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と垂直な方向へ延びており、
    前記第4櫛型電極は、前記第2可動部の回動軸と平行な方向へ延びている、請求項2に記載のアクチュエータ。
  10. 請求項1に記載のアクチュエータを備えた画像投射装置であって、
    前記画像投射装置は、
    光ビームを出射する光源と、
    前記光ビームを前記アクチュエータへ導く光学系と、
    前記アクチュエータを駆動する駆動部と
    を備えた、画像投射装置。
  11. 請求項1に記載のアクチュエータの製造方法であって、
    前記製造方法は、
    絶縁層を介して第1および第2シリコン層を接合したSOIウエハの前記第1シリコン層をエッチングして前記第1および第2可動部を形成するステップと、
    前記第2シリコン層をエッチングして前記裏打ち部を形成するステップと、
    前記第2可動部の前記第1シリコン層から形成された所定の部分と前記裏打ち部とを電気的に接続するステップと
    を包含する、製造方法。
  12. 前記裏打ち部を形成するステップは、前記第1シリコン層をエッチングするときに用いるマスクを用いて前記第2シリコン層をエッチングするステップを含む、請求項11に記載の製造方法。
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