JP2008209616A - 光偏向装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヒンジ等で支持されないミラー部材を、電極との間に作用する静電引力により支点部材を支点として制御された方向に傾斜させて保持するタイプの光偏向装置の製造を容易にする。
【解決手段】支点部材106と電極103が形成された第1の基板100と、ミラー面を有する板状部材203とその移動範囲規制用の規制部材204が形成された、透明パッケージを兼ねる透明な第2の基板200とを接合した構造である。両基板とその接合部分で板状部材203の運動空間は気密封止される。接合前の第1の基板は一般的なLSIプロセスによって、接合前の第2の基板は一般的なMEMSプロセスによって容易に製作可能である。
【選択図】図5

Description

本発明は、入射光を反射する小さなミラー部材の姿勢を制御することにより、入射光の反射方向を2以上の方向に切り替える光偏向装置及びその製造方法に関する。
本出願人は、ミラー面を持つ板状部材を、ヒンジ等で支持することなく、規制された空間内に可動的に配置し、支点部材の周囲に配設された複数の電極と該板状部材との間に作用する静電引力によって、該板状部材を、該支点部材を支点として制御された方向に傾斜させた状態に保持する光偏向装置、その製造方法及び駆動方法に関する発明を特許出願済みである(例えば特許文献1,2,3等参照)。本発明は、このようなタイプの光偏向装置及びその製造方法に関するものである。
ミラー部材をヒンジで支持するタイプの光偏向装置も知られている(例えば特許文献4参照)。
特開2004−78136号公報 特開2006−119361号公報 特開2006−133394号公報 特表2002−525676号公報
特許文献4に記載されているようなミラー部材をヒンジで支持するタイプの光偏向装置は、微細化しようとすると、ヒンジの剛性が増加して駆動電圧が増加し、ヒンジの加工精度を確保することが難しくなり、また、ヒンジを細く短いものにするとヒンジの塑性変形が起きやすい等の問題がある。
一方、特許文献1等に記載されている光偏向装置は、ミラー部材としての板状部材を支持するヒンジ等は存在しないため、上に述べたようなヒンジに係わる問題点がなく、また、構造的に板状部材の微細化も容易である。しかしながら、改善すべき課題が残されている。例えば、装置全体をLSIプロセスで製作することは可能であるが、有機レジスト上に金属薄膜を成膜する工程のような専用の製造装置を必要とする工程が含まれるため、他のLSIデバイスの製造工程と整合しない面がある。犠牲層除去後に板状部材の付着(スティクション)を防止するために表面エネルギーの低い有機膜を成膜する際に、板状部材が傾斜している状態では板状部材に隠れた部分に成膜しにくい。透明な窓を持つ専用のパッケージ容器を用いて装置のパッケージを行う必要がある等である。
本発明は、特許文献1等に記載されているタイプの光偏向装置に関するものであり、上述の如き課題について改善した光偏向装置とその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る光偏向装置は、支点部材と、該支点部材の周囲に配設された複数の電極と、ミラー面を有する板状部材とを具備し、前記板状部材と前記電極との間に作用する静電引力により、前記板状部材が前記支点部材を支点として傾斜した状態に保持され、その傾斜方向が2以上の方向に切り替え可能な光偏向装置であって、
前記支点部材及び前記電極が形成された第1の基板と、規制部材が形成されるとともに前記板状部材が該規制部材により規制された範囲内において自由に移動可能な状態に形成された透明な第2の基板とを接合してなり、接合された前記第1と第2の基板及び該両基板の接合部分によって、前記板状部材の運動空間が気密封止されたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に係る光偏向装置において、前記第2の基板に、該第2の基板と前記板状部材との接触面積を減らすための付着防止部材を形成したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に係る光偏向装置において、前記第1の基板に前記支点部材及び前記電極を複数組アレイ配列し、かつ、前記第2の基板に前記規制部材及び前記板状部材を複数組アレイ配列したことを特徴とする。
請求項4記載の発明に係る光偏向装置の製造方法は、支点部材と、該支点部材の周囲に配設された複数の電極と、ミラー面を有する板状部材とを具備し、前記板状部材と前記電極との間に作用する静電引力により、前記板状部材が前記支点部材を支点として傾斜した状態に保持され、その傾斜方向が2以上の方向に切り替え可能な光偏向装置の製造方法であって、
第1の基板に前記支点部材及び前記電極を形成する第1工程、透明な第2の基板に、規制部材を形成するとともに、前記板状部材を該規制部材により規制される範囲内において自由に移動可能な状態に形成する第2工程、前記第1工程後の前記第1の基板と、前記第2工程後の前記第2の基板とを接合する第3工程を有し、前記第3工程により接合された前記第1と第2の基板及びその接合部分によって前記板状部材の運動空間が気密封止されることを特徴とする。
本発明の光偏向装置は、支点部材及び電極が形成された第1の基板と、ミラー面を有する可動の板状部材及びその移動範囲を規制する規制部材が形成された透明な第2の基板とを接合した構造である。接合される前の第1の基板は一般的なLSIデバイスと同様なLSIプロセスによって、接合される前の第2の基板も一般的なMEMSデバイスと同様なMEMSプロセスによって、容易に製作可能であり、特許文献1等に記載の光偏向装置に関して述べたような特殊なプロセスや製造装置を必要としなくなり、歩留まりも向上させやすい。また、接合前の各基板に対し、表面エネルギーの低い有機膜を成膜する等の付着防止処理を容易に行うことができる。また、接合された第1と第2の基板及びその接合部分によって板状部材の運動空間が気密封止されるので、専用のパッケージ容器を用いたパッケージングは不要であり、第2の基板は透明であるため専用の透明窓部材も不要である。また、第2の基板に付着防止部材を形成することにより(請求項2)、ファンデアワールス力や水架橋力で板状部材が第2の基板に付着する現象を防止することができる。また、第1と第2の基板に、そこに形成された部材を複数組アレイ配列することにより(請求項3)、画像表示や画像形成のための光スイッチ手段として好適に利用可能な光偏向装置を実現できる。
本発明の光偏向装置の製造方法において、第1工程は一般的なLSIデバイスと同様なLSIプロセスによって、第2工程は一般的なMEMSデバイスと同様なMEMSプロセスによって容易に行うことができ、特許文献1等に記載の光偏向装置に関して述べたような特殊なプロセスや製造装置を必要としなくなり、各基板の歩留まりも向上させやすい。また、接合前の各基板に対し、表面エネルギーの低い有機膜を成膜する等の付着防止処理を容易に行うことができる。第3工程により第1工程後の第1の基板と第2工程後の第2の基板とを接合するが、接合された第1と第2の基板及びその接合部分によって板状部材の運動空間が気密封止されるため、専用のパッケージ容器を用いたパッケージング工程は不要になり、また、第2の基板は透明であるため専用の透明窓部材を取り付けるような工程も不要になる。
以下、添付図面を参照し本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、複数の図面において、同一の要素もしくは対応した要素には原則として同一の参照番号が用いられる。
図1は、本発明の光偏向装置の基本的構成を説明するための図である。図1において、(a)は光偏向装置を構成する第1基板の概略構成を示す模式的斜視図、(b)は光偏向装置を構成する第2基板の概略構成を示す模式的斜視図、(c)は第1基板と第2基板を接合後の概略構成を示す模式的斜視図である。
第1基板100としてはシリコン(Si)等の半導体の基板が用いられる。第1基板100には、不図示の駆動・制御回路が形成され、その上に層間絶縁膜102を介して支点部材106と電極103が形成され、少なくとも電極103の上に不図示の絶縁膜(104)が成膜されている。支点部材106及び電極103は、層間絶縁膜102の下の駆動・制御回路と不図示のビア(101)を介して電気的に接続されている。このような第1基板100における構造は一般的なLSIデバイスと同様のLSIプロセスにより容易に製作することができる。なお、駆動・制御回路に薄膜トラジスタや有機半導体トランジスタを使用する場合、第1基板100はSi等の半導体基板でなくともよい。
第2基板200は光偏向装置の透明パッケージを兼ねるため、入射光波長に対し透明な、すなわち透過率が高い材質の基板が第2基板200として用いられる。そのような基板としては、例えば硼珪酸ガラス、石英ガラス、プラスチックなどの基板がある。第2基板200には、板状部材203(図1(a)では想像線で示されている)と規制部材204が形成されている。規制部材204は、基板面に垂直な壁部204aと、その頂部に形成された傘条のストッパ部204bとからなる。この規制部材204は、板状部材203の基板面方向及びそれに垂直な方向の移動範囲を規制するためのものであり、この規制された移動範囲内で板状部材203は自由に移動可能である。第2基板200側の製造プロセス(図7−1の説明を参照)において、板状部材203が基板面に付着する場合があるので、それを防止するための付着防止部材202が第2基板200に形成されるのが好ましい。この付着防止部材202を設けることによって、板状部材203と第2基板200との接触面積が減り、ファンデァワールス力や水架橋力で板状部材203が第2基板200に付着する現象は起きにくくなる。付着防止部材202は、好ましくは入射光の波長に対し実質的に透明とみなせる部材とされる。このような第2基板200における構造は一般的なMEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスと同様な表面マイクロマシン技術やMEMS加工装置によって容易に製作することができ、そのプロセスや加工装置は他のMEMSデバイスと共用が可能である。
このような第1基板100と第2基板200とを、図1(c)に示すように向かい合わせ、陽極接合や接着によって接合することにより光偏向装置が完成する。この時、支点部材106の頂部は、規制部材204のストッパ部204bより第2基板200側へ寄った位置にある。板状部材203と各電極103との間の電位差を制御し、両部材間に作用する静電引力によって、板状部材203を、支点部材203を支点として制御された方向に傾けた状態に保持することができる。図1(c)では、支点部材106を支点として左側へ傾けた状態に保持されているが、これと反対側へ傾けた状態に保持させることもできる。すなわち、ここに示す例では、板状部材203と2つの電極103の電位を制御することにより、板状部材203を、支点部材106を支点として、2つの方向へ傾斜変位させることができる。
なお、支点部材106を円錐状、角錐状もしくは円柱状の部材に置き換え、その周囲により多数の分割した電極103を配設することも可能である。そのようにすると、板状部材203の傾斜方向数を増加させることができる。かかる態様は前記特許文献1,2,3等に開示されている通りであり、当然に本発明に包含されるものである。
支点部材106は導体であり、接触により板状部材203に電位を付与する。ただし、支点部材106を絶縁体とし、電極103からの静電誘導で板状部材203に電位を付与することも可能である。板状部材203は、少なくともその一部は導電性を有する。また、板状部材203の第2基板200側の面(図1(c)では上面)は、入射光波長に対し十分な反射率を有するミラー面とされる。
本発明の光偏向装置は、別々に加工された第1基板100と第2基板200とを接合する構造であるので、全体を一体的にLSIプロセスで製作する場合に比べ歩留まりを向上させやすい。また、接合前の各基板に対し付着力低減等のための膜の成膜を容易に行うことができる。例えば、接合前の第2基板200において、板状部材203の支点部材106と接する側の面に、金や白金などを容易に成膜できる。このような膜は、板状部材203と支点部材106との電気的な接触抵抗の低減や付着力の低減に有効である。また、板状部材203に、他の部材との付着力を減少させるため、その表面エネルギーを低減する物質を気相成膜や溶液での処理により容易に形成することができる。そのような物質としては、例えば長鎖アルキルや炭化フッ素を持つシランカップリングするトリクロロシランやトリメトキシシランなどの物質、カルボキシル基を持つ物質等がある。ただし、自己組織化単分子膜に限らず、板状部材203を変形させない厚さに成膜された表面エネルギーの低い有機膜なら使用可能である。同様に、接合前の第1基板100において、絶縁膜(104)及び支点部材106に表面エネルギーの低い有機膜を容易に成膜することができる。第2基板200側の板状部材203には単分子膜などの極薄の膜を使用し、第1基板100側には耐久性の優れた比較的厚い有機膜を使用することも可能である。
図1(c)には図示されていないが、第1基板100と第2基板200を接合した状態においては、各基板100,200とその接合部分によって、板状部材203の運動空間105は気密状態に封止される。第2基板200は気密封止のための透明パッケージを兼ねる。したがって、専用のパッケージ容器や透明窓部材を用いたパッケージングを行う必要がなくなり、その分だけ装置コストを削減できる。
図1には、1つの板状部材203に対応した光偏向装置の単位構造が示されている。画像表示もしくは画像形成のための光スイッチ手段等として利用される光偏向装置の場合、同様の単位構造を図2に模式的に示すように2次元アレイ配列した構成、あるいは、同様の単位構造を1次元アレイ配列した構成とされる。すなわち、第1基板100及び第2基板200には、図1に示した部材が複数組、2次元又は1次元アレイ配列される。そして、両基板を接合した状態で、アレイ配列された単位構造群毎に気密封止されることになる。
図3は、本発明の光偏向装置の製造手順の説明図である。図1に関連して説明した第1基板100及び第2基板200の構造は、適当なサイズのウェハ500及び501を用いて多数集積して製作されるのが通常である。第1基板側のウェハ500には、通常、光偏向装置と外部との電気的接続のためのワイヤボンディング用のパッド部511が形成されるので、第2基板側のウェハ501にパッド部511に対応して表面から裏面へ貫通する開口512が形成される。加工後の第1基板側のウェハ500と第2基板側のウェハ501は精密に位置合わせして陽極接合や接着により接合される。接合後のウェハを図3の下部に示すようなダイシングラインに沿ってダイシングすることにより、図4に示すような個々のダイ(個々の光偏向装置)に分離される。ダイシングの際に開口512を通じパッド部511は冷却水にさらされるが、ウェハ500,511が接合された状態では板状部材、支点部材等が存在する空間は気密封止されており冷却水が浸入することはない。
なお、開口512の加工であるが、石英やガラスなどのウェハの場合には一般的なビーズブラストによる貫通加工によればよい。1mm程度の石英ウェハの場合には炭酸ガスレーザによる貫通加工によってもよい。
以下、本発明の光偏向装置及びその製造方法について、より具体的に説明する。
図5に本発明の一実施例に係る光偏向装置の断面構造が示されている。この図は、図3で説明したような第1基板側ウェハと第2基板側ウェハのとを接合したものの部分垂直断面図に相当するものである。
図5には入射光の偏向の様子も示されている。図中の左側の単位構造における板状部材203は右に傾いているため、右斜め方向からの入射光は真上方向へ反射される。右側に示されている単位構造における板状部材203は左に傾いているため、入射光は左斜め方向へ反射される。したがって、例えば真上方向の反射光を利用し、左斜め方向の反射光を遮光することにより、光のスイッチングを行うことができる。
左側と右側の単位構造における板状部材203に見られるように、板状部材203は支点部材106を支点として2方向に傾斜変位させることが可能である。ただし、支点部材106を円錐形状等にするとともに電極103の分割数を増加することによって、より多くの方向に板状部材203を傾斜変位させることも可能であることは、すでに図1に関連して述べた通りであり、また、前記特許文献1,2,3等に開示されている通りである。かかる態様も本実施例に当然に包含されるものである。
以下、本実施例に係る光偏向装置の製造方法について説明する。ここでは、板状部材203の寸法を10μm角、板状部材203の傾斜角を10°と想定している。
<第1基板側の製造工程>
図6を参照して、第1基板側の製造工程について説明する。
工程(1):第1基板100としてのシリコンウェハに一般的なLSIプロセスにより、駆動・制御回路を形成したのち層間絶縁膜102を成膜する。支点部材203及び電極103との電気的接続のため、例えばタングステンラグを用いビア101を露出する。駆動用電源からの配線に接続されるビアも露出しておく。板状部材203の駆動方法により接続配線に違いがあるが、いずれにしても接続に必要なビアは露出しておく。なお、駆動方法については例えば前記特許文献2,3等に詳細に開示されている。
工程(2):電極103となるAl薄膜をスパッタ法で100nm厚に成膜する。フォトリソグラフィでパターンニングを行い、塩素系のガスを用い、RIE(Reactive Ion Etching)でエッチングを行って電極103を形成する。
工程(3):絶縁膜104となるシリコン酸化膜をプラズマCVD法で0.2μm厚に成膜する。フォトリグラフィによりパターンニングし、CFとHの混合ガスのRIEでエッチングする。露出したビア101にW膜を0.87μm厚に成膜し、フォトリソグラフィでパターンニングし、塩素系ガスのRIEでエッチングすることにより、支点部材106を形成する。
工程(4):フォトリソグラフィでシリコン酸化膜のパターンニングを行い、CFとHの混合ガスのRIEやバッファフッ酸溶液によりシリコン酸化膜をエッチングし、シリコン面107を露出させる。ここでは、第1基板側ウェハと第2基板側ウェハとの接合方法として陽極接合を想定しているが、接着剤で接着し又はフリットガラスにより接合する場合は、シリコン表面を露出させる必要はない。
このように一般的なLSIプロセス技術のみが用いられ、MEMS技術は用いられない。なお、外部への電極接続はシリコン基板を貫通する電極を設け基板裏面にバンプを配置してもよい。シリコン基板を貫通する電極はLSIプロセス技術ですでに確立している。
<第2基板側の製造工程>
図7−1及び図7−2を参照し、第2基板側の製造工程について説明する。
工程(1):第2基板200側のウェハとして、透明でかつ単結晶シリコンと線膨張係数の近い硼珪酸ガラスのウェハを用意する。なお、図3に示した開口512を設ける場合には、予めその貫通加工を行っておく。
工程(2):硼珪酸ガラスウェハの接合側面に有機レジストでパターンニングし、CなどのガスのRIEを行い、ダイ寸法に近い面積で5μmの深さの溝を掘る。溝を掘らない部分が第1基板側との接合面201になる。溝の深さであるが、加工後の第2基板側ウェハの接合面201を第1基板側ウェハの露出させたシリコン面107(図6)と接触させるように両ウェハを結合したときに、板状部材203が支点部材106を支点として所要の角度で傾斜変位することが可能な深さとされる。具体的には、ここでは板状部材203を10μm角、その傾斜角を10°としているので、板状部材203の高さ方向の変位量は 10×sin(10°)=1.74μm である。これを余裕をみて2μmとし、これに第一基板側のシリコン面107(図6)から絶縁膜104までの高さを加えた深さの溝を掘ればよいことになる。
工程(3):後工程において犠牲層を除いた後に板状部材203が基板面に付着することを防止するため、板状部材203と小面積で接しかつ透明な膜からなる付着防止部材202を形成する。具体的には、例えば基板にシリコン窒化膜を100nm厚に成膜し、有機レジストをフォトリソグラフィでパターンニングし、CFを用いエッチングすることにより付着防止部材202を形成する。シリコン窒化膜は、透明であり、酸化膜とも選択比が高く、硼珪酸ガラスとの選択比も高く設定できる。有機レジスト塗布には、基板に溝があっても均一な厚さに塗布できるスプレイ式も利用可能である。
工程(4):犠牲層となる有機膜を形成する。例えばノボラック系フォトレジストを用いることができる。ポリイミドなど、酸素プラズマで除去できる有機膜なら使用可能である。板状部材203となるAl合金膜を、例えば0.2μm厚に成膜する。有機レジストを用いフォトリソグラフィでパターンニングし、塩素系ガスでRIEを行う。これにより板状部材203の形状が得られる。さらに例えばノボラック系フォトレジストを0.2μm厚に成膜する。
工程(5):規制部材204を形成するための前工程である。まず犠牲層上にシリコン酸化膜をプラズマCVD法で0.1μm程度の厚さに成膜する。この時、SiHとNOにHeを加えた混合ガスを用いることができる。次に、フォトリソグラフィでパターンニングし、シリコン酸化膜をCFとHの混合ガスなどでRIEを行う。次に酸素プラズマで犠牲層をエッチングする。
工程(6):プラズマCVD法でシリコン酸化膜を0.2μm程度の厚さに成膜する。次にフォトリソグラフィでパターンニングし、RIEでシリコン酸化膜をエッチングすることにより、規制部材204を形成する。
工程(7):犠牲層である有機レジストを酸素プラズマで除去する。これで、板状部材203が分離し、規制部材204で規制された範囲内で自由に移動可能となり、第2基板側の構造が完成した。
<第1基板と第2基板の接合>
図8に示すように、第1基板側ウェハの露出させたシリコン面107と第2基板側ウェハのエッチングされなかった接合面201とを接触させ陽極接合を行うことにより、両ウェハを接合する。かくして、図5に示した光偏向装置の構造が完成する。複数の板状部材203等の存在する空間150は、各基板側ウェハとその接合部分によって気密封止される。
上記陽極接合は、例えば、NやArなどの不活性ガスの雰囲気下で、ウェハ同士を200゜Cから400゜C程度に加熱し、500Vから1000Vの電圧を、第2基板側ウェハ(硼珪酸ガラス)を正極に、第1基板側ウェハ(シリコン基板)を負極にして印加することにより行う。この際、例えば第一基板側の支点部材106と第二基板側の板状部材203の中心とが向き合うようにアライメントする。この位置合わせはアライメントマークを用いることが一般的である。陽極接合装置のアライナを用い、好ましくは1μmの精度でアライメントを行う。このアライナとして、例えばピエゾアクチュエータを使用した1μm以下のアライメント精度のアライメント装置を利用可能である。アライメントマークは透明な第2基板側ウェハの接合面側に形成可能である。
以上の接合工程の後、図3に関連して説明したようなダイシングを行うことにより、図4に示したようなダイ(個々の光偏向装置)に分離することになる。両基板側ウェハの接合面で板状部材等のある空間150(図5)は気密封止されているため、ダイシングの際の冷却水による汚染等は生じないことは前述の通りである。
なお、図1に関連して説明したように、接合前に、板状部材203の付着を防止するための処理として、表面エネルギーの低い有機膜や自己組織化膜を成膜する処理を行うことができる。この処理は、例えば図6の工程(4)の直後や図7−2の工程(7)の直後に行うことも、図8の接合工程の前処理として行うことも可能である。いずれにしても、この処理は第1基板100と第2基板200とが分離している状態であるので容易に行うことができる。
図9に本発明の別の一実施例に係る光偏向装置の断面構造が示されている。この図は、図3で説明したような第1基板側ウェハと第2基板側ウェハのとを接合したものの部分垂直断面図に相当するものである。
本実施例では、第1基板側ウェハと第2基板側ウェハとが、ビーズを混入した接着剤240を用いた接着により接合される。これに伴い、接合部分の構造が変更されているが、これ以外の構造は前記実施例1との同様である。次に、本実施例に係る光偏向装置の製造工程について説明する。
<第1基板側の製造工程>
前記実施例1の場合と同様であるが、図6の工程(3)までで加工は終了する。すなわち、接合のためのシリコン面107を露出させる工程(4)は行わない。
<第2基板側の製造工程>
図10−1は第2基板側の製造工程の説明図である。
工程(1):第2基板側のウェハを用意する。このウェハとしては、石英、硼珪酸ガラス、光学ガラスなど透明な材質のウェハを利用可能である。プラスチックも使用できる。ここでは硼珪酸ガラスのウェハを用いるものとする。なお、図3に示した開口512を設ける場合には、予めその貫通加工を行っておく。
工程(2):付着防止膜202を形成する。その形成は、例えばシリコン窒化膜を100nm厚に成膜した後、有機レジストをフォトリソグラフィでパターンニングし、CFを用いエッチングすることにより行われる。シリコン窒化膜は透明で酸化膜とも選択比が高く、硼珪酸ガラスとの選択比も高く設定できる。有機レジスト塗布には基板に溝があっても均一な厚さに塗布できるスプレイ式も利用可能である。
工程(3):犠牲層となる有機膜を形成する。例えば、ノボラック系フォトレジストが用いられるが、ポリイミドなど酸素プラズマで除去できる有機膜なら使用可能である。次に、板状部材203となるAl合金膜を例えば0.2μm厚に成膜する。次に有機レジストを用いフォトリソグラフィでパターンニングし、塩素系ガスでRIEを行うことにより、板状部材203の形状を得る。さらに、例えばノボラック系フォトレジストを0.2μm厚に成膜する。
工程(4):規制部材204の形成のための前工程である。シリコン酸化膜をプラズマCVD法で0.1μm程度の厚さに成膜する。SiHとNOにHeを加えた混合ガスを用いることができる。次にフォトリソグラフィでパターンニングし、シリコン酸化膜をCFとHの混合ガスなどでRIEを行い、酸素プラズマで犠牲層をエッチングする。
工程(5):プラズマCVD法でシリコン酸化膜を0.2μm程度の厚さに成膜する。次にフォトリソグラフィでパターンニングし、RIEでシリコン酸化膜をエッチングすることにより規制部材204を形成する。
工程(6):犠牲層である有機レジストを酸素プラズマで除去する。これで板状部材203が分離され、規制部材204で規制された範囲内で自由に移動可能な状態となり、第2基板側の構造が完成する。
<第1基板側ウェハと第2基板側ウェハとの接合>
図10−2に示すように、第2基板側ウェハの接着部分に、ビーズを混入した接着剤440をディスペンサで塗布し、第1基板側ウェハと接着する。接着剤240として例えばエポキシ系接着剤を使用することができる。接着剤240に混入されるビーズとして、例えばセラミックスビーズを用いることができる。接合された両基板間にビーズの直径に対応した空隙が生じる。板状部材203の寸法を10μm角、その傾斜角を10°とした場合、板状部材203の高さ方向の変位量は10sin(10°)=1.74μmであるので、余裕をみて基板間に2μmの空隙を確保するためには、直径が2μmの真円のビーズを接着剤240に混入させることになる。なお、このような目的に適した寸法精度の良い真円のビーズは液晶プロセス等で利用されている。
以上の接合工程の後、図3に関連して説明したようなダイシングを行うことにより、図4に示したようなダイ(個々の光偏向装置)に分離することになる。両基板側ウェハとその接合部分で板状部材等のある空間は気密封止されているため、ダイシングの際の冷却水による汚染等は生じないことは前述した通りである。
また、前記実施例1に関して説明したように、接合前に、板状部材203の付着を防止するための処理として、表面エネルギーの低い有機膜や自己組織化膜を成膜する処理を行うことができる。この処理は第1基板100と第2基板200とが分離している状態であるので容易に行うことができる。
本発明に係る光偏向装置は、例えば画像表示装置や画像形成装置における光スイッチ手段として好適である。そのような応用例の一つである画像投影装置を図11に模式的に示す。
図11に示した画像投影装置1101においては、光源1102からのある広がり角を持った光が回転カラーフィルタ1105を介して本発明の光偏向装置1001に入射する。この光偏向装置1001は単位構造が2次元マトリクス配列されたものである。光偏向装置1001の第1方向に傾斜した板状部材で反射された光はレンズ1103,1104を経て投影スクリーン1110に照射される。これが光スイッチのON状態である。しかし、第2方向に傾斜した板状部材により反射された光は絞りである遮光部材1104によって遮られ、投影スクリーンへは照射されない。これが光スイッチのOFF状態である。このような光のON,OFFにより投影スクリーン1110に像を形成することができる。なお、このような画像投影装置については例えば前記特許文献2,3に開示されているので、これ以上の説明は行わない。
本発明に係る光偏向装置の基本的構成の説明図である。 基本構成の2次元アレイ配列を示す模式図である。 本発明に係る光偏向装置の一般的な製造手順の説明図である。 ダイシングにより分離されたダイ(個々の光偏向装置)の斜視図である。 本発明の実施例1に係る光偏向装置の断面構造を示す部分垂直断面図である。 実施例1に係る光偏向装置の第1基板側製造工程を説明するための工程図である。 実施例1に係る光偏向装置の第2基板側製造工程を説明するための工程図である。 図7−1に続く工程図である。 基板接合の説明図である。 本発明の実施例2に係る光偏向装置の断面構造を示す部分垂直断面図である。 実施例2に係る光偏向装置の第2基板側製造工程を説明するための工程図である。 基板接合の説明図である。 本発明の光偏向装置が利用される画像投影装置の模式図である。
符号の説明
100 第1基板
101 ビア
102 層間絶縁膜
103 電極
104 絶縁膜
106 支持部材
200 第2基板
202 付着防止部材
203 板状部材
204 規制部材

Claims (4)

  1. 支点部材と、該支点部材の周囲に配設された複数の電極と、ミラー面を有する板状部材とを具備し、前記板状部材と前記電極との間に作用する静電引力により、前記板状部材が前記支点部材を支点として傾斜した状態に保持され、その傾斜方向が2以上の方向に切り替え可能な光偏向装置であって、
    前記支点部材及び前記電極が形成された第1の基板と、
    規制部材が形成されるとともに前記板状部材が該規制部材により規制された範囲内において自由に移動可能な状態に形成された透明な第2の基板とを接合してなり、
    接合された前記第1と第2の基板及び該両基板の接合部分によって前記板状部材の運動空間が気密封止された光偏向装置。
  2. 前記第2の基板に、該第2の基板と前記板状部材との接触面積を減らすための付着防止部材が形成されたことを特徴とする請求項1記載の光偏向装置。
  3. 前記第1の基板に前記支点部材及び前記電極が複数組アレイ配列され、かつ、前記第2の基板に前記規制部材及び前記板状部材が複数組アレイ配列されたことを特徴とする請求項1記載の光偏向装置。
  4. 支点部材と、該支点部材の周囲に配設された複数の電極と、ミラー面を有する板状部材とを具備し、前記板状部材と前記電極との間に作用する静電引力により、前記板状部材が前記支点部材を支点として傾斜した状態に保持され、その傾斜方向が2以上の方向に切り替え可能な光偏向装置の製造方法であって、
    第1の基板に前記支点部材及び前記電極を形成する第1工程、
    透明な第2の基板に、規制部材を形成するとともに、前記板状部材を該規制部材により規制される範囲内において自由に移動可能な状態に形成する第2工程、
    前記第1工程後の前記第1の基板と、前記第2工程後の前記第2の基板とを接合する第3工程を有し、
    前記第3工程により接合された前記第1と第2の基板及びその接合部分によって前記板状部材の運動空間が気密封止されることを特徴とする光偏向装置の製造方法。
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