JP4333829B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィンと金属を接着するための接着剤組成物に関するものであり、より詳細には酸変性ポリオレフィン溶剤分散体、エポキシ樹脂、並びに1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびこれらの誘導体よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のものを有機溶剤中に溶解もしくは分散せしめた、ポリオレフィンと金属を強固に接着するための接着剤組成物並びにこれを用いてなるポリオレフィン金属接着構造体およびポリオレフィンラミネート鋼鈑に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、家電外板、建築構造材の内装用部材、家具用素材などには、鋼板表面に塩化ビニル樹脂(以下、単に塩ビ樹脂ともいう)を被覆ないし積層(ラミネート)してなる、いわゆる塩ビ鋼鈑が使用されてきた。こうした塩ビ鋼板に用いられる塩ビ樹脂は、配合処方により良好な加工性、耐久性を示し、また着色等が容易なことから化粧性にも優れており、加えて安価なことから各方面に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、昨今環境問題が大きくクローズアップされ、塩ビ樹脂中のフタル酸系可塑剤ならびに塩ビ樹脂の焼却時等に発生するとされているダイオキシン類の一部が、内分泌撹乱作用が疑わしい化学物質(環境ホルモン)にリストアップされている。
【0004】
そのため、こうした塩ビ樹脂の代替として各種ポリオレフィン系樹脂が提案されている。ポリオレフィン系樹脂は毒性がなく、酸、アルカリ、有機溶剤等に対して強い抵抗力を有し、機械的強度、耐磨耗性にも優れ、安価であることから、家電外板、建築構造材の内装用部材、家具用素材などに使用されつつある。
【0005】
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は非極性であることから、金属との接着が困難であった。
【0006】
従来かかるポリオレフィン系樹脂と金属(家電外板、建築構造材の内装用部材、家具用素材などに用いられる鋼板等)との接着のため、種々の接着剤、塗料、プライマー等が提案されている。典型的なものとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解したベース接着剤や塗料に、溶剤分散型変性ポリオレフィン樹脂を混合したものであった。すなわち前記熱硬化性あるいは熱可塑性樹脂で金属部分へ接着させ、変性ポリオレフィン樹脂でポリオレフィンへ接着させるものであった。
【0007】
しかしながら、これらの接着剤は一定レベルの接着性は得られるものの、苛酷な加工を施される用途においては十分な接着性を有しているとは言い難い。特にラミネート鋼鈑製造メーカーでは、顧客要求レベルの向上とともに、内部試験として煮沸後のエリクセン試験(JIS K6744(1992)参照)を行うところが増えており、上記接着剤はこの試験後に剥離を生じさせないという要求特性(煮沸後の密着性)を十分に満足するとは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決し、金属とポリオレフィン系樹脂双方への良好な接着性を有し、煮沸後のエリクセン試験にも十分耐えうるポリオレフィンラミネート鋼鈑やポリオレフィン金属接着構造体を製造するのに用いることのできる接着剤組成物並びにこれを用いてなるポリオレフィンラミネート鋼鈑およびポリオレフィン金属接着構造体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記目的を達成すべく、ポリオレフィン金属接着構造体やポリオレフィンラミネート鋼鈑用の接着剤組成物並びにこれを用いてなるポリオレフィンラミネート鋼鈑およびポリオレフィン金属接着構造体につき、鋭意検討した結果、酸変性ポリオレフィン溶剤分散体とエポキシ樹脂とからなる組成物に、新たな成分として1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびこれらの誘導体よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のものを加えることで、金属への接着性を飛躍的に向上させることができ、従来達成し得ていなかった煮沸後のエリクセン試験後の要求特性をも十分に満足することができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
すなわち、本発明の目的は、(1) 酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)、エポキシ樹脂(B)、並びに1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびこれらの誘導体よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のもの(C)を有機溶剤中に溶解もしくは分散せしめてなる接着剤組成物により達成されるものである。
【0011】
また、本発明の目的は、(2) (A)成分を固形分換算で100質量部に対し、(B)成分が0.1〜20質量部、(C)成分が0.01〜10質量部である上記(1)に記載の接着剤組成物によっても達成されるものである。
【0012】
本発明の他の目的は、(3) 金属とポリオレフィン系樹脂とを、上記(1)または(2)に記載の接着剤組成物を用いて接着してなることを特徴とするポリオレフィン金属接着構造体により達成されるものである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、(4) 鋼板とポリオレフィン系樹脂のフィルムまたはシートとを、上記(1)または(2)に記載の接着剤組成物を用いてラミネート接着してなることを特徴とするポリオレフィンラミネート鋼鈑により達成されるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の接着剤組成物は、酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)、エポキシ樹脂(B)、並びに1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびこれらの誘導体よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のもの(C)を有機溶剤中に溶解もしくは分散せしめてなることを特徴とするものである。以下、本発明の接着剤組成物を具体的に説明する。
【0015】
本発明の接着剤組成物に用いられる酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)としては、溶剤分散性を有する酸変性ポリオレフィン樹脂粉末をそのまま用いてもよいし、該酸変性ポリオレフィン粉末を適当な有機溶剤に分散させてなるものであってもよい。これは、本発明の接着剤組成物の製造に際し、粉末状の(A)成分と、他の(B)、(C)成分とを有機溶剤中に溶解ないし分散させてもよいし、予め適当な有機溶媒に分散させた液状の(A)成分と、他の(B)、(C)成分とを有機溶剤(これには、液状の(A)成分の有機溶媒を含む)中に溶解ないし分散させてもよいためである。
【0016】
ここで、上記酸変性ポリオレフィンとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを適宜使用することができるものであり、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン樹脂に無水マレイン酸などのエチレン性不飽和基を有する酸無水物をグラフト重合したもの、また、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などのオレフィンとエチレン性不飽和基を有するカルボン酸との共重合体などが用いられる。カルボキシル基を有する酸変性ポリオレフィンでは、カルボキシル基が金属との接着性を向上させる効果を有する点で有用であるといえる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0017】
上記酸変性ポリオレフィン粉末の平均粒径としては、特に制限されるべきものではないが、溶剤分散性に優れる大きさであることが好ましく、通常1〜200μm、好ましくは1〜20μm、より好ましくは5〜15μmの範囲である。上記酸変性ポリオレフィン粉末の平均粒径は、例えば、コールターカウンター法などを用いて測定し、算出することができる。
【0018】
なお、本発明では、酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)として、既に市販されているものを用いてもよく、例えば、平均粒径10μmの無水マレイン酸変性ポリプロピレンや無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体などの酸変性ポリオレフィン粉末を有機溶剤に分散させた液状のものである、三井化学株式会社製ユニストールRシリーズなどがこれに該当する。
【0019】
接着剤組成物中の酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)は、常温では有機溶剤中に分散しているが、金属(鋼板)に塗布し、接着剤組成物中に含まれる(C)成分の沸点温度よりも低い適当な温度で焼き付け・乾燥することで溶融皮膜となり、形成された接着剤層が溶融状態にある間に、その上面にポリオレフィン系樹脂(フィルムやシートなど)に積層することで、該酸変性ポリオレフィンがポリオレフィン系樹脂と強固に接着する。
【0020】
本発明の接着剤組成物に用いることのできるエポキシ樹脂(B)としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタンエポキシ、グリセリントリエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられるが、2種類以上のエポキシ樹脂を併用しても良い。エポキシ樹脂(B)は、金属への接着性が優れた樹脂であり、また一部上記(A)成分の酸変性ポリオレフィン樹脂のカルボキシル基と反応して耐熱性を向上させることができる。かかる観点からも、上記(A)成分には、カルボキシル基を有する酸変性ポリオレフィン粉末を用いるのが有用である。なお、本発明では、エポキシ樹脂(B)としては、既に市販されているものを用いてもよく、例えば、実施例で用いているようなダウケミカル株式会社製エポキシノボラック樹脂DEN438などがこれに該当する。なお、上記(B)成分も、必要があれば、予め有機溶媒に溶解させておいてもよい。
【0021】
上記エポキシ樹脂(B)の配合量(固形分換算)は、上記(A)成分の固形分である酸変性ポリオレフィン100質量部に対し、0.1から20質量部、特に0.5〜10質量部であることが望ましい。0.1質量部未満では金属への接着性が低下し、20質量部を超えると未反応エポキシ樹脂の比率が高くなるため、耐熱性の低下をきたす。
【0022】
本発明の接着剤組成物の大きな特徴である1,2−ジヒドロキシベンゼンおよび1,2,3−トリヒドロキシベンゼンは、いずれも一般的に写真の現像液や分析用試薬として用いられるものである。本発明者らは鋭意検討の結果、かかる1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびこれらの誘導体よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のもの(C)を接着剤組成物に混合することにより、金属(鋼板)への接着性(密着性)を飛躍的に向上させることができることを見出した。これら1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびこれらの誘導体よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のもの(C)は、エポキシ樹脂(B)の硬化剤として機能し、更に還元剤としての効果を奏するため、金属表面への接着性が格段に向上し得るものと考えられる。ここで、1,2−ジヒドロキシベンゼンの誘導体としては、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、メチルハイドロキノン、5−メチルレゾルシン、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンなどが例示できる。すなわち、1,2−ジヒドロキシベンゼンの誘導体には、1,2−ジヒドロキシベンゼンの異性体およびその誘導体も含まれるものである。また、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンの誘導体としては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリヒドロキシトルエン、テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノンなどが例示できる。すなわち、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンの誘導体には、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンの異性体およびその誘導体も含まれるものである。
【0023】
上記(C)成分のうち、望ましくは1,2,3−トリヒドロキシベンゼンが良い。これは、1,2−ジヒドロキシベンゼンでは、その融点が104〜105℃、沸点が240〜245℃であり、高温の焼き付け・乾燥温度によっては蒸発により金属表面への接着性等の有用かつ顕著な効果が低下することがあるためである。一方、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンの融点は131〜134℃、沸点は309℃であり、これは蒸発により金属への接着性等の有用かつ顕著な効果が低減することが少ない。本発明では、上記(C)として既に市販されているものを用いてもよく、例えば、1,2−ジヒドロキシベンゼンは、宇部興産株式会社製カテコールなどが、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンは、岩手ケミカル株式会社製ピロガロールなどがこれに該当する。なお、上記(C)成分も、必要があれば、予め有機溶媒に溶解させておいてもよい。
【0024】
上記(C)成分の配合量(固形分換算)は、上記(A)成分の固形分である酸変性ポリオレフィン100質量部に対し、0.01〜10質量部、特に0.1〜1質量部であることが望ましい。0.01質量部未満では金属への接着性向上効果が小さく、一方、10質量部を超えると大幅なコストアップになる。
【0025】
エポキシ樹脂(B)および上記(C)成分は、種々の有機溶剤に溶解するが、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤が特に良好な溶解性を示す。ただし、本発明の接着剤組成物に用いることのできる有機溶剤としては、上記(B)、(C)成分を溶解し得るものであればこれらに制限されるものではなく、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤などを1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用して用いてもよい。
【0026】
有機溶媒の配合量(上記(A)成分として適当な有機溶媒に分散させた液状のものを用いる場合には、かかる適当な有機溶媒も含まれる)は、使用目的に応じて、塗布(塗工)しやすい粘性を有し、焼き付け・乾燥時の溶剤の沸騰等によるボイドや気泡等の欠陥や表面凹凸を生じないように適宜調整されるべきものであり、特に制限されるべきものではないが、接着剤組成物全体100質量%に対して5〜95質量%、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは70〜80質量%である。該有機溶媒の配合量が5質量%未満の場合には、有機溶媒に分散させた変性ポリオレフィン粉末が不安定で分離などを起こし易く、また粘度が上がりすぎて塗工困難であり、一方、有機溶媒の配合量が95質量%を超える場合には、良好な接着性を得るために大量の接着剤量が必要になるため経済的にも不利で、飛散する溶剤量も多く環境に対する影響も好ましくない。
【0027】
本発明の接着剤組成物中には、上記成分以外にも、金属の種類や表面処理状態、使用される用途に応じて、前述したエポキシ樹脂(硬化剤を含む)、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を適宜加えることができる。なお、これらは、その名称に拘泥されるべきものではなく、例えば、実施例2や3に示す飽和ポリエステル系接着剤やアクリル系接着剤などのように接着剤の名称で市販されているものなども、上記熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂に含まれるものである。なお、これら熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂も、必要があれば、予め有機溶媒に溶解させておいてもよい。また、これらの熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂の配合量(固形分換算)は、上記(A)成分の固形分である酸変性ポリオレフィン100質量部に対し、0〜900質量部、好ましくは0〜100質量部、より好ましくは0〜50質量部である。該熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂の配合量が900質量部を超える場合には、オレフィンシートへの密着性が低下することがある。
【0028】
さらに、接着剤組成物中には、必要に応じて、着色顔料、防錆顔料、体質顔料などを適量添加してもよい。さらに本発明の効果を損なわない範囲内において、他の添加剤を適量配合してもよく、例えば、鋼板への密着性を向上する目的で、実施例2、3に示すようなイソシアネート系架橋剤などの適当な架橋剤、カップリング剤などの添加剤を適当な時期(例えば、有機溶媒中に他の成分を完全に溶解ないし均一に分散した後に添加し混合して用いてもよい)に適量を加えてもよい。なお、これら添加剤も、必要があれば、予め有機溶媒に溶解させておいてもよい。このうち、上記架橋剤を配合する場合における架橋剤の配合量は、接着剤組成物(当該架橋剤は除く)100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。該架橋剤の配合量が0.1質量部未満の場合には、熱硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂を配合した場合に、鋼板への密着性を低下させることがあり、一方、架橋剤の配合量が20質量部を超える場合には、ポットライフが短くなり作業性に支障をきたすこと等がある。
【0029】
なお、本発明の接着剤組成物では、各成分を有機溶剤中に溶解もしくは分散する際には、従来公知の各種撹拌・混合機を用いて行えばよく、例えば、実施例で使用したスリーワンモーター、デゾルバー、バタフライミキサー、溶解釜などを用いることができる。
【0030】
次に、本発明のポリオレフィンラミネート鋼鈑は、鋼板とポリオレフィン系樹脂とを、本発明に係る上記接着剤組成物を用いてラミネート接着してなることを特徴とするである。
【0031】
ここで、本発明のポリオレフィンラミネート鋼鈑に用いることのできる鋼板としては、特に制限されるべきものではなく、家電外板、建築構造材の内装用部材、家具用素材などに用いられる各種鋼板が使用可能であるが、特にこれらに制限されるべきものではなく、例えば、未処理の鋼板(ブラックブレート)のほかに、表面処理鋼板、例えば、リン酸処理、クロム酸処理(クロメート処理)などの化学処理や、電解クロム酸処理、電気スズメッキ、電気亜鉛メッキ、電解亜鉛メッキなどの電解処理のほか、溶融スズメッキ、溶融亜鉛メッキなどの溶融メッキを鋼の表面に行ったものを用いることができるが、メッキ鋼板、ステンレス鋼板などにクロメート処理やリン酸塩処理のような前処理をしたものがが好適に利用し得るものである。なお、本発明の鋼板は、その名称に拘泥されるべきものではなく、例えば、アルミニウム板や銅板なども本発明の範囲に含まれるものである。これらの鋼板は、使用用途によって異なるが、一般的には、0.01〜10mm、好ましくは0.03〜5mm、より好ましくは0.05〜3mm程度の厚みのシートあるいはコイル状の形で使用されるほか、使用用途に応じて適当な形状に切断、プレス加工された状態で使用される場合も含まれる。
【0032】
また、本発明のポリオレフィンラミネート鋼鈑に用いることのできるポリオレフィン系樹脂としては、特に制限されるべきものではなく、家電外板、建築構造材の内装用部材、家具用素材など、その用途に応じて最適なものをを従来公知のポリオレフィン系樹脂の中から適宜選択すればよい。該ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、上記接着剤組成物により形成される接着剤層を介して鋼板に積層するポリオレフィン系樹脂のフィルムないしシートとしては、高密度、中密度、あるいは低密度の各ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体)、エチレンとブテン−1との共重合体、また、これらにエチレン−プロピレンゴムを混練したもの、さらに架橋剤を用いてエラストマーとしたもの、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム状物などを用いることができる。さらに、かかるポリオレフィン系樹脂は、使用目的に応じて、例えば、実施例1にあるように表面保護および化粧性維持の使用目的からポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム付きのポリオレフィン系樹脂(シート等)などを用いてもよい。また、ポリオレフィン系樹脂には、塩ビ樹脂による環境問題に対する代替材として有効に使用できる範囲内であれば、必要に応じて適宜、適当な添加剤を適量添加していてもよく、例えば、酸素、オゾン、光(紫外線)、熱などに対する安定剤、金属による劣化防止剤、難熱化剤、加工性改良剤(可塑剤など)、補強用充填剤(無機充填剤を含む)、着色性改良剤、帯電防止剤、接着性改良剤、ブロッキング防止剤などが挙げられる。
【0033】
また、ポリオレフィン系樹脂(例えば、フィルム、シート等)についてはコロナ放電処理を施すこともできる。また、ポリオレフィン系樹脂のフィルムないしシートは必要に応じて顔料や種々の添加剤を配合したものでよい。
【0034】
また、ポリオレフィン系樹脂の形状としては、特に制限されるべきものではなく、使用目的に応じて適宜最適な形状のものを用いればよいが、汎用性に優れ、かつ連続生産に適したフィルム、シートなどの形状のものが使用に適しているといえる。
【0035】
また、ポリオレフィン系樹脂の厚みとしては、使用目的に応じて適宜決定されるべきものではなく、特に限定されるものではなく、例えば、家電外板や建築構造材の内装用部材などの用途に適しているフィルムの場合を例にとれば、取扱い性、諸性能などを配慮すると10〜1000μm、好ましくは20〜500μm、より好ましくは50〜300μmのものを用いるのが好ましい。
【0036】
また、接着剤組成物により形成される接着剤層は、焼付塗膜厚さで0.5〜50μm、好ましくは3〜15μmにすることが好ましい。該焼付塗膜厚さが0.5μm未満の場合には、良好な接着性が得られず、一方、50μmを超える場合には、大幅なコストアップになる。
【0037】
本発明のポリオレフィンラミネート鋼鈑の製造方法としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のラミネート鋼板製造技術を利用することができるものであり、例えば、実施例に用いたような溶融亜鉛メッキ鋼板や電解亜鉛メッキ鋼板などの鋼板表面に、本発明の接着剤組成物をロールコータやカーテンフローコーターなど適当な塗布手段を用いて塗布し、その後、接着剤組成物中に含まれる(C)成分の沸点温度よりも低い適当な温度で焼き付け・乾燥した後、鋼板表面に形成された接着剤層が溶融状態にある間に、その上面にポリオレフィン系樹脂(例えば、フィルムやシート)を積層接着してラミネート鋼板を製造することができる。
【0038】
上記焼き付け・乾燥条件としては、接着剤組成物の組成成分の種類等によっても異なるものであり、接着剤組成物中に含まれる(C)成分の沸点温度よりも低い適当な温度であればよく、例えば、上記(C)成分が1,2−ジヒドロキシベンゼンの場合には、120〜240℃、好ましくは140〜220℃、より好ましくは170〜200℃の焼き付け・乾燥温度で、また、上記(C)成分が1,2,3−トリヒドロキシベンゼンの場合には、130〜310℃、好ましくは140〜300℃、より好ましくは170〜260℃の焼き付け・乾燥温度で、それぞれ10秒〜10分間、好ましくは20秒〜5分間、より好ましくは40秒〜3分間焼き付け・乾燥を行えばよい。また、焼き付け・乾燥時の圧力は特に制限されないが、装置コストなどから常圧下で行えばよく、また焼き付け・乾燥時の雰囲気ガスも、装置コストから、大気開放系で行えばよいが、適当な不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。該焼き付け・乾燥温度が1,2−ジヒドロキシベンゼンの場合に120℃未満または1,2,3−トリヒドロキシベンゼンの場合の場合に130℃未満の場合には、接着剤層内部に有機溶媒が残留することがあるほか、接着剤組成物が十分に焼き付け・乾燥されず所望の溶融被膜を形成するのが困難な場合があり、その上にポリオレフィン系樹脂を接着するのが困難な場合があり、十分な接着性、特に煮沸後のエリクセン試験での要求特性を満足し得ない場合がある。一方、焼き付け・乾燥温度が1,2−ジヒドロキシベンゼンの場合に240℃を超えるまたは1,2,3−トリヒドロキシベンゼンの場合の場合に310℃を超える場合には、蒸発、沸騰または組成物中の樹脂の種類によっては分解することがあるほか、有機溶剤が急激に加熱され沸騰するため、形成される被膜表面に凹凸が形成されることで、その上面に接着されるポリオレフィン系樹脂との接着性が低下したり、ポリオレフィン系樹脂を接着した際に、接着剤側からの放熱によりポリオレフィン系樹脂表面に熱によるうねりや歪を生じやすくなるため、接着剤層を構成する成分やポリオレフィン系樹脂に極めて耐熱性に優れるものを用いなければならず、使用する成分を選択する上での制約があったり、高価な成分を用いる必要が生じるため、使用用途(主に高級な高付加価値製品への利用に制限される)が制限される場合がある。焼き付け・乾燥時間が10秒未満の場合には、酸変性ポリオレフィン粉末が十分に溶融しないため、良好な接着性を得るための被膜形成がなされないことがある。さらに、完全に焼き付けが終わっておらず、接着剤層内部に有機溶媒が残留することがあるほか、所望の特性を発揮するのが困難と成る場合がある。一方、焼き付け・乾燥時間が10分間を超える場合には、接着剤皮膜が硬くなりすぎ、ポリオレフィンシートへの密着性低下を引き起こすことがあるほか、更なる焼き付けによる効果が期待できないため、不経済である。
【0039】
上記焼き付けは、熱風循環式乾燥機、赤外線ヒーター、遠赤外線ヒーターなどを用いて行うことができる。
【0040】
上記焼き付け・乾燥後、その上面にポリオレフィン系樹脂(例えば、フィルムやシート)を接着して所望のラミネート鋼鈑を得ることができるものであるが、該ポリオレフィン系樹脂を積層するに際しては、予め重ねる側のポリオレフィン系樹脂の表面を加熱しておいてもよい。
【0041】
上記ポリオレフィン系樹脂を積層接着するには、例えば、ラミネーターなどを用いて連続的に積層(圧着)し、その後、接着部を固定させ、ズレ、ハガレ防止を行い、次工程(カット)を直ちに行うため、直ちに冷却を行うことで所望のラミネート鋼鈑を得ることができる。ただし、本発明では、上記製法に制限されるべきものではなく、従来公知の各種ラミネート鋼板製造技術を適宜利用することができる。
【0042】
なお、ラミネート後の接着法は、上記圧着法に制限されるべきものではなく、従来公知のラミネート接着技術が利用できるものである。
【0043】
また、上記圧着後の冷却方法としては、特に制限されるものではないが、実施例に示すように、水浸漬による方法が、熱交換効率に優れ、全体を素早く均一かつ安価に所望の温度まで冷却することができる点で有用である。
【0044】
なお、本発明の接着剤組成物は、上記ポリオレフィンラミネート鋼鈑以外にもその使用用途に応じて、各種の金属表面にポリオレフィン系樹脂を接着してなる、いわばポリオレフィン金属接着構造体として、家電外板、建築構造材の内装用部材、家具用素材などに幅広く適用できるものである。
【0045】
こうしたポリオレフィン金属接着構造体に用いることのできる金属(基材)としては、特に制限されるものではなく、例えば、鉄鋼、銅、アルミニウム、亜鉛、不鉄鋼、青銅、白銅、ジュラルミン、ダイカストなどの各種金属あるいは合金からなることができ、またこれらの金属(基材)は、亜鉛、スズ、クロム、アルミニウムなどでメッキ処理された鋼や、リン酸処理あるいはクロム酸処理や電解クロム酸処理された鋼からなっていてもよい。
【0046】
また、金属(基材)の形状も、金属箔、圧延鋼板、パネル、シート、パイプ、棒、ビーム、ワイヤ、容器壷、カン、キャップ、王冠シエル、建築用構造物、車両用構造物など、任意の形状を取り得るものである。
【0047】
なお、ポリオレフィン金属接着構造体のポリオレフィン系樹脂、接着剤層については、上記ポリオレフィンラミネート鋼鈑で説明したと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0048】
また、ポリオレフィン金属接着構造体の製造方法としては、金属の表面に、本発明の接着剤組成物をロールコータやカーテンフローコーターなど適当な塗工手段を用いて塗布し、その後、接着剤組成物中に含まれる(C)成分の沸点温度よりも低い適当な温度で焼き付け・乾燥した後、金属表面に形成された接着剤層が溶融状態にある間に、その表面にポリオレフィン系樹脂(例えば、フィルム、シート、ポリオレフィンインジェクションなど)を接着してポリオレフィン金属接着構造体を製造することができるものである。かかる製造方法は、基本的には、上記ポリオレフィンラミネート鋼鈑の製造方法で説明したと同様であるが、ポリオレフィン金属接着構造体においては、金属とポリオレフィン系樹脂とのラミネート接着に制限されるべきものではなく、例えば、熱圧着ヒートシール、押出成形、インサート成形などの従来公知の各種接着法を適宜利用することができるものである。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を以って本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例に記載の「%」は、特に断りがなければ「質量%」を示す。
【0050】
実施例1
エポキシ樹脂(B)としてダウケミカル株式会社製エポキシノボラック樹脂DEN438を固形分で1.0質量部、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(C)として岩手ケミカル株式会社製ピロガロールを固形分で0.3質量部を、有機溶媒のシクロヘキサノン4.0質量部中にスリーワンモーターで撹拌溶解した。これに酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)として、三井化学株式会社製ユニストールR−200(極性基としてカルボキシル基(−COOH)を有する酸変性ポリプロピレン粉末(平均粒径10μm)をトルエン溶剤に分散してなる分散体(非水ディスパージョン))を400質量部(固形分100質量部)添加し、スリーワンモーターで均一になるまで撹拌し、接着剤組成物(1)を調製した。
【0051】
この接着剤組成物(1)を、市販の溶融亜鉛メッキ鋼鈑および電解亜鉛メッキ鋼鈑(板厚:0.45mm)に、それぞれバーコーターを用いて約30g/m2wet塗布した。熱風循環式乾燥機を用い、260℃×1分焼き付け・乾燥させた。これに別途表面温度を100℃に加熱したPETフィルム付きCPP(無軸延伸ポリプロピレン)シートのCPPシート面を重ね(接着剤層表面にCPPシート面を重ね合わせる)、ハンドロールで圧着し、直ちに水浸漬冷却後試験片とした。試験片は貼合せ後直ちに試験に用いた。なお、PETフィルム付きCPPシートは、CPPシートとPETフィルムとが日立化成ポリマー株式会社製の接着剤ハイボンYA790−3で貼合せ強固に接着されてなるものである。
【0052】
▲1▼常態エリクセン試験(JIS K6744(1992)に準じた。)
試験片を90mm×90mmにカットし、中心線の両側2.5mmの距離に、長さ50mmの縦横おのおの2本の直線上に適当な刃物で金属板を傷つけないようにシート層および接着層を切断した。
【0053】
エリクセン試験機は、JIS B7729(エリクセン試験機)に規定されたものを用いた。
【0054】
試験片は、シート層面を試験機のダイス側にし、中心がポンチ、ダイスなどの中心に一致する位置に置き、ポンチをできるだけ一様の速さで押し込んだ。この速さは0.1mm/secを基準とした。
【0055】
ポンチを6mm押し込み、成形された試験片に、はく離が生じるかどうか確認した(I)。エリクセン試験後、試験片の頂上部分にナイフカットを入れて約2mmのつかみシロを作成し、毛抜きを用いて手はく離を行ない、シートが切れる位置を確認した(II)。
【0056】
▲2▼煮沸エリクセン試験
試験片を90mm×90mmにカットし、沸騰水中で1時間煮沸した。取出し後、直ちに▲1▼と同様の試験を行った。
【0057】
実施例2
ダウケミカル株式会社製エポキシノボラック樹脂DEN438を固形分で1.0質量部、岩手ケミカル株式会社製ピロガロールを固形分で0.3質量部をシクロヘキサノン4.0質量部中にスリーワンモーターで撹拌溶解した。これに日立化成ポリマー株式会社製の飽和ポリエステル系接着剤YA996−2を固形分換算で30質量部添加し、シクロヘキサノンで固形分25質量%に調整した。これに酸変性ポリオレフィン溶剤分散体として、三井化学株式会社製ユニストールR−200を280質量部(固形分70質量部)添加し、スリーワンモーターで均一になるまで撹拌し、接着剤組成物(2)を調整した。この接着剤組成物(2)100質量部に対し、日立化成ポリマー株式会社製のイソシアネート系架橋剤32を1.0質量部を混合した接着剤組成物(2’)を、試験に用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0058】
実施例3
ダウケミカル株式会社製エポキシノボラック樹脂DEN438を固形分で1.0質量部、岩手ケミカル株式会社製ピロガロールを固形分で0.3質量部をシクロヘキサノン4.0質量部中にスリーワンモーターで撹拌溶解した。これに日立化成ポリマー株式会社製のアクリル系接着剤YA806−2を固形分換算で30質量部添加し、シクロヘキサノンで固形分25質量%に調整した。これに酸変性ポリオレフィン溶剤分散体として、三井化学株式会社製ユニストールR−200を280質量部(固形分70質量部)添加し、スリーワンモーターで均一になるまで撹拌し、接着剤組成物(3)を調製した。この接着剤組成物(3)100質量部に対し、日立化成ポリマー株式会社製のイソシアネート系架橋剤32を1.0質量部を混合した接着剤組成物(3’)を、試験に用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0059】
比較例1
実施例1からピロガロールを除去した以外は、実施例1と同様にした。
【0060】
比較例2
実施例2からエポキシノボラック樹脂DEN438およびピロガロールを除去した以外は、実施例2と同様にした。
【0061】
比較例3
実施例3からエポキシノボラック樹脂DEN438およびピロガロールを除去した以外は、実施例3と同様にした。
【0062】
以上の結果を一覧表にすると、表1の通りである。
【0063】
【表1】
Figure 0004333829
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)、エポキシ樹脂(B)、並びに1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼンおよびこれらの誘導体よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種のもの(C)を有機溶剤中に溶解もしくは分散せしめてなる接着剤組成物は、ポリオレフィン系樹脂と金属(鋼板)の接着に用いることで、接着直後の煮沸後のエリクセン試験においても剥離を生じさせないという要求特性(煮沸後の密着性)を十分に満足する優れた接着性(密着性)を維持することができる。
【0065】
そのため、本発明のポリオレフィン金属接着構造体およびポリオレフィンラミネート鋼鈑では、顧客要求レベルの向上に適用した極めて良好な製品を提供できるものであり、家電外板、建築構造材の内装用部材、家具用素材など、塩ビ鋼鈑が使用されてきた分野に、環境に優しいクリーンな代替材として幅広く適用し得るものである。

Claims (3)

  1. 酸変性ポリオレフィン溶剤分散体(A)、エポキシ樹脂(B)、並びに1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(C)を有機溶剤中に溶解もしくは分散せしめてなる接着剤組成物であって、
    (A)成分を固形分換算で100質量部に対し、(B)成分が0.1〜20質量部、(C)成分が0.01〜10質量部である接着剤組成物。
  2. 金属とポリオレフィン系樹脂とを、請求項1に記載の接着剤組成物を用いて接着してなることを特徴とするポリオレフィン金属接着構造体。
  3. 鋼板とポリオレフィン系樹脂のフィルムまたはシートとを、請求項1に記載の接着剤組成物を用いてラミネート接着してなることを特徴とするポリオレフィンラミネート鋼鈑。
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