JPH11199851A - ポリエステルフィルム貼合せ金属板用接着剤 - Google Patents

ポリエステルフィルム貼合せ金属板用接着剤

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JPH11199851A
JPH11199851A JP10003067A JP306798A JPH11199851A JP H11199851 A JPH11199851 A JP H11199851A JP 10003067 A JP10003067 A JP 10003067A JP 306798 A JP306798 A JP 306798A JP H11199851 A JPH11199851 A JP H11199851A
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秀樹 増田
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和美 福留
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孝之 和田
Makoto Asakura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板とPETフィルムとの密着性、加工
性、耐レトルト性などの性能の良好なPETラミネート
金属板を製造できる接着剤を得る。 【解決手段】 (A)数平均分子量が1,000〜4
0,000であり、ガラス転移温度が0〜100℃であ
る水酸基含有ポリエステル樹脂50〜95重量部、
(B)ブロック化ポリイソシアネート化合物1〜40重
量部、及び(C)非ブロック化ポリイソシアネート化合
物0.1〜10重量部、を含有し、(A)、(B)及び
(C)の各成分の合計量が100重量部であることを特
徴とするポリエステルフィルム貼合せ金属板用接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルフィ
ルム貼り合わせ金属板用接着剤、この接着剤を有する金
属板貼合せ用積層フィルム、及びこの積層フィルムを金
属板に接着してなるポリエステルフィルム貼合せ金属板
に関する。
【0002】
【従来の技術及び解決すべき課題】従来、飲料缶または
食缶に利用されるポリエステルフィルム貼合せ金属板
(以下、「PETラミネート金属板」ということがあ
る)は、通常、接着剤を介してポリエステルフィルム
(以下、「PETフィルム」ということがある)と金属
板とを熱圧着により貼り合わせて製造されている。
【0003】例えば、特開平4−266984号公報に
は、ブロック共重合ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂と
ブロック化ポリイソシアネート化合物からなる熱ラミネ
ート用接着剤が開示されている。ここで、エポキシ樹脂
は金属板との密着性の向上に効果的であるが、エポキシ
樹脂として低分子量のものを多く用いると熱硬化時のP
ETフィルムの収縮の抑制効果が十分でなくなり、寸法
安定性が損なわれ、また、エポキシ樹脂として、高分子
量のもの用いると、ポリエステル樹脂との相溶性が悪く
なり、接着剤の貯蔵安定性が損なわれるという問題があ
る。また、エポキシ樹脂の配合量を増加させていくと金
属板との密着性が向上していくが、エポキシ樹脂を多量
に配合すると、接着剤層の凝集力が高くなって接着剤層
の可撓性が損なわれ加工性が低下し、レトルト処理後に
おいて、加工部でのPETフィルムの剥離が生じやすく
なるという問題があった。
【0004】さらに、特開平8−199147号公報に
は、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂およびブロックフ
リーポリイソシアネート化合物からなる2液型の熱ラミ
ネート用接着剤が開示されている。ここでも、密着性向
上のためエポキシ樹脂を多量に使用すると、接着剤層の
可撓性が損なわれ加工性が低下し、レトルト処理後にお
いて、加工部でのPETフィルムの剥離が生じやすくな
るという問題がある。また、通常、接着剤層を有するP
ETフィルムは金属板にラミネートされるまでの間はコ
イル状で保管されるが、PETフィルムに塗装された上
記2液型の熱ラミネート用接着剤による接着剤層は、経
時でブロックフリーポリイソシアネート化合物のイソシ
アネート基とポリエステル樹脂やエポキシ樹脂中の水酸
基などの官能基とが反応して架橋が進行し、接着剤層の
熱軟化性が低下していき、塗装後、例えば1ケ月程度経
過したものを高速で金属板へ熱ラミネートしたとき、金
属板と接着剤層との付着性が低下してPETラミネート
金属板のレトルト処理後の付着性が劣るという問題があ
り、場合によっては、コイル状に保管された接着剤層を
有するPETフィルムにおいて、接着剤層と接着剤を塗
布していないPETフィルムの非塗装面との間の付着強
度が経時で上がってブロッキングを起こし、ついにはコ
イルを巻き出すことができなくなるといった問題があ
る。
【0005】本発明の目的は、金属板とPETフィルム
との密着性が良好で、かつ加工性、耐レトルト性などの
性能の良好なPETラミネート金属板を製造できる接着
剤であって、しかもこの接着剤による接着剤層を有する
PETフィルムが長期の使用期限を有することができる
PETラミネート金属板用接着剤、この接着剤からの接
着剤層を有する金属板貼合せ用積層フィルム及びこの接
着剤を用いた、各種性能の優れたPETラミネート金属
板を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエス
テル樹脂系接着剤において、ブロック化ポリイソシアネ
ート化合物と非ブロック化ポリイソシアネート化合物と
を併用することによって上記目的を達成できることを見
出し本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)数平均分子量
が1,000〜40,000であり、ガラス転移温度が
0〜100℃である水酸基含有ポリエステル樹脂 50
〜95重量部、(B)ブロック化ポリイソシアネート化
合物 1〜40重量部、及び(C)非ブロック化ポリイ
ソシアネート化合物 0.1〜10重量部、を含有し、
(A)、(B)及び(C)の各成分の合計量が100重
量部であることを特徴とするポリエステルフィルム貼合
せ金属板用接着剤を提供するものである。
【0008】また、本発明は、ポリエステルフィルム、
該ポリエステルフィルム上に形成されたインキ層、該イ
ンキ層上に形成された接着剤層からなる積層フィルムで
あって、該接着剤層が、上記の接着剤を塗布、乾燥して
なる層であることを特徴とする金属板貼合せ用積層フィ
ルムを提供するものである。
【0009】さらに、本発明は、金属板の片面又は両面
に、上記の金属板貼合せ用積層フィルムを貼合せ、熱圧
着してなるポリエステルフィルム貼合せ金属板を提供す
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】まず本発明の接着剤について以下
に詳細に説明する。本発明の接着剤の各成分は以下のと
おりである。
【0011】水酸基含有ポリエステル樹脂(A) 本発明接着剤における(A)成分であるポリエステル樹
脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂であり、数平
均分子量1,000〜40,000、好ましくは10,
000〜30,000、ガラス転移温度0〜100℃、
好ましくは35〜90℃を有する。またポリエステル樹
脂(A)は、水酸基価が30mgKOH/g以下である
こと、さらには0.1〜20mgKOH/gの範囲内で
あることが好適であり、酸価が50mgKOH/g以下
であること、さらには1〜25mgKOH/gの範囲内
であることが好適である。
【0012】ポリエステル樹脂の数平均分子量が、1,
000未満では、硬化して得られる接着剤層の硬化時の
可撓性が低く、接着性の良いPETラミネート金属板が
得られず、一方、40,000を超えると粘度が高くな
り取扱い上、不便となる。また、ポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度が、0℃未満では、乾燥して得られる接着
剤層がタックフリーになり難く、一方、100℃を超え
ると、粘度が高くなって塗装作業性が低下しやすくな
り、また得られる接着剤を用いてPETフィルムをラミ
ネートする際に高温が必要となるため工業的に不利とな
る。
【0013】上記ポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と
多価アルコール成分とのエステル化物からなるものであ
る。多塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、コハク酸、フマル酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、無
水マレイン酸、イタコン酸、ダイマー酸などから選ばれ
る1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエ
ステル化物が主として用いられ、必要に応じて安息香
酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基
酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカ
ルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基
酸などが併用される。多価アルコール成分としては、例
えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール、3−メチルペンタンジオール、1,4
−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シク
ロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキサイド付加物などの二価アルコ
ールが主に用いられ、さらに必要に応じてグリセリン、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールを併
用することができる。これらの多価アルコールは単独
で、又は2種以上を混合して使用することができる。両
成分のエステル化又はエステル交換反応は、それ自体既
知の方法によって行うことができ、例えば、前記多塩基
酸成分と多価アルコール成分とを180〜250℃程度
の温度で重縮合させることによって得ることができる。
【0014】また、前記多塩基酸成分と多価アルコール
成分とから水酸基を有するポリエステルを得た後、この
水酸基を有するポリエステルの水酸基に、マレイン酸、
無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸な
どの多塩基酸を反応させることによって樹脂中にカルボ
キシル基を導入したポリエステル樹脂も本発明における
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)に包含される。
【0015】ブロック化ポリイソシアネート化合物
(B) ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)は、上記ポ
リエステル樹脂(A)の硬化剤として働く成分であり、
ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基
をブロック化剤にてブロック化してなる化合物である。
【0016】上記ブロック化前のポリイソシアネート化
合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き
脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂
肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳
香族ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,
4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイ
ソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトト
ルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,
2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上
のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物
の如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれら
の各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子
量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは
上記した各有機ポリイソシアネート同志の環化重合体、
更にはイソシアネート・ビウレット体等を挙げることが
できる。なかでもヘキサメチレンジイソシアネートが環
化重合したイソシアヌレートが好適に使用される。
【0017】上記ポリイソシアネート化合物のイソシア
ネート基をブロック化するブロック化剤としては、フェ
ノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール
系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブ
チロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム
系;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルム
アミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メ
チルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベン
ゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオ
キシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセ
ト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンな
どの活性メチレン系などのブロック化剤を挙げることが
できる。なかでもオキシム系ブロック化剤が好適に使用
される。
【0018】非ブロック化ポリイソシアネート化合物
(C) 非ブロック化ポリイソシアネート化合物(C)は、ポリ
エステル樹脂(A)の硬化剤及びPETフィルム表面と
の反応による付着付与剤として働く成分であり、ブロッ
ク化されていないイソシアネート基を有するポリイソシ
アネート化合物であって、具体例としては、ブロック化
ポリイソシアネート化合物(B)の原料となる上記ブロ
ック化前のポリイソシアネート化合物を挙げるこができ
る。なかでもヘキサメチレンジイソシアネートが環化重
合したイソシアヌレートが好適に使用される。
【0019】本発明の接着剤は、上記水酸基含有ポリエ
ステル樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合
物(B)及び非ブロック化ポリイソシアネート化合物
(C)を必須成分とするものであって、これらの必須成
分に加えて、さらに必要に応じて下記のエポキシ樹脂
(D)を含有することができる。
【0020】エポキシ樹脂(D) エポキシ樹脂(D)は、接着剤に必要に応じて配合する
ことができる成分であり、金属板との密着性向上、接着
剤の耐熱性の向上及びレトルト処理によるPETラミネ
ート金属板の白化防止に寄与することができるものであ
る。
【0021】エポキシ樹脂(D)としては、数平均分子
量が350〜4,000の範囲内にあるものが好適に使
用される。エポキシ樹脂の分子量が低くなりすぎると、
硬化後の接着剤層の加工性が低下しやすくなり、一方、
エポキシ樹脂の分子量が高くなりすぎると、相溶性が悪
くなって貯蔵安定性が低下しやすくなる。
【0022】エポキシ樹脂(D)としては、加工性、耐
熱性などの観点からビスフェノール型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂であることが好適であり、代表例
として、エピコート828、同834、同1001、同100
2、同1004、同1007、同1009[以上、いずれも油化シェ
ルエポキシ(株)製]、アラルダイト502 、同6005[以
上、いずれもチバ社製]、ベークライト2774[ベークラ
イト社製]、ダウ332、ダウ331[以上、いずれも
ダウ ケミカル社製]などのビスフェノール型エポキシ
樹脂;エピコート154[油化シェルエポキシ(株)
製]などのフェノールノボラック型エポキシ樹脂;エピ
コート180S65、同180H65[以上、いずれも
油化シェルエポキシ(株)製]、EOCN−102S、
同−103S、同−104S[以上、いずれも日本化薬
(株)製]、エポトートYDCN−701、同−70
2、同−703、同−704[以上、いずれも東都化成
(株)製]などのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
などを挙げることができる。なかでもノボラック型エポ
キシ樹脂、例えばエポトートYDCN−701、同−7
02、同−703、同−704が特に好適である。
【0023】本発明の接着剤は、上記ポリエステル樹脂
(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)及
び非ブロック化ポリイソシアネート化合物(C)を必須
成分とし、必要に応じてエポキシ樹脂(D)を含有する
ものであり、(A)、(B)及び(C)成分の合計10
0重量部あたり、各成分の配合量は下記のとおりであ
る。
【0024】(A)成分:50〜95重量部、好ましく
は60〜90重量部、 (B)成分:1〜40重量部、好ましくは5〜20重量
部、 (C)成分:0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜
5重量部、 (D)成分:0〜20重量部、好ましくは5〜15重量
部。
【0025】上記ポリエステル樹脂(A)の配合量が、
50重量部未満となると、得られるPETラミネート金
属板の加工性が低下しやすくなり、一方、95重量部を
超えると得られるPETラミネート金属板の加工後のレ
トルト処理によってPETフィルムが金属表面から剥離
しやすくなる。
【0026】上記ブロック化ポリイソシアネート化合物
(B)の配合量が、1重量部未満となると、ポリエステ
ル樹脂(A)の硬化を十分に行うことができず、PET
ラミネート金属板を加工後にレトルト処理したときにP
ETフィルムが金属表面から剥離しやすくなり、一方、
40重量部を超えると、未反応のブロック化ポリイソシ
アネート化合物が残存して硬化後の接着剤層の耐水性が
低下しやすくなり、PETラミネート金属板が加工後の
レトルト処理によってPETフィルムが金属表面から剥
離しやすくなる。
【0027】上記非ブロック化ポリイソシアネート化合
物(C)の配合量が、0.1重量部未満となると、PE
Tフィルムに対する接着剤層の付着性が十分でなくな
り、PETフィルムラミネート時の接着剤の溶融粘度が
低くなるので接着剤層がPETフィルム面からはみ出し
たり、接着剤層を有するPETフィルムを金属板に高速
(例えば、ライン速度160m/分以上の高速)にて熱
圧着して得られるPETラミネート金属板のPETフィ
ルム面がユズ肌状の不良面となりやすくなる。一方、そ
の配合量が10重量部を超えると、接着剤層を有するP
ETフィルムにおける接着剤層の架橋が短期間に進行し
て接着剤層の熱軟化性が低下し、短期間の経時によって
金属板に高速で熱ラミネートすることが困難となった
り、熱ラミネートできても得られるPETラミネート金
属板におけるPETフィルムと金属板との密着性が低く
なりレトルト処理後の付着性が十分でなくなるため、接
着剤層を有するPETフィルム使用期限が短くなる。
【0028】上記エポキシ樹脂(D)の配合量が20重
量部を超えると、硬化後の接着剤層の凝集力が高くなっ
て可撓性が低下して加工性、密着性が低下しやすくな
り、レトルト処理によって加工部の剥離が生じ易くな
る。
【0029】本発明の接着剤には、上記(A)、(B)
及び(C)成分、並びに必要に応じて配合される(D)
成分以外に、さらに必要に応じて、例えば、ブロッキン
グ防止剤、着色顔料、硬化触媒、潤滑性付与剤、有機溶
剤、シランカップリング剤、消泡剤、静電防止剤などを
適宜配合することができる。
【0030】上記ブロッキング防止剤は、接着剤をPE
Tフィルムに塗布、乾燥してなる金属板貼合せ用積層フ
ィルムをコイル状に巻き取った後、このコイルを解く際
に、接着剤層と接着剤を塗布していないPETフィルム
の非塗装面との間が付着してブロッキングを起してコイ
ルを解くことができなくなったり、コイルを解けても接
着剤がPETフィルム表面に付着することがないように
するために必要に応じて配合されるものである。
【0031】上記ブロッキング防止剤としては、例え
ば、シリカ微粉末、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タ
ルク、マイカ、クレーなどの体質顔料;マレイン化ポリ
プロピレン微粒子、ポリプロピレン微粒子などのポリオ
レフィン微粒子、ナイロン微粒子、アクリル樹脂微粒
子、ポリ四弗化エチレン微粒子などの有機樹脂微粒子な
どを挙げることができる。上記有機樹脂微粒子は、粒子
径が0.1〜40μm、好ましくは0.1〜15μmの
範囲内であることが好適である。
【0032】上記ブロッキング防止剤を配合する場合、
その配合量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の合
計100重量部に対し、通常、60重量部以下の範囲内
であって、なかでもブロッキング防止剤が、体質顔料で
ある場合には、10〜60重量部、さらには10〜40
重量部の範囲内であることが好ましく、ブロッキング防
止剤が、有機樹脂微粒子である場合には、0.1〜30
重量部、さらには1〜20重量部の範囲内であることが
好適である。ブロッキング防止剤の配合量が多くなり過
ぎると接着剤層の熱軟化性が低下してPETフィルムの
接着剤と金属板との接着力が低下してラミネートできな
くなったり、ラミネートしたPETラミネート金属板又
はこれを加工したものをレトルト処理した時にPETフ
ィルムが金属板から剥離しやすくなる。
【0033】前記着色顔料としては、酸化チタンなどの
白色顔料、その他有彩色顔料を挙げることができる。P
ETラミネート金属板が缶外面に使用される場合には、
通常、多色印刷が施され、印刷インキ層の下に着色層
(通常、ホワイトコート)が必要であるが、着色顔料を
配合した接着剤を使用すれば、缶の製造工程を一工程省
略することができ非常に有利である。着色顔料の配合量
は接着剤層の性能を損なわない範囲内であれば特に制限
されるものではないが、前記(A)、(B)及び(C)
成分の合計100重量部に対し、通常、300重量部以
下の量的範囲で配合することが好適である。
【0034】前記硬化触媒は、硬化剤であるブロック化
ポリイソシアネート化合物のブロック剤の解離を促進し
たり、加熱による接着剤の架橋を促進させるために配合
される触媒であり、例えば、オクチル酸錫、、ジブチル
錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ
(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、
2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを挙げ
ることができる。硬化触媒を配合する場合には、その配
合量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の合計10
0重量部に対し、通常、0.01〜5重量部の範囲内が
好適である。
【0035】前記潤滑性付与剤は、接着剤表面に潤滑性
を付与するために配合される(ものであり、接着剤を塗
布した金属板貼合せ用積層フィルムをコイル状に円滑に
巻き取ること、このコイルを解くときの接着剤層表面の
傷付きを防止するなどの目的で配合される)ものであ
る。潤滑性付与剤としては、例えば、脂肪酸エステルワ
ックス;ポリエチレンワックスなどのポリオレフィンワ
ックス;ラノリン、蜜ろうなどの動物系ワックス;カル
ナウバワックス、水ろうなどの植物系ワックス;マイク
ロクリスタリンワックス、シリコン系ワックス、フッ素
系ワックスなどのワックス類を挙げることができる。
【0036】上記脂肪酸エステルワックスは、分子中に
水酸基を2個以上有するポリオール化合物と脂肪酸との
エステル化物である。上記ポリオール化合物としては、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、
1,3−又は1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ジ
又はそれ以上のポリグリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールな
どを挙げることができる。これらのうち、1分子中に3
個以上の水酸基を有するポリオール化合物が好ましく、
中でもポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトールが好適である。上記脂肪酸としては、
飽和又は不飽和の脂肪酸を挙げることができ、炭素原子
数6〜32の脂肪酸であることが好ましい。好適な脂肪
酸の具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モン
タン酸、メリシン酸などの飽和脂肪酸;カプロレイン
酸、ウンデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、セトレ
イン酸、エルカ酸、リカン酸、リシノール酸、アラキド
ン酸などの不飽和脂肪酸を挙げることができる。脂肪酸
エステルワックスとしては、上記ポリオール化合物の水
酸基の数の少なくとも1/3が脂肪酸でエステル化され
たものが好ましい。
【0037】潤滑性付与剤を配合する場合には、その配
合量は、前記(A)、(B)及び(C)成分の合計10
0重量部に対し、通常、0.01〜10重量部の範囲内
が好適である。
【0038】前記有機溶剤は、PETフィルムへの接着
剤の塗装作業性を良くするなどの目的で配合され、この
有機溶剤としては接着剤成分を溶解ないしは分散できる
ものであって前記成分(B)、(C)であるポリイソシ
アネート化合物と反応しないもの、例えば、トルエン、
キシレン、ソルベッソ#150(エッソ石油社製、高沸
点芳香族石油溶剤)などの芳香族炭化水素溶剤、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、エ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレ
ングリコールモノエチルエーテルアセテートなどのエス
テル系溶剤などを挙げることができ、これらの1種以上
を適宜選定して使用することができる。
【0039】次いで、本発明の接着剤を用いた接着剤層
を有する金属板貼合せ用積層フィルム、及び本発明のP
ETラミネート金属板について説明する。
【0040】本発明金属板貼合せ用積層フィルムは、P
ETフィルム、該PETフィルム上に形成されたインキ
層、及び該インキ層上に形成された接着剤層からなる。
【0041】上記PETフィルムは、ポリエステルフィ
ルムであればよいが、エステル反復単位の75〜100
%がエチレンテレフタレート単位からなるものが好適で
ある。エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位
としては、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピ
ン酸等のエステル単位を挙げることができる。PETフ
ィルムは、接着剤やインキとの付着性を向上させるため
に、その表面はコロナ放電処理等の表面処理を施したも
のが好ましい。PETフィルムの厚さは特に限定される
されるものではないが、通常厚さ5〜30μm程度のも
のを好適に使用することができる。
【0042】上記インキ層の形成に用いられるインキ
は、包装フィルムの印刷用に使用されるそれ自体既知の
印刷インキを特に制限なく使用でき、印刷インキの塗布
方法も包装フィルムの印刷と同様の方法によって行うこ
とができる。印刷インキの種類としては架橋型の耐熱性
インキであることが好ましく、例えばポリエステル樹脂
系、アクリル樹脂系、アルキド樹脂系のものを挙げるこ
とができる。
【0043】上記印刷インキが塗布されたPETフィル
ムには、そのインキ層面上に、前記本発明の接着剤が、
ロールコータ方式、グラビア方式、グラビアオフセット
方式、スプレー塗装方式など、それ自体既知の塗装手段
にて通常、乾燥膜厚が0.3〜15μm程度となるよう
に塗装され、必要に応じてタックフリーの状態になるま
で例えば50〜180℃の温度で乾燥される。これによ
って本発明の金属板貼合せ用積層フィルムを得ることが
できる。得られた金属板貼合せ用積層フィルムには、積
層フィルム形成直後に金属板を貼合せることもできる
が、通常、金属板貼合せ用積層フィルムはコイル状に巻
き取られ、金属板に貼合せを行う使用時まで保管され
る。
【0044】本発明のPETラミネート金属板は、上記
のようにして得られた金属板貼合せ用積層フィルムの接
着剤層表面に金属板を貼合せることによって得ることが
できる。
【0045】上記の貼合せに使用される金属板として
は、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼
板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、亜
鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金
メッキ鋼板、ニッケル−錫合金メッキ鋼板、ブリキ、ク
ロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ターンメッ
キ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、ステンレススチール、テ
ィンフリースチール、アルミニウム板、銅板、チタン板
などの金属板素材;これらの金属板素材に化成処理、例
えば、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化膜処理
などを行った化成処理金属板;これらの金属板素材又は
化成処理金属板の表面にホワイトコートなどのプライマ
ー層を形成したプライマー塗装金属板などの塗装金属板
を挙げることができる。また、本発明において、「金属
板」としては、上記金属板素材、化成処理金属板又はプ
ライマー塗装金属板などの平板状の金属板が、例えば缶
胴などに成型加工された加工金属板も包含するものとす
る。
【0046】前記金属板貼合せ用積層フィルムの接着剤
層表面に上記金属板を貼合せる条件は、金属板貼合せ用
積層フィルムが劣化せず、PETフィルムと金属板とが
十分に接着され、良好な外観のPETラミネート金属板
が得られる限り特に限定されるものではない。貼合せ条
件の一例として、例えば、加熱ロールを用い方法や金属
板を予熱する方法などにより加熱圧着時の金属板の温度
を約120〜200℃とし、短時間(通常、2秒以下程
度)で、金属板と金属板貼合せ用積層フィルムとを加熱
圧着してラミネートする方法を挙げることができる。平
板状の金属板を用いる場合には、平板状の金属板の片面
又は両面に金属板貼合せ用積層フィルムを加熱ラミネー
トすることができる。
【0047】上記のようにして得られたPETラミネー
ト金属板の接着剤層は、別途加熱して熱硬化させること
ができるが、場合によってはラミネート後の製缶工程に
おける溶接部の補修塗料塗膜の焼き付け時や、缶内面塗
料膜の焼付け時の加熱などによって熱硬化させることも
できる。上記別途加熱して熱硬化させる場合の焼付け条
件としては、(B)成分であるブロック化ポリイソシア
ネート化合物のブロック剤の解離温度以上で、かつPE
Tフィルムが劣化しない条件、例えば、金属板の最高到
達温度が180〜230℃となるように30〜120秒
間焼付けることが好適である。
【0048】本発明のPETラミネート金属板は、飲料
缶、食缶、雑缶、5ガロン缶などの缶用途やキャップな
どの金属蓋用途に好適に使用され、さらに、魔法ビン、
冷蔵庫外面などの家庭用機器の外面などにも適用でき
る。
【0049】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。
【0050】以下、「部」及び「%」は、いずれも重量
基準によるものとする。
【0051】実施例1 「エリーテルUE3200」(ユニチカ社製、ポリエス
テル樹脂、数平均分子量16,000、Tg65℃、水
酸基価6mgKOH/g)85部、「デュラネートTP
A−B80E」(旭化成社製、固形分約80%のヘキサ
メチレンジイソシアネート系ブロック化ポリイソシアネ
ート化合物液)12.5部(固形分量で10部)、「デ
ュラネートTPA100」(旭化成社製、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物)5部
及び硬化触媒であるジブチル錫ジラウレート0.5部
を、混合溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/
50)中に混合分散させて不揮発分約30%の接着剤溶
液を調整した。
【0052】実施例2 「エリーテルUE3200」85部、「エピコート15
4」(油化シェルエポキシ社製、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂)10部、「デュラネートTPA−B8
0E」12.5部(固形分量で10部)、「デュラネー
トTPA100」5部及びジブチル錫ジラウレート0.
5部を、混合溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=5
0/50)中に混合分散させて不揮発分約30%の接着
剤溶液を調整した。
【0053】実施例3 「エリーテルUE3200」85部、「チタン白JR6
03」(テイカ社製、チタン白)200部、「デュラネ
ートTPA−B80E」12.5部(固形分量で10
部)、「デュラネートTPA100」5部及びジブチル
錫ジラウレート0.5部を、混合溶剤(メチルエチルケ
トン/トルエン=50/50)中に混合分散させて不揮
発分約45%の接着剤溶液を調整した。
【0054】実施例4 「エリーテルUE3200」85部、「サンライトSL
−2000」(竹原化学工業社製、炭酸カルシウム)1
0部、「デュラネートTPA−B80E」12.5部
(固形分量で10部)、「デュラネートTPA100」
5部及びジブチル錫ジラウレート0.5部を、混合溶剤
(メチルエチルケトン/トルエン=50/50)中に混
合分散させて不揮発分約30%の接着剤溶液を調整し
た。
【0055】実施例5 「エリーテルUE3200」85部、「ユニストールR
300」(三井化学社製、固形分約18%のポリオレフ
ィン樹脂微粒子分散液、樹脂微粒子の平均粒子径は約1
0μm)55.6部(固形分量で10部)、「デュラネ
ートTPA−B80E」12.5部(固形分量で10
部)、「デュラネートTPA100」5部及びジブチル
錫ジラウレート0.5部を、混合溶剤(メチルエチルケ
トン/トルエン=50/50)中に混合分散させて不揮
発分約30%の接着剤溶液を調整した。
【0056】実施例6 「エリーテルUE3200」85部、「クローダランS
WL」(クローダ社製、ラノリンワックス)1部、「デ
ュラネートTPA−B80E」12.5部(固形分量で
10部)、「デュラネートTPA100」5部及びジブ
チル錫ジラウレート0.5部を、混合溶剤(メチルエチ
ルケトン/トルエン=50/50)中に混合分散させて
不揮発分約30%の接着剤溶液を調整した。
【0057】比較例1 「エリーテルUE3200」90部、「デュラネートT
PA−B80E」12.5部(固形分量で10部)及び
ジブチル錫ジラウレート0.5部を、混合溶剤(メチル
エチルケトン/トルエン=50/50)中に混合分散さ
せて不揮発分約30%の接着剤溶液を調整した。
【0058】比較例2 「エリーテルUE3200」90部及び「デュラネート
TPA100」10部を、混合溶剤(メチルエチルケト
ン/トルエン=50/50)中に混合分散させて不揮発
分約30%の接着剤溶液を調整した。
【0059】比較例3 「エリーテルUE3200」50部、「デュラネートT
PA100」56.25部(固形分量で45部)、「デ
ュラネートTPA100」5部及びジブチル錫ジラウレ
ート1.0部を、混合溶剤(メチルエチルケトン/トル
エン=50/50)中に混合分散させて不揮発分約30
%の接着剤溶液を調整した。
【0060】比較例4 「エリーテルUE3200」78部、「デュラネートT
PA−B80E」12.5部(固形分量で10部)、
「デュラネートTPA100」12部及びジブチル錫ジ
ラウレート0.5部を、混合溶剤(メチルエチルケトン
/トルエン=50/50)中に混合分散させて不揮発分
約30%の接着剤溶液を調整した。
【0061】比較例5 「エリーテルUE3200」85部、「エピコート15
4」35部、「デュラネートTPA−B80E」12.
5部(固形分量で10部)、「デュラネートTPA10
0」5部及びジブチル錫ジラウレート0.5部を、混合
溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=50/50)中
に混合分散させて不揮発分約30%の接着剤溶液を調整
した。
【0062】上記実施例1〜6及び比較例1〜5で得た
各接着剤溶液について、下記試験方法により耐ブロッキ
ング性、ラミネート適性、ラミネート強度、焼付適性、
加工性、加工後の耐レトルト付着性の試験を行った。試
験結果を後記表1に示す。
【0063】試験方法 耐ブロッキング性:上記実施例1〜6及び比較例1〜5
で得た各接着剤溶液を、厚さ12μmのPETフィルム
のコロナ放電処理面に乾燥膜厚が約5μmとなるように
塗装し、乾燥機にて雰囲気温度120℃で1分間乾燥さ
せた。この乾燥塗膜上に、別のPETフィルムを、無処
理面が該乾燥塗膜面に面するように被せて、10kg/
cm2 の圧力をかけて、温度25℃、湿度60%RHの
室内にて3日間保存した。この貯蔵ラミネートフィルム
を30mm幅に切って、上記別のPETフィルムを乾燥
塗膜面から引張速度500mm/分で180度剥離する
際の剥離強度(g/30mm)を測定し下記基準にて評
価した。 ◎:剥離強度が10g/30mm未満、 ○:剥離強度が10g/30mm以上で20g/30m
m未満、 △:剥離強度が20g/30mm以上で50g/30m
m未満、 ×:剥離強度が50g/30mm以上。
【0064】ラミネート適性:上記耐ブロッキング性試
験に際して作成した貯蔵ラミネートフィルムを用い、該
貯蔵ラミネートフィルムから乾燥塗膜面に被せてあった
別のPETフィルムを剥離し、現れた乾燥塗膜面に板厚
0.2mmのブリキ板をラミネート温度160℃、線圧
50kg、速度200m/分の条件でラミネートして得
たPETラミネート金属板のPETラミネート面の外観
を下記基準にて評価した。 ○:PETラミネート面に異常は認められない、 △:PETラミネート面に僅かにユズ肌が認められる、 ×:PETラミネート面にユズ肌が著しく認められる。
【0065】ラミネート強度:上記ラミネート適性の試
験に際して作成したPETラミネート金属板を15mm
幅に切断し、PETフィルムとブリキ板との引き剥がし
試験を行って剥離のされ難さを下記基準にて評価した。 ○:PETフィルムが剥離しない、 △:PETフィルムの一部が剥離するが途中でPETフ
ィルムが切れる、 ×:PETフィルムの全面が剥離する。
【0066】焼付適性:上記ラミネート適性の試験に際
して作成したPETラミネート金属板を、金属板の到達
最高温度が200℃となる条件で1分間焼付けた時のラ
ミネート面の外観を下記基準にて評価した。 ○:PETラミネート面に異常は認められない、 △:PETラミネート面に僅かにユズ肌が認められる、 ×:PETラミネート面にユズ肌が著しく認められる。
【0067】加工性:上記焼付適性の試験に使用した焼
付後のPETラミネート金属板を、200エンド加工機
(缶蓋加工機)にてブリキ板側を上にしてプレス加工し
てなる缶蓋周辺部におけるPETフィルムの剥離状態を
下記基準にて評価した。 ○:PETフィルムの剥離が認められない、 △:周辺部のPETフィルムの一部が剥離する、 ×:周辺部のPETフィルムが全周にわたって剥離す
る。
【0068】加工後の耐レトルト付着性:上記加工性の
試験に際して作成した缶蓋を125℃で30分間水蒸気
中でレトルト処理したときのPETフィルムの剥離状態
を下記基準にて評価した。 ○:PETフィルムの剥離が認められない、 △:周辺部のPETフィルムの一部が剥離する、 ×:周辺部のPETフィルムが全周にわたって剥離す
る。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明接着剤を使用することによって、
金属板とPETフィルムとの密着性が良好で、かつ加工
性、耐レトルト性などの性能の良好なPETラミネート
金属板を製造することができるので、本発明の接着剤を
使用したPETラミネート金属板は、缶蓋、缶内外面な
どの缶用途に好適に使用することができる。しかもこの
接着剤による接着剤層を有するPETフィルムは金属板
にラミネートするのに長期間の使用期限を有することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 11/08 C09J 11/08 // C08G 18/42 C08G 18/42 Z 18/80 18/80 (C09J 175/06 163:00) (72)発明者 朝倉 信 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量が1,000〜4
    0,000であり、ガラス転移温度が0〜100℃であ
    る水酸基含有ポリエステル樹脂 50〜95重量部、
    (B)ブロック化ポリイソシアネート化合物 1〜40
    重量部、及び(C)非ブロック化ポリイソシアネート化
    合物 0.1〜10重量部、を含有し、(A)、(B)
    及び(C)の各成分の合計量が100重量部であること
    を特徴とするポリエステルフィルム貼合せ金属板用接着
    剤。
  2. 【請求項2】 さらに、(D)エポキシ樹脂を、前記
    (A)、(B)及び(C)の各成分の合計量100重量
    部あたり30重量部以下の量含有することを特徴とする
    請求項1記載の接着剤。
  3. 【請求項3】 さらに、ブロッキング防止剤を、前記
    (A)、(B)及び(C)の各成分の合計量100重量
    部あたり60重量部以下の量含有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の接着剤。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフィルム、該ポリエステル
    フィルム上に形成されたインキ層、該インキ層上に形成
    された接着剤層からなる積層フィルムであって、該接着
    剤層が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤を
    塗布、乾燥してなる層であることを特徴とする金属板貼
    合せ用積層フィルム。
  5. 【請求項5】 金属板の片面又は両面に、請求項4記載
    の金属板貼合せ用積層フィルムを貼合せ、熱圧着してな
    るポリエステルフィルム貼合せ金属板。
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