JP2002256246A - 熱硬化型接着剤 - Google Patents

熱硬化型接着剤

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JP2002256246A
JP2002256246A JP2001053255A JP2001053255A JP2002256246A JP 2002256246 A JP2002256246 A JP 2002256246A JP 2001053255 A JP2001053255 A JP 2001053255A JP 2001053255 A JP2001053255 A JP 2001053255A JP 2002256246 A JP2002256246 A JP 2002256246A
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thermosetting adhesive
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polyester film
film
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JP2001053255A
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Seiji Takami
誠司 高見
Takashi Kojima
敬 児島
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】強度と加工性のバランス及び素材との密着性に
優れたポリエステルフィルムラミネート缶用の熱硬化型
接着剤を提供すること。 【解決手段】(A)ビスフェノール(ポリ)アルキレン
グリコールエーテル化合物をポリエステル樹脂を構成す
る多価アルコール成分中15モル%以上含有する水酸基
含有ポリエステル樹脂及び(B)ブロック化ポリイソシ
アネート化合物を含有することを特徴とするポリエステ
ルフィルムラミネート金属缶用熱硬化型接着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルフィ
ルムラミネート缶用熱硬化型接着剤及びこの接着剤を用
いたポリエステルフィルムラミネート缶の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来、フィルムラミネー
ト缶は、例えば、接着剤をポリエステル(PET)フィ
ルムなどのプラスチックフィルムの接着面にロールコー
タにて塗布し、このものを鋼板などの金属板に貼り合わ
せた後、缶に成型加工する方法か、又は直接成型加工さ
れた缶に貼り合わせる方法などによって製造されてお
り、そこに用いられるフィルムラミネート用の接着剤と
しては、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系などの接
着剤が知られている。
【0003】ポリエステルフィルムラミネート缶は、通
常、予めポリエステルフィルムに接着剤を塗付し、加熱
などにより接着剤中の溶剤を揮散させ、かつ接着剤層を
硬化させない程度に乾燥させた後、コイル状に巻き取っ
た接着剤層を有するポリエステルフィルムを、成型缶又
は金属板に貼り合わせて加熱硬化することによって得る
ことができる。
【0004】ここで、加熱硬化した接着剤は十分な強度
を持っていることが必要であるが、缶用素材およびポリ
エステルフィルムとの密着性および接着剤自身の加工性
が十分でないと、ラミネート後にネックフランジ加工を
施した部分などがその後の加熱殺菌処理等によって剥離
するという問題が生じる。接着剤自身の加工性という点
ではポリエステル樹脂を用いたものが有利であるが、接
着剤の強度とのバランス、素材との密着性という点では
十分とはいえなかった。
【0005】本発明の目的は、強度と加工性のバランス
及び素材との密着性に優れたポリエステルフィルムラミ
ネート缶用の熱硬化型接着剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記した状
況に鑑み、ポリエステル樹脂系接着剤の加工性及び密着
性を向上させる方法について鋭意研究を行った。その結
果、今回、ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール
成分としてビスフェノール骨格を有する特定のジオール
を用いることにより、上記の目的が達成できることを見
出し、本発明を完成した。かくして、本発明は、(A)
下記式(1)の構造を有するビスフェノール(ポリ)ア
ルキレングリコールエーテル化合物をポリエステル樹脂
を構成する多価アルコール成分中15モル%以上含有す
る水酸基含有ポリエステル樹脂及び(B)ブロック化ポ
リイソシアネート化合物を含有することを特徴とするポ
リエステルフィルムラミネート金属缶用熱硬化型接着剤
を提供するものである。
【0007】
【化3】
【0008】式中R及びRは独立に水素原子又はメ
チル基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示
し、nは1〜10の整数を示す。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0010】本発明の接着剤は、水酸基含有ポリエステ
ル樹脂(A)及びブロック化ポリイソシアネート化合物
(B)を含有するラミネート缶用熱硬化型接着剤であ
る。
【0011】水酸基含有ポリエステル樹脂(A) 本発明接着剤における(A)成分である水酸基含有ポリ
エステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分と
のエステル化物からなるものであり、該多価アルコール
成分中下記式(1)に示すビスフェノール(ポリ)アル
キレングリコールエーテル化合物を15モル%以上、好
ましくは20〜60モル%の範囲内で含有するものであ
る。ビスフェノール(ポリ)アルキレングリコールエー
テル化合物の水酸基価としては100〜450、好まし
くは200〜350mgKOH/gのものが反応性など
の点で適している。
【0012】
【化4】
【0013】式中R及びRは独立に水素原子又はメ
チル基を示し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示
し、nは1〜10の整数を示す。
【0014】その中でもR及びRがメチル基、R
がエチレン基、nが1〜4の範囲である下記式(2)に
示すビスフェノールAポリエチレングリコールエーテル
が硬度と加工性のバランスの点で好適である。
【0015】
【化5】
【0016】上記、式(1)のビスフェノール(ポリ)
アルキレングリコールエーテル化合物と併用することが
できる多価アルコール成分としては、例えばエチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、3−メチルペンタンジオール、1,4−ヘキサンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ジメチロ
ールシクロヘキサンなどの二価アルコールが主に用いら
れ、さらに必要に応じてグリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
などの3価以上の多価アルコールを併用することができ
る。これらの多価アルコールは単独で、あるいは2種以
上を混合して使用することができる。
【0017】多塩基酸成分としては、例えば無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロイソ
フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマ
ル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水マレイン酸などか
ら選ばれる1種以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級ア
ルキルエステル化物が主として用いられ、必要に応じて
安息香酸、クロトン酸、p−t−ブチル安息香酸などの
一塩基酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセン
トリカルボン酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の
多塩基酸などが併用される。両成分のエステル化又はエ
ステル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うこ
とができる。
【0018】上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、数平
均分子量が4,000〜40,000の範囲内にあり、
水酸基価が3〜50mgKOH/gの範囲内にあること
が好適である。
【0019】ブロック化ポリイソシアネート化合物
(B) 本発明接着剤における(B)成分であるブロック化ポリ
イソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物の
イソシアネート基をブロック化剤でブロック化してなる
ものである。
【0020】上記ポリイソシアネート化合物としては、
例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートな
どの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチル
シクロヘキサン−2,4(または2,6)−ジイソシア
ネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソ
シアネート)、1,3−(イソシアネートメチル)シク
ロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート類;トリ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソ
シアネート類;リジントリイソシアネートなどの3価以
上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイソシアネ
ートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネー
トと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしく
は水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソ
シアネート同志の環化重合体(例えば、イソシアヌレー
ト)、ビウレット型付加物などが挙げられる。これら
は、1種で又は2種以上混合して使用することができ
る。上記ブロック化剤としては、例えばフェノール、ク
レゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプ
ロラクタム;δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタ
ム、β−プロピオラクタムなどラクタム系;メタノー
ル、エタノール、n−又はi−プロピルアルコール、n
−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコー
ル系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセ
トキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオ
キシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキ
シムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエ
チル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチル
アセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好
適に使用することができる。上記ポリイソシアネート化
合物と上記ブロック化剤とを混合することによって容易
にポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化
することができる。
【0021】イソシアネート基をブロック化することに
より他の樹脂との反応が抑えられ、1液でも安定な接着
剤を得ることができるが、比較的低温で硬化させる必要
がある場合など2液型で使用する場合にはブロック化さ
れていないポリイソシアネート化合物を使用することが
できる。
【0022】本発明接着剤において、ブロック化ポリイ
ソシアネート化合物(B)の配合割合は、水酸基含有ポ
リエステル樹脂(A)100重量部に対して、5〜10
0重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲内にある
ことが好適である。
【0023】本発明の接着剤は、上記水酸基含有ポリエ
ステル樹脂(A)とブロック化ポリイソシアネート化合
物(B)とを必須成分とするものであり、このものから
なることができるが、接着剤の塗装作業性を良くするな
どの目的で、通常、有機溶剤が配合され、さらに必要に
応じて、例えば、硬化触媒、ブロッキング防止剤、着色
顔料、潤滑性付与剤、シランカップリング剤、消泡剤、
静電防止剤などを適宜配合することができる。
【0024】上記有機溶剤としては接着剤成分を溶解な
いしは分散できるもの、例えば、トルエン、キシレン、
ソルベッソ#150(エッソ石油社製、高沸点炭化水素
系石油溶剤)などの炭化水素系溶剤、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
ト、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
などのエステル系溶剤などを挙げることができ、これら
の1種以上を適宜選定して使用することができる。
【0025】前記硬化触媒は、水酸基含有ポリエステル
樹脂(A)とブロック化ポリイソシアネート化合物
(B)との反応の促進を目的に配合されるものであり、
例えば、オクチル酸錫、、ジブチル錫ジ(2−エチルヘ
キサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノ
エート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサ
イド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸
鉛などの有機金属触媒などが好適に使用される。硬化触
媒を配合する場合には、その配合量は、上記(A)成分
と(B)成分との合計100重量部に対し、通常、0.
01〜5重量部の範囲内が好適である。
【0026】前記ブロッキング防止剤は、接着剤をPE
Tフィルムに塗布、乾燥してなる金属板貼合せ用積層フ
ィルムをコイル状に巻き取った後、このコイルを解く際
に、接着剤層と接着剤を塗布していないPETフィルム
の非塗装面との間が付着してブロッキングを起してコイ
ルを解くことができなくなったり、コイルを解けても接
着剤がPETフィルム表面に付着することがないように
するために必要に応じて配合されるものである。
【0027】上記ブロッキング防止剤としては、例え
ば、シリカ微粉末、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タ
ルク、マイカ、クレーなどの体質顔料;ポリエチレン微
粒子、酸変性ポリエチレン微粒子、マレイン化ポリプロ
ピレン微粒子、ポリプロピレン微粒子などのポリオレフ
ィン微粒子、ナイロン微粒子、アクリル樹脂微粒子、シ
リコンゴム微粒子、ウレタン樹脂微粒子、フェノール樹
脂微粒子、ポリ四弗化エチレン微粒子などの有機樹脂微
粒子などを挙げることができる。上記有機樹脂微粒子
は、平均粒子径が0.1〜40μm、好ましくは1〜1
0μmの範囲内であり、軟化点が100℃以上であるこ
とが好適であり、樹脂種としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ナイロンが特に好適である。
【0028】上記ブロッキング防止剤を配合する場合、
その配合量は、前記(A)成分と(B)成分との合計1
00重量部当たり、通常、0.1〜50重量部の範囲内
であって、なかでもブロッキング防止剤が、体質顔料で
ある場合には、10〜50重量部、さらには10〜40
重量部の範囲内であることが好ましく、ブロッキング防
止剤が、有機樹脂微粒子である場合には、0.1〜30
重量部、さらには1〜20重量部の範囲内であることが
好適である。ブロッキング防止剤の配合量が多くなり過
ぎると接着剤層の熱軟化性が低下してPETフィルムの
接着剤と金属板との接着力が低下してラミネートできな
くなったり、ラミネートしたPETラミネート金属板又
はこれを加工したものをレトルト処理した時にPETフ
ィルムが金属板から剥離しやすくなる。
【0029】前記着色顔料としては、酸化チタンなどの
白色顔料、その他有彩色顔料、アルミニウム粉末などの
光輝性顔料などを挙げることができる。PETラミネー
ト金属板が缶外面に使用される場合には、通常、多色印
刷が施され、印刷インキ層の下に着色層(通常、ホワイ
トコート)が必要であるが、着色顔料、なかでも白色顔
料を配合した接着剤を使用すれば、ホワイトコートを兼
ねることができ、缶の製造工程を一工程省略することが
でき非常に有利である。着色顔料の配合量は接着剤層の
性能を損なわない範囲内であれば特に制限されるもので
はないが、前記(A)成分と(B)成分との合計100
重量部当たり、通常、300重量部以下の量的範囲で配
合することができ、白色顔料の場合は、通常、50〜3
00重量部、好ましくは100〜250重量部の範囲内
であることが好適である。
【0030】前記潤滑性付与剤は、接着剤表面に潤滑性
を付与するために配合されるものであり、接着剤を塗布
した金属板貼合せ用積層フィルムをコイル状に円滑に巻
き取るため、また、このコイルを解くときの接着剤層表
面の傷付きを防止するためなどの目的で配合されるもの
である。潤滑性付与剤としては、例えば、脂肪酸エステ
ルワックス;ポリエチレンワックスなどのポリオレフィ
ンワックス;ラノリン、蜜ろうなどの動物系ワックス;
カルナウバワックス、水ろうなどの植物系ワックス;マ
イクロクリスタリンワックス、シリコン系ワックス、フ
ッ素系ワックスなどのワックス類を挙げることができ
る。潤滑性付与剤を配合する場合には、その配合量は、
前記(A)及び(B)成分の合計100重量部当り、通
常、0.01〜10重量部の範囲内が好適である。
【0031】本発明接着剤は、ポリエステルフィルムラ
ミネート缶製造のための接着剤として特に好適である。
【0032】上記ポリエステルフィルム貼合せラミネー
ト金属板は、金属板の片面又は両面に、該接着剤層を介
して、インキ層を有していてもよいポリエステルフィル
ムが積層されたものである。接着剤層は最終製品の段階
では硬化されていることが必要であるが、ポリエステル
フィルム貼合せ金属板の段階では、接着剤層は熱硬化さ
れていてもされていなくてもよい。
【0033】次に本発明のポリエステルフィルム貼合せ
金属板の製造方法について詳細に説明する。
【0034】本発明のポリエステルフィルム貼合せ金属
板の製造方法は、(1)インキ層を有していてもよいポ
リエステルフィルム上に、上記本発明の熱硬化型接着剤
を塗布、乾燥させる工程、(2)乾燥された接着剤層を
有するポリエステルフィルムをコイル状に巻き取る工
程、及び(3)コイル状に巻き取られた接着剤層を有す
るポリエステルフィルムのコイルを解いて、金属板の片
面又は両面にポリエステルフィルムの接着剤層面が接面
するように合わせて熱圧着する工程、を有するものであ
る。
【0035】上記工程(1)におけるインキ層を有して
いてもよいポリエステルフィルムは、インキ層を有しな
いポリエステルフィルムそのものであっても、ポリエス
テルフィルム上にインキ層を形成したものであってもよ
い。
【0036】上記ポリエステルフィルムとしては、エス
テル反復単位の75〜100%がエチレンテレフタレー
ト単位からなるものが好適である。エチレンテレフタレ
ート単位以外のエステル単位の酸成分としては、フタル
酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸などを挙げる
ことができる。ポリエステルフィルムは、インキや接着
剤との付着性を向上させるために、その表面にコロナ放
電処理等の表面処理が施されたものであってもよく、表
面処理が施されたものが好ましい。ポリエステルフィル
ムの膜厚は、特に限定されるものではないが、通常、5
〜30μm程度の膜厚のものが好適に使用される。
【0037】ポリエステルフィルム上にインキ層を形成
する場合、インキ層を形成するインキとしては、ポリエ
ステルフィルム用のインキが使用でき、熱硬化型、活性
光線硬化型のいずれのインキであってもよい。インキの
塗布は、1色でも、2色以上のインキを塗り重ねてもよ
い。
【0038】インキ層は、上記ポリエステルフィルム上
に、例えばグラビア印刷法などによりインキを印刷し、
必要に応じて、加熱、活性光線照射などによって溶剤の
除去や硬化を行うことによって形成することができる。
【0039】ポリエステルフィルム上(ポリエステルフ
ィルムがインキ層を有する場合は、通常、インキ層面
上)に、本発明の接着剤を塗布、乾燥して表面粘着性の
ない接着剤層を形成することによって金属板貼合せ用積
層フィルムを得ることができる。
【0040】ポリエステルフィルム上への本発明の接着
剤の塗布は、ロールコータ方式、ダイコータ方式、グラ
ビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗装方式
など、それ自体既知の塗装手段にて、通常、乾燥膜厚が
0.3〜15μm程度となるように行われ、ついで接着
剤層の溶剤を揮散、除去させるなどのため、通常、例え
ば50〜180℃の温度で乾燥される。
【0041】工程(2)において、工程(1)にて得ら
れた接着剤層を有するポリエステルフィルム(金属板貼
合せ用積層フィルム)は、コイル状に巻き取られる。こ
のコイルは金属板に貼合せを行う使用時まで保管され
る。
【0042】工程(3)において、工程(2)にて得ら
れた金属板貼合せ用積層フィルムのコイルが解かれ金属
板に貼合せられる。
【0043】上記の貼合せに使用される金属板として
は、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼
板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、亜
鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金
メッキ鋼板、ニッケル−錫合金メッキ鋼板、ブリキ、ク
ロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ターンメッ
キ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、ステンレススチール、テ
ィンフリースチール、アルミニウム板、銅板、チタン板
などの金属板素材;これらの金属板素材に化成処理、例
えば、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化膜処理
などを行った化成処理金属板;これらの金属板素材又は
化成処理金属板の表面にホワイトコートなどのプライマ
ー層を形成したプライマー塗装金属板などの塗装金属板
を挙げることができる。また、本発明において、「金属
板」としては、上記金属板素材、化成処理金属板又はプ
ライマー塗装金属板などの平板状の金属板が、例えば缶
胴などに成型加工された加工金属板も包含するものとす
る。
【0044】前記金属板貼合せ用積層フィルムの接着剤
層表面に上記金属板を貼合せる条件は、金属板貼合せ用
積層フィルムが劣化せず、ポリエステルフィルムと金属
板とが十分に接着され、良好な外観のポリエステルフィ
ルムラミネート金属板(以下、「ラミネート金属板」と
略称することがある)が得られる限り特に限定されるも
のではない。貼合せ条件の一例として、例えば、加熱ロ
ールを用いる方法や金属板を予熱する方法などにより熱
圧着時の金属板の温度を約120〜200℃とし、短時
間(通常、2秒以下程度)で、金属板と金属板貼合せ用
積層フィルムとを熱圧着してラミネートする方法を挙げ
ることができる。平板状の金属板を用いる場合には、平
板状の金属板の片面又は両面に金属板貼合せ用積層フィ
ルムを加熱ラミネートすることができる。
【0045】上記のようにして得られるラミネート金属
板の接着剤層は、必要に応じて、さらに熱硬化される
が、平板状などのラミネート金属板を加工する前に行っ
てもよいし、加工後に行ってもよい。もちろん、ラミネ
ート金属板が目的とする形状である場合には、ラミネー
ト金属板を加工しなくてもよい。
【0046】本発明のPETラミネート金属板は、飲料
缶、食缶、雑缶、5ガロン缶などの缶用途やキャップな
どの金属蓋用途に好適に使用され、さらに、魔法ビン、
冷蔵庫外面などの家庭用機器の外面などにも適用でき
る。
【0047】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」
はいずれも重量基準によるものとする。
【0048】合成例1 温度計、撹拌機、加熱装置及び精留塔を具備した反応装
置に、エチレングリコール30.5モル、ネオペンチル
グリコール9モル、1,4−ブタンジオール10.5モ
ル、BA−4(ビスフェノールAポリエチレングリコー
ルエーテル、日本乳化剤社製、水酸基価約280)50
モル、テレフタル酸30モル、イソフタル酸36モル、
アジピン酸15モルを配合し、さらに還流用のキシレン
少量を加え、250℃まで徐々に加熱し同温度に5時間
保持して、脱水しながらエステル化反応を行い、数平均
分子量約20,000、水酸基価約4mgKOH/gの
ポリエステル樹脂(A1)を得た。
【0049】合成例2〜6 合成例1と同様にして表1に示す配合にて合成を行い、
ポリエステル樹脂A2〜A6を得た。
【0050】
【表1】
【0051】*BPF−4:ビスフェノールFポリエチ
レングリコールエーテル、日本乳化剤社製、水酸基価約
300。
【0052】接着剤の製造 実施例1 合成例1で得たポリエステル樹脂(A1)80部に、チ
タン白200部、メチルエチルケトオキシムでブロック
化されたヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌ
レート溶液26.7部(有効成分量で20部)、ジブチ
ル錫ジラウレート0.5部、トルエン222部及びメチ
ルエチルケトン222部を配合し、十分に混合して接着
剤を得た。
【0053】実施例2〜6及び比較例1〜3 実施例1において、配合組成をそれぞれ後記表2に示す
とおりとする以外は実施例1と同様に行い各接着剤を得
た。
【0054】試験用PETラミネート金属板の製造 上記実施例1〜6及び比較例1〜3で得た各接着剤を、
厚さ12μm、幅100mmのPETフィルムのコロナ
放電処理面に乾燥塗膜重量が1.5g/mとなるよう
に塗装し、溶剤を蒸発乾燥後、PETフィルムの接着剤
層面を190℃に予熱したティンフリースチール板と重
ね、190℃の熱ロールを用いて圧力40kg/c
、速度100m/分にて熱圧着した。その後、19
0℃で10分間焼付けを行い、各PETラミネート金属
板を得た。得られた各PETラミネート金属板について
下記試験方法にて各種試験を行った。その試験結果を後
記表2に示す。
【0055】試験方法 外観:PETラミネート金属板のPETフィルム面側の
外観(気泡、皺の発生等)を目視にて下記基準により評
価した。 ○:気泡、皺の発生がなく良好な外観である。 △:気泡、皺の発生がわずかにみられ、やや不良であ
る。 ×:気泡、皺の発生が多くみられ、不良である。
【0056】密着性:PETラミネート金属板を、12
5℃で30分間レトルト処理前後について、JIS K
−5400 8.5.2(1990)に準じて、該PE
Tラミネート金属板のPETフィルム面に、ナイフで金
属表面に達する切目を入れて1mm×1mmのマス目を
100個作成し、その表面にセロハン粘着テープを貼着
し、瞬時に剥離したときに剥離せずに残ったマス目の数
を記録する。
【0057】加工性:PETラミネート金属板のPET
フィルム面に、ナイフで金属表面に達するクロスカット
を入れ、切り込みの交点を裏側からエリクセン試験機を
用いて6mm押出し、押出し部のPETフィルムの接着
状態を下記基準により評価した。 ○:PETフィルムが剥離しない。 ×:PETフィルムがクロスカットの交点から剥離す
る。
【0058】レトルト処理後の加工性:上記加工性の試
験を行った試験片を125℃で30分間レトルト処理
し、PETフィルムの接着状態を下記基準により評価し
た。 ○:PETフィルムが剥離しない。 △:PETフィルムがクロスカットの交点から剥離する
が、押出し部以外では剥離は認められない。 ×:PETフィルムがクロスカットの交点から剥離し、
また、押出し部以外でも剥離が認められる。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明の接着剤は強度と加工性のバラン
ス及び素材との密着性に優れ、ポリエステルフィルムラ
ミネート缶用の熱硬化型接着剤として適したものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 AA06 BA07 BA08 BA09 BB08 GA02 3E061 AA15 AB13 DB01 DB06 4J040 EF111 EF331 JB02 KA35 MA02 MA10 MB03 NA06 NA08 PA28 PA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式(1)の構造を有するビス
    フェノール(ポリ)アルキレングリコールエーテル化合
    物をポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分中
    15モル%以上含有する水酸基含有ポリエステル樹脂及
    び(B)ブロック化ポリイソシアネート化合物を含有す
    ることを特徴とするポリエステルフィルムラミネート金
    属缶用熱硬化型接着剤。 【化1】 式中R及びRは独立に水素原子又はメチル基を示
    し、Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、nは1
    〜10の整数を示す。
  2. 【請求項2】 上記式(1)に示す化合物が下記式
    (2)に示す化合物である請求項1記載の熱硬化型接着
    剤。 【化2】
  3. 【請求項3】 さらに、白色顔料を、ポリエステル樹脂
    (A)及びブロック化ポリイソシアネート化合物(B)
    の合計量100重量部に基づいて50〜300重量部含
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の熱硬化型
    接着剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    硬化型接着剤を、ポリエステルフィルムと缶成型前の金
    属板又は成型済みの缶との間に挟み込み、ついで加熱し
    て接着剤を硬化させることを特徴とするポリエステルフ
    ィルムラミネート缶の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009034924A1 (ja) * 2007-09-10 2009-03-19 Bando Chemical Industries, Ltd. 磁気粘性研磨用スラリー組成物
JP2016068968A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 昭和電工パッケージング株式会社 ラミネート外装材の製造方法
JP2019099629A (ja) * 2017-11-30 2019-06-24 東洋インキScホールディングス株式会社 白色接着剤組成物、および積層体

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