JP2001254047A - オーバーコート組成物 - Google Patents

オーバーコート組成物

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JP2001254047A
JP2001254047A JP2000065666A JP2000065666A JP2001254047A JP 2001254047 A JP2001254047 A JP 2001254047A JP 2000065666 A JP2000065666 A JP 2000065666A JP 2000065666 A JP2000065666 A JP 2000065666A JP 2001254047 A JP2001254047 A JP 2001254047A
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Japan
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weight
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film
polyester resin
overcoat
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JP2000065666A
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English (en)
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Hideo Yokoi
英生 横井
Takashi Inomata
敬司 猪股
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐傷付性、フィルム巻取り時の耐ブロッキン
グ性、ヒートシールによる接着性の優れたオーバーコー
トを形成できるオーバーコート組成物を得る。 【解決手段】 (A)数平均分子量が1,000〜2
0,000、酸価が10〜170のカルボキシル基含有
ポリエステル樹脂、(B)エポキシ当量が150〜2,
200のエポキシ樹脂及び(C)変性シリコンを含有
し、該ポリエステル樹脂(A)と該エポキシ樹脂(B)
との配合割合が、(A)中のカルボキシル基と(B)中
のエポキシ基との当量比で、0.5〜2.0である、プ
ラスチックフィルム用オーバーコート組成物、該オーバ
ーコート組成物の塗膜が、プラスチックフィルムの片面
に形成され、且つ該フィルムのもう一方の面に、ポリイ
ソシアネート化合物を含有接着剤層が形成されてなる接
着用積層フィルム、及び該積層フィルムを包装材表面に
熱圧着するラミネートフィルム被覆包装材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶などの包装材を
被覆する積層フィルム用オーバーコート組成物、この組
成物からのオーバーコートが形成された接着用積層フィ
ルム、及びこの接着用積層フィルムを用いた積層フィル
ム被覆包装材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
缶などの包装材を被覆する方法として、塗料を塗装する
方法以外に、ポリエチレンテレフタレートフィルムなど
のプラスチックスフィルムを缶表面に接着、ラミネート
する方法が多用されてきている。
【0003】プラスチックスフィルムをラミネートした
2ピース缶を製造する場合には、通常、缶に成形後に該
フィルムがラミネートされる。プラスチックスフィルム
には、耐傷付性を付与するためにオーバーコートが塗装
されることが一般的に行われており、このオーバーコー
トは、耐傷付性、フィルム巻き取り時の耐ブロッキング
性の点から、通常、滑りの良い低表面張力の塗膜であ
る。
【0004】缶などの包装材にプラスチックスフィルム
をラミネートする場合、接着剤を介してヒートシールに
より缶などにラミネートされるが、フィルムが重なり合
うラップ部が生じる。このラップ部において、オーバー
コート塗装面と接着剤とはヒートシールしても接着力が
低く良好なラミネートが行えないので、この対策とし
て、ラップ部はオーバーコートを未塗装(マージン)に
して、ラップ部となる未塗装フィルム部と接着剤とを接
着させることが行われている。
【0005】しかしながら、プラスチックスフィルム
に、未塗装部(マージン部)を有するオーバーコートを
形成する場合、マージンを切ったロールでオーバーコー
トを塗装するが、塗装位置がずれることなどにより、マ
ージンにオーバーコートが付着するとラップ部の接着不
良が生じといった問題があり、また、塗装位置にずれに
よる印刷のずれが生じやすく、生産効率が悪いといった
問題がある。
【0006】本発明の目的は、耐傷付性、フィルム巻き
取り時の耐ブロッキング性に優れ、しかもフィルムにマ
ージン部を設ける必要のない、接着剤に対してヒートシ
ールによる接着性の優れたオーバーコートを形成できる
オーバーコート組成物、オーバーコートを有しヒートシ
ールによる接着性の優れた接着用積層フィルム、この積
層フィルムを用いた積層フィルム被覆包装材の製造方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】オーバーコートには、耐
傷付性、フィルム巻き取り時の耐ブロッキング性が要求
され、これらの性能と接着剤との接着性は一般に相反す
る性能であり、これらを両立することができるオーバー
コートは、これまで見出されていなかった。
【0008】本発明者らは、カルボキシル基含有ポリエ
ステル樹脂とエポキシ樹脂を樹脂成分とし添加剤として
変性シリコンを使用したオーバーコート組成物を使用す
ることにより上記目的を達成することができることを見
出し本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、(A)数平均分子量が
1,000〜20,000の範囲内にあり且つ酸価が1
0〜170mgKOH/gの範囲内にあるカルボキシル
基含有ポリエステル樹脂、(B)エポキシ当量が150
〜2,200の範囲内にあるエポキシ樹脂及び(C)変
性シリコンを含有する組成物であって、該ポリエステル
樹脂(A)と該エポキシ樹脂(B)との配合割合が、ポ
リエステル樹脂(A)中のカルボキシル基とエポキシ樹
脂(B)中のエポキシ基との当量比で、前者/後者=
0.5〜2.0となる範囲内であることを特徴とする、
プラスチックフィルム用オーバーコート組成物を提供す
るものである。
【0010】また、本発明は、上記オーバーコート組成
物の塗膜が、プラスチックフィルムの片面(第1面)に
形成され、且つ該フィルムのもう一方の面(第2面)
に、必要に応じて印刷インキ層を介して、ポリイソシア
ネート化合物を樹脂成分100重量部中に1〜50重量
部含有する接着剤からの接着剤層が形成されてなる接着
用積層フィルムを提供するものである。
【0011】さらに、本発明は、積層フィルムを、該積
層フィルムの接着剤層が包装材の表面に面するように、
包装材表面に熱圧着することを特徴とする積層フィルム
被覆包装材の製造方法を提供するものである。以下、本
発明について詳細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明に使用するオーバー
コート組成物について以下に説明する。本発明における
オーバーコート組成物は、カルボキシル基含有ポリエス
テル樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び変性シリコン
(C)を必須成分として含有する。
【0013】カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(A) 本発明組成物の(A)成分であるカルボキシル基含有ポ
リエステル樹脂は、多塩基酸成分と多価アルコール成分
とのエステル化物からなり、カルボキシル基を樹脂中に
含有する。
【0014】カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(A)は、例えば、下記(1)又は(2)の方法によっ
て得ることができる。 (1)多塩基酸成分と多価アルコール成分とをカルボキ
シル基が水酸基に対して過剰となる条件下でエステル化
反応させる方法、 (2)多塩基酸成分と多価アルコール成分とをカルボキ
シル基に対して水酸基が過剰となる条件下で反応させて
なるポリエステルポリオールに、カルボン酸無水物を反
応させてカルボキシル基を導入する方法。
【0015】上記ポリエステル樹脂(A)を構成する多
塩基酸成分としては、例えば無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸、コハク酸、フマル酸、アジピン
酸、セバシン酸、無水マレイン酸などから選ばれる1種
以上の二塩基酸及びこれらの酸の低級アルキルエステル
化物が主として用いられ、必要に応じて安息香酸、クロ
トン酸、p−t−ブチル安息香酸などの一塩基酸、無水
トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン
酸、無水ピロメリット酸などの3価以上の多塩基酸など
が併用される。
【0016】また、上記ポリエステル樹脂(A)を構成
する多価アルコール成分としては、例えばエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、3−メチルペンタンジオ
ール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジ
オールなどの二価アルコールが主に用いられ、さらに必
要に応じてグリセリン、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの3価以
上の多価アルコールを併用することができる。これらの
多価アルコールは単独で、あるいは2種以上を混合して
使用することができる。両成分のエステル化又はエステ
ル交換反応は、それ自体既知の方法によって行うことが
できる。
【0017】上記(1)の方法においては、上記多塩基
酸成分と上記多価アルコール成分とをカルボキシル基が
水酸基に対して過剰となる条件下で、常法により直接エ
ステル化法又はエステル交換法によってカルボキシル基
含有ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。この
際に、多塩基酸成分と上記多価アルコール成分の合計に
基づいて3官能以上の成分の割合が、12モル%以下、
好ましくは5モル%以下であることが加工性などの点か
ら好適である。
【0018】上記(2)の方法においては、上記多塩基
酸成分と上記多価アルコール成分とをカルボキシル基に
対して水酸基が過剰となる条件下で、常法により直接エ
ステル化法又はエステル交換法により反応させることに
よってポリエステルポリオールを得る。このポリエステ
ルポリオール製造の際に、多塩基酸成分と上記多価アル
コール成分の合計に基づいて3官能以上の成分の割合
が、12モル%以下、好ましくは5モル%以下であるこ
とが加工性などの点から好適である。得られたポリエス
テルポリオールに、カルボン酸無水物を反応させること
によってカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)を
得ることができる。ポリエステルポリオールに反応させ
るカルボン酸無水物としては、無水フタル酸、無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無
水トリメリット酸などを挙げることができる。
【0019】上記(1)、(2)の方法において、直接
エステル化法又はエステル交換法による反応は、加圧又
は減圧操作、あるいは不活性ガスを流入させて反応を促
進させることもできる。さらに反応の際にジ−n−ブチ
ル錫オキサイドなどの有機金属触媒などをエステル化触
媒として使用することができる。また工業的には、通
常、直接エステル化法が有利に使用され、加圧せずに反
応を行う際にはエステル交換法が有利に使用されるが、
条件などに応じ適宜行うことができる。上記(1)、
(2)の方法のうち、なかでも(2)の方法が分子量や
酸価の調節のしやすさなどの点から好適である。
【0020】カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(A)は、加工性、耐食性、硬化性などの点から数平均
分子量が1,000〜20,000、好ましくは2,0
00〜10,000、酸価が10〜170mgKOH/
g、好ましくは30〜160mgKOH/gの範囲内に
あり、この性状のポリエステル樹脂が得られるように、
上記酸成分とアルコール成分との配合比、各成分の種類
などが適宜選択される。また、ポリエステル樹脂(A)
は、ガラス転移温度が10〜90℃の範囲内にあること
が適している。
【0021】カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(A)は、1種のポリエステル樹脂であっても2種以上
のポリエステル樹脂の混合物であってもよい。
【0022】エポキシ樹脂(B) 本発明組成物の(B)成分であるエポキシ樹脂は、エポ
キシ当量が150〜2,200、好ましくは150〜
1,000の範囲内にあるものであり、例えば、ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂;
これらのエポキシ樹脂中のエポキシ基又は水酸基に各種
変性剤が反応せしめられた変性エポキシ樹脂を挙げるこ
とができる。
【0023】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、例
えばエピクロルヒドリンとビスフェノールとを、必要に
応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下に高分子量まで
縮合させてなる樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノ
ールとを、必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在
下に縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とし、この低分
子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させ
ることにより得られた樹脂のいずれであってもよい。
【0024】上記ビスフェノールとしては、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフ
ェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパ
ン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキ
シビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス
(4−ヒドロキシフェニル)、4,4´−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタ
ンなどを挙げることができ、なかでもビスフェノール
A、ビスフェノールFが好適に使用される。上記ビスフ
ェノール類は、1種で又は2種以上の混合物として使用
することができる。エポキシ樹脂(B)として使用でき
るビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例
えば、油化シェルエポキシ(株)製の、エピコート82
8、同1001、同1003、同1004などを挙げる
ことができる。
【0025】また、エポキシ樹脂(B)として使用でき
るノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、分子内に多数のエポキシ基を有するフ
ェノールグリオキザール型エポキシ樹脂など、各種のノ
ボラック型エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキ
シ樹脂(B)として使用できるノボラック型エポキシ樹
脂の市販品としては、例えば、油化シェルエポキシ
(株)製の、エピコート154;東都化成(株)製の、
エポトートYDCN704;旭チバ社製の、ECN12
73、ECN1299などを挙げることができる。
【0026】変性シリコン(C) 変性シリコン(C)は、ジメチルポリシロキサンを変性
して、ジメチルポリシロキサン鎖の末端及び/又は側鎖
に変性基を導入したものである。この変性基としては、
エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシア
ルキル基及び重合性不飽和基(ビニル基、アクリロイル
基、メタクリロイル基など)などの官能基を有する有機
基;水素原子(SiとともにSiH基を形成)、水酸基
(Siとともにシラノール基を形成)、アルコキシル基
(Siとともにアルコキシシリル基を形成);ポリエー
テル基、フッ素原子含有炭化水素基、メルカプト基、ア
ルキルアラルキル基などを挙げることができる。変性シ
リコン(C)中、これらの変性基は1種であっても又は
2種以上であってもよい。変性シリコンには種々の粘度
のものがあり、その粘度は、例えば、分子量を変化させ
ることによって変化させることができる。
【0027】室温(25℃)での粘度が1000mm2
/s(センチストークス)未満、好ましくは10〜90
0mm2/sの範囲内の変性シリコン(以下、「低粘度
変性シリコン」と略称することがある)の市販品として
は、例えば、シルウェットL−3720(日本ユニカー
社製、エポキシ基含有、粘度700mm2/s)、KF
865(信越化学社製、アミノ基含有、粘度90mm2
/s)、シルウェットFZ−3705(日本ユニカー社
製、アミノ基含有、粘度220mm2/s)、シルウェ
ットFZ−3722(日本ユニカー社製、ヒドロキシア
ルキル基含有、粘度40mm2/s)、シルウェットF
Z−3702(日本ユニカー社製、SiH基含有、粘度
90mm2/s)、シルウェットL−9000(10
0)(日本ユニカー社製、シラノール基含有、粘度10
0mm2/s)、シルウェットFZ−3701(日本ユ
ニカー社製、アルコキシシリル基含有、18mm2
s)、SH3746(東レ・ダウコーニング・シリコー
ン社製、ポリエーテル基含有、粘度120mm2
s)、X−22−820(信越化学社製、フッ素原子含
有炭化水素基含有、粘度100mm2/s)、BY16
−838(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、メ
ルカプト基含有、粘度300mm2/s)、 KF−20
01(信越化学社製、メルカプト基含有、粘度150m
2/s)などを挙げることができる。
【0028】一方、室温(25℃)での粘度が1000
mm2/s(センチストークス)以上、好ましくは10
00〜10000mm2/sの範囲内の変性シリコン
(以下、「高粘度変性シリコン」と略称することがあ
る)の市販品としては、例えば、SF8411(東レ・
ダウコーニング・シリコーン社製、エポキシ基含有、粘
度8000mm2/s)、シルウェットL−9300
(日本ユニカー社製、エポキシ基含有、粘度6000m
2/s)、SF8417(東レ・ダウコーニング・シ
リコーン社製、アミノ基含有、粘度1200mm2
s)、シルウェットFZ−319(日本ユニカー社製、
アミノ基含有、粘度2000mm2/s)、シルウェッ
トL−9000(8000)(日本ユニカー社製、シラ
ノール基含有、粘度8000mm2/s)、SF841
8(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、カルボキ
シル基含有、粘度2500mm2/s)、シルウェット
FZ−3703(日本ユニカー社製、カルボキシル基含
有、粘度3000mm2/s)、KF−8003(信越
化学社製、アミノ基含有、粘度1850mm2/s)、
SF8421EG(東レ・ダウコーニング・シリコーン
社製、エポキシ基及びポリエーテル基含有、粘度350
0mm2/s)などを挙げることができる。
【0029】変性シリコン(C)として、これらの低粘
度変性シリコン及び高粘度変性シリコンは、1種で又は
2種以上を組合せて使用することができる。なかでも上
記低粘度変性シリコンと高粘度変性シリコンとを混合使
用することによって、得られるオーバーコートのヒート
シール性、耐ブロッキング性及び耐傷付き性を優れたも
のとすることができる。この場合、変性シリコン(C)
として混合使用する上記低粘度変性シリコンと高粘度変
性シリコンにおける変性基の種類は同一であっても異な
っていてもよい。
【0030】本発明のオーバーコート組成物における、
前記カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)と前記
エポキシ樹脂(B)との配合割合は、オーバーコート組
成物の硬化性、密着性、加工性、耐水性などの観点か
ら、ポリエステル樹脂(A)中のカルボキシル基/エポ
キシ樹脂(B)中のエポキシ基の当量比が通常、0.5
/1〜2/1、好ましくは0.7/1〜1.5/1とな
る範囲が適当である。また、変性シリコン(C)の配合
割合は、ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)
との合計(固形分)100重量部に基づいて、0.01
〜5.0重量部、好ましくは0.05〜3.0重量部の
範囲内にあることが耐ブロッキング性、耐傷付性などの
点から好適であり、変性シリコン(C)として、低粘度
変性シリコンと高粘度変性シリコンとを組合せて使用す
る場合には、低粘度変性シリコン及び高粘度変性シリコ
ンともそれぞれ0.01重量部以上、好ましくは0.0
5重量部以上で、その合計量が5.0重量部以下、好ま
しくは3.0重量部以下の範囲内にあることがオーバー
コートの接着剤層とのヒートシール性、耐ブロッキング
性及び耐傷付き性などの観点から優れている。
【0031】本発明のオーバーコート組成物は、前記カ
ルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、前記エポキ
シ樹脂(B)及び前記変性シリコン(C)を必須成分と
し、必要に応じて、硬化触媒、イソシアネート化合物、
有機溶剤などを含有することができる。
【0032】本発明組成物中に必要に応じて含有できる
硬化触媒は、前記カルボキシル基含有ポリエステル樹脂
(A)と前記エポキシ樹脂(B)との反応を促進できる
ものであればよく、例えば、塩化コリン、ニコチン酸ア
ミド、有機カルボン酸金属塩、イミダゾール化合物、第
3級アミンなどを挙げることができる。
【0033】上記塩化コリンは、化学式[HOCH2
2N(CH33+ ・Cl- で表される化合物であ
る。上記有機カルボン酸金属塩としては、炭素原子数5
〜24の脂肪酸の金属塩が好ましく、具体例として、2
−エチルヘキサン酸錫、ラウリン酸錫、ジブチル錫ジオ
クチレート、ジブチル錫ジラウレート、2−エチルヘキ
サン酸亜鉛、ステアリン酸リチウムなどを挙げることが
できる。イミダゾール化合物としては、例えば、イミダ
ゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾ
ール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソ
プロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・ト
リメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダ
ゾリウム・トリメリテート、1−シアノエチル−2−フ
ェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾール、2,4−ジアミノ−6−[2−メチルイミダゾ
リル−(1)]−エチルS−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−[2−ウンデシルイミダゾリル−(1)]−
エチルS−トリアジン、1−ドデシル−2−メチル−3
−ベンジルイミダゾリウム・クロライド、1,3−ジベ
ンジル−2−メチルイミダゾリウム・クロライドなどを
挙げることができる。第3級アミンとしては、例えば、
トリエチルアミン、ベンジルアミン、2,4,6−トリ
ス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどを挙げるこ
とができる。上記硬化触媒のうち、塩化コリン及びニコ
チン酸アミド、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメ
チル)フェノールが衛生性、硬化性の点から特に好適で
ある。
【0034】本発明組成物において、上記硬化触媒の配
合割合は、特に制限されるものではないが、触媒効果、
得られる塗膜の平滑性、耐水性などの点から、カルボキ
シル基含有ポリエステル樹脂(A)とエポキシ樹脂
(B)との合計100重量部に対して、0.05〜2.
0重量部、さらには0.1〜1.0重量部の範囲内であ
ることが好適である。
【0035】本発明組成物中に必要に応じて含有できる
ポリイソシアネート化合物は、非ブロック化ポリイソシ
アネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物
のいずれであってもよい。
【0036】上記非ブロック化ポリイソシアネート化合
物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪
族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族
ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族
ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,4′,
4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシア
ナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエ
ン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,
5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソ
シアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物の如き
有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有
機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリ
エステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記し
た各有機ポリイソシアネート同志の環化重合体、更には
イソシアネート・ビウレット体等を挙げることができ
る。なかでもヘキサメチレンジイソシアネートが環化重
合したトリイソシアヌレート体が好適に使用される。
【0037】前記ブロック化ポリイソシアネート化合物
は、上記非ブロック化ポリイソシアネート化合物のイソ
シアネート基をブロック化剤でブロック化したものであ
り、該ブロック化剤としては、フェノール、クレゾー
ル、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラク
タム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−
プロピオラクタムなどのラクタム系;メタノール、エタ
ノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、
tert−ブチルアルコール、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコー
ルなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトア
ルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、
ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シ
クロヘキサンオキシムなどのオキシム系;マロン酸ジメ
チル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢
酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系など
のブロック化剤を挙げることができる。なかでもオキシ
ム系ブロック化剤が好適に使用される。
【0038】ポリイソシアネート化合物は、オーバーコ
ート組成物からの塗膜の付着性の向上に寄与することが
でき、その配合量は、通常、ポリエステル樹脂(A)と
エポキシ樹脂(B)との合計(固形分)100重量部に
基づいて20重量部以下の量的範囲内にあることが適当
である。ポリイソシアネート化合物は1種で、又は2種
以上を組合せて使用することができる。
【0039】接着剤 本発明において接着剤層を形成するのに用いられる接着
剤としては、ポリイソシアネート化合物を樹脂成分10
0重量部中に1〜50重量部含有するものを好適に使用
することができる。ポリイソシアネート化合物とともに
接着剤を構成する上記樹脂成分としては、水酸基を含有
する有機樹脂を好適に使用することができる。この有機
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポ
キシ樹脂などを挙げることでき、これらは1種で又は2
種以上を混合して使用することができる。上記有機樹脂
のうち、なかでも水酸基含有ポリエステル樹脂を好適に
使用することができる。
【0040】上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、数平
均分子量1,000〜40,000、好ましくは10,
000〜30,000、ガラス転移温度0〜100℃、
好ましくは35〜90℃を有し、水酸基価が0.1〜3
0mgKOH/g、好ましくは1〜20mgKOH/g
の範囲内にあり、酸価が50mgKOH/g以下である
こと、さらには1〜25mgKOH/gの範囲内である
ことが好適である。
【0041】上記接着剤におけるポリイソシアネート化
合物は、非ブロックポリイソシアネート化合物及びブロ
ック化ポリイソシアネート化合物の両者を包含し、上記
水酸基を含有する有機樹脂の硬化剤として働くほか、プ
ラスチックフィルム面、包装材、及び場合によってはイ
ンキ層と反応して接着性の向上に寄与する。上記ポリイ
ソシアネート化合物としては、前記オーバーコート組成
物において、必要に応じて配合できるポリイソシアネー
ト化合物として例示したものと同様のものを使用するこ
とができる。
【0042】接着剤におけるポリイソシアネート化合物
の量は、接着剤の樹脂成分100重量部中に1〜50重
量部、好ましくは1〜30重量部の範囲内にあることが
加工性、耐ブロッキング性、耐水性、初期及びレトルト
処理後の接着性などの観点から好適である。
【0043】接着剤は、上記樹脂成分以外に、必要に応
じて、硬化触媒、顔料、有機溶剤などを含有することが
できる。
【0044】上記硬化触媒としては、例えば、オクチル
酸錫、、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、
ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル
錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛などの有機金属
触媒を適宜使用することができる。
【0045】接着剤に必要に応じて配合できる顔料とし
ては、例えば、チタン白、亜鉛華、チタンイエロー、ベ
ンガラ、カーボンブラック及び各種焼成顔料などの無機
着色顔料;シアニンブルー、シアニングリーン、有機赤
色顔料、有機黄色顔料などの有機着色顔料;アルミニウ
ム粉、光輝性マイカ粉などの金属光沢顔料;沈降性硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、
マイカ、アルミナなどの体質顔料などが挙げられる。顔
料の配合量は特に限定されるものではないが、通常、接
着剤を構成する樹脂成分の合計量100重量部に対し
て、140重量部以下の範囲内にあることが好適であ
る。顔料として、チタン白などの白色顔料を用いること
によりホワイトコートとして役割も兼ねることが可能で
ある。
【0046】次いで、前記オーバーコート組成物及び接
着剤を用いた、本発明の接着用積層フィルムについて説
明する。接着用積層フィルム 本発明の接着用積層フィルムは、プラスチックフィルム
の片面(第1面)に前記オーバーコート組成物が塗装さ
れてオーバーコートが塗膜形成されており、該フィルム
のもう一方の面(第2面)に、必要に応じて印刷インキ
層を介して、上記接着剤による接着剤層が形成されてな
るものである。
【0047】上記プラスチックフィルムとしては、耐熱
性、強度を有するプラスチック製のフィルムであれば使
用可能であるが、ポリエステルフィルム、なかでもエス
テル反復単位の75〜100%がエチレンテレフタレー
ト単位からなるものが好適である。エチレンテレフタレ
ート単位以外のエステル単位としては、フタル酸、イソ
フタル酸、コハク酸、アジピン酸等のエステル単位を挙
げることができる。プラスチックフィルムは、オーバー
コート、接着剤、インキとの付着性を向上させるため
に、その表面はコロナ放電処理等の表面処理を施したも
のが好ましい。プラスチックフィルムの厚さは特に限定
されるされるものではないが、通常厚さ5〜30μm程
度のものを好適に使用することができる。
【0048】上記プラスチックフィルムの片面(第1
面)に前記オーバーコート組成物をロールコータなどの
塗装機にて、通常、乾燥膜厚が0.5〜10μm程度と
なるように塗装し、通常、雰囲気温度80〜240℃の
条件で1〜60秒間程度加熱乾燥することによってオー
バーコート層を形成することができる。
【0049】上記プラスチックフィルムのもう一方の面
(第2面)に必要に応じて介在させてもよいインキ層の
形成に用いられるインキは、包装フィルムの印刷用に使
用されるそれ自体既知の印刷インキを特に制限なく使用
でき、印刷インキの塗布方法も包装フィルムの印刷と同
様の方法によって行うことができる。印刷インキの種類
としては架橋型の耐熱性インキであることが好ましく、
例えばポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、アルキド
樹脂系のものを挙げることができる。
【0050】上記必要に応じて印刷インキ層が形成され
たプラスチックフィルムの第2面(インキ層面)上に、
前記接着剤が、ロールコータ方式、グラビア方式、グラ
ビアオフセット方式、スプレー塗装方式など、それ自体
既知の塗装手段にて、通常、乾燥膜厚が0.3〜15μ
m程度となるように塗装され、必要に応じてタックフリ
ーの状態になるまで、例えば50〜180℃の温度で乾
燥される。これによって接着用積層フィルムを得ること
ができる。
【0051】得られた接着用積層フィルムは、製造直後
に包装材と貼合せることもできるが、通常、接着用積層
フィルムはコイル状に巻き取られ、包装材に貼合せを行
う使用時まで保管される。この保管時に、オーバーコー
ト層と接着剤層とが重なり合うため、これらの層間の耐
ブロッキング性が要求される。耐ブロッキング性が悪い
と、コイルを解くことができない、コイルを解けても接
着剤の一部がオーバーコート層表面に付着するといった
問題が生じる。
【0052】積層フィルム被覆包装材の製造 上記接着用積層フィルムを包装材に貼合せることによっ
て積層フィルム被覆包装材を製造することができる。上
記包装材としては、金属板、金属箔などの金属製包装
材、プラスチック製包装材及び紙製包装材、ならびにこ
れらの2種以上を組合せた複合包装材などを挙げること
ができる。
【0053】上記包装材に使用される金属板としては、
例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電
気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、亜鉛−ア
ルミニウム合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ
鋼板、ニッケル−錫合金メッキ鋼板、ブリキ、クロムメ
ッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ターンメッキ鋼
板、ニッケルメッキ鋼板、ステンレススチール、ティン
フリースチール、アルミニウム板、銅板、チタン板など
の金属板素材;これらの金属板素材に化成処理、例え
ば、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化膜処理な
どを行った化成処理金属板;これらの金属板素材又は化
成処理金属板の表面にホワイトコートなどのプライマー
層を形成したプライマー塗装金属板などの塗装金属板を
挙げることができる。また、本発明において、「金属
板」としては、上記金属板素材、化成処理金属板又はプ
ライマー塗装金属板などの平板状の金属板が、例えば缶
胴などに成型加工された加工金属板も包含するものとす
る。
【0054】プラスチック製包装材としては、セロハ
ン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリカーボネー
ト、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・アクリル
酸共重合体、ポリサルホン及びこれらのプラスチックの
複合材などでできたフィルムなどの包装材を挙げること
ができる。
【0055】上記包装材の表面に前記接着用積層フィル
ムの接着剤層面を貼合せる条件は、接着用積層フィルム
が劣化せず、プラスチックフィルムと包装材とが十分に
接着され、良好な外観の積層フィルム被覆包装材が得ら
れる限り特に限定されるものではない。貼合せ条件の一
例として、例えば、加熱ロールを用い方法や金属板を予
熱する方法などにより加熱圧着時の包装材表面の温度を
約120〜200℃とし、短時間(通常、2秒以下程
度)で、包装材と接着用積層フィルムとを加熱圧着して
ラミネートする方法を挙げることができる。
【0056】上記のようにして得られた積層フィルム被
覆包装材の接着剤層は、別途加熱して熱硬化させること
ができるが、包装材が缶の場合には、ラミネート後の製
缶工程における溶接部の補修塗料塗膜の焼き付けや、缶
内面塗料膜の焼付け時の加熱などによって熱硬化させる
こともできる。2ピース缶の場合には、缶胴外面にラミ
ネートした後における缶内面塗料膜の焼付け時の加熱に
よる熱硬化を利用することができる。
【0057】積層フィルム被覆包装材は、前記接着用積
層フィルムから接着剤層を除いた積層フィルムを、接着
剤層を形成した包装材に熱圧着することによっても製造
することができる。本発明によって得られる積層フィル
ム被覆包装材は、金属製、プラスチック製又は紙製の飲
料缶、食缶、美術缶、5ガロン缶などの缶用途やキャッ
プなどの金属蓋用途、ラミネートチューブ、魔法ビン、
冷蔵庫外面などの家庭用機器の外面などにも適用でき
る。
【0058】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は実施例に限定されるものではな
い。なお、以下、特に断らない限り「部」及び「%」
は、いずれも重量基準によるものとする。
【0059】カルボキシル基含有ポリエステル樹脂の合
合成例1 撹拌機、精留塔、温度計が付いた反応槽にエチレングリ
コール31.0重量部(0.5モル)、1,3−ブタン
ジオール22.5重量部(0.25モル)、無水トリメ
リット酸9.7重量部(0.05モル)、イソフタル酸
49.8重量部(0.3モル)、テレフタル酸33.2
重量部(0.2モル)及びジブチル錫ジオキシド0.2
重量部を仕込み、不活性ガスの存在下、精留塔温度が1
02℃を越えないように昇温しながら第1段のエステル
化反応を行った。理論縮合水量の2/3の量が留出した
ところで一旦冷却し、イソフタル酸33.2重量部
(0.2モル)、テレフタル酸41.5重量部(0.2
5モル)を追加し250℃まで徐々に昇温しながら縮合
水を留出させて第2段のエステル化反応を行い、冷却し
てポリエステル樹脂(P−1)を得た。
【0060】合成例2〜5 合成例1において、原料配合を下記表1に示すとおりと
する以外は、合成例1と同様に行いポリエステル樹脂
(P−2)〜(P−5)を得た。得られたポリエステル
樹脂の性状を下記表1に示す。表1において、組成の原
料配合量は重量部によって表示した。
【0061】
【表1】
【0062】接着剤溶液の製造 製造例1 「エリーテルUE3200」85部、「デュラネートT
PA−B80E」12.5部(固形分量で10部)、
「デュラネートTPA100」(旭化成社製、ヘキサメ
チレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物)
5部及びジブチル錫ジラウレート0.5部を、混合溶剤
(メチルエチルケトン/トルエン=50/50)中に混
合溶解させて不揮発分約30%の接着剤溶液を調整し
た。
【0063】オーバーコート組成物の製造 実施例1 合成例1で得たポリエステル樹脂(P−1)63.1
部、「エポトートYDCN704」(東都化成(株)製、
ノボラック型エポキシ樹脂、数平均分子量約1300、
エポキシ当量約206)36.9部、「シルウェットF
Z−3705」(日本ユニカー社製、アミノ基含有変性
ジメチルポリシロキサン、アミノ基当量約4,000、
25℃での粘度220mm2/s)1.0部及び塩化コ
リン0.5部を、混合溶剤(メチルエチルケトン/トル
エン=50/50(重量比))中に溶解させて不揮発分
30%のオーバーコート組成物Aを調製した。
【0064】実施例2〜13及び比較例1〜6 実施例1において、下記表2に示す配合組成のものを混
合溶剤中に溶解させる以外は実施例1と同様に行い、不
揮発分30%の各オーバーコート組成物を調製した。
【0065】表2における(註)は、それぞれ下記の意
味を有する。 (*1)エピコート1003:油化シェルエポキシ社
製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約
675。 (*2)L−9000(100):日本ユニカー社製、
商品名「シルウェットL−9000(100)」、シラ
ノール基含有変性ジメチルポリシロキサン、シラノール
基当量約2,000、25℃での粘度100mm2/s
。 (*3)FZ−3720:日本ユニカー社製、商品名
「シルウェットFZ−3720」、エポキシ基含有変性
ジメチルポリシロキサン、エポキシ基当量約1,20
0、25℃での粘度700mm2/s 。 (*4)FZ−319:日本ユニカー社製、商品名「シ
ルウェットFZ−319」、アミノ基含有変性ジメチル
ポリシロキサン、アミノ基当量約4,000、25℃で
の粘度2,000mm2/s 。 (*5)DMP−30:ローム&ハース社、2,4,6
−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール。 (*6)BL−3175:住友バイエルウレタン社製、
商品名「デスモデュールBL−3175」、ヘキサメチ
レンジイソシアネートのトリイソシアヌレート体ブロッ
ク化物溶液、固形分約75%。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】実施例14 両面をコロナ放電処理した厚さ12μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に、
実施例1で得たオーバーコート組成物Aを乾燥膜厚が2
μmとなるように塗装し、乾燥機にて雰囲気温度135
℃で6秒間乾燥させた。ついで、PETフィルムのもう
一方の面に製造例1で得た接着剤溶液を乾燥膜厚が5μ
mとなるように塗装し、乾燥機にて雰囲気温度120℃
で1分間乾燥させて接着用積層フィルムを得た。
【0070】ついで、得られた接着用積層フィルムを、
170℃にセットされたラミネータに設置したブライト
アルミニウム板上に接着剤層が面するようにして、ラミ
ネート圧力5kg/cm、ラミネート速度2m/分の条
件で圧着させて、積層フィルム被覆金属板を得た。
【0071】実施例15〜26及び比較例7〜12 実施例14において、使用するオーバーコート組成物の
種類を後記表1に示すとおりとする以外は実施例14と
同様に行い、各接着用積層フィルム及び各積層フィルム
被覆金属板を得た。
【0072】実施例27 実施例15において、接着剤層を形成する前に、PET
フィルムの接着剤溶液を塗布する面にポリエステル系イ
ンキを全面に印刷し100℃で1秒間乾燥させ、ついで
インキ層上に接着剤溶液を塗装する以外は、実施例15
と同様に行い、接着用積層フィルム及びラミネートフィ
ルム被覆金属板を得た。
【0073】上記実施例14〜27及び比較例7〜12
で得た各接着用積層フィルム又は各積層フィルム被覆金
属板を用いて下記試験方法に基づいて各種試験を行っ
た。試験結果を後記表2に示す。
【0074】動摩擦係数、耐傷付性及び密着性の試験
は、下記(イ)、(ロ)、(ハ)の3条件の処理を行っ
たラミネートフィルム被覆金属板について行った。 (イ)各例で得た積層フィルム被覆金属板そのもの、
(ロ)各例で得た積層フィルム被覆金属板を雰囲気温度
210℃で120秒間焼き付けた、後焼き付け積層フィ
ルム被覆金属板、(ハ)上記(ロ)の後焼き付け積層フ
ィルム被覆金属板を、脱イオン水中にて125℃で30
分間熱水処理した積層フィルム被覆金属板。
【0075】試験方法 耐ブロッキング性:接着用積層フィルムの表面(オーバ
ーコート面)と裏面(接着剤層面)とを重ね合せ、10
kg/cm2の圧力をかけて、温度25℃、湿度60%
RHの室内にて3日間保存した。保存後の重ね合せたラ
ミネートフィルムを30mm幅に切って、引張速度50
0mm/分で180度剥離する際の剥離強度(g/30
mm)を測定し下記基準にて評価した。 ◎:剥離強度が10g/30mm未満、 ○:剥離強度が10g/30mm以上で20g/30m
m未満、 △:剥離強度が20g/30mm以上で50g/30m
m未満、 ×:剥離強度が50g/30mm以上。
【0076】ヒートシール性:接着用積層フィルムの表
面と裏面とを重ね合せ、170℃にセットされたラミネ
ータで、ラミネート圧力5kg/cm、ラミネート速度
2m/分の条件で圧着させ、ついで乾燥機にて雰囲気温
度210℃で120秒間焼付けた。ついでこの焼付け圧
着フィルムを20mm幅に切断し、20mm/分の引張
速度で180度剥離する際の剥離強度(g/20mm)
を測定し下記基準にて評価した。 ◎:剥離強度が大きく、剥離の際にフィルムが切れる、 ○:剥離強度が150g/20mm以上であるが、フィ
ルムは切れない、 △:剥離強度が100g/20mm以上で150g/2
0mm未満、 ×:剥離強度が100g/20mm未満。
【0077】動摩擦係数:20℃において、 EGAN SLIP
TESTER (Thwing Albert Instrument Co., USA 製) を
用い、鋼球3点接触式の荷重1kgの重りを、積層フィ
ルム被覆金属板のオーバーコート面上に設置し、移動速
度10cm/分における動摩擦係数[摩擦抵抗(g)/
1000(g)]を求め、下記基準により評価した。 ◎:動摩擦係数が0.06未満、 ○:動摩擦係数が0.06以上で、0.10未満、 △:動摩擦係数が0.10以上で、0.14未満、 ×:動摩擦係数が0.14以上。
【0078】耐傷付性:バウデン摩擦試験機(神鋼造機
社製、曽田式付着滑り試験機)を用い、荷重100gの
重りを積層フィルム被覆金属板のオーバーコート面上に
載せ、30往復こすったときの塗面の傷付きの程度を下
記基準で評価した。 ◎:塗面に殆ど傷が認められない、 ○:塗面に傷がわずかに認められる、 △:塗面に傷がかなり認められる、 ×:塗面に全面に認められる。
【0079】密着性:積層フィルム被覆金属板のオーバ
ーコート面にナイフを用いてPETフィルムに達するク
ロスカットを入れ、そのクロスカット部にセロハン粘着
テープを密着させた後、瞬時にテープを剥がしたとき
の、PETフィルムからのオーバーコートの剥離程度を
下記基準により評価した。 ◎:オーバーコートの剥離が認められない、 ○:オーバーコートの剥離がわずかに認められるがナイ
フ傷から0.5mm以内である、 △:オーバーコートの剥離がかなり認められる、 ×:オーバーコートの剥離が著しく認められる。
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】
【発明の効果】本発明のオーバーコート組成物は、耐傷
付き性、耐ブロッキング性及びヒートシール性に優れた
塗膜を形成できる。このオーバーコート組成物からのオ
ーバーコート層を有する本発明の接着用積層フィルム
は、オーバーコート層が耐傷付き性に優れ、オーバーコ
ート層と接着剤層との間の耐ブロッキング性及びヒート
シール性に優れており、包装材表面に接着用積層フィル
ムを熱圧着して接着用積層フィルムが重なり合ったオー
バーコート層と接着剤層との重ね合せ部分は、加熱(ヒ
ートシール)することによって強固に接着することがで
きる。したがって、プラスチックフィルムにオーバーコ
ートを形成する際に、重なり合う部分の接着性を確保す
るためにマージン部を設ける必要がないのでオーバーコ
ートの塗装位置のずれによる印刷のずれの問題がなくな
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/04 C09D 183/04 C09J 7/02 C09J 7/02 Z Fターム(参考) 4F100 AK01B AK41A AK51D AK52A AK53A AL06A BA03 BA04 BA07 BA10A BA10D BA13 CA02A HB31C JA07A JB20A JL11D JL12D YY00A 4J004 AA14 CA06 CC03 CD06 EA01 FA04 4J036 AA01 AD07 AD08 AD13 AD15 AD21 AF06 AF08 DB17 DC05 DC21 DC41 DC48 FB11 FB16 GA02 GA11 JA01 4J038 DB011 DB061 DB341 DD071 DD091 DD161 DG262 DG302 DL042 DL052 DL082 DL102 GA01 GA03 GA06 GA07 GA09 JB05 JB07 JB09 JB13 JB32 JB37 JB38 JC38 JC41 KA04 LA06 MA06 MA14 NA03 NA11 NA23 PA19 PB02 PB04 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量が1,000〜2
    0,000の範囲内にあり且つ酸価が10〜170mg
    KOH/gの範囲内にあるカルボキシル基含有ポリエス
    テル樹脂、 (B)エポキシ当量が150〜2,200の範囲内にあ
    るエポキシ樹脂及び (C)変性シリコンを含有する組成物であって、該ポリ
    エステル樹脂(A)と該エポキシ樹脂(B)との配合割
    合が、ポリエステル樹脂(A)中のカルボキシル基とエ
    ポキシ樹脂(B)中のエポキシ基との当量比で、前者/
    後者=0.5〜2.0となる範囲内であることを特徴と
    する、プラスチックフィルム用オーバーコート組成物。
  2. 【請求項2】 変性シリコン(C)の配合量が、上記ポ
    リエステル樹脂(A)と上記エポキシ樹脂(B)との合
    計100重量部に対して0.01〜5.0重量部の範囲
    内であることを特徴とする請求項1記載のオーバーコー
    ト組成物。
  3. 【請求項3】 さらに、硬化触媒を、上記ポリエステル
    樹脂(A)と上記エポキシ樹脂(B)との合計100重
    量部に対して0.05〜2.0重量部の範囲内で含有す
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のオーバーコ
    ート組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、ポリイソシアネート化合物を、
    上記ポリエステル樹脂(A)と上記エポキシ樹脂(B)
    との合計100重量部に対して20重量部以下の量にて
    含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
    に記載のオーバーコート組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のオ
    ーバーコート組成物の塗膜が、プラスチックフィルムの
    片面(第1面)に形成され、且つ該フィルムのもう一方
    の面(第2面)に、必要に応じて印刷インキ層を介し
    て、ポリイソシアネート化合物を樹脂成分100重量部
    中に1〜50重量部含有する接着剤からの接着剤層が形
    成されてなる接着用積層フィルム。
  6. 【請求項6】 前記接着剤層が、樹脂成分100重量部
    中に水酸基含有ポリエステル樹脂50〜99重量部及び
    ポリイソシアネート化合物1〜50重量部を含有する接
    着剤の層である請求項5記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の積層フィルム
    を、該積層フィルムの接着剤層が包装材の表面に面する
    ように、包装材表面に熱圧着することを特徴とする積層
    フィルム被覆包装材の製造方法。
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