JP2006062215A - 化粧シート、化粧シートの製造方法、化粧板および化粧板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透明フィルム1または着色フィルム2のいずれかに印刷インキを用いて印刷を施して印刷インキ層12を形成し、この印刷インキ層12を介して透明フィルム1と着色フィルム2を熱接着した後、印刷インキ層12と接する透明フィルムの樹脂または/および着色フィルムの樹脂の融点以上の温度に加熱して加圧し、化粧シート10とする。
【選択図】 図1
Description
上記(請求項1)の化粧シートにおいて、印刷インキ層のビヒクルであるポリエステル樹脂の数平均分子量が15000以上であること(請求項2)、また
上記(請求項1または2)の化粧シートにおいて、印刷インキ層のビヒクルであるポリエステル樹脂のガラス転移温度が45℃以上であること(請求項3)、さらに
上記(請求項1〜3)の化粧シートにおいて、透明フィルムがポリブチレンテレフタレートの無延伸フィルムであること(請求項4)、または、
透明フィルムがポリブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の無延伸フィルムであること(請求項5)を特徴とし、またさらに
透明フィルムがポリエチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の二軸延伸フィルムであること(請求項7)を特徴とする。
着色フィルムがポリブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の無延伸フィルムであること(請求項9)を特徴とし、さらに
上記(請求項1〜9)の化粧シートにおいて、着色フィルムが透明フィルムと積層しない側に加熱溶融時の溶融張力が1g以上である樹脂層を有すること(請求項10)を特徴とし、また
上記(請求項10)の化粧シートにおいて、加熱溶融時の溶融張力が1g以上である樹脂がポリカーボネート(請求項11)、または変性ポリエステル樹脂(請求項12)であることを特徴とする。
[化粧シートの作成]
(試料番号1)
図4に示す化粧シートの製造装置を用いて、PBTに茶色顔料を17.5重量%混練した着色樹脂と、2.0gの溶融張力を有するPCからなる溶融保持用樹脂層を共押出してなる着色フィルムの着色樹脂側に、ガラス転移温度(Tg)65℃および数平均分子量(Mn)20,000を有するポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製エリーテル UE3201)をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷し、150℃に加熱した加熱ドラムに非印刷面側が接するようにして加圧ロールを用いて当接し、次いでPBTからなる透明フィルムを着色フィルムの印刷面側に当接し、加圧ロールを用いて加圧して熱接着した。その後、積層したシートを赤外線ヒータを用いて透明フィルム側を240℃まで加熱し、次いでエンボス模様を刻設したエンボスロールとバックアップロールを用い、エンボスロールに透明フィルムが接するようにしてシートを挟み付け、透明フィルム表面にエンボス模様を転写した。このようにして透明フィルム表面にエンボス模様を有する化粧シートを作成した。
図4に示す化粧シートの製造装置を用いて、ET/EIからなる低溶融温度樹脂層とPBTに茶色顔料を17.5重量%混練した着色樹脂と2.0gの溶融張力を有するPCからなる溶融保持用樹脂層とを共押出してなる複層の着色フィルムの低溶融温度樹脂層に、ガラス転移温度(Tg)67℃および数平均分子量(Mn)17,000を有するポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロン 200)をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷し、150℃に加熱した加熱ドラムに非印刷面側が接するようにして加圧ロールを用いて当接し、次いでET/EIからなる低溶融温度樹脂層とPBTとを共押出してなる複層の透明フィルムの低溶融温度樹脂層側を着色フィルムの印刷面側に当接し、加圧ロールを用いて加圧して熱接着した。その後、積層したシートを赤外線ヒータを用いて透明フィルム側を240℃まで加熱し、次いでエンボス模様を刻設したエンボスロールとバックアップロールを用い、エンボスロールに透明フィルムが接するようにしてシートを挟み付け、透明フィルム表面にエンボス模様を転写した。このようにして透明フィルム表面にエンボス模様を有する化粧シートを作成した。
PBTに茶色顔料を17.5重量%混練した着色フィルムとなる着色樹脂と、1.5gの溶融張力を有するPET(BPA)からなる溶融保持用樹脂層とを共押出してなる複層フィルムを用いて試料番号1と同様の方法で化粧シートを作成した。
図4に示す化粧シートの製造装置を用いて、ET/EIからなる低溶融温度樹脂層とPBTに赤色顔料を20重量%混練した着色樹脂と2.0gの溶融張力を有するPCからなる溶融保持用樹脂層とを共押出してなる複層の着色フィルムの低溶融温度樹脂層に、ガラス転移温度(Tg)60℃および数平均分子量(Mn)15,000を有するポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製バイロン 240)をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷し、150℃に加熱した加熱ドラムに非印刷面側が接するようにして加圧ロールを用いて当接し、次いでET/EIからなる低溶融温度樹脂層とPETとを共押出してなる複層フィルムを2軸延伸してなる2層の透明フィルム(以下、2軸延伸フィルムを(BO)で示す)のET/EI側を着色フィルムの印刷面側に当接し、加圧ロールを用いて加圧して熱接着した。その後、積層したシートを赤外線ヒータを用いて透明フィルム側を240℃まで加熱し、次いで鏡面ロールとバックアップロールを用い、鏡面ロールに透明フィルムが接するようにしてシートを挟み付けた。このようにして透明フィルム表面が平滑な化粧シートを作成した。
図4に示す化粧シートの製造装置を用いて、PBTに白色顔料を25重量%混練した着色樹脂からなる着色フィルムに、ガラス転移温度(Tg)70℃および数平均分子量(Mn)18,000を有するポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製エリーテル UE9600)をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷し、150℃に加熱した加熱ドラムに非印刷面側が接するようにして加圧ロールを用いて当接し、次いでPBTからなる透明フィルムを着色フィルムの印刷面側に当接し、加圧ロールを用いて加圧して熱接着した。このようにして溶融保持用樹脂層を有さない複層フィルムを作成した。次に、厚さ0.5mmの電気亜鉛合金めっき鋼板にポリエステル系接着剤を5g/m2 の塗布量で塗布した後220℃に加熱し、上記の複層フィルムの着色フィルム側を当接し、その後230℃まで加熱し、次いでエンボス模様を刻設したエンボスロールとバックアップロールを用い、エンボスロールに透明フィルムが接するようにして加圧し、透明フィルム表面にエンボス模様を転写した。このようにして透明フィルム表面にエンボス模様を有する化粧シートをめっき鋼板に積層してなる化粧板を作成した。
図4に示す化粧シートの製造装置を用いて、ET/CHDMに白色顔料を25重量%混練した着色樹脂からなる着色フィルムに、ガラス転移温度(Tg)45℃および数平均分子量(Mn)20,000を有するポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製エリーテル UE3210)をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷し、150℃に加熱した加熱ドラムに非印刷面側が接するようにして加圧ロールを用いて当接し、次いでET/CHDMからなる透明フィルムを着色フィルムの印刷面側に当接し、加圧ロールを用いて加圧して熱接着した。このようにして溶融保持用樹脂層を有さない複層フィルムを作成した。次に、厚さ0.5mmの電気亜鉛合金めっき鋼板にポリエステル系接着剤を5g/m2 の塗布量で塗布した後220℃に加熱し、上記の複層フィルムの着色フィルム側を当接し、その後230℃まで加熱し、次いでエンボス模様を刻設したエンボスロールとバックアップロールを用い、エンボスロールに透明フィルムが接するようにして加圧し、透明フィルム表面にエンボス模様を転写した。このようにして透明フィルム表面にエンボス模様を有する化粧シートをめっき鋼板に積層してなる化粧板を作成した。
(試料番号7)
ガラス転移温度(Tg)60℃および数平均分子量(Mn)8,000を有するポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製エリーテルUE3380)をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷した以外は、試料番号1と同様にして化粧シートを作成した。
ガラス転移温度(Tg)40℃および数平均分子量(Mn)18,000を有するポリエステル樹脂(ユニチカ(株)製エリーテルUE3216)をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷した以外は、試料番号2と同様にして化粧シートを作成した。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂をビヒクルとする印刷インキを用いて柄模様を印刷した以外は、試料番号1と同様にして化粧シートを作成した。
<ガラス転移点>
JIS K 7121に準じて測定した。
ASTM D4001に記載の蒸気圧浸透法(VPO法)を用いて測定した。
溶融保持用樹脂層の溶融張力は、樹脂温度:250℃、押出速度:10mm/分、巻取速度:10m/分、ノズル径:1mm、ノズル長さ:10mmの条件で、キャピログラフ3A(東洋精機(株)製)を用いて測定した。溶融張力の適否は、赤外線ヒータを用いて透明樹脂フィルム側を加熱しながら化粧シートを搬送する際の溶断の有無で判定した。
<印刷鮮明性>
化粧シートを透明フィルム側から肉眼観察し、印刷鮮明性を以下の基準で評価した。
○:印刷に歪みが認められず、また気泡の発生も認められない。
×:印刷に歪みが認められ、また気泡の発生が認められる。
カッターを用いてそれぞれの試料の透明フィルムと着色フィルムの間に切れ目を入れて強制剥離してTピール試験片を作成し、テンシロンを用いてJIS K 6854に準じて接着強度を測定した。接着強度が2kg/インチ以上を示すものを本発明の対象とした。
これらの評価結果を表2に示す。
[化粧板(1)の作成]
厚さ12mmの木板の片面にエマルジョン系接着剤を60g/m2 の塗布量で塗布し乾燥した。次いで、その接着剤塗布面に試料番号1の化粧シートを溶融保持用樹脂層が接するようにして当接してプレスを用いて圧接し化粧板を得た。
[化粧板(2)の作成]
厚さ15mmの木製の合板にポリウレタン系接着剤を50g/m2 の塗布量で塗布し乾燥した。次いで、その接着剤塗布面に試料番号3の化粧シートを溶融保持用樹脂層が接するようにして当接してプレスを用いて圧接し化粧板を得た。
[化粧板(3)の作成]
厚さ18mmの石膏ボードにポリウレタン系接着剤を80g/m2 の塗布量で塗布し乾燥した。次いで、その接着剤塗布面に試料番号2の化粧シートを溶融保持用樹脂層が接するようにして当接してプレスを用いて圧接し化粧板を得た。
[化粧板(4)の作成]
板厚:0.3mmのアルミニウム合金板(JIS 5052 H38)の片面にポリエステルウレタン系の接着剤を1.5μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したアルミニウム合金板を220℃に加熱し、その接着剤塗布面に試料番号3の化粧シートを溶融保持用樹脂層が接するようにして当接し、1対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し化粧板を得た。
[化粧板(5)の作成]
板厚:0.2mmのステンレス鋼板(JIS 304)の片面にポリエステルウレタン系の接着剤を1.5μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布したステンレス鋼板を220℃に加熱し、その接着剤塗布面に試料番号4の化粧シートを溶融保持用樹脂層が接するようにして当接し、1対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し化粧板を得た。
[化粧板(6)の作成]
板厚:0.2mmの電気亜鉛メッキ鋼板(めっき量:20g/m2)に亜鉛めっき後クロメート処理を施し、Crとして40mg/m2付着させた)の片面にポリエステルウレタン系の接着剤を1.5μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布した電気亜鉛めっき鋼板を220℃に加熱し、その接着剤塗布面に試料番号3の化粧シートを溶融保持用樹脂層が接するようにして当接し、1対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し化粧板を得た。
[化粧板(7)の作成]
板厚:0.2mmの合金亜鉛めっき(Zn−4%Ni合金)鋼板(めっき量:35g/m2、めっき後にクロメート処理を施し、Crとして55mg/m2付着させた)の片面にポリエステルウレタン系の接着剤を1.5μmの厚さに塗布し乾燥した。次いで接着剤を塗布した合金亜鉛めっき鋼板を200℃に加熱し、その接着剤塗布面に試料番号3の化粧シートを溶融保持用の樹脂層が接するようにして当接し、1対の加圧ロールで両者を挟み付けて加圧し化粧板を得た。
1a: 低溶融温度樹脂層
2 : 着色フィルム
2a: 低溶融温度樹脂層
2b: 溶融保持用樹脂層
3a: 巻き解き手段
3b: 巻き解き手段
4 : 加熱ドラム
5a: 加圧ロール
5b: 加圧ロール
6 : サポートロール
7 : 加熱手段
8a: エンボスロール
8b: バックアップロール
9 : 巻き取り手段
10 : 化粧シート
11 : エンボス凹部
12 : 印刷インキ層
Claims (21)
- ポリエステル樹脂からなる透明フィルムとポリエステル樹脂に有色顔料を含有してなる着色フィルムを、ポリエステル樹脂をビヒクルとする印刷インキ層を介して積層してなる化粧シート。
- 印刷インキ層のビヒクルであるポリエステル樹脂の数平均分子量が15000以上である、請求項1に記載の化粧シート。
- 印刷インキ層のビヒクルであるポリエステル樹脂のガラス転移温度が45℃以上である、請求項1または2に記載の化粧シート。
- 前記透明フィルムがポリブチレンテレフタレートの無延伸フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記透明フィルムがポリブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の無延伸フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記透明フィルムがポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記透明フィルムがポリエチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の二軸延伸フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記着色フィルムがポリブチレンテレフタレートの無延伸フィルムである、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記着色フィルムがポリブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の無延伸フィルムである、請求項1〜7のいずれかに記載の化粧シート。
- 前記着色フィルムが透明フィルムと積層しない側に加熱溶融時の溶融張力が1g以上である樹脂層を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の化粧シート。
- 加熱溶融時の溶融張力が1g以上である樹脂がポリカーボネートである、請求項10に記載の化粧シート。
- 加熱溶融時の溶融張力が1g以上である樹脂が変性ポリエステル樹脂である、請求項10に記載の化粧シート。
- 透明フィルムと着色フィルムとのTピール接着強度が2kg/インチ以上である、請求項1〜12のいずれかに記載の化粧シート。
- ポリエステル樹脂から成る透明フィルム又はポリエステル樹脂に有色顔料を含有して成る着色フィルムのいずれかにポリエステル樹脂をビヒクルとする印刷インキを用いて印刷を施して印刷インキ層を形成し、この印刷インキ層を介して透明フィルムと着色フィルムを熱接着した後、印刷インキ層と接する透明フィルムの樹脂または/および着色フィルムの樹脂の融点以上の温度に加熱して加圧することを特徴とする、化粧シートの製造方法。
- 前記透明フィルムがポリブチレンテレフタレートの無延伸フィルム、ポリブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の無延伸フィルム、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルム、ポリエチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の二軸延伸フィルムの何れかである請求項14記載の化粧シートの製造方法。
- 前記着色フィルムがポリブチレンテレフタレートの無延伸フィルム又はポリブチレンテレフタレートとエチレンテレフタレート/エチレンイソフタレート共重合体の二層の無延伸フィルムである請求項14又は15記載の化粧シートの製造方法。
- 前記着色フィルムが透明フィルムと積層しない側に加熱溶融時の溶融張力が1g以上である樹脂からなる層を有している請求項14乃至16の何れかに記載の化粧シートの製造方法。
- 前記加熱溶融時の溶融張力が1g以上の樹脂が、ポリカーボネート又は変性ポリエステル樹脂である化粧シートの請求項17記載の製造方法。
- 前記印刷インキ層のビヒクルであるポリエステル樹脂が、数平均分子量が15000以上でありガラス転移温度が45℃以上である請求項14乃至18のいずれかに記載の化粧シートの製造方法。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の化粧シートを用いた化粧板。
- 請求項1〜19記載の化粧シートを基材にラミネートした後、化粧シートの少なくとも印刷インキ層と接する透明フィルムの樹脂または/および着色フィルムの樹脂の融点以上の温度にラミネート基材を加熱して加圧することを特徴とする化粧板の製造方法。
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