JP3712617B2 - 化粧板の製造方法 - Google Patents

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寛之 岩下
幸治 田熊
義之 杉本
芳樹 武居
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    • B44C1/24Pressing or stamping ornamental designs on surfaces

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  • Finishing Walls (AREA)

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、各種家具類や建築内装材等に使用される化粧板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種家具類や建築内装材等に使用される化粧板としては、(1)基材となる樹脂層に通常の方法を用いて印刷を施し、印刷層の表面保護のために、アミノアルキッド樹脂、ウレタン樹脂等のコート層を設けた化粧フィルム、(2)基材となる樹脂層に印刷を施した後、透明な2軸延伸ポリエステルフィルムを接着剤層を介して積層した化粧フィルム、(3)ポリ塩化ビニルフィルムの上に通常の方法を用いて印刷を施した後、透明なポリ塩化ビニルフィルムや2軸延伸ポリエステルフィルムを積層した化粧フィルム、 などの化粧フィルムを、接着剤を介して亜鉛めっき鋼板、合板、またはMDFなどの基板に積層したものが知られている。
【0003】
しかしながら、上記(1)の化粧フィルムを積層した化粧板は、化粧フィルムの強度が不十分であるため、Vカット加工などを施す場合、加工時に化粧フィルムが割れたり、コーナー部のインキが剥離し易いという問題があり、Vカット加工などを施す用途には適していない。(2)の化粧フィルムを積層した化粧板は、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性には優れているが、表面フィルムの柔軟性に乏しく、軟化温度が高いためエンボス加工を施す場合、エンボスが入り難い。(3)の化粧フィルムを積層した化粧板は、ポリ塩化ビニルフィルムが用いられているため、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性が劣り、また焼却して廃棄処理する際に、塩化水素ガスのような有毒ガスおよびそれに起因する有害物質が発生して環境を汚染したり、焼却する際に焼却炉を傷めたりするおそれがあるなどの問題を抱えている。
【0004】
本発明は上記の問題を解決することを目的として、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムを用いた化粧シートと同等以上の意匠性に優れた絵柄模様を有し、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性に優れた化粧板を提供することを課題とする。
【発明の開示】
【0005】
本発明の請求項1に記載の化粧板の製造方法は、
ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出製膜して基材樹脂層としての厚さ100μmのポリブチレンテレフタレートフィルムとし、
その片面に、印刷層として着色ベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷し、
次いで、
表面保護層としての厚さ25μmの透明二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、
上記の印刷を施したポリブチレンテレフタレートフィルムの絵柄印刷層面とを重ねて、
圧着用ロールの加熱温度200℃で圧着用ロールのニップ圧2451662Paで両フィルムを加熱圧着して積層し、
化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作成し、
次に、厚さ0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板の基板にポリエステル系接着剤を5g/m 塗布し、
前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの基材樹脂層と210℃、接着圧力1471000Pa、圧着時間5秒で加熱圧着することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の化粧板の製造方法は、
ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出製膜して基材樹脂層としての厚さ100μmのポリブチレンテレフタレートフィルムとし、
その片面に、印刷層として着色ベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷し、
次いで、
表面保護層としての厚さ25μmの透明ポリブチレンテレフタレートフィルムと、
上記の印刷を施したポリブチレンテレフタレートフィルムの絵柄印刷層面とを重ねて、
前記透明ポリブチレンテレフタレートフィルム面をエンボスロール側として、
エンボスロールとシリコンゴムロールからなる圧着用ロールの加熱温度200℃で圧着用ロールのニップ圧2451662Paで両フィルムを加熱圧着して積層し、
透明ポリブチレンテレフタレートフィルム表面にエンボス凹部を有する化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製し、
さらに、この化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス加工面に艶調整層としての艶調整用塗料を版深30μmのグラビアロールにて塗布して化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製し、
次に、厚さ6mmの木材の基板にポリウレタン系接着剤を50g/m 塗布し、
前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの基材樹脂層と160℃、接着圧力1471000Pa、圧着時間15秒で加熱圧着することを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の化粧板の製造方法は、
ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出製膜して基材樹脂層としての厚さ100μmのポリブチレンテレフタレートフィルムとし、
その片面に、印刷層として絵柄印刷層を印刷し、その上に着色ベタ印刷層を設け、
前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの印刷が施されていない面をエンボスロール側として、エンボスロールとシリコンゴムロールからなる圧着用ロールの加熱温度200℃で圧着用ロールのニップ圧2451662Paで両フィルムを加熱圧着して積層し、
前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの片面に印刷層を有し、他の片面にエンボス凹部を有する化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製し、
さらに、この化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス加工面に艶調整層としての艶調整用塗料を版深30μmのグラビアロールにて塗布し、
次に、厚さ8mmの石膏ボードの基板にポリウレタン系接着剤を80g/m 塗布し、前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス凹部を有しない側と180℃、接着圧力1471000Pa、圧着時間20秒で加熱圧着することを特徴とする。
【0008】
ポリ塩化ビニル樹脂フィルムは、焼却時に起因する有害物質が発生して環境を汚染するおそれがあるという問題がある。ポリ塩化ビニル樹脂に替わる意匠性に優れた絵柄模様を有し、かつ耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性に優れた化粧板に積層する印刷可能な樹脂フィルムについて検討した。その結果、印刷下地となる基材樹脂層としてポリブチレンテレフタレートフィルムを用い、それに絵柄印刷層である上層とベタ印刷層である下層とからなる印刷層を形成し、選択的にエンボス加工が施される表面保護層、およびその上に選択的に施される艶調整層を下から順次積層することにより、上記の要求特性を満足する化粧板に積層する樹脂フィルムが得られることを見出した。
また、表面保護層にポリブチレンテレフタレートフィルムを用い、それに裏刷りによる印刷層を形成し、基材樹脂層を省略してもよい。
さらに、上記の樹脂フィルムを金属板、合板、無機質ボードなどに積層した化粧板は、樹脂フィルムの上記の優れたフィルム物性に加えて、意匠性にも優れていることを見出した。以下に本発明についてその内容を説明する。
【0009】
図1は、本発明によって製造される化粧板積層用印刷樹脂フィルムの一例を示す断面図である。図2及び図3は、本発明によって製造される化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の例を示す断面図である。図4および図5は、本発明によって製造される化粧板の例を示す断面図である。図中、1は化粧板積層用印刷樹脂フィルム、2は基板、3は接着剤層、4は基材樹脂層、5は印刷層、5aはベタ印刷層、5bは絵柄印刷層、6は表面保護層、7はエンボス凹部、8は艶調整層、9は化粧板をそれぞれ表している。
【0010】
化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図1に示すように基材樹脂層4の上面に、ベタ印刷層5a、絵柄印刷層5bよりなる印刷層5が設けられ、該印刷層5の上面に、表面保護層6が積層されており、ベタ印刷層5a、絵柄印刷層5bよりなる印刷層5と表面保護層6は、接着剤を用いずに熱接着によって積層される。
また、化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図2に示すように図1の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1の表面保護層6として、表面にエンボス加工を施した表面保護層6を用いてもよい。
さらに、化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図3に示すように表面保護層6の片面に裏刷りにより絵柄印刷層5bとベタ印刷層5aを設け、他の片面にエンボス加工を施し、さらにその上層にエンボス凹部7を消失させない程度に艶調整層8を設けてもよい。
図4は、図2に示した化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を、接着剤層3を介して基板2に積層した化粧板9を示す。
図5は、図3に示した化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を、接着剤層3を介して基板2に積層した化粧板9を示す。
【0011】
本発明に用いられる基材樹脂層4としては、1.0〜2.0の固有粘度(IV値)を有するポリブチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましいが、固有粘度は製膜性の面から1.5以下、耐水経時性(耐水劣化性)の面から1.2以上であることがより好ましい。また、基材樹脂層4は押出機を用いて製膜する際に、着色顔料を混練して着色樹脂層としてもよい。
【0012】
印刷層5は、例えば、木目、石目、天然皮革の表面柄、布目、抽象柄などの模様を表現した絵柄印刷層5bと、基材樹脂層4の全面を隠蔽し絵柄印刷層5bの印刷下地色を与えると共に、基材樹脂層4と表面保護層6との熱接着性を付与する、基材樹脂層4の全面に印刷を施したベタ印刷層5aからなり、印刷層5を形成するインキのビヒクルとしては、例えばニトロセルロ―ス、酢酸セルロ―スなどのセルロ―ス誘導体、ポリエステルウレタン樹脂などの公知のものが使用できるが、なかでも密着及び熱接着性の両観点からニトロセルロ―ス−アルキド樹脂系インキが好ましい。
【0013】
表面保護層6としては、ポリエステル樹脂フィルムを用いることが好ましく、なかでも1.0〜2.0の固有粘度を有するポリブチレンテレフタレート樹脂フィルムを用いることがより好ましい。このポリエステル樹脂フィルムは、可塑剤及びハロゲン属元素を含まないポリエステル樹脂からなることを特徴とする。また、この表面保護層6に上記のベタ印刷層5a、絵柄印刷層5bよりなる印刷層5を、設け、裏刷りすることにより上記の基材樹脂層4を省略してもよい。
【0014】
このポリエステル樹脂を構成する材料の一例としては、以下の組成を有する共重合ポリエステル樹脂などが好適に用いられる。すなわち、樹脂を形成するソフトセグメントとして、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、あるいはポリε−カプロラクトン、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などのHOOC−[CH]n−COOHの分子構造を有する脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族および/または脂環族ジオールからなる脂肪族ポリエステルなどが好適に用いられる。
【0015】
また、樹脂を構成するハードセグメントとしては、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメチレンシクロヘキサンジカルボキシレート、ブチレン2,6ナフタレンジカルボキシレートなどの芳香族および/または脂環族エステルユニットから選ばれた少なくとも一つから構成されていることが好ましい。
【0016】
さらに、アルコール成分として、1,4ブタンジオール残基を含有していることが耐溶剤性の点で好ましく、共重合ポリエステルを形成する全アルコール成分に占める1,4ブタンジオール残基が40モル%以上、65モル%以下であることが好ましい。
【0017】
そして図1に示す化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、次のようにして作成することができる。すなわち、基材樹脂層4上面の印刷層5の上面に表面保護層6の下面を重ね合わせ、基材樹脂層4と表面保護層6を重ね合せたまま1対の熱ロール間に通して挟み付けて圧着するとともに熱融着して積層し、一枚の積層フィルムを製造する。加熱しながら加圧することにより、表面保護層6を基材樹脂層4の印刷層面5に融着して一枚の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を作るものである。
【0018】
また、基材樹脂層4と表面保護層6を積層する際に、上記の熱ロールとしてエンボスロールを使用することにより、積層とエンボス加工を同時に実施することができ、表面保護層6の表面にエンボス凹部7が形成された図2に示す化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を得ることが出来る。
そして、基材樹脂層4が寸法安定性に優れるため、張力や熱に起因する伸縮変動を抑えることが可能となり、印刷柄とエンボス柄が同調した、高意匠を有するエンボス化粧フィルムとすることができる。上記の積層作業やエンボス加工などの工程は、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムにおけるのと同じ条件で作業することが可能である。
さらに、図3に示すように、表面保護層6の表面に艶調整層8を施して、意匠性をより一層向上させた化粧板積層用印刷樹脂フィルム1とすることもできる。
艶調整層8は、無色透明であってもまたは着色透明であっても、さらに艶消しの透明であってもよく、化粧板積層用印刷樹脂フィルム1の表面の光沢度を調整するために設けるものであるが、表面保護層としての役割も兼ねる。艶調整層8は適宜のビヒクルを用いた塗料を塗布することにより形成することができる。ビヒクルとしてはフェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキン樹脂、ポリウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂の1種または2種以上の混合樹脂を用いることが出来る。
艶調整層8を形成する塗料には通常適量の艶消剤を分散させて所望の光沢度を付与しているが、艶消剤としてはマイカ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイソウ土、ケイ砂、シラスバルーンなどが用いられる。上記塗料の塗布方法としては、グラビアコート、ロールコート、エアナイフコートなど、公知の塗布方式を用いることができる。
【0019】
また、上記の方法によって得られた化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を、接着剤層3を介在させて基板2と貼合わせることにより、図4または図5に示すような化粧板9が得られる。
基板2としては、例えば、木材単板、木材合板、パーチクルボード、MDF等の木質板、鋼板、アルミニウム合金板、亜鉛や亜鉛合金をめっきした亜鉛めっき鋼板などの金属板、または石膏ボード、珪酸カルシウムボード、石綿スレートボードなどの無機質からなるボードが用いられる。
化粧板積層用印刷樹脂フィルム1と基板2の貼合わせに用いられる接着剤層3の接着剤としては、一般的な接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、尿素樹脂系、ウレタン樹脂系などのエマルジョン型接着剤が、火気に対して安全で、臭気もなく、価格的にも安価なため好ましく用いられる。
【0020】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
市販のポリブチレンテレフタレート樹脂(ポリプラスチックス製、ジュラネックス800FP)を用いて押出製膜機により作成した厚さ100μmの未延伸フィルムの片面に、ニトロセルロース−アルキド系インキ(昭和インク製、SAM)を用い、着色ベタ印刷層および絵柄印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印刷した。
次いで厚さ25μmの透明二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人製)と、上記の印刷を施したポリブチレンテレフタレートフィルムの絵柄印刷層面とを重ねて、圧着用ロールの加熱温度:200℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ロールのニップ圧:2451662Paの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製した。
次に、厚さ0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板にポリエステル系接着剤を5g/mの塗布量で塗布し、前記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱温度:210℃、接着圧力:1471000Pa、圧着時間:5秒の条件で加熱圧着し、化粧板を得た。
【0021】
(実施例2)
実施例1と同様にして印刷された実施例1と同一のポリブチレンテレフタレート樹脂の未延伸フィルムの絵柄印刷層面と実施例1と同一の透明ポリブチレンテレフタレートフィルムとを対向させ、実施例1の加熱圧着による積層条件と同条件にて透明ポリブチレンテレフタレートフィルム面をエンボスロール側として、エンボスロールとシリコンゴムロールからなる圧着用ロールの間に通して圧着することにより、透明ポリブチレンテレフタレートフィルム表面にエンボス凹部を有する化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製した。さらに、この化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス加工面に、2液硬化型ウレタン系艶調整用塗料(昭和インク製、OP−No.81)を版深30μmのグラビアロールにてコートし、意匠性に優れた化粧フィルムを作製した。
次に、厚さ6mmの木材合板にポリウレタン系接着剤を50g/mの塗布量で塗布し、前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱温度:160℃、接着圧力:1471000Pa、圧着時間:15秒の条件で加熱圧着し、化粧板を得た。
【0022】
(実施例3)
実施例2と同一のポリブチレンテレフタレート樹脂の二軸延伸フィルムの片面に、絵柄印刷層がポリブチレンテレフタレート樹脂上に直接設けられ、その上に着色ベタ印刷層が設けられる以外は実施例1と同一の条件で印刷した。
この片面に印刷を施したポリブチレンテレフタレートフィルムを、実施例1の加熱圧着による積層条件と同条件にてポリブチレンテレフタレートフィルムの印刷が施されていない面をエンボスロール側として、エンボスロールとシリコンゴムロールからなる圧着用ロールの間に通すことにより、ポリブチレンテレフタレートフィルムの片面に印刷層を有し、他の片面にエンボス凹部を有する化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製した。
さらに、この化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス加工面に、実施例2と同様にして艶調整用塗料を塗布し、意匠性に優れた化粧フィルムを作製した。
次に、厚さ8mmの石膏ボードにポリウレタン系接着剤を80g/mの塗布量で塗布し、前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱温度:180℃、接着圧力:1471000Pa、圧着時間:20秒の条件で加熱圧着し、化粧板を得た。
【0023】
(樹脂フィルムの特性評価)
実施例1、2、および3で作成した化粧板を、下記の特性について評価した。
(耐汚染性)
実施例1、2、および3で作成した化粧板の最表層の樹脂フィルム面に、黒色の油性マジックインキで描画し24時間放置した後、エタノールを含浸させた布で清拭し、樹脂フィルム面に残存するマジックインキの程度を肉眼観察し、下記の基準で評価した。
◎:マジックインキは全く認められない。
○:実用上問題ない程度の極くわずかなマジックインキの残存が認められる。
△:実用上問題となる程度のわずかなマジックインキの残存が認められる。
×:かなりの程度にマジックインキの残存が認められる。
【0024】
(耐溶剤性)
実施例1、2、および3で作成した化粧板の最表層の樹脂フィルム面に、メチルエチルケトンを含浸させたスポンジを載せ、24時間放置した後、フィルム表面の変色および膨れの発生の程度を肉眼観察し、下記の基準で評価した。
◎:変色および膨れの発生は全く認められない。
○:実用上問題ない程度の極くわずかな変色または膨れの発生が認められる。
△:実用上問題となる程度のわずかな変色または膨れの発生が認められる。
×:かなりの程度に変色および膨れが認められる。
【0025】
(耐水劣化性)
本発明の化粧板を高温多湿の状態で長時間経時させた場合(例えばユニットバスの内装材として用いた場合など)を想定し、長時間水と接した場合の樹脂フィルムの耐水劣化性をデュポン衝撃試験法で評価した。
実施例1、2および3で作成した化粧板積層用印刷樹脂フィルムを、厚さ0.5mmの亜鉛めっき鋼板に積層し試験片とした。この試験片を60mm×60mmの大きさに切り出し、38±2℃の温度に保持された脱塩水中に1カ月間浸漬した後室温で乾燥し、デュポン衝撃試験機を用い、JIS K 5400に準拠した条件(衝撃部の外径0.5インチ、重さ1kg、落下高さ50cm)で衝撃を負荷した。衝撃を負荷した後の樹脂フィルムの状態を肉眼観察し、下記の5段階で評価した。
◎:樹脂フィルムに割れが認められない。
○:樹脂フィルムの一部に細かい割れが認められる。
△:樹脂フィルムのエンボス加工部全体に細かい割れが認められる。
×:樹脂フィルムのエンボス加工部全体に大きな割れが認められる。
××:樹脂フィルム全体に割れが著しい。
上記の評点において、◎および○は使用上の問題はない。なお、この試験は10枚の試験片について実施した。これらの樹脂フィルムの特性評価を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003712617
【0027】
表1に示すように、本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、耐汚染性、耐溶剤性、耐水劣化性のいずれにおいても優れた特性を示す。
【産業上の利用可能性】
【0028】
化粧板積層用印刷樹脂フィルムは上記のように構成されており、ポリブチレンテレフタレートフィルムからなる基材樹脂層が熱や張力に対する伸縮変動が少なく、優れた寸法安定性を有しているため、印刷見当精度の良い印刷物を得ることが出来る。
また、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムと同様の製造方法および製造条件で化粧フィルムが得られるために、新規設備の増設や設備の改造などの設備投資を必要とせず、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムと同様の、印刷柄とエンボス柄が同調した意匠性に優れた絵柄模様を表現することができる。
さらに、基材樹脂層や表面保護層を構成する樹脂中に可塑剤を含有していないために、可塑剤のブリードによる表面汚染などの問題が生じることなく、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性などの表面物性に優れている。
またさらに、焼却廃棄する際に、塩化水素ガスのような有毒ガスの発生がないため、環境を汚染する心配もなく環境保全性においても優れている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1は化粧板積層用印刷樹脂フィルムの一例を示す断面図である。図2は化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。図3は化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。図4は化粧板の一例を示す断面図である。図5は化粧板の一例を示す断面図である。

Claims (3)

  1. ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出製膜して基材樹脂層としての厚さ100μmのポリブチレンテレフタレートフィルムとし、
    その片面に、印刷層として着色ベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷し、
    次いで、
    表面保護層としての厚さ25μmの透明二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと、
    上記の印刷を施したポリブチレンテレフタレートフィルムの絵柄印刷層面とを重ねて、
    圧着用ロールの加熱温度200℃で圧着用ロールのニップ圧2451662Paで両フィルムを加熱圧着して積層し、
    化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作成し、
    次に、厚さ0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板の基板にポリエステル系接着剤を5g/m 塗布し、
    前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの基材樹脂層と210℃、接着圧力1471000Pa、圧着時間5秒で加熱圧着することを特徴とする化粧板の製造方法。
  2. ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出製膜して基材樹脂層としての厚さ100μmのポリブチレンテレフタレートフィルムとし、
    その片面に、印刷層として着色ベタ印刷層および絵柄印刷層を印刷し、
    次いで、
    表面保護層としての厚さ25μmの透明ポリブチレンテレフタレートフィルムと、
    上記の印刷を施したポリブチレンテレフタレートフィルムの絵柄印刷層面とを重ねて、
    前記透明ポリブチレンテレフタレートフィルム面をエンボスロール側として、
    エンボスロールとシリコンゴムロールからなる圧着用ロールの加熱温度200℃で圧着用ロールのニップ圧2451662Paで両フィルムを加熱圧着して積層し、
    透明ポリブチレンテレフタレートフィルム表面にエンボス凹部を有する化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製し、
    さらに、この化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス加工面に艶調整層としての艶調整用塗料を版深30μmのグラビアロールにて塗布して化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製し、
    次に、厚さ6mmの木材の基板にポリウレタン系接着剤を50g/m 塗布し、
    前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの基材樹脂層と160℃、接着圧力1471000Pa、圧着時間15秒で加熱圧着することを特徴とする化粧板の製造方法。
  3. ポリブチレンテレフタレート樹脂を押出製膜して基材樹脂層としての厚さ100μmのポリブチレンテレフタレートフィルムとし、
    その片面に、印刷層として絵柄印刷層を印刷し、その上に着色ベタ印刷層を設け、
    前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの印刷が施されていない面をエンボスロール側として、エンボスロールとシリコンゴムロールからなる圧着用ロールの加熱温度200℃で圧着用ロールのニップ圧2451662Paで両フィルムを加熱圧着して積層し、
    前記ポリブチレンテレフタレートフィルムの片面に印刷層を有し、他の片面にエンボス凹部を有する化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製し、
    さらに、この化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス加工面に艶調整層としての艶調整用塗料を版深30μmのグラビアロールにて塗布し、
    次に、厚さ8mmの石膏ボードの基板にポリウレタン系接着剤を80g/m 塗布し、前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムのエンボス凹部を有しない側と180℃、接着圧力1471000Pa、圧着時間20秒で加熱圧着することを特徴とする化粧板の製造方法。
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