JPH0985925A - 化粧シート及び化粧板 - Google Patents
化粧シート及び化粧板Info
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- JPH0985925A JPH0985925A JP7267833A JP26783395A JPH0985925A JP H0985925 A JPH0985925 A JP H0985925A JP 7267833 A JP7267833 A JP 7267833A JP 26783395 A JP26783395 A JP 26783395A JP H0985925 A JPH0985925 A JP H0985925A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 焼却廃棄処理時に塩化水素ガスの様な有毒ガ
スが発生しないので公害の問題もない、ポリ塩化ビニル
フイルムを用いた化粧シートと同等なＶカット加工、ラ
ッピング加工等の曲面加工性、及び高意匠の絵柄模様を
有し、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性に優れた化粧シ
ート及び化粧板を提供する。 【解決手段】 冷結晶化温度とガラス転移温度との差が
６０℃以下の共重合ポリエステルからなり、冷結晶化温
度以上融点以下の準結晶融解ピーク温度を有し、引張り
ヤング率が０．１〜５０kg／mm2 の柔軟性ポリエステル
フイルムと印刷層を設けた紙質系基材シートが熱接着に
よって積層され、該柔軟性ポリエステルフイルム表面に
エンボス加工を施してエンボス凹部を形成し、更にワイ
ピングにより該エンボス凹部にインキを充填し、しかる
のちに艶調整層が設けられている化粧シートを接着剤を
介して基板に積層した化粧板。
スが発生しないので公害の問題もない、ポリ塩化ビニル
フイルムを用いた化粧シートと同等なＶカット加工、ラ
ッピング加工等の曲面加工性、及び高意匠の絵柄模様を
有し、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性に優れた化粧シ
ート及び化粧板を提供する。 【解決手段】 冷結晶化温度とガラス転移温度との差が
６０℃以下の共重合ポリエステルからなり、冷結晶化温
度以上融点以下の準結晶融解ピーク温度を有し、引張り
ヤング率が０．１〜５０kg／mm2 の柔軟性ポリエステル
フイルムと印刷層を設けた紙質系基材シートが熱接着に
よって積層され、該柔軟性ポリエステルフイルム表面に
エンボス加工を施してエンボス凹部を形成し、更にワイ
ピングにより該エンボス凹部にインキを充填し、しかる
のちに艶調整層が設けられている化粧シートを接着剤を
介して基板に積層した化粧板。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種家具類や、建
築内装材等に使用される化粧シートおよびこれを用いた
化粧板に関する。
築内装材等に使用される化粧シートおよびこれを用いた
化粧板に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来この種の化粧板として、（１）薄葉
紙に通常の方法で印刷を施し、表面保護のため、アミノ
アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等のコート層を設けてな
る化粧シート、（２）薄葉紙に印刷を施した後、透明性
のある２軸延伸ポリエステルフイルムを接着剤層を介し
て積層してなる化粧シート、（３）ポリ塩化ビニルフイ
ルムの上に通常の印刷を施した後、透明性のあるポリ塩
化ビニルフイルムを積層してなる化粧シート等の化粧シ
ートを接着剤を介して、合板、ＭＤＦ等の基板に積層し
たものが知られている。
紙に通常の方法で印刷を施し、表面保護のため、アミノ
アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等のコート層を設けてな
る化粧シート、（２）薄葉紙に印刷を施した後、透明性
のある２軸延伸ポリエステルフイルムを接着剤層を介し
て積層してなる化粧シート、（３）ポリ塩化ビニルフイ
ルムの上に通常の印刷を施した後、透明性のあるポリ塩
化ビニルフイルムを積層してなる化粧シート等の化粧シ
ートを接着剤を介して、合板、ＭＤＦ等の基板に積層し
たものが知られている。
【０００３】しかしながら、上記（１）の化粧シートを
用いたものは、化粧シートの強度が不十分であるため、
Ｖカット加工、ラッピング加工等の曲面加工には適さ
ず、加工時に化粧シートの割れ、又はコーナー部のイン
キの剥離が生じ易いという問題があり、（２）の化粧シ
ートを用いたものは、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性
には優れているが、表面フイルムが柔軟性に乏しく、軟
化温度が高いためエンボスが入り難く、（３）の化粧シ
ートを用いたものにおいては、ポリ塩化ビニルフイルム
を用いているため、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性が
劣り、また焼却廃棄処理時に塩化水素ガスの様な有毒ガ
スが発生するために、焼却等の廃棄処理をする際に焼却
炉を傷めたり環境を汚染するおそれがある等の問題があ
った。
用いたものは、化粧シートの強度が不十分であるため、
Ｖカット加工、ラッピング加工等の曲面加工には適さ
ず、加工時に化粧シートの割れ、又はコーナー部のイン
キの剥離が生じ易いという問題があり、（２）の化粧シ
ートを用いたものは、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性
には優れているが、表面フイルムが柔軟性に乏しく、軟
化温度が高いためエンボスが入り難く、（３）の化粧シ
ートを用いたものにおいては、ポリ塩化ビニルフイルム
を用いているため、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性が
劣り、また焼却廃棄処理時に塩化水素ガスの様な有毒ガ
スが発生するために、焼却等の廃棄処理をする際に焼却
炉を傷めたり環境を汚染するおそれがある等の問題があ
った。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、焼却廃棄処理時に塩化水素ガスの様な有毒ガスが発
生しないので公害の問題もない、ポリ塩化ビニルフイル
ムを用いた化粧シートと同等なＶカット加工、ラッピン
グ加工等の曲面加工性、及び、高意匠の絵柄模様を有
し、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性に優れた化粧シー
ト及び化粧板を提供することにある。
に鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、焼却廃棄処理時に塩化水素ガスの様な有毒ガスが発
生しないので公害の問題もない、ポリ塩化ビニルフイル
ムを用いた化粧シートと同等なＶカット加工、ラッピン
グ加工等の曲面加工性、及び、高意匠の絵柄模様を有
し、耐汚染性、耐溶剤性等の表面物性に優れた化粧シー
ト及び化粧板を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の化粧シートは、紙質系基材シート、印刷
層、表面保護層が下から順次積層された化粧シートにお
いて、前記印刷層が前記紙質系基材シートの全面に設け
られ、且つ前記表面保護層が冷結晶化温度とガラス転移
温度との差が６０℃以下の共重合ポリエステルからな
り、冷結晶化温度以上融点以下の準結晶融解ピーク温度
を有し、引張りヤング率が０．１〜５０kg／mm2 の柔軟
性ポリエステルフイルムよりなることを特徴とするもの
である。
に、本発明の化粧シートは、紙質系基材シート、印刷
層、表面保護層が下から順次積層された化粧シートにお
いて、前記印刷層が前記紙質系基材シートの全面に設け
られ、且つ前記表面保護層が冷結晶化温度とガラス転移
温度との差が６０℃以下の共重合ポリエステルからな
り、冷結晶化温度以上融点以下の準結晶融解ピーク温度
を有し、引張りヤング率が０．１〜５０kg／mm2 の柔軟
性ポリエステルフイルムよりなることを特徴とするもの
である。
【０００６】また、前記印刷層が硝化綿系インキからな
り、前記柔軟性ポリエステルフイルムと印刷層が熱接着
によって積層されていることを特徴とすることが好まし
いものである。
り、前記柔軟性ポリエステルフイルムと印刷層が熱接着
によって積層されていることを特徴とすることが好まし
いものである。
【０００７】さらに、前記柔軟性ポリエステルフイルム
表面にエンボス加工を施してエンボス凹部を形成し、更
にワイピングにより前記エンボス凹部にインキを充填
し、しかるのちに艶調整層を設けてなることを特徴とす
ることがより好ましいものである。
表面にエンボス加工を施してエンボス凹部を形成し、更
にワイピングにより前記エンボス凹部にインキを充填
し、しかるのちに艶調整層を設けてなることを特徴とす
ることがより好ましいものである。
【０００８】また、本発明の化粧板は、上記化粧シート
の紙質系基材シートの下面に接着剤層を介して基板を積
層してなることを特徴とするものである。
の紙質系基材シートの下面に接着剤層を介して基板を積
層してなることを特徴とするものである。
【０００９】
【発明の実施の態様】図１は本発明の化粧シートの１実
施例を示す断面図、図２は本発明の化粧シートの他の実
施例を示す断面図、図３は本発明の化粧板の１実施例を
示す断面図であり、１、１’は化粧シート、２は基板、
３は接着剤層、４は紙質系基材シート、５は印刷層、５
１はベタ印刷層、５２は絵柄印刷層、６は柔軟性ポリエ
ステルフイルム、７はエンボス凹部、８はワイピングイ
ンキ、９は艶調整層、１０は化粧板をそれぞれ表してい
る。
施例を示す断面図、図２は本発明の化粧シートの他の実
施例を示す断面図、図３は本発明の化粧板の１実施例を
示す断面図であり、１、１’は化粧シート、２は基板、
３は接着剤層、４は紙質系基材シート、５は印刷層、５
１はベタ印刷層、５２は絵柄印刷層、６は柔軟性ポリエ
ステルフイルム、７はエンボス凹部、８はワイピングイ
ンキ、９は艶調整層、１０は化粧板をそれぞれ表してい
る。
【００１０】本発明の化粧シート１は図１に示すよう
に、紙質系基材シート４の上面に、ベタ印刷層５１、絵
柄印刷層５２よりなる印刷層５が設けられ、該印刷層５
の上面に、柔軟性ポリエステルフイルム６が積層された
ものであり、ベタ印刷層５１、絵柄印刷層５２よりなる
印刷層５を設けた紙質系基材シート４の印刷層面５と柔
軟性ポリエステルフイルム６とを接着剤層を用いずに熱
接着によって積層することにより作製されるものであ
る。
に、紙質系基材シート４の上面に、ベタ印刷層５１、絵
柄印刷層５２よりなる印刷層５が設けられ、該印刷層５
の上面に、柔軟性ポリエステルフイルム６が積層された
ものであり、ベタ印刷層５１、絵柄印刷層５２よりなる
印刷層５を設けた紙質系基材シート４の印刷層面５と柔
軟性ポリエステルフイルム６とを接着剤層を用いずに熱
接着によって積層することにより作製されるものであ
る。
【００１１】本発明に用いられる紙質系基材シート４と
しては、建材用プリント紙、純白紙等の薄葉紙、晒もし
くは未晒のクラフト紙、上質紙、チタン紙、リンター
紙、板紙、石膏ボード紙等が使用できるが、通常、秤量
２５〜６５ｇ／ｍ2 の薄葉紙に好ましくはアクリルアミ
ド、エポキシアミド等による紙間強度を強くした紙間強
化紙又は秤量４０〜１００ｇ／ｍ2 のラテックス含浸紙
がその紙間強度の面から好ましく用いられる。
しては、建材用プリント紙、純白紙等の薄葉紙、晒もし
くは未晒のクラフト紙、上質紙、チタン紙、リンター
紙、板紙、石膏ボード紙等が使用できるが、通常、秤量
２５〜６５ｇ／ｍ2 の薄葉紙に好ましくはアクリルアミ
ド、エポキシアミド等による紙間強度を強くした紙間強
化紙又は秤量４０〜１００ｇ／ｍ2 のラテックス含浸紙
がその紙間強度の面から好ましく用いられる。
【００１２】印刷層５は、例えば、木目、石目、天然皮
革の表面柄、布目、抽象柄等を表現した絵柄印刷層５２
と紙質系基材シート４を隠蔽し、絵柄印刷層の印刷下地
色を与えると共に、紙質系基材シート４と表面保護層の
柔軟性ポリエステルフイルム６との熱接着性を与える、
全面に印刷を施したベタ印刷層５１からなり、印刷層５
を形成するインキのベヒクルとしては、例えば、ニトロ
セルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポ
リエステルウレタン樹脂等の公知のものが使用できる
が、なかでもニトロセルロース−アルキッド樹脂系イン
キが密着及び熱接着性共に良好で好ましいものである。
革の表面柄、布目、抽象柄等を表現した絵柄印刷層５２
と紙質系基材シート４を隠蔽し、絵柄印刷層の印刷下地
色を与えると共に、紙質系基材シート４と表面保護層の
柔軟性ポリエステルフイルム６との熱接着性を与える、
全面に印刷を施したベタ印刷層５１からなり、印刷層５
を形成するインキのベヒクルとしては、例えば、ニトロ
セルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポ
リエステルウレタン樹脂等の公知のものが使用できる
が、なかでもニトロセルロース−アルキッド樹脂系イン
キが密着及び熱接着性共に良好で好ましいものである。
【００１３】紙質系基材シート４上面の印刷層５面に柔
軟性ポリエステルフイルム６を重ね合わせ、紙質系基材
シート４と柔軟性ポリエステルフイルム６を重ね合せた
ままに互いに圧接された熱ロール間に通して熱融着し、
一枚の積層シートを製造する。加熱しながら加圧するこ
とにより柔軟性ポリエステルフイルム６を紙質系基材シ
ート４の印刷層面５に融着して一枚の積層化粧シート１
を作るものである。
軟性ポリエステルフイルム６を重ね合わせ、紙質系基材
シート４と柔軟性ポリエステルフイルム６を重ね合せた
ままに互いに圧接された熱ロール間に通して熱融着し、
一枚の積層シートを製造する。加熱しながら加圧するこ
とにより柔軟性ポリエステルフイルム６を紙質系基材シ
ート４の印刷層面５に融着して一枚の積層化粧シート１
を作るものである。
【００１４】柔軟性ポリエステルフイルム６は、冷結晶
化温度とガラス転移温度との差が６０℃以下の共重合ポ
リエステルからなり、冷結晶化温度以上融点以下の準結
晶融解ピーク温度を有し、引っ張りヤング率が０．１〜
５０kg／mm2 であるポリエステルフイルムからなり、破
断伸びが軟質塩化ビニル樹脂よりも大きく、かつ、融点
及びヤング率がそれぞれ軟質塩化ビニル樹脂よりも大き
くかつポリエステル樹脂よりも小さく、かつ、湿度膨張
係数及び熱膨張係数がそれぞれ軟質塩化ビニル樹脂より
も小さく、かつ、可塑剤及びハロゲン属元素を含まない
柔軟なポリエステルフイルムからなることを特徴として
いる。
化温度とガラス転移温度との差が６０℃以下の共重合ポ
リエステルからなり、冷結晶化温度以上融点以下の準結
晶融解ピーク温度を有し、引っ張りヤング率が０．１〜
５０kg／mm2 であるポリエステルフイルムからなり、破
断伸びが軟質塩化ビニル樹脂よりも大きく、かつ、融点
及びヤング率がそれぞれ軟質塩化ビニル樹脂よりも大き
くかつポリエステル樹脂よりも小さく、かつ、湿度膨張
係数及び熱膨張係数がそれぞれ軟質塩化ビニル樹脂より
も小さく、かつ、可塑剤及びハロゲン属元素を含まない
柔軟なポリエステルフイルムからなることを特徴として
いる。
【００１５】このポリエステルフイルムを形成する材料
の一例としては、以下の組成を有する共重合ポリエステ
ル樹脂が好適に使用される。すなわち、このフイルムを
形成するソフトセグメントとして、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシア
ルキレングリコール、あるいは、ポリε−カプロラクト
ン、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダ
イマー酸等のＨＯＯＣ−〔ＣＨ2 〕n −ＣＯＯＨの脂肪
酸ジカルボン酸と脂肪族および／または脂環族ジオール
からなる脂肪族ポリエステル等が好適に使用される。
の一例としては、以下の組成を有する共重合ポリエステ
ル樹脂が好適に使用される。すなわち、このフイルムを
形成するソフトセグメントとして、ポリエチレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシア
ルキレングリコール、あるいは、ポリε−カプロラクト
ン、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダ
イマー酸等のＨＯＯＣ−〔ＣＨ2 〕n −ＣＯＯＨの脂肪
酸ジカルボン酸と脂肪族および／または脂環族ジオール
からなる脂肪族ポリエステル等が好適に使用される。
【００１６】また、このフイルムを形成するハードセグ
メントとして、エチレンテレフタレート、ブチレンテレ
フタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、シクロヘキサンジメチレンシクロヘキサンジカルボ
キシレート、ブチレン２，６ナフタレンジカルボキシレ
ート等の芳香族および／または脂環族エステルユニット
から選ばれた少なくとも一つより形成されることが好ま
しい。
メントとして、エチレンテレフタレート、ブチレンテレ
フタレート、シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、シクロヘキサンジメチレンシクロヘキサンジカルボ
キシレート、ブチレン２，６ナフタレンジカルボキシレ
ート等の芳香族および／または脂環族エステルユニット
から選ばれた少なくとも一つより形成されることが好ま
しい。
【００１７】さらに、アルコール成分として、１，４ブ
タンジオール残基を含有していることが耐溶剤性の点で
好ましく、共重合ポリエステルを形成する全アルコール
成分に占める１，４ブタンジオール残基が４０モル％以
上、６５モル％以下であることが好ましい。
タンジオール残基を含有していることが耐溶剤性の点で
好ましく、共重合ポリエステルを形成する全アルコール
成分に占める１，４ブタンジオール残基が４０モル％以
上、６５モル％以下であることが好ましい。
【００１８】また、紙質系基材シート４と柔軟性ポリエ
ステルフイルム６を貼合せるラミネートロールとしてエ
ンボスロールを使用すれば貼合せとエンボスを同時に行
うことができ、柔軟性ポリエステルフイルム６の表面に
エンボス凹部７が賦形されたエンボス化粧シートを得る
ことが出来る。そして、紙質系基材シート４が張力や熱
に対する伸縮変動を抑えることができ、寸法安定性に優
れるため、印刷柄とエンボス柄が同調した高意匠のエン
ボス化粧シートとすることが出来る。さらに、これら貼
合せとエンボス等の工程を通常のポリ塩化ビニルフイル
ムと同じ条件にて作業が可能である。更に、柔軟性ポリ
エステルフイルム６の表面に設けられたエンボス凹部７
にワイピングインキ８を充填し、艶調整層９を施す構成
とすることによって、図２に示すような、高意匠の絵柄
模様を有する化粧シート１’が得られる。
ステルフイルム６を貼合せるラミネートロールとしてエ
ンボスロールを使用すれば貼合せとエンボスを同時に行
うことができ、柔軟性ポリエステルフイルム６の表面に
エンボス凹部７が賦形されたエンボス化粧シートを得る
ことが出来る。そして、紙質系基材シート４が張力や熱
に対する伸縮変動を抑えることができ、寸法安定性に優
れるため、印刷柄とエンボス柄が同調した高意匠のエン
ボス化粧シートとすることが出来る。さらに、これら貼
合せとエンボス等の工程を通常のポリ塩化ビニルフイル
ムと同じ条件にて作業が可能である。更に、柔軟性ポリ
エステルフイルム６の表面に設けられたエンボス凹部７
にワイピングインキ８を充填し、艶調整層９を施す構成
とすることによって、図２に示すような、高意匠の絵柄
模様を有する化粧シート１’が得られる。
【００１９】次に、柔軟性ポリエステルフイルム６のエ
ンボス凹部７に充填されるワイピングインキ８として
は、塗料ないしインキが用いられる、例えば、天然樹脂
又はその変性樹脂類、セルロース誘導体類、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂等の合成樹脂類をベヒクルの構成材料
とし、ベヒクル中に着色顔料、体質顔料、可塑剤等を添
加して成る塗料又はインキが用いられる。使用されるベ
ヒクルとしてはウレタン２液硬化タイプのものが好適に
用いられる。ワイピング法としては、ドクターブレード
法、ロールコート法など、従来から使用されているワイ
ピング法のいずれによっても良い。
ンボス凹部７に充填されるワイピングインキ８として
は、塗料ないしインキが用いられる、例えば、天然樹脂
又はその変性樹脂類、セルロース誘導体類、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リウレタン系樹脂等の合成樹脂類をベヒクルの構成材料
とし、ベヒクル中に着色顔料、体質顔料、可塑剤等を添
加して成る塗料又はインキが用いられる。使用されるベ
ヒクルとしてはウレタン２液硬化タイプのものが好適に
用いられる。ワイピング法としては、ドクターブレード
法、ロールコート法など、従来から使用されているワイ
ピング法のいずれによっても良い。
【００２０】艶調整層９は無色の透明であつても、ある
いは着色透明であっても、更に艶消しの透明であっても
よく、化粧シート表面の光沢度を調整するために設ける
ものであるが、表面保護の役割もある。艶調整層９は適
宜のベヒクルを用いた塗料を塗布する事により形成さ
れ、該ベヒクルとしてはフェノール樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱
硬化性樹脂の１種又は２種以上の混合樹脂を用いること
が出来る。艶調整層７を形成する塗料には通常、適量の
艶消剤を分散させて所望の光沢度を与えるが艶消剤とし
ては、マイカ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケ
イソウ土、ケイ砂、シラスバルーン等が用いられる。上
記塗料の塗布方法としては、グラビアコート、ロールコ
ート、エアナイフコート等の方式が用いられる。
いは着色透明であっても、更に艶消しの透明であっても
よく、化粧シート表面の光沢度を調整するために設ける
ものであるが、表面保護の役割もある。艶調整層９は適
宜のベヒクルを用いた塗料を塗布する事により形成さ
れ、該ベヒクルとしてはフェノール樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン系樹脂等の熱
硬化性樹脂の１種又は２種以上の混合樹脂を用いること
が出来る。艶調整層７を形成する塗料には通常、適量の
艶消剤を分散させて所望の光沢度を与えるが艶消剤とし
ては、マイカ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケ
イソウ土、ケイ砂、シラスバルーン等が用いられる。上
記塗料の塗布方法としては、グラビアコート、ロールコ
ート、エアナイフコート等の方式が用いられる。
【００２１】また、上記の方法によって得られた化粧シ
ート１、１’を接着剤層３により基板２と貼合せること
により図３に示すような化粧板１０が得られる。基板２
としては、例えば、木材単板、木材合板、パーチクルボ
ード、ＭＤＦ等の木質板、鉄板、アルミニウム板、亜鉛
メッキ鋼板等の金属板、石膏板、珪酸カルシウム板、石
綿スレート板等の無機質板が挙げられる。
ート１、１’を接着剤層３により基板２と貼合せること
により図３に示すような化粧板１０が得られる。基板２
としては、例えば、木材単板、木材合板、パーチクルボ
ード、ＭＤＦ等の木質板、鉄板、アルミニウム板、亜鉛
メッキ鋼板等の金属板、石膏板、珪酸カルシウム板、石
綿スレート板等の無機質板が挙げられる。
【００２２】化粧シート１、１’と基板２の貼付けに用
いられる接着剤層３としては、化粧シート１、１’の基
材が紙質系よりなるため、一般的な接着剤、例えば、酢
酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、
尿素樹脂系、ウレタン樹脂系等のエマルジョン型接着剤
が火気に対して安全で、臭気もなく、価格的にも安価な
ため好ましく用いられる。
いられる接着剤層３としては、化粧シート１、１’の基
材が紙質系よりなるため、一般的な接着剤、例えば、酢
酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、
尿素樹脂系、ウレタン樹脂系等のエマルジョン型接着剤
が火気に対して安全で、臭気もなく、価格的にも安価な
ため好ましく用いられる。
【００２３】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例１ 秤量３０ｇ／ｍ2 の紙間強化紙にニトロセルロース−ア
ルキッド系インキ（昭和インク製、ＳＡＭ）にて着色ベ
タ層、絵柄印刷層を、グラビア輪転機にてインラインに
て印刷を行った。次いで厚さ０．１４mmの透明柔軟性ポ
リエステルフイルム（東レ製、Ｎ−６）と、上記印刷さ
れた紙間強化紙の絵柄印刷層面とを重ねて、加熱条件１
７０℃、速度２０ｍ／分、ニップ圧２５kgf/cm2 の条件
で熱ラミネートを行うことにより化粧シートを作製し
た。次に、厚さ２．７mmのＭＤＦに酢酸ビニルエマルジ
ョン系接着剤を７０ｇ／ｍ2 塗布し、前記化粧シートを
６０℃、１５kgf/cm2 、２０秒の条件で接着し化粧板を
得た。
る。 実施例１ 秤量３０ｇ／ｍ2 の紙間強化紙にニトロセルロース−ア
ルキッド系インキ（昭和インク製、ＳＡＭ）にて着色ベ
タ層、絵柄印刷層を、グラビア輪転機にてインラインに
て印刷を行った。次いで厚さ０．１４mmの透明柔軟性ポ
リエステルフイルム（東レ製、Ｎ−６）と、上記印刷さ
れた紙間強化紙の絵柄印刷層面とを重ねて、加熱条件１
７０℃、速度２０ｍ／分、ニップ圧２５kgf/cm2 の条件
で熱ラミネートを行うことにより化粧シートを作製し
た。次に、厚さ２．７mmのＭＤＦに酢酸ビニルエマルジ
ョン系接着剤を７０ｇ／ｍ2 塗布し、前記化粧シートを
６０℃、１５kgf/cm2 、２０秒の条件で接着し化粧板を
得た。
【００２４】実施例２ 前記実施例１の熱ラミネート条件と同条件にて、印刷さ
れた紙質系基材の絵柄印刷層面と透明柔軟性ポリエステ
ルフイルムとを対向させた状態で、前記透明柔軟性ポリ
エステルフイルム面をエンボスロール側としてエンボス
ロールとシリコンゴムロール間にて圧着することにより
エンボス凹部を有する化粧シートを得た。次いでエンボ
スによる凹部が表面に賦形された透明柔軟性ポリエステ
ルフイルム面に２液硬化型ウレタン系着色インキ（昭和
インク製、ＰＷ−００１）をロールコート法によって塗
工したあと、ドクターブレードで凹部以外の部分に付着
している着色インキを除去し、積層シートの表面に形成
されているエンボス凹部内に着色インキを充填、固化さ
せた。更にこのシート上に２液硬化型ウレタン系艶調整
用塗料（昭和インク製、ＯＰ−no８１）を版深６０μｍ
のグラビアロールにてコートする事によって、意匠性に
優れたワイピング化粧シートを作製した。次に、厚さ
２．７mmのＭＤＦに酢酸ビニルエマルジョン系接着剤を
７０ｇ／ｍ2 塗布し、前記化粧シートを６０℃、１５kg
f/cm2 、２０秒の条件で接着し化粧板を得た。
れた紙質系基材の絵柄印刷層面と透明柔軟性ポリエステ
ルフイルムとを対向させた状態で、前記透明柔軟性ポリ
エステルフイルム面をエンボスロール側としてエンボス
ロールとシリコンゴムロール間にて圧着することにより
エンボス凹部を有する化粧シートを得た。次いでエンボ
スによる凹部が表面に賦形された透明柔軟性ポリエステ
ルフイルム面に２液硬化型ウレタン系着色インキ（昭和
インク製、ＰＷ−００１）をロールコート法によって塗
工したあと、ドクターブレードで凹部以外の部分に付着
している着色インキを除去し、積層シートの表面に形成
されているエンボス凹部内に着色インキを充填、固化さ
せた。更にこのシート上に２液硬化型ウレタン系艶調整
用塗料（昭和インク製、ＯＰ−no８１）を版深６０μｍ
のグラビアロールにてコートする事によって、意匠性に
優れたワイピング化粧シートを作製した。次に、厚さ
２．７mmのＭＤＦに酢酸ビニルエマルジョン系接着剤を
７０ｇ／ｍ2 塗布し、前記化粧シートを６０℃、１５kg
f/cm2 、２０秒の条件で接着し化粧板を得た。
【００２５】
【発明の効果】本発明の化粧シートは以上説明したよう
に構成されているので、従来の塩化ビニルフイルムを用
いた化粧シートのように、焼却廃棄処理時に塩化水素ガ
スのような有毒ガスの発生がないため、環境を汚染する
心配もない。また、柔軟性ポリエステルフイルムが可塑
剤を含有しない為、可塑剤のブリードによって表面が汚
れる等の問題もなくなり、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性
等表面物性に優れ、Ｖカット、ラッピング等の曲面加工
性にも優れる化粧シート及び化粧板とすることが出来
る。
に構成されているので、従来の塩化ビニルフイルムを用
いた化粧シートのように、焼却廃棄処理時に塩化水素ガ
スのような有毒ガスの発生がないため、環境を汚染する
心配もない。また、柔軟性ポリエステルフイルムが可塑
剤を含有しない為、可塑剤のブリードによって表面が汚
れる等の問題もなくなり、耐汚染性、耐溶剤性、耐水性
等表面物性に優れ、Ｖカット、ラッピング等の曲面加工
性にも優れる化粧シート及び化粧板とすることが出来
る。
【００２６】また、基材シートに、張力や熱に対する伸
縮変動を抑えることができ寸法安定性に優れる紙質系基
材シートが用いられているため、グラビア多色印刷に対
する適性が優れており印刷見当精度の良い印刷物を得る
ことが出来る。、さらには印刷柄とエンボス柄の同調し
た高意匠の絵柄模様をも表現する事が可能となる。
縮変動を抑えることができ寸法安定性に優れる紙質系基
材シートが用いられているため、グラビア多色印刷に対
する適性が優れており印刷見当精度の良い印刷物を得る
ことが出来る。、さらには印刷柄とエンボス柄の同調し
た高意匠の絵柄模様をも表現する事が可能となる。
【００２７】さらに、塩化ビニルフイルムを使用した化
粧シートと同様な製造方法、又条件で化粧シートが得ら
れるために、新規設備の増設、設備の改造等の無駄な設
備投資の必要がない。
粧シートと同様な製造方法、又条件で化粧シートが得ら
れるために、新規設備の増設、設備の改造等の無駄な設
備投資の必要がない。
【図１】本発明の化粧シートの１実施例を示す断面図で
ある。
ある。
【図２】本発明の化粧シートの他の実施例を示す断面図
である。
である。
【図３】本発明の化粧板の１実施例を示す断面図であ
る。
る。
１、１’ 化粧シート ２ 基板 ３ 接着剤層 ４ 紙質系基材シート ５ 印刷層 ５１ ベタ印刷層 ５２ 絵柄印刷層 ６ 柔軟性ポリエステルフイルム ７ エンボス凹部 ８ ワイピングインキ ９ 艶調整層 １０ 化粧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ３２Ｂ 27/36 Ｂ３２Ｂ 27/36 Ｅ０４Ｆ 13/00 8913−2Ｅ Ｅ０４Ｆ 13/00 Ｂ 13/08 8913−2Ｅ 13/08 Ａ
Claims (4)
- 【請求項１】 紙質系基材シート、印刷層、表面保護層
が下から順次積層された化粧シートにおいて、前記印刷
層が前記紙質系基材シートの全面に設けられ、且つ前記
表面保護層が冷結晶化温度とガラス転移温度との差が６
０℃以下の共重合ポリエステルからなり、冷結晶化温度
以上融点以下の準結晶融解ピーク温度を有し、引張りヤ
ング率が０．１〜５０kg／mm2 の柔軟性ポリエステルフ
イルムよりなることを特徴とする化粧シート。 - 【請求項２】 前記印刷層が硝化綿系インキからなり、
前記柔軟性ポリエステルフイルムと印刷層が熱接着によ
って積層されていることを特徴とする請求項１記載の化
粧シート。 - 【請求項３】 前記柔軟性ポリエステルフイルム表面に
エンボス加工を施してエンボス凹部を形成し、更にワイ
ピングにより前記エンボス凹部にインキを充填し、しか
るのちに艶調整層を設けてなることを特徴とする請求項
１、２記載の化粧シート。 - 【請求項４】 請求項１乃至３記載の化粧シートの紙質
系基材シートの下面に接着剤層を介して基板を積層して
なることを特徴とする化粧板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7267833A JPH0985925A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 化粧シート及び化粧板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7267833A JPH0985925A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 化粧シート及び化粧板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0985925A true JPH0985925A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17450260
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7267833A Pending JPH0985925A (ja) | 1995-09-20 | 1995-09-20 | 化粧シート及び化粧板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0985925A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11300905A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-02 | Toppan Printing Co Ltd | 耐候性、耐汚染性及び耐溶剤性を有する化粧シート |
| WO2000050240A1 (en) * | 1999-02-26 | 2000-08-31 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Printed resin film for decorative sheet lamination and decorative sheet laminated with the film |
| JP2004052270A (ja) * | 2002-07-17 | 2004-02-19 | Toyo Kohan Co Ltd | 目地デザイン樹脂フィルム、目地デザイン樹脂フィルムを被覆してなる目地デザイン樹脂フィルム被覆金属板、およびそれらの製造方法 |
| JP2005111923A (ja) * | 2003-10-10 | 2005-04-28 | Riken Technos Corp | 鋼板用化粧フィルム及び鋼板用積層化粧シート |
| JP2015193209A (ja) * | 2013-09-27 | 2015-11-05 | 大日本印刷株式会社 | 化粧シート及び化粧板 |
-
1995
- 1995-09-20 JP JP7267833A patent/JPH0985925A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH11300905A (ja) * | 1998-04-24 | 1999-11-02 | Toppan Printing Co Ltd | 耐候性、耐汚染性及び耐溶剤性を有する化粧シート |
| WO2000050240A1 (en) * | 1999-02-26 | 2000-08-31 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Printed resin film for decorative sheet lamination and decorative sheet laminated with the film |
| JP2004052270A (ja) * | 2002-07-17 | 2004-02-19 | Toyo Kohan Co Ltd | 目地デザイン樹脂フィルム、目地デザイン樹脂フィルムを被覆してなる目地デザイン樹脂フィルム被覆金属板、およびそれらの製造方法 |
| JP2005111923A (ja) * | 2003-10-10 | 2005-04-28 | Riken Technos Corp | 鋼板用化粧フィルム及び鋼板用積層化粧シート |
| JP2015193209A (ja) * | 2013-09-27 | 2015-11-05 | 大日本印刷株式会社 | 化粧シート及び化粧板 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040713 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040803 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041130 |