JP2001293703A - 三次元形状の木質建材 - Google Patents

三次元形状の木質建材

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JP2001293703A
JP2001293703A JP2000115059A JP2000115059A JP2001293703A JP 2001293703 A JP2001293703 A JP 2001293703A JP 2000115059 A JP2000115059 A JP 2000115059A JP 2000115059 A JP2000115059 A JP 2000115059A JP 2001293703 A JP2001293703 A JP 2001293703A
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wooden building
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Kahei Murata
嘉平 村田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境保護問題に配慮してリサイクルが容易であ
り、しかも印刷による繊細な絵柄の意匠性の付与も容易
であり、安価に製造可能な三次元形状の木質建材を提供
する。 【解決手段】三次元形状に成形した木質基材3の表面に
沿って、表面装飾紙1を水系接着剤2で貼着してなる三
次元形状の木質建材である。水系接着剤2としてエマル
ジョン接着剤などを表面装飾紙1の裏面に塗布してお
き、真空成型法、ソフトラッピング法または金型プレス
法などにより、木質基材3の三次元形状の表面に沿って
成形しながら貼着して製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の建築物の
内装や建具、家具等に使用するための木質建材に関する
ものであり、特に例えば室内用框戸の鏡板や、厨房又は
クローゼット等の収納扉、室内壁の腰壁材など、表面に
三次元形状を伴う用途に好適な、三次元形状の木質建材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記した種々の用途には、中
質繊維板(MDF)などの木質基材の表面に、切削加工
又は型押加工等により立体的な表面加工を施してなる、
三次元形状の木質基材の表面に、塗装等の適宜の装飾加
工を施した、三次元形状の木質建材が、広く用いられて
いる。
【0003】三次元形状の木質基材の表面への装飾加工
方法としては、上記した塗装法では単調な意匠となるの
で、より繊細な木目柄等の自由な意匠表現が可能な装飾
加工方法として、例えばポリ塩化ビニル樹脂フィルム又
はポリオレフィン系樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂フィ
ルムに、木目柄等の所望の絵柄の印刷を施してなる表面
装飾シートを、加熱により軟化させながら木質基材の三
次元形状の表面に沿って成形しつつ貼着する方法など
も、従来より広く行われている。
【0004】しかしながら、上記のような印刷フィルム
を使用した装飾加工方法は、塗装法などと比較して、熱
可塑性樹脂フィルムを使用した表面装飾シートのコスト
がかなり高いという問題がある。また、近年の環境保護
意識の高まりを受けて、住宅建築や家具製造等の分野に
おいても、廃材や端材のリサイクルの必要性が叫ばれる
ようになっているが、熱可塑性樹脂製の表面装飾シート
を貼着した木質建材は、異質な材料の複合材であること
から、そのままでは再利用が困難である。
【0005】再利用を容易にするために、廃棄時に木質
基材と表面装飾シートとを分離することの検討も、一部
で始まっている。しかし、そもそも住宅や家具等は長年
の使用に耐えることが要求されるものであり、従って木
質基材と表面装飾シートとは容易には剥離しないよう
に、十分な耐久接着性をもって貼着されるものであるか
ら、両者の分離は一般に困難である。
【0006】このように、熱可塑性樹脂製の表面装飾シ
ートを使用した木質建材をリサイクルしようとすると、
耐久性の観点からは剥離しにくいことが要求され、リサ
イクル性の観点からは剥離し易いことが要求されるとい
う矛盾のために、耐久性とリサイクル性とを共に満足す
ることは、極めて困難である。
【0007】一方、木質基材から剥離しなくても再利用
できるように、木質基材と同じ天然木質繊維を主成分と
する紙に、木目柄の印刷等の所望の装飾を施した表面装
飾紙を、上記した熱可塑性樹脂製の表面装飾シートの替
わりに使用することも考えられる。しかしながら、紙は
加熱しても可塑化する性質がなく、三次元形状への加工
が難しいことから、やはり繊細な絵柄の意匠性とリサイ
クル性とを兼備した三次元形状の木質建材は実現してい
ないのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記したような問題点を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは、環境保護問題
に配慮してリサイクルが容易であり、しかも印刷による
繊細な絵柄の意匠性の付与も容易であり、安価に製造可
能な三次元形状の木質建材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、三次元形状に成形した木質基材の表面に
沿って、表面装飾紙を水系接着剤で貼着してなることを
特徴とする三次元形状の木質建材を提供する。
【0010】また本発明は、前記表面装飾紙は、裏面に
水系接着剤が塗布された後、三次元形状に成形した木質
基材に貼着されると同時に、該三次元形状の表面に沿っ
て成形されていることを特徴とする三次元形状の木質建
材を提供する。
【0011】また本発明は、前記表面装飾紙は、少なく
とも裏面に水分が付与された後、予め表面に水系接着剤
が塗布された三次元形状に成形した木質基材に貼着され
ると同時に、該三次元形状の表面に沿って成形されてい
ることを特徴とする三次元形状の木質建材を提供する。
【0012】また本発明は、前記表面装飾紙は、真空成
型法、ソフトラッピング法又は金型プレス法によって、
木質基材の三次元形状の表面に沿って成形されているこ
とを特徴とする三次元形状の木質建材を提供する。
【0013】また本発明は、前記水系接着剤が、エマル
ジョン系接着剤であることを特徴とする三次元形状の木
質建材を提供する。
【0014】また本発明は、前記エマルジョン系接着剤
が、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョ
ン系接着剤又はウレタン樹脂エマルジョン系接着剤であ
ることを特徴とする三次元形状の木質建材を提供する。
【0015】また本発明は、前記水系接着剤が、40〜
150℃の温度範囲で熱ラミネート適性を有することを
特徴とする三次元形状の木質建材を提供する。
【0016】また本発明は、前記表面装飾紙の坪量が3
0〜150g/m2であることを特徴とする三次元形状
の木質建材を提供する。
【0017】また本発明は、前記表面装飾紙が、引張に
対して幅方向に5%以上の伸度を有することを特徴とす
る三次元形状の木質建材を提供する。
【0018】また本発明は、前記表面装飾紙が、合成ゴ
ム系ラテックス含浸紙からなることを特徴とする三次元
形状の木質建材を提供する。
【0019】また本発明は、前記表面装飾紙に、絵柄の
印刷が施されていることを特徴とする三次元形状の木質
建材を提供する。
【0020】また本発明は、前記表面装飾紙が、表面紙
の裏面に防湿層及び裏打紙が順次積層されたものである
ことを特徴とする三次元形状の木質建材を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の三次元形状の木
質建材の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】本発明の三次元形状の木質建材は、例えば
図1に示したような三次元形状に切削加工等により成形
した木質基材3の表面に、図2に示したように接着剤2
を介して表面装飾紙1を貼着して、三次元形状の木質建
材を得るに際し、木質基材3を表面装飾紙1との間に介
在させる接着剤2として特に、水系接着剤を使用するこ
とによって、表面装飾紙1を木質基材3の三次元形状の
表面に沿って成形し、隙間なく密着させたものである。
【0023】三次元形状に成形した木質基材3の表面
に、接着剤2を介して表面装飾紙1を貼着するにあた
り、接着剤2として例えば2液ウレタン系等の溶剤系の
接着剤を使用したのであっては、表面装飾紙1を木質基
材3の三次元形状の表面に沿って成形することができな
い。それが、接着剤2として水系接着剤を使用すること
によって、表面装飾紙1の三次元形状への成形が可能と
なるのは、水系接着剤中に含まれる水分の作用によって
表面装飾紙1が柔軟化し、伸び易くなることで、木質基
材3の表面の三次元形状への追従が可能となるものと考
えられる。
【0024】また、水系接着剤の採用は、三次元形状へ
の成形貼着後に、表面装飾紙1のシワや表面装飾紙1と
木質基材3との間の隙間(フクレ)などを残すことな
く、表面装飾紙1を木質基材3の表面の三次元形状に密
着させる効果をももたらす。これは、表面装飾紙1が吸
収した水分が、貼着後に表面装飾紙1の表面や層間を通
じて外部へ蒸発揮散されるに従い、表面装飾紙1を面内
で収縮させる応力が発生し、この応力の作用でシワが伸
ばされフクレが塞がれることで、木質基材3の表面の三
次元形状に密着した良好な仕上がりをもたらしているも
のと考えられる。
【0025】本発明の三次元形状の木質建材は、木質基
材3の表面に、木質基材3と同じ天然木質繊維を主成分
とする紙からなる表面装飾紙1を貼着したものであるか
ら、その使用後の廃棄時には、表面装飾紙1を木質基材
3から分離することなく、表面装飾紙1を含む全体を木
質材として取り扱うこと、具体的には例えば木質繊維板
用の材料としてリサイクルすることなどが可能である。
しかも、表面装飾紙1をなす紙には木目柄などの所望の
絵柄の印刷による意匠の付与も容易であり、合成樹脂フ
ィルムよりも安価である。
【0026】水分による表面装飾紙1の三次元形状への
追従効果を十分に引き出すには、表面装飾紙1を三次元
形状に成形した木質基材3に貼着するにあたり、水系接
着剤2を予め表面装飾紙1の裏面に塗布しておくことが
望ましい。それは、予め水系接着剤2を塗布した木質基
材3に表面装飾紙1を重ね合わせることでも、水系接着
剤2中の水分が表面装飾紙1にある程度作用することは
可能であるが、水系接着剤2を予め表面装飾紙1の裏面
に塗布しておけば、該塗布により水系接着剤2中の水分
が表面装飾紙1中に浸透し、木質基材3に重ね合わせる
までに表面装飾紙1を十分に柔軟化しておくことができ
るので、三次元形状への成形性の面で優位であるからで
ある。
【0027】また、表面装飾紙1の裏面に水系接着剤2
を塗布することで、水系接着剤2中の水分がより多く表
面装飾紙1に浸透することから、木質基材3への貼着後
の乾燥後の収縮応力も大きく、従って、シワやフクレの
解消にもより有効である。なお、水系接着剤2は、表面
装飾紙1の裏面に塗布すると共に、木質基材3の表面に
も塗布しておいてもよい。
【0028】表面装飾紙1の裏面への水系接着剤2の塗
布は、例えばロールコート法、ロッドコート法、ナイフ
コート法、エアーナイフコート法、リップコート法、コ
ンマコート法、ダイコート法、グラビアコート法、フロ
ーコート法、スプレーコート法等、従来公知の任意の方
法で行うことができる。
【0029】ラミネート装置の構造などによっては、接
着剤2を予め表面装飾紙1の裏面に塗布することが困難
な場合もある。そのような場合には、水系接着剤2は木
質基材3の表面に塗布することとし、その替わりに、表
面装飾紙1の少なくとも裏面、より望ましくは全体に、
予め水分を付与することで、表面装飾紙1を柔軟化して
おくことが望ましい。
【0030】本発明において使用する水系接着剤2の種
類は特に制限されるものではないが、その水分は速やか
に表面装飾紙1中に浸透する必要がある一方で、その樹
脂分の多くが表面装飾紙1の裏面上に残留して皮膜層を
形成するものである必要がある。係る要求を満たすもの
として、本発明においてはエマルジョン系接着剤を使用
することが最も望ましい。
【0031】上記エマルジョン系接着剤としては、例え
ばポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤、エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン系接着剤、アク
リル樹脂エマルジョン系接着剤、アクリル−スチレン共
重合体樹脂エマルジョン系接着剤、ポリ塩化ビニル樹脂
エマルジョン系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン系接
着剤、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテックスエ
マルジョン系接着剤、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴムラテックスエマルジョン系接着剤、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体ゴムラテックスエマ
ルジョン系接着剤などを挙げることができる。
【0032】本発明においてはこれらの公知のエマルジ
ョン系接着剤から任意のものを適宜選択して使用すれば
よいのであるが、木質基材3及び表面装飾紙1との接着
性、塗布及び貼着の作業性、木質建材としての物性など
の面から、変性エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマ
ルジョン系接着剤又はウレタン樹脂エマルジョン系接着
剤が特に推奨される。
【0033】木質基材3への表面装飾紙1の貼着の工程
は、接着剤2に十分な接着性を発現させつつ行う必要が
あることから、通常40〜150℃程度に加熱しつつ行
われる。従って、本発明において使用する水系接着剤2
は、上記温度範囲において熱ラミネート適性を有するも
のを選定して使用することが望ましい。
【0034】本発明に使用する木質基材3の種類は特に
制限されるものではなく、切削加工又は型押加工等の適
宜の方法で、用途に応じた所望の三次元形状に成形可能
な、木質系の材料であれば何であっても良い。具体的に
は例えば、天然木の無垢材や、合板、集成材、単板積層
材(LVL)、軟質繊維板、中質繊維板(MDF)、硬
質繊維板、パーティクルボード、配向性ボード(OS
B)等である。中でも材質の均一性や加工の容易性、表
面装飾紙1との複合物のリサイクルの容易性などの観点
から、中質繊維板(MDF)が本発明の目的に最も相応
しいと言えよう。
【0035】本発明に使用する表面装飾紙1は、天然木
質繊維を主成分とする抄造紙又は不織布等であればよ
く、例えば薄葉紙、クラフト紙、含浸用紙、上質紙、透
明紙等を挙げることができる。但し、例えばチタン紙な
どのように無機顔料を大量に混抄した紙や、繊維長の短
い故紙パルプの配合比の高い再生紙などは、紙の伸びが
少なく、三次元成形時に破断し易いので、本発明への使
用は避けるべきである。
【0036】表面装飾紙1の厚みは、あまり薄過ぎると
強度が不足して三次元成形加工の際に破断し易く、また
逆にあまり厚過ぎても柔軟性が不足して木質基材3の三
次元形状の表面に追従できないので、坪量が30〜15
0g/m2のものを使用することが望ましい。
【0037】また、表面装飾紙1は、引張に対して幅方
向(抄紙方向に直交する方向)に5%以上の伸度を有す
ることが望ましい。幅方向に5%以上の伸度を有する紙
は、水分の作用によって縦方向にも容易に伸びる性質を
付与することができ、容易に三次元形状に成形すること
ができるからである。
【0038】表面装飾紙1は、合成樹脂を含有する樹脂
含浸紙又は樹脂混抄紙であってもよい。適切な合成樹脂
を適度に含有する紙を選択すると、紙の木質繊維間を接
着する合成樹脂の作用により紙の強度が増し、引張によ
りよく伸びて破断しにくくなる他、加熱すると軟化する
合成樹脂の作用で紙が更に伸び易くなることも相俟っ
て、三次元形状への追従性を向上することができる。但
し、例えば紙間強化紙などのように、高強度の樹脂を大
量に含有するために伸びの少ない紙は、本発明の目的に
はあまり適切ではない。
【0039】上記の観点から、表面装飾紙1が含有する
合成樹脂は、熱可塑性樹脂又は合成ゴムであることが望
ましく、更に、貼着後に紙に収縮応力を与え木質基材に
よく密着させる観点から、表面装飾紙1は合成ゴムを含
有する紙であることが望ましい。具体的には、例えばス
チレンブタジエンゴム系ラテックス含浸紙、アクリロニ
トリルブタジエンゴム系ラテックス含浸紙、メチルメタ
クリレートブタジエンゴム系ラテックス含浸紙等の合成
ゴム系ラテックス含浸紙等を表面装飾紙1として使用す
ることが望ましい。
【0040】表面装飾紙1には、図3に示すように、表
面に例えば木目柄、石目柄、抽象柄、幾何学図形、文
字、記号等の所望の任意の意匠表現のための絵柄の印刷
12を施すことができる。絵柄の印刷12は、常用の印
刷インキ又は塗料等を使用して、例えばグラビア印刷
法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フ
レキソ印刷法、スクリーン印刷法、ドライオフセット印
刷法、凸版印刷法、静電印刷法、電子写真法、インクジ
ェット印刷法等、常法に従って設けることができる。但
し、印刷インキや塗料としては、その乾燥皮膜が三次元
成形に堪える伸びを有するものを使用する必要があるこ
とに注意を要する。
【0041】表面装飾紙1の表面には、従来公知のよう
に、紙面や絵柄の印刷12の保護を目的として、透明又
は半透明の樹脂組成物による保護層13を設けることも
できる。保護層13は、例えばウレタン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、電子線又
は紫外線硬化型樹脂等の適宜の樹脂を、例えばグラビア
コート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコー
ト法、リップコート法、コンマコート法、フローコート
法、スプレーコート法等の適宜の塗布法で塗布し、乾燥
硬化させることで設けることができる。
【0042】保護層13の厚さは1〜30μm程度とす
ることが望ましく、通常5〜10μm程度が望ましい。
保護層13の形成は、表面装飾紙1の木質基材3への貼
着前に行っても良いし、貼着後に行っても良い。貼着前
に保護層13を形成する場合には、三次元成形に堪える
伸びを有する樹脂を選択する必要がある。
【0043】表面装飾紙1は、上記したように単一層の
紙からなるものであっても良いが、図4に示すように、
2枚の紙(表面紙21及び裏面紙23)の間にポリエチ
レン等の防湿性の樹脂からなる防湿層22を設けること
で、環境温湿度の変化による木質基材3の寸法の伸縮や
反り等を防止することができる。なお、係る構成の表面
装飾紙1にあっては、表面紙21に絵柄の印刷24や保
護層25の形成等を施しても良いことは言うまでもな
い。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を示す。
【0045】実施例 横方向の伸び率8%のラテックス含浸紙を原紙とし、そ
の表面に、硝化綿系の印刷インキを使用してグラビア印
刷法により木目柄の印刷を施し、更にアクリルポリオー
ル樹脂とイソシアネート架橋剤との混合系からなる透明
な2液硬化型ウレタン樹脂を乾燥後の塗布量6g/m2
に塗布して、表面装飾紙を作製した。
【0046】上記表面装飾紙の裏面に、ウレタン変性し
たエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系のラッピング用
エマルジョン系接着剤を、ナイフコーターにて塗布量1
00μm(wet)に塗布し、適正なタックが得られる
まで乾燥後、図1に示す形状に切削加工した中質繊維板
(MDF)の表面に、メンブレンタイプの真空成型機を
使用し、設定温度90℃の条件で成形貼着して、本発明
の三次元形状の木質建材を作製した。
【0047】得られた木質建材は、基材である中質繊維
板の表面の三次元形状に追従して表面装飾紙が密着して
おり、シワやフクレもなく、良好な仕上がりであった。
また、この木質建材を他の木質廃材と共に粉砕し、中質
繊維板に再生したところ、問題なく良好な再生品を得る
ことができた。
【0048】比較例1 上記実施例1において、表面装飾紙に代えて、木目柄の
印刷を施したポリ塩化ビニル樹脂フィルムからなる表面
装飾シートを使用すると共に、エチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂系のラッピング用エマルジョン系接着剤に代
えて塩化メチレンを溶剤とするウレタン系のラッピング
用接着剤を使用し、その他は上記実施例1と同様の要領
で、三次元形状の木質建材を作製した。この木質建材
は、仕上がりには問題がなかったが、表面装飾シートの
木質基材からの剥離が困難であり、再生利用はできなか
った。
【0049】比較例2 前記実施例1において、エチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂系のラッピング用エマルジョン系接着剤に代えて塩
化メチレンを溶剤とするウレタン系のラッピング用接着
剤を使用し、その他は上記実施例1と同様の要領で、三
次元形状の木質建材を作製した。この木質建材は、三次
元形状に切削加工された木質基材のコーナー部の周辺に
おいて、表面装飾紙にシワが発生し、良好な仕上がりの
製品を得ることができなかった。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の三
次元形状の木質建材は、三次元形状に成形した木質基材
の表面に沿って、表面装飾紙を水系接着剤で貼着したこ
とにより、水系接着剤の水分の作用により表面装飾紙が
柔軟化するために、木質基材の三次元形状の表面に沿っ
て密着して成形され、良好な仕上がりの製品が容易に得
られる。しかも、表面装飾紙への絵柄の印刷により三次
元形状の木質建材に所望の任意の意匠を自由に付与する
ことが可能であると共に、廃棄後は表面装飾紙を木質基
材から剥離除去する必要なく、そのまま木質廃材とし
て、例えば繊維板やパーティクルボード等に再生利用し
することもできるし、また、プラスチック類の燃焼のた
めの特別な設備のない通常炉での燃焼も可能であり、炉
の損傷や環境汚染の心配なくサーマルリサイクルに利用
することもできる等、数々の優れた利点を有するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の三次元形状の木質建材の実施の形態に
使用するための三次元形状に成形した木質基材の一例を
示す正面図並びに両側面図である。
【図2】本発明の三次元形状の木質建材の実施の形態の
一例を示す側断面図である。
【図3】本発明の三次元形状の木質建材の実施の形態に
使用するための表面装飾紙の一例を示す側断面図であ
る。
【図4】本発明の三次元形状の木質建材の実施の形態に
使用するための表面装飾紙の一例を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
1 表面装飾紙 2 接着剤(水系接着剤) 3 三次元形状に成形した木質基材 11 原紙 12 絵柄の印刷 13 保護層 21 表面紙 22 防湿層 23 裏打紙 24 絵柄の印刷 25 保護層
フロントページの続き Fターム(参考) 2B250 AA06 AA11 AA13 BA03 BA09 CA11 DA04 EA02 EA13 FA21 FA28 FA31 FA33 GA03 2E162 CC01 CC06 4F100 AK41G AK68G AN02G AP00A AR00C AS00D BA02 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10D CB00 DG10B GB90 HB00B HB01 HB31B JA20B JD04C JK02B JK15 JL06 JM01G YY00B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元形状に成形した木質基材の表面に沿
    って、表面装飾紙を水系接着剤で貼着してなることを特
    徴とする三次元形状の木質建材。
  2. 【請求項2】前記表面装飾紙は、裏面に水系接着剤が塗
    布された後、三次元形状に成形した木質基材に貼着され
    ると同時に、該三次元形状の表面に沿って成形されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の三次元形状の木質
    建材。
  3. 【請求項3】前記表面装飾紙は、少なくとも裏面に水分
    が付与された後、予め表面に水系接着剤が塗布された三
    次元形状に成形した木質基材に貼着されると同時に、該
    三次元形状の表面に沿って成形されていることを特徴と
    する請求項1に記載の三次元形状の木質建材。
  4. 【請求項4】前記表面装飾紙は、真空成型法、ソフトラ
    ッピング法又は金型プレス法によって、木質基材の三次
    元形状の表面に沿って成形されていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の三次元形状の木質建
    材。
  5. 【請求項5】前記水系接着剤が、エマルジョン系接着剤
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の三次元形状の木質建材。
  6. 【請求項6】前記エマルジョン系接着剤が、変性エチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン系接着剤又は
    ウレタン樹脂エマルジョン系接着剤であることを特徴と
    する請求項5に記載の三次元形状の木質建材。
  7. 【請求項7】前記水系接着剤が、40〜150℃の温度
    範囲で熱ラミネート適性を有することを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載の三次元形状の木質建材。
  8. 【請求項8】前記表面装飾紙の坪量が30〜150g/
    2であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の三次元形状の木質建材。
  9. 【請求項9】前記表面装飾紙が、引張に対して幅方向に
    5%以上の伸度を有することを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の三次元形状の木質建材。
  10. 【請求項10】前記表面装飾紙が、合成ゴム系ラテック
    ス含浸紙からなることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載の三次元形状の木質建材。
  11. 【請求項11】前記表面装飾紙に、絵柄の印刷が施され
    ていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記
    載の三次元形状の木質建材。
  12. 【請求項12】前記表面装飾紙が、表面紙の裏面に防湿
    層及び裏打紙が順次積層されたものであることを特徴と
    する請求項1〜11のいずれかに記載の三次元形状の木
    質建材。
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