JPS6227109B2 - - Google Patents

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JPS6227109B2
JPS6227109B2 JP2153980A JP2153980A JPS6227109B2 JP S6227109 B2 JPS6227109 B2 JP S6227109B2 JP 2153980 A JP2153980 A JP 2153980A JP 2153980 A JP2153980 A JP 2153980A JP S6227109 B2 JPS6227109 B2 JP S6227109B2
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coating film
coating
powder
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JP2153980A
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Nobuyoshi Myata
Heihachi Murase
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は1回の塗装で平滑な複層塗膜を形成し
うる粉体塗料組成物に関する。さらに詳しくは、
オレフイン系樹脂を含有する固体粉末、極性基含
有変性オレフイン系樹脂を含有する固体粉末及び
エポキシ樹脂を含有する固体粉末から成る、1回
の塗装によりオレフイン系樹脂被膜を表層とし且
つ硬化エポキシ樹脂被膜を下層とする、鋼材素地
に対する付着性に優れ、しかも複層塗膜間の密着
性の良好な複層塗膜を形成しうる粉体塗料組成物
に関する。 従来、工場やビル等の鋼製の送排水管、水槽等
には、その腐食を防止するため、その内外面に防
食被覆が施されている。この防食被覆の材質は、
内面被覆の場合には、被覆中の可溶性成分の溶出
による上水の水質の低下を避けたり、或いは下水
の汚物の付着や汚物の堆積等による閉鎖を防ぐた
め、平滑でかつ化学的に不活性であることが要求
され、他方、外面被覆の場合には、耐衝撃性、耐
候性などの物性に優れていることが要求される。 エポキシ樹脂、ポリエステル等の有極性ポリマ
ーをビヒクルとする塗料は、送排水管や水槽等を
構成する金属素地に対する密着性に優れ、防食性
能も良好であるが、上記要求を充分に満たさない
ため、実際上使用することができない。 そこで従来、平滑な塗膜を与え且つ化学的に不
活性であることおよび価格が低廉であること等の
理由から、被覆材としてポリオレフインが最も適
当な材質として着目され、これを用いて該管や槽
の被覆を行なう方法が種々検討されているが、既
知の如く、通常ポリオレフインは金属素地面に対
する付着力がきわめて乏しく、ポリオレフインを
単独で用いて実用性のある被覆を金属素地上に形
成することはできない。そのため、従来、ゴム系
やアスフアルト系の接着剤を用いたり、ポリオレ
フイン類の分子中にヒドロキシル基またはカルボ
キシル基等の極性官能基を導入させた変性ポリオ
レフインを用い、かかる変性ポリオレフインの接
着層を介してオレフイン系樹脂を金属素地に接着
させる努力が数多くなされてきたが、いずれも耐
冷熱接着性や防食性等の点で本質的に満足できる
ものではない。 このような事情の下に、送排水管や水槽等の内
外面に対するもつとも好ましい被覆加工として、
従来、エポキシ樹脂等の接着力および防食性にす
ぐれたポリマーを用いたプライマーをあらかじめ
塗布し、加熱、硬化させたのち、ポリオレフイ
ン、特にプライマー表面との層間付着性において
問題の少ない前記極性基含有変性ポリオレフイン
による被覆を施すことによつて、一応目的が達成
されていた。しかしながら、そのように2回にわ
たる被覆を施すことは、操作が煩雑で且つ製造コ
スト上不利であることは明らかであり、単一塗装
によつて上記性能を満足させる複層塗膜形成性被
覆材料、殊に、粉体塗料は無公害、省資源の面で
特に望ましく、そのような塗料の出現が強く望ま
れてきた。 もつとも、従来においても、複層塗膜を形成し
うる粉体塗料組成物は知られている(例えば特公
昭53−14577号公報参照)。すなわち、この複層塗
膜形成性の粉体塗料組成物は異種ポリマー間の相
分離現象を利用して複層塗膜を形成するものであ
り、2種以上の粉体塗料用樹脂相互において、相
溶性パラメータ、表面張力及び複層塗膜形成パラ
メータがある程度以上の差を有することが必要で
ある。このような条件を満足させる樹脂の組合せ
の例として前記特許公報には各種の組合せが記載
されており、その中には、エポキシ樹脂−オレフ
イン系樹脂(殊にポリエチレン)の組合せも記載
されている。しかしながら、このエポキシ樹脂−
オレフイン系樹脂からなる組合せの粉体塗料を用
いて前記した性能を満たす複層塗膜を形成しよう
としても、表層部のオレフイン系樹脂層と下層部
のエポキシ樹脂層との層間付着性が充分でないと
いう欠点があるため実用上若干問題がある。 そこで、本発明者らは、エポキシ樹脂とオレフ
イン系樹脂との組合せでもつて上記の如き欠点を
有さない複層被覆を形成することを目的として鋭
意研究を重ねた結果、ある種のオレフイン系樹脂
を含有する固体粉末;特定の変性オレフイン系樹
脂を含有する固体粉末;及びある種のエポキシ樹
脂を含有する固体粉末を特定の割合に配合した混
合粉体塗料組成物が上記の目的に合致するもので
あり、この粉体塗料組成物を金属基体表面に塗布
して被覆を形成させると、構成成分であるオレフ
イン系樹脂とエポキシ樹脂とが、被膜の表層部と
下層部とに分離し、しかも該変性オレフイン系樹
脂の仲立ちで両者が一体となつた中間層が形成さ
れて、表層部と下層部とがしつかりと結合した複
層の塗膜を容易に形成せしめ得ることを見出し、
本発明を完成した。このような複層塗膜は各成分
を個別に塗布−被覆形成の繰返しで形成した塗膜
と比較して、その外観は似ても、性能は全く非な
るものであり、かかる各層を別個に塗装して得ら
れる複層塗膜は、本発明で得られるような各層間
の強固な密着性は到底達成されず、極めて容易に
層間剥離を起してしまう。 かくて、本発明に従えば、 (a) メルトインデツクスが0.3〜80g/10分の範
囲内にあるオレフイン系樹脂を含有する固体粉
末〔以下固体粉末(a)と呼ぶ〕と、 (b) メルトインデツクスが0.3〜80g/10分の範
囲内にある極性基含有変性オレフイン系樹脂を
含有する固体粉末〔以下固体粉末(b)と呼ぶ〕
と、 (c) 数平均分子量が約700〜約4000で且つエポキ
シ当量が150〜3300の範囲内にあるエポキシ樹
脂及びその硬化剤を含有する固体粉末〔以下固
体粉末(c)と呼ぶ〕 とから成り、固体粉末(a)と固体粉末(b)の真の体積
の和が固体粉末(c)の真の体積の10%乃至200%の
間になるように混合せしめてなる複層塗膜形成性
粉体塗料組成物が提供される。 本発明の塗料組成物を用いれば、唯1回の塗布
及び焼付け作業により、硬化したエポキシ樹脂か
ら成る下層部と、平滑で化学的に不活性なオレフ
イン系樹脂から成る表層部が、極性基含有変性オ
レフイン系樹脂の仲立ちで両者が一体となつた中
間相により強固に結合させられた複層被膜を、金
属基体の表面に形成することができる。これによ
つて該金属基体の腐食を防止すると共に、これと
接触する上水中への塗膜成分の溶出や、溶存塩素
の消耗が無く、種々の流体の表面流動抵抗が低
く、不純物の沈着を防いで輸送効率を良くしたり
するなど数々の優れた利点を達成することができ
る。以下に本発明の塗料組成物についてさらに詳
細に説明する。 固体粉末(a): 固体粉末(a)中に含有せしめられるオレフイン系
樹脂としては、オレフインの単独重合体、2種以
上のオレフイン相互の共重合体及びこれらオレフ
イン系の単独又は共重合体の混合物が包含され
る。また、該オレフインには、エチレン性二重結
合を唯1個含有するもの(モノオレフイン)のみ
ならすエチレン性二重結合を2個もしくはそれ以
上含有するもの(ジオレフインなど)をも包含さ
れ、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレン、ペンテン;ブタジエン、イソプレン
などが挙げられる。 しかして、固体粉末(a)において使用しうるオレ
フイン系樹脂の代表例としては、例えば、低、中
又は高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体等が挙げられる。 これらオレフイン系樹脂はそれぞれ単独で使用
することができ、或いは必要に応じて2種又はそ
れ以上ブレンドして用いてもよい。例えば低密度
ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを併用する
ことによつて、得られる塗膜の表面硬度または可
撓性を調整したりすることができる。 本発明において使用する上記の如きオレフイン
系樹脂は、0.3〜80g/10分、好ましくは1.5〜60
g/10分の範囲内のメルトインデツクスを有して
いることが重要である。メルトインデツクスが
0.3g/10分未満のオレフイン系樹脂では、塗料
組成物の塗布、乾燥後の焼付け時における塗膜の
溶融流動性が十分でなくなり、複層化が妨げら
れ、平滑な塗膜を得ることが困難であり、他方、
メルトインデツクスが80g/10分を超えるオレフ
イン系樹脂では逆に溶融流動性が過大となり、層
間密着性の良い複層化を確保することがむずかし
く、得られた塗膜の物性も劣るおそれがあり、好
ましくない。 本発明に従つて用いられる固体粉末(a)は、上記
オレフイン系樹脂のみから実質的に成ることがで
き、或いはまた、該固体粉末(a)はオレフイン系樹
脂に加えて、着色剤(例:酸化チタン、カーボン
ブラツク、酸化鉄、アルミ粉、フタロシアニンブ
ルーなど)、体質顔料(例:炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、タルク、クレーなど)、防錆顔料
(例:鉛丹、塩基性クロム酸鉛、ジンククロメー
ト、モリブデン酸亜鉛、リン酸アルミ、亜鉛粉末
など)、補強用充填剤(例:アスベスト、ガラス
フレーク、ガラス繊維など)等を含むことができ
る。また、通常粉体塗料に使用されうる分散剤や
紫外線吸収剤、流れ調整剤、揺変剤などの添加物
を含むこともできる。これにより固体粉末(a)の着
色、機械的、化学的、電気的性質の改善、低廉化
などの効果を達成することができる。 該オレフイン系樹脂を含有する固体の粉末化は
それ自体公知の方法、例えば、該オレフイン系樹
脂を含有する溶液を非溶媒中へ噴射析出させる化
学粉砕法や、極低温で粉砕する機械粉砕法を用い
て行なうことができる。その際、上記の如き添加
物は該粉末化の前に該オレフイン系樹脂中に混練
し、分散させておくことが望ましい。かかる添加
物の配合量は臨界的ではないが、一般に、該オレ
フイン系樹脂の重量に基いて150重量%まで、好
ましくは120重量%以下の範囲内において、添加
物配合後のオレフイン系樹脂の溶融流動特性もま
た前述した範囲内となるようにするのが望まし
い。 固体粉末(a)の粒度は厳密に制限されるものでは
なく、固体粉末(a)中に用いられている樹脂の種類
等に応じて広範に変えることができるが、あまり
粒子径が大き過ぎると、薄膜で且つ平滑な塗膜を
与えることができなくなるので、平均粒径で、一
般に74μm以下、好ましくは44μm以下とするの
が有利である。他方、粒子径が小さ過ぎると、粉
塵爆発や衛生上の問題があるので、10μm以上と
するのが望ましい。 固体粉末(b): 固体粉末(b)において使用される極性基含有変性
オレフイン系樹脂としては、固体粉末(a)について
前述したオレフインの少なくとも1種と他の共重
合可能な極性基含有ビニル系モノマーの少なくと
も1種との共重合体、或いは固体粉末(a)について
前述したオレフイン系樹脂に、極性基含有ビニル
系モノマーをグラフト重合させるか又はハロゲン
化、クロルスルホン化、スルホン化、オゾン酸化
等の手段により極性基を導入したもの、等が包含
される。 該変性オレフイン系樹脂中に含ませうる「極性
基」としては、後述する固体粉末(c)において使用
されるエポキシ樹脂に対する親和性の良好なも
の、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハ
ロゲン原子特に塩素及びフツ素原子、或いはこれ
ら原子を含む原子団例えば水酸基、オキソ基、カ
ルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、ス
ルホン酸基、ニトリル基、アミド基等が挙げられ
る。これら極性基はそれぞれ単独で又は2種もし
くはそれ以上組合せて存在することができ、ま
た、該極性基の含有量は、極性基の種類等にもよ
るが、極性基の含有量があまり多過ぎると、塗膜
の複層化に支障をきたし、反対に少過ぎると、オ
レフイン系樹脂の表層部とエポキシ樹脂の下層部
との密着効果が充分に得られず、一般には、極性
基含有変性オレフイン系樹脂の加熱溶融時の表面
張力が固体粉末(a)中のオレフイン系樹脂の加熱溶
融時の表面張力より高く、且つ固体粉末(c)の加熱
溶融時の表面張力より低くなるようにすることが
望ましい。 共重合又はグラフト重合させうる極性基含有ビ
ニル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニルなどの有機酸ビニルエステル;アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタ
クリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、(無水)
マレイン酸などの不飽和カルボン酸又はその無水
物もしくはそのエステル;アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アリルビニルエーテル、塩化
ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。 しかして、固体粉末(b)において使用しうる極性
基含有変性オレフイン系樹脂の代表例としては、
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、弗素化ポリエチレン、
塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチ
レン、スルホン化ポリエチレン、オゾン酸化処理
したポリエチレン、無水マレイン酸−グラフトポ
リエチレン、アクリル酸−グラフトポリエチレ
ン、アクリロニトリル−グラフトポリエチレン、
アクリルアミド−グラフトポリエチレン等が挙げ
られる。 また、これら変性オレフイン系樹脂において、
前記有機酸ビニルエステル又は不飽和カルボン酸
エステルから誘導された単位を含む重合体の場合
には、必要に応じてこれらをケン化してエステル
残基をカルボキシル基又は水酸基等の極性基に変
えた後、固体粉末(b)の調製に用いてもよい。 これら極性基含有変性オレフイン系樹脂はそれ
ぞれ単独で使用することができ、或いは必要に応
じて、2種又はそれ以上ブレンドして用いてもよ
い。 固体粉末(b)において使用する上記の如き極性基
含有変性オレフイン系樹脂は、固体粉末(a)におい
るオレフイン系樹脂と同様に、0.3〜80g/10
分、好ましくは1.5〜60g/10分の範囲内のメル
トインデツクスを有することが重要で、且つ固体
粉末(a)におけるオレフイン系樹脂のメルトインデ
ツクスよりもさらに大きいことが望ましい。 本発明に従つて用いられる固体粉末(b)は、上記
極性基含有変性オレフイン系樹脂のみから実質的
に成ることができ、或いはまた、固体粉末(a)につ
いて前述した如き着色剤、体質顔料、防錆顔料、
補強用充填剤、分散剤、紫外線吸収剤、流れ調整
剤、揺変剤などの添加物を含むことができる。 該極性基含有変性オレフイン系樹脂を含有する
固体の粉末化も、前記と同様、それ自体公知の方
法、例えば、該変性オレフイン系樹脂を含有する
溶液を非溶媒中へ噴射析出させる化学粉砕法や、
極低温で粉砕する機械粉砕法を用いて行なうこと
ができる。その際、上記の如き添加物は該粉末化
の前に該変性オレフイン系樹脂中に混練し、分散
させておくことが望ましい。かかる添加物の配合
量は臨界的ではないが、前記と同様、一般に、該
変性オレフイン系樹脂の重量に基いて150重量%
まで、好ましくは120重量%以下の範囲内におい
て、添加物配合後の変性オレフイン系樹脂の溶融
流動特性もまた前述した範囲内となるようにする
のが望ましい。 また、固体粉末(b)の粒度もまた、厳密に制限さ
れるものではなく、固体粉末(b)中に用いられてい
る樹脂の種類等に応じて広範に変えることができ
るが、あまり粒子径が大き過ぎると、薄膜で且つ
平滑な塗膜を与えることができなくなるので、固
体粉末(a)と同様、平均粒径で、一般に74μm以
下、好ましくは44μm以下とするのが有利であ
る。他方、粒子径が小さ過ぎると、粉塵爆発や衛
生上の問題があるので、10μm以上とするのが望
ましい。 固体粉末(c): 固体粉末(c)中に含有せしめられるエポキシ樹脂
としては、数平均分子量が約700〜約4000、好ま
しくは約900〜約2900の範囲内にあり且つエポキ
シ当量が150〜3300、好ましくは450〜2100の範囲
内にある、常温で固体状のエポキシ樹脂が有利に
使用される。 用いるエポキシ樹脂の数平均分子量が約700未
満である場合には、得られる塗膜の溶融硬化前の
流動性が過大となり、層間密着性のよい複層化が
充分に行われなくなり、一方、約4000を超える
と、溶融塗膜の流動性が不足して素地のエポキシ
樹脂層による隠蔽性に優れた塗膜又は平滑な塗膜
が得がたい。また、用いるエポキシ樹脂のエポキ
シ当量が150未満である場合には、硬化被膜の架
橋密度が過大となり、内部凝集力のため金属基体
との付着性が低下したり、脆い塗膜が得られやす
く、一方、3300を超えると架橋密度が過小とな
り、塗膜の強度、耐水性、耐薬品性などにおいて
好ましくない。 しかして、本発明において好適に用いうるエポ
キシ樹脂としては、硬化塗膜の機械的性質、金属
基体との接着性、防食性等の観点から、多価フエ
ノール(例えばビスフエノール類)−エピハロヒ
ドリン縮合物型エポキシ樹脂、フエノール−ホル
ムアルデヒド縮合物型エポキシ樹脂、重合脂肪酸
型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記多価フエノ
ール−エピハロヒドリン縮合物型エポキシ樹脂と
しては、例えば、ビスフエノールA、ビスフエノ
ールF、ハロゲン化ビスフエノールAとエピクロ
ルヒドリンとの縮合物〔例:シエル化学社製エピ
コート836、エピコート1001、エピコート1002、
エピコート1004、エピコート1007、エピコート
1009など〕が用いられ;フエノール−ホルムアル
デヒド縮合物型エポキシ樹脂としては、例えばグ
リシジルエーテル化ノボラツク型エポキシ樹脂
〔例:シエル化学社製、エピコート152など〕が挙
げられ;また、重合脂肪酸型エポキシ樹脂として
は、例えば、ダイマー酸型エポキシ樹脂〔例:シ
エル化学社製、エピコート872など〕が用いられ
る。中でも、本発明においては、多価フエノール
−エピハロヒドリン縮合物型エポキシ樹脂が特に
適している。これらエポキシ樹脂はそれぞれ単独
で使用することができ、或いは2種又はそれ以上
組合わせて用いることができる。 また、これらエポキシ樹脂を硬化させるために
使用される硬化剤としては、後述する本発明の塗
料組成物の製造および貯蔵条件下において、エポ
キシ樹脂と実質的に反応することがなく且つ後述
する塗膜の焼付け条件下においてのみエポキシ樹
脂と実質的に且つ迅速に反応するものが有利に使
用され、例えば、ポリカルボン酸又はその無水物
〔例:アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、トリ
メリツト酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無
水トリメリツト酸、無水イタコン酸、無水テトラ
ヒドロフタル酸、無水ピロメリツト酸など〕、カ
ルボン酸アミド〔例:ダイマー酸とトリエチレン
テトラミンとの付加物など〕、メチロール化メラ
ミン類〔例:メチルエーテル化ヘキサメチロール
メラミンなど〕、ブロツク型イソシアネート類
〔例:ε−カプロラクタムブロツクイソホロンジ
イソシアネート、クレゾールブロツクトリレンジ
イソシアネート−トリメチロールプロパン付加物
など〕、ジシアンジアミドおよびその置換体
〔例:2・6−キシレニルビグアナイドなど〕、カ
ルボン酸ジヒドラジド〔例:アジピン酸ジヒドラ
ジドなど〕、イミダゾリン又はイミダゾール或い
はこれらの塩類が包含され、中でもジシアンジア
ミド類、カルボン酸ジヒドラジド類およびイミダ
ゾリン塩類等が好適である。これら硬化剤はそれ
ぞれ単独で使用することができ、或いは2種又は
それ以上組合わせて用いてもよい。 かかる硬化剤のエポキシ樹脂に対する使用割合
は、用いるエポキシ樹脂及び/又は硬化剤の種類
等に応じて広範に変えることができるが、塗膜に
望まれる機械的性質、耐水性、防食性等を考慮し
て、硬化剤は一般的に、硬化すべきエポキシ樹脂
中のエポキシ基1個当り少なくとも0.7当量、好
ましくは0.8〜1.2当量の範囲内で使用するのが適
当である。 さらに、上記エポキシ樹脂には、必要に応じ
て、固体粉末(a)及び(b)におけると同様に、着色
剤、体質顔料、防錆顔料、補強用充填剤、分散
剤、紫外線吸収剤、流れ調整剤、揺変剤等の添加
物を含ませることができる。その配合量は前記と
同様に、エポキシ樹脂と硬化剤との合計量に基い
て150重量%以下、好ましくは120重量%以下とす
ることが望ましい。 以上に述べたエポキシ樹脂、硬化剤等からの固
体粉末(c)の調製は、通常のエポキシ樹脂粉体塗料
の製造におけると同様の技術を用いて行なうこと
ができ、例えば、熱ロールやエクストルーダーと
通常の化学的もしくは機械的粉砕手段又は分級手
段との組合わせ、或いは溶媒置換法等により行な
うことができる。 固体粉末(c)の粒度は、前記固体粉末(a)及び(b)に
おけると同様に、平均粒子径が一般に74μm、好
ましくは44μm以下且つ10μm以上となるように
するのがよい。 塗料組成物の調製: 本発明の塗料組成物は、以上に述べた固体粉末
(a)、固体粉末(b)及び固体粉末(c)を相互に均一に混
合することによつて製造することができる。この
混合はそれ自体公知の方法、例えば、ヘンシエル
ミキサー等を用いて行なうことができる。固体粉
末(a)、(b)及び(c)はそれぞれ1種ずつ使用すること
ができ、或いは必要に応じて、固体粉末(a)及び/
又は固体粉末(b)及び/又は固体粉末(c)はそれぞれ
2種又はそれ以上組合わせて用いてもよい。 その際の固体粉末(a)、固体粉末(b)及び固体粉末
(c)の混合割合は重要であり、固体粉末(a)と固体粉
末(b)の真の体積の和が、固体粉末(c)の真の体積の
10%乃至200%の間、好ましくは30%乃至150%の
間にあることが重要である。固体粉末(a)と固体粉
末(b)の真の体積の和が、固体粉末(c)の真の体積の
10%未満の場合は、表層のオレフイン系樹脂層が
連続膜を形成し難く、化学的に活性なエポキシ樹
脂下層がところどころ表層に現れて種々の物性低
下をもたらし、逆に固体粉末(c)の真の体積の200
%を超えると、エポキシ樹脂下層による金属素地
の隠蔽が不完全となり、部分的にオレフイン系樹
脂層が金属素地と接触することになり、塗膜の密
着性や防食性を損なう傾向がある。 なお、本明細書において、固体粉末(a)、(b)、(c)
について用いる「真の体積」なる語は、固体粉末
を最密充填したとき、個々の粒子間に存在する空
間を除いた固体粉末のみからなる正味の体積を意
味する。 また、固体粉末(b)も固体粉末(a)に対してある特
定の割合で混合することが望ましく、一般に、固
体粉末(b)の真の体積が、固体粉末(a)の真の体積の
1%乃至30%の間、好ましくは3%乃至10%の間
になるように配合することが非常に有利である。
固体粉末(b)の真の体積が固体粉末(a)の真の体積の
1%未満の量で混合した場合には、層間密着性の
良好な複層塗膜が得がたく、他方、30%を越える
量で混合した場合には、下層と表層の層分離が不
明確で3成分が不均一にまざりあつた脆弱な塗膜
を与える傾向がみられる。 なお、本塗料組成物中には、必要に応じて、表
面改質剤例えば界面活性剤またはシリコン等をた
とえば1重量%以下含有させることにより、塗膜
表面の平滑性を改善したり、ハジキ、ピンホール
等の塗膜欠陥の発生を防止することができる。 本発明の塗料組成物は、各種金属基材、例えば
送排水管、水槽、水中構築物、その他一般の鋼製
構造物等の防食被覆として広範に使用することが
できる。 本発明の塗料組成物をこれら金属基材に塗装す
る方法は特別なものではなく、通常の粉体塗装方
法を使用することができ、例えば静電塗装法、流
動浸漬法等の方法で行なうことができ、塗布厚さ
としては、乾燥膜厚で少なくとも40μm、特に50
〜200μmとするのが好ましい。 塗装された被覆は常法に従い焼付けすることが
できる。焼付け条件は用いた塗料組成物の組成等
により異なるが、一般には、約100〜約250℃の範
囲内の温度において約5〜約40分間加熱すれば充
分である。 本発明の塗料組成物を用いて形成される複層塗
膜は、金属素地とエポキシ樹脂下層部との間、及
びエポキシ樹脂下層部とオレフイン系樹脂表層部
との間の密着性が極めて強固であり、防食性、耐
水性、耐薬品性、耐候性、表面平滑性、耐剥離性
等の物性に優れ、しかも塗膜成分の溶出もない。 なお、本発明の粉体塗料組成物を用いて塗膜を
形成した場合、複層化がきわめて完全に行なわれ
ることは種々の方法によつて確認できる。たとえ
ば、2種の固体粉末(a)および(c)の一方のみに有色
の顔料を含有させるか、または双方の固体粉末に
色の相違が明らかな顔料を含有させておき、形成
された塗膜の断面を顕微鏡で観察することによ
り、明瞭な境界線を有する2層の存在を確認する
ことができる。また、塗膜を金属素地面からきれ
いにはがし取り、その剥離した塗膜の両表面につ
いて、反射法によつて赤外線吸収スペクトルを観
測すれば、金属素地面側ではほぼ純粋なエポキシ
樹脂硬化物に対応する赤外線スペクトルが観察さ
れ且つ気相(表層)側では配合前のオレフイン系
樹脂とまつたくもしくはほとんど対応する赤外線
スペクトルを観測することができる。さらに、同
様の剥離塗膜の両面について水およびパラフイン
との接触角を測定し、その結果を用い、Youngの
式およびFowkesの式により各面の表面エネルギ
ーを算出することにより、表層側、金属素地面側
ともに、それぞれ純粋のポリオレフイン及び純粋
のエポキシ樹脂硬化物に対する値と完全に一致す
ることから、オレフイン系樹脂が表層にそしてエ
ポキシ樹脂が下層に完全に配合していることを知
ることができる。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中「部」及び「%」はい
ずれも「重量部」及び「重量%」である。 実施例 1 固体粉末(a−1):メルトインデツクスが20
g/10分、密度が0.920の低密度ポリエチレン
を化学粉砕して得た中位粒度20μの粉末。 固体粉末(b−1):メルトインデツクスが4
g/10分、密度が0.930のアクリル酸グラフト
低密度ポリエチレンを化学粉砕して得た中位粒
度21μの粉末(製鉄化学製;フローデツクスE
−4)。 固体粉末(c−1):数平均分子量が約1400でエ
ポキシ当量が約900のビスフエノールA型エポ
キシ樹脂(シエル化学社製;エピコート
#1004、密度1.156、20℃以下同様)100部、ア
ジピン酸ジヒドラジド(密度0.9)4部、ベン
ガラ(密度5.0)20部を120℃の熱ロールで混練
して、冷却後ピンデイスクで粉砕し、200メツ
シユの篩で篩別したもの。 固体粉末(a−1)38部(真の体積41.3容量
部)、固体粉末(b−1)2部(真の体積2.15容
量部)及び固体粉末(c−1)60部(真の体積
45.2容量部)をヘンシエルメキサーで均一に混合
して、複層塗膜形成性粉体塗料組成物を調製し
た。 この組成物を、サンドブラストした軟鋼板に静
電塗装した後、200℃で20分間加熱硬化させて、
約120μの厚さの平滑な塗膜が得られた。この塗
膜の表層側と鉄板素地側とをそれぞれ20μ研削採
取し、赤外線吸収スペクトル分析したところ、表
層側にはポリエチレン、金属素地側にはエポキシ
樹脂が配向し、その断面の顕微鏡写真から、両層
はほぼ60μの厚さで明瞭に分離していることが確
認された。 別に下記の比較塗板を作成し、塗膜の試験を行
なつた。 比較塗板1−1:固体粉末(a−1)38部と固体
粉末(b−1)2部を均一に混合し、上記と同
様に塗布焼付けを行なつて、厚さ120μの塗膜
を得た。 比較塗板1−2:固体粉末(c−1)を単独で、
上記と同様に塗布焼付け、厚さ60μの塗膜を得
た。 比較塗板1−3:固体粉末(c−1)を単独で、
上記と同様に塗布焼付け、厚さ60μの塗膜を
得、さらにその上に比較塗板1−1で使用した
のと同じ粉体混合物を塗布焼付けして、合計
120μの厚さの2コート複層膜を得た。 さらに、固体粉末(a)と固体粉末(b)の真の体積の
和が固体粉末(c)の真の体積の10%〜200%の間に
なるように混合することの臨界的意義を明らかに
するため、以下の比較実験を行つた。 比較塗板1−4:固体粉末(a−1)3.8部(真
の体積4.1容量部)、固体粉末(b−1)0.2部
(真の体積0.2容量部)及び固体粉末(c−1)
60部(真の体積45.2容量部)を均一に混合し、
上記と同様に塗布焼付けを行つて厚さ120μの
塗膜を得た。この塗膜は表層にエポキシ樹脂下
層がところどころに現れて目的とする複層塗膜
が得られなかつた。 比較塗板1−5:固体粉末(a−1)82部(真の
体積89容量部)、固体粉末(b−1)4.5部(真
の体積4.8容量部)及び固体粉末(c−1)60
部(真の体積45.2容量部)を均一に混合し、上
記と同様に塗布焼付けを行つて厚さ120μの塗
膜を得た。この塗膜の下層に表層のオレフイン
系樹脂層が現れて、エポキシ樹脂下層による金
属表地の隠ぺいが不完全となり目的とする複層
塗膜が得られなかつた。 以上作成した塗膜を、下記の塗膜試験方法に従
つて試験した。その結果を下記表−1に示す。 (1) 耐水付着性:塗膜をゴバン目にカツト(1cm2
あたり100コ)して、40℃の温水中に800時間浸
漬した後、セロフアン粘着テープで剥離試験
し、層間および素地面のどちらでも剥離しなか
つた個数を計測する。 (2) 防食性:塗膜に素地まで達する傷をつけ、5
%食塩水を塩水噴霧試験機により、1000時間噴
霧し、カツト部からの素地の腐食した巾(mm)
で表示する。 (3) 水質汚染性:日本水道協会の上水試験方法に
規定された残留塩素及び過マンガン酸カリウム
消費量による。従つて塗板はガラス板を用いて
作成する。
【表】 本発明による複層塗膜は、エポキシ樹脂と同等
以上の耐水付着性、防食性と、ポリエチレンと同
等の水質低汚染性を併せもつ優れた塗膜であるこ
とが明らかである。 実施例 2 固体粉末(a−2):メルトインデツクスが80
g/10分、密度が0.915の低密度ポリエチレン
を化学粉砕して得た中位粘度30μの粉末。 固体粉末(b−2):メルトインデツクスが2
g/10分、エチレン単位含有量75%のエチレン
−酢酸ビニル共重合樹脂(三井ポリケミカル社
製;エバフレツクス#360、密度0.910)を冷凍
粉砕して得た中位粘度40μの粉末。 固体粉末(c−2):数平均分子量が1000でエポ
キシ当量が650のビスフエノールA型エポキシ
樹脂(シエル化学社製;エピコート#1002、密
度1.206)50部、数平均分子量が1400でエポキ
シ当量が900のビスフエノールA型エポキシ樹
脂(シエル化学社製;エピコート#1004)50
部、ジシアンジアミド(密度1.4)4部、ベン
ガラ10部及びチタン白(密度4.2)5部を100℃
の二軸型押出機で混練して、ドライアイスと共
にアトマイザーで粉砕し、250メツシユの篩で
篩別したもの。 固体粉末(a−2)30部(真の体積32.8容量
部)、固体粉末(b−2)5部(真の体積5.5容量
部)、固体粉末(c−2)65部(真の体積49.5容
量部)をヘンシエルミキサーで均一に混合して、
複層塗膜形成性粉体塗料組成物を調製した。 この組成物を、リン酸鉄処理軟鋼板上に静電塗
装して、180℃で30分間加熱硬化させて、約130μ
の厚さの平滑な塗膜が得られた。この塗膜を実施
例1と同様に分析したところ、表層側にはポリエ
チレン、金属素地側にはエポキシ樹脂が配向し、
両層は55μと75μの厚さで明瞭に分離しているこ
とが確認された。別に下記の比較塗板を作成し、
塗膜の試験を行なつた。 比較塗板2−1:固体粉末(a−2)35部及び固
体粉末(c−2)65部を用い、上記と同様に塗
布焼付け、厚さ130μの塗膜を得た。 比較塗板2−2:固体粉末(c−2)を単独で上
記と同様に塗布焼付け、厚さ75μの塗膜を得
た。 比較塗板2−3:比較塗板2−2の上にさらに固
体粉末(a−2)35部及び固体粉末(b−2)
5部の混合物を同様に塗布焼付け、合計130μ
の厚さの2コート複層膜を得た。 以上作成した塗膜を、下記の塗膜試験方法に従
つて試験した。その結果を下記表−2に示す。 (4) 付着性:垂直方向の剥離強度を、アドヒージ
ヨンテスター(エルコ社製)を用いて測定し、
破壊面の位置を観察する。 (5) 耐衝撃性:ガードナー衝撃試験機を用い、エ
ポキシ塗膜層にワレやハガレを生じない最大衝
撃力を測定する。
【表】 本発明による複層塗膜は、層間密着性が極めて
優れており、また固体粉末(b−2)の変性ポリ
エチレンが層間密着性の増大に大きく寄与してい
ることが判る。さらにポリエチレン層が衝撃力を
吸収して、エポキシ樹脂層を保護していることも
明瞭である。 実施例 3 固体粉末(a−3):メルトインデツクスが
15.5、密度が0.944の中密度ポリエチレンを化
学粉砕して得た中位粒度15μの粉末。 固体粉末(b−3):ポリプロピレンに接着性官
能基を導入した、メルトインデツクスが10密度
が0.91の接着性ポリプロピレン粉末(三井石油
化学工業社製;アドマーQS100) 固体粉末(c−3):エポキシ当量が約1800で融
点約115℃のビスフエノールA型エポキシ樹脂
(チバ社製;アラルダイト7097、密度1.17)100
部、バリタ(密度4.0部)20部、クロム酸亜鉛
(密度4.0)15部、カーボンブラツク(密度
2.0)8部及び2・6−キシレニルビグアナイ
ド(密度0.91)5.5部をヘンシエルミキサーで
均一に粉砕混合後、メチルエチルケトン100部
を加え、ボールミルで18時間溶解、分散させて
エナメル塗料を得た。これを80℃でスプレード
ライして平均粒径30μのエポキシ樹脂固体粉末
を得る。 固体粉末(a−3)36部(真の体積38容量
部)、固体粉末(b−3)4部(真の体積4.4容量
部)及び固体粉末(c−3)60部(真の体積42容
量部)を均一に混合して、複層塗膜形成性粉体塗
料組成物を調製した。 この組成物を実施例1で述べたと同じ方法で塩
酸洗滌軟鋼板に塗布乾燥して、厚さ150μの複層
塗膜を得た。この塗膜を実施例1及び2に記した
のと同じ方法で分析及び試験したところ、下記の
ような結果が得られた。 複層形成性:表層−ポリエチレン77μ、下層−硬
化エポキシ樹脂73μの厚さで明瞭に分離してい
る。 耐水付着性:100、防食性:0.5mm、塩素消費
量:0.2PPM、過マンガン酸カリウム消費量:
1.3PPM、付着強度:43Kg/cm2(エポキシ樹脂層
内破壊)、耐衝撃性:160lb−in(ポリエチレン層
6mmφ周辺剥離)。 実施例 4 固体粉末(a−4):ポリプロピレン(三井石油
化学社製;F601、メルトインデツクス7.0、密
度0.91)85部とエチレン−αオレフイン共重合
エラストマー(三井石油化学社製;タフマーP
−0180、メルトインデツクス5.0、密度0.88)
15部とカーボンブラツク10部を、二軸形押出機
で混練し、冷凍粉砕して得た中位粒度40μの粉
末。 固体粉末(b−4):部分ケン化エチレン−酢酸
ビニルコポリマーに不飽和酸をグラフトした接
着性樹脂(三井ポリケミカル社製;デユミラン
C−1552、メルトインデツクス3、密度0.96、
融点71℃)を冷凍粉砕した中位粒度45μの粉
末。 固体粉末(c−4):実施例3で用いた固体粉末
(c−3)と同じ。 固体粉末(a−4)35部(真の体積36.8容量
部)、固体粉末(b−4)2部(真の体積2.1容量
部)及び固体粉末(c−4)37部(真の体積22.4
容量部)を良く混合して複層形成性粉体塗料組成
物を調製した。 この組成物を実施例1で述べたのと同じ方法
で、サンドプラストした軟鋼板に塗布し、230℃
×15分焼付け、厚さ100μの複層塗膜を得た。こ
の塗膜を実施例1及び2に記載したと同じ方法で
分析及び試験したところ、下記のような結果が得
られた。 複層形成性:表層−ポリプロピレン62μ、下層−
硬化エポキシ樹脂38μの厚さで明瞭に分離して
いる。 耐水付着性:98、防食性:0.5mm、塩素消費
量:0.2PPM、過マンガン酸カリウム消費量:
0.5PPM、付着強度:45Kg/cm2(エポキシ層内破
壊)、耐衝撃性:160lb−in以上。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) メルトインデツクスが0.3〜80g/10分
    の範囲内にあるオレフイン系樹脂を含有する固
    体粉末と、 (b) メルトインデツクスが0.3〜80g/10分の範
    囲内にあり且つ固体粉末(c)中のエポキシ樹脂と
    親和性を有する極性基含有変性オレフイン系樹
    脂を含有する固体粉末と、 (c) 数平均分子量が約700〜約4000で且つエポキ
    シ当量が150〜3300の範囲内にあるエポキシ樹
    脂及びその硬化剤を含有する固体粉末 とから成り、固体粉末(a)と固体粉末(b)の真の体積
    の和が固体粉末(c)の真の体積の10%乃至200%の
    間になるように混合せしめてなる複層塗膜形成性
    粉体塗料組成物。
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