JPS6252785B2 - - Google Patents

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JPS6252785B2
JPS6252785B2 JP5708480A JP5708480A JPS6252785B2 JP S6252785 B2 JPS6252785 B2 JP S6252785B2 JP 5708480 A JP5708480 A JP 5708480A JP 5708480 A JP5708480 A JP 5708480A JP S6252785 B2 JPS6252785 B2 JP S6252785B2
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JP
Japan
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resin
coating
epoxy resin
coating film
solid powder
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JP5708480A
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English (en)
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JPS56155255A (en
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Nobuyoshi Myata
Hiroshi Kuryama
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は1回の塗装で複層塗膜を形成すること
ができる塗料組成物に関し、さらに詳しくは、オ
レフイン系樹脂を含有する固体粉末と、エポキシ
樹脂及びその硬化剤に加えさらにフエノール樹脂
及び/又は鱗片状顔料を含有せしめてなる膜形成
性樹脂材料を主たる樹脂成分として含有する複層
塗膜形成性塗料組成物に関する。 本発明により提供される塗料組成物を用いれ
ば、1回の塗装焼付け操作により、オレフイン系
樹脂被膜を表面層部とし且つエポキシ樹脂被膜を
下層部とする、殊にハジキ、ヘコミ、ピンホール
などの塗膜欠陥がなく且つ金属素地に対する密着
性と防食性とに優れ、しかも複層塗膜の層間密着
性の良好な高性能の複層塗膜を形成することがで
きる。 従来、工場やビル等の鋼製の送排水管、水槽等
には、その腐食を防止するため、この内外面に防
食被覆が施されている。この防食被覆の材質は、
内面被覆の場合には、被覆中の可溶性成分の溶出
による上水の水質の低下を避けたり、或いは下水
の汚物の付着や汚物の堆積等による閉鎖を防ぐた
め、平滑でかつ化学的に不活性であることが要求
され、他方、外面被覆の場合には、耐衝撃性、耐
候性などの物性に優れていることが要求される。 エポキシ樹脂、ポリエステル等の有極性ポリマ
ーをビヒクルとする塗料は、送排水管や水槽等を
構成する金属素地に対する密着性に優れ、防食性
能も良好であるが、上記要求を充分に満たさない
ため、実際上使用することができない。 そこで従来、平滑な塗膜を与え且つ化学的に不
活性であることおよび価格が低廉であること等の
理由から、被覆材としてポリオレフインが最も適
当な材質として着目され、これを用いて該管や槽
の被覆を行なう方法が種々検討されているが、既
知の如く、通常ポリオレフインは金属素地面に対
する付着力がきわめて乏しく、ポリオレフインを
単独で用いて実用性のある被覆を金属素地上に形
成することはできない。そのため、従来、ゴム系
やアスフアルト系の接着剤を用いたり、ポリオレ
フイン類の分子中にヒドロキシル基またはカルボ
キシル基等の極性官能基を導入させた変性ポリオ
レフインを用い、かかる変性ポリオレフインの接
着層を介してオレフイン系樹脂を金属素地に接着
させる努力が数多くなされてきたが、いずれも耐
冷熱接着性や防食性等の点で本質的に満足できる
ものではない。 このように、送排水管や水槽等の内外面に対す
る被覆加工材として、オレフイン系樹脂及びエポ
キシ樹脂は、それぞれ一長一短を有しており、従
来から、これら樹脂を併用することにより各樹脂
の長所を生かした被覆膜を形成することが試みら
れている。例えば、金属素地に対する密着性に優
れ防食性も良好なエポキシ樹脂の硬化被覆をプラ
イマーとして金属基材表面に形成し、しかる後該
プライマー上にオレフイン系樹脂、殊に該プライ
マー表面との層間密着性において問題の少ない前
記接着性官能基含有変性ポリオレフインの被膜を
介してオレフイン系樹脂被膜を形成せしめる方法
が提案されている。しかし、この方法は2回以上
にわたる塗装作業が必要であるため、操作が煩雑
で製造コストも嵩む等の欠点がある。 この欠点を回避する手段として、単一の塗装操
作によつて、エポキシ樹脂被膜を下層とし且つオ
レフイン系樹脂被膜を表層とする被層塗膜を形成
することができる、いわゆる被層塗膜形成性被覆
材料の開発が行われている。その一例が特公昭53
−14577号公報に記載された複層塗膜形成性の粉
体塗料組成物である。この複層塗膜形成性の粉体
塗料組成物は異種ポリマー間の相分離現象を利用
して複層塗膜を形成するものであり、2種以上の
粉体塗料用樹脂相互において、相溶性パラメー
タ、表面張力及び複層塗膜形成パラメータがある
程度以上の差を有することが必要である。このよ
うな条件を満足させる樹脂の組合せの例として前
記特許公報には各種の組合せが記載されており、
その中には、エポキシ樹脂−オレフイン系樹脂
(殊にポリエチレン)の組合せも記載されてい
る。 しかしながら、よく知られているように、一般
的にエポキシ樹脂を主成分とする塗料は、金属素
地に塗布乾燥した時に、ハジキ、ヘコミ、ピンホ
ールなどの塗膜欠陥を生じやすい。従つて、上記
特許公報に記載された公知の複層塗膜形成性塗料
組成物は、該特許公報に開示されている基本成分
だけをそのまま用いた場合には、上記の如き塗膜
欠陥の多い複層塗膜を形成しやすいという難点が
ある。例えば、上記の基本成分のみから成る複層
塗膜形成性塗料組成物から形成された塗膜を詳細
に観察してみると、エポキシ樹脂の下層被膜がハ
ジいて金属素地が露出している部分や、オレフイ
ン系樹脂の表層被膜が部分的に欠落してエポキシ
樹脂の下層被膜が単層形成されている部分や、複
層塗膜の厚みが極端にうすくなつている部分をも
つ塗装物が時折見つかることがあるが、そのよう
な塗装物は被層塗膜としての機能が、上記欠陥部
分のために全体として充分発揮できず、実用上問
題が多い。 もつとも、通常のエポキシ樹脂塗料において起
こるハジキやヘコミなどの塗膜欠陥の防止のため
に、種々の添加剤を添加することも知られてい
る。例えば、シリコンや界面活性剤などの添加、
尿素樹脂、メラミン樹脂、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラールなどのブレンド等の手段がよ
く用いられている。そしてこのような添加剤がエ
ポキシ樹脂塗料の塗膜欠陥を防止する機構は、一
般に塗膜形成時の被膜の表面エネルギーを低下さ
せることに基いていうと云われている。 ところが、本発明が対象としているオレフイン
系樹脂−エポキシ樹脂型の複層塗膜形成性塗料組
成物においては、塗膜形成に際してエポキシ樹脂
とオレフイン系樹脂とが層分離するための必須要
件として、前記特許公報にも記載されているよう
に、上記両者の樹脂の表面張力の差が重要であ
る。即ち、エポキシ樹脂成分の表面張力がオレフ
イン系樹脂成分の表面張力より高く、且つその表
面張力の差が充分大きいことが必要である。従つ
て、前記のような複層塗膜形成性塗料組成物にお
ける塗膜欠陥をなくすために、前記したような通
常のエポキシ樹脂塗料用の塗膜欠陥防止剤をエポ
キシ樹脂成分に添加すると、該エポキシ樹脂成分
とオレフイン系樹脂との表面張力の差が小さくな
りすぎたり、場合によつては大小関係が逆転した
りし、その結果、層分離が全く適正に行なわれ
ず、両成分が入り乱れた塗膜が形成され、複層塗
膜に期待される諸性能が全く発揮されないという
致命的な結果しか得られない。 そこで、本発明者らは、上記の如き欠点をもた
ない塗膜欠陥防止剤について種々検討を行なつた
結果、フエノール樹脂もしくは鱗片状顔料又はこ
れらの混合物をエポキシ樹脂成分に配合すると、
得られる被層塗膜における前記の如き塗膜欠陥の
発生を完全に防止することができるのみならず、
被層塗膜の防食性能をさらに一段と向上させるこ
とができることを見い出し、本発明を完成した。 かくして、本発明に従えば、 (a) メルトインデツクスが0.3〜80g/10分の範
囲内にあるオレフイン系樹脂を含有する固体粉
末〔以下固体粉末(a)と呼ぶ〕、及び (b) 数平均分子量が約350〜約4000で且つエポキ
シ当量が150〜3800の範囲内にあるエポキシ樹
脂及びその硬化剤に、さらにフエノール樹脂及
び/又は鱗片状顔料を含有せしめてなる膜形成
性樹脂材料〔以下樹脂材料(b)と呼ぶ〕 を主たる樹脂成分として含有することを特徴とす
る複層塗膜形成性塗料組成物が提供される。 本発明の被層塗膜形成性塗料組成物は、上記特
定の固定粉末(a)及びフエノール樹脂及び/又は鱗
片状顔料を配合した樹脂材料(b)を主たる樹脂成分
とするものであり、これを金属基体表面に塗布
し、焼付けることにより、ハジキ、ヘコミ、ピン
ホールなどの塗膜欠陥の全くない、金属素地側に
エポキシ樹脂被膜層が、そして表層にオレフイン
系樹脂層が明確に配向した複層塗膜を形成する。
しかも、上記の如き塗膜欠陥を除去するために用
いられるフエノール樹脂及び/又は鱗片状顔料の
エポキシ樹脂への混合分散は、該複層塗膜に期待
される重要な性能である防食性をさらに向上させ
るという付随的な結果をも発揮する。 本発明の被層塗膜形成性塗料組成物は種々の形
態をとることができ、例えば、固体粉末(a)及び樹
脂材料(b)を共に微粉末化して混合した粉体塗料;
これら微粉末化した固体粉末(a)及び樹脂材料(b)を
これら2成分に対する貧溶媒に分散してなる全ス
ラリー型塗料;又は樹脂材料(b)中のエポキシ樹脂
に対しては良溶媒であるが、固体粉末(a)中のオレ
フイン系樹脂に対しては貧溶媒であるような有機
溶媒に樹脂材料(b)を溶解し且つ固体粉末(a)を分散
してなる部分スラリー型塗料等のいずれのタイプ
であることもできる。 以下に本発明の塗料組成物についてさらに詳細
に説明する。 固体粉末(a): 固体粉末(a)中に含有せしめられるオレフイン系
樹脂としては、オレフインの単独重合体、2種以
上のオレフイン相互の共重合体及びこれらオレフ
イン系の単独又は共重合体の混合物が包含され
る。また、該オレフインには、エチレン性二重結
合を唯1個含有するもの(モノオレフイン)のみ
ならずエチレン性二重結合を2個もしくはそれ以
上含有するもの(ジオレフインなど)をも包含さ
れ、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレン、ペンテン;ブタジエン、イソプレン
などが挙げられる。 しかして、固体粉末(a)において使用しうるオレ
フイン系樹脂の代表例としては、例えば、低、中
又は高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体等が挙げられる。 これらオレフイン系樹脂はそれぞれ単独で使用
することができ、或いは必要に応じて2種又はそ
れ以上ブレンドして用いてもよい。例えば低密度
ポリエチレンと高密度ポリエチレンとを併用する
ことによつて、得られる塗膜の表面硬度または可
撓性を調整したりすることができる。 本発明において使用する上記の如きオレフイン
系樹脂は、0.3〜80g/10分、好ましくは1.5〜60
g/10分の範囲内のメルトインデツクスを有して
いることが重要である。メルトインデツクスが
0.3g/10分未満のオレフイン系樹脂では、塗料
組成物の塗布、乾燥後の焼付け時における塗膜の
溶融流動性が十分でなくなり、複層化が妨げら
れ、平滑な塗膜を得ることが困難であり、他方、
メルトインデツクスが80g/10分を超えるオレフ
イン系樹脂では逆に溶融流動性が過大となり、層
間密着性の良い複層化を確保することがむずかし
く、得られた塗膜の物性も劣るおそれがあり、好
ましくない。 本発明に従つて用いられる固体粉末(a)は、上記
オレフイン系樹脂のみから実質的に成ることがで
き、或いはまた、該固体粉末(a)はオレフイン系樹
脂に加えて、着色顔料(例:酸化チタン、カーボ
ンブラツク、酸化鉄、アルミ粉、フタロシアニン
ブルーなど)、体質顔料(例:炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、タルク、クレーなど)、防錆顔料
(例:鉛丹、塩基性クロム酸鉛、ジンククロメー
ト、モリブデン酸亜鉛、リン酸アルミ、亜鉛粉末
など)、補強用充填剤(例:アスベスト、ガラス
フレーク、ガラス繊維など)等を含むことができ
る。また、通常粉体塗料に使用されうる分散剤や
紫外線吸収剤、流れ調整剤、揺変剤などの添加物
を含むこともできる。これにより固体粉末(a)の着
色、機械的、化学的、電気的性質の改善、低廉化
などの効果を達成することができる。 該オレフイン系樹脂を含有する固体の粉末化は
それ自体公知の方法、例えば、該オレフイン系樹
脂を含有する溶液を非溶媒中へ噴射析出させる化
学粉砕法や、極低温で粉砕する機械粉砕法を用い
て行なうことができる。その際、上記の如き添加
物は該粉末化の前に該オレフイン系樹脂中に混練
し、分散させておくことが望ましい。かかる添加
物の配合量は臨界的ではないが、一般に、該オレ
フイン系樹脂の重量に基いて150重量%まで、好
ましくは120重量%以下とするのが望ましい。 固体粉末(a)の粒度は厳密に制限されるものでは
なく、固体粉末(a)中に用いられている樹脂の種類
等に応じて広範に変えることができるが、あまり
粒子径が大き過ぎると、薄膜で且つ平滑な塗膜を
与えることができず、塗料組成物がスラリー状の
場合には、スラリー中での分散安定性が劣るの
で、平均粒径で、一般に74μm以下、好ましくは
44μm以下とするのが有利である。他方、粒子径
が小さ過ぎると、粉塵爆発や衛生上の問題がある
ので、10μm以上とするのが望ましい。 樹脂材料(b): 樹脂材料(b)を構成するエポキシ樹脂としては、
数平均分子量が一般に約350〜約4000、好ましく
は約900〜約3000で、且つエポキシ当量が150〜
3800、好ましくは450〜2100の範囲内にある常温
で固体又は液体のエポキシ樹脂が使用される。か
かるエポキシ樹脂は後述する分散媒に溶解乃至膨
潤するものであつてもよく、或いは不溶なもので
あつてもよいが、エポキシ樹脂として、該分散媒
に実質的に不溶なものを使用する場合には、樹脂
材料(b)は粉末状で該分散媒中に分散していること
が必要であるので、該樹脂材料(b)中に含まれるエ
ポキシ樹脂はさらに限定され、一般に約700〜約
4000、好ましくは約900〜約3000の数平均分子
量、及び150〜3300、好ましくは450〜2100のエポ
キシ当量を有する、常温で固体のエポキシ樹脂が
有利に使用される。 用いるエポキシ樹脂の数平均分子量が約350未
満である場合には、一般に形成された塗膜の溶剤
蒸発後の溶融硬化前の流動性が過大となり、層間
密着性の良い複層化が充分に行なわれなくなり、
塗膜がダレやすくなるため好ましくない。一方、
用いるエポキシ樹脂の数平均分子量が約4000を超
えると、溶融塗膜の流動性が不足して素地のエポ
キシ樹脂層による隠蔽性に優れた塗膜又は平滑な
塗膜が得られ難くなる。また、用いるエポキシ樹
脂のエポキシ当量が150未満の場合は、硬化被覆
膜の架橋密度が過大となり、内部応力歪みのため
に金属基体との付着性が低下したり、脆い塗膜が
得られやすく、他方3800を超えると、架橋密度が
過小となり、塗膜の強度、耐水性、耐薬品性など
が低下する傾向がみられる。 しかして、樹脂材料(b)において好適に用いうる
エポキシ樹脂としては、硬化塗膜の機械的性質、
金属基体との接着性、防食性等の観点から、多価
フエノール(例えばビスフエノール類)−エピハ
ロヒドリン縮合物型エポキシ樹脂、フエノール−
ホルムアルデヒド縮合物型エポキシ樹脂、重合脂
肪酸型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記多価フ
エノール−エピハロヒドリン縮合物型エポキシ樹
脂としては、例えば、ビスフエノールA、ビスフ
エノールF、ハロゲン化ビスフエノールAとエピ
クロルヒドリンとの縮合物〔例:シエル化学社製
エピコート828、エピコート1001、エピコート
1002、エピコート1004、エピコート1007、エピコ
ート1009など〕が用いられ;フエノール−ホルム
アルデヒド縮合物型エポキシ樹脂としては、例え
ばグリシジルエーテル化ノボラツク型エポキシ樹
脂〔例:シエル化学社製、エピコート152、154な
ど〕が挙げられ;また、重合脂肪酸型エポキシ樹
脂としては、例えば、ダイマー酸型エポキシ樹脂
〔例:シエル化学社製、エピコート872など〕が用
いられる。中でも、本発明においては、多価フエ
ノール−エピハロヒドリン縮合物型エポキシ樹脂
が特に適している。これらエポキシ樹脂はそれぞ
れ単独で使用することができ、或いは2種又はそ
れ以上組合わせて用いることができる。 また、これらエポキシ樹脂を硬化させるために
使用される硬化剤としては、後述する本発明の塗
料組成物の製造および貯蔵条件下において、エポ
キシ樹脂と実質的に反応することがなく且つ後述
する塗膜の焼付け条件下においてのみエポキシ樹
脂と実質的に且つ迅速に反応するものが有利に使
用され、例えば、ポリカルボン酸又はその無水物
〔例:アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、トリ
メリツト酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無
水トリメリツト酸、無水イタコン酸、無水テトラ
ヒドロフタル酸、無水ピロメリツト酸など〕、カ
ルボン酸アミド〔例:ダイマー酸とトリエチレン
テトラミンとの付加物など〕、ブロツク型イソシ
アネート類〔例:ε−カプロラクタムブロツクイ
ソホロンジイソシアネート、クレゾールブロツク
トリレンジイソシアネート−トリメチロールプロ
パン付加物など〕、ジシアンジアミドおよびその
置換体〔例:2・6−キシレニルビグアナイドな
ど〕、カルボン酸ジヒドラジド〔例:アジピン酸
ジシドラジドなど〕、イミダゾリン又はイミダゾ
ール或いはこれらの塩類が包含され、中でもジシ
アンジアミド類、カルボン酸ジヒドラジド類およ
びイミダゾリン塩類等が好適である。これら硬化
剤はそれぞれ単独で使用することができ、或いは
2種又はそれ以上組合わせてもよい。 かかる硬化剤のエポキシ樹脂に対する使用割合
は、用いるエポキシ樹脂及び/又は硬化剤の種類
等に応じて広範に変えることができるが、塗膜に
望まれる機械的性質、耐水性、防食性等を考慮し
て、硬化剤は一般的に、硬化すべきエポキシ樹脂
中のエポキシ基1個当り少なくとも0.7当量、好
ましくは0.3〜1.2当量の範囲内で使用するのが適
当である。 本発明の樹脂材料(b)に含有せしめて複層塗膜に
生じうる塗膜欠陥をなくするために用いられる
「フエノール樹脂」としては、エポキシ樹脂と相
溶し、エポキシ樹脂と硬化剤が反応して硬化する
温度より低い温度で自己縮合したり、エポキシ樹
脂と反応したりすることのないものであれば何ら
限定されることなく、公知の任意のフエノール樹
脂を使用することができる。かかるフエノール樹
脂のタイプとしては、レゾール型及びノボラツク
型のいずれであつてもよい。また、フエノール樹
脂の骨格を形成しているフエノール核にはアルキ
ル基(例えばメチル基)やフエニル基などの置換
基が結合していてもよく、存在しうるメチロール
基はアルコール類でエーテル化されていてもよ
い。 該フエノール樹脂は溶液状又は固体状のいずれ
かの形態で使用することができるが、樹脂材料(b)
を固体粉末の形で使用する場合には、それに配合
される該フエノール樹脂は軟化点が少なくとも約
50℃のフエノール樹脂であることが望ましい。 しかして、樹脂材料(b)において好適に使用しう
るフエノール樹脂の調製に使用するフエノール類
としては、特に限定されることなく従来から公知
のものを使用することができる。例えば、フエノ
ール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−ク
レゾール、2・3−キシレノール、2・5−キシ
レノール、3・4−キシレノール、3・5−キシ
レノール、p−tertブチルフエノール、p−フエ
ニルフエノール、p−tertアミルフエノール、o
−クロルフエノール、p−クロルフエノールなど
の1価フエノール類;ビスフエノールA、ビスフ
エノールB、ビスフエノールF、レゾルシノール
などの2価フエノール類;などが挙げられ、これ
らは単独或いは2種以上組合せて使用することが
できる。 また、フエノール樹脂のアルデヒド成分として
は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、
フルフラール、アセトアルデヒド、ヘキサメチレ
ンテトラミンなどが挙げられ、なかでも好適なも
のはホルムアルデヒドである。これらのアルデヒ
ド類は単独或いは2種以上組合せて使用すること
ができる。 上記したフエノール類とアルデヒド類を用いて
フエノール樹脂を製造する方法は、下記の公知の
方法が用いられる。 レゾール型フエノール樹脂 フエノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存
在下に縮合させることにより得られる。フエノー
ルに対するアルデヒドの使用量には特に制限はな
いが、一般にフエノール1モル当りアルデヒド1
モル以上特に1.5〜3.0モルの量比を用いることが
できる。縮合反応は、一般に適当な反応媒体中で
塩基性触媒としてアンモニア、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、アミン
などを0.01〜0.5モル%の量で存在させて、80〜
130℃の温度で1〜10時間程度の加熱を行なえば
よい。本発明で好適に使用し得るレゾール型フエ
ノール樹脂は1分子中にメチロール基を2〜5個
有する1〜3核体である。 ノボラツク型フエノール樹脂 フエノール類とアルデヒド類を酸性触媒の存在
下で反応させることによつて得られる。フエノー
ルに対するアルデヒドの使用量は、一般にフエノ
ール1モル当りアルデヒド1.7モル以下、特に0.7
〜1.5モルの量比を用いることができ、触媒とし
て塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸類や、シユウ
酸、ギ酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸
類をフエノールに対して0.2〜0.5%程度加え70〜
100℃で2〜8時間反応させることによつて合成
される。本発明で好適に使用し得るノボラツク型
フエノール樹脂は2〜10核体である。 かかるフエノール樹脂のエポキシ樹脂に対する
使用割合は臨界的ではなく、フエノール樹脂及
び/又はエポキシ樹脂の種類や樹脂材料(b)の形態
等に応じて広範に変えることができるが、一般に
はエポキシ樹脂の重量(固形分)を基準にして1
〜30重量%、好ましくは3〜15重量%とすること
ができる。 なお、使用するフエノール樹脂が、後述する焼
付け条件下にエポキシ樹脂と充分な硬化反応性を
有する場合には、該フエノール樹脂をエポキシ樹
脂を硬化させるに充分な量だけ過剰に配合するこ
とにより、前述した如き硬化剤の使用を省略する
こともできる。 他方、樹脂材料(b)に含有せしめて複層塗膜に生
ずる塗膜欠陥をなくするために使用される「鱗片
状顔料」とは、アスペクト比(面方向の平均粒
径/平均厚さ)が通常101〜104であるような厚さ
方向にくらべて極めて、大きい面方向の広がりを
有する薄葉状の形状を有する顔料をいい、例え
ば、グラフアイト、雲母、雲母状酸化鉄、鱗片状
アルミニウム、フレーク状タルク、ガラスフレー
ク等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2
種以上混合して使用される。 これら鱗片状顔料は、塗装中に分散された状態
で通常面方向の平均粒径で50μ以下、厚さ方向で
100μ以下であるのが望ましい。 該鱗片状顔料のエポキシ樹脂に対する使用量は
臨界的ではなく、用いる鱗片状顔料及び/又はエ
ポキシ樹脂の種類等に応じて広範に変えうるが、
一般には、顔料の吸油量/エポキシ樹脂の量の重
量百分率が5〜50%、好ましくは7〜30%の範囲
内に入るような割合で使用することが有利であ
る。 また、これら鱗片状顔料は前述したフエノール
樹脂と組合わせて使用することも可能である。 さらに、上記樹脂材料(b)には、必要に応じて、
固体粉末(a)におけると同様に、着色剤、体質顔
料、防錆顔料、補強用充填剤、分散剤、紫外線吸
収剤、流れ調整剤、揺変剤等を配合することがで
きる。 以上に述べたエポキシ樹脂、硬化剤、フエノー
ル樹脂、鱗片状顔料等からの樹脂材料(b)の調製は
例えば次のようにして行なうことができる。 すなわち、粉体又は全スラリー型の形態の塗料
組成物を調製する際に用いる場合のように、該樹
脂材料(b)を固体粉末として得る場合には、通常の
エポキシ樹脂粉体塗料製造におけると同様の技術
を用いて行なうことができ、例えば、熱ロールや
エクストルーダーと通常の化学的もしくは機械的
粉砕手段又は分級手段との組合わせ、或いは溶媒
置換法等により行なうことができる。 かかる固体粉末状の樹脂材料(b)の粒度は、前記
固体粉末(a)及び(b)におけると同様に、平均粒子径
が一般に74μm、好ましくは44μm以下且つ10μ
m以上となるようにするのがよい。 一方、部分スラリー型の塗料組成物を調製する
際に用いる場合のように、樹脂材料(b)をそこに含
まれるエポキシ樹脂に対して良溶媒である液体媒
体中に溶解した溶液状として得る場合には、前記
エポキシ樹脂、硬化剤、フエノール樹脂、鱗片状
顔料等を該液体媒体中に溶解混合し、通常の溶液
状塗料の製造におけると同様の技術で均一分散さ
せることができる。そのためには、例えばボール
ミル、ロールミル、サンドミルなどが利用でき
る。 上記樹脂材料(b)の調製において、分散せしめら
れることがある前記顔料の最大粒子径は40μm以
下にするのが好ましい。 その他の添加物: 本発明の複層塗膜形成性塗料組成物は、上記し
た固体粉末(a)及び樹脂材料(b)以外にも、必要に応
じて種々の成分を添加して所望の性質を付与する
ことができる。例えば複層塗膜間の密着性をさら
に向上させる目的で、極性質を有するように変性
したオレフイン系樹脂粉末を含有させることがで
きる。 このような極性基含有変性オレフイン系樹脂
(以下、「変性オレフイン系樹脂」と呼ぶ)として
は、固体粉末(a)について前述したオレフインの少
なくとも1種と他の共重合可能な極性基含有ビニ
ル系モノマーの少なくとも1種との共重合体、或
いは固体粉末(a)について前述したオレフイン系樹
脂に、酸性基含有ビニル系モノマーをグラフト重
合させるか又はハロゲン化、クロルスルホン化、
スルホン化、オゾン酸化等の手段により極性基を
導入したもの、等が包含される。 該変性オレフイン系樹脂中に含ませうる「極性
基」としては、樹脂材料(b)において使用されるエ
ポキシ樹脂に対する親水性の良好なもの、例え
ば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原
子特に塩素及びフツ素原子、或いはこれら原子を
含む原子団例えば水素基、オキソ基、カルボニル
基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホン酸
基、ニトリル基、アミド基等が挙げられる。これ
ら極性期はそれぞれ単独で又は2種もしくはそれ
以上組合せて存在することができ、また、該極性
基の含有量は、極性基の種類等にもよるが、極性
基の含有量があまり多過ぎると、塗膜の複層化に
支障をきたし、反対に少な過ぎると、オレフイン
系樹脂の表層部とエポキシ樹脂の下層部との密着
効果が充分に得られず、一般には、極性基含有変
性オレフイン系樹脂の加熱溶融時の表面張力が固
体粉末(a)中のオレフイン系樹脂の加熱溶融時の表
面張力より高く、且つ樹脂材料(b)の加熱溶融時の
表面張力より低くなるようにすることが望まし
い。 共重合又はグラフト重合させうる極性基含有ビ
ニル系モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニルなどの有機酸ビニルエステル;アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタ
クリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル(無水)マ
レイン酸などの不飽和カルボン酸又はその無水物
もしくはそのエステル;アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、アリルビニルエーテル、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。 しかして、使用しうる変性オレフイン系樹脂の
代表例としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、弗素
化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、クロルス
ルホン化ポリエチレン、スルホン化ポリエチレ
ン、オゾン酸化処理したポリエチレン、無水マレ
イン酸−グラフトポリエチレン、アクリル酸−グ
ラフトポリエチレン、アクリロニトリル−グラフ
トポリエチレン、アクリルアミド−グラフトポリ
エチレン等が挙げられる。 上記の如き変性オレフイン系樹脂は、固体粉末
(a)におけるオレフイン系樹脂と同様に、0.3〜80
g/10分、好ましくは1.5〜60g/10分の範囲内
のメルトインデツクスを有することが重要で、且
つ固体粉末(a)におけるオレフイン系樹脂のメルト
インデツクスよりもさらに大きいことが望まし
い。 上記変性オレフイン系樹脂粉末は、固体粉末(a)
について前述した如き着色剤、体質顔料、防錆顔
料、補強用充填剤、分散剤、紫外線吸収剤、流れ
調整剤、揺変剤などの添加物を前記と同量で含む
ことができ、粉末化も、前記固体粉末(a)の場合と
同様、それ自体公知の方法を用いて行なうことが
できる。粉末の粒径は、平均粒径で一般に74μm
以下、10μm以上とするのが望ましい。 かかる変性オレフイン系樹脂粉末を使用する場
合、その使用量は変性の程度にもよるが通常該変
性オレフイン系樹脂粉末の真の体積が固体粉末(a)
の真の体積の1%〜30%、より好ましくは3%〜
15%の間になるようにするのが有利である。 分散媒: 本発明の塗料組成物が粉体塗料の形態をとる場
合には分散媒は不要であるが、全スラリー型又は
部分スラリー型の塗料形態をとる場合には分散媒
として揮発性有機溶媒の使用が必要となる。かか
る有機溶媒は、上記固体粉末(a)及び変性オレフイ
ン系樹脂に対する貧溶媒を少なくとも90%、好ま
しくは95%以上含有する揮発性有機体であること
ができる。ここで「貧溶媒」とは、固体粉末(a)中
のオレフイン系樹脂及び前記変性オレフイン系樹
脂の溶解および(または)膨潤を実質的に生じさ
せない溶媒である。具体的には、該溶媒中に該樹
脂を常温で1週間浸漬した後、該溶媒を蒸発させ
て粉体の表面を顕微境で観察した場合に、粉体粒
子に融合または膨潤による変形等が認められない
ものである。 上記有機溶媒は、樹脂材料(b)におけるエポキシ
樹脂に対しては貧溶媒または良溶媒のいずれであ
つても良い。該有機溶媒が樹脂材料(b)に対して貧
溶媒である場合には塗料組成物は全スラリー型と
なり、他方、有機溶媒が樹脂材料(b)に対して良溶
媒である場合は部分スラリー型となる。部分スラ
リー型は、全スラリー型に比較して粘度の調整が
容易であり、かつエポキシ樹脂層による金属素地
の隠蔽が完全に行なうことができる等の長所を有
する。しかしその反面、溶媒の蒸発乾燥が遅い、
厚塗りした場合に塗膜欠陥が発生しやすいという
短所を有するので、用途によつて使いわけるべき
である。 使用しうる貧溶媒は、用いる固体粉末(a)及び樹
脂材料(b)の種類等により異なるが、一般には、非
極性の有機液体、特に炭化水素類例えば、n−ペ
ンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−ヘプ
タン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカ
ン、n−ドデカン、n−ヘキサデカン、2・2−
ジメチルプタン等の炭素原子数5〜16個のアルカ
ン類および1−ペンテン、1−オクテン、1−デ
セン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン等の炭素
原子数5〜18個のアルケン類等の如き脂肪族炭化
水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサ
ン、メチルイソアミルシクロヘキサン等の炭素原
子数6〜12個の脂環族炭化水素;石油エーテル、
石油ベンジン、ガソリン、ケロシン、石油スピリ
ツト、石油ナフサなどの混合炭化水素が適してい
る。 これら非極性の貧溶媒はその性格上、熱力学的
にみて、エポキシ樹脂を溶解することは困難であ
る。従つて、上記の分散媒は、固体粉末(a)及び樹
脂材料(b)の両成分を実質的に溶解しない形態で分
散している全スラリー型の塗料組成物の調製に使
用することができる。 他方、固体粉末(a)に対して貧溶媒であるが、樹
脂材料(b)に対して良溶媒となるような溶媒は一般
に高極性の溶媒である。かかる高極性溶媒として
は、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプ
ロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン
類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、酢酸セロソルブ等のエーテル類等
が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以
上混合して使用することができる。 これら樹脂材料(b)に対する良溶媒は、前記固体
粉末(a)を実質的に膨潤及び溶解しないものが多
く、従つて、これらの溶媒のうち固体粉末(a)に対
して貧溶媒のものであれば、分散媒として単独で
使用することができる。 また、アルコール類及び芳香族炭化水素は、エ
ポキシ樹脂を溶解状態で用いる場合における助溶
媒又は希釈溶媒として使用することができる。 かかるアルコール類としては、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、アミルア
ルコールなどが挙げられる。また、芳香族炭化水
素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼンなどが挙げられる。 塗料組成物の調製: 本発明の塗料組成物は、以上に述べた固体粉末
(a)及び樹脂材料(b)、並びに必要に応じて、他の添
加物及び分散媒を用いて、以下に述べる如くして
調製することができる。 粉体塗料型の塗料組成物は、上記各成分を微粉
末化した状態で相互に均一に混合することによつ
て製造することができる。この場合はそれ自体公
知の方法、例えば、ヘンシエルミキサー等を用い
て行なうことができる。 他方、全スラリー型又は部分スラリー型の塗料
組成物を調製する場合には、固体粉末(a)、樹脂材
料(b)及びその他必要な成分を前述した揮発性有機
溶媒中に分散させるか、又は分散と同時にその一
部を溶解させることにより調製することができ
る。塗料組成物の調製に際し、全スラリー型のも
のを得るには、固体粉末(a)及び樹脂材料(b)は全て
粉末化しておくことが望ましく、また、部分スラ
リー型のものを得るには、有機溶媒の全量又は一
部を用いて樹脂材料(b)をあらかじめ溶液状態にし
ておくのが合理的である。この分散乃至溶解はそ
れ自体公知の方法、例えばホモジナイザー等を用
いて行なうことができる。 塗料組成物の調製にあたつて、固体粉末(a)及び
樹脂材料(b)はそれぞれ1種ずつ使用することがで
き、或いは必要に応じて、固体粉末(a)及び/又は
樹脂材料(b)はそれぞれ2種又はそれ以上組合わせ
て用いてもよい。 その際の固体粉末(a)と樹脂材料(b)の使用割合は
臨界的ではなく広範に変えることができるが、固
体粉末(a)対樹脂材料(b)の重量比で、15:85乃至
85:15、好ましくは30:70乃至70:30の範囲とす
るのが有利である。 また、全スラリー型又は部分スラリー型の塗料
組成物を調製する場合、固体粉末(a)及び樹脂材料
(b)の前記分散媒に対する比率は臨界的ではなく、
塗料組成物の塗料時の作業性などを考慮して広範
に変えることができるが、一般には、固体粉末(a)
と樹脂材料(b)の合計量100重量部当り分散媒を50
〜300重量部、好ましくは80〜200重量部の割合で
使用するのが有利である。 以上に述べた本発明の塗料組成物は、各種金属
基材、例えば送排水管、水槽、水中構築物、その
他一般の鋼製構造物等の防食被覆として広範に使
用することができる。 本発明の塗料組成物をこれら金属基材に塗装す
る方法は特別なものではなく、通常の塗装方法を
使用することができ、例えばエアースプレー法、
エアーレススプレー法、静電塗装法、流動浸漬
法、刷毛塗り法、ロール塗り法、デイツピング法
等の方法で行なうことができ、塗布厚さとして
は、乾燥膜厚で少なくとも30μm、特に30〜250
μmとするのが好ましい。 塗装された被覆は常法に従い焼付けすることが
できる。焼付け条件は用いた塗料組成物の組成等
により異なるが、一般には、約100〜約250℃の範
囲内の温度において約5〜約40分間加熱すれば充
分である。 本発明の塗料組成物を用いて形成される複層塗
膜は、ハジキ、ヘコミ、ピンホールなどの塗膜欠
陥がなく、金属素地とエポキシ樹脂下層部との
間、及びエポキシ樹脂下層部とオレフイン系樹脂
表層部との間の密着性が良好であり、防食性、耐
水性、耐薬品性、耐候性、表面平滑性、耐剥離性
等の物性に優れ、しかも塗膜成分の溶出もない。 なお、本発明の塗料組成物を用いて塗膜を形成
した場合、複層化がきわめて完全に行なわれるこ
とは種々の方法によつて確認できる。たとえば、
固体粉末(a)および樹脂材料(b)の一方のみに有色の
顔料を含有させるか、または双方に色の相違が明
らかな顔料を含有させておき、形成された塗膜の
断面を顕微鏡で観察することにより、明瞭な境界
線を有する2層の存在を確認することができる。
また、塗膜を金属素地面からきれいにはがし取
り、その剥離した塗膜の両表面について、反射法
によつて赤外線吸収スペクトルを観測すれば、金
属素地面側ではほぼ純枠なエポキシ樹脂極化物に
対応する赤外線スペクトルが観察され且つ気相
(表層)では配合前のオレフイン系樹脂とまつた
くもしくはほとんど対応する赤外線スペクトルを
観測することができる。さらに、同様の剥離塗膜
の両面について水およびパラフインとの接触角を
測定し、その結果を用い、Youngの式および
Fowkesの式により各面の表面エネルギーを算出
することにより、表面側、金属素地面側ともに、
それぞれ純枠のポリオレフイン及び純枠のエポキ
シ樹脂硬化物に対する値と完全に一致することか
ら、オレフイン系樹脂が表層にそしてエポキシ樹
脂が下層に完全に配合していることを知ることが
できる。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中「部」及び「%」はい
ずれも「重量部」及び「重量%」である。 実施例 1 固体粉末(a−1):メルトインデツクスが20
g/10分で密度が0.920の低密度ポリエチレン
を化学粉砕して得た中位粒度20μのポリエチレ
ン粉末。 樹脂材料(b−1):数平均分子量が約1400でエ
ポキシ当量が約900のビスフエノールA型エポ
キシ樹脂(シエル化学社製、エピコート
#1004)100部、アジピン酸ジヒドラジド4
部、数平均分子量が624で融点が75〜90℃のフ
エニルフエノールベースノボラツク型フエノー
ル樹脂(群栄化学工業製、PP−810)6部及び
ベンガラ20部を、ヘンシエルミキサーにかけて
粉砕混合した後、120℃の熱ロールで混練し
て、冷却後ピンデイスクで粉砕して、200メツ
シユの篩で篩別したもの。固体粉末(a−1)
40部と樹脂材料(b−1)60部をヘンシエルミ
キサーで均一に混合して、複層塗膜形成性粉体
塗料組成物を調製した。この組成物を、サンド
プラストした軟鋼板に静電塗装した後、200℃
で20分間加熱硬化させて、約110μの厚さの、
ハジキ、ヘコミ、ピンホールなどの塗膜欠陥の
ない良好な複層塗膜が得られた。 この塗膜の表層側と鉄板素地側とをそれぞれ20
μ研削採取し、赤外線吸収スペクトル分析したと
ころ、表層側にはポリエチレン、金属素地側には
エポキシ樹脂が配向し、その断面の顕微鏡写真か
ら、ポリエチレン層がほぼ60μエポキシ樹脂層が
ほぼ50μの厚さで明瞭に分離していることが確認
された。 別に下記の比較塗板を作成し、塗膜の観察を行
なつた。 比較例 1−1 実施例1の樹脂材料(b−1)中のフエノール
樹脂を除去し、他は全く同様の配合で塗料組成物
を調製し、同様に塗板を作成した。得られた塗膜
には100cm2当り15個のハジキがあり、ハジキの中
心部分は鋼板素地が露出している。 比較例 1−2 実施例1の樹脂材料(b−1)よりフエノール
樹脂を除去し、その代りにポリアクリル酸エステ
ル系のハジキ防止剤(商品名:モダフロー、モン
サント社製)をエポキシ樹脂に対して500ppmを
添加する以外は全く実施例1と同様にして塗料組
成物を調製し、塗板を作成した。得られた塗膜に
ハジキは発生していなかつたが、エポキシ樹脂と
ポリエチレンの層分離が全く起こらず、両者が入
り乱れたもろい塗膜であつた。 実施例 2 実施例1の樹脂材料(b−1)のフエノール樹
脂(PP−810)の代りに、軟化点が101〜118℃で
比重1.06〜1.09の油溶性非熱反応型100%のフエ
ノール樹脂(昭和ユニオン合成社製CKM−
2103)を10部添加する以外は実施例1と同様にし
て塗料を調製し、塗板を作成した。得られた塗膜
には、ハジキ、ヘコミ、ピンホールなどの塗膜欠
陥がなく、分析の結果、良好な複層塗膜であるこ
とが判つた。 実施例 3 固体粉末(a−3):メルトインデツクスが7.0
g/10分で密度が0.944の中密度ポリエチレン
を化学粉砕して得た中位粒度15μのポリエチレ
ン粉末。 樹脂材料(b−3):エポキシ当量が1800で融点
約115℃のビスフエノールA型エポキシ樹脂
(チバ社製、アラルダイト7097)100部、雲母
(山口雲母社製、運母粉B−31)20部、カーボ
ンブラツク8部、クロム酸亜鉛15部及び2・6
−キシレニルビグアニド5.5部をヘンシエルミ
キサーで均一に粉砕混合した後、メチルイソブ
チルケトン40部、キシレン40部及びn−ブタノ
ール20部の混合溶剤と共にボールミルに仕込
み、24時間かけて溶融分散して得たもの。 固体粉末(a−3)55部、樹脂材料(b−3)
45部、トルエン33部及びn−ブタノール10部をホ
モミキサーで均一に混合分散して複層塗膜形成部
分スラリー状塗料組成物を調整した。この組成物
を実施例1に記載したのと同じ方法で塩酸洗浄軟
鋼板に塗布乾燥焼付けして、厚さ140μのハジ
キ、ヘキミ、ピンホールなどの塗膜欠陥のない複
層塗膜を得た。この塗膜を実施例1に記載したの
と同じ方法で分析及び試験したところ、下記のよ
うな結果が得られた。 複層形成性:表層ポリエチレン100μ、下層エポ
キシ樹脂40μの厚さで明瞭に分離している。別
に下記の比較塗板を作成し、塗膜の観察を行な
つた。 比較例 3−1 実施例3の樹脂材料(b−3)中の雲母粉を除
去し、代りに炭酸カルシウムを等量配合し、同様
の方法で塗料組成物を調製し、塗板を作成した。
得られた塗膜には、100cm2当り径3mm程度のヘコ
ミが7個あり、ヘコミ部分には極くうすいエポキ
シ樹脂層が存在するだけであつた。 比較例 3−2 比較例3−1の樹脂材料(b−3)にさらにハ
ジキ防止剤としてジメチルシロキサン系シリコン
(Wacker Chemie社製、シリコンオイルLO50)
をエポキシ樹脂に対して100ppm添加して塗料組
成物を調製し、実施例3と同様にして塗板を作成
した。得られた塗膜には、ヘコミは発生していな
かつたが、エポキシ樹脂とポリエチレンとの層分
離が不完全で、鉄板素地側にはエポキシ樹脂が隠
蔽しているが、表層側は両者入り乱れたもろい塗
膜であつた。 実施例 4 固体粉末(a−4):メルトインデツクスが7.0
g/10分で密度が0.91のポリプロピレン(三井
石油化学社製、F601)85部、エチレン−α−
オレフイン共重合エラストマー(三井石油化学
社製、タフマーP−0180;メルトインデツクス
5.0g/10分、密度0.88)15部及びカーボンブ
ラツク10部を二軸形押出機で混練し、冷凍粉砕
して得た中位粒度40μの粉末。 樹脂材料(b−4):数平均分子量が1000でエポ
キシ当量が650のビスフエノールA型エポキシ
樹脂(シエル化学社製;エピコート#1002)50
部、数平均分子量が1400でエポキシ当量が900
のビスフエノールA型エポキシ樹脂(シエル化
学社製;エピコート#1004)50部、ジシアンジ
アミド4部、雲母状酸化鉄(Kartner Montan
社製、M10X−AS)15部及びチタン白5部を
100℃の二軸型押出機で混練して、ドライアイ
スと共にアトマイザーで粉砕し、250メツシユ
の篩で篩別したもの。 変性オレフイン系樹脂粉末:メルトインデツクス
が2g/10分でエチレン単位含有量75%のエチ
レン−酢酸ビニル共重合樹脂(三井ポリケミカ
ル社製、エバフレツクス#360)を冷凍粉砕し
て得た中位粒度40μの粉末。 固体粉末(a−4)30部、樹脂材料(b−4)
64部、及び変性オレフイン系樹脂6部を貧溶媒
(脂肪族混合溶媒;丸善石油社製、スワゾールN
−1000)110部中にデイスパーを用いて分散して
複層塗膜形成性全スラリー型塗料組成物を調製し
た。この組成物を、リン酸処理軟鋼板上にエアー
スプレー塗装して、180℃で30分間加熱硬化させ
て、約150μの厚さのハジキ、ヘコミ、ピンホー
ルなどの塗膜欠陥のない平滑な塗膜を得た。この
塗膜を実施例1と同様に分析したところ、表層側
にはポリプロピレン、金属素地側にはエポキシ樹
脂が配向し、各層はそれぞれ65μ及び85μの厚さ
で明瞭に分離していることが確認された。別に下
記の比較塗板を作成し、塗膜の観察を行なつた。 比較例 4−1 実施例4の樹脂材料(b−4)中の雲母状酸化
鉄の代りにベンガラを用いる以外は全て同様にし
て塗料組成物を調製し、塗板を作成したところ、
100cm2当り、ハジキ(中心部に素地露出)が6
個、径約3mmのヘコミ(ごくうすいエポキシ層の
み存在)が4個観察された。 比較例 4−2 比較例4−1の樹脂材料(b−4)に、ポリビ
ニルブチラール樹脂(清水化学社製、エスレツク
BX−L)をエポキシ樹脂に対して6%添加し
て、同様にして塗料組成物を調製し、塗板を作成
した。得られた塗膜の欠陥はかなり減少し、100
cm2あたりヘコミが1〜2個観察されるにすぎない
が、層分離がやや不良で、エポキシ樹歯層とポリ
プロピレン層が界面でかなり乱れた状態であつ
た。 実施例 5 実施例3の樹脂材料(b−3)中の雲母粉の代
りにフレーク状タルク(林化成社製、タルカンパ
ウダーPKS)12部及び熱硬化型フエノール樹脂
(日立化成社製、ヒタノール4010)8部を配合し
て同様に塗料組成物を調製し、塗板を作成した。
得られた塗膜にはハジキ、ヘコミ、ピンホールな
どの塗膜欠陥がなく、表層部がポリエチレン95
μ、下層部がエポキシ樹脂45μの明瞭に層分離し
た良好な被層塗膜であつた。 塗膜性能試験 以上の実施例及び比較例で作成した塗板を下記
の試験項目について試験し、評価した。 (1) 付着性:垂直方向の剥離強度を、アドヒージ
ヨンステータ(エルコ社製)を用いて測定し、
破壊面を観察する。 (2) 水質汚染性:日本水道協会、上水試験方法に
規定された残留塩素及び過マンガン酸カリウム
消費量による。塗板としてはガラス板を用い
た。 (3) 防食性:塗膜に素地まで達する傷を付け、5
%食塩水を塩水噴霧試験機により、1000時間噴
霧し、カツト部からの素地の腐食した巾(mm)
を測り、同時に一般部(傷をつけていないとこ
ろ)の状態を観察する。 (4) 耐陰極剥離性:ASTM G8−69Tによる。30
%食塩水中で6V直流電圧を印加し、30日間通
電後の塗膜剥離直径(mm)を測定する。 以上の試験の結果をまとめて下記第1表に記
す。 下記第1表に示す結果から明らかなように、本
発明の塗料組成物は、エポキシ樹脂組成物にフエ
ノール樹脂及び/又は鱗片状顔料を含有させるこ
とによつて、層分離現象を阻害することなく塗膜
欠陥のない良好な被層塗膜を与える優れた複層塗
膜形成性塗料組成物である。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) メルトインデツクスが0.3〜80g/10分
    の範囲内にあるオレフイン系樹脂を含有する固
    体粉末、及び (b) 数平均分子量が約350〜約4000で且つエポキ
    シ当量が150〜3800の範囲内にあるエポキシ樹
    脂、及びその硬化剤に、さらにフエノール樹脂
    及び/又は鱗片状顔料を含有せしめてなる膜形
    成性樹脂材料、 を主たる樹脂成分として含有することを特徴とす
    る複層塗膜形成性塗料組成物。
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