JPH0245590B2 - - Google Patents

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JPH0245590B2
JPH0245590B2 JP55172276A JP17227680A JPH0245590B2 JP H0245590 B2 JPH0245590 B2 JP H0245590B2 JP 55172276 A JP55172276 A JP 55172276A JP 17227680 A JP17227680 A JP 17227680A JP H0245590 B2 JPH0245590 B2 JP H0245590B2
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JP
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resin
weight
saponified
vinyl acetate
coating
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JP55172276A
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Tadayuki Oomae
Motonori Tanaka
Masanori Kondo
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は優れた防食性を有する樹脂被覆金属構
造体に関するものであり、さらに詳しくは、特定
のエチレン―酢酸ビニル共重合体けん化樹脂と金
属材料との間に接着層を介在させることからなる
実用物性と耐久性に優れた金属構造体に関するも
のである。 一般に、エチレン―酢酸ビニル共重合体けん化
樹脂はその原料樹脂であるエチレン―酢酸ビニル
共重合体に比べ、融点、硬度、引張強度、曲げ強
度、曲げ剛性度等が高く、また耐溶剤性、耐摩耗
性、耐気体透過性に優れている。さらに、金属を
はじめ有機および無機基材との接着性に優れてい
るので、これら各種基材の被覆剤、バインダー、
あるいは積層接着剤等として広く用いられてい
る。 たとえば、特公昭47−10529号公報には、エチ
レンと酢酸ビニルのモル比が約5:1ないし10:
1(酢酸ビニル含有率にして、約23ないし38重量
%)であるエチレン―酢酸ビニル共重合体を、加
水分解度80〜100%までけん化して得られる直径
20〜300μの粉末状けん化樹脂を用い、粉体塗装
法により金属、窯業物質、ガラス、合成樹脂また
は木材を被覆する方法が提案されている。 しかしながら、本発明者らは上記公報記載の方
法、すなわち、酢酸ビニル含有量が23〜38重量%
のエチレン―酢酸ビニル共重合体のけん化樹脂を
金属に被覆する方法を追試した結果、該けん化樹
脂で直接に金属を被覆した場合、初期接着性は良
好であるが、被覆層として要求される耐熱水性、
耐塩水性、耐冷−熱サイクル性、耐候性等、使用
環境下における耐久性能に関しては不十分である
ことがわかつた。さらに本発明者らの詳細な検討
結果から、原料樹脂として特に酢酸ビニル含有量
が40〜55重量%の範囲のエチレン―酢酸ビニル共
重合体をけん化して得られる樹脂が上記公報記載
のけん化樹脂よりも格段に優れた耐久性を示した
が、半永久的に使用する観点からは末だ満足すべ
きものではないこともわかつた。 一方、従来から鋼などの腐食性金属に耐食性を
賦与する目的で、あるいは金属とポリオレフイン
樹脂等の両者を接着する目的で金属表面をエポキ
シ樹脂等で被覆処理する方法が知られている。し
かし、従来一般に使用されている樹脂では、表面
被覆層として要求されている上述の物性に加え、
加工性、補修性、表面光沢、硬度、引張強度、耐
摩耗性、耐屈曲性等の樹脂物性、すなわち耐久性
能と加工性ならびに樹脂物性の諸特性において高
度にバランスのとれた高性能物が得がたい。した
がつて、たとえ金属表面をエポキシ樹脂等で処理
して一応耐食性を賦与させても、表面被覆層の耐
久性という長期的な使用上の観点からは満足すべ
き性能を有しているものは見い出されていないの
が現状である。 本発明者らは、このような防食を目的とした被
覆層に要求される性能をさらに改良すべく鋭意検
討を行なつた結果、金属材料と特定の組成からな
るエチレン―酢酸ビニル共重合体のけん化樹脂被
覆層の間に各種の有機高分子化合物からなる接着
層を介在させることにより、非常に優れた耐久性
能を有する金属構造体が得られることを見い出
し、本発明に至つた。 すなわち、本発明は金属材料(A)と、酢酸ビニル
含有量40〜55重量%のエチレン―酢酸ビニル共重
合体をけん化して得られるけん化率80〜100%の
けん化樹脂、もしくは該けん化樹脂100重量部と
二酸化チタン1〜15重量部を混合して得られるけ
ん化樹脂組成物を粉体塗装法にて形成してなる被
覆樹脂層(B)とからなる金属構造体であり、該金属
材料(A)と被覆樹脂層(B)との中間にエポキシ系樹脂
もしくは共役ジエン系重合体と水酸化マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムもしくは酸
化アルミニウムとの混合物からなる接着層(C)を介
在させることを特徴とする耐久性の改良された樹
脂被覆金属構造体に関するものである。 ここで、本発明において金属材料とけん化樹脂
被覆層との間に接着層を介在させた効果は顕著で
あり、耐熱水性および耐塩水性が飛躍的に向上す
ることである。とくに、被覆層の端面や損傷部か
ら起こる接着力の経時低下に対して極めて強い抵
抗性を示す。また、本発明で用いられるけん化樹
脂は前述の特性、すなわち、硬度、引張強度、耐
屈曲強度、表面光沢等の樹脂物性および被覆層と
しての耐久性が優れていることに加え、加工性が
優れている点にも特長がある。たとえば、加工時
における吊り部等の未被覆部あるいは使用中にお
ける損傷部等の補修が容易に行ない得ることであ
る。このように、本来被覆用樹脂として有してい
る優れた性能が中間接着層を介在させることによ
つて最高度に発揮され、過酷な使用環境下におけ
る大きな条件変動にもほとんど無関係に安定した
耐久性を示す。 本発明において用いられる接着層としては、エ
ポキシ系樹脂もしくはジエン系重合体と水酸化マ
グネシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムも
しくは酸化アルミニウムとの混合物が使用され
る。 これらのうち、エポキシ系樹脂として、たとえ
ばビスフエノール型エポキシ樹脂、ビスフエノー
ルF型エポキシ樹脂等が挙げられ、またこれらの
エポキシ樹脂の各種変性物として、エポキシフエ
ノール樹脂、エポキシウレタン樹脂、エポキシポ
リアミド樹脂、エポキシエステル樹脂、エポキシ
アミノ樹脂、エポキシアミノアルキド樹脂、エポ
キシアミノアルキド樹脂、エポキシノボラツク樹
脂、エポキシアクリル樹脂、エポキシビニル樹
脂、エポキシコールタール樹脂、脱水ひまし油変
性エポキシエステル樹脂等が例示される。これら
のエポキシ系樹脂はアミン類、酸無水物、ポリア
ミド等の硬化剤や硬化促進剤を配合した熱硬化性
樹脂あるいは硬化剤を含有しない熱可塑性樹脂の
いずれも使用できる。 また、共役ジエン系重合体としては、たとえば
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン、ブタジエン―スチレン共重合体、ブタジエ
ン―アクリロニトリル共重合体、ブタジエン―ア
クリル酸メチル共重合体、ブタジエン―無水マレ
イン酸共重合体、ブタジエン―無水イタコン酸共
重合体、ブタジエン―(メタ)アクリル酸グリシ
ジル共重合体、あるいはこれらの部分または完全
水素添加物、ヒドロキシル化物、カルボキシル化
物、エポキシ化物、ウレタン化物、フエノール変
性物等共役ジエンの単独重合体、共重合体および
これらの変性物が挙げられる。これらの共役ジエ
ン系重合体の分子量は一般に500以上のものが用
いられる。 上記の接着層は、公知の方法により溶液、粉
体、あるいはフイルム等として通常の条件下で金
属表面に塗装または接着される。これにより、非
常に強固な接着力を有する接着層が得られる。接
着層の厚さは一般に2〜70μの範囲が適当であ
る。なお、必要に応じ、これらの無機および有機
高分子化合物に後述の各種顔料、充填剤、その他
の添加剤を添加することができる。 本発明において被覆樹脂層として使用されるけ
ん化樹脂の原料樹脂としては、酢酸ビニル含有量
が40〜55重量%の範囲に限られたエチレン―酢酸
ビニル共重合体が用いられる。この共重合体の酢
酸ビニル含有量が40重量%未満では、前述のよう
に満足すべき樹脂物性ならびに耐久性を有するも
のが得られず、一方、その量が55重量%を超える
と被覆加工が極めて困難となるため、本発明の目
的からは不適である。とくに、酢酸ビニル含有量
が40〜55重量%のものは、40重量%未満のものと
比べ、そのけん化樹脂自体の硬度、引張強度、耐
屈曲強度、表面光沢等の樹脂物性が非常に高く、
また被覆層として要求される耐熱水性、耐塩水
性、耐冷熱サイクル性、耐候性等の耐久性が格段
に優れているため、好適に使用される。また該原
料樹脂のメルトインデツクスは、そのけん化樹脂
の加工性および樹脂強度のバランスの観点から約
5〜500の範囲のものが好ましい。このように、
原料樹脂の酢酸ビニル含有量およびメルトインデ
ツクスを上記範囲内で適切に選定することによ
り、加工性と物性とのバランスが非常に優れた高
性能のけん化樹脂が得られる。 ここで、本発明において用いられる原料エチレ
ン―酢酸ビニル共重合体は公知の方法、たとえば
高圧重合法、溶液重合法、乳化重合法等によつて
製造することができる。この共重合体中の酢酸ビ
ニルの含有量は前述のように、樹脂性能の観点か
ら40〜55重量%の範囲に限定される。なお、原料
重合体として、必要に応じ、エチレンおよび酢酸
ビニルと共重合可能な第三のコモノマー、たとえ
ばプロピレン、ブテン―1、スチレン等の不飽和
炭化水素類、あるいは(メタ)アクリル酸および
そのエステル、無水マレイン酸および無水物、エ
ステルなどの不飽和カルボン酸およびその各種誘
導体等を10重量%程度以下共重合させたものを用
いることができる。 つぎに、本発明において被覆用樹脂として用い
られるエチレン―酢酸ビニル共重合体のけん化樹
脂のけん化率は80〜100%の範囲内に限定される。
この場合、けん化率が80%未満のものでは樹脂強
度や硬度および接着性能共に満足すべきものは得
がたい。このエチレン―酢酸ビニル共重合体けん
化樹脂は公知の方法で製造できる。たとえば、ト
ルエンやキシレンなどの炭化水素類の良溶媒中、
あるいはこれはメタノールやエタノールなどのア
ルコールを加えた混合溶媒中における均一溶液反
応、またはメタノールやエタノール等のアルコー
ル類を用いた非溶媒中における不均一反応によつ
て製造しうる。けん化反応はアルカリ性または酸
性触媒の存在下に行なわれるが、この触媒として
とくにナトリウムやカリウムのようなアルカリ金
属の水酸化物およびメトキシドなどのアルコキシ
ドが好適である。また、原料であるエチレン―酢
酸ビニル共重合体は一般に粉末またはペレツトな
どの粒状物が用いられ、これらは反応系の選定に
よつて粉末または粒状物のけん化樹脂として回収
される。本発明において使用されるけん化樹脂
は、とくに原料としてペレツト状の共重合体を用
い、メタノールなどの非溶媒中でアルカリけん化
によつて得られたものが好適である。このように
して製造されたけん化樹脂は、本発明では防食被
覆用粉体塗料として粒径約20〜300μの粉末が有
効に使用でき、該けん化樹脂100重量部に対して
酸化チタン1〜15重量部を混合して得られるけん
化樹脂組成物として用いる。 さらに上記のけん化樹脂組成物に対して種々の
添加剤を添加することができる。たとえば、酸化
防止剤、光安定剤、熱安定剤、無機系または有機
系顔料等の着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、滑
剤、可塑剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、螢光
剤、無機または有機充填剤、高分子化合物等各種
の無機物または有機化合物等があり、これらの中
から選ばれた1種または2種以上のものが添加で
きる。これらの添加剤または充填剤の添加量は、
けん化樹脂組成物100重量部に対し、通常50重量
部以内の範囲で添加するのが適当である。とく
に、鋼板や鋼管などの表面被覆を目的とした場
合、該けん化樹脂組成物に酸化クロム、酸化カド
ミウム、酸化コバルト、鉛白、黄鉛、群青、モリ
ブデン酸赤、ベンガラ、鉄黒、カーボンブラツ
ク、および種々の酸化物系複合系顔料等を添加し
たもの、あるいは金属光沢を与えるアルミニウ
ム、ステンレス、コバルト、ニツケル、黄銅、青
銅等の金属粉末、または螢光剤、さらには酸化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、シリ
カ、雲母、窒化ホウ素、ジルコニア、あるいはガ
ラスの粉末、繊維、ビーズ等の充填剤を添加した
ものが実用品として有効に使用される。また、該
けん化樹脂組成物の耐久接着性をよりいつそう改
良する目的で、たとえばエチレン―無水マレイン
酸共重合体やスチレン―無水マレイン酸共重合体
のようなオレフインやモノビニル芳香族炭化水素
と不飽和カルボン酸無水物との共重合体、またポ
リオレフインと不飽和カルボン酸無水物とのグラ
フト共重合体、あるいはポリイソシアネート系化
合物などの接着性改良剤を添加することができ
る。これらのけん化樹脂組成物と添加剤または充
填剤とからなる樹脂組成物は、けん化樹脂の製造
工程またはその後の加工工程において、一般にス
クリユー押出機、ロール、ニーダー、バンバリー
ミキサー等を用いて溶融混練することによつて容
易に製造しうる。 本発明の構造体として用いられる金属材料は、
同期律表の−B、−B、−B、、、お
よび族の中から選ばれた単体またはこれらを少
くとも一成分含有する合金である。中でもアルミ
ニユウ、鉄、ニツケル、コバルト、クロム、亜
鉛、錫、チタン、銅などの単体、あるいは炭素
鋼、不銹鋼、黄銅、青銅、ジユラルミンなどの合
金、またトタンやブリキなどの鉄の表面処理品が
適当な材料として挙げられる。これらの金属材料
のうち、本発明においてはとくに防食性を必要と
するものが被覆材料として適す。被覆の対象とな
る金属構造体は、圧延材、鍛造品、鋳物等からな
る板状、塊状、線状、棒状、網状、管状、球状、
容器状、その他複雑構造物等種々の形状の一次加
工品または二次以上の加工品が挙げられる。 本発明を有効に実施するに際しては、あらかじ
め金属材料の表面に付着する油分や付着物を除去
する目的で、一般に石油ベンジン、トルエン、キ
シレン、アセトン、トリクロロエタン、トリクロ
ロエチレン等の有機溶剤や界面活性剤などを用い
て清浄にすることが望ましい。また、サンドブラ
スト、シヨツトブラスト等のブラスト処理、ある
いはリン酸塩やクロム酸塩等の化学的処理によつ
て表面処理することもできる。このようにして処
理された金属材料の表面にあらかじめ前述の接着
層の塗装処理が行なわれる。これらの処理によつ
て非常に強固で、かつ耐久性の優れた接着力を有
する被覆体が得られる。 接着層の塗装処理された金属材料と、該けん化
樹脂または該けん化樹脂組成物とからなる被覆構
造体は、公知の技術を適用することによつて製造
できる。とくに重防食被覆を目的とした場合には
粉末塗装法、たとえば流動浸漬法、静電塗装法、
熔射法等が有効な方法として推奨できる。この粉
体塗装において使用される樹脂粉末の粒径は約20
〜300μの範囲のものが好ましい。金属材料との
被覆構造体は、一般に該けん化樹脂の融点以上な
いし分解点以下の温度でこれらの両者を接着層を
介して接着させることによつて製造される。この
ようにして、金属材料の片面、外面、内面などの
一部分または全面を該けん化樹脂または樹脂組成
物で被覆することができる。被覆層の厚さはとく
に限定はないが一般に0.1〜1mmの範囲が適当で
ある。さらに、必要に応じ、該けん化樹脂層の上
に金属、あるいは他の基材、たとえばガラス、セ
ラミツク等の無機材料や木材、その他各種高分子
材料を接着させてサイドイツチ構造物ないしは多
層構造物とすることも可能である。 このようにして得られた樹脂被覆金属構造体は
前述のように非常に優れた性能を有しているため
車輌・船舶部品、電気・機械部品、土木・建築材
料、家具、家庭電化用品その他家庭用品、事務用
品、マーケツト用品等として広く使用される。た
とえば、車輌の塗装、交通標識、ガードレール、
鋼管の内外面被覆、モーター部品、タンク、容器
類の被覆、冷蔵庫の棚、洗濯籠、家庭用什器類、
タオル掛け、マーケツトの買い物籠、フエンス、
アパートの手すり等として使用される。 以下に、本発明を実施例でもつて説明するが、
本発明はこれによつて限定されるものではない。 なお、本発明において示した各測定値はそれぞ
れ次の方法によつて測定したものである。 (1) 酢酸ビニル含有量およびそのけん化率 JIS−K―6730―1977に準拠して求めた。 (2) メルトインデツクス(MI) JIS−K―6760―1971に準拠して、2.16Kgの
荷重下、190℃で測定した。測定値の単位は
g/10minである。 (3) 引張強度および伸び JIS−K―6760―1971に準拠して、20℃で測
定した。試料は150℃でプレスしたシートを用
いた。 (4) 硬度(シヨーア−D) ASTM−D―2240に準拠して、20℃で測定
した。試料は150℃でプレスしたシートを用い
た。 (5) 屈曲性 150℃でプレスして得られたプレスシートか
ら100×25×3mmの試験片を作り、20℃、湿度
65%の恒温恒湿室で180゜折り曲げ反復試験を行
ない、最初に部分的に亀裂が発生したときの回
数および切断時の回数を調べた。 (6) 鋼板との接着性試験 流動浸漬法によつて被覆した鋼板上にカツタ
ーナイフで巾25mmの切れ目を付け、引張試験機
にて180゜剥離強度を測定した。 (7) 耐熱水性試験 それぞれ50℃に保温した水中および沸騰水中
に、上記(6)項と同様の試験片を浸漬し、接着界
面の状態および接着力の経時変化を調べた。 (8) 耐塩水性試験 50℃に保温した5%食塩水中に、上記(6)項と
同様の試験片を浸漬し、接着界面の状態および
接着力の経時変化を調べた。 (9) 耐冷−熱サイクル試験 流動浸漬法によつて被覆した鋼板上にカツタ
ーナイフで25mm巾の切れ目を付け、それぞれ−
40℃および60℃に保つた空気循環槽に30分間づ
つ交互に入れ、この操作を100サイクルくり返
した後の表面状態を観察した。なお、加熱−冷
却の際に試料が所定の温度になるまでに5〜10
分間を要したが、この時間は除外した。 実施例 1 あらかじめシヨツトブラストおよびトリクロロ
エタンで表面処理した鋼板(70×150×3.2mm)
に、エポキシ樹脂(住友化学製、スミエポキシ
ELA―128)/アミン系硬化剤(住友化学製、ス
ミキユアー ML―2)の重量比100/60の混合
物100重量部に対し、溶剤としてメチルエチルケ
トン100重量部を加えた混合溶液を浸漬法によつ
て塗装し、室温で乾燥した。一方、被覆用樹脂と
して、酢酸ビニル含有量43重量%、メルトインデ
ツクス70のエチレン―酢酸ビニル共重合体をけん
化して得たけん化率99%のけん化樹脂100重量部
に二酸化チタンの微粉末10重量部を添加し溶融混
練したのち、冷凍粉砕し、粒径40〜250μのけん
化樹脂組成物の粉末を得た。この粉末を流動床中
にて空気気流下に流動させながら、前もつて380
℃の加熱器で8分間加熱し、表面温度が250℃に
なつた上記のエポキシ樹脂被覆鋼板を10秒間浸漬
したのち取り出して室温に冷却した。得られた樹
脂被覆鋼板は非常に表面光沢がよく、また気泡の
発生は認められなかつた。この被覆鋼板のエポキ
シ樹脂接着層およびけん化樹脂組成物被覆層の平
均厚さは、それぞれ約20μおよび0.62mmであり、
厚みむらのない均一な被覆層が得られた。この被
覆鋼板および被覆に用いたけん化樹脂組成物の物
性試験結果を第1表に示す。 実施例 2 実施例1と同様にして表面処理した鋼板にエポ
キシ樹脂(住友化学製、スミエポキシ ELA―
128)/ポリアミド系硬化剤(住友化学製、スミ
キユアー ML―2)の重量比100/50の混合物
100重量部に対し、溶剤としてメチルエチルケト
ン100重量部を加えた混合溶液を浸漬法にて塗装
し、室温で乾燥した。以下、実施例1と同一のけ
ん化樹脂組成物の粉末を用い、実施例1と同一条
件下に鋼板に被覆した。この結果、表面光沢の非
常によい樹脂被覆鋼板を得た。この鋼板のエポキ
シ樹脂層およびけん化樹脂組成物被覆層の平均厚
さは、それぞれ約20μおよび0.60mmであつた。こ
の被覆鋼板の物性試験結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1において、接着層として硬化剤を用い
ず、エポキシ樹脂を単独で用いた以外は実施例1
の方法を繰り返した。この結果、表面光沢の非常
によい樹脂被覆鋼板を得た。この鋼板のエポキシ
樹脂層およびけん化樹脂組成物被覆層の平均厚さ
は、それぞれ約20μおよび0.60mmであつた。この
被覆鋼板の物性試験結果を第1表に示す。 実施例 4 実施例1において、接着層として高分子量の熱
可塑性エポキシ樹脂(住友化学製、スミエポキシ
ESP―50CS25B)を単独で用いた以外は実施
例1の方法を繰り返した。この結果、表面光沢の
非常によい樹脂被覆鋼板を得た。この被覆鋼板の
エポキシ樹脂層およびけん化樹脂組成物被覆層の
平均厚さは、それぞれ約20μおよび0.61mmであつ
た。この被覆鋼板の物性試験結果を第1表に示
す。 比較例 1 酢酸ビニル含有量35重量%、メルトインデツク
ス70のエチレン―酢酸ビニル共重合体をけん化し
て得られたけん化率99%のけん化樹脂を用いた以
外は実施例3の方法を繰り返した。この結果、表
面光沢のややにぶい樹脂被覆鋼板を得た。この鋼
板のエポキシ樹脂層およびけん化樹脂組成物被覆
層の平均厚さは、それぞれ約20μおよび0.61mmで
あつた。この被覆鋼板の物性試験結果を第1表に
示す。 比較例 2 酢酸ビニル含有量28重量%、メルトインデツク
ス150のエチレン―酢酸ビニル共重合体をけん化
して得られたけん化率99%のけん化樹脂を用いた
以外は実施例3の方法を繰り返した。この結果、
表面光沢のややにぶい樹脂被覆鋼板を得た。この
鋼板のエポキシ樹脂層およびけん化樹脂組成物被
覆層の平均厚さは、それぞれ約20μおよび0.61mm
であつた。この被覆鋼板の物性試験結果を第1表
に示す。 比較例 3〜5 それぞれ、実施例1および比較例1,2におい
てエポキシ樹脂接着層を介在させず、鋼板をけん
化樹脂またはけん化樹脂組成物で直接に被覆した
以外はそれぞれの例を繰り返した。得られた被覆
鋼板の被覆層の厚さはいずれも0.61mmであつた。
この被覆鋼板の物性試験結果を第1表に示す。 以上、第1表の結果から、実施例1〜4で得ら
れた被覆鋼板の2次接着性、すなわち耐熱水性お
よび耐塩水性は、それぞれの実施例に対応する比
較例に比べ、いずれも非常に優れていることがわ
かる。また、これらの実施例において、酢酸ビニ
ル含有量40重量%以上のエチレン―酢酸ビニル共
重合体のけん化樹脂が非常に高い引張強度、硬度
および耐屈曲性等の樹脂物性ならびに優れた耐熱
水性、耐塩水性等の耐久性を示していることがわ
かる。 実施例 5〜8 前もつてサンドブラストによつて表面処理した
鋼板に、接着層用としてシス―1,4含有量74モ
ル%および分子量2700のポリブタジエン20重量%
を含有するトルエン溶液100重量部に対し、それ
ぞれ水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、炭酸
カルシウムおよび酸化アルミニウムの微粉末2重
量部を添加した混合液を用い、これれをスプレー
ガンによつて塗膜厚さが約25μとなるように塗装
した。この塗装板を室温で風乾したのち、実施例
1で用いたけん化樹脂組成物粉末を実施例1の方
法によつて被覆した。このようにして得られた樹
脂被覆鋼板の表面光沢はいずれも非常に良好であ
つた。また、けん化樹脂組成物被覆層の平均厚さ
は、いずれも0.60mmであつた。これらの被覆鋼板
の物性試験結果を第2表に示す。 比較例 6および7 けん化樹脂組成物として、それぞれ比較例1お
よび2と同一のものを用いた以外は実施例5の方
法を繰り返した。この結果、表面光沢のややにぶ
い被覆鋼板を得た。また、接着層およびけん化樹
脂被覆層の平均厚さは、それぞれ約25μおよび
0.61mmであつた。この被覆鋼板の物性試験結果を
第2表に示す。 以上、第2表に示した結果から、実施例5〜8
で得られた被覆鋼板の耐水性および耐塩水性は前
記の比較例3〜5と比べ、いずれも非常に優れて
いることがわかる。また、比較例1〜2と対比し
ても酢酸ビニル含有量が40重量%以上のエチレン
―酢酸ビニル共重合体をけん化して得られた樹脂
が格段に優れた耐久性を示している。 比較例 8 あらかじめシヨツトブラストおよびトリクロロ
エタンで表面処理した鋼板(70×150×3.2mm)
に、エポキシ樹脂(住友化学製、スミエポキシ
ELA―128)100重量部に対し、溶剤としてメチ
ルエチルケトン100重量部を加えた混合溶液を浸
漬法によつて塗装し、室温で乾燥した。 酢酸ビニル含有量80重量%のエチレン―酢酸ビ
ニル共重合体をけん化して得たメルトインデツク
ス6、けん化率99%のけん化樹脂100重量部に二
酸化チタンの微粉末10重量部を添加して溶融混練
したのち、冷凍粉砕し、粒経44〜250μのけん化
樹脂組成物粉末を得た。この粉末を流動床中、空
気気流下で流動させながら、前もつて380℃の加
熱器で8分間加熱し、表面温度が250になつた上
記のエポキシ樹脂被覆鋼板を10秒間浸漬したのち
取り出して室温に冷却した。得られた樹脂被覆鋼
板の表面光沢は不良であつた。この被覆鋼板のエ
ポキシ樹脂接着層およびけん化樹脂組成物被覆層
の平均厚さはそれぞれ約20μおよび0.4mmであつ
た。 この被覆鋼板の初期接着力は剥離不能であり、
2次接着力は、50℃温水浸漬(1日,5日)、沸
騰水浸漬(1hr,3hr,5hr)および50℃、5%食
塩水浸漬(1日,5日)もいずれも剥離不能であ
つた。しかし耐冷−熱サイクル性は全面亀裂であ
つた。
【表】
【表】 表わす。
【表】
【表】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 金属材料(A)と、酢酸ビニル含有量40〜55重量
    %のエチレン―酢酸ビニル共重合体をけん化して
    得られるけん化率80〜100%のけん化樹脂100重量
    部と二酸化チタン1〜15重量部を混合して得られ
    るけん化樹脂組成物を粉体塗装法にて形成してな
    る被覆樹脂層(B)とからなる金属構造体であり、該
    金属材料(A)と被覆樹脂層(B)との中間にエポキシ系
    樹脂もしくは共役ジエン系重合体と水酸化マグネ
    シウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムもしく
    は酸化アルミニウムとの混合物からなる接着層(C)
    を介在させることを特徴とする樹脂被覆金属構造
    体。
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