JP3760422B2 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なる複層塗膜形成方法に関する。さらに詳細には、本発明は、上塗り塗膜の、とりわけ、外観、耐候性、層間密着性ならびに耐チッピング性などに優れた複層塗膜を与える塗膜形成方法に関し、特に、自動車車体上に形成させた場合において、極めて実用性の高い複層塗膜を得ることができる塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機溶剤を含有しない塗料の一形態としては、粉体塗料があるが、近年、大気汚染などの環境問題の観点より、その低公害性が注目され、使用量も亦、年々、増加している。その用途としては、家電・建材用などの金属製品の塗装用をはじめとして、多岐に亘るが、塗装時に揮発する溶剤が実質的に無いという粉体塗料の特徴から、自動車用塗装剤としても、適用の検討が進んでいる。
【0003】
現在、実用に供されている粉体塗料用樹脂組成物としては、種々のタイプのものがある。たとえば、主として、水酸基含有ポリエステル樹脂と、ブロックイソシアネート化合物とを組み合わせてなる組成物は、良好なる外観と、機械的物性ならびに耐候性などを有していて、広く利用されているし、主として、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂と、エポキシ樹脂とを組み合わせてなる組成物も、得られる塗膜の耐食性が優れているという処から、汎用的に利用されている。
【0004】
一方、自動車車体の塗装方法の従来型技術についてみると、現在まで通用している技術としては、カチオン電着塗装が施された被塗物(自動車車体など)に、有機溶剤を含む形の中塗り塗料を塗装し、焼き付け乾燥せしめたのち、同じく、有機溶剤を含む形のベースコート用塗料を、さらには、有機溶剤を含む形のトップコート用塗料を、順次、塗り重ね、焼き付け硬化せしめるという工程を採る塗装方法が、主流を占めている。
【0005】
ところが、従来型技術においては、上述したように、塗装時に、有機溶剤が揮散する処から、このような塗装方法は、環境衛生上、問題のあるものである。また、有機溶剤の揮散を回避する方法としては、有機溶剤を実質的に含有しない形の粉体塗料を利用するということも考えられるが、現状においては、中塗り塗料として、粉体塗料を利用した場合には、得られる粉体塗膜の、とりわけ、平滑性、耐候性ならびに耐溶剤性などが、在来の有機溶剤系塗料に比して劣るために、粉体塗料を塗装せしめて得た中塗り塗膜の上に、有機溶剤系ベースコート塗料や、さらに、トップコート塗料を塗装し、複層塗膜を形成せしめても、得られる複層塗膜の、とりわけ、外観、耐候性ならびに耐チッピング性などが劣るものとなっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述したような従来型技術に従う限りは、どうしても、特に、トップコートの塗膜の、とりわけ、外観、層間密着性ならびに耐チッピング性などの諸物性に優れた硬化塗膜を得るということなどは、頗る、困難であった。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、主として、良好なる塗膜外観を与えるし、しかも、塗膜の、とりわけ、耐候性などや、耐チッピング性なども亦、従来型の粉体塗料用樹脂組成物を使用した場合に比して、格段に優れるという極めて実用性の高い塗膜諸性能を与える、斬新なる塗膜形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明者らは、上述したような従来型技術における種々の問題点を解決するべく、鋭意、検討を重ねた結果、被塗物に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し、分子中に、次の構造式(1)
【0010】
【化3】
Figure 0003760422
【0011】
で示されるβ−メチルグリシジル基を有し、しかも、特定範囲のエポキシ当量を有するエポキシ基含有ビニル共重合体[A]と、酸基含有ポリエステル樹脂[B]とを必須の成分としてなる粉体塗料用樹脂組成物を、中塗りまたは下塗り塗料として使用して、複層塗膜を形成させた場合には、非常に良好なる塗膜外観が得られるということは勿論のこと、塗膜の、とりわけ、耐候性や耐チッピング性なども亦、従来型の粉体塗料用樹脂組成物を使用した場合に比して、格段に向上化することを見出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到った。
【0012】
すなわち、上述したよう、従来型技術における課題を解決するための手段を、つまり、本発明が解決しようとする課題を述べることにすると、本発明は、基本的には、被塗物に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し、分子中に、次の構造式(1)
【0013】
【化4】
Figure 0003760422
【0014】
で示されるβ−メチルグリシジル基を有し、エポキシ当量が、200〜1,000(g共重合体/当量)なるエポキシ基含有ビニル共重合体[A]と、酸基含有ポリエステル樹脂[B]とを必須の構成成分としてなる樹脂組成物から得られる粉体塗料[I]を塗装し、加熱硬化せしめたのちに、ベースコート塗料[II]を塗装し、さらに、透明トップコート塗料[III]を塗装し、焼き付け乾燥せしめることから成る、斬新なる複層塗膜形成方法を開示するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、まず、被塗物に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し、分子中に、前掲した構造式(1)で示されるβ−メチルグリシジル基を有し、エポキシ当量が200〜1,000(g共重合体/当量)なるエポキシ基含有ビニル共重合体[A]と、酸基含有ポリエステル樹脂[B]とを必須の構成成分としてなる樹脂組成物から得られる粉体塗料[I]を塗装し、加熱硬化せしめたのち、ベースコート塗料[II]を塗装し、さらに、透明トップコート塗料[III]を塗装し、焼き付け乾燥せしめることから成る、複層塗膜形成方法を請求するというものである。
【0018】
さらに、上記したエポキシ基含有ビニル共重合体[A]として、80〜150℃なる、環球法による軟化点を有し、しかも、500〜10,000なる数平均分子量を有するものを用いるという、特定の複層塗膜形成方法をも請求するというものであるし、
【0019】
さらに亦、上記した酸基含有ポリエステル樹脂[B]として、10〜200(mgKOH/g固形分)なる酸価を有し、しかも、80〜150℃なる、環球法による軟化点を有するものを用いるという、特定の複層塗膜形成方法をも請求するというものである。
【0020】
以下に、本発明に係る複層塗膜形成方法について、詳細に説明をすることにする。
【0021】
すなわち、本発明の複層塗膜形成方法は、[1]被塗物と、[2]本発明に係る複層塗膜形成方法において使用する粉体塗料[I]を塗装し、焼き付け硬化させて得られる塗膜層と、[3]ベースコート塗料[II]との塗膜層ならびに[4]透明トップコート塗料[III]とからなる塗膜層の各構成要素からなるものであり、具体的には、[1]の被塗物上に、上記粉体塗料[I]を塗装し、加熱硬化させて、上記塗膜層[2]を形成せしめてから、さらに、ベースコート塗料[II]を塗装し、その上に、透明トップコート塗料[III]を塗装せしめたのちに、上記塗膜層[3]ならびに上記塗膜層[4]を、同時に、加熱乾燥(硬化)せしめるということによって、目的とする複層塗膜を形成化せしめる方法を開示し、請求するというものである。
【0023】
ここにおいて、本発明に係る複層塗膜形成方法における、それぞれの各構成要素について、詳細に説明をすることにする。
【0024】
つまり、本発明の複層塗膜形成方法についての説明であるが、その第一の構成要素である、上記した[1]被塗物とは、塗料を塗布すべき基材類を指称するというものであり、具体的には、未塗装の鋼板、未処理の、ないしは化成処理されたアルミニウム系基材などのような、いわゆる未塗装金属素材であって、自動車車体または2輪車車体などのような種々の道路車両に使用される基材や、アルミホイールなどのような自動車部品用として使用される基材などが挙げられるし、また、電着塗装が施こされた状態の、自動車車体などのような種々の道路車両に使用される基材も包含される。さらには、家電製品あるいはスチール家具などに使用される基材、たとえば、電気亜鉛メッキ鋼板または溶融亜鉛メッキ鋼板などをも例示することが出来る。
【0025】
これらの基材類は、最終用途に応じた形状に加工されたようなものであってもよいし、また、PCM(プレコート・メタル)塗装法が適用されるような形態、つまり、大まかに、平板状の切板状基材であって、本発明の複層塗膜方法によって、目的とする複層塗膜が形成されたのちに、目的に応じた所定の形状に折り曲げ加工されたようなものであってもよいし、さらには、コイル・コーティングのような、完全に、いわゆる後加工に供される塗装システムに利用されるような基材であってもよい。
【0026】
本発明に係る複層塗膜を構成する第二の構成要素である、[2]たる、粉体塗料[I]を塗装し、焼き付け硬化させて得られる塗膜層とは、分子中に、次の構造式(1)
【0027】
【化5】
Figure 0003760422
【0028】
で示されるβ−メチルグリシジル基を有し、エポキシ当量が200〜1,000(g共重合体/当量)なるエポキシ基含有ビニル共重合体[A]と、酸基含有ポリエステル樹脂[B]とを必須の構成成分としてなる樹脂組成物から得られる、此の粉体塗料[I]を加熱硬化せしめることによって得られるという塗膜層を指称するものである。
【0029】
このような粉体塗料[I]を調製する際に使用することの出来る樹脂組成物の必須の構成成分の一つである、前記したエポキシ基含有ビニル系共重合体[A]とは、たとえば、分子の末端または側鎖に、前掲したような構造式(1)で示されるβ−メチルグリシジル基を有するビニル共重合体を指称するというものであるし、当該共重合体を調製するには、
【0030】
たとえば、 β−メチルグリシジル基含有ビニル単量体と、共重合可能なる其の他のビニル単量体類とを共重合せしめるという方法や、あるいはビニル共重合体を、常法により、変性せしめることによって、β−メチルグリシジル基を導入せしめるという方法などのような、公知慣用の種々の方法が適用できるが、
【0031】
就中、β−メチルグリシジル基含有ビニル単量体と、共重合可能なる其の他のビニル系単量体類とを、有機溶剤中で、ラジカル共重合せしめるという方法によるのが、最も簡便であるので、特に推奨するものである。
【0032】
その際に用いられる、β−メチルグリシジル基含有ビニル単量体(a−1)のうちでも特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレートの如き、(メタ)アクリル酸の各種のβ−メチルグリシジルエステル類;または(メタ)アリルβ−メチルグリシジルエーテルの如き、各種の(メタ)アリルβ−メチルグリシジルエーテル類などである。斯かるβ−メチルグリシジル基含有ビニル単量体は、単独使用でもよいし、2種以上の併用でもよいということは、言う迄もない。
【0033】
さらに、上掲したβ−メチルグリシジル基含有ビニル単量体(a−1)に加えて、其の他のエポキシ基含有ビニル単量体(a−2)を併用してもよいことは勿論であり、使用可能なる其の他のエポキシ基含有ビニル単量体(a−2)として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、グリシジル(メタ)アクリレートの如き、各種のグリシジルエステル類;(メタ)アリルグリシジルエーテルの如き、各種の(メタ)アリルグリシジルエーテル類;または3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレートもしくは3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートの如き、各種の脂環式エポキシ基含有ビニル単量体類などである。
【0034】
β−メチルグリシジル基含有ビニル単量体(a−1)と、其の他のエポキシ基含有単量体(a−2)とを併用するという場合における、全エポキシ基含有量に対するβ−メチルグリシジル基含有量の占める割合としては、80モル%以上であるというのが望ましい。β−メチルグリシジル基含有量の占める割合が、80モル%未満であるという場合には、得られる複層塗膜の、とりわけ、平滑性などが劣るようになるので好ましくない。
【0035】
さらに、これらのエポキシ基含有単量体類と共重合可能なる其の他のビニル系単量体をも使用することが出来ることは勿論であり、そうした共重合性のビニル系単量体として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、次に示すようなものなどである。
【0036】
すなわち、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートもしくはシクロヘキシルアクリレートの如き、各種のアクリル酸エステル類;
【0037】
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートもしくはベンジルメタクリレートの如き、各種のメタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートもしくはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートの如き、各種の水酸基含有(メタ)アクリレート類;または此等の各種の(メタ)アクリレートと、ε−カプロラクトンとの付加反応生成物などであるし、
【0038】
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種のカルボキシル基含有単量体などをはじめ、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸の如き、各種の多価カルボキシル基含有単量体と、炭素数が1〜18なるモノアルキルアルコールとのモノ−ないしはジエステル類;またはN−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドもしくはN−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの如き、各種のアミノ基含有アミド系不飽和単量体;
【0039】
ジエチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジブチル−2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフォスフェート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートもしくはジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェートの如き、各種の燐酸エステル基含有単量体類;エチレン、プロピレンもしくはブテン−1の如き、各種のα−オレフィン類;塩化ビニルもしくは塩化ビニリデンの如き、フルオロオレフィンを除く、各種のハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンもしくはビニルトルエンの如き、各種の芳香族ビニル化合物;またはγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランもしくはγ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランの如き、各種の加水分解性シリル基含有単量体;
【0040】
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレンもしくは、ヘキサフルオロプロピレンの如き、各種のフッ素含有−α−オレフィン類;あるいはトリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテルもしくはヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルの如き、各種のパーフルオロアルキル・パーフルオロビニルエーテルまたは(パー)フルオロアルキルビニルエーテル(ただし、この場合のアルキル基の炭素数としては、1〜18なる範囲内である。);
【0041】
あるいは亦、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、C9 なる分岐状脂肪族(分枝状脂肪族)カルボン酸ビニル、C10なる分岐状脂肪族カルボン酸ビニル、C11なる分岐状脂肪族カルボン酸ビニルもしくはステアリン酸ビニルの如き、各種の脂肪族カルボン酸ビニル;またはシクロヘキサンカルボン酸ビニル、メチルシクロヘキサンカルボン酸ビニル、安息香酸ビニルもしくはp−tert−ブチル安息香酸ビニルの如き、環状構造を有するカルボン酸の、各種のビニルエステル類などである。
【0042】
かくして得られるエポキシ基含有ビニル共重合体[A]のエポキシ当量(g共重合体/当量)としては、200〜1,000なる範囲内が適切であり、此のエポキシ当量が1,000よりも大きい場合には、塗膜層[2]の耐溶剤性などが不足するようになり易いという処から、得られる複層塗膜の外観が劣るようにもなるし、さらには、得られる複層塗膜の耐チッピング性も劣るようになるという一方、此のエポキシ当量が200よりも小さいと、得られる複層膜の平滑性などが劣るようになるので、いずれの場合も好ましくない。
【0043】
また、当該共重合体[A]の、環球法による軟化点としては、80〜150℃なる範囲内が適切であって、此の軟化点が80℃よりも低いような場合には、どうしても、粉体塗料[I]の耐ブロッキング性などが劣るようになり易いし、一方、150℃を超えて余りにも高くなるような場合には、どうしても、塗膜の平滑性などが劣るようになり易くなって来るので、いずれの場合も好ましくない。
【0044】
さらに、当該エポキシ基含有ビニル系重合体[A]の数平均分子量としては、500〜10,000なる範囲内がてきせつであるし、好ましくは、1,000〜5,000の範囲内が適切である。
【0045】
此の数平均分子量が500よりも小さいような場合には、どうしても、塗膜の機械的物性などが劣るようになり易いし、一方、10,000よりも大きいような場合には、どうしても、塗膜の平滑性などが低下し易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0046】
本発明における、更なる必須構成成分の一つである、前記した酸基含有ポリエステル樹脂[B]とは、たとえば、種々の、多価酸成分と、多価アルコール成分とを主原料として用いて、常法により、反応せしめるということによって得られるような、エステル結合により構成されていて、官能基として、カルボキシル基を有する化合物を指称するものである。
【0047】
ここにおいて、上記した多価酸として特に代表的なるもののみを例示するにとどめれば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、(無水)グルタル酸、スベリン酸、マレイン酸、フマル酸、(無水)コハク酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、メチルヘキサヒドロ(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸もしくは2,6−ナフタレンジカルボン酸、
【0048】
または4,4−ジフェニルジカルボン酸の如き、各種のジカルボン酸(無水物)あるいは其れらのジメチルエステルや、(無水)トリメリット酸、トリメシン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸または(無水)ピロメリット酸などのような、種々の化合物などである。
【0049】
他方、上記した多価アルコールとして特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンンジオールもしくはネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、オクタンジオール、ジエチルプロパンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールもしくは2,2,4−トリメチルペンタンジオール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、
【0050】
または水添ビスフェノールA、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物;あるいは「カージュラ E10」(オランダ国シェル化学社製の、分枝状脂肪族カルボン酸のグリシジルエステルの商品名)などのような、種々のモノエポキシ化合物や、さらには、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたはトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなどである。
【0051】
以上に掲げたような、種々の、多価酸成分と多価アルコール成分とを用いて得られる、当該酸基含有ポリエステル樹脂[B]の酸価としては、10〜200(mgKOH/g固形分;以下同様)なる範囲内が適切であり、好ましくは、20〜100なる範囲内が適切である。
【0052】
酸価が10よりも小さいと、どうしても、塗膜層[2]の、とりわけ、耐溶剤性などが不足するようになり易いために、得られる複層塗膜の外観などが劣るようになり易くなるし、さらには、得られる複層塗膜の耐チッピング性なども劣るようになって来るので、好ましくない。一方、酸価が200を超えて余りにも大きくなると、どうしても、得られる複層塗膜の、とりわけ、平滑性などが劣るようになり易いので、これ亦、好ましくない。
【0053】
また、当該酸基含有ポリエステル樹脂[B]の数平均分子量としては、1,000〜10,000なる範囲内が、好ましくは、2,000〜5,000なる範囲内が適切である。
【0054】
数平均分子量が1,000よりも小さいような場合には、どうしても、塗膜の機械的物性などが劣るようになり易いし、一方、10,000よりも余りにも大きくなるような場合には、どうしても、塗膜の平滑性などが低下し易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0055】
さらに、本発明に係る複層塗膜形成方法において用いられる樹脂組成物の一必須成分たる当該ポリエステル樹脂[B]の、環球法による軟化点としては、80〜150℃の範囲内にあることが望ましい。
【0056】
軟化点が80℃よりも低いと、どうしても、粉体塗料[I]の耐ブロッキング性などが劣るようになり易いし、一方、軟化点が150℃を超えて余りにも高い場合には、どうしても、得られる複層塗膜の、とりわけ、平滑性などが不十分となり易くなるので、いずれの場合も好ましくない。
【0057】
これらの、それぞれ、エポキシ基含有ビニル共重合体[A]と、酸基含有ポリエステル樹脂[B]とから、本発明に係る複層塗膜形成方法において使用する、此の粉体塗料[I]を調製するには、公知慣用の種々の方法が採用できるが、一般的には、エポキシ基含有ビニル共重合体[A]と、酸基含有ポリエステル樹脂[B]とを、さらに必要に応じて、顔料、硬化促進剤あるいは表面調整剤などのような、いわゆる添加剤成分を混合し、溶融混練せしめたのちに、さらに、微粉砕せしめるという、いわゆる機械粉砕方式によるのが簡便である。
【0058】
かくして得られる粉体塗料[I]は、公知慣用の種々の方法によって、被塗物上に静電粉体塗装され、その後、焼き付けされるということにより、目的とする硬化塗膜が、被塗物上に形成されるというものである。
【0059】
次に、本発明における複層塗膜の構成要素たる、前記したベースコート塗料[II]からなる塗膜層[3]についての説明をすることにする。
【0060】
当該塗膜層[3]を形成するために使用することの出来る水性ベースコート塗料[II]とは、主として、水を媒体として用いて得られるという形の塗料を指称するものである。
【0061】
水を媒体とする形の塗料として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、1)水性樹脂をバインダーとするものであるとか、2)ディスパージョン(水分散体)タイプの樹脂をバインダーとするものであるとか、あるいは3)エマルジョン重合体をバインダーとするものなどである。
【0062】
上記1)のタイプには、カルボキシル基含有ビニル単量体を共重合せしめるということによって、分子中に酸基を含有せしめた形のアクリル樹脂を、さらに、アミンなどで以て中和せしめるということによって、完全に水溶化(完全水溶化)せしめた形のものなどがあるし、また、上記2)のタイプには、特公平3−45755号公報に開示されているような、アニオン形成性基を有する水分散性ポリウレタン樹脂などがあるし、さらに、上記3)のタイプには、特開昭56−157358号公報に開示されているような、架橋性重合体微粒子を含むエマルジョン重合体の水溶液からなるものなどがある。
【0064】
これらの水を媒体として得られる形の種々の水性ベースコート塗料[II]は、これらの樹脂成分以外にも、酸化チタンの如き、公知慣用の種々の無機顔料、フタロシアニン系、アントラキノン系またはキナクリドン系の如き、公知慣用の種々の有機顔料などのような着色顔料類、あるいは公知慣用の種々の体質顔料などのような、さらには、アルミ・フレークまたはマイカ・フレークの如き、公知慣用の種々の光輝性(メタリック調)顔料などのような、さらには亦、硬化促進剤あるいはレベリング剤などのような、公知慣用の種々の添加剤類をも含有せしめることができる。
【0065】
ここにおいて、上記した着色顔料類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、銅クロムブラック、銅・鉄・マンガンブラック、黄鉛、カドミウムイェロー、オーカー、チタンイェロー、ジンククロメート、弁柄、亜鉛・鉄ブラウン、カドミウムレッド、クロムグリーン、酸化クロムグリーン、チタン・コバルト、亜鉛グリーン、ビリシアン、エメラルドグリーン、コバルトグリーン、カオリン、ベントナイト、シリカホワイト、アルミホワイト、石膏、白亜、沈降性炭酸カルシウムまたはバライトの如き、各種の、無機系の顔料類;
【0066】
あるいはβ−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、ナフトールAS系、アセト酢酸アニリド系、フタロシアニン系、アントラキノン系、インジゴ系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、金属錯塩系、フルオルビン系またはキノフタロン系の如き、各種の、有機系の顔料類などで代表されるような種々の化合物であるし、
【0067】
また、上記した体質顔料類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナまたはクレーなどである。
【0068】
さらに、上記した光輝性(メタリック調)顔料類として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、金粉末、銀粉末、真ちゅう粉末、アルミニウム粉末または銅粉末の如き、各種の金属粉末;あるいは鱗片状雲母に酸化チタン処理を施したような形の(後処理)顔料などである。
【0069】
次に、本発明における複層塗膜の構成要素たる、前記した透明トップコート塗料[III]から得られる塗膜層[4]についての説明をすることにする。
【0070】
本発明に係る複層塗膜形成方法を実施するに当たって用いられる、前記した塗膜層[4]を形成するために使用することの出来る、前記した透明トップコート塗料[III]としては、前述したような、それぞれ、水または有機溶剤などを媒体とする、種々の形の樹脂組成物を使用することもできるし、水や有機溶剤などを、実質的に、含有しない形の種々の粉体塗料用樹脂組成物をも使用することができる。
【0071】
その際に使用することの出来る当該トップコート塗料は、それ自体は、いわゆる透明塗膜を形成化せしめるためのものであり、したがって、透明であるならば着色されていてもよいことは、勿論である。
【0072】
かくして得られる、前述したような、それぞれ、塗膜層[3]と、塗膜層[4]とは、この順序で以て、前掲したような被塗物上に塗装され、その後、同時に焼き付け乾燥され、その結果、塗膜層[2]、[3]および[4]なる各層が積層された形の、いわゆる複層塗膜が形成されるということになる。
【0073】
ただし、これらの各塗膜層のうちの塗膜層[3]が塗装されたのちであって、塗膜層[4]が塗装される以前において、此の塗膜層[3]を焼き付け乾燥する工程を採るという、いわゆる2C2B(2コート2ベーク)方式を取ることもできるし、そのような焼き付け工程を採らない、いわゆる2C1B(2コート1ベーク)方式を取ることもできるし、さらには、此の塗膜層[3]を、予備的に、室温から100℃程度の温度範囲で以て乾燥させるという工程を採ることもできる。
【0079】
本発明方法を実施するに当たって、とりわけ、耐チッピング性などを、充分に発現せしめるための塗膜形成条件には、特に制限はなく、使用する各樹脂組成物の硬化条件に従って、適宜、選択するようにすればよい。
【0080】
前述したような各種の樹脂組成物を用いて塗膜、就中、複層塗膜と為した場合における、その場合の乾燥塗膜厚としては、10〜500マイクロ・メーター(μm)なる範囲内が適切である。10μm未満であるというような場合には、どうしても、チッピング時の諸物性に劣るようになり易いし、一方、500μmを超えて余りにも厚くなり過ぎるというような場合には、どうしても、とりわけ、塗膜外観などに劣るようになり易いので、いずれの場合にも好ましくない。
【0081】
以上に詳述して来たような、本発明に係る複層塗膜形成方法に従えば、とりわけ、上塗り塗料に基づく塗膜(上塗り塗膜)の外観、耐候性、層間付着性ならびに耐チッピング性などに優れた複層塗膜を得ることが出来る。
【0082】
こうした本発明方法は、自動車をはじめ、さらには、二輪車などのような、いわうる運搬ないしは交通手段としての各種の車体用として、あるいはトラクターまたはブルトーザーなどのような、いわゆる農業用、鉱工業用ないしは工事用手段としての各種の車体用として、広範囲に利用し適用することが出来るが、本発明は、決して、これらの例示例のみに限定されるというようなものではない。
【0083】
こうした諸々の、運搬ないしは交通手段としての、あるいは農業用、鉱工業用ないしは工事用手段としての機材などを製作するに当たって用いられる、いわゆる被塗物基材として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、各種の無処理鋼板類;防錆鋼板類;トタン板もしくはブリキ板の如き、各種の処理鋼板類;ステンレス鋼板の如き、各種の合金類;アルミニウム板または銅板のような、種々の金属素材類ないしは金属製品類などである。
【0084】
【実施例】
次に、本発明を、参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明することにするが、本発明は、決して、これらの例示例のみに限定されるというものではない。以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて、重量基準であるものとする。
【0085】
参考例1〜6〔本発明の複層塗膜形成方法に使用するエポキシ基含有ビニル共重合体[A]ならびに比較対照用の複層塗膜形成方法に使用する比較対照用のエポキシ基含有ビニル共重合体[A’]の調製例〕
【0086】
攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス導入口を備えた反応容器に、キシレンの1,000部を仕込んで、窒素雰囲気下に、130℃にまで昇温した。
【0087】
そこへ、第1表に示すような、単量体類と開始剤とからなる混合物を、4時間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度に、10時間のあいだ保持して、重合反応を行なった。
【0088】
斯かる重合反応の終了後、かくして得られた共重合体溶液から、溶剤を除去せしめることによって、目的とするエポキシ基含有ビニル共重合体[A−1]〜[A−5]ならびに比較対照用のエポキシ基含有ビニル共重合体[A’−1]を得た。得られた、それぞれのエポキシ基含有ビニル共重合体についての性状値を、まとめて、第1表に示す。
【0089】
【表1】
Figure 0003760422
【0090】
《第1表の脚註》
各原料の使用量は、いずれも、重量部を意味するものとする。
【0091】
「MGMA」……………β−メチルグリシジルメタクリレートの略記
「MGA」………………β−メチルグリシジルアクリレートの略記
【0092】
「St」…………………スチレンの略記
【0093】
「MMA」………………メチルメタクリレートの略記
「nBMA」……………n−ブチルメタクリレートの略記
「CHMA」……………シクロヘキシルメタクリレートの略記
「nBA」………………n−ブチルアクリレートの略記
【0094】
「GMA」………………グリシジルメタクリレートの略記
【0095】
「ECHMA」…………3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレートの略記
【0096】
「AIBN」……………アゾビスイソブチロニトリルの略記
「TBPO」……………tert−ブチルパーオキシオクトエートの略記
【0097】
「エポキシ当量」………エポキシ基1当量当たりの共重合体重量を表わす値であって、単位は「g共重合体/当量」である。
【0098】
「軟化点」………………環球法により測定した、樹脂の軟化点であって、単位は「℃」である。
【0099】
【表2】
Figure 0003760422
【0100】
参考例7〔本発明の複層塗膜形成方法に使用する酸基含有ポリエステル樹脂[
B]の調製例〕
【0101】
攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、エチレングリコールの92部、ネオペンチルグリコールの154部、シクロヘキサンジメタノールの92部およびトリメチロールプロパンの57部を仕込んで、窒素雰囲気下に、攪拌を続けながら、150℃にまで昇温し、テレフタル酸の568部およびイソフタル酸の189部と、ジブチル錫オキサイドの0.5部とを加えて、240℃にまで昇温した。
【0102】
同温度で、脱水縮合反応を続行せしめることによって、酸価が35(mgKOH/g固形分)で、しかも、環球法による軟化点が111℃なる、目的とする酸基含有ポリエステル樹脂[B]を得た。以下、これを酸基含有ポリエステル樹脂[B−1]と略記する。
【0103】
参考例8〔本発明の複層塗膜形成方法に使用する酸基含有ポリエステル樹脂[
B]の調製例〕
【0104】
攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、エチレングリコールの105部、ネオペンチルグリコールの220部およびトリメチロールプロパンの38部を仕込んで、窒素雰囲気下に、攪拌を続けながら、150℃にまで昇温し、テレフタル酸の790部と、ジブチル錫オキサイドの0.5部とを加えて、240℃にまで昇温した。
【0105】
同温度で、脱水縮合反応を続行せしめることによって、酸価が60(mgKOH/g固形分)で、しかも、環球法による軟化点が102℃なる、目的とする酸基含有ポリエステル樹脂[B]を得た。以下、これを酸基含有ポリエステル樹脂[B−2]と略記する。
【0106】
参考例9〔比較対照用の複層塗膜形成方法に使用する比較対照用の水酸基含有
ポリエステル樹脂[C]の調製例〕
【0107】
攪拌機、温度計、精留塔および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、エチレングリコールの137部、ネオペンチルグリコールの230部およびトリメチロールプロパンの43部を仕込んで、窒素雰囲気下に、攪拌を続行せしめながら、150℃にまで昇温し、テレフタル酸の753部と、ジブチル錫オキサイドの0.5部とを加えて、240℃にまで昇温した。
【0108】
同温度で、脱水縮合反応を続行せしめることによって、水酸基価が40(mgKOH/g固形分)で、しかも、環球法による軟化点が115℃なる、目的とする水酸基含有ポリエステル樹脂を得た。以下、これを水酸基含有ポリエステル樹脂[C]と略記する。
【0109】
参考例10〜17〔本発明用ならびに比較対照用の両複層塗膜形成方法に使用
する粉体塗料[I]の調製例〕
【0110】
第2表に示すように、それぞれ、参考例1〜5で得られた各エポキシ基含有ビニル共重合体[A−1]〜[A−5]、あるいは参考例6で得られた比較対照用のエポキシ基含有ビニル共重合体[A’]と、参考例7または8で得られた各酸基含有ポリエステル樹脂[B−1]または[B−2]、あるいは参考例9で得られた比較対照用の水酸基含有ポリエステル樹脂[C]と、熱硬化性粉体塗料に用いられる、各種の硬化剤と、添加剤と、顔料とを配合せしめ、次いで、かくして得られる、それぞれの配合物を、「コニーダーPR−46型」(スイス国ブス社製の、一軸混練機の商品名)を使用して、溶融混練せしめ、しかるのち、冷却してから、微粉砕せしめた。引き続いて、150メッシュのスクリーンで以て分級せしめるおいうことによって、粉体塗料[I−1]〜[I−8]を調製した。
【0111】
【表3】
Figure 0003760422
【0112】
《第2表の脚註》
各原料の使用量は、いずれも、重量部を意味するものとする。
【0113】
「アクロナール4F」………ドイツ国BASF社製の、流動調節剤の商品名
【0114】
「CR−90」………………「タイペーク CR−90」の略記であって、石原産業(株)製の、ルチル型酸化チタンの商品名
【0115】
「MA−100」 三菱化学(株)製の、カーボンブラックの商品名
【0116】
【表4】
Figure 0003760422
【0117】
《第2表の脚註》
「4050」……………「エピクロン4050」の略記であって、大日本インキ化学工業(株)製の、ビスフェノールAのポリグリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂の商品名
【0118】
「B−1530」………「IPDI−adduct B−1530」の略記であって、ドイツ国ヒュルス社製のブロック・ポリイソシアネート化合物の商品名
【0119】
参考例18〔本発明の複層塗膜形成方法に使用するベースコート塗料[II]用の水性樹脂[D]の調製例〕
【0120】
攪拌機、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス導入口を備えた反応容器に、脱イオン水の680部、過硫酸アンモニウムの2部および「Triton X−200」(アメリカ国ローム・アンド・ハース社製の、アニオン性界面活性剤の商品名)の15部を入れて、95℃に加熱した。
【0121】
下記するような各アクリルモノマー成分の水性乳化液を、この95℃の反応系に、4時間かけて滴下し、その滴下終了後も、さらに、3時間のあいだ、同温度に保持した。その後は、反応液を冷却してから、ジメチルエタノールアミンの5部と、脱イオン水の40部とを添加した。
【0122】
かくして、安定なる、固形分が45%の水性アクリル樹脂の、乳白色の分散液を得た。以下、これを水性樹脂[D]と略記する。
【0123】
アクリル単量体成分
【0124】
メチルメタクリレート 450 部
エチルアクリレート 350 部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 150 部
アクリル酸 20 部
エチレングリコールジメタクリレート 30 部
【0125】
n−オクチルメルカプタン 5 部
過硫酸アンモニウム 4 部
「Triton X−200」 15 部
「エマルゲン840s」*1 10 部
脱イオン水 530 部
【0126】
*1) 花王アトラス(株)製の、ノニオン性界面活性剤の商品名
【0127】
参考例19(増粘剤の調製例)
「アクリゾール ASE−60」(米国ローム・アンド・ハース社製の、増粘剤の商品名;固形分=28%)の64部に、ジメチルエタノールアミンの6部および脱イオン水の530部を添加するということによって、固形分が3%なる、目的物を得た。以下、この増粘剤を[AD]と略記する。
【0128】
参考例20〔本発明の複層塗膜形成方法に使用するベースコート塗料[II]の調製例〕
【0129】
参考例18で得られた水性樹脂[D]の100部に、参考例3で得られた増粘剤[AD]の10部と、「サイメル300」[(有)三井サイアナミド製の、ヘキサメトキシメチル化メラミンの商品名]の5部と、パラトルエンスルフォン酸(p−トルエンスルフォン酸)の1.0部と、「アルミ・ペースト分散液#4919」[東洋アルミニウム(株)製の、アルミ・ペーストの商品名]の3部と、「アルミ・ペースト分散液#55ー519」(同上社製品)の1.5部と、イソプロパノールの12部とを混合してから、脱イオン水で以て、20℃におけるフォード・カップ No.4による粘度が16秒となるように調整した。以下、これをベースコート塗料[II]と略記する。
【0130】
参考例21〔本発明の複層塗膜形成方法に使用する透明トップコート塗料[III]の調製例〕
【0131】
参考例18と同様の反応容器に、500部のキシレンを仕込み、120℃にまで昇温した。次いで、スチレンの150部、メチルメタクリレートの150部、n−ブチルアクリレートの75部および2−ヒドロキシエチルメタクリレートの125部と、アゾビスイソブチロニトリルの3部およびtert−ブチルパーオクトエート(以下、TBPOと略記する。)の3部とからなる混合物を、4時間に亘って滴下し、滴下終了後も、同温度に、10時間のあいだ保持するということによって、不揮発分が50.5%で、かつ、水酸基価が、溶液基準で以て、53(mgKOH/g固形分)なる、トップコート塗料[III]に使用する樹脂溶液を得た。以下、この樹脂溶液をトップコート塗料用樹脂[T−1]と略記する。
【0132】
次いで、この樹脂溶液[T−1]の100部に、「スーパーベッカミン L−117−60[大日本インキ化学工業(株)製の、ブチルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の商品名]の35.7部を加え、「ソルベッソ100」(エクソン社製の、芳香族炭化水素系有機溶剤の商品名)を用いて、同上の粘度が24秒となるように調整した。以下、これを透明トップコート塗料[III−1]と略記する。
【0133】
参考例22(同上)
参考例21と同様の反応容器に、キシレンの400部を仕込み、135℃にまで昇温した。次いで、スチレンの90部、メチルメタクリレートの240部、2−エチルヘキシルアクリレートの30部およびグリシジルメタクリレートの240部と、TBPOの24部とからなる混合物を、同温度で、6時間を要して滴下した。
【0134】
滴下終了後も、同温度で、さらに、8時間のあいだ反応を続けた。こうした重合反応の終了後は、溶剤を除去せしめることによって、環球法による軟化点が117℃で、エポキシ当量が380で、かつ、数平均分子量が4,700なる、共重合体の固形物が得られた。以下、これをトップコート塗料用樹脂[T−2]と略記する。
【0135】
次いで、このトップコート塗料用樹脂[T−2]の76部に対し、24部のドデカン二酸(以下、DDAと略記する。)を加え、さらに、「モダフロー」(アメリカ国モンサント社製の流動調整剤の商品名)の1.0部を加えたのち、参考例10〜17と同様にして、透明トップコート塗料[III]として使用できる粉体トップコート・クリアー塗料を得た。以下、これを透明トップコート塗料[III−2]と略記する。
【0136】
参考例23〔本発明の複層塗膜形成方法に使用するトップコート塗料[IV]の調製例〕
【0137】
参考例21で調製したトップコート塗料用樹脂[T−1]の100部に対し、酸化チタンの27部を加え、サンドミルを使用して、顔料と樹脂とを分散化せしめた。次いで、この分散液に、「スーパーベッカミン L−117−60」の35.7部を加え、同上の粘度が24秒となるよう、「ソルベッソ100」で以て希釈せしめることによって、顔料を含む形のトップコート塗料を得た。以下、これをトップコート塗料[IV]と略記する。
【0138】
実施例1〜ならびに比較例1〜6
次に示すような複層塗膜形成方法に従って、第3表に示すような各種の塗膜を作製し、引き続いて、それぞれの塗膜についての性能の評価判定の試験を行なった。それらの結果は、まとめて、同表に示す。
【0139】
〔複層塗膜形成方法の要領の説明〕
【0140】
参考例10〜17で調製した粉体塗料[I−1]〜[I−8]と、参考例20で調製したベースコート塗料[II]と、参考例21〜23で調製したトップコート塗料[III−1]、[III−2]および[IV]とを使用することによって、本発明ならびに比較対照用の、各種の複層塗膜を、次のような方法で作製作成した。
【0141】
すなわち、まず、被塗物[1]として使用する基材は、次のような前処理を施したものを用いた。
【0142】
つまり、「ボンデライト#3030」[日本パーカライジング(株)製の、燐酸亜鉛系処理剤で以て処理された軟鋼板]上に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を電着塗装せしめた形のものを用いた。
【0143】
次に、粉体塗料[I−1]などを、被塗物[1]上に、焼き付け後の膜厚が約50マイクロ・メーター(μm)となるようにして、静電粉体塗装せしめたのちに、180℃/20分なる条件下に焼き付けを行なった。いかるのち、かくして静電粉体塗装された、それぞれの被塗物を、室温にまで冷却してから、ベースコート塗料[II]を、温度が25℃で、かつ、相対湿度が65〜70%なる塗装雰囲気下で、乾燥膜厚が20μmとなるように、それぞれ、2回に分けて塗装せしめた。
【0144】
こうした2回の塗装の間に、2分間のセッティングを行なった。1回目の塗装時のスプレーガンのエアー圧は5(Kg/cm2 )とし、塗料の流速は400(m/分)とし、2回目の塗装時には、塗料の流速は(200m/分)とし、被塗物と、スプレーガンとの距離は40cmと為した。なお、被塗物上における塗布面が、常に、吐出方向に対して垂直となるように、この被塗物は保持されているというようにした。
【0145】
かかる2回の塗装ののち、被塗物を、30℃の温度で、5分間のあいだ風乾せしめ、さらに、室温にまで冷却せしめてから、透明トップコート塗料[III−1]などを塗装せしめた。この場合に、トップコート塗料が[III−1]および[IV]の場合には、通常のスプレー塗装法によって塗装し、焼き付け温度は140℃/20分と為した。また、トップコート塗料が[III−2]の場合には、静電粉体塗装によって、乾燥膜厚が60μmとなるように塗布し、150℃/20分間の焼き付けを行なうというようにした。
【0146】
かくして得られた、それぞれの硬化塗膜について、諸性能の評価判定を行なった。それらの結果は、まとめて、第3表に示す。
【0147】
【表5】
Figure 0003760422
【0148】
【表6】
Figure 0003760422
【0149】
【表7】
Figure 0003760422
【0150】
【表8】
Figure 0003760422
【0151】
なお、評価判定の要領は、次の通りにした。
【0152】
平滑性
【0153】
目視により評価判定をした。判断基準は、以下の通りである。
【0154】
◎………非常にスムーズなる平滑な塗面の場合
○………大きなラウンドが認められる場合
×………細かいチリ肌が認められる場合
【0155】
60度光沢
【0156】
60度鏡面反射率(%)による数値に基づく評価判定。
【0157】
メタリック感
【0158】
[ALCOPE LMRー100」[関西ペイント(株)製の、メタリック感測定装置野商品名]で以て測定して得られたIV値に応じて、数値に基づく評価判定を行なった。その際の目視による評価判定との対応は、以下の通りである。
【0159】
優………250を超えるという場合であり、たとえば、アルミ・フレークの配列が良好であって、しかも、非常に美麗なる外観を示し、また、見る角度によって、メタリック塗膜独特の奥行き感を、充分に発現し得ているというような状態
良………200以上250未満の場合であって、アルミ・フレークの配列は、概ね、良好でこそあるものの、塗膜の明度が、若干ながら劣るというような状態
不良………200未満の場合であって、アルミ・フレークの並びが乱れているし、しかも、塗膜に黒さが生じているというような状態
【0160】
デュポン衝撃
【0161】
デュポン衝撃試験機による評価判定(1/2インチ)。500gの荷重を落下させたときに、塗膜に割れなどの欠陥を生じない高さ(cm)で表示した。この値が大きいほど、耐衝撃性が良好であることを意味する。
【0162】
エリクセン
【0163】
エリクセン試験機による評価判定。この値が大きいほど、塗膜の可撓性が良好であることを意味する。
【0164】
耐チッピング性
【0165】
−20℃に冷却した試験板に、90度の角度で以て、5atm.なる気圧を用いて、200gの7号砕石を当てたときの、塗膜の剥離状態を、目視によって評価判定した。評価基準は、次の通りである。
【0166】
○………ほとんど、剥離が認められない場合
△………ある程度、塗膜層の剥離が認められる場合
×………粉体塗膜層の大きな剥離が認められ、しかも、最下層の電着塗膜も損傷して、金属面の露出が認められる場合
【0167】
相間密着性
【0168】
塗板を、40℃の温水中に、10日間のあいだ浸漬せしめ、引き上げてから30分後に、クロス・カットを入れ、粘着テープによる剥離試験を行なうという方法に依った。評価基準は、次の通りである。
【0169】
○………いずれの塗膜層の間、あるいは被塗物と塗膜層との間にも、全く、剥離が認められないというような場合
△………いずれかの塗膜層の間、あるいは被塗物と塗膜層との間に、部分的に、剥離が認められる場合
×………全面的に層間剥離が認められるというような場合
【0170】
耐水性
【0171】
試験板を、40℃の温水中に、10日間のあいだ浸漬後の光沢の保持率(%)を以て評価判定した。評価基準は、次の通りである。
【0172】
◎………光沢保持率が80%を超える場合
○………光沢保持率が60%〜80%未満の場合
×………光沢保持率が60%未満の場合
【0173】
耐候性
【0174】
「サンシャイン・ウェザオメーター」[スガ試験機(株)製品]による700時間後の光沢保持率(%)で以て表示した。この値が高いほど、耐候性が良好であることを意味する。
【0175】
【発明の効果】
以上に詳述して来たように、本発明に係る複層塗膜形成方法によって得られる塗膜は、特に、トップコートの塗膜の、とりわけ、外観、層間密着性ならびに耐チッピング性などの諸物性に優れた硬化塗膜を与えるというものである。

Claims (3)

  1. 被塗物に、エポキシ樹脂系カチオン電着塗料を塗装し、分子中に、次の構造式(
    Figure 0003760422
    で示されるβ−メチルグリシジル基を有し、エポキシ当量が200〜1,000(g共重合体/当量)なるエポキシ基含有ビニル共重合体[A]と、酸基含有ポリエステル樹脂[B]とを必須の構成成分としてなる樹脂組成物から得られる粉体塗料[I]を塗装し、加熱硬化せしめたのち、水性ベースコート塗料[II]を塗装し、さらに、透明トップコート塗料[III]を塗装し、焼き付け乾燥せしめることを特徴とする、複層塗膜形成方法。
  2. 前記したエポキシ基含有ビニル共重合体[A]が、80〜150℃なる、環球法による軟化点を有し、しかも、500〜10,000なる数平均分子量を有するものである、請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 前記した酸基含有ポリエステル樹脂[B]が、10〜200(mgKOH/g固形分)なる酸価を有し、しかも、80〜150℃なる、環球法による軟化点を有するものである、請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
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