JP4325408B2 - 苗移植機 - Google Patents

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Description

本発明は、田植機やい草移植機などの苗移植機に関するものである。
田植機において、田植装置への動力伝動を絶って苗植付け具の作動を停止する植付けクラッチを設けたものがある。
特開平10−181364号公報
田植機による田植作業は、圃場の畦際に機体旋回用の枕地を残して、先ず、往復植付け作業を行う。そして、最後に往復時の機体旋回の為に植え残した枕地を最後に植付け作業をする。
この枕地の植付け作業は、先ず、機体後部(田植装置の後部)を畦際に最も近づけて植付けクラッチを「入」にして機体を前進させて行なうが、植付けクラッチを入りにしても機体が前進した位置に苗を植付けるので、畦際に苗を植付けることはできなかった。その為に、田植機による田植作業の後で畦際の補植作業を行う必要があり、田植作業能率が悪いものであった。
そこで、畦際に苗を植付けることができる苗移植機を提供して、苗移植作業の能率を向上することを課題とする。
請求項1記載の発明は、機体の走行速度を変更する変速レバー(90)と移植装置(3)の作動を停止する植付けクラッチ(C)とを設けた苗移植機において、該植付けクラッチ(C)からの動力が伝達される植付部伝動軸(58)にPTOクラッチ(93)を設け、変速レバー(90)には移植装置(3)を駆動させながら機体を前進させる操作領域と機体を前進させないで移植装置(3)のみを駆動させる操作領域とを設けると共に、該変速レバー(90)に植付けクラッチ(C)を操作できる操作装置(90D)を設け、機体が停止した状態で苗植付け具位置検出手段(180)により苗植付け具(164)が土中に苗を植付ける位置であることを検出するとPTOクラッチ(93)を切りにして移植装置(3)への駆動を絶ち、機体が前進することの検出によりPTOクラッチ(93)を入りにして移植装置(3)を駆動する制御手段を設けことを特徴とする苗移植機としたものである。
従って、枕地で、機体後部(移植装置3の後部)を畦際に最も近づけて、変速レバー90を「機体を前進させないで移植装置3のみを駆動させる操作領域」にして、操作装置90Dを操作して植付けクラッチCを「入」にする。すると、機体は停止したままで移植装置3へ動力が伝動されて植付け作業が開始される。そこで、作業者は、後方を見て畦際に苗を1株植付けた時に、変速レバー90を「移植装置3を駆動させながら機体を前進させる操作領域」にして機体を前進させると、そのまま通常の植付け作業が行える。よって、枕地の植付け作業で畦際からの苗の植付けが適正に効率よく行なえて、苗移植機による苗移植作業の後の畦際の補植作業が不要となり、苗移植作業の能率が向上する。
また、枕地で、機体後部(移植装置3の後部)を畦際に最も近づけて、変速レバー90を「機体を前進させないで移植装置3のみを駆動させる操作領域」にして、操作装置90Dを操作して植付けクラッチCを「入」にする。すると、機体は停止したままで移植装置3へ動力が伝動されて植付け作業が開始される。そして、苗植付け具164が土中に苗を植付ける位置であることを苗植付け具位置検出手段180が検出するとPTOクラッチ93が「切」になり、植付け作業が停止する。即ち、畦際に苗植付け具164が苗を1株植付ける直前の状態で停止する。次に、変速レバー90を「移植装置3を駆動させながら機体を前進させる操作領域」にして機体を前進させると、PTOクラッチ93が「入」になり、植付け作業が開始する。従って、苗を1株植付ける直前の状態で停止した状態の苗植付け具164が畦際から苗を植付け始め、枕地の植付け作業で畦際からの苗の植付けが適正に効率よく行なえて、苗移植機による苗移植作業の後の畦際の補植作業が不要となり、能率が向上する
この発明によると、簡潔な操作で畦際に苗を植付けることができる苗移植機を得ることができて、苗移植作業の作業能率を向上することができる。
変速レバー90の操作位置センサー95の出力と変速レバー90のグリップ部90aに設けた下降スイッチ90Dの押し操作の出力と苗植付け具の位置検出センサー180の検出出力とを制御装置170に入力して、畦際に苗を移植できるように制御装置170にて、田植装置3を制御作動する。
この発明の一実施例である8条植え乗用型田植機を図面に基づき詳細に説明する。走行車両1に昇降用リンク装置2で作業装置の一種である田植装置3を装着すると共に施肥装置4を設け、全体で乗用施肥田植機として構成されている。走行車両1は、駆動輪である左右各一対の前輪6,6および後輪7,7を有する四輪駆動車両である。
左右メインフレーム10,10の前部にミッションケース11がボルトにて固定され、左右メインフレーム10,10上にはゴムマウントM…を介してエンジン12が搭載されており、該ミッションケース11の前部側壁面に前進及び後進速度が無断変速できる油圧無断変速装置HSTがボルトにて固定して一体に組み付けられ、油圧式無段変速装置HSTの前部にステアリング軸14が上方に突設されている。
そして、ステアリング軸14の上端部にステアリングハンドル16が設けられ、そのステアリングハンドル16下方部に操作パネル17が設けられている。機体の上部には操縦用のフロアとなる合成樹脂よりステップが一体に形成された機体カバー19が取り付けられ、エンジン12の上方部に操縦席20が設置されている。
機体カバー19は、機体前部から操縦席20の左右側方まで水平面で覆う前部カバー19aと機体後部の左右中央部を覆う後部中央カバー19bとから構成されている。前部カバー19aの左右両側上面には、連続した平面状のステップ面が形成されている。操縦席20は、後部中央カバー19bの上面前側に取付けられている。
従って、田植装置3や施肥装置4に対する各種操作及び苗載台163への予備苗供給や施肥装置4への肥料供給時に、操縦者(作業者)は操縦席20左右両側の前部カバー19a上を移動するが、その時、連続した平面状のステップ面が形成されているから、作業者が足を引っ掛けてつまづくような事態が回避できて、能率良く然も安全に作業が行なえる。
前輪6,6は、ミッションケース11の側方に変向可能に設けた前輪支持ケース22,22に軸支されている。また、後輪7,7は、左右後輪伝動ケース24,24に各々軸支され、該左右後輪伝動ケース24,24はケース連結フレーム24aで連結され、該ケース連結フレーム24aが左右メインフレーム10,10の後端部を連結した横フレーム10aに突設したローリング軸25で進行方向と垂直な面内で回動自在に支持されている。
また、左右メインフレーム10,10の後端部には、昇降用リンク装置2の前部を回動自在に支持する左右縦フレーム10g,10gの基部が溶接固着されている。
エンジン12の回転動力は、ベルト31を介して油圧式無段変速装置HSTの入力軸35に伝えられ、油圧式無段変速装置HSTの出力軸36はミッションケース11内に延びて駆動ギヤG1が設けられている。そして、ミッションケース11の前部には、走行一次軸50、走行二次軸51、植付一次軸52、植付二次軸53、植付三次軸54がそれぞれ平行に支承されている。
油圧式無段変速装置HSTの出力軸36の駆動ギヤG1と走行一次軸50のギヤG2が噛合して走行一次軸50に駆動力が伝達され、走行一次軸50の変速ギヤG3・ギヤG4と走行二次軸51の変速ギヤG5・ギヤG6とがそれぞれ互いに噛合することにより、変速されて走行二次軸51に駆動力が伝達される(シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて変速ギヤG3とギヤG5とが噛合するようにした時が低速の作業速度であり、シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて変速ギヤG4とギヤG6とが噛合するようにした時が高速の路上走行速度である)。また、変速ギヤG3・ギヤG4・ギヤG5・G6がいずれのギヤとも噛合しない位置がニュートラルになる。この変速操作する変速レバー90は操作パネル17に設けられており、この変速レバー90は油圧式無段変速装置HSTの変速操作も兼用していて、油圧式無段変速装置HSTを変速操作できる構成になっている。
一方、株間変速装置として、植付一次軸52に設けたギヤG7が走行一次軸50の変速ギヤG3に噛合し、植付一次軸52に設けたギヤG8がシフタ57にて移動されて、植付二次軸53のギヤG9若しくはギヤG10に噛合することにより植付一次変速し、更に、植付二次軸53に設けたギヤG11・ギヤG12・ギヤG13・ギヤG14と植付三次軸54に設けたギヤG15・ギヤG16・ギヤG17・ギヤG18とが常時噛合しており、一般的なキー式シフタ58aにて植付三次軸54と係合したギヤのみが伝動されることにより植付二次変速して、植付一次変速と植付二次変速とにより8段階の株間切替が行える構成となっている。一方、植付三次軸54からベベルギヤG19,G20を介して植付部伝動軸58に伝動されるが、植付三次軸54にはギヤ群ギヤG15・ギヤG16・ギヤG17・ギヤG18に対するドッグクラッチよりなる植付けクラッチCが設けられており、植付けクラッチCに操作レバーにて作動するピン55が係合して、該ドッグクラッチよりなる植付けクラッチCが切れて一定位置で植付三次軸54が停止する構成となっている(所謂、公知の苗植付け具164が一定位置で停止するための定位置停止クラッチになっている)。
ここで、図7に基づいて、変速レバー90と各変速ギヤとの関係を詳細に説明する。変速レバー90のガイド溝91は、図7に示すように機体左右方向に変速レバー90を操作して変速ギヤG3・ギヤG4を移動させる横溝91aと油圧式無段変速装置HSTを前進側に増速操作する前方縦溝91b・91c・91dと油圧式無段変速装置HSTを後進側に増速操作する後方縦溝91eとから構成されている。
変速レバー90を横溝91aのA位置にした時には、シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて変速ギヤG3とギヤG5とが噛合し、ギヤG6・ギヤG7とは噛合しない。即ち、低速の作業速度で植付部伝動軸58は駆動されない状態となっており、変速レバー90をこのA位置から後方縦溝91eに沿って後方に操作すると油圧式無段変速装置HSTはニュートラルから後進速度が増速されるように変速されて、機体は後進する(植付部伝動軸58は駆動されない状態であるから、田植装置3及び施肥装置4は作動しない)。
そして、変速レバー90を横溝91aのB位置にした時には、シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて変速ギヤG3とギヤG5・ギヤG7とが噛合し、ギヤG6とは噛合しない。即ち、低速の作業速度で植付部伝動軸58が駆動される状態となっており、変速レバー90をこのB位置から前方縦溝91bに沿って前方に操作すると油圧式無段変速装置HSTはニュートラルから前進速度が増速されるように変速されて、機体は前進する(植付部伝動軸58は駆動される状態であるから、田植装置3及び施肥装置4は作動して田植作業と施肥作業が同時に行なえる)。
また、変速レバー90を横溝91aのB位置にした時には、シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて変速ギヤG3とギヤG5・ギヤG7とが噛合し、ギヤG6とは噛合しない。即ち、低速の作業速度で植付部伝動軸58が駆動される状態となっており、変速レバー90をこのB位置から前方縦溝91bに沿って前方に操作すると油圧式無段変速装置HSTはニュートラルから前進速度が増速されるように変速されて、機体は低速の作業速度で前進する(植付部伝動軸58は駆動される状態であるから、田植装置3及び施肥装置4は作動して田植作業と施肥作業が同時に行なえる)。
また、変速レバー90を横溝91aのC位置にした時には、シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて変速ギヤG3とギヤG7とが噛合し、ギヤG5・ギヤG6とは噛合しない。即ち、植付部伝動軸58のみが駆動される状態となっており、変速レバー90をこのC位置から前方縦溝91cに沿って前方に操作すると油圧式無段変速装置HSTはニュートラルから前進速度が増速されるように変速されて、機体は停止したままで植付部伝動軸58の駆動速度が増速される。即ち、田植装置3及び施肥装置4のみを作動させることができる。
また、変速レバー90を横溝91aのD位置にした時には、シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて全ての変速ギヤG3・ギヤG4・ギヤG5・ギヤG6・ギヤG7は噛合しない。即ち、機体は停止し植付部伝動軸58も駆動されない。
最後に、変速レバー90を横溝91aのE位置にした時には、シフタ56にて変速ギヤG3・ギヤG4が移動されて変速ギヤG4とギヤG6とが噛合し、ギヤG3・ギヤG5・ギヤG7とは噛合しない。即ち、高速の路上等の移動速度で植付部伝動軸58が駆動されない状態となっており、変速レバー90をこのE位置から前方縦溝91dに沿って前方に操作すると油圧式無段変速装置HSTはニュートラルから前進速度が増速されるように変速されて、機体は高速の移動速度で前進する(植付部伝動軸58は駆動されない状態であるから、田植装置3及び施肥装置4は作動しない)。
また、ミッションケース11から後方に向けて設けた前記植付部伝動軸58の途中には、田植装置3及び施肥装置4に伝動する前側にPTOクラッチケース92が設けられており、該PTOクラッチケース92内には植付部伝動軸58の駆動を断続するPTOクラッチ93が電磁ソレノイド94にて作動するように設けられている。
一方、変速レバー90のグリップ部90aには、田植装置3の昇降及び施肥装置4と田植装置3とへの動力伝動の入り切りを行う上昇スイッチ90Uと下降スイッチ90Dとを設けており、車速変速から田植装置3の昇降乃至作業動力伝動にわたる一連の操作を、グリップ部90aを把持したままで、速やかに操作できて操作性が良い構成となっている。
更に詳述すると、操縦者は、この変速レバー90のグリップ部90aを把持した状態で、上昇スイッチ90Uまたは下降スイッチ90Dを操作することにより、制御装置170の田植装置昇降手段にてソレノイド油圧バルブ161を切り換えて油圧シリンダー160を伸縮し、田植装置3を走行車両1に対して昇降させることができる。更に、下降スイッチ90Dが一度押し操作される毎に、制御装置170の植付クラッチ作動手段により植付クラッチ作動SOL173を操作して、施肥装置4及び田植装置3への動力を入り切り交互に作動して、この施肥装置4及び田植装置3の伝動を入り切り操作することができる。
一方、上昇スイッチ90Uは、押し操作毎にソレノイド油圧バルブ161を切り換えて上昇と上昇停止とに切り換えられ、下降スイッチ90Dは、一度押し操作するとソレノイド油圧バルブ161を下降に切り換えられるので、上昇スイッチ90Uと下降スイッチ90Dの押し操作毎に各々上昇とこの上昇停止、下降に切り換えでき、これらの操作を的確にして容易化できる。
また、上昇スイッチ90Uは、押し操作すると田植装置3を上昇させることができるが、同時に、施肥装置4及び田植装置3への作業伝動を切りに切り換えて作業を停止させることができる。
下降スイッチ90Dは、作業伝動の入り切りを切り換えることもでき、前記のように下降スイッチ90Dは、一度押し操作すると田植装置3を下降させることができるが、再度押し操作すると施肥装置4及び田植装置3への作業伝動が入りに切り換えられる。そして、その後下降スイッチ90Dの押し操作毎に施肥装置4及び田植装置3への作業伝動が入りと切りとに切り換えられて、作業を行わせたり停止させることができる。田植装置3を下降させる同一下降スイッチ90Dで作業伝動とこの伝動停止とに切り換えできて、操作性を高めることができる。
また、グリップ部90aには、押し操作によって田植装置3が下降し、押し操作解除で下降を停止する下げ専用スイッチ90bを設けたので、変速レバー90のグリップ部90aには、前記下降スイッチ90Dとは別に下降専用の下げ専用スイッチ90bを有することとなり、畦際での作業開始の位置合せ等では、この下げ専用スイッチ90bの押し操作とその押し操作解除とによって田植装置3の下降、停止の切り換えを行わせることができ、微妙な位置合せが容易に行なえ、操作性を高めることができる。この下げ専用スイッチ90bは、上昇スイッチ90U及び下降スイッチ90Dよりも後位に配置したので、使用頻度の少い下げ専用スイッチ90bの誤操作を少くすることができる。
そして、前記上昇スイッチ90Uの形状は円形とし、下げ専用スイッチ90bの形状は三角形とし、下降スイッチ90Dの形状は四角形としているので、グリップ部90aに複数のスイッチを近接して配置したにも拘らず、各スイッチ90U・90D・90bの操作感覚が違って区別性が良くなり誤操作を少くすることができ、作業能率が向上する。尚、スイッチの形状を変える代わりに、各スイッチの操作面に異なる形状の突出部(例えば、上昇スイッチ90Uの表面には凸部なしとし、下げ専用スイッチ90bの表面には1つの凸部を設け、下降スイッチ90Dの表面には3つの凸部を設ける。または、各スイッチ90U・90D・90bの表面の凸部形状を異ならせる。)を設けても区別性が良くなる。
また、変速レバー90には、その操作位置(A位置〜E位置)を検出するポテンショメータにより構成される操作位置センサー95が設けられている。
ミッションケース11の後部には、左右フロントアクスル60・60の中央部が支承され、前記走行二次軸51からギヤG6とギヤG21にて伝動され、デフ装置D1を介して左右前輪6,6が駆動回転される構成となっている。尚、左右前輪支持ケース22,22は、ミッションケース11後部の左右両側に各々ボルトにて固定されたフロントアクスルケース59・59に支持される一般的な構成となっている。
また、左右フロントアクスル60・60には、デフ装置D1を挟んで左右後輪駆動ベベルギヤG22・G22が一体回転するように設けられており、この左右後輪駆動ベベルギヤG22・G22に噛合する従動ベベルギヤG23・G23に左右後輪駆動軸62・62が左右後輪サイドクラッチ機構C1・C1を介して連係している。ここで、左右後輪駆動ベベルギヤG22・G22と従動ベベルギヤG23・G23とで後輪伝動回転数が増速され、その増速された後に左右後輪サイドクラッチ機構C1・C1があるので、クラッチの駆動力伝達トルクが小さくて済み、小型のクラッチ機構を用いることができて、ミッションケースの小型化即ち機体の小型化を達成できる。そして、左右後輪駆動軸62・62にて各々左右後輪伝動ケース24,24内に動力を伝達し、左右後輪伝動ケース24,24内の減速機構にて後輪伝動回転数を減速して左右後輪7・7を駆動する構成になっている。
65は4輪ブレーキであって、走行二次軸51の端部に設けられており、機体カバー19上に設けたブレーキペダル140を踏込み操作するとブレーキが作動して走行二次軸51を制動して、左右前輪6・6及び左右後輪7・7にブレーキがかかって機体が停止する。
一方、ミッションケース11は、側面視で後部上方が切り欠かれたような形状になっており、そのミッションケース11の左側壁面の中央部上方に取付け用板状リブ11aを突出して形成して、油圧式無段変速装置HSTをボルトにて固定し、油圧式無段変速装置HST後部が前記ミッションケース11の切り欠かれた部位に位置するようにして、ミッションケース11及び油圧式無段変速装置HSTがその左右幅が狭くて上下高さも低い状態で両者一体に固定されている。
そして、ミッションケース11の取付け用板状リブ11aの油圧式無段変速装置HSTがボルトにて固定された面の反対側の面には油圧式無段変速装置用ポンプP1(油圧ポンプP1が、更にパワーステアリングの油圧駆動源のポンプを兼用しても良い)と作業装置の一種である田植装置3を上下作動やローリング作動やピッチング作動させる油圧駆動源となる作業装置作動用油圧ポンプP2とをボルトにて固定している。そして、油圧式無段変速装置HSTの入力軸35は、油圧式無段変速装置HSTの右側壁面及び取付け用板状リブ11aを貫通して油圧式無段変速装置用ポンプP1内部まで突出して設け、油圧ポンプP1・P2の駆動軸を兼用した構成となっている。即ち、油圧ポンプP1・P2も、ミッションケース11の後部上方の空間部に配置して設けられており、油圧式無段変速装置用ポンプP1・作業装置作動用油圧ポンプP2の駆動構成が簡潔なものとなっていると共に、油圧式無段変速装置HSTとミッションケース11と油圧式無段変速装置用ポンプP1・作業装置作動用油圧ポンプP2との配置が無駄のないものとなっており、駆動部の構成が小型化され、安価で且つ軽量な機体を得ることができる。
また、ミッションケース11前部には、ステアリング軸14が回動自在に支持されており、ピットマンアーム175を回動作動させる歯車伝動機構が配されている。即ち、ステアリングハンドル16を操縦者が回動操作すると、ステアリング軸14・歯車伝動機構・ピットマンアーム175・左右連携ロッド176・176を介して、左右前輪6・6が操向操作される構成となっている。このようにステアリング軸14よりも後方に油圧式無段変速装置HSTを配置すれば、ミッションケース11・油圧式無段変速装置HST・ステアリング軸14の配置構成が簡潔で小型の構成となり、走行用機体の構成が小型化され、安価で且つ軽量な機体を得ることができ、水田走行用機体としては優れた走行性能が発揮でき、田植え等の各種作業が良好に行なえる。
尚、機体左右中心線に対して、機体平面視でミッションケース11の主体部と油圧式無段変速装置HSTとが左右に振り分けて配置された構成となっているので、機体の左右バランスも良くて、水田走行用機体としては優れた走行性能が発揮でき田植え等の各種作業が良好に行なえる。
ML・MRは田植装置3の左右に設けられた左右線引きマーカであって、次工程の機体中心線を圃場に引く線引き作用状態と上方に回動された収納状態とに左右駆動モータM1・M1により切り替え作動される構成となっている。詳述すると、例えば、左線引きマーカMLが線引き作用状態にある場合に、上記の変速レバー90のグリップ部90aの上昇スイッチ90Uを押し操作すると、制御装置170の左右線引きマーカ作動手段により左駆動モータM1を作動させて線引き作用状態にある左線引きマーカMLを収納状態とし、次に、グリップ部90aの下降スイッチ90Dを押し操作すると、制御装置170の左右線引きマーカ作動手段により逆の右駆動モータM1を作動させて収納状態にある右線引きマーカMRが線引き作用状態になる。以後、上昇スイッチ90Uと下降スイッチ90Dを操作する度に左右線引きマーカML・MRが交互に線引き作用状態になる。尚、操作パネル17に設けたマーカ切替えスイッチMSを自動位置にすると、上記のように左右線引きマーカML・MRが交互に線引き作用状態になり、マーカ切替えスイッチMSをOFF位置にすると、左右線引きマーカML・MRは収納状態のままで下降スイッチ90Dを押し操作しても作動せず、また、マーカ切替えスイッチMSを両出し位置にすると、制御装置170の左右線引きマーカ作動手段により左右駆動モータM1・M1が共に作動して左右線引きマーカML・MRが両方とも線引き作用状態になる。
次に、田植装置3は、走行車両1に昇降用リンク装置2で昇降自在に装着されているのであるが、その昇降させる構成と田植装置3の構成について説明する。
先ず、走行車両1に基部が回動自在に設けた一般的な油圧シリンダー160のピストン上端部を昇降用リンク装置2に連結し、走行車両1に設けた油圧ポンプP2にてソレノイド油圧バルブ161を介して油圧シリンダー160に圧油を供給・排出して、油圧シリンダー160のピストンを伸進・縮退させて昇降用リンク装置2に連結した田植装置3が上下動されるように構成されている。
田植装置3は、昇降用リンク装置2の後部にローリング軸を介してローリング自在に装着されたフレームを兼ねる植付伝動ケース162と、該植付伝動ケース162に設けられた支持部材に支持されて機体左右方向に往復動する苗載台163と、植付伝動ケース162の後端部に装着され前記苗載台163の下端より1株分づつの苗を分割して圃場に植え付ける苗植付け具164…と、植付伝動ケース162の下部にその後部が枢支されてその前部が上下揺動自在に装着された整地体であるセンターフロート165・サイドフロート166…等にて構成されている。センターフロート165・サイドフロート166…は、圃場を整地すると共に苗植付け具164…にて苗が植付けられる圃場の前方を整地するように設けられている。尚、苗植付け具164は、植付伝動ケース162の後方に延びた4つの伝動ケースの各々の後端部両側に装着された回転ケース164a…に、各々2個づつ装着されている。
前記ミッションケース11より後方にユニバーサルジョイントを介在して延出した植付部伝動軸58により、施肥装置4及び田植装置3の植付伝動ケース162に動力が伝達される。169はセンターフロート165前部の上下位置を検出するポテンショメータにより構成されるセンターフロートセンサーであって、センターフロート165の前部上面とリンクにより連携されている。そして、センターフロートセンサー169のセンターフロート165前部の上下位置検出に基づいて、制御装置170の田植装置昇降手段によりソレノイド油圧バルブ161を制御して油圧シリンダー160にて田植装置3の上下位置を制御するように構成されている。
即ち、センターフロート165の前部が外力にて適正範囲以上に持ち上げられた時には油圧ポンプP2にてミッションケース11内から汲み出された圧油を油圧シリンダー160に送り込んでピストンを突出させ昇降用リンク装置2を上動させて田植装置3を所定位置まで上昇せしめ、また、センターフロート165の前部が適正範囲以上に下がった時には油圧シリンダー160内の圧油をミッションケース11内に戻して昇降用リンク装置2を下動させて田植装置3を所定位置まで下降せしめ、そして、センターフロート165の前部が適正範囲にあるとき(田植装置3が適正な所定位置にある時)には油圧シリンダー160内の圧油の出入りを止めて田植装置3を一定位置に保持するように設けられている。このように、センターフロート165を田植装置3の自動高さ制御のための接地センサーとして用いている。
ここで、走行車両1に対して田植装置3をピッチング作動させるピッチング機構について、説明する。
昇降用リンク装置2の上部リンクの途中に油圧式のピッチングシリンダ210を設けて、該ピッチングシリンダ210の伸縮動によって上部リンクの長さが変更されて、田植装置3を走行車両1に対して駆動ピッチング動できるようにしてある。構成を詳述すると、前上部リンク2aを中空の角パイプ材にて構成し、後上部リンク2bの前端に固定した嵌合部材2cを前上部リンク2aの後端部に摺動自在に嵌入した状態とし、前上部リンク2aに固定したピッチングシリンダ210の進退するピストン210a先端を後上部リンク2b側に固定している。従って、ピッチングシリンダ210に圧油が供給・排出されてピストン210aが進退することにより、後上部リンク2bの前端に固定した嵌合部材2cが前上部リンク2aの後端部内で摺動し、上部リンクの長さが変更される。
一方、走行車両1の前後方向での傾斜角を検出する傾斜センサ211をメインフレーム10上に設け、走行車両1の前後傾斜姿勢の変化に拘わらずに田植装置3の圃場面に対する前後傾斜姿勢を所定の姿勢に維持するように、傾斜センサ211の検出情報に基づいて制御装置170のピッチング制御手段によりピッチングシリンダ210の制御弁212を切換作動させる。
従って、田植装置3が所定の姿勢となるように強制ピッチング動される。例えば、泥面及び硬盤が水平な圃場での正規の走行状態から、前輪6が凹部に落ち込んで走行車両1が大きく前下がり傾斜する場合には、ピッチングシリンダ210を伸長駆動させて上部リンクの長さを長くすることにより、田植装置3の前下がり移動を相殺して田植装置3を所定の姿勢に維持する。逆に、前輪6が凸部に乗り上がる等して走行車両1が大きく前上がり傾斜する場合には、ピッチングシリンダ210を短縮駆動させて上部リンクの長さを短くすることにより、田植装置3の前上がり移動を相殺して田植装置3を所定の姿勢に維持する。
次に、この発明の特徴的構成を詳細に説明する。
植付伝動ケース162内の伝動系に、回転ケース164aに装着された2個の苗植付け具164のうちの何れかが土中に苗を植付ける位置(図1の苗植付け具164の位置)であることを検出する苗植付け具の位置検出センサー180が設けられている。即ち、伝動系に設けられた伝動軸外周の2箇所に設けた凸部180a・180aを近接センサーよりなる位置検出センサー180にて検出して、この検出した時が、苗植付け具164が土中に苗を植付ける位置であるように構成している。
そして、変速レバー90の操作位置センサー95の出力と変速レバー90のグリップ部90aに設けた下降スイッチ90Dの押し操作の出力と苗植付け具の位置検出センサー180の検出出力とは制御装置170に入力されて、図10の制御フロー図に示すように、田植装置3は次のように作動するように制御される。
即ち、乗用型田植機による田植作業は、圃場の畦際に機体旋回用の枕地を残して、先ず、往復植付け作業を行う。そして、最後に往復時の機体旋回の為に植え残した枕地を最後に植付け作業をする。
この枕地の植付け作業は、先ず、機体後部(田植装置3の後部)を畦際に最も近づけて変速レバー90のグリップ部90aに設けた下降スイッチ90Dの押し操作すると、制御装置170の田植装置昇降手段により田植装置3はそのセンターフロート165・サイドフロート166…が圃場面に接地するまで下降する。そこで、変速レバー90をPTO位置(C位置)にして前方縦溝91cに沿って前方に操作すると、操作位置センサー95は変速レバー90がPTO位置であることを検出する(STEP1)。そして、下降スイッチ90Dの押し操作すると(STEP2)、制御装置170の植付クラッチ作動手段により植付けクラッチCが「入」になり(STEP3)、機体は停止したままで施肥装置4及び田植装置3へ動力が伝動されて施肥及び植付け作業が行われる。
そして、苗植付け具164…が土中に苗を植付ける位置であることを苗植付け具の位置検出センサー180が検出すると(STEP4)、制御装置170のPTOクラッチ作動手段により電磁ソレノイド94が作動してPTOクラッチ93が「切」になり、施肥及び植付け作業が停止する(STEP5)。即ち、畦際に苗植付け具164…が苗を1株植付ける直前の状態で停止する。
次に、作業者が変速レバー90を植付作業速度位置(B位置)にして前方縦溝91bに沿って前方に操作して機体を前進させると(STEP6)、制御装置170のPTOクラッチ作動手段により電磁ソレノイド94が作動してPTOクラッチ93が「入」になり、施肥及び植付け作業が開始する(STEP7)。従って、苗を1株植付ける直前の状態で停止した状態の苗植付け具164…が畦際から苗を植付け始め、畦際の施肥も行なえているので、枕地の植付け作業で畦際からの苗の植付けが適正に効率よく行なえて、乗用型田植機による田植作業の後の畦際の補植作業が不要となり、田植作業の能率が向上する。
尚、上記実施例では、STEP6で変速レバー90が植付作業速度位置(B位置)に操作されたことを検出して、STEP7でPTOクラッチ93を「入」にするように制御したが、前輪6または後輪7に回転検出センサーを設けて、STEP6で前輪6または後輪7が回転したこと(即ち、機体が前進したこと)を検出して、STEP7でPTOクラッチ93を「入」にするように制御しても良い。
また、図11に示す制御フロー図は、苗植付け具の位置検出センサー180とPTOクラッチ93を用いずに、変速レバー90の操作位置センサー95の出力と変速レバー90のグリップ部90aに設けた下降スイッチ90Dの押し操作の出力とを制御装置170に入力して、枕地で畦際から苗の植付けが行なえるように田植装置3を作動させる例を示す。
即ち、枕地で、機体後部(田植装置3の後部)を畦際に最も近づけて変速レバー90のグリップ部90aに設けた下降スイッチ90Dの押し操作すると、制御装置170の田植装置昇降手段により田植装置3はそのセンターフロート165・サイドフロート166…が圃場面に接地するまで下降する。そこで、変速レバー90をPTO位置(C位置)にして前方縦溝91cに沿って前方に操作すると、操作位置センサー95は変速レバー90がPTO位置であることを検出する(STEP1)。そして、下降スイッチ90Dの押し操作すると(STEP2)、制御装置170の植付クラッチ作動手段により植付けクラッチCが「入」になり(STEP3)、機体は停止したままで施肥装置4及び田植装置3へ動力が伝動されて施肥及び植付け作業が開始される。
そこで、作業者は、後方を見て畦際に苗植付け具164…が苗を1株植付けた時に、変速レバー90をPTO位置(C位置)から植付作業速度位置(B位置)にして(STEP4)前方縦溝91bに沿って前方に操作して機体を前進させると、植付クラッチCは「入」を保持したままであるから(STEP5)、畦際から施肥及び植付け作業が行える。従って、枕地の植付け作業で畦際からの苗の植付けが適正に効率よく行なえて、乗用型田植機による田植作業の後の畦際の補植作業が不要となり、田植作業の能率が向上する。
尚、上記変速レバー90の操作において、変速レバー90のガイド溝91はPTO位置(C位置)と植付作業速度位置(B位置)とが隣接して設けられているので、変速レバー90をPTO位置(C位置)から植付作業速度位置(B位置)にして前方縦溝91bに沿って前方に操作して機体を前進させる操作が容易に且つ迅速に行え、上記の適切な枕地の植付け作業が行える。
図12は、枕地の植付け作業で畦際からの苗の植付けが行なえるようにする為に、施肥装置4及び田植装置3へ動力が伝動されたままで機体を停止させる走行クラッチ96を設けた例を示す。
即ち、ミッションケース11に走行三次軸97を設けて、該走行三次軸97上にギヤG6と噛合するギヤG30を遊転自在に設けると共に、走行三次軸97とスプライン嵌合して摺動自在に一体回転する走行クラッチ作動体98を設けている。そして、ギヤG30の片側に一体に形成した係合部と走行クラッチ作動体98の片側に一体に形成した係合部とを係合・離反自在に設けて走行クラッチ96が構成されている。
そして、走行クラッチ作動体98は、走行車両1のステアリングハンドル16の右側(ブレーキペダル140と反対側)の前部カバー19a上に設けた走行クラッチペダル(図示せず)の踏込み操作で、シフタ99により移動してギヤG30と走行クラッチ作動体98との係合部が離反し、走行クラッチ96が切れるように構成している。
尚、走行三次軸97と一体回転するギヤG31がギヤG21と噛合しており、左右前輪6・6及び左右後輪7・7を駆動する構成になっている。また、走行クラッチ作動体98は、スプリング100によりギヤG30側に向けて付勢されている(走行クラッチペダルを踏込み操作しない時は、スプリング100の付勢力により、ギヤG30と走行クラッチ作動体98との係合部は係合している)。
上記構成の乗用型田植機で枕地の植付け作業を行う手順を以下に説明する。
先ず、枕地で、機体後部(田植装置3の後部)を畦際に最も近づけて変速レバー90のグリップ部90aに設けた下降スイッチ90Dの押し操作すると、制御装置170の田植装置昇降手段により田植装置3はそのセンターフロート165・サイドフロート166…が圃場面に接地するまで下降する。そこで、左足で走行クラッチペダルを踏込み操作して走行クラッチ96を切る。そして、変速レバー90を植付作業速度位置(B位置)にして下降スイッチ90Dの押し操作すると制御装置170の植付クラッチ作動手段により植付けクラッチCが「入」になる。そして、変速レバー90を前方縦溝91bに沿って前方に操作すると、機体は停止したままで施肥装置4及び田植装置3へ動力が伝動されて施肥及び植付け作業が開始される。
そこで、作業者は、後方を見て畦際に苗植付け具164…が苗を1株植付けた時に、走行クラッチペダルの踏込み操作をやめる。すると、機体は前進して通常の施肥及び植付け作業が行える。このようにして、畦際から施肥及び植付け作業が適切に且つ効率よく行え、乗用型田植機による田植作業の後の畦際の補植作業が不要となり、田植作業の能率が向上する。尚、畦際に苗植付け具164…が苗を1株植付けるまで、右足でブレーキペダル140を踏込み操作して機体を完全に停止した状態にしておいても良い。
図13は、実施例3の走行クラッチ96を走行クラッチペダルで操作する手段に代えて、操作レバー101で走行クラッチ96を操作する例を示す。
即ち、ステアリングハンドル16の左側(変速レバー90と反対側)に操作レバー101を設けて、この操作レバー101を「入」位置にした時にはギヤG30と走行クラッチ作動体98との係合部が係合した動力伝動状態であり、スプリング100の付勢力に抗して操作レバー101を「切」位置にした時にはギヤG30と走行クラッチ作動体98との係合部が離反して走行クラッチ96が切れるように構成している。また、操作レバー101を「ロック」位置にした時にはギヤG30と走行クラッチ作動体98との係合部が離反して走行クラッチ96が切れた状態を保持できるようになっている。
この構成の乗用型田植機で枕地の植付け作業を行う手順を説明すると、先ず、枕地で、機体後部(田植装置3の後部)を畦際に最も近づけて変速レバー90のグリップ部90aに設けた下降スイッチ90Dの押し操作すると、制御装置170の田植装置昇降手段により田植装置3はそのセンターフロート165・サイドフロート166…が圃場面に接地するまで下降する。そこで、左手で操作レバー101を「入」位置から「切」位置に押し下げて走行クラッチ96を切る。そして、右手で変速レバー90を植付作業速度位置(B位置)にして下降スイッチ90Dの押し操作すると制御装置170の植付クラッチ作動手段により植付けクラッチCが「入」になる。そして、変速レバー90を前方縦溝91bに沿って前方に操作すると、機体は停止したままで施肥装置4及び田植装置3へ動力が伝動されて施肥及び植付け作業が開始される。
そこで、作業者は、後方を見て畦際に苗植付け具164…が苗を1株植付けた時に、左手の操作レバー101を離すと操作レバー101は「入」位置になり、機体は前進して通常の施肥及び植付け作業が行える。このようにして、畦際から施肥及び植付け作業が適切に且つ効率よく行え、乗用型田植機による田植作業の後の畦際の補植作業が不要となり、田植作業の能率が向上する。
更に、この実施例では、操作レバー101を「ロック」位置にすると、ギヤG30と走行クラッチ作動体98との係合部が離反して走行クラッチ96が切れた状態を保持できるようになっているので、変速レバー90のPTO位置(C位置)を廃止した簡潔な構成にすることができる。即ち、施肥装置4及び田植装置3のみを駆動したい場合には、操作レバー101を「ロック」位置にして走行クラッチ96が切れた状態とし、変速レバー90をB位置にして前方縦溝91bに沿って前方に操作すると油圧式無段変速装置HSTはニュートラルから前進速度が増速されるように変速されて、機体は停止したままで田植装置3及び施肥装置4を作動させることができる。
図14は、操縦席20の後部に平面状のステップ102を固着した例を示し、操縦席20の背凭れ部20aを回動軸心20b回りに前方に回動自在とし、背凭れ部20aの背面にステップ102をボルトにより固定している。尚、ステップ102の表面には、滑り止めの凸条が多数形成されている。
従って、通常の田植作業時には、図14の実線のように背凭れ部20aを立てて、作業者は操縦席20に着座して、機体を運転操作する。そして、田植装置3や施肥装置4に対する各種操作及び苗載台163への予備苗供給や施肥装置4への肥料供給時には、作業者は操縦席20左右両側の前部カバー19a上を移動して、田植装置3や施肥装置4の左右側部に対する各種操作や予備苗供給や施肥装置4への肥料供給を行うが、図14の仮想線のように背凭れ部20aを前方に回動してステップ102が水平状になるようにすると、作業者はこのステップ102上に足を置いて田植装置3や施肥装置4の中央部に対する各種操作や予備苗供給や施肥装置4への肥料供給を容易に行うことができ、然も、機体の後方で左側から右側へ(または、右側から左側へ)このステップ102を通って移動でき、能率良く然も安全に作業が行なえる。
本発明は、上記の実施例で示した乗用型田植機以外に、い草移植機等の如何なる苗移植機にも適用できる。
8条植え乗用型田植機を示す全体側面図である。(実施例1) 乗用型田植機の全体平面図である。(実施例1) 走行車両の伝動構成を示す概略平面図である。(実施例1) 走行車両の伝動構成の展開断面図である。(実施例1) 走行車両の伝動構成の側面図である。(実施例1) ミッションケース11及び油圧式無段変速装置HSTの側面図である。(実施例1) 変速レバー90の操作位置とミッションケース11内の変速ギヤの位置との関係を示す作用説明図である。(実施例1) 制御系のブロック回路図である。(実施例1) 変速レバー90のグリップ部90aの正面及び左側を示す図である。(実施例1) 制御フロー図である。(実施例1) 他の例を示す制御フロー図である。(実施例2) 他の例を示す走行車両の伝動構成の展開断面図である。(実施例3) 他の例を示す操作レバーの斜視図である。(実施例4) 他の例を示す乗用型田植機の全体側面図である。(実施例5)
符号の説明
1 乗用型走行車両
2 昇降用リンク装置
3 移植装置(田植装置)
11 ミッションケース
12 エンジン
90 変速レバー
90D 操作装置(下降スイッチ)
93 PTOクラッチ
164 苗植付け具
180 苗植付け具位置検出手段(苗植付け具の位置検出センサー)
C 植付けクラッチ
C位置 機体を前進させないで移植装置3のみを駆動させる操作領域
B位置 移植装置3を駆動させながら機体を前進させる操作領域

Claims (1)

  1. 機体の走行速度を変更する変速レバー(90)と移植装置(3)の作動を停止する植付けクラッチ(C)とを設けた苗移植機において、該植付けクラッチ(C)からの動力が伝達される植付部伝動軸(58)にPTOクラッチ(93)を設け、変速レバー(90)には移植装置(3)を駆動させながら機体を前進させる操作領域と機体を前進させないで移植装置(3)のみを駆動させる操作領域とを設けると共に、該変速レバー(90)に植付けクラッチ(C)を操作できる操作装置(90D)を設け、機体が停止した状態で苗植付け具位置検出手段(180)により苗植付け具(164)が土中に苗を植付ける位置であることを検出するとPTOクラッチ(93)を切りにして移植装置(3)への駆動を絶ち、機体が前進することの検出によりPTOクラッチ(93)を入りにして移植装置(3)を駆動する制御手段を設けたことを特徴とする苗移植機
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