JP6353340B2 - トラクタ - Google Patents

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Description

本願発明は、耕耘作業機または播種作業機などの対地作業機を牽引するトラクタに関するものである。
従来から、作業車両としてのトラクタの中には、操縦座席の少なくとも左右いずれか一方に配置されたアームレストの上面に、走行機体やロータリ耕耘機の作業状態を設定・調節するための複数の作業系操作手段をまとめて配置したものがある。かかる構成のトラクタの一例が特許文献1に開示されている。特許文献1のトラクタでは、操縦座席の進行方向右側に位置したアームレスト上に、作業系操作手段である、作業機昇降レバー(作業部ポジションレバー)が配置され、操縦座席に対してアームレストより外側には、走行系操作手段である、スロットルレバー(主変速レバー)が配置されている。
特開2008−037411号公報
しかし、特許文献1の構成では、操縦座席から走行系操作手段が離れた位置に配置されるため、作業車両の走行速度を変更させるたびに、ステアリングから手を大きく移動させる必要があり、その操作性が悪かった。また、アームレストに作業系操作手段が配置されるものの、走行系操作手段がアームレストの外側に配置されている。そのため、オペレータは、走行系操作手段を操作する際には、少なくとも肘から前を動かす必要があり、その操作姿勢によってはアームレストが邪魔になる場合がある。また、アームレスト前部に主変速レバーとポテンショを設けると、アームレスト前部をコンパクトに形成できない。アームレストが大きくなり、オペレータの足にあたる。主変速レバーの操作力が安定しない問題がある。さらに、シートが回転すると、内装との隙間が十分ではなくなり、アームレストの前部側面に油圧昇降ダイヤルを配置したとき、油圧昇降ダイヤルの操作性を向上できず、誤操作を低減できない問題がある。
本願発明は、上記のような現状を検討して改善を施したトラクタを提供することを技術的課題としている。
本願発明は、走行機体上に操縦座席を装設してオペレータが座乗すると共に、前記操縦座席の側方にアームレストを配置するトラクタにおいて、前記アームレスト前部に変速支点軸を介して主変速レバーの基端部を回動可能に設ける構造であって、前記主変速レバーの基端部に変速センサを連動リンクにて連結し、前記変速センサ軸から前方に向けて連動リンクの前端側を突出させ、前記連動リンクを前後方向に水平に延設させ、前記主変速レバーの基端部に前記連動リンクの前端側を連結し、前記変速支点軸上に摩擦支持用部材を設け、前記摩擦支持用部材の弾圧摩擦力にて前記主変速レバーを操作位置に支持させるように構成し、前記主変速レバーに設けられた把持部の前面に、上下方向に傾動させる自己復帰型のレバースイッチより成る自動昇降スイッチレバーが設けられるとともに、前記把持部の操縦座席側側面に、作業機の高さ位置を微調節操作するための昇降微調整スイッチ釦が配置されており、前記自動昇降レバーを上側に傾動させたときに、前記作業機が設定された最上昇位置まで上昇する一方、前記自動昇降レバーを下側に傾動させたときに、前記作業機が作業部ポジションダイヤルで設定された位置まで下降するものである。
上記トラクタにおいて、前記アームレスト前部の外側面に前記作業部ポジションダイヤルを設け、側面操作と上面つまみ操作が可能な形状に前記作業部ポジションダイヤルを形成したものである。
本願発明によれば、走行機体上に操縦座席を装設してオペレータが座乗すると共に、前記操縦座席の側方にアームレストを配置するトラクタにおいて、前記アームレスト前部に変速支点軸を介して主変速レバーの基端部を回動可能に設ける構造であって、前記主変速レバーの基端部に変速センサを連動リンクにて連結したものであるから、前記アームレストの前端部をコンパクトに形成でき、オペレータの足が前記アームレストの前端部に当接するのを防止できる。アームレストの形状を小さく形成できるから、オペレータのペダル操作の邪魔にならず、オペレータが快適に作業できる。
本願発明によれば、前記変速センサ軸から前方に向けて連動リンクの前端側を突出させ、前記連動リンクを前後方向に水平に延設させ、前記主変速レバーの基端部に前記連動リンクの前端側を連結したものであるから、前記アームレストの前端部のスペースに、前記主変速レバーと変速センサをコンパクトに配置できるものでありながら、前記主変速レバーと変速センサの相対位置の制限を容易に低減できる。
本願発明によれば、前記変速支点軸上に摩擦支持部材を設け、前記摩擦支持部材の弾圧摩擦力にて前記主変速レバーを操作位置に支持させるように構成したものであるから、例えば皿バネ構造に比べて、コイルバネは、設置スペースが狭少で、前記主変速レバーの摩擦支持力を充分に得ることができ、前記主変速レバーの操作フィーリングを簡単に向上でき、オペレータの前記主変速レバー操作にて最適な速度段を容易に選べ、変速操作性を向上できる。
本願発明によれば、前記アームレスト前部の外側面に前記作業部ポジションダイヤルを設け、側面操作と上面つまみ操作が可能な形状に前記作業部ポジションダイヤルを形成したものであるから、前記作業部ポジションダイヤル設置部をコンパクトに形成できるものでありながら、前記作業部ポジションダイヤルを側面または上面のいずれからでも簡単に操作でき、前記作業部ポジションダイヤルの操作性を容易に向上でき、誤操作を低減できる。例えば、操縦座席が左右向きに回転しても作業上問題なく、前記作業部ポジションダイヤルを適正に操作できる。
トラクタの左側面図である。 トラクタの右側面図である。 トラクタの平面図である。 走行機体の左側面説明図である。 走行機体の右側面説明図である。 走行機体の平面図である。 走行機体を左後方から見た斜視図である。 走行機体を右後方から見た斜視図である。 走行機体を左側方から見た拡大斜視図である。 走行機体を右側方から見た拡大斜視図である。 走行機体を左前方から見た斜視図である。 走行機体を右側方から見た斜視図である。 トラクタの動力伝達系統のスケルトン図である。 トラクタの油圧回路図である。 操縦座席部を左前方から見た斜視図である。 アームレスト部を左前方から見た斜視図である。 図16の説明図である。 操縦座席部を右後方から見た斜視図である。 図18の拡大説明図である。 操縦座席部を右側面図である。 図20の説明図である。 アームレスト部を右前方から見た斜視図である。 図22の説明図である。 操縦座席部の左側面図である。 アームレスト部の左側面図である。 図25の説明図である。 操縦座席部の平面説明図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態について、農作業用トラクタを図面に基づき説明する。図1〜図8に示す如く、トラクタ1の走行機体2は、走行部としての左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持されている。左右一対の後車輪4が後方走行部に相当するものである。走行機体2の前部にディーゼルエンジン5(以下、単にエンジンという)を搭載し、後車輪4または前車輪3をエンジン5で駆動することによって、トラクタ1が前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット6にて覆われている。走行機体2の上面にはキャビン7が設置される。該キャビン7の内部には、操縦座席8と、前車輪3を操向操作する操縦ハンドル9とが配置されている。キャビン7の左右外側には、オペレータが乗降するステップ10が設けられている。エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11がキャビン7底部の下側に設けられている。
走行機体2は、前バンパー12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部に着脱自在に固定した左右の機体フレーム15とにより構成されている。前車軸ケース13の左右両端側から外向きに、前車軸16を回転可能に突出させている。前車軸ケース13の左右両端側に前車軸16を介して前車輪3を取り付けている。機体フレーム15の後部には、エンジン5からの回転動力を適宜変速して前後四輪3,3,4,4に伝達するためのミッションケース17を連結している。左右の機体フレーム15及びミッションケース17の下面側には、左右外向きに張り出した底面視矩形枠板状のタンクフレーム18をボルト締結している。実施形態の燃料タンク11は左右2つに分かれている。タンクフレーム18の左右張り出し部の上面側に、左右の燃料タンク11を振り分けて搭載している。ミッションケース17の左右外側面には、左右の後車軸ケース19を外向きに突出するように装着している。左右の後車軸ケース19には左右の後車軸20を回転可能に内挿している。ミッションケース17に後車軸20を介して後車輪4を取り付けている。左右の後車輪4の上方は左右のリヤフェンダー21によって覆われている。
ミッションケース17の後部には、例えばロータリ耕耘機などの対地作業機(図示省略)を昇降動させる油圧式昇降機構22を着脱可能に取付けている。前記対地作業機は、左右一対のロワーリンク23及びトップリンク24からなる3点リンク機構111を介してミッションケース17の後部に連結される。ミッションケース17の後側面には、ロータリ耕耘機等の対地作業機にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸25を後向きに突設している。
エンジン5の後側面から後向きに突設するエンジン5の出力軸(ピストンロッド)には、フライホイル26(図4〜図6、図10及び図11参照)を連結している。両端に自在軸継手を有する動力伝達軸29を介して、フライホイル26から後ろ向きに突出した主動軸27と、ミッションケース17前面側から前向きに突出した主変速入力軸28とを連結している(図4〜図6参照)。図13に示す如く、ミッションケース17の内部には、油圧無段変速機500、前後進切換機構501、走行変速ギヤ機構502,503,504及び後輪用差動ギヤ機構506などを配置している。エンジン5の回転動力は、主動軸27及び動力伝達軸29を経由してミッションケース17の主変速入力軸28に伝達され、油圧無段変速機500及び走行変速ギヤ機構によって変速され、当該変速動力が後輪用差動ギヤ機構506を介して左右の後車輪4に伝達されるように構成している。
ミッションケース17の前面下部から前向きに突出した前車輪出力軸30には、前車輪駆動軸31を介して、前輪用差動ギヤ機構507を内蔵する前車軸ケース13から後向きに突出した前車輪伝達軸508を連結している。ミッションケース17内の油圧無段変速機500及び走行変速ギヤ機構(二駆四駆切換機構504)による変速動力は、前車輪出力軸30、前車輪駆動軸31及び前車輪伝達軸508から前車軸ケース13内の前輪用差動ギヤ機構507を経由して、左右の前車輪3に伝達されるように構成している。
次に、図3、図7及び図8等を参照しながら、キャビン7内部の構造を説明する。キャビン7内における操縦座席8の前方にステアリングコラム32を配置している。ステアリングコラム32は、キャビン7内部の前面側に配置したダッシュボード33の背面側に立設している。ステアリングコラム32上面から上向きに突出したハンドル軸の上端側に、平面視略丸型の操縦ハンドル9を取付けている。
ステアリングコラム32の右側下方側には、走行機体2を制動操作するための左右一対のブレーキペダル35を配置している。ステアリングコラム32の左側上方側には、走行機体2の進行方向を前進と後進とに切り換え操作するための前後進切換レバー36(リバーサレバー)を配置している。ステアリングコラム32の左側下方側には、油圧無段変速機500の出力(前進低速油圧クラッチ537、前進高速油圧クラッチ539、後進油圧クラッチ541)を遮断操作するためのクラッチペダル37を配置している。なお、クラッチペダル37の足踏み操作にてマスター制御電磁弁635がオン操作され、油圧無段変速機500の前進出力または後進出力が切断される(図14参照)。
ステアリングコラム32の左側で前後進切換レバー36の下方には、前後進切換レバー36に沿って延びる誤操作防止体38(リバーサガード)を配置している。接触防止具である誤操作防止体38を前後進切換レバー36よりも外側方に突出させることによって、トラクタ1に乗降する際に、オペレータが前後進切換レバー36に不用意に接触するのを防止している。ダッシュボード33の背面上部側には、液晶パネルを内蔵した操作表示盤39を設けている。
キャビン7内にある操縦座席8前方の床板40においてステアリングコラム32の右側には、エンジン5の回転速度または車速などを制御するアクセルペダル41を配置している。なお、床板40上面の略全体は平坦面に形成している。操縦座席8を挟んで左右両側には左右のサイドコラム42を配置している。操縦座席8と左サイドコラム42との間には、左右の後車輪4を制動状態に維持する駐車ブレーキレバー43と、トラクタ1の前進走行速度(車速)を強制的に大幅に低減させる超低速レバー44(クリープ作業レバー)と、ミッションケース17内の走行副変速ギヤ機構503の出力範囲を切換える副変速レバー45と、PTO軸25の駆動速度を切換操作するPTO変速レバー46を配置している。操縦座席8の下方には、左右の後車輪4の差動駆動をオンオフするためのデフロックペダル47を配置している。操縦座席8の後方左側には、PTO軸25を逆転駆動させる操作を実行する逆転PTOレバー48を配置している(図10参照)。
操縦座席8と右サイドコラム42との間には、操縦座席8に着座したオペレータの腕や肘を載せるためのアームレスト49を設けている。アームレスト49は、トラクタ1の走行速度を増減速させる主変速レバー50と、ロータリ耕耘機などの対地作業機の高さ位置を手動で変更調節するダイヤル式の作業部ポジションダイヤル51(昇降ダイヤル)とを備えている。なお、アームレスト49は、後端下部を支点として複数段階に跳ね上げ回動可能な構成になっている。
右サイドコラム42には、前側から順に、エンジン5の回転速度を設定保持するスロットルレバー52と、PTO軸25からロータリ耕耘機等の作業機への動力伝達を継断操作するPTOクラッチスイッチ53と、ミッションケース17の上面側に配置する油圧外部取出バルブ430(図14参照)を切換操作するための複数の油圧操作レバー54(SCVレバー)とを配置している。ここで、油圧外部取出バルブ430は、トラクタ1に後付けされるフロントローダ等の作業機の油圧機器に作動油を供給制御するためのものである。実施形態では、油圧外部取出バルブの数(4連)に合わせて、油圧操作レバー54を4つ配置している。
さらに、図9〜図12などに示す如く、キャビン7の前側を支持する左右の前部支持台96と、キャビン7の後部を支持する左右の後部支持台97を備える。左右の機体フレーム15の機外側面のうち前後中間部に前部支持台96をボルト締結させ、前部支持台96の上面側に防振ゴム体98を介してキャビン7の前側底部を防振支持すると共に、左右方向に水平に延設させる左右の後車軸ケース19の上面のうち左右幅中間部に後部支持台97をボルト締結させ、後部支持台97の上面側に防振ゴム体99を介してキャビン7の後側底部を防振支持している。即ち、ディーゼルエンジン5とキャビン7は、走行機体2(一体的に連結されたエンジンフレーム14と機体フレーム15と後車軸ケース19)に、複数の前記防振ゴム体を介して防振支持される。また、図4及び図5などに示す如く、後車軸ケース19の上面側に後部支持台97を配置し、後車軸ケース19の下面側に振れ止めブラケット101を配置し、後部支持台97と振れ止めブラケット101をボルト締結すると共に、前後方向に延設したロワーリンク23の中間部と振れ止めブラケット101とに、伸縮調節可能なターンバックル付き振れ止めロッド体103の両端部を連結し、ロワーリンク23の左右方向の揺振を防止している。
次に、図4〜図8などを参照して、ボンネット6下のディーゼルエンジン5とエンジンルーム構造について説明する。ディーゼルエンジン5は、エンジン出力軸とピストンとを内蔵するシリンダブロック上にシリンダヘッドを搭載しており、ディーゼルエンジン5(シリンダヘッド)右側面には、エアクリーナ221にターボ過給機211を介して接続させる吸気マニホールド203と、排気マニホールド204からの排気ガスの一部を再循環させるEGR装置210を配置し、排気マニホールド204に排出された排気ガスの一部が、吸気マニホールド203に還流することによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が低下し、ディーゼルエンジン5からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減するように構成している。一方、ディーゼルエンジン5(シリンダヘッド)左側面に、テールパイプ229に接続させる排気マニホールド204と、ターボ過給機211を配置する。即ち、エンジン5においてエンジン出力軸に沿う左右側面に、吸気マニホールド203と排気マニホールド204とを振分け配置する。ディーゼルエンジン5(シリンダブロック)前面側に冷却ファン206を配置する。
加えて、図4〜図8などに示す如く、ディーゼルエンジン5は、ディーゼルエンジン5の上面側(排気マニホールド204上方)に配置する連続再生式の排気ガス浄化装置224(DPF)を備え、排気ガス浄化装置224の排気側にテールパイプ229を接続している。排気ガス浄化装置224によって、エンジン5からテールパイプ229を介して機外に排出される排気ガス中の粒子状物質(PM)が除去されると共に、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が低減されるように構成している。
さらに、図1〜図3などに示す如く、ボンネット6は、前部下側にフロントグリル231を有し、エンジンルーム200の上面側と前面側を覆う。ボンネット6の左右下側に、多孔板で形成した側部エンジンカバー232を配置して、エンジンルーム200左右側方を覆っている。すなわち、ボンネット6及びエンジンカバー232によって、ディーゼルエンジン5の前方、上方及び左右を覆っている。
また、図4〜図8に示すように、ファンシュラウド234を背面側に取り付けたラジエータ235を、エンジン5の前面側に位置するようにエンジンフレーム14上に立設している。ファンシュラウド234は冷却ファン206の外周側を囲っていて、ラジエータ235と冷却ファン206とを連通させている。ラジエータ235前面の上方位置にエアクリーナ221を配置している。なお、ラジエータ235前面側には、上記のインタークーラ他、オイルクーラや燃料クーラなどが設置される。
一方、図9〜図12などに示す如く、左右一対の機体フレーム15は、支持用梁フレーム236によって連結されている。支持用梁フレーム236は、左右の機体フレーム15それぞれとボルト締結して、左右の機体フレーム15の前端部(エンジン5後面側)に架設しており、防振ゴム体を有する後部機関脚体237を介して、支持用梁フレーム236上面にディーゼルエンジン5の後部を連結する。なお、図1、図2、図4、図5、図11及び図12に示すように、左右一対のエンジンフレーム14の中途部に、防振ゴム体を有する左右の前部機関脚体238を介して、ディーゼルエンジン5前部の左右側面を連結している。即ち、エンジンフレーム14にディーゼルエンジン5前側を防振支持させると共に、左右一対の機体フレーム15の前端側に支持用梁フレーム236を介してディーゼルエンジン5の後部を防振支持させている。
次に、図4〜図12を参照して、ミッションケース17、油圧式昇降機構22及び3点リンク機構111の取付け構造について説明する。前記ミッションケース17は、主変速入力軸28等を有する前部変速ケース112と、後車軸ケース19などを有する後部変速ケース113と、前部変速ケース112の後側に後部変速ケース113の前側を連結させる中間ケース114を備えている。中間ケース114の左右側面に左右の上下機体連結軸体115,116を介して左右の機体フレーム15の後端部を連結する。即ち、2本の上機体連結軸体115と、2本の下機体連結軸体116にて、中間ケース114の左右両側面に左右の機体フレーム15の後端部を連結させ、機体フレーム15とミッションケース17を一体的に連設して、走行機体2の後部を構成すると共に、左右の機体フレーム15の間に前部変速ケース112または動力伝達軸29などを配置して、前部変速ケース112などを保護するように構成している。左右の後車軸ケース19は、後部変速ケース113の左右両側に外向きに突出するように取り付けている。実施形態では、中間ケース114及び後部変速ケース113を高剛性の鋳鉄製にする一方、前部変速ケース112を軽量かつ加工性良好なアルミダイキャスト製にしている。
上記の構成によると、ミッションケース17を、前部変速ケース112、中間ケース114及び後部変速ケース113の三者に分割して構成しているから、各ケース112〜114に軸やギヤ等の部品を予め組み込んでから、前部変速ケース112、中間ケース114及び後部変速ケース113の三者を組み立てできる。従って、ミッションケース17の組み立てを正確に且つ能率よく行える。
また、左右の後車軸ケース19を後部変速ケース113の左右両側に取付け、走行機体2を構成する左右の機体フレーム15に、前部変速ケース112と後部変速ケース113とをつなぐ高剛性構造の中間ケース114を連結しているから、例えば中間ケース114及び後部変速ケース113を機体フレーム15に取付けた状態で、前部変速ケース112だけを取外して、油圧無段変速機500などが内設された前部変速ケース112内部の軸やギヤの交換などのメンテナンスまたは修理作業を実行できる。従って、ミッションケース17全体をトラクタ1から取外す分解作業の頻度を格段に低くでき、メンテナンス時や修理時の作業性の向上を図れる。
更に、中間ケース114及び後部変速ケース113を鋳鉄製にする一方、前部変速ケース112をアルミダイキャスト製にしているから、機体フレーム15に連結される中間ケース114と、左右の後車軸ケース19が連結される後部変速ケース113とを、走行機体2を構成する強度メンバーとして高剛性に構成できる。その上で強度メンバーではない前部変速ケース112を軽量化できる。従って、走行機体2の剛性を十分に確保しつつ、ミッションケース17全体としての軽量化を図れる。
一方、図4〜図12に示すように、油圧式昇降機構22は、作業部ポジションダイヤル51等の操作にて作動制御する左右の油圧リフトシリンダ117と、ミッションケース17のうち後部変速ケース113上面側に設ける開閉可能な上面蓋体118にリフト支点軸119を介して基端側を回動可能に軸支する左右のリフトアーム120と、左右のロワーリンク23に左右のリフトアーム120を連結させる左右のリフトロッド121を有している。右のリフトロッド121の一部を油圧制御用の水平シリンダ122にて形成し、右のリフトロッド121の長さを水平シリンダ122にて伸縮調節可能に構成している。
なお、図7、図8及び図10などに示す如く、上面蓋体118の背面側にトップリンクヒンジ123を固着し、トップリンクヒンジ123にヒンジピンを介してトップリンク24を連結する。トップリンク24と左右のロワーリンク23に対地作業機を支持した状態下で、水平シリンダ122のピストンを伸縮させて、右のリフトロッド121の長さを変更した場合、前記対地作業機の左右傾斜角度が変化するように構成している。
次に、図13〜図24を参照しながら、ミッションケース17の内部構造及びトラクタ1の動力伝達系統について説明する。ミッションケース17は、主変速入力軸28等を有する前部変速ケース112と、後車軸ケース19等を有する後部変速ケース113と、前部変速ケース112の後側に後部変速ケース113の前側を連結させる中間ケース114を備えている。ミッションケース17は全体として中空箱形に形成されている。
ミッションケース17の前面、すなわち前部変速ケース112の前面に前蓋部材491を配置している。前蓋部材491は前部変速ケース112の前面に複数のボルトで着脱可能に締結している。ミッションケース17の後面、すなわち後部変速ケース113の後面に後蓋部材492を配置している。後蓋部材492は後部変速ケースの後面に複数のボルトで着脱可能に締結している。中間ケース114内の前面側には、前部変速ケース112と中間ケース114との間を仕切る中間仕切り壁493を一体的に形成している。後部変速ケース113の前後中途部には、後部変速ケース113内を前後に仕切る後部仕切り壁494を一体的に形成している。
従って、ミッションケース17内部は、中間及び後部仕切り壁493,494によって、前室495、後室496及び中間室497の三つの室に区画されている。ミッションケース17内部のうち前蓋部材491と中間仕切り壁493との間の空間(前部変速ケース112内部)が前室495となっている。後蓋部材492と後部仕切り壁494との間(後部変速ケース113後側の内部)が後室496となっている。中間仕切り壁493と後部仕切り壁494との間の空間(中間ケース114及び後部変速ケース113前側の内部)が中間室497となっている。なお、前室495、中間室497及び後室496は、各室495〜497内の作動油(潤滑油)が相互に移動し得るように各仕切り壁493,494の一部を切り欠いて連通している。
ミッションケース17の前室495内(前部変速ケース112内)には、油圧無段変速機500と、後述する前後進切換機構501を経由した回転動力を変速する機械式のクリープ変速ギヤ機構502及び走行副変速ギヤ機構503と、前後車輪3,4の二駆と四駆とを切り換える二駆四駆切換機構504とを配置している。ミッションケース17の中間室497内(中間ケース114及び後部変速ケース113前側の内部)には、油圧無段変速機500からの回転動力を正転又は逆転方向に切り換える前後進切換機構501を配置している。エンジン5からの回転動力を適宜変速してPTO軸25に伝達するPTO変速機構505と、クリープ変速ギヤ機構502又は走行副変速ギヤ機構503を経由した回転動力を左右の後車輪4に伝達する後輪用差動ギヤ機構506とを配置している。クリープ変速ギヤ機構502及び走行副変速ギヤ機構503は、前後進切換機構501経由の変速出力を多段変速する走行変速ギヤ機構に相当するものである。後部変速ケース113の左外面前部には、エンジン5の回転動力で駆動する作業機用油圧ポンプ481及び走行用油圧ポンプ482を収容したポンプケース480を取付けている。
図4〜図6に示すように、エンジン5の後側面から後向きに突設するエンジン5の出力軸(クランク軸)にはフライホイル26を連結している。フライホイル26から後ろ向きに突出した主動軸27に、両端に自在軸継手を有する動力伝達軸29を介して、ミッションケース17前面(前蓋部材491)側から前向きに突出した主変速入力軸28を連結している。エンジン5の回転動力は、主動軸27及び動力伝達軸29を経由してミッションケース17(前部変速ケース112)の主変速入力軸28に伝達され、油圧無段変速機500とクリープ変速ギヤ機構502又は走行副変速ギヤ機構503とによって変速されてから、後輪用差動ギヤ機構506に伝達され、左右の後車輪4を駆動させる。クリープ変速ギヤ機構502又は走行副変速ギヤ機構503を経由した変速動力は、二駆四駆切換機構504から前車輪出力軸30、前車輪駆動軸31及び前車輪伝達軸508を介して、前車軸ケース13内の前輪用差動ギヤ機構507に伝達され、左右の前車輪3を駆動するように構成している。
前蓋部材491から前向きに突出した主変速入力軸28は、前部変速ケース112から中間ケース114(前室495から中間室497)にわたって前後方向に延びている。主変速入力軸28の前後中途部は中間仕切り壁493に回転可能に軸支している。主変速入力軸28の後端側は、後部仕切り壁494の前面側(中間室497側)に着脱可能に締結した中間補助プレート498に回転可能に軸支している。中間補助プレート498と後部仕切り壁494とは、両者498,494の間に前後方向の隙間が空くように配置している。前部変速ケース112から中間ケース114にわたって(前室495から中間室497にわたって)は、主変速入力軸28から動力伝達される入力伝達軸511を主変速入力軸28と平行状に配置している。前部変速ケース112内(前室495内)には、入力伝達軸511を介して油圧無段変速機500を配置している。油圧無段変速機500の前部側は、前部変速ケース112の前面開口部を着脱可能に塞ぐ前蓋部材491の内面側に取り付けている。入力伝達軸511の後端側は中間補助プレート498と後部仕切り壁494とに回転可能に軸支している。
前室495内にある油圧無段変速機500は、入力伝達軸511に主変速出力軸512を同心状に配置したインライン式のものである。入力伝達軸511のうち中間室497内の箇所に、円筒形の主変速出力軸512を被嵌している。主変速出力軸512の前端側は中間仕切り壁493を貫通していて、中間仕切り壁493に回転可能に軸支している。主変速出力軸512の後端側は中間補助プレート498に回転可能に軸支している。従って、入力伝達軸511の入力側である後端側の方が主変速出力軸512の後端よりも後方に突出している。主変速入力軸28の後端側(中間補助プレート498と後部仕切り壁494との間)には主変速入力ギヤ513を相対回転不能に被嵌している。入力伝達軸511の後端側(中間補助プレート498と後部仕切り壁494との間)には、主変速入力ギヤ513に常時噛み合う入力伝達ギヤ514を固着している。従って、主変速入力軸28の回転動力は、主変速入力ギヤ513、入力伝達ギヤ514及び入力伝達軸511を介して油圧無段変速機500に伝達される。主変速出力軸512には、走行出力用として、主変速高速ギヤ516、主変速逆転ギヤ517及び主変速低速ギヤ515を相対回転不能に被嵌している。
油圧無段変速機500は、可変容量形の油圧ポンプ部521と、当該油圧ポンプ部521から吐出する高圧の作動油によって作動する定容量形の油圧モータ部522とを備えている。油圧ポンプ部521には、入力伝達軸511の軸線に対して傾斜角を変更可能して作動油供給量を調節するポンプ斜板523を設けている。ポンプ斜板523には、入力伝達軸511の軸線に対するポンプ斜板523の傾斜角を変更調節する主変速油圧シリンダ524を連動連結している。実施形態では、油圧無段変速機500の前部が支持される前蓋部材491の内側に主変速油圧シリンダ524を組付けていて、前蓋部材491と油圧無段変速機500を一つの部材としてユニット化している。主変速油圧シリンダ524の駆動でポンプ斜板523の傾斜角を変更することによって、油圧ポンプ部521から油圧モータ部522に供給される作動油量を変更調節し、油圧無段変速機500の主変速動作が行われる。
すなわち、主変速レバー50の操作量に比例して主変速油圧シリンダ524を駆動させると、これに伴い入力伝達軸511の軸線に対するポンプ斜板523の傾斜角が変更される。実施形態のポンプ斜板523は、傾斜角度略零(零を含むその前後)の中立角度を挟んで、一方(正転)の最大傾斜角度と他方(逆転)の最大傾斜角度との間の範囲で角度調節可能であり、且つ、走行機体2の車速が最低のときに、逆転の最大付近の斜板傾斜角度に設定して停止状態にする一方、走行機体2の車速が中速のときに、斜板角度略零付近の傾斜角度に設定すると共に、走行機体2の車速が最高のときに、正転の最大付近の斜板傾斜角度に設定している。なお、走行機体2の車速が最低付近(逆転の最大付近の斜板傾斜角度)のときに、走行機体2の発進力、または低速走行力を容易に確保できる。
ポンプ斜板523の傾斜角が略零(中立角度)のときは、油圧ポンプ部521では油圧モータ部522が駆動されず、入力伝達軸511と略同一回転速度にて主変速出力軸512が回転する。入力伝達軸511の軸線に対してポンプ斜板523を一方向(正の傾斜角)側に傾斜させたときは、油圧ポンプ部521が油圧モータ部522を増速作動させ、入力伝達軸511より速い回転速度で主変速出力軸512が回転する。このため、入力伝達軸511の回転速度に油圧モータ部522の回転速度が加算されて、主変速出力軸512に伝達される。その結果、入力伝達軸511の回転速度より高い回転速度の範囲で、ポンプ斜板523の傾斜角(正の傾斜角)に比例して、主変速出力軸512からの変速動力(車速)が変更される。ポンプ斜板523が正で且つ最大付近の傾斜角度のときに、走行機体2は最高車速になる。
入力伝達軸511の軸線に対してポンプ斜板523を他方向(負の傾斜角)側に傾斜させたときは、油圧ポンプ部521が油圧モータ部522を減速(逆転)作動させ、入力伝達軸511より低い回転速度で主変速出力軸512が回転する。このため、入力伝達軸511の回転速度から油圧モータ部522の回転速度が減算されて、主変速出力軸512に伝達される。その結果、入力伝達軸511の回転速度より低い回転速度の範囲で、ポンプ斜板523の傾斜角(負の傾斜角)に比例して、主変速出力軸512からの変速動力が変更される。ポンプ斜板523が負で且つ最大付近の傾斜角度のときに、走行機体2は最低車速になる。
なお、作業機用及び走行用油圧ポンプ481,482の両者を駆動させるポンプ駆動軸483には、ポンプ駆動ギヤ484を相対回転不能に被嵌している。ポンプ駆動ギヤ484は、平ギヤ機構485を介して、主変速入力軸28の主変速入力ギヤ513を動力伝達可能に連結している。また、中間補助プレート498と後部仕切り壁494との間には、油圧無段変速機500や前後進切換機構501等に潤滑用の作動油を供給する潤滑油ポンプ518を配置している。潤滑油ポンプ518のポンプ軸519に固着したポンプギヤ520は入力伝達軸511の入力伝達ギヤ514に常時噛み合っている。従って、作業機用及び走行用油圧ポンプ481,482と潤滑油ポンプ518とは、エンジン5の回転動力によって駆動する。
次に、前後進切換機構501を介して実行する前進と後進との切換構造について説明する。主変速入力軸28のうち中間室497内の箇所(主変速入力軸28の後部側)に、前進高速ギヤ機構である遊星歯車機構526と、前進低速ギヤ機構である低速ギヤ対525とを配置している。遊星歯車機構526は、主変速入力軸28に回転可能に軸支した入力側伝動ギヤ529と一体的に回転するサンギヤ531、複数の遊星ギヤ533を同一半径上に回転可能に軸支したキャリア532、並びに内周面に内歯を有するリングギヤ534を備えている。サンギヤ531及びリングギヤ534は主変速入力軸28に回転可能に被嵌している。キャリア532は主変速入力軸28に相対回転不能に被嵌している。サンギヤ531はキャリア532の各遊星ギヤ533と半径内側から噛み合っている。また、リングギヤ534の内歯は各遊星ギヤ533と半径外側から噛み合っている。主変速入力軸28には、リングギヤ534と一体回転する出力側伝動ギヤ530も回転可能に軸支している。低速ギヤ対525を構成する入力側低速ギヤ527と出力側低速ギヤ528とは一体構造になっていて、主変速入力軸28のうち遊星歯車機構526と主変速入力ギヤ513との間に回転可能に軸支している。
ミッションケース17の中間室497内(中間ケース114及び後部変速ケース113前側の内部)には、主変速入力軸28、入力伝達軸511及び主変速出力軸512と平行状に延びる走行中継軸535並びに走行伝動軸536を配置している。走行中継軸535の前端側は中間仕切り壁493に回転可能に軸支している。走行中継軸535の後端側は中間補助プレート498に回転可能に軸支している。走行伝動軸536の前端側は中間仕切り壁493に回転可能に軸支している。走行伝動軸536の後端側は中間補助プレート498に回転可能に軸支している。
走行中継軸535に前後進切換機構501を設けている。すなわち、走行中継軸535には、湿式多板型の前進高速油圧クラッチ539で連結される前進高速ギヤ540と、湿式多板型の後進油圧クラッチ541で連結される後進ギヤ542と、湿式多板型の前進低速油圧クラッチ537で連結される前進低速ギヤ538とを被嵌している。走行中継軸535のうち前進高速油圧クラッチ539と後進ギヤ542との間には、走行中継ギヤ543を相対回転不能に被嵌している。走行伝動軸536には、走行中継ギヤ543と常時噛み合う走行伝動ギヤ544を相対回転不能に被嵌している。主変速出力軸512の主変速低速ギヤ515が主変速入力軸28側にある低速ギヤ対525の入力側低速ギヤ527と常時噛み合い、出力側低速ギヤ528が前進低速ギヤ538と常時噛み合っている。主変速出力軸512の主変速高速ギヤ516が主変速入力軸28側にある遊星歯車機構526の入力側伝動ギヤ529と常時噛み合い、出力側伝動ギヤ530が前進高速ギヤ540と常時噛み合っている。主変速出力軸512の主変速逆転ギヤ517が後進ギヤ542と常時噛み合っている。
前後進切換レバー36を前進側に操作すると、前進低速油圧クラッチ537又は前進高速油圧クラッチ539が動力接続状態となり、前進低速ギヤ538又は前進高速ギヤ540と走行中継軸535とが相対回転不能に連結される。その結果、主変速出力軸512から低速ギヤ対525又は遊星歯車機構526を介して走行中継軸535に、前進低速又は前進高速の回転動力が伝達され、走行中継軸535から走行伝動軸536に動力伝達される。前後進切換レバー36を後進側に操作すると、後進油圧クラッチ541が動力接続状態となり、後進ギヤ542と走行中継軸535とが相対回転不能に連結される。その結果、主変速出力軸512から低速ギヤ対525又は遊星歯車機構526を介して走行中継軸535に、後進の回転動力が伝達され、走行中継軸535から走行伝動軸536に動力伝達される。
なお、前後進切換レバー36の前進側操作によって、前進低速油圧クラッチ537及び前進高速油圧クラッチ539のどちらが動力接続状態になるかは、主変速レバー50の操作量に応じて決定される。また、前後進切換レバー36が中立位置のときは、全ての油圧クラッチ537,539,541がいずれも動力切断状態となり、主変速出力軸512からの走行駆動力が略零(主クラッチ切りの状態)になる。
次に、走行変速ギヤ機構であるクリープ変速ギヤ機構502及び走行副変速ギヤ機構503を介して実行する超低速と低速と高速との切換構造について説明する。ミッションケースの前室495内(前部変速ケース112内)には、前後進切換機構501を経由した回転動力を変速する機械式のクリープ変速ギヤ機構502及び走行副変速ギヤ機構503を配置している。この場合、前室495内(前部変速ケース112内)に、走行伝動軸536と同軸状に延びる走行カウンタ軸545を配置している。また、前部変速ケース112から後部変速ケース113にわたって(前室495から中間室497を介して後室496にわたって)は、走行カウンタ軸545と平行状に延びる副変速軸546を配置している。走行カウンタ軸545の前端側は前蓋部材491に回転可能に軸支している。走行カウンタ軸545の後端側は中間仕切り壁493に回転可能に支持させている。副変速軸546の前端側は前蓋部材491に回転可能に軸支している。副変速軸546の前後中途部は中間仕切り壁493に回転可能に軸支している。副変速軸546の後端側は中間補助プレート498及び後部仕切り壁494に回転可能に軸支している。
走行カウンタ軸545の後部側には伝達ギヤ547とクリープギヤ548とを設けている。伝達ギヤ547は、走行カウンタ軸545に回転可能に被嵌すると共に、走行伝動軸536に一体回転するように連結した状態で中間仕切り壁493に回動可能に軸支している。クリープギヤ548は走行カウンタ軸545に相対回転不能に被嵌している。走行カウンタ軸545のうち伝達ギヤ547とクリープギヤ548との間には、クリープシフタ549を相対回転不能で且つ軸線方向にスライド可能にスプライン嵌合させている。超低速レバー44を入り切り操作することによって、クリープシフタ549がスライド移動して、伝達ギヤ547及びクリープギヤ548が走行カウンタ軸545に択一的に連結される。副変速軸546のうち前室495(前部変速ケース112)内の箇所には、減速ギヤ対550を回転可能に被嵌している。減速ギヤ対550を構成する入力側減速ギヤ551と出力側減速ギヤ552とは一体構造になっていて、走行カウンタ軸545の伝達ギヤ547が副変速軸546の入力側減速ギヤ551に常時噛み合い、クリープギヤ548が出力側減速ギヤ552に常時噛み合っている。
走行カウンタ軸545の前部側には低速中継ギヤ553と高速中継ギヤ554とを設けている。低速中継ギヤ553は走行カウンタ軸545に固着している。高速中継ギヤ554は走行カウンタ軸545に相対回転不能に被嵌している。副変速軸546のうち減速ギヤ対550よりも前部側には、低速中継ギヤ553に噛み合う低速ギヤ555と、高速中継ギヤ554に噛み合う高速ギヤ556とを回転可能に被嵌している。副変速軸546のうち低速ギヤ555と高速ギヤ556との間には、副変速シフタ557を相対回転不能で且つ軸線方向にスライド可能にスプライン嵌合させている。副変速レバー45を操作することによって、副変速シフタ557がスライド移動して、低速ギヤ555及び高速ギヤ556が副変速軸546に択一的に連結される。
実施形態では、超低速レバー44を入り操作すると共に副変速レバー45を低速側に操作すると、クリープギヤ548が走行カウンタ軸545に相対回転不能に連結されると共に、低速ギヤ555が副変速軸546に相対回転不能に連結され、走行伝動軸536から走行カウンタ軸545及び副変速軸546を経て、超低速の走行駆動力が前車輪3や後車輪4に向けて出力される。なお、超低速レバー44と副変速レバー45とは牽制機構(図示省略)を介して連動連結していて、超低速レバー44を入り操作した状態では副変速レバー45を高速側に操作できないように構成している。
超低速レバー44を切り操作すると共に副変速レバー45を低速側に操作すると、伝達ギヤ547が走行カウンタ軸545に相対回転不能に連結されると共に、低速ギヤ555が副変速軸546に相対回転不能に連結され、走行伝動軸536から走行カウンタ軸545及び副変速軸546を経て、低速の走行駆動力が前車輪3や後車輪4に向けて出力される。超低速レバー44を切り操作すると共に副変速レバー45を高速側に操作すると、伝達ギヤ547が走行カウンタ軸545に相対回転不能に連結されると共に、高速ギヤ556が副変速軸546に相対回転不能に連結され、走行伝動軸536から走行カウンタ軸545及び副変速軸546を経て、高速の走行駆動力が前車輪3や後車輪4に向けて出力される。
副変速軸546の後端側は後部仕切り壁494を貫通して後室496内部にまで延びている。副変速軸546の後端部にはピニオン558を設けている。また、後室496内(後部変速ケース113後側の内部)には、左右の後車輪4に走行駆動力を伝達する後輪用差動ギヤ機構506を配置している。後輪用差動ギヤ機構506には、副変速軸546のピニオン558に噛み合うリングギヤ559と、リングギヤ559に設けた差動ギヤケース560と、左右方向に延びる一対の差動出力軸561とを備えている。差動出力軸561がファイナルギヤ562等を介して後車軸20に連結している。後車軸20の先端側に後車輪4を取付けている。
左右の差動出力軸561にはブレーキ機構563をそれぞれ配置している。ブレーキ機構563は、ブレーキペダル35の操作と自動制御という2つの系統によって、左右の後車輪4にブレーキを掛けるものである。すなわち、各ブレーキ機構563は、左右いずれかまたは両方のブレーキペダル35の踏込み操作によって、対応する左右いずれかまたは両方の差動出力軸561にブレーキが掛かり、対応する左右いずれかまたは両方の後車輪4を制動するように構成している。操縦ハンドル9の操舵角が所定角度以上になれば、旋回内側の後車輪4に対するオートブレーキ電磁弁631(図14参照)の切換作動によってブレーキシリンダ630(図14参照)が作動し、旋回内側の後車輪4に対するブレーキ機構563が自動的に制動作動するように構成している(いわゆるオートブレーキ動作が働く)。このため、トラクタ1はUターン(圃場の枕地での方向転換)等の小回り旋回走行を簡単に実行できる。
なお、後輪用差動ギヤ機構506には、左右後車輪4の差動を停止(左右の差動出力軸561を常時等速で駆動)させるデフロック機構585を設けている。デフロックペダル47の踏込み操作によって、デフロック機構585を構成するデフロックピン(図示省略)を差動ギヤケース560の差動ギヤに係合させると、差動ギヤが差動ギヤケース560に固定され、差動ギヤの差動機能が停止し、左右の差動出力軸561(左右後車輪4)が等速で駆動する。
次に、二駆四駆切換機構504を介して実行する前後車輪3,4の二駆と四駆との切換構造について説明する。ミッションケースの前室495(前部変速ケース112)内には二駆四駆切換機構504を配置している。この場合、前室495内(前部変速ケース112内)に、走行カウンタ軸545や副変速軸546と平行状に延びる前車輪入力軸568及び前車輪出力軸30を配置している。副変速軸546の前端側に相対回転不能に被嵌した主動ギヤ569に、前車輪入力軸568に相対回転不能に被嵌した従動ギヤ570を常時噛合させている。前車輪入力軸568には、倍速中継ギヤ571と四駆中継ギヤ572とを、従動ギヤ570を挟んだ前後両側に振分けて相対回転不能に被嵌している。
前車輪出力軸30に二駆四駆切換機構504を設けている。即ち、前車輪出力軸30には、湿式多板型の倍速油圧クラッチ573で連結される倍速ギヤ574と、湿式多板型の四駆油圧クラッチ575で連結される四駆ギヤ576とを被嵌している。前車輪入力軸568の倍速中継ギヤ571が前車輪出力軸30の倍速ギヤ574と常時噛み合い、四駆中継ギヤ572が四駆ギヤ576と噛み合っている。
駆動切換スイッチ又は駆動切換レバー(図示省略)を四駆側に操作すると、四駆油圧クラッチ575が動力接続状態となり、前車輪出力軸30と四駆ギヤ576とが相対回転不能に連結される。そして、副変速軸546から前車輪入力軸568及び四駆ギヤ576を経由して前車輪出力軸30に回転動力が伝達される結果、トラクタ1は後車輪4と共に前車輪3が駆動する四輪駆動状態になる。また、操縦ハンドル9をUターン操作等して操舵角が所定角度以上になると、倍速油圧クラッチ573が自動的に動力接続状態となり、前車輪出力軸30と倍速ギヤ574とが相対回転不能に連結される。そして、副変速軸546から前車輪入力軸568及び倍速ギヤ574を経由して前車輪出力軸30に回転動力が伝達される結果、四駆ギヤ576経由の回転動力による前車輪3の回転速度に比べて約二倍の高速度で、前車輪3が駆動する。
前車軸ケース13から後ろ向きに突出する前車輪伝達軸508と、前記ミッションケース17(前蓋部材491)の前面下部から前向きに突出する前車輪出力軸30とを、前車輪3に動力を伝達する前車輪駆動軸31によって連結している。前車軸ケース13内には、左右の前車輪3に走行駆動力を伝達する前輪用差動ギヤ機構507を配置している。前輪用差動ギヤ機構507には、前車輪伝達軸508前端側に設けたピニオン577に噛み合うリングギヤ578と、リングギヤ578に設けた差動ギヤケース579と、左右方向に延びる一対の差動出力軸580とを備えている。差動出力軸580がファイナルギヤ581等を介して前車軸16に連結している。前車軸16の先端側に前車輪3を取り付けている。なお、前車軸ケース13の外側面には、操縦ハンドル9の操舵操作によって前車輪3の走行方向を左右に変更するパワーステアリング用の操舵油圧シリンダ622(図14参照)を設けている。
次に、PTO変速機構505を介して実行するPTO軸25の駆動速度の切換構造(正転3段及び逆転1段)について説明する。ミッションケース17の後室496内(後部変速ケース113後側の内部)には、エンジン5からの動力をPTO軸25に伝達するPTO変速機構505を配置している。この場合、主変速入力軸28の後端側に、動力伝達継断用のPTO油圧クラッチ590を介して、主変速入力軸28と同軸状に延びるPTO入力軸591を連結している。PTO入力軸591は後室496内に配置している。後室496内には、PTO入力軸591と平行状に延びるPTO変速軸592、PTOカウンタ軸593及びPTO軸25を配置している。PTO軸25は後蓋部材492から後方に突出している。PTOクラッチスイッチ53を動力接続操作すると、PTO油圧クラッチ590が動力接続状態となり、主変速入力軸28とPTO入力軸591とが相対回転不能に連結される。その結果、主変速入力軸28からPTO入力軸591に向けて回転動力が伝達される。
PTO入力軸591には、前側から順に、中速入力ギヤ597、低速入力ギヤ595、高速入力ギヤ596及び逆転シフタギヤ598を設けている。中速入力ギヤ597、低速入力ギヤ595及び高速入力ギヤ596は、PTO入力軸591に相対回転不能に被嵌している。逆転シフタギヤ598は、PTO入力軸591に相対回転不能で且つ軸線方向にスライド可能にスプライン嵌合している。
一方、PTO変速軸592には、中速入力ギヤ597に噛み合うPTO中速ギヤ601、低速入力ギヤ595に噛み合うPTO低速ギヤ599、及び高速入力ギヤ596に噛み合うPTO高速ギヤ600を回転可能に被嵌している。PTO変速軸592には、前後一対のPTO変速シフタ602,603を相対回転不能で且つ軸線方向にスライド可能にスプライン嵌合している。第一PTO変速シフタ602はPTO中速ギヤ601とPTO低速ギヤ599との間に配置している。第二PTO変速シフタ603はPTO高速ギヤ600よりも後端側に配置している。前後一対のPTO変速シフタ602,603は、PTO変速レバー46の操作に伴い連動して軸線方向にスライド移動するように構成している。PTO変速軸592のうちPTO低速ギヤ599とPTO高速ギヤ600との間にPTO伝動ギヤ604を固着している。
PTOカウンタ軸593には、PTO伝動ギヤ604に噛み合うPTOカウンタギヤ605と、PTO軸25に相対回転不能に被嵌したPTO出力ギヤ608に噛み合うPTO中継ギヤ606と、PTO逆転ギヤ607とを相対回転不能に被嵌している。PTO変速レバー46を中立操作した状態で逆転PTOレバー48を逆転入り操作することによって、逆転シフタギヤ598がスライド移動して、逆転シフタギヤ598とPTOカウンタ軸593のPTO逆転ギヤ607とが噛み合うように構成している。
PTO変速レバー46を変速操作すると、前後一対のPTO変速シフタ602,603がPTO変速軸592に沿ってスライド移動し、PTO低速ギヤ595、PTO中速ギヤ597、及びPTO高速ギヤ596がPTO変速軸592に択一的に連結される。その結果、低速〜高速の各PTO変速出力が、PTO変速軸592からPTO伝動ギヤ604及びPTOカウンタギヤ605を介してPTOカウンタ軸593に伝達され、更に、PTO中継ギヤ607及びPTO出力ギヤ608を介してPTO軸25に伝達される。なお、PTO変速レバー46と逆転PTOレバー48とは牽制機構(図示省略)を介して連動連結していて、PTO変速レバー46を中立以外に変速操作した状態では逆転PTOレバー48を逆転入り操作できないように構成している。
逆転PTOレバー48を逆転入り操作すると、逆転シフタギヤ598がPTO逆転ギヤ607と噛み合い、PTO入力軸591の回転動力が、逆転シフタギヤ598及びPTO逆転ギヤ607を介してPTOカウンタ軸593に伝達される。そして、逆転のPTO変速出力が、PTOカウンタ軸593からPTO中継ギヤ607及びPTO出力ギヤ608を介してPTO軸25に伝達される。
なお、後部変速ケース113内には、中間室497から後室496にわたって、副変速軸546と平行状に延びる前後長手の車速同調軸564を配置している。車速同調軸564の前端側には車速同調入力ギヤ565を相対回転不能に被嵌している。車速同調入力ギヤ565は、副変速軸546のうち中間室497内の箇所に相対回転不能に被嵌した動力分岐ギヤ566と常時噛み合っている。PTO軸25のうちPTO出力ギヤ608よりも前部側に回転可能に被嵌した車速同調出力ギヤ610には、車速同調軸564の後端部に固着した車速同調中継ギヤ609と常時噛み合っている。PTO軸25のうち車速同調出力ギヤ610とPTO出力ギヤ608との間には、車速同調シフタ611を相対回転不能で且つ軸線方向にスライド可能にスプライン嵌合させている。PTO車速同調レバー(図示省略)を入り操作することによって、車速同調シフタ611がスライド移動して、車速同調出力ギヤ610がPTO軸25に連結される。その結果、副変速軸546から車速同調軸564を経由した車速同調出力がPTO軸25に伝達される。
次に、図14を参照しながら、トラクタ1の油圧回路620構造について説明する。トラクタ1の油圧回路620は、エンジン5の回転動力によって駆動する作業機用油圧ポンプ481及び走行用油圧ポンプ482を備えている。実施形態では、ミッションケース17が作業油タンクとして利用されていて、ミッションケース17内の作動油が作業機用油圧ポンプ481及び走行用油圧ポンプ482に供給される。走行用油圧ポンプ482は、パワーステアリング用のコントロール弁機構621を介して操縦ハンドル9によるパワーステアリング用の操舵油圧シリンダ622に接続すると共に、油圧無段変速機500の油圧ポンプ521と油圧モータ522とをつなぐ閉ループ油路623に接続している。エンジン5の駆動中は、走行用油圧ポンプ482からの作動油が閉ループ油路623に常に補充される。
また、走行用油圧ポンプ482は、油圧無段変速機500の主変速油圧シリンダ524に対する主変速油圧切換弁624と、倍速油圧クラッチ573に対する倍速油圧切換弁625と、四駆油圧クラッチ575に対する四駆油圧切換弁626と、PTO油圧クラッチ590に対するPTOクラッチ電磁弁627及びこれによって作動する切換弁628とに接続している。
更に、走行用油圧ポンプ482は、左右一対のオートブレーキ用のブレーキシリンダ630をそれぞれ作動させる切換弁としての左右のオートブレーキ電磁弁631と、前進低速油圧クラッチ537を作動させる前進低速クラッチ電磁弁632と、前進高速油圧クラッチ539を作動させる前進高速クラッチ電磁弁633と、後進油圧クラッチ541を作動させる後進クラッチ電磁弁634と、前記各クラッチ電磁弁への作動油供給を制御するマスター制御電磁弁635とに接続している。
作業機用油圧ポンプ481は、ミッションケース17の上面後部側にある油圧式昇降機構22の上面に積層配置した複数の油圧外部取出バルブ430と、左右後車輪4間のトレッド(車輪間距離)を調節する左右のトレッド調節油圧シリンダ645への作動油供給を制御する左右のトレッド調節電磁弁646と、右リフトロッド121に設けた水平シリンダ122への作動油供給を制御する傾斜制御電磁弁647と、油圧式昇降機構22における油圧リフトシリンダ117への作動油供給を制御する上昇油圧切換弁648及び下降油圧切換弁649と、上昇油圧切換弁648を切換作動させる上昇制御電磁弁650と、下降油圧切換弁649を作動させる下降制御電磁弁651とに接続している。
左右両後輪4をジャッキアップして地面から浮かせた状態で、左右のトレッド調節電磁弁646を切換駆動させると、左右のトレッド調節油圧シリンダ645が伸縮動して左右の後車軸ケース19を左右方向に伸縮動させる(図6、図14参照)。その結果、左右後車輪4間のトレッドが長くなったり短くなったりする。傾斜制御電磁弁647を切換駆動させると、水平シリンダ122が伸縮動して、前部側にあるロワーリンクピンを支点にして右側のロワーリンク23が上下動する。その結果、左右両ロワーリンク23を介して対地作業機が走行機体2に対して左右に傾動し、対地作業機の左右傾斜角度が変化する。上昇制御電磁弁によって上昇油圧切換弁を切換作動させるか又は下降制御電磁弁によって下降油圧切換弁を切換作動させると、油圧リフトシリンダ117が伸縮動し、リフトアーム120及び左右両ロワーリンク23が共に上下動する。その結果、対地作業機が昇降動し、対地作業機の昇降高さ位置が変化する。
トラクタ1の油圧回路620は、前述の作業機用油圧ポンプ481及び走行用油圧ポンプ482以外に、エンジン5の回転動力で駆動する潤滑油ポンプ518も備えている。潤滑油ポンプ518には、PTO油圧クラッチ590の潤滑部に作動油(潤滑油)を供給するPTOクラッチ油圧切換弁641と、油圧無段変速機500を軸支する入力伝達軸511の潤滑部と、前進低速油圧クラッチ537の潤滑部に作動油を供給する前進低速クラッチ油圧切換弁642と、前進高速油圧クラッチ539の潤滑部に作動油を供給する前進高速クラッチ油圧切換弁643と、後進油圧クラッチ541の潤滑部に作動油を供給する後進クラッチ油圧切換弁644とに接続している。なお、油圧回路620には、リリーフ弁や流量調整弁、チェック弁、オイルクーラ、オイルフィルタ等を備えている。
次いで、図15〜図26を参照して、アームレスト49の詳細構造を説明する。操縦座席8の右側には、操縦座席8に着座したオペレータの腕や肘を載せるためのアームレスト49が設けられている。アームレスト49は、操縦座席8とは別体に構成されている。図3、図16、図27などに示す如く、キャビン7のシート床板324に水平回転軸325を介して操縦座席8を水平方向に回転可能に取付ける。操縦座席8の水平回転軸325を中心とする円の接線方向に、前記アームレスト49後部の外側面を傾斜させるものであり、操縦座席8の水平回転軸325を中心とする円周方向に、アームレスト49後部に対向する右サイドコラム42の内側面をカーブさせている。アームレスト49後部に対向する右サイドコラム42の後部内側面カーブ42aと、アームレスト49前部に対向する右サイドコラム42の前部内側面カーブ42bを異なる形状に形成している。
走行系操作手段である主変速レバー50と、作業系操作手段(昇降ダイヤル)である作業部ポジションダイヤル51とを具備する。主変速操作体としての主変速レバー50は、前後傾動操作にて主変速操作可能に設けられている。そして、本実施形態においては、主変速レバー50を前傾操作したとき、走行機体2の車速が増加する一方、主変速レバー50を後傾操作したとき、走行機体2の車速が低下する。作業部ポジションダイヤル51は、ロータリ耕耘機などの作業機の高さ位置を手動にて変更調節するためのダイヤル式のものである。
図15、図16、図24などに示す如く、前記操縦座席8は、オペレータが腰掛ける座板部8aと、オペレータが背中をもたせ掛ける背もたれ部8bを有する。前記操縦座席8を取付けるシートフレーム体321は、座板部8aを載せる座板支持フレーム部322と、背もたれ部8bを支持させる左右の背もたれ支持フレーム部323を有する。キャビン7底部のシート床板324に水平回転軸325を介して座板支持フレーム部322を縦軸回りに回動可能に連結する。座板支持フレーム部322の後部左右側に左右の背もたれ支持フレーム部323の下端側を溶接固定させ、座板支持フレーム部322の後部左右側に左右の背もたれ支持フレーム部323を立設させる。水平回転軸325を中心に前記操縦座席8が左右に向きを変更可能に構成している。
図16、図18、図19、図22、図23などに示す如く、座板支持フレーム部322の後部右側から縦フレーム体327を立設させ、背もたれ支持フレーム部323から横フレーム体328を延設させ、縦フレーム体327と横フレーム体328の連結部のうち、縦フレーム体327側面に2本の前後調節ボルト329と長孔330を介して前後動フレーム体331の前後幅中間を締結固定する。前後方向に移動させて支持位置が調節可能な前後動フレーム体331の後端側にアームレスト支点軸334を設けると共に、前記アームレスト49の一部をアームレストフレーム体332にて形成し、アームレストフレーム体332の後端側に支点軸フレーム体333の上端側を締結固定し、前後動フレーム体331の後端側と支点軸フレーム体333下端側をアームレスト支点軸334にて回動可能に連結する。アームレスト49は、操縦座席8の前後スライドとは独立して、走行機体2の進行方向(前後方向)に無段階に位置調節可能(前後スライド可能)に構成される。
また、前記アームレスト49の取付け角度を変更可能なネジ構造体としてナット体341と傾き調節ボルト342を備える。前後動フレーム体331の前端側にナット体341を溶接固定し、ナット体341に上方から傾き調節ボルト342の下端側を螺着させ、傾き調節ボルト342の上端側頭部を高さ変更可能に設け、アームレストフレーム体332の前端側下面に下方から傾き調節ボルト342の上端側頭部を当接させる。傾き調節ボルト342の昇降動操作にてアームレスト支点軸334回りにアームレスト49前部を昇降動させるものであり、アームレスト支点軸334と傾き調節ボルト342にて、アームレスト49の取付け角度(前後傾斜角度)を変更可能に構成している。操縦座席8に対してアームレスト49後部が起伏(上下)回動可能に枢着されて、アームレスト49前部を無段階に跳ね上げ回動可能になっている。上述の起伏回動可能な構成を採用すると、操縦座席8に着座するオペレータの体格や作業姿勢に応じて、アームレスト49の前後支持位置またはアームレスト49上面の前後傾き姿勢を無段階に調節できるので、オペレータの腕を的確に支持したり膝に当たらないように設定したりできる。長時間作業によるオペレータの疲労低減に効果的である。
アームレスト49は、前後に長いアームレスト後方部49aと、アームレスト後方部49aから前方外向きに延びたアームレスト前方部49bとを備えている。アームレスト前方部49bは、操縦座席8と平行に並ぶように延設されたアームレスト後方部49aに対して、操縦座席8と離れる右外側方向に屈曲させて配置され、アームレスト49全体としては平面視略く字状の形態になっている。
アームレスト49は、アームレスト前方部49bの前端側に、上面から下向きに凹んだ切欠部49cを形成し、切欠部49cに主変速レバー50を突設している。アームレスト前方部49bの操縦座席8側(切欠部49cの後方)の上面に、上面から下向きに凹んだ段差部49dを形成し、当該段差部49dにおける上面に、車速設定ダイヤル226と、車速選択スイッチ227とを配置している。アームレスト49の手置き座面より低い位置に、回転操作つまみとしての車速設定ダイヤル226と、モード切換えスイッチ釦としての車速選択スイッチ227を配置している。
なお、段差部49dの上面の高さ位置は、切欠部49cの上面よりも高く、且つ、アームレスト後方部49aの上面よりも低い位置となる。これにより、オペレータが、その腕や肘をアームレスト後方部49aに載せて、アームレスト前方部49b前方の主変速レバー50を操作したとしても、段差部49dの車速設定ダイヤル226及び車速選択スイッチ227に対してオペレータの腕などが不用意に接触するのを防止でき、車速設定ダイヤル226及び車速選択スイッチ227の誤操作を低減できる。
なお、車速設定ダイヤル226は、エンジン5の最高回転速度又は走行機体2の最高走行速度を予め設定するためのものである。車速選択スイッチ227は、車速設定ダイヤル226で設定する値をエンジン5の最高回転速度又は走行機体2の最高走行速度のいずれであるか指定するためのものである。これにより、車速選択スイッチ227により回転速度が指定されると、車速設定ダイヤル226により、エンジン5の最高回転速度が設定される一方、車速選択スイッチ227により走行速度が指定されると、車速設定ダイヤル226により、走行機体2の最高走行速度が設定される。
また、図17〜図26などに示すように、主変速レバー50は、オペレータにより把持されるグリップ(把持部)292を上端側に取り付けられた平板状のレバー芯金体291を有する。このレバー芯金体291の下端側が、切欠部49c下側となるアームレスト前方部49b 内部で変速支点軸295に回動可能に枢支される。主変速レバー50は、変速支点軸295回りに前後傾動可能に構成されている。即ち、主変速レバー50は、実質上鉛直な姿勢から前向き姿勢までの間で前後傾動操作可能になっている。主変速レバー50の傾き姿勢に関わらず、グリップ292が、アームレスト前方部49bの前方湾曲面から突出した状態となる。これにより、グリップ292を把持するオペレータの手が、アームレスト前方部49bと接触することがなく、主変速レバー50の操作を円滑に行える。
主変速レバー50の前後傾動を検出するポテンショメータ(可変抵抗器)型の主変速センサ222を備える。アームレストフレーム体332の前端部に変速支点軸295を配置し、変速支点軸295後方のアームレストフレーム体332に主変速センサ222を固着する。レバー芯金体291の下端側を後方に延設させ、レバー芯金体291の下端延設部に主変速センサ222を連動リンク345にて連結するものであり、主変速センサ222軸から前方に向けて連動リンク345の前端側を突出させ、連動リンク345を前後方向に水平に延設させ、主変速レバー50の基端部(レバー芯金体291の下端延設部)に連動リンク345の前端側を連結している。即ち、変速支点軸295と主変速センサ222を前後に並設させ、主変速レバー50と主変速センサ222の取付け部をコンパクトに構成している。
変速支点軸295上に摩擦支持用のコイルバネ346を巻装させ、コイルバネ346の弾圧摩擦力にて主変速レバー50を変速操作位置に支持させるように構成するものであり、主変速レバー50を前側に傾動させたとき、ポテンショメータ(可変抵抗器)型の主変速センサ222が検出する主変速レバー50の操作位置にあわせて、ポンプ斜板523(図13、図14参照)を正の傾斜角側に傾斜させ、走行機体2の走行速度を加速させる。一方、主変速レバー50を後側に傾動させたとき、主変速センサ222が検出する主変速レバー50の操作位置にあわせて、ポンプ斜板523(図13、図14参照)を負の傾斜角側に傾斜させ、走行機体2の走行速度を減速させる。
グリップ292の前面に自動昇降スイッチレバー311を配置し、グリップ292の操縦座席8側の側面(左側面)に昇降微調節スイッチ釦312,313を配置している。自動昇降スイッチレバー311は、ロータリ耕耘機などの作業機を所定高さまで強制的に昇降操作するためのものである。昇降微調節スイッチ釦312,313は、ロータリ耕耘機などの作業機の高さ位置を微調節操作するためのものである。また、グリップ292の操縦座席8と反対側の側面(右側面)にモード切換スイッチ317を配置している。モード切換スイッチ317は、旋回時及び後進時の走行速度を変更・調節するためのものである。
自動昇降スイッチレバー311は、上下方向に傾動させる自己復帰型(モーメンタリー型)のレバースイッチである。自動昇降スイッチレバー311を上側に傾動させたとき、ロータリ耕耘機などの作業機が設定された最上昇位置まで上昇する一方、自動昇降スイッチレバー311を下側に傾動させたとき、ロータリ耕耘機などの作業機が作業部ポジションダイヤル53で設定された位置まで下降する。昇降微調節スイッチ釦312,313は、自己復帰型スイッチで構成されており、昇降微調節スイッチ釦312,313を操作している間だけ、ロータリ耕耘機などの作業機が昇降する。
このように、主変速レバー50が、自動昇降スイッチレバー311、昇降微調節スイッチ釦312,313を具備することにより、オペレータは、主変速レバー50に対する右手操作だけで、走行状況にあわせた制御を簡単に行える。即ち、主変速レバー50の傾動操作をしながら、自動昇降スイッチレバー311及び昇降微調整スイッチ230を操作することで、ロータリ耕耘機などの作業機の高さ位置を調整できる。
図18、図21、図22に示すように、アームレスト49のアームレスト前方部49bの右側面凹部(右フェンダ21側の側面)に作業部ポジションダイヤル51が嵌挿されている。
作業部ポジションダイヤル51は、アームレスト前方部49bの右側面凹部中心で軸支されており、作業部ポジションダイヤル51の外周面(アームレスト前方部49b上面側)に、外側上方に突起させた操作用突起314を備える。即ち、操作用突起314が、アームレスト前方部49bの右側面凹部上側の切欠きに嵌る。オペレータは、アームレスト49の上面側から、作業部ポジションダイヤル51の操作用突起314を確認できるものであり、アームレスト前部の外側面に作業部ポジションダイヤル51を設け、作業部ポジションダイヤル51外周面の側面操作と、操作用突起314の上面つまみ操作が可能な形状に、作業部ポジションダイヤル51を形成している。
また、作業部ポジションダイヤル51の最上位に操作用突起314が位置しても、操作用突起314上端がアームレスト前方部49b上面よりも低い位置となる。操作用突起314が回転規制部(アームレスト前方部49bの右側面凹部上側の切欠き前端部または後端部)と当接することで、前方または後方への作業部ポジションダイヤル51の回転が規制される。従って、主変速レバー50の操作時において、誤って作業部ポジションダイヤル51に触れることを防止できるだけでなく、作業部ポジションダイヤル51の操作時には、回転領域を所定幅で規制できる。
この作業部ポジションダイヤル51は、アームレスト前方部49b右側面よりも外側(右フェンダ21側)に突出している。これにより、オペレータは、アームレスト49の上側から操作用突起314を指などで前後させて、作業部ポジションダイヤル51を回転操作できるだけでなく、アームレスト49の右側上方(フェンダ19側)から操作用突起314を指などで前後させても、作業部ポジションダイヤル51を回転操作できる。従って、オペレータは、アームレスト49上に腕を載せた状態で、作業部ポジションダイヤル51を容易に操作でき、リフトアーム193が昇降動して、ロワーリンク21を介してロータリ耕耘機などの作業機が上昇動する。
実施形態では、アームレスト49の前方部分であるアームレスト前方部49bの上面に、主変速レバー50、車速設定ダイヤル226、車速選択スイッチ227を配置し、アームレスト前方部49bの側面に作業部ポジションダイヤル51を配置している。従って、オペレータは、トラクタ1の運転中であっても、走行系操作手段及び作業系操作手段の識別が容易であり、誤操作防止に効果がある。また、走行系操作手段である、主変速レバー50、設定ダイヤル226、及び選択スイッチ227がまとめて配置されているので、その操作性(取り扱い性)に優れている。
図1、図15〜図27に示す如く、走行機体2上に操縦座席8を装設してオペレータが座乗すると共に、操縦座席8の側方にアームレスト49を配置する作業車両において、アームレスト49の取付け角度を変更可能なネジ構造体としての傾き調節ボルト342を設け、傾き調節ボルト342の操作にて無段調整可能にアームレスト支持体としての前後動フレーム体331にアームレスト49を支持するように構成したものであるから、工具を使用することなく、アームレスト49の取付け姿勢を無段階に変更でき、オペレータの座乗性を向上できると共に、アームレスト49に配置させる操作部の操作性を向上でき、誤操作を低減できる。
図15〜図27に示す如く、操縦座席8のシートフレーム体321の座板支持フレーム部322と背もたれ支持フレーム部323に、アームレスト49を取付け角度変更可能に連結させ、前記シートフレーム体321にアームレスト49を両持ち支持するように構成したものであるから、両持ち構造にてアームレスト49の揺振を簡単に低減でき、アームレスト49の支持剛性を容易に向上できる。
図15〜図27に示す如く、操縦座席8のシートフレーム体321の座板支持フレーム部322から縦フレーム体327を立設させ、操縦座席8の背もたれ支持フレーム部323から横フレーム体328を延設させ、縦フレーム体327と横フレーム体328の連結部にアームレスト支点軸334を介してアームレスト49の後端側を連結させると共に、アームレスト49の前端側下面に傾き調節ボルト342を下方側から当接させたものであるから、アームレスト49の支持剛性を容易に向上できるものでありながら、傾き調節ボルト342の昇降操作にてアームレスト49の取付け角度を無段階に変更でき、オペレータの感性に適応した姿勢にアームレスト49を容易に支持できる。
図27に示す如く、走行機体2上に操縦座席8を装設してオペレータが座乗すると共に、操縦座席8の側方にアームレスト49を配置する作業車両において、操縦座席8の水平回転軸325を中心とする円の接線方向に、アームレスト49の後部外側面49eを傾斜させたものであるから、操縦座席8側方の右サイドコラム42とアームレスト49の間に大きな隙間を形成する必要がなく、操縦座席8とアームレスト49取付け部の構造をコンパクトに構成でき、操縦座席8側方に右サイドコラム42を近接させて、右サイドコラム42上のレバーまたはスイッチ類の操作性を向上できる。
図15〜図27に示す如く、操縦座席8の水平回転軸325を中心とする円周方向に、アームレスト49後部に対向する右サイドコラム42の内側面をカーブさせたものであるから、操縦座席8の向きを左右に変更しても、アームレスト49後部と右サイドコラム42の衝突を回避できるものでありながら、操縦座席8に対して右サイドコラム42上面のレバーまたはスイッチ類を近接させて配置できる。
図15〜図27に示す如く、アームレスト49後部に対向する右サイドコラム42の内側面カーブ42aと、アームレスト49前部に対向する右サイドコラム42の内側面カーブ42bを異なる形状に形成したものであるから、主変速レバー50などが操作しやすい外向き形状にアームレスト49前部を延設させても、外向き形状のアームレスト49前部がサイドコラム内側面に衝突するのを容易に防止できる。
図1、図15〜図27に示す如く、走行機体2上に操縦座席8を装設してオペレータが座乗すると共に、操縦座席8の側方にアームレスト49を配置する作業車両において、前記アームレスト49前部に変速支点軸295を介して主変速レバー50の基端部を回動可能に設ける構造であって、主変速レバー50の基端部に変速センサ222を連動リンク345にて連結したものであるから、アームレスト49の前端部をコンパクトに形成でき、オペレータの足がアームレスト49の前端部に当接するのを防止できる。アームレスト49の形状を小さく形成できるから、オペレータのペダル操作の邪魔にならず、オペレータ49が快適に作業できる。
図15〜図27に示す如く、変速センサ222軸から前方に向けて連動リンク345の前端側を突出させ、連動リンク345を前後方向に水平に延設させ、主変速レバー50の基端部に連動リンク345の前端側を連結したものであるから、アームレスト49の前端部のスペースに、主変速レバー50と変速センサ222をコンパクトに配置できるものでありながら、主変速レバー50と変速センサ222の相対位置の制限を容易に低減できる。
図15〜図27に示す如く、変速支点軸295上に摩擦支持用のコイルバネ346(トルクバネ)を設け、コイルバネ346の弾圧摩擦力にて主変速レバー50を操作位置に支持させるように構成したものであるから、例えば皿バネ構造に比べて、コイルバネ346は、設置スペースが狭少で、主変速レバー50の摩擦支持力を充分に得ることができ、主変速レバー50の操作フィーリングを簡単に向上でき、オペレータの主変速レバー50操作にて最適な速度段を容易に選べ、変速操作性を向上できる。
図15〜図27に示す如く、走行機体2上に操縦座席8を装設してオペレータが座乗すると共に、操縦座席8の側方にアームレスト49を配置する作業車両において、油圧昇降操作用の作業部ポジションダイヤル300を備える構造であって、アームレスト49前部の外側面に作業部ポジションダイヤル300を設け、側面操作と上面つまみ操作が可能な形状に作業部ポジションダイヤル300を形成したものであるから、作業部ポジションダイヤル300設置部をコンパクトに形成できるものでありながら、作業部ポジションダイヤル300を側面または上面のいずれからでも簡単に操作でき、作業部ポジションダイヤル300の操作性を容易に向上でき、誤操作を低減できる。例えば、操縦座席8が左右向きに回転しても作業上問題なく、作業部ポジションダイヤル300を適正に操作できる。
図15〜図27に示す如く、アームレスト49の手置き座面より低い位置に、回転操作つまみとしての車速設定ダイヤル226またはモード切換えスイッチ釦としての車速選択スイッチ227を配置したものであるから、アームレスト49上面にオペレータが手を置いても、車速設定ダイヤル226または車速選択スイッチ227が誤操作されることがなく、アームレスト49上面に置いたオペレータの手指によって、車速設定ダイヤル226または車速選択スイッチ227を適正に操作できる。
2 走行機体
8 操縦座席
49 アームレスト
50 主変速レバー
222 主変速センサ
226 車速設定ダイヤル(回転操作つまみ)
227 車速選択スイッチ(モード切換えスイッチ釦)
295 変速支点軸
300 作業部ポジションダイヤル
325 水平回転軸
345 連動リンク
346 コイルバネ

Claims (3)

  1. 走行機体上に操縦座席を装設してオペレータが座乗すると共に、前記操縦座席の側方にアームレストを配置するトラクタにおいて、
    前記アームレスト前部に変速支点軸を介して主変速レバーの基端部を回動可能に設ける構造であって、前記主変速レバーの基端部に変速センサを連動リンクにて連結し
    前記変速センサ軸から前方に向けて連動リンクの前端側を突出させ、前記連動リンクを前後方向に水平に延設させ、前記主変速レバーの基端部に前記連動リンクの前端側を連結し、
    前記変速支点軸上に摩擦支持用部材を設け、前記摩擦支持用部材の弾圧摩擦力にて前記主変速レバーを操作位置に支持させるように構成し、
    前記主変速レバーに設けられた把持部の前面に、上下方向に傾動させる自己復帰型のレバースイッチより成る自動昇降スイッチレバーが設けられるとともに、前記把持部の操縦座席側側面に、作業機の高さ位置を微調節操作するための昇降微調整スイッチ釦が配置されており、
    前記自動昇降レバーを上側に傾動させたときに、前記作業機が設定された最上昇位置まで上昇する一方、前記自動昇降レバーを下側に傾動させたときに、前記作業機が作業部ポジションダイヤルで設定された位置まで下降することを特徴とするトラクタ
  2. 前記アームレスト前部の外側面に前記作業部ポジションダイヤルを設け、側面操作と上面つまみ操作が可能な形状に前記作業部ポジションダイヤルを形成したことを特徴とする請求項1に記載のトラクタ
  3. 前記把持部における操縦座席と反対側の側面に、前記走行車両の旋回時及び後進時の走行速度を変更・調節するためのモード切換えスイッチ配置したことを特徴とする請求項1に記載のトラクタ
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