JP2015139374A - 苗移植機 - Google Patents

苗移植機 Download PDF

Info

Publication number
JP2015139374A
JP2015139374A JP2014012264A JP2014012264A JP2015139374A JP 2015139374 A JP2015139374 A JP 2015139374A JP 2014012264 A JP2014012264 A JP 2014012264A JP 2014012264 A JP2014012264 A JP 2014012264A JP 2015139374 A JP2015139374 A JP 2015139374A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seedling
planting
detection
detection member
grounding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014012264A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6115785B2 (ja
JP2015139374A5 (ja
Inventor
大介 今泉
Daisuke Imaizumi
大介 今泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd, Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP2014012264A priority Critical patent/JP6115785B2/ja
Publication of JP2015139374A publication Critical patent/JP2015139374A/ja
Publication of JP2015139374A5 publication Critical patent/JP2015139374A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6115785B2 publication Critical patent/JP6115785B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Transplanting Machines (AREA)

Abstract

【課題】従来の苗移植機は、副変速操作レバーにより走行状態が「植付形態」になっているときは、走行伝動系と植付伝動系への回転動力は連動するので、圃場端から植付を開始するために機体を後進させ圃場端から植付を開始しようとする際に、連動のタイミング等によって最初の一株分の苗の植付けができない場合がある。よってこの問題を解消する伝動系を備えた苗移植機を提供することが、本発明が解決しようとする課題である。
【解決手段】副変速操作部材(16)の操作検知部材(101)が検知状態になると、走行駆動力の伝動を遮断し、植付クラッチ機構を「入」状態にして第一設定時間だけ苗植付杆(52)を作動させると共に、第一設定時間経過後、第二設定時間だけ操作検知部材(101)の検知状態が維持されているときは苗植付杆(52)が再び作動する構成とした苗移植機により上記問題を解決した。
【選択図】図3

Description

本発明は、苗移植機に関するものである。
特許文献1に記載の苗移植機は、苗載置タンクに積載した苗を苗移植装置で圃場に植え付けるものであり、走行操作レバーの操作により前後進すると共に、副変速操作レバーの操作により「路上形態」、「植付形態」、「中立形態」に走行状態を切り替えることが可能である。走行状態が「植付形態」になっていると、エンジンからの動力は走行伝動系と植付伝動系の両方に配分され、走行操作レバーによる走行速度の高低にかかわらず一定の植付間隔を保持しながら苗植付装置が苗を植付ける。
特開2012−205504号公報
走行状態が「植付形態」になっているときは、走行伝動系と植付伝動系への回転動力は連動するので、圃場端から植付を開始するために機体を後進させ圃場端に苗植付装置を降ろして植付を開始しようとする際に、連動のタイミングや圃場の作業条件によっては最初の一株分の苗の植付けができない場合がある。
この問題を解消するためには、その部分を手作業で作業者が苗を植えるか、または副変速レバーを、走行伝動系と植付伝動系とが連動しない「中立形態」位置にして一株分を植付けた後すぐさま副変速レバーを「植付形態」位置に操作するなど煩雑な操作を行う必要がある。そしてこの場合、副変速操作レバーを「中立形態」から「植付形態」に操作するために、植付操作レバーを切り操作するか、又は走行操作レバーを中立に位置させることで苗の植付を一時止める必要がある。
手作業で苗を植える場合、作業者の費やす時間と労力が増大するという問題がある。また、煩雑な操作を行う場合は操作を誤ったり、操作のタイミングが合わなかったりすると、苗の植付精度が低下するという問題がある。
よって、これらの問題を解消する伝動系を備えた苗移植機を提供することが、本発明が解決しようとする課題である。
本発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の発明は、走行車体(2)に、この走行車体(2)の走行動力を供給するエンジン(20)と無段変速装置(23)とを備えると共に、前記走行車体(2)の走行伝動を切り替える副変速操作部材(16)を設け、前記走行車体(2)の後部に設けた苗植付装置(4)には、苗を積載する苗載せ部材(51)と、この苗載せ部材(51)から苗を圃場に植付ける苗植付杆(52)と、この苗植付杆(52)への駆動力の伝動を入切する植付クラッチ機構(112、115)と、を備えた苗移植機において、前記副変速操作部材(16)が所定位置に操作されたことを検知する操作検知部材(101)を設け、この操作検知部材(101)が検知状態になると、走行駆動力の伝動を遮断し、植付クラッチ機構(112、115)を「入」状態にして第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させると共に、前記第一設定時間経過後、第二設定時間だけ前記操作検知部材(101)の検知状態が維持されているときは前記苗植付杆(52)が再び作動する構成としたことを特徴とする苗移植機である。
また、請求項2記載の発明は、前記苗載せ部材(51)の下方に、圃場面に接地するフロート(55、56、56)を設け、このフロート(55、56、56)の接地を検知する接地検知部材(102)を設け、この接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知しているときは、前記操作検知部材(101)が検知状態になると第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させ、前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、前記操作検知部材(101)が検知状態である間、前記苗植付杆(52)を連続して作動させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機である。
また、請求項3記載の発明は、前記接地検知部材(102)が、前記フロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、前記操作検知部材(101)の第三設定時間の検知状態継続後、前記苗植付杆(52)を連続して作動させる構成としたことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機である。
また、請求項4記載の発明は、前記苗載せ部材(51)の下方に、圃場面に接地するフロート(55、56、56)を設け、このフロート(55、56、56)の接地を検知する接地検知部材(102)を設け、この接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知しているときは、前記操作検知部材(101)が検知状態になると第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させ、前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、前記操作検知部材(101)から検知信号が出力されると前記エンジン(20)が停止状態となると共に、この停止状態で再度前記検知信号が出力されると前記エンジン(20)が始動する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機である。
また、請求項5記載の発明は、前記走行車体(2)を減速させる減速操作部材と、この減速操作部材の減速操作を検知する減速操作検知部材(103)とを備え、前記エンジン(20)が停止状態にあり、且つ前記減速操作検知部材(103)が検知状態であるときに、前記操作検知部材(101)から検知信号が出力されると前記エンジン(20)が始動する構成としたことを特徴とする請求項4に記載の苗移植機である。
また、請求項6記載の発明は、前記植付クラッチ機構(112、115)を入切操作する植付入切部材(105)を設け、前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知し、第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させているときに、前記植付入切部材(105)を入操作すると、前記植付クラッチ機構(112、115)が「切」となると共に、前記無段変速装置(23)の出力を下げる構成としたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の苗移植機である。
また、請求項7記載の発明は、前記植付クラッチ機構(112、115)を入切操作する植付入切部材(105)を設け、前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知せず、前記操作検知部材(101)を検知状態とし、前記苗植付杆(52)を連続して作動させているときに、前記植付入切部材(105)を操作すると、前記植付クラッチ機構(112、115)の入切が変更される構成としたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の苗移植機である。
また、請求項8記載の発明は、前記苗植付装置(4)が所定高さ以上に移動したことを検知する上昇検知部材(104)を設け、前記エンジン(20)の始動後、この上昇検知部材(104)が前記苗植付装置(4)の所定高さ以上の上昇を検知していないときは、前記副変速操作部材(16)の前記操作検知部材(101)が検知状態になっても、前記植付クラッチ機構(112、115)が「入」状態にならず、前記苗植付装置(4)に植付駆動力が供給されない構成としたことを特徴とする請求項1から7に記載の苗移植機である。
請求項1記載の発明によれば、副変速操作部材(16)が所定位置に操作されたことを検知する操作検知部材(101)が検知状態になると、走行駆動力の伝動を遮断し、植付クラッチ機構(112、115)を「入」状態にして苗植付杆(52)を作動させることにより、走行車体(2)を移動させることなく、その場に苗を植付けることができるので、移動せずにその場で一株植付ける必要がある場所で苗の植付けが可能となる。これにより苗の植付け間隔が広くなりすぎる箇所が生じず、圃場の有効な活用が可能となる。
そして、第一設定時間だけ苗植付杆(52)を作動させることにより、副変速操作部材(16)の戻し操作を失念したときでも、同じ場所に複数回にわたり苗が植付けられることを防止でき、無駄な苗の消費が抑えることができる。
また、第一設定時間経過後、第二設定時間だけ操作検知部材(101)の検知状態が維持されているときは苗植付杆(52)が再び作動する構成としたことにより、メンテナンス時等に走行車体(2)を移動させずに、苗載せ部材(51)を左右のストローク端まで移動させることができ、操作性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、接地検知部材(102)がフロート(55、56、56)の接地を検知しているときは、操作検知部材(101)が検知状態になると第一設定時間だけ苗植付杆(52)を作動させ、接地検知部材(102)がフロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、操作検知部材(101)が検知状態である間、苗植付杆(52)を連続して作動させる構成としたことにより、苗植付装置(4)の上下位置により異なる、必要とされる動作を、誤操作を招くことなく行うことができる。これにより操作性が向上する。
即ち、苗植付装置(4)が下位置にあるときは、移動せずにその場に一株植付ける必要がある場所で苗の植付が可能となる一方、上位置にあるときは、苗載せ部材(51)の左右移動操作を容易に行うことができ、作業能率や操作性が向上する。
また、フロート(55、56、56)の接地検知部材(102)を基準とすることにより、苗植付装置(4)の位置によらず、接地検知部材(102)の検知位置を設定することができ、作業能率が向上する。
請求項3記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、接地検知部材(102)が、フロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、操作検知部材(101)の第三設定時間の検知状態継続後、苗植付杆(52)を連続して作動させる構成としたことにより、作業者が副変速操作部材(16)を誤操作により所定位置に移動させても、苗植付杆(52)がすぐには作動しないので、作業者が意図しない苗植付杆(52)の作動を防止でき、余分な苗の消費や、苗植付装置(4)の破損を防止できる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、接地検知部材(102)がフロート(55、56、56)の接地を検知しているときは、操作検知部材(101)が検知状態になると第一設定時間だけ苗植付杆(52)を作動させ、接地検知部材(102)がフロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、操作検知部材(101)から検知信号が出力されると前記エンジン(20)が停止状態となることにより、苗植付装置(4)の上下位置により異なる、必要とされる動作を、誤操作を招くことなく行うことができる。これにより操作性が向上する。
即ち、苗植付装置(4)が下位置にあるときは、移動せずにその場に一株植付ける必要がある場所で苗の植付が可能となる一方、上位置にあるときは、エンジン(20)の停止始動を容易に行うことができ、操作性が向上する。更に走行を停止する操作が容易になることで、苗の補充作業時等の不必要なエンジン(20)の作動を抑え、余分な燃料の消費や排気ガスの排出を抑え、燃費や環境適応性が向上する。
また、エンジン(20)の停止状態で再度検知信号が出力されるとエンジン(20)が始動する構成としたことにより、エンジン(20)再始動時に走行車体(2)が急発進することを防止できるので、作業の安全性や苗の植付精度が向上する。
請求項5記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、エンジン(20)が停止状態にあり、且つ減速操作部材の減速操作を検知する減速操作検知部材(103)が検知状態であるときに、操作検知部材(101)から検知信号が出力されるとエンジン(20)が始動する構成としたことにより、副変速操作部材(16)の誤操作によるエンジン(20)の再始動が防止され、苗移植機の急発進等を防止できるので、作業の安全性が高まる。
請求項6記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、第一設定時間だけ苗植付杆(52)を作動させているときに、植付入切部材(105)を入操作すると、植付クラッチ機構(112、115)が「切」となると共に、無段変速装置(23)の出力を下げる構成としたことにより、作業者が誤操作により第一設定時間だけ苗植付杆(52)を作動させている場合でも、その動作を即時に止めることができる。これにより作業者の意図しない場所に苗が植付けられることが防止され、苗の消費量が減少すると共に、苗の植付精度が向上する。
請求項7記載の発明によれば、請求項2又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、操作検知部材(101)を検知状態とし、苗植付杆(52)を連続して作動させているときに、植付入切部材(105)を操作すると、植付クラッチ機構(112、115)の入切が変更される構成としたことにより、連続作動時は待機位置以外で停止することがある苗植付杆(52)を、待機位置まで回転させることが容易となり、作業者の意図しない場所に苗が植付けられることが防止され、苗の消費量が減少すると共に、苗の植付精度が向上する。
請求項8記載の発明によれば、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、エンジン(20)の始動後、苗植付装置(4)が所定高さ以上に移動したことを検知する上昇検知部材(104)が苗植付装置(4)の所定高さ以上の上昇を検知していないときは、副変速操作部材(16)の前記操作検知部材(101)が検知状態になっても、前記植付クラッチ機構(112、115)が「入」状態にならず、苗植付装置(4)に植付駆動力が供給されない構成としたことにより、走行開始時に副変速操作部材(16)を誤操作しても、苗植付装置(4)が動作することがなく、作業者の意図しない場所に苗が植付けられること防止され、苗の消費量が減少する。
また、作業者の意図しない苗植付装置(4)の駆動を防止することができるので、苗植付装置(4)の破損を防止できる。
本発明の第一実施形態にかかる苗移植機の右側面図である。 図1の苗移植機の平面図である。 図1の苗移植機のフロントカバー周辺の正面図である。 図1の苗移植機の操縦パネルの正面図である。 図4の操縦パネルの副変速操作部材の誘導路の拡大図である。 図1の苗移植機の駆動系統図である。 図1の苗移植機の「路上形態」時の駆動系統図である。 図1の苗移植機の「植付形態」時の駆動系統図である。 図1の苗移植機の「中立形態」時の駆動系統図である。 図1の苗移植機の制御ブロック図である。 図1の苗移植機の第一の制御の動作フロー図である。 図10の動作フロー図内のステップの集まりの動作フロー図である。 図1の苗移植機の第二の制御の動作フロー図である。 図1の苗移植機の第三の制御の動作フロー図である。 図1の苗移植機の第四の制御の動作フロー図である。 図1の苗移植機の第五の制御の動作フロー図である。 図1の苗移植機の第六の制御の動作フロー図である。 図1の苗移植機の第七の制御の動作フロー図である。 図1の苗移植機の第八の制御の動作フロー図である。 第二実施形態にかかる苗移植機の左側面図である。 第三実施形態にかかる苗移植機のフロアステップ周辺の平面図である。
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、苗移植機の前進方向を基準として、それぞれ前後及び左右とする。
本発明の第一実施形態にかかる苗移植機は、その側面図および平面図を図1、図2にそれぞれ示すように、左右の前輪10、10と左右の後輪11、11とによる走行部および、エンジン20と一体に変速動力を伝動するトランスミッションを内包するミッションケース12、左右の前輪10、10を伝動支持する左右の前輪ファイナルケース13、13、左右の後輪11、11を伝動支持する左右の後輪ギアケース18、18等の伝動部を備えて圃場走行可能に走行車体2を構成し、この走行車体2の後部に昇降リンク機構3によって昇降動作可能に設けられて苗株の植付けを行う苗植付装置4とを備えて構成される。
苗移植機の動力伝達経路は、以下のようになる。エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21及び油圧式の無段変速装置(HST)23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。
走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13に伝達されて前輪10、10を駆動すると共に、残りが後輪ギアケース18に伝達されて後輪11、11を駆動する。左右の前輪ファイナルケース13、13は、ミッションケース12の側方で左右の前輪10、10を伝動支持し、左右の後輪ギアケース18、18は、機体左右側に左右の後輪11を軸着する車軸を機体左右側に突出させて設け、該ミッションケース12から左右それぞれの変速動力を受ける。
作業者は、走行操作レバー14を操作することで、油圧式の無段変速装置23を前進9段から中立位置を経て後進6段まで連続的(無段階的)に変速でき、副変速操作部材16を操作することで、歯車式変速装置内の周知の副変速装置により「路上形態」と「中立形態」と「植付形態」とを変更することができる構成である。この部分の詳細については後述する。
次に、外部取出動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース25内部の植付クラッチ機構の一つに伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植付装置4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構28によって施肥装置5へ伝動される。この苗植付装置4は、機体後部の植付伝動軸26から動力を受ける伝動ケース50を備え、苗載せ部材51に作業者が苗を供給するとともに、植付条別に並列配置した苗植込杆52で載置された苗株の圃場への植付けを行う。なお、作業者はブレーキペダルを踏むことにより、走行動力、外部取出動力共に切断することが可能である。
上記苗植付装置4の構成は以下のようになる。
本件に示す苗移植機の走行車体2の後方に設けられた苗植付装置4は、6条植の構成で、フレームを兼ねる苗植付伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分ずつ各条の苗取出口51a、…に供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口51a、…に供給すると苗送りベルト51b、…により苗を下方に移送する苗載せ部材51、苗取出口51a、…に供給された苗を取り圃場に植付ける苗植込杆52、…、この苗植込杆52を回転させる植付回転軸、次工程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線引きマーカ19等を備えている。苗植付装置4の下部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサイドフロート56、56がそれぞれ設けられている。これらセンターフロート55及び左右のサイドフロート56、56を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、該各フロート55、56が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植込杆52、…により苗が植付けられる。各フロート55、56、56は、圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上下動が迎角制御センサ(図示せず)により検出され、その検出結果に応じて昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付装置4を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。苗植付装置4には、整地装置の一例である、前記左右のサイドフロート56,56の前方の圃場面に接触して均す左右のサイドロータ27a、27aと前記センターフロート55の前方の圃場面に接触して均すセンターロータ27bからなる整地ロータ装置27が取り付けられている。また、苗載せ部材51は、苗植付装置4の全体を支持する左右方向と上下方向に幅一杯の矩形の支持枠体65の支持ローラ65aをレールとして、左右方向にスライドする構成である。
苗植付装置4を昇降させる昇降リンク機構3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41、41を備えている。これら上リンク40及び一対の下リンク41、41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形の後部フレーム42に回動自在に取り付けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に苗植付装置4に回転自在に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を中心として苗植付装置4がローリング自在に連結されている。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク40に一体形成したスイングアームの先端部との間に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、苗植付装置4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。なお、後部フレーム42と、上リンク40及び下リンク41、41との間には昇降検知部材であるポテンショメータを配置し、苗植付装置4の上昇または下降を角度の変動に基づき検知している。
苗移植機の作業者周辺の構成は以下のようになる。
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上面には操縦パネル33が設けられると共に、その上方に前輪10を操向操作するハンドル34が設けられている。ハンドル34の右側には走行操作レバー14が、左側には副変速操作部材16を設けているエンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ35になって畦クラッチペダル等が配置されている。フロアステップ35は一部格子状になっており、該ステップ35を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。フロアステップ35上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっている。
施肥装置5は、走行車体2の後上部に設け、施肥ホッパ60に貯留されている粒状の肥料を繰出部61、…によって一定量ずつ繰り出し、その肥料を施肥ホース62、…で前記各フロート55、56、56の左右両側に取り付けた施肥ガイドまで導き、施肥ガイドの前側に設けた作溝体64、…によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。ブロア用電動モータ53で駆動するブロア58で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ59を経由して施肥ホース62、…に吹き込まれ、施肥ホース62、…内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
走行車体2の前部左右両側には、補給用の苗を載せておく左右の予備苗載せ台38、38が機体よりも側方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に設けられ、左右の予備苗載せ台38、38は走行車体2のフロアステップ35の下部に基部側を配置した支持フレームに支持される。
予備苗載せ台38は、複数の移動リンク部材からなる平行リンク機構と、第1予備苗載置プレート38a、第2予備苗載置プレート38b及び第3予備苗載置プレート38cで三段に構成されている。予備苗載せ台38は、この平行リンク機構の回動によって各予備苗載置プレート38a,38b,38cが略同一平面上に前後方向に並ぶ展開状態と各予備苗載置プレート38a,38b,38cが平面視で重複した上下方向に並ぶ収納状態とに切り替えられる。この切り替えは、切替装置によって行う。切替装置は電動モータ等により構成され、ケース71の内部に設ける。
図3には、本発明の第一実施形態にかかる苗移植機のフロントカバー32周辺の正面図を、図4には、本実施形態にかかる苗移植機の操縦パネル33の正面図を、図5には、操縦パネル33上の副変速操作部材16の操作時の誘導路の拡大図を示す。フロントカバー32の左右中央から後部上方に向けてハンドル34を設ける。またフロントカバー32の上部には、座席31に座る作業者が見やすいように操縦パネル33を設け、この操縦パネル33上の右には走行操作レバー14の誘導路を、左には副変速操作部材16の誘導路を設ける。走行操作レバー14は、前進時の前後の誘導路と、後進時の前後の誘導路とを左右異なる位置に設け。副変速操作部材16の誘導路は、「十」字の誘導路に、「十」字を構成する下の前後溝の後端に左に向けて左右の溝を設ける構成とし、「植付」位置に副変速操作部材16があるときは、走行状態が「植付形態」となり、「中立」位置にあるときは「中立形態」となり、「移動」位置にあるときは「路上形態」となる。
本実施形態にかかる苗移植機は、上記3つの走行形態に加えて、走行伝動されず植付伝動のみが行われ、前記苗植付装置4が走行車体2の移動を伴うことなく苗を植付け可能な作業形態である「ピタ植え」を行わせる位置、即ち「ピタ植え」位置を設け、副変速操作部材16を「中立」位置から逆の側方に倒し、この「ピタ植え」位置に操作したときには、植付クラッチ機構が「入」状態となり、苗植付装置4に植付駆動力が供給されるとともに、走行車体2の走行駆動力の伝動を遮断する。具体的には、作業者が副変速操作部材16を「ピタ植え」位置に移動させると、副変速操作部材16の基部に設けた操作検知部材101が、副変速操作部材16が「ピタ植え」位置に移動したことを検知し、その信号により植付クラッチ機構を「入」状態とすると共に、走行車体2の走行駆動力の伝動を遮断する。
副変速操作部材16を操作した場合の動力の伝達経路を、図6から図9の駆動系統図により説明する。作業者は所望する動作(路上走行や植付走行等)を苗移植機にさせるために、複数の断接手段をそれぞれ操作する必要がなく、変速操作部材16を操作することで足りる。
図6には、図1の苗移植機の駆動系統図を示す。トランスミッションは、エンジン20からの動力を受け、走行動力を受ける「走行伝動系」と、外部取出動力の一部である植付動力を受ける「植付伝動系」とにそれぞれ動力を供給する。「走行伝動系」は、速度を抑えトルクを得ることができる、圃場での「植付走行伝動系」、もしくはトルクを抑え速度を得ることができる、路上での「路上走行伝動系」へ動力を供給する。「植付伝動系」は、苗植付装置4を構成する「苗植付部」へ動力を供給する。そして、トランスミッションと「走行伝動系」との間には動力の第一断接手段111を、トランスミッションと「植付伝動系」との間には第二断接手段112を、「走行伝動系」と「植付走行伝動系」の間には第三断接手段113を、「走行伝動系」と「路上走行伝動系」の間には第四断接手段114を、「植付伝動系」と「苗植付部」との間には第五断接手段115をそれぞれ設ける。そして「苗植付部」への動力を入り切りする第二断接手段112と第五断接手段115とを合わせて「植付クラッチ機構」とする。なお「植付クラッチ機構」は、第二断接手段112又は第五断接手段115のいずれか一方である場合もある。
図7には、副変速操作部材16が「路上形態」、即ち走行車体2の走行状態が圃場外の道路を走行するのに適したモードにある場合を示す。この場合第一断接手段111、及び第四断接手段114が接続し、他の断接手段は断絶している。副変速操作部材16を作業者が「路上形態」に位置させることで、複数の断接手段が図7の状態になるように操作される。
図8には副変速部材16が「植付形態」、即ち走行車体2の走行状態が圃場を走行するのに適したモードにある場合を示す。この場合第一断接手段111、第二断接手段112、第三断接手段113、第五断接手段115が接続し、第四断接手段114が断絶している。
図9には、副変速部材16が「中立形態」にある場合を示す。この場合第二断接手段112、第五断接手段115が接続し、第一断接手段111、第三断接手段113、第四断接手段114が断絶している。即ち走行動力は伝達されないので、走行車体2が前後に駆動されることがなく、苗植付部のみが駆動される。
図10には、本実施形態にかかる苗移植機の制御ブロック図を示す。制御装置100には、副変速操作部材16が「ピタ植え」位置に操作されたことを検知する操作検知部材101と、センターフロート55又はサイドフロート56、56のいずれかの圃場面に対する接地を検知する接地検知部材102と、走行車体2を減速させる減速操作部材の減速操作を検知する減速操作検知部材103と、苗植付装置4が所定高さ以上に移動したことを検知する上昇検知部材104と、植付クラッチ機構112、115を入切操作する植付入切部材105と、が接続され、それぞれの部材が検知状態になると、その信号を制御装置100が受信し、その信号により下記に述べる制御を行う。
なお、前記植付入切部材105は電動モータや油圧シリンダ等のアクチュエータで構成すると、制御装置100により容易に切替制御できる構成となる。
図11には、本実施形態の苗移植機の第一の制御の動作フロー図を、図12には、図10の動作フロー図内のステップの集まりの動作フロー図を示す。以後ステップの集まりをT01のように記載し、同じ内容の動作フローの場合は、同じ表記とする。図12では、ステップの集まりT02の詳細を示し、T02内にはステップの集まりT04が存在する。
本実施形態では、第一の制御として操作検知部材101が検知状態になると、走行駆動力の伝動を遮断し、植付クラッチ機構112、115を「入」状態にして、事前に設定した第一設定時間だけ苗植付杆52を作動させる。そして、この第一設定時間経過後、第二設定時間だけ操作検知部材101の検知状態が位置されているときは、苗植付杆52が再び作動する構成とする。ここで第一設定時間は、苗植付杆52が1回転、又は半回転するだけの時間であり、第二設定時間は最初に操作検知部材101が検知状態になってから、例えば3〜5秒程度である。
なお、第一設定時間や第二設定時間といった時間は、制御装置100にタイマー200を設ける、またはタイマー200として組み込まれるプログラム等で測定するものとする。
操作検知部材101が検知状態になると、ブザー201aを鳴らしたり、センターマスコット201bを点滅させたりする報知部材201が作動する構成とすると、操作検知部材101が検知状態になっていることを作業者が容易に認識できる。特に第一設定時間における苗植付杆52の回転時と、第二設定時間経過後の連続作動時の状態を変えることが望ましい。具体的に第一設定時間における苗植付杆52の回転時は、操作検知部材101が検知状態になると、ブザーが「ピッ、ピッ、ピッ、・・・」と短音を1秒間隔程度で鳴らし、センターマスコット201bのランプは、緑と赤のランプを同時にブザーと同じ間隔で点滅させる。第一設定時間が経過し、苗植付杆52が止まったときは、「ピ−ッ」と長音を2秒程度鳴らす。この際センターマスコット201bは緑色のランプが点灯し、操縦パネル33では「植付ランプ」のみが点灯する。第二設定時間経過後の連続作動時は、センターマスコット201bのランプは緑と赤を交互に点滅させると共に、ブザー201aの間隔を変更する。
操作検知部材101が検知状態になると、走行駆動力の伝動を遮断し、植付クラッチ機構112、115を「入」状態にして苗植付杆52を作動させることにより、走行車体2を移動させることなく、その場に苗を植付けることができるので、移動せずにその場で一株植付ける必要がある場所で苗の植付けが可能となる。これにより苗の植付け間隔が広くなりすぎる箇所が生じず、圃場の有効な活用が可能となる。
そして、第一設定時間だけ苗植付杆52を作動させることにより、副変速操作部材16の戻し操作を失念したときでも、同じ場所に複数回にわたり苗が植付けられることを防止でき、無駄な苗の消費が抑えることができる。
また、第一設定時間経過後、第二設定時間だけ操作検知部材101の検知状態が維持されているときは苗植付杆52が再び作動する構成としたことにより、メンテナンス時等に走行車体2を移動させずに、苗載せ部材51を左右のストローク端まで移動させることができ、操作性が向上する。
図13には、本実施形態の苗移植機の第二の制御の動作フロー図を示す。
第二の制御として、センターフロート55やサイドフロート56、56の接地検知部材102からの信号により、以下のように動作を行う。即ち接地検知部材102がフロート55、56、56の接地を検知しているときは、操作検知部材101が検知状態になると第一設定時間だけ苗植込杆52を作動させ、接地検知部材102がフロート55、56、56の接地を検知していないときは、操作検知部材101が検知状態である間、苗植込杆52を連続して作動させる。接地検知部材102は、センターフロート55やサイドフロート56、56の傾斜角度センサや、昇降油圧シリンダ46の油圧の圧力センサとする。
接地検知部材102がフロート55、56、56の接地を検知しているときは、操作検知部材101が検知状態になると第一設定時間だけ苗植付杆52を作動させ、接地検知部材102がフロート55、56、56の接地を検知していないときは、操作検知部材101が検知状態である間、苗植付杆52を連続して作動させる構成としたことにより、苗植付装置4の上下位置により異なる、必要とされる動作を、誤操作を招くことなく行うことができる。これにより操作性が向上する。
即ち、苗植付装置4が下位置にあるときは、移動せずにその場に一株植付ける必要がある場所で苗の植付が可能となる一方、上位置にあるときは、苗載せ部材51の左右移動操作を容易に行うことができ、作業能率や操作性が向上する。
また、各フロート55、56、56の接地検知部材102を基準とすることにより、苗植付装置4の位置によらず、即ち苗植付装置4が上がりきらない状態を接地検知部材102の検知位置とすることができ、作業能率が向上する。
なお第二の制御において、苗植付杆52を連続して作動させている状態で、操作検知部材101が検知状態でなくなると、無段変速装置23のトラニオン軸を中立位置にすぐに戻し、その後植付クラッチ112、115を「切」状態とする。
図14には、本実施形態の苗移植機の第三の制御の動作フロー図を示す。
第三の制御として、第二の制御において接地検知部材102が、フロート55、56、56の接地を検知していないときは、操作検知部材101の第三設定時間の検知状態継続後、初めて苗植付杆52を連続して作動させる。
接地検知部材102が、各フロート55、56、56の接地を検知していないときは、操作検知部材101の第三設定時間の検知状態継続後、苗植付杆52を連続して作動させる構成としたことにより、作業者が副変速操作部材16を誤操作により所定位置に移動させても、苗植付杆52がすぐには作動しないので、作業者が意図しない苗植付杆52の作動を防止でき、余分な苗の消費や、苗植付装置4の破損を防止できる。
図15には、本実施形態の苗移植機の第四の制御の動作フロー図を示す。
第四の制御として、上記第二、第三の制御と異なり、苗植付杆52を連続作動させることに替え、エンジン20等を停止状態にする。即ち、接地検知部材102が各フロート55、56、56の接地を検知しているときは、操作検知部材101が検知状態になると第一設定時間だけ苗植付杆52を作動させ、接地検知部材102が各フロート55、56、56の接地を検知していないときは、操作検知部材101から検知信号が出力されるとエンジン20が停止状態となると共に、この停止状態で再度前記検知信号が出力されるとエンジン20が始動する。なおここにおいてエンジン20の「停止状態」とは、完全にエンジン20が停止している状態とエンジン20の出力がほとんどない場合(例えば、エンジン20の回転が一分間に800〜1000rpm)の両方を含む。
接地検知部材102が各フロート55、56、56の接地を検知しているときは、操作検知部材101が検知状態になると第一設定時間だけ苗植付杆52を作動させ、接地検知部材102が各フロート55、56、56の接地を検知していないときは、操作検知部材101から検知信号が出力されるとエンジン20が停止状態となることにより、苗植付装置4の上下位置により異なる、必要とされる動作を、誤操作を招くことなく行うことができる。これにより操作性が向上する。
即ち、苗植付装置4が下位置にあるときは、移動せずにその場に一株植付ける必要がある場所で苗の植付が可能となる一方、上位置にあるときは、エンジン20の停止始動を容易に行うことができ、操作性が向上する。更に走行を停止する操作が容易になることで、苗の補充作業時等の不必要なエンジン20の作動を抑え、余分な燃料の消費や排気ガスの排出を抑え、燃費や環境適応性が向上する。
また、エンジン20の停止状態で再度検知信号が出力されるとエンジン20が始動する構成としたことにより、エンジン20再始動時に走行車体2が急発進することを防止できるので、作業の安全性や苗の植付精度が向上する。
図16には、本実施形態の苗移植機の第五の制御の動作フロー図を示す。
第五の制御として、第四の制御において、エンジン20が停止状態にあり、かつ走行車体2を減速させる減速操作部材の減速操作を検知する減速操作検知部材103が検知状態という条件のもとで、操作検知部材101から検知信号が出力されるとエンジン20が始動する。
エンジン20が停止状態にあり、かつ減速操作部材の減速操作を検知する減速操作検知部材103が検知状態であるときに、操作検知部材101から検知信号が出力されるとエンジン20が始動する構成としたことにより、副変速操作部材16の誤操作によるエンジン20の再始動が防止され、苗移植機の急発進等を防止できるので、作業の安全性が高まる。
図17には、本実施形態の苗移植機の第六の制御の動作フロー図を示す。
第六の制御として、第二、第三の制御において、接地検知部材102が各フロート55、56、56の接地を検知し、第一設定時間だけ苗植付杆52を作動させているときに、植付クラッチ機構112、115を入切操作する植付入切部材105を入操作すると、植付クラッチ機構112、115が「切」となると共に、無段変速装置23の出力を下げる。植付入切部材105は図4に示すように、操縦パネル33の副変速操作部材16の下方に設けたボタンスイッチである。通常第一設定時間だけ苗植付杆52を回転させると、回転後の苗植付杆52は、苗植付装置4を下降させたときに苗植付杆52の先端が圃場に接触しない待機位置で止まるように植付クラッチ機構112、115を絶縁する。今回の制御により、この待機位置以外のところで苗植付杆52を止めることができる。
このような構成としたことにより、作業者が誤操作により第一設定時間だけ苗植付杆52を作動させている場合でも、その動作を即時に止めることができる。これにより作業者の意図しない場所に苗が植付けられることが防止され、苗の消費量が減少すると共に、苗の植付精度が向上する。
図18には、本実施形態の苗移植機の第七の制御の動作フロー図を示す。
第七の制御として、第二、第三の制御において、接地検知部材102がフロート55、56、56の接地を検知せず、操作検知部材101を検知状態とし、苗植付杆52を連続して作動させているときに、植付入切部材105を操作すると、植付クラッチ機構112、115の入切が変更される。
操作検知部材101を検知状態とし、苗植付杆52を連続して作動させているときに、植付入切部材105を操作すると、植付クラッチ機構112、115の入切が変更される構成としたことにより、連続作動時は待機位置以外で停止することがある苗植付杆52を、待機位置まで回転させることが容易となり、作業者の意図しない場所に苗が植付けられることが防止され、苗の消費量が減少すると共に、苗の植付精度が向上する。
図19には、本実施形態の苗移植機の第八の制御の動作フロー図を示す。
第八の制御として、エンジン20の始動後、苗植付装置4が所定高さ以上に移動したことを検知する上昇検知部材104が苗植付装置4の所定高さ以上の上昇を検知していないときは、副変速操作部材16の操作検知部材101が検知状態になっても、植付クラッチ機構112、115が「入」状態にならず、苗植付装置4に植付駆動力が供給されない。
上記構成としたことにより、走行開始時に副変速操作部材16を誤操作しても、苗植付装置4が動作することがなく、作業者の意図しない場所に苗が植付けられること防止され、苗の消費量が減少する。
また、作業者の意図しない苗植付装置4の駆動を防止することができるので、苗植付装置4の破損を防止できる。
図20には、第二実施形態にかかる苗移植機の左側面図を示す。本実施形態にかかる苗移植機は、予備苗載せ台38の下方にバッテリ120を配置する。予備苗載せ台38の枠の最下部に、このバッテリ120のバッテリカバー121を上から押える押えピン122を設ける。この押えピン122はバッテリ120の前後中央に位置させ、バッテリカバー121が外れない高さとする。この押えピン122により、バッテリ120を固定するためのゴムバンド等を省略でき、部品点数を減らすことでコストダウンが可能となる。
図21には、第三実施形態にかかる苗移植機のフロアステップ35周辺の平面図を示す。フロアステップ35の内、機体の左右中央に位置するものの上には、ステップマット123を敷く。このステップマット123は、機体後方側に位置する固定クリップ124・・・と機体前方側に位置する固定片125・・・により、フロアステップ35に対し固定する。固定クリップ124は、フロアステップ35に対し、ねじによりステップマット123を固定するものであり、固定片125はフロアステップ35の裏面に設けた凸体で、固定片125をフロアステップ35に差し込むことにより固定する。固定片125は、作業者がステップマット123のその部分を上に向いて引き上げることで容易にはずすことができ、ステップマット123を引き上げた後、作業者はフロアステップ35の下にある株間レバー126を操作することができる。
1 苗移植機
2 走行車体
4 苗植付装置
16 副変速操作部材
20 エンジン
23 無段変速装置
51 苗載せ部材
52 苗植付杆
55 センターフロート(フロート)
56 サイドフロート(フロート)
101 操作検知部材
102 接地検知部材
103 減速操作検知部材
104 上昇検知部材
105 植付入切部材
112 第二断接手段(植付クラッチ機構)
115 第五断接手段(植付クラッチ機構)

Claims (8)

  1. 走行車体(2)に、この走行車体(2)の走行動力を供給するエンジン(20)と無段変速装置(23)とを備えると共に、前記走行車体(2)の走行伝動を切り替える副変速操作部材(16)を設け、
    前記走行車体(2)の後部に設けた苗植付装置(4)には、苗を積載する苗載せ部材(51)と、
    この苗載せ部材(51)から苗を圃場に植付ける苗植付杆(52)と、
    この苗植付杆(52)への駆動力の伝動を入切する植付クラッチ機構(112、115)と、を備えた苗移植機において、
    前記副変速操作部材(16)が所定位置に操作されたことを検知する操作検知部材(101)を設け、
    この操作検知部材(101)が検知状態になると、
    走行駆動力の伝動を遮断し、
    植付クラッチ機構(112、115)を「入」状態にして第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させると共に、
    前記第一設定時間経過後、第二設定時間だけ前記操作検知部材(101)の検知状態が維持されているときは前記苗植付杆(52)が再び作動する構成としたことを特徴とする苗移植機。
  2. 前記苗載せ部材(51)の下方に、圃場面に接地するフロート(55、56、56)を設け、
    このフロート(55、56、56)の接地を検知する接地検知部材(102)を設け、
    この接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知しているときは、
    前記操作検知部材(101)が検知状態になると第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させ、
    前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、前記操作検知部材(101)が検知状態である間、前記苗植付杆(52)を連続して作動させる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  3. 前記接地検知部材(102)が、前記フロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、
    前記操作検知部材(101)の第三設定時間の検知状態継続後、
    前記苗植付杆(52)を連続して作動させる構成としたことを特徴とする請求項2に記載の苗移植機。
  4. 前記苗載せ部材(51)の下方に、圃場面に接地するフロート(55、56、56)を設け、
    このフロート(55、56、56)の接地を検知する接地検知部材(102)を設け、
    この接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知しているときは、
    前記操作検知部材(101)が検知状態になると第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させ、
    前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知していないときは、前記操作検知部材(101)から検知信号が出力されると前記エンジン(20)が停止状態となると共に、この停止状態で再度前記検知信号が出力されると前記エンジン(20)が始動する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の苗移植機。
  5. 前記走行車体(2)を減速させる減速操作部材と、
    この減速操作部材の減速操作を検知する減速操作検知部材(103)とを備え、
    前記エンジン(20)が停止状態にあり、且つ前記減速操作検知部材(103)が検知状態であるときに、
    前記操作検知部材(101)から検知信号が出力されると前記エンジン(20)が始動する構成としたことを特徴とする請求項4に記載の苗移植機。
  6. 前記植付クラッチ機構(112、115)を入切操作する植付入切部材(105)を設け、
    前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知し、
    第一設定時間だけ前記苗植付杆(52)を作動させているときに、
    前記植付入切部材(105)を入操作すると、
    前記植付クラッチ機構(112、115)が「切」となると共に、前記無段変速装置(23)の出力を下げる構成としたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の苗移植機。
  7. 前記植付クラッチ機構(112、115)を入切操作する植付入切部材(105)を設け、
    前記接地検知部材(102)が前記フロート(55、56、56)の接地を検知せず、
    前記操作検知部材(101)を検知状態とし、前記苗植付杆(52)を連続して作動させているときに、
    前記植付入切部材(105)を操作すると、
    前記植付クラッチ機構(112、115)の入切が変更される構成としたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の苗移植機。
  8. 前記苗植付装置(4)が所定高さ以上に移動したことを検知する上昇検知部材(104)を設け、
    前記エンジン(20)の始動後、この上昇検知部材(104)が前記苗植付装置(4)の所定高さ以上の上昇を検知していないときは、
    前記副変速操作部材(16)の前記操作検知部材(101)が検知状態になっても、
    前記植付クラッチ機構(112、115)が「入」状態にならず、
    前記苗植付装置(4)に植付駆動力が供給されない構成としたことを特徴とする請求項1から7に記載の苗移植機。
JP2014012264A 2014-01-27 2014-01-27 苗移植機 Active JP6115785B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014012264A JP6115785B2 (ja) 2014-01-27 2014-01-27 苗移植機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014012264A JP6115785B2 (ja) 2014-01-27 2014-01-27 苗移植機

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015139374A true JP2015139374A (ja) 2015-08-03
JP2015139374A5 JP2015139374A5 (ja) 2016-10-06
JP6115785B2 JP6115785B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=53770191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014012264A Active JP6115785B2 (ja) 2014-01-27 2014-01-27 苗移植機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6115785B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105815016A (zh) * 2016-05-07 2016-08-03 潍坊同方机械有限公司 水稻钵苗栽植机栽植臂

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH104730A (ja) * 1996-06-21 1998-01-13 Iseki & Co Ltd 乗用型田植機
JP3302478B2 (ja) * 1994-01-24 2002-07-15 株式会社クボタ 作業機
JP2003274716A (ja) * 2002-03-27 2003-09-30 Iseki & Co Ltd 作業車両
JP2004337052A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Yanmar Co Ltd 田植機
JP4325408B2 (ja) * 2004-01-13 2009-09-02 井関農機株式会社 苗移植機
JP4416436B2 (ja) * 2003-05-14 2010-02-17 ヤンマー株式会社 田植機
JP4568200B2 (ja) * 2005-09-22 2010-10-27 株式会社クボタ 農作業車の作業装置昇降構造
JP2013192504A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Iseki & Co Ltd 苗移植機
JP2014003962A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Iseki & Co Ltd 苗移植機

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3302478B2 (ja) * 1994-01-24 2002-07-15 株式会社クボタ 作業機
JPH104730A (ja) * 1996-06-21 1998-01-13 Iseki & Co Ltd 乗用型田植機
JP2003274716A (ja) * 2002-03-27 2003-09-30 Iseki & Co Ltd 作業車両
JP2004337052A (ja) * 2003-05-14 2004-12-02 Yanmar Co Ltd 田植機
JP4416436B2 (ja) * 2003-05-14 2010-02-17 ヤンマー株式会社 田植機
JP4325408B2 (ja) * 2004-01-13 2009-09-02 井関農機株式会社 苗移植機
JP4568200B2 (ja) * 2005-09-22 2010-10-27 株式会社クボタ 農作業車の作業装置昇降構造
JP2013192504A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Iseki & Co Ltd 苗移植機
JP2014003962A (ja) * 2012-06-27 2014-01-16 Iseki & Co Ltd 苗移植機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105815016A (zh) * 2016-05-07 2016-08-03 潍坊同方机械有限公司 水稻钵苗栽植机栽植臂

Also Published As

Publication number Publication date
JP6115785B2 (ja) 2017-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5054575B2 (ja) 田植機
JP5493508B2 (ja) 農作業機
JP6019811B2 (ja) 苗移植機
JP2012070663A (ja) 苗移植機
JP2014083044A (ja) 苗移植機
JP5888613B2 (ja) 苗移植機
JP6115785B2 (ja) 苗移植機
JP5761298B2 (ja) 苗移植機
JP2014155462A5 (ja)
JP2013053605A (ja) 作業車のエンジン停止操作構造
JP6380599B2 (ja) 苗移植機
JP2015139374A5 (ja)
JP2008253231A (ja) 走行車体
JP2013066391A (ja) 苗移植機
JP2013110977A (ja) 苗移植機
JP6485113B2 (ja) 作業機
JP2012237213A (ja) 作業車のエンジン始動構造
JP2019004891A (ja) 作業機
JP5530397B2 (ja) 作業車の供給物補給構造
JP6128078B2 (ja) 苗移植機
JP6260436B2 (ja) 苗移植機
JP2013102735A (ja) 苗移植機
JP2013201972A (ja) 苗移植機
JP4918107B2 (ja) 移動農機
JP2015084661A (ja) 苗移植機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160729

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20160729

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20160921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161012

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20161206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170223

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6115785

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150