JP4321367B2 - 車両用アウトサイドミラー装置 - Google Patents

Description

この発明は、車体（ドア）に対して可倒可能であるたとえばドアミラーなどの車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。

この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある（たとえば、特許文献１）。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献１にそれぞれ対応する。この車両用アウトサイドミラー装置は、車体に固定されるベース（３）と、前記ベース（３）に固定された可倒シャフト（４）と、前記可倒シャフト（４）に可倒機構を介して可倒可能に装備されたミラーアセンブリと、を備えるものである。前記ミラーアセンブリは、一方が開口しかつ他方が閉塞したミラーボデー本体（１）と、前記ミラーボデー本体（１）の開口部に作動ユニット（１１）を介してミラー角度制御可能に配置されたミラー（１２）と、前記ミラーボデー本体（１）の閉塞部に固定されかつ前記閉塞部を覆うカバー（２）と、から構成されている。

ところが、前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、ミラーボデー本体（１）の開口部側から、ミラーボデー本体（１）の開口部の縁とミラー（１２）の縁との間の隙間を通して、ミラーボデー本体（１）内のシャフト（４）および可倒機構（バネ１８、ワッシャー１９、プレート２０など）が見え、見栄え上問題があると言う課題がある。

特開２００２−２３４３９３号公報

この発明が解決しようとする問題点は、ミラーボデー本体（１）の開口部側から、ミラーボデー本体（１）の開口部の縁とミラー（１２）の縁との間の隙間を通して、ミラーボデー本体（１）内のシャフト（４）および可倒機構（バネ１８、ワッシャー１９、プレート２０など）が見え、見栄え上課題があると言う点にある。

この発明（請求項１にかかる発明）は、ミラーハウジングに壁部が、シャフトおよび可倒機構がミラーハウジングの開口部から見えないように設けられていて、ミラーハウジングの壁部が、ほぼ板形状をなし、かつ、ミラーハウジングの開口部の縁とミラーハウジングの取付部とに一体に繋げられている、ことを特徴とする。

また、この発明（請求項２にかかる発明）は、壁部のうちミラーハウジングの端部に対応する部分には、凹部もしくは凸部が設けられており、凹部の底部もしくは凸部の天部には、カバーが固定される固定部が設けられている、ことを特徴とする。

この発明（請求項１にかかる発明）の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングに設けられた壁部により、シャフトおよび可倒機構が目隠しされてミラーハウジングの開口部から見えない。このために、この発明の車両用アウトサイドミラー装置は、見栄えが向上される。

しかも、この発明（請求項１にかかる発明）の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの壁部がほぼ板形状をなすので、金型の構造が若干簡単となり（たとえば、キャビティー金型とスライド金型のコア部との合わせが不要である）、その分、製造コストを安価にすることができる。

その上、この発明（請求項１にかかる発明）の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの壁部がミラーハウジングの開口部の縁とミラーハウジングの取付部とに一体に繋げられているので、ミラーハウジングの剛性が向上される。

また、この発明（請求項２にかかる発明）の車両用アウトサイドミラー装置は、壁部のうちミラーハウジングの端部に対応する部分には凹部もしくは凸部が設けられていて、凹部の底部もしくは凸部の天部には、カバーが固定される固定部が設けられているので、一種のリブ構造をなす凹部もしくは凸部により、ミラーハウジングのうち、カバーが固定される固定部の強度、および、ミラーハウジング自体の強度が向上する。

以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例の１例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。

以下、この実施例における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図２において、符号１は、この実施例における車両用アウトサイドミラー装置であって、この例では自動車用のドアミラーである。この実施例のドアミラー１は、図示を省略するが、自動車の左右のドアにそれぞれ装備されている。なお、この実施例のドアミラー１は、自動車の右側のドアに装備されるものであって、自動車の左側のドアに装備されるドアミラーは、この実施例のドアミラー１とほぼ左右が逆となる。

この実施例のドアミラー１は、前記ドアに固定されるベース２と、前記ベース２に固定されたシャフト３と、前記シャフト３に可倒可能に装備されたミラーアセンブリ４と、を備えるものである。

前記ミラーアセンブリ４は、一方５が開口しかつ他方６が閉塞したミラーハウジング７と、前記ミラーハウジング７の開口部５に配置されかつ反射面８を有するミラーユニット９と、前記ミラーハウジング７の閉塞部６に固定されかつ前記閉塞部６を覆うカバー１０（化粧カバー、ガーニッシュ、シェルフレーム）と、から構成されている。

前記ミラーハウジング７は、前記シャフト３に可倒機構１１を介して前記シャフト３回りに可倒可能に取り付けられた取付部１２と、前記シャフト３および前記可倒機構１１が前記開口部５から見えないように設けられた壁部１３（図５および図６において、格子模様が施されている部分）と、を有する。

前記取付部１２は、前記ミラーハウジング７のうち、前記ベース２側（左側）でかつ下側に形成されている。前記取付部１２は、図３および図４に示すように、内筒１４と外筒１５とからなる２重筒形状をなす。前記内筒１４の一端部（下端部）が前記外筒１５の一端部よりも短い。前記内筒１４の一端面（下端面）が下座面１６を、前記内筒１４の他端面（上端面）および前記外筒１５の他端面（上端面）が上座面１７を、それぞれ形成する。

前記壁部１３は、前記ミラーハウジング７のうち、前記ベース２側（左側）で、かつ、前記開口部５の上縁と前記取付部１２の上座面１７とに一体に繋げられている。また、前記壁部１３は、ほぼ板形状をなす。さらに、前記壁部１３のうち前記ミラーハウジング７の上端部に対応する部分には、前記開口部５から見て凹部１８（もしくは、前記閉塞部６から見て凸部）が設けられている。前記凹部１８の底部１９（もしくは前記凸部の天部）には、前記カバー１０が固定される固定部としての係合孔２０が設けられている。

前記ミラーハウジング７は、スライド金型の第１金型（図示せず）により、前記開口部５および前記取付部１２および前記壁部１３が形成され、第２金型（図示せず）により、前記閉塞部６および前記取付部１２および前記壁部１３が形成され、第３金型（図示せず）により、前記取付部１２が形成される。前記第１金型は、金型のコア部がスライドした後に図４〜図６中の矢印Ａ方向に抜かれる。また、前記第２金型は、そのまま図４〜図６中の矢印Ｂ方向に抜かれる。さらに、前記第３金型は、そのまま図４〜図６中の矢印Ｃ方向に抜かれる。

前記ミラーハウジング７において、前記閉塞部６の前記開口部５側の面には、複数本、たとえば４本の取付ボス部２１が一体に設けられている。また、前記閉塞部６の前記開口部５側と反対側の面には、補強リブ２２が斜め格子状に一体に設けられている。さらに、前記閉塞部６のうち前記ミラーハウジング７の端部側には、複数個、たとえば４個の小四角形の係合孔２３が設けられている。

前記ミラーハウジング７の取付ボス部２１には、パワーユニット２４がスクリュー３１により取り付けられている。前記パワーユニット２４には、前記ミラーユニット９がほぼ水平軸回りに上下方向にまたほぼ垂直軸回りに左右方向に回動可能に取り付けられている。

前記カバー１０の内面（前記ミラーハウジング７の前記閉塞部６と対向する面）には、弾性係合爪２５が前記係合孔２０、２３に対応して一体に設けられている。前記カバー１０の弾性係合爪２５が前記ミラーハウジング７の係合孔２０、２３の縁に弾性係合することにより、前記カバー１０が前記ミラーハウジング７に固定される。

前記シャフト３は、一端（下端）が前記ベース２に固定されている。前記シャフト３の一端部（下端部）には、段部２６が設けられている。前記可倒機構１１は、前記シャフト３の段部２６の上面と前記取付部１２の内筒１４の下座面１６との間に設けられた下ワッシャー２７と、前記取付部１２の上座面１７に設けられた上ワッシャー２８と、前記シャフト３の他端部（上端部）に固定されたプッシュナット２９と、前記プッシュナット２９と前記上ワッシャー２８との間に設けられた圧縮タイプのスプリング３０とから構成されている。

この実施例における車両用アウトサイドミラー装置（実施例のドアミラー１）は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例における車両用アウトサイドミラー装置（実施例のドアミラー１）の作用について説明する。

まず、ミラーユニット９の反射面８で車両の後方を視認することができる。また、パワーユニット２４を駆動させると、ミラーユニット９をほぼ水平軸回りに上下方向にまたほぼ垂直軸回りに左右方向に回動させることができ、これにより、ミラーユニット９の反射面８の位置をドライバーの目線に合わせて調整することができる。

つぎに、手動によりミラーアセンブリ４をシャフト３の回りに時計方向または反時計方向に、スプリング３０のスプリング力よりも大きい力で回すと、ミラーアセンブリ４は、シャフト３の回りに時計方向または反時計方向に回転して収納される。また、ミラーアセンブリ４にスプリング３０のスプリング力よりも大きい力が作用すると、ミラーアセンブリ４は、シャフト３の回りに時計方向または反時計方向に緩衝のために回転する。

この実施例における車両用アウトサイドミラー装置（実施例のドアミラー１）は、以上のごとき構成作用からなり、以下、この実施例における車両用アウトサイドミラー装置（実施例のドアミラー１）の効果について説明する。

実施例のドアミラー１は、ミラーハウジング７に壁部１３が、シャフト３および可倒機構１１がミラーハウジング７の開口部５から見えないように設けられている。このために、実施例のドアミラー１は、ミラーハウジング７に設けられた壁部１３により、シャフト３および可倒機構１１が目隠しされてミラーハウジング７の開口部５から見えない。すなわち、図１に示すように、ミラーハウジング７の開口部５側から、ミラーハウジング７の開口部５の縁とミラーユニット９の縁との間の隙間を通して、ミラーハウジング７内を見ると（図１中の実線矢印Ｅ）、壁部１３が見え、この壁部１３によりシャフト３および可倒機構１１が目隠しされて、このシャフト３および可倒機構１１が見えない（図１中の破線矢印）。この結果、実施例のドアミラー１は、見栄えが向上される。

特に、実施例のドアミラー１は、ミラーハウジング７において、スライド金型の第１金型により、開口部５および取付部１２および壁部１３が形成され、第２金型により、閉塞部６および取付部１２および壁部１３が形成され、第３金型により、取付部１２が形成される。このために、実施例のドアミラー１は、従前の金型をそのまま使用することができる。しかも、実施例のドアミラー１においては、ミラーハウジング７の壁部１３がほぼ板形状をなすので、金型の構造が若干簡単となり（たとえば、キャビティー金型とスライド金型のコア部との合わせが不要である）、その分、製造コストを安価にすることができる。

また、実施例のドアミラー１は、ミラーハウジング７の壁部１３が開口部５の上縁と取付部１２の上座面１７とに一体に繋げられている。このために、この実施例のドアミラー１は、ミラーハウジング７の剛性が向上される。

さらに、実施例のドアミラー１は、壁部１３のうちミラーハウジング７の上端部に対応する部分に凹部１８を設け、この凹部１８の底部１９に係合孔２０を設けたものである。このために、実施例のドアミラー１は、一種のリブ構造をなす凹部１８により、ミラーハウジング７のうち、カバー１０の弾性係合爪２５が弾性係合する部分の強度、および、ミラーハウジング７自体の強度が向上する。しかも、実施例のドアミラー１は、ミラーハウジング７の上端部に係合孔２０を設けたので、カバー１０の弾性係合爪２５が弾性係合する箇所がミラーハウジング７の上端部となり、ミラーハウジング７の中央部における弾性係合と比較して、弾性係合の強度が向上される。

なお、前記の実施例においては、ドアミラーについて説明したが、この発明においては、その他の自動車用アウトサイドミラー装置、たとえば、フェンダミラーやトラックミラーなどであっても良い。

この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例を示す要部の横断面図であって、図２におけるＩ−Ｉ線断面図である。 同じく、ドアミラーを示す正面図である。 同じく、要部の縦断面図であって、図２におけるＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。 同じく、金型の抜き方向を示すミラーハウジング縦断面図である。 同じく、金型の抜き方向を示すミラーハウジングの閉塞部側の斜視図である。 同じく、金型の抜き方向を示すミラーハウジングの開口部側の斜視図である。

１ ドアミラー（車両用アウトサイドミラー装置）
２ ベース
３ シャフト
４ ミラーアセンブリ
５ 開口部
６ 閉塞部
７ ミラーハウジング
８ 反射面
９ ミラーユニット
１０ カバー
１１ 可倒機構
１２ 取付部
１３ 壁部
１４ 内筒
１５ 外筒
１６ 下座面
１７ 上座面
１８ 凹部
１９ 底部
２０ 係合孔
２１ 取付ボス部
２２ 補強リブ
２３ 係合孔
２４ パワーユニット
２５ 弾性係合爪
２６ 段部
２７ 下ワッシャー
２８ 上ワッシャー
２９ プッシュナット
３０ スプリング
３１ スクリュー
Ａ、Ｂ、Ｃ 金型の抜き方向
Ｅ 視線方向

Claims (2)

1. 車体に対して可倒可能である車両用アウトサイドミラー装置において、
   前記車体に固定されるベースと、前記ベースに固定されたシャフトと、前記シャフトに可倒可能に装備されたミラーアセンブリと、を備え、
   前記ミラーアセンブリは、一方が開口しかつ他方が閉塞したミラーハウジングと、前記ミラーハウジングの開口部に配置されかつ反射面を有するミラーユニットと、前記ミラーハウジングの閉塞部に固定されかつ前記閉塞部を覆うカバーと、から構成されており、
   前記ミラーハウジングは、前記シャフトに可倒機構を介して前記シャフト回りに可倒可能に取り付けられた取付部と、前記シャフトおよび前記可倒機構が前記開口部から見えないように設けられた壁部と、を有し、
   前記ミラーハウジングの壁部は、ほぼ板形状をなし、かつ、前記開口部の縁と前記取付部とに一体に繋げられている、
   ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
2. 前記壁部のうち前記ミラーハウジングの端部に対応する部分には、凹部もしくは凸部が設けられており、前記凹部の底部もしくは前記凸部の天部には、前記カバーが固定される固定部が設けられている、ことを特徴とする請求項１に記載の車両用アウトサイドミラー装置。

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