JP3835248B2 - スライドドアの前端部構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チャイルドセーフティロックレバーが設けられたスライドドアの前端部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のスライドドアの前端部には、走行中に子供がいたずらでドアのレバーを操作しても開かないようにドアをロックしておくチャイルドセーフティロックレバーが設けられている。
【0003】
そして、チャイルドセーフティロックレバーが設けられたスライドドアの前端部構造としては、例えば図5や図6に示すようなスライドドア101の前端部構造が提案されている(特開昭59−15176号公報参照)。
【0004】
この構造では、スライドドア本体101aのインナパネル102の前端部103の内側からフロントドア104との間に形成された空間105に操作部107が突出してチャイルドセーフティロックレバー106が配設されている。
【0005】
チャイルドセーフティロックレバー106の操作部107の前方にはインナパネル102に取り付けられたドアトリム108またはインサイドハンドルエスカッションの前端部109が延長されており、この前端部109には切欠き部110が形成されている。
【0006】
これにより、スライドドア101の閉時にはチャイルドセーフティロックレバー106の操作部107の車内側面107aがドアトリム108またはインサイドハンドルエスカッションの前端部109で覆われて車内I側から見えなくなるため、チャイルドセーフティロックレバー106を子供がいたずらで操作するのを防止している。
【0007】
さらに、ドアトリム108またはインサイドハンドルエスカッションの前端部109に切欠き部110を形成したことにより、スライドドア101の開時には切欠き部110を介してチャイルドセーフティロックレバー106の操作部107を操作することが可能になっている。
【0008】
また、図7に示すようなスライドドア201の前端部構造も提案されている。この構造は、スライドドア本体201aのインナパネル202にドアトリム203が空間204を形成して取り付けられており、この空間204にはチャイルドセーフティロックレバー205が配設されている。
【0009】
そして、ドアトリム203の前側には、チャイルドセーフティロックレバー205の操作部206を通す操作用開口部207が形成されたチャイルドレバーフィニッシャ208またはハンドルエスカッションが設けられている。
【0010】
これにより、スライドドア201の閉時にはチャイルドセーフティロックレバー205の操作部206が車体209とドアトリム203との間に位置して車内I側から見えなくなるため、子供がチャイルドセーフティロックレバーをいたずらで操作するのを防止している。
【0011】
さらに、チャイルドレバーフィニッシャ209またはハンドルエスカッションに操作用開口部207を形成したことにより、スライドドア201の開時にはチャイルドセーフティロックレバー205の操作部206を操作することが可能になっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5や図6で示したスライドドア101の前端部構造では、ドアトリム108またはインサイドハンドルエスカッションの前端部109に切欠き部110を形成したことにより、スライドドア101の開時には切欠き部110からドアトリム108またはインサイドハンドルエスカッションの内側が見やすくなってしまい見栄えが良くなかった。
【0013】
また、図7で示したスライドドア201の前端部構造においても、チャイルドレバーフィニッシャ208またはハンドルエスカッションに操作用開口部207を形成したことにより、スライドドア201の開時には操作用開口部207からチャイルドレバーフィニッシャ208またはハンドルエスカッションの内側が見やすくなり見栄えが良くなかった。
【0014】
さらに、操作用開口部207にチャイルドセーフティロックレバー205の操作部206を通す方向が前側から後側(矢印A方向)になるため、チャイルドレバーフィニッシャ208またはハンドルエスカッションの取付け方向が前側から後側(矢印A方向)へとなり、車内I側から車外O側となるドアトリムの取付け方向(矢印B方向)と一致しない。
【0015】
このため、チャイルドレバーフィニッシャ208またはハンドルエスカッションとドアトリム203とを別々にスライドドア本体201aのインナパネル202に取り付けなければならず、ドアトリム203の取付作業性が良くなかった。
【0016】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、チャイルドセーフティロックレバーが設けられていても、ドア開時における見栄えを良くするとともにドアトリムの取付作業性を向上させるスライドドアの前端部構造を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1記載のスライドドアの前端部構造においては、スライドドア本体のインナパネルに向かって前端部が屈曲され前記インナパネルとの間で空間を形成して取り付けられたドアトリムと、前記ドアトリムの前記前端部の後側に操作部が位置して前記空間内に配設されたチャイルドセーフティロックレバーとを備え、前記ドアトリムの前記前端部には、前記チャイルドセーフティロックレバーの前記操作部を前記前端部の前面側から操作する操作用開口部が設けられているとともに、前記前端部の後面には、前記操作用開口部より外側で前記チャイルドセーフティロックレバーの前記操作部を囲むとともに車外側に向かって開口した車外側開口部が形成されたトリム壁部が設けられている一方、前記チャイルドセーフティロックレバーには、前記操作部の車外側から前記トリム壁部の前記車外側開口部を塞ぐとともに、前記トリム壁部を介して前記操作部を囲むレバー壁部が設けられたものとしている。
【0018】
かかる構成においては、チャイルドセーフティロックレバーの操作部がドアトリムの操作用開口部と対応する側を除いてトリム壁部とレバー側璧部とで囲まれるため、スライドドア開時に操作用開口部からドアトリムの内側を見えにくくすることができる。
【0019】
また、ドアトリムをスライドドア本体のインナパネルに取り付ける際には、チャイルドセーフティロックレバーの操作部をトリム壁部の車外側開口部からトリム壁部内に入れるため、操作部をトリム壁部内に通す方向が車内側から車外側となりドアトリムの取付け方向と一致させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。
【0021】
図1は本発明の一実施の形態を示す車両のスライドドア1の前端部の要部横断面図であり、図2はスライドドア1の分解斜視図である。このスライドドア1の前端部構造は、車外O側に位置するアウタパネル21と車内I側に位置するインナパネル22とが接合されて成るスライドドア本体2と、スライドドア本体2のインナパネル22の車内I側に取り付けられたドアモジュール3と、前端部41がスライドドア本体2のインナパネル22に向かって屈曲され、ドアモジュール3を覆ってインナパネル22との間に空間Sを形成して取り付けられたドアトリム4とから構成されている。
【0022】
ドアモジュール3は、スライドドア本体2のインナパネル22に取り付けられたモジュールプレート31と、このモジュールプレート31に取り付けられてスライドドア本体2の動作を制御する制御部品とから構成されている。
【0023】
この制御部品は、モジュールプレート31の後端部に取り付けられてスライドドア1を車体10にロックさせるドアロック32と、ドアロック32にワイヤケーブル33を介して連結されるとともにモジュールプレート31の前端部に取り付けられてドアロック32の遠隔制御を行うロックリモートコントロール34と、ロックリモートコントロール34に上下方向に回動自在に取り付けられたチャイルドセーフティロックレバー35とから構成されている。
【0024】
このチャイルドセーフティロックレバー35は、チャイルドセーフティロックレバー35を操作する操作部36がドアトリム4の前端部41の後側に位置して前記空間S内に配設されている。
【0025】
また、ドアトリム4の前端部41には、チャイルドセーフティロックレバー35の操作部36を前端部41の前面42側から操作する操作用開口部43が形成されている。
【0026】
これにより、スライドドア1の開時には操作用開口部43を介してチャイルドセーフティロックレバー35の操作部36を図3(図1のC矢視図)の実線で示すロックON位置(上側)まで上げると、室内側のハンドルレバー(図示せず)を操作してもロックリモートコントロール34とワイヤケーブル33を介してドアロック32のロック状態が解除されないようになっている。
【0027】
また、チャイルドセーフティロックレバー35の操作部36を図3の一点鎖線で示すロックOFF位置まで下げると、室内側のハンドルレバー(図示せず)を操作した時にロックリモートコントロール34とワイヤケーブル33とを介してドアロック32が作動し、スライドドア1と車体10とのロック状態が解除されるようになっている。
【0028】
また、ドアトリム4の前端部41の後面44には、操作用開口部43より外側でチャイルドセーフティロックレバー35の操作部36を囲むトリム壁部5が設けられている。
【0029】
このトリム壁部5は、図4に示すようにドアトリム4の前端部41の後面44に沿って操作用開口部43の上下縁から前端部41の車内側端部45にかけてそれぞれ設けられた上壁51および下壁52と、両壁51、52の後端部を連結する後壁53とから構成されている。
【0030】
これによりトリム壁部5は、三つの壁51、52、53でチャイルドセーフティロックレバー35の操作部36を囲んでいるとともに車外O側に向かって開口した車外側開口部54が形成されており、車外O側からみた形状が略コ字型となっている。
【0031】
また、トリム壁部5の後壁53には、チャイルドセーフティロックレバー35の操作部36の操作範囲D(図3参照)に合わせて車外Oから車内I側に向かって切り欠いた切欠き部55が設けられている。
【0032】
一方、チャイルドセーフティロックレバー35には、図4に示すように操作部36を車外O側と上下側と後側とから囲むレバー壁部6が操作部36の外側に一体となって設けられている。
【0033】
このレバー壁部6は、操作部の車外O側に立設してトリム壁部5の車外側開口部54を塞ぐ外壁61と、外壁61の上下端からそれぞれ車内I側に向かって延設されてトリム壁部5の上壁51および下壁52より外側に位置した上壁62および下壁63と、外壁61の後端から車内I側に向かって延設されるとともに上下壁62、63の後端部を連結してトリム壁部5より後側に位置し、トリム壁部5の切欠き部55を塞ぐ後壁64とから構成されている。
【0034】
したがってレバー壁部6は、スライドア本体2のインナパネル22にドアトリム4が取り付けられた状態では図1や図3に示すように、チャイルドセーフティロックレバー35の操作部36の車外O側からトリム壁部5の車外側開口部54を塞ぐとともにトリム壁部5の後側から切欠き部55を塞ぎ、トリム壁部5を介して操作部36を囲んで構成されている。
【0035】
かかる構成においては、チャイルドセーフティロックレバー35の操作部36がドアトリム4の操作用開口部43と対応する側を除いてトリム壁部5とレバー璧部6とで囲まれた状態となっている。
【0036】
このため、スライドドア1の開時には操作用開口部43からドアトリム4の内側を見えにくくすることができる。よって、本実施の形態のスライドドア1の前端部構造では、チャイルドセーフティロックレバー35が設けられていてもドア開時における見栄えを良くすることができる。
【0037】
また、ドアトリム4をスライドドア本体2のインナパネル22に取り付ける際には、チャイルドセーフティロックレバー35の操作部36をトリム壁部の車外側開口部54と切欠き部55に通してトリム壁部5内に入れ、操作用開口部43の後側に位置させる。
【0038】
このため、チャイルドセーフティロックレバー35の操作部36をトリム壁部5内に通す方向が車内I側から車外O側へとなり(矢印B方向)、ドアトリム4の取付け方向と一致させることができる。よって、チャイルドセーフティロックレバー35が設けられていてもドアトリム4の取付作業性を向上させることができる。
【0039】
また、ドアトリム4の前端部41において操作開口部43の外側にトリム壁部5を設けたことにより、ドアトリム4の前端部41に操作開口部43が設けられていても前端部41の剛性の低下を抑えることができる。
【0040】
また、トリム壁部5に切欠き部55を設けたことにより、この切欠き部55とチャイルドセーフティロックレバー35の操作部36との間に、操作部36の位置に応じて隙間7が形成される。すなわち、チャイルドセーフティロックレバー35のロックON時には操作部36の下側に隙間7が形成され、チャイルドセーフティロックレバー35のロックOFF時には操作部36の上側に隙間7が形成される。
【0041】
このため、この隙間7により操作用開口部43からチャイルドセーフティロックレバー35の操作部36の位置が確認しやすくなる。よって、チャイルドセーフティロックレバー35の操作性を向上させることができる。
【0042】
また、本実施の形態のスライドドア1の前端部構造ではドアトリム4に操作用開口部43を形成したことにより、操作用開口部が形成されたチャイルドレバーフィニッシャまたはハンドルエスカッション等の別部品が不要となる。よって、ドアトリム4の設計自由度を向上させることができる。
【0043】
また、本実施の形態ではドアトリム4に操作用開口部43を形成したが、この様に操作用開口部をドアトリム4に一体成形して設けても良いし、また別部品としてドアトリム4に設けても良い。よって、ドアトリム4に対する操作用開口部の設置方法の自由度も向上するので、ドアトリム4の設計自由度をさらに向上させることができる。
【0044】
また、ドアトリム4とは別部品で操作用開口部を設けた場合には、ドアトリム4にサブアセンブリしてからスライドドア本体2のインナパネル22に取り付けることができるので、ドアトリム4の取付作業性を向上させることができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載のスライドドアの前端部構造においては、チャイルドセーフティロックレバーの操作部がドアトリムの操作用開口部と対応する側を除いてトリム壁部とレバー側璧部とで囲まれるため、スライドドア開時に操作用開口部からドアトリムの内側を見えにくくすることができる。よって、チャイルドセーフティロックレバーが設けられていてもスライドドア開時における見栄えを良くすることができる。
【0046】
また、ドアトリムをスライドドア本体のインナパネルに取り付ける際には、チャイルドセーフティロックレバーの操作部をトリム壁部の車外側開口部からトリム壁部内に入れるため、操作部をトリム壁部内に通す方向が車内側から車外側となりドアトリムの取付け方向と一致させることができる。よって、チャイルドセーフティロックレバーが設けられていてもドアトリムの取付作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すスライドドアの前端部構造の要部横断面図である。
【図2】スライドドアの分解斜視図である。
【図3】図1のC矢視図である。
【図4】スライドドアの前端部構造の要部を示す分解斜視図である。
【図5】従来のスライドドアの前端部構造の横断面図である。
【図6】図5の要部斜視図である。
【図7】他の従来のスライドドアの前端部構造の横断面図である。
【符号の説明】
1 スライドドア
2 スライドドア本体
4 ドアトリム
5 トリム壁部
6 レバー璧部
22 インナパネル
35 チャイルドセーフティロックレバー
36 操作部
41 前端部
42 前面
43 操作用開口部
44 後面
54 車外側開口部
S 空間
Claims (1)
- スライドドア本体のインナパネルに向かって前端部が屈曲され前記インナパネルとの間で空間を形成して取り付けられたドアトリムと、
前記ドアトリムの前記前端部の後側に操作部が位置して前記空間内に配設されたチャイルドセーフティロックレバーとを備え、
前記ドアトリムの前記前端部には、前記チャイルドセーフティロックレバーの前記操作部を前記前端部の前面側から操作する操作用開口部が設けられているとともに、前記前端部の後面には、前記操作用開口部より外側で前記チャイルドセーフティロックレバーの前記操作部を囲むとともに車外側に向かって開口した車外側開口部が形成されたトリム壁部が設けられている一方、
前記チャイルドセーフティロックレバーには、前記操作部の車外側から前記トリム壁部の前記車外側開口部を塞ぐとともに、前記トリム壁部を介して前記操作部を囲むレバー壁部が設けられたことを特徴とするスライドドアの前端部構造。
Priority Applications (1)
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JP2001328851A JP3835248B2 (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | スライドドアの前端部構造 |
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JP2001328851A JP3835248B2 (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | スライドドアの前端部構造 |
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Family Applications (1)
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JP2001328851A Expired - Lifetime JP3835248B2 (ja) | 2001-10-26 | 2001-10-26 | スライドドアの前端部構造 |
Country Status (1)
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JP7304673B2 (ja) * | 2019-08-29 | 2023-07-07 | ダイハツ工業株式会社 | 車両用サイドドア構造 |
-
2001
- 2001-10-26 JP JP2001328851A patent/JP3835248B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2003127665A (ja) | 2003-05-08 |
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