JP4314088B2 - 振動型アクチュエータの制御装置および制御方法、振動型アクチュエータを駆動源とする装置 - Google Patents

振動型アクチュエータの制御装置および制御方法、振動型アクチュエータを駆動源とする装置 Download PDF

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Description

本発明は、超音波モータ等と称される振動型アクチュエータの制御に関するものである。
従来、振動型アクチュエータの消費電力を低減させるための提案が、特許文献1等によりなされている。この提案では、振動型モータの駆動周波数を制御する際に、振動型モータの駆動速度が低い周波数領域では、駆動電圧または駆動回路に入力するパルス信号のパルス幅を小さくすることにより、効率の改善を図るものである。
特開平11−215855号公報(段落0032〜0035、図)
しかしながら、周波数の領域に応じて駆動電圧またはパルス幅を制御する上記特許文献1にて提案の制御方法では、下記のような課題があった。
1.駆動速度が低い周波数領域で設定される駆動電圧又はパルス信号のパルス幅は、振動型モータの性能のばらつきを考慮して、駆動速度が低い周波数領域において余裕をもった(駆動が停止しない)駆動電圧またはパルス幅が設定される。したがって、消費電力を十分に小さくすることができない。
2.振動型モータによって駆動する負荷の大きさや温度、湿度等の使用環境によって、振動型アクチュエータを目標速度で駆動するのに必要な周波信号の周波数や電圧が変化するため、これら負荷や使用環境の変動に対して余裕をもった駆動電圧またはパルス幅を設定すると、やはり消費電力を十分に小さくすることができない。
3.振動型モータに印加する周波信号を生成する回路の構成部品(コンデンサやコイル等)の個体差や使用環境による特性の変動により、該回路にて生成される周波信号の電圧(振幅)が変動するので、常に効率の良い駆動を行うことが難しい。
本発明は、振動型アクチュエータの特性、負荷および周波信号を生成する回路の特性の変化にかかわらず効率の良い振動型アクチュエータの駆動を可能とし、消費電力を極力小さくすることができるようにした振動型アクチュエータの制御装置および制御方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、第1の発明では、電気−機械エネルギ変換素子に周波信号を印加して弾性体に振動を励起し、弾性体と該弾性体に接触する接触体とを相対駆動する振動型アクチュエータの制御装置において、上記周波信号を生成する信号生成手段と、弾性体の振動状態を検出する振動検出手段と、信号生成手段において生成される信号と振動検出手段からの出力信号との位相差を検出する位相差検出手段と、接触体の速度を検出する速度検出手段と、
信号生成手段において生成される周波信号の周波数を接触体の速度が目標速度に近づくように制御する周波数制御手段、信号生成手段において生成される前記周波信号の電圧を制御する電圧制御手段とを有する。そして、制御手段は、周波信号の電圧が第1の値に設定されている状態で、速度検出手段にて検出された前記接触体の速度が前記目標速度に到達する前に前記位相差検出ユニットにより検出された位相差が第1の位相差以上となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第1の値よりも高い値に設定し、前記周波信号の電圧が第2の値に設定されている状態で、前記位相差検出ユニットにより検出された位相差が前記第1の位相差よりも前記弾性体が共振状態から遠ざかることを示す第2の位相差以下となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第2の値よりも低い値に設定する
また、第2の発明では、電気−機械エネルギ変換素子に周波信号を印加して弾性体に振動を励起し、弾性体と該弾性体に接触する接触体とを相対駆動する振動型アクチュエータの制御方法において、周波信号を生成する信号生成ステップと、弾性体の振動状態を検出するステップと、信号生成ステップにおいて生成される信号と振動検出ステップにより検出された振動状態を示す信号との位相差を検出する位相差検出ステップと、接触体の速度を検出する速度検出ステップと、信号生成ステップにおいて生成される周波信号の周波数を前記接触体の速度が目標速度に近づくように制御する周波数制御ステップ、信号生成手段において生成される前記周波信号の電圧を制御する電圧制御ステップとを有する。そして、電圧制御ステップにおいて、周波信号の電圧が第1の値に設定されている状態で、速度検出ステップにて検出された前記接触体の速度が前記目標速度に到達する前に前記位相差検出ステップにより検出された位相差が第1の位相差以上となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第1の値よりも高い値に設定し、前記周波信号の電圧が前記第2の値に設定されている状態で、前記位相差検出ステップにより検出された位相差が前記第1の位相差よりも前記弾性体が共振状態から遠ざかることを示す第2の位相差以下となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第2の値よりも低い値に設定する
上記第1および第2の発明によれば、信号生成手段において生成される信号(周波信号又は該周波信号を生成するための信号)と弾性体の振動状態を表す信号との位相差に基づいて、周波信号の電圧を制御するので、振動型アクチュエータの特性、負荷および信号生成手段の特性の変化にかかわらず効率の良い振動型アクチュエータの駆動を行うことができる。これにより、消費電力も極力小さくすることができる。しかも、周波信号の周波数を低下させても目標速度まで駆動速度を上げられなくなった場合は、該周波信号の電圧を増加させるので、最適な電圧で振動型アクチュエータを駆動することが可能となる
ここで、検出された位相差が第1の位相差よりも高周波数駆動状態を示す値であるときは周波信号の電圧を第1の電圧に設定し、検出された位相差が第1の位相差よりも低周波数駆動状態を示す値であるときは周波信号の電圧を第1の電圧よりも高くすることにより、第1の電圧よりも高い電圧が常時設定されている場合に比べて消費電力を少なくすることができる。また、第1の位相差を、振動型アクチュエータの非駆動状態よりも共振駆動状態に近い状態を示す位相差とすることにより、周波信号の電圧が第1の電圧よりも高く設定されている状態を少なくすることができ、消費電力の低減にさらに有効である。
さらに、第1の電圧を、その電圧を有する周波信号によって振動型アクチュエータが共振駆動状態となっても振動型アクチュエータの駆動速度が目標速度に到達しない電圧とすることにより、第1の電圧を低く抑え、消費電力をより少なくすることができる。
さらに、周波信号の電圧が第2の電圧に設定されている状態で検出された位相差が第1の位相差とは異なる第2の位相差よりも高周波数駆動状態を示す値となったときに、周波信号の電圧を第2の電圧よりも低くすることにより、駆動中の負荷の減少によって周波信号の周波数が上昇した場合に、電圧を下げて消費電力を低減することができる。電圧の低下を第1の位相差とは異なる第2の位相差に基づいて行うことにより、電圧制御を安定的に行うことができる。特に、第2の位相差を、第1の位相差よりも高周波数駆動状態を示す位相差とすることにより、周波信号の周波数がそれ以上高くなっても消費電力に大きな変化が生じなくなった状態からさらに消費電力を低減することが可能となる。
なお、周波信号の電圧に応じて第1および第2の位相差の値を変更することにより、振動型アクチュエータの負荷状態に応じて消費電力を抑えることができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図2には、本発明の実施例1である振動型モータの制御回路の構成を示す。図2において、1は振動型モータの制御を司るコントローラとしてのCPUであり、後述する速度情報および位相差情報に応じて駆動周波数および印加電圧振幅に相当するパルス幅を決定する。また、CPU1は、振動型モータ4の起動および停止の動作設定も行う。CPU1で実行される制御フローに関しては後で詳しく説明する。
ここで、振動型モータ4は、例えば図13(A)に示すように、金属等により製作された弾性体(ステータ)4aに、圧電素子(電気−機械エネルギ変換素子)15を貼り付けて構成された振動体と、弾性体にばね力等によって圧接する接触体(ロータ)4bとにより構成される。そして、圧電素子15に複数相の周波信号A,Bを印加することによって弾性体4aの表面に進行波を形成し、該弾性体4aと接触体4bとの摩擦によって両者を相対駆動するものである。図13()には、円環状に形成された弾性体に貼り付けられた圧電素子の配置と分極状態の例を示す。A1はA相の周波信号が印加される圧電素子群、B1はB相の周波信号が印加される圧電素子群である。また、S1はセンサ相(図13(A))中のSを構成する圧電素子である。
図2において、20は振動型モータ4によって駆動される被駆動部材であり、具体例としては、撮影レンズ装置におけるレンズ駆動機構や、複写機における感光ドラム、紙送り機構等、ロボットアーム等、様々なものが挙げられる。図13(A)においては、振動型モータ4の出力がギヤ31,32を介して、レンズ21を保持した被駆動部材20としてのレンズ鏡筒に伝達され、該レンズ鏡筒を駆動する場合の例を示している。
また図2において、2はパルス生成回路であり、CPU1から出力される駆動周波数設定値およびパルス幅設定値、起動停止指令に基づいて、図3に示すように、周波数が同一の4つのパルス信号を生成する。これら4つのパルス信号A+、A−、B+、B−はドライバ回路3に入力される。なお、パルス生成回路2およびドライバ回路3により請求の範囲にいう信号生成手段が構成される。また、請求の範囲にいう「信号生成手段において生成される信号」には、ドライバ回路3から出力される周波信号のほか、パルス生成回路2により生成されるパルス信号も含まれる(これについては実施例2で説明する)。
図4はドライバ回路3の一例を示したものである。ドライバ回路3は、スイッチング素子であるFET10,11,12,13からなるHブリッジ回路と、昇圧用のコイル14とにより構成されている。
図4において、15は振動型モータ4の圧電素子を示している。本実施例での振動型モータは、2種類の振動モードを組み合わせて進行波を発生させる方式のモータである。ここでは該2種類の振動モードをAモードおよびBモードと呼ぶ。図4に示す回路は、該2種類の振動モードのうち1つのモードを発生させるための電圧を供給する回路である。よって、実際にはAモード用ドライバ回路とBモード用ドライバ回路の2つのドライバ回路が設けられることになる。
図4において、4つのFET10,11,12,13の動作は、パルス生成回路2から出力されるパルス信号レベルに応じて行われる。
図5は、パルス生成回路2からドライバ回路3へ入力される4つのパルス信号のレベルとドライバ回路3から出力される信号out1,out2のレベルの関係を示す真理値表である。図5において、左の2列は入力されるパルス信号の論理値である。入力信号はAモード用回路ではA+およびA−、Bモード用回路ではB+およびB−となる。ここではAモードの場合を想定して説明する。
入力パルス信号A+およびA−の両方がLレベルであるときは、FET11およびFET13がON状態、FET10およびFET12がOFF状態となり、出力信号out1およびout2は共にグランドと接続され、Lレベルとなる。
入力パルス信号A+がHレベル、A−がLレベルであるときは、FET10およびFET13がON状態、FET11およびFET12がOFF状態となるので、出力信号out1はHレベル、out2はLレベルとなり、圧電素子15に電圧が印加される。
入力パルス信号A+がLレベル、A−がHレベルであるときは、FET11およびFET12がON状態、FET10およびFET13がOFF状態となるので、出力信号out1はLレベル、out2はHレベルとなり、上記とは逆向きの電圧が圧電素子15に印加される。なお、パルス生成回路2では、入力パルス信号A+およびA−が共にHレベルとなるような状態にはならない。
上記のような構成において、パルス生成回路2からドライバ回路3に入力される4つのパルス信号のパルス幅を変更することにより、振動型モータ4の圧電素子15に対して出力される周波信号の電圧振幅(以下、単に電圧という)を変更することが可能となる。
また、振動型モータ4の圧電素子15が有する静電容量と、該圧電素子15に接続されたコイル14とで構成される回路の直列共振周波数が、周波信号の周波数(以下、駆動周波数という)の近傍となるように、コイル14のインダクタンスを選択することにより、昇圧された電圧が圧電素子15に印加されるようになっている。
本実施例では、圧電素子には複数群の電極が取り付けられている。ここで、Aモード用の電極をMA+,MA−、Bモード用の電極をMB+,MB−と呼ぶ。Aモードの振動を発生させるためには、電極MA+とMA−に電圧を印加し、Bモードの振動を発生させるためには電極MB+とMB−に電圧を印加する。Aモード用ドライバ回路の出力信号out1は電極MA+に印加され、out2は電極MA−に印加される。同様にして、Bモード用ドライバ回路の出力信号out1は電極MB+に、out2は電極MB−に印加される。
図2において、振動型モータ4の駆動周波数が共振周波数にどの程度近いかを評価する方法として、本実施例では、印加電圧(周波信号)とセンサ相圧電素子から得られる弾性体の振動状態を示す信号との位相差を計測している。
具体的には、デジタル回路で構成されている位相差検出回路9で上記位相差を計測するために、コンパレータ7およびコンパレータ8を用いて、印加電圧および弾性体の振動状態をパルス信号に変換する。この際、コンパレータ8および9のマイナス入力には、基準信号である電極MA−の電圧が入力される。位相差検出回路9では、印加電圧をパルス化した信号の立ち上がりエッジから振動状態をパルス化した信号の立ち上がりエッジまでの時間を計測する。計測された位相差情報は、CPU1に入力される。
図2に示すように、振動型モータ4には、その速度や位置を検出するためのエンコーダ5が取り付けられている。エンコーダ5からは、振動型モータ4の回転に応じたパルス信号が出力される。図13(A)には、ギヤ31と一体回転するパルス板5aと、該パルス板5aを挟むように配置された投光部と受光部とを有するフォトインタラプタ5bとにより構成されるエンコーダ5の例を示している。
速度検出回路6は、エンコーダ5から出力されるパルス信号の周期を計測することにより振動型モータの速度(回転数)を検出する。計測された速度情報はCPU1に入力される。
CPU1は、位相差検出回路9から得られる位相差情報と速度検出回路から得られる速度情報とに基づいて、駆動周波数およびパルス幅(つまりは周波信号の電圧)を制御している。
ここで、図6(a)には、パルス幅をパラメータとしたときの振動型モータ4の駆動周波数と速度の関係を示す。図6(a)に示すように、振動型モータ4の速度は共振周波数における速度をピークとする曲線となる。共振周波数よりも低周波数側では、駆動周波数の変化に対する速度の変化が大きいので、一般には、共振周波数よりも高い周波数領域(図中に「周波数設定可能範囲」として示す)で制御を行う。なお、パルス幅を増加させる(振動型モータの振動変位を増加させる)と、若干ではあるが共振周波数が低下する傾向がある。
また、パルス幅との関係では、パルス幅が小さいほど(すなわち、電圧が低いほど)最高速度が小さくなる。
次に、パルス幅をパラメータとしたときの駆動周波数と消費電力との関係を図6(b)に示す。この図から、パルス幅が大きいほど(すなわち、電圧が高いほど)消費電力が大きくなることが分かる。特に、駆動周波数が高い低速領域では、駆動速度と消費電力の関係から、パルス幅が大きいと無駄に消費される電力が大きくなるのが分かる。以上のことから、パルス幅を小さくして振動型モータ4を駆動した方が、消費電力が少なく、効率が良いよいことになる。特に、駆動周波数が高い低速領域ではそれが顕著である。
図6(c)には、パルス幅をパラメータとしたときの駆動周波数と位相差検出回路9から得られる位相差との関係を示す。駆動周波数と位相差の関係は、パルス幅の大小によらずほぼ同様な特性となり、位相差を見ることで駆動周波数が共振周波数にどの程度近いかが分かる。図に示したように、位相差は非駆動状態において0°に、共振周波数(共振駆動状態)において90°になる。
以上のような特性から、駆動速度によって周波数制御を行うと同時に、位相差検出回路9から得られる位相差に応じてパルス幅を制御することにより、振動型モータの特性のばらつき、負荷状態の変化、ドライバ回路3内のコイル14の特性のばらつき等による周波信号の電圧にばらつきがあっても、効率の良い駆動を行うことができる。これを実現するためにCPU1が行う制御内容を図1のフローチャートを用いて以下に説明する。
図1において、Step1で本フローが開始されると、CPU1は、Step2で起動時の駆動周波数f1および起動時のパルス幅P1(周波信号の第1の電圧)をパルス生成回路2に対して設定する。ここで、起動時の駆動周波数f1は、振動型モータ4の共振周波数よりも十分高い値とする。これは、前述したように振動型モータ4の周波数制御においては、共振周波数よりも高い周波数領域を使用することを前提としているので、温度等の条件が変化しても確実に共振周波数よりも高い周波数で起動するためである。
また、起動時のパルス幅P1は、できるだけ小さい値を設定する。パルス幅P1は、共振周波数で振動型モータ4を駆動しても、駆動速度が最終的な目標速度に到達できないほど小さなパルス幅であってもよい。これは、振動型モータ4の消費電力をできるだけ少なくするためである。特に起動時は、駆動周波数が高い状態から起動するので、このときのパルス幅を小さくすることによって消費電力の低減に大きな効果がある。
次に、Step3では、パルス生成回路2に対して、振動型モータ4の起動指令を出力する。
次に、Step4では、速度検出回路6から振動型モータ4の駆動速度情報を読み込む。そして、該速度情報に基づいてStep5にて駆動周波数が決定される。
本実施例では、駆動速度と目標速度との差に対して、所定の制御ゲインを積算した値を駆動周波数に加算する方法で駆動周波数を決定する。
決定前の駆動周波数をfc、目標速度をVp、検出された駆動速度をVc、制御ゲインをGとすると、新しく設定される駆動周波数fnは下記式により求められる。
fn=fc+G・(Vc−Vp)
次に、Step6では、位相差検出回路9から位相差情報を読み込む。そしてStep7において、該位相差情報が所定値(第1の位相差)Pdh以上か否かを判別する。ここで、Pdhは、図6(c)に示すように、振動型モータ4が共振周波数よりも少し高い周波数で駆動されているときに位相差検出回路9から得られる値とする。すなわち、Pdhは、振動型モータ4の非駆動状態よりも共振駆動状態に近い駆動状態を示す位相差である。
この判別結果によって、振動型モータ4が共振周波数付近で駆動されているかどうかが検知できる。共振周波数付近で駆動されている場合(すなわち、位相差がPdhよりも共振駆動状態に近い低周波数駆動状態を示す値である場合)には、振動型モータ4は目標速度で駆動するための周波数の上昇に対して余裕が少ない(駆動周波数が設定可能範囲の下限値にほぼ達している)状態で駆動されていることになる。
該余裕が少ないと判別された場合は、Step8において、パルス生成回路2に対する設定パルス幅がそれまでのパルス幅P1から所定パルス幅分増加される。そして、Step8において、Step8にて決定されたパルス幅とStep5にて決定された駆動周波数とをパルス生成回路2に対して設定する。これにより、周波信号の電圧が高くなる。
パルス幅(電圧)が増加することによって、図6(a)に示したように、振動型モータ4の最高回転数がより高い状態で駆動されることになる。したがって、駆動周波数の上昇に対して余裕が生じる。なお、パルス幅の上限は、デューティー比で50%とする。
また、Step7にて位相差情報がPdhより低いと判別された場合(すなわち、位相差がPdhよりも共振駆動状態から離れる高低周波数駆動状態を示す値である場合)は、共振周波数付近での駆動ではないので、Step9に進み、Step2,5で決定されたパルス幅P1および駆動周波数をパルス生成回路2に対して設定する。
Step10では、CPU1の外部に設けられた不図示の回路やCPU1内部の他のプログラム(例えば、CPU1が振動型モータ4を駆動源とする装置のメインコントローラを兼ねている場合)から振動型モータ4の停止指令が出されたかどうかを検知する。モータ停止指令が出されていなければStep11に進む。本実施例では、CPU1のタイマ割り込みを使用して、一定周期ごとに制御を行うように構成されているので、Step11で次のタイマ割り込みのタイミングまで動作を一時停止させる。Step10でモータ停止指令が出されていれば、Step12で振動型モータ4を停止させる。
以上説明した制御によって、モータ起動時は比較的小さなパルス幅、すなわち周波信号の電圧で振動型モータ4を起動できるので、特に低速領域での無駄な電力消費を低減させることができる。また、圧電素子に印加される周波信号と、センサ相圧電素子から得られる弾性体の振動状態を示す信号との位相差を計測することで、振動型モータの特性のばらつきや、負荷の増大、昇圧用コイル14のインダクタンスのばらつきがあっても、振動型モータが共振駆動状態であるか否かを正確に判断することができる。さらに、モータ起動時のパルス幅では駆動周波数を設定可能な下限周波数まで低下させても目標速度まで駆動速度を上げられなくなった場合は、パルス幅を増加させ、周波信号の電圧を増加させるので、最適なパルス幅で振動型モータ4を駆動することが可能となる。なお、位相差を計測した結果、それ以上周波電圧の周波数を低下させることができないと判断された場合にのみパルス幅を増加させるため、周波信号の電圧値は極力小さい値に抑えることが可能となる。
本実施例では、駆動周波数およびパルス幅の制御をCPUが格納したソフトウエアにより行ったが、本発明はこれに限らず、上記制御内容を実現できる構成であればどのような構成をとってもよい。例えば、速度制御はデジタル回路などのハードウエアで行い、位相差の検出とパルス幅の制御をソフトウエアで行うというような複合的な制御を行ってもよい。また、全てをデジタル回路によって行ってもよい。
また、本実施例では、振動型モータの駆動状態(弾性体の振動状態)を検出する際に、周波信号と振動型モータのセンサ相圧電素子から出力される信号の位相差を使用したが、本発明はこれに限らず、振動型モータの周波信号における電圧と電流のそれぞれの信号の位相差を用いてもよい。この場合、該電流値を検出する電流検出器を請求の範囲にいう振動検出手段として用い、該電流検出器からの信号と信号生成手段により生成される信号としての電圧信号との位相差を検出すればよい。
図7には、本発明の実施例2である振動型モータの制御回路の構成を示す。なお、本実施例において、実施例1と共通する構成要素には同符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例は、上述した実施例1で説明した図2の回路を改良したものであり、圧電素子15への印加電圧をパルス化するためのコンパレータ7を廃止し、代わりにパルス生成回路2から出力されるパルス信号A+を位相差検出に使用している点で実施例1と異なる。また、コンパレータ8から出力されるパルス信号の極性が実施例1とは逆になるように、コンパレータ8の入力端子の関係を入れ替えている。このような構成にすることによって、実施例1よりも回路構成が簡単になる。パルス信号の極性を逆にした目的に関しては後述する。
図8は、図7に示した回路構成によって位相差を検出した場合の駆動周波数と位相差との関係を示したグラフである。実施例1のような構成の回路では、図6(c)のように、パルス幅の大きさにかかわらず駆動周波数に対する位相差はほぼ同じ特性であったが、本実施例では、パルス生成回路2から出力されるパルス信号を使用して、周波信号との位相差を計測しているので、位相差情報には、ドライバ回路3での位相遅れも含まれる。ドライバ回路3における位相遅れはパルス幅によって異なるので、図8に示すように、パルス幅に応じて位相差特性が変化する。
また、図8に示した特性では、位相差が120°(非駆動状態)から300°(共振駆動状態)の間になっているが、これは上述したように、コンパレータ8の入力信号の極性を実施例1とは逆にしたためである。このように極性を逆にしないと、位相差特性が360°の上下に現れることになり、位相差検出回路9が誤動作してしまうことになる。
このように、本実施例では、設定したパルス幅によって位相差特性が異なることから、位相差を検出し判別する際には、設定したパルス幅に応じて検出位相差の判断基準となるしきい値を変更する必要がある。これを実現するために、CPU1の内部または外部のメモリ(図示せず)に、予めパルス幅と位相差のしきい値が対応したテーブルデータを記憶させておくとよい。例えば、小さなパルス幅に対しては第1の位相差としてPd1を、中間のパルス幅に対してはPd2を、大きなパルス幅に対してはPd3というように記憶させておくとよい。
図9は、本実施例におけるCPU1での制御内容を表したフローチャートである。なお、本フローチャートにおいても、実施例1と同じ内容のステップについては実施例1と同符号を付す。
図9において、Step1にて本フローの実行を開始すると、CPU1は、Step2で起動時の駆動周波数f1およびパルス幅P1をパルス生成回路2に対して設定する。起動時の駆動周波数f1およびパルス幅P1の決定方法は実施例1と同様である。
次に、Step3では、パルス生成回路2に対して振動型モータ4の起動指令を行う。そして、Step4では、速度検出回路6から振動型モータ4の速度情報を読み込み、該速度情報に基づいて、Step5において駆動周波数を決定する。駆動周波数の決定方法は実施例1と同様である。次に、Step6では、位相差検出回路9から位相差情報を読み込む。
ここで、Step14では、その時点でのパルス幅に対応した位相差のしきい値Pdx(例えば、x=1〜3)をメモリ内のテーブルデータから取得する。次に、Step15では、Step14で取得したしきい値Pdxと、Step6で読み込んだ位相差情報とを比較し、位相差がしきい値Pdx以上であれば(すなわち、位相差がPdxよりも共振駆動状態に近い低周波数駆動状態を示す値であれば)、Step8において、パルス幅を所定パルス幅分増加させる。ここでも、実施例1と同様に、パルス幅の上限はデューティー比50%とする。そしてStep9に進み、該増加されたパルス幅とStep5で決定された駆動周波数をパルス生成回路2に対して設定する。
位相差がしきい値Pdxより小さければ(すなわち、位相差がPdxよりも共振駆動状態から離れる高周波数駆動状態を示す値であれば)、そのままStep9に進み、Step2,5で決定されたパルス幅P1と駆動周波数をパルス生成回路2に対して設定する。
そして、Step10で、外部の操作回路等からモータの停止指令が出されたかどうかを検知し、モータ停止指令が出されていなければStep11に進む。本実施例においても、実施例1と同様に、CPU1のタイマ割り込みを使用して、一定周期ごとに制御を行うように構成されているので、Step11で次のタイマ割り込みのタイミングまで動作を一時停止させる。Step10でモータ停止指令が出されていればStep12で振動型モータ4を停止させる。
以上説明したように、実施例2によれば、パルス幅(周波信号の電圧)に応じて位相差特性が異なるような構成の回路を用いた場合においても、実施例1と同様な効果が得られる。なお、本実施例では、図9のStep14において、その時点のパルス幅に相当する位相差のしきい値Pdxをメモリに記憶させたテーブルデータを用いて決定する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、パルス幅の値を基に計算式を用いてしきい値Pdxを決定してもよい。
前述した実施例1では、起動時にパルス幅を小さく設定し、検出された位相差に応じてパルス幅を増加させる制御を説明した。但し、モータ駆動中に負荷が減少すると、目標速度に維持しようとする周波数制御の結果、駆動周波数が高くなる。この場合に、パルス幅を大きな状態のまま保持していると、無駄な消費電力が多くなる可能性がある。そこで、本実施例では、上記問題に対処するために、実施例1に改善を加えている。制御回路の構成は、実施例1において図2に示したものと同様であるので、以下、同じ構成要素には実施例1と同符号を付して説明する。ここでは、CPU1で行われる制御内容についてのみ、図10を用いて説明する。
図10のフローチャートは、振動型モータ4が所定の速度(目標速度)に達した後に、一定速度制御を行っている状態から開始される。一定速度制御は、CPU1のタイマ割り込みの間隔で行われるので、タイマ割り込みが発生してから割り込み処理が終了するまでのフローを説明する。
Step101でタイマ割り込みが発生すると、CPU1は、Step102において速度検出回路6から速度情報を読み込む。そして、該速度情報に基づいてStep103にて駆動周波数を決定する。駆動周波数の決定方法は実施例1と同様である。また、この時点でのパルス幅は、実施例1にて説明した、起動時のパルス幅P1よりも高くされたパルス幅(周波信号の第2の電圧)であるものとする。
Step104では、位相差検出回路9から位相差情報を読み込む。そして、Step5において、該位相差情報が所定値(第1の位相差)Pdh以上であるか否かを判別する。ここで、位相差Pdhは、実施例1で説明したものと同様に、図6(c)で示したように、共振周波数より少し高い周波数で駆動したときの位相差であり、非駆動状態を示す位相差よりも共振駆動状態を示す位相差に近い値である。
Step105で位相差がPdh以上であると判別されると、Step106にて、パルス幅を所定パルス幅分増加させ、Step109に進む。Step105で位相差がPdhより小さいと判別されたときは、Step107に進む。
Step107では、位相差がPdl(第2の位相差)以下であるか否かを判別する。ここで、位相差Pdlは、図6(c)に示したように、位相差Pdhよりも高周波数駆動状態側の値として設定されたものであり、駆動周波数を増加させて駆動速度を減少させても、消費電力が大きく減少しない傾向が現れ始める周波数で駆動したときの位相差である。
Step107で位相差がPdl以下である(Pdlよりも高周波数駆動状態を示す値である)と判別されると、Step108にてパルス幅を所定パルス幅分、減少させる。このときに決定されるパルス幅は、実施例1にて説明した起動時のパルス幅P1と同じであってもよいし、これとは異なるパルス幅であってもよい。そして、Step109に進む。また、Step107で位相差がPdl以下でないと判別したときは、そのままStep109に進む。
Step109では、Step103で決定された駆動周波数と、Step106,108で決定された又はもともと設定されていたパルス幅をパルス生成回路2に対して設定する。
その後、Step110で割り込み動作が完了となり、次のタイマ割り込みが発生するまで決定された駆動周波数とパルス幅で駆動が継続される。
以上説明したように、本実施例では、モータの起動が完了し、一定速度になるように制御が行われている間に、モータの負荷状態が変化した場合には、パルス幅が調整される。すなわち、負荷に対してモータの出力に余裕があるときにはパルス幅が減少され、余裕がないときには駆動パルスが増加される。これにより、モータの負荷状態に応じた消費電力の抑制が行われる。
なお、本実施例における所定値pdlについても、実施例2と同様に、パルス幅(周波信号の電圧)に応じて変更するようにしてもよい。
以上説明した各実施例では、振動型モータ4の駆動速度に応じて駆動周波数を決定した後、検出した位相差に応じてパルス幅を決定する場合について説明した。この際、負荷が大幅に増大した場合や、振動型モータ4の出力性能が劣化することにより、所望の目標速度での駆動ができなくなった場合には、振動型モータ4に与えられる駆動周波数が共振周波数よりも低くなり、駆動速度が低下してしまう可能性がある。
本実施例は、上記問題に対処するために、実施例3に改善を加えたものである。制御回路の構成は、実施例3(実施例1)と同様であるので詳しい説明は省略し、ここではCPU1で実行される制御内容についてのみ、図11に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本フローチャートにおいても、実施例3と同じ内容のステップについては実施例3と同符号を付す。
図11において、Step101でタイマ割り込みが発生すると、CPU1は、Step2において、位相差検出回路9から位相差情報を読み込む。
次に、Step121では、読み込んだ位相差が90°以下であるか否かを判別する。前述したように、振動型モータ4を共振周波数で駆動したときには位相差が90°になり、90°よりも位相差が大きいときには振動型モータ4の駆動周波数を減少させても振動型モータ4の駆動速度は増加しない。このため、90°より位相差が大きい場合には、Step122にて駆動周波数を増加させ、駆動周波数が共振周波数よりも高くなるように設定する。そしてStep105に進む。
一方、Step121にて位相差が90°以下であると判断したときは、Step123にて、速度検出回路6から速度情報を読み込み、Step124で、該速度情報に基づいて駆動周波数を決定する。駆動周波数の決定方法は実施例3(実施例1)と同様である。そして、Step105に進む。
Step105では、位相差が所定値Pdh以上であるか否かを判別する。Pdh以上であればStep106にてパルス幅を所定パルス分増加させ、Step109に進む。位相差がPdh以上でなければStep107に進む。
Step107では、位相差がPdl以下であるか否かを判別する。Pdl以下であればStep108にて、パルス幅を所定のパルス幅分減少させ、Step109に進む。なお、所定値PdhおよびPdlは、実施例3と同様である。また、位相差がPdl以下でないときは、そのままStep109に進む。
Step109では、Step122又は124で決定された駆動周波数およびStep106,108で決定された又はもともと設定されていたパルス幅とをパルス生成回路2に対して設定する。その後、Step110で割り込み動作を終了する。
以上説明したように、本実施例では、駆動周波数を決定する前に位相差が90°以下になっているか否かを判別し、90°より大きければ(共振駆動状態より低周波数駆動状態側であれば)駆動周波数を増加させ、90°以下であれば(共振駆動状態より高周波数駆動状態側であれば)駆動速度に応じた駆動周波数を決定する。このため、負荷が大幅に増大した場合や振動型モータ4の出力性能が劣化した場合においても、振動型モータ4が停止することなく、そのときに出力できる最大速度に近い速度で駆動される。
なお、本実施例では、位相差が90°よりも大きいときにはStep122で一律に駆動周波数を増加させるような構成となっているが、駆動周波数を変更せずに保持する(すなわち、駆動周波数の低下を禁止又は制限する)ようにしてもよい。
図12のフローチャートを用いて、振動型モータ4の駆動中に目標速度が減少設定された場合のCPU1の動作について説明する。本実施例では、実施例1に説明した加速制御に対して逆の減速制御について説明する。制御回路の構成は、実施例1と同様であるので詳しい説明は省略する。
図12において、タイマ割り込みが発生し、Step301で目標速度が減少設定されたと判別すると、CPU1は、Step302において、速度検出回路6から速度情報を読み込み、Step303で、該速度情報に基づいて駆動周波数を決定する。駆動周波数の決定方法は実施例1と同様である。そして、Step304に進む。
Step304では、位相差検出回路9から位相差情報を読み込む。そして、Step305では、読み込んだ位相差が所定値Pdl以下であるか否かを判別する。Pdl以下であればStep306にてパルス幅を所定パルス幅分減少させ、Step307に進む。位相差がPdl以下でなければStep307に進む。
Step307では、Step303で決定された駆動周波数およびStep306で決定された又はもともと設定されていたパルス幅とをパルス生成回路2に対して設定する。その後、Step308で割り込み動作を終了する。
以上説明したように、本実施例では、振動型モータ4の駆動中に目標速度が減少設定された場合において、位相差が所定値Pdl以下であるときにはパルス幅を減少させるので、消費電力を減少させることができる。
本発明の実施例1である制御回路による制御手順を示すフローチャート。 実施例1の制御回路の構成を示すブロック図。 パルス生成回路から出力される信号を示す波形図。 ドライバ回路の回路構成を示す図。 ドライバ回路の入力と出力を示す真理値表。 振動型モータの駆動周波数と速度、電力および位相差の特性を示す図。 本発明の実施例2である制御回路の構成を示すブロック図。 実施例2における駆動周波数と位相差の特性を示す図。 実施例2の制御回路による制御手順を示すフローチャート。 本発明の実施例3である制御回路による制御手順を示すフローチャート。 本発明の実施例4である制御回路による制御手順を示すフローチャート。 本発明の実施例5である制御回路による制御手順を示すフローチャート。 振動型モータにおける圧電素子の配置および分極状態の例を示す図。
符号の説明
1 CPU
2 パルス生成回路
3 ドライバ回路
4 振動型モータ
5 エンコーダ
6 速度検出回路
7,8 コンパレータ
9 位相差検出回路
10,11,12,13 スイッチング素子
14 コイル
15 圧電素子

Claims (12)

  1. 電気−機械エネルギ変換素子に周波信号を印加して弾性体に振動を励起し、前記弾性体と前記弾性体に接触する接触体とを相対駆動する振動型アクチュエータの制御装置であって、
    前記周波信号を生成する信号生成手段と、
    前記弾性体の振動状態を検出する振動検出手段と、
    前記信号生成手段において生成される信号と前記振動検出手段からの出力信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記接触体の速度を検出する速度検出手段と、
    前記信号生成手段において生成される前記周波信号の周波数を前記接触体の速度が目標速度に近づくように制御する周波数制御手段と、
    前記信号生成手段において生成される前記周波信号の電圧を制御する電圧制御手段とを有し、
    前記電圧制御手段は、
    前記周波信号の電圧が第1の値に設定されている状態で、前記速度検出手段にて検出された前記接触体の速度が前記目標速度に到達する前に前記位相差検出ユニットにより検出された位相差が第1の位相差以上となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第1の値よりも高い値に設定し、
    前記周波信号の電圧が第2の値に設定されている状態で、前記位相差検出ユニットにより検出された位相差が前記第1の位相差よりも前記弾性体が共振状態から遠ざかることを示す第2の位相差以下となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第2の値よりも低い値に設定することを特徴とする振動型アクチュエータの制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記接触体の駆動を開始する際には、前記周波信号の電圧を、前記弾性体が共振状態となっても、前記接触体の速度が前記目標値に達しない第1の値に設定することを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記周波信号の電圧に応じて前記第1の位相差の値を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記周波信号の電圧に応じて前記第2の位相差の値を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  5. 前記信号生成手段は、パルス信号を生成するパルス生成部と、前記パルス信号を用いて前記周波信号を生成するドライバ部とを有し、
    前記制御手段は、前記パルス信号のパルス幅を増減させることにより前記周波信号の電圧を制御することを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  6. 請求項1からのいずれか1つに記載の制御装置を有し、
    前記制御装置により制御される振動型アクチュエータを駆動源とすることを特徴とする振動型アクチュエータを用いた装置。
  7. 電気−機械エネルギ変換素子に周波信号を印加して弾性体に振動を励起し、前記弾性体と前記弾性体に接触する接触体とを相対駆動する振動型アクチュエータの制御装置であって、
    前記周波信号を生成する信号生成手段と、
    前記弾性体の振動状態を検出する振動検出手段と、
    前記信号生成手段において生成される信号と前記振動検出手段からの出力信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記接触体の速度を検出する速度検出手段と、
    前記信号生成手段において生成される前記周波信号の周波数を前記接触体の速度を目標速度に近づくように制御する周波数制御手段と、
    前記信号生成手段において生成される前記周波信号の電圧を制御する電圧制御手段とを有し、
    前記電圧制御手段は、
    前記周波信号の電圧が第1の値に設定されている状態で、前記接触体の速度が前記目標速度に到達する前に前記位相差検出手段により検出された位相差が前記弾性体の共振周波数よりも高く、駆動周波数の変化に対する消費電力の変化が大きい周波数領域の第1の位相差以上となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第1の値よりも高い値に設定することを特徴とする振動型アクチュエータの制御装置。
  8. 電気−機械エネルギ変換素子に周波信号を印加して弾性体に振動を励起し、前記弾性体と前記弾性体に接触する接触体とを相対駆動する振動型アクチュエータの制御方法であって、
    前記周波信号を生成する信号生成ステップと、
    前記弾性体の振動状態を検出する振動検出ステップと、
    前記信号生成ステップにおいて生成される信号と前記振動検出ステップにより検出された振動状態を示す信号との位相差を検出する位相差検出ステップと、
    前記接触体の速度を検出する速度検出ステップと、
    前記信号生成ステップにおいて生成される前記周波信号の周波数を前記接触体の速度が目標速度に近づくように制御する周波数制御ステップと、
    前記信号生成手段において生成される前記周波信号の電圧を制御する電圧制御ステップとを有し、
    前記電圧制御ステップにおいて、
    前記周波信号の電圧が第1の値に設定されている状態で、前記速度検出ステップにて検出された前記接触体の速度が前記目標速度に到達する前に前記位相差検出ステップにより検出された位相差が第1の位相差以上となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第1の値よりも高い値に設定し、前記周波信号の電圧が前記第2の値に設定されている状態で、前記位相差検出ステップにより検出された位相差が前記第1の位相差よりも前記弾性体が共振状態から遠ざかることを示す第2の位相差以下となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第2の値よりも低い値に設定するステップを含むことを特徴とする振動型アクチュエータの制御方法。
  9. 前記制御ステップにおいて、前記接触体の駆動を開始する際には、前記周波信号の電圧を、前記弾性体が共振状態となっても、前記接触体の速度が前記目標値に達しない第1の値に設定することを特徴とする請求項8に記載の振動型アクチュエータの制御方法。
  10. 前記制御ステップにおいて、前記周波信号の電圧に応じて前記第1の位相差の値を変更することを特徴とする請求項8又は9に記載の振動型アクチュエータの制御方法。
  11. 前記制御ステップにおいて、前記周波信号の電圧に応じて前記第2の位相差の値を変更することを特徴とする請求項8から10のいずれか1つに記載の振動型アクチュエータの制御方法。
  12. 電気−機械エネルギ変換素子に周波信号を印加して弾性体に振動を励起し、前記弾性体と前記弾性体に接触する接触体とを相対駆動する振動型アクチュエータの制御方法であって、
    前記周波信号を生成する信号生成ステップと、
    前記弾性体の振動状態を検出する振動検出ステップと、
    前記信号生成ステップにおいて生成される信号と前記振動検出ステップにより検出された振動状態を示す信号との位相差を検出する位相差検出ステップと、
    前記接触体の速度を検出する速度検出ステップと、
    前記信号生成ステップにおいて生成される前記周波信号の周波数を前記接触体の速度が目標速度に近づくように制御する周波数制御ステップと、
    前記信号生成手段において生成される前記周波信号の電圧を制御する電圧制御ステップとを有し、
    前記電圧制御ステップにおいて、
    前記周波信号の電圧が第1の値に設定されている状態で、前記速度検出ステップにて検出された前記接触体の速度が前記目標速度に到達する前に前記位相差検出ステップにより検出された位相差が前記弾性体の共振周波数よりも高く、駆動周波数の変化に対する消費電力の変化が大きい周波数領域の第1の位相差以上となった場合には、前記周波信号の電圧を前記第1の値よりも高い値に設定するステップを含むことを特徴とする振動型アクチュエータの制御方法。
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