JP2007215390A - 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器 - Google Patents

圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2007215390A
JP2007215390A JP2006227220A JP2006227220A JP2007215390A JP 2007215390 A JP2007215390 A JP 2007215390A JP 2006227220 A JP2006227220 A JP 2006227220A JP 2006227220 A JP2006227220 A JP 2006227220A JP 2007215390 A JP2007215390 A JP 2007215390A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase difference
drive
frequency
piezoelectric actuator
pulse width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006227220A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Urano
治 浦野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006227220A priority Critical patent/JP2007215390A/ja
Priority to US11/648,665 priority patent/US20070159507A1/en
Publication of JP2007215390A publication Critical patent/JP2007215390A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G04HOROLOGY
    • G04CELECTROMECHANICAL CLOCKS OR WATCHES
    • G04C3/00Electromechanical clocks or watches independent of other time-pieces and in which the movement is maintained by electric means
    • G04C3/08Electromechanical clocks or watches independent of other time-pieces and in which the movement is maintained by electric means wherein movement is regulated by a mechanical oscillator other than a pendulum or balance, e.g. by a tuning fork, e.g. electrostatically
    • G04C3/12Electromechanical clocks or watches independent of other time-pieces and in which the movement is maintained by electric means wherein movement is regulated by a mechanical oscillator other than a pendulum or balance, e.g. by a tuning fork, e.g. electrostatically driven by piezoelectric means; driven by magneto-strictive means
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/14Drive circuits; Control arrangements or methods
    • H02N2/142Small signal circuits; Means for controlling position or derived quantities, e.g. speed, torque, starting, stopping, reversing
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/0005Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing non-specific motion; Details common to machines covered by H02N2/02 - H02N2/16
    • H02N2/001Driving devices, e.g. vibrators
    • H02N2/003Driving devices, e.g. vibrators using longitudinal or radial modes combined with bending modes
    • H02N2/004Rectangular vibrators
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N2/00Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction
    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/103Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors by pressing one or more vibrators against the rotor
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N30/00Piezoelectric or electrostrictive devices
    • H10N30/20Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators
    • H10N30/202Piezoelectric or electrostrictive devices with electrical input and mechanical output, e.g. functioning as actuators or vibrators using longitudinal or thickness displacement combined with bending, shear or torsion displacement

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

【課題】消費電力を格段に低減できる圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器を提供すること。
【解決手段】圧電アクチュエータの駆動制御装置は、被駆動体であるロータがその回転に必要な最小トルクで駆動される場合の最小回転数を設定回転数として記憶し(S10)、この設定回転数を実現するように、駆動信号のパルス幅を基準信号が発せられた際の基準パルス幅に対して制限して駆動制御を行う(S20)。このように、ロータを駆動可能な程度にパルス幅が制限される結果、矩形波駆動において駆動信号のパルスデューティを小さくすることが可能であって、パルス幅の制限を行わないでパルスデューティ100%としたときと比べて格段に低消費電力化できる。これにより、電池寿命を長期化できる。
【選択図】図8

Description

本発明は、圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器に関する。
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性などに優れているため、近年、圧電素子を有する振動体を備え、この振動体の振動をロータなどの被駆動体に伝達して駆動する圧電アクチュエータ(超音波モータ)が開発されている。
また、共振を利用する圧電アクチュエータが知られ、小型、薄型、高トルクの面で優れているため、今後、各種の携帯機器などへの搭載が増えるものと思われる。
このような圧電アクチュエータの駆動制御は、通常、交番する矩形波電圧の駆動信号を圧電素子に供給することで行われる(例えば、特許文献1)。特許文献1では、増幅回路の増幅率を変化させて圧電アクチュエータへの印加電圧を変えることにより、圧電アクチュエータにおける電流を抑制している。
特許第2506895号公報(第4頁右欄中段、図5)
しかしながら、通常の矩形波パルス信号によって駆動する場合は、基準パルス幅に対してほぼ100%のデューティで駆動することになるが、これは、圧電アクチュエータの出力は一般的に、ロータなどを駆動するために必要なトルクを十分に上回るように設定されることから、電力の浪費に繋がる。これにより、電池寿命が短くなるという問題がある。
ここで、特許文献1のように駆動信号の電圧を調整することで電流を抑制したとしても、電圧を可変とする構成の場合には回路効率が低下するため、大電力が消費されてしまい、結局、省電力化が図れない。
このような問題に鑑みて、本発明の目的は、消費電力を格段に低減できる圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器を提供することにある。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法は、圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、前記振動体は、矩形波かつ単相の前記駆動信号の供給により、複数の振動モードの合成によって振動し、前記圧電アクチュエータが前記被駆動体を駆動する際の駆動特性に基づいて決められる最大駆動力を実現する基準パルス幅で前記駆動信号を発し、前記基準パルス幅に対して前記駆動信号のパルス幅を、前記駆動特性に基づいて前記被駆動体を駆動するために最低限必要となる最小駆動力を実現する最小パルス幅を限度に制限することを特徴とする。
この発明によれば、被駆動体を駆動可能な程度に、駆動信号のパルス幅が基準パルス幅に対して制限される結果、矩形波駆動において駆動信号のパルスデューティを小さくすることが可能となる。このため、駆動信号のパルス幅の基準パルス幅に対する比率が100%のときに必要トルクを十分に上回るように、圧電アクチュエータの出力が高出力に設定されていたとしても、駆動信号のパルス幅制限によって被駆動体を実際に駆動可能な程度まで出力が小さくなるので、パルス幅の制限なしでパルスデューティ100%(駆動信号パルス幅の基準パルス幅に対する比率が100%)とした場合と比べて格段に低消費電力化できる。したがって、圧電アクチュエータの電源に電池を使用する場合は、電池寿命を大幅に長くできる。
ここで、駆動信号の基準パルス幅は、圧電アクチュエータの駆動特性において最大の駆動力を実現する最大のパルス幅(Duty100%)に設定される。最大の駆動力は、圧電アクチュエータに求める出力、被駆動体の慣性や被駆動体と振動体との加圧条件などで決まる。
なお、所定の駆動力は、被駆動体の移動量(回転体の場合は回転数等)や、圧電素子ないし圧電アクチュエータを流れる電流値などとして把握できる。
また、駆動制御の対象としての振動体に単相の駆動信号を供給することにより、この振動体を複数の振動モードの合成モードにおいて振動させるので、複数相の駆動信号を用いる場合と比べて構成の簡略化および省電力化が図れる。
なお、駆動信号のパルスを最小パルスに制限した場合は、圧電アクチュエータの最小駆動力の出力により、被駆動体を駆動する目的を達成しつつ、電力消費を極限まで抑制できる。すなわち、駆動速度を問わずに被駆動体を簡易に駆動する場合などに有利である。
ここで、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法においては、前記被駆動体を移動させる所定の駆動力が小さいほど、前記基準パルス幅に対する前記駆動信号のパルス幅を小さく制限することが好ましい。
この構成では、被駆動体を移動させる所定の駆動力が小さいほど、低消費電力化を促進できる。換言すれば、被駆動体が回転体の場合、低速回転領域における低消費電力化の効果を大きくできる。
また、このように所定の駆動力が小さいほど前記基準パルス幅に対する前記駆動信号のパルス幅を小さくするように制限することによって、例えば、被駆動体の始動時など被駆動体が加速する場合も、その加速の途中、始動後の初速に応じたパルス幅に制限されるので、消費電力を省力できる。
例えば時計の指針、回転板などの指示部材を駆動する圧電アクチュエータの駆動制御においては、このような加速動作として、クロノグラフ指針のリセット(帰零)動作、パワーリザーブ指針の早送り、アラーム設定の際の早回しなどを想定できる。このようなクロノグラフ、パワーリザーブ、アラーム設定などを有する時計において、本構成の駆動制御は多用されると考えられる。
ここで、このような動作の際に小さなパルス幅で(低いデューティで)駆動できるため、被駆動体に圧電アクチュエータとの磨耗によるブレーキが掛からず、駆動中の略全体を通じて、急な加減速を防止できる。これにより、圧電アクチュエータと被駆動体との当接部分の磨耗を低減することができる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法では、前記振動体は、平面視略矩形状に形成され、前記振動体における前記複数の振動モードは、前記振動体の長手方向に沿って伸縮する縦振動および前記長手方向に対して屈曲する屈曲振動とされることが好ましい。
この発明によれば、縦振動と屈曲振動との位相差により、振動体の一部における楕円運動を実現できるので、単相の駆動信号による簡素な駆動方式でありながら、ロータなどの被駆動体を高効率で駆動できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法では、前記駆動信号のパルス幅を掃引して前記の所定の駆動力を実現する適正パルス幅を取得し、前記駆動信号を前記適正パルス幅に制御することが好ましい。
この発明によれば、適正パルス幅が実測に基いて取得され、この適正パルス幅となるように駆動信号が制御されるので、所望の駆動力が確実に得られる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法では、前記駆動信号のパルス幅を、起動時、前記の所定の駆動力を実現する適正パルス幅で初期化することが好ましい。
この発明によれば、パルス幅の初期値を「0%」等とする場合と比べて、起動当初から所定の駆動力に近い駆動力が得られ、被駆動体が定常状態に早期に収束するため、起動速度を損なうことなく、低消費電力化を実現できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法では、前記適正パルス幅を、前回起動までの駆動時に前記被駆動体が定常状態となった際の前記駆動信号のパルス幅を基に決めることが好ましい。
この発明によれば、前回起動までの駆動時における定常状態に基いて、適正パルス幅が更新されるため、負荷の変動等に応じて駆動力および消費電力を適正化できる。
ここで、前回起動の駆動時における定常状態に基いて、適正パルス幅を起動毎に更新することもできる。
また、適正パルス幅は、複数回起動した際のそれぞれの駆動時に前記被駆動体が定常状態となった際の前記駆動信号のパルス幅を基に決めてもよい。
このように複数回の平均をとることにより、適正パルス幅が最適化され、駆動力および消費電力をより適正化できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法では、前記駆動信号のパルス幅を、当該圧電アクチュエータの駆動状態の検出に基いて調整することが好ましい。
この発明によれば、駆動状態に応じて駆動制御を行うため、負荷等が変動しても、被駆動体を安定的に駆動できる。
ここで、パルス幅を調整するために検出される圧電アクチュエータの駆動状態とは、圧電アクチュエータを流れる電流値や、ロータの回転数などの被駆動体の移動量などに基づいて決められる。
また、所定速度で被駆動体を駆動する際の安定駆動のためにこのような圧電アクチュエータの駆動状態を検出する場合だけでなく、被駆動体の移動量を可変に制御する場合に、例えば、圧電アクチュエータの電流検出器と、所定速度の電流指令値発生源と、検出した電流値および電流指令値に基づいて圧電アクチュエータを流れる電流値を制御する制御器とを備え、制御器の出力に応じてパルス幅を調整することでスピードコントロールを行ってもよい。この場合、各速度において、被駆動体を駆動可能な最小のパルス幅と最大のパルス幅とをそれぞれ設定し、上述のように基準パルス幅に対して駆動信号のパルス幅を制限することとなる。勿論、このような電流値検出に基づく制御の代わりに被駆動体の移動量を検出する検出器と、所定速度の移動量指令値発生源と、検出した移動量および指令値に基づいて移動量を制御する制御器とを備えてパルス幅を調整してもよく、電流値と被駆動体移動量との両方の検出値に基づいてパルス幅を調整してもよい。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法では、前記駆動信号のパルス幅を前記基準パルス幅に対して制限する駆動工程に加えて、前記駆動信号と前記検出された駆動状態を表す検出信号との位相差に関し、前記駆動信号の周波数掃引を実施して所定の駆動状態を実現する位相差である最適位相差を取得する最適位相差取得工程と、前記駆動信号と前記検出信号との位相差を検出しつつ前記駆動信号の周波数掃引を前記所定の駆動状態を実現する周波数を含む所定範囲で所定方向に実施し、この際、前記位相差が前記最適位相差に再度達した際の位相差逆転周波数を検出する位相差逆転検出工程と、を有する初期設定工程を備え、前記駆動工程では、前記位相差逆転周波数から前記所定の駆動状態側の値において設定されるクランプ周波数に前記駆動信号の周波数が達しないように規制しつつ、前記駆動信号と前記検出信号との位相差を検出するとともに前記最適位相差に対する前記位相差の大小に基いて前記駆動信号の周波数を高低いずれかに変更することで前記位相差に前記駆動信号の周波数を追従させ、前記初期設定工程を、所定の頻度で行い、前記最適位相差および前記位相差逆転周波数をそれぞれ更新することが好ましい。
この発明によれば、所定の駆動状態を実現する最適位相差が振動体と被駆動体との加圧の個体差や磨耗などによる加圧条件の変化、あるいは圧電アクチュエータの連続駆動による温度変化などによって変動しても、初期設定において最適位相差の取得が所定頻度で行われ、最適位相差が更新されて適切な最適位相差に補正されることとなるので、この最適位相差に基いて適切な駆動制御を実施でき、被駆動体の駆動に必要な適正な駆動力(トルク)によって、所望の駆動効率を実現できる。
なお、所定頻度は、例えば、数分〜数時間などの一定期間ごと、あるいは、圧電アクチュエータの起動回数、所定の動作を行った回数などで規定できる。
加えて、初期設定では位相差逆転検出をも実施する。すなわち、初期設定で初期化(更新)された最適位相差について位相差逆転が生じる場合の周波数を検出するので、最適位相差の更新に伴い位相差逆転周波数も更新されることになる。
ここで、位相差逆転現象は、振動体の組み立てにおける誤差や複数の振動モードにおける各振動の位相の合成などに起因するものと一応は考えることができ、この位相差逆転現象について、図30に示す。この図30において、所望の振動特性を最適駆動状態Gにより実現できるとして、駆動周波数を所定の幅で所定方向に掃引時、最適駆動状態Gにおける目標位相差θに再度、達する逆転ポイントPtがあるとする。この場合、この逆転ポイントPtの前後で目標位相差に対する位相差の大小に基く駆動周波数の追従方向は逆転し(このことを以下で位相差の逆転、逆転現象などと称する)、最適駆動状態Gを含み駆動に用いられる駆動範囲U1と隣接する範囲U2では、目標位相差θに対する位相差が大(+)となるから、位相差を目標位相差θに近付けるべく、駆動周波数は、適切な向きとは逆方向、すなわち上げる方向に変更される。これにより、駆動制御が極めて不安定となってしまう。
このような位相差逆転現象に対する方策として、本発明の駆動制御方法は位相差逆転検出工程を備えており、この位相差逆転検出工程では具体的に、駆動信号と検出信号との位相差を検出しつつ駆動周波数の掃引を実施し、この際、位相差が最適位相差に再度達した場合は、位相差の逆転が生じる周波数として位相差逆転周波数を検出する。そして、初期設定後の駆動制御に際しては、最適位相差に対する位相差の大小の逆転を防止するため、位相差逆転周波数を基に設定されるクランプ周波数に駆動信号の周波数が達しないように駆動周波数を規制しつつ、位相差に駆動信号の周波数を追従させる制御を行う。これにより、位相差の評価に係る逆転現象によって駆動周波数が逆方向に変更される異常な処理を防止でき、駆動制御を安定的に実施できる。なお、位相差逆転周波数およびクランプ周波数は、互いに同じでも良い。
以上により、磨耗などの経時変化や温度変化などで共振点とともに最適位相差が変化することと、圧電アクチュエータの振動特性として周波数掃引時に位相差が逆転する場合があることとに良好に対処できる。したがって、圧電アクチュエータの使用環境や、圧電アクチュエータの駆動時間などを問わず、圧電アクチュエータの利用範囲をより一層拡大でき(長時間の連続駆動も可能)、信頼性向上や低コスト化も図られる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置は、圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、前記振動体は、矩形波かつ単相の前記駆動信号の供給により、複数の振動モードの合成によって振動し、前記圧電アクチュエータが前記被駆動体を駆動する際の駆動特性に基づいて決められる最大駆動力を実現する基準パルス幅で前記駆動信号を発する駆動信号源と、前記基準パルス幅に対して前記駆動信号のパルス幅を、前記駆動特性に基づいて前記被駆動体を駆動するために最低限必要となる最小駆動力を実現する最小パルス幅を限度に制限する制御手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、被駆動体を駆動可能な程度に、駆動信号のパルス幅が基準パルス幅に対して制限され、矩形波駆動において駆動信号のパルスデューティを小さくできるので、格段に低消費電力化できる。
また、駆動制御の対象としての振動体に単相の駆動信号を供給することにより、この振動体を複数の振動モードの合成モードにおいて振動させるので、複数相の駆動信号を用いる場合と比べて構成の簡略化および省電力化が図れる。
なお、駆動信号のパルスを最小パルスに制限した場合は、圧電アクチュエータの最小駆動力の出力により、被駆動体を駆動する目的を達成しつつ、電力消費を極限まで抑制できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記振動体は、平面視略矩形状に形成され、前記振動体における前記複数の振動モードは、前記振動体の長手方向に沿って伸縮する縦振動および前記長手方向に対して屈曲する屈曲振動とされることが好ましい。
この発明によれば、縦振動と屈曲振動との位相差により、振動体の一部における楕円運動を実現できるので、単相の駆動信号による簡素な駆動方式でありながら、ロータなどの被駆動体を高効率で駆動できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記の所定の駆動力を実現する適正パルス幅を記憶する記憶手段を有することが好ましい。
この発明によれば、記憶手段に適正パルス幅を保持するので、例えば起動時に、この適正パルス幅で駆動信号のパルス幅を初期化することも可能となり、この場合、起動速度を損なうことなく、低消費電力化を実現できる。
そのほか、例えば駆動中、適正パルス幅を新たに取得し、記憶手段に保持する適正パルス幅の値を更新することも可能であり、これによって負荷の変動等に応じて適切に駆動制御でき、駆動を安定化させることができる。なお、適正パルス幅の更新は、所定時間や所定回数等の所定頻度で行ってもよい。
さらに、被駆動体が定常状態となった際や、起動終了の際における駆動信号のパルス幅を適正パルス幅として記憶手段に保持することで、次回起動の駆動時にこの記憶した適性パルス幅に基いて駆動信号の初期値を決定できる。これにより、駆動力および消費電力を適正化できる。
なお、駆動制御の際に用いる所定の駆動力を示す被駆動体の移動量(回転体の場合は回転数等)や、圧電素子ないし圧電アクチュエータを流れる電流値などについても、この記憶手段に保持すればよい。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、当該圧電アクチュエータの駆動状態を検出する検出手段を備え、前記制御手段は、前記駆動状態を基に、前記駆動信号のパルス幅を調整することが好ましい。
この発明によれば、駆動状態に応じて駆動制御を行うため、負荷等が変動しても、被駆動体を安定的に駆動できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置では、前記駆動信号と前記検出手段により検出された駆動状態を表す検出信号との位相差を検出する位相差検出手段と、前記駆動信号の周波数掃引を実施し前記位相差検出手段による前記位相差の検出に基いて所定の駆動状態を実現する位相差である最適位相差を取得する最適位相差取得手段と、前記駆動信号と前記検出信号との位相差を検出しつつ前記駆動信号の周波数掃引を前記所定の駆動状態を実現する周波数を含む所定範囲で所定方向に実施し、この際、前記位相差が前記最適位相差に再度達した際の位相差逆転周波数を検出する位相差逆転検出手段と、を有する初期設定手段と、前記最適位相差を基に前記駆動信号の周波数を設定する周波数制御手段と、前記初期設定手段による処理を、所定の頻度で行うことにより、前記最適位相差および前記位相差逆転周波数をそれぞれ更新する頻度制御手段とを備え、前記周波数制御手段は、前記位相差逆転周波数から前記所定の駆動状態側の値において設定されるクランプ周波数に前記駆動信号の周波数が達しないように規制するクランプ手段を有し、前記クランプ手段による前記駆動信号の周波数の規制を実施しつつ、前記位相差検出手段により前記位相差を検出するとともに前記最適位相差に対する前記位相差の大小に基いて前記駆動信号の周波数を高低いずれかに変更することで前記位相差に前記駆動信号の周波数を追従させることが好ましい。
この発明によれば、初期設定において最適位相差および位相差逆転周波数をそれぞれ更新できるので、磨耗などの経時変化や温度変化などで共振点とともに最適位相差が変動しても駆動制御が不安定とならず、また、圧電アクチュエータの振動特性として周波数掃引時に位相差が逆転している場合でも、駆動周波数が逆方向に変更され異常制御となることが無い。すなわち、本発明による前述した低消費電力化に加えて、安定的な駆動制御も共に実現できる。
本発明の電子機器は、圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される被駆動体と、前述の圧電アクチュエータの駆動制御装置とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータの駆動制御装置を備えたことにより、前述と同様の作用および効果を享受できる。
すなわち、格段に低消費電力化でき、特に、電池で動作する携帯機器では、電池の長寿命化が図られる。
なお、電子機器としては、携帯電話、携帯情報端末、可動玩具、カメラ、プリンタ等を例示できる。
本発明の電子機器では、計時部と、前記計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計であることが好ましい。
この発明によれば、前述の圧電アクチュエータにより、計時部を構成する歯車や、計時情報表示部を構成する指示部材等を非常に低消費電力で駆動することが可能となり、電池交換の頻度が減少するため利便性を向上させることができる。
加えて、圧電アクチュエータにおける利点、すなわち、磁気の影響を受けない、応答性が高く微小送りが可能、小型薄型化に有利、高トルクなどを実現できる。
なお、前述した圧電アクチュエータの駆動制御装置は、ハードウェアで実現することもできるが、制御プログラムを用いて実現することもできる。
この制御プログラムでは、前述の駆動制御装置に組み込まれたコンピュータを、検出手段や、制御手段、位相差検出手段、初期設定手段、周波数制御手段、頻度制御手段、などとして機能させればよい。
このように構成すれば、前述の駆動制御装置と同様の作用効果を奏することができる。
ここで、この制御プログラムは、ネットワークなどを介してコンピュータに組み込んでもよいし、当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介して組み込んでもよい。
このような記録媒体やインターネット等の通信手段で提供される制御プログラム等を時計や携帯機器に組み込めば、プログラムの変更のみで前述の作用効果を実現でき、工場出荷時あるいは利用者が希望する制御プログラムを選択して組み込むこともできる。この場合、プログラムの変更のみで制御方式の異なる各種の時計や携帯機器を製造できるため、部品の共通化等が図れ、モデル展開時の製造コストを大幅に低減できる。
本発明によれば、消費電力を格段に低減でき、電池寿命を長期化できる。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。
なお、第2実施形態以降の説明において、以下に説明する第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
[1.全体構成]
図1は、本実施形態に係る電子時計1を示す平面図である。電子時計1は、計時部としてのムーブメント2と、通常時刻を表示するための計時情報表示部としての文字板3、時針4、分針5、秒針6のほか、文字板3に設けられた窓部3Aから日付を表示する日付表示装置90を備えた腕時計(ウォッチ)である。
[2.日付表示装置の構成]
図2は、日付表示装置90を示す平面図である。日付表示装置90は、圧電アクチュエータ20と、この圧電アクチュエータ20によって回転駆動される被駆動体としてのロータ30と、ロータ30の回転を減速しつつ伝達する減速輪列40と、減速輪列40を介して伝達される駆動力により回転する日車93とから大略構成されている。減速輪列40は、ロータ30と同軸に配置されてロータ30と一体的に回転する歯車41と、歯車41に噛合する日回し中間車94と、日回し車95とで構成されている。これらの圧電アクチュエータ20、ロータ30、日回し中間車94、および日回し車95は、底板9Dに支持されている。
なお、底板9Dの下方(裏側)には、水晶振動子が発振するパルス信号で動作するステッピングモータや(図示せず)、ステッピングモータに接続されて時針4、分針5、秒針6を駆動する運針輪列(図示せず)や、電源としての電池91等が設けられている。電池91は、ステッピングモータや圧電アクチュエータ20、圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50(図5)の各回路に電力を供給する。
日回し中間車94は、大径部941と小径部942とから構成されている。小径部942は、大径部941よりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部943が形成されている。この小径部942は、大径部941に対し、同心をなすように固着されている。大径部941には、ロータ30の上部の歯車41が噛合している。したがって、大径部941と小径部942とからなる日回し中間車94は、ロータ30の回転に連動して回転する。
日回し中間車94の側方の底板9Dには、板バネ944が設けられており、この板バネ944の基端部が底板9Dに固定され、先端部が略V字状に折り曲げられて形成されてい
る。板バネ944の先端部は、日回し中間車94の切欠部943に出入可能に設けられている。板バネ944に近接した位置には、接触子945が配置されており、この接触子945は、日回し中間車94が回転し、板バネ944の先端部が切欠部943に入り込んだときに、板バネ944と接触するようになっている。そして、板バネ944には、所定の電圧が印加されており、接触子945に接触すると、その電圧が接触子945にも印加される。従って、接触子945の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車93の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車93の回転量は、板バネ944や接触子945を用いたものに限らず、ロータ30や日回し中間車94の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどが利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
日車93は、リング状の形状をしており、その内周面に内歯車931が形成されている。日回し車95は、五歯の歯車を有しており、日車93の内歯車931に噛合している。また、日回し車95の中心には、シャフト951が設けられており、このシャフト951は、底板9Dに形成された貫通孔9Cに遊挿されている。貫通孔9Cは、日車93の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車95およびシャフト951は、底板9Dに固定された板バネ952によって図2の右上方向に付勢されている。この板バネ952の付勢作用によって日車93の揺動も防止される。
[3.圧電アクチュエータユニットの構成]
図3、図4に示すように、圧電アクチュエータ20、ロータ30、および歯車41は、圧電アクチュエータユニット10としてユニット化されている。
圧電アクチュエータユニット10は、電子時計1の地板などに固定される支持プレート11と、支持プレート11に固定された圧電アクチュエータ20と、支持プレート11に回転自在に取り付けられたロータ30および歯車41とを備えて構成されている。
なお、歯車41の回転は、歯車41の上方に配置された検出手段としての回転センサ15によって検出可能に構成されている。
支持プレート11は、軽量化のために孔12が形成されており、かつ、ネジ等の固定部材13によって地板などに固定されている。また、支持プレート11には圧電アクチュエータ20が取り付けられるスペーサ14が固定されている。
[4.圧電アクチュエータの構成]
圧電アクチュエータ20は、略矩形板状の補強板21と、補強板21の両面に接着された圧電素子22とからなる振動体20Aを備えている。
補強板21の長手方向略中央には、両側に突出する腕部23が形成されており、これらの各腕部23がビス24によって前記スペーサ14に固定されている。なお、腕部23を備える補強板21は、導電性金属で構成されており、腕部23は圧電素子22に駆動信号を印加するための電極としても利用されている。
補強板21の長手方向一方の端部、具体的にはロータ30に対向する端部には、補強板21の長手方向に沿って突出する突起25が形成され、突起25は、ロータ30の側面に当接されている。この突起25は、ロータ30の外周面に対して所定の力で当接するように、ロータ30との相対位置が設定された状態で、ばねなどの任意の付勢手段によって付勢されており、突起25とロータ30側面との間に適切な摩擦力が働くことで、振動体20Aの振動が効率良くロータ30に伝達されるようになっている。
なお、本実施形態では、ロータ30の外周面には溝31(図3)が形成され、この溝31部分に突起25が配置されている。この溝31によって、電子時計1を落下した場合のように圧電アクチュエータ20に衝撃が加わった際に、突起25がロータ30の当接面から外れないようにガイドすることができる。
圧電素子22は、略矩形板状に形成され、補強板21両面の略矩形状部分に接着されている。圧電素子22の両面には、めっき、スパッタ、蒸着等によって電極が形成されている。
なお、圧電素子22の補強板21側の面には、その全面に1つの電極が形成され、この電極に接触する補強板21および腕部23を介して駆動制御装置50(図5)に電気的に接続されている(図5中、N参照)。
また、圧電素子22の表面側の面には、図4に示すように、5つに分割された電極が形成されている。すなわち、圧電素子22の表面側の電極は、圧電素子22の幅方向にほぼ三等分され、その中央の電極によって駆動電極221が形成されている。また、駆動電極221の両側の電極は、圧電素子22の長手方向に略二等分され、圧電素子の対角上でそれぞれ対となる駆動電極222および駆動電極223が形成されている。
これらの駆動電極221,222,223はそれぞれリード線などによって駆動制御装置50に接続され(図5中、P1〜P3参照)、補強板21(図5中、N参照)との間で電圧が印加される。なお、駆動制御装置50における電源は、駆動電極221と補強板21との間の電圧印加用と、駆動電極222と補強板21との間の電圧印加用と、駆動電極223と補強板21との間の電圧印加用との3つ、設けられている。
このような電子時計1では、日付の変わり目に、駆動制御装置50(図5)および圧電アクチュエータ20が起動する。そして、駆動制御装置50によって圧電アクチュエータ20に単相の駆動信号が供給され、ロータ30が回転駆動される。
ここで、計時による日付変更であるか、日付補正時の日付変更であるかによって圧電素子22に設けられた駆動電極222,223が使い分けられ、ロータ30が両方向に回転駆動される。
すなわち、計時による日付変更時は、駆動電極221と駆動電極222とが電圧印加の対象となり、圧電素子22の伸縮によって振動体20Aが励振する縦振動と屈曲振動との位相差により、振動体20Aの突起25は圧電素子22の長手方向の中心線に対して傾斜した略楕円形状の軌跡E(図4)を描く。この軌跡Eの一部で突起25がロータ30を押圧することによりロータ30が正方向(図4中、矢印方向)に回転する。一方、日付補正時の日付変更である場合は、駆動電極222の代わりに駆動電極223が電圧印加の対象となり、駆動電極222と駆動電極223とは圧電素子22の長手方向の中心線を軸として線対称の位置関係にあることから、縦振動に対する交差方向が駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称の屈曲振動が誘発される。したがって、振動体20Aの突起25は、駆動電極222に電圧印加した場合とは線対称で、かつ回り方向が逆向きの略楕円形状の軌跡となり、ロータ30は逆方向に回転駆動される。
このようなロータ30の回転により、ロータ30と一体の歯車41も回転し、歯車41の回転運動は、日回し中間車94に伝達される。そして、日回し中間車94の切欠部943に日回し車95の歯が係合した際に、日回し車95によって日車93が送られ、日車93が表示する日付が変更される。
なお、振動体20Aの振動状態を示す検出信号は、ロータ30の正転時には、駆動信号が印加されない駆動電極223を介して検出され、ロータ30の逆転時には、駆動信号が印加されない駆動電極222を介して検出される。
また、回転センサ15による歯車41の回転数の検出を通じて、ロータ30の回転数が検出される。
[5.圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成]
次に、圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50の構成を図5に基いて説明する。
図5において、駆動制御装置50は、駆動信号源としての電圧制御発振器(VCO)51、パルスコントロール回路52、ゲートドライバ53、電源54、スイッチ回路55、バンドパスフィルタ(BPF)56、信号増幅器(AMP)57、位相差検出手段60、制御手段としてのコントローラ65、およびロータ30の回転数を検出する回転数検出器71とを備えて構成されている。
電圧制御発振器51は、印加される電圧によって出力する信号の周波数を可変できる発振器であり、圧電アクチュエータ20の駆動信号を生成するための基準信号を所定の基準パルス幅で発している。
ところで、駆動信号の周波数(駆動周波数)については、振動体20Aにおける縦振動の共振点と屈曲振動の共振点などを考慮して決められる。
図6(A)に、振動体20Aにおける駆動周波数とインピーダンスとの関係を示し、図6(B)には、振動体20Aにおける駆動周波数と縦振動の振幅および屈曲振動の振幅との関係を示した。図6(A)に示すように、駆動周波数に対してインピーダンスが極小であって振幅が最大となる共振点が二点現れ、これらのうち周波数の低い方が縦振動の共振点、高い方が屈曲振動の共振点となる。
すなわち、縦振動の縦共振周波数fr1と屈曲振動の屈曲共振周波数fr2との間で振動体20Aを駆動すると、縦振動および屈曲振動双方の振幅が確保され、圧電アクチュエータ20は高効率で駆動する。なお、縦共振周波数fr1と屈曲共振周波数fr2とを互いに近接させることで、縦振動および屈曲振動の振幅がより大きくなる駆動周波数を設定することができる。
図5に戻り、パルスコントロール回路52は、電圧制御発振器51で生成された駆動信号のパルス幅をコントローラ65からの指令値に基き基準パルス幅に対して制限するものであり、後述するスイッチ回路55の切替タイミングを制御して貫通電流を抑制するためのデットタイムを生成するデットタイム生成回路521と、ロータ30の回転方向を切り替えるとともに、その指令値を出力する正逆回転回路522と、パルス制限に係る指令値を出力するパルス幅制御回路523と、デットタイム挿入を含むパルスコントロールを1周期ごとに実施し、駆動信号のパルスデューティを規定するパルス幅制限回路524とを有して構成されている。
ゲートドライバ53は、パルスコントロール回路52から出力された駆動信号に基いてスイッチ回路55のオンオフを制御するドライブ回路であり、本実施形態では2つの第1ゲートドライバ53A、第2ゲートドライバ53Bを備えている。
そして、パルスコントロール回路52から第2ゲートドライバ53Bに入力される駆動信号はインバータ(NOT回路)58を経由し、第1ゲートドライバ53Aに入力される駆動信号とは反転した信号となっている。
電源54は、本実施形態では、ロータ30の正逆回転時に使用される第1電源541と、ロータ30の正回転時のみ使用される第2電源542と、ロータ30の逆回転時のみ使用される第3電源543とからなり、これらの第1、第2、第3電源541,542,543により、圧電アクチュエータ20に対して電源VDDおよびVSS間の電位差の電圧、または電源VDDおよびGND間の電位差の電源電圧が印加される。
スイッチ回路55は、PチャネルMOS−FETで構成されるスイッチ551,552,555,557と、NチャネルMOS−FETで構成されるスイッチ553,554,556,558とで構成されている。これらの各スイッチ551〜558は、第1ゲートドライバ53A、第2ゲートドライバ53Bによってゲートに加えられる電圧が制御されることで、オンオフ制御されている。
なお、第2ゲートドライバ53Bは、正逆回転回路522に接続されており、ロータ30の正回転時には、スイッチ552,553(図5中、P1)およびスイッチ555,556(P2)のみを駆動する。
すなわち、ロータ30の正回転時には、スイッチ551,554を駆動する第1ゲートドライバ53Aと、スイッチ552,553(P1)およびスイッチ555,556(P2)を駆動する第2ゲートドライバ53Bとは、互いに反転した駆動信号で動作するため、同じPチャネルMOS−FETのスイッチ551,552は、一方のスイッチ551がオンされている場合には他方のスイッチ552はオフされる。なお、同じPチャネルMOS−FETのスイッチ551,555についても同様である。
また、同様に、NチャネルMOS−FETのスイッチ553,554は、一方のスイッチ553がオンされている場合には他方のスイッチ554はオフされる(NチャネルMOS−FETのスイッチ556,554についても同様)。
そして、直列に接続されたスイッチ551,554は、一方がオンの場合、他方がオフされる。同様に、直列に接続されたスイッチ552,553、あるいは、スイッチ555,556も、一方がオンの場合、他方がオフされる。
これらのスイッチ551〜554(あるいはスイッチ551,555,556,554)は、第1ゲートドライバ53A、第2ゲートドライバ53Bにより、圧電素子22に対してブリッジ接続され、ブリッジの対角に位置する一対のスイッチ551,553(またはスイッチ551,556)で構成されるスイッチ回路と、他の一対のスイッチ552,554(またはスイッチ555,554)で構成されるスイッチ回路とは、交互にオンオフ制御される。これにより、電源54によって印加される所定の電源電圧が交番する矩形波電圧に変換され、圧電アクチュエータ20に印加される。すなわち、第1電源541および第2電源542により、駆動電極221,222と補強板21(図3)との間で圧電素子22に交流電圧が印加され、ロータ30は正方向に回転する。
一方、ロータ30の逆回転時には、第2ゲートドライバ53Bは、スイッチ555,556(P2)の代わりにスイッチ557,558(P3)を駆動し、スイッチ551,552,553,554(またはスイッチ551,557,558,554)が、圧電素子22に対してブリッジ接続され、スイッチ551,553(およびスイッチ551,558)で構成されるスイッチ回路と、スイッチ554,552(またはスイッチ554,557)で構成されるスイッチ回路とが、交互にオンオフ制御される。すなわち、第1電源541および第3電源543により、駆動電極221,223と補強板21(図3)との間で圧電素子22に交流電圧が印加され、ロータ30が逆方向に回転する。
なお、各スイッチ551〜558のオンオフを切り替える際に、直列に接続されたスイッチ551,554や、スイッチ552,553(あるいはスイッチ555,556やスイッチ557,558)が同時にオンとなってしまうと、貫通電流が流れてしまう。この貫通電流は、圧電アクチュエータ20の駆動動作に利用されないために消費電力の浪費になり、かつ、スイッチ素子の焼き付け等の原因となってしまう。このため、パルスコントロール回路52において、一方のスイッチがオフされてから、所定時間(デットタイム)経過後に他方のスイッチをオンすることで、貫通電流を防止している。
バンドパスフィルタ(単峰フィルタ)56は、圧電アクチュエータ20の振動状態に基いて、検出される検出信号を、所定の周波数範囲に含まれる周波数の検出信号だけ通過させ、それ以外の周波数の信号を減衰させるフィルタである。
なお、検出信号は、ロータ30の正転逆転に応じて、駆動信号が供給されない駆動電極222、駆動電極223のいずれかを通じて(図5のP2,P3参照)検出される。ここで、検出信号は、腕部23(図5中、N)における電位を基準信号として、この基準信号に対する駆動電極222の電位の差、あるいは基準信号に対する駆動電極223の電位の差、つまりは、腕部23に対する駆動電極222,223の差動信号により検出される。
バンドパスフィルタ56を通過した検出信号は、信号増幅器57で増幅される。
位相差検出手段60は、位相制御器61、位相シフト器62、位相比較器63、および
ローパスフィルタ(LPF)64を備えて構成されている。
位相制御器61は、検出信号の2周期ごとに、位相シフト器62に制御信号を出力し、これに応じて位相シフト器62は、予め設定された最適位相差分、検出信号の位相をシフトする。
位相比較器63は、位相シフト器62から出力された検出信号の位相と、電圧制御発振器51から出力された駆動信号の位相とを比較し、その位相差を出力する。ここで、前述の通り、位相シフト器62は、検出信号の位相を、最適位相差分だけシフトしており、位相比較器63の出力が零に近づくほど最適位相差に近づいていることになる。
ローパスフィルタ64は、所定の周波数以下の周波数の信号だけ通過させ、所定の周波数以上の周波数の信号は減衰させるフィルタであり、積分回路として機能する。
以上の位相差検出手段60によれば、位相シフト器62でシフトされた検出信号の位相と駆動信号の位相との差分、すなわち最適位相差との偏差(大小)がローパスフィルタ64を介してコントローラ65に出力される。
コントローラ65は、入力された最適位相差との偏差を解消するように、電圧制御発振器51に電圧信号を出力するとともに、パルスコントロール回路52に指令値を出力するものであり、記憶手段651を有して構成されている。
記憶手段651には、ロータ30を駆動するために最低限必要なトルク(駆動力)を示す設定回転数が記憶されている。
この設定回転数は、圧電アクチュエータ20の駆動特性を基に決められている。
図7に、駆動信号のパルス幅(Duty)を掃引した際のロータ30の回転数について示した。本実施形態では、ロータ30の慣性等との関係でロータ30が最小の駆動力で回転する際の最小回転数を約600rpmとみなし、記憶手段651には最小回転数である「600rpm」を設定回転数として記憶する。
なお、電圧制御発振器51が発する駆動信号の基準パルス幅は、圧電アクチュエータ20の駆動特性において最大の駆動力を実現する最大のパルス幅(Duty100%)に設定されている。最大の駆動力は、圧電アクチュエータ20に求める出力、ロータ30の慣性やロータ30と振動体20Aとの加圧条件などで決まる。
回転数検出器71は、例えば、ロータ30と一体の歯車41(図3)の回転数を検出する回転センサ15を含んで構成されている。
[6.圧電アクチュエータの駆動制御]
次に、駆動制御装置50による圧電アクチュエータ20の作用について、図8に示すフローチャートおよび図9に示すタイミングチャートを参照して説明する。
駆動制御装置50のコントローラ65(図5)は、起動後、図8に示すように、初期値設定ステップS10および駆動制御ループS20を実行する。
まず、初期値設定ステップS10では、コントローラ65からパルスコントロール回路52に出力する駆動信号のパルス幅Tを「0%」に初期化するとともに、コントローラ65で使用する変数Z0を記憶手段651から読み出した設定回転数「600rpm」で初期化する。
駆動制御ループS20は、パルス幅設定ステップS21と、ロータ30の速度に基いて駆動信号のパルス幅を設定するパルス幅制御ステップS22とを有して構成され、駆動終了を示す信号がコントローラ65に入力されるまで(ステップS100)、継続される。
パルス幅設定ステップS21は、コントローラ65がパルスコントロール回路52に出力する駆動信号のパルス幅Tを設定する。圧電アクチュエータ20の起動直後、Tは初期値である「0%」であり、パルスコントロール回路52を経て圧電アクチュエータ20に供給される駆動信号のパルス幅は「0%」となる。
そして、次のステップS100で駆動の継続が確認されたら、パルス幅制御ステップS22に進む。パルス幅制御ステップS22は、ロータ30の回転数を検出する回転数検出ステップS221と、このステップS221におけるロータ30回転数の検出に基いて駆動信号のパルス幅を決めるパルス幅調整ステップS222とを有する。
回転数検出ステップS221では、回転数検出器71(図5)により取得した回転数を変数Z1に保持する。
そして、次のパルス幅調整ステップS222では、回転数検出ステップS221で取得したロータ30の回転数(Z1)と初期値設定ステップS10でセットした設定回転数(Z0)とを比較し、設定回転数Z0よりも検出回転数Z1が大である場合は、ステップS222Aに進み、パルス幅TをΔT(本実施形態では0.1%)だけ減じる。一方、設定回転数Z0よりも回転数Z1が小である場合は、ステップS222Bに進み、パルス幅TをΔT(本実施形態では0.1%)だけ増やす。
以上説明した初期値設定ステップS10および駆動制御ループS20により、圧電アクチュエータ20に供給される駆動信号のパルス幅が制御される。
図9は、図5におけるA〜H等の各箇所における信号波形をそれぞれ示す。図9中、Aは、電圧制御発振器(VCO)51から出力される基準パルス信号を示し、この基準パルス信号Aの周波数および基準パルス幅Pは略一定となっている。図9中、Bは、ロータ30の回転を示す回転数検出器71の出力を示す。
そして、C,D,E,Fは、第1、第2ゲートドライバ53A,53Bにより、各スイッチ551〜554においてスイッチングされる駆動信号を示す。
基準パルス信号Aは、パルスコントロール回路52に入力され、このパルスコントロール回路52において基準パルス幅Pに対して制限された値で駆動信号のパルス幅Tが生成され、各スイッチ551〜554では、図9中のC〜Fにそれぞれ示すような波形でオンオフ制御が行われる。すなわち、ブリッジの対角に配置されたスイッチ(図5中、CとE(E2,E3もEに同じ))、あるいはFとD(D2,D3もDに同じ))のそれぞれのオンオフのタイミングはほぼ一致し、これらスイッチが交互にオンオフ制御されることで、交番電圧Iがパルス幅Tで圧電アクチュエータ20に供給され、圧電素子22の伸縮により振動体20Aが振動する。
ここで、駆動信号C〜Fのパルス幅は、非駆動状態(ブレーキ状態)であるブレーキ区間Xから、起動後、前述のパルス幅制御ステップS22(図8)でパルス幅Tを増加させることによって(ステップS222B)次第に増加し、これに伴いロータ30が回転し始める。そして、所定時間経過後、圧電アクチュエータ20の駆動状態は定常状態Yとなり、ロータ30の回転数および駆動信号のパルス幅Tが収束する。このときの駆動信号のパルス幅(Hiの部分)で決まるパルスデューティは、約10%であり、このパルス幅Tは、図7に示したように、ロータ30の最小回転数(600rpm)に対応しており、最小パルス幅に相当する。すなわち、ロータ30は、その回転駆動に最低限必要な最小トルクで駆動される。
このように駆動制御装置50によって駆動制御される圧電アクチュエータ20の駆動性能について図10のグラフに示した。この図10には、ロータ30の回転数と、圧電アクチュエータ20および駆動制御装置50の消費電力とがそれぞれ、駆動信号のパルス幅Tに応じてどう変化するかを示した。具体的に、駆動信号のパルス幅Tを基準パルス幅Pに対して制限しないパルスデューティ100%の場合と、記憶手段651に保持する設定回転数を「1500rpm」として図8に示したステップによりパルス幅Tの制限を行った場合と、設定回転数を「600rpm」としてパルス幅Tの制限を行った場合(本実施形態)とをそれぞれ示した。なお、設定回転数が1500rpmの場合、駆動信号のパルスデューティは約30%であり、設定回転数が600rpmの場合、前述したように、駆動信号のパルスデューティは約10%である。
ここで、駆動信号のパルス幅Tの制限を行った場合は、パルス幅を制限しなかった場合と比べて明らかに消費電力が小さいことがわかる。
[7.本実施形態による効果]
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)日付表示装置90を駆動する圧電アクチュエータ20の駆動制御装置50では、ロータ30を駆動可能な程度に、基準パルス幅Pに対して駆動信号のパルス幅Tが制限される結果、矩形波駆動において駆動信号のパルスデューティを小さくすることが可能である。このため、駆動信号のパルス幅Tが基準パルス幅Pに対して100%のとき(パルスデューティ100%)に必要トルクを十分に上回るように、圧電アクチュエータ20の規定出力が比較的高出力に設定されていたとしても、この駆動信号のパルス幅Tの制限によってロータ30を実際に駆動可能な程度まで出力を小さくできる。したがって、駆動信号のパルス制限なしでパルスデューティ100%とした場合と比べて格段に低消費電力化できる。
(2)また、ロータ30を駆動可能な最小トルクでロータ30が駆動される場合の最小回転数を想定し、ロータ30の回転数がこの最小回転数の近傍に保たれるように駆動制御するため、圧電アクチュエータ20の出力をロータ30の駆動に際して極限まで小さくできる。すなわち、圧電アクチュエータ20および駆動制御装置50の電力消費量を最小限度に抑制できる
(3)さらに、駆動制御装置50は回転数検出器71を備え、駆動制御ループS20において、回転数検出器71によりロータ30の回転数が検出され、この回転数に応じて駆動信号のパルス幅が設定されるので、圧電アクチュエータ20が磨耗したり圧電アクチュエータ20とロータとの加圧条件などが変動しても所望の駆動力が確実に得られ、ロータ30を安定的に駆動できる。
(4)電池91で動作する電子時計1に駆動制御装置50を組み込んだことで、電池91を長寿命化できる。このため、電池交換の頻度が少なくなり、メンテナンス性を向上させることができる。
(5)また、圧電アクチュエータ20は、できるだけ低消費電力でロータ30を簡易に駆動するものであるため、駆動の速度を厳密には問わない日付表示装置90に圧電アクチュエータ20を用いることによって、圧電アクチュエータ20による効果を大きいものにできる。
ここで、以上説明した第1実施形態の変形例について説明する。
〔第1実施形態の変形例1〕
前記の本実施形態では、初期値設定ステップS10において、コントローラ65からパルスコントロール回路52に出力する駆動信号のパルス幅Tを「0%」に初期化していたが、パルス幅Tの初期値はこれに限らず、任意に設定できる。例えば、図11に示すように、パルス幅Tを適正パルス幅としての「10%」などで初期化し、ロータ30の設定回転数に応じて定常状態となるまで、駆動制御ループS20において駆動信号のパルス幅を調整してもよい。このようにすれば、駆動信号のパルス幅10%はロータ30の最小回転数600rpm(図7)に対応するため、ロータ30が早期に定常状態となり、圧電アクチュエータ20の起動時間が短縮される。すなわち、起動速度を犠牲にすることなく、十分に低消費電力化できる。なお、駆動信号のパルス幅の初期値は、適正パルス幅「10%」に限らず、例えば「5%」など、適正パルス幅より小さいパルス幅を初期値として、検出された回転数に応じて徐々にパルスデューティを上げていってもよい。
〔第1実施形態の変形例2〕
なお、前記第1実施形態の変形例1において、適正パルス幅(例えば10%)を記憶手段651に保持し、起動後、定常状態となった際に適正パルス幅を記憶手段651に保持し直す構成としてもよい。すなわち、起動ごとに適正パルス幅が更新され、前回起動の駆動時にロータ30が定常状態となった際のパルス幅が適正パルス幅となるので、駆動力および消費電力を適正化できる。
あるいは、前回起動時のパルス幅ではなく、複数回起動した際のそれぞれの駆動時にロータ30が定常状態となった際の駆動信号のパルス幅を適正パルス幅として記憶手段651に保持してもよい。このように複数回の平均をとることにより、適正パルス幅が最適化され、駆動力および消費電力をより適正化できる。
〔第1実施形態の変形例3〕
また、図12に示すように、駆動制御開始時に初期化ステップS00を設け、この初期化ステップS00において駆動信号のパルス幅を掃引し、ロータ30を駆動可能な最小限のトルクを実現する最小回転数を求めることも考えられる。この場合、初期化ステップS00で実測された最小回転数に基いて駆動制御を実施できるため、ロータ30の回転に必要なトルクが確実に得られる。
〔第1実施形態の変形例4〕
さらに、前記実施形態では、ロータ30の回転数を検出し、検出された回転数と最小回転数等との比較において駆動制御していたが、ロータ30の回転数の代わりに圧電アクチュエータ20における電流値を基にして駆動制御してもよい。この場合、図13に示すように、駆動制御装置50Aは、圧電アクチュエータ20を流れる電流を検出する電流検出器75を備え、コントローラ65の記憶手段651には、ロータ30を駆動可能な最小限の最小電流値を保持する。そして、駆動制御ループS20において、この最小電流値と、電流検出器75で検出された電流値との比較において、駆動制御を実施する。これにより、前記実施形態と略同様の効果が得られる。
〔第1実施形態の変形例5〕
前記実施形態では、駆動制御の際に用いる所定の駆動力を示す規定値は、最小回転数「600rpm」であったが、これに限らず、例えば、回転数「1000rpm」を規定値(前記実施形態における設定回転数)として駆動制御してもよい。このとき、駆動信号のパルスデューティは約25%となり、ロータ30は1000rpm近傍で回転する。
要するに、本発明では、被駆動体を駆動可能な所定の駆動力を実現する程度に、基準パルス幅に対して駆動信号のパルス幅を制限すればよい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図14〜図25を参照して説明する。本実施形態でも、第1実施形態と同様の圧電アクチュエータ20を駆動制御することとし、また、本実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置および方法は、前記第1実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御装置および方法を包含する。ただし、本実施形態では、本実施形態特有の工程を実施することにより、位相差フィードバック制御における安定駆動を実現する。
[第2−1.電子時計の構成]
図14は、本実施形態に係る電子時計1Aを示す平面図である。電子時計1Aは、計時部としてのムーブメント2と、通常時刻を表示するための計時情報表示部としての文字板3、時針4、分針5、秒針6のほか、クロノグラフ時間を示す秒クロノグラフ針7A、分クロノグラフ針7Bを備えた計時装置としての腕時計(ウォッチ)である。電子時計1Aのケースには、りゅうず8と、りゅうず8を挟んでクロノグラフの操作ボタン9A,9Bとが設けられている。
本実施形態では、秒クロノグラフ針7Aを駆動する駆動機構として、第1実施形態で示した圧電アクチュエータユニット10(図2、図3)が使用されている。
[第2−2.圧電アクチュエータの駆動装置の構成]
図15は、本実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御装置50Aの構成を示す。
図16は、コントローラ265の構成概略図であり、コントローラ265は、位相差検出手段60を通じてフィードバックされる位相差に駆動信号の周波数を追従させる周波数制御手段652、所定の駆動状態を実現する最適位相差を取得する最適位相差取得手段653、最適位相差の取得の頻度を規律する頻度制御手段654、駆動周波数の掃引時に駆動信号の位相と検出信号の位相との位相差が目標位相差の値を複数回取り得るかを検出する位相差逆転検出手段655、駆動信号のパルス幅を制限する指令値をパルスコントロール回路52に出力する低電力パルス制御手段(制御手段)656、駆動周波数を規制するクランプ手段657、および記憶手段658の各構成を含んで構成されている。ここで、最適位相差取得手段653と位相差逆転検出手段655とを有して初期設定手段が構成されている。
コントローラ265内の周波数制御手段652は、位相差検出手段60を通じてフィードバックされる位相差に駆動信号の周波数を追従させる手段として機能しており、入力された目標位相差との偏差を解消するように、電圧制御発振器51に電圧信号を出力する。
最適位相差取得手段653による最適位相差の取得は、頻度制御手段654により所定頻度で行われ、この頻度は、操作ボタン9A(図1)の操作により圧電アクチュエータ20が起動した時からの連続駆動時間で規定されている。本実施形態における頻度は、連続駆動時間1時間であり、当該時間が、記憶手段658に記憶されている。
記憶手段658には、上述の頻度制御手段654が参照する連続駆動時間に加え、駆動周波数のテーブル情報TBL(図19)と、ロータ30を略最大の効率で駆動するために必要なトルク(駆動力)を示す設定回転数「1500rpm」とがそれぞれ記憶されている。
記憶手段658に記憶されたテーブル情報TBL(図19)には、振動体20Aに供給する駆動信号の周波数を予め掃引した際に目標位相差に再度達した場合、この位相差の逆転に係るクランプ周波数が記憶されている。
図17は、駆動信号の周波数を掃引した際の振動体20Aの位相差、ロータ30の回転数、および圧電アクチュエータ20を流れる電流値を示すグラフであり、図18は、図17の要部拡大図である。なお、このグラフは、振動体20Aの固体差により、値や増減傾きが異なる場合がある。
駆動信号と検出信号との位相差は、振動体20Aの振動特性の指標であり、本実施形態では、ロータ30の回転数が略最大となる最適駆動状態(所定の駆動状態)Gにおける位相差を目標位相差θ(本実施形態における最適位相差であり、約100°)としている。位相差がこの目標位相差θであるとき、振動体20Aにおける縦振動の共振および屈曲振動の共振により、圧電アクチュエータ20を最大効率で駆動できる。
駆動制御装置50には、位相差のフィードバック制御を行うにあたり、最適駆動状態Gを含むとともに、駆動周波数の掃引時に位相差の増減傾きが一方向となり、振動特性が安定している駆動範囲U1が設定されている。この駆動範囲U1では、駆動周波数を上げる方向に変更した際に位相差が減少傾向に定まり、目標位相差θに対する位相差の大小に基づく駆動周波数の追従方向が逆転しない。
ここで、振動体20Aには、圧電素子22および補強板21の貼り合わせ誤差や、1つの駆動信号を振動体20Aに供給して駆動することによる縦振動の位相および屈曲振動の位相の重なりなどに起因し、図17に例示するように、駆動周波数を低周波数側から上げる方向に掃引した際、駆動範囲U1において、位相差が目標位相差θから減少した後、増加し、再度目標位相差θに達する場合がある(逆転ポイントPt1)。この逆転ポイントPt1では、位相差は増加しており、最適駆動状態Gにおける位相差の傾き(減少)とは逆であり、この逆転ポイントPt1から、再々度、目標位相差θに達し、逆転前の増減傾きに復帰する復帰ポイントPt2までを、位相差フィードバック制御が不安定となる位相差逆転範囲Zとみなす。
この位相差逆転範囲Zの両側には、図18に示すように、逆転ポイントPt1における位相差逆転周波数F1から−0.5kHzの幅で位相差可逆範囲R1が、そして位相復帰ポイントPt2における復帰周波数F3から+0.5kHzの幅で位相差復帰範囲R2がそれぞれ設けられている。すなわち、位相差可逆範囲R1の境界値は、位相差逆転周波数F1およびこの位相差逆転周波数F1から0.5kHzマイナスしたクランプ周波数F2であり、位相差復帰範囲R2の境界値は、復帰周波数F3およびこの復帰周波数F3から0.5kHzプラスした復帰時クランプ周波数F4である。
これらの位相差逆転周波数F1、クランプ周波数F2、復帰周波数F3、復帰時クランプ周波数F4を含んだ位相差可逆範囲R1および位相差復帰範囲R2における周波数が記憶手段658に列挙されて記憶されている。
図19は、記憶手段658に格納されたデータ内容を示す。記憶手段658は、位相差可逆範囲R1および位相差復帰範囲R2における周波数をテーブル情報TBLとして記憶する。
[第2−3.圧電アクチュエータの駆動制御]
次に、駆動制御装置50Aによる圧電アクチュエータ20の駆動制御について、図20〜図22に示すフローチャートを参照して説明する。
駆動制御装置50Aのコントローラ265は、図20に示す最適位相差取得工程P1、位相差逆転検出工程P4、および図21に示す駆動工程P5をそれぞれ実行する。
なお、最適位相差取得工程P1と位相差逆転検出工程P4とを有して初期設定工程が構成されている。
[第2−3−1.頻度制御手段の作用]
コントローラ265は、頻度制御手段654のタイマ機能により、図20に示すように、圧電アクチュエータ20の起動時からの経過時間Tn、すなわち連続駆動時間を確認し(ステップSn11)、最適位相差取得工程P1および位相差逆転検出工程P4を所定頻度で実施する。すなわち、連続駆動時間の確認(ステップSn11)において、圧電アクチュエータ20の起動時からの経過時間Tnがコントローラ265の記憶手段658にメモリされた連続駆動時間Nに達した場合は(YES)、最適位相差取得工程P1を実施する一方、達していない場合は(NO)、図21に示す駆動工程P5に移行する。
なお、経過時間Tnは、圧電アクチュエータ20の起動時に「0」で初期化される。
[第2−3−2.最適位相差取得工程]
最適位相差取得工程P1では、コントローラ265の最適位相差取得手段653により、ロータ30を駆動した際の圧電アクチュエータ20の所望の駆動状態(本実施形態では、駆動効率(ロータ30の回転数)が略最大となる状態)を調べる。
具体的に、電圧制御発振器51で発振する駆動信号の周波数をまず低周波数(本実施形態では230kHz)にセットするとともに、駆動信号のパルス幅(Duty)の初期値を設定する(ステップSn21)。なお、このDuty初期値は、例えば50%〜95%程度に設定する。そして、電流制限0の状態とし、回転センサ15(図2)から入力される回転数に基いてロータ30の回転速度を検出する(ステップSn22)。この回転速度の検出では、回転数を保持する変数を2つ(Zn0、Zn1)使用して、回転速度を検出する度、その回転数をZn0に代入するとともに、Zn0とZn1との比較において、Zn0がZn1よりも大である場合に、Zn0をZn1に代入する。これにより、駆動周波数を掃引する過程における暫定の最大回転速度に係る回転数がZn1に逐次代入、更新される。
この後、Zn0とZn1とを比較し(ステップSn23)、Zn0(今回検出時の回転数)がZn1(暫定の最大回転速度に係る回転数として保持する値)と同じ、あるいはZn1よりも小さい場合は(NO)、回転速度のピークは未だ検出されていないので、駆動周波数を所定幅で上げ(ステップSn24)、掃引(スイープ)を続行する。本実施形態では、掃引時の駆動周波数の上げ幅は0.5kHzで、駆動周波数は230kHzから280kHzまで一方向に掃引される。なお、この駆動周波数掃引の際、高周波数から低周波数に下げることも可能である。
一方、ステップSn23においてZn0がZn1よりも小さい場合は(YES)、回転速度がピークを超えたと判断できるので、前回検出時までのデータにより暫定保持していたZn1を最大回転速度(最大駆動効率)を表す回転数として決定し、次のステップSn25に進む。
ステップSn25で回転数がZn1となる周波数fdに固定し、この状態において、位相比較器63で位相差を測定する(ステップSn26)。ここで測定された位相差を最適位相差として規定し、コントローラ265の記憶手段658に記憶する(ステップSn27)。ここで記憶した最適位相差に基いて、次の位相差逆転検出工程P4を行う。
位相差逆転検出工程P4では、駆動周波数を掃引した際に最適位相差(図17、図18のθ参照)に再度達して位相差の大小の評価が逆転する現象が生じているか否かを判定する(Sn41、Sn42)。ここで、最適位相差(θ)を位相シフト器62に設定する。
これらの工程Sn41、Sn42では、具体的に、コントローラ265の位相差逆転検出手段655により、電圧制御発振器51で発振する駆動信号の周波数を230kHzから280kHzまで一方向に掃引(スイープ)しながら、位相差検出手段60を通じて位相差フィードバック処理を実施する。そして、図17に例示したように、位相差の逆転現象が生じている場合は、この位相差逆転に係るクランプ手段657による判定結果は、「YES」となり、テーブル情報TBL(図19)を作成し(Sn43)、このテーブル情報TBLを記憶手段658に記憶する(Sn44)。
一方、位相差の逆転現象が生じていない場合は、位相差逆転の判定結果は、「NO」となり、本実施形態では、記憶手段658におけるテーブル情報TBLのデータを消去する。
以上の最適位相差取得工程P1および位相差逆転検出工程P4が終了したら、経過時間Tnを「0」にリセットし(ステップSn28)、駆動工程P5に移行する。
[第2−3−3.駆動工程]
図21に示す駆動工程P5では、コントローラ265により、先ず、前述の最適位相差取得工程P1で記憶手段658に記憶された最適位相差を位相シフト器62(図27)にセットするとともに、駆動信号のパルス幅(Duty)の初期値を設定する(ステップSn31)。なお、このDuty初期値は、例えば50%〜95%程度に設定する。
そして、駆動周波数を230kHzから掃引し(ステップSn32)、位相差検出手段60および周波数制御手段652(図16)を通じて、位相差フィードバック制御を実施する。具体的に、位相比較器63から出力される位相差が「0」、つまり、位相シフト器62にセットされた最適位相差に位相差が一致するまで(ステップSn33)、前述と同様の上げ幅で駆動周波数をスイープする(ステップSn34)。
こうして、位相差が最適位相差に一致したら(ステップSn33においてYES)、以降、位相差検出手段60を通じて同様に、位相差フィードバック制御を行い、検出信号と駆動信号との位相差に駆動信号の周波数を追従させる位相差フィードバック工程Sn35を行う。すなわち、位相比較器63からの出力が零、つまり位相差が最適位相差となるように、周波数制御手段652により、電圧制御発振器51に入力する電圧信号を制御する。ここで、電圧信号を生成して電圧制御発振器51に出力するにあたり、生成しようとする電圧信号が示す駆動周波数が、テーブル情報TBL(図19)の周波数と一致するか否かを判定する(Sn522)。
生成しようとする電圧信号が示す駆動周波数がテーブル情報TBLの周波数と一致しない場合(NO)、この電圧信号を生成して電圧制御発振器51に出力し、その結果、電圧制御発振器51が発振する駆動信号の周波数が変更される。
すなわち、駆動状態がQ1(図18)のとき、最適位相差(図18のθ参照)に対して位相差が大であるプラスの偏差D1(図18)が存在し、この場合は、位相差が減少するように、駆動周波数は上げる方向に変更される。また、駆動状態がQ2のとき、目標位相差(θ)に対して位相差が小であるマイナスの偏差D2(図18)が存在し、この場合は、位相差が増加するように、駆動周波数は下げる方向に変更される。
これらの工程Sn35およびSn522を、コントローラ265で生成すべき電圧信号が示す駆動周波数がテーブル情報TBLの周波数と一致しない限りは、繰り返し行う。
なお、事前に実施された位相差逆転検出工程P4において、位相差の逆転が生じない場合は、本実施形態では、電圧信号が示す駆動周波数がテーブル情報TBL内の周波数と一致するか否かの判定(Sn522)は行わず、検出信号の入力ごとにコントローラ265が生成する電圧信号を制御する(Sn35)。
一方、コントローラ265で生成すべき電圧信号がテーブル情報TBL(図19)の周波数と一致した場合は(YES)、当該電圧信号の生成、出力処理をクランプする(Sn523)。
これに伴い、電圧制御発振器51が発振する駆動信号の周波数が維持され、駆動周波数の位相差への追従が規制されるため、駆動周波数がクランプ周波数F2を経て位相差逆転周波数F1に達し、位相差に基く駆動周波数の追従方向が逆転することを防止できる。これにより、位相差の評価が逆転した状態でフィードバック制御が行われることを確実に防止できる。
ここで仮に、駆動周波数の位相差への追従が規制されない場合は、圧電アクチュエータ20の駆動状態が位相差可逆範囲R1における駆動状態Q3を経て、駆動状態Q4に移行する可能性がある。この駆動状態Q4では、最適駆動状態Gに近づけるように、駆動周波数を下げる必要があるにも関わらず、位相差が目標位相差θに対して大(+)であることから、位相差が減少するよう、駆動周波数が上げる方向に変更されてしまう。
すなわち、逆転ポイントPt1の前後で、目標位相差θに対する位相差の大小に基く駆動周波数の追従方向が逆転しているから、駆動周波数が適切な向きとは逆方向に変更され、駆動状態Q4から駆動状態Q5へと、最適駆動状態Gとは離れる方向に駆動状態が移行してしまう。この駆動状態Q4とQ5との間で、位相差の増減傾きが変わり、以降、目標位相差θと位相差レベルが同じである復帰ポイントPt2の前後で、位相差フィードバックにより駆動周波数が変更され、圧電アクチュエータ20の駆動状態は、最適駆動状態Gから遠ざかることはあっても、最適駆動状態Gの近傍に戻ることは殆んど不可能な状態となる。
このような不具合を防止するため、位相差への駆動周波数の追従を前述のように規制している。
ここで、位相差への追従や温度変化によって駆動周波数が振れる幅よりも大きい幅(0.5kHz)で位相差逆転周波数F1から離れたクランプ周波数F2を設定し、前述のように、駆動周波数をクランプ周波数F2に達しないように規制することで、位相差の評価が逆転した状態でフィードバック制御が行われることを確実に防止できる。
なお、クランプ(Sn523)後は、工程Sn521に戻って次の検出信号に応じた処理を継続し、工程Sn522で「NO」の場合には、駆動信号の周波数を位相差に追従させる。
以上により、駆動周波数を固定することなく位相差に追従させて、温度変化などによる振動体20Aの振動特性の変化に対応できるとともに、位相差に逆転現象が生じる場合であっても、誤った方向に駆動周波数が制御されることなく、圧電アクチュエータ20を安定的に駆動制御できる。
ここで、記憶手段658におけるテーブル情報TBL(図19)には、位相差可逆範囲R1のほかに、位相差復帰範囲R2における周波数のデータも格納されており、この位相差復帰範囲R2における値は、次のような場合に使用される。
例えば、クランプ周波数F2が参照されてコントローラ265における電圧信号の出力がクランプされた際に、復帰ポイントPt2よりも高周波数側の駆動範囲J(図17)に遷移して駆動する必要がある場合などは、この位相差復帰範囲R2における周波数を参照し、駆動状態が不安定とならないように、駆動周波数を規制することが望ましい。すなわち、位相差に駆動周波数を追従させる処理において、駆動周波数を変更する前に、変更しようとする駆動周波数が位相差復帰範囲R2における値と一致するか否かを判定し、一致する場合は、駆動周波数を維持するために処理をクランプする。
このような駆動制御を行えば、駆動制御が不安定となる位相差逆転範囲Zを除いた状態で、駆動制御を安定的に行うことが可能となる。
また、復帰ポイントPt2よりも高周波数側に最適駆動状態があり、駆動範囲Jで圧電アクチュエータ20を駆動する必要がある場合も同様に、この位相差復帰範囲R2を参照して駆動周波数を規制する処理を行えばよい。
なお、駆動周波数掃引時の位相差が図17に示すように、増加、減少を繰り返し、位相差の増減傾きが一定でない場合、設定された目標位相差(例えば図17中のθ´)に対する位相差の評価の逆転現象が複数箇所で生じる場合も考えられる。
このような場合には、これらの逆転箇所における位相差可逆範囲および位相差復帰範囲の駆動周波数についてもテーブル情報TBL(図19)に追加し、駆動制御することを検討できる。
このようにすれば、位相差が逆転する範囲を除いた、駆動周波数をスイープさせる230kHz〜280kHzの全範囲において、駆動制御装置50により圧電アクチュエータ20を駆動制御することが可能となる。
なお、クランプ(Sn523)後は、工程Sn35に戻って次の検出信号に応じた処理を継続し、工程Sn522で「NO」の場合には、駆動信号の周波数を位相差に追従させる。
そして、位相差フィードバック工程Sn35、Sn522、Sn523の一連の処理の度に、コントローラ265における経過時間Tnを示す駆動時間計時変数を1つカウントアップする(ステップSn351)。
次のステップSn39では、図22に示す低消費電力駆動工程P6に移行する。この低消費電力駆動工程P6は、駆動工程P5(図21)の位相差フィードバック制御のループ(Sn35,Sn522,Sn523,Sn351,Sn36,Sn37,Sn38)内に組み込まれているとともに、低消費電力駆動工程P6で行う処理は、第1実施形態の図8で示した処理に対応している。また、低消費電力駆動工程P6の各処理は、低電力パルス制御手段656(図16)により行われる。
この低消費電力駆動工程P6では先ず、低消費電力駆動工程P6の処理に必要な駆動パラメータの初期化が必要か否かを判定し(S61)、必要な場合(YES)、ステップS10において、コントローラ265からパルスコントロール回路52に出力する駆動信号のパルス幅Tを「0%」に初期化するとともに、コントローラ265で使用する変数Z0を記憶手段658から読み出した設定回転数「1500rpm」で初期化する。なお、このステップS61でYESとなる場合は通常、圧電アクチュエータ20の起動時(図20のスタート)後、初回の低消費電力駆動工程P6制御開始時となる。
ステップS61後、初期化された駆動パラメータに基づき、図8におけるフローと同様に、パルス幅設定ステップS21と、ロータ30の速度に基いて駆動信号のパルス幅を設定するパルス幅制御ステップS22とを実施する。
このような低消費電力駆動工程P6により、圧電アクチュエータ20に供給される駆動信号のパルス幅が制御される結果、駆動制御装置50AのA〜Hの各箇所における信号波形は前掲の図9と同様となる。
すなわち、駆動信号C〜Fのパルス幅は、非駆動状態(ブレーキ状態)であるブレーキ区間Xから、起動後、前述のパルス幅制御ステップS22(図22)でパルス幅Tを増加させることによって(ステップS222B)次第に増加し、これに伴いロータ30が回転し始める。そして、所定時間経過後、圧電アクチュエータ20の駆動状態は定常状態Yとなり、ロータ30の回転数および駆動信号のパルス幅Tが収束する。このときの駆動信号のパルス幅(Hiの部分)で決まるパルスデューティは、約30%であり、このパルス幅Tは、前掲の図7に示したように、ロータ30の回転数(1500rpm)に対応している。
一方、低消費電力駆動工程P6を有して駆動制御される圧電アクチュエータ20の駆動性能は、前掲の図10のグラフと同様であり、本実施形態のように駆動信号のパルス幅Tの制限を行った場合、パルス幅を制限しなかった場合と比べて消費電力を小さくできることがわかる。
以上の低消費電力駆動工程P6の各処理を終了したら、低電力パルス制御手段656による制御は終了し、図21の駆動工程P5のステップSn36に復帰する、
駆動工程P5における位相差フィードバック制御は、駆動終了を示す信号がコントローラ265に入力されるまで(ステップSn36)、または秒クロノグラフ針7Aの回転方向の切替を示す信号がコントローラ265に入力されるまで(ステップSn38)、継続される。
ここで、圧電アクチュエータ20の駆動制御に際しては、駆動信号と検出信号との位相差を指標(最適位相差)として、位相差フィードバック制御が行われるが、圧電アクチュエータ20の連続駆動による磨耗や発熱などの経時変化により、圧電アクチュエータ20の振動特性が変化し、駆動制御装置50Aの制御において指標となるべき最適位相差そのものが変わり、適正トルクが得られない場合がある。
また、このような経時変化により、位相差逆転周波数F1やクランプ周波数F2なども変化し、駆動制御に影響する。
このような圧電アクチュエータ20の駆動特性の経時変化について、図23のグラフに示した。
図23のグラフに実線で示したロータ30の回転数、圧電アクチュエータ20における電流、および位相差はそれぞれ、圧電アクチュエータ20起動時の初期状態において、駆動周波数(グラフ横軸)を掃引した際の値であり、図23には、この初期状態から1時間後、3時間後に駆動周波数を掃引した際の回転数、電流、位相差がそれぞれ線種の異なる点線で示されている。
このグラフに示したように、駆動周波数掃引時における回転数、電流、および位相差は一定ではなく、初期状態から時間の経過に伴って変化していく。本実施形態では、圧電アクチュエータ20の振動体20Aにおける共振点(図23中、回転数が2500rpm近傍となる際の駆動周波数)は、当初はRであるが、1時間後はR、3時間後はRというように次第に高くなり、このため、駆動周波数掃引時の回転数、電流、位相差も遷移する。これらが遷移する要因としては、例えば、ロータ30や振動体20Aの突起25の磨耗、あるいは、突起25をロータ30に当接させる付勢力などの加圧条件の変化などが考えられる。
このような圧電アクチュエータ20の駆動特性の経時変化に対応して、駆動工程P5における位相差フィードバック制御が所定時間経過すると、コントローラ265の頻度制御手段654は、経過時間Tnが連続駆動時間Nに達したと判定し(図21のステップSn37)、図20に示した最適位相差取得工程P1および位相差逆転検出工程P4を再び実施する。すなわち、最適位相差取得工程P1は、コントローラ265に記憶された連続駆動時間(1時間)ごとに繰り返し実施され、最適位相差として規定される値が更新される。また、位相差逆転検出工程P4も、コントローラ265に記憶された連続駆動時間(1時間)ごとに繰り返し実施され、記憶手段658に保持される位相差逆転周波数F1やクランプ周波数F2などの値が更新される。
このように、経時変化による共振点のずれなどに対応して、最適位相差として保持する値、位相差逆転周波数F1、およびクランプ周波数F2などが補正されるので、最適位相差を前提とする駆動制御装置50Aの駆動制御が適切に実施される。
ここで、前述のように駆動電極221,222,223に選択的に駆動信号が供給されることにより、圧電アクチュエータ20はロータ30を正方向および逆方向に駆動することが可能に構成されているが、縦振動と屈曲振動との位相差の合成が正方向への駆動時と逆方向への駆動時とでは対称とならず、駆動特性が互いに異なる場合が多い。
このため、秒クロノグラフ針7Aの正逆回転方向についてのユーザ操作時や、所定時間の経過、時刻補正時など、正逆回転回路522(図15)を通じて正回転/逆回転の切替を示す信号がコントローラ265に入力された際にも(Sn38でYES)、図20に示した最適位相差取得工程P1および位相差逆転検出工程P4(これらの工程P1およびP2により初期設定工程が構成されている)を再び実施する。
図24は、圧電アクチュエータ20における駆動特性を示すグラフであり、図25は、図24と比較するために、この圧電アクチュエータ20において、駆動周波数の規制を行わなかった際の駆動特性を示すグラフである。これら図24、図25において、圧電アクチュエータ20の連続駆動時間を横軸にとった。
駆動周波数の規制を実施すると、連続駆動により、振動体20Aの発熱が生じやすい環境であるにも関わらず、図24に示すように、駆動周波数の上下の振れが抑制され、ロータ30の回転数も安定している。これに対して、図25では、振動体20Aの発熱に伴う温度変化などに起因して、駆動周波数が上下しており、上下に変化する部分ではロータ30の回転数が上がらず、駆動状態が非常に不安定であることがわかる。
すなわち、前述した駆動制御装置50による駆動周波数の規制により、温度変化等に関わらず、圧電アクチュエータ20の駆動制御が安定することが確認できた。
[第2−4.本実施形態による効果]
本実施形態によれば、第1実施形態で述べた効果に加えて、次のような効果を得ることができる。
(6)コントローラ265が有する頻度制御手段654によって、最適位相差取得工程P1を所定の頻度で実施することにより、所定の駆動状態を実現するために必要な最適位相差(本実施形態では、駆動効率を最大にするために必要な最適位相差)が経時変化などで変化しても、最適位相差取得工程P1が実施されるたびに、最適位相差が再度規定されて適切な最適位相差に補正される。つまり、最適位相差の適切さを担保できるから、この最適位相差に基いて、駆動工程P2において駆動制御を安定化でき、ロータ30の駆動に必要なトルクにより、所望の駆動効率を実現できる。
(7)駆動制御装置50において位相差検出手段60で検出された位相差に駆動信号の周波数を追従させるにあたり、位相差逆転検出手段655により記憶手段658のテーブル情報TBLを参照し、位相差に追従すると駆動周波数がクランプ周波数F2に達する場合には、クランプ手段657によって駆動周波数の位相差への追従をクランプし、駆動周波数の規制を実施する。このため、駆動周波数を掃引した際に、目標位相差θに対する位相差の大小の評価に逆転が生じている場合でも、駆動周波数が逆方向に変更される異常な処理を未然に防止でき、駆動制御を安定的に実施できる。
(8)コントローラ265による駆動周波数の掃引時に、位相差逆転周波数F1から最適駆動状態G側に離れたクランプ周波数F2を設定し、このクランプ周波数F2の値とならないように、駆動周波数の位相差への追従が制御されるため、駆動周波数の変動によって駆動状態が逆転ポイントPt1に近づいても、位相差の評価の逆転現象により駆動周波数を適切でない方向に追従させることを確実に防止できる。
(9)腕時計である電子時計1Aにおいては、温度や負荷などの変動により、その内部に組み込まれた圧電アクチュエータ20の動作が不安定になるおそれがあるところ、このような電子時計1Aに駆動制御装置50Aを組み込んだことで、前述の安定駆動できることの効果を大きくできる。
ここで、以上説明した第2実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、第1実施形態における変形例1〜3にそれぞれ対応している。
〔第2実施形態の変形例1〕
図26に示した低消費電力駆動工程P7は、前記第2実施形態において、図22に示した低消費電力駆動工程P6と置換可能となっている。また、この図26に示した処理は、第1実施形態の変形例としての図11に示した処理に対応している。
すなわち、前記の第2実施形態では、駆動パラメータ初期化判定(S61)後の初期値設定ステップS10において、コントローラ265からパルスコントロール回路52に出力する駆動信号のパルス幅Tを「0%」に初期化していたが、これに限らず、この図26に示すように、パルス幅Tを適正パルス幅としての「10%」などで初期化し、ロータ30の設定回転数に応じて定常状態となるまで、駆動信号のパルス幅を調整してもよい。これにより、圧電アクチュエータ20の起動時間が短縮され、起動速度の短縮と、低消費電力化とを両立できる。
なお、駆動信号のパルス幅の初期値は、適正パルス幅「10%」に限らず、例えば「5%」など、適正パルス幅より小さいパルス幅を初期値として、検出された回転数に応じて徐々にパルスデューティを上げていってもよい。
〔第2実施形態の変形例2〕
なお、前記第2実施形態の変形例1において、前記第1実施形態の変形例2と同様に、適正パルス幅(例えば10%)を記憶手段651に保持し、起動後、定常状態となった際に適正パルス幅を記憶手段651に保持し直す構成としてもよいし、前回起動時のパルス幅ではなく、複数回起動した際のそれぞれの駆動時にロータ30が定常状態となった際の駆動信号のパルス幅を適正パルス幅として記憶手段651に保持してもよい。
〔第2実施形態の変形例3〕
また、図27に示した低消費電力駆動工程P8も、前記第2実施形態において、図22に示した低消費電力駆動工程P6と置換可能となっている。また、この図27に示した処理は、第1実施形態の変形例としての図12に示した処理に対応している。
すなわち、制御開始時に初期化ステップS00を設け、この初期化ステップS00において駆動信号のパルス幅を掃引し、所望のトルクを実現する回転数を求めてもよい。
さらに、第2実施形態においても、前記第1実施形態の変形例4、5と同様の変形が可能である。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、圧電アクチュエータ20の被駆動体であるロータの回転数が調整可能に駆動制御される。
図28は、本実施形態の駆動制御装置50Bを示す。
駆動制御装置50Bは、前述の駆動制御装置50A(図15)の構成に加えて、ロータの回転数指令値を出力する回転数指令値源72と、回転数検出器71で検出された回転数と回転数指令値源72から出力された回転数指令値とに基いてコントローラ265に対して制御信号を出力する回転数制御器73とを備える。
図29は、本実施形態における最適位相差取得工程P1´を示すフローチャートである。最適位相差取得工程P1´ではまず、回転数検出器71を0セット(ゼロセット)する(ステップSn20)。次いで、前述の最適位相差取得工程P1(図20)と同様、ステップSn21〜ステップSn27を実施し、最適位相差を取得する(Sn27)。この後、図20と同様、位相差逆転検出工程P4を実施し、経過時間Tnをリセットする(Sn28)。このSn21〜Sn28の間、回転数検出器71によるロータ30の回転数検出を継続して行う。
そして、最後に、回転数検出器71、回転数指令値源72、および回転数制御器73により、ステップSn20の時点から回転したロータ30を回転数「0」になるまで逆転する(移動量復帰工程;ステップSn29)。この後、駆動工程P5(図21)に移行する際は、最適位相差取得工程P1´および位相差逆転検出工程P4の所要時間が加味された指令値が回路基板の計時部ブロックを介して回転数指令値源72に入力されるので、回転数制御器73により、ロータ30の回転数が調整される。
なお、回転数検出器71によるロータ30の回転数検出は、駆動工程P5においても、継続的に実施する。
〔本発明の変形例〕
本発明は、前述の実施形態に限定されない。以上では、駆動信号のパルス幅の制限に関していくつか変形例を示したが、そのほかの点に関しても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変形や改良が許容される。
例えば、ロータの回転速度を調整可能な構成として、ロータの回転数を検出しつつ制御する第3実施形態を示したが、これに限らず、圧電アクチュエータにおける電流値を検出しこの検出に基づいて電流を制御することにより、ロータの回転速度を調整する構成としてもよい。また、ロータの回転数と圧電アクチュエータの電流値との両方を検出し、これらに基づいてロータの回転速度の調整を行っても良い。
なお、ロータの回転数と圧電アクチュエータの電流値との両方を検出して制御する場合は、例えば、ロータ回転数に基づく制御ループをメジャーループとし、電流値に基づく制御ループをマイナーループとし、回転数検出器、回転数指令値源、回転数制御器、電流検出器、電流制御器を備える構成において、回転数指令値源からの回転数指令値と回転数検出器で検出された回転数とに基いて回転数制御器が電流指令値を生成する。そして、この電流生成値と電流検出器で検出された電流値とに基づいて電流制御器が制御手段に制御信号を出力する構成とすればよい。
また、前記各実施形態における駆動制御装置50,50Aそれぞれのコントローラ65,265は、周波数制御手段、最適位相差取得手段、頻度制御手段、位相差逆転検出手段、クランプ手段、および記憶手段などを含んで制御手段として構成されていたが、これらの各手段は、別々のコントローラに実装されていてもよく、任意に構成できる。コントローラ65,265は、ハードウェアのみならず、ソフトウェアによって構成されていてもよい。
前記実施形態では、最適位相差は、圧電アクチュエータの駆動効率を最大とするように規定されていたが、これに限らず、最大駆動効率で駆動する必要がない場合などは、駆動効率が最大ではない所定の駆動状態に適するように、最適位相差を決めてもよい。
また、前記実施形態では、駆動信号と検出信号との位相差をフィードバックし、この位相差に駆動信号の周波数を追従させていたが、このような位相差フィードバック制御を行わず、駆動信号の周波数は一定の値に固定されていてもよい。
なお、前記実施形態では、駆動信号は矩形波であったが、これに限らず、駆動信号の波形としてサイン波、のこぎり波、三角波なども採用でき、そのパルス幅の制御に応じて低消費電力化できる。
初期設定工程において最適位相差を所定頻度で取得するにあたり、任意の手段により、時間や起動回数、所定の動作を行った回数をカウントする必要があるが、この際、カウント中の値を圧電アクチュエータの非駆動時にも不揮発性のメモリなどに保持し、再度、圧電アクチュエータを起動したときに、途中までカウントされた値をカウントアップしてもよい。これにより、圧電アクチュエータの起動時に無条件に最適位相差取得工程を実施する必要がなくなり、圧電アクチュエータの駆動が短いスパンで繰り返され、駆動時間や回数が累積した場合にも、磨耗状態などに応じて変動し得る最適位相差の取得を所定の頻度で確実に実施できる。
そして、頻度制御手段により規律される最適位相差取得工程P1が実施される頻度は、前記各実施形態では、1時間ごとであったが、頻度として設定する時間は、1時間に限られない。被駆動体の負荷の大小などに応じて、例えば、数分〜数時間の範囲で適宜決められる。また、初期状態からの経過時間が長くなるほど、頻度を上げる、すなわち、時間間隔を狭めて最適位相差取得工程を実施するなど、経過時間の長短に応じて頻度を決めることも検討できる。
さらに、最適位相差取得工程が実施される頻度は、時間以外の要素で規定することも可能である。すなわち、圧電アクチュエータの起動回数などで頻度を決めてもよく、例えば、頻度を起動回数255回として、コントローラの記憶手段に記憶しておいてもよい。また、圧電アクチュエータの電子機器への組み込み時によって頻度を規定してもよい。この組み込み時には、振動体と被駆動体との当接部の磨耗などに伴う圧電アクチュエータの交換も含まれれる。
頻度の決め方は、被駆動体の負荷や圧電アクチュエータの動作モードなどに応じて適宜決められる。前述したロータの正回転/逆回転の別に応じて、頻度が決められていてもよい。
本発明は、前記実施形態の電子時計に適用されるものに限らず、各種の電子機器に適用可能であり、特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。
ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた電話、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ等が例示できる。
また、時計機能を備えないカメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の駆動手段を用いることができる。
さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、自動車等のインパネ(instrumental pan
el)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、プリンタの紙送り機構、乗り物並びに人形などの可動玩具類の駆動機構および姿勢補正機構、超音波モータ等に本発明の駆動制御装置を用いてもよい。
また、前記各実施形態では、カレンダを示す日付表示装置90の駆動に圧電アクチュエータ20を用いていたが、これに限らず、年、月、曜を表示する機構の駆動や、時刻を示す時針4、分針5、秒針6の駆動などに本発明の圧電アクチュエータを用いてもよい。
なお、前記各実施形態では、圧電アクチュエータの適用例として腕時計を例示したが、これに限定されず、本発明は、懐中時計、置時計、掛け時計などにも適用できる。これらの各種時計において、例えばからくり人形などを駆動する機構としても利用できる。
なお、被駆動体としては、回転駆動されるロータ、直線駆動されるリニア駆動体などを採用でき、被駆動体の駆動方向は限定されない。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態における時計の外観図。 前記実施形態における日付表示装置の平面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータユニットの斜視図。 前記実施形態における圧電アクチュエータユニットの平面図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 前記実施形態における振動体について、(A)は、駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフ、(B)は、駆動周波数と縦振動および屈曲振動の振幅との関係を示すグラフ。 前記実施形態において、駆動信号のパルス幅を掃引した際の駆動特性について示すグラフ。 前記実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御を示すフローチャート。 前記実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御のタイミングチャート。 前記実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御による消費電力等を示すグラフ。 前記第1実施形態の変形例1における圧電アクチュエータの駆動制御を示すフローチャート。 前記第1実施形態の変形例2における圧電アクチュエータの駆動制御を示すフローチャート。 前記第1実施形態の変形例4における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 本発明の第2実施形態における時計の外観図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成を示すブロック図。 前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動制御装置が備えるコントローラの外略構成を示すブロック図。 前記実施形態における振動体について、駆動信号の周波数掃引時の位相差、ロータの回転数、電流値の変化を示すグラフ。 図17のグラフの要部拡大図。 前記実施形態における記憶手段に記憶されたテーブル情報を示す図。 前記実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御装置における最適位相差取得工程および位相差逆転検出工程を示すフローチャート。 前記実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御装置における駆動工程を示すフローチャート。 前記実施形態の前記駆動制御装置における低消費電力駆動工程を示すフローチャート。 前記実施形態における圧電アクチュエータの駆動特性の変化を示す図。 前記実施形態の圧電アクチュエータの駆動特性を示すグラフ。 図24と比較する図であって、前記実施形態の圧電アクチュエータにおいて、駆動周波数の規制を実施しなかった際の駆動特性を示すグラフ。 前記第2実施形態の変形例1における圧電アクチュエータの駆動制御を示すフローチャート。 前記第2実施形態の変形例3における圧電アクチュエータの駆動制御を示すフローチャート。 本発明の第3実施形態における駆動制御装置の構成を示すブロック図。 前記実施形態の圧電アクチュエータの駆動制御装置における最適位相差取得工程を示すフローチャート。 駆動信号の周波数掃引時の位相差、ロータの回転数(駆動量)、電流値の変化を示すグラフ。
符号の説明
1,1A・・・電子時計(電子機器)、2・・・ムーブメント(計時部)、4・・・時針(計時情報表示部)、5・・・分針(計時情報表示部)、6・・・秒針(計時情報表示部)、7A・・・秒クロノグラフ針(計時情報表示部)、7B・・・分クロノグラフ針(計時情報表示部)、15・・・回転センサ(検出手段)、20・・・圧電アクチュエータ、22・・・圧電素子、30・・・ロータ(被駆動体)、50,50A,50B,50C・・・駆動制御装置、51・・・電圧制御発振器(駆動信号源)、60・・・位相差検出手段、65,265・・・コントローラ(制御手段)、71・・・回転数検出器(検出手段)、75・・・電流検出器(検出手段)、93・・・日車(計時情報表示部)、651,658・・・記憶手段、652・・・周波数制御手段、653・・・最適位相差取得手段、654・・・頻度制御手段、655・・・位相差逆転検出手段、656・・・低電力パルス制御手段(制御手段)、657・・・クランプ手段、F1・・・位相差逆転周波数、F2・・・クランプ周波数、P・・・基準パルス幅、P1・・・最適位相差取得工程、P2・・・駆動工程、P4・・・位相差逆転検出工程、P5・・・駆動工程、T・・・駆動信号のパルス幅、θ・・・目標位相差。

Claims (14)

  1. 圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、
    前記振動体は、矩形波かつ単相の前記駆動信号の供給により、複数の振動モードの合成によって振動し、
    前記圧電アクチュエータが前記被駆動体を駆動する際の駆動特性に基づいて決められる最大駆動力を実現する基準パルス幅で前記駆動信号を発し、
    前記基準パルス幅に対して前記駆動信号のパルス幅を、前記駆動特性に基づいて前記被駆動体を駆動するために最低限必要となる最小駆動力を実現する最小パルス幅を限度に制限する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータの駆動制御方法において、
    前記振動体は、平面視略矩形状に形成され、
    前記振動体における前記複数の振動モードは、前記振動体の長手方向に沿って伸縮する縦振動および前記長手方向に対して屈曲する屈曲振動とされる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の圧電アクチュエータの駆動制御方法において、
    前記駆動信号のパルス幅を掃引して前記の所定の駆動力を実現する適正パルス幅を取得し、
    前記駆動信号を前記適正パルス幅に制御する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御方法において、
    前記駆動信号のパルス幅を、起動時、前記の所定の駆動力を実現する適正パルス幅で初期化する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  5. 請求項4に記載の圧電アクチュエータの駆動制御方法において、
    前記適正パルス幅を、前回起動までの駆動時に前記被駆動体が定常状態となった際の前記駆動信号のパルス幅を基に決める
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御方法において、
    前記駆動信号のパルス幅を、当該圧電アクチュエータの駆動状態の検出に基いて調整する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  7. 請求項6に記載の圧電アクチュエータの駆動制御方法において、
    前記駆動信号のパルス幅を前記基準パルス幅に対して制限する駆動工程に加えて、
    前記駆動信号と前記検出された駆動状態を表す検出信号との位相差に関し、前記駆動信号の周波数掃引を実施して所定の駆動状態を実現する位相差である最適位相差を取得する最適位相差取得工程と、
    前記駆動信号と前記検出信号との位相差を検出しつつ前記駆動信号の周波数掃引を前記所定の駆動状態を実現する周波数を含む所定範囲で所定方向に実施し、この際、前記位相差が前記最適位相差に再度達した際の位相差逆転周波数を検出する位相差逆転検出工程と、を有する初期設定工程を備え、
    前記駆動工程では、前記位相差逆転周波数から前記所定の駆動状態側の値において設定されるクランプ周波数に前記駆動信号の周波数が達しないように規制しつつ、前記駆動信号と前記検出信号との位相差を検出するとともに前記最適位相差に対する前記位相差の大小に基いて前記駆動信号の周波数を高低いずれかに変更することで前記位相差に前記駆動信号の周波数を追従させ、
    前記初期設定工程を、所定の頻度で行い、前記最適位相差および前記位相差逆転周波数をそれぞれ更新する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  8. 圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えて前記振動体の振動を被駆動体に伝達する圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、
    前記振動体は、矩形波かつ単相の前記駆動信号の供給により、複数の振動モードの合成によって振動し、
    前記圧電アクチュエータが前記被駆動体を駆動する際の駆動特性に基づいて決められる最大駆動力を実現する基準パルス幅で前記駆動信号を発する駆動信号源と、
    前記基準パルス幅に対して前記駆動信号のパルス幅を、前記駆動特性に基づいて前記被駆動体を駆動するために最低限必要となる最小駆動力を実現する最小パルス幅を限度に制限する制御手段とを備える
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  9. 請求項8に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記振動体は、平面視略矩形状に形成され、
    前記振動体における前記複数の振動モードは、前記振動体の長手方向に沿って伸縮する縦振動および前記長手方向に対して屈曲する屈曲振動とされる
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  10. 請求項8または9に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記の所定の駆動力を実現する適正パルス幅を記憶する記憶手段を有する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  11. 請求項8から10のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    当該圧電アクチュエータの駆動状態を検出する検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記駆動状態を基に、前記駆動信号のパルス幅を調整する
    ことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  12. 請求項11に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記駆動信号と前記検出手段により検出された駆動状態を表す検出信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記駆動信号の周波数掃引を実施し前記位相差検出手段による前記位相差の検出に基いて所定の駆動状態を実現する位相差である最適位相差を取得する最適位相差取得手段と、
    前記駆動信号と前記検出信号との位相差を検出しつつ前記駆動信号の周波数掃引を前記所定の駆動状態を実現する周波数を含む所定範囲で所定方向に実施し、この際、前記位相差が前記最適位相差に再度達した際の位相差逆転周波数を検出する位相差逆転検出手段と、を有する初期設定手段と、
    前記最適位相差を基に前記駆動信号の周波数を設定する周波数制御手段と、
    前記初期設定手段による処理を、所定の頻度で行うことにより、前記最適位相差および前記位相差逆転周波数をそれぞれ更新する頻度制御手段とを備え、
    前記周波数制御手段は、前記位相差逆転周波数から前記所定の駆動状態側の値において設定されるクランプ周波数に前記駆動信号の周波数が達しないように規制するクランプ手段を有し、前記クランプ手段による前記駆動信号の周波数の規制を実施しつつ、前記位相差検出手段により前記位相差を検出するとともに前記最適位相差に対する前記位相差の大小に基いて前記駆動信号の周波数を高低いずれかに変更することで前記位相差に前記駆動信号の周波数を追従させることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  13. 圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータで駆動される被駆動体と、請求項9から13のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置とを備える
    ことを特徴とする電子機器。
  14. 請求項13の電子機器は、計時部と、前記計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計である
    ことを特徴とする電子機器。
JP2006227220A 2006-01-10 2006-08-23 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器 Withdrawn JP2007215390A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006227220A JP2007215390A (ja) 2006-01-10 2006-08-23 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
US11/648,665 US20070159507A1 (en) 2006-01-10 2007-01-03 Piezoelectric actuator drive control method, piezoelectric actuator drive control apparatus, and electronic device

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006002795 2006-01-10
JP2006227220A JP2007215390A (ja) 2006-01-10 2006-08-23 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007215390A true JP2007215390A (ja) 2007-08-23

Family

ID=38232394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006227220A Withdrawn JP2007215390A (ja) 2006-01-10 2006-08-23 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20070159507A1 (ja)
JP (1) JP2007215390A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009233515A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Sony Corp 圧電素子の駆動装置、電子機器、および、圧電素子駆動周波数の制御方法
JP2010136527A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Canon Inc 超音波モータの速度制御装置、方法及びプログラム
JP2011097397A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Canon Inc 塵埃除去装置
JP2015107001A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 株式会社ニコン 振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器
JP2019198199A (ja) * 2018-05-11 2019-11-14 キヤノン株式会社 振動型駆動装置、電子機器及び振動型アクチュエータの制御方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009104830A1 (en) * 2008-02-22 2009-08-27 Konkuk University Industrial Cooperation Corp. Small high-voltage power driving circuit for piezoelectric element
TWI329585B (en) * 2008-07-01 2010-09-01 Univ Nat Taiwan Ultrasonic distance-measuring sensor assembly and ultrasonic distance-measuring sensor thereof
JP5355334B2 (ja) * 2009-10-05 2013-11-27 オリンパス株式会社 慣性駆動アクチュエータのキャリブレーション方法及び慣性駆動アクチュエータ装置
EP2355546A1 (en) * 2010-02-03 2011-08-10 Delphi Technologies, Inc. Piezo driver with sound pressure level control
DE102010021867A1 (de) * 2010-05-28 2011-12-01 Eurocopter Deutschland Gmbh Kraftgenerator zur Anbringung an einer Struktur
JP5884303B2 (ja) * 2011-06-07 2016-03-15 セイコーエプソン株式会社 圧電アクチュエーター、ロボットハンド、及びロボット
JP5799596B2 (ja) * 2011-06-10 2015-10-28 セイコーエプソン株式会社 圧電アクチュエーター、ロボットハンド、及びロボット
JP5893307B2 (ja) * 2011-09-13 2016-03-23 キヤノン株式会社 振動型アクチュエータの駆動装置
US10678896B2 (en) 2015-06-30 2020-06-09 Samsung Electronics Co., Ltd. Methods and apparatuses for updating user authentication data
KR102469204B1 (ko) * 2017-10-23 2022-11-21 삼성전자주식회사 진동자 제어 방법 및 장치
KR102588072B1 (ko) 2018-08-27 2023-10-12 삼성전자주식회사 인솔 제조 방법
KR102514651B1 (ko) 2018-08-27 2023-03-28 삼성전자주식회사 인솔 및 이를 포함하는 신발
KR102604085B1 (ko) 2018-12-12 2023-11-21 삼성전자주식회사 신발형 장치 및 신발형 장치의 제어 방법

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3164239B2 (ja) * 1992-01-16 2001-05-08 オリンパス光学工業株式会社 振動波モータの駆動回路
JPH05328757A (ja) * 1992-05-21 1993-12-10 Canon Inc 振動波アクチュエータの駆動装置
US6054795A (en) * 1996-04-24 2000-04-25 Canon Kabushiki Kaisha Driving apparatus for vibration type actuator device
JP4314088B2 (ja) * 2003-09-25 2009-08-12 キヤノン株式会社 振動型アクチュエータの制御装置および制御方法、振動型アクチュエータを駆動源とする装置
CN1906843B (zh) * 2004-03-17 2010-09-29 精工爱普生株式会社 压电致动器驱动装置、电子设备、其驱动方法
JP4141990B2 (ja) * 2004-07-12 2008-08-27 セイコーエプソン株式会社 圧電アクチュエータおよび機器
JP2007089384A (ja) * 2005-08-22 2007-04-05 Seiko Epson Corp 圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器、および圧電アクチュエータの駆動制御方法
JP4201014B2 (ja) * 2005-08-23 2008-12-24 セイコーエプソン株式会社 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
JP2007221924A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Seiko Epson Corp 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動制御方法、および電子機器

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009233515A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Sony Corp 圧電素子の駆動装置、電子機器、および、圧電素子駆動周波数の制御方法
JP4631921B2 (ja) * 2008-03-26 2011-02-16 ソニー株式会社 圧電素子の駆動装置および圧電素子駆動周波数の制御方法
US8076822B2 (en) 2008-03-26 2011-12-13 Sony Corporation Piezoelectric element drive device, electronic apparatus, and method for controlling piezoelectric element drive frequency
JP2010136527A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Canon Inc 超音波モータの速度制御装置、方法及びプログラム
JP2011097397A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Canon Inc 塵埃除去装置
JP2015107001A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 株式会社ニコン 振動アクチュエータ、振動アクチュエータの制御装置、レンズ鏡筒及び電子機器
JP2019198199A (ja) * 2018-05-11 2019-11-14 キヤノン株式会社 振動型駆動装置、電子機器及び振動型アクチュエータの制御方法
JP7191547B2 (ja) 2018-05-11 2022-12-19 キヤノン株式会社 振動型駆動装置、電子機器及び振動型アクチュエータの制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20070159507A1 (en) 2007-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007215390A (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
JP4201014B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
JP4479725B2 (ja) 圧電アクチュエータおよび機器
US7078847B2 (en) Piezoelectric actuator, timepiece, and portable device
JP2007221924A (ja) 圧電アクチュエータ、圧電アクチュエータの駆動制御方法、および電子機器
JP2007089384A (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器、および圧電アクチュエータの駆動制御方法
US7439650B2 (en) Piezoactuator drive detection device and electronic device
JP5245355B2 (ja) 圧電駆動装置および電子機器
US20060006762A1 (en) Drive method for piezoelectric actuator, drive apparatus for piezoelectric actuator, electronic device, control program for drive apparatus for piezoelectric actuator, and recording medium
EP1355412A1 (en) Piezoelectric actuator and its drive circuit
US7247970B2 (en) Drive method for piezoelectric actuator, drive apparatus for piezoelectric actuator, electronic device, control program for drive apparatus for piezoelectric actuator, and recording medium
JP2006033912A (ja) 圧電アクチュエータおよび機器
JPWO2004088830A1 (ja) 圧電アクチュエータの駆動方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子時計、電子機器、圧電アクチュエータの駆動装置の制御プログラム及び記憶媒体
JP4830449B2 (ja) 圧電アクチュエータの位置制御駆動装置、および電子機器
JP4848853B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動方法、圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器
JPH10225185A (ja) ステッピングモーターの制御装置、その制御方法および計時装置
JP4265493B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動装置、電子機器
JP4923548B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御方法、圧電アクチュエータの駆動制御装置、および電子機器
JP4774827B2 (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器および圧電アクチュエータの駆動制御方法
CN101001055A (zh) 压电致动器的驱动控制方法、驱动控制装置及电子设备
JP2010252422A (ja) 圧電駆動装置、圧電駆動装置の制御方法および電子機器
JP2009219212A (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御装置、圧電アクチュエータの駆動制御方法および電子機器
JP2010252471A (ja) 圧電駆動装置、圧電駆動装置の制御方法および電子機器
JP2006353055A (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御装置、電子機器、および圧電アクチュエータの駆動制御方法
JP2007202262A (ja) 圧電アクチュエータの駆動制御装置、駆動制御方法、および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070704

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070813

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090514

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20100305