JP5245355B2 - 圧電駆動装置および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電アクチュエータを備える圧電駆動装置および電子機器に関する。
従来、磁界の影響を受けにくい圧電素子を用いた超音波駆動装置が知られ、時計の時刻針等を駆動する駆動装置として利用されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の超音波駆動装置は、圧電素子が接合された振動体と、この振動体の振動に伴って周方向に回転するロータ体と、これら振動体とロータ体とを圧設させる押圧力を付与する押えばねとを備えて構成され、ロータ体の回転によって時刻針が回転されるようになっている。
特開平10−290579号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の超音波駆動装置において、超音波駆動装置を停止状態から起動させる際、振動体に高周波電圧(駆動信号)が印加されるとロータ体が回転を始めるが、ロータ体が所定の回転数に達するまでには、ある程度の時間(加速期間)が必要となる。この加速期間は、時刻針等の慣性モーメントが大きいほど長くなる。例えば、ロータ体と時刻針との間に、ロータ体の回転数を減速するための減速輪列が配置されている場合、ロータ体の慣性モーメントに対して、輪列や時刻針の慣性モーメントが比較的大きくなり、例えばロータ体と減速輪列と時刻針とを合わせた慣性モーメントが、ロータ体のみの慣性モーメントの数十倍から百倍以上になる場合がある。
また、ロータと指針との間に増速輪列を設け、ロータの回転角が小さくても指針を所定角度動かすことができるように構成する場合がある。例えば秒針1秒分の角度6度をロータ2度の回転で動かそうとした場合である。増速輪列の場合は、減速輪列の場合に比べてもより大きな慣性モーメントになり、加速時間もより長くなる。
このように、慣性モーメントは、例えば、輪列や指針の構成および形態によって決まるものである。そして、慣性モーメントが大きい場合には、ロータ体の加速期間が長くなり、振動体(振動子)に駆動信号が印加される時間が長くなるので、超音波駆動装置の消費電力が増大するという問題がある。
本発明の目的は、振動子の振動によって被回転体を駆動させる際に、被回転体を低電力で駆動させることができる圧電駆動装置、時計および電子機器を提供することである。
本発明の圧電駆動装置は、圧電素子を有する振動子と、この振動子により回転されるロータを有する圧電アクチュエータと、前記ロータの回転が伝達されるロータ伝達車と、前記ロータからロータ伝達車に伝達された回転エネルギを弾性エネルギとして蓄積可能な弾性装置と、この弾性装置に蓄積された弾性エネルギで回転される被回転体とを備え、前記弾性装置は、初期たわみを有し、前記ロータ伝達車および前記被回転体によって、前記初期たわみを維持する解放規制部が形成され、前記解放規制部は、前記弾性装置のたわみを増加させる方向のみに、前記ロータ伝達車を回転可能な遊びを有し、前記弾性装置の最大たわみ量が、前記解放規制部の遊び量によって設定されていることを特徴とする。
また、本発明の圧電駆動装置は、圧電素子を有する振動子と、この振動子により回転されるロータとを有する圧電アクチュエータと、前記ロータの回転エネルギを弾性エネルギとして蓄積可能な弾性装置と、この弾性装置に蓄積された弾性エネルギで回転される被回転体とを備え、前記弾性装置は、初期たわみを有し、前記ロータおよび前記被回転体によって、前記初期たわみを維持する解放規制部が形成され、前記解放規制部は、前記弾性装置のたわみを増加させる方向のみに、前記ロータを回転可能な遊びを有し、前記弾性装置の最大たわみ量が、前記解放規制部の遊び量によって設定されていることを特徴とする。
ここで、振動子は、少なくとも駆動信号が圧電素子に与えられることで振動し、その振動によってロータを回転させるように構成されていればよい。例えば、振動子は、圧電素子自体を振動させてロータを回転させるように構成してもよいし、板状の圧電素子と補強板とを積層させたものを振動させてロータを回転させるように構成してもよい。また、被回転体としては、ロータの回転が弾性装置を介して伝達され、さらに回転対象物に回転を伝達するものであればよく、例えば、ロータから指針等の回転対象物までの回転の伝達経路中に配置されるロータ伝え歯車、ガンギ車、従動車等でもよく、ロータと共通の回転軸を有して配置されるロータ伝え歯車、ロータ歯車等でもよい。
なお、前記回転エネルギは回転力などを含むものであり、弾性エネルギは弾性力などを含むものである。
ここで、本発明で使用する圧電アクチュエータの特性について、図1〜5のグラフに基づいて説明する。
図1のグラフでは、圧電アクチュエータおよび一般的な電磁モータが発生するトルク(負荷)と回転数、および、トルクと電力の関係をそれぞれ示す。図1のグラフ中の実線にて示すように、圧電アクチュエータが発生するトルクTと回転数Nとの間には、一般的な電磁モータと同様に、トルクTが小さいほど回転数Nが高くなり、トルクTが大きいほど回転数Nが小さくなるという関係がある。また、電磁モータでは、図1中の点線にて示すように、駆動に必要な電力WがトルクTとともに高くなることが一般的であるのに対し、圧電アクチュエータでは、図1中の一点鎖線にて示すように、駆動に必要な電力WはトルクTの影響をあまり受けずに略一定である。以上のような特性は、模式的に説明した場合を示すものであり、実際には変動を伴うものである。
また、図2のグラフでは、ある軸を中心として回転する一般的な剛体において、力のモーメントNが作用した場合の時間tと角速度Vとの関係を示す。ここで、剛体に働く力のモーメントNと、これによって生じる角加速度βと、剛体の慣性モーメントIとの関係は、一般的にN=I・βの関係が成り立つ。つまり、力のモーメントNが同じ場合、慣性モーメントIが大きいほど角加速度βが小さくなる。言い換えると、慣性モーメントIが大きい程、所定の角速度V0に達するまでの時間が長くなる。例えば、慣性モーメントIの異なる剛体A,Bがあって、それぞれの慣性モーメントIA,IBが、IA:IB=1:2の関係である場合には、剛体A,Bの角加速度βA,βBが、βA:βB=2:1の関係となる。図2のグラフ中の実線にて示すように、慣性モーメントIの小さい剛体Aの傾きが急となり(角速度Vの変化率が大きくなり)、所定の角速度V0に達するまでの時間tを比較すると、剛体Aでの所要時間tAに対して剛体Bでの所要時間tBは、2倍となる。このことは、所定距離(所定回転角)を移動するのに要する時間が、剛体Bでは剛体Aの2倍必要であることを示している。
本発明では、このような慣性モーメントIの影響を受ける剛体の特性を基本とした効果を狙ったものであり、以下にその効果を説明する。
本発明における圧電アクチュエータの基本性能は、図3に示すように、発生させるトルク(負荷トルク)T1を想定し、そのときの回転数N1と、消費電力W1とから導き出される。また、図4には、圧電アクチュエータが停止状態から起動する際の時間tと回転数Nとの関係を示す。圧電アクチュエータの圧電素子に駆動信号が供給される状態(信号ON)になってから回転数Nが増加し始め、所定の回転数N1に達した後、駆動信号の供給が停止する(信号OFF)。回転数N1に達するまでに必要な時間(加速期間)t1は、慣性モーメントIによって変化する。例えば、時計においてロータと指針との間に、ロータの回転数Nを減速するための減速輪列が配置されている場合、ロータの慣性モーメントに対して、減速輪列や指針の慣性モーメントが比較的大きくなり、ロータと減速輪列と指針とを合わせた慣性モーメントが、ロータのみの慣性モーメントの数十倍から百倍以上になる場合がある。ロータと減速輪列と指針とを合わせた慣性モーメントは、例えば、減速輪列や指針の構成および形態によって決まり、慣性モーメントが大きい程、ロータの加速期間t1が長くなり、それによって、振動子に駆動信号が供給される時間が長くなるので、圧電駆動装置の消費電力が増大する
これに対して、本発明によれば、圧電アクチュエータを停止状態から起動させる際、ロータから被回転体側に弾性装置が設けられているので、比較的慣性モーメントの大きい被回転体や指針等の回転対象物は、圧電アクチュエータにより直接回転されず、圧電アクチュエータで直接回転させる部分の慣性モーメントが被回転体や回転対象物の分だけ小さくなる。すなわち、ロータの回転と同時に弾性装置が弾性変形を開始し、ロータの回転エネルギが弾性装置の弾性エネルギとして蓄積される。そして、蓄積された弾性エネルギが所定の大きさに達し、所定のタイミングに至った時点で、被回転体および回転対象物が回転を開始する。従って、ロータが所定の回転数に達し、所定のタイミングに至るまで、被回転体および回転対象物の慣性モーメントの影響がロータに加わらないようにすることができる。このように、圧電アクチュエータに作用する慣性モーメントIを小さくすることができるので、図4に示すように、ロータの加速期間t1を短縮でき、起動の際に、ロータの回転数Nを短時間で所定の回転数N1に到達させることができる。従って、回転対象物を所定角度だけ回転させる場合に、圧電アクチュエータの駆動時間を短くすることができるので、駆動信号を供給する時間も短くなって、始動性が向上されるとともに、低電力で駆動することができる。
また、回転対象物を所定角度だけ回転させる場合に、ロータを所定角度だけ回転させれば、蓄積された弾性エネルギによって、ロータの回転時間よりも長い時間をかけて被回転体および回転対象物を回転させることができるので、ロータを所定角度だけ回転させた時点で圧電アクチュエータを停止させても、被回転体を所定角度まで回転させることができる。
なお、本発明においては、前述の通り、弾性装置を設けることで、ロータに対して弾性装置以降の被回転体や回転対象物の慣性モーメントの影響を排除し、始動性を向上できる。一方で、弾性装置の弾性エネルギは、静止したロータにも加わるため、弾性装置から加わる力がロータの始動性に対する新たな負荷として影響する。しかし、以下に説明するように、弾性装置の弾性エネルギによって加わる力はロータの回転始動性に対する影響は小さい。
すなわち、圧電アクチュエータにかかる負荷として、動的負荷と静的負荷がある。そこで、どちらの負荷が、上記「圧電アクチュエータの駆動時間と駆動信号供給時間を短くでき、始動性が向上し、さらに低消費電力で駆動することができる」という作用効果をもたらすのかという観点から検討する。
動的負荷は、外乱等の加速度が働く環境下において駆動対象の慣性モーメントに基づいて生じるものであり、静的負荷は、駆動対象の摩擦、空気抵抗、本発明のような弾性装置の反力等により生じるものである。
圧電アクチュエータにおいては、上記動的負荷の影響は、静的負荷の影響より大きい。とくに、圧電アクチュエータが短時間で勢いよく駆動対象を駆動する場合(例えば指針を1ステップ分、瞬時に駆動する場合)には、上記慣性モーメントの影響が大きく、上記弾性装置等による静的負荷の影響度は小さい。このことは、本発明者が行った実験でも確認済みである。
従って、本発明では、弾性装置によってそれより後段の慣性モーメントの影響が圧電アクチュエータに及ばないようにすることにより、本発明の弾性装置を用いない場合に比べて上記の作用効果を現出させることができる。
また、弾性装置の負荷による圧電アクチュエータの特性への影響について図5に基づいて説明する。図5では、圧電アクチュエータに加わるトルクTが増大した場合の、圧電アクチュエータにおける回転数Nの低下量を示す。圧電アクチュエータが弾性装置の負荷を受けた状態での負荷トルクT2は、負荷トルクT1を最低限上回る必要がある。上記負荷トルクT2は、弾性装置に蓄積された弾性エネルギで回転される被駆動体(例えば輪列や指針)を駆動できる必要トルクである。上記上回るトルクをα1とする。また負荷トルクT2のときの回転数をN2とし、回転数がN1からN2に変化した際の回転数Nの低下量をα2とする。このようにトルクの増加α1によって、回転数がα2だけ減少するため、圧電アクチュエータの基本特性が低下する。しかし、このようなトルクTおよび回転数Nの関係は、圧電アクチュエータが安定して駆動している状態での関係を示すものである。これに対して、本発明では、停止している圧電アクチュエータを起動させる際、特に素早く起動動作させる場合におけるエネルギー損失を低減させることで、起動から停止までの全体の駆動における低電力化を図ったものであり、回転数の低下量α2による基本特性の低下と、起動動作におけるエネルギー損失の低減との両者を比較して判断する必要がある。
そこで、時計の指針の駆動を例にして、弾性装置を使用した場合の負荷トルクT2について説明する。負荷トルクT2は負荷トルクT1より大きく、かつ、負荷トルクの増加量α1は極力小さくなることが望ましい。しかし、本発明では、所定間隔毎に駆動(ステップ駆動)する圧電アクチュエータにおいて、1ステップ分の駆動に対する弾性装置のたわみに応じた負荷の増加量が重要となる。この負荷の増加量がほとんどゼロであれば、圧電アクチュエータに加わる弾性装置による負荷は極わずかとなる。
例えば、ロータの1ステップ分の回転角を20度とし、弾性装置の初期たわみに対応する回転角を20度とした場合には、弾性装置のたわみが増加して40度分のたわみとなるので、弾性装置による負荷は初期状態の2倍となる。つまり、初期たわみを多くすることができれば負荷の増加量は小さくなる。弾性装置として「ひげぜんまい」のようなばねで初期たわみの巻数を3巻確保できると、ロータが20度回転しても、その値は、20度÷(360度×3巻)=0.018となり、負荷の増加量は2%以下となる。従って、弾性装置による負荷の増加量は、極わずかな量に抑えることができ、圧電アクチュエータの特性に与える影響をほとんどなくすことができる。
また、弾性装置を使用しない場合、必要となる圧電アクチュエータの性能は、回転対象物の形状、外部からの衝撃、温度環境の影響等を考慮して設定する必要がある。
図5に示すように、圧電アクチュエータにとって、負荷トルクT2は通常駆動の場合に負荷を駆動するために設定されているものであるのに対し、最大トルクT3は、突発的に発生する負荷に対する余裕分として設定される。例えば、アンバランスな形状の回転対象物(時計の指針のような片持ちで支持される部材等)が駆動経路に含まれている場合に、その回転対象物の姿勢の向きによって、圧電アクチュエータに与える慣性モーメントの影響が一時的に大きくなることがある。また、圧電駆動装置を腕等に装着させて使用する場合、腕の動きや軽衝撃による加速度Gが回転対象物に作用することがあり、特に、回転対象物がアンバランスな形状の場合には、静的な状態での負荷の何倍かの加速度Gが発生し、例えば拍手をした場合には、数十倍から百倍の加速度Gが発生することがある。従来のように圧電アクチュエータが直接被回転体を回転させる場合には、前述のような一時的に大きくなる慣性モーメントや突発的な負荷下で回転対象物を回転させるために、これらの負荷に打ち勝つだけのトルクを発生できるように、圧電アクチュエータの最大発生トルクT3を設定する必要がある。
これに対して、本発明のように弾性装置を使用する場合には、弾性装置が弾性変形することにより、一時的に大きくなる慣性モーメントや突発的な加速度Gによる圧電アクチュエータへの影響を小さくすることができる。すなわち、突発的な加速度Gが被回転体の回転を遮る方向に加わることで、被回転体の回転が一時的に停止したとしても、その間にロータは回転を続けることが可能で、ロータの回転エネルギが弾性装置の弾性エネルギとして蓄積される。そして、突発的な加速度Gが無くなってから、蓄積された弾性エネルギにより、被回転体を回転させることができる。また、拍手等のように突発的な加速度Gが間欠的に発生する場合には、突発的な加速度Gが発生しない合間に、蓄積された弾性エネルギによって被回転体を回転させることもできる。
このように、弾性装置を備えることにより、圧電アクチュエータを静的な負荷T1に対応した特性に設定(T2に設定)することができ、従来のように、突発的な加速度Gに対応できる特性に設定しなくてもよく、圧電アクチュエータへの供給電力を小さくでき、消費電力W1を低減させることができる。
また、軸受部に用いる潤滑油の粘性の影響を考えると、低温になる程、潤滑油の粘性が増加し、粘性は、被回転体の速度に比例して増加するので、その分、圧電アクチュエータの性能を上げる必要がある。これに対して、弾性装置を使用する場合には、弾性エネルギによって被回転体を徐徐に回転させれば、被回転体の潤滑油の粘性の影響を小さくできる。
さらに、本発明の圧電駆動装置では、前記弾性装置は、初期たわみを有し、前記ロータ伝達車および前記被回転体、または、前記ロータおよび前記被回転体によって、前記初期たわみを維持する解放規制部が形成されている。
本発明によれば、解放規制部を備えるので、弾性装置は初期状態で弾性変形している状態(初期たわみを有した状態)に維持される。ロータおよび被回転体の挙動について説明すると、起動時には、ロータが先行して回転を始め、被回転体は、慣性モーメントの影響によって遅れて回転を始める。このような構成において、解放規制部を備えていれば、被回転体に前記初期たわみによる力が常時作用する。このため、外部の衝撃による被回転体の揺れ動きを抑制することができ、被回転体に連結された時計の指針等の指示位置が移動しないようにすることができる。なお、弾性装置の初期たわみによる力の大きさは、被回転体を回転し得る大きさ以上であることが好適である。
具体例として、被回転体に固定した係合部としてのピンと、被係合部として、ロータに形成されピンの相対移動方向に長い長孔とから解放規制部を構成した場合、被回転体は弾性装置の弾性エネルギによってピンが長孔の内側壁に当接するまで回転し、その状態が維持される。これによって、確実に、被回転体の揺れ動きを抑制することができる。例えば、弾性装置を備えず、ロータと被回転体とが歯車で形成され、互いに噛み合っている場合、歯車の歯同士の隙間分、被回転体のがたつきが生じる。このため、被回転体に時計の指針等を取り付けた場合に、指針の表示位置が不正確となってしまうという問題が生じる。
これに対して、ロータと被回転体とが弾性装置を介して連結され、解放規制部によって弾性装置の初期弾性変形(初期たわみ)が維持されていれば、ロータと被回転体のがたつきがなくなり、時計の指針等を正確に表示することができる。
また、ロータと被回転体とが歯車で噛み合っている場合と比べて、弾性装置を介在させていれば、歯車の歯の間隔寸法の加工精度のばらつきで歯車の噛み合い部分の隙間が不均一になることがなくなり、ロータと被回転体とが部品の加工精度のばらつきの影響を受けずに済む。
また、弾性装置を備えていても、初期弾性変形がない場合、圧電アクチュエータの停止時にロータの回転が規制されていても、被回転体には弾性装置の弾性エネルギが加わっていないので、被回転体は外部の衝撃等で比較的揺動し易くなる。これに対して、初期弾性変形が維持されていれば、初期弾性変形による力が被回転体に加わって、外部の衝撃等で被回転体の揺動を防止することができる。また、仮に外部の衝撃の大きさが、弾性装置を弾性変形させる程度、大きな衝撃であっても、弾性装置が初期状態に戻ることによって、元の初期弾性変形による力が被回転体に作用する状態に戻れば問題ない。
さらに、本発明の圧電駆動装置では、前記解放規制部は、前記弾性装置のたわみを増加させる方向のみに、前記ロータ伝達車または前記ロータを回転可能な遊びを有し、前記弾性装置の最大たわみ量が、前記解放規制部の遊び量によって設定されている。
弾性装置のたわみ量が規制されていないと、弾性装置に蓄積される弾性エネルギが大きくなり過ぎた場合に、弾性エネルギによって回転される被回転体が所定の回転角度をオーバーランして回転する可能性がある。一方、本発明によれば、弾性装置の最大たわみ量が、解放規制手段の遊び量によって設定されているので、必要以上に弾性エネルギが蓄積されることを防ぎ、被回転体のオーバーランを抑止することができる。
また、遊び量をロータの所定の回転量に対応した量に設定すれば、少なくともロータが所定量だけ回転した時点で、被回転体の慣性モーメントの大きさに関わらず、被回転体の回転が開始されるので、被回転体の機動性が向上される。
本発明の圧電駆動装置では、前記被回転体の回転角度を所定角度に規制する回転規制装置を備えていることが好ましい。
ここで、圧電アクチュエータを用いて時計等の指針を駆動させる際には、指針を一定間隔で動かすことが非常に重要であるので、圧電アクチュエータを用いた圧電駆動装置が、一定角度のステップ運動を実現できない場合には、指針の位置がずれて、大きな問題となる。
本発明によれば、ロータの駆動によって被回転体が回転されるとともに、回転規制装置によって被回転体が一定角度毎に回転を規制されるので、圧電アクチュエータの駆動量に対して被回転体の回転量が一義的に決まらなくても、被回転体が一定角度回転すれば、回転規制装置が被回転体の回転角度を一定角度に規制するので、被回転体の回転量は一定となる。これによって、圧電アクチュエータによって回転される被回転体のオーバーランを防止できるので、ロータの回転角度を厳密に制御する必要がなく、被回転体の回転角度の精度を向上させることができ、被回転体で回転される指針等の表示手段の表示精度を向上させることができる。
なお、回転規制装置は、被回転体の回転角度を一定角度毎に規制するものに限らず、からくり時計のように、規制する回転角度が変化するように構成された回転規制装置であってもよい。すなわち、回転規制装置は、被回転体の回転角度を設定された所定角度に規制するものであればよい。
本発明の圧電駆動装置では、前記ロータの回転エネルギが前記弾性装置を介さずに前記回転規制装置に伝達される第1の伝達経路と、前記ロータの回転エネルギが前記弾性装置に伝達される第2の伝達経路とを備えることが好ましい。
本発明によれば、圧電駆動装置は、ロータの回転エネルギが回転規制装置に伝達される第1の伝達経路と、ロータの回転エネルギが弾性装置に伝達される第2の伝達経路とを備え、被回転体の駆動源と、回転規制装置の駆動源を共通化することができるので、部品点数の低減および装置の小型化を図ることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記回転規制装置は、前記被回転体と係合されていることが好ましい。
本発明によれば、回転規制装置は、少なくとも被回転体の回転を規制可能に係わり合っていればよく、例えば、被回転体の回転角度を回転規制装置により直接規制するように回転規制装置および被回転体を配置してもよく、被回転体から駆動が伝達される別の回転体の回転角度を回転規制装置により規制するように回転規制装置および被回転体を配置してもよい。または、被回転体と同軸で構成された回転体の回転角度を回転規制装置により規制してもよい。従って、回転規制装置および被回転体の配置の自由度を高めることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記被回転体はガンギ車であり、前記回転規制装置はアンクルであることが好ましい。
本発明によれば、ガンギ車とアンクルとから脱進機を構成することができ、ガンギ車を圧電アクチュエータで駆動させた場合に、正確な駆動量でガンギ車を回転させることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記アンクルと係合し前記圧電アクチュエータにより駆動されるカム部材を備え、このカム部材が1回転した場合に、前記アンクルが1往復動作するように構成されていることが好ましい。
本発明によれば、圧電アクチュエータにより駆動されるカム部材によってアンクルの往復動作が実施されているので、カム部材を少なくとも1方向に1回転させれば、アンクルを1往復させることができる。従って、駆動源としてのアクチュエータを両方向回転とする必要がなく、一方向回転とすることができる。例えば、矩形板状振動子の圧電アクチュエータの場合、一方向回転式はロータとの接触位置を自由に選択できるので駆動力の伝達効率が向上され、低電力化や高トルク化を促進できる。
なお、両方向回転の場合は、矩形板状の圧電素子の短辺の略中央部に突起部があり、その突起部はロータ中心に向かって配置される。これに対して片回転ならば突起部をロータ中心に向かう方向からずらすことができるので、圧電素子の動きに対してロータへ大きなトルクを発生させることができる。つまり、いずれか一方向のみに駆動力を高効率で伝達させることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記被回転体と前記回転規制装置とをゼネバ機構で構成したことが好ましい。
本発明によれば、被回転体を間欠運転させる際に、ロータの回転角度のばらつきの影響を受けずに済むことができて、指針等を正確な1ステップ分の回転角度で駆動させることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記弾性装置は、渦巻ばねであることが好ましい。
ここで、渦巻ばねとして、時計等に使用されるひげぜんまいや、動力ぜんまいを使用できる。
本発明によれば、弾性装置として渦巻ばねを用いているので、大きな変位量を確保するために、渦巻ばねの巻き数を増加させても、U字ばねや片持ちばねを使用する場合と比べて、設置空間をそれほど広げることなく、渦巻ばねを配置できる。さらに、大きな変位量を確保すれば、弾性装置の変位量に関わらず略一定の弾性エネルギを生じさせることができる。従って、外部の衝撃の大小に関わらず、被回転体が弾性装置から略一定の弾性エネルギを受けるので、被回転体の動作を安定させることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記ロータの回転が伝達されるロータ伝達車を備え、このロータ伝達車および前記被回転体は、同じ回転軸上に配置され、前記弾性装置は、一端が前記ロータ伝達車に係合され、他端が前記被回転体に係合されていることが好ましい。
ここで、弾性装置としては、渦巻ばね、U字ばね、片持ちばね、コイルばねといったばね部材を例示できる。また、弾性装置としてはゴム製の部材でもよい。また、弾性装置は、少なくとも、ロータの駆動力によって弾性変形可能に取り付けられていればよい。
本発明によれば、同軸上に配置されたロータ伝達車および被回転体の間に、弾性装置を配置させることができるので、弾性装置をコンパクトに配置できる。
また、ロータと同軸に配置された歯車(ロータかな)と被回転体との間に弾性装置を配置した場合、ロータ、ロータかな、弾性装置、被回転体が軸方向に重なるため、厚さ寸法も大きくなる。これに対し、本発明では、ロータ伝達車は、ロータとは別の軸に配置できるため、ロータ伝達車、弾性装置、被回転体のみが積層され、ロータが積層されない分、薄型化できる。
本発明の圧電駆動装置では、前記ロータおよび前記被回転体は、同じ回転軸上に配置され、前記弾性装置は、一端が前記ロータに係合され、他端が前記被回転体に係合されていることが好ましい。
本発明によれば、ロータの回転軸と被回転体の回転軸とが同一の軸上に形成されているので、ロータと弾性装置との間に、ロータの駆動力を弾性装置に伝達する別の回転体を配置させて、その別の回転体を介して、被回転体に駆動力が伝達される場合と比べて、ロータに加わる負荷を別の回転体の慣性モーメント分だけ低減させることができる。従って、低減された慣性モーメントの分だけロータを高速で回転させることができ、ロータを所定量駆動させる場合の電力投入時間を短縮することができ、低電力化を推進できる。
本発明の圧電駆動装置では、前記圧電アクチュエータは、ステップ駆動するように構成され、前記解放規制部の遊びは、少なくとも前記圧電アクチュエータの1ステップ分の駆動に対応する前記ロータ伝達車または前記ロータの回転量であることが好ましい。
圧電アクチュエータでロータを駆動する場合、被回転体に直接回転対象物が取り付けられるなど、被回転体以降の回転系の慣性モーメントが比較的小さい場合には、ロータの回転に連動して被回転体も回転を開始するので大きな問題は生じない。しかし、被回転体以降の回転対象物が大きい場合や、被回転体以降の伝達経路が複数の被回転体で構成されている場合のように、被回転体以降の回転系の慣性モーメントが比較的大きい場合には、ロータの回転に対してすぐに被回転体が連動せず問題になる場合がある。
これに対して、本発明の構成によれば、圧電アクチュエータをステップ駆動、すなわち一定の間隔で駆動させた場合に、解放規制部の遊び部分の範囲が、少なくともロータの1周期分の回転量に対応する範囲となるように設定されているので、被回転体以降の慣性モーメントが比較的大きい場合であっても、ロータと被回転体とが干渉してロータに加わる負荷が増大することを避けることができる。
すなわち、遊び部分の範囲が、1周期分の回転量に対応する範囲よりも小さく設定されていると、ロータを回転させて、被回転体がロータの回転に追従するまでに時間が掛かる。このため、ロータが1周期分の回転量に達しても、まだ、被回転体が回転を始めない場合には、ロータの1周期分の回転量に達する前に、弾性装置を弾性変形させることができなくなって、ロータに被回転体の慣性力が加わってしまう。一方、本発明のように、少なくとも圧電アクチュエータの1周期分の回転量に対応する遊び部分を設定することで、ロータに加わる負荷の増加を防止することができる。
なお、圧電アクチュエータの1周期とは、間欠駆動される圧電アクチュエータにおいて、駆動開始時から一旦駆動停止して次の駆動が開始されるまでを意味する。すなわち、圧電アクチュエータの1ステップ分の駆動は、圧電アクチュエータの1周期分の駆動になる。また、ロータの1周期分の回転量とは、ロータを回転駆動する圧電アクチュエータが1ステップ分つまり1周期分駆動した際に、ロータが回転する量を意味する。
本発明の圧電駆動装置では、前記被回転体によって、第1及び第2の方向に交互に揺動される揺動手段と、この揺動手段が前記第1及び第2の方向に揺動する毎に、当該揺動手段によって一定方向に回転される第2の被回転体とを備え、前記揺動手段は、前記第2の被回転体の回転角度を一定角度毎に規制する回転規制部を備えていることが好ましい。
ここで、揺動手段および第2の被回転体によって構成される機構は、いわゆる逆脱進機である。この逆脱進機は、圧電アクチュエータへの負荷が大きいという課題がある。すなわち、逆脱進機は、機械式時計の脱進機とは異なり、アンクルからガンギ車に駆動力を伝達しているため、歯車等の伝達と比べて駆動力の伝達効率が著しく低下してしまう。機構上の理由でアンクルの爪がガンギ車の歯に当接する際の力の方向と、ガンギ車の回転方向との交差角が大きいからである。このため、圧電アクチュエータへの負荷が大きくなり駆動速度が下がってしまい、所望のステップで送るのに時間が長くかかってしまう。
これに対して、本発明によれば、弾性装置を設けることで、圧電アクチュエータへの負荷が小さくなりロータの回転数を上げることができ、所望のステップで送るのに時間を短縮することができ、低電力化を図ることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記振動子は、板状に形成されるとともに、前記ロータの外周面に接触する当接部を有して構成され、前記振動子および前記ロータのいずれか一方を、前記振動子および前記ロータのいずれか他方に対して押圧する押圧手段を備えていることが好ましい。
ここで、振動子は少なくとも板状に形成されていればよく、例えば、菱形、台形、平行四辺形等に形成されてもよい。また、当接部は、少なくとも、ロータの外周面に接触するように設けられていればよく、例えば、板状振動子の端部から突出した形状とされてもよく、または、板状振動子の隅部で形成されてもよい。また、押圧手段によって、ロータが振動子に向かって押されてもよく、振動子がロータに向かって押されてもよい。押圧手段の押圧方向は、ロータの回転軸に対して略直交する方向であり、押圧方向と、振動子の振動方向とが同一平面上となることが好適である。
本発明によれば、振動子が板状に形成されているので、圧電駆動装置の薄型化を促進できる。また、押圧手段を備えているので、当接部とロータの外周面との摩擦力を増大でき、振動子の振動によってロータを回転させる際の駆動力を確実に伝達できる。
本発明の電子機器は、前述の圧電駆動装置と、この圧電駆動装置により駆動される被駆動部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、圧電駆動装置を駆動源とする各種電子機器を構成できる。この際、圧電駆動装置による被駆動部の駆動が磁界に影響されることを防止でき、かつ、駆動時の消費電力も低減できる。
本発明の電子機器において、前記被駆動部は、計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部であることが好ましい。
本発明によれば、圧電駆動装置によって時計の指針などの計時情報表示部を駆動できるため、指針等の駆動が磁界に影響されることを防止でき、かつ、計時情報表示部の指針等を低電力で駆動させることができる。
本発明によれば、圧電素子の振動によって被回転体を駆動させる際に、被回転体を低電力で駆動させることができるという効果がある。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、後述する第2実施形態以降において、以下に説明する第1実施形態での構成部材と同じ構成部材および同様な機能を有する構成部材には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
[全体構成]
図6および図7は、本実施形態に係る時計1における指針2の駆動機構を示す斜視図および平面図である。時計1は、図示しない外装ケースの内部に計時部と、この計時部で計時された計時情報を指針2によって表示する計時情報表示部と、指針2の駆動機構(複数個の指針を駆動する機構等を含み、図8の運針機構を含む)とが搭載されたものであり、指針2の駆動機構の動作に圧電駆動装置10が利用されたものである。すなわち、圧電駆動装置10によって、駆動対象物としての指針2が取り付けられた指針車3が回転可能に構成されている。
圧電駆動装置10は、図6,7に示すように、圧電素子の振動を利用してロータリングを回転させる圧電アクチュエータ4と、この圧電アクチュエータ4の回転駆動を指針車3に減速しつつ伝達するロータ伝え車5(ロータ伝達車)とを備えている。
[圧電アクチュエータの構成]
次に、圧電アクチュエータ4の構成について説明する。圧電アクチュエータ4は、振動子20およびロータリング30を含んで構成されている。
振動子20は、略矩形板状の薄板補強板21と、この薄板補強板21の両面に接着された略矩形板状の圧電素子22とを含んで構成され、全体薄板状の積層構造を有している。
薄板補強板21の長手方向略中央には、片側に突出する腕部211が形成されており、この腕部211がビス等によって図示しない地板等に固定されている。薄板補強板21の対角線上両端には、薄板補強板21の長手方向に沿って突出する略半円形の当接部212がそれぞれ形成されている。これらの当接部212のうちの一方は、ロータリング30の側面に当接されている。
なお、薄板補強板21やロータリング30は、例えばステンレス(SUS)などで構成される。特に、ステンレス、硬化処理されたベリリウム銅などの非磁性材料で薄板補強板21やロータリング30を構成すれば、圧電アクチュエータ4の耐磁性が向上し、磁界の影響を受けずに駆動できる。
圧電素子22は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等から選択した任意の材料で形成されている。圧電素子22の両面には、図示しないめっき層によって駆動電極221が形成されている。
このような振動子20の駆動電極221に、所定周波数の電圧を印加すると、圧電素子22が長手方向に沿って伸縮する縦一次振動モードの振動を励振する。このとき、振動子20の対角線上両端には当接部212が設けられているので、振動子20は全体として長手方向中心線に対して重量がアンバランスとなる。このアンバランスにより、振動子20は長手方向に略直交する方向に屈曲する屈曲二次振動モードの振動を励振する。したがって、振動子20は、これらの縦一次振動モードおよび屈曲二次振動モードを組み合わせた振動を励振し、当接部212は、略楕円軌道を描いて振動する。
ロータリング30は、振動子20によって回転駆動される。ロータリング30のロータ回転軸31には、回転駆動を第1ロータ伝え歯車40に伝達するロータかな32が固定されている。ロータ回転軸31は、支持アーム35の一端に回転自在に支持されている。支持アーム35は、アーム回転軸351回りに地板等に対して回転自在に支持されている。支持アーム35の他端は、押圧手段としての押圧ばね36によって付勢されている。
押圧ばね36は、ロータリング30と振動子20の当接部212とが互いに当接する方向に押圧するように構成されている。
具体的には、押圧ばね36は、ねじりコイルばねから構成され、押圧ばね36の一端は、支持部材361によって地板等に対して固定されている。押圧ばね36の他端は、支持アーム35の端部を付勢し、ロータリング30が振動子20側に付勢され、当接部212に対して押圧方向Fに押圧されている。押圧方向Fは、ロータリング30の回転軸に対して略直交する方向であり、押圧方向Fと、振動子20の振動方向とが同一平面上となっている。これにより、当接部212とロータリング30側面との間に適切な摩擦力が発生し、振動子20の駆動力の伝達効率が良好となる。
このような圧電アクチュエータ4では、振動子20の当接部212が略楕円軌道を描いて振動すると、その振動軌道の一部でロータリング30を押圧することによりロータリング30およびロータかな32を反時計回り(矢印Aの方向)のみに回転駆動する。従って、本実施形態では、ロータリング30とロータかな32により本発明のロータが構成されている。
[ロータ伝え車の構成]
次に、ロータ伝え車5の構成について説明する。ロータ伝え車5は、ロータかな32と噛合する第1ロータ伝え歯車40と、第1ロータ伝え歯車40に一端が係止された渦巻ばね50と、渦巻ばね50の他端と接続された第2ロータ伝え歯車60と、伝え車回転軸70とを備えて構成されている。
第1ロータ伝え歯車40は、ロータかな32よりも大径の円板状に形成され、伝え車回転軸70により回転自在に支持されている。第1ロータ伝え歯車40には、回転軸方向に貫通するばね用係止穴41および位置決め穴42が形成されている。なお、図示はしないが、第1ロータ伝え歯車40の回転量を検出する光学式の検出手段が設けられ、この非接触による検出手段によって、圧電アクチュエータ4により第1ロータ伝え歯車40が所定の回転量だけ駆動される毎に圧電アクチュエータ4を停止させ、所定時間後、圧電アクチュエータ4を起動させるようになっている。このように起動と停止を繰り返すことで、圧電アクチュエータ4を周期的に駆動させている。
圧電アクチュエータ4が停止すると、押圧ばね36により圧電アクチュエータ4の当接部212がロータリング30に弾圧されて摩擦係合しているので、ロータリング30がその位置にて位置決めされることになる。よってロータリング30が回転方向に移動することがない。したがって、位置決めされたロータリング30により、第1ロータ伝え歯車40も回転方向において位置決めされることになる。なお、第2ロータ伝え歯車60および指針車3は、後述するように解放規制部である位置決め穴42と位置決めピン61によって回転方向の位置が定まるので、指針2の位置も所定位置に位置決めされることになる。
位置決め穴42は、第1ロータ伝え歯車40の外周に沿って形成された長孔である。位置決め穴42の開口部における第1ロータ伝え歯車40の外周に沿った方向の寸法は、第2ロータ伝え歯車60を停止させた状態で、第1ロータ伝え歯車40が圧電アクチュエータの1周期分の駆動量だけ正転方向(図7における時計回り方向)に回転可能な長さ寸法(遊び部分の寸法)に設定されている。
第2ロータ伝え歯車60は、伝え車回転軸70に固定され、第1ロータ伝え歯車40と同じ回転軸を有し、指針車3と噛合している。第2ロータ伝え歯車60には、第1ロータ伝え歯車40側に突出して位置決め穴42に挿通される円筒の位置決めピン61が固定されている。
渦巻ばね50は、断面円形状のばね素線を図7における平面上で時計回りの渦巻状に巻いて形成されている。渦巻ばね50の外周側の端部は、ばね用係止穴41に係止され、中心軸側の端部は、伝え車回転軸70に巻かれることにより固定されている。
渦巻ばね50は、第1ロータ伝え歯車40が第2ロータ伝え歯車60よりも時計回りに先行して回転することにより、巻き数が増える方向に弾性変形して、第1ロータ伝え歯車40に伝達された駆動力を弾性エネルギとして蓄積することができる。
次に、渦巻ばね50において初期段階での弾性変形が維持されている状況を説明する。
上記渦巻ばね50に初期弾性変形(約3巻き分)を持たせた状態で、渦巻ばね50の中心側の端部を伝え車回転軸70に固定し、渦巻ばね50の外端部を前記ばね用係止穴41に係止しておく。
第1ロータ伝え歯車40および第2ロータ伝え歯車60を、上記初期弾性変形が維持されたまま図6のように組み立てると、前記渦巻ばね50の弾性エネルギによって、第2ロータ伝え歯車60は第1ロータ伝え歯車40に対して正転方向(図7において時計回り)に回転する力が加わる。但し、位置決めピン61が位置決め穴42に配置されているため、第2ロータ伝え歯車60は、第1ロータ伝え歯車40に対し、位置決めピン61が位置決め穴42の正転方向側の内側面に当接した位置、つまり図7に示す状態に維持される。
また、第1ロータ伝え歯車40は、ロータかな32に噛み合っている。ロータかな32と一体のロータリング30は、前述したように圧電アクチュエータ4の当接部212が弾圧することで位置決めされている。従って、圧電アクチュエータ4が停止している状態では、ロータリング30は、圧電アクチュエータ4の当接部212が当接することで停止状態に維持され、ロータかな32に噛み合う第1ロータ伝え歯車40も停止状態に維持される。さらに、第2ロータ伝え歯車60は、第1ロータ伝え歯車40に対して、位置決めピン61が位置決め穴42に当接した位置に位置決めされる。このようにして渦巻ばね50の弾性変形(初期弾性変形)が維持されている。
従って、本実施形態では、渦巻ばね50により弾性装置が構成され、第2ロータ伝え歯車60により被回転体が構成され、位置決めピン61および位置決め穴42により解放規制部が構成されている。
なお、解放規制部である上記位置決め穴42と位置決めピン61は、上述したように渦巻ばね50の初期段階での弾性変形(初期たわみ)を維持するものであるが、更に圧電アクチュエータ4が1ステップ分(1周期分)駆動した際に、第2ロータ伝え歯車60および指針車3を所定位置に保持する役割をも有している。
すなわち、圧電アクチュエータ4が1ステップ分駆動すると、第1ロータ伝え歯車40は、図7において時計回り方向に1周期分(1ステップ分)回転され、同時に渦巻ばね50も巻き上げられる。すると渦巻ばね50の解放力により第2ロータ伝え歯車60も時計回り方向に回転駆動するが、位置決めピン61が位置決め穴42の時計回り方向側の内側面(図6、図7で位置決めピン61が接触している内側面)に当接し弾圧するので、第2ロータ伝え歯車60が回転方向において位置決めされることになる。
なお、圧電アクチュエータ4の振動子20は、腕部211により時計1の基枠である地板に固定されており、ロータ回転軸31、伝え車回転軸70、指針車3の回転軸は、一端が地板の軸受穴に軸受けされ、他端は、地板上に対向して配置された輪列受に軸受けされて、保持されている。なお、指針車3の回転軸や他の指針車の各回転軸は、一端が地板に軸受けされるが、他端は、輪列以外の受部材に軸受けされるようにしてもよい。
[時計の回路構成]
次に、時計1の回路構成について、図8に基づいて説明する。
時計1の駆動回路は、一次電池または二次電池等からなる電源101によって駆動される発振回路102、分周回路103、制御回路104を備えている。
発振回路102は、水晶振動子等の基準発振源を有し、発振信号を分周回路103に出力する。
分周回路103は、発振回路102から出力された発振信号が入力され、この発振信号に基づいて時計基準信号(例えば1Hzの信号)を出力する。
制御回路104は、分周回路103から出力された基準信号に基づいて時刻をカウントするとともに、時計仕様にあった時計駆動信号の出力を時計駆動回路106に指示する。
例えば、時計1が時針、分針、秒針を備える場合のように1秒ごとにステップ運針を行う場合には、制御回路104は、時計駆動信号を1秒に1回出力するように時計駆動回路106に指示する。
一方、時計1が時針および分針の2針時計であり、分針を20秒間隔で2度ずつ送る場合には、制御回路104は、時計駆動信号を20秒に1回出力するように時計駆動回路106に指示する。
また、制御回路104は、検出回路(検出手段)107と接続され、検出回路107から出力される検出信号をトリガーとして、時計駆動回路106の動作を制御する。
検出回路107は、ロータ(ロータリング30およびロータかな32)の移動量(回転角度)が所定量に到達したかを検出し、検出信号を制御回路104に出力するものである。従って、検出回路107は、LED等による光学的な検出、ばね等によるメカ接点、磁気センサによるものなど、ロータの回転量(回転角度)を検出可能な各種センサが利用できる。
さらに、検出回路107は、ロータの移動量を直接検出するものに限らず、ロータに対してダイレクトに動く第1ロータ伝え歯車40の移動量(回転角度)を検出することでロータリング30の移動量を間接的に検出するものでもよい。すなわち、ロータから渦巻ばね50の手前に設けられ、ロータと共に回転する部材の移動量を検出してもよい。
なお、本実施形態では、前述のとおり、第1ロータ伝え歯車40の回転量を検出する光学式の検出回路(検出手段)107が設けられている。
そして、前記制御回路104は、検出回路107から検出信号が出力されると、つまりロータが所定量移動したことを検出すると、時計駆動回路106に対して駆動信号の出力を停止させる制御つまり圧電駆動装置10を停止させる制御を行う。
例えば、秒針を1秒間隔でステップ運針する場合、制御回路104は時計駆動回路106に対して1秒毎に駆動信号を出力するように指示する。この場合、検出回路107は、秒針が1秒分つまり6度回転するのに対応する所定角度だけロータが回転することを検出するように設定され、検出回路107でロータが前記所定角度回転したことを検出すると、制御回路104は時計駆動回路106に対して駆動信号の出力を停止させる。このため、圧電駆動装置10は1秒間隔で秒針を1秒分移動させる量だけ駆動する。
また、二針時計のように、20秒間隔で分針を2度ずつ送る場合は、制御回路104は時計駆動回路106に対して20秒毎に駆動信号を出力するように指示する。この場合、検出回路107は、分針が20秒分つまり2度回転するのに対応する所定角度だけロータが回転することを検出するように設定され、検出回路107でロータが前記所定角度回転したことを検出すると、制御回路104は時計駆動回路106に対して駆動信号の出力を停止させる。
また、制御回路104には、リューズやボタンなどの時刻修正機構108の操作を検出する操作検出部109が接続されている。操作検出部109は、時刻修正機構108の所定の操作を検出すると、その操作を検出して所定の信号を制御回路104に送る。制御回路104は、操作検出部109からの信号に基づいて、時計駆動回路106に対し、駆動信号の出力つまり圧電駆動装置10の駆動開始や、駆動信号の出力停止つまり圧電駆動装置10の駆動停止を指示する。
例えば、時刻修正のために、リューズを引き出した際には、指針の運針を停止する必要がある。このため、操作検出部109がリューズの引き出し操作の検出信号を出力すると、制御回路104は、圧電駆動装置10の駆動を停止する制御信号を時計駆動回路106に出力する。一方、操作検出部109がリューズの押し込み操作の検出信号を出力すると、制御回路104は、圧電駆動装置10の駆動を開始する制御信号を時計駆動回路106に出力する。
時計駆動回路106は、制御回路104からの制御信号を受けて、圧電駆動装置10の駆動信号を出力する。具体的には、時計駆動回路106は、交流信号(パルス信号)によって圧電駆動装置10の圧電素子22に所定周波数の駆動電圧を印加させて駆動する。
なお、圧電駆動装置10の駆動周波数の制御方法は特に限定せず、例えば、特許文献(特開2006−20445号公報)に開示されているように、圧電素子22へ供給される駆動信号の周波数を、駆動可能な周波数範囲を含む広い範囲でスイープ(変化)させ、確実に圧電駆動装置10を駆動させる方法でも良いし、特許文献(特開2006−33912号公報)に開示されているように、圧電素子22に供給される駆動信号の周波数と圧電素子22の振動状態から得られる検出信号との位相差を駆動に適した所定の目標位相差となるように駆動信号の周波数を変更させる方法でも良いし、あらかじめ温度毎に設定された固定周波数で駆動させる方法でも良い。
また、圧電駆動装置10の圧電素子22に電圧印加の対象となっていない検出電極を設け、この検出電極から出力される検出信号を制御回路104にフィードバックして前記駆動信号の周波数を制御してもよい。この検出信号によって、制御回路104は、圧電駆動装置10の駆動状態を確認して、駆動信号の周波数をフィードバック制御できる。
運針機構110は、圧電駆動装置10(圧電アクチュエータ4およびロータ伝え車5)で駆動される輪列などで構成され、本実施形態では、指針車3を備えている。
この運針機構110は、圧電駆動装置10から得られる移動量を時刻表示に適した移動量に変換して計時情報表示部である時刻表示部(指針)2に伝達する。本実施形態では、運針機構110は減速輪列であるため、所定の減速比で圧電駆動装置10の移動量(ロータの回転量)を時刻表示の移動量に変化する。例えば、指針2が秒針であって1秒に6度回転し、運針機構110の減速比が1/2であれば、検出回路107は、第2ロータ伝え歯車60つまり第1ロータ伝え歯車40が12度回転する度に検出信号を出力するように設定される。
[圧電駆動装置の起動時の動作]
次に、圧電駆動装置10の起動時の動作について説明する。
まず、圧電アクチュエータ4の停止の状態で、振動子20に駆動電圧が印加されると、ロータリング30からロータかな32を介して第1ロータ伝え歯車40に回転エネルギが伝達され、これらの回転体(ロータリング30、ロータかな32、第1ロータ伝え歯車40)が回転を始めるとともに、渦巻ばね50が弾性変形を始め、伝達された回転エネルギが渦巻ばね50の弾性エネルギとして蓄積される。そして、渦巻ばね50の弾性エネルギによって、第2ロータ伝え歯車60に加わる回転エネルギが、所定の大きさに達した時点で、第2ロータ伝え歯車60、指針車3および指針2が回転し始める。この所定の大きさの回転エネルギとは、各回転体(第2ロータ伝え歯車60、指針車3および指針2)の慣性モーメントと、これらの各回転体の軸受負荷とを合計した負荷に等しい大きさの回転エネルギである。
従って、圧電アクチュエータ4が1周期分駆動すると、前述したように第1ロータ伝え歯車40も図7における時計回り方向に1周期分回転し、同時に渦巻ばね50も巻き上げられる。すると渦巻ばね50の解放力により第2ロータ伝え歯車60も時計回り方向に回転駆動するが、位置決めピン61が位置決め穴42の時計回り方向側の内側面(図6、図7で位置決めピン61が接触している内側面)に当接し弾圧するので、第2ロータ伝え歯車60と指針2も回転方向において位置決めされることになる。
このようにして、圧電駆動装置10が起動して指針2が回転される。
[本実施形態による効果]
本実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)渦巻ばね50を備え、圧電アクチュエータ4の起動の際、圧電アクチュエータ4の駆動力が渦巻ばね50の弾性エネルギとして蓄積されてから、第2ロータ伝え歯車60が回転を開始するので、圧電アクチュエータ4が駆動する際には、第2ロータ伝え歯車60、指針車3および指針2の各慣性モーメントが圧電アクチュエータ4に作用せず、圧電アクチュエータ4に加わる起動時の負荷が軽減され、消費される起動電力を低減させることができる。
特に、アナログ時計では、棒状の指針2は大きな慣性モーメントを持ち、かつ、指針形状は時計のデザイン(モデル)で変化する。このため、時計のモデル毎に指針2による慣性モーメントも異なり、従来の方法では消費電力も変化する。このことは、電池で駆動される時計の場合、モデルによって電池寿命も変化してしまうことになる。
これに対し、本実施形態では、前記渦巻ばね50を設けることで、指針2の慣性モーメントが圧電アクチュエータ4に作用しないため、指針2の慣性モーメントの変化の影響をキャンセルでき、低電力で駆動でき、かつモデルによる電池寿命の変化を防止できる。
その上、指針2に比べて慣性モーメントの大きな円板状の指針も使用することができ、時計のデザイン自由度を向上できる。
(2)渦巻ばね50を備え、圧電アクチュエータ4に加わる起動時の負荷が軽減されることによって、短時間で圧電アクチュエータ4の駆動速度を所望の速度に上げることが可能となり、起動時間が短縮されるので、消費電力をさらに低減させることができる。
ここで、圧電アクチュエータ4に加わる負荷が軽減されることで消費電力を低減できる理由を、図9,10を参照して説明する。
図9,10は、ロータに加わる慣性負荷が所定量のもの(以下、慣性負荷1倍という)と、慣性負荷がその10倍(慣性負荷10倍という)のものを駆動する場合において、駆動経過時間とロータの回転速度の関係、および、駆動経過時間とロータの回転角度の関係を示す。
ここで、回転速度は、圧電アクチュエータ4に駆動信号を与えると徐々に上昇し、やがて一定速度になる。一方、回転角度は、初期の速度上昇範囲では加速的に回転角が増加し、回転速度が一定になると回転角度は時間に比例して増加する。
図9,10に示すように、慣性負荷が低いほうが高いほうに比べて、回転速度の上昇も早く、所定の回転角度だけ移動する時間も短くできる。例えば、図9,10の例では、仮に10度回転するまでの時間で比較すると、図9に示す慣性負荷1倍の場合には約0.0017秒の時間が必要である。これに対し、図10に示す慣性負荷10倍の場合には約0.003秒の時間つまり慣性負荷1倍の場合の約2倍の時間が必要である。
従って、ロータを一定角度毎回転する場合、ロータつまり圧電アクチュエータ4に加わる慣性負荷が小さいほうが駆動時間を短くでき、その分、消費電力も低減することができる。
(3)渦巻ばね50を備えているので、落下時等に外部からの衝撃が指針2に作用した場合に、渦巻ばね50の干渉機能により、衝撃の影響を速く弱めることができるとともに、外部からの衝撃力が作用している間は、圧電アクチュエータ4の駆動力が渦巻ばね50に蓄積されるので、衝撃による影響がなくなった時点で、渦巻ばね50の弾性エネルギによって、指針2の回転を駆動させることができる。従って、圧電アクチュエータ4に指針2から衝撃の影響が伝わらずに済み、圧電アクチュエータ4の動作を安定させることができる。
(4)位置決めピン61と位置決め穴42とを備え、渦巻ばね50の初期たわみ(初期ひずみ)が維持されているので、第2ロータ伝え歯車60に初期たわみによる力が常時作用することによって、外部の衝撃による指針2等の揺動を抑制することができる。
(5)第2ロータ伝え歯車60から指針2側の回転系の慣性モーメントが比較的大きい場合であっても、圧電アクチュエータ4を間欠的に駆動させた際に、位置決めピン61と位置決め穴42との遊び部分の範囲が、圧電アクチュエータ4の1周期分の駆動量に対応する範囲に設定されているので、第1ロータ伝え歯車40と第2ロータ伝え歯車60とが干渉して圧電アクチュエータ4に加わる負荷が増大することを避けることができる。
(6)渦巻ばね50を備えているので、大きな変位量を確保するために、渦巻ばね50の巻き数を増加させても、U字ばねや片持ちばねを使用する場合と比べて、設置空間をそれほど広げることなく、渦巻ばね50を配置できる。
さらに、渦巻ばね50を備えているので、大きな変位量を確保することができ、渦巻ばね50の変位量に関わらず略一定の弾性エネルギを生じさせることができる。従って、外部の衝撃の大小に関わらず、第2ロータ伝え歯車60が渦巻ばね50から略一定の弾性エネルギを受けるので、第2ロータ伝え歯車60の動作を安定させることができる。
(7)圧電素子22が矩形板状に形成されているので、圧電駆動装置10の薄型化を促進できる。
(8)検出回路107を設け、第1ロータ伝え歯車40つまりはロータの移動量を検出しているので、指針2の移動量も正確に設定できる。すなわち、圧電アクチュエータ4の振動子20とロータとは摩擦によってトルクを伝達しているので、圧電アクチュエータ4の駆動時間によってロータの回転量を正確に設定することは難しい。そこで、本実施形態では、実際にロータやロータとダイレクトに駆動する第1ロータ伝え歯車40の移動量を検出回路107で検出しており、検出回路107でロータが所定量移動した時点で駆動を停止しているので、ロータつまりは指針2を正確に移動できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る時計における圧電駆動装置10Aについて図11から図14に基づいて説明する。
図11は、時計における圧電駆動装置10Aを示す平面図である。図12〜図14は、圧電駆動装置10Aを示す縦断面図である。なお、図12は、図11において、ロータ(ロータリング30、ロータかな32、ロータ歯車33)、中間車6、ロータ伝え車5Aを結ぶ伝達経路の断面図である。また、図13は、図11において、ロータ、アンクル8、ロータ伝え車5Aを結ぶ伝達経路の断面図である。図14は、図11において、振動子20Aおよびロータからなる圧電アクチュエータ4Aの断面図である。
圧電駆動装置10Aは、前述の第1実施形態の圧電駆動装置10に対して、第2ロータ伝え歯車に対応するガンギ車60Aを備え、圧電アクチュエータ4Aで駆動されるアンクル8によって、ガンギ車60Aの回転が所定回転角毎に規制される構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。
例えば、第1実施形態における圧電アクチュエータ4の構成および動作、押圧ばね36の構成および動作、渦巻ばね50の構成および動作、解放規制部(位置決め穴42と位置決めピン61)の基本構造および基本動作、時計の回路構成および動作(図8)は、第2実施形態においても同様である。また、第2実施形態のロータ伝え歯車40Aの回転量検出手段と動作は、第1実施形態の第1ロータ伝え歯車40の回転量を検出する光学式検出手段が用いられ、同様の動作を行うものである。
圧電駆動装置10Aは、圧電アクチュエータ4Aと、この圧電アクチュエータ4Aにより駆動される中間車6と、中間車6の回転駆動を図6に図示された指針車3に伝達するロータ伝え車5Aと、圧電アクチュエータ4Aにより駆動されるカム部材としてのカム車7と、このカム車7によって揺動するアンクル8とを備えている。
圧電アクチュエータ4Aは、振動子20Aと、ロータリング30を含んで構成されている。ロータリング30のロータ回転軸31Aには、回転駆動を中間車6に伝達するロータかな32と、回転駆動をカム車7に伝達するロータ歯車33とが固定されている。なお、本実施形態では、ロータリング30とロータかな32とロータ歯車33によってロータが構成される。従って、圧電アクチュエータ4Aは、第1実施形態の圧電アクチュエータ4に対し、ロータ歯車33が追加されている点は相違するが、振動子20Aやロータリング30、ロータかな32の構成、材質、動作などは前記第1実施形態と同じである。
ロータ伝え車5Aは、中間車6と噛合するロータ伝え歯車40Aと、ロータ伝え歯車40Aのばね用係止穴41に一端が係止された渦巻ばね50と、渦巻ばね50の他端と接続されたガンギ車60Aと、伝え車回転軸70とを備えて構成されている。このようにして、ロータリング30の駆動力が渦巻ばね50に伝達される第2の伝達経路が構成されている。
ロータ伝え歯車40Aには、前記第1実施形態と同じく、回転軸方向に貫通するばね用係止穴41および位置決め穴42が形成されている。
ガンギ車60Aは、15枚のガンギ歯62を備え、アンクル8に対向する位置に支持されている。伝え車回転軸70には、ガンギ車60Aとともにガンキかな67(図12)が固定されている。ガンギかな67は、ガンギ車60Aと一体で回転し、図示しない指針車等と噛合している。また、伝え車回転軸70にはロータ伝え歯車40Aが回転自在に支持されている。なお、伝え車回転軸70には、渦巻ばね50の他端が固定されているので、ガンギ車60Aは渦巻ばね50の他端と接続されているものである。
なお、ガンギ車60Aには、第1実施形態の第2ロータ伝え歯車60と同様に、ロータ伝え歯車40A側に突出して前記位置決め穴42に挿通される位置決めピン61が固定されている。
上記位置決め穴42と位置決めピン61は、ロータ伝え車5Aを組み立てる際、およびロータ伝え車5Aを図11のように各部品とともに地板などに組み込む際において、第1実施形態で説明したように渦巻ばね50の初期たわみを維持しておくためのものである。
カム車7は、ロータ歯車33と噛合するカムかな71と、回転軸に対して外周の中心軸が偏心している円形のカム72と、カムかな71およびカム72を固定するカム回転軸73とを備えて構成されている。
アンクル8は、アンクル本体部81と、2つの爪82,83と、カム72と係合する切欠部84と、アンクル回転軸85とを備えて構成されている。
アンクル本体部81は、第1アーム部811と、第2アーム部812とを備え、これらがアンクル回転軸85を挟んで両側に一体的に形成され、アンクル回転軸85を中心にして揺動可能に支持されている。第1アーム部811は、アンクル回転軸85からロータ歯車33側とは反対側に延設され、ガンギ車60A側に突出する爪82を固定している。第2アーム部812は、アンクル回転軸85からロータ歯車33側に延設され、ガンギ車60A側に突出する爪83を固定している。
第2アーム部812は、アンクル回転軸85からロータリング30に近づくに連れて、幅寸法が拡張されている。この拡張された領域に切欠部84が形成され、第2アーム部812は、全体略コ字状に形成されている。この切欠部84の内側面にカム72の側面が当接されるように、カム車7が配置されている。
このような構成において、ロータ歯車33が回転すると、カム車7が回転し、偏心したカム72によりアンクル8が揺動する。ここで、カム車7が1回転すると、アンクル8が1往復だけ揺動し、アンクル8の2つの爪82,83が、交互にガンギ車60Aと当接する。このように、ロータリング30の駆動力がアンクル8に伝達される第1の伝達経路が構成されている。
このような構成において、ガンギ車60Aが回転した際に、2つの爪82,83が交互にガンギ歯62間に挿入され、ガンギ車60Aの回転角度を一定角度毎に規制する。つまり、アンクル8が第1の方向(図11では反時計回りの方向)に揺動し、アンクル8の一方の爪83がガンギ歯62間に挿入され、時計回りの方向に回転駆動されるガンギ車60Aのガンギ歯62と当接すると、ガンギ車60Aの回転が規制されるようになっている。
さらに、アンクル8が第2の方向(図11では時計回りの方向)に揺動すると、アンクル8の一方の爪83がガンギ歯62間から離れてガンギ車60Aの規制を解除する。同時に、他方の爪82がガンギ歯62間に挿入され、ガンギ車60Aがガンギ歯62の半ピッチ分の角度だけ回転して、アンクル8の他方の爪82がガンギ車60Aのガンギ歯62と当接する。こうして再び、ガンギ車60Aの回転が規制されるようになっている。
従って、本実施形態では、ガンギ車60Aにより被回転体が構成され、アンクル8により回転規制装置が構成されている。
なお、圧電アクチュエータ4の振動子20は、腕部211により時計1の基枠である地板に固定されており、ロータ回転軸31A、中間車6の回転軸、伝え車回転軸70、カム車7のカム回転軸73、アンクル回転軸85、指針車3の回転軸は、一端が地板の軸受穴に軸受けされ、他端は地板上に対向して配置された輪列受に軸受けされて、保持されている。なお、指針車3の回転軸や他の指針車の各回転軸は、一端が地板に軸受けされるが、他端は輪列以外の受部材に軸受けされるようにしてもよい。
また、ガンギ車60A、アンクル8、さらにガンギ車60Aで回転される各歯車は、非磁性材料で構成されることが好ましい。但し、これらの材料は非磁性材料に限定されない。
また、本実施形態においても、第1実施形態の回路構成(図8)と同様の回路構成を備えており、ロータの回転位置を検出する光学式の位置検出手段および検出回路107も設けられている。ロータが所定位置に駆動されると位置検出手段が所定位置検出信号を制御回路104に出力する。制御回路104は、上記検出信号を受けると時計駆動回路106に対して駆動信号の出力を停止させる制御つまり圧電駆動装置10を停止させる制御を行う。
なお、上記検出回路107は、ロータリング30やロータ歯車33などのロータを構成する部材の移動量を直接検出するものでもよいし、中間車6やロータ伝え歯車40A等のトルクの伝達経路上で渦巻ばね50よりもロータ側に配置されてロータに同期して駆動される部材の移動量を検出することで、間接的にロータの移動量を検出するものでもよい。
さらに、アンクル8およびガンギ車60Aを設けることで、ガンギ車60Aつまりは指針2の移動を精度良く制御できる。このため、圧電アクチュエータ4Aの駆動の停止を制御する検出回路は、アンクル8の一方の爪82,83がガンギ車60Aのガンギ歯62に係合する状態から、他方の爪82,83がガンギ歯62に係合する状態に確実になるまで圧電アクチュエータ4Aを駆動できるように設定される。
例えば、本実施形態では、ロータリング30が30度回転すると、アンクル8の爪82,83のガンギ歯62への係合が切り替わるように設定されている。この場合、検出回路はロータリング30が確実に30度回転することを検出すればよい。
例えば、検出回路の検出誤差を考慮し、ロータリング30が31度回転することを検出するように検出回路を構成し、ロータが少なくとも30度以上回転することを検出するように設定すればよい。この場合、カム車7の回転角度も多少大きくなるが、図11に示すように、その際のカム回転軸73から切欠部84に当接するカム72の側面までの距離の変化量は小さいため、アンクル8も殆ど移動せず、アンクル8の爪82,83のガンギ歯62への係合状態も維持できる。また、ロータが多少オーバーランした場合、アンクル8の爪82,83に係合して停止するガンギ車60Aに対し、ロータ伝え歯車40Aが回転するが、その回転分は渦巻ばね50が巻かれることで吸収でき、かつ、それによる渦巻ばね50の弾性エネルギの変化も僅かであるため、指針2の運針に影響することはない。
次に、圧電駆動装置10Aの動作について説明する。
ロータリング30つまりロータは、振動子20Aにより時計回り(図11に示す矢印Aの方向)に回転する。ロータリング30の回転は、中間車6とカム車7にそれぞれ伝達される。中間車6の回転はロータ伝え歯車40Aに伝達される。ロータ伝え歯車40Aの回転は、渦巻ばね50の弾性エネルギを介してガンギ車60Aに伝達される。
ここで、ロータリング30からロータ伝え歯車40Aまでの輪列は、ロータリング30が30度回転する場合に、ロータ伝え歯車40Aが12度に減速して回転する設定となっている。また、ロータリング30の回転は、カム車7に増速して伝達され、ロータリング30が30度回転する場合に、カム車7が180度回転する設定となっている。
アンクル8がガンギ車60Aの回転を規制している間は、ガンギ車60Aは停止したままで、渦巻ばね50が弾性変形して、ロータリング30の回転エネルギを弾性エネルギとして蓄積する。続いて、カム車7が回転して、カム72の偏心によってアンクル8が揺動し、ガンギ車60Aと係合するアンクル8の一方の爪がガンギ車60Aのガンギ歯62から外れると、ガンギ車60Aは、渦巻ばね50の弾性エネルギにより回転する。その際、アンクル8の他方の爪の先端部分がガンギ歯62間に挿入されている。アンクル8の他方の爪がさらにガンギ歯62間の内部に挿入され、ガンギ歯62が爪に当接すると、再びガンギ車60Aの回転を規制する。なお、アンクル8の1往復の揺動で、ガンギ車60Aは1ピッチ(24度)回転する。つまり、ロータリング30が30度回転すると、カム車7は180度回転し、それによって、アンクル8が一方向に移動し、ガンギ車60Aは12度回転する。その際、ロータ伝え歯車40Aは、12度回転されるので、渦巻ばね50は、初期状態に戻る。従って、ガンギ車60Aは、アンクル8の揺動によって、間欠的に駆動される。
すなわち、図11において、アンクルの一方の爪83がガンギ車60Aのガンギ歯62と係合している状態がスタート時(図11の図示状態)として、カム72が回転し始めて、一方の爪83がガンギ歯62と離れ、アンクルの他方の爪82が他のガンギ歯62と係合し、更に他方の爪82が他のガンギ歯62と離れ、再び一方の爪83がガンギ車60Aのガンギ歯62と係合し、カム72の回転が停止するまでのサイクルを、アンクルの1往復という。したがってアンクルの1往復は、アンクルの1揺動往復となる。
ロータ伝え車5Aは、初期の組込み状態においては、渦巻ばね50の初期たわみを位置決めピン61と位置決め穴42の当接で維持しているため、位置決めピン61と位置決め穴42間の隙間寸法は0になっている。
これを図11の通り、ガンギ歯62がアンクルの爪83もしくは82に当接した状態では、寸法Lの隙間が生じるように上記位置決め穴42と位置決めピン61を設定する。この隙間は、ガンギ歯62がアンクルの爪83もしくは82に当接した状態において関係部品と組込位置のバラツキがあった場合でも、隙間の寸法が0にならない程度の値に設定する。上記寸法Lの隙間を設けていることより、ガンギ歯62がアンクルの爪82,83に確実に係合される。
また寸法Lの隙間が形成されている事により、ガンギ車60Aによりアンクル8が所定位置に正しく位置決めされることになる。すなわち、ガンギ歯62がアンクル8の爪83に当接している場合には、渦巻ばね50のばね力によりガンギ歯62がアンクル8の爪83を押圧するため、アンクル8を図11において反時計回りに回転させようとする。したがってアンクル8は、ガンギ歯62がアンクル8の爪83に当接している位置で位置決めされることになる。
またガンギ歯62がアンクル8の爪82に当接している場合には、渦巻ばね50のばね力によりガンギ歯62がアンクル8の爪82を押圧するため、アンクル8を図11において、時計回りに回転させようとする。したがってアンクル8は、ガンギ歯62がアンクル8の爪82に当接している位置で位置決めされることになる。
なお、渦巻ばね50の弾性エネルギは、ガンギ車60Aを時計回りに回転させる方向に付勢するので、アンクル8の爪82,83がガンギ歯62と当接している状態では、互いの摩擦力が増大される。
また、外部からの衝撃などで、アンクル8自身が揺動しても、アンクル8はカム車7とのカム機構によって連結されているので、アンクル8からカム車7への回転エネルギの伝達はされない。従って、衝撃でアンクル8が揺動する方向の力が作用しても、カム72を回転させる力としては伝達されないので、アンクル8が揺動してガンギ車60Aの規制が解除されることはなく、指針等の位置を保持することができる。
このような本実施形態によれば、前記(1)〜(8)の効果と略同様の効果に加えて以下の効果を奏することができる。
(9)圧電アクチュエータ4Aの駆動によってガンギ車60Aに回転エネルギが加えられるとともに、アンクル8によってガンギ車60Aが一定角度毎に回転を規制されるので、圧電アクチュエータ4Aの駆動量に対してガンギ車60Aの回転量が一義的に決まらなくても、ガンギ車60Aが一定角度回転すれば、アンクル8がガンギ車60Aの回転角度を一定角度に規制するので、ガンギ車60Aの回転量は正確に一定となる。従って、圧電アクチュエータ4Aによって回転されるガンギ車60Aのオーバーランを防止できるので、ロータリング30の回転角度を厳密に制御する必要がなく、ガンギ車60Aの回転角度の精度を向上させることができ、ガンギ車60Aで回転される指針2等の表示手段の表示精度を向上させることができる。
(10)また、アンクル8およびガンギ車60Aを設けることで、ガンギ車60Aつまりは指針2の移動を精度良く制御できる。このため、検出回路において、検出誤差を考慮し、ロータが所定の目標値よりも多少大きく回転したことを検出するように設定した場合でも、そのオーバーラン分はカム車7、アンクル8、ガンギ歯62、渦巻ばね50等で吸収でき、ガンギ車60Aや指針2は正確に駆動できる。
(11)さらに、ガンギ車60Aにアンクル8の爪82,83が噛み合っているので、リューズなどの時刻修正機構による時刻修正操作時に輪列が回転することを規制できる。このため、一般的なクオーツ時計において時刻修正時に輪列が回転することを規制する規制レバーの機能を実現でき、本実施形態では規制レバーを不要にできる。
(12)ガンギ車60Aの駆動源と、アンクル8の駆動源を共通化することができるので、部品点数の低減および時計の小型化を図ることができる。
(13)カム72によってアンクル8の往復動作が実施されるので、アンクル8の駆動源としての圧電アクチュエータ4Aを両方向回転可能に構成する必要がなく、一方向回転可能な構成とすることができる。特に、矩形板状の振動子20Aを用いているので、片回転式はロータリング30との接触位置を自由に選択できるので駆動力の伝達効率が向上され、低電力化や高トルク化を促進できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る時計における圧電駆動装置10Bについて図15から図18に基づいて説明する。
図15は、時計における圧電駆動装置10Bを示す平面図である。図16および図17は、圧電駆動装置10Bを示す縦断面図である。図18は、圧電駆動装置10Bの駆動を説明するための平面図である。
圧電駆動装置10Bは、前述の第2実施形態の圧電駆動装置10Aに対して、ガンギ車60Aに代えて被回転体としての従動車60Bを使用し、アンクル8に代えて、回転規制装置としての原動車9を使用する部分の構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。
圧電駆動装置10Bは、ロータリング30Aと噛合して回転される中間車6Aと、中間車6Aにより回転される原動車9と、ロータ伝え車5Bとを含んで構成されている。
ロータリング30Aは、ロータ歯車33とともにロータ回転軸31Aに固定され、これらのロータリング30Aおよびロータ歯車33によって本発明のロータが構成される。
原動車9は、中間車6Aと噛合する原動かな91と、原動カム92と、これらの原動かな91と原動カム92とを固定する原動回転軸93とを備えて構成されている。
原動カム92は、原動回転軸93を中心に径方向に略扇形に形成された2つのカム片921を有している。2つのカム片921は、原動回転軸93を中心に互いに180度の間隔で形成され、原動回転軸93の中心軸に対して互いに点対称な形状である。また、各カム片921から両方向に90度ずれた位置にはそれぞれ凹部922が形成され、この2つの凹部922が、原動回転軸93を中心に互いに対向している。
ロータ伝え車5Bは、ロータ伝え歯車40Aと、渦巻ばね50と、従動車60Bと、伝え車回転軸70とを備えて構成され、図16に示すように、伝え車回転軸70を回転軸としてロータ伝え歯車40A、渦巻ばね50、従動車60Bの順番に配置されている。
ロータ伝え歯車40Aは、ロータ歯車33と噛合し、伝え車回転軸70により回転自在に支持されている。ロータ伝え歯車40Aには、位置決め板43が固定されている。位置決め板43は、全体略円形の板状部材であり、側面の一部に弦状の側部431を有している。弦状の側部431の中央には、径方向に突出する位置決め用係止片432が形成されている。位置決め用係止片432は、中間部分で従動車60B側に曲折され、先端が従動車60Bに向かって延設されている。
従動車60Bは、伝え車回転軸70に固定されている。従動車60Bには、回転軸方向に貫通する位置決め穴63およびばね用係止穴64が形成されている。位置決め穴63は、従動車60Bの外周に沿って形成された長孔であり、位置決め用係止片432の先端が挿入されている。従動車60Bの外周には、径方向に突出する9つの従動歯65が40度毎の間隔に形成され、従動歯65の先端部が半円弧状に加工されている。
渦巻ばね50の外周側の端部は、ばね用係止穴64に係止され、中心軸側の端部は、ロータ伝え歯車40Aの筒部44に巻かれることにより固定されている。
原動車9およびロータ伝え車5Bは、従動歯65とカム片921とが噛合する位置に配置されている。従って、本実施形態では、位置決め板43および位置決め穴63により解放規制部が構成されている。このようにロータリング30Aは、中間車6Aおよびロータ伝え歯車40Aに回転を伝達する。従って、原動車9によって回転規制装置が構成され、原動車9および従動車60Bによってゼネバ機構が構成される。
また、本実施形態においても、第1,2実施形態と同様に、ロータの回転を検出する検出回路が設けられている。本実施形態においても、検出回路は、ロータリング30Aやロータ歯車33などのロータを構成する部材の移動量を直接検出するものでもよいし、ロータ伝え歯車40A等の渦巻ばね50のロータ側に配置されてロータに同期して駆動される部材の移動量を検出することで、間接的にロータの移動量を検出するものでもよい。
さらに、原動車9や従動車60Bによるゼネバ機構を設けているので、アンクル8およびガンギ車60Aを設けた第2実施形態と同様に、従動車60Bつまりは指針2の移動を精度良く制御できる。そして、検出回路も検出誤差を考慮し、ロータリング30Aが少なくとも所定角度だけ移動したことを確実に検出できるように設定されている。この際、ロータがオーバーランしても、そのオーバー分の変位は、原動車9と従動車60Bの係合部分や渦巻ばね50で吸収でき、指針2の運針に影響することはない。
次に、圧電駆動装置10Bの動作を説明する。
ロータリング30Aは、振動子20Aにより反時計回り(矢印Aの方向)に回転する。ロータリング30Aの回転は、ロータ歯車33を介して中間車6Aとロータ伝え歯車40Aにそれぞれ伝達される。中間車6Aの回転は原動車9に伝達される。ロータ伝え歯車40Aの回転は、渦巻ばね50の弾性エネルギを介して従動車60Bに伝達される。
ここで、ロータリング30Aからロータ伝え歯車40Aまでの輪列は、ロータリング30Aが20度回転する場合に、ロータ伝え歯車40Aが40度に増速、すなわち2倍に増速して回転する設定となっている。また、ロータリング30Aの回転は、原動車9に増速して伝達され、ロータリング30Aが20度回転する場合に、原動車9が180度回転する設定となっている。従動車60Bは、原動車9の原動カム92によって、間欠的に駆動される。従って、原動カム92が従動車60Bの回転を規制している間は、従動車60Bは停止したままで、渦巻ばね50が弾性変形して、ロータリング30Aの回転エネルギを弾性エネルギとして蓄積する。
続けて、原動車9が回転して、従動車60Bの回転を規制しているカム片921が反時計回りに送られて、凹部922が従動車60Bと対向する位置まで送られると、その間に従動車60Bの規制が解除され、従動車60Bが、渦巻ばね50の弾性エネルギにより回転し始める(図18)。さらに、原動車9が回転して、反対側のカム片921が従動車60Bと対向する位置まで送られると、反対側のカム片921が次の従動歯65と噛合して、再び従動車60Bの回転を規制する。
なお、原動車9が180度回転する毎に、従動車60Bは1ピッチ(40度)回転する。つまり、ロータリング30Aが20度回転すると、原動車9は180度回転し、それによって、従動車60Bは40度回転し、その際、ロータリング30Aによりロータ伝え歯車40Aは、40度回転されるので、渦巻ばね50は、初期状態に戻る。
このような本実施形態によれば、前記(1)〜(13)の効果と略同様の効果を奏することができる。
(14)特に、圧電アクチュエータ4Aの駆動によって従動車60Bに回転エネルギが加えられるとともに、原動車9によって従動車60Bが一定角度毎に回転を規制されるので、圧電アクチュエータ4Aの駆動量に対して従動車60Bの回転量が一義的に決まらなくても、従動車60Bが一定角度回転すれば、原動車9が従動車60Bの回転角度を一定角度に規制するので、従動車60Bの回転量は正確に一定となる。従って、圧電アクチュエータ4Aによって回転される従動車60Bのオーバーランを防止できるので、ロータリング30Aの回転角度を厳密に制御する必要がなく、従動車60Bの回転角度の精度を向上させることができ、従動車60Bで回転される指針2等の表示手段の表示精度を向上させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る時計における圧電駆動装置10Cについて図19から図21に基づいて説明する。
図19は、時計における圧電駆動装置10Cを示す平面図である。図20および図21は、圧電駆動装置10Cを示す縦断面図である。前述の第3実施形態の圧電駆動装置10Bでは、渦巻ばね50をロータ伝え歯車40Aと従動車60Bとの間に配置しているのに対し、本実施形態の圧電駆動装置10Cは、渦巻ばね50Bをロータ歯車33Aとロータ伝え歯車34との間に配置している点で構成が相違するが、その他の構成は略同様である。また、本実施形態では、検出回路107の構成を具体的に説明している。
ロータリング30Bは、ロータ歯車33Aに固定され、ロータリング30Bおよびロータ歯車33Aによって本発明のロータが構成される。ロータ歯車33Aは、例えば合成樹脂製で、金属製のロータ回転軸31Bに固定されている。これらのロータリング30B、ロータ歯車33A、ロータ回転軸31Bは、一体的に回転する。
ロータ歯車33Aは、ロータリング30Bを嵌合固定するロータ歯車本体部332と、ロータ伝え歯車34側の端部から径方向に延設されるロータ歯車部333とを有している。ロータ歯車本体部332のロータ伝え歯車34側には渦巻ばね50Bを収納するばね収納用凹部334が形成されている。
位置検出用穴331は、図21に示すように、ロータ歯車本体部332に形成され、回転軸方向に沿って貫通している。位置検出用穴331は、外周に沿って20度毎の間隔で形成され、図19では一部が図示されている。
ばね収納用凹部334の内周面には、略対向する位置に、位置決め切欠部335とばね係止切欠部336とが形成されている。渦巻ばね50Bの外周側の端部は、ばね係止切欠部336に係止され、中心軸側の端部は、ロータ伝え歯車34の筒部341に巻かれることにより固定されている。
ロータ伝え歯車34には、ロータ歯車33A側に突出して、位置決め切欠部335に挿通される位置決め突出部342が形成されている。従って、本実施形態では、ロータ伝え歯車34によって被回転体が構成され、位置決め突出部342および位置決め切欠部335により解放規制部が構成される。
原動車9およびロータ伝え車5Cは、従動歯65Aとカム片921とが噛合する位置に配置されている。
位置検出用穴331を挟む位置に、フォトインタラプタ51が配置されている。フォトインタラプタ51は、発光器511と受光器512とを備えて位置検出用穴331を検出する透過型検出器である。なお、フォトインタラプタ51に代えて、フォトリフレクタのような反射型検出器を使用して、ロータ歯車33Aに形成される検出パターン等を認識させることで、ロータ歯車33Aの位置を検出してもよい。
このような本実施形態によれば、前記(1)〜(14)の効果と略同様の効果に加えて以下の効果を奏することができる。
(15)ロータリング30Bの回転軸とロータ伝え歯車34の回転軸とが同一の軸上に形成されているので、ロータリング30Bと渦巻ばね50Bとの間に、前記第1〜第3実施形態のように、ロータリング30Bの駆動力を渦巻ばね50Bに伝達する別の回転体(第1ロータ伝え歯車40等)を配置させて、その別の回転体を介して、ロータ伝え歯車34に駆動力が伝達される場合と比べて、ロータリング30Bに加わる負荷を別の回転体の慣性モーメント分だけ低減させることができる。従って、低減された慣性モーメントの分だけ圧電アクチュエータ4Bを高速で駆動させることができ、圧電アクチュエータ4Bを所定量駆動させる場合の電力投入時間を短縮することができ、低電力化を推進できる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る時計における圧電駆動装置10Dについて図22と図23に基づいて説明する。
図22は、時計における圧電駆動装置10Dを示す平面図である。図23は、圧電駆動装置10Dのロータリングの構造を示す分解斜視図である。
圧電駆動装置10Dは、圧電アクチュエータ4Cの駆動力によって逆脱進機アンクル8Aを揺動させ、逆脱進機アンクル8Aが逆脱進機ガンギ車60Cのガンギ歯62Aと当接することにより逆脱進機ガンギ車60Cを回転させるように構成され、ロータリング30Cから逆脱進機ガンギ車60Cまでの伝達機構の一部に、前述の第1実施形態の圧電駆動装置10における渦巻ばね50による伝達機構を使用した駆動装置である。
図22に示すように、圧電駆動装置10Dは、圧電アクチュエータ4Cと、揺動手段としての逆脱進機アンクル8Aと、逆脱進機ガンギ車60Cとを備えている。
圧電アクチュエータ4Cの振動子20Bを構成する圧電素子22Aの両面には、めっき層によって電極が形成されており、本実施形態では、溝でめっき層が絶縁されることにより十字形状の駆動電極231と、矩形状の駆動電極232,233とが形成されている。これらの駆動電極231〜233によって、圧電素子は、5分割構造を有している。そして、駆動電極231〜233に電圧を印加させる際に、印加させる駆動電極232,233を切り替えることにより、当接部212Aは、時計回りまたは反時計回りに楕円軌跡を描いて振動する。
圧電アクチュエータ4Cのロータリング30Cは、支持アーム35Aに回転自在に支持され、圧電アクチュエータ4Cの当接部212Aに付勢されている。圧電アクチュエータ4Cの当接部212Aが時計回りまたは反時計回りに略楕円軌道を描いて振動すると、当接部212Aとロータリング30Cとの間に適切な摩擦力が発生して、圧電アクチュエータ4Cの駆動力がロータ歯車33B,33Cに伝達され、ロータ歯車33B,33Cが時計回りおよび反時計回りに回転する。
逆脱進機アンクル8Aは、アンクル本体部81Aと、2つの爪82A,83Aと、歯車(アンクルかな)86とを備えて構成されている。
アンクル本体部81Aは、第1アーム部811Aと、第2アーム部812Aと、アンクル回転軸85Aとを備え、これらが一体的に形成されている。アンクル本体部81Aは、アンクル回転軸85Aを中心にして揺動可能に地板等に支持されている。
第1アーム部811Aおよび第2アーム部812Aは、アンクル回転軸85Aを挟んで両側に延設され、第1アーム部811Aには爪82Aが取り付けられ、第2アーム部812Aには爪83Aが取り付けられている。
アンクルかな86は、アンクル回転軸85Aに嵌入され、ロータ歯車33B,33Cの噛合されている。このようにして、ロータ歯車33B,33Cの駆動力が逆脱進機アンクル8Aに伝達される。
ここで、例えば、ロータ歯車33B,33Cの歯数を36枚として、アンクルかな86の歯数を9枚とすることで、ロータ歯車33B,33Cの回転数に対する逆脱進機アンクル8Aの回転数の増速比は4倍に設定されている。つまり、ロータ歯車33B,33Cが6度回転すると、アンクルが24度回転するように構成されている。
2つの爪82A,83Aは、アンクル本体部81Aのアンクル回転軸85Aを挟んで2箇所に設けられている。また、2つの爪82A,83Aの先端部には、傾斜面821,831が形成されている。傾斜面821,831は、逆脱進機アンクル8Aが揺動して爪82A,83Aが後述する逆脱進機ガンギ車60Cのガンギ歯62Aに当接する際に、逆脱進機ガンギ車60Cに回転駆動力を発生させるために設けられている。
逆脱進機ガンギ車60Cは、30枚のガンギ歯62Aを備えた歯車であり、地板に対して回転自在に支持されている。また、逆脱進機ガンギ車60Cは、逆脱進機アンクル8Aの2つの爪82A,83Aに対向する位置に設けられ、図示しない秒針が取り付けられている。
ガンギ歯62Aの先端には、2つの爪82A,83Aの傾斜面821,831が当接する傾斜面621が形成されている。また、各ガンギ歯62A間には、逆脱進機ガンギ車60Cが回転した際に、逆脱進機ガンギ車60Cの回転角度を一定角度に規制するために、2つの爪82A,83Aが係止される歯溝66が形成されている。本実施形態では、2つの爪82A,83Aによって、本発明の回転規制部が構成されている。つまり、逆脱進機アンクル8Aが第1の方向(反時計回りの方向)に揺動し、逆脱進機アンクル8Aの一方の爪83Aが逆脱進機ガンギ車60Cのガンギ歯62Aと当接すると、ガンギ歯62Aが反時計回りの回転方向に押されるので、逆脱進機ガンギ車60Cが一定方向に回転する。そして、逆脱進機アンクル8Aの爪83Aが逆脱進機ガンギ車60Cの歯溝66を係止することによって逆脱進機ガンギ車60Cの回転が一定角度で規制される。
逆脱進機アンクル8Aが第2の方向(時計回りの方向)に揺動すると、逆脱進機アンクル8Aの爪83Aが歯溝66から離れて逆脱進機ガンギ車60Cの規制が解除され、続いて、逆脱進機アンクル8Aの他方の爪82Aがガンギ歯62Aと当接し、ガンギ歯62Aが反時計回りの回転方向に押されるので、逆脱進機ガンギ車60Cが同一方向に回転する。そして、逆脱進機アンクル8Aの爪82Aが逆脱進機ガンギ車60Cの歯溝66を係止することによって逆脱進機ガンギ車60Cの回転が一定角度で規制される。以上のような動作が可能なように、逆脱進機アンクル8Aの各爪82A,83Aが逆脱進機ガンギ車60Cの各ガンギ歯62Aに対して配置されている。
逆脱進機ガンギ車60Cには、歯車(ガンギかな)67Aが逆脱進機ガンギ車60Cの回転軸と同心となるように取り付けられ、ガンギかな67Aは、三番車68に噛合されている。
ロータリング30Cは、図23に示すように、ロータ回転軸31Bに固定され、ロータ回転軸31Bと一体的に回転する。ロータ回転軸31Bには、ロータリング30Cを挟むように、2枚の第1ロータ歯車33Bおよび第2ロータ歯車33Cが回転自在に支持されている。第1,第2ロータ歯車33B,33Cには、それぞればね用係止穴336B,336Cが形成されている。
ロータリング30Cと第1、第2ロータ歯車33B,33Cとの間には、それぞれ第1渦巻ばね50Cおよび第2渦巻ばね50Dが配置されている。
第1渦巻ばね50Cは、ばね素線が時計回りに巻かれて形成され、外周側の端部は、ばね用係止穴336Bに係止され、中心軸側の端部は、ロータ回転軸31Bに巻かれることにより固定されている。第1渦巻ばね50Cは、ロータリング30Cが第1ロータ歯車33Bよりも反時計回りに先行して回転することにより、巻き数が増える方向に弾性変形して、ロータリング30Cに伝達された反時計回りの駆動力を弾性エネルギとして蓄積することができる。
第2渦巻ばね50Dは、ばね素線が反時計回りに巻かれて形成され、外周側の端部は、ばね用係止穴336Cに係止され、中心軸側の端部は、ロータ回転軸31Bに巻かれることにより固定されている。第2渦巻ばね50Dは、ロータリング30Cが第2ロータ歯車33Cよりも時計回りに先行して回転することにより、巻き数が増える方向に弾性変形して、ロータリング30Cに伝達された時計回りの駆動力を弾性エネルギとして蓄積することができる。
従って、本実施形態では、ロータリング30Cによってロータが構成され、第1ロータ歯車33Bおよび第2ロータ歯車33によって被回転体が構成されている。
なお、本実施形態においても、前記各実施形態と同様に、ロータの回転量を検出して圧電アクチュエータ4Cの駆動を制御するための検出回路が設けられている。
次に、圧電駆動装置10Dの動作方法を説明する。
逆脱進機アンクル8Aが第1の方向(反時計回り方向)に揺動すると、逆脱進機ガンギ車60Cは、歯車の半ピッチ分の回転角度分だけ回転する。また、逆脱進機アンクル8Aが第2の方向(時計回り方向)に揺動すると、逆脱進機ガンギ車60Cは、さらに歯車の半ピッチ分の回転角度分だけ回転する。以上の動作を繰り返すことで、逆脱進機アンクル8Aの揺動によって、逆脱進機ガンギ車60Cが歯の半ピッチ分ずつ間欠的に回転される。従って、逆脱進機ガンギ車60Cに取り付けられた秒針91の1秒分のステップ運針が達成される。
このような本実施形態によれば、前記各実施形態の効果と略同様の効果に加えて以下の効果を奏することができる。
(16)第1、第2渦巻ばね50C,50Dからなる弾性装置を設けることで、圧電アクチュエータ4Cへの負荷が小さくなりロータリング30Cの回転数を上げることができ、所望のステップで送るのに時間を短縮することができ、低電力化を図ることができる。
[本発明の変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記第1実施形態では、第1ロータ伝え歯車40が位置決め穴42を有し、第2ロータ伝え歯車60が位置決めピン61を有している解放規制部を例示したが、例えば、第1ロータ伝え歯車40が位置決めピンを有し、第2ロータ伝え歯車60が位置決め穴を有していてもよい。また、解放規制部は、少なくとも弾性装置の初期たわみを維持するものであればよく、ピンと穴とによる係合以外の方法、例えば、第1、第2ロータ伝え歯車にそれぞれ互いに当接可能な突起部を形成してもよい。
前記第1実施形態では、弾性装置として渦巻ばね50を使用し、外周方向の端部を第1ロータ伝え歯車40に固定し、中心方向の端部を第2ロータ伝え歯車60に固定し、第1ロータ伝え歯車40を圧電アクチュエータの駆動方向に先行して回転させた場合に、渦巻ばね50の変形量が増大する方向に取り付けたが、渦巻ばねの巻き方向が逆のものを使用するとともに、固定方法を逆にしてもよい。すなわち、渦巻ばねの中心方向の端部を第1ロータ伝え歯車に固定し、外周方向の端部を第2ロータ伝え歯車に固定し、第1ロータ伝え歯車だけを先行して回転させた場合に、渦巻ばねの変形量が増大する方向(渦巻ばねを第2ロータ伝え歯車側から見て、左回りの渦を形成する方向)に取り付けてもよい。
前記各実施形態では、弾性装置として渦巻ばねを使用したが、これに限らず、U字ばね、片持ちばね、コイルばね等を使用してもよい。また、ばね素線の断面が円形の渦巻ばね50を例示したが、矩形等の断面形状の渦巻ばねでもよい。
前記第4実施形態では、ロータ歯車33Aの移動量を検出する検出手段を例示したが、ロータリング30Bの移動量を検出する検出手段としてもよい。また、各実施形態において検出手段としては、光学式以外のどのような方式でもよく、例えば磁気式、機械式(接点方式、部材同士の係合・非係合方式など)でもよい。ただし、外部の磁気の影響を受けた場合のことを考慮すると、光学式の検出手段の方が好適である。
第2実施形態においては、圧電アクチュエータを1つ設けており、この圧電アクチュエータが第1伝達経路とともに第2伝達経路の駆動源となるものであったが、第1伝達経路駆動用の第1の圧電アクチュエータと、第2伝達経路駆動用の第2の圧電アクチュエータとを別々に設けるようにしても良い。
たとえば第1の圧電アクチュエータの振動子で、図11の中間車6またはロータ伝え歯車40Aを駆動し、第2の圧電アクチュエータの振動子で、図11のロータリング30(中間車6とは噛み合わせないように分離させてある)またはカム車7に別途固定したロータ部材を駆動するようにしてもよい。
さらに第2実施形態において、カム車7のカム72がアンクル8の切欠部84内を回転してアンクル8を揺動するようにしていたが、アンクル8の揺動構造は上記に限定されるものではなくどのような構造であっても良い。たとえば、アンクル8の上記切欠部84が配置されている位置に切欠部の代わりに軸受穴があけられた軸受穴部材(ルビー等の硬質材にて形成)を嵌め込み固定しておき、カム車7に回転中心に対し偏心した偏心ピンを突出しておき、この偏心ピンを上記軸受穴に挿入させるようにしてもよい。この場合は、第2実施形態の構造に比べ、平面面積が小さくなり、軸受穴と偏心ピンとの摩擦が小さく接触半径が短くなる事、接触部に付着させる潤滑油が表面張力により流出しにくくなる事、等によって機械的損失が小さく効率の良い往復揺動機構が得られる。
前記第5実施形態では、2方向に駆動可能な圧電アクチュエータを使用した逆脱進機の機構を説明したが、1方向駆動の圧電アクチュエータを使用し、カム機構によって、逆脱進機アンクルを揺動させてもよい。
前記各実施形態では、圧電駆動装置の駆動対象物として指針2を用いて説明したが、指針2としては、秒針、分針、時刻針等が例示でき、これらを組み合わせたものでもよい。また、駆動対象物としては、指針2に限らず、時計のカレンダー表示板のような回転物でもよい。
なお、前述した各実施形態は、弾性装置の弾性エネルギにより被回転体が回転するものであったが、弾性装置により駆動される被駆動体は、非回転駆動するものであっても良い。上記非回転駆動は、例えば、直線駆動、直線往復駆動、円弧往復駆動等である。
たとえば、圧電振動子によって回転駆動するロータの下側にピニオンが一体形成されており、このピニオンの歯車に噛み合うラチェット歯が形成されたラックが直線駆動され、このラックの先端側に配置されて前記ラックが駆動される直線方向に伸縮する弾性装置(コイルバネ等)に弾性エネルギが蓄積され、しかるべきタイミングにより弾性装置の弾性エネルギが解放されて弾性装置の先端側に配置された被駆動装置が直線駆動するようにすればよい。上記被駆動装置は所定位置まで直線駆動されると元の位置に戻るようになっている。その際、上記被駆動装置が元の位置に戻ると前記弾性装置が押圧されて前記ラックも押し戻され、ラックは前記ピニオンの外周側を逃げるように移動しながら元の位置に戻り、ラックのラチェット歯にピニオンの歯車が噛み合って位置決めされるように構成されていても良い。
なお、上記ラックを上記のように直線駆動するに際しては、上記ロータを用いずに圧電振動子が直接にラックに接触して直線駆動するようにしても良い。
また、本発明の圧電駆動装置は、時計に限らず、各種電子機器の駆動源としても利用できる。すなわち、本発明の圧電駆動装置を有する電子機器としては、例えば、表示針を圧電駆動装置で駆動する各種計器類や、ターンテーブルのように被駆動体を駆動させる電子機器などでもよい。特に、本発明の圧電駆動装置は、ステッピングモータなどに比べて耐磁性能に優れているため、耐磁性が要求される駆動源として広く利用できる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の圧電駆動装置に係る圧電アクチュエータにおけるトルクと回転数との関係およびトルクと電力との関係を示すグラフ。 一般的な剛体の回転時における時間と角速度との関係を示すグラフ。 前記圧電アクチュエータにおけるトルクと回転数との関係およびトルクと消費電力との関係を示すグラフ。 前記圧電アクチュエータの起動時の時間と回転数との関係を示すグラフ。 前記圧電アクチュエータにおけるトルクと回転数との関係およびトルクと消費電力との関係を示すグラフ。 本発明の第1実施形態に係る時計における圧電駆動装置を示す斜視図。 前記圧電駆動装置を示す平面図。 第1実施形態の時計における回路構成を示すブロック図。 慣性負荷1倍の場合の時間と回転速度および回転角度の関係を示すグラフ。 慣性負荷10倍の場合の時間と回転速度および回転角度の関係を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る圧電駆動装置を示す平面図。 前記圧電駆動装置を示す縦断面図。 前記圧電駆動装置を示す縦断面図。 前記圧電駆動装置を示す縦断面図。 本発明の第3実施形態に係る圧電駆動装置を示す平面図。 前記圧電駆動装置を示す縦断面図。 前記圧電駆動装置を示す縦断面図。 前記圧電駆動装置を示す平面図。 本発明の第4実施形態に係る圧電駆動装置を示す平面図。 前記圧電駆動装置を示す縦断面図。 前記圧電駆動装置を示す縦断面図。 本発明の第5実施形態に係る圧電駆動装置を示す平面図。 前記圧電駆動装置の要部を示す斜視図。
符号の説明
1…時計、4,4A,4B,4C…圧電アクチュエータ、7…カム車(カム部材)、8…アンクル(回転規制装置)、8A…逆脱進機アンクル(揺動手段)、9…原動車(回転規制装置)、10,10A,10B,10C,10D…圧電駆動装置、20,20A,20B…振動子、22,22A…圧電素子、30,30A,30B,30C…ロータリング(ロータ)、33B…第1ロータ歯車(被回転体)、33C…第2ロータ歯車(被回転体)、34…ロータ伝え歯車(被回転体)、40…第1ロータ伝え歯車(ロータ伝達車)、40A…ロータ伝え歯車(ロータ伝達車)、42…位置決め穴(解放規制部)、43…位置決め板(解放規制部)、50,50B,50C,50D…渦巻ばね(弾性装置)、60…第2ロータ伝え歯車(被回転体)、60A…ガンギ車(被回転体)、60B…従動車(被回転体)、60C…逆脱進機ガンギ車(第2の被回転体)、61…位置決めピン(解放規制部)、63…位置決め穴(解放規制部)、82A,83A…爪(回転規制部)、212,212A…当接部、335…位置決め切欠部(解放規制部)、342…位置決め突出部(解放規制部)。

Claims (16)

  1. 圧電素子を有する振動子と、この振動子により回転されるロータとを有する圧電アクチュエータと、
    前記ロータの回転が伝達されるロータ伝達車と、
    前記ロータからロータ伝達車に伝達された回転エネルギを弾性エネルギとして蓄積可能な弾性装置と、
    この弾性装置に蓄積された弾性エネルギで回転される被回転体とを備え、
    前記弾性装置は、初期たわみを有し、
    前記ロータ伝達車および前記被回転体によって、前記初期たわみを維持する解放規制部が形成され
    前記解放規制部は、前記弾性装置のたわみを増加させる方向のみに、前記ロータ伝達車を回転可能な遊びを有し、
    前記弾性装置の最大たわみ量が、前記解放規制部の遊び量によって設定されている
    ことを特徴とする圧電駆動装置。
  2. 圧電素子を有する振動子と、この振動子により回転されるロータとを有する圧電アクチュエータと、
    前記ロータの回転エネルギを弾性エネルギとして蓄積可能な弾性装置と、
    この弾性装置に蓄積された弾性エネルギで回転される被回転体とを備え、
    前記弾性装置は、初期たわみを有し、
    前記ロータおよび前記被回転体によって、前記初期たわみを維持する解放規制部が形成され
    前記解放規制部は、前記弾性装置のたわみを増加させる方向のみに、前記ロータを回転可能な遊びを有し、
    前記弾性装置の最大たわみ量が、前記解放規制部の遊び量によって設定されている
    ことを特徴とする圧電駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電駆動装置において、
    前記圧電アクチュエータは、ステップ駆動するように構成され、
    前記解放規制部の遊びは、少なくとも前記圧電アクチュエータの1ステップ分の駆動に対応する前記ロータ伝達車または前記ロータの回転量である
    ことを特徴とする圧電駆動装置。
  4. 請求項1から請求項のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記被回転体の回転角度を所定角度に規制する回転規制装置を備えている
    ことを特徴とする圧電駆動装置。
  5. 請求項に記載の圧電駆動装置において、
    前記ロータの回転エネルギが前記弾性装置を介さずに前記回転規制装置に伝達される第1の伝達経路と、
    前記ロータの回転エネルギが前記弾性装置に伝達される第2の伝達経路とを備えることを特徴とする圧電駆動装置。
  6. 請求項または請求項に記載の圧電駆動装置において、
    前記回転規制装置は、前記被回転体と係合されていることを特徴とする圧電駆動装置。
  7. 請求項から請求項のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記被回転体はガンギ車であり、前記回転規制装置はアンクルである
    ことを特徴とする圧電駆動装置。
  8. 請求項に記載の圧電駆動装置において、
    前記アンクルと係合し前記圧電アクチュエータにより駆動されるカム部材を備え、
    このカム部材が1回転した場合に、前記アンクルが1往復動作するように構成されていることを特徴とする圧電駆動装置。
  9. 請求項から請求項のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記被回転体と前記回転規制装置とをゼネバ機構で構成した
    ことを特徴とする圧電駆動装置。
  10. 請求項1から請求項のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記弾性装置は、渦巻ばねであることを特徴とする圧電駆動装置。
  11. 請求項1に記載の圧電駆動装置において、
    前記ロータ伝達車および前記被回転体は、同じ回転軸上に配置され、
    前記弾性装置は、一端が前記ロータ伝達車に係合され、他端が前記被回転体に係合されていることを特徴とする圧電駆動装置。
  12. 請求項2に記載の圧電駆動装置において、
    前記ロータおよび前記被回転体は、同じ回転軸上に配置され、
    前記弾性装置は、一端が前記ロータに係合され、他端が前記被回転体に係合されていることを特徴とする圧電駆動装置。
  13. 請求項1から請求項のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記被回転体によって、第1及び第2の方向に交互に揺動される揺動手段と、
    この揺動手段が前記第1及び第2の方向に揺動する毎に、当該揺動手段によって一定方向に回転される第2の被回転体とを備え、
    前記揺動手段は、前記第2の被回転体の回転角度を一定角度毎に規制する回転規制部を備えていることを特徴とする圧電駆動装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記振動子は、板状に形成されるとともに、前記ロータの外周面に接触する当接部を有して構成され、
    前記振動子および前記ロータのいずれか一方を、前記振動子および前記ロータのいずれか他方に対して押圧する押圧手段を備えていることを特徴とする圧電駆動装置。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載の圧電駆動装置と、前記圧電駆動装置により駆動される被駆動部とを備えることを特徴とする電子機器。
  16. 請求項15に記載の電子機器において、
    前記被駆動部は、計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部であることを特徴とする電子機器。
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