JP2008228374A - 圧電駆動装置、電子時計および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャンパ等の規制手段を設けずに、駆動停止時に外力によってロータが回転することを防止でき、負荷の増大や駆動時間の増大を防止できる圧電駆動装置の提供。
【解決手段】圧電駆動装置10は、圧電アクチュエータ20と、圧電アクチュエータで回転されるロータ30と、ロータを回転自在に支持するロータ案内体320と、振動体21およびロータ30を互いに押圧させる押圧バネ50と、圧電アクチュエータ20の駆動制御装置とを備える。ロータ30または輪列40に、ロータ30が第1の方向に回転することは規制し、第2の方向に回転することは許可するラチェット機構60を設ける。圧電アクチュエータ停止時に加わる外力によってロータを第2の方向に回転させるモーメントに比べて、振動体がロータに押圧して発生する最大静止摩擦力による保持モーメントが常に大きくなるように設定し、静止摩擦力でロータの第2の方向の回転を規制する。
【選択図】図3
【解決手段】圧電駆動装置10は、圧電アクチュエータ20と、圧電アクチュエータで回転されるロータ30と、ロータを回転自在に支持するロータ案内体320と、振動体21およびロータ30を互いに押圧させる押圧バネ50と、圧電アクチュエータ20の駆動制御装置とを備える。ロータ30または輪列40に、ロータ30が第1の方向に回転することは規制し、第2の方向に回転することは許可するラチェット機構60を設ける。圧電アクチュエータ停止時に加わる外力によってロータを第2の方向に回転させるモーメントに比べて、振動体がロータに押圧して発生する最大静止摩擦力による保持モーメントが常に大きくなるように設定し、静止摩擦力でロータの第2の方向の回転を規制する。
【選択図】図3
Description
本発明は、圧電駆動装置、電子時計および電子機器に関する。
電子時計の運針のように一定角度のステップ運動をさせる場合、通常、電磁式のステッピングモータを用いることが一般的であり、電子時計の駆動源として広く用いられている。電磁式ステッピングモータを用いて時刻針(指針)を駆動する場合、磁界の影響によって誤動作したり停止する課題がある。また、駆動力が小さいために、多段の減速輪列を必要とし、小型化に不利であるという課題もある。
これらの課題を解決するために、超音波モータ(圧電アクチュエータ)で指針を駆動する方法が知られている(特許文献1,2参照)。
これらの特許文献1,2では、圧電素子が組み込まれた振動体(ステータ)を、加圧バネで移動体(ロータ)に押圧し、移動体を回転駆動している。
これらの特許文献1,2では、圧電素子が組み込まれた振動体(ステータ)を、加圧バネで移動体(ロータ)に押圧し、移動体を回転駆動している。
しかしながら、このような超音波モータでは、ステップ運動で間欠的に駆動する場合、
静止時は、加圧バネによって振動体(ステータ)と移動体(ロータ)の間に働く押圧力によってのみロータが保持されている。このため、衝撃や振動等の外乱に対してロータが容易にステータから離れてしまうため、衝撃や振動等の外乱によって容易に針飛び・指示ズレが発生してしまうという問題がある。
静止時は、加圧バネによって振動体(ステータ)と移動体(ロータ)の間に働く押圧力によってのみロータが保持されている。このため、衝撃や振動等の外乱に対してロータが容易にステータから離れてしまうため、衝撃や振動等の外乱によって容易に針飛び・指示ズレが発生してしまうという問題がある。
この場合、ジャンパなどの規制手段を設けることによって、針飛び・指示ズレを防ぐことも可能であるが、この場合、負荷の増大および駆動時間の増大を招き、電池寿命が短縮する問題があった。
このような問題は、圧電アクチュエータを用いた電子時計に限らず、様々な電子機器でも同様であった。すなわち、圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れている。このため、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。この圧電アクチュエータは、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、超音波モータ、電子時計、携帯機器等の各種電子機器の分野に応用されているため、上記問題は各種電子機器においても発生することがあった。
本発明の目的は、ジャンパ等の規制手段を設けずに、駆動停止時に外力によってロータが回転してしまうことを防止でき、負荷の増大や駆動時間の増大を防止できる圧電駆動装置、電子時計および電子機器を提供することにある。
本発明は、圧電素子を有しこの圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えた圧電アクチュエータと、この圧電アクチュエータによって回転されるロータと、前記ロータを回転自在に支持し、かつ、ロータを振動体側に押圧させるために揺動可能に設けられたロータ案内体と、前記振動体およびロータを互いに押圧させる押圧手段と、前記圧電アクチュエータへの駆動信号の供給を制御する駆動制御手段とを備えた圧電駆動装置であって、前記ロータからロータによって駆動される駆動対象までのいずれかには、前記ロータが第1の方向に回転することは規制し、第2の方向に回転することは許可するラチェットが設けられ、圧電アクチュエータが停止されている場合に前記ロータを第2の方向に回転させようとする外力が加わった場合には、ロータの回転軸周りのモーメントにおいて、前記外力によってロータを第2の方向に回転させようとするモーメントに比べて、前記押圧手段によって振動体がロータに押圧することで発生する最大静止摩擦力による保持モーメントが常に大きくなるように設定され、前記静止摩擦力によって前記外力によるロータの第2の方向の回転が規制されることを特徴とする。
本発明においては、前記ロータは、第1の方向にはラチェットで回転が規制されるため、圧電アクチュエータの駆動により第2の方向のみに回転される。従って、ロータが停止している状態で、駆動対象側からロータを第1の方向に回転させる外力が加わっても、ロータは前記ラチェットにより回転が規制される。
一方、駆動対象側からロータを第2の方向に回転させる外力が加わった場合、ロータは押圧手段で振動体に押圧されており、その押圧力に基づく静止摩擦力はロータを第2の方向に回転させる外力が増加するに伴って増加し、常に前記外力によってロータを第2の方向に回動させるモーメントに比べて、前記押圧力によって発生する保持モーメントが大きくなり、ロータは静止摩擦力に基づく保持モーメントによって回転が規制される。
従って、ロータは、駆動対象側からの外力によって第1および第2の両方向に回転することが規制され、外力が加わった際のロータの回転を防止することができる。
また、第2の方向の回転規制は静止摩擦力を利用しており、何ら部品を追加する必要が無く、第1の方向の回転規制はラチェットを設けるだけであるため、構成が簡単で小型化も容易に行うことができる。その上、圧電アクチュエータでロータを第2の方向に回転する場合、ジャンパ等の規制手段を設けるとその押圧力が負荷になるが、本発明はラチェットであるため駆動時の負荷も小さくできる。このため、負荷の増大および駆動時間の増大を防止でき、電池寿命の長寿命化も実現できる。
一方、駆動対象側からロータを第2の方向に回転させる外力が加わった場合、ロータは押圧手段で振動体に押圧されており、その押圧力に基づく静止摩擦力はロータを第2の方向に回転させる外力が増加するに伴って増加し、常に前記外力によってロータを第2の方向に回動させるモーメントに比べて、前記押圧力によって発生する保持モーメントが大きくなり、ロータは静止摩擦力に基づく保持モーメントによって回転が規制される。
従って、ロータは、駆動対象側からの外力によって第1および第2の両方向に回転することが規制され、外力が加わった際のロータの回転を防止することができる。
また、第2の方向の回転規制は静止摩擦力を利用しており、何ら部品を追加する必要が無く、第1の方向の回転規制はラチェットを設けるだけであるため、構成が簡単で小型化も容易に行うことができる。その上、圧電アクチュエータでロータを第2の方向に回転する場合、ジャンパ等の規制手段を設けるとその押圧力が負荷になるが、本発明はラチェットであるため駆動時の負荷も小さくできる。このため、負荷の増大および駆動時間の増大を防止でき、電池寿命の長寿命化も実現できる。
本発明において、前記ロータと振動体間の静止摩擦係数をμ、前記ロータの駆動対象側に噛み合う歯車の半径をr1、ロータの振動体に当接する円板部の半径をr2、前記駆動対象側からロータを第2の方向に回転させようとする外力が加わった際にロータと前記振動体との接触部の静止摩擦力の垂直抗力によって前記ロータからロータ案内体に加わる力F2の作用点から前記ロータ案内体の揺動軸までの距離をL2、ロータ案内体の揺動軸から前記力F2の作用点を結ぶ方向に対して直交する方向と前記力F2の方向との角度をθ2、前記駆動対象側からロータを第2の方向に回転させようとする外力が加わった際に、駆動対象側からロータに加わる力によって前記ロータからロータ案内体に加わる力F3の作用点から前記ロータ案内体の揺動軸までの距離をL3、ロータ案内体の揺動軸から前記力F3の作用点を結ぶ方向に対して直交する方向と前記力F3の方向との角度をθ3、と設定した場合、次の式1の条件を満たすように設定されていることが好ましい。
圧電駆動装置のロータ回転軸周りのモーメントに影響する各パラメータを式1のように設定すれば、外力による回転モーメントよりも押圧力に基づく静止摩擦力による保持モーメントを確実に大きくできる。このため、ロータが停止している状態では、ロータを第2の方向に回転させようとする力に対抗する静止摩擦力によるくさび効果を確実に得ることができる。従って、ロータを第1の方向への回転を規制するラチェットと組み合わせることで、圧電アクチュエータの停止状態では、外力によるロータの回転を確実に防止でき、ロータの停止状態を確実に維持できる。
その上、上記式1のパラメータは、圧電駆動装置の設計時に、各部品の寸法や配置などによって容易に設定できる。このため、試作などを行わずに設計でき、開発コストも低減できる。
その上、上記式1のパラメータは、圧電駆動装置の設計時に、各部品の寸法や配置などによって容易に設定できる。このため、試作などを行わずに設計でき、開発コストも低減できる。
本発明において、前記ロータおよびロータ案内体を備えて構成されるロータブロックの重心は、前記ロータ案内体の揺動軸とほぼ一致していることが好ましい。
ロータブロックの重心がロータ案内体の揺動軸にほぼ一致していれば、ロータブロックのアンバランスが略「0」になる。従って、外乱が加わってもロータブロックは影響を受けにくく、押圧手段によるロータおよび振動体の押圧状態を維持することができる。このため、圧電アクチュエータの駆動力を確実にロータに伝達でき、かつ、くさび効果も確実に維持できる。
ロータブロックの重心がロータ案内体の揺動軸にほぼ一致していれば、ロータブロックのアンバランスが略「0」になる。従って、外乱が加わってもロータブロックは影響を受けにくく、押圧手段によるロータおよび振動体の押圧状態を維持することができる。このため、圧電アクチュエータの駆動力を確実にロータに伝達でき、かつ、くさび効果も確実に維持できる。
本発明において、前記ラチェットは、前記ロータから駆動対象までに設けられたいずれかの歯車と一体に回転するラチェット歯車と、揺動軸を中心に揺動可能に設けられて前記ラチェット歯車に係合可能な爪レバーとを備え、前記爪レバーの重心は、爪レバーの揺動軸とほぼ一致していることが好ましい。
爪レバーの重心がその揺動軸とほぼ一致していれば、爪レバーのアンバランスが略「0」となる。従って、外乱が加わった場合でも爪レバーはその影響を受けにくく、爪レバーおよびラチェット歯車の係合状態を確実に維持することができる。このため、ロータや駆動対象が第1の方向に回転することを確実に規制できる。
爪レバーの重心がその揺動軸とほぼ一致していれば、爪レバーのアンバランスが略「0」となる。従って、外乱が加わった場合でも爪レバーはその影響を受けにくく、爪レバーおよびラチェット歯車の係合状態を確実に維持することができる。このため、ロータや駆動対象が第1の方向に回転することを確実に規制できる。
本発明において、前記圧電アクチュエータの駆動量を検出する駆動量検出手段を備え、前記駆動制御手段は、前記圧電アクチュエータの駆動開始後、前記駆動量検出手段によって検出された駆動量が、目標駆動量になったことを検出した場合に前記圧電アクチュエータの駆動を停止することが好ましい。
本発明では、駆動量検出手段を備えているので、圧電アクチュエータを目標駆動量だけ駆動し、駆動停止後は、前記ラチェットおよび静止摩擦力によってロータを確実に停止させることができる。
本発明では、駆動量検出手段を備えているので、圧電アクチュエータを目標駆動量だけ駆動し、駆動停止後は、前記ラチェットおよび静止摩擦力によってロータを確実に停止させることができる。
この際、前記駆動量検出手段は、発光素子および受光素子を備え、前記ロータまたはロータに連動して駆動する駆動対象物等の圧電アクチュエータで駆動される被駆動体が所定の駆動量だけ駆動された際に、発光素子からの光を受光素子で受光していた状態から受光しない状態に変化、または、発光素子からの光を受光素子で受光していない状態から受光する状態に変化することで、被駆動体が所定の駆動量だけ駆動されたことを検出する光センサによって構成されていることが好ましい。
光センサを用いて駆動量を検出すれば、被駆動体に対して非接触で検出でき、負荷になることがないため、圧電アクチュエータの駆動時の消費電力も低減できる。
光センサを用いて駆動量を検出すれば、被駆動体に対して非接触で検出でき、負荷になることがないため、圧電アクチュエータの駆動時の消費電力も低減できる。
また、前記駆動量検出手段は、前記ロータまたはロータに連動して駆動する駆動対象物等の圧電アクチュエータで駆動される被駆動体が所定の駆動量だけ駆動された際に、被駆動体に接触していた状態から非接触状態に変化、または、被駆動体に非接触の状態から接触状態に変化することで、被駆動体が所定の駆動量だけ駆動されたことを検出する接点によって構成されていることが好ましい。
接点によって駆動量を検出すれば、光センサなどのセンサを不要にでき、コストを低減できる。
接点によって駆動量を検出すれば、光センサなどのセンサを不要にでき、コストを低減できる。
さらに、前記駆動量検出手段は、圧電アクチュエータに設けられた検出電極からの検出信号に基づいて駆動量を検出するものでもよい。このような構成であれば、負荷も増大することがなく、光センサなどのセンサも不要にできる。
本発明において、前記圧電アクチュエータは、前記ロータを第2の方向のみに回転可能に構成された片方向駆動タイプであることが好ましい。
片方向駆動タイプは両方向駆動タイプに比べて、駆動効率が高いため、ロータや駆動対象の高効率駆動が可能となる。
片方向駆動タイプは両方向駆動タイプに比べて、駆動効率が高いため、ロータや駆動対象の高効率駆動が可能となる。
本発明において、前記圧電アクチュエータは、前記ロータを第1および第2の両方向に回転可能に構成された両方向駆動タイプであってもよい。
両方向駆動タイプの圧電アクチュエータを用いれば、ロータがオーバーランした場合でも、爪レバーがラチェット歯車の次の歯に係合するまでの間であれば、ロータを逆方向に回転して所定の駆動量に戻すことができる。
両方向駆動タイプの圧電アクチュエータを用いれば、ロータがオーバーランした場合でも、爪レバーがラチェット歯車の次の歯に係合するまでの間であれば、ロータを逆方向に回転して所定の駆動量に戻すことができる。
本発明の電子時計は、前記圧電駆動装置と、この圧電駆動装置で駆動される計時情報表示部とを備えることを特徴とする。
電子時計の計時情報表示部を前記圧電駆動装置で駆動すれば、ステッピングモータを用いた場合に比べて薄型化できるとともに、駆動停止時の外力によるロータの移動を確実に規制できるため、計時情報の表示がずれてしまうことを防止でき、正確な指示を行うことができる。さらに、駆動停止時の指示ズレを防止できるので、外力が加わりやすい携帯型の腕時計や懐中時計などにも適用でき、かつ、ステップ運針のように間欠的な駆動制御を行うことができ、常時駆動し続ける場合に比べて消費電力を大幅に低減でき、持続時間の長い電子時計を提供できる。
この際、前記計時情報表示部は、前記圧電駆動装置で回転駆動される指針を備えて構成されることが好ましい。
圧電駆動装置で駆動される計時情報表示部としては、日車や曜車のようなカレンダー情報を表示するものでもよいが、時針、分針、秒針などの時刻を指示する指針を駆動する場合、指針が停止している際に外力によって針飛びや指示ズレが発生することを防止できる。このため、指示精度の高い電子時計を提供できる。
圧電駆動装置で駆動される計時情報表示部としては、日車や曜車のようなカレンダー情報を表示するものでもよいが、時針、分針、秒針などの時刻を指示する指針を駆動する場合、指針が停止している際に外力によって針飛びや指示ズレが発生することを防止できる。このため、指示精度の高い電子時計を提供できる。
本発明の電子機器は、前記圧電駆動装置と、この圧電駆動装置で駆動される駆動対象とを備えることを特徴とする。
前記圧電駆動装置を電子機器の駆動に用いれば、薄型化できるとともに、外力が加わった際の駆動対象がずれてしまうことを防止でき、正確な動作を行うことができる。
本発明の圧電駆動装置、電子時計および電子機器によれば、ジャンパ等の規制手段を設けずに、駆動停止時に外力によってロータが回転してしまうことを防止でき、負荷の増大や駆動時間の増大を防止できる。
[1.第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、後述する第2実施形態以降では、以下に説明する第1実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、後述する第2実施形態以降では、以下に説明する第1実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
[1−1.全体構成]
図1は、本実施形態における圧電駆動装置を用いた電子機器としての電子時計1の概略構成を示す平面図であり、図2は、電子時計1における圧電駆動装置10を示す断面図である。
なお、図1は、電子時計1の時刻表示側とは反対側(裏蓋側)から見た図であり、この図1において、上方向が電子時計1の3時方向、下方向が9時方向、右方向が12時方向、左方向が6時方向となっている。図2も、電子時計1の時刻表示側を下、裏蓋側を上にした図となっている。
図1は、本実施形態における圧電駆動装置を用いた電子機器としての電子時計1の概略構成を示す平面図であり、図2は、電子時計1における圧電駆動装置10を示す断面図である。
なお、図1は、電子時計1の時刻表示側とは反対側(裏蓋側)から見た図であり、この図1において、上方向が電子時計1の3時方向、下方向が9時方向、右方向が12時方向、左方向が6時方向となっている。図2も、電子時計1の時刻表示側を下、裏蓋側を上にした図となっている。
図1に示すように、電子時計1は、時刻を表示する指針を駆動する圧電駆動装置10と、電池2と、IC5と、水晶チップ6とを備えている。電池2、IC5、水晶チップ6等は、図示しない回路基板に設けられている。
[1−2.圧電駆動装置の構成]
図1〜3に示すように、指針を駆動する圧電駆動装置10は、圧電アクチュエータ20と、ロータ30と、ロータ30の回転を指針まで伝達する駆動伝達手段である輪列40と、ロータ30を圧電アクチュエータ20に押圧する押圧手段である押圧バネ50と、ロータ30や輪列40の回転方向を規制するラチェット(ラチェット機構)60と、圧電アクチュエータ20の駆動量を検出する駆動量検出手段70を備えている。
図1〜3に示すように、指針を駆動する圧電駆動装置10は、圧電アクチュエータ20と、ロータ30と、ロータ30の回転を指針まで伝達する駆動伝達手段である輪列40と、ロータ30を圧電アクチュエータ20に押圧する押圧手段である押圧バネ50と、ロータ30や輪列40の回転方向を規制するラチェット(ラチェット機構)60と、圧電アクチュエータ20の駆動量を検出する駆動量検出手段70を備えている。
[1−2−1.圧電アクチュエータの構成]
圧電アクチュエータ20は、振動体(ステータ)21を備えて構成されている。振動体21は、2枚の長方形かつ板状の圧電素子22の間に、これらの圧電素子22と略同形状であり、かつ圧電素子22よりも肉厚の薄いステンレス鋼等の補強板23を挟んだ積層構造を有している。
圧電素子22としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
圧電アクチュエータ20は、振動体(ステータ)21を備えて構成されている。振動体21は、2枚の長方形かつ板状の圧電素子22の間に、これらの圧電素子22と略同形状であり、かつ圧電素子22よりも肉厚の薄いステンレス鋼等の補強板23を挟んだ積層構造を有している。
圧電素子22としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
振動体21は、一短辺の幅方向端部に当接部25を有している。この当接部25は、補強板23を切断成形する等の方法により得られたものであり、緩やかな曲面を持った先端部分を圧電素子から突出させている。振動体21は、この当接部25の先端をロータ30の外周面に当接させる姿勢を保っている。
なお、本実施形態では、当接部25は、振動体21の幅方向の中心軸に対して偏心した位置に形成されているため、圧電アクチュエータ20は、振動体21の幅方向の重量バランスがアンバランスとされ、屈曲振動が生じやすいように構成されている。
なお、本実施形態では、当接部25は、振動体21の幅方向の中心軸に対して偏心した位置に形成されているため、圧電アクチュエータ20は、振動体21の幅方向の重量バランスがアンバランスとされ、屈曲振動が生じやすいように構成されている。
圧電アクチュエータ20の長手方向の一側面には支持部26が形成されている。支持部26は、補強板23と一体形成されたものである。この支持部26は、地板などにネジ等で固定されている。
また、支持部26には圧電素子用回路基板が取り付けられ、圧電素子22の表面に設けられる駆動電極に、回路基板から伸ばされたリード線が接続され、圧電素子22を駆動可能に構成されている。
また、支持部26には圧電素子用回路基板が取り付けられ、圧電素子22の表面に設けられる駆動電極に、回路基板から伸ばされたリード線が接続され、圧電素子22を駆動可能に構成されている。
[1−2−2.ロータの構成]
圧電アクチュエータ20に当接して駆動されるロータ30は、ロータ案内体320に回転自在に保持されている。このロータ30およびロータ案内体320によってロータブロックが構成されている。
ロータ案内体320は、図3にも示すように、揺動軸321を中心に揺動自在に配置され、押圧手段である押圧バネ50の一端がロータ案内体320に当接されている。
押圧バネ50の他端は地板などに設けられた固定ピン51に係止され、固定ピン51およびロータ案内体320間に配置された押圧バネ50が撓んでロータ案内体320を付勢するようにされている。
このロータ案内体320が押圧手段(押圧バネ50)によって付勢されることで、ロータ30は圧電アクチュエータ20の当接部25に所定の当接力(接触圧)で当接されている。
圧電アクチュエータ20に当接して駆動されるロータ30は、ロータ案内体320に回転自在に保持されている。このロータ30およびロータ案内体320によってロータブロックが構成されている。
ロータ案内体320は、図3にも示すように、揺動軸321を中心に揺動自在に配置され、押圧手段である押圧バネ50の一端がロータ案内体320に当接されている。
押圧バネ50の他端は地板などに設けられた固定ピン51に係止され、固定ピン51およびロータ案内体320間に配置された押圧バネ50が撓んでロータ案内体320を付勢するようにされている。
このロータ案内体320が押圧手段(押圧バネ50)によって付勢されることで、ロータ30は圧電アクチュエータ20の当接部25に所定の当接力(接触圧)で当接されている。
[1−2−3.輪列の構成]
輪列40は、図1,2に示すように、ロータ30のカナ31に噛み合う歯車41と、この歯車41のカナ410に噛み合う2番車42とを備えている。2番車42には筒カナ421が取り付けられ、筒カナ421には分針7が取り付けられている。
2番車42の筒カナ421には、日の裏車43が噛み合い、日の裏車43のカナ431には筒車44が噛み合っている。筒車44には時針8が取り付けられる。これらの各歯車は、地板3および輪列受け4に軸支されている。
なお、秒針を設ける場合には、通常の時計と同様に、3番車、4番車を設けて、2番車42の回転を増速し、4番車と一体に回転する秒カナを筒カナ421内に配置して秒針を取り付ければよい。
輪列40は、図1,2に示すように、ロータ30のカナ31に噛み合う歯車41と、この歯車41のカナ410に噛み合う2番車42とを備えている。2番車42には筒カナ421が取り付けられ、筒カナ421には分針7が取り付けられている。
2番車42の筒カナ421には、日の裏車43が噛み合い、日の裏車43のカナ431には筒車44が噛み合っている。筒車44には時針8が取り付けられる。これらの各歯車は、地板3および輪列受け4に軸支されている。
なお、秒針を設ける場合には、通常の時計と同様に、3番車、4番車を設けて、2番車42の回転を増速し、4番車と一体に回転する秒カナを筒カナ421内に配置して秒針を取り付ければよい。
前記歯車41には、歯車41と一体で回転するラチェット歯車411が設けられている。ラチェット歯車411は、のこぎり状の歯が形成されている。そして、このラチェット歯車411と、ラチェット歯車411の歯に係合可能な爪レバー61と、爪レバー61を押圧する押圧バネ62とでラチェット機構60が構成されている。
爪レバー61は、常時、押圧バネ62で押圧され、前記ラチェット歯車411に噛み合っている。このため、前記歯車41は、図1中時計回り方向には回転可能であるが、反時計回り方向には前記ラチェット歯車411が爪レバー61に係合することで回転不能に規制されている。
従って、ラチェット歯車411、爪レバー61、押圧バネ62を備えたラチェット機構60は、ロータ30や輪列40を第2の方向のみに回転可能とし、第1の方向には回転しないように規制している。ここで、第2の方向は、分針7、時針8を備えた指針が時計回りに移動する方向であり、第1の方向は指針が反時計回りに移動する方向である。図3では、第2の方向は、ロータ30やラチェット歯車411がそれぞれA方向に回転する方向であり、第1の方向は、B方向に回転する方向である。
爪レバー61は、常時、押圧バネ62で押圧され、前記ラチェット歯車411に噛み合っている。このため、前記歯車41は、図1中時計回り方向には回転可能であるが、反時計回り方向には前記ラチェット歯車411が爪レバー61に係合することで回転不能に規制されている。
従って、ラチェット歯車411、爪レバー61、押圧バネ62を備えたラチェット機構60は、ロータ30や輪列40を第2の方向のみに回転可能とし、第1の方向には回転しないように規制している。ここで、第2の方向は、分針7、時針8を備えた指針が時計回りに移動する方向であり、第1の方向は指針が反時計回りに移動する方向である。図3では、第2の方向は、ロータ30やラチェット歯車411がそれぞれA方向に回転する方向であり、第1の方向は、B方向に回転する方向である。
駆動量検出手段70は、圧電アクチュエータ20の駆動量、つまりロータ30や輪列40の回転量を検出するものである。本実施形態では、駆動量検出手段70は、図3に示すように、前記爪レバー61と、この爪レバー61に隣接して設けられた接点71とを備えて構成されている。爪レバー61は、ラチェット歯車411が時計回り方向(A方向=第2の方向)に回転するに伴い揺動軸611を中心に揺動する。
このため、接点71は、爪レバー61がラチェット歯車411に噛み合って係止している状態では爪レバー61に接触し、ラチェット歯車411が回転し、爪レバー61がラチェット歯車411の歯の傾斜面で反時計回り方向に移動した際に、爪レバー61から離れる位置に設けられている。
このため、接点71は、爪レバー61がラチェット歯車411に噛み合って係止している状態では爪レバー61に接触し、ラチェット歯車411が回転し、爪レバー61がラチェット歯車411の歯の傾斜面で反時計回り方向に移動した際に、爪レバー61から離れる位置に設けられている。
ここで、例えば、爪レバー61に電圧VDDを印加しておけば、接点71に爪レバー61が接触した場合には、接点71の出力電圧HはVDDとなる。つまり、H=VDDとなる。一方、接点71に爪レバー61接触していない場合には、接点71の出力電圧HはVDDではなくなる。つまり、H≠VDDとなる。
従って、接点71の出力電圧Hを検出することで、爪レバー61および接点71が接触している状態つまり爪レバー61がラチェット歯車411に係合している状態であるか、接触が離れた状態つまり爪レバー61の係合が解除され、ラチェット歯車411が回転している状態であるかを判断できる。
そして、爪レバー61が接点71に接触している状態(H=VDD)から、接点71から離れた状態(H≠VDD)となり、さらに、接点71に接触している状態(H=VDD)に戻れば、ラチェット歯車411が1ピッチ分回転したことを検出できる。
従って、接点71の出力電圧Hを検出することで、爪レバー61および接点71が接触している状態つまり爪レバー61がラチェット歯車411に係合している状態であるか、接触が離れた状態つまり爪レバー61の係合が解除され、ラチェット歯車411が回転している状態であるかを判断できる。
そして、爪レバー61が接点71に接触している状態(H=VDD)から、接点71から離れた状態(H≠VDD)となり、さらに、接点71に接触している状態(H=VDD)に戻れば、ラチェット歯車411が1ピッチ分回転したことを検出できる。
[1−3.圧電アクチュエータの駆動制御装置および駆動制御方法]
次に、圧電アクチュエータ20の駆動制御手段としての駆動制御装置100の構成を図4に基づいて説明する。
図4において、駆動制御装置100は、発振回路11と、分周回路12と、制御回路13と、駆動信号用の発振回路(駆動信号発振回路)14と、波形成形回路15と、モータ駆動回路(ドライバ)16とを備えている。
次に、圧電アクチュエータ20の駆動制御手段としての駆動制御装置100の構成を図4に基づいて説明する。
図4において、駆動制御装置100は、発振回路11と、分周回路12と、制御回路13と、駆動信号用の発振回路(駆動信号発振回路)14と、波形成形回路15と、モータ駆動回路(ドライバ)16とを備えている。
発振回路11は、時間標準源としての水晶振動子(水晶チップ)6からなる基準発振源を有し、基準パルスを出力する。
分周回路12は、発振回路11から出力された基準パルスを入力し、この基準パルスに基づいて基準信号(例えば1Hzの信号)を生成する。
分周回路12は、発振回路11から出力された基準パルスを入力し、この基準パルスに基づいて基準信号(例えば1Hzの信号)を生成する。
制御回路13は、分周回路12から出力された基準信号に基づいて、駆動信号発振回路14にパルス信号を適宜出力させ、圧電アクチュエータ20を駆動させる。なお、秒針が設けられている場合には、圧電アクチュエータ20を1秒間隔で駆動する必要があるが、秒針が設けられていない本実施形態では、圧電アクチュエータ20を1秒間隔で駆動してもよいが、20秒間隔や30秒間隔あるいは1分間隔など、分針の時刻指示に支障がない間隔で駆動してもよい。
また、制御回路13は、駆動量検出手段70と接続され、駆動量検出手段70をトリガーとして、駆動信号発振回路14にパルス信号を停止させる制御を行ったり、モータ駆動回路16に駆動信号の出力を停止させる制御を行う。ここで、前記爪レバー61が歯車41に係合している状態、つまり爪レバー61が接点71に接触している状態から、歯車41がラチェット歯車411の一歯分(1ピッチ分)回転し、爪レバー61が接点71から一旦離れ、再度、接点71に接触した状態になると、駆動量検出手段70がその接触を検出し、制御回路13は、モータ駆動回路16等を制御して圧電アクチュエータ20の駆動を停止するようになっている。
駆動信号発振回路14は、パルス信号を適宜発生するように制御回路13によって制御されている。
波形成形回路15は、駆動信号発振回路14から出力されたパルス信号を所定のパルス信号に変換する。
モータ駆動回路16は、波形成形回路15から出力された所定のパルス信号によって圧電アクチュエータ20に所定の周波数の駆動電圧を印加させて圧電アクチュエータ20を駆動する。
なお、圧電アクチュエータ20の駆動周波数の制御方法は特に限定せず、例えば、特許文献(特開2006−20445号公報)に開示されているように、圧電素子22へ供給される駆動信号の周波数を、駆動可能な周波数範囲を含む広い範囲でスイープ(変化)させ、確実に圧電アクチュエータ20を駆動させる方法でも良いし、特許文献(特開2006−33912号公報)に開示されているように、圧電素子22に供給される駆動信号の周波数と圧電素子22の振動状態から得られる検出信号との位相差を駆動に適した所定の目標位相差となるように駆動信号の周波数を変更させる方法でも良いし、あらかじめ温度毎に設定された固定周波数で駆動させる方法でも良い。
波形成形回路15は、駆動信号発振回路14から出力されたパルス信号を所定のパルス信号に変換する。
モータ駆動回路16は、波形成形回路15から出力された所定のパルス信号によって圧電アクチュエータ20に所定の周波数の駆動電圧を印加させて圧電アクチュエータ20を駆動する。
なお、圧電アクチュエータ20の駆動周波数の制御方法は特に限定せず、例えば、特許文献(特開2006−20445号公報)に開示されているように、圧電素子22へ供給される駆動信号の周波数を、駆動可能な周波数範囲を含む広い範囲でスイープ(変化)させ、確実に圧電アクチュエータ20を駆動させる方法でも良いし、特許文献(特開2006−33912号公報)に開示されているように、圧電素子22に供給される駆動信号の周波数と圧電素子22の振動状態から得られる検出信号との位相差を駆動に適した所定の目標位相差となるように駆動信号の周波数を変更させる方法でも良いし、あらかじめ温度毎に設定された固定周波数で駆動させる方法でも良い。
また、図4に示すように、制御回路13は、圧電アクチュエータ20から出力される検出信号を検出する。この検出信号は、モータ駆動回路16が振動体21の駆動電極に駆動電圧を印加した結果、振動体21の振動により、電圧印加の対象となっていない検出電極(センサ電極、振動検出電極)から出力される信号である。この検出信号によって、制御回路13は、圧電アクチュエータ20の駆動状況を確認して、駆動周波数制御にフィードバックすることも可能である。
圧電アクチュエータ20が駆動すると、当接部25が補強板23の短辺端部位置に偏心して形成され、かつ、ロータ30に対して所定角度傾斜して当接部25が当接されているため、ロータ30は図3において反時計回り方向(A方向)に回転する。そして、ロータ30の回転に伴い、歯車41が時計回り方向(A方向)に回転し、前記爪レバー61が次の歯に係合するまで回転した時点で圧電アクチュエータ20の駆動が停止する。
この回転によって、時針8、分針7が取り付けられた各歯車が回転する。具体的には、歯車41は360/60=6度分回転する。
この回転によって、時針8、分針7が取り付けられた各歯車が回転する。具体的には、歯車41は360/60=6度分回転する。
[1−4.ロータに加わる力の関係]
次に、以上のような圧電駆動装置10に関し、ロータ案内体320の揺動軸321周りの回転モーメントに関し、説明する。
次に、以上のような圧電駆動装置10に関し、ロータ案内体320の揺動軸321周りの回転モーメントに関し、説明する。
[1−4−1.ロータに外力が加わっていない停止状態]
圧電アクチュエータ20が停止している状態で、輪列40側から外力が加わっておらず、ロータ30が停止している状態では、図3に示すように、ロータ案内体320の揺動軸321周りの回転モーメントのつり合いにより、次の式2が成立する。
圧電アクチュエータ20が停止している状態で、輪列40側から外力が加わっておらず、ロータ30が停止している状態では、図3に示すように、ロータ案内体320の揺動軸321周りの回転モーメントのつり合いにより、次の式2が成立する。
ここで、F1は前記押圧バネ50によってロータ案内体320に加えられる押圧力である。L1はロータ案内体320の揺動軸321の中心から押圧バネ50の作用点までの距離である。θ1は、揺動軸321の中心と前記力F1の作用点を結ぶ直線に直交する方向と前記押圧バネ50による押圧力F1の方向とがなす角度である。
F2は、前記押圧バネ50の押圧力によって、ロータ30が圧電アクチュエータ20の当接部25に当接することの反力によって、ロータ案内体320のロータ30を軸支する部分に加わる力である。L2は、前記力F2が加わる作用点からロータ案内体320の揺動軸321までの距離である。θ2は、揺動軸321の中心と前記力F2の作用点を結ぶ直線に直交する方向と前記力F2の方向とがなす角度である。
なお、r1はロータカナ31のピッチ円の半径であり、r2はロータ30の半径つまりロータ30において当接部25が当接する円板部の半径である。
F2は、前記押圧バネ50の押圧力によって、ロータ30が圧電アクチュエータ20の当接部25に当接することの反力によって、ロータ案内体320のロータ30を軸支する部分に加わる力である。L2は、前記力F2が加わる作用点からロータ案内体320の揺動軸321までの距離である。θ2は、揺動軸321の中心と前記力F2の作用点を結ぶ直線に直交する方向と前記力F2の方向とがなす角度である。
なお、r1はロータカナ31のピッチ円の半径であり、r2はロータ30の半径つまりロータ30において当接部25が当接する円板部の半径である。
この式2を変形すると、F2は式3で表される。
式3で表されるF2は、ステータ先端(当接部25)とロータ30との接触部における静止摩擦力の垂直抗力Nとなる。
一方、図5に示すように、被駆動体側つまり歯車41からロータ30に外力が加わると、ロータ案内体320の揺動軸321周りのモーメントの釣り合いにより、式4が成立する。
ここで、F3は、前記外力によって、ロータ30からロータ案内体320に加わる力である。L3は、前記力F3が加わる作用点からロータ案内体320の揺動軸321までの距離であり、本実施形態ではL2と一致する。θ3は、揺動軸321の中心と前記力F3の作用点を結ぶ直線に直交する方向と前記力F3の方向とがなす角度である。
ここで、F3は、前記外力によって、ロータ30からロータ案内体320に加わる力である。L3は、前記力F3が加わる作用点からロータ案内体320の揺動軸321までの距離であり、本実施形態ではL2と一致する。θ3は、揺動軸321の中心と前記力F3の作用点を結ぶ直線に直交する方向と前記力F3の方向とがなす角度である。
ここで、垂直抗力Nは次の式5で表される。
従って、外力F3が大きくなると垂直抗力Nが大きくなり、静止摩擦力も大きくなる。ここで、ロータ軸周りのモーメントを考えると、F3によってロータ30を第2の方向(A方向)に回そうとするモーメントMF3と、最大静止摩擦力によるモーメントMfricとは式6,7で表される。
そして、外力F3が加わってもロータ30を回転させずに静止摩擦力で保持するくさび効果が得られるようにするためには、常に式8が成立する必要がある。
式8に式6,7を代入すると、式9となる。
この式9を変形してF3の関数で表すと、式10となる。
ここで、外力F3は0より大きいのであるから、式10の関数において、F3>0の領域で常にf(F3)>0となるには、f(F3)の切片が0より大きく、かつ、傾きが0より大きくなることが必要である。そして、切片が0より大きいとは、次の式11が成立することである。
この際、θ1は押圧力の角度であるから常にcosθ1>0となり、切片>0となる。
従って、式12に示すように、傾き>0の条件が満たされれば、最大静止摩擦力によるモーメントMfricが外力によってロータ30を第2の方向(A方向)に回転させようとするモーメントMF3よりも常に大きくなり、くさび効果が得られることになる。
従って、式12に示すように、傾き>0の条件が満たされれば、最大静止摩擦力によるモーメントMfricが外力によってロータ30を第2の方向(A方向)に回転させようとするモーメントMF3よりも常に大きくなり、くさび効果が得られることになる。
[1−5―1.実験例(本実施形態)]
上記式12を満たす本実施形態について検証した。
本実施形態では、
静止摩擦係数μ=0.3、
F1=16.7gf(=1.64×10−1N)、
θ1=3.4deg、
L1=2.187mm、
θ2=50deg、
L2=4.153mm、
θ3=17.1deg、
L3=4.153mm、
r1=0.42mm、
r2=2.00mmに設定されている。
これらの設定値を上記式12に代入して計算すると、上記傾き=1.26となり、0よりも大きいため、式12の条件式を満足することになる。
上記式12を満たす本実施形態について検証した。
本実施形態では、
静止摩擦係数μ=0.3、
F1=16.7gf(=1.64×10−1N)、
θ1=3.4deg、
L1=2.187mm、
θ2=50deg、
L2=4.153mm、
θ3=17.1deg、
L3=4.153mm、
r1=0.42mm、
r2=2.00mmに設定されている。
これらの設定値を上記式12に代入して計算すると、上記傾き=1.26となり、0よりも大きいため、式12の条件式を満足することになる。
本実施形態の圧電駆動装置10において、F3を1gf(=9.8×10−3N)から1gfずつ変化させた場合、式6で求められる最大静止摩擦力によるモーメントMfricと、式7で求められる回転モーメントMF3との変化を図6に示す。
この図6に示すように、上記式12の条件式を満足している本実施形態では、外力F3が変化していっても、常にMfric>MF3となっているので、圧電アクチュエータ20の停止時にロータ30の静止状態が維持されることがわかる。
この図6に示すように、上記式12の条件式を満足している本実施形態では、外力F3が変化していっても、常にMfric>MF3となっているので、圧電アクチュエータ20の停止時にロータ30の静止状態が維持されることがわかる。
[1−5―2.実験例(比較例)]
一方、上記式12の条件を満足しない場合の比較例についても検証した。
図7,8に示すように、比較例の圧電駆動装置10Aは、圧電アクチュエータ20、ロータ30、ロータ案内体320、押圧バネ50を備えている。ロータ案内体320は、揺動軸321を挟んで一方の端部に前記ロータ30が支持され、他方の端部に前記押圧バネ50が当接されている。
一方、上記式12の条件を満足しない場合の比較例についても検証した。
図7,8に示すように、比較例の圧電駆動装置10Aは、圧電アクチュエータ20、ロータ30、ロータ案内体320、押圧バネ50を備えている。ロータ案内体320は、揺動軸321を挟んで一方の端部に前記ロータ30が支持され、他方の端部に前記押圧バネ50が当接されている。
また、比較例では、ロータ30はボールベアリングを用いた軸受を介してロータ案内体320に軸支され、そのため、ロータ30の回転を輪列40に伝達する歯車31が最外周に設けられている。また、ロータ案内体320の形状や、押圧バネ50の向きなども前記第1実施形態と異なる。但し、これらの各部品も機能的には前記第1実施形態と同じである。
なお、比較例では、ロータ30が軸受を介してロータ案内体320に支持されているため、力F2、F3の作用点は、それぞれ軸受とロータ案内体320との接触面部分になる。このため、距離L2、L3は、異なる長さになっている。
なお、比較例では、ロータ30が軸受を介してロータ案内体320に支持されているため、力F2、F3の作用点は、それぞれ軸受とロータ案内体320との接触面部分になる。このため、距離L2、L3は、異なる長さになっている。
比較例では、
静止摩擦係数μ=0.3、
F1=15.5gf(=1.52×10−1N)、
θ1=0deg、
L1=3.816mm、
θ2=38.8deg、
L2=2.71mm、
θ3=8.2deg、
L3=2.998mm、
r1=1.475mm、
r2=1.25mmに設定されている。
これらの設定値を上記式12に代入して計算すると、上記傾き=−2.00となり、0よりも小さいため、式12の条件式を満たさないことになる。
静止摩擦係数μ=0.3、
F1=15.5gf(=1.52×10−1N)、
θ1=0deg、
L1=3.816mm、
θ2=38.8deg、
L2=2.71mm、
θ3=8.2deg、
L3=2.998mm、
r1=1.475mm、
r2=1.25mmに設定されている。
これらの設定値を上記式12に代入して計算すると、上記傾き=−2.00となり、0よりも小さいため、式12の条件式を満たさないことになる。
比較例の圧電駆動装置10Aにおいて、F3を1gf(=9.8×10−3N)から1gfずつ変化させた場合、式6で求められる最大静止摩擦力によるモーメントMfricと、式7で求められる回転モーメントMF3との変化を図9に示す。
この図9に示すように、上記式12の条件式を満たしていない本実施形態では、外力F3が変化して増加すると、最初はMfric>MF3であるが、外力F3が増加するに伴い途中からMfric<MF3に変化する。従って、外力F3が増加すると、圧電アクチュエータ20の停止時にロータ30の静止状態が維持されず、回転してしまうことがわかる。
従って、式12の条件を確認することで、圧電アクチュエータ20の停止時に静止摩擦力によってロータ30の静止状態を維持できるか否かを判定できる。
この図9に示すように、上記式12の条件式を満たしていない本実施形態では、外力F3が変化して増加すると、最初はMfric>MF3であるが、外力F3が増加するに伴い途中からMfric<MF3に変化する。従って、外力F3が増加すると、圧電アクチュエータ20の停止時にロータ30の静止状態が維持されず、回転してしまうことがわかる。
従って、式12の条件を確認することで、圧電アクチュエータ20の停止時に静止摩擦力によってロータ30の静止状態を維持できるか否かを判定できる。
[1−6.第1実施形態の効果]
上述した実施形態では、以下のような効果がある。
(1)圧電アクチュエータ20で駆動されるロータ30や輪列40を備えた駆動対象のいずれかに、ラチェット歯車411、爪レバー61、押圧バネ62からなるラチェット機構60を設けたので、圧電アクチュエータ20で駆動されるロータ30および輪列40を第1の方向には回転することは規制し、第2の方向のみに回転するように設定できる。
その上、ロータ案内体320の揺動軸321周りの各設定、具体的には、前述したように、静止摩擦係数μ、半径r1,r2、距離L2,L3、角度θ2,θ3の設定を前記式12が成立するように設定しているので、ロータ30が静止している状態で、ロータ30を第2の方向に回転させる外力F3が加わっても、ロータ30および当接部25間でその外力に応じたクサビ効果(静止摩擦力)が発生し、ロータ30の回転を停止できる。
すなわち、ロータ30や輪列40が停止している状態で、これらを回転させようとする外力が加わっても、ロータ30を第1の方向に回転させる外力に対しては、前記ラチェット機構60によってその回転を規制でき、ロータ30を第2の方向に回転させる外力に対しては、前記クサビ効果によってその回転を規制できる。
従って、ジャンパなどの規制手段を設けることなく、外力によるロータ30の回転を防止でき、指針の針飛び・指示ズレを防ぐことができる。
また、クサビ効果は、圧電アクチュエータ20、ロータ案内体320、ロータ30、歯車41等の寸法や当接角度などを適切に調整することで得られ、新規部品としてはラチェット機構60を設けるだけでよいので、構成が簡単になり、容易に小型化でき、駆動時の負荷も小さくできる。そのため、電子時計1において、指針駆動時の負荷も減少でき、駆動時間も短縮できて消費電力も低減でき、電池寿命も延長することができる。
上述した実施形態では、以下のような効果がある。
(1)圧電アクチュエータ20で駆動されるロータ30や輪列40を備えた駆動対象のいずれかに、ラチェット歯車411、爪レバー61、押圧バネ62からなるラチェット機構60を設けたので、圧電アクチュエータ20で駆動されるロータ30および輪列40を第1の方向には回転することは規制し、第2の方向のみに回転するように設定できる。
その上、ロータ案内体320の揺動軸321周りの各設定、具体的には、前述したように、静止摩擦係数μ、半径r1,r2、距離L2,L3、角度θ2,θ3の設定を前記式12が成立するように設定しているので、ロータ30が静止している状態で、ロータ30を第2の方向に回転させる外力F3が加わっても、ロータ30および当接部25間でその外力に応じたクサビ効果(静止摩擦力)が発生し、ロータ30の回転を停止できる。
すなわち、ロータ30や輪列40が停止している状態で、これらを回転させようとする外力が加わっても、ロータ30を第1の方向に回転させる外力に対しては、前記ラチェット機構60によってその回転を規制でき、ロータ30を第2の方向に回転させる外力に対しては、前記クサビ効果によってその回転を規制できる。
従って、ジャンパなどの規制手段を設けることなく、外力によるロータ30の回転を防止でき、指針の針飛び・指示ズレを防ぐことができる。
また、クサビ効果は、圧電アクチュエータ20、ロータ案内体320、ロータ30、歯車41等の寸法や当接角度などを適切に調整することで得られ、新規部品としてはラチェット機構60を設けるだけでよいので、構成が簡単になり、容易に小型化でき、駆動時の負荷も小さくできる。そのため、電子時計1において、指針駆動時の負荷も減少でき、駆動時間も短縮できて消費電力も低減でき、電池寿命も延長することができる。
(2)上記式12を満たすか否かで、クサビ効果が得られるか否かを判断できるので、圧電駆動装置10つまり電子時計1を設計した際に、設計データのみでシミュレーションすることで容易に判断できる。従って、実際に圧電駆動装置10の製作を繰り返して実験する必要性が小さくなり、開発コストも低減できる。
(3)駆動量検出手段70は、接点71によって爪レバー61の揺動を検出しているので、ラチェット歯車411が1歯分移動するたびに確実に検出することができる。このため、圧電アクチュエータ20の駆動制御を確実に行うことができる。
〔2.第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について、図10に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した各実施形態と同一または同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略する。
次に本発明の第2実施形態について、図10に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において、前述した各実施形態と同一または同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態は、ロータ案内体320を含むロータブロックの重心と、ロータ案内体320の揺動軸321の中心が一致している点と、爪レバー61の重心と爪レバー61の揺動軸611の中心が一致している点が前記第1実施形態と相違する。
すなわち、ロータ案内体320は、揺動軸321を挟んで一方の端部に前記ロータ30が支持され、他方の端部にはカウンターバランス322が取り付けられている。このカウンターバランス322によって、ロータ30、ロータ案内体320、カウンターバランス322からなるロータブロックの重心位置が、ロータ案内体320の揺動軸321の中心とほぼ一致するように調整されている。
すなわち、ロータ案内体320は、揺動軸321を挟んで一方の端部に前記ロータ30が支持され、他方の端部にはカウンターバランス322が取り付けられている。このカウンターバランス322によって、ロータ30、ロータ案内体320、カウンターバランス322からなるロータブロックの重心位置が、ロータ案内体320の揺動軸321の中心とほぼ一致するように調整されている。
同様に、爪レバー61も、爪部と反対側の端部にはカウンターバランス612が取り付けられて、爪レバー61の重心位置が、爪レバー61の揺動軸611の中心とほぼ一致するように調整されている。
従って、本実施形態では、ロータ案内体320および爪レバー61は、それぞれアンバランスが「0」とされている。
従って、本実施形態では、ロータ案内体320および爪レバー61は、それぞれアンバランスが「0」とされている。
なお、本実施形態では、ロータ30はボールベアリングを用いた軸受を介してロータ案内体320に軸支され、そのため、ロータ30の回転を輪列40に伝達する歯車31が最外周に設けられている。さらに、歯車31に噛み合う歯車41は、ラチェット歯車411や、2番車42に噛み合う歯車410に比べて小径とされている。また、ロータ案内体320の形状や、押圧バネ50の向きなども前記第1実施形態と異なる。但し、これらの各部品も機能的には前記第1実施形態と同じであるため、同一符号を付し、説明を省略する。また、その他の構成は、前記第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
このような本実施形態においても、前記式12を満足する条件に設定されているため、静止摩擦力が回転モーメントよりも大きくなり、クサビ効果が働くため、停止状態のロータ30を確実に停止させておくことができる。
なお、ロータ30が軸受を介してロータ案内体320に支持されているため、力F2、F3の作用点は、それぞれ軸受とロータ案内体320との接触面部分になる。このため、距離L2、L3は、異なる長さになっている。
なお、ロータ30が軸受を介してロータ案内体320に支持されているため、力F2、F3の作用点は、それぞれ軸受とロータ案内体320との接触面部分になる。このため、距離L2、L3は、異なる長さになっている。
[第2実施形態の効果]
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(2−1)ロータ案内体320の重心位置が回転中心とずれていて、アンバランスの状態では、圧電駆動装置10に外乱が加わると、ロータ案内体320はその影響を受けやすく、押圧バネ50で押圧されていてもロータ30が当接部25から離れてしまう可能性が高まる。
これに対し、本実施形態では、ロータ案内体320のアンバランスが略「0」と設定されているので、外乱が加わった場合でもその影響を受けにくく、押圧バネ50によってロータ30および当接部25の押圧状態を維持することができる。このため、圧電アクチュエータ20の回転を確実にロータ30に伝達でき、かつ、くさび効果も確実に維持できて針飛びや、指示ズレを確実に防止できる。
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(2−1)ロータ案内体320の重心位置が回転中心とずれていて、アンバランスの状態では、圧電駆動装置10に外乱が加わると、ロータ案内体320はその影響を受けやすく、押圧バネ50で押圧されていてもロータ30が当接部25から離れてしまう可能性が高まる。
これに対し、本実施形態では、ロータ案内体320のアンバランスが略「0」と設定されているので、外乱が加わった場合でもその影響を受けにくく、押圧バネ50によってロータ30および当接部25の押圧状態を維持することができる。このため、圧電アクチュエータ20の回転を確実にロータ30に伝達でき、かつ、くさび効果も確実に維持できて針飛びや、指示ズレを確実に防止できる。
(2−2)また、爪レバー61の重心位置が回転中心とずれていて、アンバランスの状態では、圧電駆動装置10に外乱が加わると、爪レバー61はその影響を受けやすく、押圧バネ62で押圧されていても爪レバー61がラチェット歯車411から離れてしまう可能性が高まる。
これに対し、本実施形態では、爪レバー61のアンバランスが略「0」と設定されているので、外乱が加わった場合でもその影響を受けにくく、押圧バネ62によって爪レバー61およびラチェット歯車411の係合状態を確実に維持することができる。このため、ロータ30や輪列40が第1の方向に回転することを確実に規制でき、くさび効果との協働により針飛びや、指示ズレを確実に防止できる。
これに対し、本実施形態では、爪レバー61のアンバランスが略「0」と設定されているので、外乱が加わった場合でもその影響を受けにくく、押圧バネ62によって爪レバー61およびラチェット歯車411の係合状態を確実に維持することができる。このため、ロータ30や輪列40が第1の方向に回転することを確実に規制でき、くさび効果との協働により針飛びや、指示ズレを確実に防止できる。
〔3.第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について、図11に基づいて説明する。
前記第1および第2実施形態では、圧電アクチュエータ20として、当接部25が補強板23の短辺端部に偏心して配置され、ロータ30を常に一方向に回転させる片方向駆動タイプを利用していた。
これに対し、本実施形態の圧電アクチュエータ20は、ロータ30を両方向に回転可能な両方向駆動タイプを用いている。すなわち、圧電アクチュエータ20は、例えば、当接部25が補強板23の短辺幅方向中央部に突設され、かつ、圧電素子上に形成される駆動電極が5分割されて構成される。
このような圧電アクチュエータ20では、幅方向の中央部に設けられた駆動電極201と、その駆動電極201を挟んで対角線上に配置された2組の駆動電極202,203の一方の組に駆動信号を加えることで、ロータ30を所定方向に回転し、前記幅方向の中央部に設けられた駆動電極201と、その駆動電極を挟んで対角線上に配置された2組の駆動電極202,203の他方の組に駆動信号を加えることで、ロータ30を前記とは反対方向に回転することができる。
次に本発明の第3実施形態について、図11に基づいて説明する。
前記第1および第2実施形態では、圧電アクチュエータ20として、当接部25が補強板23の短辺端部に偏心して配置され、ロータ30を常に一方向に回転させる片方向駆動タイプを利用していた。
これに対し、本実施形態の圧電アクチュエータ20は、ロータ30を両方向に回転可能な両方向駆動タイプを用いている。すなわち、圧電アクチュエータ20は、例えば、当接部25が補強板23の短辺幅方向中央部に突設され、かつ、圧電素子上に形成される駆動電極が5分割されて構成される。
このような圧電アクチュエータ20では、幅方向の中央部に設けられた駆動電極201と、その駆動電極201を挟んで対角線上に配置された2組の駆動電極202,203の一方の組に駆動信号を加えることで、ロータ30を所定方向に回転し、前記幅方向の中央部に設けられた駆動電極201と、その駆動電極を挟んで対角線上に配置された2組の駆動電極202,203の他方の組に駆動信号を加えることで、ロータ30を前記とは反対方向に回転することができる。
このような本実施形態においても、圧電アクチュエータ20は、例えば1秒間隔で駆動され、ラチェット歯車411が1ピッチ分回転し、爪レバー61が揺動して接点71がオフ→オン→オフと変化した時点で圧電アクチュエータ20を停止する。この際、ロータ30が第2の方向に回転するように圧電アクチュエータ20を制御する。
これにより、輪列40が1秒ごとに所定角度回転し、各指針がステップ運針する。
これにより、輪列40が1秒ごとに所定角度回転し、各指針がステップ運針する。
また、前記圧電アクチュエータ20の駆動時に、ロータ30がオーバーランした場合、前記圧電アクチュエータ20を逆方向に駆動してロータ30の回転を戻すこともできる。但し、ラチェット機構60が設けられているため、爪レバー61がラチェット歯車411において次の歯に係止してしまうとロータ30を逆方向に戻すことができない。すなわち、ロータ30のオーバーランが、ラチェット歯車411の1ピッチ分以内の場合に、前記爪レバー61がラチェット歯車411に係止してロータ30が第1の方向に回転できなくなるまで、そのオーバーランを戻すことができる。
[第3実施形態の効果]
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(3−1)圧電アクチュエータ20が両方向駆動タイプであるため、ロータ30を両方向に回転できる。このため、ロータ30がオーバーランしても、ラチェット機構60でロータ30が回転できなくなるところまでロータ30を戻すことができ、指針の指示位置の精度を向上できる。
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(3−1)圧電アクチュエータ20が両方向駆動タイプであるため、ロータ30を両方向に回転できる。このため、ロータ30がオーバーランしても、ラチェット機構60でロータ30が回転できなくなるところまでロータ30を戻すことができ、指針の指示位置の精度を向上できる。
〔4.第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態について、図12に基づいて説明する。
前記実施形態では、駆動量検出手段70として、前記爪レバー61の揺動に伴い接触する接点71を設け、この接点71による電圧変動を検出してラチェット歯車411やロータ30の回転を検出するものを利用していた。
これに対し、本実施形態では、ロータ30や輪列40に連動する接点ばねを設け、その接点ばねの位置で前記ロータ30や輪列40の回転を検出し、圧電アクチュエータ20の駆動を制御する駆動量検出手段70Aを用いている点が相違する。その他の構成は前記実施形態と同様であるため説明を省略する。
次に本発明の第4実施形態について、図12に基づいて説明する。
前記実施形態では、駆動量検出手段70として、前記爪レバー61の揺動に伴い接触する接点71を設け、この接点71による電圧変動を検出してラチェット歯車411やロータ30の回転を検出するものを利用していた。
これに対し、本実施形態では、ロータ30や輪列40に連動する接点ばねを設け、その接点ばねの位置で前記ロータ30や輪列40の回転を検出し、圧電アクチュエータ20の駆動を制御する駆動量検出手段70Aを用いている点が相違する。その他の構成は前記実施形態と同様であるため説明を省略する。
具体的には、駆動量検出手段70Aは、歯車41と一体に設けられた歯車412に噛み合って回転する伝え歯車72と、この伝え歯車72によって回転する接点ばね73と、この接点ばね73が接触可能な駆動量検出回路基板74とを備えている。
伝え歯車72および接点ばね73は、歯車41の回転を2倍に増速しており、歯車41つまりラチェット歯車411が1回転する間に、接点ばね73は2回転するように構成されている。
伝え歯車72および接点ばね73は、歯車41の回転を2倍に増速しており、歯車41つまりラチェット歯車411が1回転する間に、接点ばね73は2回転するように構成されている。
接点ばね73は、回転軸部分から互いに反対方向に突出された第1接点部731および第2接点部732を備えている。ここで、接点ばね73の回転中心から第1接点部731までの距離は、回転中心から第2接点部73までの距離よりも短くされている。すなわち、第1接点部731の回転軌跡は、第2接点部732の回転軌跡の内側に形成されるように設定されている。
駆動量検出回路基板74は、前記第2接点部732の回転軌跡に沿って円弧状に形成された第1回路パターン741と、第1回路パターン741の内側に沿って形成された第2回路パターン742と、第2回路パターン742の内側に沿って形成された第3回路パターン743とを備えている。
第1回路パターン741は、各パターン742,743の出力端子H1,H2が形成された部分を除いて、ほぼ全周に渡って形成され、前記第2接点部732が接触可能に設けられている。なお、各出力端子H1,H2は、第2接点部732の回転軌跡上に形成されているので、第2接点部732が接触可能に設けられている。
さらに、第1回路パターン741には、各出力端子H1,H2に対して接点ばね73の回転中心を挟んだ点対称位置に形成された突出部7411が設けられている。突出部7411は、前記第2接点部732の回転軌跡上まで延長され、第2接点部732が接触可能に設けられている。
従って、接点ばね73の第2接点部732が各出力端子H1,H2に接触している際に、前記突出部7411に第1接点部731が接触することになる。
第1回路パターン741は、各パターン742,743の出力端子H1,H2が形成された部分を除いて、ほぼ全周に渡って形成され、前記第2接点部732が接触可能に設けられている。なお、各出力端子H1,H2は、第2接点部732の回転軌跡上に形成されているので、第2接点部732が接触可能に設けられている。
さらに、第1回路パターン741には、各出力端子H1,H2に対して接点ばね73の回転中心を挟んだ点対称位置に形成された突出部7411が設けられている。突出部7411は、前記第2接点部732の回転軌跡上まで延長され、第2接点部732が接触可能に設けられている。
従って、接点ばね73の第2接点部732が各出力端子H1,H2に接触している際に、前記突出部7411に第1接点部731が接触することになる。
第2回路パターン742および第3回路パターン743は、第1接点部731の回転軌跡の外周および内周に沿ってそれぞれ略円弧状に形成され、さらに前記回転軌跡部分に向かって交互に突出する接触部7422、7432を備えている。
各接触部7422、7432は、約12度間隔で配置されている。このため、ラチェット歯車411が6度回転した際に、接点ばね73は12度回転し、接触部7422、7432の一方に接触していた第1接点部731は、接触部7422、7432の他方に接触することになる。そして、第2接点部732は電源電圧VDDに接続された第1回路パターン741に接触している。
このため、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時(1秒間隔の駆動時)に出力端子H1がVDDの場合、接点ばね73が12度回転すると、出力端子H2がVDDとなるため、その変化でラチェット歯車411が1ピッチ分回転したことが検出できる。
同様に、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時(1秒間隔の駆動時)に出力端子H2がVDDの場合、接点ばね73が12度回転すると、出力端子H1がVDDとなるため、その変化でラチェット歯車411が1ピッチ分回転したことが検出できる。
各接触部7422、7432は、約12度間隔で配置されている。このため、ラチェット歯車411が6度回転した際に、接点ばね73は12度回転し、接触部7422、7432の一方に接触していた第1接点部731は、接触部7422、7432の他方に接触することになる。そして、第2接点部732は電源電圧VDDに接続された第1回路パターン741に接触している。
このため、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時(1秒間隔の駆動時)に出力端子H1がVDDの場合、接点ばね73が12度回転すると、出力端子H2がVDDとなるため、その変化でラチェット歯車411が1ピッチ分回転したことが検出できる。
同様に、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時(1秒間隔の駆動時)に出力端子H2がVDDの場合、接点ばね73が12度回転すると、出力端子H1がVDDとなるため、その変化でラチェット歯車411が1ピッチ分回転したことが検出できる。
[第4実施形態の効果]
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(4−1)駆動量検出手段70Aとして、伝え歯車72、接点ばね73、駆動量検出回路基板74を備えるものを用いたので、接点71を利用した駆動量検出手段70に比べて高精度に駆動量を検出することができる。すなわち、爪レバー61の変位量は小さいため、接点71と接触したり、離れたりするタイミングが多少変動する可能性がある。これに対し、駆動量検出手段70Aでは、ラチェット歯車411の回転に連動して回転する接点ばね73を用いているので、ラチェット歯車411の回転タイミングに対する駆動量検出手段70Aの検出タイミングを一定にでき、圧電アクチュエータ20の停止タイミングも一定にできる。
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(4−1)駆動量検出手段70Aとして、伝え歯車72、接点ばね73、駆動量検出回路基板74を備えるものを用いたので、接点71を利用した駆動量検出手段70に比べて高精度に駆動量を検出することができる。すなわち、爪レバー61の変位量は小さいため、接点71と接触したり、離れたりするタイミングが多少変動する可能性がある。これに対し、駆動量検出手段70Aでは、ラチェット歯車411の回転に連動して回転する接点ばね73を用いているので、ラチェット歯車411の回転タイミングに対する駆動量検出手段70Aの検出タイミングを一定にでき、圧電アクチュエータ20の停止タイミングも一定にできる。
(4−2)さらに、伝え歯車72を用いて増速しているので、駆動量検出手段70Aの分解能を向上でき、前記出力端子H1,H2の電圧変動のタイミングをより精度良く検出できる。
〔5.第5実施形態〕
次に本発明の第5実施形態について、図13に基づいて説明する。
本実施形態は、駆動量検出手段70Bとして、前記爪レバー61に延長部613を設け、この延長部613に接触可能な接点76を設けたものである。その他の構成は前記実施形態と同一であるため説明を省略する。
次に本発明の第5実施形態について、図13に基づいて説明する。
本実施形態は、駆動量検出手段70Bとして、前記爪レバー61に延長部613を設け、この延長部613に接触可能な接点76を設けたものである。その他の構成は前記実施形態と同一であるため説明を省略する。
駆動量検出手段70Bの延長部613は、爪レバー61の爪部に対し、揺動軸611を挟んで反対側から延長して形成され、かつ、その長さは、爪部に対して数倍とされている。このため、延長部613は、爪部の移動量に比べて数倍大きく移動することになる。
爪レバー61は回転軸を通して電源電圧VDDが印加されている。このため、爪レバー61がラチェット歯車411に係合している圧電アクチュエータ20の駆動スタート時には、接点76の電位はVDD以外とされている。そして、圧電アクチュエータ20の駆動に伴い、ロータ30、輪列40が回転すると、爪レバー61がラチェットの歯に沿って移動し、延長部613が接点76に接触し、接点76の電位がVDDとなる。さらに、ロータ30が回転すると、爪レバー61が次のラチェットの歯に係合し、延長部613が接点76から離れ、接点76の電位がVDD以外となる。
従って、駆動量検出手段70Bにおいては、接点76の電位がVDD以外の状態から、一旦、VDDとなり、再度VDD以外となった時点で、ロータ30が所定角度移動したことが検出されるので、圧電アクチュエータ20の駆動を停止すればよい。
従って、駆動量検出手段70Bにおいては、接点76の電位がVDD以外の状態から、一旦、VDDとなり、再度VDD以外となった時点で、ロータ30が所定角度移動したことが検出されるので、圧電アクチュエータ20の駆動を停止すればよい。
[第5実施形態の効果]
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(5−1)駆動量検出手段70Bとして、接点76と、この接点76に接触可能な延長部613を有する爪レバー61とを用いたので、接点71を利用した駆動量検出手段70に比べて高精度に駆動量を検出することができる。すなわち、爪レバー61の変位量は小さくても、延長部613の変位量は大きくなるため、接点76と接触したり、離れたりするタイミングの精度を向上できる。
また、爪レバー61の形状を変更するだけで対応できるので、構造も簡易であるため、コストの増加も押さえることができる。
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(5−1)駆動量検出手段70Bとして、接点76と、この接点76に接触可能な延長部613を有する爪レバー61とを用いたので、接点71を利用した駆動量検出手段70に比べて高精度に駆動量を検出することができる。すなわち、爪レバー61の変位量は小さくても、延長部613の変位量は大きくなるため、接点76と接触したり、離れたりするタイミングの精度を向上できる。
また、爪レバー61の形状を変更するだけで対応できるので、構造も簡易であるため、コストの増加も押さえることができる。
〔6.第6実施形態〕
次に本発明の第6実施形態について、図14に基づいて説明する。
本実施形態は、駆動量検出手段70Cとして、光センサを利用したものである。その他の構成は前記実施形態と同一であるため説明を省略する。
次に本発明の第6実施形態について、図14に基づいて説明する。
本実施形態は、駆動量検出手段70Cとして、光センサを利用したものである。その他の構成は前記実施形態と同一であるため説明を省略する。
駆動量検出手段70Cは、歯車41と一体の歯車412に噛み合って回転する伝え歯車72と、この伝え歯車72によって回転する検出用円板77と、2つの光センサ78,79を備えて構成されている。
各光センサ78,79は、図15に示すように、発光素子である発光ダイオード(LED)78A,79Aと、受光素子であるフォトトランジスタ(Tr)78B,79Bとを備えている。
LED78A,79Aおよびフォトトランジスタ78B,79Bは、それぞれ検出用円板77を挟んで対向配置されている。このため、図15(A)に示すように、検出用円板77に係止された貫通孔771が前記LED78A、79Aおよびフォトトランジスタ78B、79B間に配置されている場合には、光センサ78、79の出力が「Hi」となる。一方、図15(B)に示すように、貫通孔771が光センサ78や光センサ79部分に無い場合には、検出用円板77で光が遮断されるため、各センサ出力は「Lo」となる。
各光センサ78,79は、図15に示すように、発光素子である発光ダイオード(LED)78A,79Aと、受光素子であるフォトトランジスタ(Tr)78B,79Bとを備えている。
LED78A,79Aおよびフォトトランジスタ78B,79Bは、それぞれ検出用円板77を挟んで対向配置されている。このため、図15(A)に示すように、検出用円板77に係止された貫通孔771が前記LED78A、79Aおよびフォトトランジスタ78B、79B間に配置されている場合には、光センサ78、79の出力が「Hi」となる。一方、図15(B)に示すように、貫通孔771が光センサ78や光センサ79部分に無い場合には、検出用円板77で光が遮断されるため、各センサ出力は「Lo」となる。
ここで、検出用円板77には、同心円状に配置された8個の貫通孔771が形成されている。これらの貫通孔771は等間隔つまり45度間隔で配置されている。
一方、各光センサ78,79は、貫通孔771と同心円上に配置され、かつ、光センサ78,79の中心位置と検出用円板77の回転中心を結ぶ中心角が22.5度となる位置に配置されている。
さらに、ラチェット歯車411は30個のノコギリ歯を備えており、1ステップの駆動で12度回転するように設定され、検出用円板77は1.875倍に増速されて1ステップで22.5度回転するように設定されている。
一方、各光センサ78,79は、貫通孔771と同心円上に配置され、かつ、光センサ78,79の中心位置と検出用円板77の回転中心を結ぶ中心角が22.5度となる位置に配置されている。
さらに、ラチェット歯車411は30個のノコギリ歯を備えており、1ステップの駆動で12度回転するように設定され、検出用円板77は1.875倍に増速されて1ステップで22.5度回転するように設定されている。
そして、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時に、光センサ78の出力が「Hi」で光センサ79の出力が「Lo」の場合には、光センサ78の出力が「Lo」で光センサ79の出力が「Hi」となるまで圧電アクチュエータ20を駆動すればよい。
一方、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時に、光センサ78の出力が「Lo」で光センサ79の出力が「Hi」の場合には、光センサ78の出力が「Hi」で光センサ79の出力が「Lo」となるまで圧電アクチュエータ20を駆動すればよい。
これにより、検出用円板77が24度回転したこと、つまりラチェット歯車411が12度回転したことが検出され、圧電アクチュエータ20の1ステップ分の駆動量を精度良く検出できる。
一方、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時に、光センサ78の出力が「Lo」で光センサ79の出力が「Hi」の場合には、光センサ78の出力が「Hi」で光センサ79の出力が「Lo」となるまで圧電アクチュエータ20を駆動すればよい。
これにより、検出用円板77が24度回転したこと、つまりラチェット歯車411が12度回転したことが検出され、圧電アクチュエータ20の1ステップ分の駆動量を精度良く検出できる。
[第6実施形態の効果]
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(6−1)駆動量検出手段70Cとして、光センサ78,79を用いたので、検出用円板77に対して非接触で駆動量を検出できる。このため、圧電アクチュエータ20に加わる負荷の増大を押さえることができ、消費電力の低減を図ることができる。
さらに、ラチェット歯車411に連動する検出用円板77を用いているので、ラチェット歯車411の回転タイミングに対する駆動量検出手段70Cの検出タイミングを一定にでき、圧電アクチュエータ20の停止タイミングも一定にできる。
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(6−1)駆動量検出手段70Cとして、光センサ78,79を用いたので、検出用円板77に対して非接触で駆動量を検出できる。このため、圧電アクチュエータ20に加わる負荷の増大を押さえることができ、消費電力の低減を図ることができる。
さらに、ラチェット歯車411に連動する検出用円板77を用いているので、ラチェット歯車411の回転タイミングに対する駆動量検出手段70Cの検出タイミングを一定にでき、圧電アクチュエータ20の停止タイミングも一定にできる。
(6−2)さらに、伝え歯車72を用いて増速しているので、駆動量検出手段70Cの分解能を向上でき、前記光センサ78,79の信号出力変動のタイミングをより精度良く検出できる。
〔7.第7実施形態〕
次に本発明の第7実施形態について、図16に基づいて説明する。
本実施形態は、駆動量検出手段70Dとして、前記爪レバー61に延長部613を設け、この延長部613の揺動位置を検出する光センサ78,79を用いたものである。その他の構成は前記実施形態と同一であるため説明を省略する。
次に本発明の第7実施形態について、図16に基づいて説明する。
本実施形態は、駆動量検出手段70Dとして、前記爪レバー61に延長部613を設け、この延長部613の揺動位置を検出する光センサ78,79を用いたものである。その他の構成は前記実施形態と同一であるため説明を省略する。
駆動量検出手段70Dの延長部613は、爪レバー61の爪部に対し、揺動軸611を挟んで反対側から延長して形成され、かつ、その長さは、爪部に対して数倍とされている。このため、延長部613は、爪部の移動量に比べて数倍大きく移動することになる。
各光センサ78,79は、第6実施形態と同じものであり、発光素子である発光ダイオード(LED)と、受光素子であるフォトトランジスタとを備えている。
LEDおよびフォトトランジスタは、それぞれ延長部613を挟んで対向配置されている。そして、延長部613には、貫通孔6131が形成されており、爪レバー61の爪部がラチェット歯車411に係合している状態では、貫通孔6131は光センサ78の部分に位置し、光センサ78の出力が「Hi」となり、光センサ79の出力は「Lo」となる。一方、ラチェット歯車411が回転すると、貫通孔6131が光センサ79の部分に位置し、光センサ79の出力が「Hi」となり、光センサ78の出力は「Lo」となる。
各光センサ78,79は、第6実施形態と同じものであり、発光素子である発光ダイオード(LED)と、受光素子であるフォトトランジスタとを備えている。
LEDおよびフォトトランジスタは、それぞれ延長部613を挟んで対向配置されている。そして、延長部613には、貫通孔6131が形成されており、爪レバー61の爪部がラチェット歯車411に係合している状態では、貫通孔6131は光センサ78の部分に位置し、光センサ78の出力が「Hi」となり、光センサ79の出力は「Lo」となる。一方、ラチェット歯車411が回転すると、貫通孔6131が光センサ79の部分に位置し、光センサ79の出力が「Hi」となり、光センサ78の出力は「Lo」となる。
従って、圧電アクチュエータ20の駆動スタート時に、光センサ78の出力が「Hi」で光センサ79の出力が「Lo」の状態から、光センサ78の出力が「Lo」で光センサ79の出力が「Hi」となった後、再度、光センサ78の出力が「Hi」で光センサ79の出力が「Lo」の状態になった時点で圧電アクチュエータ20を停止すればよい。
[第7実施形態の効果]
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(7−1)駆動量検出手段70Dとして、延長部613を有する爪レバー61と、光センサ78,79を用いたので、接点71を利用した駆動量検出手段70に比べて高精度に駆動量を検出することができる。すなわち、爪レバー61の変位量は小さくても、延長部613の変位量は大きくなるため、光センサ78,79で検出するタイミングの精度を向上できる。
また、爪レバー61の形状を変更するだけで対応できるので、構造も簡易であるため、コストの増加も押さえることができる。
このような本実施形態においては、前記実施形態と同じ作用効果を奏することができる上、次の効果が得られる。
(7−1)駆動量検出手段70Dとして、延長部613を有する爪レバー61と、光センサ78,79を用いたので、接点71を利用した駆動量検出手段70に比べて高精度に駆動量を検出することができる。すなわち、爪レバー61の変位量は小さくても、延長部613の変位量は大きくなるため、光センサ78,79で検出するタイミングの精度を向上できる。
また、爪レバー61の形状を変更するだけで対応できるので、構造も簡易であるため、コストの増加も押さえることができる。
(7−2)さらに、光センサ78,79を用いたので、爪レバー61に対して非接触で駆動量を検出できる。このため、圧電アクチュエータ20に加わる負荷の増大を押さえることができ、消費電力の低減を図ることができる。
〔8.変形例〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、圧電アクチュエータの構成としては、略矩形板状に形成されたものに限らず、平面略菱形の板状に形成されたものや、平面略平行四辺形の板状に形成されたものなどでもよい。さらには、トラス形状に形成された圧電アクチュエータを用いてもよい。すなわち、圧電アクチュエータの具体的な構成は実施にあたって適宜設定すればよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、圧電アクチュエータの構成としては、略矩形板状に形成されたものに限らず、平面略菱形の板状に形成されたものや、平面略平行四辺形の板状に形成されたものなどでもよい。さらには、トラス形状に形成された圧電アクチュエータを用いてもよい。すなわち、圧電アクチュエータの具体的な構成は実施にあたって適宜設定すればよい。
また、押圧手段は、ばね等の機械的な手段に限定されず、例えば、磁力等を利用した押圧手段を用いてもよい。
前記各実施形態では、ラチェット機構60の揺動軸611は、ロータ30に噛み合う歯車41に一体に形成していたが、例えば、ロータ30に一体に形成してもよいし、他の歯車に一体に形成してもよい。要するに、ラチェット機構60は、ロータ30や、駆動対象までに設けられる輪列40のいずれかに設ければよい。
駆動量検出手段の構成も前記各実施形態のものに限らない。例えば、圧電アクチュエータ20に検出電極を設け、その検出電極から出力される検出信号を利用して圧電アクチュエータ20の駆動量を検出してもよいし、他の検出手段を用いてもよい。
駆動対象(被駆動体)としては、回転駆動される歯車に限らず、ロータ30などを介して直線的に移動するスライダ等の直線運動可能な移動体でもよい。
また、本発明は、前記実施形態の電子時計1に適用されるものに限らない。すなわち、本発明の圧電駆動装置を採用した電子機器としては、腕時計、置時計、柱時計等の電子時計に限らず、各種の電子機器に本発明が適用可能であり、特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた電話、携帯電話、非接触ICカード、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ等が例示できる。また、時計機能を備えないカメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明を用いることができる。さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、可動玩具やマイクロロボットの駆動機構、自動車等のインパネ(instrumental panel)のメータ指針の駆動機構、圧電ブザー、プリンタのインクジェットヘッド、超音波モータ等に本発明の圧電駆動装置を用いてもよい。要するに圧電アクチュエータで駆動される駆動対象を有する各種の電子機器に適用できる。
また、前記実施形態では、圧電アクチュエータ20を電子時計1の指針の駆動に用いていたが、これに限らず、電子時計1の日車などのカレンダー機構の駆動に用いてもよい。このようにすれば、通常、指針や日車などを駆動するステッピングモータを圧電アクチュエータに置き換えることで、電子時計1の一層の薄型化が実現できるとともに、圧電アクチュエータがステッピングモータよりも磁性の影響を受けにくいことから、電子時計の高耐磁化をも図ることができる。
さらに、からくり時計のからくり、例えば時刻にあわせて人形などが動くからくり時計において、人形の駆動源として圧電アクチュエータを用いてもよい。
さらに、からくり時計のからくり、例えば時刻にあわせて人形などが動くからくり時計において、人形の駆動源として圧電アクチュエータを用いてもよい。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1…電子時計、7…分針、8…時針、10…圧電駆動装置、13…制御回路、20…圧電アクチュエータ、21…振動体(ステータ)、22…圧電素子、23…補強板、25…当接部、30…ロータ、31…ロータカナ(歯車)、40…輪列、41…歯車、42…2番車、50…押圧バネ、60…ラチェット機構(ラチェット)、61…爪レバー、62…押圧バネ、70,70A,70B,70C,70D…駆動量検出手段、71…接点、72…伝え歯車、73…接点ばね、74…駆動量検出回路基板、76…接点、77…検出用円板、78,79…光センサ、100…駆動制御装置、320…ロータ案内体、321…揺動軸、411…ラチェット歯車、611…揺動軸、613…延長部。
Claims (10)
- 圧電素子を有しこの圧電素子への駆動信号の供給により振動する振動体を備えた圧電アクチュエータと、
この圧電アクチュエータによって回転されるロータと、
前記ロータを回転自在に支持し、かつ、ロータを振動体側に押圧させるために揺動可能に設けられたロータ案内体と、
前記振動体およびロータを互いに押圧させる押圧手段と、
前記圧電アクチュエータへの駆動信号の供給を制御する駆動制御手段とを備えた圧電駆動装置であって、
前記ロータからロータによって駆動される駆動対象までのいずれかには、前記ロータが第1の方向に回転することは規制し、第2の方向に回転することは許可するラチェットが設けられ、
圧電アクチュエータが停止されている場合に前記ロータを第2の方向に回転させようとする外力が加わった場合には、ロータの回転軸周りのモーメントにおいて、前記外力によってロータを第2の方向に回転させようとするモーメントに比べて、前記押圧手段によって振動体がロータに押圧することで発生する最大静止摩擦力による保持モーメントが常に大きくなるように設定され、前記静止摩擦力によって前記外力によるロータの第2の方向の回転が規制されることを特徴とする圧電駆動装置。 - 請求項1に記載の圧電駆動装置において、
前記ロータと振動体間の静止摩擦係数をμ、
前記ロータの駆動対象側に噛み合う歯車の半径をr1、
ロータの振動体に当接する円板部の半径をr2、
前記駆動対象側からロータを第2の方向に回転させようとする外力が加わった際にロータと前記振動体との接触部の静止摩擦力の垂直抗力によって前記ロータからロータ案内体に加わる力F2の作用点から前記ロータ案内体の揺動軸までの距離をL2、
ロータ案内体の揺動軸から前記力F2の作用点を結ぶ方向に対して直交する方向と前記力F2の方向との角度をθ2、
前記駆動対象側からロータを第2の方向に回転させようとする外力が加わった際に、駆動対象側からロータに加わる力によって前記ロータからロータ案内体に加わる力F3の作用点から前記ロータ案内体の揺動軸までの距離をL3、
ロータ案内体の揺動軸から前記力F3の作用点を結ぶ方向に対して直交する方向と前記力F3の方向との角度をθ3、
と設定した場合、次の式1の条件を満たすように設定されていることを特徴とする圧電駆動装置。
- 請求項1または請求項2に記載の圧電駆動装置において、
前記ロータおよびロータ案内体を備えて構成されるロータブロックの重心は、前記ロータ案内体の揺動軸とほぼ一致していることを特徴とする圧電駆動装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
前記ラチェットは、前記ロータから駆動対象までに設けられたいずれかの歯車と一体に回転するラチェット歯車と、揺動軸を中心に揺動可能に設けられて前記ラチェット歯車に係合可能な爪レバーとを備え、
前記爪レバーの重心は、爪レバーの揺動軸とほぼ一致していることを特徴とする圧電駆動装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
前記圧電アクチュエータの駆動量を検出する駆動量検出手段を備え、
前記駆動制御手段は、
前記圧電アクチュエータの駆動開始後、前記駆動量検出手段によって検出された駆動量が、目標駆動量になったことを検出した場合に前記圧電アクチュエータの駆動を停止することを特徴とする圧電駆動装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
前記圧電アクチュエータは、前記ロータを第2の方向のみに回転可能に構成された片方向駆動タイプであることを特徴とする圧電駆動装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
前記圧電アクチュエータは、前記ロータを第1および第2の両方向に回転可能に構成された両方向駆動タイプであることを特徴とする圧電駆動装置。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧電駆動装置と、この圧電駆動装置で駆動される計時情報表示部とを備えることを特徴とする電子時計。
- 請求項8に記載の時計において、
前記計時情報表示部は、前記圧電駆動装置で回転駆動される指針を備えて構成されることを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項7のいずれかに記載の圧電駆動装置と、この圧電駆動装置で駆動される駆動対象とを備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007059073A JP2008228374A (ja) | 2007-03-08 | 2007-03-08 | 圧電駆動装置、電子時計および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2007059073A Withdrawn JP2008228374A (ja) | 2007-03-08 | 2007-03-08 | 圧電駆動装置、電子時計および電子機器 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008228374A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013150442A (ja) * | 2012-01-19 | 2013-08-01 | Seiko Epson Corp | 圧電アクチュエーター及びこれを備える電子機器 |
JP2013221881A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Casio Comput Co Ltd | 情報表示装置および電子時計 |
JP2014163738A (ja) * | 2013-02-22 | 2014-09-08 | Citizen Holdings Co Ltd | 位置決め機構 |
CN113224973A (zh) * | 2020-01-21 | 2021-08-06 | 精工爱普生株式会社 | 压电电机及机器人 |
-
2007
- 2007-03-08 JP JP2007059073A patent/JP2008228374A/ja not_active Withdrawn
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