JP2008003026A - 圧電駆動装置、電子機器および圧電駆動装置の制御方法 - Google Patents

圧電駆動装置、電子機器および圧電駆動装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁界の影響を受けにくくすることができ、圧電アクチュエータによって駆動される被駆動体のオーバーランを防止することができ、被駆動体の駆動量の精度を向上させることができる圧電駆動装置を提供すること。
【解決手段】圧電アクチュエータ20と、これによって揺動されるアンクル40と、アンクル40が揺動する毎に、アンクル40によって一定方向に回転されるガンギ車50と、ガンギ車50の回転角度を一定角度に規制するアンクル40に設けられた2つの爪42,43とを備える。アンクル40が揺動すると、爪42,43がガンギ車50の歯51に当接し、歯51を回転方向に押すので、ガンギ車50が回転し、ガンギ車50の歯溝52を爪42,43が係止するのでガンギ車50の回転が一定角度で規制される。従って、ガンギ車50のオーバーランを防止でき、被駆動体の駆動量の精度を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、圧電アクチュエータを備える圧電駆動装置、電子機器および圧電駆動装置の制御方法に関する。
従来、磁界の影響を受けにくい圧電素子を用いた超音波駆動装置が知られ、時計の時刻針等を駆動する駆動装置として利用されている(例えば、特許文献1参照)。
この超音波駆動装置は、振動体と、この振動体の振動に伴って周方向に回転するロータ体と、これら振動体とロータ体とを圧設させる押圧力を付与する押えばねとを備えて構成され、ロータ体の回転によって時刻針が回転されるようになっている。
また、圧電素子を用いた超音波駆動装置において、ロータ体の回転によって回転駆動される伝達車と、伝達車に固定されて一体的に回転する接点ばねと、接点ばねが回転する時に接点ばねに接触することができる検出用パターンとを備えた超音波駆動装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この超音波駆動装置では、接点ばねが検出用パターンと接触する際に発せられる検出信号によって伝達車の回転位置が検出され、ロータ体の回転が制御されている。
特開平10−290579号公報 特開平11−281772号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の超音波駆動装置では、ロータ体が振動体との摩擦力によって駆動されているので、振動体に入力されるエネルギーに対して、ロータ体の駆動量が一義的には決まらず、時計の運針のような一定角度の回転運動(ステップ運動)を実現することができないという問題がある。
また、前記特許文献2に記載の超音波駆動装置のように、伝達車の回転位置を検出して、その検出信号によってロータ体の回転を停止させても、伝達車の回転位置を検出してからロータ体を停止するまでのタイムラグによって、ロータ体がオーバーランしてしまい、やはり時計の運針のような一定角度のステップ運動を実現することができなかった。
本発明の目的は、磁界の影響を受けにくくすることができ、圧電アクチュエータによって駆動される被駆動体のオーバーランを防止することができ、被駆動体の駆動量の精度を向上させることができる圧電駆動装置、電子機器および圧電駆動装置の制御方法を提供することである。
本発明の圧電駆動装置は、圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータによって第1および第2の方向に交互に揺動される揺動手段と、前記揺動手段が各方向に揺動する毎に、揺動手段によって一定方向に回転される回転体と、前記回転体の回転角度を一定角度毎に規制する回転規制手段と、前記圧電アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、圧電アクチュエータの駆動によって揺動手段が揺動され、この揺動手段によって回転体が回転される。つまり、揺動手段の第1の方向への揺動運動において、回転体に回転方向の推進力が加えられて、揺動手段は、回転体を一定角度回転させる。その後、回転規制手段が回転体の回転角度を一定角度に規制する。続けて、揺動手
段の第2の方向への揺動運動において、回転体に回転方向の推進力が加えられて、揺動手段は、回転体を同一方向に一定角度回転させる。その後、回転規制手段が回転体の回転角度を一定角度に規制する。このように揺動体が揺動運動を繰り返すことによって、揺動手段による回転体の回転と回転規制手段材による一定角度毎の規制とが交互におこなわれるので、回転体が一定角度ずつ回転される。
従って、圧電アクチュエータの駆動量に対して揺動手段の揺動量が一義的に決まらなくても、揺動手段が所定角度以上揺動すれば、回転規制手段が回転体の回転角度を一定角度に規制するので、回転体の回転量は一定となる。これによって、圧電アクチュエータによって回転される被駆動体としての回転体のオーバーランを防止できるので、回転体の回転角度の精度を向上させることができ、回転体で回転される指針等の表示手段の表示精度を向上させることができる。
また、駆動源が圧電アクチュエータであることによって、電磁コイルを使用する電磁式モータと比べて、磁界の影響を受けにくくなり、磁界の影響下での誤作動を抑制することができる。
また、電磁コイルを使用していないことから、電磁コイルの厚さ寸法の制約がなくなり、サイズの小型化や薄型化を図ることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定する駆動停止判定手段を備え、前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段によって回転された回転体が一定角度回転して前記回転規制手段によって回転を規制された状態になったか否かを判定し、前記駆動制御手段は、前記駆動停止判定手段によって前記回転体が回転を規制された状態になったことが判定された場合に前記圧電アクチュエータの駆動を停止させることが好ましい。
このような構成によれば、揺動手段が一方の方向に揺動した際に、揺動手段によって回転される回転体は一定角度回転して回転規制手段によって回転が規制されるので、それ以上、圧電アクチュエータを駆動し続けると、無駄な駆動が続くことになるが、駆動停止判定手段の判定結果によって駆動制御手段が圧電アクチュエータを停止させることによって、圧電アクチュエータの無駄な駆動を省くことができ、消費電流を削減することができる。
また、回転体が回転規制手段によって回転を規制された後も、圧電アクチュエータを駆動し続けると、圧電アクチュエータや、圧電アクチュエータが直接当接して駆動される被駆動体の磨耗が促進されてしまう可能性があるが、本発明によれば、回転体が回転規制手段によって規制されると駆動制御手段が圧電アクチュエータを停止させるので、圧電アクチュエータや被駆動体の磨耗を軽減させることができる。
ここで、駆動停止判定手段は、回転規制手段が回転体の回転を規制することに基づいて圧電アクチュエータの駆動停止を判定してもよく、揺動手段によって回転体が所定角度回転することに基づいて圧電アクチュエータの駆動停止を判定してもよい。すなわち、揺動手段によって回転体が所定角度回転すれば、同時に回転規制手段が回転体の回転を規制した状態になるため、回転体の回転角度を検出することによっても駆動停止を判定することができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記圧電アクチュエータと前記揺動手段との間には増速部が設けられ、前記揺動手段は、前記増速部を介して圧電アクチュエータの駆動によって揺動するように設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、圧電アクチュエータで直接、揺動手段を揺動する場合と比べて、圧電アクチュエータの振動による揺動手段の揺動運動が増速されるので、圧電アクチュエータの駆動時間を短縮することができ、消費電流を削減することができる。
また、圧電アクチュエータの駆動時間を短縮することができるので、圧電アクチュエー
タや被駆動体の磨耗を軽減させることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記揺動手段は、揺動可能に設けられる本体部と、この本体部において揺動中心を挟んで2箇所に設けられた爪とを備えたアンクルであり、前記回転体は、複数の歯を有するガンギ車であり、前記回転規制手段は、前記ガンギ車の歯溝を係止する前記アンクルの爪であり、前記ガンギ車の各歯の先端および前記アンクルの各爪の先端の少なくとも一方には、それぞれ同一方向に傾斜した傾斜面が形成され、前記アンクルが第1の方向に揺動すると、当該アンクルの一方の爪が前記ガンギ車の歯と当接し、前記ガンギ車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記ガンギ車が一定角度回転し、前記アンクルの爪が前記ガンギ車の歯溝に係止されることによってガンギ車の回転が規制され、次に、前記アンクルが第2の方向に揺動すると、前記アンクルの一方の爪が前記歯溝から離れて前記ガンギ車の規制が解除され、当該アンクルの他方の爪が前記ガンギ車の歯と当接し、前記ガンギ車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記ガンギ車が同一方向に一定角度回転し、前記アンクルの爪が前記ガンギ車の歯溝に係止されることによってガンギ車の回転が規制されるように、前記アンクルの各爪が前記ガンギ車の各歯に対して配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、アンクルの揺動によって、アンクルの爪がガンギ車の歯と当接し、ガンギ車の歯の先端およびアンクルの爪の先端の少なくとも一方に形成された傾斜面によって、ガンギ車の歯が回転方向に押されるので、ガンギ車を一定方向に回転させることができる。さらに、アンクルの爪がガンギ車の歯溝を係止して、ガンギ車の回転を規制するので、アンクルが各方向へ揺動する毎に、アンクルの爪によってガンギ車の回転を機構的に防止することができる。従って、圧電アクチュエータの駆動によって回転されるガンギ車のオーバーランを防止できるので、ガンギ車の回転角度の精度を向上させることができ、ガンギ車で回転される指針等の表示手段の表示精度を向上させることができる。
また、ジャンパ等の規制部材を設けなくてもよいため、ガンギ車に加わる負荷が軽減され、圧電アクチュエータの消費電流を削減することができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記アンクルの重心位置は、当該アンクルの揺動中心位置と略一致していることが好ましい。
このような構成によれば、外部からの衝撃により、アンクルが揺動する方向に大きな外力を受けても、アンクルの重心位置が揺動中心位置と略一致しているので、アンクルが揺動してしまう可能性が小さくなり、ガンギ車の誤作動等を抑制することができる。
例えば、アンクルの重心位置と、アンクルの揺動中心位置とが大きく異なるようなアンバランスなアンクルの場合には、アンクルが圧電アクチュエータで揺動されていなくても、落下等による衝撃を受けた際に、アンクルが揺動してしまい、ガンギ車が誤って回転する可能性がある。
これに対して、例えば、圧電アクチュエータおよび被駆動体は、ばね等の押圧部によって互いに押圧される状態になっているため、被駆動体およびアンクルには押圧部の摩擦力による所定の保持トルクが作用しており、落下等の衝撃を受けても、アンクルの揺動を抑えることができる。すなわち、アンクルの重心位置と揺動中心位置とのずれ量が大きいほど、外部からの衝撃によってアンクルに作用する回転モーメントも大きくなる。一方、アンクルの保持トルクは押圧部の押圧力で略一定に維持される。従って、アンクルの重心位置と揺動中心位置とのずれ量を所定量以下に抑えることで、衝撃によってアンクルに作用する回転モーメントが、アンクルの保持トルクよりも小さくなるように設定すれば、衝撃時にもアンクルが揺動しないようにすることができる。
ここで、アンクルの重心位置と揺動中心位置とが略一致しているとは、完全に一致している場合だけではなく、わずかにずれている場合も含み、アンクルの重心位置と揺動中心位置とのずれ量が前述した範囲内であればよい。
本発明の圧電駆動装置では、前記回転体の回転軸に指針が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、回転体の回転軸に指針が設けられているので、回転体と指針との間の輪列を削減することができ、サイズの小型化を図ることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記揺動手段は、揺動可能に設けられる本体部と、この本体部に設けられた1つの爪とを有し、前記回転体は、互いに噛み合う第1歯車および第2歯車で構成され、前記回転規制手段は、前記第1歯車および第2歯車のいずれか一方の歯車の歯に対して、その歯車が半ピッチずつ回転する毎に係止する係止部と、この係止部を前記歯車に対して付勢する付勢手段とを備え、前記揺動手段の回転中心位置は、前記第1歯車および第2歯車の回転中心から等距離の位置に設けられ、各歯車が半ピッチずつ回転する毎に、各歯車の歯が交互に前記揺動手段の爪の回転軌跡内に入るように構成され、前記揺動手段が第1の方向に揺動すると、当該揺動手段の爪の回転軌跡内に入っている一方の歯車の歯に対して、前記爪が当接し、その歯車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記回転規制手段の付勢手段の付勢力に抗して第1および第2歯車が一定角度回転し、当該歯車が半ピッチ分だけ回転した位置で前記回転規制手段の係止部が前記歯車の歯と係止することによって、前記第1および第2歯車の回転を規制し、次に、前記揺動手段が第2の方向に揺動すると、当該揺動手段の爪の回転軌跡内に入っている他方の歯車の歯に対して、前記爪が当接し、その歯車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記回転規制手段の付勢手段の付勢力に抗して第1および第2歯車が一定角度回転し、当該歯車が半ピッチ分だけ回転した位置で前記回転規制手段の係止部が前記歯車の歯と係止することによって、前記第1および第2歯車の回転を規制するように設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、例えば、回転規制手段の係止部が第2歯車の歯を係止している場合において、第2歯車の歯が揺動手段の爪の回転軌跡内に入っている状態では、まず、揺動手段が第1の方向に揺動すると、爪が第2歯車の歯と当接して、各歯車は、付勢手段の付勢力に抗して半ピッチ分回転した状態で第2歯車の歯が回転規制手段に係止され、さらに、第1歯車の歯が揺動手段の爪の回転軌跡内に入っている状態になる。このようにして各歯車が一定角度回転する。次に、揺動手段が第2の方向に揺動すると、爪が第1歯車の歯と当接して、各歯車は、付勢手段の付勢力に抗して半ピッチ分回転した状態で第2歯車の歯に回転規制手段が係止される状態になり、第2歯車の歯が揺動手段の爪の回転軌跡内に入っている状態になる。このようにして各歯車が、さらに、一定角度回転する。従って、揺動手段が揺動を繰り返すことによって、各歯車を一定方向に回転させることができる。さらに、回転規制手段によって、各歯車の回転が規制されるので、1回の揺動毎に、各歯車の回転を機構的に防止することができる。
従って、圧電アクチュエータの駆動によって回転される各歯車のオーバーランを防止できるので、各歯車の回転角度の精度を向上させることができ、各歯車で回転される指針等の表示手段の表示精度を向上させることができる。
ここで、係止部は、たとえば、並設される2つの凸部を有し、歯車が半ピッチずつ回転する毎に、歯車の1つの歯が凸部間に係止される状態と、歯車の2つの歯間に2つの凸部が係止される状態とが交互に繰り返されるように形成されていてもよい。
本発明の圧電駆動装置では、前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段または回転体と接する接点を有する位置検出手段を有し、前記位置検出手段は、前記揺動手段が第1の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置と、前記揺動手段が第2の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置とを検出することが好ましい。
このような構成によれば、揺動手段が第1の方向および第2の方向に揺動した際の揺動手段または回転体の位置を接点式の検出器で検出することによって、圧電アクチュエータを停止させることができるので、駆動停止判定手段の構成を簡単にでき、駆動部のある検出器に比べて、省スペース化を計ることもできる。
例えば、揺動手段または回転体の駆動量をロータリーエンコーダ等の検出器を用いて検出することもできるが、検出器に駆動部を有するため、検出器が大きくなってしまう問題がある。
これに対して、本発明では、例えば、回転体が歯車で構成されている場合、歯車に対してばねで付勢されて歯溝に噛み合うとともに、回転体が回転すると、歯を乗り越えて次の歯溝に噛み合うように構成されるジャンパ等を設けて、回転体が回転するのに合わせて変位するジャンパに対して接する接点式の検出器によって検出するようにしてもよい。
本発明の圧電駆動装置では、前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段または回転体の位置を非接触で検出する位置検出手段を有し、前記位置検出手段は、前記揺動手段が第1の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置と、前記揺動手段が第2の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置とを検出することが好ましい。
例えば、非接触で検出する位置検出手段として、発光素子としての発光ダイオード(LED)と受光素子としてのフォトトランジスタとを組み合わせて使用し、揺動手段または回転体が所定の位置にある場合には、LEDの光をフォトトランジスタが受光し、所定位置にない場合には、LEDの光を遮光してフォトトランジスタが受光できないように構成してもよい。
このような構成によれば、駆動停止判定手段は、非接触式の位置検出手段によって位置検出ができるので、接点式の検出器を用いる場合と比べて、揺動手段または回転体の負荷が増大することが生じず、消費電流を増大させることなく、確実に駆動停止の判定をすることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記駆動停止判定手段は、前記圧電アクチュエータの駆動が開始してから、所定の駆動時間が経過した時に、前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定することが好ましい。
このような構成によれば、揺動手段の揺動毎に、回転体が回転を開始して、回転体が回転規制手段によって規制される状態になるまでの時間よりも、圧電アクチュエータの駆動時間が長くなるように設定することによって、駆動時間によって駆動停止を判定しても、圧電アクチュエータによる回転体のオーバーランを防ぐことができる。従って、判定手段としての検出器を必要としないので、検出器による消費電流を削減することができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記圧電アクチュエータには、当該圧電アクチュエータの駆動状態に応じた検出信号を出力する検出電極が設けられ、前記揺動手段の揺動に連動して前記検出信号を変動させる変動手段を備え、前記駆動停止判定手段は、前記変動手段によって生じる前記検出信号の変化に基づいて前記圧電アクチュエータで揺動される揺動手段の駆動量を検出し、検出された前記駆動量が所定量に達した時に、前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定することが好ましい。
このような構成によれば、圧電アクチュエータに設けられた検出電極から出力される検出信号に変動が生じるため、この変動を検出することで、揺動手段の駆動量を確実に検出することができる。また、揺動手段の位置を検出する検出器を設ける必要がないので、サ
イズの小型化や薄型化を実現できる。なお、圧電アクチュエータの駆動量を検出する装置に関する発明について、先願(特願2006−077829)に詳細が記載されている。
ここで、検出信号を変動させる変動手段としては、例えば、揺動手段としてアンクルを用いて、圧電アクチュエータがロータ歯車を介してアンクルを揺動させる場合には、ロータ歯車の圧電アクチュエータが当接する円筒面をロータ歯車の中心軸に対して偏心するように設ければよい。これによって、偏心されたロータ歯車の円筒面に当接する圧電アクチュエータに加わる負荷に変動を与えることができ、圧電アクチュエータからの検出信号に変動を与えることができる。あるいは、アンクルの爪が回転手段としてのガンギ車の歯溝に突き当たることによって、圧電アクチュエータに加わる負荷が変動するので、検出信号も変動する。この例によれば、ロータ歯車を用いてこれを偏心させなくとも、アンクルとガンギ車を備える本発明の構成のみで、検出信号の変動を実現させることができる。
本発明の圧電駆動装置では、前記圧電アクチュエータは、補強板と、この補強板の両面に設けられた圧電素子とによって全体薄板状の積層構造を有していることが好ましい。
このような構成によれば、圧電素子からなる振動体と振動体によって回転されるロータとが同軸に構成された圧電アクチュエータを使用する場合と比べて、圧電駆動装置の薄型化を図ることができる。
本発明の圧電駆動装置は、前述の圧電駆動装置によって構成される第1の圧電駆動装置および第2の圧電駆動装置と、前記第1および第2の圧電駆動装置における各回転体の回転が伝達される回動体と、前記第1および第2の圧電駆動装置における各回転体が各回転規制手段によって回転を規制されていない状態であることを検出する揺動手段位置検出手段とを備え、前記第1の圧電駆動装置における回転体によって前記回動体が第1の方向に回動され、前記第2の圧電駆動装置における回転体によって前記回動体が第2の方向に回動され、一方の前記圧電駆動装置における回転体が回転する際には、他方の前記圧電駆動装置における回転規制手段が回転体の回転を規制しない状態となっていることが好ましい。
このような構成によれば、回動体を第1および第2の両方向に回動させることができるので、この回動体によって指針等の表示手段を両方向に回動させることができる。例えば、時計の指針の駆動装置として利用する際には、時計の時刻表示を修正する際に、指針を両方向に回動させることができるので、指針の回転角度の小さい方に回動させることで、時刻表示の修正時間を短縮することができ、時刻修正時の消費電流を削減することができる。
また、計器類やメーター類における表示部等の駆動装置として利用範囲を広げることができる。
また、本発明の圧電駆動装置は、正転用圧電アクチュエータと、逆転用圧電アクチュエータと、前記正転用圧電アクチュエータによって第1および第2の方向に交互に揺動される正転用揺動手段と、前記逆転用圧電アクチュエータによって第1および第2の方向に交互に揺動される逆転用揺動手段と、前記正転用揺動手段が各方向に揺動する毎に、正転用揺動手段によって正転方向に回転される正転用回転体と、前記逆転用揺動手段が各方向に揺動する毎に、逆転用揺動手段によって逆転方向に回転される逆転用回転体と、前記正転用回転体の回転角度を一定角度毎に規制する正転用回転規制手段と、前記逆転用回転体の回転角度を一定角度毎に規制する逆転用回転規制手段と、前記正転用圧電アクチュエータおよび逆転用圧電アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段と、前記正転用圧電アクチュエータおよび逆転用圧電アクチュエータの駆動停止を判定する駆動停止判定手段と、前記正転用回転体が前記正転用揺動手段によって回転を規制されていない状態であることを検出し、また、前記逆転用回転体が前記逆転用揺動手段によって回転を規制されていない状態であることを検出する揺動手段位置検出手段とを備え、前記正転用回転体が回転さ
れる際には、前記逆転用回転規制手段が前記逆転用回転体の回転を規制しない状態にあって、前記逆転用回転体が回転される際には、前記正転用回転規制手段が前記正転用回転体の回転を規制しない状態にあるように構成されていてもよい。
本発明の電子機器は、前述の圧電駆動装置を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、圧電駆動装置が磁界の影響を受けにくく、小型、薄型であるため、電子機器を磁界の影響を受けにくくすることができ、電子機器全体のサイズも小型化、薄型化に適し、また、圧電駆動装置によって回転される表示部等の表示精度を向上させることができるため、電子機器の性能向上に繋げることができる。
本発明の電子機器は、計時部と、前記計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計であることを特徴とする。
このような構成によれば、圧電駆動装置が磁界の影響を受けにくく、小型、薄型であるため、時計を磁界の影響を受けにくくすることができ、時計全体のサイズも小型化、薄型化に適することができる。
本発明の圧電駆動装置の制御方法は、圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータによって第1および第2の方向に交互に揺動される揺動手段と、前記揺動手段が各方向に揺動する毎に、揺動手段によって一定方向に回転される回転体と、前記回転体の回転角度を一定角度毎に規制する回転規制手段と、前記圧電アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段と、前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定する駆動停止判定手段とを備える圧電駆動装置の制御方法であって、前記駆動制御手段によって、前記圧電アクチュエータの駆動が開始されると、前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段によって回転された回転体が一定角度回転して前記回転規制手段によって回転を規制された状態になったか否かを判定し、前記駆動停止判定手段によって前記回転体が回転を規制された状態になったことが判定されると、前記駆動制御手段は、前記圧電アクチュエータの駆動を停止することを特徴とする。
このような構成によれば、駆動制御手段によって圧電アクチュエータを駆動開始させ、回転体が回転規制手段によって回転を規制された状態になれば、圧電アクチュエータの駆動を停止させるので、無駄な圧電アクチュエータの駆動を省くことができ、圧電アクチュエータの消費電流を削減することができる。
例えば、この圧電駆動装置を時計の指針の駆動に利用する場合には、前記駆動制御手段は、当該記駆動制御手段に設けられた時間標準源からの基準信号によって、前記圧電アクチュエータの駆動を開始させるようにすることができる。
また、この圧電駆動装置を計器類やメーター類などの電子機器における表示部等の駆動装置に利用する場合には、前記駆動制御手段は、表示値データが入力されたら圧電アクチュエータの駆動を開始させ、表示部が表示値を示す位置まで回転するまで、繰り返し揺動手段を揺動させて、表示部が表示値を示す位置まで回転したら、圧電アクチュエータの駆動を停止させるようにすることができる。
本発明の圧電駆動装置、電子機器および圧電駆動装置の制御方法によれば、磁界の影響を受けにくくすることができ、圧電アクチュエータによって駆動される被駆動体のオーバーランを防止することができ、被駆動体の駆動量の精度を向上させることができるという効果がある。
[1.第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、後述する第2実施形態以降において、以下に説明する第1実施形態での構成部材と同じ構成部材および同様な機能を有する構成部材には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
[1−1.全体構成]
図1は、本実施形態における電子機器としての電子時計1の概略構成を示す平面図である。図2および図3は、電子時計1における指針用圧電駆動装置10の詳細な構成を示す平面図および断面図である。
図1に示すように、電子時計1は、時刻を表示する指針を駆動する圧電駆動装置としての指針用圧電駆動装置10と、電池2を収納する電源収納部3と、外部から使用者が操作可能な時刻修正装置(りゅうず)4と、基部としての地板5とを備えている。
地板5は、平面形状略正方形に形成されており、この地板5上に電子時計1の各構成部品を支持固定して収納している。
指針としては、図3に示す秒針91、図示しない分針および時針が設けられている。
なお、図1は、電子時計1の時刻表示側とは反対側(裏蓋側)から見た図であり、この図において、上方向が電子時計1の3時方向、下方向が9時方向、右方向が12時方向、左方向が6時方向となっている。
[1−2.指針用圧電駆動装置の構成]
図2に示すように、指針用圧電駆動装置10は、圧電アクチュエータ20と、ロータ歯車30と、揺動手段としてのアンクル40と、回転体としてのガンギ車50と、付勢手段としての押圧ばね60と、駆動停止判定手段としての位置検出手段70とを備えている。
圧電アクチュエータ20は、振動体21と当接部22とを備えている。
振動体21は、略矩形板状の補強板211と、この補強板211の両面に接着された圧電素子212とによって全体薄板状の積層構造を有している。
当接部22は、補強板211の両端に長手方向に沿って突出して構成されている。
補強板211の長手方向略中央には、両側に突出する腕部216が形成されており、これらの腕部216がビスなどによって図1に示す地板5に固定されている。
圧電素子212は、略矩形板状に形成され、補強板211両面の略矩形状部分に接着されている。圧電素子212の両面には、めっき層によって電極が形成されており、溝でめっき層が絶縁されることにより十字形状の駆動電極213と、矩形状の駆動電極214,215とが形成されている。これらの駆動電極213〜215によって、圧電素子は、5分割構造を有している。
当接部22は、補強板211の両端において幅方向の中心部分に形成されているとともに、当接部22の先端部は山状に形成されている。これらの当接部22のうち一方は、後述するロータ歯車30の回転部材313の側面と互いに当接している。
このような圧電アクチュエータ20の駆動電極213〜215に、後述する駆動制御装置100によって所定周波数の駆動電圧(駆動信号)が圧電素子212に印加されることにより、振動体21が振動を励振し、当接部22は、略楕円軌道を描いて振動する。
さらに、印加される駆動電極214,215を切り替えることにより、当接部22は、時計回りまたは反時計回りに楕円軌跡を描いて振動する。
なお、電圧印加の対象となっていない駆動電極214,215は、圧電素子212の圧
電効果によって振動体21の振動状態を電気的に検出する、検出電極(センサ電極)として機能する。
ロータ歯車30は、ロータ本体部31と、このロータ本体部31を回転自在に支持する支持アーム32とを備えている。
ロータ本体部31は、本体部回転軸311と、軸受部材としてのボールベアリング312と、略円筒状の回転部材313と、この回転部材313に取り付けられた歯車部材314とを備えている。
回転部材313は、支持アーム32に固定された本体部回転軸311を中心に、ボールベアリング312を介して回転自在に支持されている。
回転部材313の側面は、当接部22と互いに当接するとともに、図3に示すように、回転部材313の軸方向の端部には、回転部材313の外径寸法よりも大きい外形寸法を有する歯車部材314が取り付けられ、回転部材313と歯車部材314とは同心で一体的に回転可能に構成されている。
支持アーム32は、アーム回転軸321回りに図1に示す地板5に対して回転自在に支持されている。支持アーム32の一端には、ロータ本体部31の本体部回転軸311が取り付けられ、ロータ本体部31を支持するとともに、他端は、押圧ばね60によって付勢されている。
押圧ばね60は、付勢手段として、ロータ歯車30の回転部材313と圧電アクチュエータ20の当接部22とが互いに当接する方向に付勢するように構成されている。
具体的には、押圧ばね60は、ねじりコイルばねから構成され、押圧ばね60の一端は、支持部材61によって地板5に対して固定されている。押圧ばね60の他端は、支持アーム32の端部を付勢し、ロータ本体部31の回転部材313は、圧電アクチュエータ20の当接部22に当接される。
このように、圧電アクチュエータ20の当接部22が時計回りまたは反時計回りに略楕円軌道を描いて振動すると、押圧ばね60の付勢力によって、当接部22とロータ歯車30との間に適切な摩擦力が発生して、圧電アクチュエータ20の駆動力がロータ歯車30に伝達され、ロータ歯車30が時計回りおよび反時計回りに回転する。
アンクル40は、アンクル本体部41と、2つの爪42,43と、歯車(カナ)44とを備えて構成されている。
アンクル本体部41は、第1アーム部411と、第2アーム部412と、回転軸413と、光遮蔽部414とを備え、これらが一体的に形成されている。アンクル本体部41は、回転軸413を中心にして揺動可能に地板5に支持されている。
第1アーム部411および第2アーム部412は、回転軸413を挟んで両側に延設され、第1アーム部411には爪42が取り付けられ、第2アーム部412には爪43が取り付けられている。
光遮蔽部414は、第1アーム部411の端部に形成され、後述する位置検出手段70としての発光ダイオード(LED)71A,72Aの光を遮蔽するために設けられている。光遮蔽部414の側面は、第1アーム部411が描く軌跡に沿って、円弧状に形成され、光遮蔽部414には貫通孔414Aが設けられている。
カナ44は、回転軸413に嵌入され、ロータ歯車30の歯車部材314に噛合されている。このようにして、ロータ歯車30の駆動力がアンクル40に伝達される。
ここで、例えば、歯車部材314の歯数を36枚として、カナ44の歯数を9枚とすることで、ロータ歯車30の回転速度に対するアンクル40の回転速度の増速比は4倍に設
定されている。つまり、ロータ歯車30が6度回転すると、アンクルが24度回転するように構成されている。本実施形態では、ロータ歯車30における歯車部材314と、アンクル40におけるカナ44とによって、本発明の増速部が構成されている。
2つの爪42,43は、アンクル本体部41の回転軸413を挟んで2箇所に設けられている。また、2つの爪42,43の先端部には、傾斜面421,431が形成されている。傾斜面421,431は、アンクル40が揺動して爪42,43が後述するガンギ車50の歯51に当接する際に、ガンギ車50に回転駆動力を発生させるために設けられている。
ガンギ車50は、30枚の歯51を備えた歯車であり、地板5に対して回転自在に支持されている。また、ガンギ車50は、アンクル40の2つの爪42,43に対向する位置に設けられ、秒針91が取り付けられている。
歯51の先端には、2つの爪42,43の傾斜面421,431が当接する傾斜面511が形成されている。また、各歯51間には、ガンギ車が回転した際に、ガンギ車の回転角度を一定角度に規制するために、2つの爪42,43が係止される歯溝52が形成されている。本実施形態では、2つの爪42,43によって、本発明の回転規制手段が構成されている。つまり、アンクル40が第1の方向(反時計周りの方向)に揺動し、アンクル40の一方の爪43がガンギ車50の歯51と当接すると、ガンギ車50の歯51が反時計周りの回転方向に押されるので、ガンギ車50が一定方向に回転する。そして、アンクル40の爪43がガンギ車50の歯溝52を係止することによってガンギ車50の回転が一定角度で規制される。
次に、アンクル40が第2の方向(時計周りの方向)に揺動すると、アンクル40の爪43が歯溝52から離れてガンギ車50の規制が解除され、続いて、アンクル40の他方の爪42がガンギ車50の歯51と当接し、ガンギ車50の歯51が反時計周りの回転方向に押されるので、ガンギ車50が同一方向に回転する。そして、アンクル40の爪42がガンギ車50の歯溝52を係止することによってガンギ車50の回転が一定角度で規制される。以上のような動作が可能なように、アンクル40の各爪42,43がガンギ車50の各歯51に対して配置されている。
ガンギ車50には、歯車(カナ)53がガンギ車50の回転軸と同心となるように取り付けられ、カナ53は、後述する三番車81に噛合されている。
位置検出手段70は、図4に示すように、発光素子である発光ダイオード(LED)71A,72Aと、受光素子であるフォトトランジスタ(Tr)71B,72Bとを備えている。
LED71A,72Aおよびフォトトランジスタ71B,72Bは、アンクル本体部41の光遮蔽部414の厚さ方向、つまり、電子時計1の厚さ方向に光遮蔽部414を挟むようにして、アンクル4の回転軸413を中心に円弧状に配置されている。
一組のLED71Aおよびフォトトランジスタ71Bは、アンクル40の一方の爪42がガンギ車50の歯51間の歯溝52を係止する状態において、光遮蔽部414の貫通孔414AにLED71Aの軸線が重なるように配置されている。
他の一組のLED72Aおよびフォトトランジスタ72Bは、アンクル40の他方の爪43がガンギ車50の歯51間の歯溝52を係止する状態において、光遮蔽部414の貫通孔414AにLED72Aの軸線が重なるように配置されている。
LED71A,72Aが発光している状態において、光遮蔽部414の貫通孔414AがLED71A,72Aの軸線に重なると、LED71A,72Aの光がフォトトランジスタ71B,72Bに照射され、フォトトランジスタ71B,72Bに電流が流れる。
これによって、一組のLED71Aおよびフォトトランジスタ71Bは、アンクル40が一方の爪42とガンギ車50とが噛み合う位置にあることを検出することができる。また、他の一組のLED72Aおよびフォトトランジスタ72Bは、アンクル40が他方の爪43とガンギ車50とが噛み合う位置にあることを検出することができる。
このようにして、駆動停止判定手段としての位置検出手段70は、アンクル40によって回転されたガンギ車50が一定角度回転してアンクル40の爪42,43のいずれかによって回転を規制された状態になったか否かを判定することができる。
秒針91以外に、指針として図示しない分針および時針が後述する輪列8における二番車82および筒車84に設けられている。これらの秒針91、分針、および時針は、電子時計1の図示しない時刻表示側に設けられ、図示しない文字板上の文字などを指し示すことにより、時刻を表示する。
ガンギ車50と分針および時針との間には、圧電アクチュエータ20からの駆動力を分針および時針に伝達する輪列8が設けられている。輪列8は、図2に示すように、三番車81と、二番車82と、日の裏車83と、筒車84とを備えている。
三番車81は、ガンギ車50の回転が伝達されて回転する。二番車82は、地板5の略中央位置を回転軸として設けられ、三番車81の回転が伝達されて回転する。二番車82には、図示しない分針が設けられている。日の裏車83は、二番車82の回転が伝達されて回転する。筒車84は、二番車82と同心となるように設けられ、日の裏車83の回転が伝達されて回転する。筒車84には、図示しない時針が設けられている。このように、秒針91が地板5の略中央よりも6時方向側の位置を中心に回転可能に設けられているのに対して、分針および時針は、地板5の略中央を中心に同軸上に回転可能に設けられている。
なお、1ステップあたりのガンギ車50の回転角度を6度とし、二番車82の回転角度を0.1度(ガンギ車50に対して60分の1の減速)とする。
[1−3.指針用圧電駆動装置の動作方法]
次に、指針用圧電駆動装置10の動作方法を図5〜図18に基づいて説明する。
図5〜図11には、圧電アクチュエータ20によってアンクル40が反時計方向に揺動された際における、アンクル40およびガンギ車50の位置関係が揺動角度を4度毎に示されている。
図5に示すように、アンクル40の爪42がガンギ車50の歯溝52に噛み込んでいる状態におけるアンクル40の揺動角度を0度とし、ガンギ車50の回転角度を0度とする。
図6に示すように、アンクル40が反時計周りの方向に揺動して、揺動角度が4度となる位置では、爪42が歯溝52から離れ、また、爪42がガンギ車50の歯51の側面を押すので、ガンギ車50は、0.15度分回転する。
図7に示すように、アンクル40がさらに揺動して、揺動角度が8度となる位置では、爪42が歯溝52からさらに離れた位置になっている。図5〜7に示すように、アンクル40の揺動角度が0度以上、12度未満である場合には、爪42の先端は、ガンギ車50の歯51の回転軌跡の内側に位置する状態であり、ガンギ車50の回転は爪42によって規制された状態になっている。
図8に示すように、アンクル40がさらに揺動して、揺動角度が12度となる位置では、爪42および爪43の先端は、両方とも、ガンギ車50の歯51の先端の回転軌跡上に位置する状態になっている。この位置では、ガンギ車50はアンクル40の爪42,43に係止されていないが、アンクル40は揺動を続けているので、すぐに、ガンギ車50の回転は爪43によって規制された状態になる。
図9に示すように、アンクル40が12度の揺動角度の位置から、16度の揺動角度の位置となる間に、アンクル40における爪43の傾斜面431とガンギ車50における歯51の傾斜面511とが当接する。爪43と歯51との当接によって、歯51が反時計周りの回転方向の推進力を受けて、ガンギ車50は回転する。図9では、ガンギ車50の回転角度が1.3度となる位置を示している。つまり、アンクル40の駆動力によってガンギ車50に回転駆動力が発生し、ガンギ車50が回転する。
図10に示すように、アンクル40の揺動角度が20度となる位置では、ガンギ車50がさらに回転して、ガンギ車50は回転角度が5.65度となる位置になり、アンクル40の爪43が歯溝52に噛み込んだ状態になる。
図11に示すように、アンクル40の揺動角度が24度となるまで揺動すると、爪43がガンギ車50の歯51の側面を押すので、ガンギ車50は、回転角度が6度まで回転する。また、アンクル40は、歯溝52と当接しており、これ以上、揺動することができない状態となる。また、図9〜11に示すように、アンクル40の揺動角度が12度より大きく、24度以下である場合には、爪43の先端は、ガンギ車50の歯51の回転軌跡の内側に位置する状態であり、ガンギ車50の回転は爪43によって規制された状態になっている。
このように、アンクル40が0度から24度となるまで第1の方向(反時計回り方向)に揺動すると、ガンギ車50は、6度(歯車の半ピッチ分の回転角度)分だけ回転する。
図12〜図18には、アンクル40が時計方向に揺動された際における、アンクル40およびガンギ車50の位置関係を揺動角度4度毎に示している。
図12に示すように、アンクル40の爪43がガンギ車50の歯溝52に噛み込んでいる状態におけるアンクル40の揺動角度を24度とし、ガンギ車50の回転角度を6度とする。
図13,図14に示すように、アンクル40が時計回りの方向に揺動して、揺動角度が20度、さらに16度となる位置では、、爪43が歯溝52から序々に離れる。また、図12〜14に示すように、アンクル40の揺動角度が12度より大きく、24度以下である場合には、爪43の先端は、ガンギ車50の歯51の回転軌跡の内側に位置する状態であり、ガンギ車50の回転は爪43によって規制された状態になっている。
図15に示すように、アンクル40がさらに揺動して、揺動角度が12度となる位置では、爪42および爪43の先端は、両方とも、ガンギ車50の歯51の先端の回転軌跡上に位置する状態になっている。この位置では、ガンギ車50はアンクル40の爪42,43に係止されていないが、アンクル40は揺動を続けているので、すぐに、ガンギ車50の回転は爪42によって規制された状態になる。
図16に示すように、アンクル40が12度の揺動角度の位置から、8度の揺動角度の位置となる間に、アンクル40における爪42の傾斜面421とガンギ車50における歯51の傾斜面511とが当接する。爪42と歯51との当接によって、歯51が反時計周りの回転方向の駆動力を受けて、ガンギ車50は回転する。図16では、ガンギ車の回転角度が7.6度となる位置を示している。つまり、アンクル40の駆動力によってガンギ車50に回転駆動力が発生し、ガンギ車50が回転する。
図17に示すように、アンクル40の揺動角度が4度となる位置では、ガンギ車50がさらに回転して、ガンギ車50は回転角度が12.15度となる位置になり、アンクル40の爪42が歯溝52に噛み込んだ状態になる。
図18に示すように、アンクル40の揺動角度が0度となるまで揺動すると、爪42がガンギ車50の歯51の側面を押し戻すので、ガンギ車50は、回転角度が12度となる
まで回転する。また、アンクル40は、歯溝52と当接しており、これ以上、揺動することができない状態となる。また、図16〜18に示すように、アンクル40の揺動角度が0度以上、12度未満である場合には、爪42の先端は、ガンギ車50の歯51の回転軌跡の内側に位置する状態であり、ガンギ車50の回転は爪42によって規制された状態になっている。
このように、アンクル40が24度から0度まで第2の方向(時計回り方向)に揺動すると、ガンギ車50は、6度(歯車の半ピッチ分の回転角度)分だけ回転する。
以上の動作を繰り返すことで、アンクル40の揺動によって、ガンギ車50が6度ずつ間欠的に回転される。従って、ガンギ車50に取り付けられた秒針91の1秒分のステップ運針が達成される。
[1−4.圧電アクチュエータの駆動制御装置および駆動制御方法]
次に、圧電アクチュエータ20の駆動制御手段としての駆動制御装置100の構成を図19に基づいて説明する。
図19において、駆動制御装置100は、発振回路11と、分周回路12と、制御回路13と、駆動信号発振回路14と、波形成形回路15と、モータ駆動回路(ドライバ)16とを備えている。
発振回路11は、時間標準源としての水晶振動子111(図1)からなる基準発振源を有し、基準パルスを出力する。
分周回路12は、発振回路11から出力された基準パルスを入力し、この基準パルスに基づいて基準信号(例えば1Hzの信号)を生成する。
制御回路13は、分周回路12から出力された基準信号に基づいて、駆動信号発振回路14にパルス信号を適宜出力させ、圧電アクチュエータ20を1秒間隔で駆動させる。
また、制御回路13は、位置検出手段70と接続され、アンクル40の位置検出手段70をトリガーとして、駆動信号発振回路14にパルス信号を停止させる制御をする。ここで、アンクル40が揺動して、アンクル40の爪42,43のいずれか一方とガンギ車50とが噛み合う状態、つまり、ガンギ車50が回転を規制された状態を位置検出手段70が判定した場合に、制御回路13は、圧電アクチュエータ20の駆動を停止するようになっている。
駆動信号発振回路14は、パルス信号を適宜発生するように制御回路13によって制御されている。
波形成形回路15は、駆動信号発振回路14から出力されたパルス信号を所定のパルス信号に変換する。
ドライバ16は、波形成形回路15から出力された所定のパルス信号によって圧電アクチュエータ20に所定の周波数の駆動電圧を印加させて圧電アクチュエータ20を駆動する。
なお、圧電アクチュエータ20の駆動周波数の制御方法は特に限定せず、例えば、特許文献(特開2006−20445)に開示されているように、圧電素子212へ供給される駆動信号の周波数を、駆動可能な周波数範囲を含む広い範囲でスイープ(変化)させ、確実に圧電アクチュエータ20を駆動させる方法でも良いし、特許文献(特開2006−33912)に開示されているように、圧電素子212に供給される駆動信号の周波数と圧電素子212の振動状態から得られる検出信号との位相差を駆動に適した所定の目標位相差となるように駆動信号の周波数を変更させる方法でも良いし、あらかじめ温度毎に設定された固定周波数で駆動させる方法でも良い。
また、図19に示すように、制御回路13は、圧電アクチュエータ20から出力される
検出信号を検出する。この検出信号は、ドライバ16が振動体21の駆動電極213〜215に駆動電圧を印加した結果、振動体21の振動により、電圧印加の対象となっていない検出電極(センサ電極)(振動検出電極)212,213から出力される信号である。この検出信号によって、制御回路13は、圧電アクチュエータ20の駆動状況を確認して、駆動周波数制御にフィードバックすることも可能である。
次に、駆動制御装置100を用いた圧電アクチュエータ20の駆動制御方法について、図20のタイミングチャートに基づいて説明する。
図20に示すように、分周回路12からの基準信号に基づく運針周期Tの正秒毎(つまり1秒間隔)に、一連の駆動制御が実行される。
ドライバ16は、正秒よりも待機時間T0だけ前に、停止状態から待機状態になり、ドライバ16に電源が供給される。図中で、ドライバ16の待機状態は、“H”によって示され、停止状態は、“L”で示されている。本実施形態では、待機時間T0は、3.91msecに設定されている。
圧電アクチュエータ20は、正秒時に、停止状態から駆動状態になり、ドライバ16によって駆動電圧が印加され、駆動する。図中で、圧電アクチュエータ20の駆動状態は、“H”によって示され、停止状態は、“L”で示されている。
圧電アクチュエータ20が駆動状態になってから所定の駆動時間Ton経過後に、ガンギ車50がアンクル40の爪42,43によって規制されている位置にあるかどうかを検出する1回目のサンプリングがスタートする。
まず、フォトトランジスタ71B,72Bは、圧電アクチュエータ20が駆動状態になってから所定の駆動時間Ton経過後に、オフ状態からオン状態になり、LED71A,72Aの光を受光できる状態になる。図中で、フォトトランジスタ71B,72Bのオフ状態は、“H”によって示され、オン状態は、“L”で示されている。
さらに、フォトトランジスタ71B,72Bは、オン状態がTrオン時間Ttrだけ継続された後、オン状態からオフ状態になる。本実施形態では、Trオン時間Ttrは、3.91msecに設定されている。
次に、LED71A,72Aは、フォトトランジスタ71B,72Bがオン状態になってから所定時間後に、オフ状態からオン状態になり、LED71A,72Aが発光する。図中で、LED71Aのオン状態は、“H”によって示され、オフ状態は、“L”で示されている。LED71A,72Aは、オン状態がLEDオン時間Tledだけ継続された後、オン状態からオフ状態になる。ここで、LED71A,72Aがオン状態になるのは、フォトトランジスタ71B,72Bがオン状態になっている間となるように、LED71A,72Aのオン状態からオフ状態への切換タイミングと、LEDオン時間Tledとが設定されている。
本実施形態では、LEDオン時間Tledは、1.95msecに設定されている。
このような構成によって、アンクル40が反時計回りに揺動して、揺動角度が24度となる位置、つまり、爪43がガンギ車50の歯溝52を係止する位置にある場合には、LED72Aの光がアンクル40の貫通孔414Aを貫通してフォトトランジスタ72Bで受光され、フォトトランジスタ72Bから検出結果が制御回路13に出力される。また、アンクル40が反時計回りに揺動して、揺動角度が0度となる位置では、LED71Aの光が貫通孔414Aを貫通してフォトトランジスタ71Bで受光され、フォトトランジスタ71Bから検出結果が出力される。このようにして、ガンギ車50がアンクル40の爪42,43によって規制されている位置にあるかどうかを検出する。
なお、LED71A,72Aがオン状態になってから所定時間後に、フォトトランジスタ71B,72BがLED71A,72Aの光を受光したかどうかの検出結果が制御回路13に取り込まれる。図中で、検出結果の取込状態は、“H”によって示され、取込停止
状態は、“L”で示されている。検出結果の取り込みは、LED71Aがオン状態になっている間に実施され、所定時間だけ取込状態が継続された後、検出結果の取り込みは停止される。
続いて、1回目のサンプリングでフォトトランジスタ71B,72Bがオフ状態になってから所定時間後に、2回目のサンプリングが1回目と同様に実施される。
続いて、3回目のサンプリングも1回目のサンプリングと同様に実施される。
なお、サンプリングは、所定の回数だけ連続して取り込むまで、繰り返し実施される。本実施形態では、この所定の連続回数は3回に設定されている。つまり、3回連続して受光した検出結果を取り込めた時点で、アンクル40の回転が終了したと判断する。このように検出結果の取り込みが3回連続して可能であることを条件にすることによって、ガンギ車50がアンクル40の爪42,43によって確実に規制されていることを判断することができ、誤った検出結果を入力したりした場合に、圧電アクチュエータを誤動作させることを防止することができる。
なお、図20では、3回目のサンプリングによって3回連続してフォトトランジスタ71B,72BがLED71A,72Bの光を受光したことを検出した場合を示している。また、3回連続してフォトトランジスタ71B,72BがLED71A,72Bの光を受光した場合には、この3回目のサンプリングにおいて、検出結果の取り込みが終わると同時に、ドライバ16および圧電アクチュエータ20は停止状態となり、フォトトランジスタ71BおよびLED71Aはオフ状態になる。このようにして、LED71A,72Bおよびフォトトランジスタ71B,72Bの消費電流を低減することができる。
次の正秒時には、前回の正秒時と同様に、ドライバ16、圧電アクチュエータ20が動作する。ここで、アンクル40の他方の爪43がガンギ車50と噛み合う位置にアンクル40が回転されるので、他方のLED72Aおよびフォトトランジスタ72Bが作動して、検出結果の取り込みが実施される。
なお、正秒よりも待機時間T0だけ前にドライバが待機状態になるのと同時に、圧電アクチュエータ20の回転方向が切り替えられる。図中で、回転方向が切り替えられた状態は、“H”によって示され、切り替えが行われていない状態は、“L”で示されている。回転方向が切り替えられた状態は、圧電アクチュエータ20が停止状態となるまで継続される。このように、回転方向の切り替えは、正秒毎に実施される。
[1−5.時刻の修正方法]
図1に示すように、りゅうず4は、地板5に対して押引操作が可能に設けられている。具体的には、りゅうず4は、押し込まれた状態と、一段目まで引き出された状態と、二段目まで引き出された状態とに操作可能に設けられている。
図19に示すように、制御回路13は、りゅうず4と接続されている。りゅうず4が一段目、二段目まで引き出された状態が検出され、制御回路13に検出信号を出力する。りゅうず4が一段目の引出状態では、修正操作が初期状態とされる(リセット)。
りゅうず4は、二段目の引出状態では、正方向(表示された時刻が進む方向)の修正が可能となるように構成されている。制御回路13、駆動信号発振回路14にパルス信号を出力させ、一段目の引出状態から二段目の引出状態までりゅうず4が1回引き出されると、1ステップ分の修正が実行される。
りゅうず4が引き出された状態を維持されると、制御回路13によって早送り加速修正が実行される。つまり、引出状態が長時間継続されると、圧電アクチュエータ20の駆動周波数が16Hz,32Hz,64Hz,128Hzと上げられることによって、修正速度が加速される。
このように、駆動信号発振回路14にパルス信号を出力させ、時刻を電子修正することができる。
なお、時刻の修正方法については、以上のような電子修正でなくとも良い。
このような第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1−1)圧電アクチュエータ20によってアンクル40の揺動運動が繰り返されると、アンクル40によってガンギ車50の回転と、アンクル40の爪42,43によるガンギ車50の回転の規制が交互に実施されて、ガンギ車50が一定角度ずつ回転される。従って、圧電アクチュエータ20の駆動量に対してアンクル40の揺動量が一義的に決まらなくても、ガンギ車50の回転量を一定にすることができ、ジャンパ等の規制部材を用いることなく、ガンギ車50のオーバーランを防止でき、ガンギ車50に取り付けられた秒針91の表示精度を向上させることができる。
(1−2)圧電アクチュエータ20が圧電素子212を有する振動体21を使用していることから、電磁コイルを使用する場合と比べて、磁界の影響を受けにくくなり、磁界の影響下での誤作動を抑制することができる。
(1−3)駆動源として電磁コイルを使用していないことから、電磁コイルの厚さ寸法の制約がなくなり、サイズの小型化や薄型化を図ることができる。
(1−4)アンクル40の位置検出手段70によって、圧電アクチュエータ20の駆動停止のタイミングを判定するので、圧電アクチュエータ20の駆動において、アンクル40が所定位置に達した後は、圧電アクチュエータ20の駆動を停止させて、無駄な駆動を省くことができ、消費電流を削減することができる。
(1−5)ロータ歯車30の歯車部材314と、アンクル40のカナ44とによって圧電アクチュエータ20の駆動量に対するアンクル40の揺動量が4倍に増速されるので、圧電アクチュエータ20の駆動時間を短縮することができ、消費電流を削減することができる。
(1−6)アンクル40が揺動し、アンクル40の爪42,43の傾斜面421,431がガンギ車50の歯51の傾斜面511に当接することによって、ガンギ車50の歯51が反時計周りの回転方向に押されるので、ガンギ車を一定方向に回転させることができる。
(1−7)アンクルの爪42,43がガンギ車50の歯溝52を係止し、ガンギ車50の回転を規制するので、ガンギ車50が一定角度回転した後、アンクル40によってガンギ車50の回転を機構的に防止することができる。
(1−8)ガンギ車50の軸に秒針91が設けられているので、ガンギ車50と秒針91との間の輪列を削減することができ、小型化を図ることができる。
(1−9)LEDとフォトトランジスタとによる非接触式の位置検出手段70によってアンクル40の位置検出ができるので、接点式の検出器を用いる場合と比べて、アンクル40の負荷が増大することが生じず、消費電流を増大させることなく、確実にアンクル40の位置を検出して駆動停止の判定をすることができる。
(1−10)圧電アクチュエータ20は、全体薄板状の積層構造を有しているので、圧電素子からなる振動体と振動体によって回転されるロータとが同軸に構成された圧電アクチュエータを使用する場合と比べて、指針用圧電駆動装置10の薄型化を図ることができる。
(1−11)モータ駆動回路(ドライバ)16を正秒よりも待機時間T0だけ前に、停止状態から待機状態にするので、正秒と同時に圧電アクチュエータ20を駆動状態にすることができる。また、ドライバ16は、サンプリングを3回連続して取り込めた時点から、次の待機状態になるまでの間、停止状態とされるので、ドライバ16を常に待機状態とする場合と比べてドライバ16の消費電流を軽減することができる。
[2.第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図21に基づいて説明する。
本実施形態は、前述の第1実施形態の電子時計1に対して指針用圧電駆動装置10Aの構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。以下、相違点について説明する。
第1実施形態の指針用圧電駆動装置10では、圧電アクチュエータ20の駆動力がロータ歯車30を介してアンクル40のカナ44に伝達されることによって、アンクル40を揺動させていたが、本実施形態の指針用圧電駆動装置10Aでは、ロータ歯車30およびアンクル40のカナ44を設けず、圧電アクチュエータ20Aの駆動力を直接にアンクル40Aへ伝達させて、アンクル40Aを揺動させるように構成したものである。
すなわち、アンクル40Aの回転軸付近の圧電アクチュエータ20A側に略半円形部45が形成されている。この略半円形部45の側面に圧電アクチュエータ20Aの当接部が当接され、圧電アクチュエータ20Aの駆動力によって、アンクル40Aが揺動される。
また、圧電アクチュエータ20Aには、第1実施形態では両側に腕部216が設けられていたが、第2実施形態では、片側にだけ長手状の腕部216Aが設けられている。この腕部216Aの先端には、腕部回転軸217が設けられ、圧電アクチュエータ20Aは、腕部回転軸217を中心に回転可能に支持されている。
付勢手段としての押圧ばね60は、腕部回転軸217を付勢して、アンクル40Aの略半円形部45の側面に圧電アクチュエータ20Aの当接部22が当接するように構成されている。
このような本実施形態によれば、前述の効果に加えて以下のような効果がある。
(2−1)ロータ歯車30およびアンクル40のカナ44を省略し、指針用圧電駆動装置10Aの部品点数を削減することによって、電子時計の小型化を図ることができる。
[3.第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図22〜図25に基づいて説明する。
本実施形態は、前述の第1実施形態の電子時計1に対して指針用圧電駆動装置10Bの構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。以下、相違点について説明する。
第1実施形態の指針用圧電駆動装置10では、アンクル本体部41には、光遮蔽部414が設けられていたが、本実施形態では、光遮蔽部414が設けられず、駆動停止判定手段としての位置検出手段70Aがガンギ車50の円周部に設けられ、ガンギ車50の歯51を検出するように構成されている。
すなわち、位置検出手段70Aは、LED73A、フォトトランジスタ73Bとを備え、図22,23に示すように、アンクル40Bの他方の爪43がガンギ車50の歯溝52を係止している状態において、LED73Aの発光をフォトトランジスタ73Bが受光し、また、図24,25に示すように、一方の爪42が歯溝52を係止している状態において、LED73Aの発光が歯51に遮られてフォトトランジスタ73Bが受光しないように構成されている。
このような本実施形態によれば、前述の効果に加えて以下のような効果がある。
(3−1)第1実施形態における光遮蔽部414を有するアンクル40と比べて、アンクル40Bの重心位置を、揺動中心位置に近づけることができ、落下等による衝撃により、アンクル40Bが揺動する方向に大きな外力を受けても、ガンギ車の誤作動等を抑制することができる。
(3−2)位置検出手段70Aを一組のLED73Aおよびフォトトランジスタ73Bによって構成することができ、位置検出手段の設置スペースを縮小させることができる。
[4.第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図26〜図32に基づいて説明する。
本実施形態は、前述の第1実施形態の電子時計1に対して指針用圧電駆動装置10Cの構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。以下、相違点について説明する。
第1実施形態の指針用圧電駆動装置10では、圧電アクチュエータ20が時計周り方向および反時計周り方向の両方向に駆動できるように構成され、圧電アクチュエータ20の駆動する方向を切り替えることで、アンクル40を揺動させていたが、本実施形態の指針用圧電駆動装置10Cでは、図26に示すように、一方向にのみ駆動可能な圧電アクチュエータ20Bであっても、アンクル40Bを揺動することができるように構成したものである。
すなわち、図26において、アンクル40Bには、回転軸413付近において圧電アクチュエータ20B側に延設される脚部(サオ)46が形成されている。脚部46の端部には、凹部(ハコ)461が形成され、この凹部461は、アンクル40Bの回転軸413方向に2層構造を有している。つまり、図28に示すように、アンクル40Bの脚部46は、端部において回転軸413方向に二股に分かれ、内部に後述するロータ部材33を収納するように構成されている。
図27,28に示すように、ロータ部材33は、2枚の円板状の第1回転部材331および第2回転部材332が互いに反対方向に回転可能である2層構造を有し、第1回転部材331を回転させると、第2回転部材332は逆方向に回転するように構成されている。
図29に示すように、第1回転部材331の駆動力を第2回転部材332に伝達する方法の一例を示す。第1回転部材331の付近には、4つの伝達車333〜336が設けられている。4つの伝達車333〜336は、駆動力が第1伝達車333から第4伝達車336まで順番に伝達されるように配置されている。第1伝達車333は、第1回転部材331と当接するように配置され、第4伝達車336は、第2回転部材332と当接するように配置されている。
このようにして、第1回転部材331の駆動力が、4つの伝達車333〜336によって、第2回転部材332に伝達されるようになっている。また、伝達車333〜336が4つ(偶数個)設けられているので、第1回転部材331の回転方向と第2回転部材332の回転方向とは、互いに反対方向になる。
第1回転部材331および第2回転部材332には、アンクル40Bの2つの凹部461とそれぞれ係合する凸部331A,332Aが2箇所ずつ設けられ、これらの凸部331A,332Aは、各回転部材331,332の円周上における対向する2箇所に、外側に向かって設けられている。
第1回転部材331の凸部331Aがアンクル40Bの脚部46の長手方向に沿って配置されるようにロータ部材33の回転位置であるときに、アンクル40Bに近い側の凸部331Aがアンクル40Bの凹部461の内部に位置するように構成されている。
次に、図27および図30〜32に基づいて、指針用圧電駆動装置10Cの動作について説明する。第1回転部材331が反時計方向(図27中、実線の矢印の向き)に回転され、第2回転部材332が時計方向(図27中、破線の矢印の向き)に回転されると、アンクル40Bの凹部461は、左の方向(図中、左方向)に移動する。
次に、図30に示すように、第1回転部材331がさらに回転され、アンクル40Bの一方の爪42がガンギ車50の歯溝52にはまり込むまでアンクル40Bが揺動された後、第2回転部材332の凸部332Aがアンクル40Bと係合し始める。
次に、図31に示すように、第1回転部材331がさらに回転され、第2回転部材332が反対方向に回転されると、アンクル40Bは第2回転部材332の凸部332Aによって、中心位置まで移動される。
さらに、図32に示すように、第1回転部材331が回転されると、第2回転部材332によって、アンクル40Bの他方の爪43がガンギ車50の歯溝52にはまり込むまでアンクル40が揺動された後、第1回転部材331の凸部331Aがアンクル40Bと係合し始める。
このような一連の動作を繰り返すことによって、アンクル40Bは揺動することができる。
なお、本実施形態では、脚部46が形成されたアンクル40Bとロータ部材33とを含んで構成された指針用圧電駆動装置10Cを例にして説明したが、本発明の駆動装置は、この方法に限らず、圧電アクチュエータ20Bによる一方向の回転運動を往復運動(揺動運動)に変換するできる構成であれば他の方法でもよい。
このような本実施形態によれば、前述の効果に加えて以下のような効果がある。
(4−1)両方向に駆動可能な圧電アクチュエータを使用する必要がなく、一方向にのみ駆動可能な圧電アクチュエータ20Bを使用して、アンクル40Bを揺動させることができ、より多くの形式の圧電アクチュエータを採用することができる。
(4−2)両方向に駆動可能な圧電アクチュエータに対して一般的に駆動効率の高い一方向に駆動可能な圧電アクチュエータ20Bを使用することができるので、圧電アクチュエータ20Bを駆動させるのに必要な消費電流を削減することができる。
[5.第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態を図33〜図36に基づいて説明する。
本実施形態は、前述の第1実施形態の電子時計1に対して指針用圧電駆動装置10Dの構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。以下、相違点について説明する。
本実施形態の指針用圧電駆動装置10Dでは、図2に示す圧電アクチュエータ20の駆動力によって揺動手段としての爪付き揺動部材40Cを揺動させ、図33に示すように、爪付き揺動部材40Cの爪42Aが、互いに噛み合う回転体としての第1歯車50Aおよび第2歯車50Bの歯51A,51Bを交互に当接することによって、2つの歯車50A,50Bを回転させるように構成したものである。
すなわち、指針用圧電駆動装置10Dは、本体部41Aと爪42Aとから構成される爪付き揺動部材40Cと、第1歯車50Aおよび第2歯車50Bと、回転規制手段としてのジャンパ54とを備えて構成されている。爪付き揺動部材40Cは、圧電アクチュエータ20によって直接、揺動されるように構成してもよいし、増速部としてのロータ歯車30または増速輪列を介して揺動されるように構成してもよい。第1歯車50Aおよび第2歯車50Bは、それぞれ8枚の歯数を有し、半ピッチ分の回転角度は22.5度となってい
る。また、本実施形態では、第1歯車50Aの回転運動を減速比3.75で減速する図示しない減速部が設けられ、この減速部の先に図3に示す秒針91が取り付けられている。従って、第1歯車50Aが半ピッチ(22.5度)ずつ回転すると、秒針91は6度ずつ回転するようになっている。なお、減速部および秒針91は、第2歯車50B側に設けられていてもよい。
ジャンパ54は、第2歯車50Bの回転動作を規制するものであり、付勢手段としての一端が固定された板ばね部541と、この板ばね部541の他端に板ばね部541の長手方向に沿って並んで設けられた係止部としての2つの凸部542,543によって構成され、図33に示すように、2つの凸部542,543が両方とも第2歯車50Bの歯51Bの谷部52Aに係合されている。
すなわち、各歯車50A,50Bが半ピッチずつ回転する毎に、第2歯車50Bの1つの歯51Bが2つの凸部542,543間に係止される状態と、第2歯車50Bの2つの歯51B間に2つの凸部542,543が係止される状態とが交互に繰り返される。また、揺動部材40Cの回転中心位置は、第1歯車50Aおよび第2歯車50Bの回転中心から等距離の位置に設けられている。そして、各歯車50A,50Bが半ピッチずつ回転する毎に、各歯車50A,50Bの歯51A,51Bが交互に揺動部材40Cの爪42Aの回転軌跡内に入るように構成されている。
揺動部材40Cが第1の方向に揺動すると、爪42Aの回転軌跡内に入っている一方の歯車50A,50Bの歯51A,51Bに対して、爪42Aが当接し、その歯車の歯51A,51Bが回転方向の推進力を受けて、ジャンパ54の付勢力に抗して第1および第2歯車50A,50Bが一定角度回転するように設けられ、当該歯車50A,50Bが半ピッチ分だけ回転した位置でジャンパ54の2つの凸部542,543が第2歯車50Bの歯51Bと係止することによって、第1および第2歯車50A,50Bの回転を規制するように設けられている。
さらに、揺動部材40Cが第2の方向に揺動すると、爪42Aの回転軌跡内に入っている他方の歯車50A,50Bの歯51A,51Bに対して、爪42Aが当接し、その歯車の歯51A,51Bが回転方向の推進力を受けて、ジャンパ54の付勢力に抗して第1および第2歯車50A,50Bが同一方向に一定角度回転するように設けられ、歯車50A,50Bが半ピッチ分だけ回転した位置でジャンパ54の2つの凸部542,543が第2歯車50Bの歯51Bと係止することによって、第1および第2歯車50A,50Bの回転を規制するように設けられている。
次に、指針用圧電駆動装置10Dの動作について説明する。
まず、図33に示すように、爪付き揺動部材40Cを反時計周りに回転させて、爪付き揺動部材40Cの爪42Aを第2歯車50Bの歯51Bに当接させる。すると、第2歯車50Bは、ジャンパ54の付勢に抗して時計周りに回転し、図34に示すように、ジャンパ54の凸部543は、歯51Bによって押し下げられる。次に、図35に示すように、押し下げた歯51Bは、ジャンパ54の2つの凸部542,543の間に係止される。
続いて、図36に示すように、爪付き揺動部材40Cを時計方向に回転させて、第1歯車50Aの歯51Aに当接させる。すると、第1歯車50Aは反時計周りに回転し、第2歯車50Bは、ジャンパ54の付勢に抗して時計周りに回転し、ジャンパ54の凸部542は、歯51Bによって押し下げられる。そして、第2歯車50Bの2つの歯51B間にジャンパ54の2つの凸部542,543が係止される。
再び、爪付き揺動部材40Cを反時計方向に回転させると、第1歯車50Aは、図33に示す一連のサイクルの始めの状態に戻る。
このような本実施形態によれば、前述の効果に加えて以下のような効果がある。
(5−1)揺動部材40Cの爪42Aを第1歯車50Aおよび第2歯車50Bの両方の歯
51A,52Aに当接させるように構成されているので、揺動部材40Cは、1つの爪42Aを備えていればよく、揺動部材40Cの構成の簡素化を図ることができ、2つの爪を有する揺動手段を備える指針用圧電駆動装置と比べて、指針用圧電駆動装置10Dの省スペース化を図ることができる。
[6.第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態を図37〜図47に基づいて説明する。
本実施形態は、前述の第1実施形態の電子時計1に対して指針用圧電駆動装置10Eの構成が相違するもので、その他の構成は略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
第1実施形態の指針用圧電駆動装置10では、アンクル40の揺動によって、ガンギ車50を一定の方向に回転させていたが、本実施形態の指針用圧電駆動装置10Eでは、図37に示すように、反時計回り用の第1の指針用圧電駆動装置10Fと、時計回り用の第2の指針用圧電駆動装置10Gと、第1および第2の指針用圧電駆動装置10F,10Gにおける各回転体としての各ガンギ車50C,50Dの回転が伝達される回動体としての軸部材55と、第1および第2の指針用圧電駆動装置10F,10Gにおける各ガンギ車50C,50Dが各回転規制手段としての爪42D,42E,43D,43Eによって回転を規制されていない状態であることを検出する揺動手段位置検出手段としてのLED75A,78Aおよびフォトトランジスタ75B,78Bとを備え、ガンギ車50Cによって軸部材55が第1の方向(反時計周りの方向)に回動され、ガンギ車50Dによって軸部材55が第2の方向(時計周りの方向)に回動されるよう構成したものである。
ガンギ車50C,50Dの一方が回転する際には、他方のガンギ車50C,50Dはアンクルの爪42D,42E,43D,43Eによって回転を規制されていない状態となっている。
すなわち、図37および図38において、指針用圧電駆動装置10Eでは、図示しない時計回り用および反時計回り用圧電アクチュエータが設けられ、これらの圧電アクチュエータに対応する増速部としての図示しない時計回り用および反時計回り用ロータ歯車が設けられ、これらのロータ歯車にそれぞれ噛合される第1アンクル40Dと第2アンクル40Eとが設けられ、第1ガンギ車50Cと第2ガンギ車50Dとが設けられている。第1アンクル40Dは、第1ガンギ車50Cに形成された歯51Cと噛み込むように設けられ、第2アンクル40Eは、第2ガンギ車50Dに形成された歯51Dと噛み込むように設けられている。
このように、本実施形態では、圧電アクチュエータ20がロータ歯車30を介して第1,第2アンクル40D,40Eを揺動させる構成は、第1実施形態と同様であるが、第1アンクル40Dと第2アンクル40Eとがそれぞれの圧電アクチュエータ20の駆動力によって独立して揺動する点が相違する。
第1ガンギ車50C、第2ガンギ車50Dとは、同一の軸部材55に取り付けられて2層構造を形成しており、同一の軸部材55には、指針としての秒針91が取り付けられている。
なお、各ガンギ車50C,50Dには、第1実施形態のガンギ車50と同様に、周に沿って歯51C,51Dが形成され、歯51C,51Dの先端には傾斜面511C,511Dが形成されている。第1ガンギ車50C、第2ガンギ車50Dの各傾斜面511C,511Dの傾斜の向きは、それぞれ逆方向になっている。
また、各アンクル40D,40Eの爪42D,42E,43D,43Eに形成された傾斜面421D,421E,431D,431Eは、各アンクル40D,40Eに対応するガンギ車50C,50Dの歯51C,51Dに形成された傾斜面511C,511Dと当
接するように傾斜の向きが設定されている。
また、駆動停止判定手段として第1,第2アンクル40D,40Eの位置をそれぞれ検出する位置検出手段70Bが設けられている。位置検出手段70Bは、第1実施形態と同様に、LED74A,76A,77A,79Aとフォトトランジスタ74B,76B,77B,79Bとによって構成されている。
各アンクル40D,40Eは、揺動して、第1アンクル40Dの一方の爪42Dが第1ガンギ車50Cの歯51Cに噛み込んだ状態と、他方の爪43Dが歯51Cに噛み込んだ状態と、爪42D,43Dが両方とも第1ガンギ車50Cの歯51Cに噛み込まないでガンギ車50Cをフリーにする状態となる。第2アンクル40Eの爪42E,43Eについても第2ガンギ車50Dに対して第1アンクル40Dと同様の状態となる。これらの各状態における、アンクル40D,40Eの各光遮蔽部414に形成された貫通孔414Aのそれぞれの位置(各アンクルにつき3箇所)に、LED74A〜79Aとフォトトランジスタ74B〜79Bとがそれぞれ配置されている。
次に、図39〜47に基づいて、指針用圧電駆動装置10Eの動作について説明する。
図39に示すように、第1アンクル40Dの一方の爪42Dが第1ガンギ車50Cに噛み込んでおり、第2アンクル40Eが第2ガンギ車50Dをフリーにする状態を本実施形態の指針用圧電駆動装置10Eの初期状態とする。
図40に示すように、第1アンクル40Dを反時計周りに回転させて、他方の爪43Dを第1ガンギ車50Cに噛み込ませて、第1ガンギ車50Cを反時計周りに回転させる。
次に、図41に示すように、第1アンクル40Dを時計周りに回転させて、一方の爪42Dを第1ガンキ車50Cに噛み込ませて、第1ガンギ車50Cを反時計周りに回転させる。
このようにして、第1アンクル40Dの揺動を繰り返すことによって、軸部材55に取り付けられた秒針91は、反時計周りに回転する。
秒針91の回転を停止させる際には、図42に示すように、第1アンクル40Dの一方の爪42Dまたは他方の爪43Dを第1ガンギ車50Cに噛み込ませた状態で、第1アンクル40Dを停止させる。
次に、秒針91を反時計回りに回転させた後、回転方向を換えて時計周りに回転させる場合の動作について説明する。
図42に示すように、第1アンクル40Dによって秒針91を反時計周りに回転させる動作を停止させた後、図43に示すように、第2アンクル40Eの一方の爪42Eを第2ガンギ車50Dに噛合させる。
次に、図44に示すように、第1アンクル40Dが第1ガンギ車50Cをフリーにする位置に、第1アンクル40Dを停止させる。
このように、秒針91の回転方向を切り替える際には、第2アンクル40Eのみ第2ガンギ車50Dをフリーにする状態から、一度、第1および第2アンクル40D,40Eが第1および第2ガンギ車50C,50Dにそれぞれ噛み込む状態にしてから、第1アンクル40Dが第1ガンギ車50Cをフリーにする状態にすることによって、第1および第2ガンギ車50C,50Dが同時にフリーになる状態が生じないようにすることができる。これによって、フリー状態になった秒針91が外部からの衝撃等によって誤作動することを防止することができる。
次に、図45に示すように、第2アンクル40Eを時計周りに回転させて、他方の爪43Eを第1ガンギ車50Cに噛み込ませて、第1ガンギ車50Cを時計周りに回転させる。
次に、図46に示すように、第2アンクル40Eを反時計周りに回転させて、一方の爪42Eを第1ガンギ車50Cに噛み込ませて、第1ガンギ車50Cを時計周りに回転させ
る。
このようにして、第2アンクル40Eの揺動を繰り返すことによって、秒針91は、時計周りに回転する。
秒針91の回転を停止させる際には、図47に示すように、第2アンクル40Eの一方の爪42Eまたは他方の爪43Eを第2ガンギ車50Dに噛み込ませた状態で、第2アンクル40Eを停止させる。
このような本実施形態によれば、前述の効果に加えて以下のような効果がある。
(6−1)ガンギ車50C,50Dを時計回りおよび反時計周りの両方に回転させることができるので、ガンギ車50C,50Dによって回転される指針等の表示手段を時計回りおよび反時計周りの両方に回転させることも可能になる。従って、例えば、時計の指針の駆動装置として利用する際には、時計の時刻表示を修正する際に、指針を両方向に回転させることができるので、指針の回転角度の小さい方に回転させることで、時刻表示の修正時間を短縮することができ、時刻修正時の消費電流を削減することができる。
(6−2)ガンギ車50C,50Dを時計回りおよび反時計周りの両方に回転させることができるので、電子時計1の指針用圧電駆動装置10Eに限らず、計器類、メーター類の指針の圧電駆動装置として利用範囲を広げることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明の圧電駆動装置に係る圧電アクチュエータの駆動方法としては、図48のタイミングチャートで示す方法を採用してもよい。
第1実施形態では、所定の駆動時間Ton経過後に、位置検出手段70によるサンプリングを実行して、サンプリング結果に基づいて圧電アクチュエータ20を停止させていたが、本発明では、所定の駆動時間Tonが経過した時点で、圧電アクチュエータ20を停止させてもよい。
つまり、図48に示すように、圧電アクチュエータ20は、駆動時間Tonが経過した時点で、駆動状態Hから停止状態Lになる。また、ドライバ16も、駆動時間Tonが経過した時点で、待機状態Hから停止状態Lになる。ここで、本変形例では、予め設定された駆動時間Tonによって本発明の駆動停止判定手段が構成される。
このような構成によれば、アンクル40の揺動毎に、ガンギ車50が回転を開始して、ガンギ車50がアンクル40の爪42,43によって規制される状態になるまでの時間よりも圧電アクチュエータ20の駆動時間Tonが長くなるように設定することによって、駆動時間Tonによって駆動停止を判定しても、圧電アクチュエータ20によるガンギ車50のオーバーランを防ぐことができる。従って、駆動停止判定手段は、所定時間に設定されたの駆動時間Tonによって駆動停止を判定するので、判定手段としてのセンサを必要とせず、圧電駆動装置の小型化を図ることができるとともに、消費電流を増大させずに、駆動停止の判定をすることができる。
また、本発明の圧電駆動装置に係る揺動手段としてのアンクルは、図49,50に示すような構成を採用してもよい。
図49に示されるアンクル40Fは、第3実施形態の指針用圧電駆動装置10Bにおけるアンクル40Bにおいて、アンクルの重心位置と揺動中心位置とが略一致するように回転軸413付近の形状が設定されているものである。
このようなアンクルには、回転軸413に取り付けられる図2に示すカナ44を介して、ロータ歯車30の駆動力が伝達される。
また、図50に示されるアンクル40Gは、第2実施形態の指針用圧電駆動装置10Aにおけるアンクル40Aにおいて、アンクルの重心位置と揺動中心位置とが略一致するように回転軸413付近の略半円形部45Aの形状が設定されているものである。
このようなアンクルは、第2実施形態のアンクル40Aと同様に圧電アクチュエータ20Aの当接部22が略半円形部45Aの側面に当接されることによって、圧電アクチュエータ20Aの駆動力が伝達される。
このような構成によれば、アンクル40F,40Gの重心位置は、揺動中心位置と略一致しているので、落下等による衝撃により、アンクル40F,40Gが揺動する方向に大きな外力を受けても、ガンギ車の誤作動等を抑制することができる。
また、第1〜第5実施形態における回転体としてのガンギ車は、図51に示すように、同心円板状で、外周に鋸歯状突起(爪)561を有した爪車56を備え、このガンギ車50Eには、爪561と係合する逆止め装置57が設けられていてもよい。
逆止め装置57は、爪止めばね570と、逆転止めレバー571と、案内ピン572と、逆転止めレバー調整ピン573とを備えて構成されている。爪止めばね570は、板ばねから構成され、一端が爪車56の爪561と係合し、他端が逆転止めレバー571に固定されている。逆転止めレバー571は、爪止めばね570の長手方向に沿ってスライド可能に設けられ、案内ピン572を介して図1に示す地板5に支持されている。逆転止めレバー調整ピン573は、偏心ピンであり、回転させることで、逆転止めレバー571をスライド方向の位置を調整可能に設けられている。
このような構成によれば、ガンギ車50Eが送り方向(図51中の矢印の方向)とは反対方向に回転することを防止することができる。
また、第1実施形態では、駆動停止判定手段として、LED71A,72Aとフォトトランジスタ71B,72Bとを用いて非接触で揺動手段としてのアンクル40の位置を検出する位置検出手段70を例にして説明したが、本発明の位置検出手段70としては、揺動手段または回転体と接する接点を有する接触式のセンサとして、リミットスイッチなどのセンサを採用してもよい。
このような構成によれば、アンクル40の揺動量を計測するために駆動部を有する検出器を取り付ける必要はなくなり、無駄な駆動部を省くことができる。
また、本発明の駆動停止判定手段では、圧電アクチュエータには、当該圧電アクチュエータの駆動状態に応じた検出信号を出力する検出電極と、揺動手段の揺動に連動して前記検出信号を変動させる変動手段とを設け、駆動停止判定手段は、変動手段によって生じる検出信号の変化に基づいて圧電アクチュエータで揺動される揺動手段の駆動量を検出し、検出された駆動量が所定量に達した時に、圧電アクチュエータの駆動停止を判定するようにしてもよい。
例えば、第1実施形態の圧電素子212における駆動電極214,215のうち、駆動電圧が印加されない側の駆動電極214,215を検出電極として使用することができる。なお、変動手段を別途設けなくとも、アンクル40の爪42,43がガンギ車50の歯溝52の歯底に突き当たったことによる検出信号の変化に基づいて圧電アクチュエータの駆動停止を判定するようにしてもよい。
このような構成によれば、駆動時間Tonを設定することによって駆動停止を判定する場合と比べて、制御回路13に駆動時間Tonをカウントする手段を追加する必要がないので、消費電流削減効果が得られる。
また、第1実施形態では、運針周期Tが1秒とされていたが、本発明の圧電駆動装置における運針周期Tは、例えば20秒であってもよい。運針周期Tを1秒とした場合には、ガンギ車50に取り付けられた秒針91がステップ運針することができる。運針速度を例えば20秒とした場合には、ガンギ車50に秒針91を設けず、圧電アクチュエータ20によって分針を駆動する。
なお、運針周期Tを20秒とした場合には、1ステップあたりのガンギ車50の回転角度を6度とし、分針が取り付けられる二番車82の回転角度を2度(ガンギ車50に対し
て3分の1の減速)とし、ガンギ車には秒針を付けず、分針と時針とによって計時情報を表示する。
また、1回のアンクル40の揺動によってガンギ車50は半ピッチ分回転されるので、、第1実施形態ではガンギ車50には30枚の歯51が設けられ、アンクル40の揺動回数は1秒間に1回に設定されていた。つまり、ガンギ車50の回転角度は、1秒間に6度に設定されていた。これに対し、例えば、ガンギ車50の歯数を90枚または15枚と設定してもよい。歯数が90枚の場合には、アンクル40の揺動回数を1秒間に3回に設定すれば、ガンギ車50の回転角度を1秒間に6度とすることができる。また、歯数が15枚の場合には、アンクル40の揺動回数を1秒間に1回に設定し、ガンギ車50の回転角度を1秒間に12度とし、ガンギ車50の回転量を2分の1にする減速した所に秒針を取り付けることによって、秒針を1秒間に6度の回転角度とすることができる。
また、前記実施形態では、駆動停止判定手段によって回転体が回転を規制された状態になったことが判定された場合に、駆動制御手段は、圧電アクチュエータの駆動を停止させていたが、本発明の圧電駆動装置では、駆動制御手段は、駆動停止判定手段によって回転体が回転を規制された状態になったことが判定された場合に、圧電アクチュエータの駆動を停止させず、すぐに、圧電アクチュエータを反対方向に駆動させる制御するように構成してもよい。このような構成によれば、駆動装置を計器類やメーター類における表示部等の駆動装置として利用する際に表示部等の駆動をスムーズに行うことができる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る時計の概略構成を示す平面図。 前記時計における圧電駆動装置の構成を示す平面図。 前記圧電駆動装置の構成を示す断面図。 前記圧電駆動装置の駆動停止判定手段としての位置検出手段を示す断面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の制御方法を示すブロック図。 前記圧電駆動装置の制御方法を示すタイミングチャート。 本発明の第2実施形態に係る時計の圧電駆動装置の構成を示す平面図。 本発明の第3実施形態に係る時計の圧電駆動装置の駆動停止判定手段としての位置検出手段を示す平面図。 前記圧電駆動装置の駆動停止判定手段としての位置検出手段を示す断面図。 前記圧電駆動装置の駆動停止判定手段としての位置検出手段を示す平面図。 前記圧電駆動装置の駆動停止判定手段としての位置検出手段を示す断面図。 本発明の第4実施形態に係る時計の圧電駆動装置の構成を示す平面図。 前記圧電駆動装置の構成を示す平面図。 前記圧電駆動装置の構成を示す側面図。 前記圧電駆動装置の増速部の構成を示す斜視図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 本発明の第5実施形態に係る時計の圧電駆動装置の構成を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 本発明の第6実施形態に係る電子機器の圧電駆動装置の構成を示す平面図。 前記圧電駆動装置の構成を示す断面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 前記圧電駆動装置の動作を示す平面図。 本発明の変形例に係る圧電駆動装置の制御方法を示すタイミングチャート。 本発明の変形例に係る圧電駆動装置の揺動手段の構成を示す平面図。 本発明の変形例に係る圧電駆動装置の揺動手段の構成を示す平面図。 本発明の変形例に係る圧電駆動装置の回転体の構成を示す平面図。
符号の説明
1…電子時計(電子機器)、10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G…指針用圧電駆動装置(圧電駆動装置)、20,20A,20B…圧電アクチュエータ、40,40A,40B,40F,40G…アンクル(揺動手段)、40C…揺動部材(揺動手段)、40D…第1アンクル(揺動手段)、40E…第2アンクル(揺動手段)、41…アンクル本体部(本体部)、41A…本体部、42,42A,42D,42E…爪(回転規制手段)、43,43D,43E…爪(回転規制手段)、50…ガンギ車(回転体)、50A…第1歯車(回転体)、50B…第2歯車(回転体)、50C…第1ガンギ車(回転体)、50D…第2ガンギ車(回転体)、50E…ガンギ車(回転体)、54…ジャンパ(回転規制手段)、55…軸部材(回動体)、70,70A,70B…位
置検出手段(駆動停止判定手段)、71A,72A,73A,74A,76A,77A,79A…発光ダイオード(位置検出手段)、71B,72B,73B,74B,76B,77B,79B…フォトトランジスタ(位置検出手段)、75A,78A…発光ダイオード(揺動手段位置検出手段)、75B,78B…フォトトランジスタ(揺動手段位置検出手段)、91…秒針(指針)、100…駆動制御装置(駆動制御手段)、211…補強板、212…圧電素子、214,215…駆動電極(検出電極)、421,421D,421E,431,431D,431E…傾斜面、511,511C,511D…傾斜面、541…板ばね部(付勢手段)、542,543…凸部(係止部)、Ton…駆動時間。

Claims (16)

  1. 圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータによって第1および第2の方向に交互に揺動される揺動手段と、
    前記揺動手段が各方向に揺動する毎に、揺動手段によって一定方向に回転される回転体と、
    前記回転体の回転角度を一定角度毎に規制する回転規制手段と、
    前記圧電アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする圧電駆動装置。
  2. 請求項1に記載の圧電駆動装置において、
    前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定する駆動停止判定手段を備え、
    前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段によって回転された回転体が一定角度回転して前記回転規制手段によって回転を規制された状態になったか否かを判定し、
    前記駆動制御手段は、前記駆動停止判定手段によって前記回転体が回転を規制された状態になったことが判定された場合に前記圧電アクチュエータの駆動を停止させることを特徴とする圧電駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電駆動装置において、
    前記圧電アクチュエータと前記揺動手段との間には増速部が設けられ、
    前記揺動手段は、前記増速部を介して圧電アクチュエータの駆動によって揺動するように設けられていることを特徴とする圧電駆動装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記揺動手段は、揺動可能に設けられる本体部と、この本体部において揺動中心を挟んで2箇所に設けられた爪とを備えたアンクルであり、
    前記回転体は、複数の歯を有するガンギ車であり、
    前記回転規制手段は、前記ガンギ車の歯溝を係止する前記アンクルの爪であり、
    前記ガンギ車の各歯の先端および前記アンクルの各爪の先端の少なくとも一方には、それぞれ同一方向に傾斜した傾斜面が形成され、
    前記アンクルが第1の方向に揺動すると、当該アンクルの一方の爪が前記ガンギ車の歯と当接し、前記ガンギ車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記ガンギ車が一定角度回転し、前記アンクルの爪が前記ガンギ車の歯溝に係止されることによってガンギ車の回転が規制され、次に、前記アンクルが第2の方向に揺動すると、前記アンクルの一方の爪が前記歯溝から離れて前記ガンギ車の規制が解除され、当該アンクルの他方の爪が前記ガンギ車の歯と当接し、前記ガンギ車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記ガンギ車が同一方向に一定角度回転し、前記アンクルの爪が前記ガンギ車の歯溝に係止されることによってガンギ車の回転が規制されるように、前記アンクルの各爪が前記ガンギ車の各歯に対して配置されていることを特徴とする圧電駆動装置。
  5. 請求項4に記載の圧電駆動装置において、
    前記アンクルの重心位置は、当該アンクルの揺動中心位置と略一致していることを特徴とする圧電駆動装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記回転体の回転軸に指針が設けられていることを特徴とする圧電駆動装置。
  7. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記揺動手段は、揺動可能に設けられる本体部と、この本体部に設けられた1つの爪と
    を有し、
    前記回転体は、互いに噛み合う第1歯車および第2歯車で構成され、
    前記回転規制手段は、前記第1歯車および第2歯車のいずれか一方の歯車の歯に対して、その歯車が半ピッチずつ回転する毎に係止する係止部と、この係止部を前記歯車に対して付勢する付勢手段とを備え、
    前記揺動手段の回転中心位置は、前記第1歯車および第2歯車の回転中心から等距離の位置に設けられ、各歯車が半ピッチずつ回転する毎に、各歯車の歯が交互に前記揺動手段の爪の回転軌跡内に入るように構成され、
    前記揺動手段が第1の方向に揺動すると、当該揺動手段の爪の回転軌跡内に入っている一方の歯車の歯に対して、前記爪が当接し、その歯車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記回転規制手段の付勢手段の付勢力に抗して第1および第2歯車が一定角度回転し、当該歯車が半ピッチ分だけ回転した位置で前記回転規制手段の係止部が前記歯車の歯と係止することによって、前記第1および第2歯車の回転を規制し、次に、前記揺動手段が第2の方向に揺動すると、当該揺動手段の爪の回転軌跡内に入っている他方の歯車の歯に対して、前記爪が当接し、その歯車の歯が回転方向の推進力を受けて、前記回転規制手段の付勢手段の付勢力に抗して第1および第2歯車が一定角度回転し、当該歯車が半ピッチ分だけ回転した位置で前記回転規制手段の係止部が前記歯車の歯と係止することによって、前記第1および第2歯車の回転を規制するように設けられていることを特徴とする圧電駆動装置。
  8. 請求項2に記載の圧電駆動装置において、
    前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段または回転体と接する接点を有する位置検出手段を有し、
    前記位置検出手段は、前記揺動手段が第1の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置と、前記揺動手段が第2の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置とを検出することを特徴とする圧電駆動装置。
  9. 請求項2に記載の圧電駆動装置において、
    前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段または回転体の位置を非接触で検出する位置検出手段を有し、
    前記位置検出手段は、前記揺動手段が第1の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置と、前記揺動手段が第2の方向に揺動して前記回転体が前記回転規制手段によって回転を規制された状態における前記揺動手段または回転体の位置とを検出することを特徴とする圧電駆動装置。
  10. 請求項2に記載の圧電駆動装置において、
    前記駆動停止判定手段は、前記圧電アクチュエータの駆動が開始してから、所定の駆動時間が経過した時に、前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定することを特徴とする圧電駆動装置。
  11. 請求項2に記載の圧電駆動装置において、
    前記圧電アクチュエータには、当該圧電アクチュエータの駆動状態に応じた検出信号を出力する検出電極が設けられ、
    前記揺動手段の揺動に連動して前記検出信号を変動させる変動手段を備え、
    前記駆動停止判定手段は、前記変動手段によって生じる前記検出信号の変化に基づいて前記圧電アクチュエータで揺動される揺動手段の駆動量を検出し、検出された前記駆動量が所定量に達した時に、前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定することを特徴とする
    圧電駆動装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の圧電駆動装置において、
    前記圧電アクチュエータは、補強板と、この補強板の両面に設けられた圧電素子とによって全体薄板状の積層構造を有していることを特徴とする圧電駆動装置。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載の圧電駆動装置によって構成される第1の圧電駆動装置と、
    請求項1から請求項12のいずれかに記載の圧電駆動装置によって構成される第2の圧電駆動装置と、
    前記第1および第2の圧電駆動装置における各回転体の回転が伝達される回動体と、
    前記第1および第2の圧電駆動装置における各回転体が各回転規制手段によって回転を規制されていない状態であることを検出する揺動手段位置検出手段とを備え、
    前記第1の圧電駆動装置における回転体によって前記回動体が第1の方向に回動され、
    前記第2の圧電駆動装置における回転体によって前記回動体が第2の方向に回動され、
    一方の前記圧電駆動装置における回転体が回転する際には、他方の前記圧電駆動装置における回転規制手段が回転体の回転を規制しない状態となっていることを特徴とする圧電駆動装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載の圧電駆動装置を備えることを特徴とする電子機器。
  15. 請求項14の電子機器は、計時部と、前記計時部で計時された計時情報を表示する計時情報表示部とを備えた時計であることを特徴とする電子機器。
  16. 圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータによって第1および第2の方向に交互に揺動される揺動手段と、前記揺動手段が各方向に揺動する毎に、揺動手段によって一定方向に回転される回転体と、前記回転体の回転角度を一定角度毎に規制する回転規制手段と、前記圧電アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段と、前記圧電アクチュエータの駆動停止を判定する駆動停止判定手段とを備える圧電駆動装置の制御方法であって、
    前記駆動制御手段によって、前記圧電アクチュエータの駆動が開始されると、前記駆動停止判定手段は、前記揺動手段によって回転された回転体が一定角度回転して前記回転規制手段によって回転を規制された状態になったか否かを判定し、
    前記駆動停止判定手段によって前記回転体が回転を規制された状態になったことが判定されると、前記駆動制御手段は、前記圧電アクチュエータの駆動を停止することを特徴とする圧電駆動装置の制御方法。
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