JP2005315809A - 電波修正時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルス幅の判定による時刻情報の抽出が困難な場合であっても、適切に時刻修正を行うことができ、消費電力が小さい電波修正時計を提供する。
【解決手段】内部時計1401と、少なくとも標準時刻の秒毎にパルスのレベルの切り換わるように変調された標準時刻電波信号を受信する長波受信回路110と、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号からパルスのレベルの切り換わり点を検出し、当該検出した結果に基づいて内部時計1401が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する制御回路14とを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、標準時刻電波信号を受信して時刻修正を行う電波修正時計に関する。
標準時刻電波信号は、例えば、標準時刻情報をBCD(10進化2進数)により符号化し、予め規定された時間軸上の3種類のパルス幅の信号に応じて、標準電波が振幅変調されて生成される。
一般的な電波修正時計は、この標準電波信号を受信し、時間軸上のパルス幅により3種類の信号に分類し、その分類結果を基に符号化された時刻情報を復号して標準時刻情報を得る(例えば、特許文献1参照)。
特許2545652号公報
上述した特許文献1に示した電波修正時計では、パルス幅を判定して3種類の信号に分類するが、電波受信状態が悪い際にはノイズ等が標準時刻電波信号に混在して、正確にパルス幅を判定することが困難な場合があり、正確に標準時刻電波信号から時刻情報を受信できないために時刻修正を適切に行うことができない場合がある。
また、一般的な電波修正時計では、1分間の標準時刻電波信号の内に分情報、時情報、日情報等が含まれるために、その時刻情報を抽出するには、数分間連続して標準時刻電波信号を受信して積算し、その積算結果に基づいて時刻情報を抽出する。このため時刻修正を行うのに必要な消費電力が大きい。このため、低消費電力で時刻修正を行うことができる時刻修正時計が望まれている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パルス幅の判定による時刻情報の抽出が困難な場合であっても、適切に時刻修正を行うことができ、消費電力が小さい電波修正時計を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明の電波修正時計は、内部時計と、少なくとも標準時刻の秒毎にパルスのレベルが切り換わるように変調された標準時刻電波信号を受信する標準電波受信手段と、前記標準電波受信手段が受信した標準時刻電波信号のパルスのレベルの切り換わり点を検出し、当該検出した結果に基づいて前記内部時計が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する制御手段とを有する。
本発明の電波修正時計によれば、標準電波受信手段が標準時刻の秒毎にパルスのレベルが切り換わるように変調された標準時刻電波信号を受信すると、制御手段は、標準電波受信手段が受信した標準時刻電波信号のパルスのレベルの切り換わり点を検出し、当該検出した結果に基づいて内部時計が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する。
本発明によれば、パルス幅の判定による時刻情報の抽出が困難な場合であっても、適切に時刻修正を行うことができ、消費電力が小さい電波修正時計を提供することにある。
本発明に係る電波修正時計は、少なくとも標準時刻の秒毎にパルスのレベルが切り換わるように変調された標準時刻電波信号を受信し、その標準時刻電波信号からパルスのレベルの切り換わり点を検出し、当該検出した結果に基づいて内部時計が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る電波修正時計を説明する。
図1は本発明に係る電波修正時計の第1実施形態に係る電気的な機能ブロック図である。図2は図1に示した電波修正時計の構成図である。図3は図2に示した電波修正時計の断面図である。
本実施形態に係る電波修正時計1は、例えば図1〜3に示すように、標準電波受信系11、スイッチ群12、発振回路13、制御回路14、ドライブ回路15、発光素子16、バッファ回路17、ドライブ回路18、時計本体100、第1のモータ(秒針用モータ)121、第2のモータ(時分針用モータ)131、光検出センサ部140、手動修正系150、トランジスタQ1〜Q2、および抵抗素子R1〜R4、キャパシタC131,C132を有する。
制御回路14は本発明に係る制御手段の一例に相当する。
標準電波受信系11は、例えば不図示の標準電波送信所から送信された標準時刻情報(時刻コードとも言う)を含む標準電波(標準時刻電波信号とも言う)を受信して信号S11として制御回路14に出力する。
標準電波受信系11は、例えば図1に示すように、アンテナANT、および長波受信回路(標準電波受信回路)110を有する。
長波受信回路110は本発明に係る標準電波受信手段に相当する。
長波受信回路110は、例えばアンテナANTを介して入力された標準時刻電波信号を信号S11として制御回路14に出力する。詳細には長波受信回路110は、例えば不図示のRFアンプ、検波回路、波形整形回路を有し、増幅処理、検波処理等を行い、処理結果の標準時刻信号を信号S11として出力する。制御回路14は信号S11を基に内部時計1401や表示時刻の修正を行う。
また、例えば長波受信回路110は、制御回路14から出力された、標準時刻電波信号の受信オン状態または受信オフ状態を制御させる制御信号CTL11に基づいて、標準時刻電波信号の受信オン状態または受信オフ状態を制御する。
なお、日本の標準電波は独立行政法人通信総合研究所(CRL)のもとで運用されており、周波数40kHzの標準電波を送信する標準電波送信所および周波数60kHzの標準電波を送信する標準電波送信所が設けられている。
標準時刻電波信号は、例えば、少なくとも標準時刻の秒毎にパルスのレベルが切り換わるように変調されている。また、標準時刻電波信号は、標準時刻のうち分情報、時情報、日情報、うるう秒情報、またはサマータイム情報のいずれかに応じて規定された信号を基に変調されている。
詳細には、標準電波受信系11で受信される標準電波は、図4(a)に示すような形態で送られてくる。
具体的には、時刻コードは1,0,Pの3種類の信号パターンからなり、1secの1信号パターン中の100%振幅期間幅によって区別され、1,0,Pはそれぞれ500ms,800ms,200msとなっている。変調方式は、最大値100%,最小値10%の振幅変調である。
詳細には、標準時刻電波信号は、標準時刻の秒毎に、パルスの信号レベルが最小値10%から最大値100%に立ち上がるように振幅変調されている。より詳細には、標準時刻電波信号は、最小値10%と最大値100%の中間値55%が、標準時刻の秒に同期するように振幅変調されている。
制御回路14は、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号から、上述したパルスの信号レベルの切り換わり点、詳細にはパルスのレベルの立ち上がり、詳細には10%から100%の中間値を切り換わり点として検出し、当該検出した結果に基づいて内部時計1401が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する。
そして、受信状態が良好な場合には、標準電波受信系11からは図4(b)に示すように、標準電波信号に応じたパルス信号として信号S11が、制御回路14に出力される。
この信号S11は、例えば第1のレベルに相当するハイレベルと、第2のレベルに相当するローレベルにより構成されている。制御回路14は、ハイレベル、およびローレベル、ならびに、ハイレベルからローレベルへの立下りエッジed1、およびローレベルからハイレベルへの立上がりエッジed2に基づいて受信状態の評価処理を行う。エッジed1およびエッジed2を区別しない場合には、単にエッジedという。
次に、長波標準電波の送信データについて説明する。
図5は、標準時刻電波信号の時刻コードの一例を示している。毎時15,45分以外のフォーマットの一例を示す図である。
送信情報は、分・時・1月1日からの積算日となっている。
時刻データの送信は、1bit/秒で1分間を1フレームとしており、このフレーム内に前述した分・時・1月1日からの積算日の情報がBCDコードで提供されている。また送信されるデータは、0・1の他にPコードというマーカーが含まれており、このPコードは、1フレームに数カ所あり、正分(0秒)、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒、59秒に現れる。このPコードが続けて現れるのは1フレーム中1回で59秒、0秒の時だけで、この続けて現れる位置が正分位置となる。つまり分・時データ等の時刻データはこの正分位置を基準としてフレーム中の位置が決まっているためこの正分位置の検出を行わないと時刻データを取り出すことはできない。
また、標準時刻電波信号は、例えば毎時15,45分以外では図5に示すように、1フレーム中0秒目から53秒目の間の第1の期間TL1には、分情報、時情報、積算日情報、年情報、曜日情報等の時刻情報を含む。それ以外の54秒目から59秒目の間の第2の期間TL2には、時刻情報ではない非時刻情報を含んでいる。
また、標準時刻電波信号は、例えば毎時15,45分では不図示の1フレーム中0秒目から34秒目の間の第1の期間TL1には、分情報、時情報、積算日情報等の時刻情報を含む。それ以外の35秒目から59秒目の間の第2の期間TL2には、時刻情報でない非時刻情報を含んでいる。非時刻情報は例えば呼び出し符号情報や停波情報、その他、時刻情報と関係のない情報である。
スイッチ群12は、例えば図1に示すように、時刻修正スイッチSW121、およびリセットスイッチSW122を有する。
時刻修正スイッチSW121は、例えば強制的に時刻修正を行う際に操作され、操作に応じて信号S121を制御回路14に出力する。制御回路14は、時刻修正スイッチSW121から信号S12が入力されると、後述するように、標準電波受信系11で受信した標準時刻電波信号に基づいて、内部時計による時刻情報を修正し、指針の位置検出を行った後、内部時計1401による時刻情報を基に時刻修正処理を行う。
リセットスイッチSW122は、内部状態をリセットする際に操作され、操作に応じて信号S122を制御回路14に出力する。制御回路14は、信号S122に基づいてリセット処理を行う。
発振回路13は、例えば水晶発振器CRYおよびキャパシタC131,C132により構成され、所定周波数の基本クロックを示す信号S13を制御回路14に供給する。
制御回路14は、例えば内部時計1401、およびメモリ1402を有する。
内部時計1401は、本発明に係る内部時計の一例に相当する。
内部時計1401は、例えば、発振回路13による発振信号S13に基づいて時刻情報を計時する。詳細には、内部時計1401は、例えば年情報カウンタ、月情報カウンタ、日情報カウンタ、曜情報カウンタ、時情報を計時する時カウンタ、分情報を計時する分カウンタ、および秒情報を計時する秒カウンタ等を含む。
メモリ1402は、例えば、制御回路14のワークスペースとして用いられる。例えば、メモリ1402はRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等で構成される。また、例えばメモリ1402は、本発明に係る処理手順を含むプログラムを有し、制御回路14は、プログラムを実行することにより本発明に係る処理手順を実現する。
制御回路14は、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号のパルスのレベルの切り換わり点を検出し、当該検出した結果に基づいて内部時計1401が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する。
詳細には、制御回路14は、予め設定した時間長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号から検出したパルスのレベルの切り換わり点と、内部時計1401が計時する秒情報との誤差を演算する。
そして、制御回路14は、その誤差の平均値がゼロとなるように、内部時計1401が計時する秒情報を修正する。また、制御回路14は、その誤差の平均値が予め設定された値、例えば誤差が0.1秒以内となるように、内部時計1401が計時する秒情報を修正してもよい。
また、制御回路14は、秒情報受信モード時には、検出したパルスのレベルの切り換わり点に基づいて内部時計1401が計時する秒情報を修正する。
また、制御回路14は、全コード受信モード時には、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号のうち分情報、時情報、日情報、またはうるう秒情報のいずれかに基づいて、内部時計1401が計時する時刻情報を修正する。
また、制御回路14は、通常時には、秒情報受信モードにより秒情報を修正し、予め設定された受信条件、例えば誤差の平均値の偏差が予め設定された値よりも大きい場合や、全コード受信モードにより時刻情報を修正した時から予め設定された時間経過した場合には、全コード受信モードにより、内部時計1401が計時する時刻情報を修正する。
また、制御回路14は、内部時計1401が計時する時刻情報を修正した場合には、時刻表示手段として例えば、秒針用モータ121や時分針用モータ131、輪列、および指針により表示された時刻や、液晶表示装置等による時刻表示装置による表示時刻を修正する。
また、制御回路14は、例えば通常時には、内部時計1401による時刻情報に基づいて、秒針を第1の距離単位毎に回転移動させる駆動パルス信号CTL1を秒針用モータ121に出力し、時針および分針を第2の距離単位毎に回転移動させる駆動パルス信号CTL2を時分針用モータ131に出力して、指針である時針、分針、秒針により現時刻表示を行わせる。
また、制御回路14は、内部時計1401が計時する標準時刻情報(時刻情報ともいう)に基づいて、予め設定された時刻(設定時刻)に時刻修正動作を行う。
また、制御回路14は、標準時刻電波信号の受信状態が良好であると判別した場合には、アンテナANTを介して長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号を基に、内部時計1401が計時する時刻情報を修正し、内部時計1401が計時する時刻情報を基に、秒針駆動系120および時分針駆動系130を駆動して、指針による表示時刻を修正する。
以下、より詳細に制御回路14の時刻修正に係る機能を説明する。
制御回路14は、例えば初期状態、および時刻修正スイッチSW121が操作された場合には、指針車の原点検出処理を行い、内部時計1401で計時される時刻情報に応じた駆動信号CTL1およびCTL2を出力して、指針による時刻表示を行う。
制御回路14は、指針の位置検出処理は、時分針車および秒針車の位相合わせ処理、秒針の原点検索処理、時分針の原点検索処理を行い、各指針車の位置を検出した後、所定時刻に指針を設定する。
位相合わせ処理は、例えば、時分針車に設けられた透光部と、秒針車に設けられた透光部とを、発光素子142から出力された光が貫通するような位置にまで、時分針車および秒針車を駆動する。
秒針の原点検索処理は、発光素子142から出力された光が、秒針車に設けられた遮光部および透光部により、受光素子144に受光される、光のオンオフパターンに基づいて原点が検索される。
時分針の原点検索処理は、後述するように、発光素子142から出力された光が、時分針車に設けられた遮光部および透光部により、受光素子144に受光される、光のオンオフパターンに基づいて位置が検索される。
制御回路14は、所定の時間、例えば本実施形態では8秒間の標準時刻電波信号のサンプリング(例えば32Hz)を行い、そのサンプリングの結果に基づいて受信状態を判定する。詳細には、制御回路14は、例えば標準電波受信系11から入力される信号S11のサンプリング(例えば32Hz)を行い、エッジedを検出し、そのエッジedの有無や数に基いて受信状態を判定する。
制御回路14は、その設定された受信周波数で受信された標準電波時刻信号に基いて、時刻化が可能である場合には、発振回路13による基本クロックに基づいて内部時計1401の各種カウンタのカウント制御を行う。
制御回路14は、受信状態が基準範囲にない場合には、ドライブ信号DR1をドライブ回路15に出力して、発光素子16を発光させてユーザに標準電波信号がほとんど受信できない旨を報知させる。
また、制御回路14は、標準電波受信系11で受信した標準時刻電波信号に基づいて、内部時計1401の各種時刻カウンタで計時されている計時時刻と標準時刻情報とを比較し、誤差が生じている場合には、その誤差に応じて時刻カウンタを修正し、その修正に応じてモータ131に制御信号CTL2として、修正のためのパルス信号Pを入力して早送り駆動等を行い、指針による時刻表示の修正を行う。
次に、電波修正時計のムーブメントおよび指針位置検出系の具体的な構成について、図2,3、図6〜図14に関連付けて説明する。
時計本体100は、図2,3に示すように、互いに対向して接続されて輪郭を形成する第2ケースとしての下ケース111および第1ケースとしての上ケース112と、この下ケース111および上ケース112で形成される空間内のほぼ中央部において下ケース111と連結した状態で配置される中板113とを備えており、空間内の下ケース111、中板113、上ケース112の所定の位置に対して、第1駆動系(秒針駆動系)120、第2駆動系(時分針駆動系)130、光検出センサ140、手動修正系150等が固定あるいは軸支されている。
第1駆動系120は、図2に示すように、略コ字状のステータ121a、このステータ121aの一方側の脚片に巻回された駆動コイル121b、このステータ121aの他方の磁極間において回動自在に配置されたロータ121cにより構成された秒針用モータ121と、ロータ121cのピニオン121dに大径歯車122aが噛合した第1伝達歯車(第1検出用歯車)としての第1の5番車122と、この第1の5番車122の小径歯車122bに噛合した第2検出用歯車(第1指針車)としての秒針車123とにより構成されている。
ここで、秒針用モータ121は、ステータ121aが中板113に載置して固定され、ロータ121cが中板113と上ケース112とに軸支されており、制御回路14の出力制御信号CTL1に基づいて、その回転方向、回転角度、および回転速度が制御される。
第1の5番車122は、大径歯車122aの歯数が60個、小径歯車122bの歯数が15個に形成され、中板113および上ケース112に回動自在に軸支され、その大径歯車122aが秒針用モータ121のロータ121c(ピニオン121d)と噛合して、ロータ121cの回転速度を所定速度に減速させる。この第1の5番車122には、図6,8に示すように、秒針車123と重なる領域において周方向に等間隔(中心角α1が120°)で配置された3個の円形状をなす透孔122cが形成されている。この透孔122cは、光検出センサ140の検出光を通過させるだけでなく、少なくともその1つは、第1の5番車122を組付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
秒針車123は、大径歯車123aの歯数が60個に形成され、その軸部の一端が上ケース112に軸支され、中板113を下ケース111側に貫通したその他端側には秒針軸123bが圧入されており、この秒針軸123bは、後述する分針パイプ134pの内側に挿通されて、その先端に秒針が取り付けられている。この秒針車123には、図6,9に示すように、回転により第1の5番車122と重なる領域において周方向に等間隔(中心角α2が30°)で配置された11個の円形状をなす透孔123cと、一箇所だけピッチの異なる位置決め遮光部123d(透孔123cと透孔123cとの中心角が60°)とが形成されている。そして、上記第1の5番車122の透孔122cが位置決め遮光部123dに対向した後に最初に透孔123cと対向する時に、秒針が正時を指すように構成されている。
透孔123cは、光検出センサ140の検出光を通過させるだけでなく、少なくともその1つは、秒針車123を組付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
また、これらの透孔123cの内側には、周方向に長尺で回転軸方向に突出する円弧状の付勢ばね123eが、切り欠き孔123fにより画定されている。この円弧状付勢ばね123eは、秒針車123をその回転軸方向に付勢するものである。
ここで、位置決め遮光部123dは、周方向において切り欠き孔123fから離れた位置、すなわち、2つの切り欠き孔123fが途切れて離れた領域に形成されている。したがって、切り欠き孔123fと位置決め遮光部123dとの距離を十分確保できるため、位置決め遮光部123dの領域において検出光が切り欠き孔123fに回り込むようなことはなく、確実にこの位置決め遮光部123dで検出光を遮ることができる。すなわち、検出光の回り込みによる誤検出を生じ易い切り欠き孔123fを設けた領域から離れた位置に位置決め遮光部123dが形成されていることから、この位置決め遮光部123dを秒針車122の回転角度位置の位置決めに用いることで、確実な位置決めを行うことができる。
秒針車123においては、図9に示すように、複数(11個)の透孔123cを設ける代わりに、図10に示すように、位置決め遮光部123dと径方向において対向する位置にある透孔123cのみを残して、その他の透孔123cをそれぞれ切り欠き孔123gと一体的に開けてもよい。これによれば、検出光の通過を許容する部分において、検出光の通過をより一層確実なものとし、また、秒針車123を形成する材料の無駄を低減することができる。
第2駆動系130は、図2,3、および図7に示すように、略コ字状のステータ131a、このステータ131aの一方側の脚片に巻回された駆動コイル131b、このステータ131aの他方の磁極間において回動自在に配置されたロータ131cにより構成された時分針用モータ131とロータ131cのピニオン131dに大径歯車132aが噛合した中間歯車としての第2の5番車132と、この第2の5番車132の小径歯車132bに大径歯車133aが噛合した第2伝達歯車(第3検出用歯車)としての3番車133と、この3番車133の小径歯車133bに大径歯車134aが噛合した第4検出用歯車(第2指針車)としての分針車134と、この分針車134の小径歯車134bに大径歯車135aが噛合した中間歯車としての日の裏車135と、この日の裏車135の小径歯車135bに噛合した第5検出用歯車(第2指針車)としての時針車136とにより構成されている。
ここで、時分針用モータ131は、ステータ131aが中板113に載置して固定され、ロータ131cが中板113と上ケース112とに軸支されており、制御回路14の出力制御信号に基づいて、その回転方向、回転角度、および回転速度が制御される。
第2の5番車132は、大径歯車132aの歯数が60個、小径歯車132bの歯数が15個に形成され、中板113および上ケース112に軸支され、その大径歯車132aが時分針用モータ131のロータ131c(ピニオン131d)と噛合して、ロータ131cの回転速度を所定速度に減速させる。なお、この第2の5番車132としては、前述の第1の5番車122を流用、すなわち、透孔122cが設けられたものを用いてもよい。これにより、部品の共用化が行え製品のコストを低減することができる。
3番車133は、大径歯車133aの歯数が60個、小径歯車133bの歯数が10個に形成され、軸部の一端が上ケース112に軸支され、他端側が中板113を貫通した状態で回動自在に配設されており、第2の5番車132の回転を減速して分針車134に伝達する。また、3番車133には、図11に示すように、回転により秒針車123および第1の5番車122と重なる領域において周方向に等間隔(中心角α3が36°)で配置された10個の円形状をなす透孔133cが形成されている。この透孔133cは、光検出センサ140の検出光を通過させるだけでなく、少なくともその1つは、3番車133を組付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
分針車134は、大径歯車134aの歯数が60個、小径歯車134bの歯数が14個に形成され、その中央部には小径歯車134bが一体的に形成された分針パイプ134pが、側面視にて略T字形状をなすように形成されている。そして、分針パイプ134pの一端部が中板113に回動自在に軸支され、他端側の軸部は後述する時針車136の時針パイプ136pの内部に回動自在に挿通されている。また、分針パイプ134pは、下ケース111を貫通して時計の文字盤側に突出しており、その先端には分針が取り付けられている。
また、分針車134には、図12に示すように、回転により秒針車123,第1の5番車122,3番車133と重なる領域において周方向に長尺な3個の円弧状透孔134c,134d,134eが形成されている。これら円弧状透孔134cと円弧状透孔134dとは、中心角α5で30°隔てて形成され、円弧状透孔134dと円弧状透孔134eとは、中心角α6で30°隔てて形成され、また、円弧状透孔134eと円弧状透孔134cとは、中心角α7で60°隔てて形成されている。すなわち、円弧状透孔134eと円弧状透孔134cとの間に、最も幅の広い遮光部Aが形成され、円弧状透孔134cと円弧状透孔134dとの間および円弧状透孔134dと円弧状透孔134eとの間に、上記遮光部Aよりも幅狭の遮光部Bが形成されている。
また、円弧状透孔134cは、一端側の円形部134c1と、他端側から伸びる幅広円弧部134c2と、両者を連結する幅狭円弧部134c3とにより形成されている。この幅狭円弧部134c3により画定される円形部134c1は、検出光を通過させるだけでなく、分針車134を組み付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
時針車136は、大型歯車136aの歯数が40個に形成され、その中央部に円筒状の時針パイプ136pが一体的に取り付けられており、この時針パイプ136pの内部に前述の分針パイプ134pが挿通されている。そして、時針パイプ136pは、下ケース111に形成された軸受け孔111aに挿通されて回動自在に軸支されており、また、その先端側は下ケース111を貫通して時計の文字盤側に突出しており、その先端には時針が取り付けられている。
また、時針車136には、図13に示すように、回転により秒針車123,第1の5番車122,3番車133,分針車134と重なる領域において周方向に長尺な3個の円弧状透孔136c,136d,136eが形成されている。これら円弧状透孔136cと円弧状透孔136dとは、中心角α8で45°隔てて形成され、円弧状透孔136dと円弧状透孔136eとは、中心角α9で60°隔てて形成され、また、円弧状透孔136eと円弧状透孔136cとは、中心角α10で30°隔てて形成されており、更に、円弧状透孔136c,136d,136eの長さは、中心角β1+β2,β3,β4がそれぞれ75°,60°,90°となるように設定されている。すなわち、円弧状透孔136eと円弧状透孔136cとの間に、最も幅の狭い遮光部Cが形成され、円弧状透孔136cと円弧状透孔136dとの間に、遮光部Cよりも幅の広い遮光部Dが形成され、円弧状透孔136dと円弧状透孔136eとの間に、遮光部Dよりも幅の広い遮光部Eが形成されている。
また、円弧状透孔136cは、一端側から中心角β1で7.5°のところに位置する円形部136c1と、他端側から伸びる幅広円弧部136c2と、両者を連結すると共に円形部136c1の両側に位置する幅狭円弧部136c3とにより形成されている。この幅狭円弧部136c3により画定される円形部136c1は、検出光を通過させるだけでなく、時針車136を組み付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
日の裏車135は、大径歯車135aの歯数が42個、小径歯車135bの歯数が10個に形成され、下ケース111に形成された突部111bに対して回動自在に軸支されており、大径歯車135aが分針パイプ134pに形成された小径歯車134bに噛合し、また、小径歯車135bが時針車136(136a)に噛合して、分針車134の回転を減速して時針車136に伝達する。
光検出センサ140は、図3に示すように、上ケース112の壁面に固定された回路基板141に取付けられた発光ダイオードからなる発光素子142と、この発光素子142に対向するように、下ケース111の壁面に固定された回路基板143に取付けられたフォトトランジスタからなる受光素子144とにより形成されている。
そして、発光素子142のアノードは一端がpnpトランジスタQ2のコレクタに接続されたドライブ回路18における抵抗素子R4の他端に接続され、カソードは、接地されると共に、受光素子144のエミッタに接続されている。
受光素子144のコレクタは、制御回路14に接続されている。この制御回路14との接続ラインは、検出信号DT1の制御回路14への出力ラインとなっている。
ドライブ回路18のトランジスタQ2のエミッタは電源電圧Vccの供給ラインに接続され、ベースは抵抗素子R3を介してドライブ信号DR2の出力ラインに接続されている。
すなわち、発光素子142は、制御回路14からローレベルのドライブ信号DR2が出力されたとき発光するようにドライブ回路18に接続されている。
また、図3に示すように、平面視にて第1の5番車122、秒針車123、3番車133、分針車134、時針車136の全てが同時に重なる位置に配置されている。そして、第1の5番車122の透孔122c、3番車133の透孔133c、秒針車123の透孔123c、分針車134の透孔134c(134d、134e)、時針車136の透孔136c(136d、136e)が重なり合った時に、発光素子142から発せられた検出光が受光素子144により受光されて、秒針、分針、時針が正時等の位置を指していることを出力するようになっている。
更に、発光素子142は、上ケース112の外側に開口するように形成された第1配置部としての取付け凹部112c内に配置されており、この取付け凹部112cの底面には、所定径の円形貫通孔112dが開けられている。この円形貫通孔112dは、発光素子142から発せられる検出光が末広がり状に広がる性質があるため、その広がった部分の光を遮断して収束された光のみを通過させて誤検出を防止できるようにするものである。
同様に、受光素子144は、下ケース111の外側に開口するように形成された第2配置部としての取付け凹部111c内に配置されており、この取付け凹部111cの底面には、所定径の円形貫通孔111dが開けられている。この円形貫通孔111dは、発光素子142から発せられ、上記透孔を通過してきた光のみをできるだけ通過させて誤検出を防止できるようにするものである。
第1の5番車122、3番車133、秒針車123、分針車134、時針車136を取付ける場合は、所定の位置決めピンが、下ケース111の円形貫通孔111d、位置決めとして用いられるそれぞれの透孔、および上ケース112の円形貫通孔112dを貫くように、順次に組付ける。そして、上ケース112および下ケース111を接合して一体化した後、位置決めピンを引き抜いて、貫通孔112dが位置する取付け凹部112cに発光素子142を取付け、また、貫通孔111dが位置する取付け凹部112cに受光素子144を取付ける。
これにより、貫通孔112dおよび111dは完全に塞がれ、上ケース112および下ケース111により画定される内部空間に外部の光が侵入するのを防止できる。したがって、外部の光が侵入することによる誤検出を防止できると共に、組付け時の位置決め孔と光検出用の透孔とを兼用していることから、これらの孔を別々に設ける場合に比べて装置の集約化、小型化を行うことができる。
手動修正系150は、図2および図3に示すように、上述の分針車134の小径歯車134bおよび時針車136の大径歯車136aに噛合する日の裏車135と、この日の裏車135の大径歯車135aに噛合する歯車151aを有する手動修正軸151とにより構成されている。この手動修正軸151は、上ケース112の外側に位置付けられて利用者が直接指を触れることのできる頭部151bと、この頭部151bから伸びて上ケース112に形成された開口112eを貫挿し下ケース111に形成された突部111eに対して軸支された柱状部151cとからなり、この柱状部151cの下方領域に歯車151aが形成されている。
手動修正軸151は、分針車134と同位相で回転するように構成されており、上述の第2駆動系130により分針車134が駆動されているときには日の裏車135を介して分針車134と同位相で回転すると共に、第2駆動系130の非作動時には、頭部151bを指で回転させることにより、指針位置を手動修正できるようになっている。
上記のように、秒針車123の秒針軸123bが分針車134の分針パイプ134pに挿通され、分針車134の分針パイプ134pが時針車136の時針パイプ136pに挿通されていることから、秒針車123と、分針車134と、時針車136とは、それぞれの回転中心軸が共通しており、また、時刻表示の際に、秒針が60秒間に1回転、分針が60分間に1回転、時針が12時間に1回転するように駆動される。
分針車134の分針パイプ134pの先端部および時針車136の時針パイプ136pの先端部には、図14に示すように、径方向に所定幅をなして伸びる位置決めのための第1指標としての溝134gおよび第2指標としての溝136gが形成されている。そして、これらの溝134gおよび溝136gが、一直線に並んだとき所定の時刻例えば12時00分を指すように設定されている。
このような位置決め指標を設けたことにより、分針車134および時針車136を下ケース111および上ケース112により囲繞して覆ってしまった後においても、溝134gおよび136gが一直線に並んでいれば予め設定された概略の時刻を指していることが分かるため、その状態を基に分針および時針を容易に取り付けることができ、その他の位置合わせおよび位置確認工程が不要になり、製造ラインおよび検査ラインでの製造時間および検査時間を短縮することができる。なお、位置決め指標としては、上記の溝に限るものではなく、ポッチ等のマークでもよい。
図15は、図1に示した電波修正時計の動作を説明するためのフローチャートである。図15を参照しながら、電波修正時計の動作を制御回路14の動作を中心に説明する。
ステップST1において、制御回路14は、初期設定、例えば内部変数等の初期設定を行う。
ステップST2において、制御回路14は、通常モードであるか時刻修正モードであるか否かを判別する。例えば、制御回路14は、後述するように予め設定された修正時刻以外の時や、時刻修正スイッチSW121が操作されていないときには、通常モードであると判別する。
通常モード時には、内部時計1401は、発振回路13による信号S13に基づいて計時を行い、その計時による時刻情報に基づいて、秒針用モータ121および時分針用モータ131に通常運針時の駆動パルス信号CTL1およびCTL2を出力し輪列を駆動して、指針に現時刻を表示させ(ST3)、ステップST2の処理に戻る。
一方、ステップST2において、制御回路14は、通常運針でないと判別した場合、詳細には例えば、時刻修正スイッチSW121が操作された場合には(ST4)、ステップST11の全コード受信モードに遷移する。
また、ステップST2,ST4において強制受信ではなく、予め設定された受信条件を満たすか否か、例えば所定時間、詳細には12時間以内に全コード受信モードを行ったか否かが判別され、12時間以内に全コード受信モードを行ったと判別した場合には、ステップST6〜ST8の秒受信モードに関する処理を行う。12時間以内に全コード受信モードを行っていないと判別した場合には、ステップST11〜ST13の全コード受信モードの処理を行う。
ステップST6において、制御回路14は、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号から、1秒毎のパルスの立ち上がりまたは立ち下りを検出する。
ステップST7において、制御回路14は、予め設定した時間、例えば、誤差の平均値を求めるのに必要なサンプル数を得るまでの時間、詳細には、例えば30秒程度の時間、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号から検出した立ち上がりまたは立ち下りと、内部時計1401が計時する秒情報との誤差の平均値を演算する。
この予め設定した時間は、連続した30秒程度であってもよいし、飛び飛びの不連続な30秒程度であってもよい。平均値を算出できるようなサンプル数が得られればよい。
ステップST8において、制御回路14は、その演算した誤差がゼロとなるように、内部時計1401が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する。
ステップST9において、制御回路14は、例えば上述した誤差の偏差が設定値以上になった場合には、例えば標準電波信号の立ち上がりエッジや立下りエッジの時間が揺らいでいる場合や、外的要因により内部時計1401が計時する秒情報が揺らいでいる場合には、正確な秒修正を行うことができないと判断して、ステップST11の全コード受信モードに移行する。
また、ステップST9において、制御回路14は、誤差の平均が所定値よりも大きい場合、例えば0.5秒以上の場合には、適切に秒修正を行うことができないので、同様にステップST11の処理に進む。
一方、ステップST9において、制御回路14は、その誤差の偏差が設定値よりも低い場合には、後述するよう内部時計1401が計時する時刻情報を修正した場合には、例えば時刻表示手段である秒針用モータ121、時分針用モータ131、輪列、および指針による表示時刻を修正し(ST10)、ステップST2の処理に戻る。
ステップST10の処理において、例えば秒情報の修正の場合には、制御回路14は、例えば指針の位置検出を行うことなく、秒針用モータ121に印加するパルス信号のタイミングを補正することにより、秒表示の修正を行う。
ステップST11において、制御回路14は、全コード受信モード時には、長波受信回路110に、所定時間、標準時刻のうち分情報、時情報、日情報、またはうるう秒情報のいずれかに応じて規定された信号を基に変調された標準時刻電波信号を受信させる。
ステップST12において、制御回路14は、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号にパルス幅を基にデコード処理を施して、標準時刻電波信号のうち分情報、時情報、日情報、うるう秒情報、サマータイム情報、および定停波情報等に基づいて、内部時計1401が計時する時刻情報を修正する。
ステップST13において、詳細には制御回路14は、秒情報受信モード時に処理していない情報、例えば全コード受信モード時に受信した、うるう秒情報や、サマータイム情報等をチェックして、内部時計1401による時刻情報を修正し、ステップST10の処理に進む。
図16は、図1に示した電波修正時計の指針位置検出処理の動作を示すフローチャートである。図16を参照しながら、電波修正時計1の制御回路14によるステップST10の時刻修正処理の一具体例、指針位置検出処理を説明する。
制御回路14は、指針駆動系を駆動して基準位置検出手段の検出処理に基づいて指針車の基準位置を検出した後、内部時計1401による時刻情報に基づいて指針車の指針位置を設定する。
制御回路14から時分用パルス信号出力パターンがセットされ(ST101)、ドライブ信号DR2がドライブ回路18にローレベルで出力される。これにより、トランジスタQ2がオンし、発光素子142、すなわち発光ダイオードから検出光が発せられる。
続いて、制御回路14から制御信号CTL1が出力されて秒針用モータ121がパルス駆動され(ST102)、受光素子144すなわちフォトトランジスタがオンし、検出信号DT1がハイレベル(電源電圧Vccレベル)からローレベルに切り換わったか否かの判別が行われる(ST103)。
ここで、フォトトランジスタからの検出信号DT1がハイレベルのままに保持されている場合には、ステップ駆動を行うためにパルス数を加算する度に、フォトトランジスタからの検出信号DT1がハイレベル(電源電圧Vccレベル)からローレベルに切り換わったか否かの判別が行われる(ST104〜ST106)。
そして、パルス数が9に達してもフォトトランジスタからの検出信号DT1出力がハイレベル(電源電圧Vccレベル)からローレベルに切り換わらない場合には、時分針用モータ131が1ステップ(パルス)駆動され(ST107)、その後再び秒針用モータ121がステップ駆動され(ST102)て、秒針車123が回転駆動される。
一方、ステップST103において、フォトトランジスタによる検出信号DT1がハイレベルからローレベルに切り換わったと判別されると、秒針車123が早送りされ(ST108)、制御回路14に予め記憶された出力パターンとの比較が行われる(ST109)。
比較の結果、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合しない場合は、ステップST108に戻り、再び秒針車123が早送りされる。
一方、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合した場合には、その時点(5ステップ目でもフォトトランジスタにより検出信号DT1のレベルがローレベルに切り換わらない場合において次にフォトトランジスタの出力がローレベルに切り換わった時点)で、制御信号CTL1の出力が停止されて、秒針車123の回路駆動が停止される。そして、秒針車123が帰零位置で停止する(ST110)。このとき、秒針は所定時刻例えば正時(0秒)の位置に修正され、秒針の原点検索処理が終了する。
続いて、制御回路14から制御信号CTL2が出力されて時分針用モータ131のみが所定の出力周波数でパルス駆動されて分針車134が早送りされる(ST111)。
そして、フォトトランジスタからの出力パターンと制御回路14に予め記憶された出力パターンとの比較が行われる(ST112)。
比較の結果、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合しない場合は、ステップST111の処理に戻り、再び分針車134が早送りされる。
一方、ステップST112の比較の結果、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合した場合は、その時点で、制御信号CTL2の出力が停止され、時分針用モータ131が停止されて、分針車134および時針車136の駆動が停止される(ST113)。
ここで、出力パターンと予め記憶された出力パターンとの比較による時分針車の位置検出処理は、3種類のパターンのいずれかに合わせることにより行われる。
図17は、図1に示した電波修正時計の検出光の出力パターンを説明するための図である。
すなわち、分針車134によるフォトトランジスタの出力パターンは、図17(a)に示すように、遮光部が作用するオフの幅として、2つの幅狭のB部と1つの幅広のA部とが交互に現れるようなパターンとなり、また、時針車136によるフォトトランジスタの出力パターンは、図17(b)に示すように、遮光部が作用するオフの幅が3種類のD部、E部、C部が所定間隔をおいて交互に現れるようなパターンとなり、両者を合成した出力パターンは、図17(c)に示すように、D部,B部およびA部が組み合わされたパターンと、E部,B部およびA部が組み合わされたパターンと、C部,B部およびA部が組み合わされたパターンの3種類が所定の間隔をおいて現れるパターンとなる。
なお、図17に示すパターンのうちオンとなるパターンの部分は、実際には3番車133の遮光部によりオフとなる部分があるので、歯抜け状のパターンとなっている。
また、例えば分針車134および時針車136の基準位置として、図17に示すように、12時00分、4時00分、および8時00分の位置に設定されている。
D部,B部およびA部の組み合わせからなるパターンが確認されたときを例えば4時00分、E部,B部およびA部の組み合わせからなるパターンが確認されたときをたとえば8時00分、C部,B部およびA部の組み合わせからなるパターンが確認されたときを、たとえば12時00分として予め設定しておけば、これらのパターンのいずれかを検出したときに、時分針用モータ131を停止させることで、分針車134および時針車136すなわち分針および時針を所定の時刻に時刻修正することができる。
そして、時分針用モータ131を停止させた後、制御回路14によるドライブ信号DR2がハイレベルに切り換えられる。
これにより、ドライブ回路18のトランジスタQ2がオフし、発光ダイオードの発光が停止され(ST114)、時刻修正動作を終了する。
また、剣付けモードの際に、時分針車の原点検索処理が短くなるような出荷位置TS、本実施形態では10時30分に設定する場合を図17を参照しながら説明する。
例えばユーザが外部電源201を投入すると、制御回路14は、位相合わせ処理、秒針原点検索処理、分針原点検索処理、および時刻合わせ処理を行う。出荷位置TSとして10時30分に設定した場合、図17に示したように、出荷位置TSから秒針車および時分針車を駆動させて検出光を貫通させた後、時分針を止めて秒針原点検索を行う。その後時分針車を回転させて、光センサ部140でC部を検出することで、略12時の位置であることを検出し、B部およびA部を検出した時点で停止させることにより、時分針が所定の基準位置12時00分に設定される。
例えば、この10時30分の位置は、時分針車を基準位置に設定する際に原点検索処理を行う際に、参照される必要最小限必要なオンオフパターンを検出する位置である。この位置に出荷時の指針を設定することにより、原点検索処理の時間が最も短い。
以上、説明したように、内部時計1401と、少なくとも標準時刻の秒毎にパルスのレベルが切り換わるように変調された標準時刻電波信号を受信する長波受信回路110と、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号のパルスのレベルの切り換わり点を検出し、当該検出した結果に基づいて内部時計1401が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する制御回路14とを設けたので、パルス幅の判定による時刻情報の抽出が困難な場合であっても、適切に時刻修正を行うことができる。
また、標準電波信号の標準時刻の秒毎のパルスのレベルの切り換わり点に基づいて、内部時計1401が計時する時刻情報のうちの秒情報を修正するので、全コード受信モードにより時刻修正を行う場合と比べて消費電力が小さい。
また、制御回路14は、長波受信回路110が受信した標準時刻電波信号から検出したパルスのレベルの切り換わり点、詳細には立ち上がりまたは立ち下りと、内部時計1401が計時する秒情報との誤差の平均値がゼロとなるように、内部時計1401が計時する秒情報を修正するので、比較的小さい揺らぎがあった場合であっても、高精度に秒修正を行うことができる。
また、制御回路14は、全コード受信モード時を予め設定された受信条件、例えば誤差の平均値の偏差が設定値よりも大きい場合や、平均値が0.5秒よりも大きい場合や、全コード受信モードにより時刻情報を修正した時から予め設定された時間経過した場合、例えば12時間以上経過した場合には、全コード受信モードにより内部時計1401の時刻情報を修正するので、秒情報モードのみにより修正する場合と比べて、精度が高く、かつ信頼性が高く時刻修正を行うことができる。
なお、本発明は本実施形態に限られるものではなく、任意好適な種々の変更が可能である。
例えば制御回路14は、例えば日本の標準電波として図5に示すような標準電波信号を長波受信回路110が受信し、その標準時刻電波信号の立ち上がりエッジに基づいて、内部時計1401が計時する時刻情報のうち秒情報を修正したが、この形態に限られるものではない。
例えば、日本ではなく米国やヨーロッパ等の標準電波送信局から送信している標準電波は、標準時刻の秒に同期して、立ち上がりまたは立下りエッジが同期した振幅変調が施されているが、これら各国の標準電波にも対応することができる。この際、制御回路14は、秒情報受信モード時には、上述した形態で秒情報の修正を行うが、全コード受信モード時には各国毎に規定された時刻コードに基づいて、時刻コードを復号して時刻修正を行う。
また、上述した実施形態では、制御回路14はメモリが記憶するプログラムを実行することにより本発明に係る処理手順を実現したが、この形態に限られるものではない。例えば制御回路14はハードワイヤド(hard wired)により本発明に係る処理を実現してもよい。
また、通常運針時には、指針をステップ運針や、連続運針、その他、所定単位時間の間に停止している時間と動いている時間やタイミングを任意に変えた運針を行ってもよい。
また、上述した制御回路14の処理の順番は上述した形態に限られるものではない。
本発明に係る電波修正時計の第1実施形態の機能ブロック図である。 図1に示した電波修正時計の構成図である。 図2に示した電波修正時計の断面図である。 本発明に係る制御回路における電波受信状態を説明するための図である。 標準時刻電波信号の時刻コードの一具体例を示す図である。 電波修正時計の一部である秒針を駆動する第1駆動系を示す平面図である。 電波修正時計の一部である分針および時針を駆動する第2駆動系を示す平面図である。 秒針を駆動する第1駆動系の一部をなす第1の5番車を示す平面図である。 秒針を駆動する第1駆動系の一部をなす秒針車を示す平面図である。 秒針を駆動する第1駆動系の一部をなす秒針車の他の例を示す平面図である。 分針および時針を駆動する第2駆動系の一部をなす3番車を示す平面図である。 分針および時針を駆動する第2駆動系の一部をなす分針車を示す平面図である。 分針および時針を駆動する第2駆動系の一部をなす時針車を示す平面図である。 分針パイプおよび時針パイプの先端部を示す端面図である。 図1に示した電波修正時計の動作を説明するためのフローチャートである。 図1に示した電波修正時計の指針位置検出処理の動作を示すフローチャートである。 図1に示した電波修正時計の検出光の出力パターンを説明するための図である。
符号の説明
1…電波修正時計、11…電波受信系、12…スイッチ群、13…発振回路、14…制御回路、15…ドライブ回路、16…発光素子、17…バッファ回路、18…ドライブ回路、100…時計本体部(機械機構:ムーブメント)、111…下ケース、112…上ケース、113…中板、120…第1駆動系、121…第1のモータ、122…第1の5番車、123…秒針車、124…分針車、126…6番車、127…7番車、130…第2駆動系、131…第2のモータ、132…第2の5番車、133…3番車、134…分針車、135…日の裏車、136…時針車、140…光検出センサ、142…発光素子、143…回路基板、144…受光素子、150…手動修正系、151…手動修正軸、1401…内部時計、1402…メモリ、SW121…時刻修正スイッチ、SW122…リセッスイッチ。

Claims (7)

  1. 内部時計と、
    少なくとも標準時刻の秒毎にパルスのレベルが切り換わるように変調された標準時刻電波信号を受信する標準電波受信手段と、
    前記標準電波受信手段が受信した標準時刻電波信号のパルスのレベルの切り換わり点を検出し、当該検出した結果に基づいて前記内部時計が計時する時刻情報のうち秒情報を修正する制御手段と
    を有する電波修正時計。
  2. 前記標準電波受信手段は、予め設定した時間、前記標準時刻電波信号を受信し、
    前記制御手段は、前記標準受信手段が受信した標準時刻電波信号のパルスのレベルの切り換わり点と、前記内部時計が計時する秒情報との誤差の平均値がゼロとなるように、前記内部時計が計時する秒情報を修正する
    請求項1に記載の電波修正時計。
  3. 前記標準電波受信手段は、標準時刻のうち分情報、時情報、日情報、またはうるう秒情報のいずれかに応じて規定された信号を基に変調された標準時刻電波信号を受信し、
    前記制御手段は、秒情報受信モード時には、前記検出した前記標準時刻電波信号のパルスのレベルの切り換わり点に基づいて前記内部時計が計時する秒情報を修正し、全コード受信モード時には、前記標準電波受信手段が受信した前記標準時刻電波信号のうち分情報、時情報、日情報、またはうるう秒情報のいずれかに基づいて、前記内部時計が計時する時刻情報を修正する
    請求項1または請求項2に記載の電波修正時計。
  4. 前記制御手段は、秒情報受信モード時には前記秒情報を修正し、予め設定された受信条件を満たす場合には前記全コード受信モードにより前記時刻情報を修正する
    請求項3に記載の電波修正時計。
  5. 前記制御手段は、前記受信条件として、前記誤差の平均値の偏差が予め設定された値よりも大きい場合には、前記全コード受信モードにより前記時刻情報を修正する
    請求項4に記載の電波修正時計。
  6. 前記制御手段は、前記受信条件として、前記全コード受信モードにより前記時刻情報を修正した時から予め設定された時間経過した場合には、再度前記全コード受信モードにより前記時刻情報を修正する
    請求項4に記載の電波修正時計。
  7. 前記内部時計に基づいて時刻表示を行う時刻表示手段を有し、
    前記制御手段は、前記内部時計が計時する時刻情報を修正した場合には、前記時刻表示手段による表示時刻を修正する
    請求項1から請求項6のいずれかに記載の電波修正時計。
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