時計装置の全体構成
図1は本発明の実施形態に係る時計装置200の外観を示す正面図である。時計装置200は、筐体201と、文字盤202と、第1の指針としての分針203と、第2の指針としての時針204とを備えている。なお、時計装置200は比較的大きな時計装置として構成され、例えば、分針203、時針204の長さは50cm〜1mである。
文字盤202には、指針の回転位置により、時刻の第1の単位の情報としての分、又は、時刻の第2の単位の情報としての時が示されるように、円形又は方形の指標202aが、指針の回転中心を中心とする円周上に、原点位置としての12時00分の位置(0度の位置)から30度間隔(5分間又は1時間に対応)で表示される。また、指標202aの間には6度間隔(1分間に対応)で指標202bが表示されている。ただし、指針の回転位置と時刻との対応関係は一般的に決まっているので、指標202a、202bは省略してもよい。
図2は筐体2の内部構成を示す正面図、図3は筐体2の内部構成を示す断面図である。筐体2は、第1のムーブメントとしての分針用ムーブメント211Mと、第2のムーブメントとしての時針用ムーブメント211Hと、第1の伝達機構としての分針用輪列212Mと、第2の伝達機構としての時針用輪列212Hとを備えている。分針用ムーブメント211M、時針用ムーブメント211Hの駆動力が分針用輪列212M、時針用輪列212Hによりそれぞれ伝達されることにより、分針203及び時針204がそれぞれ回転駆動される。
分針用ムーブメント211M及び時針用ムーブメント211Hは、それぞれ時計装置200とは別の時計装置(既存の時計装置)、例えば時計装置200よりも小型の時計装置を対象として設計されたムーブメントであり、それぞれ、モータ、分針車、時針車、発振回路、位置検出装置等の当該別の時計装置の分針、時針等の指針を駆動制御するための手段を備えている。換言すれば、分針用ムーブメント211M又は時針用ムーブメント1個で、別の時計装置の分針、時針等の複数の指針を駆動制御可能である。
また、分針用ムーブメント211M及び時針用ムーブメント211Hは同一の構成を有している。つまり、同一種類のモータ、歯車列、発振回路、位置検出装置等を備え、その配置も同一である。ただし、互いに異なるタイプ(形式)のムーブメントとすることも可能である。以下において、分針用ムーブメント211Mと時針用ムーブメント211Hとを特に区別する必要が無い場合は、単にムーブメント211という。ムーブメント211の具体的な構成については後述する。
分針用輪列212Mは、筐体200に対して固定して設けられる上板231、中板232、下板233により回転可能に支持される複数の歯車を有する。具体的には、分針用ムーブメント211Mの分針車に対して固定的に設けられ、当該分針車と一体的に回転する駆動伝え歯車213Mと、駆動伝え歯車213Mに噛合する伝え歯車214Mと、伝え歯車214Mと一体的に回転する分伝えカナ215Mと、分伝えカナ215Mと噛合する分針車216Mとを備えている。なお、図2においては、分針車216Mは時針車216Hの背面側に重なっているために表されていない。
分針用輪列212Mは、分針用ムーブメント211Mの分針車の回転を1/12の減速比で分針203に伝達するように構成されている。例えば、駆動伝え歯車213Mの歯数が40個、伝え歯車214Mの歯数が120個、分伝えカナ215Mの歯数が30個、分針車の歯数が120個に形成される。
時針用輪列212Hも、分針用輪列212Mと同様に、上板231、中板232、下板233により回転可能に支持される複数の歯車を有する。すなわち、時針用輪列212Hは、時針用ムーブメント211Hの分針車に対して固定的に設けられ、当該分針車と一体的に回転する駆動伝え歯車213Hと、駆動伝え歯車213Hに噛合する伝え歯車214Hと、伝え歯車214Hと一体的に回転する時伝えカナ215Hと、時伝えカナ215Hと噛合する時針車216Hとを備えている。
また、時針用輪列212Hは、分針用輪列212Mと同一の減速比で時針用ムーブメント211Hの分針車の回転を時針204に伝達するように構成されている。すなわち、時針用輪列212Hは、時針用ムーブメント211Hの分針車の回転を1/12の減速比で時針204に伝達するように構成され、例えば、駆動伝え歯車213Hの歯数が40個、伝え歯車214Hの歯数が120個、時伝えカナ215Hの歯数が30個、時針車の歯数が120個に形成される。
分針用輪列212Mにおける、駆動伝え歯車213M、伝え歯車214M、分伝えカナ215M及び分針車216Mと、時針用輪列212Hにおける、駆動伝え歯車213H、伝え歯車214H、時伝えカナ215H及び時針車216Hとは、互いに同一の歯車であり、噛合の対応関係も同一である。また、分針用輪列212Mと時針用輪列212Hとは、平面視における歯車の配置も、指針の回転軸に直交する線に対して概ね線対称となっている。以下では、分針用輪列212M又はこれに含まれる歯車213M〜216M等の部材と、時針用輪列212H又はこれに含まれる歯車213H〜216H等の部材とを特に区別する必要がない場合は、単に輪列212というなどして、H、Mの符号を省略して記載する。
分針用輪列212Mと時針用輪列212Hとは、図3に示すように、軸方向(図3の紙面左右方向)の配置もムーブメント211側の一部が同一である。具体的には、ムーブメント211から伝え歯車214に至るまで同一である。従って、ムーブメント211と駆動伝え歯車213との取り付け構造やこれらの筐体201への取り付け構造は共通しており、伝え歯車214の取り付け構造も一部共通する。
一方、指針側における軸方向の配置は異なっている。具体的には、分針車216M及び時針車216Hは同軸上に配置されるとともに時針車216Hが分針車216Mよりも文字盤202側に配置され、分伝えカナ215M及び時伝えカナ215Hも、分針車216M及び時針車216Hの軸方向の位置に対応して、時伝えカナ215Hが分伝えカナ215Mよりも文字盤202側に配置されている。
なお、分針用輪列212Mにおいては分伝えカナ215Mを伝え歯車214Mの文字盤202の反対側へ、時針用輪列212Hにおいては時伝えカナ215Hを伝え歯車214Hの文字盤202側へ配置することにより、ムーブメント側の軸方向の配置を同一とするとともに、指針側の軸方向の配置を異ならせている。
輪列212は、ムーブメント211に含まれる輪列よりも強度が高くなるように構成されている。具体的には、輪列212に含まれる歯車213〜216は、ムーブメント211に含まれる全ての又は一部の歯車よりも軸方向の厚さが厚く形成されており、歯も厚く形成されている。また、径方向についても輪列212に含まれる歯車はムーブメント211に含まれる歯車に対して比較的大きく形成されている。例えば、分針車216Mの直径は、分針用ムーブメント211Mに含まれる分針車の直径の2〜6倍に設定される。さらに、輪列212の歯車213〜216を軸支する軸部もムーブメント211に含まれる全ての又は一部の軸部よりも直径が大きく設定されている。
図4は、ムーブメント211と駆動伝え歯車213との取り付け構造を示す断面図である。ムーブメント211は、もともと時計装置200とは別の時計装置を対象として設計されたものであるから、当該別の時計装置の秒針、分針、時針を回転駆動するために、秒針軸123b、分針パイプ134p、時針パイプ136pを備えている。これら指針を回転させるための軸部材の構成は適宜であるが、例えば、秒針軸123bは分針パイプ134pに挿入され、分針パイプ134pは時針パイプ136pに挿入されている。ムーブメント211は中板232と筐体201の背面部201a(図3参照)との間に設けられ、分針パイプ134pは時針パイプ136pから突出するとともに、中板232から文字盤202側へ突出している。
輪列212には、分針パイプ134pに挿入される軸状の挿入部材241と、筒状に形成され、駆動伝え歯車213の回転中心に設けられた孔部213aに挿入されるとともに、分針パイプ134pが挿入されるハカマ部材242とが設けられる。駆動伝え歯車213は、挿入部材241とハカマ部材242とにより挟み込まれた分針パイプ134pに対して固定される。
挿入部材241は、分針パイプ134pに挿入される挿入部241aと、挿入部241aよりも径が大きく、ハカマ部材242の内壁に当接する当接部241bとを備えている。これにより挿入部材241と分針パイプ134pとの固定を適宜に行いつつ、ハカマ部材242の内側への変形を防止し、ハカマ部材242と駆動伝え歯車213との固定も堅固なものにしている。
ハカマ部材242は、分針パイプ134pを挿入可能な内径の大内径部242aと、分針パイプ134pを挿入不可能な内径の小内径部242bとを有している。そして、分針パイプ134pが大内径部242aに挿入されるとともに、大内径部242aと小内径部242bとの段差部分に当接することにより、分針パイプ134pとハカマ部材242との軸方向の位置決めがなされる。さらに、大内径部242aには外周側に突出する抜け止め部242cが設けられ、これにより駆動伝え歯車213と、ハカマ部材242との軸方向の位置決めがなされる。そして、これら軸方向の位置決めにより駆動伝え歯車213と時針パイプ136p等との接触が防止される。
ハカマ部材242は、下板233に固定された軸部材243が小内径部242bに挿入されて軸支されている。これにより、ハカマ部材242の先端のふらつきを防止している。
図3に示すように、伝え歯車214M及び分伝えカナ215Mは、軸部244Mによって軸支されている。すなわち、軸部244Mは、中板232と下板233とによって軸支されるとともに、中板232を貫通して上板231側に突出する軸部を備えており、伝え歯車214Mは中板232と下板233との間において、分伝えカナ215Mは中板232よりも上板231側において、回転中心に軸部244Mが圧入されている。
なお、軸部244Mは、板バネ(付勢手段)245Mによって下板233から中板232の方向へ付勢されるとともに、抜け止め部材246Mを介して中板232により当該方向への移動が係止されることにより軸方向において位置決めされている。これにより、駆動伝え歯車213Mと伝え歯車214Mとの間、分伝えカナ215Mと分針車216Mとの間における歯車の最適な噛合を行っている。
伝え歯車214H及び時伝えカナ215Hも、伝え歯車214M及び分伝えカナ215Mと同様に、軸部244Hによって軸支されている。ただし、上述のように時伝えカナ215Hは伝え歯車214Hよりも下板233側に配置されるため、軸部244Hは、軸部244Mのように中板232から上板231側へ突出しておらず、下板233と中板232との間に時伝えカナ215H、伝え歯車214Hの順で両歯車が配置されている。
分針車216M及び時針車216Hは、分針203及び時針204を軸支するための分針軸247及び時針パイプ248によってそれぞれ軸支されるとともに、当該分針軸247及び時針パイプ248によって分針車216M及び時針車216Hの回転が分針203及び時針204にそれぞれ伝達される。具体的には以下の通りである。
時針パイプ248は、下板233に挿入されて軸支されるとともに、筒状部材249を介して中板232に対しても間接的に軸支されている。そして時針パイプ248は時針車216Hの回転中心に圧入され、時針パイプ248と時針車216Hとは下板233と中板232との間に配置される。また、時針パイプ248の下板233から文字盤202上へ突出した部分は時針204の回転中心に挿入され、時針パイプ248と時針204とは固定される。
分針軸247は時針パイプ248内の筒状部材249に挿入され、筒状部材249及び時針パイプ248を介して間接的に下板233及び中板232に軸支されるとともに、上板231によっても軸支される。そして分針軸247は、中板232と下板231との間に配置されている分針車216Mの回転中心に圧入される。また、分針軸247の時針パイプ248から突出した部分は、分針203の回転中心に挿入され、時針軸247と分針203とは固定される。
なお、分針軸247は、板バネ(付勢手段)250によって上板231から中板232の方向へ付勢されるとともに、筒状部材249及び時針パイプ248を介して下板233に係止されることにより軸方向において位置決めされている。これにより、分針車216Mと分伝えカナ215Mとの間における歯車の噛合が最適化される。
分針軸247及び時針パイプ248の指針に挿入される部分は、指針が軸に対して軸周りに摺動してしまわないように、断面形状をD字型、小判型(楕円型)等の異方性を有する形状としてもよい。
ムーブメントの構成及び別の時計装置における動作
上述のように、ムーブメント211は、本来的には時計装置200とは別の時計装置を対象とするものである。従って、以下においては、ムーブメント211の構成を当該別の時計装置における機能に着目して説明する。例えば秒針車、分針車、時針車の名称は、当該別の時計装置において秒針車、分針車、時針車として機能する歯車を意味し、時計装置200において秒針車、分針車、時針車として機能することを意味しない。また、ムーブメント211の動作についても、当該別の時計装置における動作について説明する。なお、時計装置200の動作については後述する。
図5はムーブメント211の信号処理系回路を示すブロック構成図、図6はムーブメント211の全体構成を示す断面図、図7はムーブメント211の要部の平面図である。
図において、10は信号処理系回路、11は標準電波信号受信系、12はリセット/強制受信スイッチ、13Aは第1の発振回路、13Bは第2の発振回路、14は制御回路、15はドライブ回路、16は報知手段としての発光素子、17はバッファ回路、18,19はドライブ回路、20はアラーム用アンプ、21はスピーカ、VCCは電源電圧、C1 〜C5 はキャパシタ、R1 〜R5 は抵抗素子、120は秒針を駆動する第1駆動系、130は指針である分針および時針を駆動する第2駆動系、140は光透過型光検出センサ、150は利用者が手により直接時刻合わせを行う手動修正系をそれぞれ示している。
なお、バッファ17、第1駆動系120および第2駆動系130により指針駆動手段が構成され、制御回路14、ドライブ回路18、光透過型光検出センサ140、第1駆動系120および第2駆動系130により指針位置検出手段が構成される。
標準電波信号受信系11は、受信アンテナ11aと、たとえばキー局から送信された時刻コード信号を含む長波(たとえば40kHz)を受信し所定の信号処理を行い、パルス信号S11として制御回路14に出力する長波受信回路11bとから構成されている。この長波受信回路11は、たとえばRFアンプ、検波回路、整流回路、および積分回路により構成される。
なお、標準電波信号受信系11で受信される、日本標準時を高精度で伝える長波(40kHz)の標準電波は、図8(a)に示すような形態で送られてくる。
具体的には、「1」信号の場合には1秒(s)の間に500ms(0.5s)だけ40kHzの信号が送られ、「0」信号の場合には1秒(s)の間に800ms(0.8s)だけ40kHzの信号が送られ、「P」信号の場合には1秒(s)の間に200ms(0.2s)だけ40kHzの信号が送られてくる。
受信状態が良好な場合には、長波受信回路11bからは図8(b)に示すように、40kHzの有無に応じたパルス信号として信号S11が制御回路14に出力される。
図9は、標準時刻電波信号の時刻コードの一例を示している。
現在の日本の長波標準電波は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の運用のもとで、福島県より送信されており、送信情報は、分・時・1月1日からの積算日となっている。
時刻データの送信は、1bit/秒で1分間を1フレームとしており、このフレーム内に前述した分・時・1月1日からの積算日の情報がBCDコードで提供されている。また送信されるデータは、0・1の他にPコードというマーカーが含まれており、このPコードは1フレームに数カ所あり、正分(0秒)、9秒、19秒、29秒、39秒、49秒、59秒に現れる。このPコードが続けて現れるのは1フレーム中1回で59秒、0秒の時だけで、この続けて現れる位置が正分位置となる。つまり分・時データなどの時刻データはこの正分位置を基準としてフレーム中の位置が決まっているためこの正分位置の検出を行わないと時刻データを取り出すことはできない。
次に、長波標準電波について説明する。
現在の標準電波は以前(実験局当時)の送信データに加え、年下2桁、曜、分パリティ、時パリティ、サマータイム導入の際に使用予定である予備ビット、うるう秒が追加された(図9(a)参照)。また、毎時15分、45分には電波の送信を中断する停波情報も付加された(図9(b)参照)。以下にこれら新設された情報のうち、特に予備ビット、うるう秒情報、停波情報について説明する。
予備ビットは表1に示される如く、SU1、SU2を使用する。これらは将来の情報拡張のために用意されたものである。サマータイム情報でこのビットが活用されるときは、SU1=SU2=0では「6日以内に夏時間への変更無し」、SU1=1・SU2=0では「6日以内に夏時間への変更有り」、SU1=0・SU2=1では「夏時間実施中」、SU1=SU2=1では「6日以内に夏時間終了」となるような情報形態となっている。夏時間への切り替わりについては日本ではまだサマータイムが導入されておらず、未だ不明の状態であるが欧州のサマータイムの切り替わりを見ると、夜中のうちに行っている場合が多い。
次にうるう秒は表2に示される如く、LS1、LS2の2ビットを使用し、LS1=LS2=0では「1ヶ月以内にうるう秒の補正を行わない」、LS1=1・LS2=0では「1ヶ月以内に負のうるう秒(削除)あり」つまり1分間が59秒となり、LS=LS=1では「1ヶ月以内に正のうるう秒(挿入)あり」つまり1分間が61秒となるような情報形態となっている。うるう秒の補正のタイミングは既に決められており、UTC時刻の1月1日もしくは7月1日の直前に行われることになっている。よって、日本時間(JTC)では1月1日もしくは7月1日午前9:00直前に行われることになる。
停波情報は表3の(a)、(b)、(c)に示される如く、ST1、ST2、ST3、ST4、ST5、ST6を使用し、ST1・ST2・ST3で停波開始予告、ST4で停波時間帯予告、ST5・ST6で停波期間予告の停波情報を提供する。まず停波開始予告について説明すると、ST1=ST2=ST3=0では「停波予定無し」、ST1=ST2=0・ST3=1では「7日以内に停波」、ST1=0・ST2=1・ST3=0では「3から6日以内に停波」、ST1=0・ST2=ST3=1では「2日以内に停波」、ST1=1・ST2=ST3=0では「24時間以内に停波」、ST1=1・ST2=0・ST3=1では「12時間以内に停波」、ST1=ST2=1・ST3=0では「2時間以内に停波」となっている。次に停波時間帯予告は、ST4=1では「昼間のみ」、ST4=0では「終日、または停波予定無し」である。次に停波期間予告は、ST5=ST6=0では「停波予定無し」、ST5=0・ST6=1では「7日以上停波、または期間不明」、ST5=1・ST6=0では「2から6日以内で停波。ST5=ST6=1では「2日未満で停波」となっている。
以上、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)が運用管理している長波の標準時刻情報を含む電波による送信情報については詳述した如く、標準時刻情報以外に予備ビットによる情報、うるう秒情報、停波情報も送信情報に含まれる。
リセット/強制受信スイッチ12は、制御回路14の各種状態を初期状態に戻すときにオンにされる。
このリセット/強制受信スイッチ12がオンされたとき、または図示しない電池をセットしたときに本電波修正時計は、標準時刻電波信号を強制的に受信して修正を行う修正モード(強制修正モード)になる。
発振回路13Aは、セラミック発振器CRMおよびキャパシタC2 ,C3 により構成され、所定周波数、たとえば800kHzの基本クロックCLKAを制御回路14に供給する。
発振回路13Bは、水晶発振器CRYおよびキャパシタC2 ,C3 により構成され、所定周波数、たとえば32kHzの基本クロックCLKBを制御回路14に供給する。
図10に示すように、制御回路14は、制御部1041、システムクロック発生回路1042、計時部1043、計時タイマ1044、アクセサリー機能用駆動信号生成回路としてのアラーム発生回路1045、サンプリング信号生成回路としてのタイマ回路1046、受信コード判定回路1047、および位置検出/修正回路1048を有している。
制御部1041は、たとえば図示しない分針カウンタ、秒針カウンタ、標準分・秒カウンタ等を有しており、標準電波信号受信系11によるパルス信号S11を受けて、受信コード判定回路1047で、受信時刻コードをタイマ回路1046による32Hzのサンプリング信号でサンプリングさせ、受信した標準電波信号の受信状態があらかじめ決められた基準範囲と比較し、受信状態が基準範囲内にある場合には、位置検出/修正回路1048に制御信号CTL1,CTL2 をバッファ17を介して秒針用のステッピングモータ121および時分針用のステッピングモータ131に出力して指針位置の初期設定をし、受信状態が基準範囲内にない場合には、制御信号CTL1,CTL2 を出力させずに、ドライブ信号DR1 をドライブ回路15に出力して、報知手段としての発光素子16を発光させてユーザーに電波受信がほとんどできない旨を報知させる。
また、受信状態が基準範囲内にある場合に指針位置を検出した後、受信コード判定回路1047で、受信時刻コードをタイマ回路1046による32Hzのサンプリング信号でサンプリングさせて受信した電波信号をデコードし、デコードの結果、時刻化が可能である場合には、発振回路13Aによる基本クロックCLKAに基づいて、システムクロック発生回路1042で生成されたシステムクロックS1042基づいて各種カウンタのカウント制御並びに光検出センサによる検出信号DT1 の入力レベルに応じて、位置検出/修正回路1048に制御信号CTL1,CTL2 をバッファ17を介して秒針用のステッピングモータ121および時分針用のステッピングモータ131に出力させて、回転制御を行うことにより時刻修正制御を行う。
一方、デコードの結果、時刻化が不可能である場合には、制御信号CTL1,CTL2 を出力させずに、ドライブ信号DR1 をドライブ回路15に出力して、報知手段としての発光素子16を発光させてユーザーに電波受信が良好でない旨を報知させる。
これにより、初期修正モードの動作を完了させる。
また、制御部1041は、初期修正モードの動作を完了させた後、通常修正モードの制御を行う。
通常修正モードにおいては、初期修正モード時の帰零動作後と同様の動作を行う。
具体的には、受信時刻コードをタイマ回路1046による32Hzのサンプリング信号でサンプリングさせ、受信した電波信号をデコードし、デコードの結果、時刻化が可能である場合には、システムクロックS1042に基づいて各種カウンタのカウント制御並びに光検出センサ140による検出信号DT1 の入力レベルに応じて、位置検出/修正回路1048に制御信号CTL1,CTL2 をバッファ17を介して秒針用のステッピングモータ121および時分針用のステッピングモータ131に出力させて、回転制御を行うことにより時刻修正制御を行う。
一方、デコードの結果、時刻化が不可能である場合には、制御信号CTL1,CTL2 を出力せずに、ドライブ信号DR1 をドライブ回路15に出力して、報知手段としての発光ダイオード16を発光させてユーザーに電波受信が良好でない旨を報知させる。
システムクロック発生回路1042は、発振回路13Aによる800kHzの基本クロックCLKAを8分周して100kHzのシステムクロックを生成して、制御部1041に供給する。
計時部1043は、制御部1041による時刻化された時刻データを計時し、0.5HzのクロックS1043を計時タイマ1044に供給する。
計時タイマ1044は、発振回路13Bによる32kHzの基本クロックCLKBを分周して4096Hzの信号S1044をアラーム発生回路1045に供給する。
また、計時タイマ1044は、アラーム発生回路145に変調用8Hz、1Hzの信号を供給する。
アラーム発生回路1045は、制御部1041による制御信号S1041がアラーム音の発生を指示しているときは、変調したアラーム信号S1046を生成してアンプ20に出力するとともに、ドライブ信号DR3 をドライブ回路19に供給して、アンプ20に電力を供給させる。
また、アラーム発生回路1045は、制御部1041による制御信号S1041が標準時刻電波の受信モードを指示しているときは、変調しない4096Hzの信号S1045を連続的に出力する。このとき、ドライブ信号DR3 の出力は行わない。
タイマ回路1046は、アラーム発生回路1045による変調しない4096Hzの信号S1045を受けて128分周し、32Hzのサンプリング信号S1046を生成して受信コード判定回路1047に供給する。
受信コード判定回路1047は、図11に示すように、制御部1041を通して入力された受信信号S11を、タイマ回路1046による32Hzのサンプリング信号S1046でサンプリングしてコード判定を行う。
具体的には、1秒を32分割して、ハイ(H)とロー(L)の数からパルス幅を判定する。
なお、上記の説明では、受信状態が基準範囲外にあると判別するときは、電波が弱かったり、ノイズが多いときである。
電波が非常に弱い場合には、図8(c)に示すように、数個の信号分、ローレベル(L)かハイレベル(H)のままになる。
また、ノイズが多いときは、時刻電波と無関係にレベルが変化する。
これらの状態にある信号S11を、たとえば10秒に2回あるいはそれ以上受けたときには、受信状態が基準範囲外にあると判別する。
具体的には、たとえば10秒程度を検出時間として、時間内においてレベルの変化が1秒以内に検出されなかったときおよび検出したパルス幅が0.8、0.5、0.2秒近辺でなかったときをNGとして、NGが2回以上発生したときには受信不可と判断する。
また、制御回路14は、あらかじめ設定した時刻または強制的に標準時刻電波信号を受信して時刻修正を行う場合には、標準電波信号受信系11に駆動電力を供給する。
受信時刻については、たとえば午前(AM)および午後(PM)の6回ずつ設定可能となっている。なお、この時刻については、任意に選択することが可能で、必ずしもAM,PMで6回ずつ受信する必要なない。
そして、この設定受信時刻については、本実施形態に係る電波修正時計は、時刻表示設定についてAM/PMに設定が不可能なアナログ時刻表示を行うものであることから、午前と午後で同一となるように行われる。
ドライブ回路15はpnp型トランジスタQ1および抵抗素子R1 ,R2 により構成されている。
トランジスタQ1のベースが抵抗素子R1 を介して制御回路14のドライブ信号DR1 の出力ラインに接続され、コレクタが抵抗素子R2 を介して発光ダイオードからなる発光素子16のカソードに接続され、エミッタが電源電圧VCCの供給ラインに接続されている。そして、発光素子16のカソードが接地されている。
すなわち、発光素子16は、制御回路14からローレベルのドライブ信号DR1 が出力されたときに発光するようにドライブ回路15に接続されている。
また、ドライブ回路18は、pnp型トランジスタQ2、および抵抗素子R3,R4 により構成されている。
また、ドライブ回路19は、pnp型トランジスタQ3、および抵抗素子R6により構成されている。
トランジスタQ3のベースが抵抗素子R5 を介して制御回路14のドライブ信号DR3 の出力ラインに接続され、エミッタが電源電圧VCCの供給ラインに接続され、コレクタがアンプ20の電力供給端子に接続されている。
このドライブ回路19は、たとえば毎正時に制御回路14からドライブ信号DR3 がローレベルで出力されると、トランジスタQ3がオンとなり、アンプ20に駆動電力を供給する。
アンプ20は、ドライブ回路19から駆動電力を受け、かつ制御回路14からアラーム信号S1045を受けて、スピーカ21を鳴動させる。
ムーブメント211は、互いに対向して接続されて輪郭を形成する第2ケースとしての下ケース111および第1ケースとしての上ケース112と、この下ケース111および上ケース112で形成される空間内のほぼ中央部において下ケース111と連結した状態で配置される中板113とを備えており、空間内の下ケース111、中板113、上ケース112の所定の位置に対して、第1駆動系120、第2駆動系130、光検出センサ140、手動修正系150等が固定あるいは軸支されている。
第1駆動系120は、図6、図7および図12に示すように、略コ字状のステータ121a、このステータ121aの一方側の脚片に巻回された駆動コイル121b、このステータ121aの他方の磁極間において回動自在に配置されたロータ121cにより構成された秒針用ステッピングモータ121と、ロータ121cのピニオン121c’に大径歯車122aが噛合した第1伝達歯車(第1検出用歯車)としての第1の5番車122と、この第1の5番車122の小径歯車122bに噛合した第2検出用歯車(第1指針車)としての秒針車123とにより構成されている。
ここで、秒針用ステッピングモータ121は、ステータ121aが中板113に載置して固定され、ロータ121cが中板113と上ケース12とに軸支されており、制御回路14の出力制御信号CTL1 に基づいて、その回転方向、回転角度および回転速度が制御される。
第1の5番車122は、大径歯車122aの歯数が60個、小径歯車122bの歯数が15個に形成され、下ケース111および上ケース112に回動自在に軸支され、その大径歯車122aが秒針用ステッピングモータ121のロータ121c(ピニオン121c’)と噛合して、ロータ121cの回転速度を所定速度に減速させる。この第1の5番車122には、図14に示すように、秒針車123と重なる領域において周方向に等間隔(中心角α1が120°)で配置された3個の円形状をなす透孔122cが形成されている。この透孔122cは、光検出センサ140の検出光を通過させるだけでなく、少なくともその1つは、第1の5番車122を組付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
秒針車123は、大径歯車123aの歯数が60個に形成され、その軸部の一端が上ケース112に軸支され、中板113を下ケース111側に貫通したその他端側には秒針軸123bが圧入されており、この秒針軸123bは、後述する分針パイプ134pの内部に挿通されている。なお、時計装置200とは別の時計装置においては、秒針軸123bの先端に秒針が取り付けられることが想定されている。この秒針車123には、図15に示すように、回転により第1の5番車122と重なる領域において周方向に等間隔(中心角α2が30°)で配置された11個の円形状をなす透孔123cと、一箇所だけピッチの異なる位置決め遮光部123d(透孔123cと透孔123cとの中心角が60°)とが形成されている。そして、上記第1の5番車122の透孔122cが位置決め遮光部123dに対向した後に最初に透孔123cと対向する時に、秒針が正時を指すように構成されている。
透孔123cは、光検出センサ140の検出光を通過させるだけでなく、少なくともその1つは、秒針車123を組付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
また、これらの透孔123cの内側には、周方向に長尺で回転軸方向に突出する円弧状の付勢ばね123eが、切り欠き孔123fにより画定されている。この円弧状付勢ばね123eは、秒針車123をその回転軸方向に付勢するものである。
ここで、位置決め遮光部123dは、周方向において切り欠き孔123fから離れた位置、すなわち、2つの切り欠き孔123fが途切れて離れた領域に形成されている。したがって、切り欠き孔123fと位置決め遮光部123eとの距離を十分確保できるため、位置決め遮光部123dの領域において検出光が切り欠き孔123fに回り込むようなことはなく、確実にこの位置決め遮光部123dで検出光を遮ることができる。すなわち、検出光の回り込みによる誤検出を生じ易い切り欠き孔123fを設けた領域から離れた位置に位置決め遮光部123dが形成されていることから、この位置決め遮光部123dを、秒針車123の回転角度位置の位置決めに用いることで、確実な位置決めを行なうことができる。
秒針車123においては、図15に示すように、複数(11個)の透孔123cを設ける代わりに、図16に示すように、位置決め遮光部123dと径方向において対向する位置にある透孔123cのみを残して、その他の透孔123cをそれぞれ切り欠き孔123gと一体的に開けてもよい。これによれば、検出光の通過を許容する部分において、検出光の通過をより一層確実なものとし、また、秒針車122を形成する材料の無駄を低減することができる。
第2駆動系130は、図6、図7、および図13に示すように、略コ字状のステータ131a、このステータ131aの一方側の脚片に巻回された駆動コイル131b、このステータ131aの他方の磁極間において回動自在に配置されたロータ131cにより構成された時分針用ステッピングモータ131と、ロータ131cのピニオン131c’に大径歯車132aが噛合した中間歯車としての第2の5番車132と、この第2の5番車132の小径歯車132bに大径歯車133aが噛合した第2伝達歯車(第3検出用歯車)としての3番車133と、この3番車133の小径歯車133bに大径歯車134aが噛合した第4検出用歯車(第2指針車)としての分針車134と、この分針車134の小径歯車134bに大径歯車135aが噛合した中間歯車としての日の裏車135と、この日の裏車135の小径歯車135bに噛合した第5検出用歯車(第2指針車)としての時針車136とにより構成されている。
ここで、時分針用ステッピングモータ131は、ステータ131aが中板113に載置して固定され、ロータ131cが中板113と上ケース112とに軸支されており、制御回路の出力制御信号に基づいて、その回転方向、回転角度および回転速度が制御される。
第2の5番車132は、大径歯車132aの歯数が60個、小径歯車132bの歯数が15個に形成され、中板113および上ケース112に軸支され、その大径歯車132aが時分針用ステッピングモータ131のロータ131c(ピニオン131c’)と噛合して、ロータ131cの回転速度を所定速度に減速させる。なお、この第2の5番車132としては、前述の第1の5番車122を流用、すなわち、透孔122cが設けられたものを用いてもよい。これにより、部品の共用化が行なえ製品のコストを低減することができる。
3番車133は、大径歯車133aの歯数が60個、小径歯車133bの歯数が10個に形成され、軸部の一端が上ケース112に軸支され、他端側が中板113を貫通した状態で回動自在に配設されており、第2の5番車132の回転を減速して分針車134に伝達する。また、3番車133には、図17に示すように、回転により秒針車123および第1の5番車122と重なる領域において周方向に等間隔(中心角α3が36°)で配置された10個の円形状をなす透孔133cが形成されている。この透孔133cは、光検出センサ140の検出光を通過させるだけでなく、少なくともその1つは、3番車133を組付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
分針車134は、大径歯車134aの歯数が60個、小径歯車134bの歯数が14個に形成され、その中央部には小径歯車134bが一体的に形成された分針パイプ134pが、側面視にて略T字形状をなすように形成されている。そして、分針パイプ134pの一端部が中板13に回動自在に軸支され、他端側の軸部は後述する時針車136の時針パイプ136pの内部に回動自在に挿通されている。また、分針パイプ134pは、下ケース111を貫通して時計の文字板側に突出している。なお、時計装置200とは別の時計装置においては、分針パイプ134pの先端に分針が取り付けられることが想定されている。
また、分針車134には、図18に示すように、回転により秒針車123,第1の5番車122,3番車133と重なる領域において周方向に長尺な3個の円弧状透孔134c,134d,134eが形成されている。これら円弧状透孔134cと円弧状透孔134dとは、中心角α5で30°隔てて形成され、円弧状透孔134dと円弧状透孔134eとは、中心角α6で30°隔てて形成され、また、円弧状透孔134eと円弧状透孔134cとは、中心角α7で60°隔てて形成されている。すなわち、円弧状透孔134eと円弧状透孔134cとの間に、最も幅の広い遮光部Aが形成され、円弧状透孔134cと円弧状透孔134dとの間および円弧状透孔134dと円弧状透孔134eとの間に、上記遮光部Aよりも幅狭の遮光部Bが形成されている。
また、円弧状透孔134cは、一端側の円形部134c’と、他端側から伸びる幅広円弧部134c’’と、両者を連結する幅狭円弧部134c’’’とにより形成されている。この幅狭円弧部134c’’’により画定される円形部134c’は、検出光を通過させるだけでなく、分針車134を組み付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
時針車136は、大径歯車136aの歯数が40個に形成され、その中央部に円筒状の時針パイプ136pが一体的に取り付けられており、この時針パイプ136pの内部に前述の分針パイプ134pが挿通されている。そして、時針パイプ136pは、下ケース11に形成された軸受け孔111aに挿通されて回動自在に軸支されており、また、その先端側は下ケース111を貫通して時計の文字板側に突出している。なお、時計装置200とは別の時計装置においては、時針パイプ136pの先端には時針が取り付けられることが想定されている。
また、時針車136には、図19に示すように、回転により秒針車123,第1の5番車122,3番車133,分針車134と重なる領域において周方向に長尺な3個の円弧状透孔136c,136d,136eが形成されている。これら円弧状透孔136cと円弧状透孔136dとは、中心角α8で45°隔てて形成され、円弧状透孔136dと円弧状透孔136eとは、中心角α9で60°隔てて形成され、また、円弧状透孔136eと円弧状透孔136cとは、中心角α10で30°隔てて形成されており、さらに、円弧状透孔136c,136d,136eの長さは、中心角β1+β2,β3,β4がそれぞれ75°,60°,90°となるように設定されている。すなわち、円弧状透孔36eと円弧状透孔136cとの間に、最も幅の狭い遮光部Cが形成され、円弧状透孔136cと円弧状透孔136dとの間に、遮光部Cよりも幅の広い遮光部Dが形成され、円弧状透孔136dと円弧状透孔136eとの間に、遮光部Dよりも幅の広い遮光部Eが形成されている。
また、円弧状透孔136cは、一端側から中心角β1で7.5°のところに位置する円形部136c’と、他端側から伸びる幅広円弧部136c’’と、両者を連結すると共に円形部136c’の両側に位置する幅狭円弧部136c’’’とにより形成されている。この幅狭円弧部136c’’’により画定される円形部136c’は、検出光を通過させるだけでなく、時針車136を組み付ける際の位置決め孔(度決め孔)として用いられるものである。
日の裏車135は、大径歯車135aの歯数が42個、小径歯車135bの歯数が10個に形成され、下ケース111に形成された突部111bに対して回動自在に軸支されており、大径歯車135aが分針パイプ134pに形成された小径歯車134bに噛合し、また、小径歯車135bが時針車136(136a)に噛合して、分針車134の回転を減速して時針車136に伝達する。
光検出センサ140は、図6に示すように、上ケース12の壁面に固定された回路基板141に取付けられた発光ダイオードからなる発光素子142と、この発光素子142に対向するように、下ケース111の壁面に固定された回路基板143に取付けられたフォトトランジスタからなる受光素子144とにより形成されている。
そして、発光素子142のアノードは一端がpnpトランジスタQ2 のコレクタに接続されたドライブ回路18における抵抗素子R4 の他端に接続され、カソードは、接地されるとともに、受光素子144のエミッタに接続されている。
受光素子144のコレクタは、制御回路14に接続されている。この制御回路との接続ラインは、検出信号DT1 の制御回路14への出力ラインとなっており、この出力ラインは、抵抗素子R5 を介して電源電圧VCCの供給ラインに接続されている。
ドライブ回路18のトランジスタQ2 のエミッタは電源電圧VCCの供給ラインに接続され、ベースは抵抗素子R3 を介してドライブ信号DR2 の出力ラインに接続されている。
すなわち、発光素子142は、制御回路14からローレベルのドライブ信号DR2 が出力されたとき発光するようにドライブ回路18に接続されている。
また、図7に示すように、平面視にて第1の5番車122、秒針車123、3番車133、分針車134、時針車136の全てが同時に重なる位置に配置されている。そして、第1の5番車122の透孔122c、3番車133の透孔133c、秒針車123の透孔123c、分針車の透孔134c(134d、134e)、時針車136の透孔136c(136d、136e)が重なり合った時に、発光素子142から発せられた検出光が受光素子144により受光されて、別の時計装置の秒針、分針、時針が正時等の位置を指していることを出力するようになっている。
さらに、発光素子142は、上ケース112の外側に開口するように形成された第1配置部としての取付け凹部112c内に配置されており、この取付け凹部112cの底面には、所定径の円形貫通孔112dが開けられている。この円形貫通孔112dは、発光素子142から発せられる検出光が末広がり状に広がる性質があるため、その広がった部分の光を遮断して収束された光のみを通過させて誤検出を防止できるようにするものである。
同様に、受光素子144は、下ケース111の外側に開口するように形成された第2配置部としての取付け凹部111c内に配置されており、この取付け凹部111cの底面には、所定径の円形貫通孔111dが開けられている。この円形貫通孔111dは、発光素子142から発せられ、上記透孔を通過してきた光のみをできるだけ通過させて誤検出を防止できるようにするものである。
第1の5番車122、3番車133、秒針車123、分針車134、時針車136を組付ける場合は、所定の位置決めピンが、下ケース111の円形貫通孔111d、位置決めとして用いられるそれぞれの透孔、および上ケース112の円形貫通孔112dを貫くように、順次に組付ける。そして、上ケース112および下ケース111を接合して一体化した後、位置決めピンを引き抜いて、貫通孔112dが位置する取付け凹部112cに発光素子142を取付け、また、貫通孔111dが位置する取付け凹部111cに受光素子144を取付ける。
これにより、貫通孔112dおよび111dは完全に塞がれ、上ケース112および下ケース111により画定される内部空間に外部の光が侵入するのを防止できる。したがって、外部の光が侵入することによる誤検出を防止できると共に、組付け時の位置決め孔と光検出用の透孔とを兼用していることから、これらの孔を別々に設ける場合に比べて装置の集約化、小型化を行なうことができる。
手動修正系150は、図6および図7に示すように、上述の分針車134の小径歯車134bおよび時針車136の大径歯車136aに噛合する日の裏車135と、この日の裏車135の大径歯車135aに噛合する歯車151aを有する手動修正軸151とにより構成されている。この手動修正軸151は、上ケース112の外部に位置付けられて利用者が直接指を触れることのできる頭部151bと、この頭部151bから伸びて上ケース112に形成された開口112eを貫挿し下ケース111に形成された突部111eに対して軸支された柱状部151cとからなり、この柱状部151cの下方領域に歯車151aが形成されている。
手動修正軸151は、分針車134と同位相で回転するように構成されており、上述の第2駆動系130により分針車134が駆動されているときには日の裏車135を介して分針車134と同相で回転するとともに、第2駆動系130の非作動時には、頭部151bを指で回転させることにより、指針位置を手動修正できるようになっている。
上記のように、秒針車123の秒針軸123bが分針車134の分針パイプ134pに挿通され、分針車134の分針パイプ134pが時針車136の時針パイプ136pに挿通されていることから、秒針車123と、分針車134と、時針車136とは、それぞれの回転中心軸が共通しており、また、時刻表示の際に、秒針が60秒間に1回転、分針が60分間に1回転、時針が12時間に1回転するように駆動される。
分針車134の分針パイプ134pの先端部および時針車136の時針パイプ136pの先端部には、図20に示すように、径方向に所定幅をなして伸びる位置決めのための第1指標としての溝134gおよび第2指標としての溝136gが形成されている。そして、これらの溝134gおよび溝136gが、一直線に並んだとき所定の時刻例えば12時00分を指すように設定されている。
このような位置決め指標を設けたことにより、分針車134および時針車136を下ケース111および上ケース112により囲繞して覆ってしまった後においても、溝134gおよび136gが一直線に並んでいれば予め設定された概略の時刻を指していることが分かるため、その状態を基に分針および時針を容易に取り付けることができ、その他の位置合わせおよび位置確認工程が不要になり、製造ラインおよび検査ラインでの製造時間および検査時間を短縮することができる。なお、位置決め指標としては、上記の溝に限るものではなく、ポッチ等のマークでもよい。
次に、上記ムーブメント211の時計装置200とは別の時計装置における動作を、制御回路14における標準電波受信時の時刻修正を中心に、図21、図22、および図23を参照しながら説明する。
たとえばユーザーによりリセット/強制受信スイッチ12がオンされると、制御回路14において、各種状態が初期状態に戻され、強制修正モードとなる(ST1)。このとき、たとえば別の時計装置の指針も停止される。
そして、指針位置の検出が行われる(ST2)。
また、このときリセット/強制受信スイッチ12がオンされたことにより、たとえば制御回路14から標準電波信号受信系11に駆動電力が供給されて、標準電波信号が強制受信される(ST3)。
標準電波信号受信系11では、長波受信回路11bから受信状態に応じた時刻コードパルス信号S11が生成され、制御回路14に出力される。
制御回路14では、制御部1041において、受信した標準電波信号の受信状態を示す時刻コードパルス信号S11とあらかじめ決められた基準範囲とが比較される。
また、制御部1041から受信モードである旨を示す制御信号S1041がアラーム発生回路1045に出力される。
また、制御回路14においては、計時タイマ1044で発振回路13Bによる32kHzの基本クロックCLKBを分周して4096Hzの信号S1044としてアラーム発生回路1045に供給される。
アラーム発生回路1045では、制御部1041による制御信号S1041が標準時刻電波の受信モードを示していることから、変調しない4096Hzの信号S1045が連続的に出力される。このとき、ドライブ信号DR3 の出力は行われない。
そして、アラーム発生回路1045による変調しない4096Hzの信号S1045はタイマ回路1046に入力される。タイマ回路1046では、4096Hzの信号S1045が128分周され、32Hzのサンプリング信号S1046が生成されて受信コード判定回路1047に供給される。
受信コード判定回路1047では、制御部1041を通して入力された受信信号S11が、タイマ回路1046による32Hzのサンプリング信号S1046でサンプリングされコード判定が行われる(ST4)。
コード判定の結果、時刻化が可能である場合には、システムクロック発生回路1042によるシステムクロックS1042に基づいて各種カウンタのカウント制御が行われ、時刻のアナログ表示を行う別の時計装置の指針の修正が行われる(ST5)。
指針の修正が終了すると、制御回路14において、時刻カウンタのカウントアップが行われ(ST6)、通常運針における通常修正モードに移行される(ST7)。
通常修正モードにおいては、あらかじめ設定された受信時刻であるか否かの判断が行われ(ST8)、設定時刻、たとえばPM「2:16;40」であれば、標準電波信号の自動受信が行われる(ST9)。
すなわち、制御回路14から標準電波信号受信系11に駆動電力が供給されて、標準電波信号が受信される。
標準電波信号受信系11では、長波受信回路11bから受信状態に応じたパルス信号S11が生成され、制御回路14に出力される。
そして、制御回路14の受信コード判定回路1047で、受信した標準電波信号の受信状態を示すパルス信号S11とがあらかじめ決められた基準範囲とが比較される。
その結果、受信状態が基準範囲内にある場合には(ST10)、受信可能であるとして、受信した電波信号がデコードされるデコードの結果、時刻化が可能である場合には、システムクロック発生回路1042で生成されたシステムクロックS1042に基づき、各種カウンタのカウント制御が行われ、時刻のアナログ表示を行う指針の早送り修正が行われ(ST11)、ステップST6の処理に戻る。
また、ステップST4またはST10において、受信が不可能であると判断された場合には、指針の時刻修正も行われず、ドライブ信号DR1 がハイレベルでドライブ回路15に出力される。これにより、報知手段としての発光素子16が発光し、ユーザーに電波受信が良好でにない旨を報知される。
そして、ステップST10の処理に移行する。
なお指針の位置検出は、たとえば図22に示すように行われる。
すなわち、制御回路14からドライブ信号DR2 がドライブ回路18のローレベルで出力される。これにより、トランジスタQ2 がオンし、発光素子142、すなわち発光ダイオードから検出光が発せられる(ST101)。
続いて、制御信号CTL1 が出力されて秒針用ステッピングモータ121がパルス駆動され(ST102)、受光素子44すなわちフォトトランジスタがオンし、検出信号DT1 がハイレベル(電源電圧VCCレベル)からローレベルに切り換わったか否かの判断が行われる(ST103)。
ここで、フォトトランジスタからの検出信号DT1 がハイレベルのままに保持されている場合には、ステップ駆動を行なうためのパルス数を加算する度に、フォトトランジスタからの検出信号DT1 がハイレベル(電源電圧VCCレベル)からローレベルに切り換わったか否かの判断が行われる(ST104〜ST106)。
そして、パルス数が9に達してもフォトトランジスタからの検出信号DT1 出力がハイレベル(電源電圧VCCレベル)からローレベルに切り換わらない場合には、時分針用ステップピングモータ131が1ステップ(パルス)駆動され(ST107)、その後再び秒針用ステッピングモータ121がステップ駆動され(ST102)て秒針車123が回転駆動される。
一方、ステップST103において、フォトトランジスタによる検出信号DT1 がハイレベルからローレベルに切り換わったと判断されると、秒針車123が早送りされて(ST108)、制御回路14であらかじめ記憶された出力パターンとの比較が行われる(ST109)。
比較の結果、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合しない場合は、ステップST108に戻り、再び秒針車123が早送りされる。
一方、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合した場合には、その時点(5ステップ目でもフォトトランジスタにより検出信号DT1 のレベルがローレベルに切り換わらない場合において次にフォトトランジスタの出力がローレベルに切り換わった時点)で、制御信号CTL1 の出力が停止されて、秒針車123の回路駆動が停止される。そして、秒針車123が帰零位置で停止する(ST110)。このとき、別の時計装置の秒針は所定時刻たとえば正時(0秒)の位置に修正される。
続いて、制御回路14から制御信号CTL2 が出力されて時分針用ステップモータ131のみが所定の出力周波数でパルス駆動されて分針車134が早送りされる(ST111)。
そして、フォトトランジスタからの出力パターンと制御回路14にあらかじめ記憶された出力パターンとの比較が行われる(ST112)。
比較の結果、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合しない場合は、ステップST111の処理に戻り、再び分針車134が早送りされる。
一方、ステップST112の比較の結果、得られた出力パターンと記憶された出力パターンとが適合した場合は、その時点で、制御信号CTL2 の出力が停止されて、時分針用ステッピングモータ131が停止されて、分針車134および時針車136の駆動が停止される(ST113)。
ここで、上記出力パターンとあらかじめ記憶されたパターンとの比較による時刻修正は、3種類のパターンのいずれかに合わせることにより行われる。
すなわち、分針車134によるフォトトランジスタの出力パターンは、図23(a)に示すように、遮光部が作用するオフの幅として、2つの幅狭のB部と1つの幅広のA部とが交互に現れるようなパターンとなり、また、時針車136によるフォトトランジスタの出力パターンは、図23(b)に示すように、遮光部が作用するオフの幅が3種類のD部、E部、C部が所定間隔をおいて交互に現れるようなパターンとなり、両者を合成した出力パターンは、図23(c)に示すように、D部,B部およびA部が組み合わされたパターンと、E部,B部およびA部が組み合わされたパターンと、C部,B部およびA部が組み合わされたパターンの3種類が所定間隔をおいて現れるパターンとなる。
なお、図23に示すパターンのうちオンとなるパターンの部分は、実際には3番車133の遮光部によりオフとなる部分があるので、歯抜け状のパターンとなっている。
そこで、D部,B部およびA部の組み合わせからなるパターンが確認されたときを例えば4時00分、E部,B部およびA部の組み合わせからなるパターンが確認されたときを、たとえば8時00分、C部,B部およびA部の組み合わせからなるパターンが確認されたときを、たとえば12時00分としてあらかじめ設定しておけば、これらのパターンのいずれかを検出したきに時分針用ステッピングモータ131を停止させることで、分針車134および時針車136すなわち時計装置200とは別の時計装置における分針および時針を所定の時刻に時刻修正することができる。
そして、時分針用ステッピングモータ131を停止させた後、制御回路14によるドライブ信号DR2 がハイレベルに切り換えられる。
これにより、ドライブ回路18のトランジスタQ2 がオフし、発光ダイオードの発光が停止され(ST114)、時刻修正動作を終了する。
このように、指針の修正動作において、分針車134および時針車136に、検出光を通過させるための透孔として、円弧状透孔すなわち長孔を用いているため、光検出センサ140がオンとなる範囲が広がり、位置検出時間を短縮でき、その結果、秒針の時刻修正を行なう時間を短縮することができる。また、時針車136に3種類の遮光部C,D,Eを設けたことから、3箇所のいずれかを検出して時刻修正を行なうことができ、また、最も回転速度の遅い時針車136を従来に比べ略1/3回転させるだけで位置検出ができ、これにより、時刻修正を行なう時間を短縮することができる。
本実施形態の時計装置の動作
図24は、時計装置200におけるムーブメント211及び指針車216の動作の例を、時計装置200とは別の時計装置における動作と比較して示す図であり、図24(a)は分針側、図24(b)は時針側を示している。
別の時計装置において、ムーブメント211Mの分針車134は、周期60分で回転するように設定されればよく、ステッピングモータ131によるステップをどのように設定するかは適宜であるが、例えば、図24(a)の左欄に示すように、10秒間に1ステップの回転が行われ、当該1ステップの回転により分針車134が1度回転するように設定されることにより、分針車134は周期60分に設定される。
時計装置200においては、ムーブメント211Mの分針車134は、別の時計装置における回転速度に対して12倍の速さで回転するように設定される。12倍の速さで回転させる方法としては適宜な方法を用いてよいが、例えば、図24(a)の中央欄に示すように、10秒間にステッピングモータ131に出力される制御信号CTL2の回数を12倍とすることにより、10秒間にステッピングモータ131を12ステップ回転させ、当該12ステップの回転により分針車134を12度回転させる。
一方、図24(a)の右欄に示すように、ムーブメント211Mの分針車134の回転は分針用輪列212Mによって1/12の速さに減速され、分針用輪列212Mの分針車216Mは、10秒間に1度回転する。これにより、分針車216Mの周期は60分に設定される。
また、時針に関しては、別の時計装置において、ムーブメント211Hの時針車136は、周期12時間で回転するように設定されればよく、ステッピングモータ131によるステップをどのように設定するかは適宜であるが、例えば、図24(b)の左欄に示すように、120秒間に12ステップの回転が行われ、当該12ステップの回転により時針車136が1度回転するように設定されることにより、時針車136は周期12時間に設定される。
時計装置200においては、ムーブメント211Hの分針車134は、別の時計装置における分針車134と同様に回転するように設定される。すなわち、図24(a)の左欄に示すように、10秒間に1ステップの回転で1度回転し、120秒に換算すれば図24(b)の中央欄に示すように、12ステップの回転で12度回転する。
一方、図24(b)の右欄に示すように、ムーブメント211Hの分針車134の回転は時針用輪列212Hによって1/12の速さに減速され、時針用輪列212Hの時針車216Hは、120秒間に1度回転する。これにより、時針車216Hの周期は12時間に設定される。
時計装置200においては、図22に示した位置検出手段及び位置検出処理をそのまま利用して、分針203、時針204の位置を特定し、時刻の修正を行う。この場合、別の時計の指針位置を時計装置200の指針位置に換算して位置検出及び指針の早送りをし、時刻を修正すればよい。
例えば、別の時計装置においてムーブメント211の帰零位置が12時00分(第1の単位が原点位置になり、かつ、第2の単位が原点位置になる時刻)に設定されている場合、12時00分においては分針は時針と同じ0度の位置(文字盤で12時の位置)を示すから、時計装置200の時針用ムーブメント211Hにおいて12時00分を帰零位置とするならば、別の時計装置におけるムーブメント211の帰零位置の設定を時針用ムーブメント211Hにおいてもそのまま利用できる。
また、時計装置200においても別の時計装置においても、毎正時(0分)において分針は0度の位置を示すから、別の時計装置において正時の位置が帰零位置に設定されている場合、時計装置200の帰零位置を正時に設定するならば、当該別の時計装置の帰零位置の設定をそのまま利用できる。
そして、時刻修正における指針の早送りでは、図24に示したようにムーブメント211の分針車134の回転量と、時計装置200の指針との回転量の比に基づいて適宜の位置まで早送りすればよい。
以上の実施形態によれば、ムーブメント211は、別の時計装置を対象として設計され、モータ131、モータ131の駆動力を伝達する分針車134等を含む歯車列、発振回路13、発振回路13により生じた振動に基づいて歯車列の回転速度を制御する制御部1041等の指針の駆動に必要な手段を既に備えており、このようなムーブメントを2個用いて分針及び時針をそれぞれ駆動することから、ムーブメントを新たに開発することなく比較的高いトルクを得ることができる。
特に、指針よりも回転速度の速い(周期の短い)歯車の回転を輪列212により減速して伝達するため、高いトルクが得られる。
分針と同じ周期で回転する時針用ムーブメント211Hの分針車134の回転を、時針用輪列212Hにより減速比1/12で減速して時針204に伝達するため、分針車134の回転速度の設定は、別の時計装置の設定をそのまま利用できる。なお、輪列の減速比が1/12以外の場合、例えば、輪列の減速比が1/24の場合には、ムーブメント211Hは12時位置となる回数が12時間に2回あるから、いずれが時針204の12時位置かを特定するために、新たにセンサを設けてもよい。
分針用ムーブメント211Mの分針車134を本来よりも速く回転させ、当該回転を分針用輪列212Mにより減速して分針203に伝達するため、高いトルクが得られる。
ムーブメント211Mの回転速度をムーブメント211Hの回転速度の12倍とし、分針用輪列212Mの減速比と時針用輪列212Hの減速比とを同じにすることから、分針用輪列212M及び時針用輪列212Hの歯車の種類、その噛合関係を全く同一のものとすることができ、輪列212の製造コストが削減される。
分針用ムーブメント211M及び時針用ムーブメント211Hはいずれも、自動修正機能を備えた電波修正時計のムーブメントであり、すなわち、時刻コードを含む電波信号を受信する標準電波信号受信系と、位置検出手段(制御回路14、ドライブ回路18、光透過型光検出センサ140、第2駆動系130)とを備えており、受信した電波信号に基づいて分針203及び時針204の位置をそれぞれ修正するため、分針用ムーブメント211M及び時針用ムーブメント211H間において同期を取るための手段等を特に設けることなく分針203の位置と時針204の位置との整合を取ることができる。
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
指針は回転位置により時間を示すものであればよい。例えば、文字盤上で比較的幅広な指示部材を回転させてもよい。なお、指針の回転に代えて、固定された指針に対して文字盤を回転させることもできる。本願では高いトルクを得ることができるため、表示部材を比較的重くすることができ、表示部材の形状の自由度が向上する。
第1、第2の指針の示す時刻の単位は適宜なものを選択してよく、分、時に限定されない。例えば、秒、日、月でもよいし、30分等の適宜な時間を単位としてもよい。なお、第1、第2の指針の設定されるべき回転速度は、第1、第2の指針の回転位置と、当該回転位置により示される時刻によって特定される。例えば、一般的な時計の時針については、0〜12時までが360度の回転位置に対して順次割り振られるから、30度/時間が設定されるべき回転速度である。
第1及び第2のムーブメントは、指針を一定周期で駆動するための基本的な構成、すなわち、駆動源、歯車列、発振手段、制御手段を備えていればよく、電波修正時計用のムーブメントやモータに対する駆動パルスによって調速するムーブメントに限定されない。例えば、ガンギ車やアンクルによって調速するものでもよい。また、本発明の時計装置とは別の時計装置を対象とするムーブメントをそのまま利用してもよいし、不要な部材等を一部省略して利用してもよい。第1及び第2のムーブメントは受信手段を共用してもよい。