JP2009219212A - 圧電アクチュエータの駆動制御装置、圧電アクチュエータの駆動制御方法および電子機器 - Google Patents

圧電アクチュエータの駆動制御装置、圧電アクチュエータの駆動制御方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】共振周波数が変動した場合でも、スイープ制御期間を短縮でき、かつ、電力消費を低減できて高効率の駆動を実現できる圧電アクチュエータの駆動制御装置の提供。
【解決手段】圧電アクチュエータの駆動制御装置100は、駆動信号を圧電素子17に供給する駆動回路105と、振動体の振動状態を検出する振動状態検出手段と、駆動信号の駆動周波数を制御する周波数制御手段とを備える。周波数制御手段は、電圧調整回路104および電圧制御発振器106で構成され、前回の圧電アクチュエータの駆動制御時の最適駆動周波数に対して、周波数制御方向とは逆方向にシフトした周波数を初期周波数とし、この初期周波数から前記周波数制御方向に周波数を変化させるとともに、前記振動状態検出手段で検出された振動状態に基づいて前記駆動周波数を増加または減少する制御を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、圧電アクチュエータの駆動制御装置、圧電アクチュエータの駆動制御方法、及び、電子機器に関する。
圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れている。このため、近年、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発されている。
圧電アクチュエータ(超音波モータ)は、周囲の温度や負荷等の変化によって共振周波数が変動するため、最適な駆動周波数に都度調整する必要がある。
そのため、圧電素子に供給する駆動信号の周波数を、所定範囲で増加または減少させてスイープし、共振周波数が変動しても確実に圧電アクチュエータを駆動させる制御方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1では、振動状態に応じて圧電素子から出力される検出信号と前記駆動信号との位相差に基づいて前記圧電素子に供給する駆動周波数の増減方向を制御している。また、目標位相差から大きく外れていて検出信号の振幅が小さい場合にはスイープ速度(駆動周波数の増加または減少の変化割合)を速くし、目標位相差に近づいていて検出信号の振幅が大きくなった場合にはスイープ速度を遅くすることにより、高効率に達するまでの時間を短縮し、確実でかつ高効率な駆動を実現している。
特許文献2では、消費電力が比較的小さい周波数領域から最適周波数に向かってスイープを開始することにより、スイープ時の電力消費を低減して、確実でかつ効率的な駆動を実現している。
特許文献3では、前回駆動した時の動き出し周波数を記憶しておき、次回、動かすときには記憶した周波数からスイープを開始することにより、温度変化などの影響を低減し、スイープ期間を短縮して余分な電力消費を削減し、効率的な駆動を実現する方法が開示されている。
国際公開番号WO2004/088830号パンフレット 国際公開番号WO2005/088823号パンフレット 特開平6−6990号公報(段落番号[0008]〜[0014])
しかしながら、上記特許文献1,2では、常に一定の初期周波数からスイープ駆動を開始しているため、最適駆動周波数に収束するまでに時間が掛かり、スイープ駆動中の電力消費を更に低減することができない。
一方、特許文献3は、スイープ開始周波数を前回駆動時の周波数に基づいて設定しているので、スイープ期間を短縮できる利点はあるが、急激な温度変化などがあって共振周波数が大きく変動すると、記憶していた周波数が最適周波数から外れてしまう可能性が高い。その場合には、もう1周スイープ制御を行う必要があるため、余分な電力消費となってしまうという問題点があった。
本発明の目的は、急激な温度変化などで共振周波数が変動した場合でも、スイープ制御期間を短縮でき、かつ、電力消費を低減できて高効率の駆動を実現できる圧電アクチュエータの駆動制御装置、圧電アクチュエータの駆動制御方法および電子機器を提供することにある。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置は、圧電素子を有する振動体を備えた圧電アクチュエータを駆動する圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、前記圧電素子に駆動信号を供給する駆動手段と、前記振動体の振動状態を検出する振動状態検出手段と、前記駆動信号の駆動周波数を制御する周波数制御手段とを備え、前記周波数制御手段は、前回の圧電アクチュエータの駆動制御時の最適駆動周波数に対して、予め定められた周波数制御方向とは逆方向にシフトした周波数を初期周波数とし、この初期周波数から前記周波数制御方向に周波数を変化させるとともに、前記振動状態検出手段で振動状態が検出された後は検出された振動状態に基づいて前記駆動周波数を増加または減少する制御を行うことを特徴とする。
本発明では、駆動周波数のスイープ制御を行う際に、前回駆動時の最適周波数に対して、スイープ方向(周波数制御方向)とは逆方向に所定周波数分だけシフトした駆動周波数からスイープ制御を開始することができる。
このため、前回の最適周波数からスイープ制御を開始する場合に比べて、スイープ制御範囲を前記シフト分だけ広くすることができ、前回駆動時から温度が変化して前回の最適周波数近くに共振周波数が変化した場合も、周波数をシフトしていることで、共振周波数を通過せずに最適周波数に制御することができる。そのため、スイープ制御時に共振周波数を通過すると、インピーダンスが低いために消費電力が極端に大きくなって駆動効率が低下するが、本発明では、スイープ制御時に共振周波数を通過する可能性が低いため、駆動効率の低下も防止できる。
また、前回の最適駆動周波数を基準にして駆動周波数をシフトしているので、スイープ制御開始時に常に一定の周波数からスイープ制御を開始する場合に比べて、最適周波数に収束するまでの時間が短くでき、スイープ制御期間を短くできて、駆動効率も向上できる。
本発明において、前記振動体は、前記駆動信号を圧電素子に供給することで、前記振動体の長手方向に沿って伸縮する縦振動および前記長手方向に対して屈曲する屈曲振動の合成によって振動し、前記周波数制御手段は、前記振動体の縦振動の共振周波数および屈曲振動の共振周波数のうち、圧電アクチュエータのインピーダンスが高い共振周波数から低い共振周波数に向かう方向を前記周波数制御方向に設定することが好ましい。
このような構成によれば、縦共振周波数と屈曲共振周波数との間の最適周波数で駆動している場合、シフトした初期駆動周波数は縦共振周波数または屈曲共振周波数のうち、インピーダンスが低い共振周波数から離れる方向に設定することになる。例えば、縦共振周波数のほうが屈曲共振周波数に対して、インピーダンスが低く、かつ、周波数も低い場合には、最適駆動周波数に対して縦共振周波数から離れる方向、つまり周波数が高くなる方向にシフトする。
このため、温度変化などで共振周波数が変化しても、特にインピーダンスが低い共振周波数をスイープ制御時に通過することを防止でき、消費電流が極端に大きくなって駆動効率が大きく低下することを防止できる。
本発明において、前記周波数制御手段は、前記圧電アクチュエータの共振周波数の温度特性と、圧電アクチュエータを利用している際に想定される最大温度変化量とに基づいて前記周波数のシフト量を設定することが好ましい。
圧電アクチュエータにおいて、共振周波数が変化する主な原因は温度変化であるため、その温度変化を考慮して周波数のシフト量を設定すれば、圧電アクチュエータの利用時に、例えば、冬季に室内および屋外間で移動した場合のように温度変化が大きい場合でも、初期駆動周波数を適切に設定でき、スイープ制御を短時間でかつ効率よく行うことができる。
本発明において、温度を測定する温度センサを備え、前記周波数制御手段は、圧電アクチュエータの前回の駆動制御時の温度と、今回の駆動制御時の温度との差が予め設定した温度差以上の場合に、前回駆動制御時の最適駆動周波数に対して周波数をシフトして初期周波数とし、前記温度差が予め設定した温度差未満の場合は前回駆動制御時の最適駆動周波数を初期周波数とすることが好ましい。
本発明では、温度変化が小さい場合には共振周波数の変化量も僅かであるため、前回の最適駆動周波数からスイープ制御を開始してもスイープ制御を短時間でかつ効率よく行うことができる。
また、温度変化が大きい場合には、前回駆動制御時の最適駆動周波数に対して周波数をシフトしているので、温度変化で共振周波数が変化しても初期駆動周波数を適切に設定でき、スイープ制御を短時間でかつ効率よく行うことができる。
本発明において、温度を測定する温度センサを備え、前記周波数制御手段は、圧電アクチュエータの前回の駆動制御時の温度と、今回の駆動制御時の温度との差を求め、この温度差および前記圧電アクチュエータの共振周波数の温度特性に基づいて周波数のシフト量を算出し、前回駆動制御時の最適駆動周波数に対して前記算出したシフト量だけ周波数をシフトして初期周波数とすることが好ましい。
本発明では、温度センサによって前回の駆動時から今回の駆動時の温度差を求め、その温度差に基づいて駆動周波数のシフト量を設定しているので、最適周波数に近い周波数でスイープ制御を開始することができる。このため、スイープ制御期間を短くできるとともに、スイープ制御時に共振点を通過することがないため、高効率の駆動制御を実現できる。
本発明の圧電アクチュエータの駆動制御方法は、圧電素子を有する振動体を備えた圧電アクチュエータを駆動する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、前回の圧電アクチュエータの駆動制御時の最適駆動周波数に対して、予め定められた周波数制御方向とは逆方向にシフトした周波数を初期周波数とし、この初期周波数から前記周波数制御方向に周波数を変化させるとともに、前記振動状態検出手段で振動状態が検出された後は検出された振動状態に基づいて前記駆動周波数を増加または減少する制御を行うことを特徴とする。
このような圧電アクチュエータの駆動制御方法によれば、前記圧電アクチュエータの駆動制御装置と同じ作用効果を奏することができる。
本発明の電子機器は、圧電素子を有する振動体を備えた圧電アクチュエータと、前記圧電アクチュエータの駆動制御装置と、を備えたことを特徴とする。
この構成の発明では、急激な温度変化が生じても、スイープ制御を短時間でかつ効率よく行うことができるため、室内および屋外のいずれでも利用される腕時計などに適した電子機器を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[1.全体構成]
図1は、圧電アクチュエータを有する電子機器としての電子時計1の概略構成を示す図である。図2は、電子時計1における日付表示機構10の詳細な構成を示す平面図である。
図1に示すように、電子時計1は、時刻を表示する指針2と、この指針2を駆動するステッピングモータ3とを備えた腕時計である。ステッピングモータ3の駆動は、発振回路4、分周回路5、および駆動回路6により制御される。発振回路4は、水晶振動子からなる基準発振源を有し、基準パルスを出力するものである。分周回路5は、発振回路4から出力された基準パルスを入力し、この基準パルスに基づいて基準信号(例えば1Hzの信号)を生成する。駆動回路6は、分周回路5から出力された基準信号に基づいて、ステッピングモータ3を駆動するモータ駆動パルスを発生する。
電子時計1の日付表示機構10は、圧電アクチュエータAと、この圧電アクチュエータAを駆動制御する駆動制御装置100とを備えている。電子時計1は、電子時計1の時刻が24時になったことを検出する24時検出手段8を備え、前記駆動制御装置100は24時検出手段8から24時になったことを検出する信号が入力されると駆動を開始するようになっている。
ここで、24時検出手段8としては、分周回路5から出力される基準信号等によって時刻をカウントする内部カウンタなどが利用できる。
図2に示すように、日付表示機構10の主要部は、圧電アクチュエータAと、この圧電アクチュエータAによって回転駆動される駆動対象としてのロータ20と、ロータ20の回転を減速しつつ伝達する減速輪列と、減速輪列を介して伝達される駆動力により回転する日車50とから大略構成されている。減速輪列は、日回し中間車30と日回し車40とを備えている。これらの圧電アクチュエータA、ロータ20、日回し中間車30、および日回し車40は、底板11に支持されている。圧電アクチュエータAは、扁平な短冊状の振動体12を有しており、この振動体12は、その先端の当接部13がロータ20の外周面と当接するように配置されている。
日付表示機構10の上方には、円盤状の文字板7(図1)が設けられており、この文字板7の外周部の一部には日付を表示するための窓部7Aが設けられ、窓部7Aから日車50の日付を覗けるようになっている。また、底板11の下方(裏側)には、ステッピングモータ3に接続されて指針2を駆動する運針輪列や、電源9としての一次電池や二次電池等が設けられている。二次電池で電源9を構成した場合、電子時計1には、ソーラー(太陽光)発電や回転錘の回転を利用した発電機を設け、この発電機で発電した電力を二次電池に充電すればよい。
電源9は、ステッピングモータ3や圧電アクチュエータA、駆動制御装置100の各回路に電力を供給する。
日回し中間車30は、大径部31と小径部32とから構成されている。小径部32は、大径部31よりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部33が形成されている。この小径部32は、大径部31に対し、同心をなすように固着されている。大径部31には、ロータ20の上部の歯車21が噛合している。したがって、大径部31と小径部32とからなる日回し中間車30は、ロータ20の回転に連動して回転する。
日回し中間車30の側方の底板11には、板バネ34が設けられており、この板バネ34の基端部が底板11に固定され、先端部34Aが略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ34の先端部34Aは、日回し中間車30の切欠部33に出入可能に設けられている。板バネ34に近接した位置には、接触子35が配置されており、この接触子35は、日回し中間車30が回転し、板バネ34の先端部34Aが切欠部33に入り込んだときに、板バネ34と接触するようになっている。そして、板バネ34には、所定の電圧が印加されており、接触子35に接触すると、その電圧が接触子35にも印加される。従って、接触子35の電圧を検出することによって、日送り状態を検出でき、日車50の1日分の回転量が検出できる。
なお、日車50の回転量は、板バネ34や接触子35を用いたものに限らず、ロータ20や日回し中間車30の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどが利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
日車50は、リング状の形状をしており、その内周面に内歯車51が形成されている。日回し車40は、五歯の歯車を有しており、日車50の内歯車51に噛合している。また、日回し車40の中心には、シャフト41が設けられており、このシャフト41は、底板11に形成された貫通孔42に遊挿されている。貫通孔42は、日車50の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車40およびシャフト41は、底板11に固定された板バネ43によって図2の右上方向に付勢されている。この板バネ43の付勢作用によって日車50の揺動も防止される。
日回し車40の歯は、板バネ43で付勢されていることで、日回し中間車30の切欠部33にも係合可能とされ、日回し中間車30が1回転すると、日回し車40の歯が切欠部33に係合し、日回し車40も1歯分回転し、日車50を1日分、日送りするように構成されている。
[圧電アクチュエータの構成]
圧電アクチュエータAの振動体12は、二長辺と二短辺とにより囲まれた長方形状の板である。また、振動体12は、2枚の長方形かつ板状の圧電素子の間に、これらの圧電素子と略同形状であり、かつ圧電素子よりも肉厚の薄いステンレス鋼等の補強板を挟んだ積層構造を有している。圧電素子としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
振動体12は、一短辺の幅方向端部に当接部13を有している。この当接部13は、補強板を切断成形する等の方法により得られたものであり、緩やかな曲面を持った先端部分を圧電素子から突出させている。振動体12は、この当接部13の先端をロータ20の外周面に当接させる姿勢を保っている。振動体12にこのような姿勢を維持させるために、支持部材14と付勢部材15とが圧電アクチュエータAに設けられている。
圧電アクチュエータAの支持部材14は、補強板の切断成形等の方法により補強板と一体形成されたものである。この支持部材14は、L字状の部材であり、振動体12の一長辺の略中央から垂直に突出した垂直部と、この垂直部の先端から長辺に対して平行にロータ20側に向けて延びた水平部とからなる。垂直部とは反対側の水平部の端部には、底板11から突出したピンが貫通しており、このピンを回転軸として支持部材14およびこれに固定された振動体12が回転可能である。支持部材14の水平部の略中央には、付勢部材15の一端が係合されている。付勢部材15は、その略中央部分を底板11から突出したピンが貫通しており、このピンを回転軸として回動可能である。また、支持部材14と反対側の付勢部材15の端部は、底板11に係合されており、この端部の位置を変えることにより振動体12の当接部13をロータ20の外周面に押し当てる圧力が調整可能になっている。
以上の構成において、圧電アクチュエータAの振動体12は、駆動制御装置100から所定の周波数の駆動信号が圧電素子に印加されることで第1の振動モードである縦振動と、この縦振動に誘発されて第2の振動モードである屈曲振動とが発生し、その板面を含む平面内において当接部13が楕円軌道を描いて運動する。ロータ20は、この振動体12の当接部13によってその外周面が叩かれ、図2中矢印で示すように、時計回りに回転駆動される。このロータ20の回転は、日回し中間車30を介して日回し車40に伝達され、この日回し車40が日車50を時計回り方向に回転させる。このような振動体12からロータ20、ロータ20から減速輪列(日回し中間車30および日回し車40)、減速輪列から日車50への力の伝達は、いずれも振動体12の底板11面に平行な方向の力の伝達である。このため、ステッピングモータのようにコイルやロータを厚さ方向に積み重ねるのではなく、同一平面内に振動体12およびロータ20を配置し、日付表示機構10を薄型化できる。そして、日付表示機構10を薄型にできるため、電子時計1全体を薄型にできる。
[圧電アクチュエータの駆動制御装置の構成]
次に、本実施形態の駆動制御装置100について、図3のブロック図に基づいて説明する。
図3に示すように、圧電アクチュエータAを駆動制御する駆動制御装置100は、圧電素子17へ出力する駆動信号と圧電素子17で検出される検出信号との位相差を検出し、位相差に相当する電圧値の位相差電圧信号を出力する位相差−電圧変換回路101と、位相差を比較するための基準電圧と振幅信号を検出するための基準電圧とをそれぞれ出力する定電圧回路102と、この定電圧回路102で出力される位相比較用基準電圧と位相差−電圧変換回路101から出力される位相差電圧とを比較して比較結果信号を出力する比較回路103と、比較結果信号を受けて出力電圧を制御する電圧調整回路104と、圧電素子17に対して駆動信号を出力する駆動回路(ドライバ)105と、この電圧調整回路104で出力された電圧に対応して駆動回路105に出力する周波数を調整する電圧制御発振器(VCO)106と、定電圧回路102で出力される振幅検出用基準電圧と圧電素子17の振幅信号とを比較して振幅信号を検出する振幅検出回路107と、を備えている。
電圧調整回路104は、比較回路103から出力された信号に基づいて、電圧制御発振器106に供給する電圧レベルを制御する電圧制御機能と、振幅検出回路107で出力された信号に基づいて所定時間当たりの電圧制御量を調整する制御速度調整機能とを有する。
具体的には、図4に示すように、電圧調整回路104は、電圧制御発振器106に出力する電圧を調整する電圧調整部541と、出力するクロック信号の周波数を可変としたクロック回路542と、このクロック回路542で出力されるクロック信号に対応して電圧調整部541へ信号を出力する制御回路543と、駆動信号の周波数をシフトするためのシフト回路546とを備える。
電圧調整部541は、位相差検出信号が目標値より高い場合には電圧値を上げるアップカウントとなり、位相差検出信号が目標値より低い場合には電圧値を下げるダウンカウントとなるアップダウンカウンタ(UDカウンタ)544と、このUDカウンタ544から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器545とを備えている。
クロック回路542は、振幅信号が基準電圧以上である場合には遅クロック(例えば、2kHz)のクロック信号を出力し、振幅信号が基準電圧より小さい場合には速クロック(例えば、100kHz)のクロック信号を出力する。
制御回路543は、NANDゲート543A,543Bと、NOTゲート543Cとを備える。
このため、制御回路543は、位相差検出信号が目標値より高い場合(ハイレベル信号の場合)には、クロック回路542から出力されるクロック信号のタイミングに応じて、UDカウンタ544のアップカウント入力にパルス信号(アップカウント信号)を出力する。
一方、制御回路543は、位相差検出信号が目標値より低い場合(ローレベル信号の場合)には、クロック回路542から出力されるクロック信号のタイミングに応じて、UDカウンタ544のダウンカウント入力にパルス信号(ダウンカウント信号)を出力する。
また、駆動制御装置100が停止している際には、制御回路543はパルス信号の出力を停止し、UDカウンタ544の状態は保持される。
UDカウンタ544は、NANDゲート543A,543Bを介して入力される情報を積算する。このUDカウンタ544は、例えば、12ビットのカウンタ等から構成されており、NANDゲート543A,543Bからの信号により、カウンタ値をアップあるいはダウンする。
D/A変換器545は、内部にUDカウンタ544のカウンタ値に応じた周波数制御電圧値が設定されている。そして、このD/A変換器545は、UDカウンタ544から出力されるカウンタ値を入力すると、このカウンタ値に応じた周波数制御電圧値に相当する周波数制御電圧を電圧制御発振器106に出力する。
なお、本実施形態では、UDカウンタ544のカウンタ値が大きくなると、D/A変換器545から出力される電圧も高くなり、電圧制御発振器106から出力される信号の周波数も高くなるように、つまり駆動回路105から出力される駆動信号の駆動周波数が高くなる。逆に、UDカウンタ544のカウンタ値が小さくなると、D/A変換器545から出力される電圧も低くなり、電圧制御発振器106から出力される信号の周波数も低くなるように、つまり駆動回路105から出力される駆動信号の駆動周波数が低くなるように設定されている。
シフト回路546は、補正クロック発生回路547と、ANDゲート548とを備える。
補正クロック発生回路547は、制御回路543のNANDゲート543A,543Bからハイレベル信号が出力し続けている際、つまり制御回路543からの出力が停止している際に、予め設定された所定パルス数のクロック信号を出力し、ANDゲート548を介してUDカウンタ544のアップカウント入力に入力する。
これにより、UDカウンタ544が所定パルス分だけカウントアップされ、次回の駆動制御(スイープ制御)の開始時の駆動信号は、前回の駆動制御停止時の駆動周波数よりも所定周波数だけ高くシフトされた駆動周波数に設定される。
ここで、本実施形態では、圧電素子17に供給する駆動信号の周波数を増加または減少させるスイープ制御の開始時の周波数制御方向は、駆動周波数を下げる方向(周波数を減少させる方向)に設定されており、シフト回路546は、前記駆動周波数を前回の駆動制御停止時の駆動周波数に対して前記スイープ制御方向(周波数を下げる方向)とは逆方向(周波数を上げる方向)にシフトしている。
なお、駆動周波数のスイープ制御を行うと、その駆動時の最適駆動周波数に収束されるため、前回の駆動制御停止時の駆動周波数は、その駆動時の最適駆動周波数となる。従って、シフト回路546は、前記駆動周波数を前回の最適駆動周波数に対して前記スイープ制御方向とは逆方向にシフトすることになる。
このシフト回路546による周波数シフト設定動作は、駆動制御装置100による圧電アクチュエータAの駆動制御開始時に行ってもよいし、前回の駆動制御終了後に行ってもよい。
駆動回路105は、電圧調整回路104および電圧制御発振器106で制御された周波数の駆動信号を圧電素子17に出力する。
ここで、圧電アクチュエータAの駆動周波数に対するインピーダンス特性を図5に示す。図5に示すように、駆動周波数に対してインピーダンスが極小であって振幅が最大となる共振点が二点現れ、これらのうち周波数の低い方が縦振動の共振点、高い方が屈曲振動の共振点である。
すなわち、縦振動の縦共振周波数fr1と屈曲振動の屈曲共振周波数fr2との間で圧電素子17を駆動すると、縦振動および屈曲振動双方の振幅が確保され、圧電アクチュエータAは高効率で駆動する。
この圧電アクチュエータAのインピーダンス特性は、温度によって変化する。具体的には、温度が低くなると、各共振点は周波数が高い側に移動する。例えば、図5の実線70は温度25度の場合の特性を示し、点線71は温度0度の場合の特性を示している。
このような構成の本実施形態では、前記駆動回路105によって圧電素子17に駆動信号を供給する駆動手段が構成され、位相差−電圧変換回路101、定電圧回路102、比較回路103、振幅検出回路107によって振動体12の振動状態を検出する振動状態検出手段が構成されている。また、電圧調整回路104、電圧制御発振器106によって駆動信号の駆動周波数を制御する周波数制御手段が構成されている。
[圧電アクチュエータの駆動制御方法]
このような本実施形態では、24時検出手段8によって電子時計1の時刻が24時になったことを検出すると、駆動制御装置100によって圧電アクチュエータAが作動されて、日車50の日送り動作が行われる。
具体的には、24時検出手段8の信号によって作動した駆動制御装置100は、前回の駆動制御終了後にシフト回路546によってシフトされた駆動周波数をスイープ制御の初期値とし、駆動周波数が低下する方向に駆動周波数を変化させながら駆動信号を圧電素子17に出力する。
そして、駆動制御装置100は、前記特許文献1と同様に、駆動信号のスイープ方向(周波数増加方向または減少方向)の制御と、そのスイープ速度の制御とを行う。
すなわち、圧電素子17に供給する駆動信号および圧電素子17から出力される検出信号の位相差に基づいて位相差−電圧変換回路101から出力される位相差電圧と位相比較用基準電圧とを比較回路103で比較し、その比較結果に基づいてUDカウンタ544をアップカウントまたはダウンカウントして駆動周波数を増減する。
また、圧電素子17から出力される縦振動の検出信号の振幅値(電圧)と、振幅検出用基準電圧に基づいて振幅検出回路107から出力される振幅検出信号によってクロック回路542の出力クロックを切り替えてスイープ速度の制御を行う。
以上のスイープ制御を行うことで、駆動周波数は徐々に最適周波数に収束する。そして、駆動制御装置100に、前記日付表示機構10の回転検出手段である板バネ34および接触子35からの回転検出信号が入力すると、駆動制御装置100は停止して圧電アクチュエータAの駆動を完了する。
そして、駆動制御装置100は、圧電アクチュエータAの駆動停止後、シフト回路546を作動し、駆動停止時の駆動周波数つまり最適周波数に対応したUDカウンタ544のカウンタ値を所定のシフト周波数に対応する分だけアップカウントする。これにより、次回に駆動制御装置100が作動した場合も、前回の最適周波数から所定周波数だけ高くシフトされた周波数でスイープ制御を開始することができる。
[第1実施形態の効果]
上述した実施形態では、以下のような効果がある。
(1)駆動制御装置100は、シフト回路546を備えることで、駆動周波数のスイープ制御を行う際に、前回駆動時の最適周波数に対して、スイープ方向とは逆方向に所定周波数分だけシフトした駆動周波数からスイープ制御を開始することができる。
このため、前回の最適周波数からスイープ制御を開始する場合に比べて、スイープ制御範囲を前記シフト分だけ広くすることができる。このため、前回駆動時に対して今回の駆動時の温度が大きく異なり、そのため共振周波数も変化しており、前回の最適駆動周波数でスイープ制御を開始した場合には共振周波数を通過してしまう場合でも、本実施形態では共振周波数を通過せずに最適周波数に制御することができる。
そのため、スイープ制御時に共振周波数を通過すると、インピーダンスが低いために消費電力が極端に大きくなって駆動効率が低下するが、本実施形態では、スイープ制御時に共振周波数を通過する可能性が低いため、駆動効率の低下も防止できる。
(2)また、本実施形態のシフト回路546は、前回の最適駆動周波数を基準にして駆動周波数をシフトしているので、例えば、スイープ制御開始時にUDカウンタ544を必ず最大値にして電圧制御発振器106で調整可能な最大周波数からスイープ制御を開始する場合に比べて、最適周波数に収束するまでの時間が短くでき、スイープ制御期間を短くできて、駆動効率も向上できる。
(3)本実施形態の駆動制御装置100は、駆動周波数の制御方向(スイープ方向)を駆動周波数が減少する方向に設定し、この制御方向とは逆の駆動周波数が増加する方向にシフトしている。このため、前回の駆動時に、縦共振周波数と屈曲共振周波数との間の最適周波数で駆動している場合、シフトした初期駆動周波数を縦共振周波数から離れる方向に設定することになる。このため、温度変化などで共振周波数が変化しても、特にインピーダンスが低い縦共振周波数をスイープ制御時に通過することを防止できる。そのため、本実施形態では、縦共振周波数を通過することで、消費電流が極端に大きくなって駆動効率が大きく低下することを防止できる。
(4)本実施形態の駆動制御装置100は、比較回路103から出力される位相差検出信号に基づく駆動周波数のスイープ方向の制御と、振幅検出回路107から出力される振幅検出信号に基づく駆動周波数のスイープ速度の制御とを併せて行っている。そのため、高効率駆動状態に達するまでの時間を短縮して消費電力を少なくでき、安定した制御を行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において、前述する各実施形態と同一または同様の構成には適宜同一符号を付し、説明を省略または簡略する。
第2実施形態では、シフト回路546に温度センサ549を追加し、この温度センサ549で検出した温度変化量に応じて前記周波数シフト量を設定するものである。
すなわち、シフト回路546の補正クロック発生回路547は、温度センサ549で測定された前回駆動時の温度を記憶する。そして、24時検出手段8からの信号に基づいて駆動制御装置100が駆動を開始した際には、補正クロック発生回路547は、現在の温度を温度センサ549で測定し、記憶していた前回の温度との温度差を求め、その温度差に応じたシフト量だけ補正クロックを発生する。
そして、駆動制御装置100は、前記第1実施形態と同様に、シフト回路546によって温度変化量に応じた周波数分だけシフトされた駆動周波数でスイープ制御を開始する。
また、日車50の回転検出信号が入力して駆動制御装置100が停止した際には、補正クロック発生回路547は、温度センサ549で測定した温度を記憶しておく。
[第2実施形態の効果]
上述した第2実施形態では、第1実施形態の効果に加えて以下のような効果がある。
(5)温度センサ549を備えることで、前回の駆動時から今回の駆動時の温度差を求め、その温度差に基づいて駆動周波数のシフト量を設定しているので、最適周波数に近い周波数でスイープ制御を開始することができる。このため、スイープ制御期間を短くできるとともに、スイープ制御時に共振点を通過することがないため、高効率の駆動制御を実現できる。
[変形例]
なお、本発明は、前記各実施形態に限らない。
例えば、前記各実施形態では、圧電素子17へ出力する駆動信号と圧電素子17で検出される検出信号から位相差を求め、この位相差に基づいて圧電アクチュエータの駆動を制御したが、本発明では、圧電素子17において縦振動および屈曲振動の各検出信号を検出し、それらの検出信号の位相差を求め、この位相差に基づいて圧電アクチュエータの駆動を制御する構成としてもよい。
また、前記実施形態では、振幅検出回路107で検出した振幅の大きさによってクロック回路542から出力されるクロック周波数を高速(例えば100kHz)と、低速(2kHz)との2段階に切り替えていたが、本発明では、2段階に切り換えるものに限定されるものではなく、3段階あるいは4段階以上に切り換える構成としてもよい。
さらに、本発明では、クロック周波数を固定し、スイープ速度も一定に維持するようにしてもよい。すなわち、本発明では、前回の最適周波数を基準にしてシフトした駆動周波数からスイープ制御を開始しているので、最適周波数に収束するまでのスイープ量(スキャン幅)も小さくなる。このため、電圧制御発振器106で設定可能なMAX周波数からスイープ制御を開始し、最適周波数までのスキャン幅が大きい場合のように、高速でスイープする必要性も小さいためである。
さらに、前記第2実施形態では、温度センサ549によって測定した温度差に応じて駆動周波数のシフト量を設定していたが、このシフト量は固定値とし、温度センサ549で測定した温度差が設定値以上の場合は駆動周波数をシフトし、設定値未満の場合は駆動周波数をシフトせずに前回の最適駆動周波数を初期駆動周波数としてスイープ制御を行うようにしてもよい。すなわち、通常の使用時における共振周波数の変化は、温度変化の影響が最も大きい。このため、温度変化が小さい場合には共振周波数の変化量も僅かになり、前回の最適駆動周波数からスイープ制御を開始しても問題ないためである。
また、前記各実施形態では、2つの共振点のうち、インピーダンスが低い縦振動の共振周波数のほうが屈曲振動の共振周波数よりも低いため、スイープ制御開始時のスイープ方向を、駆動周波数が減少する方向に設定していたが、インピーダンスが低い共振周波数のほうが他の共振周波数よりも高い場合には、スイープ制御方向を駆動周波数が増加する方向に設定し、周波数が減少する方向に周波数をシフトするように設定してもよい。
また、前記実施形態では、圧電アクチュエータAを電子時計1の日付表示機構の駆動に用いていたが、これに限らず、電子時計1の時刻表示針(指針)の駆動に用いてもよい。このようにすれば、通常、指針を駆動するステッピングモータを圧電アクチュエータに置き換えることで、電子時計1の一層の薄型化が実現できるとともに、圧電アクチュエータがステッピングモータよりも磁性の影響を受けにくいことから、電子時計の高耐磁化をも図ることができる。
また、前記各実施形態では、検出信号および駆動信号間の位相差や、各検出信号間の位相差に基づいて駆動信号の周波数を制御していたが、例えば、圧電アクチュエータを駆動するドライバに抵抗を設け、圧電アクチュエータを流れる電流値の変化を、電圧値として検出することなどで、圧電アクチュエータを流れる電流値に基づいて駆動信号の周波数を制御してもよい。
さらに、複数の検出信号を検出している場合に、ある検出信号の振幅によって駆動信号の周波数の増減を制御し、他の検出信号の振幅と振幅基準値とを比較して駆動信号の周波数の増減の変化割合を制御してもよい。
また、検出信号の振幅によって駆動信号の周波数の増減を制御し、各信号の位相差や圧電アクチュエータを流れる電流値によって駆動信号の周波数の増減の変化割合を制御してもよい。
さらに、複数の検出信号を検出している場合、予め決められた1つの検出信号の振幅を検出して駆動信号の周波数の制御を行ってもよいが、駆動直後の一定期間、各検出信号の振幅を検出して記憶し、振幅の変化が大きいほうの検出信号の振幅に基づいて周波数制御を行うようにしてもよい。この場合には、振幅の変化が大きい検出信号に基づいて制御できるので、その変化を確実に検出できて効率的な制御を行うことができる。
なお、前記各実施形態では、圧電アクチュエータの適用例として腕時計を例示したが、これに限定されず、本発明は、懐中時計、置時計、掛け時計などにも適用できる。これらの各種時計において、例えばからくり人形などを駆動する機構としても利用できる。
さらに、時計以外に、カメラのズームやオートフォーカス機構、フィルムの巻き上げ機構、プリンタの紙送り機構や、乗り物並びに人形などの玩具類を駆動する機構などにも、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置を適宜利用できる。本発明の駆動制御装置は、時計、カメラやプリンタ、玩具などをはじめとして、携帯情報端末、電話機などの圧電アクチュエータを用いた各種電子機器に広く利用できる。
さらに、本発明の圧電アクチュエータの駆動制御装置は、ICで構成することができる。また、そのICと圧電アクチュエータとを基板に取り付けることで、駆動制御装置付きの圧電アクチュエータモジュールとして用いることもできる。そして、この圧電アクチュエータモジュールを外装ケースに組む込むことで電子機器を構成することもできる。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下に、実施例および比較例により、本発明をより詳細に説明する。
図7には、実施例1および比較例1,2の周波数制御のイメージを示す。
実施例1は、前記第1実施形態による制御結果であり、前回の最適周波数から所定周波数だけ周波数をシフトしてスイープ制御を開始するものである。
また、比較例1は、特許文献3に記載されたスイープ制御による制御結果であり、前回の最適周波数からスイープ制御を開始するものである。
さらに、比較例2は、公知のスイープ制御による制御結果であり、常に電圧制御発振器106で調整可能な最大周波数からスイープ制御を開始するものである。
[実施例1の構成]
前記第1実施形態に基づく実施例1の具体的な設定は以下の通りである。
〔電圧制御発振器106および電圧調整回路104の構成〕
電圧制御発振器106は、可変周波数範囲が400kHz〜600kHz(Δf=200kHz)の電圧制御発振器106を使用した。そして、12ビットの分解能、つまり4096ステップで電圧制御発振器106の周波数を変化するように設定した。
このため、スイープ制御で1ステップ変化すると、電圧制御発振器106の周波数は、200kHz/4096step=約49Hz変化する。
また、クロック回路542からのクロック信号、つまりスイープ周波数は2kHzに固定した。このため、スイープ制御で1ステップ変化するのに0.5msecかかる。
〔圧電アクチュエータAの特性〕
圧電アクチュエータAは、図5に示す特性を有するものを用いた。すなわち、圧電アクチュエータAの常温(25度)での最適駆動周波数は547kHzである。また、圧電アクチュエータAの共振周波数の温度特性は−0.15kHz/℃であり、温度が低下すると共振周波数は高くなる。
〔シフト回路546における周波数シフト量の設定〕
シフト回路546の補正クロック発生回路547で設定する周波数シフト量は、日常での最大温度変化を想定して設定している。具体的には、圧電アクチュエータAに設定した使用温度範囲の1/2の温度変化を最大温度変化と想定した。そして、この温度変化量に
共振周波数の温度特性を掛けることで周波数シフト量を求めている。
すなわち、周波数シフト量=(共振周波数の温度特性)×(日常での最大温度変化想定=使用温度範囲1/2)で求めている。ここで、圧電アクチュエータAの使用温度範囲は、一般に60℃〜-10℃程度であって70℃の範囲であるため、日常での最大温度変化は約35℃となる。例えば、室内(25℃)から冬の屋外(-10℃)に電子時計1を移動した場合、その温度変化は35℃となる。
従って、周波数シフト量は、前述の共振周波数の温度特性(-0.15kHz/℃)×((60℃-(-10℃))*1/2)=5.25kHz≒5kHzに設定した。
[比較例1,2の構成]
比較例1は、前回の最適駆動周波数からスイープを開始する制御とし、スイープ速度は一定(2kHz)に設定した。
比較例2は、常に電圧制御発振器106の可変周波数max(比較例2では600kHz)からスイープを開始し、周波数を下げる方向に制御するように設定した。また、スイープ速度は一定(2kHz)に設定した。
このような実施例1および比較例1,2において、前回駆動時からの温度変化が無い場合と、温度変化が合った場合(温度が高くなった場合および低くなった場合)とで、スイープ制御を実施した場合の収束時間と、縦共振周波数の通過の有無に関して評価した。
表1には収束時間の評価結果を示し、表2には縦共振周波数の通過の有無の評価結果を示す。なお、縦共振周波数の通過の有無を評価したのは、屈曲共振周波数に比べてインピーダンスが低く、消費電流が極端に大きくなって駆動効率が大きく低下するためである。
Figure 2009219212
表1において、実施例1のスキャン幅(スイープ制御の周波数範囲)は、(前回の最適周波数+周波数シフト5kHz)−(今回の最適周波数)で求められる。また、比較例1のスキャン幅は(前回の最適周波数)−(今回の最適周波数)で求められる。さらに、比較例2のスキャン幅は(最大周波数600kHz)−(今回の最適周波数)で求められる。
また、各収束時間は、(スキャン幅/49Hz(1ステップの変化幅))×(1ステップ変化に必要な時間)で求められる。
Figure 2009219212
表1に示すように、実施例1および比較例1は、前回の最適周波数に基づいてスイープ制御を開始しているため、常に最大周波数からスイープ制御を開始する比較例2に比べて、最適周波数に収束するまでの時間を大幅に短縮することができた。
表2に示すように、実施例1および比較例2は、前回駆動時から温度変化が生じても、スイープ制御動作時に縦共振周波数を通過することはなかったが、比較例1では、特に前回駆動時から温度が低くなった際に、縦共振周波数を通過してしまう場合があった。この時、消費電流の極端な増大に伴い電源電圧が低下するためシステムが正常動作できない可能性がある。一方、本発明では、実施例1のように、最大温度変化を想定して周波数シフト量を設定しているため、どのような温度変化があってもスイープ制御時に縦共振周波数を通過することはなく、安定した動作を継続することができる。
従って、本発明では、実施例1の評価結果で示すように、スイープ制御時に最適周波数に収束するまでの時間を短縮でき、かつ、縦共振周波数を通過することを防止して消費電流の増大による駆動効率の低下も防止できる。
次に、第2実施形態と第1実施形態とを比較した評価結果を説明する。
[実施例2の構成]
実施例2は、前記第2実施形態による制御結果であり、周波数のシフト量を温度変化量に応じて設定するものである。表3に、実施例2を前記実施例1の制御結果と比較した評価結果を示す。
Figure 2009219212
実施例2では、周波数シフト量の設定を共振周波数の温度特性に基づいて設定している。すなわち、周波数シフト量=(共振周波数の温度特性:-0.15kHz/℃)×(前回駆動時との温度差)である。
表3に示すように、実施例1では実際の温度変化量に関わらず一定量の周波数シフトをするため、温度変化状態によっては、特にプラス側の温度変化があった場合には、スキャン時間が余分に長くなってしまう場合がある。
一方、実施例2では、温度センサの検出結果に応じて周波数シフト量を設定しており、余分なスキャンをすることがないため、縦共振周波数を通過しない制御を実現でき、かつ実施例1に比べても更に効率の良い制御を実現できる。
以上の各実施例1,2は、本発明が比較例1,2に比べて、最適周波数に収束するまでの時間を短縮できてスイープ制御時間も短くでき、かつ、スイープ制御時に縦共振周波数を通過することがないため、駆動効率の低下を防止できるという優れた作用効果が得られ、本発明の有用性を確認できた。
本発明の第1実施形態に係る電子時計の概略構成を示す図である。 前記電子時計における日付表示機構の詳細な構成を示す平面図である。 第1実施形態の圧電駆動装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の電圧調整回路の構成を示すブロック図である。 第1実施形態の圧電アクチュエータの駆動周波数とインピーダンスとの関係を示すグラフである。 第2実施形態の電圧調整回路の構成を示すブロック図である。 実施例1および比較例1,2の周波数制御イメージを示す図である。
符号の説明
1…電子時計、8…24時検出手段、9…電源、10…日付表示機構、12…振動体、17…圧電素子、20…ロータ、30…日回し中間車、40…日回し車、50…日車、100…駆動制御装置、101…位相差−電圧変換回路、102…定電圧回路、103…比較回路、104…電圧調整回路、105…駆動回路、106…電圧制御発振器、107…振幅検出回路、541…電圧調整部、542…クロック回路、543…制御回路、545…D/A変換器、546…シフト回路、547…補正クロック発生回路、549…温度センサ、A…圧電アクチュエータ。

Claims (7)

  1. 圧電素子を有する振動体を備えた圧電アクチュエータを駆動する圧電アクチュエータの駆動制御装置であって、
    前記圧電素子に駆動信号を供給する駆動手段と、
    前記振動体の振動状態を検出する振動状態検出手段と、
    前記駆動信号の駆動周波数を制御する周波数制御手段とを備え、
    前記周波数制御手段は、
    前回の圧電アクチュエータの駆動制御時の最適駆動周波数に対して、予め定められた周波数制御方向とは逆方向にシフトした周波数を初期周波数とし、この初期周波数から前記周波数制御方向に周波数を変化させるとともに、前記振動状態検出手段で振動状態が検出された後は検出された振動状態に基づいて前記駆動周波数を増加または減少する制御を行うことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記振動体は、前記駆動信号を圧電素子に供給することで、前記振動体の長手方向に沿って伸縮する縦振動および前記長手方向に対して屈曲する屈曲振動の合成によって振動し、
    前記周波数制御手段は、前記振動体の縦振動の共振周波数および屈曲振動の共振周波数のうち、圧電アクチュエータのインピーダンスが高い共振周波数から低い共振周波数に向かう方向を前記周波数制御方向に設定することを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    前記周波数制御手段は、前記圧電アクチュエータの共振周波数の温度特性と、圧電アクチュエータを利用している際に想定される最大温度変化量とに基づいて前記周波数のシフト量を設定することを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    温度を測定する温度センサを備え、
    前記周波数制御手段は、圧電アクチュエータの前回の駆動制御時の温度と、今回の駆動制御時の温度との差が予め設定した温度差以上の場合に、前回駆動制御時の最適駆動周波数に対して周波数をシフトして初期周波数とし、前記温度差が予め設定した温度差未満の場合は前回駆動制御時の最適駆動周波数を初期周波数とすることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置において、
    温度を測定する温度センサを備え、
    前記周波数制御手段は、圧電アクチュエータの前回の駆動制御時の温度と、今回の駆動制御時の温度との差を求め、この温度差および前記圧電アクチュエータの共振周波数の温度特性に基づいて周波数のシフト量を算出し、前回駆動制御時の最適駆動周波数に対して前記算出したシフト量だけ周波数をシフトして初期周波数とすることを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御装置。
  6. 圧電素子を有する振動体を備えた圧電アクチュエータを駆動する圧電アクチュエータの駆動制御方法であって、
    前回の圧電アクチュエータの駆動制御時の最適駆動周波数に対して、予め定められた周波数制御方向とは逆方向にシフトした周波数を初期周波数とし、この初期周波数から前記周波数制御方向に周波数を変化させるとともに、前記振動状態検出手段で振動状態が検出された後は検出された振動状態に基づいて前記駆動周波数を増加または減少する制御を行うことを特徴とする圧電アクチュエータの駆動制御方法。
  7. 圧電素子を有する振動体を備えた圧電アクチュエータと、請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータの駆動制御装置と、を備えたことを特徴とする電子機器。
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