JP3767388B2 - 圧電調速機およびこの圧電調速機を用いた電子機器 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電調速機およびこの圧電調速機を用いた電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、ゼンマイが解放する時の機械的エネルギを増速輪列を介して発電機に伝達し、この発電機で電気エネルギに変換し、その電気エネルギにより回転制御手段を作動させて発電機のコイルに流れる電流値を制御することにより、輪列に固定された指針を正確に運針させて正確に時刻を表示する電子制御式機械時計が知られている(特開平8−5758号公報参照)。
【0003】
この電子制御式機械時計は、ゼンマイを動力源として指針を駆動するためにモータが不要であり、部品点数が少なく安価であり、しかも電池駆動式の電子時計並の高精度を得られるという特徴がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この電子制御式機械時計は、発電機のコイルを流れる電流値等を制御することで、1方向に回転する発電機のロータの速度を調速する調速機を用いているために、以下のような課題がある。
(a)電子制御式機械時計では、発電機にブレーキを掛けることで発電機の回転速度つまりは指針を調速しているため、発電機に加えることができるブレーキの最大値(フルブレーキ)よりも高いトルクがゼンマイから加わると、調速することができず、針が進んでしまうという課題がある。
一方で、ゼンマイからのトルクが、制御限界よりも低い場合(ブレーキを掛けなくてもトルクが低いために運針が遅れる場合)には、指針が遅れてしまい、その遅れ量も累積されて指示誤差が大きくなってしまうという課題がある。
つまり、この調速機では、与えられるトルクが比較的狭い所定の範囲でなければ、制御ができないという課題がある。
【0005】
(b)制御回路が作動していない状態では、ゼンマイからのトルクが直接ロータに伝わってしまうため、ゼンマイのトルクの大きさによって調速の誤差も変動してしまうという課題がある。
例えば、前記電子制御式機械時計では、発電機を制御する制御回路を発電機からの電力で駆動しているため、針合わせ(時刻修正)のために発電機を停止させて制御回路も停止すると、針合わせ後、発電機からの電力が充電されるコンデンサが制御回路を駆動可能な電圧に上昇するまでの間は、無制御状態となり、正確な針合わせができない。このため、停止した制御回路が起動するまでの時間を短縮するための対策が必要となってコストが増加するという課題がある。
【0006】
(c)調速機が発電機を兼ねているために、コイル巻数を例えば15万ターン等と大きくする必要があり、発電調速機が大型になって時計全体が大きくなり、コストも高くなるという課題がある。
【0007】
(d)調速機のコイルで検出する回転信号に基づいて調速制御するため、コイルが大きな外部磁界のノイズを拾うと回転検出ができなくなり、制御誤差が生じて時刻が狂ってしまうという課題がある。
【0008】
(e)調速機のロータにはコギングトルクが有るため、一旦停止すると起動しにくくなり、ゼンマイをフル巻状態に戻さなければならない場合があるという課題もある。
【0009】
一方、特開昭58−179379号公報には、機械時計のがんぎ車にロータを組み込んで発電するとともに、テンプに磁石およびコイルを追加して調速を行う電子時計が開示されている。
この電子時計は、前述のような発電機のロータを一方向に回転するのではなく、ひげぜんまいおよびテンプによる振動を利用して調速しており、また発電機と調速機とが別々に設けられているので、上記a,b,c,eの課題は解決できるが、dの課題は解決できないし、さらに下記のような新たな課題が発生する。
【0010】
(f)機械時計(メカ時計)のテンプ部分に磁石を追加し、コイルを配置しているために、調速機部分が大きくなり、各部品の配置などを大幅に見直さなければならず、設計変更が非常に大きくなり、かつ時計の小型化が難しいという課題がある。
その上、発電機のロータおよびコイルや、調速機の磁石およびコイルを別々に設けなければならないので、その点でも小型化が困難であるという課題がある。
【0011】
(g)振動するテンプ部分に磁石を組み込むため、摩擦損失が大きくなって実用化が難しいという課題もある。
【0012】
本発明の目的は、外部磁界の影響を無くすことができ、かつ調速精度の低下を防止できるとともに、小型化が容易で摩擦損失も低減できる圧電調速機および電子機器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の圧電調速機は、機械的エネルギの伝達経路上に配置される圧電素子と、前記圧電素子の電極両端の接続をオンまたはオフして前記圧電素子のバネ定数を変化させて前記機械的エネルギによる運動の振動周波数を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0014】
圧電素子は、その電極の両端をオン(ショート)させて撓めると、機械的歪みのみが蓄積されるが、電極両端をオフ(オープン)させて撓めると、機械的歪みに加えてコンデンサに電気エネルギーが蓄積される。つまり、オープンさせた場合、圧電素子に加えられる機械的エネルギの10%程度が圧電素子に電気エネルギとして蓄えられる。このため、同じ機械的エネルギを加えてもオープン状態のほうが変形量が小さくなり、つまりバネ定数が大きくなる。従って、圧電素子の電極の両端をオン・オフすると、圧電素子のバネ定数が約10%程度の範囲で変化する。
【0015】
このため、機械的エネルギの伝達経路上に圧電素子を配置し、その電極をオン・オフしてバネ定数を変化させることで、機械的エネルギの運動を制御することができる。
この圧電素子を利用した調速機によれば、外部磁界の影響を無くすことができるとともに、運動状態に応じてバネ定数を調整することで細かな調速制御が可能になり、精度の高い調速を行うことができる。その上、コイルや磁石が不要なため、小型化が容易で摩擦損失も低減できる。
【0016】
また、前記圧電素子は螺旋形状とされ、かつ重りと結合されており、前記圧電素子のバネ定数を変化させて重りによる振動周波数を制御することで機械的エネルギによる運動を制御していることが好ましい。
【0017】
機械的エネルギによる運動制御に振動を利用すれば、従来の調速機のようにロータを1方向に回転させた場合に比べて、無制御状態での調速誤差を抑えることができる。また、大きなトルクが加わっても、振幅が変化するだけで振動周波数は変化しないので、加えられるトルクが変化しても調速精度の低下を抑えることができる。
さらに、圧電素子を螺旋形状に形成すれば、つまり圧電素子を細長い帯状に形成すれば、圧電素子のバネ定数を小さくでき、撓みも大きくできるので、比較的小さな力でも容易に振動させることができ、停止状態からの起動を確実に行うことができる。
【0018】
また、前記制御装置は、圧電素子で発電された電力で駆動されることが好ましい。
圧電素子をバネ定数の変化による運動の制御のみならず、発電機としても利用すれば、別途、電池等が不要になり、調速機を小型化できるとともに、安価に提供できる。
さらに、電池が不要なので、電池切れで使用できないということがなく、いつでも利用することができる。その上、電池の廃却による環境破壊を防止することもできる。
【0019】
一方、前記制御装置は、電池または電源により駆動されることを特徴とするものでもよい。
各種の一次電池、二次電池やコンセントなどから供給される商用電源によって制御装置を駆動するようにすれば、回路構成を非常に簡単にできる利点がある。
【0020】
ここで、前記制御装置は、圧電素子の振動周波数が設定信号の周波数よりも低い場合に前記圧電素子の電極間の電気回路を切断してバネ定数を高くし、設定信号の周波数よりも高い場合に前記圧電素子の電極間の電気回路を接続してバネ定数を低くして運動を制御することが好ましい。
【0021】
このような制御を行えば、圧電素子の振動周波数が設定周波数よりも低い場合にはバネ定数が高くなるため、振動が速くなる。一方で、圧電素子の振動周波数が設定周波数よりも高い場合にはバネ定数が低くなるため、振動が遅くなる。このため、圧電素子の振動を設定信号と同じ周波数に収束させることができ、運動を簡単に制御することができる。
その上、比較的単純なフィードバック制御でよいため、制御装置を簡単な回路で構成でき、コストを低減できる。
さらに、設定信号を切り替え可能にすれば、より細かな制御が可能になり、かつ運動(振動)の速度が異なる各種機器に対しても、設定信号を切り替えた圧電調速機を組み込んで利用することもできる。
【0022】
なお、前記設定信号としては、圧電調速機の外部に設けられた信号源からの信号を用いてもよいが、圧電調速機に備えられた基準信号源から出力される設定信号を用いることが好ましい。この設定信号としては、具体的には、水晶振動子を用いた水晶発振回路が好ましく、他の発振回路でもよい。
圧電調速機に備えられた水晶発振回路等の基準信号源からの信号を設定信号として用いれば、常時確実に信号を入力することができ、制御を確実に行うことができる。
【0023】
また、本発明の圧電調速機は、前記圧電素子で発電された電力を蓄える蓄電手段を備え、前記制御装置は、圧電素子および蓄電手段間の電気回路に設けられたスイッチを断続して、前記圧電素子のバネ定数を切り替えるとともに、前記スイッチを接続する際に前記圧電素子の各電極間をショートするように制御していることが好ましい。
【0024】
このような構成では、圧電素子および蓄電手段間のスイッチを切断すると圧電素子に電荷が蓄積され、バネ定数が高くなる。ここで、前記スイッチを接続すると、圧電素子の電荷はコンデンサや二次電池等で構成された蓄電手段に充電され、この蓄電手段からの電力で制御回路が駆動される。
この状態のままでは、圧電素子の電荷は、蓄電手段と同一レベルまで低下するが完全に「0」にはならないため、バネ定数は、スイッチ切断時よりは低いが圧電素子の電荷が「0」の場合よりは高くなる。従って、圧電素子の各電極間をショートすれば、スイッチのみをオン、オフしている場合に比べて、バネ定数の可変範囲つまりは制御範囲を大きくすることができる。
【0025】
また、本発明の電子機器は、機械的エネルギを供給する機械的エネルギ源と、前記圧電調速機とを備えることを特徴とするものである。
このような電子機器によれば、外部磁界の影響による回転検出誤差が発生せず、高精度の調速制御が可能になり、かつ小型、軽量化を実現できてコストも低減できる。
【0026】
また、電子機器は、前記機械的エネルギにより駆動される指針と、脱進機および調速機を備える電子制御式機械時計であり、前記圧電素子は、調速機のヒゲゼンマイとして用いられていることが好ましい。
【0027】
このような電子制御式機械時計によれば、前記圧電素子がメカ時計のテンプを駆動するヒゲゼンマイの代わりに組み込まれ、この圧電素子の振動によって指針の動きを制御するように構成されているため、制御装置が作動していない状態でも、圧電素子の振動周波数は大幅に変動することがなく、メカ時計と同様に指針をほぼ正確に作動させることができる。このため、ロータおよび磁石を備えた発電・調速機で制御する時計のように、針合わせのための複雑な機構を不要にでき、制御回路のICが動かないような低い電圧でも大きな時刻狂いが発生しないようにすることができ、時刻指示精度を高めることができる。
【0028】
さらに、ゼンマイ等の機械的エネルギ源から大きな駆動力が加わっても、振動周波数は大幅に変動しないので、大きな狂いが生じず、常時安定した運針を実現できる。
その上、基本的にはメカ時計のヒゲゼンマイを圧電素子に置き換えるだけでよく、他のテンプ、アンクル、がんぎ車、輪列、ゼンマイ等は、普通のメカ時計と同様の部品を流用でき、その分、コストを低減できる。さらに、圧電素子を利用した点と、制御回路が必要な点で、普通のメカ時計に比べると、コストが高くなるが、普通のメカ時計に対し、僅かな部品の追加でより高精度な電子制御式機械時計を製造でき、両方の時計を低コストで製造することができる。また、磁石やコイルが不要なため、テンプなどを軽量化でき、摩擦損失を低減できて持続時間等を延長でき、かつ時計を小型化できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の電子制御式機械時計100の概略構成が示され、図2にはそのブロック図が示されている。
【0030】
電子制御式機械時計100は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真1c、及び香箱蓋からなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真1cに固定される。筒状の香箱真1cは、地板に設けられた支持部材に挿通されて角穴ネジによって固定され、角穴車4と一体で回転する。角穴車4は、リューズ2により丸穴車3等を介して回転され、ゼンマイ1aが巻き上げられる。
【0031】
ここで、香箱歯車1bの回転は、増速輪列となる二番車7、三番車8、四番車9の各番車を介して増速されている。これらの各番車7〜9は、地板および輪列受け等で軸支されている。そして、これらの各番車7〜9によって、機械的エネルギ源であるゼンマイ1a(香箱歯車1b)からの機械的エネルギを伝達する機械的エネルギ伝達手段(輪列)が構成されている。
【0032】
なお、図1では、三番車8に噛み合う秒かなに固定された秒針14のみが表示されているが、実際には、図示しない筒かなや筒車を介して駆動される分針や時針も設けられている。
【0033】
また、電子制御式機械時計100は、通常のメカ時計と同様な、がんぎ車21およびアンクル22を備えた脱進機と、テンプ25を備えた調速機とを備えている。
脱進機は、四番車9を介してゼンマイ1aから供給される機械的エネルギを調速機に少しずつ供給して調速機の振動を維持させるとともに、調速機の振動周期に従って輪列の回転速度を制御している。
【0034】
テンプ25は、テン輪26、ヒゲゼンマイとして用いられる圧電素子30、振り座27等を備えて構成されている。圧電素子(ヒゲゼンマイ)30の内周端はテン輪26の中心にあるヒゲ玉に固定され、外周端は地板等に固定されたヒゲ持28で支持されている。
【0035】
そして、本実施形態では、圧電素子(ヒゲゼンマイ)30は、図3に示すような圧電素子で構成されている。
この圧電素子30は、細長く帯状に成形されたバイモルフタイプの圧電体であり、通常のヒゲゼンマイと同様に螺旋状に巻かれて収納されている。
圧電素子30は、帯状のセラミック、例えばジルコニアの両側面に金属ペーストを塗布して導通させたものをシム材31として用いており、この両側面に2層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなる圧電素子層32a,32bを形成してある。これら圧電素子層32a,32bの表面には、アルミニウムなどによる電極33a、33bが形成されており、それぞれの圧電素子層32a,32bは、シム材31から電極33a、33bの方向に分極されている。
【0036】
このような螺旋状の圧電素子30は、アンクル22やテン輪26の動きに連動して伸び縮みし、矢印Aの方向に変位する。従って、圧電素子層32a,32bには矢印Bの方向に一方が圧縮の時、他方は引張りの歪みが発生し、これによって圧電素子層32a,32bの分極方向に逆向きの電位が発生する。従って、本例の圧電素子30においては、2つの圧電素子層32a,32bが直列に接続されている状態となる。
【0037】
この圧電素子30の電極33a、33bは、図2に示すように、整流回路51に接続されており、これにより圧電素子30は圧電発電機として機能して交流電流を出力し、整流回路51で直流電流に整流されて制御回路52を駆動している。
そして、制御回路52は、圧電素子30の振動信号を検出し、水晶振動子(実際には水晶振動子を含む水晶発振回路)53からの信号を元に作成された設定信号と比較し、圧電素子30を制御するように構成されている。
そして、これらの圧電素子30、整流回路51、制御回路52、水晶振動子(水晶発振回路)53によって電子調速機(圧電調速機)50が構成されている。
【0038】
電子調速機50の具体的な回路構成を図4に示す。本実施形態では、整流回路51として、2つの電界効果型トランジスタ(FET)55,56および2つのダイオード57,58を用いた簡易同期整流回路が用いられている。
電界効果型トランジスタ55は、圧電素子30の交流出力端子MG2にゲートが接続されたPch(Pチャネル)の電界効果型トランジスタで構成され、電界効果型トランジスタ56は、圧電素子30の交流出力端子MG1にゲートが接続されたPch(Pチャネル)の電界効果型トランジスタで構成されている。
【0039】
このため、交流出力端子MG1の極性が「+」で交流出力端子MG2の極性が「−」の時には、電界効果型トランジスタ55がオンされ、電界効果型トランジスタ56がオフされる。このため、圧電素子30で発生した電荷は、図4において、「交流出力端子MG1→電界効果型トランジスタ55→コンデンサ54→スイッチング素子59→ダイオード58→交流出力端子MG2」の回路によってコンデンサ54に充電される。
逆に、交流出力端子MG1の極性が「−」で交流出力端子MG2の極性が「+」の時には、電界効果型トランジスタ56がオンされ、電界効果型トランジスタ55がオフされる。このため、圧電素子30で発生した電荷は、「交流出力端子MG2→電界効果型トランジスタ56→コンデンサ54→スイッチング素子59→ダイオード57→交流出力端子MG1」の回路によってコンデンサ54に充電される。
【0040】
従って、簡易同期整流回路51では、圧電素子30の各出力端子MG1,MG2の極性に同期して自動的に各トランジスタ55,56がオン、オフされて整流が行われることになる。
なお、簡易同期整流回路51にコンデンサ等を追加して昇圧することもできるが、圧電素子30は電圧が高いため、制御回路52を作動させるためには昇圧する必要はなく、整流機能のみを有する整流回路51を利用するほうが好ましい。
【0041】
制御回路52は、ICなどで構成されてコンデンサ54からの電力で作動される。制御回路52は、圧電素子30からの振動信号と、水晶振動子53からの設定信号とを比較し、トランジスタ等で構成されたスイッチング素子59をオン、オフする。
具体的には、圧電素子30の振動周波数が設定信号の周波数よりも低い場合には、スイッチング素子59をオフし、高い場合にはオンする。
【0042】
ここで、スイッチング素子59がオフされた場合に、圧電素子30がテン輪26の回動等による機械的エネルギにより変形されると、その全エネルギの10%程度が電気エネルギとして蓄えられる。従って、同じ機械的エネルギを加えても変形量が小さくなり、つまりバネ定数が大きくなり、圧電素子30の振動は速くなる。
一方で、スイッチング素子59がオンされた場合には、圧電素子30に電気エネルギが蓄積されず、機械的エネルギのみになるため、変形量が大きくなり、つまりバネ定数が小さくなり、圧電素子30の振動は遅くなる。
【0043】
以上により、制御回路52で比較する設定信号を適切に設定しておくことで、圧電素子30つまり時計100の調速機であるテンプ25の振動周期は水晶振動子53からの信号を基準とした設定周期に維持され、通常のヒゲゼンマイによる機械時計に比べて電子制御式機械時計100の精度が向上する。
【0044】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) ゼンマイ1aから供給される機械的エネルギの伝達経路上に配置された圧電素子30のバネ定数を変化させて、機械的エネルギの運動を制御しているので、外部磁界の影響で調速誤差が発生することを防止できる。従って、耐磁性能が高い電子調速機50つまりは電子制御式機械時計100を提供することができる。
【0045】
(2) 磁石やコイルが不要なため、圧電素子30が設けられたテンプ25を軽量化でき、摩擦損失を低減できて持続時間等を延長できる。また、磁石、コイルが不要なため、電子調速機50つまりは時計100を軽量、小型化できる。
【0046】
(3) 圧電素子30を細長い帯状のもので螺旋状に形成しているので、圧電素子のバネ定数を小さくでき、撓みも大きくできる。このため、圧電素子30つまりはテンプ25を振動させるために必要なトルクは小さくてよく、電子制御式機械時計100に内蔵されるゼンマイ1aのトルクによっても、容易にかつ確実に駆動させて振動させることができる。
【0047】
(4) 圧電素子30によるバネ定数の変動幅は、約10%程度であるため、バネ定数を変化させても振動が大幅に変動することもなく、テンプ25は安定した振動を維持することができる。
その上、変動幅が大きいと制御が複雑になり、かえって制御しきれない場合があるが、本実施形態のように10%程度の変動幅であれば、単純な制御でよく、かつ確実に制御することができる。
【0048】
(5) メカ時計と同様に、テンプ25の振動によって調速しているため、外乱等によって大きなトルクが加わっても、振幅が大きくなるだけであり、磁石およびロータによってロータの回転速度を調速する場合に比べて、トルク変動に対する時刻精度を向上することができる。
【0049】
(6) 圧電素子30で発電した電力で制御回路52を駆動しているので、別途電池を設ける必要が無く、電池切れなどによって使用できないという問題が発生することがなく、電子制御式機械時計100をいつでも使うことができる。
また、電池が不要なため、電池の廃却による環境破壊の発生を防止することができる。
【0050】
(7) さらに、トルクが小さくなるなどで制御回路52が停止した場合、ロータの回転速度を調速する方式では時刻精度が非常に低下するが、本実施形態では、振動によって調速しているので、精度は若干悪くなるが、大きな指示ずれは生じず、使用上問題とならない状態での持続時間をより延長することができる。
【0051】
(8) 針合わせのために、圧電素子30の発電を停止し、制御回路52が停止した場合でもほぼ正確に動くので、ロータ回転により調速する場合のように、針合わせ時の誤差修正用の複雑な機構を組み込む必要が無く、その分コストを低減でき、かつ時計100を小型化することもできる。
【0052】
(9) 基本的にはメカ時計のヒゲゼンマイを圧電素子30に置き換え、電子調速機50を構成する整流回路51、制御回路52、水晶振動子53、コンデンサ54、スイッチング素子59などを追加するだけでよく、他のテン輪26、アンクル22、がんぎ車21、輪列、ゼンマイ1a等は、普通のメカ時計と同様の部品を流用できる。このため、コストの増加を抑えることができるとともに、高精度の時計100を製造できる。
【0053】
(10)クオーツ時計のようなステップ運針ではなく、機械時計と同様なハイビートの連続運針を実現でき、速度ムラも抑えることができる。
【0054】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は、本発明に含まれるものである。
【0055】
例えば、前記実施形態では、圧電素子30とコンデンサ54との間のスイッチング素子59のみをオン、オフして制御していたが、図5に示すように、各トランジスタ55,56に並列に、電界効果型トランジスタ61,62を接続し、そのオン、オフをも制御回路52で制御するようにしてもよい。
【0056】
このような構成では、制御回路52で電界効果型トランジスタ61,62をオンすれば、圧電素子30の各出力端子MG1,MG2をショートすることができる。このため、前記実施形態では、スイッチング素子59をオンした際には、圧電素子30の電荷はコンデンサ54の充電レベルに維持されて完全に「0」にはならないのに対し、各出力端子MG1,MG2をショートして放電できるので圧電素子30の電荷を完全に「0」にできる。従って、圧電素子30において可変するバネ定数の範囲が大きくなり、運動(振動)の制御範囲を大きくすることができる。
【0057】
また、前記実施形態では、圧電素子30で発電された電力で制御回路52を駆動していたが、図6に示すように、制御回路52は電池71で駆動し、圧電素子30はバネ定数を可変するためだけに設けてもよい。
なお、電池71としては、通常の1次電池や充電可能な二次電池でもよいし、太陽電池等を用いてもよい。このような電池駆動式にすれば、整流回路51を不要にできるメリットがある。また、電池71の代わりに、コンセント等の電源から供給される電力で制御回路52を駆動してもよい。
【0058】
さらに、整流回路51の具体的な構成などは、前記実施形態に限らず、ブリッジ整流回路等の他の構成の整流回路を利用してもよい。
【0059】
また、制御回路52で基準となる設定信号は、前記実施形態のように、圧電調速機50に備えられた水晶振動子(水晶発振回路)53等の基準信号源からの信号に限らず、圧電調速機50の外部に設けられた信号源からの信号を用いてもよい。例えば、時間情報を含む標準電波を設定信号として利用してもよいし、自動車等の信号源を有する機器に本発明の圧電調速機を組み込んだ場合には、それらの機器の信号源からの信号を利用してもよい。
【0060】
また、圧電素子30の構成も前記実施形態に限らず、例えば、図7に示すように、2つの圧電素子層32a、32bが直に積層されており、これらの外側の面に電極33a、33bが形成されたような構造のものでもよい。
要するに、圧電素子30としては、従来から知られている種々のものが利用できる。また、これらの圧電素子30の製造方法としては、特開平9−211151号公報に開示されたような、グリーンシート法、水熱法等が利用できる。
【0061】
本発明の圧電調速機は、電子制御式機械時計100に適用する場合に限らず、調速(運動)制御が必要な各種玩具、オルゴール、メトロノーム、各種機械等に広く適用できる。
【0062】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の圧電調速機および電子機器によれば、外部磁界の影響を無くすことができ、かつ調速精度の低下を防止できるとともに、小型化が容易で摩擦損失も低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における電子制御式機械時計の要部の構成を示す概略斜視図である。
【図2】本実施形態の電子制御式機械時計の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の圧電素子の構造を示す図である。
【図4】本実施形態の圧電調速機を示す回路図である。
【図5】本発明の圧電調速機の変形例を示す回路図である。
【図6】本発明の圧電調速機の他の変形例を示す回路図である。
【図7】本発明の圧電素子の変形例の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 香箱車
1a ゼンマイ
1b 香箱歯車
1c 香箱真
2 リューズ
3 丸穴車
4 角穴車
7、 二番車
8 三番車
9 四番車
14 秒針
21 がんぎ車
22 アンクル
25 テンプ
26 テン輪
30 圧電素子
31 シム材
32a,32b 圧電素子層
33a、33b 電極
50 電子調速機
51 簡易同期整流回路
52 制御回路
53 水晶振動子
54 コンデンサ
55,56 電界効果型トランジスタ
57,58 ダイオード
59 スイッチング素子
61,62 電界効果型トランジスタ
71 電池
100 電子制御式機械時計

Claims (9)

  1. 機械的エネルギの伝達経路上に配置される圧電素子と、前記圧電素子の電極両端の接続をオンまたはオフして前記圧電素子のバネ定数を変化させて前記機械的エネルギによる運動の振動周波数を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする圧電調速機。
  2. 請求項1記載の圧電調速機において、前記圧電素子は螺旋形状とされ、かつ重りと結合されており、前記圧電素子のバネ定数を変化させて重りによる振動周波数を制御することで機械的エネルギによる運動を制御していることを特徴とする圧電調速機。
  3. 請求項1または2に記載の圧電調速機において、前記制御装置は、圧電素子で発電された電力で駆動されることを特徴とする圧電調速機。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の圧電調速機において、前記制御装置は、電池または電源により駆動されることを特徴とする圧電調速機。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の圧電調速機において、前記制御装置は、圧電素子の振動周波数が設定信号の周波数よりも低い場合に前記圧電素子の電極間の電気回路を切断してバネ定数を高くし、設定信号の周波数よりも高い場合に前記圧電素子の電極間の電気回路を接続してバネ定数を低くして運動を制御することを特徴とする圧電調速機。
  6. 請求項5に記載の圧電調速機において、前記設定信号は、圧電調速機に備えられた基準信号源から出力されることを特徴とする圧電調速機。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の圧電調速機において、前記圧電素子で発電された電力を蓄える蓄電手段を備え、前記制御装置は、圧電素子および蓄電手段間の電気回路に設けられたスイッチを断続して、前記圧電素子のバネ定数を切り替えるとともに、前記スイッチを接続する際に前記圧電素子の各電極間をショートするように制御していることを特徴とする圧電調速機。
  8. 機械的エネルギを供給する機械的エネルギ源と、請求項1〜7のいずれかに記載の圧電調速機とを備えることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項8に記載の電子機器は、前記機械的エネルギにより駆動される指針と、脱進機および調速機を備える電子制御式機械時計であり、前記圧電素子は、調速機のヒゲゼンマイとして用いられていることを特徴とする電子機器。
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