JPH1130675A - 水晶発振器およびこの水晶発振器を用いた電子制御式機械時計 - Google Patents

水晶発振器およびこの水晶発振器を用いた電子制御式機械時計

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JPH1130675A
JPH1130675A JP18412197A JP18412197A JPH1130675A JP H1130675 A JPH1130675 A JP H1130675A JP 18412197 A JP18412197 A JP 18412197A JP 18412197 A JP18412197 A JP 18412197A JP H1130675 A JPH1130675 A JP H1130675A
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crystal
oscillation
capacitor
generator
electronically controlled
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JP18412197A
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Osamu Takahashi
理 高橋
Kazuhiro Tsuchiya
和博 土屋
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電圧を加えてから安定発振するまでの時間が
短い水晶発振器を提供すること。 【解決手段】 水晶発振器を、水晶振動子52と、水晶
振動子52が内蔵された水晶収納ケース53に対し、水
晶振動子52の振動方向に衝撃力を加える駆動レバー7
1とを備えて構成する。水晶振動子52に電圧を加える
とともに、駆動レバー71によって水晶収納ケース53
に衝撃力を加える。これにより、水晶振動子52は、電
圧による発振に加えて駆動レバー71の衝突による機械
的な振動が加えられるため、水晶振動子52の振動が大
きくなり、安定発振までの時間を短くできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時計や携帯電話等
で用いられる水晶発振器と、ゼンマイが開放する時の機
械エネルギを発電機で電気エネルギに変換し、その電気
エネルギにより回転制御手段を作動させて発電機の回転
周期を制御することにより、輪列に固定される指針を正
確に駆動する電子制御式機械時計とに関する。
【0002】
【従来の技術】ゼンマイが開放する時の機械エネルギを
発電機で電気エネルギに変換し、その電気エネルギによ
り回転制御手段を作動させて発電機のコイルに流れる電
流値を制御することにより、輪列に固定される指針を正
確に駆動して正確に時刻を表示する電子制御式機械時計
として、特開平8−5758号公報に記載されたものが
知られている。
【0003】この際、発電機による電気エネルギを一
旦、平滑用コンデンサに供給し、このコンデンサからの
電力で回路制御手段を駆動しているが、このコンデンサ
には発電機の回転周期と同期した交流の起電力が入力さ
れるため、ICや水晶振動子を備える回路制御手段の動
作を可能とするための電力を長期間保持する必要がなか
った。このため、従来は、ICや水晶振動子を数秒程度
動作可能な静電容量の比較的小さなコンデンサが用いら
れていた。
【0004】この電子制御式機械時計は、指針の駆動を
ゼンマイを動力源とするためにモータが不要であり、部
品点数が少なく安価であるという特徴がある。その上、
電子回路を作動させるのに必要な僅かな電気エネルギを
発電するだけでよく、少ない入力エネルギで時計を作動
することもできた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子制
御式機械時計は、以下の課題を有している。すなわち、
通常は竜頭を引き出して行う針合わせ(時刻合わせ)を
行う場合、正確に時刻を合わせられるように、時、分、
秒の各指針を停止させていた。指針を停止することは、
輪列を停止させることになるため、発電機も停止されて
いた。
【0006】このため、発電機から平滑用コンデンサへ
の起電力の入力が停止する一方で、ICは駆動し続ける
ため、コンデンサに蓄えられた電荷はIC側に放電され
て端子電圧が低下し、その結果、回路制御手段も停止し
ていた。
【0007】そして、針合わせを終えて竜頭を押し込
み、発電機を作動させて回路制御手段の水晶振動子を駆
動させても、水晶振動子は、電圧を加えてから、安定し
て発振信号を出すまでに少々の時間を必要とし、水晶振
動子が安定するまでの間は、正確な時間制御を行えない
という問題があった。このため、安定して発振するまで
の時間が短い水晶発振器が求められていた。
【0008】また、水晶振動子は、時計以外にも、携帯
電話などの移動無線機における電波発信等にも用いられ
ており、このような各種の機器に用いられている水晶発
振器においても、安定して発振するまでの時間が短い水
晶発振器が求められていた。
【0009】本発明の第1の目的は、電圧を加えてから
安定発振するまでの時間が短い水晶発振器を提供するこ
とにある。
【0010】また、本発明の第2の目的は、水晶発振器
が安定発振するまでの時間を短縮でき、針合わせの誤差
を小さくすることができる電子制御式機械時計を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の水晶発振器は、
水晶振動子を用いた水晶発振器であって、前記水晶振動
子が内蔵された水晶収納ケースに対して衝撃力を加える
衝撃部材を備えることを特徴とするものである。
【0012】この際、衝撃力を加える方向は限定されな
いが、特に、前記水晶収納ケースに対して水晶振動子の
振動方向に衝撃力を加えるように構成されていることが
好ましい。
【0013】本発明では、水晶振動子に電圧を加えると
ともに、衝撃部材によって水晶収納ケースに衝撃力を加
える。水晶振動子に衝撃力を加えることで、水晶振動子
は、電圧による発振に加えて衝突部材の衝突による機械
的な振動が加えられるため、水晶振動子の振動が大きく
なり、安定発振までの時間が短くなる。特に、水晶振動
子の振動方向に衝撃力を加えれば、水晶振動子に効果的
に機械的振動を加えることができる。
【0014】この際、前記衝撃部材は、水晶振動子への
電圧印加開始時に、前記水晶収納ケースに衝撃力を加え
るように構成されていることが好ましい。
【0015】前記衝撃部材の衝撃力は、水晶振動子が安
定発振するまでに加えればよいが、特に水晶振動子への
電圧印加開始時に加えれば、水晶振動子が発振し始めた
時の振動を大きくでき、安定発振までの時間を効率的に
短くすることができる。
【0016】また、本発明の電子制御式機械時計は、ゼ
ンマイと、輪列を介して伝達されるゼンマイの機械エネ
ルギを電気エネルギに変換する発電機と、前記輪列に結
合された指針と、変換した前記電気エネルギにより駆動
されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御手段と
を備える電子制御式機械時計において、前記回転制御手
段は、衝突部材を有する前記水晶発振器を備えているこ
とを特徴とするものである。
【0017】衝突部材を有する水晶発振器を用いること
で、水晶振動子が安定発振するまでの時間が短くなり、
正確な時間制御を行えない時間を短くできるため、針合
わせ時の誤差を小さくすることができる。
【0018】ここで、前記水晶発振器の衝撃部材は、前
記発電機が停止される針合わせからの復帰操作に連動し
て前記水晶収納ケースに衝撃力を加えるように構成され
ていることが好ましい。
【0019】衝撃部材の動作を、発電機が作動し始めて
回転制御手段に電力が加えられ始める針合わせからの復
帰操作に連動させれば、水晶振動子に電圧が加えられる
のとほぼ同時に衝撃を加えることができ、水晶振動子を
より速く安定発振させることができるとともに、衝撃部
材を動作させるための特別な操作が不要になり、操作性
も向上できる。
【0020】また、この電子制御式機械時計において、
前記発電機からの電気エネルギを一時的に蓄えて前記回
転制御手段に供給するコンデンサを備えるとともに、前
記発電機が停止している際に、前記コンデンサから前記
回転制御手段への電気エネルギの供給を遮断する電力供
給制御手段を備えることが好ましい。
【0021】このように構成すれば、針合わせ時等に発
電機が停止した場合に、電力供給制御手段によってコン
デンサから回転制御手段への電気エネルギの供給を遮断
できるので、発電機が停止している間もコンデンサは充
電状態に維持される。従って、針合わせ操作からの復帰
時に、発電機が十分に立ち上がるまでは、コンデンサか
ら回転制御手段に電気エネルギを供給して回転制御手段
を作動させることができ、回転制御手段が作動されるま
でのタイムラグによる誤差を無くすことができ、針合わ
せ時の時間制御の誤差を小さくすることができる。この
ため、水晶振動子に即座に電圧を加えることができ、こ
の電圧が加えられた状態の水晶振動子に対して衝撃部材
による衝撃を加えて安定発振までの時間を確実に短縮す
ることができる。
【0022】ここで、前記電力供給制御手段としては、
前記コンデンサに直列に接続されるとともに、前記発電
機が作動している際は接続され、発電機が停止している
際には切断されるスイッチ等が用いられる。
【0023】さらに、前記回転制御手段は、水晶振動子
を用いた水晶発振回路と、この水晶発振回路の発振能力
を定常運転時よりも向上させる水晶発振能力向上手段
と、前記水晶発振回路を、前記水晶発振能力向上手段を
用いて発振能力を向上させた高発振状態および定常運転
状態のいずれか一方に切り替える切替手段とを備えるこ
とが好ましい。
【0024】ここで、水晶発振能力向上手段としては、
前記水晶振動子に定常運転時よりも高い電圧を加える高
電圧印加手段等が用いられる。また、高電圧印加手段と
しては、複数のコンデンサと、これらのコンデンサを並
列接続状態と直列接続状態とに切り替える回路制御手段
と、前記コンデンサと水晶振動子との接続を断続するス
イッチとで構成されているものなどが利用できる。
【0025】水晶振動子に高電圧を印可する高電圧印可
手段等からなる水晶発振能力向上手段を設けたので、発
電機が停止される針合わせ操作からの復帰時において、
前記水晶発振回路を駆動する際に、水晶発振能力向上手
段を用いて高発振状態とすることで、水晶発振回路が安
定した発振信号を出力するまでの時間を従来に比べて短
縮することができる。特に、水晶振動子に高電圧を印加
していれば、前記衝撃部材による機械的衝撃を加えた際
に、より迅速に安定発振状態にすることができ、回路制
御手段を迅速にかつ安定して駆動できて立上り時の誤差
を少なくでき、正確な針合わせを行うことができる。
【0026】さらに、切替手段を備えることで、水晶発
振回路が安定した発振信号を出力した後には、水晶発振
回路を前記水晶発振能力向上手段を用いた高発振状態か
ら定常運転状態に切り替えることができ、消費電力が大
きくなる高発振状態を最小限の時間に押さえることがで
き、省エネルギー化をはかることもできる。
【0027】また、高電圧印可手段を複数のコンデンサ
を備えて構成すれば、コンデンサの接続状態を回路制御
手段で切り替えることで、印可電圧の大きさを制御でき
るため、構成が簡易になり、かつ定常値の数倍という大
きな電圧を印可することができる。さらに、コンデンサ
と水晶振動子とを断続するスイッチを設けたので、発電
機が停止している間もコンデンサを充電状態に維持して
おくことができ、発電機の立上り時にスイッチを接続し
てコンデンサに充電された電力を水晶振動子に即座に供
給することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0029】図1は、本発明の第1実施形態の電子制御
式機械時計の要部を示す平面図であり、図2及び図3は
その断面図である。
【0030】電子制御式機械時計は、ゼンマイ1a、香
箱歯車1b、香箱真1c及び香箱蓋1dからなる香箱車
1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1
b、内端が香箱真1cに固定される。香箱真1cは、地
板2と輪列受3に支持され、角穴車4と一体で回転する
ように角穴ネジ5により固定されている。
【0031】角穴車4は、時計方向には回転するが反時
計方向には回転しないように、こはぜ6と噛み合ってい
る。なお、角穴車4を時計方向に回転しゼンマイ1aを
巻く方法は、機械時計の自動巻または手巻機構と同様で
あるため、説明を省略する。
【0032】香箱歯車1bの回転は、7倍に増速されて
二番車7へ、順次6.4倍増速されて三番車8へ、9.37
5 倍増速されて四番車9へ、3倍増速されて五番車10
へ、10倍増速されて六番車11へ、10倍増速されて
ロータ12へと、合計126,000倍の増速をしてい
る。
【0033】二番車7には筒かな7aが、筒かな7aに
は分針13が、四番車9には秒針14がそれぞれ固定さ
れている。従って、二番車7を1rphで、四番車9を
1rpmで回転させるためには、ロータ12は5rps
で回転するように制御すればよい。このときの香箱歯車
1bは、1/7rphとなる。
【0034】この電子制御式機械時計は、ロータ12、
ステータ15、コイルブロック16から構成される発電
機20を備えている。ロータ12は、ロータ磁石12
a、ロータかな12b、ロータ慣性円板12cから構成
される。ロータ慣性円板12cは、香箱車1からの駆動
トルク変動に対しロータ12の回転数変動を少なくする
ためのものである。ステータ15は、ステータ体15a
に4万ターンのステータコイル15bを巻線したもので
ある。
【0035】コイルブロック16は、磁心16aに11
万ターンのコイル16bを巻線したものである。ここ
で、ステータ体15aと磁心16aはPCパーマロイ等
で構成されている。また、ステータコイル15bとコイ
ル16bは、各々の発電電圧を加えた出力電圧がでるよ
うに直列に接続されている。
【0036】次に、電子制御式機械時計の制御回路につ
いて、図4を参照して説明する。
【0037】発電機20からの交流出力は、昇圧コンデ
ンサ21,ダイオード22,23からなる昇圧整流回路
を通して昇圧、整流されて第1の蓄電手段である平滑用
コンデンサ30および第2の蓄電手段であるコンデンサ
80に充電される。
【0038】コンデンサ30,80は互いに並列に配置
され、発電機20と、IC51および水晶振動子52を
備える回転制御手段50とに接続されている。なお、コ
ンデンサ30は、切替回路183およびスイッチ40を
介して前記回転制御手段50に接続されている。なお、
水晶振動子52と、IC51内に設けられた発振インバ
ータや帰還抵抗とによって水晶発振回路55が形成され
ている。
【0039】コンデンサ30は、比較的容量の小さな、
例えば0.5〜5μF程度の静電容量を有する複数のコ
ンデンサ30A,30Bによって構成されている。一
方、前記コンデンサ80は、コンデンサ30よりも小さ
な静電容量0.05〜0.5μF程度の静電容量を有す
るものが用いられている。これらの各コンデンサ30
A,30B,80としては、電解コンデンサ等を用いて
もよいが、電解コンデンサと比較して寿命が長く、数1
0年レベルの製品寿命が得られる積層セラミックコンデ
ンサを用いるほうが好ましい。また、コンデンサ30
A,30Bは、後述する回路制御手段32によって、そ
の接続が並列および直列に切り替えられるように設定さ
れている。
【0040】切替回路183は、切替用スイッチ181
および抵抗値が100MΩ程度の抵抗182が並列に接
続されて構成されている。切替用スイッチ181は、発
電機20が停止してコンデンサ30の端子電圧が回転制
御手段50を駆動できない電圧まで下がった際に切断さ
れ、発電機20が作動されて回転制御手段50を駆動可
能な電圧以上になった際に接続されるように制御されて
いる。
【0041】電力供給制御手段であるスイッチ40は、
図5,6にも示すように、回路基板131上のコンデン
サ30が接続された配線132に、断続可能に構成され
たスイッチレバー40Aによって構成されている。この
スイッチレバー40Aは、針合わせ操作のために竜頭6
0を引き出すと配線132から離れて切断され、竜頭6
0を押し込むと配線132に接触されて接続されるよう
に構成されている。
【0042】なお、スイッチレバー40Aや地板等の金
属部分は、回路の基準点であるアースに導通され、VDD
に設定されている。なお、このスイッチ40は、本実施
形態では竜頭操作に応じて断続するメカスイッチである
が、電子的なスイッチを用いてもよい。
【0043】そして、コンデンサ30またはコンデンサ
80に、IC51および水晶振動子52を駆動可能な所
定電圧、例えば、1Vの電圧が蓄えられると、その蓄電
力でIC51および水晶振動子52が駆動され、発電機
20のコイルに流れる電流量を可変して電磁ブレーキ量
を調整し、発電機20つまり指針の回転周期を調速して
いる。
【0044】すなわち、前記回転制御手段50は、図7
に示すように、発振回路151、分周回路152、回転
数検出回路153、回転数比較回路154、電磁ブレー
キ制御手段155等を含む集積回路(IC51)によっ
て構成されている。
【0045】発振回路151は水晶振動子52による発
振信号を出力し、この発振信号は分周回路152によっ
てある一定周期まで分周される。この分周信号は、例え
ば1秒周期の基準周期信号として回転数比較回路154
および電磁ブレーキ制御手段155に出力されている。
【0046】回転数比較回路154は、回転数検出回路
153で検出された発電機の周波数信号と、分周回路1
52から出力された基準周期信号との周期(回転数)を
比較し、両者の時間的な差異を求め、その差異を無くす
ように、すなわち発電機20と基準周期信号の周期が同
期するように発電機20の回転周期を補正するための周
期補正信号を電磁ブレーキ制御手段155に出力する。
【0047】電磁ブレーキ制御手段155は、前記周期
補正信号に基づいて発電機20のコイルに流れる電流量
を可変して電磁ブレーキ量を調整し、発電機20つまり
指針の回転周期を調速している。なお、コイルに流れる
電流量を可変する手段としては、特開平8−10128
4号公報の実施例1に記載されるような、発電機20両
端と並列に接続された負荷制御回路156の抵抗を可変
する方法や、実施例2に記載されるような、昇圧段数を
可変する方法等が有効である。
【0048】このような電子制御式機械時計には、図8
〜10に示すように、竜頭60の操作に連動して作動さ
れる回転駆動手段70が設けられている。回転駆動手段
70は、輪列の途中にある五番車10を回転させて発電
機20を駆動する駆動レバー71と、この駆動レバー7
1を移動させるおしどり81と、おしどり81の回転位
置を規制するクリックばね91とを備えて構成されてい
る。
【0049】おしどり81は、軸82を中心に回動自在
に軸支されるとともに、竜頭60の軸61に係合されて
いる。そして、クリックばね91に形成された2つの係
合溝92,93に係合される位置決めピン83と、駆動
レバー71側に当接される当接ピン84とを備えて構成
されている。
【0050】また、駆動レバー71は、ばね性を有する
金属、プラスチックなどで構成され、軸72を中心に回
動自在に軸支されており、この軸72部分から3方向に
延長された延長部分を備えて構成されている。この延長
部分の1つである係止レバー部73は、時計に固定され
た係止ピン63に当接されており、駆動レバー71は図
8の状態から時計回り方向の回転が規制されている。
【0051】また、駆動レバー71の延長部分の他の1
つである当接レバー部74は、五番車10の外周縁に当
接可能に構成されている。
【0052】さらに、駆動レバー71の他の延長部分で
ある位置規制レバー部75は、前記おしどり81の当接
ピン84が配置、当接される溝76および当接面77と
を備えるとともに、水晶振動子52の水晶収納ケース5
3に当接される衝突部78を備えている。従って、この
駆動レバー71によって本発明の衝突部材が構成されて
いる。
【0053】なお、この水晶振動子52が内蔵された水
晶収納ケース53は、図11に示すように、地板2およ
び回路受け66によって保持されている。
【0054】このような本実施形態において、発電機2
0が作動されている定常運転時には、スイッチ40およ
び切替用スイッチ181が入れられており、発電機20
からの電力は一旦コンデンサ30に蓄えられてから回転
制御手段50に供給され、発電機20の回転つまり指針
の時間制御が行われる。この定常運転時には、図12に
示すように各コンデンサ30A,30Bは、竜頭60の
操作に連動して作動される切替手段140からの指示に
応じて作動する回路制御手段32によって、並列に接続
されている。
【0055】また、回転駆動手段70は、竜頭60が押
し込まれた通常位置にある場合、図8に示すように、お
しどり81の位置決めピン83はクリックばね91の係
合溝93に係合され、当接ピン84は駆動レバー71の
溝76に係合されている。この状態では、衝突部78は
水晶収納ケース53に当接され、当接レバー部74は五
番車10から離れた位置にある。
【0056】そして、針合わせを行うために竜頭60を
引き出して指針を停止させると、発電機20も停止す
る。この際、図13に示すように、発電機20が停止す
る直前に、回路制御手段32によってコンデンサ30
A,30Bは直列に接続され、その後、切替手段140
によってスイッチ40が切断される。スイッチ40が切
断されることにより、IC51、水晶振動子52側に電
流が流れないため、各コンデンサ30A,30Bは充電
された状態に維持される。
【0057】同時に、図9に示すように、竜頭60を引
き出すと、おしどり81が軸82を中心に反時計回り方
向に回転し、その位置決めピン83がクリックばね91
の係合溝92に係合される。同時に、おしどり81の当
接ピン84は駆動レバー71の当接面77側に移動し、
駆動レバー71を軸72を中心に時計回り方向に回転さ
せる。ただし、駆動レバー71の係止レバー部73が係
止ピン63に当接しているため、係止レバー部73は移
動できない。このため、駆動レバー71自身が有するば
ね力(弾性力)によって、係止レバー部73に対して当
接レバー部74、位置規制レバー部75が変位され、当
接レバー部74は五番車10に当接される。
【0058】この際、当接レバー部74は、駆動レバー
71の軸72の中心を通る五番車10の外周縁の接線9
0に対して角度を持つ(平行ではない)ように構成さ
れ、また、前記接線90の五番車10との接点よりも、
五番車10の通常回転方向の手前側で五番車10に接す
るように構成されている。また、位置規制レバー部75
の衝突部78は、水晶収納ケース53から離れる。
【0059】そして、針合わせ操作が終了して竜頭60
を押し込むと、図14に示すように、切替手段140に
よってスイッチ40が接続され、直列に接続されかつ充
電状態で維持されていたコンデンサ30A,30Bから
通常の2倍の電圧がIC51,水晶振動子52に印加さ
れる。これにより、水晶振動子52の起動性が向上し、
水晶発振回路55が高発振状態とされてその安定発振ま
での時間が短縮される。
【0060】また、竜頭60を押し込んで針合わせの終
了操作を行うと、その操作に連動して、図10に示すよ
うに、おしどり81が時計回り方向に回転し、当接ピン
84が溝76内に移動することで、駆動レバー71に加
わっていた付勢力が解放され、駆動レバー71のばね力
によって当接レバー部74が元の位置に戻る。
【0061】この際、当接レバー部74は、図10の矢
印100のように、五番車10との接触位置からやや斜
め方向に移動するため、五番車10には当接レバー部7
4との摩擦力によって矢印101の方向に機械的な回転
力が加わる。
【0062】竜頭60を押し込んで針合わせ作業から復
帰すると、発電機20が作動し始めるが、この立上り時
に、ゼンマイによる回転力に加えて前記駆動レバー71
によって五番車10に加えられる回転力が六番車11を
介してロータ12に伝達されるため、ロータ12に大き
な回転力が一時的に加えられ、ロータ12の回転スピー
ドは立ち上がり時から大きくなり、発電機20から出力
される電力は短時間で大きな値となる。
【0063】また、同時に、衝突部78は、水晶収納ケ
ース53に衝突し、これにより、水晶振動子52の振動
方向に衝撃が加わり、水晶振動子52が振動する。竜頭
60を押し込んで発電機20が駆動し始めると、水晶振
動子52にも電圧が加わって発振し始めるが、この電圧
による発振に加えて衝突部78の衝突による機械的な振
動が加えられるため、水晶振動子52が発振し始めた時
の振動が大きくなり、安定発振までの時間が短くなる。
【0064】そして、スイッチ40が接続されてから予
め設定された所定時間経過後、あるいは水晶振動子52
の安定発振が確認されたら、切替手段140は回路制御
手段32によってコンデンサ30A,30Bを並列に戻
し、水晶発振回路55を図12に示すような定常運転状
態に切り替える。
【0065】なお、通常の針合わせ操作時には上記動作
をするが、長時間発電機20が停止されており、コンデ
ンサ30の端子電圧が自己放電により低下している場合
には、竜頭60を押すと次のように動作する。
【0066】すなわち、コンデンサ30の端子電圧が低
下していることで、図4に示すように、前記切替用スイ
ッチ181は切断されている。この状態で、竜頭60が
押し込まれて発電機20が作動し始めると、スイッチ4
0が接続される。そして、コンデンサ30は大きな抵抗
値を有する抵抗182を介して発電機20に接続されて
いるとともに、コンデンサ80のほうがコンデンサ30
よりも容量が小さいため、コンデンサ80側に大きな電
流が流れて先に充電される。そして、コンデンサ80が
回転制御手段50を駆動可能な電圧(1V程度)になる
と、回転制御手段50が作動し、時計の時間が制御され
る。
【0067】また、コンデンサ30にも抵抗182を介
して電流の一部が流れて同時に充電され、このコンデン
サ30の端子電圧が、コンデンサ80の電圧と同じにな
った場合、あるいは回転制御手段50を駆動可能な電圧
に達すると、スイッチ181が接続され、コンデンサ3
0側から回転制御手段50に電力が供給され、定常運転
に戻る。
【0068】さらに、本実施形態における電磁ブレーキ
制御手段155等の制御動作について図7の回路ブロッ
ク図および図15のフローチャートをも参照して説明す
る。
【0069】まず、電子制御式機械時計において、針合
わせを行うために竜頭60を引き出して指針を停止させ
ると、発電機20も停止する。
【0070】そして、針合わせを終了して竜頭60を押
し込むと、前述の通り、発電機20が回転して発電し、
その出力電力によって回転制御手段50が駆動されて発
振し始める(ステップ1、以下ステップをSと略す)。
【0071】この発振開始時の発電機20の回転数を回
転数検出回路153で検出し、その回転数が1.1rp
mよりも大きいか否かを回転数比較回路154で判断す
る(ステップ2)。
【0072】この発電機20の回転数は、ゼンマイ1a
の状態によって左右される。すなわち、図16に示すよ
うに、ゼンマイ1aが弱く巻かれている場合、検出開始
時の秒針の回転数は、1.1rpm程度であり、その際
の指示ずれ量(遅れ量)は、0.1秒であり、また立ち
上がり時間(発電機20によって回転制御手段50が駆
動されるまでの時間)は1秒である。一方、ゼンマイ1
aが強く巻かれている場合、検出開始時の秒針の回転数
は、1.2rpm程度であり、その際の指示ずれ量(遅
れ量)は、0秒であり、また立ち上がり時間(発電機2
0によって回転制御手段50が駆動されるまでの時間)
は0.3秒である。
【0073】このため、ゼンマイ1aが強く巻かれてい
る場合(回転数の検出結果が1.1rpmよりも大きい
場合)は、その時点で指示ずれがないため、即座に通常
の制御(S4)を行えばよい。
【0074】一方、ゼンマイ1aが弱く巻かれている場
合(回転数の検出結果が1.1rpm以下の場合)は、
回転数比較回路154は周期補正信号を電磁ブレーキ制
御手段155に出力せず、1秒間電磁ブレーキの制御を
行わないようにする(S3)。ゼンマイ1aによる指針
の回転は、発電機20に電磁ブレーキを掛けなければ、
定常時よりも僅かに速く回転するようになっている。こ
のため、1秒間電磁ブレーキの制御を行わなければ、指
針は1.1秒分進み、0.1秒の前記指示遅れ分を解消
して正しい指示に補正することができる。
【0075】そして、1秒間電磁ブレーキの制御を行わ
なかった後は、通常の制御(S4)に移行される。
【0076】以上により、発電機20の立ち上がり時の
指示ずれが解消される。また、回転数比較回路154お
よび電磁ブレーキ制御手段155によって補正制御手段
が構成されている。
【0077】なお、図12に示すように、竜頭60の操
作に連動して作動される切替手段140からの指示に応
じて前記コンデンサ30A,30Bの接続を直列および
並列に切り替える回路制御手段32と、コンデンサ30
A,30Bと、スイッチ40とにより、水晶発振能力向
上手段である高電圧印加手段33が構成されている。
【0078】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。
【0079】1)駆動レバー71の衝突部78によって
水晶収納ケース53に衝撃を加えて水晶振動子52を振
動させているので、水晶振動子52が安定して発振する
までの時間を短縮できる。これにより、回転制御手段5
0によって正確な時間制御を行えない時間を短くでき、
針合わせ操作時の誤差を小さくすることができる。
【0080】2)竜頭60を押し込む針合わせ作業から
の復帰操作に連動して、衝撃部材である駆動レバー71
を作動させているので、発電機20が立ち上がって水晶
振動子52に電圧が加えられるのとほぼ同時に、水晶収
納ケース53に衝撃を加えて水晶振動子52を機械的に
振動させることができる。このため、水晶振動子52が
発振し始めた時の振動を大きくでき、水晶振動子52が
ある程度発振している時に衝撃を加える場合に比べて、
安定発振までの時間をより効率的に短くすることができ
る。
【0081】3)駆動レバー71の位置規制レバー部7
5は、おしどり81による付勢が解放された際のばね力
で移動しているので、竜頭60の押し込みスピードに関
係なく、一定のスピード(力)で水晶収納ケース53に
衝撃を加えることができる。このため、水晶振動子52
に加わる機械的な力も常に一定にでき、安定して発振す
るまでの時間もほぼ一定にでき、誤差の補正も容易に行
うことができる。さらに、竜頭60の押し込みスピード
によって衝撃力が変化しないので、操作者が竜頭60の
押し込み方等を考慮する必要がなく、操作性を向上する
ことができる。
【0082】4)衝撃部材である駆動レバー71は、針
合わせからの復帰操作である竜頭60を押し込む操作に
連動して作動されるため、操作者が意識することなく動
作させることができ、操作性をより向上することができ
る。
【0083】5)竜頭60を押し込む針合わせ作業から
の復帰操作に連動して作動される駆動レバー71、おし
どり81、クリックばね91からなる回転駆動手段70
を設けて、五番車10に機械的な回転力を加えるように
したので、発電機20の立上り時に、ゼンマイによる回
転力に加えて回転駆動手段70による機械的な回転力を
輪列を介して発電機20のロータ12に加えることがで
きる。このため、ロータ12に大きな回転力が一時的に
加えられ、ロータ12の回転スピードを立ち上がり時か
ら大きくすることができ、発電機20から出力される電
力を短時間で大きな値にできる。従って、発電機20の
駆動開始時から回転制御手段50が作動されるまでの時
間を短くでき、針合わせの誤差をより小さくすることが
できる。
【0084】6)回転対象歯車を、ロータ12の2段前
の五番車10に設定したので、回転対象歯車の回転量に
対するロータ12の回転量を比較的大きくできるととも
に、その際に歯車に加わる回転力を比較的小さくするこ
とができる。
【0085】例えば、五番車10から六番車11への増
速比は10であり、六番車11からロータ12への増速
比は10であるから、ロータ12を90度回転させるの
に、1段前の六番車11は9度回転させなければならな
いのに対し、2段前の五番車10であれば0.9度回転
させるだけでよい。駆動レバー71のように摩擦力によ
って歯車を安定して回転させることができるのは、5度
程度であるため、六番車11を回転対象歯車とした場合
にはロータ12を大きく回転させることができないが、
本実施形態では五番車10を回転対象歯車にしたので、
五番車10の回転角度が僅かでもロータ12を大きく
(約100倍)回転させることができる。
【0086】さらに、五番車10からロータ12への増
速比は100であるので、より増速比が大きい四番車
9、三番車8等を回転対象歯車にした場合に比べて、駆
動レバー71で加える力をそれほど大きくする必要が無
く、駆動レバー71の構成も簡易にすることができると
ともに、五番車10の歯の摩擦も防止できる。
【0087】7)駆動レバー71の当接レバー部74
は、おしどり81による付勢が解放された際のばね力で
移動しているので、竜頭60の押し込みスピードに関係
なく、一定のスピード(力)で移動することができる。
このため、五番車10に加わる回転力も常に一定にで
き、安定しかつ一定の回転力をロータ12に与えること
ができるとともに、竜頭60の押し込みスピード等を考
慮する必要がないため、操作性も向上することができ
る。
【0088】8)回転駆動手段70は、針合わせからの
復帰操作である竜頭60を押し込む操作に連動して作動
されるため、操作者が意識することなく動作させること
ができ、操作性をより向上することができる。
【0089】9)竜頭60の進退操作に応じて断続され
るスイッチ40からなる電力供給制御手段を設けたの
で、竜頭60を引き出して発電機20を停止させている
間は、コンデンサ30から回転制御手段50側に電力が
供給されることがなく、コンデンサ30の端子電圧を維
持することができる。このため、針合わせ作業を終了し
て発電機20を作動させ始めた直後から、回転制御手段
50を作動させることができ、従来のように、IC51
が駆動するまでのタイムラグが生じないため、時間制御
の誤差が少なくなり、より正確な針合わせ作業を行うこ
とができる。
【0090】10)スイッチ40は、竜頭60に一端が接
合されたスイッチレバー40Aからなり、構成を簡単に
できるため、本実施形態の電子制御式機械時計を安価に
製造することができる。
【0091】11)水晶発振回路55の起動時に、高電圧
印加手段33によって水晶振動子52に定常時の2倍も
の高電圧を印加しているので、水晶発振回路55の起動
性を向上でき、安定して発振するまでの時間を従来に比
べて短縮することができる。これにより回転制御手段5
0が駆動するまでの時間を短縮でき、立上り時の誤差の
発生を小さくできて針合わせを正確に行うことができ
る。
【0092】特に、本実施形態では、水晶収納ケース5
3に衝撃を加える点と、スイッチ40の切断によってコ
ンデンサ30の端子電圧を維持できる点と、高電圧印加
手段33によって水晶振動子52に高電圧を印加できる
点との相乗効果によって、回転制御手段50が駆動する
までの時間を極めて短縮でき、立上り時の誤差の発生を
非常に小さくできて針合わせを正確に行うことができ
る。
【0093】12)高電圧印加手段33を、コンデンサ3
0A,30B、スイッチ40、回路制御手段32によっ
て構成し、コンデンサ30A,30Bを直列もしくは並
列に接続することで、水晶振動子52に印加する電圧の
大きさを制御しているので、構成を簡易にでき、コスト
も安価にできる。その上、各コンデンサ30A,30B
を直列にすることで、定常運転時の2倍と大きな電圧を
水晶振動子52に容易に印加できるので、水晶振動子5
2の発振起動性を著しく向上できる。
【0094】13)また、高電圧印加手段33にスイッチ
40を設け、針合わせ操作で発電機20が停止する直前
にスイッチ40を切断しているので、発電機20が停止
している間も各コンデンサ30A,30Bを充電状態に
維持できる。特に、針合わせ操作程度の短い時間であれ
ば、自己放電も殆ど無く、針合わせ操作から復帰してス
イッチ40が接続された際に、十分な電力を水晶振動子
52に印加することができる。
【0095】14)さらに、切替手段140によって水晶
振動子52が安定発振した後は、各コンデンサ30A,
30Bを並列接続に戻しているので、水晶振動子52に
高電圧が長時間印加されることを防止できるとともに、
消費電力も低減できて省エネルギー化をはかることがで
きる。
【0096】15)定常運転時に用いられるコンデンサ3
0のほかに、より静電容量の小さなコンデンサ80を設
けたので、針合わせ操作からの復帰時に、回転制御手段
50のIC51等を駆動可能な電圧まで迅速に充電する
ことができ、回転制御手段50を素早く作動させること
ができる。
【0097】このため、回転制御手段50が作動せず、
発電機20の回転制御つまりは時計の時間制御を正確に
行えない立上り時間を短縮でき、針合わせ時の誤差を非
常に小さくできる。例えば、前記第1実施形態では、コ
ンデンサ80は発電機20が駆動してから約0.5秒程
度でIC51を駆動可能な電圧になり、IC51を駆動
することができる。なお、IC51が駆動していない間
も、指針はゼンマイで動いているため、実際の誤差は一
定量補正することなどで、0.1秒以下に制御でき、誤
差を非常に小さくできる。
【0098】16)前記実施形態では、切替用スイッチ1
81および抵抗182からなる切替回路183を介して
コンデンサ30を発電機20や回転制御手段50に接続
したので、コンデンサ30が自己放電等によってその端
子電圧が低下している場合には、発電機20の立上り時
にはスイッチ181を切断しておき、抵抗182を介し
てコンデンサ30に電流を流すことができ、これにより
抵抗182の抵抗値の大きさを適宜設定することで、コ
ンデンサ30,80への充電タイミングを適宜設定する
ことができる。従って、コンデンサ80へは素早く充電
してIC51等を迅速に駆動できるとともに、コンデン
サ30も比較的速く充電することができるような設定を
容易に行うことができる。
【0099】17)前記実施形態では、従来の回路に比べ
て、スイッチ40と、コンデンサ80と、切替回路18
3とを新たに加えるだけで形成でき、コスト増加も殆ど
無く、電子制御式機械時計の製造コストなども従来と同
程度にすることができる。
【0100】18)さらに、コンデンサ30の電圧がIC
51等を駆動可能な電圧以下に低下した場合に、スイッ
チ181を切断しているので、コンデンサ30内の電荷
は、消費されにくくなり、針合わせ時間が短ければ、コ
ンデンサ30内の電荷が残った状態で再度充電すること
ができ、この場合には、コンデンサ30の電圧をIC5
1等を駆動可能な電圧以上にするまでの時間をより短縮
することができ、素早く定常運転に移行することができ
る。
【0101】19)回転数比較回路154および電磁ブレ
ーキ制御手段155からなる補正制御手段を設け、発電
機20の立ち上がり時の回転数に応じて、電磁ブレーキ
制御を行って指示ずれを解消する補正を行っているの
で、指示の誤差を小さくでき、正確な針合わせ作業を行
うことができる。
【0102】20)回転数比較回路154および電磁ブレ
ーキ制御手段155による指示ずれの補正は、所定時
間、電磁ブレーキの制御を行わないことで行っているた
め、制御を簡単にでき、かつ特別な制御回路等も不要に
できてコストも低減できる。
【0103】21)回転数に基づく判断を、1.1rpm
より大きいか否かの2段階で判断しているので、補正制
御を容易にかつ迅速に行うことができる。
【0104】22)コンデンサ30のほかに、IC51に
直結されたコンデンサ80を設けたので、スイッチ40
でチャタリングが生じた場合でも、コンデンサ80から
IC51に電力を供給でき、IC51がチャタリングで
停止されることを防止できる。
【0105】23)コンデンサ80と、切替回路183と
を設けたので、仮にコンデンサ30の端子電圧が自己放
電等によって低下していても、針合わせ操作からの復帰
時に、補助コンデンサ80を用いて回転制御手段50の
IC51等を駆動可能な電圧まで迅速に充電することが
でき、回転制御手段50を素早く作動させることができ
る。
【0106】このため、回転制御手段50が作動せず、
発電機20の回転制御つまりは時計の時間制御を正確に
行えない立上り時間を短縮でき、針合わせ時の誤差を非
常に小さくできる。例えば、前記実施形態では、コンデ
ンサ80は発電機20が駆動してから約0.5秒程度で
IC51を駆動可能な電圧になり、IC51を駆動する
ことができる。なお、IC51が駆動していない間も、
指針はゼンマイで動いているため、実際の誤差は一定量
補正することなどで、0.1秒以下に制御でき、誤差を
非常に小さくできる。
【0107】24)また、本実施形態では、スイッチ18
1および抵抗182からなる切替回路183を介してコ
ンデンサ30を発電機20や回転制御手段50に接続し
たので、発電機20の立上り時にはスイッチ181を切
断しておき、抵抗182を介してコンデンサ30に電流
を流すことができ、これにより抵抗182の抵抗値の大
きさを適宜設定することで、コンデンサ30,80への
充電タイミングを適宜設定することができる。
【0108】従って、コンデンサ80へは素早く充電し
てIC51等を迅速に駆動できるとともに、コンデンサ
30も比較的速く充電することができるような設定を容
易に行うことができる。
【0109】なお、本発明は前述の各実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での
変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0110】例えば、前記実施形態では、駆動レバー7
1で水晶収納ケース53に衝突する衝突部材を形成して
いたが、水晶収納ケース53に衝撃を加えるための衝撃
部材を、駆動レバー71とは別のもので形成してもよ
い。
【0111】また、針合わせからの復帰操作としては、
竜頭60を用いたものに限らず、例えば針合わせ用のボ
タンを別途設けた場合には、そのボタンを押す操作に連
動して衝撃部材が作動されるように構成してもよい。こ
の際、そのボタンを押す操作に連動して回転駆動手段7
0も作動されるように構成してもよい。
【0112】さらに、衝撃部材によって水晶収納ケース
53に衝撃を加えるタイミングは、水晶振動子52に電
圧を加えるのと同時でなくてもよく、水晶振動子52が
安定発振するまでの間に加えればよい。また、衝撃を加
える方向は、必ずしも水晶振動子52の振動方向に沿っ
ていなくてもよく、水晶振動子52の振動を高めること
ができる方向に衝撃を加えればよい。
【0113】また、前記実施形態では、本発明の水晶発
振器を電子制御式機械時計に用いていたが、携帯電話の
電波発信等の他の用途に用いてもよい。要するに、本発
明の水晶発振器は、安定発振までの時間の短縮が求めら
れる様々な機器において利用できる。
【0114】さらに、回転駆動手段70の構成は、前記
実施形態のものに限らず、針合わせからの復帰操作に連
動して回転対象歯車を回転させることができるものであ
ればよい。
【0115】また、回転対象歯車としては、五番車10
に限らず、六番車11や四番車9、三番車8等の他の歯
車でもよい。但し、ロータ12の回転量や回転対象歯車
に加える力の点から、ロータ12の2〜3段前の五番車
10、四番車9のいずれかを回転対象歯車とすることが
好ましい。
【0116】さらに、切替回路183としては、図17
に示すように、スイッチ181およびダイオード184
によって構成されるものでもよい。ダイオード184
は、順方向に電圧を加えた場合、通常0.6V程度の電
圧が加わるまでは電流が流れず、0.6V程度以上の電
圧が加わると、電流が流れ出すため、発電機20の立上
り時にスイッチ181を切断しておけば、最初は補助コ
ンデンサ80側のみに電流が流れてコンデンサ80が迅
速に充電され、IC51を迅速に駆動できる。
【0117】一方、ダイオード184に加わる電圧が所
定電圧(0.6V程度)以上になるとコンデンサ30側
にもダイオード184を介して電流が流れて充電され
る。そして、コンデンサ30の電圧がコンデンサ80と
同じ電圧になるか、あるいはコンデンサ30の電圧がI
C51を駆動可能な電圧に達した際にはスイッチ181
を接続し、コンデンサ30によって回転制御手段50を
駆動する。
【0118】なお、ダイオード184を直列に2つ接続
して設ければ、ダイオード184を介して電流が流れ始
める電圧が約倍(1.2V程度)となるため、コンデン
サ80がIC51を駆動可能な電圧(1V前後)になる
までコンデンサ30側には電流を流れないように制御す
ることもできる。このダイオード184の数や、種類
は、各コンデンサ30,80の充電タイミングなどを考
慮して適宜設定すればよい。
【0119】このような抵抗182の代わりにダイオー
ド184を用いた切替回路183を利用すれば、コンデ
ンサ30の電圧が低下してスイッチ181を切断した際
に、コンデンサ30内の電荷がダイオード184側に流
れないので、コンデンサ30内により確実に電荷を残し
ておくことができる利点もある。
【0120】また、前記実施形態では、コンデンサ30
を切替回路183を介して発電機20や回転制御手段5
0側に接続していたが、この切替回路183は必ずしも
設けなくてもよい。但し、切替回路183を設けたほう
が、コンデンサ30の端子電圧が低下している際の発電
機20の立上り時に、静電容量の小さなコンデンサ80
側のみに電流を流して充電することができるため、コン
デンサ80の電圧を回転制御手段50の駆動可能な電圧
により速く高めることができる。
【0121】また、第1および第2の蓄電手段として
は、コンデンサ30,80に限らず、固体電解質電池
や、リチウムイオン電池等でもよく、充放電が可能なも
のであればよい。
【0122】さらに、各コンデンサ30,80の静電容
量の値や、抵抗182、ダイオード184の抵抗値、種
類なども前記各実施形態のものに限らず、駆動する回転
制御手段50で必要とする電圧などに応じて適宜選択す
ればよい。
【0123】また、前記発電機が停止している際に、コ
ンデンサ30から回転制御手段50への電気エネルギの
供給を遮断する電力供給制御手段としては、前記スイッ
チ40に限らず、例えば、図18に示すように、IC5
1内に、そのメイン回路51Aと電力供給側とを断続す
るスイッチ170を設け、このスイッチ170を電力供
給制御手段としたものでもよい。
【0124】このスイッチ170を用いた場合、針合わ
せを行うために竜頭60を引き出すと、スイッチ170
が切断され、同時に、指針および発電機20も停止す
る。スイッチ170が切断されることにより、IC51
内のメイン回路51Aが電源供給ラインから切り離され
るため、IC51での消費電力が低減される。
【0125】このため、コンデンサ30からIC51に
供給される電力消費量が少なくなり、コンデンサ30の
充電量の低下割合を押さえられる。
【0126】そして、針合わせが終了して竜頭60を押
し込むと、スイッチ170が接続され、同時に、発電機
20が回転し始めてコンデンサ30を充電し始める。こ
の際、コンデンサ30には、針合わせ時間に応じた電力
(=スイッチ170の切断時のコンデンサ30の蓄電力
−単位時間当たりのIC51の消費電力×針合わせ時
間)が蓄えられているため、従来の完全に放電された状
態のコンデンサ30に充電する場合に比べて、IC51
を駆動可能な電圧まで充電する時間が短くなる。
【0127】そして、コンデンサ30がIC51を駆動
可能な電圧に充電されると、IC51は水晶振動子52
を作動させて発電機20の回転制御を行う。
【0128】このようにIC51内に竜頭60の進退操
作に応じて断続されるスイッチ170からなる電力供給
制御手段を設ければ、竜頭60を引き出して発電機20
を停止させている間は、IC51のメイン回路51Aを
切り離すことができ、IC51での消費電力量を低減す
ることができる。
【0129】このため、針合わせ作業が所定時間内に終
了すれば、コンデンサ30にはある程度の電力が残さ
れ、このため、針合わせ作業を終了して発電機20を作
動させた際に、従来に比べて迅速にコンデンサ30を充
電でき、IC51を駆動するまでのタイムラグを短くで
きるため、時間制御の誤差が少なくなり、より正確な針
合わせ作業を行うことができる。
【0130】さらに、従来に比べて、IC51内にスイ
ッチ170を形成するだけでよく、製造コストの増加も
殆どなく、比較的安価に提供することができる。
【0131】また、前記実施形態では、スイッチ40を
コンデンサ30に直列に接続される位置に設けたが、例
えば、図4において、コンデンサ30の下側の分岐点と
IC51との間などに設けてもよく、要するにコンデン
サ30に充電された電力がIC51側に流れないように
遮断できる位置に設ければよい。但し、スイッチ40の
位置によっては、ダイオード23のリークが生じること
があるため、前記実施形態の位置に設けることが好まし
い。
【0132】また、スイッチ40,170,181の具
体的な構成は、前記実施形態のスイッチレバー40A等
に限らず、他の構成の機械式のスイッチや、電気的なス
イッチでもよく、実施にあたって適宜設定すればよい。
但し、電力の供給を完全に遮断できる点で機械式スイッ
チを用いることが好ましい。なお、電気的なスイッチを
用いた場合でも、電気的スイッチを構成するシリコンダ
イオードのリーク電流(1nA程度)しか放電しないた
め、スイッチの遮断効果は機械式スイッチの場合とほと
んど同じであり、実用上は問題とならない。
【0133】さらに、スイッチ40,170は、竜頭6
0の操作に連動して断続されるものに限らず、発電機2
0や輪列の停止および作動に連動して断続するものでも
よい。但し、前記スイッチレバー40Aを用いれば、構
造が簡単で安価に製造できる利点がある。
【0134】また、前記実施形態では、スイッチ40を
構成するスイッチレバー40Aと、回転駆動手段70の
駆動レバー71とを別部材で構成していたが、これらを
一体化してもよい。さらに、前記実施形態では、スイッ
チレバー40A自身が竜頭60の操作によってスイッチ
40を断続する切替手段140を構成していたが、切替
手段140としては電気的制御によってスイッチ40を
制御するものでもよく、スイッチ40の種類などに応じ
て適宜設定すればよい。
【0135】また、前記各コンデンサ30,80として
は、各種のコンデンサが利用できるが、特に電解質を含
まない積層セラミックコンデンサを用いれば、信頼性を
向上できる点で好ましい。セラミックコンデンサの放電
特性を測定したところ、充電せずに15分間程度自己放
電させても、当初の9割以上の端子電圧を維持できた。
従って、通常数分で終了する針合わせ操作時には、発電
機20が停止しても積層セラミックコンデンサは回転制
御手段50を駆動するのに十分な端子電圧を維持するこ
とができる。
【0136】また、回転駆動手段70の構成は、前記実
施形態のものに限らず、針合わせからの復帰操作に連動
して回転対象歯車を回転させることができるものであれ
ばよい。
【0137】また、回転対象歯車としては、五番車10
に限らず、六番車11や四番車9、三番車8等の他の歯
車でもよい。但し、ロータ12の回転量や回転対象歯車
に加える力の点から、ロータ12の2〜3段前の五番車
10、四番車9のいずれかを回転対象歯車とすることが
好ましい。
【0138】さらに、前記実施形態では、回転駆動手段
70の駆動レバー71で水晶収納ケース53に衝突する
衝突部78を形成していたが、この衝突部78は無くて
もよいし、水晶収納ケース53に衝撃を加えるための衝
撃レバーを、駆動レバー71とは別に設けてもよい。
【0139】また、針合わせからの復帰操作としては、
竜頭60を用いたものに限らず、例えば針合わせ用のボ
タンを別途設けた場合には、そのボタンを押す操作に連
動して回転駆動手段70が作動されるように構成しても
よい。この際、そのボタンを押す操作に連動して駆動レ
バー71が作動されるため、水晶収納ケース53への衝
撃も同時に加えられる。
【0140】さらに、駆動レバー71や衝撃レバーによ
って水晶収納ケース53に衝撃を加えるタイミングは、
水晶振動子52に電圧を加えるのと同時でなくてもよ
く、水晶振動子52が安定発振するまでの間に加えれば
よい。
【0141】また、前記実施形態では、水晶発振能力向
上手段として、高電圧印加手段33を用いていたが、図
19に示すように、水晶発振回路55の発振インバータ
を改良したものを用いてもよい。すなわち、水晶振動子
52、帰還抵抗256、コンデンサ257A,257B
を備えた水晶発振回路55において、発振インバータを
定常運転時に利用される第1の発振インバータ258
と、この発振インバータ258に比べて電流を流す能力
に優れ、発振回路55の起動性を向上できる第2の発振
インバータ259とを並列に接続したものを設けてい
る。この第2の発振インバータ259によって水晶発振
能力向上手段が構成され、第2の発振インバータ259
はスイッチ261を介して発振インバータ258に接続
されている。
【0142】前記スイッチ261は、メカあるいは電子
的なスイッチであり、竜頭60の操作に連動して切替手
段140によって断続される。
【0143】この水晶発振回路55からの発振信号は、
発振信号をある一定周期、例えば1秒周期まで分周して
基準周期信号として出力する分周回路152に入力され
ている。
【0144】このような変形例においても、定常運転時
には、切替手段140によってスイッチ261が切断さ
れ、水晶発振回路55は第1の発振インバータ258の
みを用いて作動される。
【0145】そして、針合わせを行うために竜頭60を
引き出して指針を停止させると、発電機20も停止し、
水晶発振回路55も停止する。この際、切断されていた
スイッチ261は切替手段140によって接続される。
これにより、能力の高い第2の発振インバータ259が
加わるため、各発振インバータ258,259が並列に
接続された水晶発振回路55の発振インバータは、能力
が高い高発振状態に設定される。
【0146】そして、針合わせ操作が終了して竜頭60
を押し込むと、高発振状態とされた発振インバータ25
8,259が用いられるため、水晶発振回路55の起動
性が向上し、安定発振までの時間が短縮される。
【0147】そして、竜頭60が押し込まれてから予め
設定された所定時間経過後、あるいは水晶振動子52の
安定発振が確認されたら、切替手段140によってスイ
ッチ261を切断して第1の発振インバータ258のみ
の利用に戻し、図19の定常運転状態に切り替える。
【0148】このような発振インバータを改良した水晶
発振能力向上手段を用いれば、水晶発振回路55の起動
時に、切替手段140によって能力が高い第2の発振イ
ンバータ259を、第1の発振インバータ258ととも
に利用するようにしているので、水晶発振回路55の起
動性を向上でき、安定して発振するまでの時間を従来に
比べて短縮することができる。これにより回転制御手段
50が駆動するまでの時間を短縮でき、立上り時の誤差
の発生を小さくできて針合わせを正確に行うことができ
る。
【0149】また、従来に比べて、第2の発振インバー
タ259およびスイッチ261と、切替手段140とを
追加するだけでよいので、構成を簡易にでき、コストも
安価にできる。
【0150】さらに、切替手段140によって、針合わ
せ操作で発電機20が停止している間にスイッチ261
を接続して発振インバータの能力を向上させているの
で、針合わせ操作から復帰した時点から高能力の発振イ
ンバータを用いることができ、水晶発振回路55の起動
性をより一層向上することができる。
【0151】また、水晶振動子52が安定発振した後
は、切替手段140によってスイッチ261を切断し
て、第1の発振インバータ258のみを利用する定常運
転状態に戻しているので、消費電力を低減できて省エネ
ルギー化をはかることができる。
【0152】なお、回路制御手段50の発振回路の起動
性を向上するには、水晶発振能力向上手段を用いるもの
に限らず、例えば、図20に示すように、水晶発振回路
55のほかに、水晶発振回路55に比べて起動性に優れ
た第2の発振回路270を設けてもよい。
【0153】すなわち、回転制御手段50は、水晶振動
子52、帰還抵抗256、コンデンサ257A,257
B、発振インバータ258からなる水晶発振回路55
と、抵抗271およびコンデンサ272を備えたRC発
振回路からなる第2の発振回路270とを備えている。
【0154】これらの各発振回路55,270は、切替
手段140で制御されるスイッチ273を介して分周回
路152に接続されている。また、水晶発振回路55の
出力(発振信号)は、切替手段140内に設けられた水
晶発振検出手段である水晶発振検出回路274に接続さ
れ、水晶発振回路55で安定した発振が行われているか
を検出できるように構成されている。
【0155】このような変形例においては、定常運転時
には、切替手段140によってスイッチ273が水晶発
振回路55に接続され、回転制御手段50は水晶発振回
路55を利用して作動される。
【0156】そして、針合わせを行うために竜頭60を
引き出して指針を停止させると、発電機20も停止し、
水晶発振回路55も停止する。この際、竜頭60の操作
に連動して切替手段140によりスイッチ273は第2
の発振回路270に接続される。
【0157】そして、針合わせ操作が終了して竜頭60
を押し込むと、スイッチ273が接続された第2の発振
回路270を用いて発振信号が出力されるため、発振回
路の起動性が向上し、回転制御手段50の駆動までの時
間が短縮される。
【0158】そして、水晶発振検出回路274によって
水晶発振回路55が安定して発振していることが確認さ
れたら、切替手段140はスイッチ273を水晶発振回
路55側に接続し、定常運転状態に切り替える。なお、
切替手段140によるスイッチ273の制御を、竜頭6
0が押し込まれてからの所定時間で制御するようにして
もよい。
【0159】このような別の発振回路270を用意して
おけば、回転制御手段50の立上り時に、切替手段14
0によって起動性が良い第2の発振回路270を利用で
きるので、安定した発振信号が得られるまでの時間を従
来に比べて短縮することができる。これにより回転制御
手段50が駆動するまでの時間を短縮でき、立上り時の
誤差の発生を小さくできて針合わせを正確に行うことが
できる。
【0160】また、切替手段140によって、針合わせ
操作で発電機20が停止している間にスイッチ273を
第2の発振回路270側に接続しているので、針合わせ
操作から復帰した時点から起動性の良い第2の発振回路
270を用いることができ、回転制御手段50の起動性
をより一層向上することができる。
【0161】さらに、水晶発振検出回路274によって
水晶発振回路55の安定発振が検出された後は、切替手
段140によってスイッチ273を切り替えて、水晶発
振回路55を利用する定常運転状態に戻しているので、
消費電力が高い第2の発振回路270を長時間利用する
必要が無く、消費電力を低減できて省エネルギー化をは
かることができる。
【0162】また、水晶発振能力向上手段としては、前
記実施形態のような高電圧印加手段33や、第2の発振
インバータ259に限らず、例えば、帰還抵抗256や
コンデンサ257A,257Bの値を変化させる手段等
を用いても良い。
【0163】また、高電圧印加手段33としては、2つ
のコンデンサ30A,30B、スイッチ40、回路制御
手段32を備えるものに限らず、例えば、出力電圧値の
異なる複数種類の電源を設けて切り替えて出力させても
よい。さらに、コンデンサを用いる場合に、コンデンサ
の数は2つに限らず、3つ以上でもよい。
【0164】また、前記第3実施形態では、第2の発振
回路270として、RC発振回路を用いていたが、LC
発振回路など他形式の発振回路を用いてもよい。
【0165】さらに、前記実施形態では、電磁ブレーキ
制御手段155を用いた制御において、検出された回転
数が1.1rpmよりも大きい場合と、それ以下の場合
との2段階で制御していたが、検出回転数の区分けを3
つ以上に設定し、各検出回転数に応じて電磁ブレーキを
制御しない時間を設定してもよい。この場合には、より
細かい制御が可能となるため、針合わせ時の誤差をより
小さくすることができる。但し、実際の運転では、発電
機20の立ち上がり時の回転数は、1.1〜1.2rp
m前後であることが殆どであり、前記実施形態のよう
に、2段階であっても実用上問題はない。
【0166】また、前記実施形態では、電磁ブレーキを
制御しない時間で指示ずれを補正していたが、補正の手
段としては、例えば、指示ずれ量に応じて電磁ブレーキ
の制御量を調整することで調速してもよく、実施にあた
って適宜設定すればよい。
【0167】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の水晶発振
器によれば、電圧を加えてから安定発振するまでの時間
を短縮することができる。
【0168】また、本発明の電子制御式機械時計によれ
ば、水晶発振器が安定発振するまでの時間を短縮でき、
針合わせの誤差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電子制御式機械時
計の要部を示す平面図である。
【図2】図1の要部を示す断面図である。
【図3】図1の要部を示す断面図である。
【図4】前記実施形態の制御回路を示す図である。
【図5】前記実施形態のスイッチを示す正面図である。
【図6】図6のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】前記実施形態の電磁ブレーキ制御回路の要部を
示すブロック図である。
【図8】前記実施形態の回転駆動手段を示す概略図であ
る。
【図9】前記実施形態の回転駆動手段の動作を示す概略
図である。
【図10】前記実施形態の回転駆動手段の動作を示す概
略図である。
【図11】前記実施形態の水晶振動子の保持構造を示す
概略図である。
【図12】前記実施形態の回路要部を示す図である。
【図13】図12の次の状態を示す図である。
【図14】図13の次の状態を示す図である。
【図15】前記実施形態の制御を示すフローチャートで
ある。
【図16】前記実施形態においてゼンマイの巻き量に対
する検出開始時の発電機回転数、指示ずれ量、立ち上が
り時間を示す図である。
【図17】本発明における切替回路の変形例を示す回路
図である。
【図18】本発明における電力供給制御手段の変形例を
示す回路図である。
【図19】本発明における水晶発振能力向上手段の変形
例を示す回路図である。
【図20】本発明における発振回路の変形例を示す回路
図である。
【符号の説明】
1 香箱車 1a ゼンマイ 1b 香箱歯車 2 地板 3 輪列受 4 角穴車 7 二番車 8 三番車 9 四番車 10 五番車 11 六番車 12 ロータ 13 分針 14 秒針 15 ステータ 16 コイルブロック 20 発電機 21 昇圧コンデンサ 22,23 ダイオード 30,30A,30B コンデンサ 32 回路制御手段 33 高電圧印加手段 40 スイッチ 40A スイッチレバー 50 回路制御手段 51 IC 51A メイン回路 52 水晶振動子 53 水晶収納ケース 55 水晶発振回路 60 竜頭 70 回転駆動手段 71 駆動レバー 73 係止レバー部 74 当接レバー部 75 位置規制レバー部 78 衝突部 80 コンデンサ 81 おしどり 131 回路基板 132 配線 140 切替手段 151 発振回路 152 分周回路 153 回転数検出回路 154 回転数比較回路 155 電磁ブレーキ制御手段 156 負荷制御回路 170 スイッチ 181 切替用スイッチ 182 抵抗 183 切替回路 184 ダイオード 256 帰還抵抗 257A,257B コンデンサ 258,259 発振インバータ 261 スイッチ 270 第2の発振回路 271 抵抗 272 コンデンサ 273 スイッチ 274 水晶発振検出回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子を用いた水晶発振器であっ
    て、前記水晶振動子が内蔵された水晶収納ケースに対し
    て衝撃力を加える衝撃部材を備えることを特徴とする水
    晶発振器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水晶発振器であって、
    前記衝撃部材は、前記水晶収納ケースに対して水晶振動
    子の振動方向に衝撃力を加えるように構成されているこ
    とを特徴とする水晶発振器。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の水晶発
    振器であって、前記衝撃部材は、水晶振動子への電圧印
    加開始時に、前記水晶収納ケースに衝撃力を加えるよう
    に構成されていることを特徴とする水晶発振器。
  4. 【請求項4】 ゼンマイと、輪列を介して伝達されるゼ
    ンマイの機械エネルギを電気エネルギに変換する発電機
    と、前記輪列に結合された指針と、変換した前記電気エ
    ネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御す
    る回転制御手段とを備える電子制御式機械時計におい
    て、 前記回転制御手段は、請求項1または請求項2に記載の
    水晶発振器を備えていることを特徴とする電子制御式機
    械時計。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の電子制御式機械時計に
    おいて、前記水晶発振器の衝撃部材は、前記発電機が停
    止される針合わせからの復帰操作に連動して前記水晶収
    納ケースに衝撃力を加えるように構成されていることを
    特徴とする電子制御式機械時計。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の電子制
    御式機械時計において、前記発電機からの電気エネルギ
    を一時的に蓄えて前記回転制御手段に供給するコンデン
    サを備えるとともに、前記発電機が停止している際に、
    前記コンデンサから前記回転制御手段への電気エネルギ
    の供給を遮断する電力供給制御手段を備えることを特徴
    とする電子制御式機械時計。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の電子制御式機械時計に
    おいて、前記電力供給制御手段は、前記コンデンサに直
    列に接続されるとともに、前記発電機が作動している際
    は接続され、発電機が停止している際には切断されるス
    イッチにより構成されていることを特徴とする電子制御
    式機械時計。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の電子制
    御式機械時計において、前記回転制御手段は、水晶振動
    子を用いた水晶発振回路と、この水晶発振回路の発振能
    力を定常運転時よりも向上させる水晶発振能力向上手段
    と、前記水晶発振回路を、前記水晶発振能力向上手段を
    用いて発振能力を向上させた高発振状態および定常運転
    状態のいずれか一方に切り替える切替手段とを備えるこ
    とを特徴とする電子制御式機械時計。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電子制御式機械時計に
    おいて、前記水晶発振能力向上手段は、前記水晶振動子
    に定常運転時よりも高い電圧を加える高電圧印加手段に
    よって構成されていることを特徴とする電子制御式機械
    時計。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の電子制御式機械時計
    において、前記高電圧印加手段は、複数のコンデンサ
    と、これらのコンデンサを並列接続状態と直列接続状態
    とに切り替える回路制御手段と、前記コンデンサと水晶
    振動子との接続を断続するスイッチとで構成されている
    ことを特徴とする電子制御式機械時計。
JP18412197A 1997-07-09 1997-07-09 水晶発振器およびこの水晶発振器を用いた電子制御式機械時計 Withdrawn JPH1130675A (ja)

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