JP2002323578A - 計時装置及びその制御方法 - Google Patents

計時装置及びその制御方法

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JP2002323578A
JP2002323578A JP2002084416A JP2002084416A JP2002323578A JP 2002323578 A JP2002323578 A JP 2002323578A JP 2002084416 A JP2002084416 A JP 2002084416A JP 2002084416 A JP2002084416 A JP 2002084416A JP 2002323578 A JP2002323578 A JP 2002323578A
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hand
driving
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JP2002084416A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kojima
博之 小島
Makoto Oketani
誠 桶谷
Hiroshi Yabe
宏 矢部
Noriaki Shimura
典昭 志村
Joji Kitahara
丈二 北原
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時刻復帰する際に消費する電力を抑え、時刻
復帰にかかる時間を短縮する。 【解決手段】 それぞれ時計回りまたは反時計回りに回
転させることのできる秒用モータと、時分用モータとを
備え、秒用モータと時分用モータとを駆動するタイミン
グを異ならせて時刻復帰を行い、あるいは、時刻情報復
帰部で計測されている節電モード経過時間に基づいて消
費電力を抑制可能な、若しくは、復帰時間のかからない
運針方法(運針方向)を決定し、時刻復帰を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は時刻表示機能を備え
た計時装置及びそれらの制御方法に関する。
【従来の技術】本発明は計時装置及び計時装置の制御方
法に係り、特に節電モードから通常モードに自動的に移
行する機能を備えた計時装置およびその制御方法に関す
る。従来から、発電部と、電源部と、電力消費部とを備
え、発電部において発電した電力を電源部に蓄電してお
き、電源部に蓄電された電力を消費部において消費する
構成を備えた計時装置が知られている。そのような計時
装置において、計時装置の電力消費部が消費する電力を
節減するため、電力を消費する駆動モードとは別に、消
費電力を節約する節電モードを備え、ユーザの使用状態
に応じて節電モードに切り換える機能を備えたものが知
られている。
【0002】前述のようなモードの切換機能を備えた応
用技術として、ユーザの携帯時及び携帯時から一定時間
は時刻表示モード(通常モード;駆動モード)で動作
し、携帯時から一定時間経過すると節電モードに自動的
に移行し、表示機能の駆動を部分的に停止し、蓄電され
ている電力の消費をセーブする機能を備えた腕時計装置
が提案されている。以下、上記従来の腕時計装置を節電
モードにおいて針が停止した状態から再び現在時刻を表
示する時刻表示モード(通常モード)に復帰させる際の
動作について説明する。
【0003】従来、節電モードにおいて各針(時針、分
針、秒針)が停止している状態から現在時刻を表示する
時刻表示モードに復帰する際に、一般的には平常運針速
度より早い回転速度で単一のモータを高速回転させて、
全ての指針を同時に早送りして現在時刻に復帰させると
いう方法がとられていた。すなわち、指針を早送りする
場合、時針、分針、秒針は、それぞれ節電モードで時刻
表示を停止していた時間に回転すべきであった運針量だ
け指針を早送りさせることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の携
帯用腕時計では、運針動作を早送りするに際し、全ての
針を同時に高速で駆動するため、通常の時刻表示を行う
場合と比較して、消費電力が多くなる。このため、電池
駆動を行っている腕時計装置においては、電源電圧が不
安定となり、結果として時刻復帰機能が正常に作動しな
くなるという不具合が生じることがあった。また、全て
の針を単一のモータで駆動しているため、モータ時針の
駆動電力も大きくなってしまうとともに、時刻復帰に時
間がかかってしまうという問題点があった。
【0005】前述のような問題点を解決するため、指針
を複数のモータで駆動することが考えられるが、この場
合複数のモータを同時に駆動すると消費電力が増大し、
電源電圧が不安定になって時刻復帰機能が正常に作動し
なくなる恐れが生じる。さらに、時刻復帰する際の運針
量が少ない場合、時刻復帰したか否かををユーザが目視
で確認することが困難であるという問題点もあった。本
発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであ
り、本発明の目的は、時刻表示復帰時の消費電力をより
低減することができるとともに、時刻表示復帰が正常に
行われたか否かをユーザが容易に確認することが可能な
計時装置及び計時装置の制御方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の構成は、電力を供給する電源手段
と、前記電源手段から供給される電力を用いて対応する
表示指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記
複数の表示指針により時刻表示を行う時刻表示手段と、
予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部
ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モ
ード及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示
モードとを切換制御する制御手段と、前記節電モードの
継続時間を記憶する継続時間記憶手段と、前記節電モー
ドから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの
継続時間に基づき前記表示指針駆動部により前記表示指
針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰手段と、を
備え、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させる
に際し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の
順番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動
作期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前
記表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰
を行わせる時刻復帰制御手段を備えたことを特徴として
いる。
【0007】請求項2記載の構成は、請求項1記載の計
時装置において、前記時刻復帰制御手段は、前記複数の
表示指針駆動部における復帰動作期間を排他的に設定す
ることを特徴としている。
【0008】請求項3記載の構成は、請求項1記載の計
時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を
復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通
常運針時の運針速度の遅い表示指針駆動部を先に駆動さ
せて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が早い前
記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させることを特
徴としている。
【0009】請求項4記載の構成は、請求項1記載の計
時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を
復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通
常運針時の運針速度の早い表示指針駆動部を先に駆動さ
せて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が遅い前
記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させることを特
徴としている。
【0010】請求項5記載の構成は、請求項1記載の計
時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を
復帰させるに際し、前記時分針駆動手段を前記秒針駆動
手段よりも先に駆動させ、前記時分針の駆動終了後に前
記秒針駆動手段を駆動させることを特徴としている。
【0011】請求項6記載の構成は、請求項1記載の計
時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を
復帰させるに際し、前記複数の指針駆動部に対する駆動
パルスの出力タイミングが重なり合わないタイミングで
前記駆動パルスを出力して駆動することを特徴としてい
る。
【0012】請求項7記載の構成は、請求項1記載の計
時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を
復帰させるに際し、前記時針駆動手段、前記分針駆動手
段及び前記秒針駆動手段を 時針駆動手段→分針駆動手段→秒針駆動手段 の順番で排他的に駆動させることを特徴としている。
【0013】請求項8記載の構成は、電力を供給する電
源手段と、前記電源手段から供給される電力を用いて表
示指針を駆動する表示指針駆動手段を有し、前記表示指
針により時刻表示を行う時刻表示手段と、予め定めた条
件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止する節電モー
ド、及び、前記表示指針の運針を継続させる表示モード
とを切換制御する制御手段と、前記節電モードの継続時
間を記憶する継続時間記憶手段と、前記節電モードから
表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時
間に基づき前記表示指針駆動手段により前記表示指針を
駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰手段と、を備
え、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させる際
の復帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づい
て判定する復帰時運針方向判定手段を備えたことを特徴
としている。
【0014】請求項9記載の構成は、請求項8記載の計
時装置において、前記復帰時運針方向判定手段は、前記
表示指針の駆動に必要となる電力量がより少ない運針方
向を前記復帰時運針方向とすることを特徴としている。
【0015】請求項10記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、前記復帰時運針方向判定手段は、前
記時刻表示を復帰させるまでに要する時間がより少ない
運針方向を前記復帰時運針方向とすることを特徴として
いる。
【0016】請求項11記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示
を復帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当す
る運針角度R[゜]が、予め定めた所定の運針角度RT
[゜]未満である場合に、復帰時運針角度RRETを次式
のように定めることを特徴としている。 RRET=R+360×n[゜] (ただし、nは自
然数)
【0017】請求項12記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、前記時刻復帰手段は、時刻表示を復
帰させるに際し、現在時刻に対応する秒針指針位置が節
電モード中に秒針が停止していた指針位置に一致するま
で前記秒針を前記指針位置に保持させておき、一致した
時点において前記秒針の運針を開始させることを特徴と
している。
【0018】請求項13記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示
を復帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当す
る運針角度R[゜]が予め定めた所定の運針角度RT
[゜]未満であり、追加回転角度α[゜]とした場合
に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めて第1の
方向に運針し、当該運針終了後、前記回転角度αだけ前
記第1の方向とは逆の第2の方向に運針することを特徴
としている。 RRET=R+α[゜]
【0019】請求項14記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、前記復帰時運針方向判定手段は、現
時刻の指針位置と実際の前記表示指針の位置との差が所
定角度以上をなしている場合に、通常運針時の運針方向
とは逆の運針方向を復帰時運針方向とすることを特徴と
している。
【0020】請求項15記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、駆動対象の表示指針が互いに異なる
複数の表示指針駆動手段を有し、前記復帰時運針方向判
定手段は、前記各々の表示指針駆動手段について復帰方
向を判定することを特徴としている。
【0021】請求項16記載の構成は、請求項15記載
の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表
示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動手段の
うち通常運針時の運針速度の遅い表示指針駆動手段を先
に駆動させて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度
が早い前記表示指針駆動手段を駆動させて時刻復帰させ
ることを特徴としている。
【0022】請求項17記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、前記表示指針駆動手段として、時針
及び分針を駆動する時分針駆動手段と、秒針を駆動する
秒針駆動手段と、を備え、前記復帰時運針方向判定手段
は、前記時分針駆動手段及び前記秒針駆動手段のそれぞ
れについて、復帰時運針方向を判定することを特徴とし
ている。
【0023】請求項18記載の構成は、請求項8記載の
計時装置において、前記表示指針駆動手段としての、時
針を駆動する時針駆動手段、分針を駆動する分針駆動手
段および秒針を駆動する秒針駆動手段を備え、前記復帰
時運針方向判定手段は、前記時針駆動手段、分針駆動手
段及び前記秒針駆動手段のそれぞれについて、復帰時運
針方向を判定することを特徴としている。
【0024】請求項19記載の構成は、請求項1または
請求項8記載の構成において、前記電源手段は、電気エ
ネルギーを蓄電する蓄電手段を備えたことを特徴として
いる。
【0025】請求項20記載の構成は、請求項1または
請求項8記載の構成において、前記電源手段は、第1の
エネルギーを第2のエネルギーである電気エネルギーに
変換し、発電を行う発電手段と、前記発電された電気エ
ネルギーを蓄電する蓄電手段と、を備えたことを特徴と
している。
【0026】請求項21記載の構成は、請求項20記載
の構成において、前記第1のエネルギーは、運動エネル
ギー、光エネルギー、熱エネルギー、圧力エネルギー、
電磁波エネルギーのいずれかのエネルギーであることを
特徴としている。
【0027】請求項22記載の構成は、請求項1または
請求項8記載の計時装置において、前記電源手段は、一
次電池であることを特徴としている。
【0028】請求項23記載の構成は、請求項1または
請求項8記載の計時装置において、前記条件は、前記発
電手段の発電状態あるいは前記電源手段の蓄電状態であ
ることを特徴としている。
【0029】請求項24記載の構成は、請求項1または
請求項8記載の計時装置において、当該計時装置が携帯
状態にあるか否かを検出する携帯状態検出手段を備え、
前記条件は、当該計時装置が携帯状態にあるか否かであ
ることを特徴としている。
【0030】請求項25記載の構成は、電力を供給する
電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて
対応する表示指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有
し、前記複数の表示指針により時刻表示を行う時刻表示
装置と、予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指
針駆動部ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止す
る節電モード及び対応する前記表示指針の運針を継続さ
せる表示モードとを切換制御する制御装置と、前記節電
モードの継続時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備
えた計時装置の制御方法において、前記節電モードから
表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時
間に基づき前記表示指針駆動部により前記表示指針を駆
動して時刻表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、前記
時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前
記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順番、か
つ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間の
重複期間が予め定めた期間未満となるように前記表示指
針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を行わせ
る時刻復帰制御過程を備えたことを特徴としている。
【0031】請求項26記載の構成は、電力を供給する
電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて
表示指針を駆動する表示指針駆動装置を有し、前記表示
指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた
条件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止する節電モ
ード、及び、前記表示指針の運針を継続させる表示モー
ドとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続
時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置
の制御方法において、前記節電モードから表示モードに
移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前
記表示指針駆動装置により前記表示指針を駆動して時刻
表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、前記時刻復帰過
程は、前記時刻表示を復帰させる際の復帰時運針方向を
前記節電モードの継続時間に基づいて判定する復帰時運
針方向判定過程を備えたことを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施形態につ
いて説明する。 [1] 実施形態の計時装置の概略構成 図1に実施形態の計時装置の概略構成を示す。計時装置
1は、腕時計であって、使用者は装置本体に連結された
ベルトを手首に巻き付けて使用するようになっている。
本実施形態の計時装置1は、大別すると、交流電力を発
電する発電部Aと、発電部Aからの交流電圧を整流する
とともに昇圧した電圧を蓄電し、各構成部分へ電力を給
電する電源部Bと、発電部Aの発電状態を検出する発電
状態検出部91(図2参照)を有しその検出結果に基づ
いて装置全体を制御する制御部Cと、制御部Cからの制
御信号に基づいて運針機構Eを駆動する駆動部Dと、各
針を運針し時刻表示を行う時刻表示手段である運針機構
Eと、を備えて構成されている。
【0033】駆動部Dは、表示指針駆動手段である複数
の副表示指針駆動手段として、秒用モータ10aと時分
用モータ10b及び、秒用モータ10aを駆動する駆動
部30と時分用モータ10bを駆動する駆動部31を備
えて構成されている。尚、時刻表示手段である運針機構
Eは前記各々のモータから各々の表示指針に駆動力を伝
達する輪列50a及び50bと、伝達された駆動力によ
って駆動される各種表示指針である秒針61,分針6
2,時針63から成る。この場合において、制御部C
は、発電部Aの発電状態に応じて、運針機構Eを駆動し
て時刻表示を行う表示モードと、運針機構Eへの給電を
停止して電力を節電する節電モードとを切り換えられる
ようになっている。また、節電モードから表示モードへ
の移行は、ユーザが計時装置1を手に持ってこれを振
り、強制的に発電を行うことにより切り換えられるよう
になっている。以下、各構成部分について説明する。な
お、制御部Cについては機能ブロック図を用いて後述す
る。
【0034】[1.1]発電部 まず、発電部Aは、発電装置40、回転錘45および増
速用ギア46を備えている。発電装置40としては、発
電用ロータ43が発電用ステータ42の内部で回転し発
電用ステータ42に接続された発電コイル44に誘起さ
れた電力を外部に出力できる電磁誘導型の交流発電装置
が採用されている。また、回転錘45は、発電用ロータ
43に運動エネルギーを伝達する手段として機能する。
そして、この回転錘45の動きが増速用ギア46を介し
て発電用ロータ43に伝達されるようになっている。こ
の回転錘45は、腕時計型の計時装置1では、ユーザの
腕の動きなどを捉えて装置内で旋回できるようになって
いる。したがって、使用者の生活に関連したエネルギー
を利用して発電を行い、その電力を用いて計時装置1を
駆動できるようになっている。
【0035】[1.2] 電源部 次に、電源部Bは、整流回路として作用するダイオード
47、大容量コンデンサ48および昇降圧回路49から
構成されている。なお、図1に示すように、発電部A側
から順にリミッタ回路LM、整流回路(ダイオード4
7)、大容量コンデンサ48と配置する他、整流回路
(ダイオード47)、リミッタ回路LM、大容量コンデ
ンサ48の順番で配置するようにすることも可能であ
る。昇降圧回路49は、複数のコンデンサ49a、49
bおよび49cを用いて多段階の昇圧および降圧ができ
るようになっており、制御部Cからの制御信号φP1に
よって駆動部Eに供給する電圧を調整することができ
る。また、昇降圧回路49の出力電圧はモニタ信号φP
2によって制御部Cにも供給されており、これによって
出力電圧をモニタできると共に、出力電圧の微小な増減
によって発電部Aが発電を行っているか否か制御装置2
0で判断できるようにしている。ここで、電源部Bは、
Vdd(高電圧側)を基準電位(GND)に取り、Vs
s(低電圧側)を電源電圧として生成している。
【0036】[1.3] 運針機構 次に時刻表示手段として機能する運針機構Eについて説
明する。運針機構Eに用いられている秒用モータ10
a,時分用モータ10bは、パルスモータ、ステッピン
グモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも
称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用
されている、パルス信号によって駆動されるモータであ
る。近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは情報機
器用のアクチュエータとして小型、軽量化されたステッ
ピングモータが多く採用されている。このような電子装
置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグ
ラフといった計時装置である。秒用モータ10aは、駆
動部30から供給される駆動パルスによって磁力を発生
する駆動コイル11aと、この駆動コイル11aによっ
て励磁されるステータ12aと、さらに、ステータ12
aの内部において励磁される磁界により回転するロータ
13aを備えている。また、秒用モータ10aは、ロー
タ13aがディスク状の2極の永久磁石によって構成さ
れたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステ
ータ12aには、駆動コイル11aで発生した磁力によ
って異なった磁極がロータ13aの周りのそれぞれの相
(極)15aおよび16aに発生するように磁気飽和部
17aが設けられている。また、ロータ13aの回転方
向を規定するために、ステータ12aの内周の適当な位
置には内ノッチ18aが設けられており、コギングトル
クを発生させてロータ13aが適当な位置に停止するよ
うにしている。
【0037】秒針用モータ10aのロータ13aの回転
は、かなを介してロータ13aに噛合された五番車51
a、四番車52a、からなる輪列50aによって各針に
伝達される。四番車52aの軸には秒針61が接続され
ている。ロータ13aの回転に連動してこれらの各針に
よって時刻が表示される。輪列50aには、さらに、年
月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接
続することももちろん可能である。時分用モータ10b
は、駆動部31から供給される駆動パルスによって磁力
を発生する駆動コイル11bと、この駆動コイル11b
によって励磁されるステータ12bと、さらに、ステー
タ12bの内部において励磁される磁界により回転する
ロータ13bを備えている。また、時分用モータ10b
は、ロータ13bがディスク状の2極の永久磁石によっ
て構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されてい
る。ステータ12bには、駆動コイル11bで発生した
磁力によって異なった磁極がロータ13bの周りのそれ
ぞれの相(極)15bおよび16bに発生するように磁
気飽和部17bが設けられている。また、ロータ13b
の回転方向を規定するために、ステータ12bの内周の
適当な位置には内ノッチ18bが設けられており、コギ
ングトルクを発生させてロータ13bが適当な位置に停
止するようにしている。
【0038】時分用モータ10bのロータ13bの回転
は、かなを介してロータ13bに噛合された五番車51
b、四番車52b、三番車53b、二番車54b、日の
裏車55bおよび筒車56bからなる輪列50bによっ
て各針に伝達される。二番車54bには分針62が接続
され、さらに、筒車56bには時針63が接続されてい
る。ロータ13bの回転に連動してこれらの各針によっ
て時刻が表示される。輪列50bには、さらに、年月日
などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続す
ることももちろん可能である。
【0039】駆動部30は秒用モータ10aに,また駆
動部31は時分用モータ10bに、それぞれ制御部Cの
制御の基に様々な駆動パルスを供給する。駆動部30
は、直列に接続されたpチャンネルMOS33aとnチ
ャンネルMOS32a、およびpチャンネルMOS33
bとnチャンネルMOS32bによって構成されたブリ
ッジ回路を備えている。また、駆動部Eは、pチャンネ
ルMOS33aおよび33bとそれぞれ並列に接続され
た回転検出用抵抗35aおよび35bと、これらの抵抗
35aおよび35bにチョッパパルスを供給するための
サンプリング用のpチャンネルMOS34aおよび34
bを備えている。したがって、これらのMOS32a、
32b、33a、33b、34aおよび34bの各ゲー
ト電極に制御部Cからそれぞれのタイミングで極性およ
びパルス幅の異なる制御パルスを印加することにより、
駆動コイル11aに極性の異なる駆動パルスを供給した
り、あるいは、ロータ13aの回転検出用および磁界検
出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給するこ
とができるようになっている。尚、駆動部31も駆動部
30と同様の機構を備えている。
【0040】[1−2:制御部] 次に、制御部Cの構成について図2を参照しつつ説明す
る。図2は、制御部Cとその周辺構成の機能ブロック図
である。制御部Cは、パルス合成回路22、モード設定
部90、時刻情報記憶部96、および駆動制御回路24
を備えている。まず、パルス合成回路22は、水晶振動
子などの基準発振源21を用いて安定した周波数の基準
パルスを発振する発振回路、基準パルスを分周して得た
分周パルスと基準パルスとを合成してパルス幅やタイミ
ングの異なるパルス信号を発生する合成回路から構成さ
れる。次に、モード設定部90は、発電状態検出部9
1、発電状態の検出のために用いる設定値を切り換える
設定値切換部95、大容量コンデンサ48の充電電圧V
cを検出する電圧検出回路92、発電状態に応じて動作
モードを制御するとともに充電電圧に基づいて昇圧倍率
を制御する中央制御回路93、および動作モードを記憶
するモード記憶部94から構成される。この場合におい
て、動作モードとしては少なくとも、表示モードと節電
モードとが設けられている。表示モードは、秒用モータ
10a、時分用モータ10bを駆動して、秒針時分針を
通常どおり運針して時刻表示を行うモードである。また
節電モードは秒用モータ10a、時分用モータ10b等
の通常運針に必要な回転を全て停止状態として節電を図
るとともに、節電モードの経過時間等を計測する発振回
路、カウンタ制御回路等は動作させておき、発振継続時
間等の所定条件が満たされた時に表示モードへ移行させ
るためのモードである。
【0041】この発電状態検出部91は、発電装置40
の起電圧Vgenを設定電圧値Voと比較して発電が検
出されたか否かを判断する第1の検出回路97と、設定
電圧値Voよりもかなり小さな設定電圧値Vbas以上
の起電圧Vgenが得られた発電継続時間Tgenを設
定時間値Toと比較して発電が検出されたか否かを判断
する第2の検出回路98とを備えており、第1および第
2の検出回路97および98にいずれか一方の条件が満
足すると、発電状態であると判断するようになってい
る。ここで、設定電圧値VoおよびVbasは、いずれ
もVdd(=GND)を基準としたときの負電圧であ
り、Vddからの電位差を示している。
【0042】ここで、第1の検出回路97および第2の
検出回路の構成について図3を参照して説明する。図3
において、まず、第1の検出回路97は、コンパレータ
971、定電圧Vaを発生する基準電圧源972、定電
圧Vbを発生する基準電圧源973、スイッチSW1、
リトリガブルモノマルチ974から大略構成されてい
る。基準電圧源972の発生電圧値は、表示モードにお
ける設定電圧値Vaとなっており、一方、基準電圧源9
73の発生電圧値は、節電モードの設定電圧値Vbとな
っている。基準電圧源972,973は、スイッチSW
1を介してコンパレータ971の正入力端子に接続され
ている。このスイッチSW1は、設定値切換部95によ
って制御され、表示モードにおいて基準電圧源972
を、節電モードにおいて基準電圧源973をコンパレー
タ971の正入力端子に接続する。また、コンパレータ
971の負入力端子には、発電部Aの起電圧Vgenが
供給されている。したがって、コンパレータ971は、
起電圧Vgenを設定電圧値Vaまたは設定電圧値Vb
と比較し、起電圧Vgenがこれらを下回る場合(大振
幅の場合)には“H”レベルとなり、起電圧Vgenが
これらを上回る場合(小振幅の場合)には“L”レベル
となる比較結果信号を生成する。
【0043】次に、リトリガブルモノマルチ974は、
比較結果信号が“L”レベルから“H”レベルに立ち上
がる際に発生する立上エッジでトリガされ、“L”レベ
ルから“H”レベルに立ち上がり、所定時間が経過した
後に“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる信号を
生成する。また、リトリガブルモノマルチ974は、所
定時間が経過する前に再度トリガされると、計測時間を
リセットして新たに時間計測を開始するように構成され
ている。次に、第1の検出回路97の動作を説明する。
現在のモードが表示モードであるとすれば、スイッチS
W1は基準電圧源972を選択し、設定電圧値Vaをコ
ンパレータ971に供給する。すると、コンパレータ9
71は設定電圧値Vaと起電圧Vgenとを比較して、
比較結果信号を生成する。この場合、リトリガブルモノ
マルチ974は、比較結果信号の立ち上がりエッジに同
期して、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。
【0044】一方、現在のモードが節電モードであると
すれば、スイッチSW1は基準電圧源973を選択し、
設定電圧値Vbをコンパレータ971に供給する。この
例では、起電圧Vgenは設定電圧値Vbを越えないの
で、リトリガブルモノマルチ974にトリガが入力され
ない。したがって、電圧検出信号Svはローレベルを維
持することになる。このように第1の検出回路97で
は、モードに応じた設定電圧値VaまたはVbと起電圧
Vgenとを比較することによって、電圧検出信号Sを
生成している。図3において、第2の検出回路98は、
積分回路981、ゲート982、カウンタ983、デジ
タルコンパレータ984およびスイッチSW2から構成
されている。まず、積分回路981はMOSトランジス
タ2、コンデンサ3、プルアップ抵抗4、インバータ回
路5及びインバータ回路5’から構成されている。
【0045】起電圧VgenがMOSトランジスタ2の
ゲートに接続されており、起電圧VgenによってMO
Sトランジスタ2はオン、オフ動作を繰り返し、コンデ
ンサ3の充電を制御する。スイッチング手段を、MOS
トランジスタで構成すればインバータ回路5も含めて、
積分回路981は安価なCMOS−ICで構成できる
が、これらのスイッチング素子、電圧検出手段はバイポ
ーラトランジスタで構成しても構わない。プルアップ抵
抗4は、コンデンサ3の電圧値V3を非発電時にVss
電位に固定するとともに、非発電時のリーク電流を発生
させる役割がある。これは数十から数百Mル程度の高抵
抗値であり、オン抵抗が大きなMOSトランジスタでも
構成可能である。コンデンサ3に接続されたインバータ
回路5によりコンデンサ3の電圧値V3を判定し、さら
にインバータ回路5の出力を反転することにより検出信
号Voutを出力する。ここで、インバータ回路5の閾
値は、第1の検出回路97で用いられる設定電圧値Vo
よりもかなり小さな設定電圧値Vbasとなるように設
定されている。
【0046】ゲート982には、パルス合成回路22か
ら供給される基準信号と検出信号Voutが供給されて
いる。したがって、カウンタ983は検出信号Vout
がハイレベルの期間、基準信号をカウントする。このカ
ウント値はデジタルコンパレータ983の一方の入力に
供給される。また、デジタルコンパレータ983の他方
の入力には、設定時間に対応する設定時間値Toが供給
されるようになっている。ここで、現在のモードが表示
モードである場合にはスイッチSW2を介して設定時間
値Taが供給され、現在のモードが節電モードである場
合にはスイッチSW2を介して設定時間値Tbが供給さ
れるようになっている。なお、スイッチSW2は、設定
値切換部95によって制御される。デジタルコンパレー
タ984は、検出信号Voutの立ち下がりエッジに同
期して、その比較結果を発電継続時間検出信号Stとし
て出力する。発電継続時間検出信号Stは、設定時間を
越えた場合に“H”レベルとなり、一方、設定時間を下
回った場合に“L”レベルとなる。
【0047】次に、第2の検出回路98の動作を説明す
る。発電部Aによって交流電力の発電が始まると、発電
装置40は、ダイオード47を介して起電圧Vgenを
生成する。発電が始まり起電圧Vgenの電圧値がVd
dからVssへ立ち下がるとMOSトランジスタ2がオ
ンして、コンデンサ3の充電が始まる。V3の電位は、
非発電時はプルアップ抵抗4によってVss側に固定さ
れているが、発電が起こり、コンデンサ3の充電が始ま
るとVdd側に上がり始める。次に起電圧Vgenの電
圧がVssへ増加に転じ、MOSトランジスタ2がオフ
すると、コンデンサ3への充電は止まるが、V3の電位
はコンデンサ3によってそのまま保持される。 以上の
動作は、発電が持続されている間、繰り返され、V3の
電位はVddまで上がっていき安定する。V3の電位が
インバータ回路5の閾値より上がると、インバータ回路
5’の出力である検出信号Voutが“L”レベルから
“H”レベルに切り替わり、発電の検出ができる。発電
検出までの応答時間は、電流制限抵抗を接続したり、M
OSトランジスタの能力を変えてコンデンサ3への充電
電流の値を調整したり、またコンデンサ3の容量値を変
えることによって任意に設定できる。
【0048】発電が停止すると起電圧VgenはVdd
レベルで安定するため、MOSトランジスタ2はオフし
た状態のままとなる。V3の電圧はコンデンサ3によっ
てしばらくは保持され続けるが、プルアップ抵抗4によ
るわずかなリーク電流によってコンデンサ3の電荷が抜
けるため、V3はVddからVssへ徐々に下がり始め
る。そしてV3がインバータ回路5の閾値を越えるとイ
ンバータ回路5’の出力である検出信号Voutは
“H”レベルから“L”レベルに切り替わり、発電がさ
れていないことの検出ができる。この応答時間はプルア
ップ抵抗4の抵抗値を変え、コンデンサ3のリーク電流
を調整することで任意に設定可能である。この検出信号
Voutがゲート982によって基準信号でゲートされ
ると、これをカウンタ983がカウントする。このカウ
ント値は、デジタルコンパレータ984によって、設定
時間に対応する値とタイミングT1で比較される。ここ
で、検出信号Voutのハイレベル期間Txが設定時間
値Toよりも長いならば、発電継続時間検出信号St
は、“L”レベルから“H”レベルに変化する。
【0049】さてここで、発電用ロータ43の回転速度
の違いによる起電圧Vgenおよび該起電圧Vgenに
対する検出信号Voutを説明する。起電圧Vgenの
電圧レベルおよび周期(周波数)は、発電用ロータ43
の回転速度に応じて変化する。すなわち、回転速度が大
きいほど、起電圧Vgenの振幅は大となり、かつ周期
が短くなる。このため、発電用ロータ43の回転速度、
すなわち発電装置40の発電の強さに応じて、検出信号
Voutの出力保持時間(発電継続時間)の長さが変化
することになる。すなわち、発電用ロータ43の回転速
度が小さい場合、すなわち、発電が弱い場合には、出力
保持時間はtaとなり、発電用ロータ43の回転速度が
大きい場合、すなわち、発電が強い場合には、出力保持
時間はtbとなる。両者の大小関係は、ta<tbであ
る。このように、検出信号Voutの出力保持時間の長
さによって、発電装置40の発電の強さを知ることがで
きる。
【0050】この場合において、設定電圧値Voおよび
設定時間値Toは、設定値切換部95によって切換制御
できるようになっている。設定値切換部95は、表示モ
ードから節電モードに切り換わると、発電検出回路91
の第1および第2の検出回路97および98の設定値V
oおよびToの値を変更する。本例においては、表示モ
ードの設定値VaおよびTaとして、節電モードの設定
値VbおよびTbよりも低い値がセットされるようにな
っている。したがって、節電モードから表示モードへ切
り換えるためには、大きな発電が必要とされる。ここ
で、その発電の程度は、計時装置1を通常携帯して得ら
れる程度では足らず、ユーザが手振りによって強制的に
充電する際に生じる大きなものである必要がある。換言
すれば、節電モードの設定値VbおよびTbは手振りに
よる強制充電を検出できるように設定されている。 ま
た、中央制御回路93は、第1および第2の検出回路9
7および98で発電が検出されない非発電時間Tnを計
測する非発電時間計測回路99を備えており、非発電時
間Tnが所定の設定時間以上継続すると表示モードから
節電モードに移行するようになっている。
【0051】一方、節電モードから表示モードへの移行
は、発電状態検出部91によって、発電部Aが発電状態
にあることが検出され、かつ、大容量コンデンサ48の
充電電圧VCが十分であるという条件が整うと実行され
る。ところで、この例の電源部Bは昇降圧回路49を備
えているため、充電電圧VCがある程度低い状態でも昇
降圧回路49を用いて電源電圧を昇圧することにより、
運針機構Dを駆動することが可能である。そこで、中央
制御回路93は、充電電圧VCに基づいて昇圧倍率を決
定し、昇降圧回路49を制御している。しかし、充電電
圧VCがあまりに低いと、昇圧しても運針機構Eを動作
させることができる電源電圧を得ることができない。そ
のような場合に、節電モードから表示モードに移行する
と、正確な時刻表示を行うことができず、また、無駄な
電力を消費してしまうことになる。そこで、この例にあ
っては、充電電圧VCを予め定められた設定電圧値Vcと
比較することにより、充電電圧VCが十分であるか否か
を判断し、これを節電モードから表示モードへ移行する
ための一条件としている。
【0052】こうして設定されたモードは、モード記憶
部94に記憶され、その情報が駆動制御回路24、時刻
情報記憶部96および設定値切換部95に供給されてい
る。駆動制御回路24においては、表示モードから節電
モードに切り換わると、駆動部Eに対しパルス信号を供
給するのを停止し、駆動部Eの動作を停止させる。これ
により、秒用モータ10aおよび時分用モータ10bは
回転しなくなり、時刻表示は停止する。時刻情報記憶部
96は、カウンタとメモリで構成されており(図示せ
ず)、表示モードから節電モードに切り換わると、パル
ス合成回路22によって生成された基準信号を受けて時
間計測を開始し、節電モードから表示モードに切り換わ
ると、時間計測を終了するようになっている。これによ
り、節電モードの継続時間が計測されることになる。こ
こで、節電モードの継続時間はメモリに記憶されるよう
になっている。また、節電モードから表示モードに切り
換わると、前記カウンタを用いて駆動制御回路24から
駆動部Dに供給される早送りパルスをカウントし、その
カウント値が節電モードの継続時間に応じた値になる
と、早送りパルスの送出を停止するための制御信号を生
成し、これを駆動部Dに供給している。したがって、時
刻情報記憶部96は、再表示された時刻表示を現時刻に
復帰させる機能も備えている。なお、カウンタとメモリ
の内容は、表示モードから節電モードに切り換わる時に
リセットされるようになっている。
【0053】次に、駆動制御回路24は、パルス合成回
路22から出力される各種のパルスに基づいて、モード
に応じた駆動パルスを生成する。まず、節電モードにあ
っては、駆動パルスの供給を停止する。次に、節電モー
ドから表示モードへの切換が行われた直後には、再表示
された時刻表示を現時刻に復帰させるために、パルス間
隔が短い早送りパルスを駆動パルスとして駆動部Eに供
給する。次に、早送りパルスの供給が終了した後には、
通常のパルス間隔の駆動パルスを駆動部Eに供給する。
【0054】次に図4を参照して現時刻復帰機能を実現
するための現時刻復帰部の構成について説明する。現時
刻復帰部300は、1秒あたり1パルスのパルス信号φ
P、10秒あたり1パルスのパルス信号φP/10、1秒
あたり32パルスのパルス信号φR2、1秒あたり25
6パルスのパルス信号φQ56を生成し出力するパルス
合成回路22を備えている。このうち、パルス信号φP
は、通常動作モード時に秒針を駆動させるために用いら
れ、パルス信号φP/10は、通常動作モード時に時分
針を駆動させるために用いられる。
【0055】また、パルス信号φR2は、現時刻復帰時
に秒針を早送りパルスで駆動させるために用いられ、パ
ルス信号φQ56は、現時刻復帰時に時分針を早送りパ
ルスで駆動させるために用いられる。また、現時刻復帰
部300は、時刻情報記憶部96と、駆動制御回路24
と、駆動部31と、駆動部30と、時分モータ10b
と、秒モータ10aと、を含んで構成される。さらに、
現時刻復帰部300は、一方の入力端子にパルス信号φ
P/10が入力され、他方の入力端子に後述のOR回路
330から出力される時分カウント信号SCHMが入力さ
れ、時刻情報記憶部におけるアップダウンカウンタであ
る時分差分カウンタ(時分針における現在時刻と停止状
態で表示されている時刻との差分をカウント)301の
アップカウントを行わせるための信号を出力するAND
回路302と、時分差分カウンタ301のカウント値が
0であるか否か、すなわち、時分針における現在時刻と
表示時刻とが一致しているか否かを検出するゼロ検出部
303と、ゼロ検出部303の反転出力が第1の入力端
子に入力され、時分現時刻復帰制御信号SRETHMが第2
の入力端子に入力され、パルス信号φQ56が第3の入
力端子に入力されて、現時刻復帰動作時に時分差分カウ
ンタ301のダウンカウントを行わせるための信号を出
力するAND回路304と、一方の入力端子にパルス信
号φP/10が入力され、他方の入力端子にゼロ検出部
303の出力が入力されるAND回路305と、一方の
入力端子にAND回路304の出力信号が入力され、他
方の入力端子にゼロ検出部303の反転出力が入力され
るAND回路306と、AND回路305の出力である
パルス信号φP/10(通常動作モード時)あるいはA
ND回路306の出力であるパルス信号φQ56(現時
刻復帰動作時)のいずれか一方を排他的に出力するOR
回路307と、を備えて構成されている。
【0056】さらに、現時刻復帰部300は、一方の入
力端子にパルス信号φPが入力され、他方の後述のOR
回路331から出力される秒カウント信号SCSCが入力
され、時刻情報記憶部におけるアップダウンカウンタで
ある秒差分カウンタ(秒針における現在時刻と停止状態
で表示されている時刻との差分をカウント)311のア
ップカウントを行わせるための信号を出力するAND回
路312と、秒差分カウンタ311のカウント値が0で
あるか否か、すなわち、秒針における現在時刻と表示時
刻とが一致しているか否かを検出するゼロ検出部313
と、ゼロ検出部313の反転出力が第1の入力端子に入
力され、秒現時刻復帰制御信号SRET Sが第2の入力端
子に入力され、パルス信号φR2が第3の入力端子に入
力されて、現時刻復帰動作時に秒差分カウンタ311の
ダウンカウントを行わせるための信号を出力するAND
回路314と、一方の入力端子にパルス信号φPが入力
され、他方の入力端子にゼロ検出部313の出力が入力
されるAND回路315と、一方の入力端子にAND回
路314の出力信号が入力され、他方の入力端子にゼロ
検出部313の反転出力が入力されるAND回路316
と、AND回路315の出力であるパルス信号φP(通
常動作モード時)あるいはAND回路316の出力であ
るパルス信号φR2(現時刻復帰動作時)のいずれか一
方を排他的に出力するOR回路317と、を備えて構成
されている。
【0057】さらに現時刻復帰部300は、ゼロ検出部
303及びゼロ検出部313の両出力が入力され、ゼロ
検出信号S0を出力するAND回路320と、一方の入
力端子に時分現時刻復帰制御信号SRETHMが入力され、
他方の入力端子に節電モード制御信号SPSが入力され、
両制御信号の論理和をとって時分カウント信号SCHMを
出力するOR回路330と、一方の入力端子に秒現時刻
復帰制御信号SRETSが入力され、他方の入力端子に節電
モード制御信号SPSが入力され、両制御信号の論理和を
とって秒カウント信号SCSCを出力するOR回路331
と、を備えて構成されている。
【0058】次に概要動作を説明する。以下の説明にお
いては、説明の簡略化のため、時分現時刻復帰制御信号
SRETHM及び秒現時刻復帰制御信号SRETSを一つの現時
刻復帰制御信号SRETとして説明するが、実際には、時
分現時刻復帰制御信号SRETHM及び秒現時刻復帰制御信
号SRETSは互いに異なるタイミングで遷移するため、異
なるタイミングで時刻復帰がなされる。また、節電モー
ド制御信号SPSは、OR回路330を介して時分現時刻
復帰制御信号SRETHMとの論理和がとられてAND回路
302に出力され、あるいは、OR回路331を介して
秒現時刻復帰制御信号SRETSとの論理和がとられてAN
D回路312に出力されるので、時刻復帰中に経過した
時間についても時分差分カウンタ301あるいは秒差分
カウンタ311がカウントアップされるため、現時刻復
帰動作中の時間経過も考慮して時刻復帰を行うことがで
きるようになっている。
【0059】モード記憶部94から“L”レベルの節電
モード制御信号SPS及び現時刻復帰制御信号SRET(=
時分現時刻復帰制御信号SRETHM+秒現時刻復帰制御信
号SRETS)が出力されている場合には、AND回路30
2、AND回路304、AND回路312及びAND回
路314は、全て“L”レベルの出力信号を出力するこ
ととなる。すなわち、AND回路305及びOR回路3
07を介してパルス信号φP/10が駆動部31に出力
され、駆動部31は、時分モータ10bを駆動し、10
秒ごとに時分針を駆動することとなり、AND回路31
5及びOR回路317を介してパルス信号φPが駆動部
30に出力され、駆動部30は、秒モータ10aを駆動
し、1秒ごとに秒針を駆動することとなる。また、モー
ド記憶部94から“H”レベルの節電モード制御信号S
PSが出力されている場合には、AND回路302は、時
分差分カウンタ301をアップカウントさせるべくパル
ス信号φP/10を出力し、時分差分カウンタ301
は、時分針における現在時刻と停止状態で表示されてい
る時刻との差分をカウントすることとなる。
【0060】このとき、ゼロ検出部303の出力は
“L”レベルであり、現時刻復帰制御信号SRET(=時
分現時刻復帰制御信号SRETHM+秒現時刻復帰制御信号
SRETS)も“L”レベルであるので、アンド回路30
4、AND回路305及びAND回路306の出力は全
て“L”レベルとなり、駆動部31には信号は出力され
ないこととなり、時分針は停止することとなる。同様に
AND回路312は、秒差分カウンタ311をアップカ
ウントさせるべくパルス信号φPを出力し、秒差分カウ
ンタ311は、秒針における現在時刻と停止状態で表示
されている時刻との差分をカウントすることとなる。こ
のとき、ゼロ検出部313の出力は“L”レベルであ
り、現時刻復帰制御信号SRETも“L”レベルであるの
で、アンド回路314、AND回路315及びAND回
路316の出力は全て“L”レベルとなり、駆動部30
には信号は出力されないこととなり、秒針は停止するこ
ととなる。
【0061】“H”レベルの現時刻復帰制御信号SRET
が出力された時点では、ゼロ検出部303の出力は
“L”レベルであるので、その反転出力は“H”レベル
となりAND回路304は、時分差分カウンタ302を
ダウンカウントさせるべくパルス信号φQ56を出力す
るとともに、AND回路306にパルス信号φQ56を
出力する。なお、現時刻復帰中もダウンカウント中のパ
ルス信号φP/10のタイミングでカウントアップを行
うことで、現時刻復帰中の現在時刻経過も含めた現時刻
復帰が可能となる。この結果、AND回路306は、パ
ルス信号φQ56を駆動部31に出力し、駆動部31
は、時分モータ10bを駆動し、1/256秒ごとに時
分針を駆動することとなる。
【0062】そしてゼロ検出部303の出力が“H”レ
ベルとなると、時分針の表示時刻は現在時刻と一致する
こととなり、再びAND回路305及びOR回路307
を介してパルス信号φP/10が駆動部31に出力さ
れ、駆動部31は、時分モータ10bを駆動し、10秒
ごとに時分針を駆動することとなる。一方、AND回路
312の出力は“L”レベルとなる。また、“H”レベ
ルの現時刻復帰制御信号SRETが出力された時点では、
ゼロ検出部313の出力は“L”レベルであるので、そ
の反転出力は“H”レベルとなりAND回路314は、
時分差分カウンタ312をダウンカウントさせるべくパ
ルス信号φR2を出力するとともに、AND回路316
にパルス信号φR2を出力する。この結果、AND回路
316は、パルス信号φR2を駆動部30に出力し、駆
動部30は、秒モータ10aを駆動し、1/32秒ごと
に秒針を駆動することとなる。そしてゼロ検出部303
の出力が“H”レベルとなると、秒針の表示時刻は現在
時刻と一致することとなり、再びAND回路315及び
OR回路317を介してパルス信号φPが駆動部30に
出力され、駆動部30は、秒モータ10aを駆動し、1
秒ごとに秒分針を駆動することとなる。
【0063】[2] 各実施形態の概略動作 次に図5を参照しながら本発明における実施形態の動作
の概略を説明する。本発明における実施形態の動作は、
携帯用腕時計のモードが節電モードから時刻表示モード
に移行する際に行う時刻復帰機能の動作である。時刻復
帰機能の動作は、各針とも時刻表示モードにおける通常
運針速度より早い早送り速度で行われ、復帰する時刻と
現在時刻との間に大きなずれが生じない程度の短時間に
行われる。時刻復帰機能における動作順序の概略は、節
電モードが解除された時点がスタートとなり、節電モー
ドの経過時間の値に基づいて、最初に時針と分針と早送
りして時刻復帰させる(S10)。次に同様にして節電
モードの経過時間の秒の値に基づいて秒針を早送りさせ
て現在時刻に復帰させる(S20)。各針が現在時刻に
復帰した時点で通常運針に移行(S30)し、以後通常
運針速度で運針され正確な現在時刻を持続的に表示す
る。
【0064】[3] 第1実施形態 本第1実施形態は、時分用モータと秒用モータとを独立
に駆動させることができるので、消費電力の節減のた
め、時分の時刻表示を秒用モータより高速で回転する時
分用モータで復帰させた後、秒の時刻表示を秒用モータ
で復帰させることを特徴とする。また、時計回りに針を
回転させて時刻復帰を行う正転運針と、反時計回りに針
を回転させて時刻復帰を行う逆転運針とのどちらの運針
方向の方が時刻復帰にかかる電力消費量が少なくなるか
を制御部の制御のもとに判定する駆動方向判定部200
を備えていることを特徴としている。ここで、駆動方向
判定部200は、カウンタ及び論理ゲートで構成される
カウンタ状態判別装置を備えており、カウンタの状態よ
り時刻復帰させる際の復帰時運針方向を決定する。
【0065】[3.1] 第1実施形態の動作 次に第1実施形態の動作を節電モードから時刻表示モー
ドに移行して、各針を早送りで運針させて現在時刻に復
帰させ、時刻復帰した後は通常運針で常に正確な現在時
刻を表示させる際の動作を例として説明する。図6に第
1実施形態の動作フローチャートを示す。この場合にお
いて、時刻表示機能が停止し、時刻情報記憶部96が節
電モード経過時間の計測を開始する表示停止時刻が22
時08分42秒(ただし、各針が表示する時刻は10時
08分42秒の表示状態と同じ)であり、時刻表示機能
が復帰する表示復帰時刻が翌日の08時18分43秒で
ある場合を例として説明を行う。
【0066】節電モードは、電圧検出回路92が充分な
起電力が検出し、電源部Bの充電電圧VCが十分に充電
されている場合に解除され、節電モードが解除される。
ステップS11においては、節電モードが解除される
と、時刻情報記憶部96でカウントされている節電モー
ド経過時間に基づき、時計回り(正転運針)で針を早送
りさせて時刻復帰した場合に必要となるエネルギーEc
wと、反時計回り(逆転運針)で針を回転させて時刻復
帰する場合に必要となるエネルギーEccwとを駆動方
向判定部200で算出し、Ecw<Eccwであるか否
かを判定する。より具体的には、時刻情報記憶部96で
カウントされている節電モード経過時間(上述の例の場
合、10時間10分01秒)に基づき、時計回り(正転
運針)で10時間10分01の間に回転すべきであった
運針量だけ時分モータを早送りさせるのに必要となるエ
ネルギーEcwと、反時計回り(逆転運針)で01時間
49分59秒に相当する運針量だけ時分モータを早送り
させるのに必要なエネルギーEccwとを駆動方向判定
部200で算出し、Ecw<Eccwであるか否かを判
定する。
【0067】この場合において、一般的には、正転運針
と逆転運針とでは同じ運針量に対する消費エネルギーが
違うため単純に運針量の大小から判断する訳にはいか
ず、実際には、駆動方向判定部200での判定は、例え
ば、図6に示すような節電モード経過時間に対応したエ
ネルギー消費量の比較判定を行っている。上述の例にお
いては、同じ運針量回転させる場合、逆転運針の場合は
正転運針の場合に比べて約3倍の消費電力を必要とする
場合を想定している。ステップ11における駆動方向判
定部200での判定がYesの場合、すなわち、 Ecw<Eccw である場合には、ステップ12において時分モータを時
計回り(正転)に回転させて現在時刻に復帰させ、ステ
ップ21に移行する。一方、ステップ11における駆動
方向判定部200での判定がNoの場合、すなわち、 Ecw≧Eccw である場合には、ステップ13において時分モータを反
時計回り(逆転)に回転させて現在時刻に復帰させてス
テップ21に移行する。
【0068】上述の例の場合は図7に示されているよう
なYes/No判定テーブルにおいて節電時間の経過時
間(10時間10分01秒)からNoと判定されるた
め、S13移行して時分モータを逆転で回転させて現時
刻に復帰する。次に、ステップ21において、秒針の復
帰時刻と停止時刻との時刻差Tsがユーザが時刻復帰動
作の様子を確認することができるしきい時間Tr未満、
つまり Ts<Tr であるか否かが判定される。ここで、しきい時間Trは
例えばTr=10sec等の値に予め設定しておく。ス
テップ21における判定がNoの場合、すなわち、時刻
差Tsがしきい時間Tr以上である場合には、処理を後
述するステップS23に移行する。ステップ21におけ
る判定がYesの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい
時間Tr未満である場合には、処理をステップ22に移
行し、Ts=Ts+60secにセットされる。ステッ
プ23においては秒モータ10aをTsだけ正転運針す
る。以上の処理の完了後、腕時計は通常運針に移行して
現在時刻に復帰した後に通常の運針を開始する。これに
より、ユーザーは表示された正確な現在時刻を知ること
ができる。
【0069】[3.1.1]第1実施形態の変形例 上記説明においては、時刻差Tsがしきい時間Tr未満
である場合には、Ts=Ts+60secにセットされ
る構成となっていたがより一般的には、復帰時運針角度
R[゜]が、予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満
である場合に、復帰時運針角度RRETを次式のように定
めることができる。 RRET=R+360×n[゜] (ただし、nは自
然数)
【0070】[3.2] 第2実施形態 上記第1実施形態においては、節電モード経過時間に基
づき、時計回り(正転運針)で針を早送りさせて時刻復
帰した場合に必要となるエネルギーEcwと、反時計回
り(逆転運針)で針を回転させて時刻復帰する場合に必
要となるエネルギーEccwとを比較して制御を行って
いたが、本第2実施形態は、時計回り(正転運針)で針
を早送りさせて時刻復帰した場合に要する復帰時間と、
反時計回り(逆転運針)で針を回転させて時刻復帰する
場合に要する時間とを比較して制御を行う場合の実施形
態である。尚、図6に示される前記実施形態の動作の時
針・分針復帰過程に対応するステップS11を図8のス
テップS11'に示す過程に置き換えてもよい。ステッ
プS11をステップS11'に置き換えた場合、節電モ
ードの経過時間に基づいて、時計回り(正転運針)で針
を早送りさせて時刻復帰した場合にかかる復帰時間(T
cw):(時計回り(正転運針)で10時間10分(0
1秒)の間に回転すべきであった運針量だけ時分モータ
10bを早送りさせるのにかかる復帰時間)と、反時計
回り(逆転運針)で針を回転させて時刻復帰する場合に
かかる復帰時間(Tccw):(反時計回り(逆転運
針)で01時間49分59秒だけ時分モータ10bを早
送りさせるのにかかる復帰時間)とを駆動方向判定部2
00で算出し、Tcw<Tccwであるか否かが判定さ
れる。
【0071】ステップ11’における駆動方向判定部2
00での判定がYesの場合、すなわち、 Tcw<Tccw である場合には、ステップ12において時分モータ10
bを時計回り(正転)に回転させて現在時刻に復帰さ
せ、ステップ21に移行する。一方、ステップ11’に
おける駆動方向判定部200での判定がNoの場合、す
なわち、 Tcw≧Tccw である場合には、ステップ13において時分モータ10
bを反時計回り(逆転)に回転させて現在時刻に復帰さ
せてステップ21に移行する。実際には、駆動方向判定
部200での判定は、例えば図9に示されているよう
な、節電モード経過時間に対応した復帰時間の比較判定
を行っている(本実施形態の参考例においては、時計回
り(正転運針)と反時計回り(逆転運針)の場合とで同
じ運針量に係る経過時間が等しい場合を考えた例を示し
ている)。上述の例においては、節電時間の経過時間
(10時間10分01秒)から図9のYes/No判定
テーブルを参照するとNOと判定される(ステップS1
1)ので、ステップ13に移行して逆転運針で時刻復帰
が行われ、ステップ21に移行する。以下の秒針復帰過
程におけるステップの動作は第1実施形態と同様であ
る。
【0072】[3.3] 第3実施形態 本第3実施形態は、図6に示される前記第1実施形態の
ステップS22〜S23までの秒針復帰過程のステップ
を図10に示されるステップS22'〜ステップS24
までのステップに置き換えた場合の実施形態である。
尚、スタートからステップ21に至る過程は第1実施形
態と同様であるので、以下、ステップS21の動作から
説明する。ステップ21においては、秒針の復帰時刻と
停止時刻との時刻差Tsがしきい時間Tr未満であるか
否かが判定される。ステップ21における判定がNoの
場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr以上であ
る場合には、処理を後述するステップS23に移行す
る。ステップ21における判定がYesの場合、すなわ
ち、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合には、
処理をステップ22’に移行し、Ts=Ts+30se
cにセットされる。ステップ23においては秒用モータ
10aをTsだけ正転運針する。この時点で秒針は現在
時刻より30秒だけ進んだ時刻を表示している。次にス
テップ24に移行し、30秒間だけ秒針の通常運針への
移行を遅らせて停止させておく。以上の処理の完了後、
前記30秒が経過した後に秒針は通常運針に移行して現
在時刻に復帰し通常の運針を開始する。これにより、ユ
ーザーは表示された正確な現在時刻を知ることができ
る。尚、本実施形態の時針分針復帰過程に相当するステ
ップ11を図8に示された前記第2実施形態におけるス
テップ11’に置き換えてもよい。
【0073】[3.4] 第4実施形態 本第4実施形態は、図6に示される前記第1実施形態の
ステップS22〜S23のステップを図11に示される
ステップS22'〜ステップS24’までのステップに
置き換えた場合の実施形態である。尚、スタートからス
テップ21に至る過程は第1実施形態と同様であるの
で、以下、ステップS21の動作から説明する。ステッ
プ21においては、秒針の復帰時刻と停止時刻との時刻
差Tsがしきい時間Tr未満であるか否かが判定され
る。ステップ21における判定がNoの場合、すなわ
ち、時刻差Tsがしきい時間Tr以上である場合には、
処理を後述するステップS23’に移行する。ステップ
21における判定がYesの場合、すなわち、時刻差T
sがしきい時間Tr未満である場合には、処理をステッ
プ22’に移行し、Ts=Ts+30secにセットさ
れる。ステップ23’においては秒モータをTsだけ正
転運針する。この時秒針は現在時刻より30秒だけ進ん
だ時刻を表示している。次にステップ24’に移行し、
秒針を30秒に相当する運針角度、すなわち180度だ
け秒針を逆転運針させる。以上の処理の完了後、秒針は
通常運針に移行して現在時刻に復帰した後に通常の運針
を開始する。これにより、ユーザーは表示された正確な
現在時刻を知ることができる。
【0074】[3.4.1]第4実施形態の変形例 尚、本実施形態の時針分針復帰過程に相当するステップ
11を図8に示された前記第2実施形態におけるステッ
プ11’に置き換えてもよい。尚、、前記発電部の発電
機構の具体的なものとしては電磁誘導型発電器、太陽電
池、熱発電素子、ピエゾ素子、浮遊電磁波送信(放送・
通信電波を利用した電磁誘導型発電)」等の組合せが考
えられる。また、発電機構の数も1つに限定されず、2
つ以上の発電機構が並存していてもかまわない。上記説
明では、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合に
は、Ts=Ts+30secにセットし、その後30s
ec分だけ逆転運針を行っていたが、一般的には、時刻
差Tsの間の運針量に相当する運針角度R[゜]が予め
定めた所定の運針角度RT[゜]未満であり、追加回転
角度α[゜]とした場合に、復帰時運針角度RRETを、
RRET=R+α[゜]のように定めて第1の方向に運針
し、当該運針終了後、前記回転角度αだけ前記第1の方
向とは逆の第2の方向に運針するようにしてもよい。
【0075】[3.5] 第5実施形態 本第5実施形態は、図6に示される前記第1実施形態の
ステップS22〜S23のステップを図12に示される
ステップS22”〜ステップS23”のステップに置き
換えた場合の実施形態である。尚、スタートからステッ
プ21に至る過程は第1実施形態と同様であるので、以
下、ステップS21の動作から説明する。ステップ21
においては、秒針の復帰時刻と停止時刻との時刻差Ts
がしきい時間Tr未満であるか否かが判定される。ステ
ップ21における判定がNoの場合、すなわち、時刻差
Tsがしきい時間Tr以上である場合には、処理を後述
するステップS23”に移行する。ステップ21におけ
る判定がYesの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい
時間Tr未満である場合には、処理をステップ22”に
移行し、Ts=60−Tssecにセットされる。ステ
ップ23”においては、秒モータをTsだけ停止し、現
在時刻と秒針位置とを一致させる。以上の処理の完了
後、秒針は通常運針に移行して通常の運針を開始する。
これにより、ユーザーは表示された正確な現在時刻を知
ることができる。
【0076】[3.6] 第6実施形態 以上の各実施形態においては、時刻復帰を行うに際し、
時分駆動パルスあるいは秒駆動パルスのいずれか一方の
出力終了後に、他方の駆動パルスを出力する構成となっ
ていたが、本第6実施形態は、時分駆動パルスと秒駆動
パルスとを両者の出力タイミングが重なり合わないよう
に、交互に出力するようにした実施形態である。図13
に第6実施形態における駆動パルスの出力状態のタイミ
ングチャートを示す。図13に示すように、本第6実施
形態においては、まず、時刻t1〜時刻t2の期間に時
分駆動パルスPHM1を出力する。そして、時分駆動パル
スPHM1の出力が完全に終了した時刻t3のタイミング
で、秒駆動パルスPS1の出力を開始し、時刻t4のタイ
ミングまでに秒駆動パルスPS1の出力を終了する。その
後、秒駆動パルスPS1の出力が完全に終了した時刻t5
のタイミングで、次の時分駆動パルスPHM2の出力を開
始する。以下、同様にして、時分駆動パルスと秒駆動パ
ルスを両者の出力タイミングが重なり合わないように、
交互に出力することで、見かけ上、時分針と秒針とが同
時に時刻復帰動作をしているにも拘わらず、電源に対す
る負荷は、必要以上に大きくなることがなく、電源を安
定した状態に保持することが可能となる。
【0077】[4]変形例 [4.1] 第1変形例 以上の実施形態においては、時刻復帰の際に復帰時の運
針方向を選択していたが、時刻復帰の際に予め定めた方
向に常に運針するように構成することも可能である。こ
の場合において、秒針については予め定めた方向に運針
して時刻復帰するよりも、そのまま現在時刻と一致する
までは停止状態にしておく方が、消費電力の観点からは
好ましい。これにより運針方向判定を行う必要もなくな
り、上記各実施形態と比較して回路構成を簡略化するこ
とが可能となる。
【0078】[4.2] 第2変形例 以上の説明において、節電モードは秒針及び時分針の両
方の運針を停止するものであったが、節電モードを第1
節電モード(秒針のみの運針を停止し、時分針は運針を
停止しない)と第2節電モード(秒針の運針及び時分針
の運針の両方を停止する)とに分けることも可能であ
る。
【0079】[4.3] 第3変形例 以上の説明においては、時分針及び秒針を有する計時装
置において、時刻復帰を行う場合について説明したが、
さらにカレンダー機能を有する計時装置においてカレン
ダー駆動部を時分針駆動部あるいは秒針駆動部と同様に
制御し、カレンダー復帰機能を実現するように構成する
ことも可能である。この場合においては、カレンダー駆
動部が独立して駆動可能、すなわち、カレンダー駆動用
モータを有していることが前提となる。
【0080】[4.4] 第4変形例 以上の説明においては、時分針および秒針の駆動タイミ
ングを排他的に設定し、時分針および秒針が同時に駆動
しないように構成していたが、負荷の大きさの許容範囲
において、駆動タイミングが一部重なるように設定して
も同様の効果を得ることができる。より具体的には、駆
動タイミングの重複期間が予め定めた期間未満となるよ
うに設定すれば、負荷が過大となる期間を短くすること
ができる。
【0081】[4.5] 第5変形例 以上の説明においては、時分針と秒針とを駆動する場合
について述べたが、時針、分針および秒針を別個に駆動
する場合おいても同様にして、同一タイミングにおける
負荷を低減するように制御することが可能である。この
場合における効果も同様である。 [4.6] 第6変形例 以上の説明においては、発電装置の発電状態あるいは蓄
電装置としてのコンデンサの蓄電状態に基づいて、節電
モードと表示モードとを切り替えていたが、電子時計を
携帯しているか否かを検出する携帯検出センサを設け、
携帯時には表示モードとし、非携帯時には節電モードと
するように構成することも可能である。この場合におい
て、携帯検出センサとしては、ユーザの動きを検出する
加速度センサ、ユーザが装着したことを検出する接触セ
ンサなどの各種センサを用いることが可能である。 [4.7] 第7変形例 以上の説明においては、電源装置として、発電装置とコ
ンデンサ(蓄電装置)とを備える計時装置について説明
したが、これに限らず、一次電池を備えた計時装置、二
次電池を備えた計時装置、発電装置と二次電池とを備え
た計時装置などにも適用が可能である。
【0082】[5] 本発明の態様 以下、本発明の態様について説明する。 [5.1] 第1の態様 本発明の第1の態様は、電力を供給する電源装置と、前
記電源装置から供給される電力を用いて対応する表示指
針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数の
表示指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定
めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部ごと
に、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モード
及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示モー
ドとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続
時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置
の制御方法において、前記節電モードから表示モードに
移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前
記表示指針駆動部により前記表示指針を駆動して時刻表
示を復帰させる時刻復帰過程を備え、前記時刻復帰過程
は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示
指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、前記複数の
表示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め
定めた期間未満となるように前記表示指針駆動部の駆動
タイミングを制御し、時刻復帰を行わせる時刻復帰制御
過程を備える構成を第1の態様の基本態様とし、前記時
刻復帰制御過程において、前記複数の表示指針駆動部に
おける復帰動作期間を排他的に設定するように構成して
もよい(第1の態様の第1変形態様)。
【0083】また、上記第1の態様の基本態様の時刻復
帰過程において、前記時刻表示を復帰させるに際し、前
記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針速度の
遅い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰させた後
に通常運針時の運針速度が早い前記表示指針駆動部を駆
動させて時刻復帰させるように構成してもよい(第1の
態様の第2変形態様)。さらにまた、上記第1の態様の
基本態様の前記時刻復帰過程において、前記時刻表示を
復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通
常運針時の運針速度の早い表示指針駆動部を先に駆動さ
せて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が遅い前
記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させるように構
成してもよい(第1の態様の第3変形態様)。
【0084】また、前記条件は、前記発電手段の発電状
態あるいは前記電源手段の蓄電状態であるように構成し
てもよい(第1の態様の第4変形態様)。さらに当該計
時装置が携帯状態にあるか否かを検出する携帯状態検出
手段を備え、前記条件は、当該計時装置が携帯状態にあ
るか否かであるように構成してもよい(第1の態様の第
5変形態様)。 [5.2] 第2の態様 本発明の第2の態様は、電力を供給する電源装置と、前
記電源装置から供給される電力を用いて表示指針を駆動
する表示指針駆動装置を有し、前記表示指針により時刻
表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づい
て、前記表示指針の駆動を停止する節電モード、及び、
前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制
御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶す
る継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法に
おいて、前記節電モードから表示モードに移行するに際
し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆
動装置により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰さ
せる時刻復帰過程を備え、前記時刻復帰過程は、前記時
刻表示を復帰させる際の復帰時運針方向を前記節電モー
ドの継続時間に基づいて判定する復帰時運針方向判定過
程を備える構成を第2の態様の基本態様とし、上記第2
の態様の基本態様の復帰時運針方向判定過程において、
前記表示指針の駆動に必要となる電力量がより少ない運
針方向を前記復帰時運針方向とするように構成すること
も可能である(第2の態様の第1変形態様)。
【0085】さらに、上記第2の態様の基本態様の復帰
時運針方向判定過程において、前記時刻表示を復帰させ
るまでに要する時間がより少ない運針方向を前記復帰時
運針方向とするように構成することも可能である(第2
の態様の第2変形態様)。さらにまた、上記第2の態様
の基本態様の時刻復帰過程において、前記時刻表示を復
帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当する運
針角度R[゜]が、予め定めた所定の運針角度RT
[゜]未満である場合に、復帰時運針角度RRETを次式
のように定めるように構成することも可能である(第2
の態様の第3変形態様)。 RRET=R+360×n[゜] (ただし、nは自
然数)
【0086】また、上記第2の態様の基本態様の時刻復
帰過程において、前記時刻表示を復帰させるに際し、現
在時刻に対応する秒針指針位置が節電モード中に秒針が
停止していた指針位置に一致するまで前記秒針を前記指
針位置に保持させておき、一致した時点において前記秒
針の運針を開始させるように構成することも可能である
(第2の態様の第4変形態様)。さらに、上記第2の態
様の基本態様の時刻復帰過程において、前記時刻表示を
復帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当する
運針角度R[゜]が予め定めた所定の運針角度RT
[゜]未満であり、追加回転角度α[゜]とした場合
に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めて第1の
方向に運針し、当該運針終了後、前記回転角度αだけ前
記第1の方向とは逆の第2の方向に運針するように構成
することも可能である(第2の態様の第5変形態様)。 RRET=R+α[゜]
【0087】さらにまた、上記第2の態様の基本態様の
復帰時運針方向判定過程において、現時刻の指針位置と
実際の前記表示指針の位置との差が所定角度以上をなし
ている場合に、通常運針時の運針方向とは逆の運針方向
を復帰時運針方向とするように構成することも可能であ
る(第2の態様の第6変形態様)。
【0088】また、上記第2の態様の基本態様におい
て、前記表示指針駆動装置は駆動対象の表示指針が互い
に異なる複数の副表示指針駆動装置から成っており、前
記復帰時運針方向判定過程においては、前記各々の副表
示指針駆動装置について復帰方向を判定するように構成
してもよい(第2の態様の第7変形態様)。
【0089】さらに上記第2の態様の基本態様におい
て、前記表示指針駆動装置は、時針及び分針を駆動する
時分針駆動装置と、秒針を駆動する秒針駆動装置と、を
備え、前記復帰時運針方向判定過程においては、前記時
分針駆動装置及び前記秒針駆動装置のそれぞれについ
て、復帰時運針方向を判定するように構成することも可
能である(第2の態様の第8変形態様)。また、第2の
態様の第8変形態様の時刻復帰過程においては、前記時
刻表示を復帰させるに際し、前記時分針駆動装置を前記
秒針駆動装置よりも先に駆動させ、前記時分針の駆動終
了後に前記秒針駆動装置を駆動させるように構成するこ
とも可能である(第2の態様の第9変形態様)。
【0090】さらにまた、上記第2の態様の基本態様に
おいて、前記表示指針駆動装置は、時針を駆動する時針
駆動装置と、分針を駆動する分針駆動装置と、秒針を駆
動する秒針駆動装置と、を備え、前記復帰時運針方向判
定過程においては、前記時針駆動装置、分針駆動装置及
び前記秒針駆動装置のそれぞれについて、復帰時運針方
向を判定するように構成することも可能である(第2の
態様の第10変形態様)。また、第2の態様の第8変形
態様の時刻復帰過程においては、前記時刻表示を復帰さ
せるに際し、前記時針駆動装置、前記分針駆動装置及び
前記秒針駆動装置を 時針駆動装置→分針駆動装置→秒針駆動装置 の順番で排他的に駆動させるように構成することも可能
である。
【0091】また、前記条件は、前記発電手段の発電状
態あるいは前記電源手段の蓄電状態であるように構成し
てもよい(第2の態様の第11変形態様)。さらに当該
計時装置が携帯状態にあるか否かを検出する携帯状態検
出手段を備え、前記条件は、当該計時装置が携帯状態に
あるか否かであるように構成してもよい(第2の態様の
第12変形態様)。
【0092】
【発明の効果】時刻表示を復帰させるに際し、複数の表
示指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、複数の表
示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め定
めた期間未満となるように表示指針駆動部の駆動タイミ
ングを制御し、時刻復帰を行わせるので、時刻復帰の際
における一時的な負荷の増大を抑制し、時刻復帰の際に
必要とする電力を最小限に抑えることができる。さらに
時刻復帰の際に、個別に表示指針を駆動し、あるいは、
表示指針毎に運針方向を設定するため、復帰時間を短縮
することができる。
【0093】より具体的には、時刻復帰の際には時分用
モータによって先に時分の表示を復帰させ、その後に秒
用モータによって現在時刻の秒の表示を復帰させること
により、電源電圧が安定し、電源電圧の不安定に起因す
る異常動作を誘発することもなくなる。また、時刻復帰
の際に針を時計回りに回転させて復帰させる場合と反時
計回りに回転させて復帰させる場合とで必要となる消費
電力を最小にする駆動方向で復帰させ、あるいは、復帰
時間を最短にする駆動方向で復帰させることにより、電
力の消費量を抑え、時刻復帰にかかる時間を短縮するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る計時装置1の概
略構成を示す図である。
【図2】 同実施形態に係る制御部Cとその周辺構成の
機能ブロック図である。
【図3】 同実施形態にかかる第1の検出回路及び第2
の検出回路の構成説明図である。
【図4】 現時刻復帰部の概要構成ブロック図である。
【図5】 本発明の実施形態の動作の概略を示すフロー
チャートである。
【図6】 本発明の第1実施形態の動作を示すフローチ
ャートである。
【図7】 本発明の第1実施形態に係る運針方向判定部
200に記憶されている運針方向判定テーブル例であ
る。
【図8】 本発明の第2実施形態の動作を示すフローチ
ャートである。
【図9】 本発明の第2実施形態に係る運針方向判定部
200に記憶されている運針方向判定テーブル例であ
る。
【図10】 本発明の第3実施形態の動作を示すフロー
チャートである。
【図11】 本発明の第4実施形態の動作を示すフロー
チャートである。
【図12】 本発明の第5実施形態の動作を示すフロー
チャートである。
【図13】 本発明の第6実施形態のタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
1・・計時装置 A・・発電部 B・・電源部 C・・制御部 D・・駆動部 E・・運針機構 10a:秒用モータ 24:駆動制御回路 10b:時分用モータ 30,31:駆動部 93:中央制御回路 95:設定切換部 96:時刻情報記憶部 200:駆動方向判定部
フロントページの続き (72)発明者 矢部 宏 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 志村 典昭 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 北原 丈二 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2F083 AA00 BB08 DD11 DD20 EE00 FF00 2F084 AA07 HH15 HH16 HH21

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力を供給する電源手段と、 前記電源手段から供給される電力を用いて対応する表示
    指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数
    の表示指針により時刻表示を行う時刻表示手段と、 予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部
    ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モ
    ード及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示
    モードとを切換制御する制御手段と、 前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶手段
    と、 前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記
    節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動部によ
    り前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復
    帰手段と、 を備え、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順
    番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作
    期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前記
    表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を
    行わせる時刻復帰制御手段を備えたことを特徴とする計
    時装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の計時装置において、 前記時刻復帰制御手段は、前記複数の表示指針駆動部に
    おける復帰動作期間を排他的に設定することを特徴とす
    る計時装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針
    速度の遅い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰さ
    せた後に通常運針時の運針速度が早い前記表示指針駆動
    部を駆動させて時刻復帰させることを特徴とする計時装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針
    速度の早い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰さ
    せた後に通常運針時の運針速度が遅い前記表示指針駆動
    部を駆動させて時刻復帰させることを特徴とする計時装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記時分針駆動手段を前記秒針駆動手段よりも先に
    駆動させ、前記時分針の駆動終了後に前記秒針駆動手段
    を駆動させることを特徴とする計時装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記複数の指針駆動部に対する駆動パルスの出力タ
    イミングが重なり合わないタイミングで前記駆動パルス
    を出力して駆動することを特徴とする計時装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記時針駆動手段、前記分針駆動手段及び前記秒針
    駆動手段を 時針駆動手段→分針駆動手段→秒針駆動手段 の順番で排他的に駆動させることを特徴とする計時装
    置。
  8. 【請求項8】 電力を供給する電源手段と、 前記電源手段から供給される電力を用いて表示指針を駆
    動する表示指針駆動手段を有し、前記表示指針により時
    刻表示を行う時刻表示手段と、 予め定めた条件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止
    する節電モード、及び、前記表示指針の運針を継続させ
    る表示モードとを切換制御する制御手段と、 前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶手段
    と、 前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記
    節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動手段に
    より前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻
    復帰手段と、 を備え、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させる際の復
    帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づいて判
    定する復帰時運針方向判定手段を備えたことを特徴とす
    る計時装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の計時装置において、 前記復帰時運針方向判定手段は、前記表示指針の駆動に
    必要となる電力量がより少ない運針方向を前記復帰時運
    針方向とすることを特徴とする計時装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の計時装置において、 前記復帰時運針方向判定手段は、前記時刻表示を復帰さ
    せるまでに要する時間がより少ない運針方向を前記復帰
    時運針方向とすることを特徴とする計時装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるのに必
    要な前記表示指針の運針量に相当する運針角度R[゜]
    が、予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満である場
    合に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めること
    を特徴とする計時装置。 RRET=R+360×n[゜] (ただし、nは自
    然数)
  12. 【請求項12】 請求項8記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、時刻表示を復帰させるに際し、現
    在時刻に対応する秒針指針位置が節電モード中に秒針が
    停止していた指針位置に一致するまで前記秒針を前記指
    針位置に保持させておき、一致した時点において前記秒
    針の運針を開始させることを特徴とする計時装置。
  13. 【請求項13】 請求項8記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるのに必
    要な前記表示指針の運針量に相当する運針角度R[゜]
    が予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満であり、追
    加回転角度α[゜]とした場合に、復帰時運針角度RRE
    Tを次式のように定めて第1の方向に運針し、当該運針
    終了後、前記回転角度αだけ前記第1の方向とは逆の第
    2の方向に運針することを特徴とする計時装置。 RRET=R+α[゜]
  14. 【請求項14】 請求項8記載の計時装置において、 前記復帰時運針方向判定手段は、現時刻の指針位置と実
    際の前記表示指針の位置との差が所定角度以上をなして
    いる場合に、通常運針時の運針方向とは逆の運針方向を
    復帰時運針方向とすることを特徴とする計時装置。
  15. 【請求項15】 請求項8記載の計時装置において、 駆動対象の表示指針が互いに異なる複数の表示指針駆動
    手段を有し、 前記復帰時運針方向判定手段は、前記各々の表示指針駆
    動手段について復帰方向を判定することを特徴とする計
    時装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の計時装置において、 前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記複数の表示指針駆動手段のうち通常運針時の運
    針速度の遅い表示指針駆動手段を先に駆動させて時刻復
    帰させた後に通常運針時の運針速度が早い前記表示指針
    駆動手段を駆動させて時刻復帰させることを特徴とする
    計時装置。
  17. 【請求項17】 請求項8記載の計時装置において、 前記表示指針駆動手段として、時針及び分針を駆動する
    時分針駆動手段と、 秒針を駆動する秒針駆動手段と、を備え、 前記復帰時運針方向判定手段は、前記時分針駆動手段及
    び前記秒針駆動手段のそれぞれについて、復帰時運針方
    向を判定することを特徴とする計時装置。
  18. 【請求項18】 請求項8記載の計時装置において、 前記表示指針駆動手段としての、時針を駆動する時針駆
    動手段、分針を駆動する分針駆動手段および秒針を駆動
    する秒針駆動手段を備え、 前記復帰時運針方向判定手段は、前記時針駆動手段、分
    針駆動手段及び前記秒針駆動手段のそれぞれについて、
    復帰時運針方向を判定することを特徴とする計時装置。
  19. 【請求項19】 請求項1または請求項8記載の計時装
    置において、 前記電源手段は、電気エネルギーを蓄電する蓄電手段を
    備えたことを特徴とする計時装置。
  20. 【請求項20】 請求項1または請求項8記載の計時装
    置において、 前記電源手段は、第1のエネルギーを第2のエネルギー
    である電気エネルギーに変換し、発電を行う発電手段
    と、 前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、 を備えたことを特徴とする計時装置。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の計時装置において、 前記第1のエネルギーは、運動エネルギー、光エネルギ
    ー、熱エネルギー、圧力エネルギー、電磁波エネルギー
    のいずれかのエネルギーであることを特徴とする計時装
    置。
  22. 【請求項22】 請求項1または請求項8記載の計時装
    置において、 前記電源手段は、一次電池であることを特徴とする計時
    装置。
  23. 【請求項23】 請求項1または請求項8記載の計時装
    置において、 前記条件は、前記発電手段の発電状態あるいは前記電源
    手段の蓄電状態であることを特徴とする計時装置。
  24. 【請求項24】 請求項1または請求項8記載の計時装
    置において、 当該計時装置が携帯状態にあるか否かを検出する携帯状
    態検出手段を備え、 前記条件は、当該計時装置が携帯状態にあるか否かであ
    ることを特徴とする計時装置。
  25. 【請求項25】 電力を供給する電源装置と、前記電源
    装置から供給される電力を用いて対応する表示指針を駆
    動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数の表示指
    針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条
    件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部ごとに、対応
    する前記表示指針の駆動を停止する節電モード及び対応
    する前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切
    換制御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記
    憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方
    法において、 前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記
    節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動部によ
    り前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復
    帰過程を備え、 前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させるに際
    し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順
    番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作
    期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前記
    表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を
    行わせる時刻復帰制御過程を備えたことを特徴とする計
    時装置の制御方法。
  26. 【請求項26】 電力を供給する電源装置と、前記電源
    装置から供給される電力を用いて表示指針を駆動する表
    示指針駆動装置を有し、前記表示指針により時刻表示を
    行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づいて、前記
    表示指針の駆動を停止する節電モード、及び、前記表示
    指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制
    御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時
    間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法において、 前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記
    節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動装置に
    より前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻
    復帰過程を備え、 前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させる際の復
    帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づいて判
    定する復帰時運針方向判定過程を備えたことを特徴とす
    る計時装置の制御方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015222263A (ja) * 2015-07-28 2015-12-10 カシオ計算機株式会社 アナログ電子時計
JP2016044982A (ja) * 2014-08-20 2016-04-04 カシオ計算機株式会社 電子装置
JP7408489B2 (ja) 2020-06-03 2024-01-05 シチズン時計株式会社 時計

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