JP3551861B2 - 計時装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は時刻表示機能を備えた計時装置及びそれらの制御方法に関する。
【従来の技術】
本発明は計時装置及び計時装置の制御方法に係り、特に節電モードから通常モードに自動的に移行する機能を備えた計時装置およびその制御方法に関する。従来から、発電部と、電源部と、電力消費部とを備え、発電部において発電した電力を電源部に蓄電しておき、電源部に蓄電された電力を消費部において消費する構成を備えた計時装置が知られている。そのような計時装置において、計時装置の電力消費部が消費する電力を節減するため、電力を消費する駆動モードとは別に、消費電力を節約する節電モードを備え、ユーザの使用状態に応じて節電モードに切り換える機能を備えたものが知られている。
【0002】
前述のようなモードの切換機能を備えた応用技術として、ユーザの携帯時及び携帯時から一定時間は時刻表示モード(通常モード;駆動モード)で動作し、携帯時から一定時間経過すると節電モードに自動的に移行し、表示機能の駆動を部分的に停止し、蓄電されている電力の消費をセーブする機能を備えた腕時計装置が提案されている。以下、上記従来の腕時計装置を節電モードにおいて針が停止した状態から再び現在時刻を表示する時刻表示モード(通常モード)に復帰させる際の動作について説明する。
【0003】
従来、節電モードにおいて各針(時針、分針、秒針)が停止している状態から現在時刻を表示する時刻表示モードに復帰する際に、一般的には平常運針速度より早い回転速度で単一のモータを高速回転させて、全ての指針を同時に早送りして現在時刻に復帰させるという方法がとられていた。すなわち、指針を早送りする場合、時針、分針、秒針は、それぞれ節電モードで時刻表示を停止していた時間に回転すべきであった運針量だけ指針を早送りさせることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の携帯用腕時計では、運針動作を早送りするに際し、全ての針を同時に高速で駆動するため、通常の時刻表示を行う場合と比較して、消費電力が多くなる。このため、電池駆動を行っている腕時計装置においては、電源電圧が不安定となり、結果として時刻復帰機能が正常に作動しなくなるという不具合が生じることがあった。また、全ての針を単一のモータで駆動しているため、モータ時針の駆動電力も大きくなってしまうとともに、時刻復帰に時間がかかってしまうという問題点があった。
【0005】
前述のような問題点を解決するため、指針を複数のモータで駆動することが考えられるが、この場合複数のモータを同時に駆動すると消費電力が増大し、電源電圧が不安定になって時刻復帰機能が正常に作動しなくなる恐れが生じる。さらに、時刻復帰する際の運針量が少ない場合、時刻復帰したか否かををユーザが目視で確認することが困難であるという問題点もあった。
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、時刻表示復帰時の消費電力をより低減することができるとともに、時刻表示復帰が正常に行われたか否かをユーザが容易に確認することが可能な計時装置及び計時装置の制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の構成は、電力を供給する電源手段と、前記電源手段から供給される電力を用いて対応する表示指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数の表示指針により時刻表示を行う時刻表示手段と、予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モード及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御手段と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶手段と、前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動部により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰手段と、を備え、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前記表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を行わせる時刻復帰制御手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の構成は、請求項1記載の計時装置において、前記時刻復帰制御手段は、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間を排他的に設定することを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の構成は、請求項1記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針速度の遅い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が早い前記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させることを特徴としている。
【0009】
なお、請求項1記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針速度の早い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が遅い前記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させるようにしても良い。
【0010】
請求項4記載の構成は、請求項1記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記時分針駆動手段を前記秒針駆動手段よりも先に駆動させ、前記時分針の駆動終了後に前記秒針駆動手段を駆動させることを特徴としている。
【0011】
なお、請求項1記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の指針駆動部に対する駆動パルスの出力タイミングが重なり合わないタイミングで前記駆動パルスを出力して駆動する構成としても良い。
【0012】
請求項5記載の構成は、請求項1記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記時針駆動手段、前記分針駆動手段及び前記秒針駆動手段を
時針駆動手段→分針駆動手段→秒針駆動手段
の順番で排他的に駆動させることを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の構成は、電力を供給する電源手段と、前記電源手段から供給される電力を用いて表示指針を駆動する表示指針駆動手段を有し、前記表示指針により時刻表示を行う時刻表示手段と、予め定めた条件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止する節電モード、及び、前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御手段と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶手段と、前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動手段により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰手段と、を備え、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させる際の復帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づいて判定する復帰時運針方向判定手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項7記載の構成は、請求項6記載の計時装置において、前記復帰時運針方向判定手段は、前記表示指針の駆動に必要となる電力量がより少ない運針方向を前記復帰時運針方向とすることを特徴としている。
【0015】
請求項8記載の構成は、請求項6記載の計時装置において、前記復帰時運針方向判定手段は、前記時刻表示を復帰させるまでに要する時間がより少ない運針方向を前記復帰時運針方向とすることを特徴としている。
【0016】
なお、請求項6記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当する運針角度R[゜]が、予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満である場合に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めても良い。
RRET=R+360×n[゜] (ただし、nは自然数)
【0017】
なお、請求項6記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、時刻表示を復帰させるに際し、現在時刻に対応する秒針指針位置が節電モード中に秒針が停止していた指針位置に一致するまで前記秒針を前記指針位置に保持させておき、一致した時点において前記秒針の運針を開始させる構成であっても良い。
【0018】
また、請求項6記載の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当する運針角度R[゜]が予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満であり、追加回転角度α[゜]とした場合に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めて第1の方向に運針し、当該運針終了後、前記回転角度αだけ前記第1の方向とは逆の第2の方向に運針する構成であっても良い。
RRET=R+α[゜]
【0019】
さらにまた、請求項6記載の計時装置において、前記復帰時運針方向判定手段は、現時刻の指針位置と実際の前記表示指針の位置との差が所定角度以上をなしている場合に、通常運針時の運針方向とは逆の運針方向を復帰時運針方向とするようにしても良い。
【0020】
また、請求項6記載の計時装置において、駆動対象の表示指針が互いに異なる複数の表示指針駆動手段を有し、前記復帰時運針方向判定手段は、前記各々の表示指針駆動手段について復帰方向を判定する構成が望ましい。
【0021】
この望ましい構成の計時装置において、前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動手段のうち通常運針時の運針速度の遅い表示指針駆動手段を先に駆動させて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が早い前記表示指針駆動手段を駆動させて時刻復帰させることが好ましい。
【0022】
また、請求項6記載の計時装置において、前記表示指針駆動手段として、時針及び分針を駆動する時分針駆動手段と、秒針を駆動する秒針駆動手段と、を備え、前記復帰時運針方向判定手段は、前記時分針駆動手段及び前記秒針駆動手段のそれぞれについて、復帰時運針方向を判定するようにしても良い。
【0023】
さらにまた、請求項6記載の計時装置において、前記表示指針駆動手段としての、時針を駆動する時針駆動手段、分針を駆動する分針駆動手段および秒針を駆動する秒針駆動手段を備え、前記復帰時運針方向判定手段は、前記時針駆動手段、分針駆動手段及び前記秒針駆動手段のそれぞれについて、復帰時運針方向を判定する構成であっても良い。
【0024】
請求項9記載の構成は、請求項1または請求項6記載の構成において、前記電源手段は、電気エネルギーを蓄電する蓄電手段を備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項10記載の構成は、請求項1または請求項6記載の構成において、前記電源手段は、第1のエネルギーを第2のエネルギーである電気エネルギーに変換し、発電を行う発電手段と、前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、を備えたことを特徴としている。
【0026】
請求項11記載の構成は、請求項10記載の構成において、前記第1のエネルギーは、運動エネルギー、光エネルギー、熱エネルギー、圧力エネルギー、電磁波エネルギーのいずれかのエネルギーであることを特徴としている。
【0027】
なお、請求項1または請求項6記載の計時装置において、前記電源手段は、一次電池であることが好ましい。
【0028】
また、請求項1または請求項6記載の計時装置において、前記条件は、前記発電手段の発電状態あるいは前記電源手段の蓄電状態であることが好ましい。
【0029】
さらにまた、請求項1または請求項6記載の計時装置において、当該計時装置が携帯状態にあるか否かを検出する携帯状態検出手段を備え、前記条件は、当該計時装置が携帯状態にあるか否かであることが好ましい。
【0030】
請求項12記載の構成は、電力を供給する電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて対応する表示指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数の表示指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モード及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法において、前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動部により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前記表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を行わせる時刻復帰制御過程を備えたことを特徴としている。
【0031】
請求項13記載の構成は、電力を供給する電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて表示指針を駆動する表示指針駆動装置を有し、前記表示指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止する節電モード、及び、前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法において、前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動装置により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させる際の復帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づいて判定する復帰時運針方向判定過程を備えたことを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好適な実施形態について説明する。
[1] 実施形態の計時装置の概略構成
図1に実施形態の計時装置の概略構成を示す。
計時装置1は、腕時計であって、使用者は装置本体に連結されたベルトを手首に巻き付けて使用するようになっている。
本実施形態の計時装置1は、大別すると、交流電力を発電する発電部Aと、発電部Aからの交流電圧を整流するとともに昇圧した電圧を蓄電し、各構成部分へ電力を給電する電源部Bと、発電部Aの発電状態を検出する発電状態検出部91(図2参照)を有しその検出結果に基づいて装置全体を制御する制御部Cと、制御部Cからの制御信号に基づいて運針機構Eを駆動する駆動部Dと、各針を運針し時刻表示を行う時刻表示手段である運針機構Eと、を備えて構成されている。
【0033】
駆動部Dは、表示指針駆動手段である複数の副表示指針駆動手段として、秒用モータ10aと時分用モータ10b及び、秒用モータ10aを駆動する駆動部30と時分用モータ10bを駆動する駆動部31を備えて構成されている。尚、時刻表示手段である運針機構Eは前記各々のモータから各々の表示指針に駆動力を伝達する輪列50a及び50bと、伝達された駆動力によって駆動される各種表示指針である秒針61,分針62,時針63から成る。
この場合において、制御部Cは、発電部Aの発電状態に応じて、運針機構Eを駆動して時刻表示を行う表示モードと、運針機構Eへの給電を停止して電力を節電する節電モードとを切り換えられるようになっている。また、節電モードから表示モードへの移行は、ユーザが計時装置1を手に持ってこれを振り、強制的に発電を行うことにより切り換えられるようになっている。
以下、各構成部分について説明する。なお、制御部Cについては機能ブロック図を用いて後述する。
【0034】
[1.1]発電部
まず、発電部Aは、発電装置40、回転錘45および増速用ギア46を備えている。発電装置40としては、発電用ロータ43が発電用ステータ42の内部で回転し発電用ステータ42に接続された発電コイル44に誘起された電力を外部に出力できる電磁誘導型の交流発電装置が採用されている。また、回転錘45は、発電用ロータ43に運動エネルギーを伝達する手段として機能する。そして、この回転錘45の動きが増速用ギア46を介して発電用ロータ43に伝達されるようになっている。この回転錘45は、腕時計型の計時装置1では、ユーザの腕の動きなどを捉えて装置内で旋回できるようになっている。したがって、使用者の生活に関連したエネルギーを利用して発電を行い、その電力を用いて計時装置1を駆動できるようになっている。
【0035】
[1.2] 電源部
次に、電源部Bは、整流回路として作用するダイオード47、大容量コンデンサ48および昇降圧回路49から構成されている。なお、図1に示すように、発電部A側から順にリミッタ回路LM、整流回路(ダイオード47)、大容量コンデンサ48と配置する他、整流回路(ダイオード47)、リミッタ回路LM、大容量コンデンサ48の順番で配置するようにすることも可能である。
昇降圧回路49は、複数のコンデンサ49a、49bおよび49cを用いて多段階の昇圧および降圧ができるようになっており、制御部Cからの制御信号φ11によって駆動部Eに供給する電圧を調整することができる。また、昇降圧回路49の出力電圧はモニタ信号φ12によって制御部Cにも供給されており、これによって出力電圧をモニタできると共に、出力電圧の微小な増減によって発電部Aが発電を行っているか否か制御装置20で判断できるようにしている。ここで、電源部Bは、Vdd(高電圧側)を基準電位(GND)に取り、Vss(低電圧側)を電源電圧として生成している。
【0036】
[1.3] 運針機構
次に時刻表示手段として機能する運針機構Eについて説明する。
運針機構Eに用いられている秒用モータ10a,時分用モータ10bは、パルスモータ、ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用されている、パルス信号によって駆動されるモータである。近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは情報機器用のアクチュエータとして小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用されている。このような電子装置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置である。
秒用モータ10aは、駆動部30から供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル11aと、この駆動コイル11aによって励磁されるステータ12aと、さらに、ステータ12aの内部において励磁される磁界により回転するロータ13aを備えている。また、秒用モータ10aは、ロータ13aがディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ12aには、駆動コイル11aで発生した磁力によって異なった磁極がロータ13aの周りのそれぞれの相(極)15aおよび16aに発生するように磁気飽和部17aが設けられている。また、ロータ13aの回転方向を規定するために、ステータ12aの内周の適当な位置には内ノッチ18aが設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13aが適当な位置に停止するようにしている。
【0037】
秒針用モータ10aのロータ13aの回転は、かなを介してロータ13aに噛合された五番車51a、四番車52a、からなる輪列50aによって各針に伝達される。四番車52aの軸には秒針61が接続されている。ロータ13aの回転に連動してこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50aには、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続することももちろん可能である。
時分用モータ10bは、駆動部31から供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル11bと、この駆動コイル11bによって励磁されるステータ12bと、さらに、ステータ12bの内部において励磁される磁界により回転するロータ13bを備えている。また、時分用モータ10bは、ロータ13bがディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ12bには、駆動コイル11bで発生した磁力によって異なった磁極がロータ13bの周りのそれぞれの相(極)15bおよび16bに発生するように磁気飽和部17bが設けられている。また、ロータ13bの回転方向を規定するために、ステータ12bの内周の適当な位置には内ノッチ18bが設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13bが適当な位置に停止するようにしている。
【0038】
時分用モータ10bのロータ13bの回転は、かなを介してロータ13bに噛合された五番車51b、四番車52b、三番車53b、二番車54b、日の裏車55bおよび筒車56bからなる輪列50bによって各針に伝達される。二番車54bには分針62が接続され、さらに、筒車56bには時針63が接続されている。ロータ13bの回転に連動してこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50bには、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続することももちろん可能である。
【0039】
駆動部30は秒用モータ10aに,また駆動部31は時分用モータ10bに、それぞれ制御部Cの制御の基に様々な駆動パルスを供給する。駆動部30は、直列に接続されたpチャンネルMOS33aとnチャンネルMOS32a、およびpチャンネルMOS33bとnチャンネルMOS32bによって構成されたブリッジ回路を備えている。また、駆動部Eは、pチャンネルMOS33aおよび33bとそれぞれ並列に接続された回転検出用抵抗35aおよび35bと、これらの抵抗35aおよび35bにチョッパパルスを供給するためのサンプリング用のpチャンネルMOS34aおよび34bを備えている。したがって、これらのMOS32a、32b、33a、33b、34aおよび34bの各ゲート電極に制御部Cからそれぞれのタイミングで極性およびパルス幅の異なる制御パルスを印加することにより、駆動コイル11aに極性の異なる駆動パルスを供給したり、あるいは、ロータ13aの回転検出用および磁界検出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給することができるようになっている。
尚、駆動部31も駆動部30と同様の機構を備えている。
【0040】
[1−2:制御部]
次に、制御部Cの構成について図2を参照しつつ説明する。図2は、制御部Cとその周辺構成の機能ブロック図である。制御部Cは、パルス合成回路22、モード設定部90、時刻情報記憶部96、および駆動制御回路24を備えている。
まず、パルス合成回路22は、水晶振動子などの基準発振源21を用いて安定した周波数の基準パルスを発振する発振回路、基準パルスを分周して得た分周パルスと基準パルスとを合成してパルス幅やタイミングの異なるパルス信号を発生する合成回路から構成される。
次に、モード設定部90は、発電状態検出部91、発電状態の検出のために用いる設定値を切り換える設定値切換部95、大容量コンデンサ48の充電電圧Vcを検出する電圧検出回路92、発電状態に応じて動作モードを制御するとともに充電電圧に基づいて昇圧倍率を制御する中央制御回路93、および動作モードを記憶するモード記憶部94から構成される。
この場合において、動作モードとしては少なくとも、表示モードと節電モードとが設けられている。表示モードは、秒用モータ10a、時分用モータ10bを駆動して、秒針時分針を通常どおり運針して時刻表示を行うモードである。また節電モードは秒用モータ10a、時分用モータ10b等の通常運針に必要な回転を全て停止状態として節電を図るとともに、節電モードの経過時間等を計測する発振回路、カウンタ制御回路等は動作させておき、発振継続時間等の所定条件が満たされた時に表示モードへ移行させるためのモードである。
【0041】
この発電状態検出部91は、発電装置40の起電圧Vgenを設定電圧値Voと比較して発電が検出されたか否かを判断する第1の検出回路97と、設定電圧値Voよりもかなり小さな設定電圧値Vbas以上の起電圧Vgenが得られた発電継続時間Tgenを設定時間値Toと比較して発電が検出されたか否かを判断する第2の検出回路98とを備えており、第1および第2の検出回路97および98にいずれか一方の条件が満足すると、発電状態であると判断するようになっている。ここで、設定電圧値VoおよびVbasは、いずれもVdd(=GND)を基準としたときの負電圧であり、Vddからの電位差を示している。
【0042】
ここで、第1の検出回路97および第2の検出回路の構成について図3を参照して説明する。
図3において、まず、第1の検出回路97は、コンパレータ971、定電圧Vaを発生する基準電圧源972、定電圧Vbを発生する基準電圧源973、スイッチSW1、リトリガブルモノマルチ974から大略構成されている。
基準電圧源972の発生電圧値は、表示モードにおける設定電圧値Vaとなっており、一方、基準電圧源973の発生電圧値は、節電モードの設定電圧値Vbとなっている。基準電圧源972,973は、スイッチSW1を介してコンパレータ971の正入力端子に接続されている。このスイッチSW1は、設定値切換部95によって制御され、表示モードにおいて基準電圧源972を、節電モードにおいて基準電圧源973をコンパレータ971の正入力端子に接続する。また、コンパレータ971の負入力端子には、発電部Aの起電圧Vgenが供給されている。したがって、コンパレータ971は、起電圧Vgenを設定電圧値Vaまたは設定電圧値Vbと比較し、起電圧Vgenがこれらを下回る場合(大振幅の場合)には“H”レベルとなり、起電圧Vgenがこれらを上回る場合(小振幅の場合)には“L”レベルとなる比較結果信号を生成する。
【0043】
次に、リトリガブルモノマルチ974は、比較結果信号が“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる際に発生する立上エッジでトリガされ、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、所定時間が経過した後に“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる信号を生成する。また、リトリガブルモノマルチ974は、所定時間が経過する前に再度トリガされると、計測時間をリセットして新たに時間計測を開始するように構成されている。
次に、第1の検出回路97の動作を説明する。
現在のモードが表示モードであるとすれば、スイッチSW1は基準電圧源972を選択し、設定電圧値Vaをコンパレータ971に供給する。すると、コンパレータ971は設定電圧値Vaと起電圧Vgenとを比較して、比較結果信号を生成する。この場合、リトリガブルモノマルチ974は、比較結果信号の立ち上がりエッジに同期して、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。
【0044】
一方、現在のモードが節電モードであるとすれば、スイッチSW1は基準電圧源973を選択し、設定電圧値Vbをコンパレータ971に供給する。この例では、起電圧Vgenは設定電圧値Vbを越えないので、リトリガブルモノマルチ974にトリガが入力されない。したがって、電圧検出信号Svはローレベルを維持することになる。
このように第1の検出回路97では、モードに応じた設定電圧値VaまたはVbと起電圧Vgenとを比較することによって、電圧検出信号Sを生成している。
図3において、第2の検出回路98は、積分回路981、ゲート982、カウンタ983、デジタルコンパレータ984およびスイッチSW2から構成されている。
まず、積分回路981はMOSトランジスタ2、コンデンサ3、プルアップ抵抗4、インバータ回路5及びインバータ回路5’から構成されている。
【0045】
起電圧VgenがMOSトランジスタ2のゲートに接続されており、起電圧VgenによってMOSトランジスタ2はオン、オフ動作を繰り返し、コンデンサ3の充電を制御する。スイッチング手段を、MOSトランジスタで構成すればインバータ回路5も含めて、積分回路981は安価なCMOS−ICで構成できるが、これらのスイッチング素子、電圧検出手段はバイポーラトランジスタで構成しても構わない。プルアップ抵抗4は、コンデンサ3の電圧値V3を非発電時にVss電位に固定するとともに、非発電時のリーク電流を発生させる役割がある。これは数十から数百MΩ程度の高抵抗値であり、オン抵抗が大きなMOSトランジスタでも構成可能である。コンデンサ3に接続されたインバータ回路5によりコンデンサ3の電圧値V3を判定し、さらにインバータ回路5の出力を反転することにより検出信号Voutを出力する。ここで、インバータ回路5の閾値は、第1の検出回路97で用いられる設定電圧値Voよりもかなり小さな設定電圧値Vbasとなるように設定されている。
【0046】
ゲート982には、パルス合成回路22から供給される基準信号と検出信号Voutが供給されている。したがって、カウンタ983は検出信号Voutがハイレベルの期間、基準信号をカウントする。このカウント値はデジタルコンパレータ983の一方の入力に供給される。また、デジタルコンパレータ983の他方の入力には、設定時間に対応する設定時間値Toが供給されるようになっている。ここで、現在のモードが表示モードである場合にはスイッチSW2を介して設定時間値Taが供給され、現在のモードが節電モードである場合にはスイッチSW2を介して設定時間値Tbが供給されるようになっている。なお、スイッチSW2は、設定値切換部95によって制御される。
デジタルコンパレータ984は、検出信号Voutの立ち下がりエッジに同期して、その比較結果を発電継続時間検出信号Stとして出力する。発電継続時間検出信号Stは、設定時間を越えた場合に“H”レベルとなり、一方、設定時間を下回った場合に“L”レベルとなる。
【0047】
次に、第2の検出回路98の動作を説明する。発電部Aによって交流電力の発電が始まると、発電装置40は、ダイオード47を介して起電圧Vgenを生成する。
発電が始まり起電圧Vgenの電圧値がVddからVssへ立ち下がるとMOSトランジスタ2がオンして、コンデンサ3の充電が始まる。V3の電位は、非発電時はプルアップ抵抗4によってVss側に固定されているが、発電が起こり、コンデンサ3の充電が始まるとVdd側に上がり始める。次に起電圧Vgenの電圧がVssへ増加に転じ、MOSトランジスタ2がオフすると、コンデンサ3への充電は止まるが、V3の電位はコンデンサ3によってそのまま保持される。 以上の動作は、発電が持続されている間、繰り返され、V3の電位はVddまで上がっていき安定する。V3の電位がインバータ回路5の閾値より上がると、インバータ回路5’の出力である検出信号Voutが“L”レベルから“H”レベルに切り替わり、発電の検出ができる。発電検出までの応答時間は、電流制限抵抗を接続したり、MOSトランジスタの能力を変えてコンデンサ3への充電電流の値を調整したり、またコンデンサ3の容量値を変えることによって任意に設定できる。
【0048】
発電が停止すると起電圧VgenはVddレベルで安定するため、MOSトランジスタ2はオフした状態のままとなる。V3の電圧はコンデンサ3によってしばらくは保持され続けるが、プルアップ抵抗4によるわずかなリーク電流によってコンデンサ3の電荷が抜けるため、V3はVddからVssへ徐々に下がり始める。そしてV3がインバータ回路5の閾値を越えるとインバータ回路5’の出力である検出信号Voutは“H”レベルから“L”レベルに切り替わり、発電がされていないことの検出ができる。この応答時間はプルアップ抵抗4の抵抗値を変え、コンデンサ3のリーク電流を調整することで任意に設定可能である。
この検出信号Voutがゲート982によって基準信号でゲートされると、これをカウンタ983がカウントする。このカウント値は、デジタルコンパレータ984によって、設定時間に対応する値とタイミングT1で比較される。ここで、検出信号Voutのハイレベル期間Txが設定時間値Toよりも長いならば、発電継続時間検出信号Stは、“L”レベルから“H”レベルに変化する。
【0049】
さてここで、発電用ロータ43の回転速度の違いによる起電圧Vgenおよび該起電圧Vgenに対する検出信号Voutを説明する。
起電圧Vgenの電圧レベルおよび周期(周波数)は、発電用ロータ43の回転速度に応じて変化する。すなわち、回転速度が大きいほど、起電圧Vgenの振幅は大となり、かつ周期が短くなる。このため、発電用ロータ43の回転速度、すなわち発電装置40の発電の強さに応じて、検出信号Voutの出力保持時間(発電継続時間)の長さが変化することになる。すなわち、発電用ロータ43の回転速度が小さい場合、すなわち、発電が弱い場合には、出力保持時間はtaとなり、発電用ロータ43の回転速度が大きい場合、すなわち、発電が強い場合には、出力保持時間はtbとなる。両者の大小関係は、ta<tbである。このように、検出信号Voutの出力保持時間の長さによって、発電装置40の発電の強さを知ることができる。
【0050】
この場合において、設定電圧値Voおよび設定時間値Toは、設定値切換部95によって切換制御できるようになっている。設定値切換部95は、表示モードから節電モードに切り換わると、発電検出回路91の第1および第2の検出回路97および98の設定値VoおよびToの値を変更する。本例においては、表示モードの設定値VaおよびTaとして、節電モードの設定値VbおよびTbよりも低い値がセットされるようになっている。したがって、節電モードから表示モードへ切り換えるためには、大きな発電が必要とされる。ここで、その発電の程度は、計時装置1を通常携帯して得られる程度では足らず、ユーザが手振りによって強制的に充電する際に生じる大きなものである必要がある。換言すれば、節電モードの設定値VbおよびTbは手振りによる強制充電を検出できるように設定されている。 また、中央制御回路93は、第1および第2の検出回路97および98で発電が検出されない非発電時間Tnを計測する非発電時間計測回路99を備えており、非発電時間Tnが所定の設定時間以上継続すると表示モードから節電モードに移行するようになっている。
【0051】
一方、節電モードから表示モードへの移行は、発電状態検出部91によって、発電部Aが発電状態にあることが検出され、かつ、大容量コンデンサ48の充電電圧VCが十分であるという条件が整うと実行される。
ところで、この例の電源部Bは昇降圧回路49を備えているため、充電電圧VCがある程度低い状態でも昇降圧回路49を用いて電源電圧を昇圧することにより、運針機構Dを駆動することが可能である。そこで、中央制御回路93は、充電電圧VCに基づいて昇圧倍率を決定し、昇降圧回路49を制御している。
しかし、充電電圧VCがあまりに低いと、昇圧しても運針機構Eを動作させることができる電源電圧を得ることができない。そのような場合に、節電モードから表示モードに移行すると、正確な時刻表示を行うことができず、また、無駄な電力を消費してしまうことになる。そこで、この例にあっては、充電電圧VCを予め定められた設定電圧値Vcと比較することにより、充電電圧VCが十分であるか否かを判断し、これを節電モードから表示モードへ移行するための一条件としている。
【0052】
こうして設定されたモードは、モード記憶部94に記憶され、その情報が駆動制御回路24、時刻情報記憶部96および設定値切換部95に供給されている。駆動制御回路24においては、表示モードから節電モードに切り換わると、駆動部Eに対しパルス信号を供給するのを停止し、駆動部Eの動作を停止させる。これにより、秒用モータ10aおよび時分用モータ10bは回転しなくなり、時刻表示は停止する。
時刻情報記憶部96は、カウンタとメモリで構成されており(図示せず)、表示モードから節電モードに切り換わると、パルス合成回路22によって生成された基準信号を受けて時間計測を開始し、節電モードから表示モードに切り換わると、時間計測を終了するようになっている。これにより、節電モードの継続時間が計測されることになる。ここで、節電モードの継続時間はメモリに記憶されるようになっている。また、節電モードから表示モードに切り換わると、前記カウンタを用いて駆動制御回路24から駆動部Dに供給される早送りパルスをカウントし、そのカウント値が節電モードの継続時間に応じた値になると、早送りパルスの送出を停止するための制御信号を生成し、これを駆動部Dに供給している。したがって、時刻情報記憶部96は、再表示された時刻表示を現時刻に復帰させる機能も備えている。なお、カウンタとメモリの内容は、表示モードから節電モードに切り換わる時にリセットされるようになっている。
【0053】
次に、駆動制御回路24は、パルス合成回路22から出力される各種のパルスに基づいて、モードに応じた駆動パルスを生成する。まず、節電モードにあっては、駆動パルスの供給を停止する。次に、節電モードから表示モードへの切換が行われた直後には、再表示された時刻表示を現時刻に復帰させるために、パルス間隔が短い早送りパルスを駆動パルスとして駆動部Eに供給する。次に、早送りパルスの供給が終了した後には、通常のパルス間隔の駆動パルスを駆動部Eに供給する。
【0054】
次に図4を参照して現時刻復帰機能を実現するための現時刻復帰部の構成について説明する。
現時刻復帰部300は、1秒あたり1パルスのパルス信号φ1、10秒あたり1パルスのパルス信号φ1/10、1秒あたり32パルスのパルス信号φ32、1秒あたり256パルスのパルス信号φ256を生成し出力するパルス合成回路22を備えている。
このうち、パルス信号φ1は、通常動作モード時に秒針を駆動させるために用いられ、パルス信号φ1/10は、通常動作モード時に時分針を駆動させるために用いられる。
【0055】
また、パルス信号φ32は、現時刻復帰時に秒針を早送りパルスで駆動させるために用いられ、パルス信号φ256は、現時刻復帰時に時分針を早送りパルスで駆動させるために用いられる。
また、現時刻復帰部300は、時刻情報記憶部96と、駆動制御回路24と、駆動部31と、駆動部30と、時分モータ10bと、秒モータ10aと、を含んで構成される。
さらに、現時刻復帰部300は、一方の入力端子にパルス信号φ1/10が入力され、他方の入力端子に後述のOR回路330から出力される時分カウント信号SCHMが入力され、時刻情報記憶部におけるアップダウンカウンタである時分差分カウンタ(時分針における現在時刻と停止状態で表示されている時刻との差分をカウント)301のアップカウントを行わせるための信号を出力するAND回路302と、時分差分カウンタ301のカウント値が0であるか否か、すなわち、時分針における現在時刻と表示時刻とが一致しているか否かを検出するゼロ検出部303と、ゼロ検出部303の反転出力が第1の入力端子に入力され、時分現時刻復帰制御信号SRETHMが第2の入力端子に入力され、パルス信号φ256が第3の入力端子に入力されて、現時刻復帰動作時に時分差分カウンタ301のダウンカウントを行わせるための信号を出力するAND回路304と、一方の入力端子にパルス信号φ1/10が入力され、他方の入力端子にゼロ検出部303の出力が入力されるAND回路305と、一方の入力端子にAND回路304の出力信号が入力され、他方の入力端子にゼロ検出部303の反転出力が入力されるAND回路306と、AND回路305の出力であるパルス信号φ1/10(通常動作モード時)あるいはAND回路306の出力であるパルス信号φ256(現時刻復帰動作時)のいずれか一方を排他的に出力するOR回路307と、を備えて構成されている。
【0056】
さらに、現時刻復帰部300は、一方の入力端子にパルス信号φ1が入力され、他方の後述のOR回路331から出力される秒カウント信号SCSCが入力され、時刻情報記憶部におけるアップダウンカウンタである秒差分カウンタ(秒針における現在時刻と停止状態で表示されている時刻との差分をカウント)311のアップカウントを行わせるための信号を出力するAND回路312と、秒差分カウンタ311のカウント値が0であるか否か、すなわち、秒針における現在時刻と表示時刻とが一致しているか否かを検出するゼロ検出部313と、ゼロ検出部313の反転出力が第1の入力端子に入力され、秒現時刻復帰制御信号SRETSが第2の入力端子に入力され、パルス信号φ32が第3の入力端子に入力されて、現時刻復帰動作時に秒差分カウンタ311のダウンカウントを行わせるための信号を出力するAND回路314と、一方の入力端子にパルス信号φ1が入力され、他方の入力端子にゼロ検出部313の出力が入力されるAND回路315と、一方の入力端子にAND回路314の出力信号が入力され、他方の入力端子にゼロ検出部313の反転出力が入力されるAND回路316と、AND回路315の出力であるパルス信号φ1(通常動作モード時)あるいはAND回路316の出力であるパルス信号φ32(現時刻復帰動作時)のいずれか一方を排他的に出力するOR回路317と、を備えて構成されている。
【0057】
さらに現時刻復帰部300は、ゼロ検出部303及びゼロ検出部313の両出力が入力され、ゼロ検出信号S0を出力するAND回路320と、一方の入力端子に時分現時刻復帰制御信号SRETHMが入力され、他方の入力端子に節電モード制御信号SPSが入力され、両制御信号の論理和をとって時分カウント信号SCHMを出力するOR回路330と、一方の入力端子に秒現時刻復帰制御信号SRETSが入力され、他方の入力端子に節電モード制御信号SPSが入力され、両制御信号の論理和をとって秒カウント信号SCSCを出力するOR回路331と、を備えて構成されている。
【0058】
次に概要動作を説明する。
以下の説明においては、説明の簡略化のため、時分現時刻復帰制御信号SRETHM及び秒現時刻復帰制御信号SRETSを一つの現時刻復帰制御信号SRETとして説明するが、実際には、時分現時刻復帰制御信号SRETHM及び秒現時刻復帰制御信号SRETSは互いに異なるタイミングで遷移するため、異なるタイミングで時刻復帰がなされる。
また、節電モード制御信号SPSは、OR回路330を介して時分現時刻復帰制御信号SRETHMとの論理和がとられてAND回路302に出力され、あるいは、OR回路331を介して秒現時刻復帰制御信号SRETSとの論理和がとられてAND回路312に出力されるので、時刻復帰中に経過した時間についても時分差分カウンタ301あるいは秒差分カウンタ311がカウントアップされるため、現時刻復帰動作中の時間経過も考慮して時刻復帰を行うことができるようになっている。
【0059】
モード記憶部94から“L”レベルの節電モード制御信号SPS及び現時刻復帰制御信号SRET(=時分現時刻復帰制御信号SRETHM+秒現時刻復帰制御信号SRETS)が出力されている場合には、AND回路302、AND回路304、AND回路312及びAND回路314は、全て“L”レベルの出力信号を出力することとなる。
すなわち、AND回路305及びOR回路307を介してパルス信号φ1/10が駆動部31に出力され、駆動部31は、時分モータ10bを駆動し、10秒ごとに時分針を駆動することとなり、AND回路315及びOR回路317を介してパルス信号φ1が駆動部30に出力され、駆動部30は、秒モータ10aを駆動し、1秒ごとに秒針を駆動することとなる。
また、モード記憶部94から“H”レベルの節電モード制御信号SPSが出力されている場合には、AND回路302は、時分差分カウンタ301をアップカウントさせるべくパルス信号φ1/10を出力し、時分差分カウンタ301は、時分針における現在時刻と停止状態で表示されている時刻との差分をカウントすることとなる。
【0060】
このとき、ゼロ検出部303の出力は“L”レベルであり、現時刻復帰制御信号SRET(=時分現時刻復帰制御信号SRETHM+秒現時刻復帰制御信号SRETS)も“L”レベルであるので、アンド回路304、AND回路305及びAND回路306の出力は全て“L”レベルとなり、駆動部31には信号は出力されないこととなり、時分針は停止することとなる。
同様にAND回路312は、秒差分カウンタ311をアップカウントさせるべくパルス信号φ1を出力し、秒差分カウンタ311は、秒針における現在時刻と停止状態で表示されている時刻との差分をカウントすることとなる。
このとき、ゼロ検出部313の出力は“L”レベルであり、現時刻復帰制御信号SRETも“L”レベルであるので、アンド回路314、AND回路315及びAND回路316の出力は全て“L”レベルとなり、駆動部30には信号は出力されないこととなり、秒針は停止することとなる。
【0061】
“H”レベルの現時刻復帰制御信号SRETが出力された時点では、ゼロ検出部303の出力は“L”レベルであるので、その反転出力は“H”レベルとなりAND回路304は、時分差分カウンタ302をダウンカウントさせるべくパルス信号φ256を出力するとともに、AND回路306にパルス信号φ256を出力する。
なお、現時刻復帰中もダウンカウント中のパルス信号φ1/10のタイミングでカウントアップを行うことで、現時刻復帰中の現在時刻経過も含めた現時刻復帰が可能となる。
この結果、AND回路306は、パルス信号φ256を駆動部31に出力し、駆動部31は、時分モータ10bを駆動し、1/256秒ごとに時分針を駆動することとなる。
【0062】
そしてゼロ検出部303の出力が“H”レベルとなると、時分針の表示時刻は現在時刻と一致することとなり、再びAND回路305及びOR回路307を介してパルス信号φ1/10が駆動部31に出力され、駆動部31は、時分モータ10bを駆動し、10秒ごとに時分針を駆動することとなる。
一方、AND回路312の出力は“L”レベルとなる。また、“H”レベルの現時刻復帰制御信号SRETが出力された時点では、ゼロ検出部313の出力は“L”レベルであるので、その反転出力は“H”レベルとなりAND回路314は、時分差分カウンタ312をダウンカウントさせるべくパルス信号φ32を出力するとともに、AND回路316にパルス信号φ32を出力する。
この結果、AND回路316は、パルス信号φ32を駆動部30に出力し、駆動部30は、秒モータ10aを駆動し、1/32秒ごとに秒針を駆動することとなる。
そしてゼロ検出部303の出力が“H”レベルとなると、秒針の表示時刻は現在時刻と一致することとなり、再びAND回路315及びOR回路317を介してパルス信号φ1が駆動部30に出力され、駆動部30は、秒モータ10aを駆動し、1秒ごとに秒分針を駆動することとなる。
【0063】
[2] 各実施形態の概略動作
次に図5を参照しながら本発明における実施形態の動作の概略を説明する。
本発明における実施形態の動作は、携帯用腕時計のモードが節電モードから時刻表示モードに移行する際に行う時刻復帰機能の動作である。時刻復帰機能の動作は、各針とも時刻表示モードにおける通常運針速度より早い早送り速度で行われ、復帰する時刻と現在時刻との間に大きなずれが生じない程度の短時間に行われる。時刻復帰機能における動作順序の概略は、節電モードが解除された時点がスタートとなり、節電モードの経過時間の値に基づいて、最初に時針と分針と早送りして時刻復帰させる(S10)。次に同様にして節電モードの経過時間の秒の値に基づいて秒針を早送りさせて現在時刻に復帰させる(S20)。各針が現在時刻に復帰した時点で通常運針に移行(S30)し、以後通常運針速度で運針され正確な現在時刻を持続的に表示する。
【0064】
[3] 第1実施形態
本第1実施形態は、時分用モータと秒用モータとを独立に駆動させることができるので、消費電力の節減のため、時分の時刻表示を秒用モータより高速で回転する時分用モータで復帰させた後、秒の時刻表示を秒用モータで復帰させることを特徴とする。
また、時計回りに針を回転させて時刻復帰を行う正転運針と、反時計回りに針を回転させて時刻復帰を行う逆転運針とのどちらの運針方向の方が時刻復帰にかかる電力消費量が少なくなるかを制御部の制御のもとに判定する駆動方向判定部200を備えていることを特徴としている。
ここで、駆動方向判定部200は、カウンタ及び論理ゲートで構成されるカウンタ状態判別装置を備えており、カウンタの状態より時刻復帰させる際の復帰時運針方向を決定する。
【0065】
[3.1] 第1実施形態の動作
次に第1実施形態の動作を節電モードから時刻表示モードに移行して、各針を早送りで運針させて現在時刻に復帰させ、時刻復帰した後は通常運針で常に正確な現在時刻を表示させる際の動作を例として説明する。
図6に第1実施形態の動作フローチャートを示す。
この場合において、時刻表示機能が停止し、時刻情報記憶部96が節電モード経過時間の計測を開始する表示停止時刻が22時08分42秒(ただし、各針が表示する時刻は10時08分42秒の表示状態と同じ)であり、時刻表示機能が復帰する表示復帰時刻が翌日の08時18分43秒である場合を例として説明を行う。
【0066】
節電モードは、電圧検出回路92が充分な起電力が検出し、電源部Bの充電電圧VCが十分に充電されている場合に解除され、節電モードが解除される。
ステップS11においては、節電モードが解除されると、時刻情報記憶部96でカウントされている節電モード経過時間に基づき、時計回り(正転運針)で針を早送りさせて時刻復帰した場合に必要となるエネルギーEcwと、反時計回り(逆転運針)で針を回転させて時刻復帰する場合に必要となるエネルギーEccwとを駆動方向判定部200で算出し、Ecw<Eccwであるか否かを判定する。より具体的には、時刻情報記憶部96でカウントされている節電モード経過時間(上述の例の場合、10時間10分01秒)に基づき、時計回り(正転運針)で10時間10分01の間に回転すべきであった運針量だけ時分モータを早送りさせるのに必要となるエネルギーEcwと、反時計回り(逆転運針)で01時間49分59秒に相当する運針量だけ時分モータを早送りさせるのに必要なエネルギーEccwとを駆動方向判定部200で算出し、Ecw<Eccwであるか否かを判定する。
【0067】
この場合において、一般的には、正転運針と逆転運針とでは同じ運針量に対する消費エネルギーが違うため単純に運針量の大小から判断する訳にはいかず、実際には、駆動方向判定部200での判定は、例えば、図6に示すような節電モード経過時間に対応したエネルギー消費量の比較判定を行っている。
上述の例においては、同じ運針量回転させる場合、逆転運針の場合は正転運針の場合に比べて約3倍の消費電力を必要とする場合を想定している。
ステップ11における駆動方向判定部200での判定がYesの場合、すなわち、
Ecw<Eccw
である場合には、ステップ12において時分モータを時計回り(正転)に回転させて現在時刻に復帰させ、ステップ21に移行する。
一方、ステップ11における駆動方向判定部200での判定がNoの場合、すなわち、
Ecw≧Eccw
である場合には、ステップ13において時分モータを反時計回り(逆転)に回転させて現在時刻に復帰させてステップ21に移行する。
【0068】
上述の例の場合は図7に示されているようなYes/No判定テーブルにおいて節電時間の経過時間(10時間10分01秒)からNoと判定されるため、S13移行して時分モータを逆転で回転させて現時刻に復帰する。
次に、ステップ21において、秒針の復帰時刻と停止時刻との時刻差Tsがユーザが時刻復帰動作の様子を確認することができるしきい時間Tr未満、つまり
Ts<Tr
であるか否かが判定される。ここで、しきい時間Trは例えばTr=10sec等の値に予め設定しておく。
ステップ21における判定がNoの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr以上である場合には、処理を後述するステップS23に移行する。
ステップ21における判定がYesの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合には、処理をステップ22に移行し、Ts=Ts+60secにセットされる。
ステップ23においては秒モータ10aをTsだけ正転運針する。
以上の処理の完了後、腕時計は通常運針に移行して現在時刻に復帰した後に通常の運針を開始する。
これにより、ユーザーは表示された正確な現在時刻を知ることができる。
【0069】
[3.1.1]第1実施形態の変形例
上記説明においては、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合には、Ts=Ts+60secにセットされる構成となっていたがより一般的には、復帰時運針角度R[゜]が、予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満である場合に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めることができる。
RRET=R+360×n[゜] (ただし、nは自然数)
【0070】
[3.2] 第2実施形態
上記第1実施形態においては、節電モード経過時間に基づき、時計回り(正転運針)で針を早送りさせて時刻復帰した場合に必要となるエネルギーEcwと、反時計回り(逆転運針)で針を回転させて時刻復帰する場合に必要となるエネルギーEccwとを比較して制御を行っていたが、本第2実施形態は、時計回り(正転運針)で針を早送りさせて時刻復帰した場合に要する復帰時間と、反時計回り(逆転運針)で針を回転させて時刻復帰する場合に要する時間とを比較して制御を行う場合の実施形態である。
尚、図6に示される前記実施形態の動作の時針・分針復帰過程に対応するステップS11を図8のステップS11’に示す過程に置き換えてもよい。ステップS11をステップS11’に置き換えた場合、節電モードの経過時間に基づいて、時計回り(正転運針)で針を早送りさせて時刻復帰した場合にかかる復帰時間(Tcw):(時計回り(正転運針)で10時間10分(01秒)の間に回転すべきであった運針量だけ時分モータ10bを早送りさせるのにかかる復帰時間)と、反時計回り(逆転運針)で針を回転させて時刻復帰する場合にかかる復帰時間(Tccw):(反時計回り(逆転運針)で01時間49分59秒だけ時分モータ10bを早送りさせるのにかかる復帰時間)とを駆動方向判定部200で算出し、Tcw<Tccwであるか否かが判定される。
【0071】
ステップ11’における駆動方向判定部200での判定がYesの場合、すなわち、
Tcw<Tccw
である場合には、ステップ12において時分モータ10bを時計回り(正転)に回転させて現在時刻に復帰させ、ステップ21に移行する。
一方、ステップ11’における駆動方向判定部200での判定がNoの場合、すなわち、
Tcw≧Tccw
である場合には、ステップ13において時分モータ10bを反時計回り(逆転)に回転させて現在時刻に復帰させてステップ21に移行する。
実際には、駆動方向判定部200での判定は、例えば図9に示されているような、節電モード経過時間に対応した復帰時間の比較判定を行っている(本実施形態の参考例においては、時計回り(正転運針)と反時計回り(逆転運針)の場合とで同じ運針量に係る経過時間が等しい場合を考えた例を示している)。
上述の例においては、節電時間の経過時間(10時間10分01秒)から図9のYes/No判定テーブルを参照するとNOと判定される(ステップS11)ので、ステップ13に移行して逆転運針で時刻復帰が行われ、ステップ21に移行する。以下の秒針復帰過程におけるステップの動作は第1実施形態と同様である。
【0072】
[3.3] 第3実施形態
本第3実施形態は、図6に示される前記第1実施形態のステップS22〜S23までの秒針復帰過程のステップを図10に示されるステップS22’〜ステップS24までのステップに置き換えた場合の実施形態である。
尚、スタートからステップ21に至る過程は第1実施形態と同様であるので、以下、ステップS21の動作から説明する。
ステップ21においては、秒針の復帰時刻と停止時刻との時刻差Tsがしきい時間Tr未満であるか否かが判定される。ステップ21における判定がNoの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr以上である場合には、処理を後述するステップS23に移行する。ステップ21における判定がYesの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合には、処理をステップ22’に移行し、Ts=Ts+30secにセットされる。ステップ23においては秒用モータ10aをTsだけ正転運針する。この時点で秒針は現在時刻より30秒だけ進んだ時刻を表示している。次にステップ24に移行し、30秒間だけ秒針の通常運針への移行を遅らせて停止させておく。以上の処理の完了後、前記30秒が経過した後に秒針は通常運針に移行して現在時刻に復帰し通常の運針を開始する。
これにより、ユーザーは表示された正確な現在時刻を知ることができる。
尚、本実施形態の時針分針復帰過程に相当するステップ11を図8に示された前記第2実施形態におけるステップ11’に置き換えてもよい。
【0073】
[3.4] 第4実施形態
本第4実施形態は、図6に示される前記第1実施形態のステップS22〜S23のステップを図11に示されるステップS22’〜ステップS24’までのステップに置き換えた場合の実施形態である。
尚、スタートからステップ21に至る過程は第1実施形態と同様であるので、以下、ステップS21の動作から説明する。
ステップ21においては、秒針の復帰時刻と停止時刻との時刻差Tsがしきい時間Tr未満であるか否かが判定される。ステップ21における判定がNoの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr以上である場合には、処理を後述するステップS23’に移行する。ステップ21における判定がYesの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合には、処理をステップ22’に移行し、Ts=Ts+30secにセットされる。ステップ23’においては秒モータをTsだけ正転運針する。この時秒針は現在時刻より30秒だけ進んだ時刻を表示している。次にステップ24’に移行し、秒針を30秒に相当する運針角度、すなわち180度だけ秒針を逆転運針させる。
以上の処理の完了後、秒針は通常運針に移行して現在時刻に復帰した後に通常の運針を開始する。これにより、ユーザーは表示された正確な現在時刻を知ることができる。
【0074】
[3.4.1]第4実施形態の変形例
尚、本実施形態の時針分針復帰過程に相当するステップ11を図8に示された前記第2実施形態におけるステップ11’に置き換えてもよい。
尚、、前記発電部の発電機構の具体的なものとしては電磁誘導型発電器、太陽電池、熱発電素子、ピエゾ素子、浮遊電磁波送信(放送・通信電波を利用した電磁誘導型発電)」等の組合せが考えられる。また、発電機構の数も1つに限定されず、2つ以上の発電機構が並存していてもかまわない。
上記説明では、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合には、Ts=Ts+30secにセットし、その後30sec分だけ逆転運針を行っていたが、一般的には、時刻差Tsの間の運針量に相当する運針角度R[゜]が予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満であり、追加回転角度α[゜]とした場合に、復帰時運針角度RRETを、RRET=R+α[゜]のように定めて第1の方向に運針し、当該運針終了後、前記回転角度αだけ前記第1の方向とは逆の第2の方向に運針するようにしてもよい。
【0075】
[3.5] 第5実施形態
本第5実施形態は、図6に示される前記第1実施形態のステップS22〜S23のステップを図12に示されるステップS22”〜ステップS23”のステップに置き換えた場合の実施形態である。
尚、スタートからステップ21に至る過程は第1実施形態と同様であるので、以下、ステップS21の動作から説明する。
ステップ21においては、秒針の復帰時刻と停止時刻との時刻差Tsがしきい時間Tr未満であるか否かが判定される。ステップ21における判定がNoの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr以上である場合には、処理を後述するステップS23”に移行する。ステップ21における判定がYesの場合、すなわち、時刻差Tsがしきい時間Tr未満である場合には、処理をステップ22”に移行し、Ts=60−Tssecにセットされる。
ステップ23”においては、秒モータをTsだけ停止し、現在時刻と秒針位置とを一致させる。
以上の処理の完了後、秒針は通常運針に移行して通常の運針を開始する。これにより、ユーザーは表示された正確な現在時刻を知ることができる。
【0076】
[3.6] 第6実施形態
以上の各実施形態においては、時刻復帰を行うに際し、時分駆動パルスあるいは秒駆動パルスのいずれか一方の出力終了後に、他方の駆動パルスを出力する構成となっていたが、本第6実施形態は、時分駆動パルスと秒駆動パルスとを両者の出力タイミングが重なり合わないように、交互に出力するようにした実施形態である。
図13に第6実施形態における駆動パルスの出力状態のタイミングチャートを示す。
図13に示すように、本第6実施形態においては、まず、時刻t1〜時刻t2の期間に時分駆動パルスPHM1を出力する。
そして、時分駆動パルスPHM1の出力が完全に終了した時刻t3のタイミングで、秒駆動パルスPS1の出力を開始し、時刻t4のタイミングまでに秒駆動パルスPS1の出力を終了する。
その後、秒駆動パルスPS1の出力が完全に終了した時刻t5のタイミングで、次の時分駆動パルスPHM2の出力を開始する。
以下、同様にして、時分駆動パルスと秒駆動パルスを両者の出力タイミングが重なり合わないように、交互に出力することで、見かけ上、時分針と秒針とが同時に時刻復帰動作をしているにも拘わらず、電源に対する負荷は、必要以上に大きくなることがなく、電源を安定した状態に保持することが可能となる。
【0077】
[4]変形例
[4.1] 第1変形例
以上の実施形態においては、時刻復帰の際に復帰時の運針方向を選択していたが、時刻復帰の際に予め定めた方向に常に運針するように構成することも可能である。
この場合において、秒針については予め定めた方向に運針して時刻復帰するよりも、そのまま現在時刻と一致するまでは停止状態にしておく方が、消費電力の観点からは好ましい。
これにより運針方向判定を行う必要もなくなり、上記各実施形態と比較して回路構成を簡略化することが可能となる。
【0078】
[4.2] 第2変形例
以上の説明において、節電モードは秒針及び時分針の両方の運針を停止するものであったが、節電モードを第1節電モード(秒針のみの運針を停止し、時分針は運針を停止しない)と第2節電モード(秒針の運針及び時分針の運針の両方を停止する)とに分けることも可能である。
【0079】
[4.3] 第3変形例
以上の説明においては、時分針及び秒針を有する計時装置において、時刻復帰を行う場合について説明したが、さらにカレンダー機能を有する計時装置においてカレンダー駆動部を時分針駆動部あるいは秒針駆動部と同様に制御し、カレンダー復帰機能を実現するように構成することも可能である。
この場合においては、カレンダー駆動部が独立して駆動可能、すなわち、カレンダー駆動用モータを有していることが前提となる。
【0080】
[4.4] 第4変形例
以上の説明においては、時分針および秒針の駆動タイミングを排他的に設定し、時分針および秒針が同時に駆動しないように構成していたが、負荷の大きさの許容範囲において、駆動タイミングが一部重なるように設定しても同様の効果を得ることができる。
より具体的には、駆動タイミングの重複期間が予め定めた期間未満となるように設定すれば、負荷が過大となる期間を短くすることができる。
【0081】
[4.5] 第5変形例
以上の説明においては、時分針と秒針とを駆動する場合について述べたが、時針、分針および秒針を別個に駆動する場合おいても同様にして、同一タイミングにおける負荷を低減するように制御することが可能である。この場合における効果も同様である。
[4.6] 第6変形例
以上の説明においては、発電装置の発電状態あるいは蓄電装置としてのコンデンサの蓄電状態に基づいて、節電モードと表示モードとを切り替えていたが、電子時計を携帯しているか否かを検出する携帯検出センサを設け、携帯時には表示モードとし、非携帯時には節電モードとするように構成することも可能である。
この場合において、携帯検出センサとしては、ユーザの動きを検出する加速度センサ、ユーザが装着したことを検出する接触センサなどの各種センサを用いることが可能である。
[4.7] 第7変形例
以上の説明においては、電源装置として、発電装置とコンデンサ(蓄電装置)とを備える計時装置について説明したが、これに限らず、一次電池を備えた計時装置、二次電池を備えた計時装置、発電装置と二次電池とを備えた計時装置などにも適用が可能である。
【0082】
[5] 本発明の態様
以下、本発明の態様について説明する。
[5.1] 第1の態様
本発明の第1の態様は、電力を供給する電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて対応する表示指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数の表示指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モード及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法において、前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動部により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前記表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を行わせる時刻復帰制御過程を備える構成を第1の態様の基本態様とし、前記時刻復帰制御過程において、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間を排他的に設定するように構成してもよい(第1の態様の第1変形態様)。
【0083】
また、上記第1の態様の基本態様の時刻復帰過程において、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針速度の遅い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が早い前記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させるように構成してもよい(第1の態様の第2変形態様)。
さらにまた、上記第1の態様の基本態様の前記時刻復帰過程において、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針速度の早い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が遅い前記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させるように構成してもよい(第1の態様の第3変形態様)。
【0084】
また、前記条件は、前記発電手段の発電状態あるいは前記電源手段の蓄電状態であるように構成してもよい(第1の態様の第4変形態様)。
さらに当該計時装置が携帯状態にあるか否かを検出する携帯状態検出手段を備え、前記条件は、当該計時装置が携帯状態にあるか否かであるように構成してもよい(第1の態様の第5変形態様)。
[5.2] 第2の態様
本発明の第2の態様は、電力を供給する電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて表示指針を駆動する表示指針駆動装置を有し、前記表示指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止する節電モード、及び、前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法において、前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動装置により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させる際の復帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づいて判定する復帰時運針方向判定過程を備える構成を第2の態様の基本態様とし、上記第2の態様の基本態様の復帰時運針方向判定過程において、前記表示指針の駆動に必要となる電力量がより少ない運針方向を前記復帰時運針方向とするように構成することも可能である(第2の態様の第1変形態様)。
【0085】
さらに、上記第2の態様の基本態様の復帰時運針方向判定過程において、前記時刻表示を復帰させるまでに要する時間がより少ない運針方向を前記復帰時運針方向とするように構成することも可能である(第2の態様の第2変形態様)。
さらにまた、上記第2の態様の基本態様の時刻復帰過程において、前記時刻表示を復帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当する運針角度R[゜]が、予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満である場合に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めるように構成することも可能である(第2の態様の第3変形態様)。
RRET=R+360×n[゜] (ただし、nは自然数)
【0086】
また、上記第2の態様の基本態様の時刻復帰過程において、前記時刻表示を復帰させるに際し、現在時刻に対応する秒針指針位置が節電モード中に秒針が停止していた指針位置に一致するまで前記秒針を前記指針位置に保持させておき、一致した時点において前記秒針の運針を開始させるように構成することも可能である(第2の態様の第4変形態様)。
さらに、上記第2の態様の基本態様の時刻復帰過程において、前記時刻表示を復帰させるのに必要な前記表示指針の運針量に相当する運針角度R[゜]が予め定めた所定の運針角度RT[゜]未満であり、追加回転角度α[゜]とした場合に、復帰時運針角度RRETを次式のように定めて第1の方向に運針し、当該運針終了後、前記回転角度αだけ前記第1の方向とは逆の第2の方向に運針するように構成することも可能である(第2の態様の第5変形態様)。
RRET=R+α[゜]
【0087】
さらにまた、上記第2の態様の基本態様の復帰時運針方向判定過程において、現時刻の指針位置と実際の前記表示指針の位置との差が所定角度以上をなしている場合に、通常運針時の運針方向とは逆の運針方向を復帰時運針方向とするように構成することも可能である(第2の態様の第6変形態様)。
【0088】
また、上記第2の態様の基本態様において、前記表示指針駆動装置は駆動対象の表示指針が互いに異なる複数の副表示指針駆動装置から成っており、前記復帰時運針方向判定過程においては、前記各々の副表示指針駆動装置について復帰方向を判定するように構成してもよい(第2の態様の第7変形態様)。
【0089】
さらに上記第2の態様の基本態様において、前記表示指針駆動装置は、時針及び分針を駆動する時分針駆動装置と、秒針を駆動する秒針駆動装置と、を備え、前記復帰時運針方向判定過程においては、前記時分針駆動装置及び前記秒針駆動装置のそれぞれについて、復帰時運針方向を判定するように構成することも可能である(第2の態様の第8変形態様)。また、第2の態様の第8変形態様の時刻復帰過程においては、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記時分針駆動装置を前記秒針駆動装置よりも先に駆動させ、前記時分針の駆動終了後に前記秒針駆動装置を駆動させるように構成することも可能である(第2の態様の第9変形態様)。
【0090】
さらにまた、上記第2の態様の基本態様において、前記表示指針駆動装置は、時針を駆動する時針駆動装置と、分針を駆動する分針駆動装置と、秒針を駆動する秒針駆動装置と、を備え、前記復帰時運針方向判定過程においては、前記時針駆動装置、分針駆動装置及び前記秒針駆動装置のそれぞれについて、復帰時運針方向を判定するように構成することも可能である(第2の態様の第10変形態様)。また、第2の態様の第8変形態様の時刻復帰過程においては、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記時針駆動装置、前記分針駆動装置及び前記秒針駆動装置を
時針駆動装置→分針駆動装置→秒針駆動装置
の順番で排他的に駆動させるように構成することも可能である。
【0091】
また、前記条件は、前記発電手段の発電状態あるいは前記電源手段の蓄電状態であるように構成してもよい(第2の態様の第11変形態様)。
さらに当該計時装置が携帯状態にあるか否かを検出する携帯状態検出手段を備え、前記条件は、当該計時装置が携帯状態にあるか否かであるように構成してもよい(第2の態様の第12変形態様)。
【0092】
【発明の効果】
時刻表示を復帰させるに際し、複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、複数の表示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を行わせるので、時刻復帰の際における一時的な負荷の増大を抑制し、時刻復帰の際に必要とする電力を最小限に抑えることができる。
さらに時刻復帰の際に、個別に表示指針を駆動し、あるいは、表示指針毎に運針方向を設定するため、復帰時間を短縮することができる。
【0093】
より具体的には、時刻復帰の際には時分用モータによって先に時分の表示を復帰させ、その後に秒用モータによって現在時刻の秒の表示を復帰させることにより、電源電圧が安定し、電源電圧の不安定に起因する異常動作を誘発することもなくなる。また、時刻復帰の際に針を時計回りに回転させて復帰させる場合と反時計回りに回転させて復帰させる場合とで必要となる消費電力を最小にする駆動方向で復帰させ、あるいは、復帰時間を最短にする駆動方向で復帰させることにより、電力の消費量を抑え、時刻復帰にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る計時装置1の概略構成を示す図である。
【図2】同実施形態に係る制御部Cとその周辺構成の機能ブロック図である。
【図3】同実施形態にかかる第1の検出回路及び第2の検出回路の構成説明図である。
【図4】現時刻復帰部の概要構成ブロック図である。
【図5】本発明の実施形態の動作の概略を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る運針方向判定部200に記憶されている運針方向判定テーブル例である。
【図8】本発明の第2実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態に係る運針方向判定部200に記憶されている運針方向判定テーブル例である。
【図10】本発明の第3実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第5実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第6実施形態のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1・・計時装置
A・・発電部
B・・電源部
C・・制御部
D・・駆動部
E・・運針機構
10a:秒用モータ
24:駆動制御回路
10b:時分用モータ
30,31:駆動部
93:中央制御回路
95:設定切換部
96:時刻情報記憶部
200:駆動方向判定部
Claims (13)
- 電力を供給する電源手段と、
前記電源手段から供給される電力を用いて対応する表示指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数の表示指針により時刻表示を行う時刻表示手段と、
予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モード及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御手段と、
前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶手段と、
前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動部により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰手段と、
を備え、
前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前記表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を行わせる時刻復帰制御手段を備えたことを特徴とする計時装置。 - 請求項1記載の計時装置において、
前記時刻復帰制御手段は、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間を排他的に設定することを特徴とする計時装置。 - 請求項1記載の計時装置において、
前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部のうち通常運針時の運針速度の遅い表示指針駆動部を先に駆動させて時刻復帰させた後に通常運針時の運針速度が早い前記表示指針駆動部を駆動させて時刻復帰させることを特徴とする計時装置。 - 請求項1記載の計時装置において、
前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記時分針駆動手段を前記秒針駆動手段よりも先に駆動させ、前記時分針の駆動終了後に前記秒針駆動手段を駆動させることを特徴とする計時装置。 - 請求項1記載の計時装置において、
前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記時針駆動手段、前記分針駆動手段及び前記秒針駆動手段を
時針駆動手段→分針駆動手段→秒針駆動手段
の順番で排他的に駆動させることを特徴とする計時装置。 - 電力を供給する電源手段と、
前記電源手段から供給される電力を用いて表示指針を駆動する表示指針駆動手段を有し、前記表示指針により時刻表示を行う時刻表示手段と、
予め定めた条件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止する節電モード、及び、前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御手段と、
前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶手段と、
前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動手段により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰手段と、
を備え、
前記時刻復帰手段は、前記時刻表示を復帰させる際の復帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づいて判定する復帰時運針方向判定手段を備えたことを特徴とする計時装置。 - 請求項6記載の計時装置において、
前記復帰時運針方向判定手段は、前記表示指針の駆動に必要となる電力量がより少ない運針方向を前記復帰時運針方向とすることを特徴とする計時装置。 - 請求項6記載の計時装置において、
前記復帰時運針方向判定手段は、前記時刻表示を復帰させるまでに要する時間がより少ない運針方向を前記復帰時運針方向とすることを特徴とする計時装置。 - 請求項1または請求項6記載の計時装置において、
前記電源手段は、電気エネルギーを蓄電する蓄電手段を備えたことを特徴とする計時装置。 - 請求項1または請求項6記載の計時装置において、
前記電源手段は、第1のエネルギーを第2のエネルギーである電気エネルギーに変換し、発電を行う発電手段と、
前記発電された電気エネルギーを蓄電する蓄電手段と、
を備えたことを特徴とする計時装置。 - 請求項10記載の計時装置において、
前記第1のエネルギーは、運動エネルギー、光エネルギー、熱エネルギー、圧力エネルギー、電磁波エネルギーのいずれかのエネルギーであることを特徴とする計時装置。 - 電力を供給する電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて対応する表示指針を駆動する複数の表示指針駆動部を有し、前記複数の表示指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づいて、前記複数の表示指針駆動部ごとに、対応する前記表示指針の駆動を停止する節電モード及び対応する前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法において、
前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動部により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、
前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させるに際し、前記複数の表示指針駆動部を予め定めた所定の順番、かつ、前記複数の表示指針駆動部における復帰動作期間の重複期間が予め定めた期間未満となるように前記表示指針駆動部の駆動タイミングを制御し、時刻復帰を行わせる時刻復帰制御過程を備えたことを特徴とする計時装置の制御方法。 - 電力を供給する電源装置と、前記電源装置から供給される電力を用いて表示指針を駆動する表示指針駆動装置を有し、前記表示指針により時刻表示を行う時刻表示装置と、予め定めた条件に基づいて、前記表示指針の駆動を停止する節電モード、及び、前記表示指針の運針を継続させる表示モードとを切換制御する制御装置と、前記節電モードの継続時間を記憶する継続時間記憶装置と、を備えた計時装置の制御方法において、
前記節電モードから表示モードに移行するに際し、前記節電モードの継続時間に基づき前記表示指針駆動装置により前記表示指針を駆動して時刻表示を復帰させる時刻復帰過程を備え、
前記時刻復帰過程は、前記時刻表示を復帰させる際の復帰時運針方向を前記節電モードの継続時間に基づいて判定する復帰時運針方向判定過程を備えたことを特徴とする計時装置の制御方法。
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