JP4192989B2 - 駆動制御装置、電子機器、電子機器の駆動制御方法、電子機器の駆動制御プログラム、記録媒体 - Google Patents

駆動制御装置、電子機器、電子機器の駆動制御方法、電子機器の駆動制御プログラム、記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、駆動制御装置、電子機器、電子機器の駆動制御方法、電子機器の駆動制御プログラム、このプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、携帯用の電子機器(例えば、電子時計や、カメラ、携帯電話等)の分野において、駆動期間中に電源電圧が駆動最低電圧を下回らないように、電源と負荷との組み合わせを適宜選択することが一般的である。この際、機器の小型化、および駆動の安定化を実現するためには、できるだけ小さなサイズで、かつ内部抵抗が小さく電源電圧が低下しにくい電源を選択することが望ましく、また、駆動効率に優れた負荷を選択することが望ましい。
駆動効率に優れた負荷としては、圧電素子の圧電効果を利用した各種の圧電アクチュエータが開発され、駆動手段として利用されている。この圧電素子は、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率や、応答性に優れていることから、小型電子機器等への利用に適している。
このような圧電アクチュエータとしては、圧電素子を有する振動体を主要構成要素とするものであり、例えば、この振動体を、一端に駆動対象と当接する突起部を有する板状の補強板と、この補強板の両面に貼設された圧電素子と、これら圧電素子の上面に設けられた駆動用電極とで構成したものがある。そして、圧電アクチュエータは、振動体の駆動用電極に所定の交流電圧を印加し、振動体をその長手方向に伸縮させる縦振動で励振させるとともに、この縦振動の振動方向と直交する方向に揺動する屈曲振動を誘発させることで、振動体の突起部が楕円軌道を描くように回転させる。これにより、この圧電アクチュエータは、小型薄型の構成でありながら、高効率の駆動を実現している。
一方、以上のような圧電アクチュエータを駆動手段として用いた場合の駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、圧電アクチュエータに印可する駆動信号をバースト波状にして駆動、停止、再駆動を繰り返すようにした間欠駆動が開示されている。このような間欠駆動によれば、駆動停止中に電源電圧が回復することから、駆動中に多少電源電圧が低下したとしても、安定的に圧電アクチュエータを駆動することができるようになっている。
特開平11−356068号公報
しかしながら、特許文献1の駆動方法では、圧電アクチュエータを間欠駆動させる際の駆動および停止時間が予め設定されているため、電源状態や温度等の条件が最悪の場合を想定して余裕を持った設定とする必要があり、間欠駆動時間全体が長期化してしまうという問題がある。すなわち、駆動中に電源電圧が駆動最低電圧を下回らず、かつ停止後の再駆動時に電源電圧が所定の電圧まで回復するように、駆動時間および停止時間を設定する必要があるためである。また、駆動時間の長期化を防止するために容量の大きな電源を選択してしまうと、電源および機器の小型化が必ずしも十分に図れず、また同様の理由から、電源電圧が低下しやすい内部抵抗の大きな電源の使用が制約されるという問題もある。
なお、このような問題は、圧電アクチュエータを負荷として用いた場合に限らず、モータ等の他の駆動手段を用いた場合にも同様に発生する。
本発明の目的は、機器の小型化が促進できるとともに、内部抵抗の大きな電源が使用でき、かつ駆動時間の短縮化を十分に図ることができる電子機器、その駆動制御方法、駆動制御プログラム、そのプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
本発明の駆動制御装置は、電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段を駆動制御する駆動制御装置であって、少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持手段と、前記駆動電圧保持手段で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較手段と、予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較手段と、これら第1および第2の比較手段における比較結果に基づいて前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第2の比較手段での比較において、前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、前記第1の比較手段での比較において、前記駆動手段の停止後の駆動電圧が前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させるように駆動制御することを特徴とする。
ここで、駆動電圧としては、電源から直接供給される電源電圧と同一の電圧でもよく、電源と圧電アクチュエータとの間に設けた昇圧回路や降圧回路等を介して昇圧または高圧された電圧でもよい。また、駆動電圧の駆動対象としては、駆動手段のみに限られず、当該駆動制御装置自体を駆動電圧により駆動してもよい。
このような本発明によれば、駆動手段の駆動中に低下する駆動電圧が駆動停止電圧を下回った場合には、駆動手段の駆動を停止させ、停止後の駆動電圧が基準電圧を上回った場合には、ただちに駆動手段の駆動が再開されることになる。この際、駆動停止電圧としては、駆動手段や駆動回路等を作動させるために必要な駆動最低電圧以上であればよく、また基準電圧としては、当初の駆動電圧(最大電圧)以下であって、任意の電圧に設定(例えば、最大電圧の90%等に設定)されていればよい。なお、駆動手段の駆動中に駆動電圧が駆動停止電圧を下回らなければ、停止させることなく駆動を継続させることは自明である。
また、上記構成を実施する条件によっては、前記制御手段は、前記第1の比較手段での比較において、前記駆動手段の停止に伴って回復する駆動電圧が前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させて、間欠駆動が実行されるように駆動制御されることもある。
以上のように駆動電圧の低下および回復状況に応じて駆動手段の停止および再駆動を制御することで、電圧が低下しやすい小さな電源を用いた場合でも、駆動電圧の低下に対応した駆動を実現でき、電源の小型化を十分に図ることができる。さらに、電圧が低下しやすい内部抵抗が大きい特殊な電源の利用を促進させることもできる。
また、従来の駆動方法のように間欠駆動の駆動および停止時間が固定されておらず、駆動電圧に応じて自動的に駆動の停止および再開が実行される、つまり駆動電圧が駆動停止電圧を下回るまで駆動が継続されるとともに、駆動電圧が基準電圧を上回れば駆動が再開されるので、駆動時間が駆動可能な限り長くなり、かつ停止時間が必要最小に短くなって、駆動時間全体を短縮化することができる。特に、駆動電圧が最低動作電圧を下回らなかった場合には、間欠駆動ではなく連続的な駆動が行われるために、さらに駆動時間全体を短縮することができる。
さらに、駆動開始前に保持した駆動電圧に基づいて基準電圧を設定することで、ある程度継続使用した後に駆動電圧の初期値が低下したような場合であっても、その低下した駆動電圧に基づいて基準電圧が設定できる。このため、このような駆動電圧の初期値の低下までを想定して間欠駆動の駆動および停止時間を設定しなければならない従来の技術に比較して、さらに駆動時間の短縮化を図ることができる。
この際、本発明の駆動制御装置では、前記駆動手段の駆動量を検出するとともに、検出した駆動量を前記制御手段に送る駆動量検出手段を備え、前記制御手段は、前記駆動量が所定の駆動量に達した時点で前記駆動手段の間欠駆動を完了させることが好ましい。
このような構成によれば、駆動量検出手段により駆動手段の駆動量を検出することで、間欠駆動の駆動および停止時間が予め設定されていなくても、駆動手段を停止させて駆動を完了させることができ、所望の駆動量だけ駆動手段を駆動させることができる。また、駆動を制御する制御手段によって駆動手段の駆動完了指令も実行されるので、別途駆動完了を制御する回路等を設ける必要がなく、装置の駆動制御回路等を簡素化することができる。
また、本発明の駆動制御装置では、前記制御手段は、前記第1と第2の比較手段の比較結果に基づく場合の他に、予め定めた所定のタイミングで前記駆動手段の駆動を停止するように設定され、前記基準電圧設定手段は、前記駆動手段の駆動の停止期間中に前記駆動電圧に基づいて基準電圧を再度設定することが好ましい。
このような構成によれば、予め設定した所定のタイミング(時間間隔)ごとに基準電圧が設定されるため、駆動に伴って徐々に駆動電圧が回復しにくくなった場合でも、停止時間を短縮して駆動時間全体を短縮化することができる。
さらに、本発明の駆動制御装置では、前記駆動手段は、所定の周波数の駆動信号が圧電素子に与えられることで振動する振動体を備えた圧電アクチュエータであることが好ましい。
このような構成によれば、前述したように、小型薄型の構成でありながら、高効率の駆動を実現できる圧電アクチュエータを駆動手段として用いることで、より一層の装置および電源の小型化が実現できる。
一方、本発明の電子機器は、電源と、この電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段と、この駆動手段を駆動制御する駆動制御装置とを備えた電子機器であって、前記駆動制御装置は、少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持手段と、前記駆動電圧保持手段で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較手段と、予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較手段と、これら第1および第2の比較手段における比較結果に基づいて前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第2の比較手段での比較において、前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、前記第1の比較手段での比較において、前記駆動手段の停止後の駆動電圧が前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させるように駆動制御することを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した本発明の駆動制御装置と同様に、駆動電圧の低下状況および回復状況に対応した駆動手段の駆動を実現できるので、駆動時間全体を短縮化することができるとともに、電源および機器の小型化を十分に図ることができ、内部抵抗の大きな電源の利用を促進させることもできる。
この際、本発明の電子機器では、前記電源は、電池または二次電池であることが好ましい。
このような構成によれば、駆動手段を作動させる電源として電池または二次電池を用いることで、前述の作用を有した携帯機器を構成することができる。この際、電池または二次電池として、前述した内部抵抗が大きい電池であるリチウムイオン電池なども採用できる。
また、本発明の電子機器では、前記電源に対して並列にコンデンサが接続されていることが好ましい。
このような構成によれば、電源に接続したコンデンサに電荷を蓄積させておくことで、駆動手段の駆動による電源電圧(駆動電圧)の低下を抑制でき、さらなる電源の小型化と駆動の安定化とを図ることができる。
さらに、本発明の電子機器は、前記駆動手段によって駆動される日付表示機構を備えた電子時計であることが好ましい。
このような構成によれば、電子時計の日付表示機構の駆動において、前述と同様の効果を奏することができ、電子時計の小型化および薄型化を促進させることができる。そして、駆動手段で駆動する日付表示機構は、常時駆動され続けるものではなく、1日のうちで限られた時間だけ駆動され、かつ所定の駆動量(回転量)だけ駆動されればよいため、本発明の駆動制御が適している。
この際、本発明の電子機器では、前記電子時計の基本時計駆動信号に基づいて前記制御手段から前記駆動電圧保持手段に保持信号が送られ、当該駆動電圧保持手段にて駆動電圧が保持されることが好ましい。
このような構成によれば、電子時計の基本時計駆動信号に基づいたタイミングで駆動電圧が保持されるとともに、駆動手段の駆動が開始されるので、任意の時刻(例えば、午前0時近傍)に日付表示機構を駆動して、日付表示を変更することができる。
また、本発明の電子機器では、前記制御手段は、前記第1と第2の比較手段の比較結果に基づく場合の他に、前記電子時計の基本時計駆動信号に基づいたタイミングで前記駆動手段の駆動を停止するように設定され、前記基準電圧設定手段は、前記駆動手段の駆動の停止期間中に前記駆動電圧に基づいて基準電圧を再度設定することが好ましい。
このような構成によれば、前述と同様に、所定のタイミングで基準電圧が設定されるため、駆動時間全体を短縮化することができる。そして、駆動電圧の再保持が電子時計の基本時計駆動信号に基づいて実行されるので、例えば、1秒ごと等の短い周期で駆動電圧を再保持するような設定も可能となり、電源状態の変化に逐次対応した駆動が実現できる。
一方、本発明の電子機器の駆動制御方法は、電源と、この電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段とを備えた電子機器を駆動制御する電子機器の駆動制御方法であって、少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持工程と、前記駆動電圧保持工程で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定工程と、前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較工程と、予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較工程と、前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記第2の比較工程において前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、この駆動停止後の駆動電圧が前記第1の比較工程において前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させて、再開駆動が実行されるように駆動制御する再開駆動制御工程とを備えることを特徴とする。
このような本発明によれば、前述した本発明の駆動制御装置と同様に、駆動電圧の低下状況および回復状況に対応した駆動手段の駆動を実現できるので、駆動時間全体を短縮化することができるとともに、電源および装置の小型化を十分に図ることができ、内部抵抗の大きな電源の利用を促進させることもできる。
また、本発明の電子機器の駆動制御プログラムは、電源と、この電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段と、この駆動手段を駆動制御する駆動制御装置とを備えた電子機器に組み込まれたコンピュータを、少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持手段と、前記駆動電圧保持手段で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較手段と、予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較手段と、前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記第2の比較手段において前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、この駆動停止後に駆動電圧が前記第1の比較手段において前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させて、再開駆動が実行されるように駆動制御する再開駆動制御手段とのうち、少なくとも前記再開駆動制御手段として機能させることを特徴とする。
このような本発明によれば、コンピュータを少なくとも前記制御手段(再開駆動制御手段)として機能させることで、前述した本発明の駆動制御装置と同様に、駆動時間全体を短縮化することができるとともに、電源および装置(機器)の小型化を十分に図ることができ、内部抵抗の大きな電源の利用を促進させることもできる。そして、制御手段をコンピュータで構成すれば、プログラムを変更するだけで、容易に条件を変更できるため、各種の装置(機器)に応じた適切な制御を容易に行うことができる。
また、本発明の駆動制御プログラムの記録媒体は、前記した電子機器の駆動制御プログラムがコンピュータにて読み取り可能に記録されたものでもよい。
このような構成によれば、駆動制御プログラムを変更、改良した際にも、機器に組み込まれたコンピュータに容易に読み取らせて、プログラムをアップデートすることができる。
以上の本発明によれば、装置や機器の小型化が促進できるとともに、内部抵抗の大きな電源が使用でき、かつ駆動時間の短縮化を十分に図ることができる駆動制御装置、電子機器、駆動制御方法、駆動制御プログラム、記録媒体を提供することができる。
[図1]本発明の第1実施形態に係る電子時計、その日付表示機構の駆動制御装置の構成を示すブロック図。
[図2]前記日付表示機構の詳細な構成を示す平面図。
[図3]前記日付表示機構の駆動制御方法を説明するためのフローチャート。
[図4]前記駆動制御装置の動作を示すタイミングチャート。
[図5]本発明の第2実施形態に係る駆動制御装置の動作を示すタイミングチャート。
[図6]本発明の第3実施形態に係る電子時計の構成を示すブロック図。
[図7]本発明の第4実施形態に係る電子機器を示す斜視図。
[図8]前記電子機器における桁表示部を示す詳細構成正面図。
符号の説明
1…電子時計(電子機器)、10…日付表示機構、102…サンプルホールド回路(電源電圧保持手段)、103…基準電圧発生回路(基準電圧設定手段)、104…第1比較回路(第1の比較手段)、105…第2比較回路(第2の比較手段)、106…制御回路(制御手段)、107…回転検出回路(駆動量検出手段)、200…電池(電源)、202…コンデン、A…圧電アクチュエータ(駆動手段)、300…非接触型ICカード(電子機器)310…駆動装置(制御手段)。
[1.第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[1−1.全体構成]
図1は、本実施形態における電子時計1、その日付表示機構10の駆動装置の構成を示すブロック図である。図2は、日付表示機構10の詳細な構成を示す平面図である。
図1に示すように、電子時計1は、時刻を表示する指針2と、この指針2を駆動するステッピングモータ3とを備えた腕時計である。ステッピングモータ3の駆動は、発振回路4、分周回路5、および駆動回路6により制御される。発振回路4は、水晶振動子からなる基準発振源を有し、基準パルスを出力するものである。分周回路5は、発振回路4から出力された基準パルスを入力し、この基準パルスに基づいて基準信号(例えば1Hzの信号)を生成する。駆動回路6は、分周回路5から出力された基準信号に基づいて、ステッピングモータ3を駆動するモータ駆動パルスを発生する。
図2に示すように、日付表示機構10の主要部は、圧電アクチュエータAと、この圧電アクチュエータAによって回転駆動される駆動対象としてのロータ20と、ロータ20の回転を減速しつつ伝達する減速輪列と、減速輪列を介して伝達される駆動力により回転する日車50とから大略構成されている。減速輪列は、日回し中間車30と日回し車40とを備えている。これらの圧電アクチュエータA、ロータ20、日回し中間車30、および日回し車40は、底板11に支持されている。圧電アクチュエータAは、扁平な短冊状の振動体12を有しており、この振動体12は、その先端部がロータ20の外周面と当接するように配置されている。日付表示機構10の上方には、図1に示すように、円盤状の文字板7が設けられており、この文字板7の外周部の一部には日付を表示するための窓部7Aが設けられ、窓部7Aから日車50の日付を覗けるようになっている。また、底板11の下方(裏側)には、ステッピングモータ3に接続されて指針2を駆動するムーブメント等が設けられている。
日回し中間車30は、大径部31と小径部32とから構成されている。小径部32は、大径部31よりも若干小径の円筒形であり、その外周面には、略正方形状の切欠部33が形成されている。この小径部32は、大径部31に対し、同心をなすように固着されている。大径部31には、ロータ20の上部の歯車21が噛合している。したがって、大径部31と小径部32とからなる日回し中間車30は、ロータ20の回転に連動して回転する。
日回し中間車30の側方の底板11には、板バネ34が設けられており、この板バネ34の基端部が底板11に固定され、先端部34Aが略V字状に折り曲げられて形成されている。板バネ34の先端部34Aは、日回し中間車30の切欠部33に出入可能に設けられている。板バネ34に近接した位置には、接触子35が配置されており、この接触子35は、日回し中間車30が回転し、板バネ34の先端部34Aが切欠部33に入り込んだときに、板バネ34と接触するようになっている。そして、板バネ34には、所定の電圧が印加されており、接触子35に接触すると、その電圧が接触子35にも印加される。従って、接触子35の電圧を検出することによって、日送り状態を検出できる。
日車50は、リング状の形状をしており、その内周面に内歯車51が形成されている。日回し車40は、五歯の歯車を有しており、日車50の内歯車51に噛合している。また、日回し車40の中心には、シャフト41が設けられており、このシャフト41は、底板11に形成された貫通孔42に遊挿されている。貫通孔42は、日車50の周回方向に沿って長く形成されている。そして、日回し車40およびシャフト41は、底板11に固定された板バネ43によって図2の右上方向に付勢されている。この板バネ43の付勢作用によって日車50の揺動も防止される。
圧電アクチュエータAの振動体12は、二長辺と二短辺とにより囲まれた長方形状の板である。また、振動体12は、2枚の長方形かつ板状の圧電素子の間に、これらの圧電素子と略同形状であり、かつ圧電素子よりも肉厚の薄いステンレス鋼等の補強板を挟んだ積層構造を有している。圧電素子としては、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT(商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
振動体12は、一短辺の幅方向略中央部分に当接部13を有している。この当接部13は、補強板を切断成形する等の方法により得られたものであり、緩やかな曲面を持った先端部分を圧電素子から突出させている。振動体12は、この当接部13の先端をロータ20の外周面に当接させる姿勢を保っている。振動体12にこのような姿勢を維持させるために、支持部材14と付勢部材15とが圧電アクチュエータAに設けられている。
圧電アクチュエータAの支持部材14は、補強板の切断成形等の方法により補強板と一体形成されたものである。この支持部材14は、L字状の部材であり、振動体12の一長辺の略中央から垂直に突出した垂直部と、この垂直部の先端から長辺に対して平行にロータ20側に向けて延びた水平部とからなる。垂直部とは反対側の水平部の端部には、底板11から突出したピンが貫通しており、このピンを回転軸として支持部材14およびこれに固定された振動体12が回転可能である。支持部材14の水平部の略中央には、付勢部材15の一端が係合されている。付勢部材15は、その略中央部分を底板11から突出したピンが貫通しており、このピンを回転軸として回動可能である。また、支持部材14と反対側の付勢部材15の端部は、底板11に係合されており、この端部の位置を変えることにより振動体12の当接部13をロータ20の外周面に押し当てる圧力が調整可能になっている。
以上の構成において、圧電アクチュエータAの振動体12は、後述の駆動回路から所定の周波数の駆動信号が圧電素子に印可されることで第1の振動モードである縦振動と、この縦振動に誘発されて第2の振動モードである屈曲振動とが発生し、その板面を含む平面内において当接部13が楕円軌道を描いて運動する。ロータ20は、この振動体12の当接部13によってその外周面が叩かれ、図2中矢印で示すように、時計回りに回転駆動される。このロータ20の回転は、日回し中間車30を介して日回し車40に伝達され、この日回し車40が日車50を時計回り方向に回転させる。このような振動体12からロータ20、ロータ20から減速輪列(日回し中間車30および日回し車40)、減速輪列から日車50への力の伝達は、いずれも振動体12の底板11面に平行な方向の力の伝達である。このため、ステップモータのようにコイルやロータを厚さ方向に積み重ねるのではなく、同一平面内に振動体12およびロータ12を配置し、日付表示機構10を薄型化できる。そして、日付表示機構10を薄型にできるため、電子時計1全体を薄型にできる。
[1−2.圧電アクチュエータAの駆動制御装置の構成]
図1に示すように、圧電アクチュエータAを駆動制御する駆動制御装置100は、圧電アクチュエータAに駆動信号を送る駆動回路101と、電源電圧保持手段としてのサンプルホールド回路102と、基準電圧設定手段としての基準電圧発生回路103と、第1の比較手段としての第1比較回路104と、第2の比較手段としての第2比較回路105と、制御手段としての制御回路106と、駆動量検出手段としての回転検出回路107とを備えて構成されている。そして、電源である電池200は、サンプルホールド回路102、および第1、2比較回路104,105に接続されるとともに、スイッチ201を介して制御回路106に接続されている。スイッチ201は、電子時計1の時刻を検出して開閉されるもので、電子時計1からの24時信号でONされ、制御回路106に駆動開始信号を送る。24時信号としては、指針(時針)2の位置が24時になったことを検出して発信されるものでもよく、また分周回路5の後段に設けたカウンタ回路等でカウントした値が24時になったことを検出して発信されるものでもよい。指針2の位置を検出する手段としては、24時間で1回転する歯車や、時針が12時位置を2回通過したことを検出する機構等が採用できる。
また、電池200には、コンデンサ202が並列に接続されており、駆動制御装置100の非作動時には、コンデンサ202に電荷が蓄積されるようになっている。なお、電源として二次電池を用いてもよく、リチウムイオン電池などの内部抵抗が大きい電池または二次電池を用いてもよい。
サンプルホールド回路102は、オペアンプや電圧保持用コンデンサで構成されたもので、制御回路106からのホールド信号に基づいて電池200の電池電圧V0をホールドする(保持する)ようになっている。基準電圧発生回路103は、サンプルホールド回路102から出力された電池電圧V0を抵抗で分圧して基準電圧V1を出力する。この際、基準電圧V1は、電池電圧V0に対して所定の比率(例えば90%)に設定されている。つまり、基準電圧発生回路103は、サンプルホールド回路102で保持した電池電圧V0に基づいて基準電圧V1を設定するものである。なお、電池電圧V0に対する基準電圧V1の比率は、90%に限らず、電池200や圧電アクチュエータAの特性等に応じて、例えば80%〜95%の範囲で任意に設定可能である。
第1および第2の比較回路104,105は、それぞれコンパレータにより構成されたもので、第1比較回路104は、基準電圧発生回路103から出力された基準電圧V1と電池電圧Vとの電圧値を比較し、比較した結果を制御回路106に送る。
第2比較回路105には、最低動作電圧発生回路108が接続されており、第2比較回路105は、最低動作電圧発生回路108から出力された駆動停止電圧である最低動作電圧V2と電池電圧Vとの電圧値を比較し、比較した結果を制御回路106に送る。この際、最低動作電圧V2は、圧電アクチュエータAおよび各回路を駆動するために最低限必要とされる電圧を上回る値に設定されている。
ここで、圧電アクチュエータAの最低動作電圧V2は、1.0V(蓄電池200の電圧は、1.5V程度)であり、電子時計1の発信回路4(最低動作電圧:0.7V程度)、分周回路5、駆動回路6、圧電アクチュエータAの制御回路106、駆動回路101などの駆動電圧よりも高くなっている。すなわち、圧電アクチュエータAの駆動信号は、発信回路4や分周回路5等で生成されるため、圧電アクチュエータAの最低動作電圧V2が発信回路4や分周回路5等の最低動作電圧よりも高く設定されていないと、圧電アクチュエータAが駆動できなくなってしまうためである。
制御回路106は、スイッチ201からの駆動開始信号をトリガーとして作動し、分周回路5からの基本時計駆動信号に基づいて、サンプルホールド回路102にホールド信号を送る。さらに、制御回路106は、第1、2比較回路104,105からの比較結果に基づいて、駆動回路101に駆動制御信号を送り、圧電アクチュエータAの駆動および停止を制御するようになっている。また、制御回路106には、回転検出回路107からの回転検出信号が入力し、この信号に基づいて制御回路106は、駆動回路101に停止信号を送り、圧電アクチュエータAを停止できるようになっている。
駆動回路101は、制御回路106からの駆動制御信号に基づいて、駆動信号を印可して圧電アクチュエータAを駆動させる、あるいは駆動信号の印可を中止して圧電アクチュエータAを停止させるようになっている。
回転検出回路107は、前記日付表示機構10の板バネ34と接触子35との接触回数から、日回し中間車30の回転数を検出するもので、検出した回転数を回転検出信号として制御回路106に送るようになっている。これにより、圧電アクチュエータAの所定の駆動量、つまり日車50の1日分の回転量が検出できる。なお、日車50の回転量は、板バネ34や接触子35を用いたものに限らず、ロータ20や日回し中間車30の回転状態を検出して所定のパルス信号を出力するものなどが利用でき、具体的には、公知のフォトリフレクタ、フォトインタラプタ、MRセンサ等の各種の回転エンコーダ等が利用できる。
[1−3.圧電アクチュエータAの駆動制御方法]
図3は、圧電アクチュエータAの駆動制御方法を説明するためのフローチャートである。図4は、駆動制御装置100の動作を示すタイミングチャートである。
以下に、図3、4を参照して、上述した駆動制御装置100による圧電アクチュエータAの駆動方法を説明する。
スイッチ201からの駆動開始信号を受けた制御回路106は、分周回路5からの基本時計駆動信号に基づいて、サンプルホールド回路102にホールド信号を出力し、サンプルホールド回路102に電池電圧V0をホールドさせる(ステップS1、電源電圧保持工程)。この際、ホールドされた電池電圧V0に基づいて、基準電圧発生回路103から基準電圧V1が発生される(基準電圧設定工程)。
これに続くステップS2において、制御回路106は、駆動開始を指令する駆動制御信号を駆動回路101に出力し、圧電アクチュエータAの駆動を開始させる。この圧電アクチュエータAの駆動は、後述するステップ3において、日回し中間車30の回転数が所定の回転数を上回った場合に完了される。また、後述するステップS4において、駆動の経過時間Tが設定時間T0を越えた場合に一旦停止され(ステップS5)、再度ステップS1において、電池電圧V0がホールドされるようになっている。
そして、ステップS3,S4ともに「No」と判定した場合、ステップS6の第2の比較工程において、第2比較回路105で電池電圧Vと最低動作電圧V2とを比較し、電池電圧Vが最低動作電圧V2を上回っている間、圧電アクチュエータAの駆動を継続する。つまりステップS6において、「Yes」と判定した場合に、日回し中間車30の回転数が所定の回転数を上回らず、かつ経過時間Tが設定時間T0を越えない間、駆動回路101は、駆動信号を印可し続け、圧電アクチュエータAが作動し続ける。そして、圧電アクチュエータAが作動し続けることで、図4に示すように、電池電圧Vは、徐々に低下することになる。
制御回路106は、ステップS6において、「No」と判定した場合、すなわち、電池電圧Vが最低動作電圧V2を下回った場合には、駆動停止を指令する駆動停止信号を駆動回路101に出力し、圧電アクチュエータAの駆動を停止させる(ステップS7)。そして、圧電アクチュエータAの駆動を停止させることで、図4に示すように、電池電圧Vは、徐々に回復することになる。ここで、電池電圧Vの回復は、自然回復であるが、蓄電池200に発電機を接続しておき、圧電アクチュエータAの駆動停止中における発電機が発電した電力により蓄電池200の電池電圧Vが回復するようにしてもよい。
これに続いてステップS8の第1の比較工程において、第1比較回路104で電池電圧Vと基準電圧V1とを比較し、電池電圧Vが基準電圧V1を下回っている間、つまりステップS3において、「No」と判定した場合には、制御回路106は、圧電アクチュエータAの駆動を停止させた状態を維持し、電池電圧Vが基準電圧V1に回復するまで待機することになる。この際、ステップS9において、経過時間Tが設定時間T0を越えれば、再度ステップS1に戻って電池電圧V0がホールドされ、上述の工程が各工程が繰り返されるようになっている。
そして、電池電圧Vが基準電圧V1を上回った場合、つまりステップS8において、「Yes」と判定した場合に、制御回路106は、駆動再開を指令する駆動再開信号を駆動回路101に出力し、圧電アクチュエータAの駆動を再開させる(ステップS10)。このように圧電アクチュエータAの駆動を再開した後にステップS3に戻り、日回し中間車30の回転数が所定の回転数を上回らず、かつ経過時間Tが設定時間T0を越えない間、圧電アクチュエータAが間欠駆動される(間欠駆動制御工程)。
また、ステップS4において、分周回路5からの基本時計駆動信号を受信してからの経過時間Tと予め設定した設定時間T0とを比較し、経過時間Tが設定時間T0を越えた場合(「Yes」と判定した場合)には、制御回路106は、駆動停止信号を駆動回路101に出力し、圧電アクチュエータAの間欠駆動を一旦停止させる(ステップS5)。この設定時間T0は、基本時計駆動信号の時間間隔に基づいて設定されるもので、次の基本時計駆動信号が制御回路106に入力される以前に圧電アクチュエータAの間欠駆動を停止させるように設定されている。すなわち、本実施形態においては、基本時計駆動信号が1Hzであるので、設定時間T0は、1秒未満の時間(例えば0.9秒)に設定されていればよい。このように、分周回路5から制御回路106に入力される基本時計駆動信号は、1Hz信号を含む複数の信号であり、ステッピングモータ3の駆動パルスと、圧電アクチュエータAの駆動回路101から出力され圧電アクチュエータAを駆動する駆動信号とは、図4に示すように、時間的に重ならないように制御されている。従って、約1秒ごとに圧電アクチュエータAを一旦停止させることで、電子時計1の指針2の運針と、圧電アクチュエータAの駆動とが同時に実行されず、蓄電池200の負荷を軽減して指針2および圧電アクチュエータAの両方を安定的に駆動できるようになっている。
そして、ステップS5に続いて図3に示すようにステップS1において、制御回路106は、圧電アクチュエータAの駆動を停止させた状態で次の基本時計駆動信号の入力を待ち、基本時計駆動信号が入力されると再度サンプルホールド回路102にホールド信号を出力し、サンプルホールド回路102にて電池電圧V0を再度ホールドする。この際、電池電圧V0は、図4に示すように、初期の電圧までは回復せず、初期の電圧よりも若干低い電圧値となっており、このように再度ホールドされた電池電圧V0に基づき、基準電圧発生回路103において、前回よりも若干低い値の基準電圧V1が設定される(基準電圧再設定工程)。
そして、制御回路106は、ステップS3において、回転検出回路107から入力した回転検出信号に基づき、日回し中間車30の回転数が所定の回転数を上回ったかどうか、つまり日車50が1日分だけ回転したかどうかを判断する。日車50の回転数が不足している場合、つまりステップS10において、「No」と判定した場合には、圧電アクチュエータAの駆動を継続し、日車50が所定量だけ回転してステップS3で「Yes」と判定した場合には、駆動停止信号を駆動回路101に出力して圧電アクチュエータAの駆動を停止させ、駆動制御を完了する(駆動完了工程)。
なお、以上の駆動制御において、日車50の回転量が所定量に達するまでに、電池電圧Vが最低動作電圧V2を下回ることがなく、かつ経過時間Tが設定時間T0を上回ることがなければ、圧電アクチュエータAは、その駆動開始から駆動完了まで停止されることなく駆動されることになる。
[1−4.第1実施形態の効果]
上述した第1実施形態では、以下のような効果がある。
(1)圧電アクチュエータAの駆動開始後に電池電圧Vが低下しても、第2比較回路105で電池電圧Vと最低動作電圧V2とを比較し、電池電圧Vが最低動作電圧V2を下回った場合には、制御回路106が圧電アクチュエータAの駆動を停止させるので、それ以下に低下することなく電池電圧Vが回復することになる。そして、第1比較回路104で電池電圧Vと基準電圧V1とを比較し、電池電圧Vが基準電圧V1を上回った場合には、制御回路106が圧電アクチュエータAの駆動を再開させることで駆動が間欠的に継続されることになる。このように電池電圧Vの低下および回復状況に応じて圧電アクチュエータAの間欠駆動を制御することで、電池電圧Vが最低動作電圧V2を下回るまで駆動が継続されるとともに、電池電圧Vが基準電圧V1を上回れば駆動が再開されるので、駆動時間が駆動可能な限り長くなり、かつ停止時間が必要最小に短くなって、間欠駆動にかかる駆動時間全体を短縮化することができる。
(2)さらに、電池電圧Vに基づいて圧電アクチュエータAの間欠駆動を制御することで、電圧が低下しやすい小さな電源を用いた場合でも、電池電圧Vの低下に対応した駆動を実現でき、電池200および電子時計1の小型化を十分に図ることができる。さらに、電圧が低下しやすい内部抵抗が大きい特殊な電源の利用を促進させることもできる。
(3)また、電池電圧Vの低下および回復状況に応じて間欠駆動が実行されるので、駆動に最低限必要とされる電圧を下回ってしまうことがなく、圧電アクチュエータAの駆動を安定化させることができるとともに、基準電圧V1を上回ってから駆動を再開させることで駆動再開時の電圧を確保することができる。
(4)また、駆動開始前にサンプルホールド回路102で保持した電池電圧V0に基づいて基準電圧発生回路103で基準電圧V1を設定することで、ある程度継続使用した後に電池電圧Vの初期値が低下したような場合であっても、その低下した電池電圧V0に基づいて基準電圧V1が設定できる。このため、このような電源電圧の初期値の低下までを想定して間欠駆動の駆動および停止時間を設定しなければならない従来の技術に比較して、さらに駆動時間の短縮化を図ることができる。
(5)さらに、電子時計1の基本時計駆動信号を受信してからの経過時間Tが設定時間T0に達した時点で電池電圧V0が再度ホールドされ、基準電圧V1が再度設定されるので、電池電圧Vの回復状況がバラついた場合でも、その回復状況に応じて基準電圧V1を設定することができ、間欠駆動に伴って徐々に電池電圧Vが回復しにくくなった場合でも、停止時間を短縮して駆動時間全体を短縮化することができる。
(6)また、基本時計駆動信号に基づいたスイッチ201からの駆動開始信号をトリガーとして駆動制御装置100が作動するので、午前0時近傍などの任意の時刻に日付表示機構10を駆動して、電子時計1の日付表示を変更することができる。
(7)また、回転検出回路107からの回転検出信号に基づき制御回路106によって圧電アクチュエータAを停止させるので、従来のように間欠駆動の駆動および停止時間が予め設定されていなくても、圧電アクチュエータAを停止させて間欠駆動を完了させることができ、所望の駆動量だけ圧電アクチュエータAを駆動させることができる。さらに、別途駆動完了を制御する回路等を設ける必要がなく、駆動制御装置100を簡素化することができる。
(8)また、圧電アクチュエータAを駆動手段として用いることで、小型薄型の構成でありながら、高効率の駆動を実現でき、より一層の電子時計1の小型化が実現できる。
(9)また、電池200に並列にコンデンサ202を接続したので、駆動制御装置100の非作動時にコンデンサ202に電荷を蓄積させておくことができ、圧電アクチュエータAの駆動による電池電圧Vの低下を抑制でき、さらなる電池200の小型化と駆動の安定化とを図ることができる。
[2.第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、前述の第1実施形態と同様の構成を有した電子時計1および駆動制御装置100において、その駆動制御方法が異なる。
具体的には、第1実施形態では、ステップS7、S8において、分周回路5からの基本時計駆動信号を受信してからの経過時間Tが設定時間T0を越えた場合に、圧電アクチュエータAの駆動を停止させ、サンプルホールド回路102にて電池電圧V0を再度ホールドさせるように駆動制御した。
これに対して第2実施形態では、第1実施形態におけるステップS7、S8が省略されている。すなわち、圧電アクチュエータAの駆動中に再度電池電圧V0をホールドすることなく、駆動が実施されるようになっている。
[2−1.圧電アクチュエータAの駆動制御方法]
図5のタイミングチャートに示すように、スイッチ201からの駆動開始信号を受けた制御回路106は、駆動開始時に一度だけサンプルホールド回路102にホールド信号を送る。そして、サンプルホールド回路102で電池電圧V0をホールドし、ホールドした電池電圧V0に基づいて基準電圧発生回路103で基準電圧V1を設定する。この基準電圧V1は、圧電アクチュエータAの駆動中に変更されることなく、駆動開始時に設定した基準電圧V1が駆動終了まで維持される。ただし、この基準電圧V1は、次回(翌日)の日付表示変更時には、その時点でホールドされた電池電圧V0に基づいて設定されるため、毎回の駆動開始時の電池電圧V0に応じた基準電圧V1が設定されるようになっている。
[2−2.第2実施形態の効果]
上述した第2実施形態では、前述の(1)〜(4)、(6)〜(9)の効果に加えて以下のような効果がある。
(10)圧電アクチュエータAの駆動中に再度電池電圧V0をホールドすることがなく、再ホールドに備えて駆動を停止させる必要がないので、制御回路106による駆動制御が簡単になる。また、電池電圧Vの回復状況にバラつきが少ない電池を用いた場合などにおいて、基準電圧V1を再設定することで得られる効果が少ない場合には、駆動停止時間が短くなるので、全体の駆動時間を短縮化することもできる。
[3.第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を図6に基づいて説明する。
本実施形態における電子機器としての電子時計1の構成および動作(制御方法)は、前記第1実施形態と略同様であり、その詳細説明を省略する。そして、本実施形態の電子時計1は、電源としての蓄電池200と時刻表示部および日付表示機構10との関係に特徴がある。この特徴部分について、以下に詳しく説明する。
図6は、本実施形態における電子機器としての電子時計1の電子時計の構成を示すブロック図である。
図6において、電子時計1の電源である蓄電池(大容量コンデンサ)200は、発電機203からの電力を充電し、この充電した電力を前述の駆動制御装置100、およびステッピングモータ3に供給するようになっている。発電機203としては、太陽電池や、回転錘を用いた発電装置、ゼンマイで駆動される発電装置等が利用でき、この発電機61からの出力が、昇圧整流、全波整流、半波整流、トランジスタ整流等からなる整流回路205を通して整流され、蓄電池200に充電供給される。なお、発電機203として直流電力を発電する太陽電池を用いた場合には、整流回路205を省略し、逆流防止回路を介して太陽電池を蓄電池200に接続してもよい。また、発電機203と蓄電池200との間には、発電機203の出力をショートさせて蓄電池200への過充電を防止するショート回路204が設けられている。
このショート回路204は、駆動制御装置100の制御回路106によってON/OFF制御されるようになっており、制御回路106は、圧電アクチュエータAを駆動している場合には、ショート回路204に制御信号を送って発電機203の出力を短絡させ、蓄電池200への充電を停止させるようになっている。すなわち、制御回路106およびショート回路204によって充電禁止制御手段が構成され、このように圧電アクチュエータAの駆動中に蓄電池200への充電を禁止することで、蓄電池200の電圧が変動(上昇)することを防止して、圧電アクチュエータAの駆動制御を安定化させることができる。なお、圧電アクチュエータAの駆動中における蓄電池200の電圧変動を防止する手段としては、充電禁止制御手段に限らず、制御回路106から発電機203へ制御信号を送って発電を停止させる発電禁止制御手段であってもよい。
一方、蓄電池200は、昇圧回路206、補助蓄電池(コンデンサ)207、および定電圧回路208を介して電子時計1の時刻表示部における駆動部である発振回路4、分周回路5、駆動回路6、およびステッピングモータ3に接続されている。このように、蓄電池200に充電された電源電圧を昇圧回路206で昇圧し、かつ補助蓄電池207に一旦充電してから定電圧回路208を介して発振回路4に印加することで、発振回路4から出力される基準パルスの発振周波数を安定化させることができる。そして、発振回路4に印加される電源電圧が日付表示機構10の駆動負荷の影響を受けにくくなるため、時刻表示部の駆動部へ安定した電圧を供給することができ、指針2の運針を安定化させることができる。すなわち、前述のように圧電アクチュエータAで駆動される電子時計1の日付表示機構10は、電子時計1からの24時信号が入力したスイッチ201のONにより作動されるため、日付表示機構10の作動中には蓄電池200への負荷が増大することとなる。しかし、補助蓄電池207および定電圧回路208を介することによって時刻表示部の駆動部へ安定した電力を供給することができる。
なお、蓄電池200と駆動制御装置100との間に昇圧回路(または降圧回路)および補助蓄電池を設け、昇圧(または降圧)されるとともに補助蓄電池に一旦充電された駆動電圧により駆動制御装置100や圧電アクチュエータAが駆動されるように構成してもよい。
[4.第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を図7、8に基づいて説明する。
本実施形態は駆動制御装置100を携帯型の電子機器に適用した点で第1〜第3実施形態と相違するものであるが、圧電アクチュエータの駆動装置の構成および動作(制御方法)は前記実施形態のいずれかと同じである。ここで、第4実施形態の説明中、前記実施形態と同一の構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡略にする。
本実施形態において、電子機器(携帯機器)は、決済機能を有する非接触型ICカード300であり、このICカード300に圧電アクチュエータAおよび駆動装置310が設けられている。
図7は、非接触型ICカード300の外観斜視図である。
図7において、非接触型ICカード300の表面側には、残金表示を行う残金表示カウンタ301が設けられている。
残金表示カウンタ301は、4桁の残金を表示するものであり、図8に示される通り、上位2桁を表示する上位桁表示部302と、下位2桁を表示する下位桁表示部303とを備えている。
上位桁表示部302は、ロータ20Aを介して圧電アクチュエータAに連結されており、ロータ20Aの駆動力によって駆動される。上位桁表示部302の主要部は、送り爪を有し、ロータ20Aが1/n回転すると1回転する駆動ギア302Aと、駆動ギア302Aの1回転で1目盛分回転する第1上位桁表示車302Bと、第1上位桁表示車302Bの1回転で1目盛分回転する第2上位桁表示車302Cと、第1上位桁表示車302Bの非回転時に第1上位桁表示車302Bを固定する固定部材302Dとを備えている。なお、第2上位桁表示車302Bについても、第2上位桁表示車302Cを固定する図示しない固定部材が設けられている。
駆動ギア302Aは、ロータ20Aが1/n回転すると1回転する。そして、駆動ギア302Aの送り爪は、第1上位桁表示車302Bの送りギア部に噛合しており、第1上位桁表示車302Bは1目盛分回転することとなる。さらに、第1上位桁表示車302Bが回転し、1回転すると、第1上位桁表示車302Bに設けられている送りピンが送りギアを回転させ、第2上位桁表示車302Cの送りギアを回転させ、第2上位桁表示車302Cを1目盛分回転させることとなる。
下位桁表示部303は、ロータ20Bを介して圧電アクチュエータAに連結されており、ロータ20Bの駆動力によって駆動される。下位桁表示部303の主要部は、送り爪を有しロータ20Bが1/n回転すると1回転する駆動ギア303Aと、駆動ギア303Aの1回転で1目盛分回転する第1下位桁表示車303Bと、第1下位桁表示車303Bの1回転で1目盛分回転する第2下位桁表示車303Cとを備えている。
第1下位桁表示車303Bは、駆動ギア303Aの送り爪に噛合する送りギア部を有しており、駆動ギア303Aの1回転で1目盛分回転する。そして、第1下位桁表示車303Bには、送りピンが設けられており、第1下位桁表示車303Bが1回転する毎に、送りギアを回転させ、第2下位桁表示車303Cを1目盛分回転させる。この場合において、第1下位桁表示車303Bおよび第2下位桁表示車303Cの固定部材(不図示)は、非回転時にそれぞれの送りギア部に噛合して第1下位桁表示車303Bおよび第2下位桁表示車303Cを固定する。
以上の非接触型ICカード300において、アクチュエータAは、駆動装置310により同期して駆動されるように設定されており、駆動装置310は、図示しないICカードチップにより決済金額に相当する駆動制御信号が入力されることにより駆動されている。この駆動装置310の具体的な構造は前記各実施形態における駆動制御装置100と同じであるため、説明を省略する。
以上のような構成により、非接触ICカードのような薄型の携帯機器においても、機械的に残金額表示を行うことができ、駆動時以外は、電源を必要とせずに、表示を行えるので、低商品電力で表示を行えると共に、電源が無くなった場合においても、それまでの表示を保持することができる。
[5.実施形態の変形]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。
例えば、前記各実施形態では、腕時計である電子時計1やICカード300について説明したが、電子時計としては腕時計に限定されず、置時計や柱時計等でもよい。また、電子機器としては、電子時計やICカードに限らず、各種の電子機器に本発明が適用可能であり、特に小型化が要求される携帯用の電子機器に好適である。ここで、各種の電子機器としては、時計機能を備えた電話、携帯電話、パソコン、携帯情報端末(PDA)、カメラ等が例示できる。また、時計機能を備えないカメラ、ディジタルカメラ、ビデオカメラ、カメラ機能付き携帯電話等の電子機器にも適用可能である。これらカメラ機能を備えた電子機器に適用する場合には、レンズの合焦機構や、ズーム機構、絞り調整機構等の駆動に本発明の駆動手段を用いることができる。さらに、計測機器のメータ指針の駆動機構や、可動玩具の駆動機構等に本発明の駆動手段を用いてもよい。
また、前記実施形態では、電子時計1の日付表示機構の駆動に駆動手段である圧電アクチュエータAを用いたが、これに限らず、電子時計1の時刻表示針(指針)を本発明の駆動手段で駆動してもよい。このようにすれば、指針を駆動するステッピングモータ3を圧電アクチュエータAに置き換えることで、電子時計の一層の薄型化が実現できるとともに、圧電アクチュエータAがステッピングモータよりも磁性の影響を受けにくいことから、電子時計の高耐磁化をも図ることができる。
さらに、本発明では、駆動制御装置100内の各手段等を各種論理回路素子等のハードウェアで構成したが、これに限らず、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶装置)等を備えたコンピュータを電子機器内に設け、このコンピュータに所定のプログラムやデータ(各記憶部に記憶されたデータ)を組み込んで各手段を実現させるように構成したものでもよい。
ここで、前記プログラムやデータは、電子機器内に組み込まれたRAMやROM等のメモリに予め記憶しておけばよい。また、例えば、電子機器内のメモリに所定の制御プログラムやデータをインターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介してインストールしてもよい。そして、メモリに記憶されたプログラムでCPU等を動作させて、各手段を実現させればよい。なお、時計や携帯機器に所定のプログラム等をインストールするには、その時計や携帯機器にメモリカードやCD−ROM等を直接差し込んで行ってもよいし、これらの記憶媒体を読み取る機器を外付けで時計や携帯機器に接続してもよい。さらには、LANケーブル、電話線等を時計や携帯機器に接続して通信によってプログラム等を供給しインストールしてもよいし、無線によってプログラムを供給してインストールしてもよい。
また、前記実施形態では、基準電圧発生回路103で発生する基準電圧V1は、ホールドした電池電圧V0に対して所定の割合(例えば、90%)に設定されるようになっていたが、これに限らず、基準電圧V1を以下のa)〜f)の設定方法によって設定してもよい。
すなわち、
a)圧電アクチュエータAの駆動開始後に、電池電圧Vが最低動作電圧V2を下回るまでの時間を計測し、この時間に基づいて設定する方法、
b)電池電圧Vが最低動作電圧V2を下回り、圧電アクチュエータAの駆動が停止された後に、電池電圧Vが基準電圧V1を上回るまでの時間を計測し、この時間に基づいて設定する方法、
c)上記a)およびb)の各時間の比率を算定し、この比率に基づいて設定する方法、
d)電子機器に温度センサを組み込んでおき、この温度センサで測定された温度に基づいて設定する方法、
e)圧電アクチュエータAの駆動開始時にホールドした電池電圧V0に、電池電圧V0に応じて変動する任意の係数を乗じて設定する方法、
f)電池200の内部抵抗に応じて設定する方法、
などの各種の設定方法が採用可能である。
このような設定方法を用いて基準電圧V1を設定すれば、電源電圧の回復状況に対応した高精度な駆動再開が実行されるので、より一層の駆動時間の短縮化を図ることができる。
また、前記実施形態では、駆動手段として圧電アクチュエータAを用いたが、圧電アクチュエータ以外の一般的なモータ等を用いてもよい。ただし、圧電アクチュエータでは、前述したように、小型薄型の構成でありながら、高効率の駆動が実現できるので、装置および電源の小型化、薄型化が実現できる。
また、前記実施形態では、駆動量検出手段として日回し中間車30の回転数を検出する回転検出回路107を用いたが、駆動量検出手段は、そのように圧電アクチュエータAで駆動する駆動対象の回転量を検出するものに限られない。例えば、圧電アクチュエータAの振動体12の表面に振動検出用の圧電素子貼り付け、この振動検出用の圧電素子から出力される信号に基づいて、圧電アクチュエータAの駆動量を直接算出してもよい。
本発明は、駆動制御装置、電子機器、電子機器の駆動制御方法、電子機器の駆動制御プログラム、このプログラムを記録した記録媒体として利用できる。

Claims (14)

  1. 電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段を駆動制御する駆動制御装置であって、
    少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持手段と、前記駆動電圧保持手段で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較手段と、予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較手段と、これら第1および第2の比較手段における比較結果に基づいて前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記第2の比較手段での比較において、前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、
    前記第1の比較手段での比較において、前記駆動手段の停止後の駆動電圧が前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させるように駆動制御することを特徴とする駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載の駆動制御装置において、
    前記駆動手段の駆動量を検出するとともに、検出した駆動量を前記制御手段に送る駆動量検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記駆動量が所定の駆動量に達した時点で前記駆動手段の間欠駆動を完了させることを特徴とする駆動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の駆動制御装置において、
    前記制御手段は、前記第1と第2の比較手段の比較結果に基づく場合の他に、予め定めた所定のタイミングで前記駆動手段の駆動を停止するように設定され、
    前記基準電圧設定手段は、前記駆動手段の駆動の停止期間中に前記駆動電圧に基づいて基準電圧を再度設定することを特徴とする駆動制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の駆動制御装置において、
    前記駆動手段は、所定の周波数の駆動信号が圧電素子に与えられることで振動する振動体を備えた圧電アクチュエータであることを特徴とする駆動制御装置。
  5. 電源と、この電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段と、この駆動手段を駆動制御する駆動制御装置とを備えた電子機器であって、
    前記駆動制御装置は、
    少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持手段と、前記駆動電圧保持手段で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較手段と、予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較手段と、これら第1および第2の比較手段における比較結果に基づいて前記駆動手段の駆動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記第2の比較手段での比較において、前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、
    前記第1の比較手段での比較において、前記駆動手段の停止後の駆動電圧が前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させるように駆動制御することを特徴とする電子機器。
  6. 請求項5に記載の電子機器において、
    前記電源は、電池または二次電池であることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項5または請求項6に記載の電子機器において、
    前記電源に対して並列にコンデンサが接続されていることを特徴とする電子機器。
  8. 請求項5から請求項7のいずれかに記載の電子機器において、
    前記駆動手段によって駆動される日付表示機構を備えた電子時計であることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項8に記載の電子機器において、
    前記電子時計の基本時計駆動信号に基づいて前記制御手段から前記駆動電圧保持手段に保持信号が送られ、当該駆動電圧保持手段にて駆動電圧が保持されることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項9に記載の電子機器において、
    前記制御手段は、前記第1と第2の比較手段の比較結果に基づく場合の他に、前記電子時計の基本時計駆動信号に基づいたタイミングで前記駆動手段の駆動を停止するように設定され、
    前記基準電圧設定手段は、前記駆動手段の駆動の停止期間中に前記駆動電圧に基づいて基準電圧を再度設定することを特徴とする電子機器。
  11. 請求項5から請求項10のいずれかに記載の電子機器において、
    前記駆動手段は、所定の周波数の駆動信号が圧電素子に与えられることで振動する振動体を備えた圧電アクチュエータであることを特徴とする電子機器。
  12. 電源と、この電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段とを備えた電子機器を駆動制御する電子機器の駆動制御方法であって、
    少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持工程と、
    前記駆動電圧保持工程で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定工程と、
    前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較工程と、
    予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較工程と、
    前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記第2の比較工程において前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、この駆動停止後の駆動電圧が前記第1の比較工程において前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させて、再開駆動が実行されるように駆動制御する再開駆動制御工程と
    を備えることを特徴とする電子機器の駆動制御方法。
  13. 電源と、この電源からの駆動電圧により駆動される駆動手段とを備えた電子機器に組み込まれたコンピュータを、
    少なくとも前記駆動手段の駆動開始前における駆動電圧を保持する駆動電圧保持手段と、
    前記駆動電圧保持手段で保持した電圧に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、
    前記基準電圧と駆動電圧とを比較する第1の比較手段と、
    予め設定された駆動停止電圧と駆動電圧とを比較する第2の比較手段と、
    前記駆動手段の駆動に伴って低下する駆動電圧が前記第2の比較手段において前記駆動停止電圧を下回った場合に、前記駆動手段の駆動を停止させるとともに、この駆動停止後に駆動電圧が前記第1の比較手段において前記基準電圧を上回った場合に、前記駆動手段の駆動を再開させて、再開駆動が実行されるように駆動制御する再開駆動制御手段と
    のうち、少なくとも前記再開駆動制御手段として機能させることを特徴とする電子機器の駆動制御プログラム。
  14. 請求項13に記載の電子機器の駆動制御プログラムがコンピュータにて読み取り可能に記録されたことを特徴とする駆動制御プログラムの記録媒体。
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