JP3680697B2 - 電子時計およびその駆動制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子時計およびその駆動制御方法に関し、特に、発電装置にて第1のエネルギーを変換することによって得られた電気エネルギーを蓄電装置へ蓄電するとともに、その蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計およびその駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、腕時計タイプなどの小型の電子時計に太陽電池などの発電装置を内蔵し、電池交換なしに動作するものが実現されている。これらの電子時計においては、発電装置で発生した電力をいったん大容量コンデンサなどに充電する機能を備えており、発電が行われないときはコンデンサから放電される電力で時刻表示が行われるようになっている。このため、電池なしでも長時間安定した動作が可能であり、電池の交換の手間あるいは電池の廃棄上の問題などを考慮すると、今後、多くの電子時計に発電装置が内蔵されるものと期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、充電時は発電機から発生する電磁ノイズレベルによって、モータに悪影響を与える場合がある。
また、充電時には、二次電池の内部抵抗により充電電流による電源電圧変動も発生する。
従って、このような問題を回避すべく、上記発電装置を内蔵した電子時計においては、発電装置で発電しているか否かを発電検出回路を設けて検出し、発電がなされている場合には、充電がなされているものとして処理を行っている。
【0004】
しかしながら、発電を検出したからといって、必ずしもその発電電力が充電に寄与するものとは限らなく、二次電池の端子電圧以上の発電電圧が発生して初めて二次電池への充電が可能となり、充電電流が流れるのである。よって、発電電圧の絶対値の検出では充電に寄与しない発電を検出してしまい、必要以上に処理を施すこととなり、ひいては、消費電力を増大することとなっていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、発電装置により蓄電装置の充電を行うとともに、その蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによってモータを駆動させて時刻表示を行う電子時計に、発電状態を確実に検出させ、発電に伴うモータへの悪影響を回避するための各種処理を適切に行わせ、消費電力を低減させることにある。
また、本発明の他の目的は、発電電流を蓄電装置への充電回路を迂回する迂回路に流すようなリミッタ回路が動作している場合においても、迂回路に迂回電流が流れる状態を確実に検出し、発電に伴うモータへの悪影響を回避するための各種処理を適切に行わせることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の構成は、蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計において、一対の出力端子を有し第1のエネルギーを変換することによって得られる電気エネルギーを前記蓄電装置へ蓄電するための発電装置と、前記発電装置による発電を検出する発電検出回路と、前記モータの駆動制御を行う制御部と、を備え、前記発電検出回路は、前記発電装置の出力端子の電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、前記比較結果信号に基づいて前記出力端子の電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を有し、前記制御部は、前記発電検出信号が前記発電検出回路から入力された場合に、前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止する第1の処理と、前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスの出力を停止する第2の処理と、前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動する第3の処理と、前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力する第4の処理と、デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開する第5の処理と、を順次行うことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の構成は、蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計において、第1出力端子及び第2出力端子を有する交流発電装置であって、第1のエネルギーを変換することによって得られる電気エネルギーを前記蓄電装置へ蓄電するための発電装置と、前記発電装置による発電を検出する発電検出回路と、前記モータの駆動制御を行う制御部と、を備え、前記発電検出回路は、前記第1出力端子の端子電圧である第1出力端子電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、第1比較結果信号を出力する第1の比較手段と、前記第2出力端子の端子電圧である第2出力端子電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、第2比較結果信号を出力する第2の比較手段と、前記第1比較結果信号および前記第2比較結果信号に基づいて、前記第1出力端子電圧あるいは前記第2出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を有し、前記制御部は、前記発電検出信号が前記発電検出回路から入力された場合に、前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止する第1の処理と、前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止する第2の処理と、前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動する第3の処理と、前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力する第4の処理と、デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開する第5の処理と、を順次行うことを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の構成は、蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計において、一対の出力端子を有し第1のエネルギーを変換することによって得られる電気エネルギーを前記蓄電装置へ蓄電するための発電装置であって、一方の出力端子に昇圧用蓄電装置が接続されている発電装置と、前記発電装置による発電を検出する発電検出回路と、前記モータの駆動制御を行う制御部と、を備え、前記発電検出回路は、前記昇圧用蓄電装置の蓄電電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、前記比較結果信号に基づいて前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧を上回る場合に、前記蓄電装置を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を有し、前記制御部は、前記発電検出信号が前記発電検出回路から入力された場合に、前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止する第1の処理と、前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止する第2の処理と、前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動する第3の処理と、前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力する第4の処理と、デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開する第5の処理と、を順次行うことを特徴としている。
【0009】
請求項4記載の構成は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の構成において、前記比較手段は、二つの入力電圧のうち、いずれか一方の電圧を予め定めた所定量だけオフセットさせた電圧と、他方の電圧とを比較することを特徴としている。
【0010】
請求項5記載の構成は、請求項4記載の構成において、前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧は、前記蓄電装置の端子電圧に予め定めた所定のオフセット電圧を加えた電圧であることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載の構成は、請求項2記載の構成において、前記発電検出手段は、前記第1比較結果信号と前記第2比較結果信号の論理積をとって原発電検出信号として出力するAND手段と、前記原発電検出信号を平滑化して、前記発電検出信号として出力する平滑化手段と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項7記載の構成は、請求項2記載の構成において、前記発電検出手段は、前記第1比較結果信号と前記第2比較結果信号の論理和をとって原発電検出信号として出力するOR手段と、前記原発電検出信号を平滑化して、前記発電検出信号として出力する平滑化手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項8記載の構成は、請求項1、2または6〜7のいずれかに記載の構成において、前記蓄電装置の充電電圧を検出する充電電圧検出手段と、前記充電電圧検出手段により検出された充電電圧が予め定めた所定の電圧を上回る場合には、一方の前記出力端子から流れ込む充電電流を前記蓄電装置への充電経路を迂回する迂回経路を介して、他方の前記出力端子に供給することによって一対の前記出力端子を介して閉ループを形成する閉ループ形成手段と、を備え、前記充電電流は、前記迂回路を流れる迂回電流であり、前記発電検出手段は、前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に前記迂回電流が流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力することを特徴としている。
【0017】
請求項9記載の構成は、一対の出力端子を有する発電装置にて第1のエネルギーを変換することによって得られた電気エネルギーを蓄電装置へ蓄電するとともに、前記蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計の駆動制御方法において、前記発電装置の出力端子の電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較する比較工程と、前記比較工程における比較の結果に基づいて前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する旨を検出する発電検出工程と、を含み、前記充電電流が流れ得る状態に相当する旨が前記発電検出工程にて検出された場合に、前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止するステップと、前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止するステップと、前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動するステップと、前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力するステップと、デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開するステップと、を前記電子時計に順次実行させることを特徴としている。
【0018】
請求項10記載の構成は、第1出力端子及び第2出力端子を有する交流発電装置である発電装置にて第1のエネルギーを変換することによって得られた電気エネルギーを蓄電装置へ蓄電するとともに、前記蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計の駆動制御方法において、前記第1出力端子の端子電圧である第1出力端子電圧と、前記発電装置において第1のエネルギーを変換することにより得られる電気エネルギーを蓄電する蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較する第1の比較工程と、前記第2出力端子の端子電圧である第2出力端子電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較する第2の比較工程と、前記第1の比較工程および前記第2の比較工程における比較の結果に基づいて前記第1出力端子電圧あるいは前記第2出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する旨を検出する発電検出工程と、を含み、前記充電電流が流れ得る状態に相当する旨が前記発電検出工程にて検出された場合に、前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止するステップと、前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止するステップと、前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動するステップと、前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力するステップと、デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開するステップと、を前記電子時計に順次実行させることを特徴としている。
【0019】
請求項11記載の構成は、一対の出力端子を有する発電装置にて第1のエネルギーを変換することによって得られた電気エネルギーをその一方の出力端子に接続されている昇圧用蓄電装置を介して蓄電装置へ蓄電するとともに、前記蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計の駆動制御方法において、前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧と前記昇圧用蓄電装置の蓄電電圧とを比較する比較工程と、前記比較の結果に基づいて前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する旨を検出する発電検出工程と、を含み、前記充電電流が流れ得る状態に相当する旨が前記発電検出工程にて検出された場合に、前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止するステップと、前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止するステップと、前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動するステップと、前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力するステップと、デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開するステップと、を前記電子時計に順次実行させることを特徴としている。
【0020】
請求項12記載の構成は、請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の構成において、前記比較工程においては、二つの入力電圧のうち、いずれか一方の電圧を予め定めた所定量だけオフセットさせた電圧と、他方の電圧とを比較することを特徴としている。
【0021】
請求項13記載の構成は、請求項12記載の構成において、前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧は、前記蓄電装置の端子電圧に予め定めた所定のオフセット電圧を加えた電圧に設定することを特徴としている。
【0023】
請求項14記載の構成は、請求項9または10のいずれかに記載の構成において、前記蓄電装置の充電電圧を検出する充電電圧検出工程と、前記充電電圧検出工程において、検出された充電電圧が予め定めた所定の電圧を上回る場合には、一方の前記出力端子から流れ込む充電電流を前記蓄電装置への充電経路を迂回する迂回経路を介して、他方の前記入力端子に供給することによって一対の前記出力端子を介して閉ループを形成する閉ループ形成工程と、を備え、前記充電電流は、前記迂回路を流れる迂回電流であり、前記発電検出工程においては、前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に前記迂回電流が流れ得る状態である旨を検出することを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[1] 第1実施形態
[1.1] 全体構成
図1に、第1実施形態の電子機器である計時装置1の概略構成を示す。
計時装置1は、腕時計であって、使用者は装置本体に連結されたベルトを手首に巻き付けて使用するようになっている。
計時装置1は、大別すると、交流電力を発電する発電部Aと、発電部Aからの交流電圧を整流するとともに昇圧した電圧を蓄電し、各構成部分へ電力を給電する電源部Bと、発電部Aの発電状態を検出し、検出結果に基づいて装置全体を制御する制御部Cと、指針を駆動する運針機構Dと、制御部Cからの制御信号に基づいて運針機構Dを駆動する駆動部Eと、を備えて構成されている。
【0025】
この場合において、制御部Cは、発電部Aの発電状態に応じて、運針機構Dを駆動して時刻表示を行う表示モードと、運針機構Dへの給電を停止して電力を節電する節電モードとを切り換えるようになっている。また、節電モードから表示モードへの移行は、ユーザが計時装置1を手に持ってこれを振ることによって、強制的に移行されるようになっている。以下、各構成部分について説明する。なお、制御部Cについては機能ブロックを用いて後述する。
まず、発電部Aは、大別すると、発電装置40と、ユーザの腕の動きなどを捉えて装置内で旋回し、運動エネルギーを回転エネルギーに変換する回転錘45と、回転錘の回転を発電に必要な回転数に変換(増速)して発電装置40側に伝達する増速用ギア46と、を備えている。
【0026】
発電装置40は、回転錘45の回転が増速用ギア46を介して発電用ロータ43に伝達され、発電用ロータ43が発電用ステータ42の内部で回転することにより、発電用ステータ42に接続された発電コイル44に誘起された電力を外部に出力する電磁誘導型の交流発電装置として機能している。
したがって、発電部Aは、使用者の生活に関連したエネルギーを利用して発電を行い、その電力を用いて計時装置1を駆動できるようになっている。
次に、電源部Bは、整流回路部47と、大容量コンデンサ48と、昇降圧回路113と、を備えて構成されている。
昇降圧回路113は、複数のコンデンサ113a、113bおよび113cを用いて多段階の昇圧および降圧ができるようになっており、制御部Cからの制御信号φ11によって駆動部Eに供給する電圧を調整することができる。また、昇降圧回路113の出力電圧はモニタ信号φ12によって制御部Cにも供給されており、これによって出力電圧をモニタできる。ここで、電源部Bは、Vdd(高電位側)を基準電位(GND)に取り、VTKN(低電位側)を電源電圧として生成している。
【0027】
次に運針機構Dについて説明する。運針機構Dに用いられているステッピングモータ10は、パルスモータ、ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用されている、パルス信号によって駆動されるモータである。近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは情報機器用のアクチュエータとして小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用されている。このような電子装置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置である。
本例のステッピングモータ10は、駆動部Eから供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル11と、この駆動コイル11によって励磁されるステータ12と、さらに、ステータ12の内部において励磁される磁界により回転するロータ13を備えている。また、ステッピングモータ10は、ロータ13がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ12には、駆動コイル11で発生した磁力によって異なった磁極がロータ13の回りのそれぞれの相(極)15および16に発生するように磁気飽和部17が設けられている。また、ロータ13の回転方向を規定するために、ステータ12の内周の適当な位置には内ノッチ18が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ13が適当な位置に停止するようにしている。
【0028】
ステッピングモータ10のロータ13の回転は、かなを介してロータ13に噛合された五番車51、四番車52、三番車53、二番車54、日の裏車55および筒車56からなる輪列50によって各針に伝達される。四番車52の軸には秒針61が接続され、二番車54には分針62が接続され、さらに、筒車56には時針63が接続されている。ロータ13の回転に連動してこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50には、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続することももちろん可能である。
次に、駆動部Eは制御部Cの制御の基にステッピングモータ10に様々な駆動パルスを供給する。より詳細には、制御部Cからそれぞれのタイミングで極性およびパルス幅の異なる制御パルスを印加することにより、駆動コイル11に極性の異なる駆動パルスを供給したり、あるいは、ロータ13の回転検出用および磁界検出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給することができるようになっている。
【0029】
[1.2] 制御系の機能構成
次に図2を参照して第1実施形態の制御系の機能構成について説明する。
計時装置1は、交流発電を行う発電部101と、発電部101の発電電圧SKに基づいて発電検出を行い発電検出結果信号SAを出力する発電検出回路102と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、蓄電装置104に蓄えられた電気エネルギーにより動作し、計時制御を行うべく通常モータ駆動パルスSIを出力するとともに、発電機交流磁界検出の検出タイミングを指示するための発電機交流磁界検出タイミング信号SBを出力する計時制御回路105と、発電検出結果信号SA及び発電交流磁界検出タイミング信号SBに基づいて発電機交流磁界検出を行い、発電機交流磁界検出結果信号SCを出力する発電機交流磁界検出回路106と、を備えて構成されている。
【0030】
また、計時装置1は、発電機交流磁界検出結果信号SCに基づいて通常モータ駆動パルスのデューティダウンを制御するための通常モータ駆動パルスデューティダウン信号SHを出力するデューティダウン用カウンタ107と、発電機交流磁界検出結果信号SCに基づいて補正駆動パルスSJを出力するか否かを判別し、必要に応じて補正駆動パルスSJを出力する補正駆動パルス出力回路108と、通常モータ駆動パルスSIあるいは補正駆動パルスSJに基づいてパルスモータ10を駆動するためのモータ駆動パルスSLを出力するモータ駆動回路109と、発電機交流磁界検出結果信号SC及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて高周波磁界を検出して高周波磁界検出結果信号SEを出力する高周波磁界検出回路110と、発電機交流磁界検出結果信号SC及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいて交流磁界を検出し交流磁界検出結果信号SFを出力する交流磁界検出回路111と、発電機交流磁界検出結果信号SC及びモータ駆動回路109から出力される誘起電圧信号SDに基づいてモータ10が回転したか否かを検出し、回転検出結果信号SGを出力する回転検出回路112と、を備えて構成されている。
【0031】
[1.3] 発電検出回路
[1.3.1] 発電検出回路の構成
図3は、全波整流を行うばあいの発電検出回路の周辺の回路構成例である。
図3においては、発電検出回路102と、発電検出回路102の周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、を図示している。
発電検出回路102は、発電部101の第1出力端子AG1の電圧V1と蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDとを比較して、第1比較結果データDC1を出力する第1コンパレータCOMP1と、発電部101の第2出力端子AG2の電圧V2と蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDとを比較して、第2比較結果データDC2を出力する第2コンパレータCOMP2と、第1比較結果データDC1と第2比較結果データDC2の論理和をとって、発電検出データDDETとして出力するOR回路OR1と、を備えて構成されている。
【0032】
ここで、コンパレータCOMP1,COMP2について説明する。
上述したように本実施形態は、全波整流を行う場合のものであるが、半波整流の場合であっても本発明の適用は可能である。
すなわち、図16に示すような構成を採ることも可能である。
しかしながら、図16に示すように、半波整流回路103’により半波整流を行う場合であって充電に寄与しない発電位相の場合には、発電機101による最大で数十[V]もの発電電電圧がコンパレータCOMP’の非反転入力端子(+)に印加されるため、コンパレータCOMP’として高耐圧のデバイスが要求されることとなる。この場合において、コンパレータCOMP’は蓄電装置104からの供給電源により動作している。
【0033】
これに対し、本実施形態のように全波整流を行う場合には、発電機101の出力端子AG1、AG2には、最大で蓄電装置104の電圧+0.6[V]程度の電圧しか発生しないため、コンパレータCOMP1,COMP2として、低耐圧のデバイスを用いることが可能となる。
この結果、コンパレータCOMP1,COMP2は時計用に一般的に使用されているICプロセスで製造可能となり、回路の小型化および低コスト化が可能となっている。
従って、低耐圧のデバイスを用いる必要がなく、回路構成を単純化したいような場合には、図16の半波整流の構成を採用することができる。
【0034】
次に高電位側電圧Vddに接続されるコンパレータCOMP1,COMP2の一例について図13を参照して説明する。
図13に示されるように、コンパレータCOMP1,COMP2は、一対の負荷トランジスタ211、212と、一対の入力トランジスタ213、214と、出力トランジスタ215と、定電流源216、217とから構成される。このうち、負荷トランジスタ211、212および出力トランジスタ215はPチャネル電界効果型であるが、入力トランジスタ213、214はNチャネル電界効果型である。そして、入力トランジスタ213、214の各ゲートが、それぞれコンパレータCOMP1(COMP2)の負入力端(−)、正入力端(+)となる一方、出力トランジスタ215のドレインが出力端OUTとなっている。
このような構成において、負荷トランジスタ211、212は、カレントミラー回路となるので、その負荷トランジスタ211、212に流入する各電流値は互いに等しい。したがって、入力トランジスタ213、214のゲートに流入する電流(電圧)差が増幅されて、その差が端子Aに現れるが、これを途中で受けるトランジスタ211、212は同じ電流値しか受容しないので、その差電流(電圧)は、次第に大きく増幅されてトランジスタ215のゲートに流入することとなる。
【0035】
この結果、コンパレータ201の出力端OUTたるトランジスタ215のドレイン電圧は、正入力端(+)たるトランジスタ214のゲート電流(電圧)が負入力端(−)たるトランジスタ213のゲート電流(電圧)を少しでも越えると、高電位側電圧Vddに大きく振られる一方、そうでなければ、反対に低位側電圧Vssに大きく振られることとなる。
このようなコンパレータCOMP1(COMP2)によれば、トランジスタ211、212を能動負荷として用いているので、定電流源216、217以外に抵抗を1個も用いないで済む。このため、集積化する場合に極めて有利となる。
一般にMOSトランジスタで構成されるコンパレータの応答遅延時間は、Cgを出力トランジスタのゲート容量、Iopをコンパレータの動作電流としたとき、「Cg/Iop」に比例する。すなわち、応答遅延時間と消費電流はほぼ反比例の関係にある。内蔵された発電機からの電力で駆動される電子時計においては、発電機の大きさが電子時計というスペースで制限されて大きな発電力を得ることができないため、電力のエネルギー収支を確保するために回路の低消費電流化が図られる。コンパレータCOMP1、COMP2においても、低消費電流化が図られ動作電流Iopは最小限に抑える必要があり、コンパレータCOMP1、COMP2の応答遅延時間は特に大きくなる傾向にある。
【0036】
整流回路103は、発電部101の一方の出力端子AG1の電圧V1が蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDよりも高くなると導通状態となる第1整流素子RE1および第4整流素子RE4と、発電部101の他方の出力端子AG2の電圧V2が蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDよりも高くなると導通状態となる第2整流素子RE2および第3整流素子RE3とを備えて構成されている。
この場合において、整流素子RE1〜RE4は、ダイオード等の受動整流素子や、トランジスタとコンパレータを組み合わせた能動整流素子などが考えられる。
次に発電検出回路の動作について説明する。
発電部101が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。
【0037】
そして、出力端子AG1の端子電圧V1が、出力端子AG2の電圧V2よりも所定電圧以上高くなり、さらに出力端子AG1の電圧が蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDよりも高くなると、第1整流素子RE1および第4整流素子RE4が導通状態となる。これにより、「端子AG1→第1整流素子RE1→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4整流素子RE4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
そして、第1コンパレータCOMP1の出力する第1比較結果データDC1は“H”レベルとなる。
この結果、OR回路OR1の出力する発電検出データDDETは“H”レベルとなり、発電が検出されることとなる。
【0038】
同様にして、出力端子AG2の端子電圧V2が、蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDよりも高くなると、第2整流素子RE2および第3整流素子RE3が導通状態となる。これにより、「端子AG2→第2整流素子RE2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3整流素子RE3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
そして、第2コンパレータCOMP2の出力する第2比較結果データDC2は“H”レベルとなる。
この結果、OR回路OR1の出力する発電検出データDDETは“H”レベルとなり、発電が検出されることとなる。
以上により、蓄電装置104の端子電圧以上の電圧を有する発電を検出することができ、確実な発電検出が可能となる。
【0039】
[1.4]
次に図4の処理フローチャートを参照して計時装置1の動作を説明する。
まず、計時装置1のリセットタイミングあるいは前回の駆動パルス出力から1秒経過したか否かを判別する(ステップS1)。
ステップS1の判別において、1秒が経過していない場合には、駆動パルスを出力すべきタイミングではないので、待機状態となる。
ステップS1の判別において、1秒が経過した場合には、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置の充電状態が検出されたか否かを判別する(ステップS2)。
【0040】
[1.4.1] 高周波磁界検出用パルスSP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合の処理
ステップS2の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合には(ステップS2;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS7)。
この場合において、デューティダウンカウンタがカウントされるということは、次のパルスモータ駆動タイミングにおいて、より低いデューティ比の通常モータ駆動パルスK11で駆動を行うことを意味するが、充電による発電部からの交流磁界により、当該通常モータ駆動パルスK11によればパルスモータを駆動することができず、補正駆動パルスが出力されやすくなる。
そこで、デューティダウンカウンタをリセットし、あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止して、次のパルスモータ駆動タイミングにおける、通常モータ駆動パルスK11のデューティ比が低くなるのを防止するのである。
【0041】
次に高周波磁界検出用パルスSP0の出力を停止する(ステップS8)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS9)、この処理は後述するステップS3の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止する(ステップS10)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS11)、この処理は後述するステップS4の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
【0042】
次に通常駆動モータパルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS7において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
【0043】
ここで、消磁パルスPEの役割について説明する。
本来は、発電機の漏れ磁束によりモータ駆動コイルに誘起電圧が発生するはずである。
しかしながら、交流磁界検出パルスに基づく交流磁界検出電圧が閾値を越えた場合には、補正駆動パルスP2+Prが印加されると、この補正駆動パルスP2+Prは実効電力が大きく、残留磁束によりモータ駆動コイルに誘起電圧が発生しなくなってしまう。
また、パルスモータの非回転時の回転検出パルスSP2による検出電圧は閾値を越えないのが正常な状態であるが、補正駆動パルスP2+Prが印加された後の残留磁束による影響で、発電機の漏れ磁束が検出電圧に重畳されて閾値を越えて、誤って回転時の検出電圧とされてしまう場合がある。
そこで、これらの影響をなくすべく、残留磁束を補正駆動パルスP2+Prと逆極性を有する消磁パルスPEを印加することにより消去するのである。
この場合において、消磁パルスPEを出力するタイミングは、外部磁界検出タイミング直前とするのがより効果的である。
【0044】
また、消磁パルスPEのパルス幅はロータが回転しない程度の狭(短)パルスであり、さらなる消磁効果を上げるためには複数の間欠パルスとするのが望ましい。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0045】
[1.4.2] 交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合の処理
ステップS2の判別において、高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中には発電検出回路102による蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出されなかった場合には(ステップS2;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置の充電状態が検出されたか否かを判別する(ステップS3)。
ステップS3の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合には(ステップS3;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS9)。
【0046】
次に交流磁界検出用パルスSP11及び交流磁界検出用パルスSP12の出力を停止する(ステップS10)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS11)、この処理は後述するステップS4の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS9において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に通常駆動モータパルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
【0047】
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS9において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。この場合において、実体的にパルスモータ10を駆動するのは補正駆動パルスP2であり、補正駆動パルスPrは、駆動後のロータの回転後の振動を抑制して安定状態に素早く移行させるためのものである。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
【0048】
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0049】
[1.4.3] 通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合の処理
ステップS3の判別において、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出されなかった場合には(ステップS3;No)、通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置の充電状態が検出されたか否かを判別する(ステップS4)。
ステップS4の判別において、通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合には(ステップS4;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS11)。
【0050】
次に通常駆動パルスK11の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS12)。
続いて、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する処理を行うが(ステップS13)、この処理は後述するステップS5の判別がYesである場合のために設けられている処理であり、ステップS11において、既に処理が行われているので、実際には何も処理はなされない。
次に回転検出用パルスSP2の出力を停止する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。
【0051】
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0052】
[1.4.4] 回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合の処理
ステップS4の判別において、通常駆動パルスK11の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出されなかった場合には(ステップS4;No)、回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出されたか否かを判別する(ステップS5)。
ステップS5の判別において、回転検出パルスSP2の出力中に発電検出回路102により蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出された場合には(ステップS5;Yes)、通常モータ駆動パルスK11の実効電力を低下させるべくデューティ比を低下させるためのデューティダウンカウンタをリセット(あらかじめ定めた初期デューティダウンカウンタ値に設定)あるいは、デューティダウンカウンタのカウントダウンを停止する(ステップS13)。
【0053】
次に回転検出パルスSP2の出力を停止(あるいは中断)する(ステップS14)。
そして補正駆動パルスP2+Prを出力する(ステップS15)。
次に補正駆動パルスP2+Prの印加に伴う残留磁束をうち消すため、補正駆動パルスP2+Prの極性とは逆極性の消磁パルスPEを出力する(ステップS16)。
消磁パルスPEの出力終了後には、デューティダウンカウンタのカウントを再開し(ステップS17)、通常駆動パルスK11のデューティ比を最も消費電力が少なく、かつ、補正駆動パルスP2+Prが出力されないように設定する。
そして再び処理をステップS1に移行し、同様の処理を繰り返すこととなる。
【0054】
[1.4.5] 蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出されなかった場合の処理
高周波磁界検出用パルス信号SP0の出力中は充電状態が検出されず(ステップS2;No)、交流磁界検出用パルスSP11または交流磁界検出用パルスSP12の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出されず(ステップS3;No)、通常駆動パルスK11の出力中にも蓄電装置104を充電可能な発電状態が検出されず(ステップS4;No)、回転検出パルスSP2の出力中にも充電状態が検出されなかった場合(ステップS5;No)には、次回の通常駆動パルスK11のデューティを低減することが可能な条件を満たしている場合は今回の通常駆動パルスK11のデューティよりも低減し、あるいはこれ以上デューティを低減することができない、すなわち、予め設定した最低デューティである場合はデューティ比を現状のまま維持するパルス幅制御を行う(ステップS6)。
【0055】
[1.5] 第1実施形態の効果
以上の説明のように本第1実施形態によれば、確実に蓄電装置を充電可能な発電状態を検出し、発電状態における悪影響を防止するための対策を確実にすることが可能となるとともに、不必要に対策を施すことがなくなり、消費電力を低減することが可能となる。
また、第1実施形態の構成は、発電電圧を検出するための構成であり、発電電流、ひいては、充電性能に影響を与えることなく検出することが可能であり、充電経路に抵抗を挿入するなどの構成を有する発電検出方法と異なり、発電検出動作が充電性能の低下を招くことがないので、常時検出を行うことが可能となる。
【0056】
[2] 第2実施形態
上記第1実施形態においては、発電検出回路102は、発電部101の発電電圧と、蓄電装置104の高電位側端子電圧をそのまま比較していたが、本第2実施形態は、蓄電装置104の高電位側端子電圧に代えて、蓄電装置104の高電位側端子電圧+所定のオフセット電圧とすることにより、より確実に充電状態を検出する実施形態である。
【0057】
[2.1] 発電検出回路
[2.1.1] 発電検出回路の構成
図5に発電検出回路の周辺の回路構成例を示す。図5において、図3と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
図5においては、発電検出回路102Aと、発電検出回路102Aの周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103と、整流回路103から出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、を図示している。
発電検出回路102は、蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDに所定のオフセット電圧を加算して第1オフセット端子電圧VOS1を出力する第1オフセット電圧加算回路OS1と、蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDに所定のオフセット電圧を加算して第2オフセット端子電圧VOS2を出力する第2オフセット電圧加算回路OS2と、発電部101の第1出力端子AG1の電圧V1と第1オフセット端子電圧VOS1とを比較して、第1比較結果データDC11を出力する第1コンパレータCOMP1と、発電部101の第2出力端子AG2の電圧V2と第2オフセット端子電圧VOS2とを比較して、第2比較結果データDC12を出力する第2コンパレータCOMP2と、第1比較結果データDC1と第2比較結果データDC2の論理和をとって、発電検出データDDET1として出力するOR回路OR1と、を備えて構成されている。
【0058】
ここで、コンパレータCOMP1、COMP2について説明する。
コンパレータCOMP1、COMP2は、オフセット電圧加算回路OS1、OS2によってレベルシフトされた電圧を入力する構成となっているが、このような構成は、図13における入力トランジスタ213、214のしきい値電圧Vthを異ならせることでも可能である。
詳細には、負入力端(−)側のトランジスタ213のしきい値電圧Vthを、正入力端(+)側のトランジスタ214のそれよりも大きくすれば、図5におけるオフセット電圧加算回路OS1、OS2と同等の作用効果を実現できる。
この場合において、入力トランジスタ213、214のしきい値電圧Vthを異ならせるには、トランジスタサイズを変えることによって可能である。具体的には、入力トランジスタ213のゲート幅を入力トランジスタ214のゲート幅より狭くすることで、入力トランジスタ213のしきい値電圧Vthを上げることができる。さらに、不純物の打ち込みなどのプロセス的な方法などによっても入力トランジスタ213、214のしきい値電圧Vthを異ならせることが可能である。
【0059】
また、図14に示すように、同一サイズ、同一能力のトランジスタを並列に接続することによりトランジスタ213あるいはトランジスタ214と等価な回路を実現することができる。すなわち、トランジスタ213に代えて、同一サイズ、同一能力の二つのトランジスタ213A、213Bを並列接続し、トランジスタ214に代えて同一サイズ、同一能力のトランジスタ214A、214B、214Cを並列接続する。
このような構成とすることにより、正入力端(+)側の方が差動対トランジスタの能力が高くなり、負入力端(−)側の端子電圧を正入力端(+)側の電圧よりも高くしないとトランジスタ214A、214B、214Cはオン状態とならず、コンパレータ出力が反転することはない。
【0060】
コンパレータにおける検出動作としては、例えば、正入力端(+)側を基準として、正入力端(+)側に高電位側電圧Vddを印加した場合、負入力端(−)側に電圧Vddよりも電圧αだけ高位の電圧Vdd+α以上の電圧を印加した場合にのみ、コンパレータは反転して"L"レベルを出力することとなる。
次に発電検出回路の動作について説明する。
発電部101が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。また、オフセット電圧VOS1、VOS2は、整流素子RE1、RE2の順方向電圧VFに基づいて設定される。すなわち、順方向電圧VFが比較的大きいダイオードで整流を行う場合では、オフセット電圧は数100[mV]程度に設定され、順方向電圧VFが比較的小さいトランジスタで能動整流を行う場合は、オフセット電圧は数10[mV]程度に設定される。
【0061】
そして、出力端子AG1の端子電圧V1が、出力端子AG2の電圧V2よりも所定電圧以上高くなり、さらに出力端子AG1の電圧が第1オフセット電圧VOS1(=蓄電装置104の高電位側端子電圧VDD+オフセット電圧)よりも高くなると、第1整流素子RE1および第4整流素子RE4が導通状態となる。
このとき、出力端子AG1の電圧は蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDよりも高くなっているので、「端子AG1→第1整流素子RE1→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4整流素子RE4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
そして、第1コンパレータCOMP1の出力する第1比較結果データDC11は“H”レベルとなる。
この結果、OR回路OR1の出力する発電検出データDDET1は“H”レベルとなり、充電が検出されることとなる。
【0062】
同様にして、出力端子AG2の端子電圧V2が、蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDよりも高くなると、第2整流素子RE2および第3整流素子RE3が導通状態となる。
このとき、出力端子AG2の電圧が蓄電装置104の高電位側端子電圧VDDよりも高くなり、さらに第2オフセット電圧VOS2(=蓄電装置104の高電位側端子電圧VDD+オフセット電圧)よりも高くなると、「端子AG2→第2整流素子RE2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3整流素子RE3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
そして、第2コンパレータCOMP2の出力する第2比較結果データDC2は“H”レベルとなる。
この結果、OR回路OR1の出力する発電検出データDDET1は“H”レベルとなり、充電が検出されることとなる。
また、上記と同様の効果を得るためのオフセット電圧を設ける方法としては、発電部101の出力端子側の電圧からオフセット電圧分の電圧を減算してからコンパレータに入力し、蓄電装置の高電位側電源VDDの電圧と比較するように構成したり、コンパレータにおいて、入力された二つの電圧のいずれか一方をオフセット電圧に相当するだけオフセットするように構成しても良いし、二つの入力端子の比較レベルをオフセット電圧に相当するだけオフセットするように構成することも可能である。
【0063】
[2.2] 第2実施形態の効果
以上の説明のように本第2実施形態によれば、あるレベル以上の発電電流が流れた場合を検出するため、より確実に発電状態を検出し、充電状態における悪影響を防止するための対策を確実にすることが可能となるとともに、不必要に対策を施すことがなくなり、消費電力を低減することが可能となる。
また、第2実施形態の構成は、発電電圧を検出するための構成であり、発電電流、ひいては、充電性能に影響を与えることなく検出することが可能であり、充電経路に抵抗を挿入するなどの構成を有する発電検出方法と異なり、発電検出動作が充電性能の低下を招くことがないので、常時検出を行うことが可能となる。
【0064】
[3] 第3実施形態
次に発電検出回路のより具体的な第3実施形態について図6ないし図8を参照して説明する。
[3.1] 発電検出回路周辺の構成
図6に第3実施形態の発電検出回路の周辺の回路構成例を示す。
図6においては、発電検出回路102Bと、発電検出回路102Bの周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電部101から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路103Bと、整流回路103Bから出力される直流電流により蓄電する蓄電装置104と、を図示している。
発電検出回路102Bは、後述の第1コンパレータCOMP11及び第2コンパレータCOMP12の出力の論理積の否定をとって原発電検出データDDET10として出力するNAND回路201と、原発電検出データDDET10の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出データDDET11として出力する平滑化回路202と、を備えて構成されている。
【0065】
平滑化回路202は、図7に示すように、抵抗R1と、抵抗R1の出力側端子と低電位側電源VTKNとの間に接続されたコンデンサC1と、を備えて構成されている。
整流回路103Bは、発電部101の一方の出力端子AG1の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第1トランジスタQ1のオン/オフ制御を行って能動整流を行わせるための第1コンパレータCOMP11と、発電部101の他方の出力端子AG2の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第2トランジスタQ2を第1トランジスタと交互にオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第2コンパレータCOMP12と、発電部101の端子AG2の端子電圧V2が予め定めた閾値電圧を越えるとオン状態となる第3トランジスタQ3と、発電部101の端子AG1の端子電圧V1が予め定めた閾値電圧を越えるとオン状態となる第4トランジスタQ4と、を備えて構成されている。
整流用に用いられるこれらの第1〜第4トランジスタQ1〜Q4と並列に接続されているダイオードdは、整流用のトランジスタQ1〜Q4のオン/オフを制御するのに十分な電源電圧がないときに整流を行うためのものであり、ショットキーダイオードを外付けで接続してもよいし、寄生ダイオードを使えば、すべての回路の集積化が可能である。
【0066】
[3.2] 充電時の動作
まず、充電動作について説明する。
発電部101が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。
出力端子AG1の端子電圧V1が閾値電圧を越えると、第4トランジスタQ4がオン状態となる。この後、端子電圧V1が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第1コンパレータCOMP11の出力は“L”レベルとなり、第1トランジスタQ1がオンすることとなる。
一方、出力端子AG2の端子電圧V2は閾値電圧を下回っているので、第3トランジスタQ3はオフ状態であり、端子電圧V2は電源VDDの電圧未満であり、第2コンパレータCOMP12の出力は“H”レベルであり、第2トランジスタQ2はオフ状態である。
【0067】
したがって、第1トランジスタQ1がオン状態となる期間において、「端子AG1→第1トランジスタ→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4トランジスタQ4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電される。
この後、端子電圧V1が下降すると、出力端子AG1の端子電圧V1は電源VDDの電圧未満となり、第1コンパレータCOMP11の出力が“H”レベルとなって、第1トランジスタQ1はオフ状態となり、出力端子AG1の端子電圧V1は第4トランジスタQ4の閾値電圧を下まわることとなり、トランジスタQ4もオフ状態となる。
一方、出力端子AG2の端子電圧V2が閾値電圧を越えると、第3トランジスタQ3がオン状態となる。この後、端子電圧V2がさらに上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第2コンパレータCOMP2の出力は“L”レベルとなり、第2トランジスタQ2がオンすることとなる。
したがって、第2トランジスタQ2がオン状態となる期間において、「端子AG2→第2トランジスタQ2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3トランジスタQ3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電されることとなる。
【0068】
上述したように、発電電流が流れる際には、第1コンパレータCOMP11あるいは第2コンパレータCOMP12の出力はいずれかが“L”レベルとなっている。
そこで、発電検出回路102AのNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP12の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で“H”レベルの原発電検出データDDET10を平滑化回路202に出力することとなる。
この場合において、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出データDDET11として出力するのである。
【0069】
[3.3] 発電検出回路の具体的動作例
次に第3実施形態の発電検出回路の動作を図8のタイミングチャートを参照して説明する。
発電部101が時刻t0から発電を開始し、時刻t1において、出力端子AG2の電圧が高電位側電源VDDの電圧を超過すると、第2コンパレータCOMP12の出力は“L”となり、第2トランジスタQ2はオン状態となる。
これにより、上述したように、「端子AG2→第2トランジスタQ2→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第3トランジスタQ3」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電されることとなる。
一方、時刻t1においては、出力端子AG1の電圧は低電位側電源VTKNの電圧未満となっているので、第1コンパレータCOMP11の出力は相変わらず“H”のままである。
これらの結果、NAND回路201の一方の入力端子は“L”、他方の入力端子は“H”となり、原発電検出データDDET10は“H”レベルとなる。
平滑回路202に入力された“H”レベルの原発電検出データDDET10は、平滑化され、時刻t2において、発電検出データDDET11を“H”レベルとし、充電状態にある旨が通知されることとなる。
【0070】
その後、時刻t3において、出力端子AG2の電圧が高電位側電源VDDの電圧未満となり、第2コンパレータCOMP12の出力は再び、“H”レベルとなり、NAND回路201の双方の入力端子は“H”レベルとなる。
この結果、原発電検出データDDET10は“L”レベルとなるが、平滑回路202の作用により相変わらず、発電検出データDDET11は“H”レベルのまま維持される。
時刻t4において、今度は出力端子AG1の電圧が高電位側電源VDDの電圧を超過すると、第1コンパレータCOMP11の出力は“L”となり、第1トランジスタQ1はオン状態となる。
これにより、上述したように、「端子AG1→第1トランジスタQ1→電源VDD→蓄電装置104→電源VTKN→第4トランジスタQ4」の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104に電荷が充電されることとなる。
一方、時刻t4においては、出力端子AG2の電圧は低電位側電源VTKNの電圧未満となっているので、第2コンパレータCOMP12の出力は相変わらず“H”のままである。
これらの結果、NAND回路201の一方の入力端子は“L”、他方の入力端子は“H”となり、原発電検出データDDET10は“H”レベルとなる。
平滑回路202に入力された“H”レベルの原発電検出データDDET10は、平滑化され、発電検出データDDET11を“H”レベルのまま保持する。
【0071】
その後、時刻t5において、出力端子AG1の電圧が高電位側電源VDDの電圧未満となり、第1コンパレータCOMP11の出力は再び、“H”レベルとなり、NAND回路201の双方の入力端子は“H”レベルとなる。
この結果、原発電検出データDDET10は“L”レベルとなるが、平滑回路202の作用により相変わらず、発電検出データDDET11は“H”レベルのまま維持される。
次に、時刻t6〜時刻t9においては、時刻t1〜時刻t5までの動作と同様の動作が行われる。
この場合において、平滑回路202の作用により相変わらず、発電検出データDDET11は“H”レベルのまま維持される。
しかしながら、その後、発電部101は発電を中断することとなり、時刻t10において、発電検出データDDET11は“L”レベルとなり、充電が中断された旨が通知されることとなる。
【0072】
[3.4] 第3実施形態の効果
以上の説明のように本第3実施形態によれば、発電された交流電流を能動整流する場合においても、確実に充電状態を検出することが可能となる。
また、能動整流に用いるコンパレータを発電検出回路と共用することができ、回路の効率化を図ることができる。
【0073】
[4] 第4実施形態
第4実施形態は、本発明の発電検出回路を倍昇圧整流回路に適用した場合の具体的実施形態である。
[4.1] 発電検出回路周辺の構成
図9に第4実施形態の発電検出回路の周辺の回路構成例を示す。
図9においては、発電検出回路102Cと、発電検出回路102Cの周辺回路として、交流発電を行う発電部101と、発電部101から出力される交流電流を蓄電する昇圧用コンデンサCUPと、昇圧用コンデンサCUPを充電する際にオン状態となる第1トランジスタQ10と、昇圧用コンデンサCUPの出力端子AGの電圧が蓄電装置104の高電位側電源VDDの電圧を超過した場合にトランジスタQ10をオンすべく“L”レベルの出力信号を出力するコンパレータCOMP13と、蓄電装置104を充電する際にオン状態となる整流トランジスタQ11と、昇圧用コンデンサCUPの出力端子AGの電圧が蓄電装置104の低電位側電源VTKNの電圧よりも低くなった場合に整流トランジスタQ11をONすべく“H”レベルの原発電検出信号DDET20を出力するコンパレータCOMP14と、を図示している。
発電検出回路102Cは、第3実施形態における平滑化回路202と同様の構成であり、時定数が異なるだけである。
【0074】
ここで、図15を参照してるコンパレータCOMP14の構成について説明する。
図15に示されるように、コンパレータCOMP14は、一対の負荷トランジスタ231、232と、一対の入力トランジスタ233、234と、出力トランジスタ235と、定電流源236、237とから構成される。このうち、負荷トランジスタ231、232および出力トランジスタ235はNチャネル電界効果型であるが、入力トランジスタ233、234はPチャネル電界効果型である。そして、入力トランジスタ233、234の各ゲートが、それぞれコンパレータCOM3(COM4)の負入力端(−)、正入力端(+)となる一方、出力トランジスタ235のドレインが出力端OUTとなっている。
このようにコンパレータCOMP14は、高電位側電圧Vddに接続されるコンパレータCOMP1(COMP2)(図13参照)とは、全く逆極性で構成される。このコンパレータCOMP14においても、コンパレータCOMP1(COMP2)と同様に、入力トランジスタ233、234のしきい値電圧Vthを異ならせ、これによりオフセット電圧加算回路をそれらの内部に取り込むことが可能である。
【0075】
詳細には、負入力端(−)側のトランジスタ233のしきい値電圧Vthを、正入力端(+)側のトランジスタ234のそれよりも絶対値で大きくすれば、図5におけるオフセット電圧加算回路OS1、OS2と同等の作用効果を実現できる。なお、入力トランジスタ233、234のしきい値電圧Vthを異ならせる方法は、図14に示したコンパレータCOMP1(COMP2)の場合と同様である。
また、本実施形態の場合も、図3の場合と同様に、全波整流を行う場合には、発電機101の出力端子AG1、AG2には、最大で蓄電装置104の電圧+0.6[V]程度の電圧しか発生しないため、コンパレータCOMP14として、低耐圧のデバイスを用いることが可能となる。よって、コンパレータCOMP14は時計用に一般的に使用されているICプロセスで製造可能となり、回路の小型化および低コスト化が可能となっている。
【0076】
[4.2] 充電時の動作
まず、充電動作について図10の動作タイミングチャートを参照して説明する。
賠償圧整流回路の充電動作は、大別すると、昇圧用コンデンサCUPの蓄電動作と、蓄電装置104の蓄電動作と、により構成されるが、以下、順次説明する。初期状態において、昇圧用コンデンサCUPの出力端子AGの電圧は、蓄電装置104の高電位側電源VDDの電圧未満であり、かつ、蓄電装置104の低電位側電源VTKNの電圧以上であるものとする。
時刻t0において、発電部101は発電を開始するが、初期状態において、昇圧用コンデンサCUPの出力端子AGの電圧は、蓄電装置104の高電位側電源VDDの電圧未満であり、かつ、蓄電装置104の低電位側電源VTKNの電圧以上であるので、コンパレータCOMP13は“H”レベルの出力信号を出力し、コンパレータCOMP14は“L”レベルの原発電検出データDDET20を出力する。
【0077】
従って、この時点では、トランジスタQ10はオフ、整流トランジスタQ11はオフとなっている。
時刻t1において、出力端子AGの電圧が蓄電装置104の高電位側電源VDDの電圧を超過すると、コンパレータCOMP13は“L”レベルの出力信号を出力し、トランジスタQ10はオンとなる。
この結果、昇圧用コンデンサCUPは蓄電されることとなる。
そして、時刻t2において、出力端子AGの電圧が再び蓄電装置104の高電位側電源VDDの電圧未満となると、コンパレータCOMP13は“H”レベルの出力信号を出力し、トランジスタQ10はオフとなって、昇圧用コンデンサCUPの蓄電動作は中断される。
時刻t3において、今度は、出力端子AGの電圧が蓄電装置104の低電位側電源VTKNの電圧未満となると、コンパレータCOMP14は“H”レベルの原発電検出データDDET20を出力する。
この結果、整流トランジスタQ11はオンとなり、発電部101→蓄電装置104→整流トランジスタQ11→昇圧用コンデンサCUP→発電部101の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104は、発電部101の発電電圧の2倍の電圧で充電がなされることとなる。
【0078】
一方、コンパレータCOMP14が“H”レベルの出力信号を出力したことにより、時刻t4において、発電検出データDDET21を“H”レベルとする。
その後、時刻t5において、出力端子AGの電圧が蓄電装置104の低電位側電源VTKNの電圧を超過すると、コンパレータCOMP14の原発電検出データDDET20は“L”レベルとなる。
しかしながら、発電検出回路102Cの平滑作用により相変わらず、発電検出データDDET21は“H”レベルのまま維持される。
の原発電検出データDDET20を出力する。
次に、時刻t6〜時刻t9においては、時刻t1〜時刻t5までの動作と同様の動作が行われる。
この場合において、発電検出回路102Cの平滑作用により相変わらず、発電検出データDDET21は“H”レベルのまま維持される。
時刻t10において、出力端子AGの電圧が再び蓄電装置104の高電位側電源VDDの電圧を超過すると、コンパレータCOMP13は“L”レベルの出力信号を出力し、トランジスタQ10はオンとなり、昇圧用コンデンサCUPは蓄電されることとなる。
【0079】
そして、時刻t11において、出力端子AGの電圧が再び蓄電装置104の高電位側電源VDDの電圧未満となると、コンパレータCOMP13は“H”レベルの出力信号を出力し、トランジスタQ10はオフとなって、昇圧用コンデンサCUPの蓄電動作は中断される。
時刻t12において、今度は、出力端子AGの電圧が蓄電装置104の低電位側電源VTKNの電圧未満となると、コンパレータCOMP14は“H”レベルの原発電検出データDDET20を出力する。
この結果、整流トランジスタQ11はオンとなり、発電部101→蓄電装置104→整流トランジスタQ11→昇圧用コンデンサCUP→発電部101の経路で発電電流が流れ、蓄電装置104は、発電部101の発電電圧の2倍の電圧で充電がなされることとなる。
その後、時刻t13において、出力端子AGの電圧が蓄電装置104の低電位側電源VTKNの電圧を超過すると、コンパレータCOMP14の原発電検出データDDET20は“L”レベルとなる。
しかしながら、その後、発電部101は発電を中断することとなり、時刻t14において、発電検出データDDET11は“L”レベルとなり、充電が中断された旨が通知されることとなる。
【0080】
[4.3] 第4実施形態の効果
以上の説明のように本第4実施形態によれば、発電された交流電流を2倍昇圧整流する場合においても、確実に充電状態を検出することが可能となる。
【0081】
[5] 第5実施形態
本第5実施形態が上記各実施形態と異なるのは、発電に伴う発電電流に代えてリミッタ回路動作時の発電に伴うリミッタ電流を検出することにより発電を検出する点である。
図11に第5実施形態の発電検出回路およびリミッタ回路を含む充電回路の構成を示す図である。
図11において、充電回路は、大容量コンデンサ104の充電電圧Vaを検出し、充電電圧Vaを基準電圧と比較し、充電電圧Vaが基準電圧以上となると、過充電を防止するためのリミッタ信号SLIM出力する検出回路151と、リミッタ信号SLIMに基づいてリミッタ信号SLIMの立ち上がりタイミングを遅延させた制御信号CS1と、立ち下がりタイミングを遅延させた制御信号CS2とを出力する制御回路152と、高電位側電源VDDの電圧と発電部101の出力端子AG1の端子電圧V1を比較し比較結果信号dを出力するコンパレータCMP1Aと、高電位側電源VDDの電圧と発電部101の出力端子AG2の端子電圧V2を比較し比較結果信号fを出力するコンパレータCMP1Bと、低電位側電源VTKNの電圧と発電部101の出力端子AG1の端子電圧V1を比較し比較結果信号hを出力するコンパレータCMP2Aと、低電位側電源VTKNの電圧と発電部101の出力端子AG2の端子電圧V2を比較し比較結果信号jを出力するコンパレータCMP2Bと、反転入力端子に供給される制御信号CS1および他方の入力端子に供給される比較結果信号dの論理積をとって駆動信号eを出力するAND回路153と、反転入力端子に供給される制御信号CS1および他方の入力端子に供給される比較結果信号fの論理積をとって駆動信号gを出力するAND回路154と、反転入力端子に供給される制御信号CS2および他方の入力端子に供給される比較結果信号hの論理積をとって駆動信号iを出力するAND回路155と、反転入力端子に供給される制御信号CS2および他方の入力端子に供給される比較結果信号jの論理積をとって駆動信号kを出力するAND回路156と、ソースが高電位側電源VDDに接続され、ドレインが出力端子AG1に接続され、駆動信号eによりオン/オフ制御されるPチャネルFETMP1と、ソースが高電位側電源VDDに接続され、ドレインが出力端子AG2に接続され、駆動信号gによりオン/オフ制御されるPチャネルFETMP2と、ソースが低電位側電源VSSに接続され、ドレインが出力端子AG1に接続され、駆動信号iによりオン/オフ制御されるNチャネルFETMN1と、ソースが低電位側電源VSSに接続され、ドレインが出力端子AG2に接続され、駆動信号kによりオン/オフ制御されるNチャネルFETMN2と、比較結果信号dおよび比較結果信号fに基づいて発電検出を行う発電検出回路158と、を備えて構成されている。
【0082】
次に発電検出時の動作を説明する。
リミッタ信号SLIMに対して、立ち上がりタイミングが遅延された制御信号CS1を、AND回路153,AND回路154の反転入力端に供給するとともに、立ち下がりタイミングを遅延した制御信号CS2を、AND回路155,AND回路156の反転入力端に供給することにより、NチャンネルFETMN1およびMN2のオフ時間を、PチャンネルFETMP1およびMP2のオン時間よりも長くなるように制御している。
より具体的には、リミッタ信号SLIMが“H”レベルになると、まず、NチャンネルFETMN1およびMN2をオフ状態とした後、PチャンネルFETMP1およびMP2をオン状態とする。
従って、リミッタオンの状態では、図11中、破線で示すように、リミッタ電流ILIMが流れる。
このとき、発電装置AGの出力端子AG1、AG2の端子電圧範囲VRNGは、PチャネルFETMP1、MP2のオン抵抗をRMPONとすると、
VRNG=VDD±(ILIM×RMPON)
となる。
【0083】
従って、発電電力の交流周期で、コンパレータCMP1AおよびコンパレータCMP1Bの出力は“L”レベルとなるので、発電を検出することができる。
[6] 第6実施形態
本第6実施形態は、発電検出回路を用いて、充電量を表示するための蓄電量インジケータ機能を実現する実施形態である。
図12に第6実施形態の概要構成ブロック図を示す。図12において、図2と同様の部分には同一の符号を付す。
第6実施形態の計時装置1Aは、交流電力を発電する発電部101と、発電部101で発電された交流電力による過大電圧が後段の回路に印加されるのを防止するためのリミッタ回路130と、交流電流を直流電流に変換する整流回路131と、整流された電力を蓄電する蓄電装置104と、発電部101の発電状態およびリミッタ回路130の動作状態に基づいて発電部101において蓄電装置104を充電可能な発電がなされているか否かを検出して、発電検出データDDTを出力する発電検出回路102と、蓄電装置104の蓄電電圧を検出する電圧検出回路132と、水晶振動子などの基準発振源133を用いて安定した周波数の基準パルスを発振する発振回路134と、基準パルスを分周して得た分周パルスと基準パルスとを合成してパルス幅やタイミングの異なるパルス信号、例えば、基準クロック信号SCKを発生する分周回路135と、蓄電装置104に蓄えられた電気エネルギーにより動作し、計時制御を行うべくモータ駆動パルスを出力する計時制御回路105と、モータ駆動パルスに基づいて実際にパルスモータ10を駆動する駆動信号を出力するモータ駆動回路109と、ユーザが各種指示等を行うための外部入力装置136と、発電検出データDDTおよび基準クロック信号SCKに基づいて蓄電装置104の蓄電量をユーザに告知するための蓄電量のカウントを行うアップダウンカウンタとして実現される蓄電量カウンタ137と、を備えて構成されている。
【0084】
この場合において、発電検出データDDTは、例えば、図6に示した原発電検出データDDET10に相当するものとなっている。
以下、蓄電量インジケータ機能を実現するための動作を説明する。
発電部101により発電がなされると、発電検出回路102は発電部101の発電状態およびリミッタ130回路の動作状態に基づいて蓄電装置104を充電可能な発電がなされているか否かを判別し、発電周期に応じた周波数を有する発電検出データDDTを蓄電量カウンタ137に出力する。
一方、発振回路134は、基準発振源133を用いて安定した周波数の基準パルスを発振すると、分周回路135は、基準パルスを分周して得た分周パルスと基準パルスとに基づいて基準クロック信号SCKを発生して、蓄電量カウンタ137に出力する。
これにより蓄電量カウンタ137は、発電検出データDDTによりアップカウントし、基準クロック信号SCKによりダウンカウントし、そのカウント値は、蓄電量に比例することとなる。
【0085】
すなわち、蓄電装置に対する充電量が多ければ、カウント値は増加し、充電量が放電量(=計時装置の駆動時間に比例)が多ければ、カウント値は減少する。これらの結果、外部入力装置136の操作により、蓄電量を秒針の早送り運針量、あるいは、秒針を所定時間の間、蓄電量表示位置に保持すること等によりユーザに蓄電量を告知することが可能となる。
なお、上記のような蓄電量告知方法に限らず、蓄電量カウンタ137のカウント値に対応する蓄電量を常時表示する蓄電量インジケータを設けるような構成とすることも可能である。
【0086】
[7] 実施形態の効果
上記各実施形態によれば、実際の充電状態にあわせて充電状態を確実に検出することができる。
従って、充電時における発電部(発電機)から発生する電磁ノイズレベルによるモータ駆動への悪影響や、二次電池の内部抵抗により発電電流に伴う電源電圧変動もあり回路動作への悪影響に対する対策を、当該悪影響が出る可能性が高い大電流時、すなわち、充電が可能な電流が流れる発電時のみ行うことができ、過度の対策による消費電流の増加を抑制して、電子機器の駆動時間を長くすることができる。
また、上記各実施形態の構成は、発電電圧を検出するための構成であり、発電電流、ひいては、充電性能に影響を与えることなく検出することが可能であり、充電経路に抵抗を挿入するなどの構成を有する発電検出方法と異なり、発電検出動作が充電性能の低下を招くことがないので、常時検出を行うことが可能となる。
【0087】
[8]実施形態の変形例
[8.1] 第1変形例
上記実施形態においては、アナログ指針を駆動して時刻表示を行う計時装置を例に説明しているが、LCDなどで時刻表示を行うディジタル計時装置に対しても適用できることはもちろんである。
【0088】
[8.2] 第2変形例
上記実施形態では、腕時計型の計時装置1を一例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、腕時計以外にも、携帯型の懐中時計、非携帯型の置き時計あるいは壁掛け時計などであっても適用が可能である。
【0089】
[8.3] 第3変形例
上記実施形態では、発電装置40として、回転錘45の回転運動をロータ43に伝達し、該ロータ43の回転により出力用コイル44に起電力Vgenを発生させる電磁発電装置を採用しているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、ゼンマイの復元力(第1のエネルギーに相当)により回転運動を生じさせ、該回転運動で起電力を発生させる発電装置や、外部あるいは自励による振動または変位(第1のエネルギーに相当)を圧電体に加えることにより、圧電効果によって電力を発生させる発電装置であってもよい。
さらに太陽光等の光エネルギー(第1のエネルギーに相当)を利用した光電変換により電力を発生させる発電装置であっても良い。
さらにまた、ある部位と他の部位との温度差(熱エネルギー;第1のエネルギーに相当)による熱発電により電力を発生させる発電装置であっても良い。
また、放送、通信電波などの浮遊電磁波を受信し、そのエネルギー(第1のエネルギーに相当)を利用した電磁誘導型発電装置を用いるように構成することも可能である。
【0090】
[8.4] 第4変形例
上記実施形態においては、基準電位(GND)をVdd(高電位側)に設定したが、基準電位(GND)をVTKN(低電位側)に設定してもよいことは勿論である。
【0091】
[8.5] 第5変形例
上記各実施形態においては、発電検出を行って、発電に伴う電子機器への悪影響を防止するための実施形態であったが、発電検出に伴って動作モードの制御を行うように構成することも可能である。
例えば、動作モードとして通常動作モードと節電動作モードとを有する電子機器においては、上記各実施形態の発電検出装置により発電が検出された場合には、動作モードを通常動作モードに移行し、発電検出装置により発電が検出されない場合には動作モードを節電動作モードに移行するように構成することも可能である。
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、発電部(発電機)から発生する電磁ノイズレベルによるモータ駆動への悪影響や、二次電池の内部抵抗に起因して発生する電源電圧変動による回路動作への悪影響を発生させる可能性がある発電電流が流れる発電状態を確実に検出することができ、充電に伴う悪影響への対策を充電が可能な電流が流れる実際の充電時のみ行うことができ、過度の対策による消費電流の増加を抑制して、電子時計の駆動時間を長くすることができる。
【0093】
また、発電電流を蓄電装置への充電経路を迂回する迂回路に流すようなリミッタ回路等が動作している場合においても、迂回路に迂回電流が流れる状態を確実に検出し、発電に伴う電子時計への悪影響を回避するための処理を適切に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る計時装置の概略構成を示す図である。
【図2】 同実施形態に係る制御部とその周辺構成の機能ブロック図である。
【図3】 第1実施形態の発電検出回路の構成図である。
【図4】 実施形態の動作フローチャートである。
【図5】 第2実施形態の発電検出回路の構成図である。
【図6】 第3実施形態の発電検出回路の構成図である。
【図7】 平滑回路の一例を示す図である。
【図8】 第3実施形態の動作タイミングチャートである。
【図9】 第4実施液体の発電検出回路の構成図である。
【図10】 第4実施形態の動作タイミングチャートである。
【図11】 第5実施形態の概要構成ブロック図である。
【図12】 第6実施形態の概要構成ブロック図である。
【図13】 第1実施形態におけるコンパレータの詳細構成図である。
【図14】 第2実施形態におけるコンパレータの詳細構成図である。
【図15】 第4実施形態におけるコンパレータの詳細構成図である。
【図16】 半波整流を行う場合の実施形態の説明図である。
【符号の説明】
1…計時装置
23…制御回路
24…駆動制御回路
30S…秒針駆動部
30HM…時分針駆動部
40…発電装置
45…回転錘
104…蓄電装置(大容量コンデンサ)
113…昇降圧回路
90…モード設定部
91…発電状態検出部
93…中央制御回路
94…モード記憶部
95…設定値切換器
97…発電検出回路
98…第2の検出回路
101…発電部
102、102A、102B、102C…発電検出回路
Claims (14)
- 蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計において、
一対の出力端子を有し第1のエネルギーを変換することによって得られる電気エネルギーを前記蓄電装置へ蓄電するための発電装置と、
前記発電装置による発電を検出する発電検出回路と、
前記モータの駆動制御を行う制御部と、
を備え、
前記発電検出回路は、
前記発電装置の出力端子の電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、
前記比較結果信号に基づいて前記出力端子の電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を有し、
前記制御部は、
前記発電検出信号が前記発電検出回路から入力された場合に、
前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止する第1の処理と、
前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスの出力を停止する第2の処理と、
前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動する第3の処理と、
前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力する第4の処理と、
デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開する第5の処理と、
を順次行う
ことを特徴とする電子時計。 - 蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計において、
第1出力端子及び第2出力端子を有する交流発電装置であって、第1のエネルギーを変換することによって得られる電気エネルギーを前記蓄電装置へ蓄電するための発電装置と、
前記発電装置による発電を検出する発電検出回路と、
前記モータの駆動制御を行う制御部と、
を備え、
前記発電検出回路は、
前記第1出力端子の端子電圧である第1出力端子電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、第1比較結果信号を出力する第1の比較手段と、
前記第2出力端子の端子電圧である第2出力端子電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、第2比較結果信号を出力する第2の比較手段と、
前記第1比較結果信号および前記第2比較結果信号に基づいて、前記第1出力端子電圧あるいは前記第2出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を有し、
前記制御部は、
前記発電検出信号が前記発電検出回路から入力された場合に、
前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止する第1の処理と、
前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止する第2の処理と、
前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動する第 3の処理と、
前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力する第4の処理と、
デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開する第5の処理と、
を順次行う
ことを特徴とする電子時計。 - 蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計において、
一対の出力端子を有し第1のエネルギーを変換することによって得られる電気エネルギーを前記蓄電装置へ蓄電するための発電装置であって、一方の出力端子に昇圧用蓄電装置が接続されている発電装置と、
前記発電装置による発電を検出する発電検出回路と、
前記モータの駆動制御を行う制御部と、を備え、
前記発電検出回路は、
前記昇圧用蓄電装置の蓄電電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較し、比較結果信号を出力する比較手段と、
前記比較結果信号に基づいて前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧を上回る場合に、前記蓄電装置を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する発電検出手段と、を有し、
前記制御部は、
前記発電検出信号が前記発電検出回路から入力された場合に、
前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止する第1の処理と、
前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止する第2の処理と、
前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動する第3の処理と、
前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力する第4の処理と、
デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開する第5の処理と、
を順次行う
ことを特徴とする電子時計。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子時計において、
前記比較手段は、二つの入力電圧のうち、いずれか一方の電圧を予め定めた所定量だけオフセットさせた電圧と、他方の電圧とを比較することを特徴とする電子時計。 - 請求項4に記載の電子時計において、
前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧は、前記蓄電装置の端子電圧に予め定めた所定のオフセット電圧を加えた電圧であることを特徴とする電子時計。 - 請求項2に記載の電子時計において、
前記発電検出手段は、
前記第1比較結果信号と前記第2比較結果信号の論理積をとって原発電検出信号として出力するAND手段と、
前記原発電検出信号を平滑化して、前記発電検出信号として出力する平滑化手段と、
を備えたことを特徴とする電子時計。 - 請求項2に記載の電子時計において、
前記発電検出手段は、
前記第1比較結果信号と前記第2比較結果信号の論理和をとって原発電検出信号として出力するOR手段と、
前記原発電検出信号を平滑化して、前記発電検出信号として出力する平滑化手段と、
を備えたことを特徴とする電子時計。 - 請求項1、2または6〜7のいずれかに記載の電子時計において、
前記蓄電装置の充電電圧を検出する充電電圧検出手段と、
前記充電電圧検出手段により検出された充電電圧が予め定めた所定の電圧を上回る場合には、一方の前記出力端子から流れ込む充電電流を前記蓄電装置への充電経路を迂回する迂回経路を介して、他方の前記出力端子に供給することによって一対の前記出力端子を介して閉ループを形成する閉ループ形成手段と、を備え、
前記充電電流は、前記迂回路を流れる迂回電流であり、
前記発電検出手段は、
前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に前記迂回電流が流れ得る状態に相当する発電検出信号を出力する
ことを特徴とする電子時計。 - 一対の出力端子を有する発電装置にて第1のエネルギーを変換することによって得られた電気エネルギーを蓄電装置へ蓄電するとともに、前記蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計の駆動制御方法において、
前記発電装置の出力端子の電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較する比較工程と、
前記比較工程における比較の結果に基づいて前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する旨を検出する発電検出工程と、
を含み、
前記充電電流が流れ得る状態に相当する旨が前記発電検出工程にて検出された場合に、
前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止するステップと、
前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止するステップと、
前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動するステップと、
前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力するステップと、
デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開するステップと、
を前記電子時計に順次実行させる
ことを特徴とする駆動制御方法。 - 第1出力端子及び第2出力端子を有する交流発電装置である発電装置にて第1のエネルギーを変換することによって得られた電気エネルギーを蓄電装置へ蓄電するとともに、前記蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計の駆動制御方法において、
前記第1出力端子の端子電圧である第1出力端子電圧と、前記発電装置において第1のエネルギーを変換することにより得られる電気エネルギーを蓄電する蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較する第1の比較工程と、
前記第2出力端子の端子電圧である第2出力端子電圧と前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧とを比較する第2の比較工程と、
前記第1の比較工程および前記第2の比較工程における比較の結果に基づいて前記第1出力端子電圧あるいは前記第2出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する旨を検出する発電検出工程と、
を含み、
前記充電電流が流れ得る状態に相当する旨が前記発電検出工程にて検出された場合に、
前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止するステップと、
前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止するステップと、
前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動するス テップと、
前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力するステップと、
デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開するステップと、
を前記電子時計に順次実行させる
ことを特徴とする駆動制御方法。 - 一対の出力端子を有する発電装置にて第1のエネルギーを変換することによって得られた電気エネルギーをその一方の出力端子に接続されている昇圧用蓄電装置を介して蓄電装置へ蓄電するとともに、前記蓄電装置に蓄電された電気エネルギーによりモータを駆動して時刻表示を行う電子時計の駆動制御方法において、
前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧と前記昇圧用蓄電装置の蓄電電圧とを比較する比較工程と、
前記比較の結果に基づいて前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧を上回る場合に、前記蓄電手段を充電するための充電電流が前記発電装置から前記蓄電装置へ流れ得る状態に相当する旨を検出する発電検出工程と、
を含み、
前記充電電流が流れ得る状態に相当する旨が前記発電検出工程にて検出された場合に、
前記モータを通常駆動させるための通常駆動パルスのデューティダウンを制御するためのデューティダウンカウンタをリセットまたはそのカウントダウンを停止するステップと、
前記モータの回転を検出するための回転検出用パルスに出力を停止するステップと、
前記通常駆動パルスよりも実効電力が大きい補正駆動パルスで前記モータを駆動するステップと、
前記補正駆動パルスとは逆極性の消磁パルスを出力するステップと、
デューティダウンカウンタのカウントダウンを再開するステップと、
を前記電子時計に順次実行させる
ことを特徴とする駆動制御方法。 - 請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の駆動制御方法において、
前記比較工程においては、二つの入力電圧のうち、いずれか一方の電圧を予め定めた所定量だけオフセットさせた電圧と、他方の電圧とを比較することを特徴とする駆動制御方法。 - 請求項12記載の駆動制御方法において、
前記蓄電装置の端子電圧に対応する所定の電圧は、前記蓄電装置の端子電圧に予め定めた所定のオフセット電圧を加えた電圧に設定することを特徴とする駆動制御方法。 - 請求項9または10のいずれかに記載の駆動制御方法において、
前記蓄電装置の充電電圧を検出する充電電圧検出工程と、
前記充電電圧検出工程において、検出された充電電圧が予め定めた所定の電圧を上回る場合には、一方の前記出力端子から流れ込む充電電流を前記蓄電装置への充電経路を迂回する迂回経路を介して、他方の前記入力端子に供給することによって一対の前記出力端子を介して閉ループを形成する閉ループ形成工程と、を備え、
前記充電電流は、前記迂回路を流れる迂回電流であり、前記発電検出工程においては、前記出力端子電圧が前記蓄電装置の端子電圧を上回る場合に前記迂回電流が流れ得る状態である旨を検出する
ことを特徴とする駆動制御方法。
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